JP3850784B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、薄くて割れやすい半導体基板により形成された太陽電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光のような光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池は、地球環境問題に対する関心が高まるにつれ、積極的に種々の構造・構成のものが開発されている。その中でも、シリコンなどの半導体基板を用いた太陽電池は、その変換効率、製造コストなどの優位性により最も一般的に用いられている。
【0003】
太陽電池用の半導体シリコン基板は、内周刃スライサ、外周刃スライサ、ワイヤーソーなどを用いて、単結晶または多結晶の半導体インゴットから通常300〜350μm程度の厚さに切り出される。太陽電池は、基本的に半導体シリコン基板の受光面となる側(表面)にpn接合を形成し、その上に光の入射を増大させるための反射防止膜、電流を取り出すための表面電極を形成し、受光面の反対面となる裏面にも電流を取り出すための裏面電極を形成することにより製造される。
【0004】
図5は、従来の太陽電池の一例を示す模式図であり、(a)は受光面となる側(表面)の平面図、(b)は裏面の平面図、(c)は(a)におけるX−X断面図である。このような太陽電池の大きさは、例えば、125mm×125mm、厚さ350μmである。
【0005】
図5の太陽電池1は、次のようにして製造される。
まず、アルカリエッチングにより、p型シリコン基板1aのスライス時に形成されたダメージ層を除去する。次に、公知の技術により、p型シリコン基板1aの表面にリンなどのn型の不純物を拡散させ、pn接合をp型シリコン基板1aの表面近傍に形成する。さらに、この上にCVD法などにより、SiO2などの反射防止膜(図示せず)を形成する。一方、p型シリコン基板1aの裏面上に、スクリーン印刷法などにより、Alペーストを印刷・焼成し、p+層(p型の高濃度不純物層[BSF(Back Surface Field)層])と裏面集電電極1cを形成する。BSF層があると、裏面での少数キャリアを有効に利用できるため、高出力化が図れる。次いで、p型シリコン基板1aの表面および裏面に、スクリーン印刷法などにより、Agペーストを印刷・焼成し、p型シリコン基板1aの表面に集電用および接続用の表面電極1bと、p型シリコン基板1aの裏面に接続用の裏面電極1dを形成する。その後、はんだディップにより、表面電極1bおよび裏面電極1dの表面にはんだ層1eを形成する。
【0006】
Alペースト焼成電極は、通常、通常Al粉末、ガラスフリット、樹脂、溶剤および添加物から構成されるAlペーストを、電極を形成する基材に印刷後、例えば、空気中、700℃で2分間焼成することによって形成される。
また、Agペースト焼成電極は、通常Ag粉末、ガラスフリット、樹脂、溶剤および添加物から構成されるAgペーストを、電極を形成する基材に印刷後、例えば、空気中、600℃で2分間焼成することによって形成される。
【0007】
太陽電池モジュールは、上記のようにして得られた太陽電池の複数個を、直列、並列または直並列に接続し、封止処理などを施すことにより製造される。
具体的には、導電性の金属板からなるインターコネクタにより複数の太陽電池を接続し、太陽電池がアレイ状に配列された太陽電池ストリングを構成し、この太陽電池ストリングの表面側および裏面側にそれぞれガラス板および裏面フィルムを透明樹脂で接合し、太陽電池ストリングの回路の両端から外部に電流を取り出すための端子を引き出すことにより、太陽電池モジュールが得られる。
【0008】
しかし、太陽電池モジュールの製造過程において、太陽電池の構成基材であるシリコン基板が割れやすいという問題があった。そこで、金属板、アクリル樹脂またはフッ素樹脂からなる保護板を太陽電池の裏面に貼り付けて、太陽電池を補強する技術が提案された(例えば、特許文献1参照)
【0009】
【特許文献1】
特開昭61−108178号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、太陽電池の構成材料は、熱または薬液に対して十分な強度がないため、上記の従来技術によって太陽電池を製造する場合には、太陽電池の完成後に保護板を貼り付けることになる。したがって、上記の従来技術では、太陽電池の製造工程における割れは解消されない。また、太陽電池の完成後における保護板の貼り付け工程において太陽電池が割れるという問題は依然として解消されない。
【0011】
また、太陽電池の厚さは一般に350μm程度であるが、半導体インゴットからの基板の取れ数を増やしてコストの低減化を図るために、更なる太陽電池の薄型化が望まれている。しかし、半導体インゴットからの基板の取れ数を増やして基板を薄くすると、基板の割れの発生率はさらに高まる。
【0012】
そこで、本発明は、太陽電池およびそれを用いた太陽電池モジュールの製造工程において割れ難く、しかも製造コストの低い太陽電池およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、受光面側の表面電極、pn接合を有する半導体基板および裏面電極を少なくとも具備する太陽電池において、裏面電極側に溶融シリカ質焼結体層を設けることにより、太陽電池およびそれを用いた太陽電池モジュールの製造工程において割れ難く、しかも製造コストの低い太陽電池が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0016】
かくして、本発明によれば、受光面側の表面電極、pn接合を有する半導体基板および裏面電極を少なくとも具備する太陽電池の製造方法であって、半導体基板の裏面電極側にAlペーストおよび/またはAgペーストを塗布し、その上に溶融シリカ質焼結体層を貼り付けた後、Alペーストおよび/またはAgペーストを焼成する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の太陽電池は、受光面側の表面電極、pn接合を有する半導体基板および裏面電極を少なくとも具備する太陽電池であって、裏面電極側に溶融シリカ質焼結体層が設けられていることを特徴とする。
以下、本発明の太陽電池の構成およびその製造方法を、実施形態1〜4に基づいて具体的に説明するが、これらの説明により本発明が限定されるものではない。
【0019】
実施形態1
図1は、本発明の太陽電池(実施形態1)を示す模式図であり、(a)は受光面となる側(表面)の平面図、(b)は裏面の平面図、(c)は(a)におけるX−X断面図である。この太陽電池1は、pn接合を有する半導体基板(シリコン基板)1aを含み、その表面(受光面側)には、表面電極1bとして慣用的な電流収集用のくし型Ag電極が形成されている。また、半導体基板1aの裏面は、裏面集電電極(Al電極)1cに覆われ、その上に溶融シリカ質焼結体層2が形成され、太陽電池1が補強されている。図中、1eははんだ層である。なお、裏面電極1d(図示せず)は、例えば、裏面周辺部において溶融シリカ質焼結体層2が形成されていない半導体基板1aまたは裏面集電電極1cの部分、好ましくはその両方に重なるように形成される。
【0020】
図1では、半導体基板として、単結晶のシリコン基板を使用した例を示したが、これに限定されず、太陽電池を形成するための基板であればよく、例えば、多結晶のシリコン基板やGe基板、GaP、InPなどの化合物半導体基板が挙げられる。その厚さは、100〜500μm程度である。
半導体インゴットから切り出された半導体基板は、表面清浄化のために、予め混酸(フッ酸と硝酸との混酸)エッチングと純水リンスに付すのが好ましい。
半導体基板はpn接合を有するが、これは、第1導電型の半導体基板の表面側に第2導電型の受光面不純物拡散領域が形成されていることを意味する。ここで、第1導電型がn型の場合には、第2導電型はp型であり、第1導電型がp型の場合には、第2導電型はn型である。
【0021】
p型を与える不純物としては、ホウ素、アルミニウムなどが挙げられ、n型を与える不純物としては、リン、砒素などが挙げられる。
半導体基板には、p型n型ともに比抵抗で0.1〜10Ω・cmのシリコン基板が使用される。
【0022】
半導体基板の表面側には、特開平7−135333号公報などの公知の方法により第2導電型の不純物が拡散され、第2導電型の受光面不純物拡散領域が形成される。この領域は、面抵抗が数十Ω程度の範囲に形成されるのが好ましい。
【0023】
図1では、受光面側の表面電極として、従来の技術で示した慣用的な電流収集用のくし型Ag電極を使用した例を示したが、これに限定されず、一般に太陽電池に用いられる材質、形状およびパターン形状の電極であればよい。裏面集電電極について後述するAgペーストと同じ方法で形成される。他の例として、例えば、Ag/Pd/Ti積層金属からなる電極が挙げられ、蒸着法、スパッタ法などの公知の方法により形成することができる。
表面電極の形状は、四角形、楕円などが挙げられる。また、そのパターン形状は、くし型以外に格子形、フィシュボーン形が挙げられ、パターンの大きさ、配置ピッチは、使用する半導体基板の導電率、厚さなどのパラメータにより適宜設計すればよい。その膜厚は、数〜数十μm程度である。
【0024】
なお、受光面不純物拡散領域において、表面電極が形成されていない部分には、通常、SiN膜のような反射防止膜が形成される。反射防止膜は、プラズマCVD法などの公知の方法により形成することができ、その膜厚は、0.05〜0.1μm程度である。
【0025】
本発明の太陽電池における最大の特徴は、裏面電極側に溶融シリカ質焼結体層が設けられていることにある。
図1に示すように、溶融シリカ質焼結体層2は、裏面集電電極1cを介して半導体基板1aに設けられているのが好ましい。その厚さは、50〜200μm程度が好ましい。裏面集電電極は、溶融シリカ質焼結体層と半導体基板との接着層の役割を果たす。
【0026】
溶融シリカ質焼結体層となる焼結体は、公知の方法、例えば、特公平1−54301号公報および特開平10−265259号公報に記載の方法で形成されたものを用いることができる。
具体的には、溶融シリカ質焼結体層は、溶融シリカを主骨材とする配合物を、鋳込み成形などにより所定の形状に成形し、温度1050〜1250℃で、0.5〜20時間焼成することにより得られる。配合物には、機械的強度を向上させるために、溶融シリカ100重量%に対して5重量%以下の金属粉末が添加されていてもよい。また、溶融シリカ質焼結体層を緻密化するために、水蒸気雰囲気下で焼成したものでもよい。
【0027】
裏面集電電極は、Alペースト焼成電極またはAgペースト焼成電極であるのが好ましい。
図1の太陽電池における裏面集電電極と溶融シリカ質焼結体層は、半導体基板の裏面電極側にAlペーストまたはAgペーストを塗布し、その上に溶融シリカ質焼結体層を貼り付けた後、AlペーストまたはAgペーストを焼成する工程により形成することができる。
AlペーストおよびAgペーストは、スクリーン印刷法などの公知の方法により塗布することができる。
Alペーストは、通常、通常Al粉末、ガラスフリット、樹脂、溶剤および添加物から構成され、その焼成条件は、例えば、空気中、650〜750℃程度で1〜5分間程度である。また、Agペーストは、通常Ag粉末、ガラスフリット、樹脂、溶剤および添加物から構成され、その焼成条件は、例えば、空気中、550〜650℃程度で1〜5分間程度である。
また、従来技術で示したように、裏面集電電極1cがAl電極の場合、その下部の半導体基板1aに高濃度のp型層(p+層)が形成されるため、太陽電池の高出力化が図れる。
【0028】
裏面電極は、上述のAgペーストの条件で形成され、特開2000−133826号公報などの公知の方法により、裏面周辺部において溶融シリカ質焼結体層2が形成されていない半導体基板1aまたは裏面集電電極の部分、好ましくはその両方に重なるように形成される。また、裏面電極上には、さらにはんだ層が設けられていてもよい。
【0029】
また、はんだ層は、はんだディップなどの公知の方法により、表面電極表面に形成される。その膜厚は、1〜10μm程度である。はんだ層は、太陽電池のシリーズ抵抗となる電気抵抗を低下させ、あるいは太陽電池セル接続を容易にさせる。
【0030】
このようにして補強された本発明の太陽電池は、溶融シリカ質焼結体層の貼り付け工程以降の太陽電池の製造工程において、基板の強度を増大させる効果を有し、さらには太陽電池モジュールの製造工程中に太陽電池にかかる熱応力や機械的外力に対して、太陽電池の強度を増大させる効果を有する。
また、溶融シリカ質焼結体は、機械的強度、耐熱衝撃性および耐食性に優れた安定な材料であるので、太陽電池の信頼性を低下させることはない。さらに、溶融シリカ質焼結体層は、太陽電池の製造工程における熱処理工程、薬液処理工程に耐えるため、溶融シリカ質焼結体層の貼り付け工程を、全体の工程の初期から導入することができ、工程の初期から半導体基板の割れを防止することができる。
【0031】
実施形態2
図2は、本発明の太陽電池(実施形態2)を示す模式図であり、(a)は受光面となる側(表面)の平面図、(b)は裏面の平面図、(c)は(a)におけるX−X断面図である。この太陽電池1は、図1の太陽電池の構成と殆ど同様であるが、溶融シリカ質焼結体層2が開口部3を有し、この開口部に対応する太陽電池1の裏面に、裏面電極(Ag電極)1dが形成されている点が異なる。このような構成により、太陽電池モジュールの製造において、電気的接続用のインターコネクタ(図示しない)の接続が容易になる。好ましくは、開口の一部には裏面集電電極1cが形成されており、裏面電極1dの一部は、半導体基板1aに直接形成されるとともに一部は裏面集電電極1cの上に形成される。これは、半導体基板1aに直接形成された部分で密着強度を確保し、裏面集電電極1cの上に形成された部分で直列抵抗を小さくできるためである。図示していないが、好ましくは、開口部3には裏面集電電極1cが形成されておらず、裏面電極1dは、半導体基板1aに直接形成される。これは、半導体基板1a上に形成された方が密着強度が強く、従って、インターコネクタが強い強度で接着されるためである。したがって、本発明の太陽電池は、溶融シリカ質焼結体層が少なくとも1つの開口部を有するのが好ましく、さらに裏面電極が溶融シリカ質焼結体層の少なくとも1つの開口部に設けられているのが好ましい。
また、裏面電極は、Agペースト焼成電極であるのが好ましい。
【0032】
図2の太陽電池の製造方法は、図1の太陽電池と殆ど同様であるが、溶融シリカ質焼結体層が少なくとも1つの開口部3を有する点、その少なくとも1つの開口部に裏面電極1dを形成する点が異なる。
図2の太陽電池における裏面集電電極、裏面電極および溶融シリカ質焼結体層の部分は、溶融シリカ質焼結体層が、少なくとも1つの開口部を有する焼結体であり、溶融シリカ質焼結体層を貼り付ける前に、半導体基板の裏面電極側における溶融シリカ質焼結体層の少なくとも1つの開口部に対応する部分にAgペーストを塗布し、かつその他の部分の少なくとも一部にAlペーストを塗布し、その上に溶融シリカ質焼結体層を貼り付けた後、AlペーストおよびAgペーストを焼成する工程により形成することができる。
【0033】
実施形態3
図3は、本発明の太陽電池(実施形態3)を示す模式図であり、(a)は受光面となる側(表面)の平面図、(b)は裏面の平面図、(c)は(a)におけるX−X断面図である。この太陽電池1は、図2の太陽電池の構成と殆ど同様であるが、裏面電極(Ag電極)1dが形成されている開口部3以外に、他の開口部3aを有する点が異なる。このような構成により、裏面集電電極および裏面電極の形成、すなわち、金属ペーストを焼成する際に発生するガスの抜けを促進させることができ、太陽電池の製造がより安定するので好ましい。
図3の太陽電池は、図2の太陽電池と殆ど同様にして製造することができる。他の開口部の大きさおよび数量は、使用される金属ペーストの材質およびその焼成条件などに合わせて設計することができる。
【0034】
実施形態4(参考例)
図4は、本発明の太陽電池(実施形態4)を示す模式図であり、(a)は受光面となる側(表面)の平面図、(b)は裏面の平面図、(c)は(a)におけるX−X断面図である。この太陽電池1は、図1の太陽電池の構成と殆ど同様であるが、裏面集電電極1cを有さない点、すなわち溶融シリカ質焼結体層が半導体基板1aに接して設けられている(直接貼り付けられている)点が異なる。また、この太陽電池1における第1導電型の半導体基板の裏面側には、第1導電型のBSF層(図示せず)が設けられている。なお、裏面電極1d(図示せず)は、例えば、裏面周辺部において溶融シリカ質焼結体層2が形成されていない半導体基板1aの部分に形成される。
この太陽電池では、溶融シリカ質焼結体層の貼り付けに金属ペーストが不要であり、半導体基板に対して安定して貼り付けることができる。
【0035】
図4の太陽電池は、半導体基板の裏面電極側にAlペーストを塗布・焼成して、高濃度不純物層と裏面集電電極を形成し、エッチングにより裏面集電電極を除去し、次いで水と混練した溶融シリカ粉末を主成分とする混合物を塗布・焼成し、溶融シリカ質焼結体層を形成する工程を含む方法により製造することができる。
【0036】
上記の工程は、例えば、スクリーン印刷法などの公知の方法により、半導体基板裏面上にAlペーストを塗布・焼成してp+層と裏面集電電極を形成した後、フッ酸、塩酸などを用いたエッチングにより裏面集電電極を除去し、次いで水と混練した溶融シリカ粉末を主成分とする粉末を塗布・焼成し、溶融シリカ質焼結体層を形成することからなる。Alペーストおよび溶融シリカ質焼結体層の焼成条件は、図1の太陽電池と同様である。
【0037】
本発明の太陽電池モジュールは、上記の複数個の太陽電池をインターコネクタでアレイ状に電気接続した太陽電池ストリングを含む。
本発明の太陽電池モジュールは、例えば、ガラス基板上に、EVA(エチレンビニルアセテート)シートを置き、その上に本発明の太陽電池を、導電性の金属板などからなるインターコネクタでアレイ状に電気接続した太陽電池ストリングを置き、さらにEVAシートを置き、その上に裏面カバーを置き、これらを150℃程度で真空ラミネート加工し、電気的に両端となる太陽電池からそれぞれ+/−の端子を外部に取り出すことにより得られる。
【0038】
上記の太陽電池モジュールに用いられる太陽電池としては、図2または図3に示されるものが好ましい。すなわち、太陽電池モジュールのインターコネクタは、太陽電池の裏面電極側における溶融シリカ質焼結体層の開口部に設けられた裏面電極と接続されているのが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールは、割れにくい太陽電池で構成されているため、モジュール製造工程でも割れ難く、モジュール完成後も太陽電池が割れ難いため、長期的な信頼性が高まる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、溶融シリカ質焼結体層の貼り付け工程以降の太陽電池の製造工程およびそれを用いた太陽電池モジュールの製造工程において割れ難く、しかも製造コストの低い太陽電池およびその製造方法を提供することができる。
また、溶融シリカ質焼結体は、機械的強度、耐熱衝撃性および耐食性に優れた安定な材料であるので、太陽電池の信頼性を低下させることはなく、本発明によって提供される太陽電池を用いて製造される太陽電池モジュールも、その品質や信頼性を低下させることなく、製造コストが改善される。
つまり、溶融シリカ質焼結体層は、太陽電池の製造工程における熱処理工程、薬液処理工程に耐えるため、従来技術では太陽電池が完成した後でないとできなかった太陽電池の補強を、全体の製造工程の初期において行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池(実施形態1)を示す模式図、(a)受光面となる側(表面)の平面図、(b)裏面の平面図および(c)(a)におけるX−X断面図である。
【図2】本発明の太陽電池(実施形態2)を示す模式図、(a)受光面となる側(表面)の平面図、(b)裏面の平面図および(c)(a)におけるX−X断面図である。
【図3】本発明の太陽電池(実施形態3)を示す模式図、(a)受光面となる側(表面)の平面図、(b)裏面の平面図および(c)(a)におけるX−X断面図である。
【図4】本発明の太陽電池(実施形態4)を示す模式図、(a)受光面となる側(表面)の平面図、(b)裏面の平面図および(c)(a)におけるX−X断面図である。
【図5】従来の太陽電池の一例を示す模式図、(a)受光面となる側(表面)の平面図、(b)裏面の平面図および(c)(a)におけるX−X断面図である。
【符号の説明】
1 太陽電池
1a 半導体基板(シリコン基板)
1b 表面電極
1c 裏面集電電極
1d 裏面電極
1e はんだ層
2 溶融シリカ質焼結体層
3 開口部
3a 他の開口部
Claims (2)
- 受光面側の表面電極、pn接合を有する半導体基板および裏面電極を少なくとも具備する太陽電池の製造方法であって、半導体基板の裏面電極側にAlペーストおよび/またはAgペーストを塗布し、その上に溶融シリカ質焼結体層を貼り付けた後、Alペーストおよび/またはAgペーストを焼成する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
- 溶融シリカ質焼結体層が、少なくとも1つの開口部を有する焼結体であり、溶融シリカ質焼結体層を貼り付ける前に、半導体基板の裏面電極側における溶融シリカ質焼結体層の少なくとも1つの開口部に対応する部分にAgペーストを塗布し、かつその他の部分の少なくとも一部にAlペーストを塗布し、その上に溶融シリカ質焼結体層を貼り付けた後、AlペーストおよびAgペーストを焼成する請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
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