JP2010012420A - 第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する方法及びそのための装置 - Google Patents

第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する方法及びそのための装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水溶液を用いて気体の捕集、放出を行う。
【解決手段】ゲスト分子の水溶液を気体と接触させ、0℃より高い温度で冷却して、気体を捕集した水和物を生成させ、更にその水和物が前記水溶液又は水に分散又は懸濁してなるスラリーを生成させる第1の工程と、第1の工程で生成されたスラリーを加熱し、その中の水和物を融解させて、その水和物が捕集していた気体を放出させ、前記ゲスト分子の水溶液を生成させる第2の工程を有し、第1の工程において生成されたスラリーの一部又は全部と第2の工程において生成された前記ゲスト分子の水溶液の一部又は全部とを熱交換させ、該熱交換で冷却された前記ゲスト分子の水溶液を前記第1の工程のゲスト分子の水溶液の一部又は全部として利用し、前記熱交換によって加熱されたスラリーを前記第2の工程のスラリーの一部又は全部として利用する気体を捕集し放出する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する技術に関し、詳しくは、第四級アンモニウム塩を溶質として含む水溶液を気体と接触させるとともに、0℃より高い温度で冷却することにより、気体を捕集した水和物を生成させ、さらにその水和物を水溶液又は水に分散又は懸濁させることにより、水和物のスラリーを生成させる第1の工程と、第1の工程において生成された水和物のスラリーを加熱することにより、その中の水和物を融解させ、これにより第1の工程において生成された水和物から気体を放出させるとともに、第四級アンモニウム塩を溶質として含む水溶液を生成させる第2の工程とを有する方法及びこの方法を実現するための装置に関する。
なお、本発明において、次に掲げる用語の意味又は解釈は以下のとおりとする。この用語の意味又は解釈は、本発明の技術的範囲が均等の範囲にまで及ぶことを妨げるものではない。
(1) 「水和物」とは、包接水和物の略称である。ホストまたはホスト物質と呼ばれる分子又は化合物(即ち、ホスト分子)が構成するトンネル形、層状、網状、籠状などの構造(包接格子)内に、ゲスト物質と呼ばれる他の分子または化合物(即ち、ゲスト分子)が入り込む又は取り込まれることで形成され、生成される物質を包接化合物という。ゲスト分子の例としては、テトラnブチルアンモニウム塩、テトラisoペンチルアンモニウム塩、トリnブチル・ペンチルアンモニウム塩等のアルキルアンモニウム塩に代表される第四級アンモニウム塩、アルキルホスホニウム塩、アルキルスルホニウム塩などがある。ホスト分子の例としては水やシクロデキストリンがある。ホスト分子が水である包接化合物が包接水和物である。本発明における「水和物」には、準包接水和物が含まれる。
(2) 包接水和物のゲスト分子の水溶液、より詳しくは一種又は二種以上のゲスト分子を溶質とし、水を溶媒とする水溶液を、「ゲスト分子の水溶液」と略称する場合がある。
(3) 「水和物のスラリー」とは、水和物がそのゲスト分子の水溶液又は水溶媒の中に分散又は懸濁してスラリー状を呈するに至ったものをいう。水和物が少量であっても(換言すれば水和物の存在比率が低くても)当該水溶液又は水溶媒に分散又は懸濁しているのであれば、それは「水和物のスラリー」に該当する。なお、「水和物のスラリー」を、文脈上又は便宜上単に「スラリー」という場合がある。
(4)「水和物生成温度」とは、水和物のゲスト分子の水溶液を冷却したとき、その水溶液の中で水和物が生成する温度をいう。
第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を気体の分離剤として使用し、気体の分離や濃縮に利用する技術について検討されている(特許文献1乃至3、非特許文献1及び2)。
特許3826176号公報 特開2006−117485号公報 特開2006−206635号公報 Antoin Chapoy, Ross Anderson, and Bahman Tohidi, "Low-PressureMolecular Hydrogen Storage in Semi-clathrate Hydrates of Quaternary AmmoniumCompounds" Journal of American Chemical Society 2007, 129, pp. 746-747. Nguyen Hong Duc, Fabien Chauvy, Jean-Michel Herri,"CO2capture by hydrate crystallization - A potential solution for gas emission ofsteelmaking industry," Available online 30 November 2006,インターネット<URL:http://www.emse.fr/spin/depscientifiques/GENERIC/hydrates/publications/abstract2006a.htm><URL:http://www.aseanenvironment.info/Abstract/43005208.pdf>
しかし、いずれの従来技術も研究段階であって、現実的な適用に耐え得る段階にはない。第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を気体の分離剤として使用する上で、現実的な適用に耐え得る技術が充足すべき必要条件の一つは、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し、水和物から捕集した気体を放出することで、所望の気体を分離するとともに、当該ゲスト分子を回収するというサイクルがより効率的又は経済的に実現されることである。特許文献3及び4に記載の技術は、この必要条件を充足し得る候補の一つといえそうであるが、全体としてエネルギー効率が十分とはいえず、改善の余地がある。
また、従来、気体の分離や濃縮に利用可能な水和物のゲスト分子として、第四級アンモニウム塩に属する多くの物質名が挙げられている。しかし、実際に研究対象として採用されている第四級アンモニウム塩は、ハロゲン化テトラnブチルアンモニウム(特に臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)や水酸化テトラnブチルアンモニウム(TBAOH)、フッ化テトラnブチルアンモニウム(TBAF))に概ね限定されているといってよい。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、気体を分離するために第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する技術であって、気体の捕集、放出と、ゲスト分子を回収するサイクルを効率的又は経済的に実現し得るものを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明の第1の形態に係る気体を捕集し放出する方法は、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する方法であって、前記ゲスト分子の水溶液を気体と接触させ、0℃より高い温度で冷却することにより、気体を捕集した水和物を生成させ、更にその水和物が前記水溶液又は水に分散又は懸濁してなるスラリーを生成させる第1の工程と、第1の工程において生成されたスラリーを加熱し、その中の水和物を融解させることにより、その水和物が捕集していた気体を放出させるとともに、前記ゲスト分子の水溶液を生成させる第2の工程とを有し、第1の工程において生成されたスラリーの一部又は全部と第2の工程において生成された前記ゲスト分子の水溶液の一部又は全部とを熱交換させ、該熱交換によって冷却された前記ゲスト分子の水溶液を前記第1の工程におけるゲスト分子の水溶液の一部又は全部として利用し、前記熱交換によって加熱されたスラリーを前記第2の工程におけるスラリーの一部又は全部として利用するようにしたことを特徴とするものである。
本発明の第2の形態に係る気体を捕集し放出する方法は、第1の形態に係る方法であって、第1の工程において前記ゲスト分子の水溶液と接触させる気体を、その接触前に冷却する気体冷却工程を有することを特徴とするものである。
本発明の第3の形態に係る気体を捕集し放出する方法は、第1又は第2のいずれかの形態に係る方法であって、第1の工程が、前記ゲスト分子の水溶液と気体とを混合又は攪拌するとともに7℃以下の温度で冷却する工程を有し、第2の工程が、第1の工程において生成されたスラリーを15℃以上の温度で加熱する工程を有することを特徴とするものである。
本発明の第4の形態に係る気体を捕集し放出する方法は、第1の形態に係る方法であって、第1の工程が、前記ゲスト分子の水溶液と気体とを混合又は攪拌するとともに15℃以上の温度で冷却する工程を有することを特徴とするものである。
本発明の第5の形態に係る気体を捕集し放出する方法は、第1乃至第4のいずれかの形態に係る方法であって、前記ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含むことを特徴とするものである。
ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含む水溶液であれば、水和物生成温度を0℃より高い温度又は15℃以上の温度に調整し易く、従って本発明に係る気体を捕集し放出する方法を容易に構成することができる。
テトラisoペンチルアンモニウム塩の典型例は、臭化テトラisoペンチルアンモニウムである。臭化テトラisoペンチルアンモニウムの水和物の調和融点は30℃であり、その水溶液の冷却を行う際(即ち水和物を生成させる際)、0℃より高い温度又は15℃以上の温度で冷却することにより水和物を生成させることができるので、格段の冷却装置を必要とせず、エネルギーの節減に資することができ、効率的又は経済的である。
本発明においては、ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含む水溶液であることも好ましいが、テトラisoペンチルアンモニウム塩以外の第四級アンモニウム塩の一つとしては、テトラnブチルアンモニウム塩であることが好ましい。テトラnブチルアンモニウム塩は比較的安価で入手し易いので、経済的に優れた気体を捕集し放出する方法を構成することができる。(第9、14、19の形態についても同様である。)
テトラnブチルアンモニウム塩の典型例は、臭化テトラnブチルアンモニウムである。臭化テトラisoペンチルアンモニウムと臭化テトラnブチルアンモニウムを溶質として含む水溶液であれば、水和物生成温度を0℃より高い温度又は15℃以上の温度に調整し易く、従って本発明に係る気体を捕集し放出する方法を容易に構成することができる。
本発明の第6の形態に係る気体を捕集し放出する方法は、第1乃至第5のいずれかの形態に係る方法であって、第1の工程において前記ゲスト分子の水溶液を冷却するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、冷熱を予め保有している領域から取り出される熱エネルギーであることを特徴とするものである。
なお、「冷熱を予め保有している領域」とは、ゲスト分子の水溶液の温度を水和物生成温度以下にするために必要な熱エネルギーの一部又は全部の供給源となる、熱エネルギーの蓄積している物理的に確定できる場所、区域又は空間をいい、蓄熱槽(又は蓄冷槽)、蓄熱装置(又は蓄冷装置)、蓄熱材(又は蓄冷材)を収容する容器などが典型例であるが、より具体的には、井戸、地下水を貯蔵した地層又は貯水槽、液化天然ガスの貯蔵設備又は搬送設備(搬送用配管を含む)、大気(又は外気)或いは外部若しくは周辺の環境が含まれる(第7、第8及び第16の各形態参照)。
本発明の第7の形態に係る気体を捕集し放出する方法は、第1乃至第6のいずれかの形態に係る方法であって、第2の工程において水和物のスラリーを加熱するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、大気又はその他の外部若しくは周囲の環境から伝達される熱エネルギーであることを特徴とするものである。
本発明の第8の形態に係る気体を捕集し放出する方法は、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する方法であって、前記ゲスト分子の水溶液を気体と接触させ、15℃以上の温度で冷却することにより、気体を捕集した水和物を生成させ、更にその水和物が前記水溶液又は水に分散又は懸濁してなるスラリーを生成させる第1の工程と、第1の工程において生成されたスラリーを加熱し、その中の水和物を融解させることにより、その水和物が捕集していた気体を放出させるとともに、前記ゲスト分子の水溶液を生成させる第2の工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明の第9の形態に係る気体を捕集し放出する方法は、第8の形態に係る方法であって、前記ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含むことを特徴とするものである。
本発明の第10の形態に係る気体を捕集し放出する装置は、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する装置であって、前記ゲスト分子の水溶液を気体と接触させ、0℃より高い温度で冷却し、これにより気体を捕集した水和物を生成し、更にその水和物が前記水溶液又は水に分散又は懸濁してなるスラリーを生成する気体捕集装置と、該気体捕集装置において生成したスラリーを加熱し、そのスラリーの中の水和物を融解し、これにより気体を放出するとともに、前記ゲスト分子の水溶液を生成する気体放出装置と、該気体放出装置内で生成した前記ゲスト分子の水溶液の一部又は全部と前記気体捕集装置内で生成したスラリーの一部又は全部との熱交換を行う熱交換装置と、該熱交換装置によって冷却された前記ゲスト分子の水溶液を前記気体捕集装置に供給する第1供給装置と、前記熱交換装置によって加熱された前記スラリーを前記気体放出装置に供給する第2供給装置と、を備えることを特徴とするものである。
本発明の第11の形態に係る気体を捕集し放出する装置は、第10の形態に係る装置であって、前記気体捕集装置内で前記ゲスト分子の水溶液と接触させる気体を、その接触前に冷却する冷却装置を備えることを特徴とするものである。
本発明の第12の形態に係る気体を捕集し放出する装置は、第10又は第11のいずれかの形態に係る装置であって、前記気体捕集装置内で前記ゲスト分子の水溶液と気体とを混合又は攪拌するとともに7℃以下の温度で冷却し、前記気体放出装置内で水和物のスラリーを15℃以上の温度で加熱することを特徴とするものである。
本発明の第13の形態に係る気体を捕集し放出する装置は、第10乃至第12のいずれかの形態に係る装置であって、前記気体捕集装置内で前記ゲスト分子の水溶液と気体とを混合又は攪拌するとともに15℃以上の温度で冷却することを特徴とするものである。
本発明の第14の形態に係る気体を捕集し放出する装置は、第10乃至第13のいずれかの形態に係る装置であって、前記ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含むことを特徴とするものである。
本発明の第15の形態に係る気体を捕集し放出する装置は、第10乃至第14のいずれかの形態に係る装置であって、前記気体捕集装置内で前記ゲスト分子の水溶液を冷却するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、冷熱を予め保有している領域から取り出した熱エネルギーであることを特徴とするものである。
本発明の第16の形態に係る気体を捕集し放出する装置は、第15の形態に係る装置であって、前記冷熱を予め保有している領域が液化天然ガスの貯蔵設備、井戸又は地下水を貯蔵する地層であることを特徴とするものである。
本発明の第17の形態に係る気体を捕集し放出する装置は、第10乃至第16のいずれかの形態に係る装置であって、前記気体放出装置内で水和物のスラリーを加熱するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、大気又はその他の外部若しくは周囲の環境から伝達される熱エネルギーであることを特徴とするものである。
本発明の第18の形態に係る気体を捕集し放出する装置は、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する装置であって、前記ゲスト分子の水溶液を気体と接触させ、15℃以上の温度で冷却し、これにより気体を捕集した水和物を生成し、更にその水和物が前記水溶液又は水に分散又は懸濁してなるスラリーが生成する気体捕集装置と、該気体捕集装置において生成したスラリーを加熱し、そのスラリーの中の水和物を融解し、これにより気体を放出するとともに、前記ゲスト分子の水溶液を生成する気体放出装置と、を備えることを特徴とするものである。
本発明の第19の形態に係る気体を捕集し放出する装置は、第18の形態に係る装置であって、前記ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含むことを特徴とするものである。
なお、本発明の各形態において、第四級アンモニウム塩をゲスト分子とする水和物を用いて気体を捕集する際、その捕集を起こり易くするためには圧力をかけることが望ましい。この場合、圧力は2MPa未満(通常は1MPa以下であり、好ましくは0.1〜0.7MPa程度)の圧力で足り、特段の高圧は不要である(特許文献1乃至3参照)。
本発明によれば、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し、捕集した気体を放出することで気体を分離するとともに、当該ゲスト分子を回収するというサイクルがより効率的又は経済的に実現できる、従って現実的な適用に耐え得る技術を提供することができる。
また、本発明によれば、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し、捕集した気体を放出することで気体を分離するとともに、前記水和物のスラリーと当該ゲスト分子の水溶液との熱交換を行い、エネルギー消費を低減するというサイクルを実現できる、従って現実的な適用に耐え得る技術を提供することができる。
さらに、本発明において、第四級アンモニウム塩をゲスト分子とする水和物の水和物生成温度が0〜30℃の範囲に属する場合には、その程度(たかだか0〜30℃前後)の温度調整により、気体の捕集と放出を制御できるので、エネルギー消費が少なく、経済的な気体分離を実現することができる。例えば、外気温が水和物生成温度より高い場合は、当該ゲスト分子の水溶液を冷却して水和物に気体を捕集させ、外気の熱エネルギーを利用して水和物の少なくとも一部を融解させ、これにより気体を放出させることができる。また、外気温が水和物生成温度より低い場合は、外気の熱エネルギーを利用して当該ゲスト分子の水溶液を冷却させ、これにより水和物の少なくとも一部に気体を捕集させ、加熱により水和物を融解させ、気体を放出させることができる。いずれの場合も、外気の熱エネルギーを利用するため、エネルギー消費が相対的に少なくなり、経済的な気体分離が可能になる。
本発明の各形態が奏する作用効果は、以下のとおりである。
本発明の第1の形態によれば、気体を捕集させた後の包接水和物のスラリーであって、気体を放出させる前のものの一部又は全部(換言すれば、第1の工程において生成されたスラリーであって、第2の工程において加熱される前のもの)と、気体を放出した後のゲスト分子の水溶液であって、気体を捕集させる前のものの一部又は全部(換言すれば、第2の工程において生成された水溶液であって、第1の工程において冷却される前のもの)とを熱交換させるので、第1の工程における冷却に要するエネルギーと第2の工程における加熱に要するエネルギーを節減することができる。また、ゲスト分子の水溶液と熱交換するものが、流動性に富む水和物のスラリーであるので、上記のような熱交換は比較的容易であり、連続的に行うことが可能である。従って、熱交換を通じて、気体を捕集し放出する際に、エネルギーを連続的に節減することができる。
ゲスト分子の水溶液を冷却する際、水溶液が温かな気体と接触すると、水溶液の温度上昇が起こり、水和物の生成効率、従って気体の捕集効率が低下してしまう。これに対し、本発明の第2の形態によれば、捕集対象の気体を予め冷却する気体冷却工程を有するので、ゲスト分子の水溶液を冷却する際、水溶液が冷却された気体と接触するので、水溶液の温度上昇が抑制され又は温度低下が起こり、包接水和物の生成効率、従って気体の捕集効率が高まる。
ゲスト分子の水溶液を冷却した場合、水和物生成温度未満に冷却しても包接水和物が直ちに生成してこない現象、即ち過冷却現象が起こることがある。過冷却現象が起こると、気体の捕集が予定通りに起こらず、過冷却が想定外の場所で解除された場合には、配管の内壁面、熱交換器の伝熱面等への包接水和物の付着を招来し、圧力損失の増大や設備・機器の動作不全を招来するといった問題が生じる。これに対し、本発明の第3の形態によれば、第1の工程においてゲスト分子の水溶液と気体とを混合又は攪拌するので、過冷却が速やかに解除され、生成した包接水和物が水又はゲスト分子の水溶液に分散又は懸濁し流動性の高いスラリーになり、上記の問題は生じ難くなる。また、この第4の形態には、第1の工程におけるゲスト分子の水溶液を冷却する温度が0℃より高く7℃以下であり、第2の工程における水和物のスラリーの加熱温度が15℃以上であるので、1年間のうち、外気温が7℃以下になる季節(例えば冬季)においては、格段の冷却装置を必要とすることなく又は冷却装置が必要な場合であってもその冷却装置の運転負荷を軽減しつつ、外気の熱エネルギーを利用して第1の工程を実行することができ、外気温が15℃以上になる季節(例えば春季や夏季)においては、格段の加熱装置を必要とすることなく又は加熱装置が必要な場合であってもその加熱装置の運転負荷を軽減しつつ、外気の熱エネルギーを利用して第2の工程を実行することができる。これにより、エネルギー消費が相対的に少なくなり、効率的且つ経済的で、従ってより現実的な適用に耐え得る気体捕集と放出とが可能になる。
本発明の第4の形態に係る気体を捕集し放出する方法は、第1の工程における水溶液を冷却する温度が15℃以上なので、例えば1年間のうち、外気温が15℃以上になる季節(例えば春季や夏季)においては、外気の熱エネルギーを利用して水溶液を、格段の冷却装置を必要とすることなく又は冷却装置が必要な場合であってもその冷却装置の運転負荷を軽減しつつ、水溶液を冷却することができ、エネルギーを節減できる。捕集対象の気体を予め冷却する気体冷却工程を実行する場合においても同様であり、格段の冷凍装置を必要とするまでもない又は冷凍装置の運転負荷を軽減することができる。
本発明の第5の形態によれば、第1の工程において冷却されるゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含むものなので、水和物生成温度を好ましい温度に設定することができるので、本発明の種々の形態(例えば第3の形態)に対応可能なゲスト分子の水溶液や水和物のスラリーを準備することができ、延いては本発明の実効性を高めることができる。
ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含む水溶液であれば、水和物生成温度を0℃より高い温度又は15℃以上の温度に調整し易く、従って本発明に係る気体を捕集し放出する方法を容易に構成することができる。
テトラisoペンチルアンモニウム塩の典型例は、臭化テトラisoペンチルアンモニウムである。臭化テトラisoペンチルアンモニウムの水和物の調和融点は30℃であり、その水溶液の冷却を行う際(即ち水和物を生成させる際)、0℃より高い温度又は15℃以上の温度で冷却することにより水和物を生成させることができるので、格段の冷却装置を必要とせず、又は冷却装置が必要な場合であってもその冷却装置の運転負荷を軽減することができるため、エネルギーの節減に資することができ、効率的又は経済的である。
本発明においては、ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含む水溶液であることも好ましいが、テトラisoペンチルアンモニウム塩以外の第四級アンモニウム塩の一つとしては、テトラnブチルアンモニウム塩であることが好ましい。テトラnブチルアンモニウム塩は比較的安価で入手し易いので、経済的に優れた気体を捕集し放出する方法を構成することができる。(第9、14、19の形態についても同様である。)
テトラnブチルアンモニウム塩の典型例は、臭化テトラnブチルアンモニウムである。臭化テトラisoペンチルアンモニウムと臭化テトラnブチルアンモニウムを溶質として含む水溶液であれば、水和物生成温度を0℃より高い温度又は15℃以上の温度に調整し易く、従って本発明に係る気体を捕集し放出する方法を容易に構成することができる。
本発明の第6の形態によれば、第1の工程において前記ゲスト分子の水溶液を冷却するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、冷熱を予め保有している領域から取り出される熱エネルギーであるので、その冷却のための熱エネルギーを特に創り出す必要がなく、エネルギーの節減に資することができる。
本発明の第7の形態によれば、第2の工程において水和物のスラリーを加熱するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、大気又はその他の外部若しくは周囲の環境から伝達される熱エネルギーであるので、加熱のための熱エネルギーを特に創り出す必要がなく、エネルギーの節減に資することができる。
本発明の第8の形態によれば、第1の工程における水溶液を冷却する温度が15℃以上なので、例えば1年間のうち、外気温が15℃以上になる季節(例えば春季や夏季)においては、水溶液を、格段の冷却装置を必要とすることなく又は冷却装置が必要な場合であってもその冷却装置の運転負荷を軽減しつつ、外気の熱エネルギーを利用して水溶液を冷却することができる。これにより、エネルギー消費が相対的に少なくなり、効率的且つ経済的で、従ってより現実的な適用に耐え得る気体捕集が可能になる。また、第1の形態において不可欠であった熱交換の工程を省略できるので、気体を捕集し放出する際に、エネルギーを連続的に節減することができる。
本発明の第9の形態によれば、ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含むものなので、水和物生成温度を好ましい温度に設定することができるので、第8の形態に係る方法に対応可能なゲスト分子の水溶液や水和物のスラリーを準備することができ、延いては本発明の実効性を高めることができる。
本発明の第10の形態によれば、第1の形態に係る方法が実行される装置を実現することができる。この場合、第1、第2及び熱交換の各工程は、それぞれ、気体捕集装置、気体放出装置及び熱交換装置において実行される。
本発明の第11の形態によれば、第2の形態に係る方法が実行される装置を実現することができる。この場合、気体冷却工程は、冷却装置において実行される。
本発明の第12の形態によれば、第3の形態に係る方法が実行される装置を実現することができる。
本発明の第13の形態によれば、第4の形態に係る方法が実行される装置を実現することができる。
本発明の第14の形態によれば、第5の形態に係る方法が実行される装置を実現することができる。
本発明の第15形態によれば、第6の形態に係る方法が実行される装置を実現することができる。
本発明の第16の形態によれば、「冷熱を予め保有している領域」が液化天然ガスの貯蔵設備、井戸又は地下水を貯蔵する地層である第15の形態を実現することができる。「冷熱を予め保有している領域」が液化天然ガスの貯蔵設備、井戸又は地下水を貯蔵する地層であれば、それ自体が冷源として機能し得るものであるので、ゲスト分子の水溶液を冷却するための熱エネルギーを創り出すための格段の装置、設備等を設ける必要がなく、エネルギー及び設備コストの節減に資することができる。
本発明の第17の形態によれば、第7の形態に係る方法が実行される装置を実現することができる。
本発明の第18の形態によれば、第8の形態に係る方法が実行される装置を実現することができる。この場合、第1及び第2の各工程は、それぞれ、気体捕集装置及び気体放出装置において実行される。
本発明の第19の形態によれば、第9の形態に係る方法が実行される装置を実現することができる。
なお、本発明の各形態において好適なゲスト分子は、テトラisoペンチルアンモニウム塩又は、テトラisoペンチルアンモニウム塩とその他の第4級アンモニウム塩(特に、テトラnブチルアンモニウム塩に代表されるアルキルアンモニウム塩)である。
以下、実施形態により発明を詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
[実施の形態1]
図1は本発明に係る気体を捕集し放出する装置を、気体分離装置として実現した場合の機器構成を説明する説明図である。
本実施の形態に係る気体分離装置は、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて、捕集目的の成分である気体Aを含む混合気体から気体Aを分離して捕集し、捕集した気体Aを放出するための装置であり、図1に示すように、気体冷却装置1、気体捕集装置3、熱交換装置5、気体放出装置7を備えている。
なお、第四級アンモニウム塩の例としては臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)が挙げられ、臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)と他の第四級アンモニウム塩を含む2種類以上の混合物でもよい。他の第四級アンモニウム塩としては、臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)が好ましい。
以下、各装置の構成をさらに詳細に説明する。
<気体冷却装置>
気体冷却装置1は、導入された混合気体と気体捕集装置3から導入した冷却された残気体とを熱交換させ混合気体を予め冷却する。
<気体捕集装置>
気体捕集装置3は、熱交換装置5から導入した第四級アンモニウム塩の水溶液と予め冷却された混合気体を混合し、0℃より高い温度で冷却し、気体Aを含む水和物を生成させることによって混合気体から気体Aを捕集する。そして、気体捕集装置3は、水和物のスラリーを生成する機能を有している。
このような機能を有する気体捕集装置3は、図2に示すように、混合器9、水和物スラリー生成器11、分離器13を備えている。以下、これらの各機器について説明する。
〔混合器〕
熱交換装置5から第四級アンモニウム塩の水溶液(以下、単に「水溶液」という場合がある)の供給を受け、この水溶液に混合気体を供給してこれらを混合する。
水溶液への混合気体の供給は相対的なものであり、水溶液に向けて気体を放出する場合は勿論、混合気体に向けて水溶液を放出する場合もこれに該当する。前者の典型例は、水溶液が存在する領域への当該領域外からの気体のバブリングであり、その場合、気泡粒径は小さいほど好ましい。これを実現する混合器9の一つの態様としては、混合器9が水溶液を充填したタンクからなり気体が微細な気泡として水溶液中に分散されるようなものがある。この場合、気液接触面積が大きく取れるように気泡径は小さいほうが好ましい。
後者すなわち混合気体に向けて水溶液を放出する場合の典型例は、気体が存在する領域への当該領域外からの水溶液の噴霧であり、その場合水溶液滴径は小さいほど好ましい。これを実現する混合器9の態様として、気体を充填した容器内に水溶液をスプレーノズルにより噴霧して気体と接触させ水溶液に気体を溶解させるようなものがある。
前者、後者のいずれの場合においても、水溶液への気体の供給は、気体と水溶液との接触面積をより高める手法により行われることが好ましい。
混合器9によって第四級アンモニウム塩の水溶液に混合気体が混合された後、混合流体はポンプによって水和物スラリー生成器11に送られる。
〔水和物スラリー生成器〕
水和物スラリー生成器11は、冷却機能を備えており、混合器9で混合された第四級アンモニウム塩の水溶液と混合気体を含む水溶液を冷却して気体Aと第四級アンモニウム塩をゲストとして含む水和物を生成し、その水和物が水溶液又は水に分散又は懸濁してなる水和物スラリーを生成する。冷却機能としては冷媒を供給して冷却する熱交換器を備えることが好ましい。
水和物スラリー生成器11において、水溶液を冷却する冷却温度は0℃より高い温度とする。つまり生成するスラリーの温度が0℃より高い温度になるようにする。冷却温度を0℃より高い温度で冷却するようにすれば、冷媒を供給するために用いる装置として、冷凍機または外気と冷水とで熱交換させるクーリングタワーを用いることができ、容易に冷熱を得て冷媒を供給することができる。特に第四級アンモニウム塩としてTiPABを用いた場合は15℃以上で水和物が生成できるので、外気の熱エネルギーを利用することが可能であり、より経済的な手法を選択することができる。
なお、水和物スラリー生成器11には攪拌機構を設けるのが好ましい。
水和物スラリー生成器11においては、冷却によって水和物が生成され、生成された水和物が攪拌されることにより、水和物粒子が水溶液に分散した水和物スラリーが生成される。また、水溶液が攪拌されながら冷却されることにより過冷却が速やかに解除されるので、水和物スラリーを効率よく生成できる。
また、水和物スラリー生成器11においては、混合気体のうち水和物に捕集されなかった残りの部分が存在するが、これは残気体として後述の分離器13によって水和物スラリーと分離され、気体捕集装置3から排出される。
〔分離器〕
分離器13は、水和物スラリー生成器11から水和物スラリーと未反応の残気体の供給を受けて前記未反応の残気体を分離する。
分離器13の形式は任意であり、例えばサイクロンセパレータなどを利用することができるが、分離した残気体中へのスラリー液滴混入を可能な限り少なくするため、例えば衝突分離式のミストセパレータを併せて用いることが望ましい。
分離器13で分離された残気体は、冷却されているため冷熱を有している。そこで、この残気体の有する冷熱を利用するために残気体は気体冷却装置1に送られる。気体冷却装置1に送られた残気体は、気体冷却装置1において、混合気体と熱交換して混合気体を予め冷却するために利用される。
<熱交換装置>
熱交換装置5は、気体捕集装置3で生成された水和物スラリーを導入し、導入された水和物スラリーと気体放出装置7から導入した水溶液とを熱交換させ、加熱されたスラリーと、冷却された水溶液を生成する。
なお、冷却された水溶液は図示しない第1供給装置(具体的には、例えば配管とポンプ)により、気体捕集装置3に供給される。また、加熱されたスラリーは図示しない第2供給装置(具体的には、例えば配管とポンプ)により、気体放出装置7に供給される。
<気体放出装置>
気体放出装置7は、加熱機能を備えており、熱交換装置5で加熱された水和物スラリーを導入し、これをさらに加熱して、水和物を融解させ水溶液を生成し、水和物に捕集されていた気体Aを放出させる。加熱機能としては熱媒を供給して加熱する熱交換器を備えることが好ましい。
気体Aと水溶液からなる混合流体は第2分離器に導入され、水溶液と気体Aとに分離され、水溶液は熱交換装置5に送られる。分離された気体Aは排出され、適宜貯槽等に貯留されるか、又は次の処理プロセスに導入される。
図3は気体分離装置を構成する各装置の機能と各装置を通過する気体、水溶液、スラリーの様子を模式的に示したものである。以下においては、上記のように構成された気体分離装置によって混合気体から気体Aを分離する方法を、図3を参照しながら説明する。
捕集目的の成分である気体Aを含む混合気体を気体冷却装置1に導入し、混合気体と気体捕集装置3から導入した冷却された残気体(図3の破線矢印参照)とを熱交換させ混合気体を予め冷却する。分離する目的成分としての気体Aは、例えば二酸化炭素が挙げられる。
気体冷却装置1において冷却された混合気体は、気体捕集装置3に導入され、混合器9によって第四級アンモニウム塩の水溶液と混合され、水溶液に溶解される。
る。混合器9によって第四級アンモニウム塩の水溶液に混合気体が溶解された後、混合流体はポンプによって水和物スラリー生成器11に送られる。水和物スラリー生成器11においては、混合流体を冷媒との熱交換などにより0℃よりも高い温度で冷却して気体Aと第四級アンモニウム塩をゲストとして含む水和物を生成する。水和物スラリー生成器11内で攪拌が行われることにより、水和物粒子が水溶液に分散した水和物スラリーが生成される。
水和物スラリー生成器11で生成された水和物スラリーと未反応の残気体が分離器13に供給され、水和物スラリーと未反応の残気体が分離される(図2参照)。分離された水和物スラリーは熱交換装置5に導入される。他方、分離器13で分離された残気体は、気体冷却装置1に導入されて混合気体を予め冷却するように利用される。
なお、残気体に気体Aが残存している場合には、例えば残存量が一定以下になるまで、混合気体として再循環して利用することができる。
水和物スラリー生成器11において混合流体を冷却するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、冷熱を予め保有している領域から取り出される熱エネルギーであることが好ましい。
冷熱を予め保有している領域の典型例としては、蓄熱槽(又は蓄冷槽)、蓄熱装置(又は蓄冷装置)、蓄熱材(又は蓄冷材)を収容する容器などがあるが、より具体的には、井戸、地下水を貯蔵した地層又は貯水槽、液化天然ガスの貯蔵設備又は搬送設備(搬送用配管を含む)、大気(又は外気)或いは外部若しくは周辺の環境が含まれる。冷熱を予め保有している領域から取り出される熱エネルギーを利用するので、混合流体の冷却のための熱エネルギーを特に創り出す必要がなく、エネルギーの節減に資することができる。
分離器13で分離された水和物スラリーは、熱交換装置5に導入される(図3参照)。熱交換装置5においては、導入した水和物スラリーと気体放出装置7から導入した水溶液とを熱交換する(図3参照)。水和物スラリーは水溶液より温度が低いことから、水溶液との熱交換により温度が上昇して加熱された水和物スラリーとなり、逆に水溶液は冷却されて冷却された水溶液となる。
加熱された水和物スラリーは気体放出装置7に導入され、気体放出装置7においてさらに加熱される(図3参照)。この加熱によって、水和物が融解し、水和物に捕集されていた気体Aが放出される。気体Aが放出されることにより、気体放出装置7には気体Aと水溶液からなる混合流体が存在することになり、この混合流体は図示しない第2分離器に導入され、水溶液と気体Aとに分離される(図3参照)。分離された水溶液は熱交換装置5に送られ、分離された気体Aは排出され、適宜貯槽等に貯留されるか、又は次の処理プロセスに導入される。
気体放出装置において水和物スラリーを加熱するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、大気又はその他の外部若しくは周囲の環境から伝達される熱エネルギーであることが好ましい。
これにより、加熱のための熱エネルギーを特に創り出す必要がなく、エネルギーの節減に資することができる。
上記の実施の形態によれば、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し、捕集した気体を放出することで気体を分離するとともに、当該ゲスト分子を回収するというサイクルが効率的又は経済的に実現できる。
また、本実施の形態においては、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し、捕集した気体を放出することで気体を分離するとともに、熱交換装置5によって水和物のスラリーと水溶液との熱交換を行い、エネルギー消費を低減するというサイクルを実現しており、現実的な適用に耐え得る気体分離装置となっている。
なお、上記の実施の形態においては、気体捕集装置3に別途設けた混合器9によって混合気体と水溶液を混合するようにしたが、混合器9を省略して水和物スラリー生成器11内の水溶液に混合気体を供給することにより、水溶液と混合気体を混合するようにしてもよい。
[実施の形態2]
図4は本発明に係る気体を捕集し放出する装置を、気体分離装置として実現した場合の機器構成を説明する説明図である。
実施の形態2に係る気体分離装置は、実施の形態1のものと同様に、第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて、捕集目的である気体Aを含む混合気体から気体Aを分離して捕集し、捕集した気体Aを放出するための装置である。ただ、実施の形態1と異なる点は、図4に示すように、実施の形態1の装置構成として存在していた気体冷却装置及び熱交換装置を省き、気体捕集装置15において15℃以上の温度で水溶液を冷却して水和物が生成できるようにゲスト分子の水溶液を選択した点である。
実施の形態2において選択する第四級アンモニウム塩の水溶液としては、臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)の水溶液または臭化テトラisoペンチルアンモニウムを含むニ以上の種類の第四級アンモニウム塩の水溶液が好ましい。臭化テトラisoペンチルアンモニウムの調和融点は30℃であり、水和物生成温度を15℃以上の温度に調整することが容易であるからである。
臭化テトラisoペンチルアンモニウム以外の第四級アンモニウム塩の一つとしては、臭化テトラnブチルアンモニウムであることが好ましい。臭化テトラnブチルアンモニウムは比較的安価で入手し易いので、臭化テトラisoペンチルアンモニウムと臭化テトラnブチルアンモニウムとを適切に配合することにより、水和物生成温度を15℃以上の温度に調整することが容易であるとともに経済的に優れた気体を捕集し放出する方法を構成することができる。
以下、実施の形態2の各装置の構成を詳細に説明する。なお、各装置は実施の形態1で説明したものと基本的に同様のものであるので、以下においては実施の形態2の各装置が実施の形態1に示したものと同様であるかどうかを示すと共に特に異なる点があればこれについて説明する。
<気体捕集装置>
気体捕集装置15は、気体放出装置17から導入した第四級アンモニウム塩の水溶液と混合気体を混合し、15℃より高い温度で冷却し、気体Aを含む水和物を生成させることによって混合気体から気体Aを捕集する。そして、気体捕集装置15は、水和物のスラリーを生成させる機能を有している。
このような機能を有する気体捕集装置15は、実施の形態1で説明したのと同様に、混合器、水和物スラリー生成器、分離器を備えている(図2参照)。
〔混合器〕
実施の形態1に示したものと同様である。
〔水和物スラリー生成器〕
水和物スラリー生成器は、冷却機能を備えており、混合器で混合された第四級アンモニウム塩の水溶液と混合気体を含む水溶液を冷却して気体Aと第四級アンモニウム塩をゲストとして含む包接水和物を生成する。この点は、実施の形態1のものと同様である。
実施の形態2の水和物スラリー生成器においては、水溶液を冷却する冷却温度は15℃より高い温度とする。つまり生成するスラリーの温度が15℃より高い温度になるようにする。冷却温度を15℃より高い温度で冷却するようにすれば、例えば1年間のうち、外気温が15℃以上になる季節(例えば春季や夏季)においては、水溶液を、格段の冷却装置を必要とすることなく又は冷却装置が必要な場合であってもその冷却装置の運転負荷を軽減しつつ、外気の熱エネルギーを利用して水溶液を冷却することができる。
なお、水和物スラリー生成器には攪拌機構を設けるのが好ましい。
水和物スラリー生成器においては、冷却によって包接水和物が生成され、攪拌が行われることにより、包接水和物粒子が水溶液に分散した水和物スラリーが生成される。
〔分離器〕
分離器は、実施の形態1のものと同様である。
<気体放出装置>
気体放出装置17は、実施の形態1のものと同様である。
図5は気体分離装置を構成する各装置の機能と各装置を通過する気体、水溶液、スラリーの様子を模式的に示したものである。以下においては、上記のように構成された気体分離装置によって混合気体から気体Aを分離する方法を、図5を参照しながら説明する。
捕集目的である気体A、例えば二酸化炭素を含む混合気体を気体捕集装置15に導入し(図5参照)、混合器によって第四級アンモニウム塩の水溶液と混合し、混合気体を水溶液に溶解する。
混合器によって第四級アンモニウム塩の水溶液に混合気体が溶解された後、混合流体はポンプによって水和物スラリー生成器に送られる。水和物スラリー生成器においては、混合流体を15℃より高い温度で冷却して気体Aと第四級アンモニウム塩をゲストとして含む包接水和物を生成する。生成器内で攪拌が行われることにより、包接水和物粒子が水溶液に分散した水和物スラリーが生成される。
水和物スラリー生成器で生成された水和物スラリーと未反応の残気体が分離器に供給され、水和物スラリーと未反応の残気体が分離される。この残気体に気体Aが残存している場合には、例えば残存量が一定以下になるまで、混合気体として再循環して利用する。
分離された水和物スラリーは、気体放出装置17に導入され、気体放出装置17においてさらに加熱される(図5参照)。この加熱によって、水和物が融解し、水和物に捕集されていた気体Aが放出される。気体Aが放出されることにより、気体放出装置17には気体Aと水溶液からなる混合流体が存在することになり、この混合流体は図示しない第2分離器に導入され、水溶液と気体Aとに分離される。分離された水溶液は熱交換装置に送られ、分離された気体Aは排出され、適宜貯槽等に貯留されるか、又は次の処理プロセスに導入される。
実施の形態2においては、第四級アンモニウム塩の水溶液として上記のものを用いることにより、水和物生成温度を15℃以上の温度に調整し易く、下記の効果がある。
すなわち、実施の形態2によれば、気体捕集装置15における水溶液を冷却する温度が15℃以上なので、例えば1年間のうち、外気温が15℃以上になる季節(例えば春季や夏季)においては、水溶液を、格段の冷却装置を必要とすることなく又は冷却装置が必要な場合であってもその冷却装置の運転負荷を軽減しつつ、外気の熱エネルギーを利用して水溶液を冷却することができる。これにより、エネルギー消費が相対的に少なくなり、効率的且つ経済的で、従ってより現実的な適用に耐え得る気体捕集が可能になる。また、実施形態1において不可欠であった熱交換装置を省略できるので、気体を捕集し放出する際に、エネルギーを連続的に節減することができる。
図34示す気体捕集装置と気体放出装置を用いて、特定の気体を含む混合気体から該気体を分離する実験を行った。
実験方法、用いた試験水溶液、試験混合気体は以下の通りである。
[気体分離実験方法]
混合器を兼ねた水和物スラリー生成器に第四級アンモニウム塩の水溶液(以下試験水溶液という)を充填する。この試験水溶液を充填した水和物スラリー生成器に混合気体を導入し30℃にて0.5MPaに昇圧した状態で混合気体供給配管に設けたバルブを閉じ、水和物スラリー生成器の熱交換部に冷媒を供給し、水和物スラリー生成器内部の液相部を攪拌しながら30℃から試験温度(15℃、20℃)にまで冷却する。
冷却により第四級アンモニウム塩と気体を含む水和物が生成され、気体が捕集されることにより水和物スラリー生成器内部の圧力が徐々に低下する。
水和物スラリー生成器内部の圧力低下が終了した後、水和物スラリー生成器内から残留している残気体を抜き出し、残気体のガス組成をガスクロマトグラフにより測定した。また、水和物スラリー生成器から水和物スラリーを抜き出し気体放出装置へ導入し、熱交換部に熱媒体を供給して水和物スラリーを加熱して水和物を融解し、捕集した気体を放出させる。そして、放出された気体(回収気体という)を抜き出し、回収気体のガス組成をガスクロマトグラフにより測定した。
[試験水溶液]
(1)臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)5wt%水溶液
(2)臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)2.5wt%と臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)2.5wt%の混合水溶液
(3)比較例として、臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)5wt%の混合水溶液
[試験混合気体]
二酸化炭素を5%含む混合気体(例えば高炉ガスを模擬した混合気体)
分離対象ガスは、二酸化炭素である。
実験結果を表1に示す。
Figure 2010012420
表1に示すように、臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)5wt%水溶液又は臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)2.5wt%と臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)2.5wt%の混合水溶液を用いて、目的気体の捕集と放出を行うことにより、混合気体から二酸化炭素を選択的に捕集し回収気体中の二酸化炭素濃度を高めて濃縮できることを確認できた。
また、冷却温度が低いほど目的気体を多く捕集できることを確認できた。
他方、比較例の臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)5wt%の水溶液を用いた場合、水溶液への二酸化炭素の溶解により、回収気体中の二酸化炭素濃度が試験混合気体の実験前の濃度より若干高くなるが、冷却温度が20℃または15℃の条件では、臭化テトラnブチルアンモニウムの水和物が生成せず、水和物を生成することにより目的気体を捕集することはできなかったか、捕集できたかどうか明確に確認できなかった。
本発明の実施の形態1に係る気体分離装置の説明図である。 図1に示した気体分離装置の一部の詳細説明図である。 本発明の実施の形態1における気体分離方法の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る気体分離装置の説明図である。 本発明の実施の形態2における気体分離方法の説明図である。
符号の説明
1 気体冷却装置
3 気体捕集装置
5 熱交換装置
7 気体放出装置
9 混合器
11 水和物スラリー生成器
13 分離器
15 気体捕集装置
17 気体放出装置

Claims (14)

  1. 第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する方法であって、
    前記ゲスト分子の水溶液を気体と接触させ、0℃より高い温度で冷却することにより、気体を捕集した水和物を生成させ、更にその水和物が前記水溶液又は水に分散又は懸濁してなるスラリーを生成させる第1の工程と、
    第1の工程において生成されたスラリーを加熱し、その中の水和物を融解させることにより、その水和物が捕集していた気体を放出させるとともに、前記ゲスト分子の水溶液を生成させる第2の工程とを有し、
    第1の工程において生成されたスラリーの一部又は全部と第2の工程において生成された前記ゲスト分子の水溶液の一部又は全部とを熱交換させ、該熱交換によって冷却された前記ゲスト分子の水溶液を前記第1の工程におけるゲスト分子の水溶液の一部又は全部として利用し、前記熱交換によって加熱されたスラリーを前記第2の工程におけるスラリーの一部又は全部として利用するようにしたことを特徴とする気体を捕集し放出する方法。
  2. 第1の工程は、前記ゲスト分子の水溶液と気体とを混合又は攪拌するとともに7℃以下の温度で冷却する工程を有し、第2の工程は、第1の工程において生成されたスラリーを15℃以上の温度で加熱する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の気体を捕集し放出する方法。
  3. 第1の工程は、前記ゲスト分子の水溶液と気体とを混合又は攪拌するとともに15℃以上の温度で冷却する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の気体を捕集し放出する方法。
  4. 前記ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の気体を捕集し放出する方法。
  5. 第1の工程において前記ゲスト分子の水溶液を冷却するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、冷熱を予め保有している領域から取り出される熱エネルギーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の気体を捕集し放出する方法。
  6. 第2の工程において水和物のスラリーを加熱するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、大気又はその他の外部若しくは周囲の環境から伝達される熱エネルギーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の気体を捕集し放出する方法。
  7. 第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する方法であって、
    前記ゲスト分子の水溶液を気体と接触させ、15℃以上の温度で冷却することにより、気体を捕集した水和物を生成させ、更にその水和物が前記水溶液又は水に分散又は懸濁してなるスラリーを生成させる第1の工程と、
    第1の工程において生成されたスラリーを加熱し、その中の水和物を融解させることにより、その水和物が捕集していた気体を放出させるとともに、前記ゲスト分子の水溶液を生成させる第2の工程と、を有することを特徴とする気体を捕集し放出する方法。
  8. 前記ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含むことを特徴とする請求項7に記載の気体を捕集し放出する方法。
  9. 第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する装置であって、
    前記ゲスト分子の水溶液を気体と接触させ、0℃より高い温度で冷却し、これにより気体を捕集した水和物を生成し、更にその水和物が前記水溶液又は水に分散又は懸濁してなるスラリーを生成する気体捕集装置と、
    該気体捕集装置において生成したスラリーを加熱し、そのスラリーの中の水和物を融解し、これにより気体を放出するとともに、前記ゲスト分子の水溶液を生成する気体放出装置と、
    該気体放出装置内で生成した前記ゲスト分子の水溶液の一部又は全部と前記気体捕集装置内で生成したスラリーの一部又は全部との熱交換を行う熱交換装置と、
    該熱交換装置によって冷却された前記ゲスト分子の水溶液を前記気体捕集装置に供給する第1供給装置と、
    前記熱交換装置によって加熱された前記スラリーを前記気体放出装置に供給する第2供給装置と、を備えることを特徴とする気体を捕集し放出する装置。
  10. 前記ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含むことを特徴とする請求項9に記載の気体を捕集し放出する装置。
  11. 前記気体捕集装置内で前記ゲスト分子の水溶液を冷却するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、液化天然ガスの貯蔵設備、井戸又は地下水を貯蔵する地層から取り出した熱エネルギーであることを特徴とする請求項9又は10に記載の気体を捕集し放出する装置。
  12. 前記気体放出装置内で水和物のスラリーを加熱するために用いられる熱エネルギーの一部又は全部が、大気又はその他の外部若しくは周囲の環境から伝達される熱エネルギーであることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の気体を捕集し放出する装置。
  13. 第四級アンモニウム塩をゲスト分子として含む水和物を用いて気体を捕集し放出する装置であって、
    前記ゲスト分子の水溶液を気体と接触させ、15℃以上の温度で冷却し、これにより気体を捕集した水和物を生成し、更にその水和物が前記水溶液又は水に分散又は懸濁してなるスラリーを生成する気体捕集装置と、
    該気体捕集装置において生成したスラリーを加熱し、そのスラリーの中の水和物を融解し、これにより気体を放出するとともに、前記ゲスト分子の水溶液を生成する気体放出装置と、を備えることを特徴とする気体を捕集し放出する装置。
  14. 前記ゲスト分子の水溶液が、テトラisoペンチルアンモニウム塩又はテトラisoペンチルアンモニウム塩を含む二以上の種類の第四級アンモニウム塩を溶質として含むことを特徴とする請求項13に記載の気体を捕集し放出する装置。
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