以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図6は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。
前枠3の上部側には遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に隣接して前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ4と同一側のヒンジ(図示省略)により前枠3に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7には、その前側に、発射手段8に供給するための遊技球を貯留する貯留皿9、発射手段8を作動させるための発射ハンドル10等が設けられている。
遊技盤5の前側には、発射手段8により発射された遊技球を案内するガイドレール11が略環状に装着されると共に、そのガイドレール11内の遊技領域12には、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース14には、演出図柄表示手段21等を構成する液晶表示手段20の他、普通図柄表示手段22、特別図柄表示手段23、普通保留個数表示手段24、特別保留個数表示手段25、特別遊技状態表示手段26等が設けられている。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定用乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段23による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの始動入賞口27,28と、下始動入賞口28を開閉する開閉手段29とを備え、センターケース14の下側に配置されている。
上始動入賞口27は開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下始動入賞口28は、開閉手段29により開閉可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに所定時間開状態に切り替えられるように構成されている。
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別図柄始動手段16の上始動入賞口27又は下始動入賞口28に遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、上始動入賞口27又は下始動入賞口28への入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば10種類の数字図柄「0」〜「9」と記号図柄「−」とが用いられており、「0」〜「9」が大当たり態様、「−」が外れ態様に設定されている。また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に上始動入賞口27又は下始動入賞口28に遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が所定の上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる特別保留個数表示手段25がその発光個数により大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別遊技状態表示手段26は、いわゆる確変、時短等の特別遊技状態の発生とその種類とを表示するためのもので、例えば「確変」「時短」の2種類の特別遊技状態に対応する2個の発光体により構成されており、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が大当たり態様となること(所定条件の成立の一例)に基づいて発生する特別利益状態(大当たり状態)の終了後に特別遊技状態が発生したときに、その特別遊技状態の種類に対応して何れかの発光体を発光させるようになっている。
演出図柄表示手段21は、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示と時間的に同調して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別図柄始動手段16の上始動入賞口27又は下始動入賞口28に遊技球が入賞することを条件に、特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。
なお、演出図柄表示手段21による演出図柄の変動後の停止図柄は、特別図柄表示手段23による特別図柄が大当たり態様で停止する場合にはその特別図柄と同じ数字図柄よりなる大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。例えば、特別図柄が「7」で停止する場合には演出図柄は「7・7・7」で停止し、特別図柄が「−」で停止する場合には演出図柄は「3・4・3」等の任意の外れ態様で停止するようになっている。
大入賞手段(開閉式入賞手段)17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な開閉板30を備えた作動式であって、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態(大当たり状態)が発生したときに、開閉板30が前側に所定時間開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるように構成されている。
なお、大入賞手段17は、その開放から所定時間(例えば28秒間)が経過するか、所定時間内に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すること等の所定条件の成立によりそのラウンドを終了して閉鎖すると共に、その開放動作(ラウンド)を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返すようになっている。
また、遊技盤5の裏面側には、図2に示すように、センターケース14等の遊技部品を後側から覆う裏カバー31が装着され、この裏カバー31の背面側に、主制御基板32が格納された主基板ケース33、演出制御基板34が格納された演出基板ケース35、液晶制御基板36が格納された液晶基板ケース37等が着脱自在に装着されている。
前枠3の裏側には、前側から装着された遊技盤5の裏側を開閉自在に覆う開閉カバー3aが着脱自在に装着されると共に、その上部側に遊技球タンク38とタンクレール39とが、左右方向一端側、例えばヒンジ4側に払い出し手段40と払い出し通路41とが夫々装着されており、遊技球が大入賞手段17等の入賞口に入賞したとき、又は自動球貸し機48(図3)から球貸し要求があったときに、遊技球タンク38内の遊技球をタンクレール39を経て払い出し手段40により払い出し、その遊技球を払い出し通路41を経て貯留皿9に案内するようになっている。
払い出し通路41内には、皿満杯状態検出スイッチ(皿満杯状態検出手段)42が設けられており、貯留皿9内に遊技球が満杯となったときにこれを検出するようになっている。
また、前枠3の裏側下部には、基板装着台43が着脱自在に装着されており、この基板装着台43の背面側に、電源基板44が格納された電源基板ケース45、払い出し制御基板46が格納された払い出し基板ケース47が夫々着脱自在に装着されている。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、主制御基板32は、主に遊技盤5側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU、ROM、RAM等により構成される普通乱数発生手段51、普通乱数取得手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通利益状態発生手段55、特別乱数発生手段56、特別乱数取得手段57、特別乱数記憶手段58、特別図柄処理手段59、特別利益状態発生手段60、特別遊技状態発生手段61、コマンド送受信手段62等を備えている。
普通乱数発生手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定用乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生するように構成されている。普通乱数取得手段52は、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件に普通乱数発生手段51から当たり判定用乱数値を取得し、その当たり判定用乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に最も早く記憶された当たり判定用乱数値を取り出し、その当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、この当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する普通変動時間選択機能、普通図柄表示手段22による普通図柄の変動表示を開始させると共に、普通変動時間選択機能により選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択機能により選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させる普通図柄表示制御機能等を備えている。
普通利益状態発生手段55は、普通図柄処理手段54の当たり判定機能による判定結果が当たりとなり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段16の開閉手段29を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
特別乱数発生手段56は、変動後の特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定用乱数、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄用乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生するようになっている。
特別乱数取得手段57は、特別図柄始動手段16が遊技球を検出することを条件に特別乱数発生手段56から大当たり判定用乱数値と大当たり図柄用乱数値とを夫々1個取得し、特別乱数記憶手段58は、特別乱数取得手段57が取得したそれら各乱数値を、互いに関連付けた形で夫々所定の上限保留個数(例えば各4個)を限度として例えば取得順に記憶するようになっている。
特別図柄処理手段59は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段58に1個以上の大当たり判定用乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段58に最も早く記憶された大当たり判定用乱数値を取り出し、その大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、この大当たり判定機能による大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段58に大当たり判定用乱数値と共に記憶されている大当たり図柄用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり判定機能による大当たり/外れの判定結果に基づいて、複数種類の特別図柄変動パターンの中から1つを選択する特別図柄変動パターン選択機能、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示を開始させると共に、特別図柄変動パターン選択機能により選択された特別図柄変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択機能により選択された停止図柄で特別図柄の変動を停止させる特別図柄表示制御機能等を備えている。
特別利益状態発生手段60は、特別図柄処理手段59による判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段23の変動後の停止図柄が「7」等の大当たり態様となることに基づいて遊技者に有利となる特別利益状態(大当たり状態)を発生させるものである。特別利益状態では、大入賞手段17の開放が所定ラウンド繰り返される。
特別遊技状態発生手段61は、特別利益状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態、例えば時短遊技状態又は確変遊技状態を発生させるためのもので、特別図柄が大当たり態様となって特別利益状態が発生したときに、その特別利益状態の終了後、その大当たり態様の種類に応じて、例えば偶数図柄よりなる通常大当たり態様の場合には時短遊技状態を、奇数図柄よりなる特定大当たり態様の場合には確変遊技状態を、夫々発生させるようになっている。
時短遊技状態中は、特別図柄表示手段23の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば30秒)から短縮変動時間(例えば5.1秒)へ、特別図柄始動手段16の開閉手段29の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.248秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2.7秒×2回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。
また、確変遊技状態中は、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350の低確率)から高確率(例えば1/35)に切り換えられ、更に時短遊技状態と同様の処理が行われるようになっている。
コマンド送受信手段62は、他の制御基板との間でコマンドの送受信を行うためのもので、特別図柄処理手段59による特別図柄処理に基づいて、特別図柄変動パターンを指定すると共に特別図柄の変動開始を指示する特別図柄変動パターン指定コマンド、特別停止図柄を指定する特別停止図柄指定コマンド、特別図柄の停止を指定する変動停止指定コマンド等を演出制御基板34側に送信する機能、特別利益状態(大当たり状態)の開始時に大当たり開始表示コマンドを、特別利益状態における各ラウンドの開始時にラウンド開始コマンドを、特別利益状態における各ラウンドの終了時にインターバルコマンドを、特別利益状態の終了時に大当たり終了コマンドを夫々演出制御基板34側に送信する機能、特別遊技状態の発生時、終了時等の状態移行時に状態指定コマンドを演出制御基板34側に送信する機能、大入賞手段17等の各入賞手段への遊技球の入賞に基づいて払い出し制御基板46側に払い出し指令コマンドを送信する機能、払い出し制御基板46から皿満杯エラーコマンド、皿満杯エラー解除コマンドを受信することに基づいて演出制御基板34側に皿満杯エラーコマンド、皿満杯エラー解除コマンドを送信する機能等を備えている。
なお、主制御基板32から演出制御基板34に送信される各種コマンドのうち、大当たり開始表示コマンド、ラウンド開始コマンド、インターバルコマンド等が、大当たり状態中に演出制御基板34に送信される大当たり状態中コマンドであり、状態指定コマンド、特別図柄変動パターン指定コマンド、変動停止指定コマンド等が、大当たり状態以外の通常状態中に演出制御基板34に送信される通常状態中コマンドである。
払い出し制御基板46は、遊技球の払い出しを制御するもので、払い出し制御手段71、皿満杯エラー判定手段72等を備えると共に、払い出し手段40、自動球貸し機48、皿満杯状態検出スイッチ42等が接続されている。
皿満杯エラー判定手段72は、皿満杯状態検出スイッチ42からの信号に基づいて皿満杯エラーを判定するもので、例えば皿満杯状態検出スイッチ42のOFF信号を所定時間(例えば500ms)継続的に検出した場合に、皿満杯エラーの発生を判定すると共に主制御基板32に対して皿満杯エラーコマンドを送信し、例えば皿満杯状態検出スイッチ42のON信号を所定時間(例えば1000ms)継続的に検出した場合に、皿満杯エラーの解除を判定すると共に主制御基板32に対して皿満杯エラー解除コマンドを送信するように構成されている。
払い出し制御手段71は、払い出し手段40の動作を制御するもので、主制御基板32からの払い出し指令コマンド及び自動球貸し機48からの払い出し信号に基づいて払い出し手段40を所定ステップ作動させることにより所定個数の遊技球を払い出させ、また皿満杯エラー判定手段72により皿満杯エラーと判定されてからそれが解除されるまでの間は、払い出し手段40の作動を停止させて払い出しを待機させるように構成されている。
演出制御基板34は、液晶表示手段20、ランプ手段73,音声出力手段74等の各種演出手段を制御するためのもので、液晶表示制御手段75、ランプ制御手段76、音声出力制御手段77、エラー報知制御手段78等を備えると共に、液晶表示手段20、ランプ手段73,音声出力手段74等が接続されている。
液晶表示制御手段75は、液晶表示手段20の表示制御を行うもので、演出図柄表示制御手段79等を備えている。演出図柄表示制御手段79は、演出図柄表示手段21の表示制御を行うもので、主制御基板32側から特別図柄変動パターン指定コマンドを受信した場合に、指定された特別図柄変動パターンに基づいて演出図柄表示手段21により演出図柄の変動を開始させると共に、変動停止指定コマンドを受信したときに、特別停止図柄指定コマンドと特別図柄変動パターン指定コマンドとに基づいて選択された停止図柄で演出図柄の変動を停止させるようになっている。
ランプ制御手段76はランプ手段73等の表示制御を行うもので、主制御基板32側から送信される特別図柄変動パターン指定コマンド、その他のランプ制御コマンド等に基づいてランプ手段73等を所定のパターンで発光させるようになっている。
音声出力制御手段77はスピーカー等の音声出力手段74等の音声出力制御を行うもので、主制御基板32側から送信される特別図柄変動パターン指定コマンド、その他の音声制御コマンドに基づいて音声出力手段74から所定の効果音等を出力させるようになっている。
エラー報知制御手段78は、各種エラー発生に対する報知制御を行うもので、皿満杯エラー報知制御手段80等を備えている。皿満杯エラー報知制御手段80は、視覚的報知手段の一例としての液晶表示手段20と聴覚的報知手段の一例としての音声出力手段74とを用いた皿満杯エラー報知の制御を行うもので、状態管理処理手段80a、エラーシナリオ管理処理手段80b等を備えている。
状態管理処理手段80aは、主制御基板32側からのコマンドに基づいて大当たり状態中であるかそれ以外の通常状態中であるかを判定するもので、例えば所定時間毎の定期割込において図4に示す状態管理処理を実行するように構成されている。
状態管理処理手段80aによる状態管理処理(図4)は例えば次のような手順で行われる。即ち、まず主制御基板32から大当たり状態中コマンド(大当たり開始表示コマンド、ラウンド開始コマンド、インターバルコマンド等)のうちの何れかを受信したか否かが判断され(S1)、大当たり状態中コマンドのうちの何れかを受信した場合には、大当たり状態中フラグに大当たり状態中を示す「1」がセットされ(S2)、状態管理処理は終了する。
一方、大当たり状態中コマンドのうちの何れも受信していない場合には、通常状態中コマンド(状態指定コマンド、特別図柄変動パターン指定コマンド、変動停止指定コマンド等)のうちの何れかを受信したか否かが判断され(S3)、通常状態中コマンドのうちの何れかを受信した場合には、大当たり状態中フラグに通常状態中を示す「0」がセットされ(S4)、状態管理処理は終了する。
エラーシナリオ管理処理手段80bは、主制御基板32からのコマンド等に基づいて皿満杯エラー報知用のエラーシナリオを選択するもので、例えば所定時間毎の定期割込において図5に示すエラーシナリオ管理処理を実行するように構成されている。
エラーシナリオ管理処理手段80bによるエラーシナリオ管理処理(図5)は例えば次のような手順で行われる。即ち、まず主制御基板32から皿満杯エラーコマンドを受信したか否かが判断される(S11)。ここで、皿満杯エラーコマンドを受信した場合には、大当たり状態中フラグが1(大当たり状態中)であればエラーシナリオAが(S12→S13)、大当たり状態中フラグが0(通常状態中)であればエラーシナリオBが(S12→S14)、夫々選択され、エラーシナリオ管理処理は終了する。
一方、皿満杯エラーコマンドを受信していない場合には、皿満杯エラー解除コマンドを受信したか否かが判断され(S15)、皿満杯エラー解除コマンドを受信していない場合にはそのまま、皿満杯エラー解除コマンドを受信した場合にはエラーシナリオがクリアされた上で(S16)、エラーシナリオ管理処理は終了する。
そして、皿満杯エラー報知制御手段80は、エラーシナリオ管理処理手段80bにより何れかのエラーシナリオが選択された場合には、そのエラーシナリオに基づいて、液晶表示制御手段75、音声出力制御手段77を介して液晶表示手段20、音声出力手段74による皿満杯エラーの報知を開始し、エラーシナリオが解除された時点でその皿満杯エラーの報知を停止させるように構成されている。
ここで、大当たり状態中に選択されるエラーシナリオAでは、図6(a)に示すように、液晶表示手段20による報知を皿満杯エラーの発生と略同時に開始させ、音声出力手段74による報知は皿満杯エラーの発生後から所定時間経過後(例えば30秒後)に開始させるように設定されている。
一方、通常状態中に選択されるエラーシナリオBでは、図6(b)に示すように、液晶表示手段20による報知を皿満杯エラーの発生と略同時に開始させ、音声出力手段74による報知は行わないように設定されている。
このように、通常状態中は、皿満杯エラーが発生してもそれを知らせる警告音等は鳴らず、液晶表示手段20上にエラー表示がされるのみであるため、遊技者を必要以上に不快にさせることはない。また、例えばいわゆる一円パチンコの場合でも、貸し球の払い出しによって皿満杯エラーの警告音が頻発することがなく、当該遊技者や周囲の遊技者は気分よく遊技を行うことができる。
また、エラー報知制御手段78は、複数種類の大当たり状態中コマンドの何れかを受信したときに通常状態から大当たり状態へ移行したと判断し、複数種類の通常状態中コマンドの何れかを受信したときに大当たり状態から通常状態へ移行したと判断するように構成されているため、ノイズの影響等によってコマンドが欠落した場合や停電等からの通電復帰時等においても状態判断を正しく行うことが可能である。
図7は本発明の第2の実施形態を例示し、通常状態中は大当たり状態中よりも聴覚的報知手段による報知開始時期を遅らせるように構成した例を示している。
図7に示すように、本実施形態では、通常状態中に選択されるエラーシナリオB′において、音声出力手段74による報知開始のタイミングを、大当たり状態中に選択されるエラーシナリオAにおける音声出力手段74による報知開始のタイミング(例えば皿満杯エラー発生から30秒後)よりも所定時間(例えば30秒)遅らせるように設定されている。
このように、通常状態中における聴覚的報知手段による報知開始時期を大当たり状態中よりも遅らせるようにすれば、聴覚的報知手段による報知が開始するまでに皿満杯エラーが自然に解消される可能性が高くなり、通常状態中における警告音等の発生を抑制することができる。
図8は本発明の第3の実施形態を例示し、通常状態中は大当たり状態中よりも聴覚的報知手段の音量を小さく設定した例を示している。
図8に示すように、本実施形態では、通常状態中に選択されるエラーシナリオB″において、音声出力手段74による音量が、大当たり状態中に選択されるエラーシナリオA′における音声出力手段74による音量よりも小さく設定されている。
このように、通常状態中における聴覚的報知手段の音量を大当たり状態中よりも小さくすれば、通常状態中に皿満杯エラーが発生してその警告音が鳴っても遊技者を必要以上に不快にさせることはない。
なお、本実施形態では、大当たり状態中に選択されるエラーシナリオA′、通常状態中に選択されるエラーシナリオB″共に、音声出力手段74による警告開始のタイミングを皿満杯エラー発生と略同時に設定したが、エラーシナリオA′,B″共に音声出力手段74による警告開始のタイミングを皿満杯エラー発生から所定時間遅らせてもよいし、エラーシナリオB″における音声出力手段74による警告開始のタイミングをエラーシナリオA′よりも遅らせてもよい。
図9は本発明の第4の実施形態を例示し、通常状態中であっても、大当たり状態の終了から所定時間経過するまでは皿満杯エラーについて大当たり状態中と同様の報知を行うように構成した例を示している。
図9に示すように、本実施形態では、状態管理処理手段80aによる状態管理処理において、S3で通常状態中コマンドを受信したと判断した場合でも、大当たり状態終了から所定時間(例えば60秒)経過していない場合には、大当たり状態中フラグを0に更新しないように構成されている(S3a)。
これにより、大当たり状態が終了しても、それから所定時間経過するまでは、皿満杯エラーについて大当たり状態中と同様の報知が行われる。従って、大当たり状態が終了してもその大当たり状態中の入賞に関する払い出しが継続している場合に、その払い出しによる皿満杯エラーについては大当たり状態中と同様の方法で遊技者に確実に報知することができる。
図10は本発明の第5の実施形態を例示し、通常状態中であっても、払い出し手段40による未払い出し個数が所定個数を超えている場合には、皿満杯エラーについて大当たり状態中と同様の報知を行うように構成した例を示している。
図10に示すように、本実施形態では、エラーシナリオ管理処理手段80bによるエラーシナリオ管理処理において、S12で大当たり状態中フラグが0(通常状態中)であると判断された場合でも、払い出し手段40による未払い出し個数が所定個数(例えば300個)を超えている場合には(S12a)、S12で大当たり状態中フラグが1(大当たり状態中)であると判断された場合と同様、エラーシナリオAを選択する(S13)ように構成されている。
これにより、通常状態中であっても、未払い出し個数が多い場合には皿満杯エラーについて大当たり状態中と同様の方法で遊技者に確実に報知することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では通常状態中に聴覚的報知手段による報知のみを抑制した例を示したが、聴覚的報知手段による報知だけでなく視覚的報知手段による報知も大当たり状態中よりも抑制するように構成してもよい。例えば、通常状態中は視覚的報知手段による皿満杯エラーの報知を皿満杯エラー開始時点よりも遅らせて開始させるようにしてもよい。
通常状態中の聴覚的報知は、その開始から所定時間経過後に停止するようにしてもよい。例えば大当たり状態中は「受け皿の球を抜いてください」等の音声を繰り返し出力し、通常状態中は同様の音声を1回のみ出力するようにしてもよい。この場合、その音量も大当たり状態中よりも小さくしてもよい。また、この場合の聴覚的報知を開始するタイミングは、皿満杯エラーの発生と略同時でもよいし、所定時間経過後等でもよい。
実施形態では視覚的報知手段として液晶表示手段20のみを用いたが、液晶表示手段20以外の画像表示手段やランプ手段73等を皿満杯エラー用の視覚的報知手段として用いてもよい。
なお、実施形態ではパチンコ機について例示したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機でも同様に実施可能であることはいうまでもない。