JP2007144846A - 積層流の形成装置、積層シートの製造装置および製造方法 - Google Patents

積層流の形成装置、積層シートの製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、各層の厚みが目標値あるいは設計値通りの積層シートを容易に製造することが可能な積層シートの製造装置および製造方法を提供することにある。
【解決手段】間隔をおいて配列された多数のスリットを有し、隣り合うスリットから異なる溶融材料を流出させことにより、異なる溶融材料が交互に積層された積層シートを製造する装置において、前記複数のスリットの両端に位置するスリットの少なくとも一方において、現実のスリット間隙をDs、現実のスリット長をLs、仮想的なスリット間隙をDc、仮想的なスリット長をLcとしたとき、
10 ≦ (Ds/Ls)/(Dc/Lc) ≦ 150
の関係を満足するよう、前記複数のスリットの両端に位置するスリットのスリット間隙およびスリット長が設定されている装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、多層フィルムの製造に好適な積層流の形成装置、積層シートの製造装置および製造方法に関する。
複数種類(例えば、2種類)のシート材料(典型的には溶融樹脂など。以下、簡単のため溶融樹脂を用いる場合を中心に説明する。)を、それぞれの溶融樹脂を受け入れるそれぞれのマニホールドに供給し、各マニホールドから溶融樹脂を、複数の細孔や複数のスリットを通して流出させ、複数の溶融樹脂の層状の流れを形成し、複数の溶融樹脂の層状の流れを合流させて多層の積層流を形成し、この積層流を、溶融樹脂の各層の積層方向と直交する方向に延びるスリット状の口金から吐出させ、積層シートを形成する方法が知られている(例えば、特許文献1)。口金から吐出された積層シートは、そのまま、あるいは、その後、延伸等の後処理が施され、多層フィルムとして用いられる。
この積層シートの製造装置の典型的な例が、図1に示される。図1において、積層シートの製造装置は、一方の溶融樹脂Aが供給される溶融樹脂導入管1、他方の溶融樹脂Bが供給される溶融樹脂導入管2、溶融樹脂導入管1により供給された溶融樹脂Aと溶融樹脂導入管2により供給された溶融樹脂Bからなる積層流を形成する積層流の形成装置たる多層フィードブロック3、形成された積層流が流れる導管4、導管4により供給された積層流の幅と厚みを所定の値に調整し、調整された積層流を吐出し、溶融樹脂Aと溶融樹脂Bとが交互に積層された積層シートを形成する口金5、および、口金5から吐出された積層シート6を冷却し固化させるキャスティングドラム7からなる。キャスティングドラム7で固化した積層シートは、通常、未延伸フィルム8と呼称される。未延伸フィルム8は、通常、矢印NSで示すように、延伸工程(図示せず)に送られ、一方向あるいは二方向に延伸され、多層フィルムとされる。
多層フィードブロック3は、その内部に、溶融樹脂導入管1に結合されるマニホールド、溶融樹脂導入管2に結合されるマニホールド、および、所定の間隔をもって配列された複数のスリット、各スリットを通過した各溶融樹脂の流れを合流させる合流部を有する。複数のスリットは、2つの群に分けられ、一方の群の複数のスリットは、溶融樹脂導入管1に結合されたマニホールドの出口に対し開口し、他方の群の複数のスリットは、溶融樹脂導入管2に結合されたマニホールドの出口に対し開口している。合流部の出口は、導管4に連通されている。
一般に、溶融樹脂導入管1と溶融樹脂導入管2とにそれぞれ屈折率の高い樹脂と屈折率の低い樹脂とを供給し、それぞれの樹脂を一定の厚みで交互に積層することで特定の波長を反射させる機能をもつ狭帯域干渉反射フィルムや、それぞれの樹脂層の厚みをフィルム厚み方向に一定の割合で順次減少または増加させて積層することで、広波長域の光を反射または透過させる広帯域干渉反射フィルムが知られている。
本発明者の知見によると、このようなフィルムを得るには積層精度を高めることが重要であるが、上述の多層フィードブロックを用いて多層フィルムの成形を試みたところ、多層フィードブロックの合流部の壁面およびフィードブロック以降の導管の壁面の影響により積層方向の壁面に近い側の層が設計値どおりに積層されないことが判明した。
特許文献2には、押出可能な第1と第2の熱可塑性材料をそれぞれ複数のサブストリームに分割し、第1と第2のサブストリームを交互に配置して積層流を形成し、その積層流の外面に第3の熱可塑性材料で保護境界層を形成し、その積層流を複数に分割し、分割した積層流をそれぞれの屈曲した流路で位置移動を行い、再び合流させるといった機械的な操作で層の数を増やし、押出成形する方法が提案されている。しかしこの手法では目的とする層数が多い場合、何度も機械的な操作を繰り返す必要があり保護境界層の効果が減少したり、分割や合流等で流れが乱れるため各層を目標の厚みに高い精度で積層がすることが困難であった。
特許文献3には、フィルム厚みを調整する目的で複数のスリットを有する多層フィードブロックで積層流を構成し、その後、多層フィードブロックへ導く溶融樹脂から分岐した最外層用流路を介して多層膜層の外側に厚膜層を形成する方法が提案されている。図18は特許文献3のフィードブロックの平面図を示すもので、入口から入ったA樹脂は、マニホールド(図示せず)に導入されマニホールド内で幅方向に広げられ、細孔39を通じてスリット40へ導入する。また、入口から入ったB樹脂はマニホールド41に導入し、マニホールド41で幅方向に広げられた後、スリット40へ流入するようになっており、スリット40ではA樹脂とB樹脂が交互に配置され、その後、スリット40の出口部にある合流マニホールド42で合流し、積層流が形成され排出路43へ流出する。一方、入口から入ったA樹脂は途中で分岐しマニホールド(図示せず)に通ずる通路とは別に設けられた最表層用導管44を通じ排出路43に設けられた流出口45から流出し積層流と合流しフィルムの最表層として厚膜層を形成するようになっている。しかし、本発明者の知見によると、この方法では積層流が形成された後、線46で示す、合流マニホールド42や厚膜層と合流するまでの排出路43の壁面影響をうけるほか、最表層用導管を設けるなど装置の複雑化や大型化の問題がある。
一方、多層フィルムの表層部の薄膜化を改善する方法として、本発明者らが提案の特願2005−293261には多層フィルムの各層の厚みを測定して、各々の層が目標の厚みになるよう対応するスリットのスリット間隙やスリット長を調整する方法を提案している、しかし、この方法は最終的には目標とする厚みの多層フィルムを得ることができるが、多層フィルムの各層の厚みを測定する作業や、その結果を基にフィードブロックのスリット間隙やスリット長を調整する作業が煩雑であったり、場合によってはフィードブロックの再製作が必要となり費用の増大を伴うという問題がある。
ここでいう、積層流とは口金から吐出されるまでの多層に積層されたシート材料、積層シートとは積層流が口金から吐出された状態のシート材料のことである。
特開2003−112355号公報 特表平8−501994号公報 特開2003−251675号公報
本発明の目的は、各層の厚みが目標値あるいは設計値通りの積層シートを容易に製造することが可能な積層流の形成装置、積層シートの製造装置および製造方法を提供することにある。
本発明の目的の他の一つは、簡単な装置で多層膜を構成するフィードブロックの壁面の影響を受けにくく、各層を高精度に積層することが可能な積層流の形成装置、積層シートの製造装置および製造方法を提供することにある。
本発明の目的の更に他の一つは、フィードブロックのスリット間隙やスリット長さの調整の必要性が低く、費用の低減が可能な積層流の形成装置、積層シートの製造装置および製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の積層シートの製造装置は下記の構成を有する。
すなわち、複数種類のシート材料が前記複数種類の数よりも多い数の複数の層に積層された積層流の形成装置であって、前記各シート材料を前記各層に対応して通過させるように所定の間隔をもって配列された複数のスリットと、前記各スリットを通過した前記各シート材料を前記積層を形成するように合流させて積層流となす合流部とを備え、前記複数のスリットの両端に位置するスリットの少なくとも一方において、現実のスリット間隙をDs、現実のスリット長をLs、仮想的なスリット間隙をDc、仮想的なスリット長をLcとしたとき、
10 ≦ (Ds/Ls)/(Dc/Lc) ≦ 150 ・・・(1)
の関係を満足するよう、前記複数のスリットの両端に位置するスリットのスリット間隙およびスリット長が設定されている積層流の形成装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記複数のスリットの両端に位置するスリットの前記現実のスリット間隙Dsが前記仮想的なスリット間隙Dcの2倍以上5倍以下となるように構成されていることを特徴とする積層流の形成装置が提供される。式(1)を満たしていても、スリット間隙Dsがスリット間隙Dcの2倍未満の場合には、スリット長さの調整が必要であり加工が煩雑となる傾向がある。また、式(1)を満たしていても、スリット間隙Dsがスリット間隙Dcの5倍以上の場合には、スリット間隙Dcとの差が大きくなり過ぎるきらいがある。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記複数のスリットの両端に位置するスリットの前記現実のスリット長Lsが前記仮想的なスリット長Lcの0.5倍以上1倍以下となるように構成されていることを特徴とする積層流の形成装置が提供される。式(1)を満たしていても、スリット長Lsがスリット長Lcの0.5倍未満の場合には、実際に製作する場合、スリットの構成が困難なことやスリット幅方向の流量分布が悪くなることがある。また、式(1)を満たしていても、スリット長Lsがスリット長Lcの1倍より大きい場合には、スリットを構成する隔壁が長くなり隔壁の強度が低下するほか加工時間が長くなり製作費用が増大する傾向がある。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記複数のスリットのうち両端に位置するスリット以外の前記複数のスリットのスリット間隙が、実質的に同一であることを特徴とする積層流の形成装置が提供される。複数のスリットのスリット間隙が実質的に同一であるとは、複数のスリットを構成する一つの部材内において、一つのシート材料が通過する複数のスリットのスリット間隙同士が実質的に同じであり、他の一つのシート材料が通過する複数のスリットのスリット間隙同士が実質的に同じであることを含む。すなわち、例えば、部材1においてはシート材料Aが通過する複数のスリットの各スリット間隙が0.7mmであり、シート材料Bが通過する複数のスリットの各スリット間隙が0.5mmであることを含む。複数のスリットのスリット間隙が実質的に同一である場合、それぞれのスリットのスリット間隙が、共通の目標値の−5%乃至+5%の範囲にあることが好ましい。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記複数のスリットのうち両端に位置するスリット以外の前記複数のスリットのスリット間隙が、0.1mm以上5mm以下であることを特徴とする積層流の形成装置が提供される。スリット間隙が0.1mm未満の場合には、スリットを加工する際の加工装置の制御が難しくなる恐れがある。スリット間隙が5mmを越える場合には、積層する層数が多いフィードブロックにおいて、その長手方向(シートの積層方向)にフィードブロックが大型化し過ぎる恐れがあるとともに、各スリットを流動するシート材料の圧力損失が小さくなり、各スリットを流れるシート材料の流量の均一化が難しくなる場合がある。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記複数のスリットの数が、10以上1000以下であることを特徴とする積層流の形成装置が提供される。スリット数としては、要求される最終製品形態に応じて決定すればよいが、干渉反射フィルムを製造する場合、10以下ではスリットを形成する部材が多数必要となり組合せが困難であったり、製作コストの点で不利となったりする。また、スリット数が1000より多い場合には、装置が積層方向に大型化しすぎるために、滞留部が生じたり、端部側のスリットでの流速が不均一になったりするため好ましくない。より好ましくは、前記複数のスリットの数が、100以上500以下である。
また、本発明の好ましい形態によれば、複数の上記いずれかの積層流の形成装置を備え、前記各積層流の形成装置が積層した積層流を互いに積層させる手段を備えてなる積層流の形成装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、上記のいずれかの積層流の形成装置と、該積層流の形成装置が形成した積層流を吐出口から吐出する口金とを備えてなる積層シートの製造装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、上記のいずれかの積層流の形成装置により複数種類のシート材料を積層して積層流となし、該積層流を口金に導き、該口金の吐出口から前記積層流を吐出し、もって積層シートとなすことを特徴とする積層シートの製造方法が提供される。
本発明において、シート材料とは、たとえば、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、脂環族ポリオレフィン樹脂、ナイロン6・ナイロン66などのポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート・ポリプロピレンテレフタレート・ポリブチルサクシネート・ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、4フッ化エチレン樹脂・3フッ化エチレン樹脂・3フッ化塩化エチレン樹脂・4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体・フッ化ビニリデン樹脂などのフッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ乳酸樹脂、などを溶融するなどして流体化したものを用いることができる。またこれらの熱可塑性樹脂としてはホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、各熱可塑性樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
また、本発明において、「仮想的なスリット間隙」とは、複数のスリットのうち両端に位置するスリット以外の複数のスリットのスリット間隙の延長線上にあるスリット間隙をいう。例えば、図19の(d)、(e)、(f)に示すように、両端のスリット以外のスリットのスリット間隙が黒丸印で示すような分布である場合、こうしたスリットのスリット間隙の変化の法則にしたがって両端部のスリット間隙を推定した場合のスリット間隙が仮想的なスリット間隙Dc(白丸印)となる。例えば、スリット間隙のスリット位置(図ではスリット番号)に対する変化が一次関数でよく近似される図19(d)か(e)の場合は、この一次関数で外挿して求められるし、図19(f)のように3次関数でよく近似できるときはこうした近似関数で外挿して求めることができる。
また、本発明において、「現実のスリット間隙」とは、複数のスリットのうち両端に位置するスリットの現実の間隙をいう。例えば、図19の(d)、(e)、(f)のような例では、両端において黒丸印で示したDsがこれに該当する。また、本発明において、「仮想的なスリット長」とは、複数のスリットのうち両端に位置するスリット以外の複数のスリットのスリット長の延長線上にあるスリット長をいう。例えば、図19の(a)、(b)、(c)のLcに示すような場合が該当する。「仮想的な」の考え方は「仮想的なスリット間隙」と同様である。
また、本発明において、「現実のスリット長」とは、複数のスリットのうち両端に位置するスリットの現実のスリット長をいう。例えば、図19の(a)、(b)、(c)のLsのような例では、両端において黒丸印で示したLsがこれに該当する。
本発明に係る積層流の形成装置、積層シートの製造方法および製造装置によれば、各層の厚みが目標値あるいは設計値通りの積層シートを容易に製造することが出来る。
本発明に係る積層流の形成装置、積層シートの製造方法および製造装置では、フィードブロックの壁面の影響を受けにくく、高精度の積層された積層シートを製造することが出来る。
本発明に係る積層流の形成装置、積層シートの製造方法および製造装置では、フィードブロックのスリット間隙やスリット長さを調整の必要性が低く、高精度に積層された積層シートが製造出来、結果として積層装置に係る費用を低減することができる。
図2乃至図5は、本発明の積層流の形成装置の一実施例において用いられる多層フィードブロック11に関する図である。図2は、多層フィードブロック11を分解した状態の斜視図、図3は、図2のスリット板20および合流部/排出路形成部材20aの正面図である。
なお、図1乃至図11において、同じ用途および機能を有している部材については、同じ符号を付している場合がある。
図2および図3において、多層フィードブロック11は、側板21、側板22、および、側板21と側板22とに挟まれたスリット板20からなる。スリット板20は、その下部に結合された合流部/排出路形成部材20aを有する。
側板21には、長手方向(図2に示すX軸方向)に延びる樹脂A側のマニホールド14が設けられ、マニホールド14には、溶融状態の樹脂A(溶融樹脂A)をマニホールド14内に供給する樹脂導入路12が結合されている。側板22には、長手方向(図2に示すX軸方向)に延びる樹脂B側のマニホールド15が設けられ、マニホールド15には、溶融状態の樹脂B(溶融樹脂B)をマニホールド15内に供給する樹脂導入路13が結合されている。
スリット板20には、その長手方向(図3に示すX軸方向)に多数のスリット16と多数のスリット17とが、隔壁20bを介して、設けられている。スリット16とスリット17とは、隔壁20bを介して、交互に位置する。各スリット16、17は、スリット板20の底面から上面方向(図3に示すZ軸方向)に、所定の長さで、スリット板20に刻まれている。各スリット16、17の両側面は、スリット板20の両側面に開口している。
側板21、スリット板20および側板22が組み立てられた状態において、各スリット16の入口は、マニホールド14の出口に直接開口し、各スリット17の入口は、マニホールド15の出口に直接開口した状態が形成される。また、各スリット16の入口以外の側面の開口は、側板21、22の壁面により閉鎖状態となり、各スリット17の入口以外の側面の開口は、側板21、22の壁面により閉鎖状態とされる。各スリット16、17の入口は、マニホールド14、15の出口に直接開口しており、マニホールドの出口とスリットの入口との間には、従来の多層フィードブロックにおける細孔および細孔形成部材は介在していない。
樹脂導入路12は、図1に示す樹脂導入管1に結合され、樹脂導入管1から溶融樹脂Aの供給を受ける。樹脂導入路12からマニホールド14内に供給された溶融樹脂Aは、マニホールド14内において、マニホールド14の長手方向(図2に示すX軸方向)に流動し、マニホールド14内に充満する。マニホールド14内の溶融樹脂Aは、マニホールド14に開口している各スリット16の入り口から各スリット16内へと流入し、各スリット16内を流下し、各スリット16の出口から合流部18に流出する。
樹脂導入路13は、図1に示す樹脂導入管2に結合され、樹脂導入管2から溶融樹脂Bの供給を受ける。樹脂導入路13からマニホールド15内に供給された溶融樹脂Bは、マニホールド15内において、マニホールド15の長手方向(図2に示すX軸方向)に流動し、マニホールド15内に充満する。マニホールド15内の溶融樹脂Bは、マニホールド15に開口している各スリット17の入り口から各スリット17内へと流入し、各スリット17内を流下し、各スリット17の出口から合流部18に流出する。
合流部18に流出した各スリット16、17の横断面(図2に示すX軸とY軸を含む面)の形状に追従した横断面形状を有する溶融樹脂Aの各シート状の流れと溶融樹脂Bの各シート状の流れとは、合流部18において、交互に積層され、積層流となる。この積層流は、排出路19を流下する。排出路19を流下する積層流における溶融樹脂Aと溶融樹脂Bとの積層方向は、製造される積層シートの厚み方向に一致する。
排出路19を流下した積層流は、図1に示す導管4を介して、口金5内に導入される。積層流は、口金5内で所定の方向(溶融樹脂Aと溶融樹脂Bとの積層方向に直交する方向)に拡幅され、口金5から積層シート6として吐出され、吐出された積層シート6は、キャスティングドラム7の表面上で冷却固化され、未延伸フィルム8として次工程(例えば、延伸工程)に送られ、多層フィルム(図示略)に形成される。
図4および図5に、隔壁20bを介して、スリット板20の長手方向に隣り合って位置するスリット16とスリット17との関係が、拡大して示される。
各スリット16、17の上部側、つまり、後述する第2の流路部の上流部には、対応するマニホールド14、15から離れるに従って溶融樹脂の流れの下流に向かう方向に傾斜した傾斜部23、24がそれぞれ形成されている。傾斜部23、24は、この実施例では、直線状に延びる傾斜部として形成されている。傾斜部23、24は、図4および図5に示すように、互いに反対方向に傾斜している。
多層フィードブロック11内では、溶融樹脂Aは、図4に矢印14aで示すように、マニホールド14から傾斜部23を有する各スリット16内へと流入する。また、溶融樹脂Bは、図5に矢印15aで示すように、マニホールド15から傾斜部24を有する各スリット17内へと流入する。
傾斜部23を利用することにより、スリット16の上部がマニホールド14にのみ連通して形成される溶融樹脂Aの流路が構築され、また、傾斜部24を利用することにより、スリット17の上部がマニホールド15にのみ連通して形成される溶融樹脂Bの流路が構築されている。
図6は後述の比較例1などと同様に、両端部に工夫のない多層フィードブロック11を示すもので、両端に位置するスリットのスリット間隙やスリット長がそれ以外のスリット間隙やスリット長と同じに設定されている。このような多層フィードブロック11を用いて積層シートを形成したときに得られた多層フィルムの横断面を図7に示す。図7の多層フィルム31aにおいて、樹脂Aからなる層32aと樹脂Bからなる層33aとが交互に積層されている。この場合、従来の多層フィードブロックの問題点として説明したように、多層フィードブロックおよびそれ以降の導管の壁面の影響を受け、多層フィルムの表層に近い層ほど厚みが薄くなる傾向になる。この状態が、図7の多層フィルム31aに示されている。多層フィルム31aの設計目標として、フィルム厚み方向(図7に示す矢印30)における各層の厚みが均一になることが要求されている場合、このように層厚みの変化が存在する多層フィルム31aは、その厚み変化により目標とする波長の光の反射率が低下したり目標以外の光も反射する不良品となってしまう。
図3および図9に示す本実施形態の多層フィードブロック11は、この問題点を解決するものである。図3および図9の多層フィードブロック11の特徴は、配列されているスリット16、17の図3および図9に示すX軸方向における両端に位置するスリットの現実のスリット間隙をDs、現実のスリット長をLs、仮想的なスリット間隙をDc、仮想的なスリット長をLcとしたとき、
10 ≦ (Ds/Ls)/(Dc/Lc) ≦ 150 ・・・(1)
の関係を満足している点である。
すなわち、図19の(a)〜(f)に示す例のように、スリットの両端に位置するスリットについて、仮想的なスリット長Lcおよび仮想的なスリット間隙Dcに対し、現実には式(1)を満たすように両端に位置するスリットの少なくとも一方を現実のスリット長Lsおよび現実のスリット間隙Dsとするのである。
このように両端のスリットのスリット間隙、スリット長さを設定することで、そのスリットの圧力損失が小さくなり他のスリットに比べ多くの樹脂が流れるのである。結果として、そのスリットに対応する層の厚みを厚くすることができ、フィードブロックや導管の壁面の影響をこの層で吸収することができる。その結果、両端以外のスリットに対応する層の厚みに対する多層フィードブロック内壁面の影響を低減することができる。なお、本発明者の提案の特願2005−293261にて開示した手順においては、両端以外のスリットに対応する層についても壁面の影響が及ぶ中でこの影響を吸収するため各層のスリット長かスリット間隙を個別に調整したが、本実施形態においては両端のスリットがこの影響を大部分吸収するので、他のスリットの設計や製造が著しく容易になる点で異なるのである。
ここで、(Ds/Ls)/(Dc/Lc)の値が10未満であると、層の厚みが薄くなり壁面の影響を吸収出来ずにその層の内側の層が薄膜化してしまう。一方、(Ds/Ls)/(Dc/Lc)の値が150を越えると、層の厚みが厚くなり過ぎフィルム全体の厚みが大きくなり扱い難い積層フィルムとなってしまう。より好ましくは、(Ds/Ls)/(Dc/Lc)の値は20以上100以下である。
ここで、スリット長LsおよびLcは、スリットの上下方向(図3に示すZ軸方向)の長さである。
スリットの頂部が傾斜している場合は、スリット幅の中央位置におけるスリットの上下方向(図3に示すZ軸方向)の長さである。図3の実施例では、両端に位置するスリットのスリット間隙を調整して式(1)を満足させた例で、その他のスリットについてはスリット間隙は実質的に同一とされている。
図3に示したような両端に位置するスリットが、上述の式(1)を満足するように調整されたスリット板を有する多層フィードブロック11を用いて積層シートを製造することにより得られる積層シートは、例えば、図8に示すような積層構成を有する。すなわち、積層シート31bの最外層の厚みが厚く、その内側にある樹脂Aからなる層32b、樹脂Bからなる層33bの層の厚みは、フィルム厚み方向(図8に示す矢印30)において、実質的に均一な所定の目標値を有するものとなる。
図9に示す多層フィードブロックは、別の実施形態を示すもので、両端に位置するスリットのスリット間隙および/またはスリット長さを調整して式(1)を満足させた例である。
また、図3および図9に記載の実施形態は、両端に位置するスリットに対応する層厚み以外の層が、フィルム厚み方向で実質的に同一の厚みを目標とする場合であったが、各層の厚みがフィルム厚み方向に順次減少または増加させるように、各スリット長さを設定した多層フィードブロックにも適用できる。
さらに、図10に示す積層シートの製造装置は、スリット板20を3枚(図10、図11中、20−1、20−2、20−3で示す)用いて構成した例で、図11にその多層フィードブロック3の上流部断面図を示す。多層フィードブロック3は、樹脂Aの導入側から樹脂Bの導入側に向かってそれぞれ、側板21、スリット板20−1、側板35、スリット板20−2、側板34、スリット板20−3、側板22、および図10に記載の最終合流器38の順で構成されている。入口から入った樹脂Aは、側板21の樹脂導入路12からマニホールド14−1へ流入するとともに、スリット板20−1、側板35およびスリット板20−2に設けられた樹脂A導入路36を経て側板34のマニホールド14−2へ流入する。マニホールド14−2に流入した樹脂Aはスリット板20−2、20−3の傾斜部23−2、23−3により各スリットに流入する。一方、別の入口から入った樹脂Bは側板22の樹脂導入路13からマニホールド15−2へ流入するとともに、スリット板20−3、側板34およびスリット板20−2に設けられた樹脂B導入路37を経て側板35のマニホールド15−1へ流入する。マニホールド15−1に流入した樹脂Bは傾斜部24−1、24−2により各スリットに流入する。各スリットに流入した樹脂はスリット板20−1、20−2、20−3の合流部18−1、18−2、18−3で合流し積層流として排出路19−1、19−2、19−3を流下する。多層フィードブロック3の下流には最終合流器38が設けられており、排出路19−1、19−2、19−3を流下した各積層流はここで積層方向に合流し導管4を通じ口金5から吐出される。
このようにスリット板20が2枚以上で構成された場合にも適用できる。この場合、得られた積層シートは最外層のほか合流された層も厚みが厚い構成となる。また、このような構成をとる場合、合流前の各積層流のうち合流で合わさる層は同じ樹脂で構成されていることが好ましい。
以下の実施例に登場する測定値の測定法は、次の通りである。
(a)積層厚み、積層数:
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡(HU−12型、(株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を3,000乃至40,000倍に拡大観察し、断面写真を撮影し、層構成および各層厚みを測定した。実施例では十分なコントラストが得られたため実施しなかったが、場合によっては、公知の染色技術を用いてコントラストを高めてもよい。
(b)反射率:
分光光度計(U−3410, Spectrophotometer :(株)日立製作所製)に、直径60mmの積分球(130−0632、(株)日立製作所製)および角度10°傾斜スペーサーを取り付けて反射率を測定した。なお、バンドパラメーターは2/servoとし、ゲインは3と設定し、250nm乃至2,600nmの範囲を120nm/min.の走査速度で測定した。また、反射率を基準化するため、標準反射板として装置附属の酸化アルミニウム板 を用いた。
(c)溶融粘度:
フローテスター(CFT−500(株)島津製作所製)を用いて剪断速度100(S−1)の時の溶融粘度を測定した。このとき使用したダイは直径1mm、測定ストロークは10〜13とした。なお、n数は3とし、その平均値を採用した。
[実施例1]
2種類の熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを準備した。熱可塑性樹脂Aとして、280℃における溶融粘度が180Pa・sのポリエチレンテレフタレート(PET)(東レ(株)製、F20S)を用いた。熱可塑性樹脂Bとして、280℃における溶融粘度が350Pa・sのシクロヘキサンジメタノールをエチレングリコールに対し30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PE/CHDM・T)(イーストマン社製、PETG6763)を用いた。これら熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれ、押出機にて温度280℃の溶融状態とし、樹脂A/樹脂Bの吐出比が2/1となるようギヤポンプで計量しフィルタを介した後、それぞれの導入管より多層フィードブロックに導入した。多層フィードブロックとしては、樹脂Aに対応するスリット間隙を0.75mm、樹脂Bに対応するスリット間隙を0.6mmとし、両端のスリットは樹脂Aに対応し、(Ds/Ls)/(Dc/Lc)-の値が約20となるようにスリットを設定、両端のスリットを含め樹脂Aが導入されるスリット数が101、樹脂Bが導入されるスリット数が100の総積層数201の装置を用いた。(Ls/Lc)、(Ds/Dc)の値はそれぞれ、1、約20となるように設定した。また、スリット長LsおよびLcは30mmとなるように設定した。なお、積層フィルムの積層構成としては両端のスリットに対応する層以外の層が同じ樹脂間で均一な厚みになるよう設計した。また、スリットの形状は、図4、図5に示したような上部傾斜部を有するものとした。
多層フィードブロックで積層完了後、得られた溶融樹脂の積層された流れを、図1に示したTダイ5に供給し、シート状に成形した後、静電印加(直流電圧8kV)された表面温度25℃のキャスティングドラム7上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムを二軸延伸機に導き、温度95℃の熱風で予熱後、縦方向(フィルム長手方向)および横方向(フィルム幅方向)に3.5倍に延伸した。更に、温度230℃の熱風にて熱処理を行うと同時に縦方向に5%の弛緩処理を行い、引き続き横方向にも5%の弛緩処理を行って、室温まで除冷後巻き取った。
得られた二軸延伸多層フィルムは、全厚みは18.1μmであり、図12に各層の厚みを示すように、最表層となる層番号1の層厚みは1.6μm、そしてもう一方の最表層となる層番号201の層厚みは1.5μmで、その内側の層はフィードブロックおよび導管の壁面の影響による薄膜化なく、また1次反射ピークの波長は488nm、反射率は98%で、波長選択性に優れた多層フィルムであった。
[実施例2]
図10および図11に示す積層流の形成装置を用い、樹脂A/樹脂Bの吐出比を0.95/1とし、多層フィードブロックは、樹脂Aが導入されるスリット数が134、樹脂Bが導入されるスリット数が133のスリット数267のスリット板を2枚、樹脂Aが導入されるスリット数が135、樹脂Bが導入されるスリット数が134のスリット数269のスリット板を1枚の計3枚、総スリット数803で構成した、また各スリット板の両端に位置するスリットには樹脂Aが導入されるようにし、合流後801層となるようにした。図13(a)に示すように、両端以外のスリット間隙は樹脂A、樹脂Bに対応するスリット共0.5mmとし、合流後、スリット板の両端に対応する層以外の層が積層シート(または多層フィルム)の表層側から裏面側に向かうにつれ徐々に厚みが薄くなり、その表層側層厚み/裏面側層厚みの比率が0.69になるよう図13の(b)に示すようにスリット長さを調整した。また、各スリット板の両端に位置するスリットは、(Ds/Ls)/(Dc/Lc)-の値が20となるようにスリットを設定した。(Ls/Lc)、(Ds/Dc)の値はそれぞれ、1、約20となるように設定した。また、スリット長LsおよびLcは短い方が25mmとなるように設定した。その他は実施例1と同様にして、全厚み143μmの多層フィルムを得た。図14は各層の厚みを示すもので、最表層となる層番号1の層厚みは3μm、層番号267の層厚み5.6μm、層番号535の層厚みは6.1μm、そして最表層となる層番号801の層厚みは3.1μmであり、これらの層はいずれも樹脂Aであった。また、フィードブロックおよび導管の壁面に近いフィルム表層部の薄膜化なく、表層から裏面に向かって層が徐々に薄くなる傾斜構造が得られた。得られたフィルムは1次反射ピークの波長は900〜1050nm、反射率は92%で、広帯域の近赤外線を効率良く反射し、可視光領域には高次の反射がほとんど認められない、無色透明の優れた近赤外線フィルタであった。
[比較例1]
多層フィードブロックとして、樹脂Aに対応するスリット間隙を0.75mm、樹脂Bに対応するスリット間隙を0.6mmとし、両端のスリットは樹脂Aに対応し、図6に示すように、(Ds/Ls)/(Dc/Lc)-の値が1となるようにスリットを設定した以外は、実施例1と同様にした。(Ls/Lc)、(Ds/Dc)の値は、いずれも1となるように設定した。また、スリット長LsおよびLcは30mmとなるように設定した。得られた多層フィルムの全厚みは16.5μmで、図15に各層の厚みを示すように、最表層となる層番号1および、層番号201の層厚みは0.1μm以下で、最表層に近い層はフィードブロックおよび導管の壁面の影響を受け設計値より薄くなっている。また1次反射ピークの波長は551nmを中心として、反射波長帯域幅が広がった反射スペクトルで、メインピークの低波長側にサイドピークを有する波長選択性の悪い多層フィルムであった。
[比較例2]
多層フィードブロックとして、両端のスリットが、(Ds/Ls)/(Dc/Lc)-の値が8となるようにスリットを設定した以外は、比較例1と同様にした。(Ls/Lc)、(Ds/Dc)の値はそれぞれ、1、8となるように設定した。また、スリット長LsおよびLcは30mmとなるように設定した。得られた多層フィルムの全厚みは17μmで、図16に各層の厚みを示すように、最表層となる層番号1の層厚みは0.4μm、そしてもう一方の最表層となる層番号201の層厚みは0.5μmで、比較例1と同様に、最表層に近い層はフィードブロックおよび導管の壁面の影響を受け設計値より薄くなっている、また1次反射ピークの波長は558nmを中心として、反射波長帯域幅が広がった反射スペクトルで、メインピークの低波長側にサイドピークを有する波長選択性の悪い多層フィルムであった。
[比較例3]
実施例2において、多層フィードブロックを、樹脂Aが導入されるスリット数が134、樹脂Bが導入されるスリット数が133のスリット数267のスリット板を2枚、樹脂Aが導入されるスリット数が133、樹脂Bが導入されるスリット数が134のスリット数267のスリット板(この場合、両端に位置するスリットには樹脂Bが導入される)を1枚の計3枚で、合流後801層となるように構成した。各スリット板の両端に位置するスリットは、(Ds/Ls)/(Dc/Lc)-の値が1となるように設定しそれ以外は実施例2と同様にし、全厚み72μmの多層フィルムを得た。(Ls/Lc)、(Ds/Dc)の値は、いずれも1となるように設定した。また、スリット長LsおよびLcは短い方が25mmとなるように設定した。図17は各層の厚みを示すもので、各スリット板においてフィードブロックおよび導管の壁面に近いフィルム表層部が薄膜化しており、波長は400〜700nmの間で、反射率が50%以下となる部分が多く存在し、光学特性の悪い積層フィルムであった。
本発明により製造される積層シートは、複数種類のシート材料が、この種類の数よりも多い数の複数の層に積層された後、溶融材料が固化して形成されたものである。本発明によれば、積層シートの厚み方向における各層の厚みが目標値通りの、あるいは、設計値通りの値を示す積層シートが、容易に製造出来る。
一般的に用いられており、かつ、本発明の一実施形態にも用いられる積層シートの製造装置および製造工程を説明するための斜視図。 本発明の一実施形態における積層シートの製造装置において用いられる多層フィードブロックの一例の分解斜視図。 図2のスリット板20および合流部/排出路形成部材20aの正面図。 図3におけるS1−S1断面矢視図。 図3におけるS2−S2断面矢視図。 両端に工夫のない多層フィードブロックのスリット板を示す正面図。 図6のスリット板を用いて製造された積層シートの横断面図。 本発明の一実施形態におけるスリット板を用いて製造された積層シートの横断面図。 本発明の一実施形態におけるスリット板の更に他の一例の正面図。 本発明の一実施形態におけるスリット板を2枚以上で構成した積層シートの製造装置の概略図。 図10の多層フィードブロックの断面図。 実施例1における積層シートの樹脂Aからなる各層と樹脂Bからなる各層の測定された厚み分布を示すグラフ。 実施例2に用いた多層フィードブロックのスリット間隙とスリット長さを示すグラフ。 実施例2における積層シートの樹脂Aからなる各層と樹脂Bからなる各層の測定された厚み分布を示すグラフ。 比較例1における積層シートの樹脂Aからなる各層と樹脂Bからなる各層の測定された厚み分布を示すグラフ。 比較例2における積層シートの樹脂Aからなる各層と樹脂Bからなる各層の測定された厚み分布を示すグラフ。 比較例3における積層シートの樹脂Aからなる各層と樹脂Bからなる各層の測定された厚み分布を示すグラフ。 特許文献3の多層フィードブロックの平面図。 本発明の一実施形態における現実のスリット長Ls、仮想的なスリット長Lc、現実のスリット間隙Ds、仮想的なスリット間隙Dcの関係を示すグラフ。
符号の説明
1:溶融樹脂Aが供給される溶融樹脂導入管
2:溶融樹脂Bが供給される溶融樹脂導入管
3:多層フィードブロック
4:積層流が流れる導管
5:口金(Tダイ)
6:積層シート
7:キャスティングドラム
8:未延伸フィルム
11:多層フィードブロック
12、13:樹脂導入路
14、14−1、14−2:樹脂A側のマニホールド
15、15−1、15−2:樹脂B側のマニホールド
16、17:スリット
18、18−1、18−2、18−3:合流部
19、19−1、19−2、19−3:排出路
20、20−1、20−2、20−3:スリット板
20a:合流部/排出路形成部材
20b:隔壁
21、22、34,35:側板
23、23−1、23−2、23−3、24、24−1、24−2、24−3:傾斜部
30:フィルムの厚み方向
31、31a、31b:積層シート(多層フィルム)
32、32a、32b:樹脂Aからなる層
33、33a、33b:樹脂Bからなる層
36:樹脂A導入路
37:樹脂B導入路
38:最終合流器
39:細孔
40:スリット
41:マニホールド
42:合流マニホールド
43:排出路
44:最表層用導管
45:流出口

Claims (9)

  1. 複数種類のシート材料が前記複数種類の数よりも多い数の複数の層に積層された積層流の形成装置であって、前記各シート材料を前記各層に対応して通過させるように所定の間隔をもって配列された複数のスリットと、前記各スリットを通過した前記各シート材料を前記積層を形成するように合流させて積層流となす合流部とを備え、前記複数のスリットの両端に位置するスリットの少なくとも一方において、現実のスリット間隙をDs、現実のスリット長をLs、仮想的なスリット間隙をDc、仮想的なスリット長をLcとしたとき、
    10 ≦ (Ds/Ls)/(Dc/Lc) ≦ 150 ・・・(1)
    の関係を満足するよう、前記複数のスリットの両端に位置するスリットのスリット間隙およびスリット長が設定されていることを特徴とする積層流の形成装置。
  2. 前記複数のスリットの両端に位置するスリットの前記現実のスリット間隙Dsが前記仮想的なスリット間隙Dcの2倍以上5倍以下となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層流の形成装置。
  3. 前記複数のスリットの両端に位置するスリットの前記現実のスリット長Lsが前記仮想的なスリット長Lcの0.5倍以上1倍以下となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層流の形成装置。
  4. 前記複数のスリットのうち両端に位置するスリット以外の前記複数のスリットのスリット間隙が、実質的に同一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層流の形成装置。
  5. 前記複数のスリットのうち両端に位置するスリット以外の前記複数のスリットのスリット間隙が、0.1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層流の形成装置。
  6. 前記複数のスリットの数が、10以上1000以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層流の形成装置。
  7. 複数の請求項1〜6のいずれかに記載の積層流の形成装置を備え、前記各積層流の形成装置が積層した積層流を互いに積層させる手段を備えてなる積層流の形成装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の積層流の形成装置と、該形成装置が形成した積層流を吐出口から吐出する口金とを備えてなる積層シートの製造装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかの積層流の形成装置により複数種類のシート材料を積層して積層流となし、該積層流を口金に導き、該口金の吐出口から前記積層流を吐出し、もって積層シートとなすことを特徴とする積層シートの製造方法。
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