以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図6は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、画像表示手段14、普通図柄始動手段15、普通図柄表示手段25、第1特別図柄始動手段(可動式入賞手段)16、第2特別図柄始動手段17、第1特別図柄表示手段18、第2特別図柄表示手段19、第1大入賞手段20、第2大入賞手段21、普通入賞手段22等が配置されている。
画像表示手段14には、7セグメント式等の普通演出図柄表示手段23と、液晶式等の特別演出図柄表示手段24とが設けられ、例えば遊技領域13の略中央に配置されている。普通図柄始動手段15は、普通図柄表示手段25による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過したときにその通過を検出可能な通過ゲートにより構成されており、例えば遊技領域13内の左側上部に配置されている。
普通図柄表示手段25は、普通図柄を変動表示するためのもので、1又は複数個、例えば1個の普通図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件に普通図柄を所定時間変動表示して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には所定の当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
普通図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が当たり態様、それ以外が外れ態様に設定されており、図柄変動の結果を遊技者が容易には判別できないようになっている。なお、本実施形態では、図4に示すように第1〜第3の3種類の当たりが設けられており、普通図柄表示手段25の普通図柄はそれら第1〜第3の全ての当たりに対して当たり態様で停止するようになっている。
また、普通図柄表示手段25の変動表示中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶され、後に普通図柄表示手段25が変動可能となる毎にその記憶順に消化されるようになっている。以下、その当たり判定乱数値の記憶個数を普通保留個数という。
普通演出図柄表示手段23は、例えば普通図柄表示手段25による普通図柄の変動表示と時間的に同調して普通演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の普通演出図柄を変動表示可能に構成されており、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件に、普通図柄の変動開始と同時に普通演出図柄の変動を開始すると共に、普通図柄の変動停止と同時に最終停止するように、普通演出図柄を左、右、中等の所定の順序又は同時に停止させるようになっている。
普通演出図柄には、遊技者がその内容を容易に認識可能な例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが当たり演出態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ演出態様となっている。そして、普通演出図柄表示手段23による普通演出図柄の停止図柄は、通常遊技状態中は第1当たりに対してのみ「7・7・7」等の当たり演出態様、それ以外は外れ演出態様となり、特別遊技状態中は第1,第2当たりに対してのみ当たり演出態様、それ以外は外れ演出態様となるように構成されている。
これにより、遊技者に対して第1〜第3当たりの全てを当たりとは認識させず、普通演出図柄が「7・7・7」等の当たり演出態様となった場合のみ、即ち通常遊技状態中における第1当たり、特別遊技状態中における第1,第2当たりの場合にのみ当たりと認識させることができる。
第1特別図柄始動手段16は、第1特別図柄表示手段18による図柄変動を開始させるためのもので、左右一対の開閉爪16a等により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な可動式の入賞手段により構成され、例えば遊技領域13の右側上部に配置されており、普通図柄表示手段25の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉爪16aが所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化して、開状態のときに入賞した遊技球を検出するように構成されている。
第2特別図柄始動手段17は、第2特別図柄表示手段19による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段等を有しない非可動式の入賞手段により構成され、例えば遊技領域13の左側下部に配置されており、遊技球が入賞したときにその遊技球を検出するように構成されている。なお、第2特別図柄始動手段17は通過ゲート等により構成してもよい。
第1特別図柄表示手段18及び第2特別図柄表示手段19は、夫々1個又は複数個、例えば各1個の第1,第2特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段18は第1特別図柄始動手段16に、第2特別図柄表示手段19は第2特別図柄始動手段17に夫々遊技球が入賞することを条件に第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら第1,第2特別図柄始動手段16,17への入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には小当たり態様で停止するようになっている。
第1,第2特別図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が大当たり態様、それ以外が小当たり態様に設定されており、図柄変動の結果を遊技者が容易には判別できないようになっている。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中に第1,第2特別図柄始動手段16,17に遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶され、後に第1,第2特別図柄始動手段16,17が変動可能となる毎にその記憶順に消化されるようになっている。以下、それら大当たり判定乱数値の記憶個数を夫々第1,第2特別保留個数という。
なお、本実施形態では、特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段18,19の図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段18,19の何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、本実施形態では、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第2特別図柄表示手段19の図柄変動よりも第1特別図柄表示手段18の図柄変動を優先して行うように構成されている。
特別演出図柄表示手段24は、例えば第1特別図柄表示手段18による第1特別図柄の変動表示と時間的に同調して特別演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の特別演出図柄を変動表示可能に構成されており、第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞することを条件に、第1特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って特別演出図柄の変動を開始すると共に、第1特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、特別演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
特別演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり演出態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが小当たり演出態様となっている。また、特別演出図柄表示手段24による特別演出図柄の変動後の停止図柄は、第1特別図柄表示手段18による第1特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり演出態様となり、第1特別図柄が小当たり態様で停止する場合には小当たり演出態様となる。
第1大入賞手段20は、左右一対の開閉爪20a等により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な可動式の入賞手段で、第1特別図柄表示手段18の変動後の停止図柄が小当たり態様となることに基づいて第1小当たり状態が発生したときに、開閉爪20aが所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。第1大入賞手段20の内部には、特別領域Vとそれ以外の通常領域とが設けられ、開閉爪20aが開状態のときに入賞した遊技球はそれら特別領域Vと通常領域との何れかに振り分けられるようになっている。
第2大入賞手段21は、例えば下部側の横軸廻りに揺動可能な開閉板21aにより遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な可動式の入賞手段で、第1特別図柄表示手段18の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて第1大当たり状態が発生したとき、第2特別図柄表示手段19の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて第2大当たり状態が発生したとき、及び第2特別図柄表示手段19の変動後の停止図柄が小当たり態様となることに基づいて第2小当たり状態が発生したときに、開閉板21aが各状態に応じた開放パターンに従って前側に開放して、その上側に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着された画像表示手段14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板31は、主に遊技盤11側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51b、第1,第2特別始動チェック処理手段52a,52b、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53b、第1,第2特別図柄処理手段54a,54b、第1,第2特別利益状態発生手段55a,55b、第1,第2特別図柄表示制御手段56a,56b、特別遊技状態発生手段57、制御コマンド送信手段59等を備えている。
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段61、普通停止図柄選択手段62、普通変動時間選択手段63等を備えている。当たり判定手段61は、乱数抽選(普通乱数抽選)により普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段25が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
本実施形態では、第1〜第3の3種類の当たり判定値が夫々1又は複数設けられており、当たり判定乱数値がそれら第1〜第3当たり判定値と一致したときに第1〜第3当たりの判定結果が、当たり判定乱数値がそれら第1〜第3当たり判定値の何れとも一致しない場合に外れの判定結果が当たり判定手段61から出力されるようになっている。なお、第1〜第3当たり及び外れとなる確率は、夫々図4に示すように例えば1/100,9/100,10/100,80/100に設定されているものとする。
普通停止図柄選択手段62は、当たり判定手段61による判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するもので、当たり判定手段61により第1〜第3当たりの判定結果が得られた場合には複数種類の当たり態様の何れかを、外れの判定結果が得られた場合には複数種類の外れ態様の何れかを夫々選択するようになっている。普通変動時間選択手段63は、普通図柄の変動時間を選択するもので、例えば当たり判定手段61による判定結果等に基づいて複数種類の変動時間の何れかを選択するように構成されている。
普通利益状態発生手段45は、普通図柄処理手段44の当たり判定手段61による判定結果が第1〜第3当たりとなり、普通図柄表示手段25の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第1特別図柄始動手段16の開閉爪16aを所定の開閉パターンに従って開状態に変化させるようになっている。
本実施形態では、図4に示すように、遊技球が容易に入賞可能な程度の開放時間が確保された通常開閉パターン(例えば2秒開放×2ラウンド)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が小さく、遊技球の入賞が不可能でない程度の短い開放時間しか確保されない短縮開閉パターン(例えば0.2秒開放×1ラウンド)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は、第1当たりの場合に通常開閉パターンが、第2,第3当たりの場合に短縮開閉パターンが選択され、特別遊技状態中は、第1,第2当たりの場合に通常開閉パターンが、第3当たりの場合に短縮開閉パターンが選択されるようになっている。従って、この短縮開閉パターンが選択される場合、即ち通常遊技状態中における第2,第3当たりと、特別遊技状態中における第3当たりの場合は、第1特別図柄始動手段16が開放されても入賞はほとんど期待できないため、当たりではあっても遊技者にとっては実質的に外れと同等である。
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段25の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段25が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段25による普通図柄の変動を開始させ、普通変動時間選択手段63で選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段62で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
第1,第2特別始動チェック処理手段52a,52bは、第1,第2特別図柄始動手段16,17への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段16,17が遊技球を検出することに基づいて、第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51bで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに記憶させるように構成されている。
第1,第2特別図柄処理手段54a,54bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2大当たり判定手段71a,71b、第1,第2特別停止図柄選択手段72a,72b、第1,第2特別変動パターン選択手段73a,73b等を備えている。
第1,第2大当たり判定手段71a,71bは、乱数抽選により変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様とするか小当たり態様とするかの判定を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段18,19が変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たりの判定を行うように構成されている。
本実施形態では、第1大当たり判定手段71aと第2大当たり判定手段71bとで大当たり/小当たりの確率は同じであり、図5に示すように、例えば共に大当たりの確率が1/300、小当たりの確率が299/300に設定されている。なお、本実施形態では外れが選択されない(外れの確率が0/300)ようになっているが、外れの確率を0より大に設定してもよい。
また、本実施形態では、第1,第2特別図柄表示手段18,19の何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御され、且つ第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第2特別図柄表示手段19の図柄変動よりも第1特別図柄表示手段18の図柄変動が優先される。即ち、第1,第2特別図柄表示手段18,19の何れかの変動が終了して次の変動表示が可能な状態となったとき、第2特別保留個数のみが1以上であれば第2大当たり判定手段71bによる処理が行われ、少なくとも第1特別保留個数が1以上であれば第1大当たり判定手段71aによる処理が行われるようになっている。
第1,第2特別停止図柄選択手段72a,72bは、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択するもので、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる大当たり/小当たりの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値とに基づいて、第1,第2大当たり判定手段71a,71bにより大当たりの判定結果が得られた場合には大当たり態様の何れかを、外れの判定結果が得られた場合には外れ態様の何れかを夫々選択するように構成されている。第1,第2特別変動パターン選択手段73a,73bは、第1,第2特別図柄の変動パターンを選択するもので、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる大当たり/小当たりの判定結果に基づいて、複数種類の特別変動パターンの中から1つを選択するように構成されている。
第1,第2特別利益状態発生手段55a,55bは、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる判定結果等に基づいて、第1,第2特別図柄の変動後に第1,第2特別利益状態を発生させるもので、夫々小当たり状態を発生させる第1,第2小当たり状態発生手段74a,74bと、大当たり状態を発生させる第1,第2大当たり状態発生手段75a,75bとを備えている。
第1小当たり状態発生手段74aは、第1大当たり判定手段71aにより小当たりの判定結果が得られた場合に、第1小当たり状態として、第1大入賞手段20を第1小当たり開放パターン(例えば2秒開放×2ラウンド)で開放させるようになっている(図5)。第1大当たり状態発生手段75aは、第1大当たり判定手段71aにより大当たりの判定結果が得られた場合、及び第1小当たり状態中に第1大入賞手段20に入賞した遊技球が特別領域Vを通過した場合に、第1大当たり状態として、第2大入賞手段21を第1大当たり開放パターン(例えば28秒経過又は9個入賞まで開放×15ラウンド)で開放させるようになっている(図5)。
第2小当たり状態発生手段74bは、第2大当たり判定手段71bにより小当たりの判定結果が得られた場合に、第2小当たり状態として、第2大入賞手段21を第2小当たり開放パターン(例えば0.2秒開放×1ラウンド)で開放させるようになっている(図5)。第2大当たり状態発生手段75bは、第2大当たり判定手段71bにより大当たりの判定結果が得られた場合に、第2大当たり状態として、第2大入賞手段21を第2大当たり開放パターン(例えば0.2秒開放×2ラウンド)で開放させるようになっている(図5)。
このように、第2特別図柄表示手段19側の第2特別利益状態、即ち第2大当たり状態と第2小当たり状態については、いずれも入賞困難な短時間しか第2大入賞手段21が開放されないため、第2特別利益状態が発生したこと自体を遊技者が気付きにくく、またその第2特別利益状態中に遊技球が第2大入賞手段21に入賞する可能性は非常に小さくなっている。
第1,第2特別図柄表示制御手段56a,56bは、第1,第2特別図柄表示手段18,19の表示制御を行うもので、第1特別図柄処理手段54a又は第2特別図柄処理手段54bによる特別図柄処理に基づいて第1特別図柄表示手段18又は第2特別図柄表示手段19による第1,第2特別図柄の変動を開始させ、第1,第2特別変動パターン選択手段73a,73bで選択された第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、第1,第2特別停止図柄選択手段72a,72bで選択された停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段57は、第1大当たり状態及び第2大当たり状態の発生後の所定期間(例えば第1,第2特別図柄が所定回数変動するまでの期間)に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのものである。特別遊技状態中は、図4に示すように、普通図柄処理手段44の当たり判定手段61による判定結果が第2当たりとなった場合の第1特別図柄始動手段16の開閉パターンが、通常遊技状態中の短縮開閉パターン(0.2秒開放×1ラウンド)から通常開閉パターン(2秒開放×2ラウンド)に切り換えられるようになっている。その他の第1,第3当たりの場合の開閉パターンは通常遊技状態中と同じである。
このように、特別遊技状態中は、第2当たりとなった場合の第1特別図柄始動手段16の開閉パターンが短縮開閉パターンから通常開閉パターンに切り換えられるため、第1〜第3当たり全体で見れば通常遊技状態中よりも第1特別図柄始動手段16の開放時間は長くなり、遊技球が入賞する確率が高くなって遊技者に有利となる。
また、特別遊技状態中は、実質的な当たり確率、即ち通常開閉パターンとなる確率が、通常遊技状態中の1/100(第1当たりとなる確率)から10/100(第1当たり又は第2当たりとなる確率)へと大幅に上昇し、実質的な高確率状態となって遊技者に有利となる。しかも、本実施形態の場合には、通常遊技状態中と特別遊技状態中とで当たり確率自体は全く変更しておらず、複数種類の当たりの一部について第1特別図柄始動手段16の開閉パターンを切り換えるだけで実質的な高確率状態を実現している。
また、例えば当たりとして第1当たりと第2当たりだけを設けた場合には、短縮開閉パターンになれば通常遊技状態中であると遊技者に簡単に見抜かれてしまうが、本実施形態では、第1,第2当たりの他に、通常遊技状態中と特別遊技状態中とで共に短縮開閉パターンが選択される第3当たりを設けているため、第1特別図柄始動手段16の開閉パターンを見ただけでは遊技者は通常遊技状態中か特別遊技状態中かを判断することはできない。
報知制御手段58は、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞することを条件に所定の報知処理を行うもので、例えば図6に示すような報知制御処理を定期割込毎に実行するように構成されている。
報知制御手段58による報知制御処理(図6)では、例えばまず第1特別図柄始動手段16への遊技球の入賞があったか否かが判定される(S1)。そして、第1特別図柄始動手段16への遊技球の入賞があったと判定された場合には(S1:Yes)、その入賞が短縮開閉パターンによる開放中であったか否かが判定される(S2)。短縮開閉パターンによる開放中であったか否かは、その開放動作(普通利益状態)が第1〜第3当たりの何れによるものであったか、及びそのときの遊技状態が通常遊技状態と特別遊技状態との何れであったかに基づいて判断することが可能である(図4)。
第1特別図柄始動手段16への遊技球の入賞が短縮開閉パターンによる開放中であったと判定された場合には(S2:Yes)、所定の報知処理が行われる(S3)。ここで、所定の報知処理とは、所定の信号、例えば遊技島側の報知手段(ランプ等)を作動させるための指令信号やホール側の管理装置への信号等を外部出力端子80から出力する処理、特定の報知手段(ランプ、表示画面、スピーカ等)による報知等、どのようなものでもよい。
なお、この報知処理は、実質的な外れとして設定された短時間の開放中における極めて希な入賞の発生を報知するものであるが、その入賞自体は普通に遊技をしている場合でも発生する可能性はある。従って、この報知処理は、違法行為に対する警告ではなく、遊技ホール側への注意喚起という意味合いで行われることが望ましい。例えば遊技機側や遊技島側のランプ等による報知を行う場合も、必要以上に派手な報知を行わず、例えば遊技ホールの店員等のみが分かるような報知を行うことが望ましい。遊技ホール側は、その報知処理が頻発する場合には例えば何らかの不正行為が行われている可能性が高いものと判断できる。
制御コマンド送信手段59は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて、普通図柄の変動時間を指定する普通変動時間指定コマンド、普通停止図柄を指定する普通停止図柄指定コマンド、普通図柄の停止を指定する普通変動停止指定コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、第1,第2特別図柄処理手段54a,54bによる第1,第2特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別変動パターンを指定する第1,第2変動パターン指定コマンド、第1,第2特別停止図柄を指定する第1,第2特別停止図柄指定コマンド、第1,第2特別図柄の停止を指定する第1,第2変動停止指定コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、特別遊技状態発生手段57による特別遊技状態の発生時及び終了時にその特別遊技状態に応じて特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能の他、例えば特別利益状態等の各種遊技状態に基づいて、画像、音声、ランプの制御コマンドを演出制御基板32側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板32は、普通演出図柄表示手段23、特別演出図柄表示手段24、音声出力手段81、ランプ手段82等の各種演出手段を制御するためのもので、普通演出図柄表示制御手段86、特別演出図柄表示制御手段83、音声制御手段84、ランプ制御手段85等を備えている。
普通演出図柄表示制御手段86は、普通演出図柄表示手段23の表示制御を行うもので、主制御基板31側から普通変動時間指定コマンドを受信した場合に普通演出図柄表示手段23上で普通演出図柄の変動を開始させると共に、普通変動停止指定コマンドを受信したときに、所定の大当たり演出態様又は外れ演出態様で普通演出図柄の変動を停止させるようになっている。
特別演出図柄表示制御手段83は、特別演出図柄表示手段24の表示制御を行うもので、主制御基板31側から第1変動パターン指定コマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに基づいて特別演出図柄表示手段24上で特別演出図柄の変動を開始させると共に、第1変動停止指定コマンドを受信したときに、所定の大当たり演出態様又は小当たり演出態様で特別演出図柄の変動を停止させるようになっている。
音声制御手段84は、スピーカー等の音声出力手段81の音声出力制御を行うもので、主制御基板31側からの音声制御コマンドに基づいて音声出力手段81から所定の効果音等を出力させるようになっている。ランプ制御手段85は、ランプ手段82等の表示制御を行うもので、主制御基板31側からのランプ制御コマンドに基づいてランプ手段82等を所定のパターンで発光させるようになっている。
本実施形態では、例えば第1特別図柄表示手段18及び特別演出図柄表示手段24による図柄変動、普通図柄表示手段25及び普通演出図柄表示手段23による図柄変動に対しては音声出力手段81、ランプ手段82等による演出が行われるが、第2特別図柄表示手段19による図柄変動に対しては、それら音声出力手段81、ランプ手段82等の他の演出手段による演出は一切行われないようになっている。
また、普通利益状態中における音声出力手段81、ランプ手段82等による演出については、通常開閉パターンによる第1特別図柄始動手段16の開放動作に対しては例えば右打ちを促すような演出を行うのに対し、短縮開閉パターンによる第1特別図柄始動手段16の開放動作に対してはそのような演出を一切行わないようにすることが望ましい。
更に、特別利益状態中における音声出力手段81、ランプ手段82等による演出についても、第1特別利益状態中は例えば第1大当たり状態中に右打ちを促すような演出を行うのに対し、第2特別利益状態中はそのような演出を一切行わないようにすることが望ましい。
次に上記パチンコ機における遊技動作について説明する。ゲームに際して遊技者が発射ハンドル7を操作して遊技球を発射すると、その遊技球はガイドレール12を経て遊技領域13内に入った後、その遊技領域13内を落下する間に普通入賞手段22等に入賞するか、普通図柄始動手段15を通過しながら下方へと落下する。遊技球が普通図柄始動手段15を通過すると、普通始動チェック処理手段42が普通乱数作成処理手段41から当たり判定乱数を取得して、その当たり判定乱数値を所定個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に順次記憶する。
普通図柄表示手段25が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されている場合(普通保留個数が1個以上の場合)には、当たり判定手段61が、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり(第1〜第3当たり)/外れの判定を行うと共に、普通停止図柄選択手段62が普通図柄の変動後の停止図柄を、普通変動時間選択手段63が普通図柄の変動時間を夫々選択する。そして、制御コマンド送信手段59により演出制御基板32側に普通変動時間指定コマンド等を送信すると共に、普通図柄表示制御手段46の制御により、普通図柄表示手段25の普通図柄の変動を開始させ、普通変動時間選択手段63により選択された変動時間経過後に、普通停止図柄選択手段62により選択された停止図柄で停止させる。
また、演出制御基板32側の普通演出図柄表示制御手段86が、主制御基板31側からの普通変動時間指定コマンド等に基づいて、普通図柄表示手段25における普通図柄の変動と時間的に同期するように普通演出図柄表示手段23の普通演出図柄を変動させ、例えば普通遊技状態中であれば第1当たりの場合には「7・7・7」等の当たり演出態様で、それ以外の場合には「5・6・5」等の外れ演出態様で停止させる。
当たり判定手段61による判定結果が当たり(第1〜第3当たり)となり、普通図柄表示手段25の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合には、普通利益状態発生手段45の制御により普通利益状態が発生し、第1特別図柄始動手段16が、その当たりの種類に応じて、例えば第1当たりの場合には2秒開放×2ラウンドの通常開閉パターンで、第2,第3当たりの場合には0.2秒開放×1ラウンドの短縮開閉パターンで開放する(通常遊技状態中の場合)(図4参照)。
ここで、第2,第3当たりの場合の短縮開閉パターンでは、開放時間が僅かでそのラウンド数も少なく、その開放中に遊技球が入賞する可能性は非常に小さいため、遊技者にとっては実質的に外れと同等であり、通常遊技状態中の実質的な当たり確率は1/100 (第1当たりとなる確率)である。
なお、第1特別図柄始動手段16が通常開放パターンで開放する場合には、音声出力手段81、ランプ手段82等の演出手段により、例えば右打ちにより第1特別図柄始動手段16を狙うことを促すような演出が行われるが、短縮開放パターンで開放する場合にはそのような演出は行われない。
第1特別図柄始動手段16が通常開閉パターンで開放する場合には、遊技者が第1特別図柄始動手段16を狙って右打ちをすれば比較的容易に遊技球を入賞させることができる。普通利益状態中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞すると、第1特別始動チェック処理手段52aが第1特別乱数作成処理手段51aから大当たり判定乱数等を取得して、それら大当たり判定乱数値等を夫々所定個数(例えば4個)を限度として第1特別乱数記憶手段53aに順次記憶する。
第1特別図柄表示手段18が変動表示可能な状態となり且つ第1特別乱数記憶手段53aに1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されている場合(第1特別保留個数が1個以上の場合)には、第1大当たり判定手段71aが、第1特別乱数記憶手段53aに最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たりの判定を行うと共に、第1特別停止図柄選択手段72aが第1特別図柄の変動後の停止図柄を、第1特別変動パターン選択手段73aが第1特別図柄の変動パターンを夫々選択する。
そして、制御コマンド送信手段59により演出制御基板32側に第1変動パターン指定コマンド等を送信すると共に、第1特別図柄表示制御手段56aの制御により、第1特別図柄表示手段18の第1特別図柄の変動を開始させ、第1特別変動パターン選択手段73aにより選択された第1変動パターンに対応する変動時間経過後に、第1特別停止図柄選択手段72aにより選択された停止図柄で停止させる。
また、演出制御基板32側の特別演出図柄表示制御手段83が、主制御基板31側からの第1変動パターン指定コマンド等に基づいて、第1特別図柄表示手段18における第1特別図柄の変動と時間的に同期するように特別演出図柄表示手段24の特別演出図柄を変動させ、第1特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり演出態様で、小当たり態様で停止する場合には小当たり演出態様で停止させる。しかも、その図柄変動に対応して音声出力手段81やランプ手段82による演出が行われる。従って、第1特別図柄表示手段18の変動中は、遊技者を確実に特別演出図柄表示手段24による特別演出図柄の変動に注目させることができる。
第1大当たり判定手段71aによる判定結果が大当たりとなり、第1特別図柄表示手段18の第1特別図柄及び特別演出図柄表示手段24の特別演出図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様及び大当たり演出態様となった場合には、第1大当たり状態発生手段75aの制御により第1大当たり状態が発生し、28秒経過するか9個入賞まで第2大入賞手段21を開放する動作が15ラウンド行われる(図5)。そしてその第1大当たり状態中は、音声出力手段81、ランプ手段82等の演出手段により例えば右打ちにより第2大入賞手段21を狙うことを促すような演出が行われる。これにより、遊技者が第2大入賞手段21を狙って右打ちをすれば、多数の遊技球を極めて容易に入賞させることができ、多大な利益を享受することができる。
一方、第1大当たり判定手段71aによる判定結果が小当たりとなり、第1特別図柄表示手段18の第1特別図柄及び特別演出図柄表示手段24の特別演出図柄の変動後の停止図柄が小当たり態様及び小当たり演出態様となった場合には、第1小当たり状態発生手段74aの制御により第1小当たり状態が発生し、第1大入賞手段20を2秒開放する動作が2ラウンド行われる(図5)。そして、その第1小当たり状態中に第1大入賞手段20に遊技球が入賞し、その遊技球が特別領域Vを通過した場合には、第1特別図柄が大当たり態様となった場合と同様、第1大当たり状態発生手段75aの制御により第1大当たり状態が発生し、遊技者は多大な利益を享受することができる。
第1大当たり状態が終了すると、特別遊技状態発生手段57の制御により特別遊技状態が発生する。この特別遊技状態中は、図4に示すように、普通図柄処理手段44の当たり判定手段61による判定結果が第2当たりとなった場合の第1特別図柄始動手段16の開閉パターンが、通常遊技状態中の短縮開閉パターン(0.2秒開放×1ラウンド)から通常開閉パターン(2秒開放×2ラウンド)に切り換えられるため、第1〜第3当たり全体で見れば通常遊技状態中よりも第1特別図柄始動手段16の開放時間が長くなり、普通利益状態中に遊技球が第1特別図柄始動手段16に入賞する確率が高くなって遊技者に有利となる。
また、特別遊技状態中は、実際の当たり確率を変更することなく、実質的な当たり確率、即ち通常開閉パターンとなる確率を、通常遊技状態中の1/100(第1当たりとなる確率)から10/100(第1当たり又は第2当たりとなる確率)へと大幅に上昇させ、実質的な高確率状態を発生させることができ、その点でも遊技者に有利となる。
第2特別図柄始動手段17は例えば非可動式の入賞手段であるため、普通入賞手段22等と同様、遊技状態に拘わらず遊技球が入賞可能である。この第2特別図柄始動手段17に遊技球が入賞すると、第2特別始動チェック処理手段52bが第2特別乱数作成処理手段51bから大当たり判定乱数等を取得して、それら大当たり判定乱数値等を夫々所定個数(例えば4個)を限度として第2特別乱数記憶手段53bに順次記憶する。
第1特別保留個数が0で第2特別保留個数のみが1以上であり、第1特別図柄表示手段18及び第2特別図柄表示手段19の何れの変動中でもない場合には、第2大当たり判定手段71bが、第2特別乱数記憶手段53bに最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たりの判定を行うと共に、第2特別停止図柄選択手段72bが第2特別図柄の変動後の停止図柄を、第2特別変動パターン選択手段73bが第2特別図柄の変動パターンを夫々選択する。そして、第2特別図柄表示制御手段56bの制御により、第2特別図柄表示手段19の第2特別図柄の変動を開始させ、第2特別変動パターン選択手段73bにより選択された第2変動パターンに対応する変動時間経過後に、第2特別停止図柄選択手段72bにより選択された停止図柄で停止させる。
ここで、第2特別図柄表示手段19は、第1特別図柄表示手段18とは異なり、演出図柄表示手段24による演出図柄の変動をはじめ、音声出力手段81、ランプ手段82等の他の演出手段による演出が一切なく、また第2特別図柄表示手段19は第1特別図柄表示手段18よりも優先度が低く、第1特別図柄表示手段18側の保留が無くならなければ変動しないため、なるべく遊技者に気付かれないように変動させることが可能である。しかも、第2特別図柄表示手段19の第2特別図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる図柄で構成されているため、遊技者が図柄変動に気が付いたとしてもその図柄変動の結果については容易には判別することができない。
第2大当たり判定手段71bによる判定結果が大当たりとなり、第2特別図柄表示手段19の第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合には、第2大当たり状態発生手段75bの制御により第2大当たり状態が発生し、第2大入賞手段21を0.2秒開放する動作が2ラウンド行われる(図5)。
一方、第2大当たり判定手段71bによる判定結果が小当たりとなり、第2特別図柄表示手段19の第2特別図柄の変動後の停止図柄が小当たり態様となった場合には、第2小当たり状態発生手段74bの制御により第2小当たり状態が発生し、第2大入賞手段21を0.2秒開放する動作が1ラウンド行われる(図5)。
また、第2大当たり状態中及び第2小当たり状態中は、例えば右打ちにより第2大入賞手段21を狙うことを促すような音声出力手段81、ランプ手段82等による演出は一切行われない。
このように、第2特別図柄表示手段19側の第2特別利益状態、即ち第2大当たり状態と第2小当たり状態については、いずれも開放時間が僅かでそのラウンド数も少なく、また音声出力手段81、ランプ手段82等による演出も行われないため、第2特別利益状態が発生したこと自体をなるべく遊技者に気付かれないようにすることが可能である。
第2大当たり状態が発生した場合には、第1大当たり状態の場合と同様、その終了後に特別遊技状態発生手段57の制御により特別遊技状態が発生し、第1特別図柄始動手段16の開放時間が実質的に延長され、また普通図柄について実質的な高確率状態となる。しかしながら遊技者は、相当の注意を払っていなければ、第2特別図柄が変動したこと、またその結果第2大当たり状態が発生したこと等について認識することができず、また第1特別図柄始動手段16の開放状態を見ても特別遊技状態中であるか通常遊技状態中であるかを判別することはできないため、遊技者が気付かないうちに遊技者に有利な状況を作り出すことができる。
また、第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞した場合には(図6のS1:Yes)、それが短縮開閉パターンによる開放中であれば(図6のS2:Yes)、報知制御手段58により、外部出力端子80からの信号出力、特定の報知手段(ランプ、表示画面、スピーカ等)等による所定の報知処理が行われる(図6のS3)。これにより、例えば遊技ホール側は、実質的な外れとして設定された短時間の開放中に極めて希な入賞が発生したことを認識することができ、このようなケースが頻発する場合には例えば何らかの不正行為が行われている可能性が高いものと判断できるため、不正行為の発見が容易となる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて行われる普通乱数抽選で当たりとなった場合に入賞可能な開状態となる第1特別図柄始動手段16を備え、普通乱数抽選では少なくとも第1,第2の2種類の当たりが設けられ、第1当たりに当選した場合の第1特別図柄始動手段16の開閉パターンは、特別遊技状態中とそれ以外の通常遊技状態中との何れの場合も、遊技球が容易に入賞可能な程度の開放時間が確保された通常開閉パターンに設定され、第2当たりに当選した場合の第1特別図柄始動手段16の開閉パターンは、特別遊技状態中の場合は通常開閉パターンに、通常遊技状態中の場合は、通常開閉パターンに比べて極短い開放時間しか確保されない短縮開閉パターンに設定されているため、当たり全体で見れば通常遊技状態中よりも特別遊技状態中の方が第1特別図柄始動手段16の開放時間は長くなり、遊技球が入賞する確率が高くなって遊技者に有利となる。しかも、通常遊技状態中の当たりは実質的には第1当たりだけであるのに対し、特別遊技状態中の当たりは第1,第2当たりの両方となるため、実際の当たり確率を変更することなく、実質的に確率変動と同等のゲーム性を実現することができる。
また、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞したときに所定の報知処理を行うように構成されているため、例えば遊技ホール側は、実質的な外れとして設定された短時間の開放中に極めて希な入賞が発生したことを認識することができ、このようなケースが頻発する場合には例えば何らかの不正行為が行われている可能性が高いものと判断できるため、不正行為の発見が容易となる。
図7は本発明の第2の実施形態を例示し、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞することにより第1特別利益状態が開始されたときに所定の報知処理を行うように構成した例を示している。
図7に示す報知制御処理では、例えばまず第1特別図柄始動手段16への遊技球の入賞があったか否かが判定され(S1)、第1特別図柄始動手段16への遊技球の入賞があったと判定された場合には(S1:Yes)、その入賞が短縮開閉パターンによる開放中であったか否かが判定される(S2)。そして、第1特別図柄始動手段16への遊技球の入賞が短縮開閉パターンによる開放中であったと判定された場合には、短縮フラグに例えば1がセットされ(S3a)、第1特別図柄始動手段16への遊技球の入賞が短縮開閉パターンによる開放中ではない、即ち通常開閉パターンによる開放中であったと判定された場合には、短縮フラグに例えば0がセットされる(S3b)。
また、第1特別利益状態、即ち第1特別図柄始動手段16への遊技球の入賞に基づく第1,第2大入賞手段20,21の開放動作が開始されたか否かが判定され(S4)、第1特別利益状態が開始されたと判定された場合には(S4:Yes)、短縮フラグが1であるか否か、即ちその第1特別図柄利益状態が、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞することにより開始されたものであるか否かが判定される(S5)。そして短縮フラグが1であれば(S5:Yes)、第1の実施形態と同様の報知処理が行われる(S6)。
このように、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞したときではなく、その入賞に基づいてその後に実際に利益状態が発生したときに報知処理を行うようにしてもよい。なお、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞した時点でも報知処理を行うように構成してもよい。
図8は本発明の第3の実施形態を例示し、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞することにより発生した第1特別利益状態中に第1,第2大入賞手段20,21に遊技球が入賞したときに所定の報知処理を行うように構成した例を示している。
図8に示す報知制御処理では、まず第2の実施形態と同様の処理により、第1特別図柄始動手段16への遊技球の入賞が短縮開閉パターンによる開放中であったか否かに応じて短縮フラグに1又は0がセットされる(S1,S2,S3a,S3b)。
そして、第1,第2大入賞手段20,21に遊技球が入賞したか否かが判定され(S4a)、入賞したと判定された場合には(S4a:Yes)、短縮フラグが1であるか否か、即ちその第1,第2大入賞手段20,21の開放(第1特別図柄利益状態の発生)が、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞することにより開始されたものであるか否かが判定される(S5)。そして短縮フラグが1であれば (S5:Yes)、第1,第2の実施形態と同様の報知処理が行われる(S6)。
このように、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞したときではなく、その入賞に基づいて発生した利益状態中に遊技者が実際に利益を受けたときに報知処理を行うようにしてもよい。なお、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞した時点でも報知処理を行うように構成してもよい。
図9は本発明の第4の実施形態を例示し、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞することにより発生した第1特別利益状態中に第1大入賞手段20に遊技球が入賞し、更にその第1大入賞手段20内の特別領域Vを遊技球が通過したときに所定の報知処理を行うように構成した例を示している。
図9に示す報知制御処理では、まず第2,第3の実施形態と同様の処理により、第1特別図柄始動手段16への遊技球の入賞が短縮開閉パターンによる開放中であったか否かに応じて短縮フラグに1又は0がセットされる(S1,S2,S3a,S3b)。
そして、例えば第2大入賞手段21に遊技球が入賞したと判定された場合(S4b:Yes)、及び第1大入賞手段20の特別領域Vを遊技球が通過したと判定された場合(S4c:Yes)には、短縮フラグが1であるか否か、即ちその第1,第2大入賞手段20,21の開放(第1特別図柄利益状態の発生)が、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞することにより開始されたものであるか否かが判定され(S5)、短縮フラグが1であれば(S5:Yes)、第1〜第3の実施形態と同様の報知処理が行われる(S6)。
このように、内部の特別領域Vを通過することを条件に所定の利益状態を発生させるように構成された第1大入賞手段20については、その開放中に入賞した遊技球が特別領域Vを通過したとき、即ち遊技者が実際に利益を受けたときに報知処理を行うようにしてもよい。なお、短縮開閉パターンによる開放中に第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞した時点でも報知処理を行うように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、普通利益状態における第1特別図柄始動手段16の開閉パターン、第1,第2特別利益状態における第1,第2大入賞手段20,21の開放パターンは、実施形態で示したものに限られるものではない。例えば第1特別図柄始動手段16の通常開閉パターンは、遊技球が容易に入賞可能な程度の開放時間(例えば全ラウンドの合計で2秒以上等)が確保されていればよく、例えば3秒開放×1ラウンド、1秒開放×3ラウンド等でもよい。
また第1特別図柄始動手段16の短縮開閉パターンは、遊技球の入賞が不可能でない程度の短い開放時間(例えば全ラウンドの合計で1秒未満等)しか確保されないものであればよく、例えば0.2秒開放×2ラウンド、0.3秒開放×1ラウンド等でもよい。また例えば第2小当たり状態における第2小当たり開放パターン、第2大当たり状態における第2大当たり開放パターンについても、その開放がなるべく目立たないように遊技球が入球困難な短時間だけ開放するものであればよく、例えば0.2秒開放×2ラウンド、0.3秒開放×1ラウンド等でもよい。
実施形態では、通常遊技状態中に第1当たりとなった場合と、特別遊技状態中に第1,第2当たりとなった場合とについて全く同じ通常開閉パターンが選択されるように構成したが(図4)、それらは遊技球が容易に入賞可能な程度の開放時間が確保された通常開閉パターンの範疇に入るものであればよく、それら全ての通常開閉パターンが全く同じでなくてもよい。しかしながら、それらの通常開閉パターンが互いに異なっていると、その相違点を見分けることによって遊技者に通常遊技状態中か特別遊技状態中かを見抜かれてしまう恐れがある。これは、通常遊技状態中に第2,第3当たりとなった場合と、特別遊技状態中に第3当たりとなった場合とに選択される短縮開閉パターンについても同様である。
特別乱数抽選においては大当たり/小当たりに加えて、或いは小当たりをなくして、第1,第2特別利益状態を発生させない外れを設けてもよい。
第2特別図柄始動手段17は、近くに同様の入賞手段や通過ゲートを複数配置するなど、その第2特別図柄始動手段17への遊技球の入賞等がなるべく目立たないようにすることが望ましい。
普通図柄始動手段15、第1,第2特別図柄始動手段16,17、第1,第2大入賞手段20,21等の配置は任意である。例えば普通図柄始動手段15と第1特別図柄始動手段16との位置関係については、実施形態のように、普通図柄始動手段15を狙ったときに入賞し難いように普通図柄始動手段15(遊技領域13の左側)に対して左右方向の反対側(遊技領域13の右側)に第1特別図柄始動手段16を配置することが望ましいが、普通図柄始動手段15と第1特別図柄始動手段16とを左右方向の同じ側に配置してもよい。
また、例えば普通図柄始動手段15と第2特別図柄始動手段17との位置関係については、実施形態のように、普通図柄始動手段15を狙ったときに入賞し易いように普通図柄始動手段15(遊技領域13の左側)に対して左右方向の同じ側(遊技領域13の左側)に第2特別図柄始動手段17を配置することが望ましいが、普通図柄始動手段15と第2特別図柄始動手段17とを左右方向の反対側に配置してもよい。
例えば特別演出図柄表示手段24を省略し、見た目上、第1特別図柄始動手段16に遊技球が入賞すれば第1,第2大入賞手段20,21の何れかが必ず開くように構成してもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。