以下に、本発明に係る弾球遊技機を、第1実施形態および実施形態に分けて、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明に係る弾球遊技機の概略的な構成を示す正面図を、図2は図1に示した本発明に係る弾球遊技機の概略的な構成を示す背面図を、図3は図1に示した弾球遊技機における遊技盤の概略的な構成を示す正面図である。以下では、弾球遊技機としてパチンコ遊技機を例にとって説明するが、本発明に係る弾球遊技機は、パチンコ遊技機に限定されるものではなく、他の弾球遊技機にも適用することができる。また、同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。なお、以下に説明する各構成要素については、本発明を逸脱しない範囲内で、遊技の目的に応じて、その配置や機能を適宜変更することができる。
図1に示すように、遊技機本体100は、外枠110と、外枠110に開閉自在に取り付けられた前枠120とを備えている。
前枠120は遊技盤300を固定する機能を備え、ガラス扉121と前面板123とが開閉自在に取り付けられている。ガラス扉121は、遊技盤300に形成された遊技領域を透視可能とするための開口部121aが形成され、開口部121aは、遊技盤300と外部との接触を遮断する透明板によって覆われている。
前面板123には、遊技球を貯留したり、貯留された遊技球を発射装置140に供給したりする上受け皿125aが配置されている。また、前面板123の下部には、余剰の遊技球を貯留する下受け皿125bと、発射装置140を作動させる発射ハンドル140aとが配置されている。
ガラス扉121と前面板123とには、遊技状態に応じた演出効果を奏する複数の装飾ランプ150a〜150d(図には一部の装飾ランプを示している)が配置されている。これら装飾ランプ150a〜150dは発光手段として機能する。
外枠110の下部には、遊技状態に応じた効果音を発生するスピーカ130が配置されている。スピーカ130は、音波出力手段として機能する。
次に、図1に示した遊技機本体100の背面側の構成を簡単に説明する。
図2に示すように、遊技機本体100は、前枠120に取り付けられた三方枠210、三方枠210と開閉自在に装着される裏機構板215、および裏カバー220を備えている。
裏機構板215には、遊技盤300の裏側の一部の領域を取り囲むように開口部が形成され、前記開口部の上部には、ホール側の遊技球補給装置から供給された遊技球を貯留する遊技球タンク230と、貯留した遊技球を賞球払出手段240に供給するタンクレール231とが配置されている。タンクレール231は、賞球払出手段240に遊技球が供給されるように傾斜して配置されている。
賞球払出手段240は、駆動モータ241によって駆動する水車型の払出回転体243を備えた回転式の賞球払出装置である。賞球払出手段240は、払出回転体243を駆動モータ345で駆動して、払出回転体243によって、遊技球を所定の個数づつ(例えば、1個づつ)払い出すように構成されている。
裏カバー220は、遊技盤300に装着された複数の遊技部品(図3参照)を裏側から覆うためのものである。また、裏カバー220の内側には、遊技全般の制御を司る主制御基板400、遊技状態に応じた演出を司る演出制御基板420、賞球の払い出しを制御する払出制御基板430、発射装置140を制御する発射制御基板440、および電源基板450が配置されている。そして、裏カバー220は、上記各基板を収納する主制御基板ケース400a、演出制御基板ケース420a、払出制御基板ケース430a、発射制御基板ケース440a、および電源基板ケース450aを含み、これら基板ケースが着脱自在に装着されている。電源基板450は、電源コード451を介して外部電源(図示はしない)に接続される。なお、上記各制御基板に関する説明は、後述する。
また、主制御基板400は、外部端子基板460を介して、遊技状態に関する情報をホール全体の遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図示はしない)に接続されている。
次に、本実施の形態に係る遊技盤300の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、遊技盤300は、遊技領域310を備えている。遊技領域310は、発射された遊技球を誘導するための誘導レール320の内側に形成される領域である。
遊技領域310は、各種遊技部品が装着されており、主として、装飾図柄表示手段330、特別図柄表示手段340、普通図柄表示手段345、大入賞手段350、351、特別図柄始動手段370、普通図柄始動手段375、普通入賞手段380a〜380d、風車390、複数の遊技くぎ(図示はしない)、および装飾ランプなどの複数の発光手段(図示はしない)を備えている。なお、装飾図柄表示手段330、特別図柄表示手段340、普通図柄表示手段345、大入賞手段350、351、および発光手段などは、図2に示した主制御基板400または演出制御基板420(図4参照、詳細は後述する)によって制御されるものである。
装飾図柄表示手段330は、図3に示すように種々の形態の遊技に関する演出や情報を表示するもの(例えば、演出表示器)であり、演出手段の一つとして機能する。装飾図柄表示手段330は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、各種の遊技情報を動画や静止画(以下、「画像」と称する)などによって表示するものである。また、装飾図柄表示手段330は、不正入賞である旨を報知する不正入賞報知手段としても機能する。なお、本実施の形態では、装飾図柄表示手段330は、液晶ディスプレイなどの表示装置であるとして説明しているが、回胴式遊技機のような回転式ドラムや7セグメントなどの表示装置であっても良い。
遊技に関する演出や情報の表示画像としては、例えば、客待ちデモンストレーション、通常の遊技状態における演出パターン画像、大当たり用の装飾図柄(例えば、「777」などの文字や図柄)、特別遊技状態における演出パターン画像(例えば、藤丸くんなどのキャラクター画像)、確率変動演出パターン画像、球切れなどのエラー表示、ゴト行為による不正入賞である旨の表示などが挙げられる。
なお、装飾図柄表示手段330は、特別図柄表示手段340によって表示される図柄や普通図柄表示手段345によって表示される図柄を表示したり、これら図柄を変動させる回数(例えば、保留球数)を表示したりするように構成しても良い。
特別図柄表示手段340は、少なくとも1つの特別遊技状態への移行契機となる条件(特別電動役物を作動させることとなる条件)を図柄やランプ(以下、「特別図柄」と称する)などによって表示する機能を有するものである。
具体的には、特別図柄表示手段340は、後述する特別図柄始動手段370に遊技球が入賞した場合、乱数抽選に基づき決定された特別図柄の変動パターン(変動開始から終了までの一連の動作)を表示し、所定の変動時間経過後、停止した特別図柄を表示する機能を有するものである。特別図柄は、特別遊技状態の移行契機(大入賞口を開放させるための特別電動役物の作動の契機)となる「大当たり」図柄と、特別遊技状態に移行契機とはならない「はずれ」図柄とを含む。
特別図柄始動手段370は、特別遊技状態への移行抽選を開始させる機能を有するものであり、抽選開始手段として機能する。特別図柄始動手段370は、上始動口371と下始動口373との間で普通電動役物の作動によって可動する一対の可動翼片370a、370bを備え、いわゆるチューリップ型役物として構成されている。また、遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ(図示はしない)、例えば、電磁感応式の近接センサを備えている。なお、可動翼片370a、370bが可動していない場合であっても、上始動口371から遊技球が入賞可能となっている。
可動翼片370a、370bは、後述する普通図柄表示手段345によって、普通電動役物の作動条件となる普通図柄が表示された場合に作動し、可動翼片370a、370bが開放して、下始動口371に遊技球の入賞が容易になるように構成されている。可動翼片370a、370bの開放パターン(例えば、開放させる時間や開放回数など)は、遊技状態や遊技機の特性に応じて適宜変更することができる。
また、特別図柄始動手段370の遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動は、変動中のものを除き、遊技に応じた所定の回数(例えば、4回)記憶され、記憶される回数は、特別図柄記憶表示手段340aよって表示されるようになっている。
普通図柄始動手段375は、後述する普通図柄の変動開始の契機となる機能を有するものである。普通図柄始動手段375は、遊技球の通過を検出する検出スイッチを備え、本実施の形態においては、いわゆるゲート型で形成されている。普通図柄表示手段375に遊技球が通過した場合、普通図柄の変動が開始される。なお、普通図柄始動手段375の遊技球の通過に基づく普通図柄の変動は、変動中のものを除き、遊技に応じて所定の回数(例えば、4回)記憶され、記憶される回数は、普通図柄記憶表示手段345aよって表示されるようになっている。
普通図柄表示手段345は、普通電動役物を作動させる契機となる条件を図柄やランプ(以下、「普通図柄」と称する)などによって表示する機能を有するものである。
具体的には、普通図柄表示手段345は、普通図柄始動手段375に遊技球が通過した場合、乱数抽選に基づき決定された普通図柄の変動パターン(変動開始から終了までの一連の動作)を表示し、所定の変動時間経過後に、停止した普通図柄を表示する機能を有するものである。
大入賞手段350、351は、特別電動役物であって、大入賞口を開放させて遊技球の入賞を容易にする機能を有するものである。大入賞手段350、351は、遊技球の入賞を検出する検出スイッチを含み、大入賞口(入賞口のうち、特別電動役物が作動した場合に遊技球の入賞が容易になるものを意味する)に遊技球を入賞させる開状態と入賞させることを不能にする閉状態とに変換可能な可変入賞手段を構成するものである。なお、本実施の形態では、2つの大入賞手段を有している弾球遊技機を例にとって説明しているが、これに限らず、3つ以上の大入賞手段を有している弾球遊技機であっても良い。
大入賞手段350(「第1大入賞手段」とも称する)は下部側の横軸廻りに開閉自在な開閉扉350aと、開閉扉350aを作動させるための装置(図示はしない)、例えば、電磁ソレノイドとを備えている。また、本実施の形態における大入賞手段351(「第2大入賞手段」とも称する)は、大入賞手段350とは異なる形態を有するもので、役物上部の大入賞口を開閉自在に可動する一対の可動翼片351a、351bを備え、いわゆるチューリップ型役物として構成されている。なお、大入賞手段350と大入賞手段351とは、同一の形態であっても良い。
大入賞手段350、351は、特別図柄表示手段340によって特別遊技状態に移行する特別図柄、すなわち、大入賞手段の作動の契機となる特別図柄が表示された場合、大入賞手段350または大入賞手段351の作動が開始されて、大入賞口を開状態したり、閉状態にしたりするものである。
普通入賞手段380a〜380dは、遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチを備え、普通入賞手段380a〜380dに遊技球が入賞した場合、所定個数の遊技球が払い出されるように構成されたものである。
風車390は、遊技球の落下の方向に変化を与える機能を有するものであり、通常、羽根車状で構成されている。
遊技くぎは、遊技球の落下の方向に変化を与える機能を有するものであり、くぎ状のもので構成されている。図示はしていないが、遊技くぎは、遊技領域310上に遊技の種類や目的に応じた形態で配置されており、風車390と相まって、遊技球の落下の方向に様々変化を与え、遊技の興趣を高める一つの手段である。この遊技くぎの配列構成によって不規則に落下していく遊技球の挙動こそが、遊技者の醍醐味のうちの一つなのである。
発光手段は、例えば、LEDなどの発光素子を含み、遊技状態に応じた演出効果を奏するためのものであり、演出手段の一つとして機能する。また、前記発光手段は、不正入賞である旨を報知する不正入賞報知手段としても機能する。
なお、本実施の形態における「普通電動役物」とは、電動役物のうち、大入賞口以外の入賞口の入り口を開き、または拡大するもので、遊技球が特定の入賞口に入賞しまたは特定のゲートを通過し、または、特定の図柄の組み合わせが表示された場合に作動するものを意味する。本実施の形態に係る弾球遊技機においては、特別図柄始動手段370が該当する。また、前記「特定の入賞口」または前記「特定のゲート」とは普通図柄始動手段345が該当し、前記「特定の図柄の組み合わせが表示された場合」とは普通図柄表示手段345によって普通電動役物の作動条件となる普通図柄が停止した場合が該当する。
また、本実施の形態における「特別電動役物」とは、遊技機に備えられる電動役物のうち、大入賞口を開放したり、拡大したりするものを意味する。本実施の形態の弾球遊技機においては、大入賞手段350、351が該当する。
なお、本実施の形態に係る弾球遊技機においては、普通電動役物および特別電動役物は、上記のようなものを意味しているが、遊技機の種類によって、適宜変更することができる。特に、大入賞手段は、遊技球の入賞を容易にするものであれば良い。これは、普通電動役物が大入賞手段を構成しても良いことを意味する。
次に、図4を参照して、本発明に係る弾球遊技機の主要な制御部について詳細に説明する。なお、図1〜図3と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
図4および図5は、本発明の第1実施形態に係る弾球遊技機の説明に供する図である。図4は図1〜図3に示した弾球遊技機の制御系の概略構成を示すブロック図を、図5は図4に示した弾球遊技機の不正管理処理の動作フローチャートを示し、このフローチャートは本実施の形態に係る弾球遊技機における不正行為を検出する手順に相当するものである。
図4に示すように、本実施の形態に係る弾球遊技機は、主制御基板400、演出制御基板420、払出制御基板430、発射制御基板440、電源制御基板450を備え、それぞれ、CPU、ROM、およびRAMなどにより構成されている。
主制御基板400は、主として、遊技機における遊技動作全般の制御を司る主制御手段として機能するものであり、通常遊技制御部401、特別遊技制御部403、不正入賞判定部405、入賞処理部407、遊技状態記憶部409、および制御コマンド送信部411を備えている。
演出制御基板420は、主制御部400からの信号に基づき、各種演出手段を制御する演出制御手段として機能するものであり、装飾図柄制御部421、発光手段制御部423、および音波出力手段制御部425を備えている。
払出制御基板430は、主制御基板400からの信号に基づき、各入賞手段に入賞した遊技球に対しての賞球の払い出しを制御する払出制御手段(図4において、参照符号430とする)として機能するものある。
発射制御基板440は、遊技球を発射するための発射装置140の作動を制御する発射制御手段(図4において、参照符号440とする)として機能する。
電源基板450は、遊技機本体100に電源を供給遮断したり、バックアップ用の電源を保持したりするものであり、電源制御手段(図4において、参照符号450とする)として機能するものである。
まず、主制御基板400の各制御部について詳細に説明する。
[通常遊技制御部]
通常遊技制御部401は、普通図柄始動手段375からの遊技球の検出信号を受信し、受信した信号に基づき普通電動役物の作動を制御する機能を有するものである。
通常遊技制御部401は、図示はしないが、通常遊技制御手段、普通図柄確率変動手段、および普通図柄変動時間短縮手段を含むことができる。
通常遊技制御手段は、普通電動役物に関する作動を制御する機能を有するものである。
具体的には、普通図柄始動手段375からの遊技球の検出に基づき、普通電動役物の作動の契機となる普通図柄や普通図柄の変動パターンを乱数抽選によって決定し、当該乱数抽選結果に基づいて、普通図柄表示手段345に表示させたり、あらかじめ定められた所定の動作パターンに基づき普通電動役物を作動させたりするものである。
普通図柄確率変動手段は、前記普通電動役物が作動する確率を変動させる機能を有するものである。普通図柄確率変動手段は、後述する特別図柄変動時間短縮手段403dと連動して作動させることができる。この場合、特別図柄表示手段340の特別図柄変動時間短縮手段の作動に伴い、普通図柄確率変動手段が作動し、前記普通電動役物が作動することとなる図柄を表示する確率を変動させることができる。
普通図柄変動時間短縮手段は、普通図柄の変動時間を短縮する機能を有するものである。普通図柄変動時間短縮手段は、特別図柄変動時間短縮手段と連動して作動(特別図柄表示手段340の特別図柄変動時間短縮手段作動時には、普通図柄変動時間短縮手段が作動する)させることができる。
なお、通常遊技制御手段は、普通図柄確率変動手段や普通図柄変動時間短縮手段の信号に基づき、普通電動役物の作動を制御することができる。例えば、普通図柄変動時間短縮手段の作動時には、特別図柄始動手段370の可動翼片370a、370bの作動時間を通常の遊技状態よりも延長させたり、作動回数を変化させたりして、普通電動役物の作動時間を延長させることができる。
[特別遊技制御部]
特別遊技制御部403は、特別図柄始動手段370の遊技球の検出信号を受信し、受信した信号に基づき、特別遊技状態の移行抽選を実行したり、特別遊技状態における大入賞手段350、351に関する動作を制御したりするものであり、特別遊技判定手段、特別遊技制御手段として機能する。
特別遊技制御部403は、特別遊技移行判定手段403a、特別遊技制御手段403bを含み、さらに、図示はしないが特別図柄確率変動手段、および特別図柄変動時間短縮手段を含むことができる。
特別遊技移行判定手段403aは、通常の遊技状態よりも有利な利益状態である特別遊技状態に移行するか否かを判定するものであり、特別遊技移行判定手段として機能する。
具体的には、特別遊技移行判定手段403aは、特別図柄始動手段370の遊技球の検出に基づき、大入賞手段350、351の作動の契機となる特別図柄や特別図柄の動作パターンなどを乱数抽選によって決定し、当該抽選結果に基づき特別遊技状態に移行するか否かの判定を行うものである。
特別遊技移行判定手段403aによって特別遊技状態に移行すると判定された場合、その旨が特別遊技制御手段403bに送信される。なお、特別遊技状態は、複数の特別遊技状態を有していても良く、それぞれの特別遊技状態に応じた特別図柄をあらかじめ定めておいても良い。
特別遊技制御手段403bは、特別遊技移行判定手段403aによって特別遊技状態に移行すると判定された場合、複数の大入賞手段のうちの少なくとも1つの大入賞手段の作動の開始から終了までの一連の動作を制御するものであり、特別遊技制御手段として機能する。
具体的には、特別遊技移行判定手段403aによって特別遊技状態に移行すると判定された場合、大入賞手段350、351の作動が開始され、大入賞手段350に備えられる開閉扉350a、または、大入賞手段351に備えられる一対の可動翼片351a、351bが大入賞口を開放(開状態)し、それぞれの大入賞手段350、351の作動の開始後は、所定の開放時間や遊技球が所定個数入賞した場合に、大入賞口を閉鎖(閉状態)する。
ここで、特別遊技状態は、上述したように複数の特別遊技状態を有していても良く、それぞれの特別遊技状態に応じて大入賞手段の作動を異ならせても良い。大入賞手段の作動に基づく開状態および閉状態は、役物連続作動装置(特別電動役物を連続して作動させることができる装置を意味する)を備えることによって所定回数交互に繰り返したり、一定時間、開状態または閉状態を維持したりするなど、遊技の特性に応じて様々な仕様に変更することができる。例えば、大入賞手段350、351を同時に作動させ、それぞれの大入賞口を同時に開状態にしたり、それぞれの大入賞手段を別々に作動させて、一方を開状態にし、他方を閉状態にして、これを交互に繰り返したりすることができる。また、複数の特別遊技状態が設定されている場合、一の特別遊技状態においては大入賞手段350を作動させ、他の特別遊技状態においては大入賞手段351を作動させるようにすることもできる。
特別図柄確率変動手段は、特別遊技状態に移行する確率を変動させる機能を有するものである。具体的には、特別図柄確率変動手段は、特別遊技状態に移行する特別図柄のうち、あらかじめ定められた特定の図柄(以下、「特定図柄」と称する)の停止によって特別遊技状態に移行した場合、大入賞手段350(または大入賞手段351)の作動の終了後(特別遊技状態の終了後)、次回の特別遊技状態に移行する確率を変動(以下、必要に応じて「確率変動」と称する)させるものである。
例えば、特別遊技状態に移行する特別図柄が「す」、「ず」、「き」、「か」、「わ」、「し」、「ま」とする。ここで、特定図柄である「す」、「ず」、「き」によって特別遊技状態に移行した場合、次回の特別遊技状態に移行する確率を低確率(例えば、397分の1)から高確率(例えば、39.7分の1)に変動させるようにし、「か」、「わ」、「し」、「ま」によって特別遊技状態に移行した場合、確率変動とならないようにすることができる(例えば、後述する時短のみを付与するようにする)。
なお、前記次回の特別遊技状態が、再度、特定図柄によって移行した場合、大入賞手段作動終了後、次々回の特別遊技状態に移行する確率を変動(例えば、確率変動を継続させる)させることができる。また、前記のような確率変動は、特定図柄が停止した場合に次回の特別遊技状態に移行する確率のみ、低確率から高確率に変動させると説明しているが、これに限らず、複数回(例えば、確率変動の継続を2回)繰り返されるような構成であっても良い。
特別図柄変動時間短縮手段は、特別図柄の変動時間を短縮する機能を有するものである。具体的には、特別図柄変動時間短縮手段は、あらかじめ定められた特定図柄(以下、「変動時間短縮図柄」と称する)で特別遊技状態に移行した場合、大入賞手段の作動の停止後、次回の大入賞手段の作動開始までの間や特別図柄が所定の回数(例えば、100回)の変動を終了するまでの間、特別図柄の変動時間を短縮(以下、「時短」と称する)するものである。
[不正入賞判定部]
不正入賞判定部405は、複数の大入賞手段のうち、特別遊技制御部403(特別遊技制御手段403b)によって作動されていない大入賞手段に対して、遊技球が不正に入賞(以下、「不正入賞」とも称する)したか否かを判定したり、不正入賞である旨を報知させるために演出制御基板420の各制御部を、制御コマンド送信部411を介して制御したりするものであり、不正入賞判定手段として機能する。
不正入賞判定部405は、不正入賞判定手段405aを備え、さらに、ホール用不正報知手段405b、遊技停止手段405cを含むことができる。
不正入賞判定手段405aは、それぞれの大入賞手段350、351に遊技球が不正に入賞したか否かを監視する機能を有するものである。具体的には、不正入賞判定手段405aは、特別遊技状態に移行していないのにもかかわらず、大入賞手段350、351に遊技球が入賞した場合、当該遊技球が不正に入賞したものであるか否かを判定するようにしている。なお、本実施の形態では、大入賞手段350、351に入賞する遊技球の検出は、後述する入賞処理部407によって行われている。したがって、不正入賞判定手段405aは、入賞処理部407の大入賞手段の遊技球の検出に基づいて、大入賞手段350、351に遊技球が入賞したか否かを監視するようにしている。しかしながら、これに限定されず、不正入賞判定部405が大入賞手段350、351に入賞する遊技球を直接的に検出する機能を有していても良い。
前記遊技球が不正に入賞したか否かの判定は、具体的には、特別遊技制御手段403bによって制御された大入賞手段350、351のうちの少なくとも1つの大入賞手段に対して、当該大入賞手段の作動の終了から所定時間内に当該大入賞手段に入賞する遊技球については、不正に入賞したものでないと判定するようにしている。例えば、特別遊技制御手段403bによって制御された大入賞手段が大入賞手段351である場合、大入賞手段351に対して、大入賞手段351の作動の終了から所定時間内に大入賞手段351に入賞する遊技球については、不正に入賞したものでないと判定するようにしている。したがって、前記所定時間経過後に大入賞手段351に入賞する遊技球については、不正に入賞したものであると判定される。なお、前記所定時間は、任意の時間に設定することができる。
一方、大入賞手段350に対しては、特別遊技制御手段403bによって制御された大入賞手段であっても、大入賞手段351における不正入賞の判定とは異なる判定を行うようにすることができる。例えば、前記所定時間を「0秒」として、大入賞手段350に対しては、大入賞手段350の作動終了直後から大入賞口に入賞する遊技球に対して、直ちに不正入賞である旨の判定をするようにしても良いし、他の判定処理、例えば、後述する第2実施形態における不正入賞の判定のように、入賞個数に応じて不正入賞の判定をするようにしても良い。勿論、大入賞手段350と大入賞手段351とで、同じ不正入賞の判定を行うようにしても良い。
そして、不正入賞判定手段405aは、遊技球が不正に入賞したと判定した場合、不正入賞報知信号を送信して、前記不正入賞である旨を報知させるために演出制御基板420の各制御部を、制御コマンド送信部411を介して制御する。この場合、不正入賞判定手段405aは、大入賞手段350と大入賞手段351とで前記不正入賞である旨の報知を異ならせるように、様々な形態の不正入賞報知信号を制御コマンド送信部411に送信することができる。
なお、本実施の形態では、不正行為を監視する大入賞手段は2つであるが、これに限らず、3つ以上の大入賞手段を備えた弾球遊技機の場合、それぞれの大入賞手段を監視するように構成しても良い。
なお、役物連続作動装置により大入賞手段を連続して作動させる場合、大入賞手段350の開閉扉350aの1回目の作動開始から終了まで(開状態から閉状態)を第1ラウンドとすると、第1ラウンド終了から所定時間の経過後に第2ラウンド目が開始されるように構成している。このような場合、最終ラウンド(例えば、15ラウンド目)が終了から所定時間内は、見掛け上、大入賞手段の作動が終了しているように見えるが、実際には特別遊技状態となっている。上記「特別遊技状態」とは、前記最終ラウンド終了からの前記所定時間が経過するまで含む意味である。
ホール用不正報知手段405bは、ホールコンピュータに遊技情報を送信する外部出力手段である外部出力基板460を通じて、ホール管理用コンピュータ461に対して前記不正入賞である旨の信号を送信する機能を有するものである。このホール用不正報知手段405bによって、ホール管理用コンピュータ461に不正入賞である旨が報知されるため、不正行為を早期に発見することができる。
遊技停止手段405cは、不正入賞判定手段405aによって不正に入賞したと判定された場合、遊技状態(遊技全般の動作を含む意味である)の少なくとも一部を強制的に停止させる機能を有するものである。例えば、不正入賞判定手段405bによって不正に入賞した判定された場合、遊技停止手段405cは発射制御手段440に発射停止信号を送信して、発射装置140の作動を停止させるように制御することができる。
[入賞処理部]
入賞処理部407は、大入賞手段350、351、特別図柄始動手段370、または普通入賞手段380a〜380dに遊技球が入賞したときにその入賞信号に基づいて入賞処理を行う機能を有するものである。入賞処理部407は、遊技球がそれぞれの手段に備えられた入賞口スイッチを通過した場合、入賞の検出信号を受信して遊技球の払い出し個数、すなわち、賞球数を決定し、決定した賞球数の信号を後述する払出制御部420に送信するものである。
また、入賞処理部409は、大入賞手段350、351に遊技球の入賞があった場合、その入賞の信号を不正入賞判定部405に送信し、不正入賞判定部405からの判定結果を受信する機能を有することができる。例えば、不正入賞判定部405からの不正入賞判定部405によって、不正入賞であると判定した場合、不正入賞判定部405からその旨の信号を受信して、賞球の払い出しを停止させるように後述する賞球払出制御部450を制御することができる。
[遊技状態記憶部]
遊技状態記憶部409は、主制御部400の各制御手段により時系列に変化する遊技状態の各種遊技情報を記憶する機能を有するものであり、図示はしないが遊技状態記憶手段および遊技復旧手段を含むことができる。
遊技状態記憶手段は、遊技機の電源が遮断(例えば、停電)された場合、その遮断時における遊技状態に関する情報を記憶するバックアップ機能を有するものである。遊技に関する情報とは、遊技者に対して、電源の遮断時における遊技状態を電源復旧時にそのまま提供できるようにするための情報(または、遊技の再開に必要な主要な遊技状態に関する情報)、すなわち、普通遊技制御部401、特別遊技制御部403、または入賞処理部407などにおける処理情報の少なくとも一部であって、例えば、特別図柄や普通図柄の乱数抽選結果、特別遊技状態であるか否か、特別遊技状態における大入賞手段の作動状態(例えば、ラウンド数、確率変動状態など)、賞球数などである。
遊技復旧手段は、電源が復旧したときに電源制御部430からの電源の復旧信号を検出して、遊技状態記憶手段に記憶されている遊技状態に関する情報を読み出して、その遊技状態に関する情報に基づいて電源の遮断時における遊技状態から遊技を復旧させるためのものである。
[制御コマンド送信部]
制御コマンド送信部411は、主制御基板400が有する各制御部からの遊技状態に関する信号(装飾図柄演出に関する制御信号、発光に関する制御信号、音波出力に関する制御信号、賞球払い出しに関する制御信号など)を解析し、制御コマンドとして演出制御基板420、払出制御基板430などに送信する機能を有するものである。上記に説明した各制御部の信号は、制御コマンド送信部411を通じて演出制御基板420、払出制御基板430の各制御部、大入賞手段350、351などの各手段に送信されるようにしている。
制御コマンド送信部411は、主として、特別遊技制御部403における特別遊技状態の移行抽選結果に基づく特別図柄演出制御コマンド、特別遊技状態の発生に基づく特別遊技状態演出コマンド、確率変動に基づく確率変動演出コマンド、不正入賞に基づく不正報知用エラーコマンドなどの各種演出制御コマンドを演出制御基板430の各制御部にそれぞれ送信する機能、各入賞手段における遊技球の入賞の検出結果に基づく賞球の払い出しコマンドを受信して、払い出し制御コマンドを払出制御基板450へと送信する機能、および不正入賞に基づく発射停止コマンドを発射制御基板に送信する機能を有するものである。各制御部および各手段はこれらの信号を受信して、所定の動作パターンや処理などを実行する。
また、制御コマンド送信部は、遊技状態に関する信号をコマンド送信する場合、通常の遊技状態ではノイズなどによる送信ミスを防止するため、所定の時間間隔をおいてコマンドを複数回送信するようにしている。
次に、演出制御基板420の各制御部について詳細に説明する。
[装飾図柄制御部]
装飾図柄制御部421は、制御コマンド送信部411からの演出に関する制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づき、装飾図柄表示手段330を制御するもので、演出制御手段の一つとして機能する。
具体的には、装飾図柄制御部421は、制御コマンド送信部411からの演出に関する制御コマンドを受信して、受信したコマンドに基づき、あらかじめ定められた各種演出パターン用のテーブルから装飾図柄表示手段330に表示する演出パターンを選択し、選択した演出パターンを装飾図柄表示手段330に表示させるものである。
各種演出パターン用のテーブルとしては、客待ちデモンストレーションテーブル、通常の遊技状態における演出テーブル、特別遊技状態における演出テーブル、確率変動演出テーブル、球切れなどのエラー表示用テーブル、またはゴト行為による不正入賞用演出テーブルなどが挙げられる。
そして、上記のような演出テーブルから、演出パターンを選択し、既に説明したように、例えば、客待ちデモンストレーション、通常の遊技状態における演出パターン画像、大当たり用の装飾図柄、特別遊技状態における演出パターン画像、確率変動演出パターン画像、球切れなどのエラー表示、またはゴト行為による不正入賞である旨の表示などの各種演出パターンを装飾図柄表示手段330に表示させるように構成されている。
また、装飾図柄制御部421は、制御コマンド送信部411から不正入賞報知コマンドに基づき、不正入賞である旨の表示を装飾図柄表示手段330に表示する場合、いずれの大入賞手段で不正入賞があった旨を特定するように表示させることができる(例えば、「下アタッカーで不正行為発生中」など)。
[発光手段制御部]
発光手段制御部423は、制御コマンド送信部411からの発光に関する制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づき、装飾ランプなどの発光手段を制御するものであり、演出制御手段の一つとして機能する。
具体的には、発光手段制御部423は、制御コマンド送信部411からの発光に関する制御コマンドを受信して、受信した制御コマンドに基づき、あらかじめ定められた各種発光パターン用のテーブルから発光パターンを選択して、選択した発光パターンに基づき発光手段を制御するものである。例えば、発光手段制御部423は、制御コマンド送信部411からの不正入賞報知コマンドに基づき、不正入賞である旨を報知、例えば、外部から判別できるように強制的に一部の装飾ランプを点灯させるなどように発光手段を制御することができる。
[音波出力手段制御部]
音波出力手段制御部425は、制御コマンド送信部411からの音波出力に関する制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づき、スピーカ130などの音波出力手段を制御するものであり、演出制御手段の一つとして機能する。
具体的には、音波出力手段制御部425は、制御コマンド送信部411からの音波出力、すなわち、音声や効果音に関する制御コマンドを受信して、受信した制御コマンドに基づき、あらかじめ定められた各種音波出力パターン用のテーブルから音波出力パターンを選択して、選択した音波出力パターンに基づき音波出力手段を制御するものである。例えば、音波出力手段制御部425は、制御コマンド送信部411からの不正入賞報知コマンドに基づき、不正入賞である旨を報知、例えば、警報音などの不正入賞に基づく効果音を発生させるように音波出力手段(例えば、スピーカ130が該当する)を制御することができる。
なお、前記不正入賞である旨の報知は、上述のように演出制御基板の各制御部によって個別に制御されることができるが、装飾図柄表示手段、発光手段、および音波出力手段がそれぞれ連動して、各種演出効果などを発揮するようにしても良い。例えば、前記不正入賞である旨の報知は、音波出力手段によって警報音を鳴らすと共に、装飾図柄表示手段によって、不正入賞である旨の表示を行うことができる。また、不正報知手段は、演出基板430の各制御部に限らず、単独で、不正報知手段を設けても良い。
次に、払出制御基板430について詳細に説明する。
[賞球払出制御部]
賞球払出制御部430は、制御コマンド送信部411からの払い出しコマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づき、遊技球を入賞口ごとに定められた賞球数を上受け皿125aなどに払い出すための賞球払出手段240(図2参照)を制御したり、賞球の払い出しを記憶したりする機能を有するものである。
賞球払出制御部430は、図示はしないが賞球払出制御手段および賞球払出記憶手段を含むことができる。
賞球払出制御手段は、制御コマンド送信部411からの払い出しコマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づき、賞球払出手段240を制御する機能を有するものである。
賞球払出記憶部手段は、制御コマンド送信部411からの払い出しコマンドを受信し、受信した制御コマンドに基づき、払い出すための賞球数を記憶する機能を有するものである。
なお、賞球払出記憶手段に払い出し数に未払いの賞球の記憶がある場合、賞球払出制御手段は、その未払い出し分の賞球を所定の払い出し数を1単位として優先的に払い出すように賞球払出手段240を制御する。なお、所定の払い出し数は、例えば一の入賞手段に対する賞球数(遊技球1個の入賞に対する払い出し数)が15個で、他の入賞手段に対する賞球数が5個の場合、その最も多い払い出し個数15個よりも多い数(例えば、20個)に設定されている。
次に、図5を参照しつつ、本実施の形態に係る弾球遊技機おける不正行為を検出する手順について詳細に説明する。まず、本実施の形態における不正行為の検出する処理内容(以下、「不正管理処理」と称する)を説明する前に、本発明の内容の理解を容易なものとするために、本発明に係る弾球遊技機の遊技動作について簡単に説明しておく。
図1〜図4に示したように本発明に係るパチンコ遊技機における遊技の手順は、一般的には、まず、遊技者はホール側に設置された遊技球貸出ユニット(CRユニット、サンド)に自分の懐具合に応じた金銭挿入し、前記金銭の額に応じた遊技球を借りることにより勝負が開始される。そして、貸し出された遊技球を上受け皿125a入れ、遊技の準備をする。
次に、祈りをこめつつ発射ハンドル140aを操作すると、上受け皿125aの遊技球が発射装置140の発射動作に連動して発射装置140に供給され、発射装置140が備える打撃槌によって遊技球が1個づつ(連発されて)打撃され、打ち出される。打ち出された遊技球は、誘導レール220に沿って、遊技領域310の上部に送られる。
遊技領域310の上部に到達した遊技球は、遊技盤面300に沿って落下していくが、この間、遊技くぎや風車390などによって落下の方向に変化を与えらながら落下していき、普通図柄始動手段375、普通入賞手段380a〜380d、または特別図柄始動手段370に入賞したり、そのまま、遊技領域310最下部へと落下してアウト口に入球したりする。なお、特別図柄始動手段370に入賞する遊技球をカウントして、ボーダー以上入賞しなければ、他の台に移るべきである。
普通図柄始動手段(図4では、ゲート型の普通入賞手段である)375を遊技球が通過すると、通常遊技制御部401の通常遊技制御手段によって乱数抽選が行われ、停止させる普通図柄および普通図柄の動作パターンを決定する。そして、当該乱数抽選の結果に基づき、普通図柄表示手段375に普通図柄を変動表示させ、特定の普通図柄(例えば、「H」)が停止した場合には、普通電動役物を作動させて可動翼片370a、370bを所定時間開放し、特別図柄始動手段370に遊技球の入賞が容易になる。
また、特別図柄始動手段370に遊技球が入賞すると、特別遊技移行判定手段403aによって、乱数抽選が行われ、停止させる特別図柄および特別図柄の動作パターンを決定する。そして、当該乱数抽選に基づき、特別図柄表示手段370に特別図柄を変動表示させ、停止した特別図柄が特別遊技状態へ移行する特別図柄の場合、特別遊技制御手段403bによって大入賞手段350または大入賞手段351の作動が開始され、開閉扉350aまたは可動翼片351a、351bが作動して大入賞口が開放される。
特別遊技状態が発生すれば、制御コマンド送信部411が特別遊技状態演出コマンドを送信し、装飾図柄制御部431は、特別遊技状態演出コマンドに基づき装飾図柄表示手段330に特別遊技状態における所定の演出パターン、例えば、ラウンド表示、カウント数などを表示させ、遊技者はこの表示を見ながら遊技を進める。
大入賞手段350または大入賞手段351は、大入賞口の開放から所定時間経過するか、または、所定時間経過前に所定数の遊技球が入賞すれば閉状態にする。この開閉動作は、最大16ラウンドまで繰り返される。
なお、停止した特別図柄が特定図柄の場合には確率変動状態となり、特別図柄確率変動手段403cが特別遊技状態の終了後に、次回の特別遊技状態に移行する確率を低確率から高確率へと確率を変動させ、その後は特別遊技移行判定手段403aが高確率状態で乱数抽選を行う。この確率変動状態は、再度、特定図柄で特別遊技状態に移行すれば、次回も確率変動状態が継続する。
例えば、特定図柄である「す」、「ず」、「き」によって特別遊技状態に移行した場合には確率変動状態となり、次回の大当たりが高確率で補償されるので、遊技者の気分を高揚させる。ところが、同じ大当たりであっても、変動時間短縮図柄である「か」、「わ」、「し」、「ま」で特別遊技状態に移行した場合、特別図柄が100回の変動を終了するまで時短状態となるだけなので、大当たりにも係わらず、遊技者は少し落胆してしまう(勿論、相当がっかりする遊技者も存在する)。
なお、特別遊技状態に移行する特別図柄のうち、一の特別図柄で特別遊技状態に移行した場合は大入賞手段350を作動させる一方、他の特別図柄で特別遊技状態に移行した場合は大入賞手段351が作動する。大入賞手段350、351は、それぞれ大入賞口の形状や大入賞口を開放させるための手段が異なっているため、入賞する遊技球の個数が異なる。したがって、どちらの大入賞手段が開放するかが、遊技の醍醐味となるように構成されている。
ところで、大入賞手段350、351、特別図柄始動手段370、普通入賞手段380a〜380dに遊技球が入賞すると、入賞処理部407の入賞処理に基づいて制御コマンド送信部411が払い出しコマンドを送信する。そして、賞球払出記憶手段が賞球の払い出し数を記憶する。そして、賞球払出制御手段の制御により、賞球払出手段240が作動して入賞分の遊技球を賞球として払い出す。
なお、遊技の際には、遊技状態に応じた演出制御コマンドが装飾図柄制御部431に送信される。そして、装飾図柄制御部431は、前記演出制御コマンドに基づき、装飾図柄表示手段330に所定の演出パターンを表示させる。このとき、発光手段制御部433、音波出力制御部435にもそれぞれ制御コマンドが送信され、それぞれの制御コマンドに基づき装飾ランプが発光したり、スピーカ130が効果音を発生させたりしている。
次に、図5を参照しつつ、本実施の係る弾球遊技機の不正行為を検出する手順について詳細に説明する。
図5は、本実施の形態に係る弾球遊技機の不正行為を検出する処理内容(以下、「不正管理処理」と称する)を示すフローチャートである。
本実施の形態に係る弾球遊技機についての遊技動作については既に説明したので、以下に説明する不正管理処理内容において、遊技動作の説明は重複記載を避けるため、省略する。なお、以下の説明では、大入賞手段350が作動する特別遊技状態を第1特別遊技状態と、大入賞手段351が作動する特別遊技状態を第2特別遊技状態と称する。また、大入賞手段350における大入賞口を第1大入賞口、大入賞手段351における大入賞口を第2大入賞口と称する(第2実施形態も同様)。
本実施の形態に係る弾球遊技機では、特別図柄始動手段370に遊技球が入賞した場合、特別図柄表示手段340に特別図柄を変動させて、その停止図柄が「す」、「ず」、「き」などの特別遊技状態に移行する特別図柄で停止すると、特別遊技状態が発生して大入賞口が開放する。したがって、通常の遊技状態においては、大入賞口は閉鎖されているので、この状態中に大入賞口に入賞する遊技球は、通常、不正入賞の遊技球である。
以下の不正管理処理では、大入賞手段350と大入賞手段351とにおける不正入賞判定処理が同じ判定処理であるものを例にとって説明する。
まず、不正入賞判定手段405aは、第1特別遊技状態であるか否かを判定する(ステップS500)。第1特別遊技状態でないと判定した場合(ステップS500:NO)、第1特別遊技状態終了後、所定時間(例えば、5秒)内であるか否かを判定する(ステップS510)。前記所定時間内でないと判定した場合(ステップS510:NO)、不正入賞判定手段405aは、第1大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS520)。そして、第1大入賞口に遊技球が入賞したと判定した場合(ステップS520:YES)、不正入賞判定手段405aは、第1不正入賞報知信号を制御コマンド送信部411に送信し(ステップS530)、次に、第2特別遊技状態であるか否かを判定する(ステップS540)。
一方、ステップS500における処理で第1特別遊技状態であると判定した場合(ステップS500:YES)、ステップS510における処理で前記所定時間内であると判定した場合(ステップS510:YES)、およびステップS520における処理で第1大入賞口に遊技球が入賞していないと判定した場合(ステップS520:NO)、不正入賞判定手段405aは、第2特別遊技状態であるか否かを判定する(ステップS540)。
第2特別遊技状態でないと判定した場合(ステップS540:NO)、第2特別遊技状態終了後、所定時間内であるか否かを判定する(ステップS550)。前記所定時間内でないと判定した場合(ステップS550:NO)、第2大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS560)。第2大入賞口に遊技球が入賞したと判定した場合(ステップS560:YES)、不正入賞判定手段405aは、第2不正入賞報知信号を制御コマンド送信部411に送信する(ステップS570)。
一方、ステップS540における処理で第2特別遊技状態であると判定した場合(ステップS540:YES)、ステップS550における処理で前記所定時間内であると判定した場合(ステップS550:YES)、およびステップS560における処理で第2大入賞口に遊技球が入賞していないと判定した場合(ステップS560:NO)、ステップS580の処理に進む。
次に、制御コマンド送信部411は、第1不正入賞報知信号または第2不正入賞報知信号に基づき、第1不正入賞報知コマンドまたは第2不正入賞報知コマンドを演出制御基板420に送信し、演出制御基板420の各制御部は、それぞれの不正入賞報知コマンドに基づき、不正入賞である旨を報知(ステップS580)して、処理を終了する。勿論、第1不正入賞報知信号または第2不正入賞報知信号を制御コマンド送信部411が受信しなければ、不正入賞である旨の報知は行わず、処理を終了する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る弾球遊技機について説明する。第1実施形態と第2実施形態とでは、第1実施形態における不正入賞判定部405の機能が異なるのみである。その他の構成要素は、図1〜図4と全く同じであるので、共通する構成要素の説明は省略する。また、同じ構成要素には同じ参照番号を付している。
[不正入賞判定部]
不正入賞判定手段405aは、それぞれの大入賞手段350、351に遊技球が不正に入賞したか否かを監視している。具体的には、不正入賞判定手段405aは、特別遊技状態に移行していないのにもかかわらず、大入賞手段350、351に遊技球が入賞した場合、当該遊技球が不正に入賞したものであるか否かを判定するようにしている。
前記不正入賞であるか否かの判定は、具体的には、特別遊技制御手段403bによって制御された大入賞手段350、351のうちの少なくとも1つの大入賞手段に対して、当該大入賞手段の作動の終了した時から当該大入賞手段に入賞する遊技球が所定の個数以下である場合、不正に入賞したものでないと判定するようにしている。例えば、特別遊技制御手段403bによって制御された大入賞手段が大入賞手段351である場合、大入賞手段351に対して、大入賞手段351の作動の終了した時から大入賞手段351に入賞する遊技球が所定の個数以下の場合、不正に入賞したものでないと判定される。なお、前記所定の個数は、任意の個数に設定することができる。
一方、大入賞手段350に対しては、特別遊技制御手段403bによって制御された大入賞手段であっても、大入賞手段351における不正入賞の判定とは異なる判定をさせるようにすることができる。例えば、大入賞手段350に対しては前記所定の個数を3個にし、大入賞手段351に対しては前記所定の個数を5個にしても良い。また、他の判定処理、例えば、既に説明した第1実施形態における不正入賞の判定のように、所定時間に応じて不正入賞の判定をするようにしても良い。勿論、大入賞手段350と大入賞手段351とで、同じ不正入賞の判定をするようにしても良い。
次に、本実施の形態に係る弾球遊技機の不正管理処理の手順を詳細に説明する。
図6は、本実施の形態に係る弾球遊技機の不正管理処理を示すフローチャートである。
まず、不正入賞判定手段405aは、第1特別遊技状態であるか否かを判定する(ステップS600)。第1特別遊技状態でないと判定した場合(S600:YES)、第1大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS610)。そして、第1大入賞口に遊技球が入賞したと判定した場合(ステップS620:YES)、当該入賞した個数が第1の個数(例えば、5個)以下であるか否かを判定する(ステップS630)。前記入賞個数が第1の個数より多い場合(ステップS630:NO)、不正入賞判定手段405aは、第1不正入賞報知信号を制御コマンド送信部411に送信し(ステップS630)、次に、第2特別遊技状態であるか否かを判定する(ステップS640)。
一方、ステップS600における処理で第1特別遊技状態であると判定した場合(ステップS600:YES)、ステップS610における処理で第1大入賞口に遊技球が入賞していないと判定した場合(ステップS610:NO)、およびステップS620における処理で前記入賞個数が第1の個数以下の場合(ステップS620:YES)、不正入賞判定手段405aは、第2特別遊技状態であるか否かを判定する(ステップS640)。
第2特別遊技状態でないと判定した場合(ステップS640:NO)、第2特別遊技状態終了した時から第2大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS650)。第2大入賞口に遊技球が入賞したと判定した場合(ステップS650:YES)、当該入賞した個数が第2の個数(例えば、3個)以下であるか否かを判定する(ステップS630)。前記入賞個数が第2の個数より多い場合(ステップS660:NO)、不正入賞判定手段405aは、第2不正入賞報知信号を制御コマンド送信部411に送信する(ステップS670)。
一方、ステップS640における処理で第2特別遊技状態であると判定した場合(ステップS640:YES)、ステップS650における処理で第2大入賞口に遊技球が入賞していないと判定した場合(ステップS650:NO)、およびステップS660における処理で前記入賞個数が第2の個数以下の場合(ステップS660:YES)、ステップS680の処理に進む。
次に、制御コマンド送信部411は、第1不正入賞報知信号または第2不正入賞報知信号に基づき、第1不正入賞報知コマンドまたは第2不正入賞報知コマンドを演出制御基板420に送信し、演出制御基板420の各制御部は、それぞれの不正入賞報知コマンドに基づき、不正入賞である旨を報知(ステップS680)して、処理を終了する。勿論、第1不正入賞報知信号または第2不正入賞報知信号を制御コマンド送信部411が受信しなければ、不正入賞である旨の報知は行わず、処理を終了する。
以上のように構成された本発明に係る弾球遊技機によれば、複数の大入賞手段を備える弾球遊技機において、それぞれの大入賞手段に対して不正入賞判定処理の処理方法が異なる形態を採用することができる。この結果、それぞれ異なる大入賞手段を備えた弾球遊技機であっても、大入賞手段に応じた不正入賞を監視することができ、誤った不正行為の検出を防止して、不正行為を確実に検出することができる。