JP2010012618A - フィードブロック及びシート又はフィルムの製造方法 - Google Patents

フィードブロック及びシート又はフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、フィードブロックの合流部における樹脂境界の乱れを軽減し、シート及びフィルムの形状不良及び不均一な厚みを殆ど生じさせないフィードブロック、及びシート又はフィルムの製造方法を提供することを目的とした。
【解決手段】押出成形機21とダイ2との間を繋ぐフィードブロック1であって、内部には主流路5と副流路6,7が設けられ、その主流路5と副流路6,7が合流する合流部8において、主流路5が複数に分割され、フィードブロック1の樹脂の流れ方向下流側で、分割された主流路5が再び合流する構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は樹脂を用いたフィルム又はシートの製造方法、及びフィルム等を押し出し成形する際に使用するフィードブロックに関するものである。
樹脂フィルム成形において、Tダイ又はこれに類する金型を用いた押し出し成形が一般的に行われている。この成形方法では当業者の間でネックインと呼ばれる現象が発生し、このネックイン領域は不良部分として取り扱われる。
ここでネックイン現象とは、成形された樹脂フィルムの両側面に不良部分が生じる現象である。即ちネックイン現象とは、表面張力や引取比等の環境条件や成形条件によって発生する現象で、樹脂の収縮や座屈により所望の厚みや形状が得られない不良領域が生じる現象である。
そのため上記したネックイン領域、即ち成形された樹脂フィルムの両端側は、不良領域として切除しなければならない。
そこで不良領域となり易いフィルムの両脇部分に、再生樹脂等の安価な樹脂を配し、ネックイン領域を再生樹脂等の安価な樹脂で成形して切除した際の経済的負担を軽減する方法が考えられる。
具体的には、フィードブロック内にバージン樹脂と再生樹脂等を導入し、中央部にバージン樹脂の領域があり、幅方向の両端部に再生樹脂の領域を作って、金型に導入し、押し出し成形する。
特許文献1には、フィードブロックの幅方向外側ほど粘性度が高く流動しにくい材料を多く配置し、幅方向内側ほど粘性度が低い材料を配置してフィルムやシートの厚みを均一化する発明が開示されている。
特開2000−289085号公報
ところで樹脂フィルムやシートを押し出し成形する際に、当業者がしばしば直面する
問題として、成形されたシートの厚みが不均衡となる問題がある(以下 厚み不良)。
また前記したフィードブロックを活用する方策に特有の問題としてバージン樹脂で成形された領域と再生樹脂で成形された領域が明確に区別されず、両者が入れ混じる問題(以下 混合不良)がある。
本発明者らは、上記した「厚み不良」と「混合不良」について研究し、その原因について、以下の考察を得た。
以下、それぞれの原因について説明する。
前者の「厚み不良」は、別系統樹脂を押し出し機で押し出す際の圧力変動に起因するものと考えられる。
一般的に押出機は、スクリュウ回転に起因する押出変動を3%程度持っている。例えば,同じ2つの押出機を使用する事で単純統計的に4.2%の変動があると推定される。
押出機の押出変動が、4.2%となる理由は、次の数1による。
Figure 2010012618
ここで従来技術のフィードブロックを利用した成形方法では、主樹脂(バージン樹脂)の押出変動と別系統樹脂(再生樹脂等)の押出変動が、フィードブロック内で直接一つに統合される為、圧力変動が重畳し、圧力変動が大きくなり、フィルム全巾の厚み変動(特に成形品流れ方向の平坦性を損ねる)となり厚み不良になってしまう。
また後者の「混合不良」は、バージン樹脂と再生樹脂との合流部界面の乱れに起因する。
即ち異樹脂の合流に関してはそれぞれの樹脂の粘度,流速,層比の3つの条件により樹脂界面の乱れが発生する事が知られている。これは,一般流体におけるカルマン渦の現象と同様の現象と考えれば良い。
そしてこの乱れた領域が金型内で巾方向に広げられる事になる。例えば,金型巾2000mm程度のフィルム製品の場合、片側200mm程度がネックイン領域となる。
当然,成形条件によってこれ以上広くも成り得るが,効率やフィルムの平坦性を考えても多くて10%程度以下が一般的といえる。
そして上記事例からも概ねネックイン領域を別系統樹脂にしようとすると、単純に樹脂流路の巾方向の10%程度に別系統樹脂を流せば良い。
しかし,従来技術のフィードブロック方法では主樹脂が別系統樹脂の10倍程度若しくはそれ以上の構成にしようとすると、樹脂界面の乱れが容易に発生してしまう。主樹脂の影響を小さくするためには、別系統樹脂の粘度を大きくすればよく、粘度の調整による改善も考えられるが、上記10倍程度以上の層比を改善する粘度調整は困難若しくは極めて限られた別系統樹脂を選択する事となり、実質上困難となる。
このフィードブロック内で発生した合流部の樹脂界面の乱れの領域は、樹脂が金型内で展開、広げられるときに同様に広がってしまう。一般的に、フィードブロック内の樹脂流路巾に対し成形品巾は40倍以上になる事も珍しくない。即ち、合流部樹脂界面の乱れ領域は40倍にも広げられる事となる。
既述の通り、従来技術のフィードブロックによるフィルムの製造方法では主樹脂が別系統樹脂の10倍程度若しくはそれ以上の構成にせざるを得ないが、この合流部の界面の乱れを考慮すると更に大きく倍率を上げる必要がある。結果、乱れの程度は更に大きくなり当方法では結局課題を解決できない。
そして従来技術のフィードブロックによるフィルムの製造方法は、上記した「厚み不良」と「混合不良」の2つの欠点があるため、特に高い平坦性を要求される成形品、例えば光学フィルムなどの成形には採用できないのが実状となっている。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、2つの樹脂を巾方向に層別し成形した時の形状不良が少なく、合流エリアの混合不良領域が狭いフィードブロックにおける押出し成形方法及びこれを用いたフィードブロックを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、押出成形機とダイとの間を繋ぐフィードブロックであって、内部に主たる樹脂が通過する主流路と、前記主流路の両脇に他の樹脂が通過する副流路を備えたフィードブロックにおいて、前記主流路は、前記副流路との合流部分が複数の流路に分割され、フィードブロックの出口側で前記分割された複数の流路が合流していることを特徴とするフィードブロックである。
本発明におけるフィードブロックは、主流路の両脇に、例えば、幅方向に副流路が接続され、その接続部、つまり主流路における樹脂の合流部が、複数の流路に分割されている。一般的に、複数の樹脂をフィードブロックにおいて合流させる場合、それぞれの樹脂における粘性度の比や流速の比、断面積の比が大きい程、樹脂の界面に乱れが起き易いことが知られている。
一方でフィードブロックの出口側、つまり樹脂がダイに流入する間際のところで、再び分割された主流路が合流しているが、合流前の流速及び粘性度と略同じである。
つまり、本発明においては、樹脂の合流部において分割された主流路の断面積と副流路の断面積との比を小さくでき、さらに合流部において流速及び粘性度の変化を生じさせないため、樹脂界面の乱れを軽減することができる。要するに、フィルム及びシートの厚みを均等に分布させることが可能で、さらにそれらの幅方向端部の不良部を少なくすることができる。即ち前記した「混合不良」を軽減することができる。
また本発明によると、前記した「厚み不良」についても緩和される。即ち、「厚み不良」は、前記した様に押出機由来の圧力変動に起因している。ここで本発明で採用するフィードブロックは、主流路が複数の流路に分割されているから、分割された部位で樹脂の流路が絞られ圧力損失が与えられる。
そのためフィードブロックの流路分割部分が緩衝部として作用し、押出機の圧力変動が吸収されて下流側(金型側)に伝わり難くなる。
その結果、「厚み不良」についても緩和される。これにより、生産コストを削減することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記主流路が少なくとも3つ以上に分割されていることを特徴とするフィードブロックである。
請求項2のフィードブロックは、主流路が流路方向に少なくとも3つ以上に分割されているため、副流路の断面積と分割された主流路の断面積との比をさらに小さくあるいは略無くすことができる。そのため、フィルム及びシートの厚みをより均等に分布させることが可能で、幅方向端部の切り落としをより少なくすることができる。これにより、さらに生産コストを削減することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記主流路の合流部における分割した断面積が、前記副流路の断面積の8倍以下であることを特徴とするフィードブロックである。
請求項3のフィードブロックは、合流部において主流路の分割した断面積が副流路の断面積の8倍以下であることから、主流路を流れる樹脂が副流路を流れる樹脂に及ぼす応力の影響を小さくできる。つまり、合流部における樹脂の界面に起こる乱れを軽減できるため、幅方向の不良部をより少なくすることができる。さらに分割された部位では、より圧力損失を与えることが可能となり、押出機による圧力変動が十分緩衝され、樹脂の下流側に伝わり難くなる。要するに、厚み不良についてもより緩和可能な構成である。
請求項4の発明は、複数の押出成形機から主たる樹脂と補助的樹脂を押し出し、主たる樹脂の両脇に補助的樹脂を配した状態で前記両樹脂をダイに導入し、ダイでシート状又はフィルム状に賦形し、さらに、成形物の両脇部を切除する工程を備えたシート又はフィルムの製造方法において、主たる樹脂を複数の小流路に分けて流し、当該小流路の途中で前記補助的樹脂を導入し、その後に前記複数小流路に別れていた樹脂を合流させて賦形することを特徴とするシート又はフィルムの製造方法である。
請求項4のシート又はフィルムの製造方法は、主たる樹脂を小流路に分けて流し、その流路の途中で補助的樹脂を導入するため、補助的樹脂と小流路を流れる主たる樹脂との合流部における断面積比を小さくすることができる。また、小流路に別れていた樹脂は、下流側で再び合流するが、合流前の速度及び粘性度と略同じである。そのため、本発明の製造方法では、粘性度比、速度比及び断面積比を小さくすることができるので、樹脂界面の乱れを軽減できる。つまり、生成されるフィルム及びシートは、厚みの不均一や幅方向端部の不良部を軽減することができる。また分割された部位で樹脂の流路が絞られ圧力損失が与えられるので、押出機の圧力変動が吸収されて下流側(金型側)に伝わり難くなり、「厚み不良」についても緩和される。これにより、生産コストを削減することができる。
本発明のフィードブロック、及びシート又はフィルムの製造方法は、主流路と副流路の合流部において、副流路と分割された主流路の断面積の比を小さくすることで、成形されたフィルム又はシートの厚みを均一化、さらには幅方向端部の不良部を軽減できる。
次に本発明の実施形態であるフィードブロック1について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態のフィードブロック及びその周辺部材の平面断面図である。図2は、図1の円内を拡大した拡大断面図である。図3は、図1に示すフィードブロック内を流れる樹脂の様子を示す説明図である。図4は、本発明の他の実施形態のフィードブロックの要部を示す拡大断面図である。図5は、図4に示すフィードブロック内を流れる樹脂の様子を示す説明図である。図6は、本発明の実施形態であるフィードブロック1を含むシート及びフィルム製造装置を示す概略図である。
シート及びフィルム製造装置は、樹脂が送り出される側から順番に、押出成形機21、フィードブロック1、T−ダイ2、ポリッシングロール22、引取機23、カッタ24等で構成されている。つまり、押出成形機21に供給された樹脂等は、フィードブロック1やT−ダイ2で成形され、ポリッシングロール22により冷却及び艶出しが行われる。そして、引取機23によって引っ張られて、カッタ24により不要な部分を切り落とされてシートやフィルム等の製品とされる。
このようなシート又はフィルムの製造工程においては、複数の樹脂を用いて成形することもできるが、本実施形態では、厚み方向には単層のフィルムを成形するものとする。ただし本実施形態では、上記したフィードブロック方式を採用しており、それぞれの樹脂が領域に別れて押し出される構成である。
ここで、シートあるいはフィルムの成形品について説明しておくと、一般的に樹脂の進行方向垂直側の両端部は製品として好ましくない状態となることが多い。つまり、本実施形態のように幅方向に領域を分けて押し出す構成としておくことで、回収樹脂等の劣化樹脂を前記した両端部に用いることができる。
本実施形態のフィードブロック1は、外観が略台形状であり、それぞれの側面には、接続部材が設けられている。詳しくは、図1に示すように、台形の下底にあたる側面には、ダイ接続部材11、その他の側面には押出機接続部材12〜14がそれぞれ接続されている。そして、それらの接続部材には3基の押出成形機21とT−ダイ2等の金型が接続されている。
またフィードブロック1は、平面視した断面図である図1に示すように、内部に複数の樹脂を合流させる合流部8を備えた構造である。詳細には、合流部8には、樹脂が流れる主流路5と副流路6及び7を備えており、そこで複数の樹脂が幅領域を分けて押し出される。
そして本実施形態では、図2に示す様に、合流部8の主流路5がさらに2分割され、流路Aと流路Bが形成されている。
具体的には主流路5の中央に分割壁9が設けられ、合流部8における主流路5を2分割している。
なお主流路5の分割前の領域の断面積は、分割後の流路A,Bの合計に等しい。また合流部8以降の流路面積は、主流路5の分割前の領域の断面積と、副流路6及び7の断面積の合計と等しい。
ここで前述した従来技術において、一般的に合流部8においては、主流路5と副流路6,7との断面積比、速度比、粘性度比が大きい場合、それぞれの樹脂の境界が乱れることがある(図8,9)。これは、例えば円形の管内を流れる流体は、流れの状態が層流の場合、その管径に比例した剪断応力を受けることに関係している。つまり、一般的に層流における流体は、管の半径が大きくなるほど径方向外側の剪断応力が大きくなり、管内の断面積あたりの速度分布が大きくなる。言い換えれば、管径が小さいほど断面積あたりの速度分布が小さくなる。
つまり従来技術であれば、断面積の大きい主流路と断面積の小さい副流路により、シート又はフィルムの厚みが均一とならなかったり、幅方向端部の不良部を多く生じさせたりすることがある。ここで言う、幅方向端部の不良部とは、生成されたシートあるいはフィルムにおける、主流路5を流れる樹脂と副流路6,7を流れる樹脂とが混合された混合部から主流路5を流れる樹脂の端部までである。
そこで本実施形態では、前記した様に分割壁9を設けることで、フィードブロック1の合流部8における主流路5と副流路6、7の断面積比を小さくできる構成としている。
即ち図2に示すように、本実施形態では、合流部8の主流路5において分割壁9が設けられ、樹脂の流れを2分割するように配されている。要するに、この分割壁9は、合流部8において、副流路6が接続する側と副流路7が接続する側とを完全に分離し、一定長さ樹脂の流れの方向に延びた構成である。このときの分割された主流路と副流路の断面積比(A:a,B:b)は、8:1以下とすることが望ましい。本実施形態においては、実質的に、主流路5の断面積と副流路6及び7の断面積の比を小さくすることができる。
また、分割壁9により分割された主流路5は、フィードブロック1内で再び合流するが、フィードブロック1内は一般に温度が一定に保たれているため、内部を流れる樹脂の粘度は変化しない。さらにそれぞれの樹脂は、合流の前の層幅を維持するので、単位面積当たりの流量が変化しないため、速度が変化することはない。これは、後記する変形例(図4)も同様としている。
このような構成とすることで、複数の異なる樹脂を用いた場合であっても、樹脂の厚みを均一にでき、幅方向端部の不良部を軽減することができる。
本実施形態では副流路6,7に比較的安価な樹脂あるいは回収樹脂を使用することが推奨され、この樹脂を含む箇所を不良部としている。
次に本発明の効果を確認するために行った実験について説明する。
(実施例1)
本発明の第一実施例として図2に示す構成のフィードブロックを試作した。試作したフィードブロックは、図2の様に主流路5の中央部に分割壁9があり、合流部8における主流路5がA,Bの2流路に分割されている。
具体的には、第一実施例のフィードブロックにおいては、主流路5の分割前の断面は長方形であり、そのサイズは、15mm×50mmである。また主流路5の分割後の断面は、それぞれ15mm×25mm(高さ×幅)で、副流路6,7の断面は、それぞれ15mm×3.25mm(高さ×幅)である。
そして第一実施例のフィードブロックの主流路5及び副流路6,7に次の樹脂を流し、図示しないT−ダイにフィードブロックから樹脂を導入してフィルムを成形した。
〔主流路を流れる樹脂〕
飽和ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン株式会社製、商品名「ZEONOR」、Tg=138℃)
〔副流路を流れる樹脂〕
汎用オレフィンPP樹脂(商品名「PC630Aサンアロマー株式会社製」、Tg=170℃)
また押し出し成形は、次のものを使用した。
〔主流路に接続された押出成形機〕
内径90mm、L/D=32の単軸押出機、ストレートスクリュー
押出温度270度
〔副流路に接続された押出成形機〕
内径65mm、L/D=32の単軸押出機、バリアスクリュー
押出温度230度
ダイ(金型)は、金型出口部の断面は、「リップギャップ1mm×幅2000mm」である。
上記した条件でフィルムを押し出し成形した。そして図7に示すように、副流路を流れる樹脂と主流路を流れる樹脂が入り交じる領域を混合部とし、主流路を流れる樹脂だけが存在する領域を主樹脂領域とし、副流路を流れる領域を副樹脂領域として成形されたフィルムを評価した。
本実施例では、樹脂の混合部が幅方向に2mm、副流路6,7を流れた樹脂が(副樹脂領域)幅方向に108mm生じており、不良部はその合計の120mmであった。
(実施例2)
本発明の第二実施例として図4に示す構成のフィードブロックを試作した。試作したフィードブロックは、図4の様に主流路5の中央部に二つの分割壁10があり、合流部8における主流路5がC,D,Eの3流路に分割されている。
即ち図4に示すように、本実施例では、合流部8の主流路5において2つの分割壁10が設けられ、樹脂の流れを3分割するように配されている。この分割壁10は、合流部8において、実施例1と同様に、副流路6が接続する側と副流路7が接続する側とを完全に分離するものであるが、さらに分割した主流路5の個々の断面積を小さくしたものである。また、実施例1と同様に、樹脂の流れの方向に一定長さ延びた構成である。このときの分割された主流路と副流路の断面積比(C:c,E:e)は、8:1以下としている。つまり実質的に、主流路5の断面積と副流路6及び7の断面積の比を、実施例1よりも小さくすることができる。
具体的には、本実施例の主流路5の分割後の断面は、副流路6,7側がそれぞれ15mm×3mmで、それらに挟まれた断面は、15mm×44mm(高さ×幅)であり、副流路6,7の断面は、それぞれ15mm×3mm(高さ×幅)である。
即ち本実施例では、主流路5を単に3流路に分けるだけではなく、C,D,Eの大きさに差を設けている。より具体的には、両脇にあって、副流路6,7と合流する流路の断面積を小さくし、副流路6,7と合流する主流路5の断面積を副流路のそれに近づけている。本実施例では、副流路6,7と合流する主流路5の断面積を副流路6,7の断面積と同じにしている。
そして第二実施例のフィードブロックの主流路5及び副流路6,7に次の樹脂を流し、図示しないT−ダイにフィードブロックから樹脂を導入してフィルムを成形した。
他の成形条件は、第一実施例と同一である。
そして前記した様に、副流路6,7を流れる樹脂と主流路5を流れる樹脂が入り交じる領域を混合部とし、主流路5を流れる樹脂だけが存在する領域を主樹脂領域とし、副流路6,7を流れる領域を副樹脂領域として成形されたフィルムを評価した。
本実施例では、この不良部は、副流路6,7を流れた樹脂(副樹脂領域)が幅方向に95mmのみで、樹脂の混合部は生じていない。このような構成とすることで、実施例1と同様、複数の異なる樹脂を用いた場合であっても、樹脂の厚みを均一にでき、幅方向端部の不良部を軽減することができた。
なお第二実施例のフィードブロックは、第一実施例のそれよりも、より経済的な成形品であると言える。
(比較例1)
比較例1は、合流部8において分割壁9あるいは10を設けず、主流路5の幅を50mm、副流路6,7の幅をそれぞれ5mmとし、その断面積比を10:1とした。
流路の高さは実施例1,2と同様に15mmである。
そして比較例のフィードブロックの主流路5及び副流路6,7に次の樹脂を流し、図示しないT−ダイにフィードブロックから樹脂を導入してフィルムを成形した。
他の成形条件は、第一実施例と同一である。即ち樹脂の押し出し量は、先の実施例1,2と同一である。
そして実施例と同様の手法で、成形されたフィルムを評価した。
比較例1では、樹脂の混合部が幅方向に130mm、副流路6,7を流れた樹脂(副樹脂領域)が幅方向に100mm生じており、不良部はその合計の230mmであった。
(比較例2)
比較例2は、比較例1と同様、分割壁9あるいは10を設けず、主流路5の幅を50mm、副流路6,7の幅をそれぞれ6.5mmとし、両者の断面積比を8:1とした。
流路の高さは実施例1,2と同様に15mmである。
そして比較例のフィードブロックの主流路5及び副流路6,7に次の樹脂を流し、図示しないT−ダイにフィードブロックから樹脂を導入してフィルムを成形した。
他の成形条件は、第一実施例と同一である。即ち樹脂の押し出し量は、先の実施例1,2と同一である。
そして実施例と同様の手法で、成形されたフィルムを評価した。
比較例1では、樹脂の混合部が幅方向に2mm、副流路6,7を流れた樹脂(副樹脂領域)が幅方向に208mm生じており、不良部はその合計の210mmであった。
実施例1,2と、従来技術である比較例1,2と比較すると、従来技術による成形品は不良部の割合が高いため、不良部として切り落とす部位が多い。そのため、製造コストを抑えたシートあるいはフィルムの製造はできなかった。
上記した実施例1,2及び比較例1,2の実験結果を示した表を示す。
Figure 2010012618
このことから、本実施形態のフィードブロック1を用いたシートあるいはフィルムの製造は、複数の樹脂が合流する合流部8に分割壁9あるいは10を設ける構成とすることで、それぞれの樹脂が合流する流路の断面積比が小さくなり、樹脂の境界での乱れが軽減される。一方で、表1に示す比較例2では、分割壁を設けることなく主流路5と副流路6,7の断面積比を8:1とした構成を示したが、副流路6,7により生成される不良部の幅の大きな減少は見られなかった。つまり、比較例2では、断面積比を小さくすることで、不良部である混合樹脂の幅を小さくすることはできたが、実質的に不良部全体の幅を大きく減少させることはできなかった。
要するに、本実施形態のように、断面積比を小さくするだけではなく、合流部8における主流路5に分割壁9あるいは10を設けて、主流路5の断面積自体を小さくしなければ、効率的に不良部を減らすことはできない。
つまり、本実施例1,2のような分割壁9,10を設ける構成とすることで、樹脂には乱れが殆ど生じることなく、厚みが均一で、不良部幅の少ないシートあるいはフィルムを製造することができる。
以上のことから、本実施形態のフィードブロック1であれば、複数の異なる樹脂を用いた場合であっても、合流部8の樹脂の境界部に乱れを生じることなく、厚みの均一な不良部の少ないシートあるいはフィルムを得ることができる。
上記実施形態のフィードブロック1は、主流路5に1つあるいは2つの分割壁を設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されるわけではない。
例えば、分割壁は3つ以上であっても構わない。その場合も上記実施形態のように、分割後の主流路5の副流路6,7側の断面積を小さくし、副流路6,7との断面積比を8:1以下にすることが好ましい。
上記実施形態のフィードブロック1は、単層のシートあるいはフィルムの製造方法を示したが、本発明はこれに限定されるわけではない。つまり、厚み方向に層が形成される製造であっても構わない。
本発明の実施形態のフィードブロック及びその周辺部材の平面断面図である。 図1の円内を拡大した拡大断面図である。 図1に示すフィードブロック内を流れる樹脂の様子を示す説明図である。 本発明の他の実施形態のフィードブロックの要部を示す拡大断面図である。 図4に示すフィードブロック内を流れる樹脂の様子を示す説明図である。 本発明の実施形態であるフィードブロック1を含むシート及びフィルム製造装置を示す概略図である。 成形されたフィルムの領域を説明する説明図である。 従来技術のフィードブロックの要部を示す拡大断面図である。 図8に示すフィードブロック内を流れる樹脂の様子を示す説明図である。
符号の説明
1 フィードブロック
2 T−ダイ(ダイ)
5 主流路
6,7 副流路
8 合流部
9,10 分割壁

Claims (4)

  1. 押出成形機とダイとの間を繋ぐフィードブロックであって、
    内部に主たる樹脂が通過する主流路と、
    前記主流路の幅方向両脇に他の樹脂が通過する副流路を備えたフィードブロックであって、
    前記主流路は、前記副流路との合流部分が複数の流路に分割され、フィードブロックの出口側で前記分割された複数の流路が合流していることを特徴とするフィードブロック。
  2. 前記主流路が少なくとも3つ以上に分割されていることを特徴とする請求項1に記載のフィードブロック。
  3. 前記主流路の合流部における分割した断面積が、前記副流路の断面積の8倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィードブロック。
  4. 複数の押出成形機から主たる樹脂と補助的樹脂を押し出し、
    主たる樹脂の両脇に補助的樹脂を配した状態で前記両樹脂を金型に導入し、金型でシート状又はフィルム状に賦形し、さらに、成形物の両脇部を切除する工程を備えたシート又はフィルムの製造方法において、主たる樹脂を複数の小流路に分けて流し、当該小流路の途中で前記補助的樹脂を導入し、その後に前記複数の小流路に別れていた樹脂を合流させて賦形することを特徴とするシート又はフィルムの製造方法。
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