JP6136668B2 - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Description
図1、図2に示すいずれの太陽電池モジュールも複数の太陽電池セル1を電気的に接続し配列したものをカバーガラスなどの透明基板2とバックシート(裏面カバー)4とで挟み、その間を封止材3で封止した積層パネルについて、その積層パネルの外周縁をシール材10でシールした状態でフレーム部材5で固定したものである。
太陽電池モジュールの製造において、ラミネーション後、フレーム部材の嵌め込み部に耐透水性、耐透湿性に優れたフィルム等のシール材を取り付ける際に、該シール材と積層パネルとの間にペースト状又はフィルム状の別のシール材を取り付けることで積層パネル内側への透水、透湿を防止することができること。
上記別のシール材を取り付けるに当たり、該別のシール材の積層パネル側に更にフレーム部材のシールドに使われるペース卜状又はフィルム状の材料、或いは上記別のシール材や積層パネルを構成する材料(透明基板、裏面カバー、封止材)と接着性の良い材料からなる第三のシール材を取り付けることで積層パネル内側への透水、透湿を更に抑えることができること。
〔1〕 少なくとも一方がガラス基板である2枚のパネルの間に複数の太陽電池セルを樹脂封止した積層パネルの側端部、外周上縁及び下縁にフレーム部材の凹状の嵌め込み部を嵌め込んで該フレーム部材を装着した太陽電池モジュールであって、上記積層パネルの少なくとも側端部とフレーム部材の嵌め込み部との間に、積層パネル側からフレーム部材側方向に順に、上記積層パネルの少なくとも側端部を覆うシリコーンゴム系接着層からなる第3シール材と、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム及びポリエステルフィルムのいずれかのフィルムからなる、又はこれらのうちの2以上から構成される多層構造のフィルムからなる第1シール材と、アクリルフィルム又はエポキシフィルムからなる第2シール材とを積層した該第1、第2、第3シール材からなるシール部材を配設してなる太陽電池モジュール。
〔2〕 上記第3シール材は、一液型RTVシリコーンゴム接着剤の硬化物である〔1〕記載の太陽電池モジュール。
〔3〕 フレーム部材の側端部から該フレーム部材でシールされる積層パネルの側端部に近接する太陽電池セルまでの距離が26mm以下であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の太陽電池モジュール。
〔4〕 上記第1シール材は、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム又はポリエステルフィルムからなる〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
〔5〕 少なくとも一方がガラス基板である2枚のパネルの間に複数の太陽電池セルを樹脂封止して積層パネルとし、該積層パネルの側端部、外周上縁及び下縁にフレーム部材の凹状の嵌め込み部を嵌め込んでフレーム部材を装着する太陽電池モジュールの製造方法であって、上記フレーム部材の嵌め込み部の凹面にアクリルフィルム又はエポキシフィルムからなる第2シール材、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム及びポリエステルフィルムのいずれかのフィルムからなる、又はこれらのうちの2以上から構成される多層構造のフィルムからなる第1シール材、シリコーンゴム系接着剤の順番で積層した後、積層パネルにフレーム部材を装着し、該積層パネルの少なくとも側端部とフレーム部材の嵌め込み部との間に、積層パネル側からフレーム部材側方向に順に、上記積層パネルの少なくとも側端部を覆うシリコーンゴム系接着層からなる第3シール材と、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム及びポリエステルフィルムのいずれかのフィルムからなる、又はこれらのうちの2以上から構成される多層構造のフィルムからなる第1シール材と、アクリルフィルム又はエポキシフィルムからなる第2シール材とを積層した該第1、第2、第3シール材からなるシール部材を配設する太陽電池モジュールの製造方法。
〔6〕 上記第1シール材は、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム又はポリエステルフィルムからなる〔5〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
本発明に係る太陽電池モジュールは、図3に示すような、複数の太陽電池セルのうち、隣接する太陽電池セル1、1’間で帯状の表面バスバー電極1beと裏面電極1re’とを配線材(インターコネクタ7)を半田付けで接合することにより該複数の太陽電池セルを直列接続する構成となっている。なお、太陽電池セル1、1’の構成は同じであり、太陽電池セル1’において太陽電池セル1と同じ構成部材には参照符号に「’」を付けている。以降、太陽電池セル1を代表例として説明するが、太陽電池セル1’でも同じように構成される。
図3のような太陽電池セルを連結した状態のままでは、太陽電池セルの表面や裏面を保護する必要があることから、太陽電池モジュール製品としては、図4に示すように太陽電池モジュールをカバーガラスのような透明基板2と裏面カバー4の2枚のパネルの間に挟んで製品化する。この場合、ガラス板等の透明基板2と裏面カバー4との間に、太陽電池セル1の受光面である表面を透明基板2側に向けて挟み、透明な充填材を封止材3としてインターコネクタ7で連結された複数の太陽電池セル1を封入するスーパーストレート方式が一般に用いられる。また、図4に示すように、連結終端の太陽電池セルの電極には外部取り出し用のインターコネクタが接続され、裏面カバー4の外側に引き出されて端子ボックス8と接続され、端子ボックス8から出力リード線9に出力されるようになっている。
また、ポリプロピレンフィルムとしては、無延伸フィルム(CPPフィルム、IPPフィルム)、延伸フィルム(OPPフィルム)のいずれでもよい。
また、ポリエステルフィルムとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PBT(ポリブチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、PBN(ポリブチレンナフタレート)フィルムなどのいずれでもよい。
或いは、耐透水性、耐浸水性を有するアルミニウム箔や高分子材料のフィルムにシリカを蒸着したものを第1シール材11として用いてもよい。
本実施形態では、第1の実施形態の太陽電池モジュール(図4、図5)において、更に、第1シール材11と積層パネルの側端部との間に、シリコーン樹脂からなるペースト状又はフィルム状のもの、又はシリコーンゴム系接着剤からなる第3シール材13を配置することを特徴とする。それ以外の構成は第1シール材11、第2シール材12の厚さを除き、第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の太陽電池モジュールの製造方法について説明する。
まず、上述した構成の太陽電池セル1の表面バスバー電極1be及び裏面電極1re、並びにインターコネクタ7の接合部分に半田用フラックスを塗布する。なお、半田用フラックスの塗布方法としては特に制限はなく、例えばスクリーン印刷法、インクジェット法、スタンプ印刷法等が挙げられる。
次に、太陽電池セル1のバスバー電極1beとインターコネクタ7の半田用フラックスを塗布した面とを当接させ、加熱してバスバー電極1beとインターコネクタ7とを接合する。例えば、インターコネクタ7の半田用フラックス塗布面とは反対側の面からハンダコテでなぞりながら加熱するとよい。次いで、もう一つの太陽電池セル1’の裏面電極1reを上記インターコネクタ7の半田用フラックス塗布面と当接させ、同様に加熱して裏面電極1reとインターコネクタ7とを接合する(図3)。これらの接合は、太陽電池セル1の受光面側、裏面側の両方から同時に加熱することによって表裏同時にインターコネクタ7を接合するようにしてもよい。
厚さ300μm、比抵抗0.5Ω・cmの、ホウ素ドープ{100}p型アズカットシリコン基板8枚を用意した。濃水酸化カリウム水溶液によりダメージ層を除去した後、これらの試料を同時に水酸化カリウム−2−プロパノール混合溶液に浸漬した。水洗、乾燥後、アンモニア水−過酸化水素水・フッ酸・塩酸−過酸化水素水・フッ酸の順番で洗浄し、水洗、乾燥した。
次に、シリコン基板8枚を非受光面同士を重ね合わせ、石英ボートに搭載して、拡散炉に投入した。ヒーター温度を850℃まで昇温して、オキシ塩化リンを窒素1リットル/分にてバブリングさせた。バブリング蒸発したオキシ塩化リンは、酸素ガス1リットル/分を伴ってシリコン基板表面においてリンガラスとして堆積させた。引き続き、窒素雰囲気中に30分間放置した後、拡散炉から取出した。拡散処理したこれら8枚のシリコン基板はHF水溶液でリンガラスを除去後、900℃の酸素雰囲気で熱処理し、シリコン酸化膜の酸化膜パッシベーション層を形成した。
次に、上記シリコン基板をプラズマCVD処理して表面にSiN膜を形成した。この際、原料ガスとしてモノシランガスとアンモニアガスを使用した。また、プラズマを発生させるための電源の周波数は、マイクロ波を用い、圧力は0.1〜10Torr、基板温度は400℃、処理時間は5分間とした。その後、シリコン基板の非受光面にP+層を形成した後、スクリーン印刷でAlもしくはAl/Agを印刷・焼成して裏面の集電電極を形成した。
最後に、受光面にスクリーン印刷によりAgをパターン印刷・焼成して表面の集電電極であるフィンガー電極及びバスバー電極を形成し、太陽電池セル8枚を得た。
得られた太陽電池セル1枚を白板強化ガラス(厚さ3.2mm)の透明基板と裏面カバー(厚さ0.32mm)で挟み、その間をEVA(エチレンビニルアセタート)で封止して積層パネルとした。なお、封止材の厚さを400μmとした。また、フレーム部材の外縁から太陽電池セルとの距離はいずれの試料についても15mmであった。このとき、太陽電池セルの表裏面の電極から外部取り出し用インターコネクタにより裏面カバー側に引き出し、太陽電池特性の測定を可能な構成とした。
・アイオノマーフィルム:厚さ100μm
・ポリプロピレンフィルム:厚さ80μm
・ポリエステルフィルム:厚さ120μm
・アルミフィルム:東洋アルミニウム(株)製、厚さ50μm
(第2シール材)
・ブチルゴム
・アクリルフィルム
・エチレンフォーム材
(第3シール材)
・シリコーンゴム系接着剤:信越化学工業(株)製、一液型RTVゴム(商品名KE45W)
・温度:121℃
・湿度:100%RH
・圧力:2kg/cm2
・試験時間:100、200、300、400時間
以上の結果を表1に示す。
1a、1a’ 半導体基板
1be、1be’ バスバー電極
1fe、1fe’ フィンガー電極
1re、1re’ 裏面電極
2 透明基板
3 封止材
4 裏面カバー
5 フレーム部材
6、6’ 半田接合部
7 インターコネクタ
7a 透明電極
7b 裏面電極
8 端子ボックス
9 出力リード線
10 シール材
11 第1シール材
12 第2シール材
13 第3シール材
Claims (6)
- 少なくとも一方がガラス基板である2枚のパネルの間に複数の太陽電池セルを樹脂封止した積層パネルの側端部、外周上縁及び下縁にフレーム部材の凹状の嵌め込み部を嵌め込んで該フレーム部材を装着した太陽電池モジュールであって、上記積層パネルの少なくとも側端部とフレーム部材の嵌め込み部との間に、積層パネル側からフレーム部材側方向に順に、上記積層パネルの少なくとも側端部を覆うシリコーンゴム系接着層からなる第3シール材と、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム及びポリエステルフィルムのいずれかのフィルムからなる、又はこれらのうちの2以上から構成される多層構造のフィルムからなる第1シール材と、アクリルフィルム又はエポキシフィルムからなる第2シール材とを積層した該第1、第2、第3シール材からなるシール部材を配設してなる太陽電池モジュール。
- 上記第3シール材は、一液型RTVシリコーンゴム接着剤の硬化物である請求項1記載の太陽電池モジュール。
- フレーム部材の側端部から該フレーム部材でシールされる積層パネルの側端部に近接する太陽電池セルまでの距離が26mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池モジュール。
- 上記第1シール材は、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム又はポリエステルフィルムからなる請求項1〜3のいずれか1項記載の太陽電池モジュール。
- 少なくとも一方がガラス基板である2枚のパネルの間に複数の太陽電池セルを樹脂封止して積層パネルとし、該積層パネルの側端部、外周上縁及び下縁にフレーム部材の凹状の嵌め込み部を嵌め込んでフレーム部材を装着する太陽電池モジュールの製造方法であって、上記フレーム部材の嵌め込み部の凹面にアクリルフィルム又はエポキシフィルムからなる第2シール材、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム及びポリエステルフィルムのいずれかのフィルムからなる、又はこれらのうちの2以上から構成される多層構造のフィルムからなる第1シール材、シリコーンゴム系接着剤の順番で積層した後、積層パネルにフレーム部材を装着し、該積層パネルの少なくとも側端部とフレーム部材の嵌め込み部との間に、積層パネル側からフレーム部材側方向に順に、上記積層パネルの少なくとも側端部を覆うシリコーンゴム系接着層からなる第3シール材と、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム及びポリエステルフィルムのいずれかのフィルムからなる、又はこれらのうちの2以上から構成される多層構造のフィルムからなる第1シール材と、アクリルフィルム又はエポキシフィルムからなる第2シール材とを積層した該第1、第2、第3シール材からなるシール部材を配設する太陽電池モジュールの製造方法。
- 上記第1シール材は、アイオノマーフィルム、ポリプロピレンフィルム又はポリエステルフィルムからなる請求項5記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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