JP2010018663A - 顔料分散液、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主に樹脂成分、顔料、および水を含有する顔料分散液において、上記樹脂成分が、少なくとも1種の疎水性モノマー単位と少なくともアニオン性の親水性モノマー単位とで構成されるポリマーA(高分子分散剤)と、少なくとも1種の疎水性モノマー単位と少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミドモノマー単位とで構成されるポリマーB(樹脂化合物)とを含有することを特徴とする顔料分散液。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、主に樹脂成分、顔料、および水を含有する顔料分散液において、上記樹脂成分が、少なくとも1種の疎水性モノマー単位と少なくともアニオン性の親水性モノマー単位とで構成されるポリマーA(高分子分散剤)と、少なくとも1種の疎水性モノマー単位と少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミドモノマー単位とで構成されるポリマーB(樹脂化合物)とを含有することを特徴とする顔料分散液を提供する。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を、Xは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、nは1から10である。)
本発明者らは、主に樹脂成分、顔料、および水を含有する顔料分散液において、上記樹脂成分が、少なくとも1種の疎水性モノマー単位と少なくともアニオン性の親水性モノマー単位とで構成されるポリマーA(高分子分散剤)と、少なくとも1種の疎水性モノマー単位と少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミドモノマー単位とで構成されるポリマーB(樹脂化合物)とを含有するものを使用することで、高い堅牢性を有し品位に優れた画像をどのような場合でも安定して記録できるインクを与える顔料分散液が提供されることを見出した。
(樹脂成分)
本発明に使用する樹脂成分中、高分子分散剤であるポリマーAとしては、少なくとも1種の疎水性モノマー単位と少なくともアニオン性の親水性モノマー単位とで構成されるポリマーであり、ポリマーA内にノニオン性の親水性モノマー単位を含むものでもよい。また、樹脂化合物であるポリマーBとしては、少なくとも1種の疎水性モノマー単位と少なくとも下記一般式(1)のアクリルアミドモノマーからなる親水性モノマー単位とで構成されるポリマーであり、ポリマー内にアニオン性の親水性モノマー単位を含むものでもよい。
上記一般式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を、Xは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を、好ましくは水素原子またはメチル基を表し、nは1から10、好ましくは1から6である。
CH2=CR4(COO)(CH2)mOH
(R4は水素原子またはメチル基を、mは2から5である。)
このようなモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
CH2=CR5(COO)(CH2)nOp(CqH2q+1)
(R5は水素原子またはメチル基を、nは0から5、pは0または1、qは1から5である。)
このようなモノマーとしては、例えば、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−プロポキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
本発明の顔料分散液中における顔料の種類は特に限定されず、従来から使用されている有機顔料、無機顔料のいずれも使用することが可能であるが、特に黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの着色顔料が有用である。顔料分散液中における顔料の含有量は、顔料分散液全質量に対して、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1.0〜20質量%であり、インク中での含有量は、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。インク中での顔料の量が0.1質量%未満では十分な画像濃度が得にくい場合があり、一方、顔料の量が15質量%を超えると、ノズルにおけるインクの目詰りなどによる吐出安定性の低下が起こる場合がある。また、顔料と上記高分子分散剤との含有比率は、固形分質量比で好ましくは10:1〜1:3、より好ましくは5:1〜1:2であると、インクの定着性や記録画像の堅牢性とインクの吐出安定性や保存安定性の面から望ましい。なお、これらの顔料は、単独で使用する以外に、2種以上組み合わせて使用することもできる。
図1は、ヘッドにインク供給チューブ104を介して供給されるインクを収容しているインクカートリッジ100の一例を示す図である。101は供給用インクを収納したインク袋であり、その先端には塩素化ブチルゴム製の栓102が設けられている。この栓102に針103を挿入することにより、インク袋101中のインクを記録ヘッド(303から306)に供給できる。また、インクカートリッジ内に廃インクを受容するインク吸収体を設けてもよい。本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記のごとき記録ヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、それらが一体になったものも好適に用いられる。
次に、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の好ましい一例としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の一例を図5に示す。
また、樹脂成分の同定には、核磁気共鳴吸収測定装置(H1−NMR、日本電子社製ECA400、溶剤;テトラヒドロフラン−d8を使用)およびGPC(東ソー(株)製HLC8220、カラム;TSK-GEL4000HXL、TSK-GEL3000HXL、TSK-GEL2000HXLを使用し、カラムオーブン温度40.0℃)を用いて行った。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部とペンタメチルジエチレントリアミン0.5部を仕込み、次いで疎水性モノマー単位の疎水性モノマーとして1−メチル−4−ビニルベンゼン36ミリモルと開始剤としてのクロロエチルベンゼン1ミリモルを添加し、攪拌しながら加熱した。系内温度が80℃に達したところで塩化第一銅0.2部を加え重合を開始し、疎水性モノマー単位からなるブロック部(A成分)を合成した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、第1成分の重合が完了した後、次いで、アニオン性親水性モノマー単位を形成し得るモノマーとしてメタクリル酸のカルボキシル基をブチル基でエステル化したブチルメタクリレート16ミリモル(C成分)を添加して合成を行った。重合を停止させた後、エステル化させたカルボキシル基は水酸化ナトリウム/メタノール溶液で加水分解させてカルボン酸型に変化させ、ACジブロック共重合体(ポリマーA−I)を得た。ポリマーA−Iの同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mw=5.6×103、Mw/Mn=1.2)。なお、得られたポリマーA−Iの酸価を測定したところ160mgKOH/gであった。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部とペンタメチルジエチレントリアミン0.5部を仕込み、次いで疎水性モノマー単位の疎水性モノマーとしてブチル−4−ビニルベンゾエート20ミリモルと開始剤としてのクロロエチルベンゼン1ミリモルを添加し、攪拌しながら加熱した。系内温度が80℃に達したところで塩化第一銅0.2部を加え重合を開始し、疎水性モノマー単位からなるブロック部(A成分)を合成した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、第1成分の重合が完了した後、次いで、親水性モノマー単位の親水性モノマーとして、2−メトキシエチルアクリレート36ミリモル(B成分)を添加して合成を行った。次いで、アニオン性モノマー単位を形成し得るモノマーとしてアクリル酸のカルボキシル基をブチル基でエステル化したブチルアクリレート6ミリモル(C成分)を添加して合成を行った。重合を停止させた後、エステル化させたカルボキシル基は水酸化ナトリウム/メタノール溶液で加水分解させてカルボン酸型に変化させ、ABCトリブロック共重合体(ポリマーA−II)を得た。該ポリマーA−IIの同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mw=4.3×103、Mw/Mn=1.1)。なお、得られたポリマーA−IIの酸価を測定したところ37mgKOH/gであった。
ポリマーA−IIと同様の方法で、疎水性モノマー単位、親水性モノマー単位、アニオン性モノマー単位のモノマー種と添加量とを変更することで、表1に記載のポリマーA−III〜VIIを作製した。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部と疎水性モノマー単位の疎水性モノマーとしてブチル−4−ビニルベンゾエート60ミリモルと開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル1ミリモルを添加し、攪拌しながら系内温度が70℃になるよう加熱した。分子量を時分割に核磁気共鳴測定装置(NMR)を用いてモニタリングし、疎水性モノマーの60%以上が重合した後、次いで親水性モノマー単位の親水性モノマーとしての2−ヒドロキシエチルメタクリレート(B成分)17ミリモル、アニオン性の親水性モノマー単位を形成し得るモノマーとしてメタクリル酸40ミリモル(C成分)を添加して合成を行い、ABC共重合体(ポリマーA−VIII)を得た。該ポリマーA−VIIIの同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mw=1.0×104、Mw/Mn=1.8)。なお、得られたポリマーA−VIIIの酸価を測定したところ126mgKOH/gであった。また、得られたポリマーA−VIIIは疎水性モノマーAのブロック部と疎水性モノマーと親水性モノマーのランダム部(ABCのランダム部)を有する構造であることが確認できた。
ポリマーA−VIIIと同様の方法で、疎水性モノマー単位、親水性モノマー単位およびアニオン性モノマー単位のモノマー種と添加量とを変更することで、表1に記載のポリマーA−IX〜XIIを作製した。
以上で作成したポリマーA−I〜XIIの分子量、分子量分布、SP値および酸価を表1に示した。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部と疎水性モノマー単位の疎水性モノマーとして1−メチル−4−ビニルベンゼン83ミリモル、前記一般式(1)のアクリルアミド構造を形成する親水性モノマーとしてのN−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)アクリルアミド(B成分)83ミリモルと開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル1ミリモルを添加し、攪拌しながら系内温度が70℃になるよう加熱した。分子量を時分割に核磁気共鳴測定装置(NMR)を用いてモニタリングし、ABランダム共重合体(ポリマーB−I)を得た。該ポリマーB−Iの同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mw=1.4×104、Mw/Mn=1.9)。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部と疎水性モノマー単位の疎水性モノマーとしてブチル−4−ビニルベンゾエート250ミリモル、アクリルアミド構造を形成する親水性モノマーとしてN−(メトキシエチル)アクリルアミド217ミリモル、アニオン性親水性モノマー単位を形成し得るモノマーとしてアクリル酸33ミリモルと開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル1ミリモルを添加し、攪拌しながら系内温度が70℃になるよう加熱した。分子量を時分割に核磁気共鳴測定装置(NMR)を用いてモニタリングし、ABCランダム共重合体(ポリマーB−II)を得た。該ポリマーB−IIの同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mw=4.7×104、Mw/Mn=1.8)。なお、得られたポリマーB−IIの酸価を測定したところ24mgKOH/gであった。
ポリマーB−IIと同様の方法で、疎水性モノマー単位、親水性モノマー単位およびアニオン性モノマー単位のモノマー種と添加量とを変更することで、表2に記載のポリマーB−III〜VIIを作製した。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部と疎水性モノマー単位の疎水性モノマーとしてブチル−4−ビニルベンゾエート100ミリモルと開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル1ミリモルを添加し、攪拌しながら系内温度が70℃になるよう加熱した。分子量を時分割に核磁気共鳴測定装置(NMR)を用いてモニタリングし、疎水性モノマーの60%以上が重合した後、次いで前記一般式(1)のアクリルアミド構造を形成する親水性モノマーとしてのN−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)アクリルアミド(B成分)100ミリモルを添加して合成を行い、AB共重合体(ポリマーB−VIII)を得た。該ポリマーB−VIIIの同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mw=1.7×104、Mw/Mn=1.8)。また、得られたポリマーB−VIIIは疎水性モノマーAのブロック部と疎水性モノマーと親水性モノマーのランダム部(ABのランダム部)を有する構造であることが確認できた。
ポリマーB−VIIIと同様の方法で、疎水性モノマー単位と親水性モノマー単位のモノマー種と添加量とを変更することで、表2に記載のポリマーB−X、XIを作製した。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部と疎水性モノマー単位の疎水性モノマーとしてブチル−4−ビニルベンゾエート140ミリモルと開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル1ミリモルを添加し、攪拌しながら系内温度が70℃になるよう加熱した。分子量を時分割に核磁気共鳴測定装置(NMR)を用いてモニタリングし、疎水性モノマーの60%以上が重合した後、次いで前記一般式(1)のアクリルアミド構造を形成する親水性モノマーとしてのN−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)アクリルアミド(B成分)167ミリモル、アニオン性親水性モノマー単位を形成し得るモノマーとしてメタクリル酸17ミリモル(C成分)を添加して合成を行い、ABC共重合体(ポリマーB−IX)を得た。該ポリマーB−IXの同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mw=3.4×104、Mw/Mn=1.9)。なお、得られたポリマーB−IXの酸価を測定したところ17mgKOH/gであった。また、得られたポリマーB−IXは疎水性モノマーAのブロック部と疎水性モノマーと親水性モノマーのランダム部(ABCのランダム部)を有する構造であることが確認できた。
ポリマーB−IXと同様の方法で、疎水性モノマー単位と親水性モノマー単位とアニオン性モノマー単位のモノマー種と添加量とを変更することで、表2に記載のポリマーB−XIIを作製した。
以上で作成したポリマーB−I〜XIIの分子量、分子量分布、SP値および酸価を表2に示した。
(顔料分散液1の作製)
上記ポリマーAとして、ポリマーA−Iをメチルエチルケトン溶液と市販の顔料としてカーボンブラック(三菱化学製 MA100)とを2軸スクリューを有する混練機に仕込み、均一になるまで混練した後、内温を80℃に維持しながら減圧して溶剤を留去した。この混練物を2本ロールを用いてシート化し、所定量のイオン交換水と上記ポリマーBとして、ポリマーB−I、中和剤として水酸化ナトリウムを高分子分散剤(ポリマーA)のアニオン性基の1当量に相当する量を加えて、顔料濃度15%、樹脂濃度10%の顔料分散液1を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ7%、3%とした。
(顔料分散液2の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−IIに、顔料をC.I.ピグメントブルー15:3に、ポリマーBをポリマーB−IIに変更し、中和剤の投入量を0.55当量(顔料分散液に対して55%)に変更し、他は実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度10%の顔料分散液2を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ7%、3%とした。
(顔料分散液3の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−IIIに、顔料をC.I.ピグメントイエロー128に、ポリマーBをポリマーB−IIIに変更し、中和剤の投入量を0.7当量(顔料分散液に対して70%)に変更し、他は実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度10%の顔料分散液3を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ6%、4%とした。
(顔料分散液4の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−IVに、顔料をC.I.ピグメントレッド122に、ポリマーBをポリマーB−IVに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度10%の顔料分散液4を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ5%、5%とした。
(顔料分散液5の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−Vに、顔料をC.I.ピグメントイエロー74に、ポリマーBをポリマーB−Vに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度5%、樹脂濃度5%の顔料分散液5を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ3%、2%とした。
(顔料分散液6の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−VIに、顔料をC.I.ピグメントバイオレット19に、ポリマーBをポリマーB−VIに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度30%、樹脂濃度20%の顔料分散液6を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ15%、5%とした。
(顔料分散液7の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−VIIに、顔料をC.I.ピグメントブルー16に、ポリマーBをポリマーB−VIIに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度3%、樹脂濃度1.5%の顔料分散液7を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ1.0%、0.5%とした。
(顔料分散液8の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−VIIIに、顔料をカーボンブラックに、ポリマーBをポリマーB−VIIIに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度8%、樹脂濃度8%の顔料分散液8を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ7%、1%とした。
(顔料分散液9の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−IXに、顔料をカーボンブラックに、ポリマーBをポリマーB−IXに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度15%の顔料分散液9を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ10%、5%とした。
(顔料分散液10の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−Xに、顔料をカーボンブラックに、ポリマーBをポリマーB−Xに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度10%の顔料分散液10を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ7%、3%とした。
(顔料分散液11の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−XIに、ポリマーBをポリマーB−XIに変更し、また、中和剤の投入量を0.9当量(顔料分散液に対して90%)に変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度10%の顔料分散液11を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ7%、3%とした。
(顔料分散液12の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−XIIに、ポリマーBをポリマーB−XIIに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度10%の顔料分散液12を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ5%、5%とした。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部とペンタメチルジエチレントリアミン0.5部を仕込み、次いで疎水性モノマー単位の疎水性モノマーとして1−メチル−4−ビニルベンゼン10ミリモルと開始剤としてのクロロエチルベンゼン1ミリモルを添加し、攪拌しながら加熱した。系内温度が80℃に達したところで塩化第一銅0.2部を加え重合を開始し、疎水性モノマー単位の疎水性モノマーからなるブロック部(A成分)を合成した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、第1成分の重合が完了した後、次いで、アニオン性親水性モノマー単位を形成し得るモノマーとしてメタクリル酸のカルボキシル基をブチル基でエステル化したブチルメタクリレート16ミリモル(C成分)を添加して合成を行った。重合を停止させた後、エステル化させたカルボキシル基は水酸化ナトリウム/メタノール溶液で加水分解させてカルボン酸型に変化させ、ACジブロック共重合体(ポリマーA−XIII)を得た。該ポリマーA−XIIIの同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mw=2.5×103、Mw/Mn=1.2)。なお、得られたポリマーA−XIIIの酸価を測定したところ351mgKOH/gであった。
ポリマーA−XIIIと同様の方法で、疎水性モノマー単位とアニオン性モノマー単位のモノマー種と添加量とを変更することで、表3に記載のポリマーA−XIVを作製した。
以上で作成したポリマーA−XIII〜XIVの分子量、分子量分布、SP値および酸価を表3に示した。
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100部と疎水性モノマー単位の疎水性モノマーとして1−メチル−4ビニルベンゼン17ミリモル、前記一般式(1)のアクリルアミド構造を形成する親水性モノマーとしてのN−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)アクリルアミド(B成分)167ミリモルと開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル1ミリモルを添加し、攪拌しながら系内温度が70℃になるよう加熱した。分子量を時分割に核磁気共鳴測定装置(NMR)を用いてモニタリングし、ABランダム共重合体(ポリマーB−XIII)を得た。該ポリマーB−XIIIの同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mw=1.2×104、Mw/Mn=1.9)。
ポリマーB−XIIIと同様の方法で、疎水性モノマー単位と親水性モノマー単位のモノマー種と添加量とを変更することで、表4に記載のポリマーB−XIVを作製した。
以上で作成したポリマーB−XIII〜XIVの分子量、分子量分布、SP値および酸価を表4に示した。
(顔料分散液13の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−XIIIに、顔料をカーボンブラックに、ポリマーBをポリマーB−XIIIに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度10%の顔料分散液13を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ7%、3%とした。
(顔料分散液14の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−XIVに、顔料をカーボンブラックに、ポリマーBをポリマーB−XIVに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度10%の顔料分散液14を得た。なお、ポリマーAとポリマーBの濃度はそれぞれ7%、3%とした。
(顔料分散液15の作製)
実施例1のポリマーAをポリマーA−XIIIに、顔料をカーボンブラックに、ポリマーBを用いずに、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度7%の顔料分散液15を得た。
[比較例2]
(顔料分散液16の作製)
実施例1のポリマーAは用いずに、顔料をカーボンブラックに、ポリマーBをポリマーB−XIIIに変更し、実施例1と同様にして、顔料濃度15%、樹脂濃度3%の顔料分散液16を得た。
実施例1〜5および8〜12、参考例1〜2、比較例1〜2の顔料分散液を使用し、以下の成分を混合し、充分攪拌して、それぞれインクを作製した。
・顔料分散液 30.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 50.0部
実施例6の顔料分散液を使用し、以下の成分を混合し、充分攪拌してインクを作製した。
・顔料分散液 30.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 20.0部
・イオン交換水 40.0部
・顔料分散液 40.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・1,2−ブタンジオール 5.0部
・ポリエチレングリコール600 5.0部
・2−ピロリドン 5.0部
・イオン交換水 35.0部
各顔料分散液を密閉状態で80℃2週間保存した後、試験前後の粒子径を測定し、下式で粒子径増加率(%)を求め分散安定性の尺度とした。粒子径の測定には動的光散乱法(商品名:レーザー粒径解析システムFPAR−1000;大塚電子(株)社製)を用いた。評価基準は下記の通りとした。
◎:粒子径増加率(%)が5%未満である。
○:粒子径増加率(%)が5%以上10%未満である。
△:粒子径増加率(%)が10%以上30%未満である。
×:粒子径増加率(%)が30%以上である。
各インクを70℃で2週間保管した後、15℃で湿度が10%の環境下において、100%ベタ画像を印字し3分間休止した後、再度100%ベタ画像を印字した画像を下記の評価基準で評価した。
◎:白スジが全く無く、正常に印字されている。
○:印字の最初の部分に僅かに白スジがみられる。
△:画像全体に白スジがみられる。
×:画像がほとんど印字されていない。
ハガキサイズのグラデーションパターンを1000枚連続印字し、1000枚目の画像のヨレ、不吐の吐出特性を下記の基準で評価した。
◎:ヨレ、不吐が無く、正常に印字されている。
○:不吐は発生していないが、一部にヨレがみられる。
△:不吐が一部発生し、画像全体にヨレがみられる。
×:不吐が多く発生し、画像全体にヨレがみられる。
70℃2週間保管した各インクで画像を印字し、その画像を下記評価基準で評価した。
◎:画像の滲みがなく、彩度が高い。
○:画像の滲みはないが、彩度が若干低い。
△:画像の滲みが若干みられる。
×:画像の滲みが多く、彩度も低い。
70℃2週間保管した各インクで100%ベタ画像を印字し、印字1分後に印字部を2×104N/m2の荷重を掛けてシルボン紙で擦り、その画像を下記評価基準で評価した。
◎:画像の擦れがなく、シルボン紙への付着がない。
○:画像の擦れがないが、シルボン紙への付着がみられる。
△:画像の擦れが若干みられる。
×:画像の擦れが多い。
101:インク袋
102:ゴム栓
103:針
104:チューブ
201:ベースプレート
202:インクノズル(吐出口)
203:隔壁
204:ノズルヒータ
205:共通液室
206:基板
207:天板
300:記録装置
301:ロール供給ユニット
302:被記録媒体(ロール紙)
303:記録ヘッド(ブラック)
304:記録ヘッド(シアン)
305:記録ヘッド(マゼンタ)
306:記録ヘッド(イエロー)
307:インクカートリッジ(ブラック)
308:インクカートリッジ(シアン)
309:インクカートリッジ(マゼンタ)
310:インクカートリッジ(イエロー)
311:キャップ機構
312:搬送モータ
313:搬送ベルト
400:キャップ
401:サブタンク
402:加圧ポンプ
403:吸引ポンプ
404a:供給弁
404b:回復弁
404c:大気開放弁
404d:リサイクル弁
405:フィルター
406:フェース(ノズル)面
80:インク流路
81:オリフィスプレート
82:振動板
83:圧電素子
84:基板
85:吐出口
Claims (11)
- 前記ポリマーAの酸価(α)と前記ポリマーBの酸価(β)との差が、10≦α−β≦180である請求項1に記載の顔料分散液。
- 前記ポリマーAのSP値(イ)と前記ポリマーBのSP値(ロ)との差が、0<ロ−イ≦10である請求項1または2に記載の顔料分散液。
- 前記顔料が前記ポリマーAで被覆されている請求項1に記載の顔料分散液。
- 前記ポリマーAがブロックポリマーであり、前記ポリマーBがランダムポリマーである請求項1に記載の顔料分散液。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の顔料分散液と、少なくとも水溶性有機溶剤とを混合させてなることを特徴とするインクジェット記録用インク。
- インクにエネルギーを与えて、該インクを飛翔させて被記録材に付与して行うインクジェット記録方法において、上記インクが、請求項7に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
- エネルギーが、熱エネルギーである請求項8に記載のインクジェット記録方法。
- インクを収容しているインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、該インクが請求項7に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
- インクを収容しているインク収容部を備えたインクカートリッジと、該インクを吐出させるためのヘッド部とを備えたインクジェット記録装置において、該インクが請求項10に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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