以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、例えば左右方向の略中央に、遊技者が操作可能な操作手段としての演出ボタン12が設けられている。なお、演出ボタン12内にはLED13が配置されており、例えば演出ボタン12の操作が有効となる操作有効期間中に点灯されるようになっている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤21が着脱自在に装着されている。遊技盤21の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、センターケース24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。また、センターケース24には、液晶式等の画像表示手段29の他、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段32、普通保留個数表示手段33等が設けられている。
普通図柄表示手段31は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段31の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段33がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段26は、特別図柄表示手段32による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口26a,26bと、下特別始動口26bを開閉する開閉手段39とを備え、例えばセンターケース24の下側に配置されている。上特別始動口26aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口26bは、開閉手段39により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、所定の開閉パターンに従って所定時間×所定回数開状態に切り替えられるようになっている。
特別図柄表示手段32は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口26a,26bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、小当たり判定値と一致する場合には所定の小当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
本実施形態では、大当たり態様が複数種類、例えば第1〜第4の4種類設けられているものとする。なお、大当たり態様、小当たり態様及び外れ態様の各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口26a,26bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、例えば画像表示手段29上に大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を示す保留表示画像35を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
また、画像表示手段29には、例えば特別図柄表示手段32による特別図柄の変動表示と同期して演出図柄34が変動表示される他、後述する選択演出等における各種演出画像が遊技状態に応じて表示されるようになっている。
ここで、演出図柄34は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の数字図柄等で構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。
なお本実施形態では、特別図柄が第1〜第4大当たり態様、小当たり態様、外れ態様で停止する場合には、演出図柄34もそれに対応して第1〜第4大当たり態様、小当たり態様、外れ態様(図4参照)で停止するものとする。ここで、演出図柄34の停止図柄態様については、例えば第1大当たり態様及び小当たり態様は、複数(3つ)の図柄のうちの少なくとも1つが他と異なる「非ぞろ目」の停止図柄態様のうちで予め定められた1又は複数、第2〜第4大当たり態様は複数(3つ)の図柄が全て同じ図柄で揃った「ぞろ目」の停止図柄態様、外れ態様は「非ぞろ目」の停止図柄態様のうち、第1大当たり態様及び小当たり態様以外の停止図柄態様で構成されているものとする。
大入賞手段27は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板40を備えた作動式入賞手段で、特別図柄表示手段32の変動後の特別図柄が特定態様、即ち第1〜第4大当たり態様又は小当たり態様となることに基づいて特別利益状態、即ち大当たり状態又は小当たり状態が発生したときに、開閉板40が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
本実施形態では、図4に示すように、特別利益状態における大入賞手段27の開放パターンとして、15R開放パターン、2R開放パターン及び1R開放パターンの3種類が用意されており、特別図柄及び演出図柄34の変動後の停止図柄が第2〜第4大当たり態様となった場合には15R開放パターンが、第1大当たり態様となった場合には2R開放パターンが、小当たり態様となった場合には1R開放パターンがそれぞれ選択されるようになっている。
15R開放パターンは、大入賞手段27を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を15ラウンド行うように設定されている。2R開放パターンは、大入賞手段27を0.2秒開放する動作を2ラウンド行うように設定されている。1R開放パターンは、大入賞手段27を0.2秒×2回開放する動作を1ラウンド行うように設定されており、外見上は2R開放パターンと同じである。即ち、第1大当たり態様と小当たり態様の場合で大入賞手段27の開放パターンに外見上の違いはない。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤21に装着されたセンターケース24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板41は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段51、普通始動口チェック処理手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通図柄表示制御手段55、普通利益状態発生手段56、特別乱数作成処理手段61、特別始動口チェック処理手段62、特別乱数記憶手段63、特別図柄処理手段64、特別図柄表示制御手段65、特別利益状態発生手段66、特別遊技状態発生手段67、制御コマンド送信手段68等を備えている。
普通乱数作成処理手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段52は、普通図柄始動手段25による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段51で作成された当たり判定乱数値等を1個ずつ取得し、その当たり判定乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に記憶されている当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
なお本実施形態では、当たり判定に用いる当たり判定値の数を、後述する開放延長状態中とそれ以外とで異ならせることにより、図3に示すように、開放延長状態中の当たり確率(例えば1/1.3)がそれ以外のときの当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定されている。
普通図柄表示制御手段55は、普通図柄処理手段54による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段31による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段54で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段54で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通利益状態発生手段56は、普通図柄処理手段54による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、下特別始動口26bの開閉手段39を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、図3に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設けられており、開放延長状態中以外は通常開閉パターンが、開放延長状態中は特別開閉パターンが選択されるようになっている。
特別乱数作成処理手段61は、大当たり/小当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数の他、大当たり判定の場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、外れ判定の場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄34の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段62は、特別図柄始動手段26への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段61で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段64は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段32が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段63に記憶されている大当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値又は小当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、その判定結果が大当たりの場合に、特別乱数記憶手段63に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値に基づいて第1〜第4大当たり態様の何れかを選択し、判定結果が小当たりの場合に、例えば1又は複数種類の小当たり態様の何れかを抽選等により選択し、判定結果が外れの場合に、例えば1又は複数種類の外れ態様の何れかを抽選等により選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/小当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて演出図柄34の変動パターンを選択する変動パターン選択機能等を備えている。なお以下の説明では、第1〜第4大当たり態様が選択された場合の大当たりの種類を夫々第1〜第4大当たりとして区別するものとする。
特別図柄表示制御手段65は、特別図柄表示手段32の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段32による特別図柄の変動を開始させると共に、選択された演出図柄34の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)66は、特別図柄処理手段64による大当たり判定結果(内部抽選結果)に基づいて特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、大当たり状態発生手段66aと小当たり状態発生手段66bとを備えている。大当たり状態発生手段66aは、特別図柄処理手段64による大当たり/小当たり/外れの判定結果が大当たりとなり、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動後の停止図柄が第1〜第4大当たり態様の何れかになった場合に大当たり状態を発生させるように構成されている。本実施形態では、図4に示すように、大当たり状態における大入賞手段27の開放パターンとして2R,15Rの2種類が設けられており、第1大当たりの場合には2R開放パターンが、第2〜第4大当たりの場合には15R開放パターンが夫々選択されるようになっている。
小当たり状態発生手段66bは、特別図柄処理手段64による大当たり/小当たり/外れの判定結果が小当たりとなり、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動後の停止図柄が小当たり態様となった場合に小当たり状態を発生させるように構成されている。小当たり状態における大入賞手段27の開放パターンは例えば1種類で、図4に示すように、第1大当たり態様の場合の2R開放パターンと外見上同じ動作が行われる1R開放パターンが設定されている。
特別遊技状態発生手段67は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば大当たりの種類に応じて、確変状態、開放延長状態を個別に発生させるようになっている。
確変状態中は、大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、大当たりとなる確率が低確率(例えば1/350)から高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。この確変状態は、大当たり状態発生後、例えば次の大当たり状態が発生するまで継続される。
また、開放延長状態中は、下特別始動口26bの開閉手段39の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)からそれよりも開放時間及び/又は開放回数が大となる特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ切り換えられる他、例えば特別図柄に関して特別図柄表示手段32の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられ、普通図柄に関して当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、開放延長状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の大当たり状態が発生した時点で終了する。
本実施形態では、図4に示すように、第3,第4大当たりの場合には、確変状態と開放延長状態との両方が発生し、第2大当たりの場合には、開放延長状態のみが発生する。また、第1大当たりの場合には、確変状態は常に発生するが、開放延長状態については、例えば大当たり発生時点の開放延長状態発生の有無に応じて、開放延長状態中であった場合には引き続き開放延長状態が発生し、開放延長状態中でなかった場合には開放延長状態は発生しない(いわゆる潜伏確変)ようになっている。
制御コマンド送信手段68は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減少を示す保留減少コマンド、演出図柄34の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、演出図柄34の変動後の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンドをこの順序で演出制御基板42側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄34の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に増加後の特別保留個数等を示す保留増加コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、遊技状態が変化する際に遊技状態コマンドを演出制御基板42側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板42は、画像表示手段29、音声出力手段71、電飾手段72等の各種演出手段を制御するためのもので、図柄変動演出制御手段73、特別保留個数表示制御手段74、選択演出制御手段75等を備えている。
図柄変動演出制御手段73は、演出図柄34の変動表示制御及びそれに伴う音声出力手段71、電飾手段72等の制御を行うもので、主制御基板41から変動パターンコマンドを受信し、その後所定時間内に停止図柄コマンドを受信することを条件に、演出図柄34の変動後の停止図柄を抽選により決定すると共に変動パターンコマンドで指定された変動パターンに基づいて画像表示手段29上で所定の演出画像と共に演出図柄34の変動を開始させ、変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定された停止図柄で演出図柄34の変動を停止させ、またその演出図柄34の変動表示に合わせて音声出力手段71から所定の効果音を出力し、電飾手段72を所定のパターンで発光させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段74は、画像表示手段29への特別保留個数の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段26により新たに遊技球が検出され、主制御基板41から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示手段29上に保留表示画像35(図1参照)を1個追加的に表示し、また特別図柄の変動開始時に主制御基板41から保留減少コマンドを受信したときに、第1番目の保留に対応する保留表示画像35を消去すると共に第2番目以降の保留に対応する保留表示画像35を前側にシフトさせるようになっている。
選択演出制御手段(演出制御手段)75は、選択演出を制御するもので、例えば演出パターン選択手段75a、選択演出制御処理手段75b等を備えている。ここで、「選択演出」は、大当たり状態(利益状態)の発生に関する演出の一例であって、最初に複数のアイテムを選択肢として表示した状態から、一又は複数段階の絞り込み(本実施形態では一段階)を行い、最終的に残ったアイテム(選択されたアイテム)によって大当たり状態発生に関する期待度(以下、大当たり期待度という)を報知するようになっており、例えば特定の変動パターン(以下、選択演出変動パターンという)による演出図柄34の変動表示中に実行される。
本実施形態の選択演出では、図5に示すように、「小吉」、「中吉」、「大吉」、「超大吉」の4種類のアイテムが用意されており、所定の演出パターンに従って、それら4種類のアイテムのうちの複数個(ここでは3個又は4個)が選択肢として表示された状態から、例えば演出ボタン12が操作されること(所定条件成立の一例)に基づいて何れか1つのアイテム(以下、選択アイテムという)を残してそれ以外のアイテムが全て消去され、その残った選択アイテムによって大当たり期待度を報知するようになっている。
本実施形態では、選択演出の演出パターンとして、超大吉以外の3種類のアイテムを選択肢とする3種類の演出パターンA1〜A3(図7)と、超大吉を含む4種類全てのアイテムを選択肢とする4種類の演出パターンB1〜B4(図8)との計7種類が設けられているものとする。なお、4種類のアイテムのうちの「超大吉」が特定アイテムの一例であり、選択肢に「超大吉」が含まれない演出パターンA1〜A3による選択演出が非特定選択演出の一例であり、選択肢に「超大吉」が含まれる演出パターンB1〜B4による選択演出が特定選択演出の一例である。
また、本実施形態の全ての演出パターンは、3種類又は4種類のアイテムが選択肢として画像表示手段29上に表示された初期状態から、演出ボタン12が操作されることに基づいて何れか1つの選択アイテムを残してそれ以外のアイテムが全て消去されるようになっている。従って、各演出パターンでは、演出ボタン12の操作が有効となる操作有効期間がそれぞれ1回設定されている。
なお本実施形態では、操作有効期間内に必ず演出ボタン12が操作されるものとして説明を行うが、操作有効期間内に演出ボタン12が操作されなかった場合には、アイテムの選択を行うことなくその選択演出を終了してもよいし、ボタン操作がない場合について設けられた専用の演出に切り替えてもよい。或いは、操作有効期間が終了した時点で演出ボタン12が操作された場合と同様の処理を自動的に行うようにしてもよい。
演出パターン選択手段75aは、選択演出で用いる演出パターンを選択するもので、例えば主制御基板41から選択演出変動パターンに対応する変動パターンコマンドを受信した場合に、図9に示す演出パターン選択処理を実行するように構成されている。
この演出パターン選択処理(図9)では、まずテーブル選択テーブルに基づいて演出パターン選択テーブルが選択される(S1)。ここで、演出パターン選択テーブルは、各演出パターンの選択率を規定するもので、本実施形態では、最初に表示される選択肢の種類に応じて、超大吉以外の3種類のアイテムを選択肢とする演出パターンA1〜A3に対応する演出パターン選択テーブルA(図7)と、超大吉を含む4種類全てのアイテムを選択肢とする演出パターンB1〜B4に対応する演出パターン選択テーブルB(図8)との2種類が設けられている。
また、テーブル選択テーブルは、各演出パターン選択テーブルの選択率を規定するもので、本実施形態のテーブル選択テーブル(図6)では、大当たり判定結果毎に演出パターン選択テーブルA,Bの選択率が設定されている。即ち、このテーブル選択テーブルに基づく演出パターン選択テーブルの選択処理(S1)により、選択肢に「超大吉」が含まれるか否かが決定される。
図6に示すテーブル選択テーブルでは、超大吉を選択肢に含まない演出パターン選択テーブルAについては、大当たり判定結果が外れの場合に最も選択率が高く、大当たりの場合に最も選択率が低くなっているのに対し、超大吉を選択肢に含む演出パターン選択テーブルBについては、逆に大当たり判定結果が大当たりの場合に最も選択率が高く、外れの場合に最も選択率が低くなっている。即ち、選択肢に超大吉(特定アイテム)が含まれる演出パターン(特定選択演出)の方が、含まれていない演出パターン(非特定選択演出)よりも大当たり期待度が高くなっている。
S1で演出パターン選択テーブルの何れかが選択されると、その選択された演出パターン選択テーブルに基づいて演出パターンが選択される(S2)。各変動パターン選択テーブルA,Bでは、大当たり判定結果毎に各演出パターンの選択率が設定されている。
図7に示す演出パターン選択テーブルAでは、大当たり判定結果が外れの場合には、選択アイテムが大吉→中吉→小吉の順に選択率が高くなっており、大当たり判定結果が小当たりの場合には、選択アイテムが小吉→大吉→中吉の順に選択率が高くなっており、大当たり判定結果が大当たりの場合には、選択アイテムが小吉→中吉→大吉の順に選択率が高くなっている。即ち、選択肢に超大吉が含まれていない場合、小吉が選択されると、大吉や中吉が選択される場合に比べて大当たりとなる可能性は小さい。このように、選択肢に超大吉が含まれない演出パターンA1〜A3(非特定選択演出)の場合、小吉(所定アイテムの一例)が選択される演出パターンA1が最も大当たり期待度が低くなっている。
また、図8に示す演出パターン選択テーブルBでは、超大吉が選択されるのは、大当たり判定結果が大当たりの場合に限られている。即ち、全てのアイテムのうち、選択された場合の大当たり期待度が最も高いアイテムが超大吉(特定アイテム)であり、超大吉を含む4種類の選択肢の中から超大吉が残った場合には、その図柄変動で必ず大当たり態様となる。
また、図8に示す演出パターン選択テーブルBでは、大当たり判定結果が外れの場合と小当たりの場合については、図7に示す演出パターン選択テーブルAと同様、それぞれ小吉、中吉を選択アイテムとする演出パターンの選択率が最も高くなっているが、大当たり判定結果が大当たりの場合については、図7に示す演出パターン選択テーブルAとは異なり、小吉を選択アイテムとする演出パターンの選択率が最も高くなっている。即ち、選択肢に超大吉が含まれる演出パターンによる選択演出(特定選択演出)で小吉(所定アイテム)が選択される場合の方が、選択肢に超大吉が含まれない演出パターンによる選択演出(非特定選択演出)で小吉(所定アイテム)が選択される場合よりも大当たり期待度が高くなるように設定されている。そして、小吉を選択アイテムとする演出パターンB1の選択率は、大当たり判定結果が大当たりの場合と外れの場合とで同じ値(50%)に設定されている。
このように、最初の選択肢に超大吉が含まれていた場合には、最後に小吉が残った場合であっても、大当たり態様となる可能性は外れ態様となる場合と同程度残されており、従って遊技者はその時点で期待感を損なうことがないため、演出効果の更なる向上が期待できる。
演出パターン選択手段75aによって演出パターンA1〜A3,B1〜B4の何れかが選択されると、選択演出制御処理手段75bにより、選択演出変動パターンによる演出図柄34の変動中に図10(a)〜(e)、(f)〜(j)に示すような選択演出が実行される。なお、図10(a)〜(e)は演出パターンA1が選択された場合の選択演出の一例を、図10(f)〜(j)は演出パターンB1が選択された場合の選択演出の一例をそれぞれ示している。
選択演出変動パターンによる演出図柄34の変動中、所定のタイミングで画像表示手段29の画面上に、その演出パターンに対応する複数のアイテムが選択肢として表示される。演出パターンA1の場合には超大吉以外の3種類のアイテムが選択肢として表示され(図10(a))、演出パターンB1の場合には超大吉を含む4種類のアイテムが選択肢として表示される(図10(f))。なお、選択演出が開始されると、変動中の演出図柄34は例えば画像表示手段29上の周辺部に縮小表示される。
そして、操作有効期間が開始されると、画像表示手段29の画面上に操作誘導画像81が表示される(図10(b),(g))。この操作誘導画像81は、遊技者に操作有効期間中であることを報知すると共に遊技者に演出ボタン12を操作させるべく誘導するためのもので、例えば演出ボタン12を示すイラスト画像と、「ボタンを押してキャラを消去しろ!」等の文言画像等の組み合わせにより構成されている。なお、操作有効期間中であることの報知は、操作誘導画像81の表示だけでなく、演出ボタン12に設けられたLED13の発光、音声出力手段71による音声出力等を組み合わせて行うことが望ましい。
操作有効期間中に演出ボタン12が操作されると、画像表示手段29上の操作誘導画像81に代えて、例えば演出ボタン12が操作されたことを示す操作報知画像82が新たに画像表示手段29上に表示されると共に、演出パターン毎に設定された所定の選択アイテムを残してその他の全てのアイテムが画像表示手段29上から消去される。
この時点では、遊技者はなるべく大当たり期待度の高いアイテム、例えば超大吉や大吉が残ることを期待して選択演出の結果を見守ることになる。特に、超大吉が選択肢に含まれていた場合、その超大吉が残れば大当たり確定であるため(図8参照)、超大吉が選択肢に含まれていなかった場合と比べて遊技者の期待感は更に大きくなる。
図10に示す例の場合、演出パターンA1,B1は何れも小吉が選択アイテムに設定されているため、複数の選択肢のうち、小吉のみが画像表示手段29上に表示された状態となる(図10(c),(h))。そして、例えば残された選択アイテムの確定画像が表示されて選択演出は終了する(図10(d),(i))。
このとき、選択肢に超大吉が含まれない演出パターンA1による選択演出で小吉となった場合には、その後に演出図柄34が大当たり態様となる可能性は外れ態様となる可能性と比べて小さく(図7参照)、遊技者はその時点で期待感を大きく損ねてしまう。一方、選択肢に超大吉が含まれる演出パターンB1による選択演出で小吉となった場合には、その後に演出図柄34が大当たり態様となる可能性は外れ態様となる可能性と同程度に高く(図8参照)、従って遊技者は期待感を大きく損ねることなくその後の演出図柄34の変動を見守ることになる。そして、画像表示手段29上では演出図柄34の変動演出が引き続き行われ、所定の停止図柄で停止・確定する(図10(e),(j))。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、選択演出として、選択肢に超大吉(特定アイテム)が含まれる特定選択演出と、選択肢に超大吉が含まれない非特定選択演出とがあり、特定選択演出の方が非特定選択演出よりも大当たり期待度が高くなるように構成されているため、期待度の低いアイテムが選択された場合であっても、選択肢に超大吉が含まれていた場合には遊技者の期待感をその後も高く維持することができる。
図11〜図13は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、選択演出により、大当たり状態ではなく、確変状態の発生に関する期待度を報知するように構成した例を示している。
本実施形態が第1の実施形態と異なるのは、図11に示すテーブル選択テーブル、図12,図13に示す演出パターン選択テーブルにおける選択率の設定のみであって、選択演出が、最初に複数のアイテムを選択肢として表示した状態から一段階の絞り込みを行い、残ったアイテムによって期待度(ここでは確変状態発生に関する期待度)を報知するものである点はもちろん、用意されているアイテム及び演出パターンの種類等についても第1の実施形態と同じである。
図11は、本実施形態のテーブル選択テーブル(第1の実施形態の図6に対応)であって、演出図柄34の停止図柄態様毎に演出パターン選択テーブルA,B(図12,図13)の選択率が設定されている。このテーブル選択テーブル(図11)では、超大吉を選択肢に含まない演出パターン選択テーブルA(図12)については、演出図柄34の停止図柄態様が第1,第3,第4大当たり態様の場合に最も選択率が低く、続いて第2大当たり態様、小当たり態様、外れ態様の順に選択率が高くなっているのに対し、超大吉を選択肢に含む演出パターン選択テーブルB(図13)については、逆に第1,第3,第4大当たり態様の場合に最も選択率が高く、続いて第2大当たり態様、小当たり態様、外れ態様の順に選択率が低くなっている。
なお図4に示すように、演出図柄34が第1,第3,第4大当たり態様となった場合には、大当たり状態終了後に確変状態が発生し、それ以外の場合には確変状態は発生しないようになっている。即ち、本実施形態の選択演出では、選択肢に超大吉(特定アイテム)が含まれる演出パターン(特定選択演出)の方が、含まれていない演出パターン(非特定選択演出)よりも確変状態発生の期待度(以下、確変期待度という)が高くなっている。
また、図12に示す演出パターン選択テーブルAでは、演出図柄34の停止図柄態様が第2大当たり態様,小当たり態様及び外れ態様の場合、即ち確変状態が発生しない場合には、選択アイテムが大吉→中吉→小吉の順に選択率が高くなっており、第1,第3,第4大当たり態様の場合、即ち確変状態が発生する場合には、選択アイテムが小吉→中吉→大吉の順に選択率が高くなっている。即ち、選択肢に超大吉が含まれていない場合、小吉が選択されると、大吉や中吉が選択される場合に比べて確変状態が発生する可能性は小さい。このように、選択肢に超大吉が含まれない演出パターンA1〜A3(非特定選択演出)の場合、小吉(所定アイテムの一例)が選択される演出パターンA1が最も確変期待度が低くなっている。
また、図13に示す演出パターン選択テーブルBでは、超大吉が選択されるのは、演出図柄34の停止図柄態様が第1,第3,第4大当たり態様の場合、即ち確変状態が発生する場合に限られている。即ち、全てのアイテムのうち、選択された場合の確変期待度が最も高いアイテムが超大吉(特定アイテム)であり、超大吉を含む4種類の選択肢の中から超大吉が残った場合には必ず確変状態が発生する。
また、図13に示す演出パターン選択テーブルBでは、演出図柄34の停止図柄態様が第2大当たり態様,小当たり態様及び外れ態様の場合、即ち確変状態が発生しない場合については、図12に示す演出パターン選択テーブルAと同様、小吉を選択アイテムとする演出パターンの選択率が最も高くなっているが、演出図柄34の停止図柄態様が第1,第3,第4大当たり態様の場合、即ち確変状態が発生する場合については、図12に示す演出パターン選択テーブルAとは異なり、小吉を選択アイテムとする演出パターンの選択率が最も高くなっている。即ち、選択肢に超大吉が含まれる演出パターンによる選択演出(特定選択演出)で小吉(所定アイテム)が選択される場合の方が、選択肢に超大吉が含まれない演出パターンによる選択演出(非特定選択演出)で小吉(所定アイテム)が選択される場合よりも確変期待度が高くなるように設定されている。そして、小吉を選択アイテムとする演出パターンB1の選択率は、演出図柄34の停止図柄態様が第1,第3,第4大当たり態様の場合、第2大当たり態様の場合、小当たり態様の場合及び外れ態様の場合の全てにおいて同じ値(50%)に設定されている。
このように、最初の選択肢に超大吉が含まれていた場合には、最後に小吉が残った場合であっても、確変状態が発生する可能性は発生しない場合と同程度残されており、従って遊技者はその時点で期待感を損なうことがないため、演出効果の更なる向上が期待できる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば選択演出は、選択肢として提示される複数のアイテムのうちの何れかを選択することによって何らかの利益状態の発生に関する期待度を報知するものであればよく、その期待度の対象となる利益状態は、実施形態で示した大当たり状態、確変状態に限られるものではない。
例えば、最も多くの出玉を獲得可能な特別利益状態(実施形態では15R開放パターンの場合)を期待度の対象となる利益状態とし、例えば選択肢に超大吉が含まれる場合の方が含まれない場合よりも15R開放パターンによる特別利益状態が発生する期待度が高くなるように構成してもよい。また例えば、潜伏確変状態を期待度の対象となる利益状態とし、例えば選択肢に超大吉が含まれる場合の方が含まれない場合よりも潜伏確変状態が発生する期待度が高くなるように構成してもよい。
アイテム数は特定アイテムを含めて3個以上であればよく、また各演出パターンにおける選択肢の数は2個以上であればよい。また、選択肢に特定アイテムが含まれる演出パターンと含まれない演出パターンとの両方が設けられていればよく、各演出パターンにおける選択肢の数等は任意である。例えば実施形態の場合、特定アイテムを含む2つ或いは3つのアイテムを選択肢とする演出パターンを設けてもよい。
選択演出では、選択肢を複数段階で1つまで絞り込むように構成してもよい。この場合、例えば操作有効期間を複数回に分けて設け、演出ボタン12が操作される毎に1個又は複数個ずつアイテムを消去するように構成してもよい。
選択演出は画像表示手段29への画像表示により行うものに限られず、ランプ、可動体等を用いて行うようにしてもよい。また、実施形態では、遊技者のボタン操作を契機として選択肢の中から一つのアイテムを選択するように構成したが、選択肢の中から一つのアイテムを選択するための契機となる条件は任意であり、遊技者のボタン操作等を要求することなく、例えば所定時間の経過等を契機としてアイテムを選択するように構成してもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。