以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図8は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右方向一端側のヒンジ3を介して開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。
前枠4には、その上部側に遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、その遊技盤5の前側に対応してガラス扉6が、ガラス扉6の下側に隣接して前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ3と同一側のヒンジ8により前枠4に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7の前部には、その前面開閉板7の後側に配置される発射手段9に供給するための遊技球を貯留する貯留皿10、発射手段9を作動させるための発射ハンドル11等が設けられ、また例えば貯留皿10の前側には押しボタン式の演出操作ボタン(操作手段)12が設けられている。
遊技盤5の前側には、発射手段9により発射された遊技球を案内するガイドレール13が略環状に装着されると共に、そのガイドレール13内の遊技領域5a内には、画像表示手段14を備えたセンターケース15の他、普通図柄始動手段16、特別図柄始動手段17、大入賞手段18、普通入賞手段19等の各種遊技部品が装着されている。
センターケース15には、液晶式等の画像表示手段14の他、普通図柄表示手段20、特別図柄表示手段21、普通保留個数表示手段22、特別保留個数表示手段23等が設けられている。画像表示手段14は、演出図柄表示手段24、図柄演出画像表示手段25、操作誘導画像表示手段26、エラー報知画像表示手段(表示出力手段)27等を構成している。
普通図柄表示手段20は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段16が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段16による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段20の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段16が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段22がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段17は、特別図柄表示手段21による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段28を備えた開閉式入賞手段により構成されており、普通図柄表示手段20の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段21は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段17に遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別図柄始動手段17への入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別図柄始動手段17に遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段23が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段24は、例えば特別図柄表示手段21による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段14により変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段17に遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。
図柄演出画像表示手段25は、演出図柄表示手段24による演出図柄の図柄変動中にその図柄変動を演出する各種画像を表示するもので、例えば演出図柄表示手段24による変動パターンとして、遊技者操作演出を伴う特定変動パターンが選択されたときに、その特定変動パターンによる演出図柄の変動表示中に所定の遊技者操作演出画像を表示するように構成されている。
この遊技者操作演出中は、図柄演出画像表示手段25にボタン未操作時画像、例えば回転する的とそれに狙いを定めた弓矢の画像が表示され、所定の演出操作有効期間中に遊技者によって演出操作ボタン12が操作されることを条件に、そのボタン未操作時画像が、ボタン操作時画像、例えば矢が射られて回転する的に命中し、その後に的が停止してその命中した箇所(例えば信頼度を示す数字)が視認可能となるような画像に切り替えられるようになっている。
操作誘導画像表示手段26は、演出操作ボタン12の操作が有効な演出操作有効期間中であることを報知するもので、例えば演出操作有効期間の開始から終了まで遊技者に演出操作ボタン12の操作を促す所定の報知画像を表示するように構成されている。
エラー報知画像表示手段27は、各種エラーが発生したときにそのエラーの内容等を示すエラー報知画像を表示するもので、例えば皿満杯エラーが発生した場合には「皿が満杯です。球を抜いてください。」等の文言よりなる皿満杯エラー報知画像を表示するように構成されている。
大入賞手段18は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段21の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて大当たり状態が発生したときに、開閉板29が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
また、遊技盤5の裏面側には、センターケース15等の遊技部品を後側から覆う裏カバー31が装着され、この裏カバー31の背面側に、主制御基板32aが格納された主基板ケース32、演出制御基板33aが格納された演出基板ケース33、液晶制御基板34aが格納された液晶基板ケース34等が着脱自在に装着されている。
前枠4の裏側には、遊技盤5の裏側を開閉自在に覆う開閉カバー35が着脱自在に装着されると共に、その上部側に遊技球タンク36とタンクレール37とが、左右方向一端側、例えばヒンジ3側に払い出し手段38と払い出し通路39とが夫々装着されており、遊技球が大入賞手段18等の入賞口に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク36内の遊技球をタンクレール37を経て払い出し手段38により払い出し、その遊技球を払い出し通路39を経て貯留皿10に案内するようになっている。
なお、貯留皿10の上流側、例えば払い出し通路39内の所定位置には、貯留皿10が遊技球で満杯となったことを検出する皿満杯検出手段40が設けられている。この皿満杯検出手段40は例えば通常時はOFFとなっており、貯留皿10側から上流側に向けて徐々に積み上がってきた遊技球が所定位置に到達したときにこれを検知してONに切り替わるようになっている。
また、前枠4の裏側下部には、基板装着台41が着脱自在に装着されており、この基板装着台41の背面側に、電源基板42aが格納された電源基板ケース42、払い出し制御基板43aが格納された払い出し基板ケース43が夫々着脱自在に装着されている。
図3は本パチンコ機の制御系における要部の概略構成を示すブロック図である。主制御基板32aは、主に遊技盤5側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、普通図柄処理手段51、普通利益状態発生手段52、特別図柄処理手段53、特別利益状態発生手段54、払い出し制御手段55、エラー処理手段56、制御コマンド送信手段57等を備えている。
普通図柄処理手段51は、普通図柄の変動に関する処理を行うもので、普通図柄始動手段16が遊技球を検出することに基づいて当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として記憶し、普通図柄表示手段20が変動表示可能な状態となる毎に、記憶されている当たり判定乱数値について当たり/外れの判定を行うと共に普通図柄表示手段20による普通図柄の変動を開始し、当たり判定のときには当たり態様で、外れ判定のときには外れ態様で普通図柄を停止させるように構成されている。
普通利益状態発生手段52は、特別図柄始動手段17の開閉手段28を所定時間、所定回数開状態に変化させる普通利益状態を発生させるもので、普通図柄処理手段51による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段20による普通図柄の変動後の停止図柄が当たり態様となることに基づいて普通利益状態を発生させるように構成されている。
特別図柄処理手段53は、特別図柄の変動に関する処理を行うもので、特別図柄始動手段17が遊技球を検出することに基づいて大当たり判定乱数値を1個取得し、その大当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として記憶し、特別図柄表示手段21が変動表示可能な状態となる毎に、記憶されている大当たり判定乱数値について大当たり/外れの判定を行うと共に特別図柄表示手段21による特別図柄の変動を開始し、大当たり判定のときには大当たり態様で、外れ判定のときには外れ態様で特別図柄を停止させるように構成されている。
特別利益状態発生手段54は、大入賞手段18を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段53による判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段21による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるように構成されている。
払い出し制御手段55は、大入賞手段18、特別図柄始動手段17、普通入賞手段19等の各入賞手段に遊技球が入賞することに基づいて、一入賞当たり所定個数の遊技球の払い出しを行うべく、制御コマンド送信手段57を介して払い出し制御基板43aに払い出し指令コマンドを送信するように構成されている。
エラー処理手段56は、各種エラーに関する処理を行うもので、皿満杯エラー処理手段56a等を備えている。皿満杯エラー処理手段56aは、貯留皿10が遊技球で満杯であることを示す皿満杯エラーに関する処理を行うもので、皿満杯検出手段40がOFFからONに切り替わって皿満杯エラーが発生したときに、制御コマンド送信手段57を介して演出制御基板33aに皿満杯エラーコマンドを送信すると共に払い出し制御手段55に対して払い出し停止指令を出力し、また皿満杯検出手段40がONからOFFに切り替わって皿満杯エラーが解除されたときに、制御コマンド送信手段57を介して演出制御基板33aに皿満杯エラー解除コマンドを送信すると共に払い出し制御手段55に対して払い出し開始指令を出力するように構成されている。
なお、払い出し制御手段55は、エラー処理手段56から払い出し停止指令を受けた後は、払い出し開始指令を受けるまで払い出し制御基板43aに対する払い出し指令コマンドの送信を停止するようになっている。
制御コマンド送信手段57は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板33a、払い出し制御基板43a等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段53による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始/停止を指示する特別図柄変動開始/停止コマンド等、特別図柄の変動に関するコマンドを演出制御基板33aに送信する機能、払い出し制御手段55による払い出し制御に基づいて払い出し指令コマンドを払い出し制御基板43aに送信する機能、エラー処理手段56によるエラー処理に基づいて皿満杯エラーコマンド、皿満杯エラー解除コマンド等の各種エラーコマンドを演出制御基板33aに送信する機能等を備えている。
なお、制御コマンド送信手段57から演出制御基板33aに送信される特別図柄変動開始コマンドは、特別図柄の変動時間、大当たり判定結果等に応じて複数種類設けられており、演出制御基板33aはこの特別図柄変動開始コマンドの種類によって特別図柄の変動時間、特別図柄が変動後に大当たり態様となるか否か等の情報を得ることができるようになっている。
払い出し制御基板43aは、払い出し制御手段55による払い出し動作を制御するもので、主制御基板32aから受信した払い出し指令コマンドに基づいて所定個数の遊技球を払い出すべく払い出し制御手段55を作動させるように構成されている。
演出制御基板33aは、画像表示手段14の他、前枠4に設けられたスピーカ(音声出力手段)58等の各種演出手段を制御するもので、図4に示すように、演出図柄表示制御手段61、図柄演出画像表示制御手段62、遊技者操作演出制御手段63、エラー報知画像表示制御手段64、音声出力制御手段65、エラー報知制御手段66、ボタン操作判定処理手段67等を備えている。
演出図柄表示制御手段61は、演出図柄表示手段24の表示制御を行うもので、主制御基板32aから特別図柄変動開始コマンドを受信した場合に、その特別図柄変動開始コマンドの種類に対応する変動パターン及び停止図柄態様を選択し、その変動パターンに基づいて演出図柄表示手段24による演出図柄の変動を開始させると共に、特別図柄変動停止コマンドを受信したときに、選択された停止図柄で停止させるように構成されている。
図柄演出画像表示制御手段62は、遊技者操作演出制御手段63等による演出制御に基づいて図柄演出画像表示手段25の表示制御を行うもので、例えば演出図柄表示手段24による演出図柄の変動中に図柄演出画像表示手段25に所定の演出画像をアニメーション表示するように構成されている。
遊技者操作演出制御手段63は、遊技者による演出操作ボタン12の操作に基づく遊技者操作演出を行うもので、演出図柄表示制御手段61によって特定変動パターンが選択されたときに、その特定変動パターンによる演出図柄の変動表示中に図柄演出画像表示手段25に所定の遊技者操作演出画像を表示するように構成されており、演出操作有効期間処理手段63a、操作誘導画像表示制御手段63b等を備えている。
演出操作有効期間処理手段63aは、特定変動パターンによる演出図柄の変動中における演出操作有効期間の開始及び終了のタイミングを判定するものである。演出操作有効期間は、遊技者操作演出に関して演出操作ボタン12の操作が有効となる期間であって、例えば特定変動パターン毎に予め設定されているものとする。
操作誘導画像表示制御手段63bは、操作誘導画像表示手段26による演出操作有効期間の報知制御を行うもので、演出操作有効期間処理手段63aの判定に基づいて例えば演出操作有効期間の開始から終了まで遊技者に演出操作ボタン12の操作を促す所定の報知画像を操作誘導画像表示手段26に表示させるように構成されている。
演出図柄表示手段24により特定変動パターンによる演出図柄の変動表示が開始されると、遊技者操作演出制御手段63は、図柄演出画像表示手段25にボタン未操作時画像、例えば回転する的とそれに狙いを定めた弓矢の画像を表示し(図8(a))、またその後に演出操作有効期間が開始されると、操作誘導画像表示手段26に遊技者に演出操作ボタン12の操作を促す報知画像を表示する(図8(b))。そして、その演出操作有効期間中に遊技者によって演出操作ボタン12が操作されることを条件に、ボタン未操作時画像を、ボタン操作時画像、例えば矢が射られて回転する的に命中し、その後に的が停止してその命中した箇所(例えば信頼度を示す数字)が視認可能となるような画像に切り替える(図8(c))ようになっている。
エラー報知画像表示制御手段64は、エラー報知画像表示手段27の報知制御を行うもので、エラー報知制御手段66による報知制御に基づいて、そのエラーの内容等を示すエラー報知画像(エラー報知表示)をエラー報知画像表示手段27に表示させるように構成されている。
音声出力制御手段65は、スピーカ58からの音声出力を制御するもので、通常遊技中には遊技状態の変化に応じて種々の演出音を出力すると共に、何らかのエラーが発生した場合には、エラー報知制御手段66による報知制御に基づいてそのエラーの内容等を示すエラー報知音を出力させるように構成されている。
エラー報知制御手段66は、各種エラーが発生したときにそのエラーに関する報知制御を行うもので、皿満杯エラー報知制御手段66a等を備えている。皿満杯エラー報知制御手段66aは、貯留皿10が遊技球で満杯となる皿満杯エラーに関する報知制御を行うもので、エラー監視処理手段68、エラー報知処理手段69等を備えている。
エラー監視処理手段68は、主制御基板32aからのコマンドに基づいて皿満杯エラー中であるか否かを監視するもので、図5に示す皿満杯エラー監視処理を、例えば主制御基板32aから制御コマンドを受信する毎に実行するように構成されている。
この皿満杯エラー監視処理(図5)では、まず主制御基板32aから受信した制御コマンドが皿満杯エラーコマンドと皿満杯エラー解除コマンドとの何れかであるか否かが判定される(S1,S4)。皿満杯エラーコマンド、皿満杯エラー解除コマンド以外の制御コマンドを受信した場合には皿満杯エラー監視処理はそのまま終了する。
主制御基板32aから皿満杯エラーコマンドを受信したと判定された場合には(S1:Yes)、音声報知切替フラグがOFFにされ(S2)、また皿満杯エラー中フラグがONにされて(S3)皿満杯エラー監視処理は終了する。一方、主制御基板32aから皿満杯エラー解除コマンドを受信したと判定された場合には(S4:Yes)、皿満杯エラー中フラグがOFFにされて(S5)皿満杯エラー監視処理は終了する。
この皿満杯エラー監視処理により、皿満杯エラー中フラグは皿満杯エラー中にONに、皿満杯エラー中でないときにはOFFに設定される。また、音声報知切替フラグは、例えばスピーカ58によるエラー報知音の出力を行うか否かを示すもので、この音声報知切替フラグがOFFであればエラー報知音の出力を行い、ONであればエラー報知音の出力を行わないように制御されるようになっている。本実施形態では、皿満杯エラーの発生時にこの音声報知切替フラグをOFFに設定することにより(S2)、皿満杯エラーの発生当初は必ずエラー報知音が出力されるようになっている。
エラー報知処理手段69は、エラー報知画像表示制御手段64、音声出力制御手段65等による皿満杯エラーの報知処理を行うもので、例えば図6に示す皿満杯エラー報知処理を所定時間間隔で実行するように構成されている。
この皿満杯エラー報知処理(図6)では、まず皿満杯エラー中フラグの変化状態が判定される(S11,S14,S19)。そして、皿満杯エラー中フラグがOFFからONに変化したと判定された場合(S11:Yes)、即ち皿満杯エラーの発生時には、エラー報知画像表示制御手段64の制御により、エラー報知画像表示手段27に例えば「皿が満杯です。球を抜いてください。」等の文言よりなる皿満杯エラー報知画像(図1)の表示が開始され(S12)、また音声出力制御手段65の制御により、スピーカ58から例えば「皿が満杯です。球を抜いてください。」等の皿満杯エラー報知音の出力が開始される(S13)。
一方、皿満杯エラー中フラグがONのまま変化しなかった場合(S14:Yes)、即ち皿満杯エラーが継続している場合には、エラー報知画像表示手段27による皿満杯エラー報知画像の表示はそのまま継続される(S15)。また、音声報知切替フラグがONであるか否かが判定され(S16)、音声報知切替フラグがOFFであればスピーカ58からの皿満杯エラー報知音の出力がそのまま継続されるが(S18)、音声報知切替フラグがONであればスピーカ58からの皿満杯エラー報知音の出力はその時点で停止(音声出力制限の一例)される(S17)。
なお、音声報知切替フラグは、上述したように皿満杯エラーの発生時には必ずOFFに設定されるようになっており(S2)、その後に所定条件の下で演出操作ボタン12が操作された場合に、後述するボタン操作判定処理手段67によりONに切り替えられるようになっている。
また、皿満杯エラー中フラグがONからOFFに変化したと判定された場合(S19)、即ち皿満杯エラーが解消された場合には、エラー報知画像表示手段27による皿満杯エラー報知画像の表示は停止され(S20)、またスピーカ58からの皿満杯エラー報知音の出力が継続されている場合には(S21:Yes)これも停止される(S22)。なお、皿満杯エラー中フラグがOFFのまま継続している場合(S19:No)には皿満杯エラー報知処理はそのまま終了する。
以上のように、皿満杯エラーが発生すると、皿満杯エラー報知画像の表示と皿満杯エラー報知音の出力とが開始され、皿満杯エラー報知画像の表示については皿満杯エラーが解消されるまで継続されるが、皿満杯エラー報知音の出力については、所定条件の下で演出操作ボタン12が操作された場合にはその時点で停止されるようになっている。
ボタン操作判定処理手段67は、演出操作ボタン12の操作を有効とするか否かの判定を行うもので、例えば演出操作ボタン12が操作されたときに、図7に示すボタン操作判定処理を実行するように構成されている。
このボタン操作判定処理(図7)では、その時点、即ち演出操作ボタン12が操作された時点が演出操作有効期間中であるか否かが判定される(S31)。そして、演出操作有効期間中であれば(S31:Yes)、遊技者操作演出制御手段63に対してボタン操作時演出の実行、即ちボタン未操作時画像からボタン操作時画像への切り替えが指示され (S32)、ボタン操作判定処理は終了する。
一方、演出操作ボタン12が操作された時点が演出操作有効期間中でない場合には(S31:No)、皿満杯エラー中フラグがONであるか否か、即ち皿満杯エラー中であるか否かが判定される(S33)。演出操作有効期間中でも皿満杯エラー中でもない場合には(S33:No)、そのままボタン操作判定処理は終了するため、その演出操作ボタン12の操作は無効となって何らの処理も行われない。
皿満杯エラー中フラグがONであれば、即ち皿満杯エラー中であれば、音声報知切替フラグがONに切り替えられ(S34)、ボタン操作判定処理は終了する。即ち、演出操作ボタン12が操作された場合、それが演出操作有効期間中であれば、たとえ皿満杯エラー中であっても音声報知切替フラグはOFFのまま切り替えられることはなく、遊技者操作演出に対するボタン操作として処理され、演出操作有効期間中でなく皿満杯エラー中である場合にのみ、音声報知切替フラグがONに切り替えられるようになっている。
これにより、例えば皿満杯エラーが発生してもすぐに店員が駆けつけてくれなかった場合、遊技者が演出操作ボタン12を操作すれば、原則としてスピーカ58からのエラー報知音の出力が停止されるため、耳障りなエラー報知音が延々と繰り返されることがなく、遊技者の不快感を軽減できる。また、皿満杯エラー中であっても、更に演出操作有効期間中でもある場合には遊技者操作演出が優先され、演出操作ボタン12の操作は遊技者操作演出に関するものとして処理されるため、遊技者は皿満杯エラー中でも遊技者操作演出を通常通り楽しむことができる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、皿満杯エラー中に演出操作ボタン12が操作されることに基づいて、スピーカ58によるエラー報知音の出力を停止する音声出力制限を行うように構成されているため、皿満杯エラーがすぐに解消できない場合であってもエラー報知音の繰り返しによって遊技者が感じる不快感を解消若しくは軽減できる。
また、皿満杯エラーの報知をスピーカ58と共にエラー報知画像表示手段27により行うように構成されるように構成され、皿満杯エラーの報知中に演出操作ボタン12が操作されてもエラー報知画像表示手段27による報知はそのまま維持するように構成されているため、エラー報知が完全に停止して皿満杯エラーがそのまま放置されることはない。
また、演出操作有効期間中に演出操作ボタン12が操作されることに基づいて所定の操作時演出を行う遊技者操作演出制御手段63を備え、皿満杯エラー中であって演出操作有効期間中でもあるときに演出操作ボタン12が操作された場合には、エラー報知制御手段66による音声出力制限、即ちエラー報知音の出力停止は行わないように構成されているため、遊技者は皿満杯エラー中でも遊技者操作演出を通常通り楽しむことができる。
図9は本発明の第2の実施形態を例示し、皿満杯エラー中に演出操作ボタン12が操作されることに基づいて実行される音声出力制限の変更例として、エラー報知音の音量を下げるように構成した例を示している。
本実施形態のエラー報知処理手段69による皿満杯エラー報知処理は、図9に示すように第1の実施形態における皿満杯エラー報知処理(図6)から一部変更されている。なお、この皿満杯エラー報知処理の処理内容以外の構成については第1の実施形態と同様とする。
本実施形態の皿満杯エラー報知処理(図9)では、皿満杯エラー中フラグがONのまま変化しなかった場合(S14:Yes)、即ち皿満杯エラーが継続している場合に、音声報知切替フラグがOFFであればスピーカ58からの皿満杯エラー報知音は音量を下げることなくそのまま継続されるが(S18a)、音声報知切替フラグがONであればスピーカ58からの皿満杯エラー報知音の出力は音量を下げて(音声出力制限の一例)継続される(S17a)ようになっている。
なお、皿満杯エラーの発生時には(S11:Yes)、エラー報知音の出力は通常音量で開始され(S13)、また皿満杯エラーの解消時には(S19:Yes)、エラー報知画像表示手段27によるエラー報知画像の表示と共にエラー報知音の出力も停止される (S22)。
これにより、例えば皿満杯エラーが発生してもすぐに店員が駆けつけてくれなかった場合、遊技者が演出操作ボタン12を操作すれば、原則としてスピーカ58から出力されているエラー報知音の音量が下げられるため、エラー報知音は繰り返し出力されてもそれによる遊技者の不快感を軽減できる。また、ボタン操作判定処理(図7)は第1の実施形態と同じであり、皿満杯エラー中であっても、演出操作有効期間中でもある場合には遊技者操作演出が優先され、演出操作ボタン12の操作は遊技者操作演出に関するものとして処理されるため、遊技者は皿満杯エラー中でも遊技者操作演出を通常通り楽しむことができる。
図10は本発明の第3の実施形態を例示し、皿満杯エラー中であって演出操作有効期間中でもあるときに演出操作ボタン12が操作された場合には、第1,第2の実施形態で示したような音声出力制限と遊技者操作演出制御手段63による操作時演出とを共に行うように構成した例を示している。
本実施形態のボタン操作判定処理手段67によるボタン操作判定処理は、図10に示すように第1の実施形態におけるボタン操作判定処理(図7)から一部変更されている。なお、このボタン操作判定処理の処理内容以外の構成については第1又は第2の実施形態と同様とする。
本実施形態のボタン操作判定処理(図10)では、演出操作ボタン12が操作された時点が演出操作有効期間中である場合には(S31:Yes)、遊技者操作演出制御手段63に対してボタン操作時演出の実行、即ちボタン未操作時画像からボタン操作時画像への切り替えが指示されるが(S32)、演出操作有効期間中であるか否か(S31)に拘わらず、皿満杯エラー中フラグがONであれば(S33:Yes)、即ち皿満杯エラー中であれば、音声報知切替フラグがONに切り替えられ(S34)、ボタン操作判定処理は終了する。
即ち、皿満杯エラー中に演出操作ボタン12が操作された場合、それが演出操作有効期間中であるか否かに拘わらず、音声報知切替フラグがONに切り替えられ、音声出力制限、即ちエラー報知音の出力が停止され、又はその音量が下げられる。
これにより、例えば皿満杯エラーが発生してもすぐに店員が駆けつけてくれなかった場合、遊技者が演出操作ボタン12を操作すれば、必ずエラー報知音の出力が停止され又はその音量が下げられるため、エラー報知音の繰り返しによる遊技者の不快感を軽減できる。また、皿満杯エラー中であって演出操作有効期間中でもある場合には、演出操作ボタン12の操作は遊技者操作演出に関するものとしても処理されるため、遊技者は皿満杯エラー中でも遊技者操作演出を通常通り楽しむことができる。
図11及び図12は本発明の第4の実施形態を例示し、皿満杯エラーの発生後一定期間については演出操作ボタン12が操作されても音声出力制限を行わないように構成した例を示している。
本実施形態の皿満杯エラー報知処理は、図11に示すように第1の実施形態における皿満杯エラー報知処理(図6)から一部変更されており、皿満杯エラーの発生時に(S11:Yes)、皿満杯エラータイマによる計時を開始するようになっている(S13a)。
また、本実施形態のボタン操作判定処理についても、図12に示すように第1の実施形態におけるボタン操作判定処理(図7)から一部変更されており、皿満杯エラー中フラグがONであり(S33:Yes)、更に皿満杯エラータイマの値が所定値に達している場合、即ち皿満杯エラーの発生から所定時間が経過している場合(S33a:Yes)にのみ音声報知切替フラグをONに切り替える(S34)ようになっている。
これにより、皿満杯エラーの発生後一定期間は必ずスピーカ58によるエラー報知が通常音量で行われるため、皿満杯エラーの発生を遊技者や店員に対して迅速且つ確実に報知することが可能となる。
なお、図11及び図12において第1の実施形態の皿満杯エラー報知処理(図6)及びボタン操作判定処理(図7)に対して行った変更は、第2の実施形態の皿満杯エラー報知処理(図9)、第3の実施形態のボタン操作判定処理(図10)に対しても同様に行うことが可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では表示によるエラー報知を行う表示出力手段として液晶表示手段等の画像表示手段14のみを例示したが、画像表示手段14と共にランプ等の発光手段等によるエラー報知を行うようにしてもよい。
音量を下げることによる音声出力制限を行う場合、例えば操作手段12が操作される毎に徐々に音量を下げるようにしてもよい。また、音声出力を停止することによる音声出力制限を行う場合についても、例えば操作手段12が操作される毎に徐々に音量を下げ、最終的に音声出力を停止するようにしてもよい。
音声出力制限の種類(音量を下げるか音声出力を停止するか)を切替可能としてもよい。また、音声出力制限後の音量を任意に設定可能に構成してもよい。この場合、例えばその音量を0に設定可能とすれば、音量の設定手段の操作により音声出力制限の種類の切り替えも実質的に可能となる。
操作手段12の1回の操作に対して音声出力制限を一定期間だけ行うようにしてもよい。また、操作手段12は演出用の操作ボタンと兼用でなく音声出力制限専用に設けてもよい。また、操作手段12の種類は押しボタン式に限らずレバー式等どのようなものでもよい。
皿満杯エラーとなって払い出し手段による払い出しが停止され、未払い出し数が所定数以上になった場合、音声出力制限ができないように構成してもよい。また、音声出力制限中に未払い出し数が所定数以上になった場合は音声出力制限を解除して通常のエラー報知を再開するように構成してもよい。音声出力制限中の状態で所定時間が経過した場合は音声出力制限を解除して通常のエラー報知を再開するように構成してもよい。また、音声出力制限を解除して通常のエラー報知を再開した後は、その皿満杯エラー中は操作手段が操作されても音声出力制限は行わないように構成してもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。