以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、例えば左右方向の略中央に演出ボタン(操作手段)12が設けられている。なお、演出ボタン12内にはLED13が配置されており、例えば演出ボタン12の操作が有効となる操作有効期間中に点灯されるようになっている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤21が着脱自在に装着されている。遊技盤21の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、センターケース24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。また、センターケース24には、液晶式等の画像表示手段29の他、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段32、普通保留個数表示手段33等が設けられている。
普通図柄表示手段31は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段31の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段33がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段26は、特別図柄表示手段32による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口26a,26bと、下特別始動口26bを開閉する開閉手段39とを備え、例えばセンターケース24の下側に配置されている。上特別始動口26aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口26bは、開閉手段39により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、所定の開閉パターンに従って所定時間×所定回数開状態に切り替えられるようになっている。
特別図柄表示手段32は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口26a,26bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、小当たり判定値と一致する場合には所定の小当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
本実施形態では、大当たり態様が複数種類、例えば第1〜第4の4種類設けられているものとする。なお、大当たり態様、小当たり態様及び外れ態様の各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口26a,26bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、例えば画像表示手段29上に大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を示す保留表示画像35を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
また、画像表示手段29には、例えば特別図柄表示手段32による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄34が変動表示される他、後述する絞り込み演出等における各種演出画像が遊技状態に応じて表示されるようになっている。
ここで、演出図柄34は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の数字図柄等で構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。
なお本実施形態では、特別図柄が第1〜第4大当たり態様、小当たり態様、外れ態様で停止する場合には、演出図柄34もそれに対応して第1〜第4大当たり態様、小当たり態様、外れ態様(図4参照)で停止するものとする。ここで、演出図柄34の停止図柄態様については、例えば第1大当たり態様及び小当たり態様は、複数(3つ)の図柄のうちの少なくとも1つが他と異なる「非ぞろ目」の停止図柄態様のうちで予め定められた1又は複数、第2〜第4大当たり態様は複数(3つ)の図柄が全て同じ図柄で揃った「ぞろ目」の停止図柄態様、外れ態様は「非ぞろ目」の停止図柄態様のうち、第1大当たり態様及び小当たり態様以外の停止図柄態様で構成されているものとする。
大入賞手段27は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板40を備えた作動式入賞手段で、特別図柄表示手段32の変動後の特別図柄が特定態様、即ち第1〜第4大当たり態様又は小当たり態様となることに基づいて特別利益状態、即ち大当たり状態又は小当たり状態が発生したときに、開閉板40が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
本実施形態では、図4に示すように、特別利益状態における大入賞手段27の開放パターンとして、15R開放パターン、2R開放パターン及び1R開放パターンの3種類が用意されており、特別図柄及び演出図柄34の変動後の停止図柄が第2〜第4大当たり態様となった場合には15R開放パターンが、第1大当たり態様となった場合には2R開放パターンが、小当たり態様となった場合には1R開放パターンがそれぞれ選択されるようになっている。
15R開放パターンは、大入賞手段27を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を15ラウンド行うように設定されている。2R開放パターンは、大入賞手段27を0.2秒開放する動作を2ラウンド行うように設定されている。1R開放パターンは、大入賞手段27を0.2秒×2回開放する動作を1ラウンド行うように設定されており、外見上は2R開放パターンと同じである。即ち、第1大当たり態様と小当たり態様の場合で大入賞手段27の開放パターンに外見上の違いはない。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤21に装着されたセンターケース24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板41は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段51、普通始動口チェック処理手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通図柄表示制御手段55、普通利益状態発生手段56、特別乱数作成処理手段61、特別始動口チェック処理手段62、特別乱数記憶手段63、特別図柄処理手段64、特別図柄表示制御手段65、特別利益状態発生手段66、特別遊技状態発生手段67、制御コマンド送信手段68等を備えている。
普通乱数作成処理手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段52は、普通図柄始動手段25による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段51で作成された当たり判定乱数値等を1個ずつ取得し、その当たり判定乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に記憶されている当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
なお本実施形態では、当たり判定に用いる当たり判定値の数を、後述する開放延長状態中とそれ以外とで異ならせることにより、図3に示すように、開放延長状態中の当たり確率(例えば1/1.3)がそれ以外のときの当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定されている。
普通図柄表示制御手段55は、普通図柄処理手段54による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段31による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段54で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段54で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通利益状態発生手段56は、普通図柄処理手段54による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、下特別始動口26bの開閉手段39を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、図3に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、開放延長状態中以外は通常開閉パターンが、開放延長状態中は特別開閉パターンが選択されるようになっている。
特別乱数作成処理手段61は、大当たり/小当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数の他、大当たり判定の場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、外れ判定の場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄34の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段62は、特別図柄始動手段26への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち特別始動口26a,26bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段61で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値、当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段64は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段32が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段63に記憶されている大当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値又は小当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり判定の場合に、特別乱数記憶手段63に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値に基づいて第1〜第4大当たり態様の何れかを選択し、小当たり判定の場合に、例えば1又は複数種類の小当たり態様の何れかを抽選等により選択し、外れ判定の場合に、例えば1又は複数種類の外れ態様の何れかを抽選等により選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/小当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて演出図柄34の変動パターンを選択する変動パターン選択機能等を備えている。なお以下の説明では、第1〜第4大当たり態様が選択された場合の大当たりの種類を夫々第1〜第4大当たりとして区別するものとする。
特別図柄表示制御手段65は、特別図柄表示手段32の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段32による特別図柄の変動を開始させると共に、選択された演出図柄34の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別利益状態発生手段66は、特別図柄処理手段64による大当たり判定結果(内部抽選結果)に基づいて特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、大当たり状態発生手段66aと小当たり状態発生手段66bとを備えている。大当たり状態発生手段66aは、特別図柄処理手段64による大当たり/小当たり/外れの判定結果が大当たりとなり、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動後の停止図柄が第1〜第4大当たり態様の何れかになった場合に大当たり状態を発生させるように構成されている。本実施形態では、図4に示すように、大当たり状態における大入賞手段27の開放パターンとして2R,15Rの2種類が設けられており、第1大当たりの場合には2R開放パターンが、第2〜第4大当たりの場合には15R開放パターンが夫々選択されるようになっている。
小当たり状態発生手段66bは、特別図柄処理手段64による大当たり/小当たり/外れの判定結果が小当たりとなり、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動後の停止図柄が小当たり態様となった場合に小当たり状態を発生させるように構成されている。小当たり状態における大入賞手段27の開放パターンは例えば1種類で、図4に示すように、第1大当たり態様の場合の2R開放パターンと外見上同じ動作が行われる1R開放パターンが設定されている。
特別遊技状態発生手段67は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば大当たりの種類に応じて、確変状態、開放延長状態を個別に発生させるようになっている。
確変状態中は、大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、大当たりとなる確率が低確率(例えば1/350)から高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。この確変状態は、大当たり状態発生後、例えば次の大当たり状態が発生するまで継続される。
また、開放延長状態中は、下特別始動口26bの開閉手段39の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)からそれよりも開放時間及び/又は開放回数が大となる特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ切り換えられる他、例えば特別図柄に関して特別図柄表示手段32の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられ、普通図柄に関して当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、開放延長状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の大当たり状態が発生した時点で終了する。
本実施形態では、図4に示すように、第3,第4大当たりの場合には、確変状態と開放延長状態との両方が発生し、第2大当たりの場合には、開放延長状態のみが発生する。また、第1大当たりの場合には、確変状態は常に発生するが、開放延長状態については、例えば大当たり発生時点の開放延長状態発生の有無に応じて、開放延長状態中であった場合には引き続き開放延長状態が発生し、開放延長状態中でなかった場合には開放延長状態は発生しない(いわゆる潜伏確変)ようになっている。
制御コマンド送信手段68は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減少を示す保留減少コマンド、演出図柄34の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、演出図柄34の変動後の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンドをこの順序で演出制御基板42側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄34の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に増加後の特別保留個数等を示す保留増加コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、遊技状態が変化する際に遊技状態コマンドを演出制御基板42側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板42は、画像表示手段29、音声出力手段71、電飾手段72等の各種演出手段を制御するためのもので、図柄変動演出制御手段73、特別保留個数表示制御手段74、絞り込み演出制御手段75等を備えている。
図柄変動演出制御手段73は、演出図柄34の変動表示制御及びそれに伴う音声出力手段71、電飾手段72等の制御を行うもので、主制御基板41から変動パターンコマンドを受信し、その後所定時間内に停止図柄コマンドを受信することを条件に、演出図柄34の変動後の停止図柄を抽選により決定すると共に変動パターンコマンドで指定された変動パターンに基づいて画像表示手段29上で所定の演出画像と共に演出図柄34の変動を開始させ、変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定された停止図柄で演出図柄34の変動を停止させ、またその演出図柄34の変動表示に合わせて音声出力手段71から所定の効果音を出力し、電飾手段72を所定のパターンで発光させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段74は、画像表示手段29への特別保留個数の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段26により新たに遊技球が検出され、主制御基板41から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示手段29上に保留表示画像35を1個追加的に表示し、また特別図柄の変動開始時に主制御基板41から保留減少コマンドを受信したときに、第1番目の保留に対応する保留表示画像35を消去すると共に第2番目以降の保留に対応する保留表示画像35を前側にシフトさせるようになっている。
絞り込み演出制御手段(演出制御手段)75は、演出ボタン12の操作を伴う絞り込み演出を制御するもので、例えば演出パターン選択手段75a、絞り込み演出制御処理手段75b等を備えている。ここで、「絞り込み演出」は、大当たり状態(利益状態)が発生するか否かに関する演出の一例であって、大当たり状態の発生に関して異なる期待度を示す3つ以上のアイテムを表示した状態から段階的に絞り込みを行い、最後まで残った最終アイテムによって大当たり状態発生の期待度を報知するようになっており、例えば特定の変動パターン(以下、絞り込み演出変動パターンという)による演出図柄34の変動表示中に実行される。
本実施形態の絞り込み演出では、図5に示すように、それぞれ白色、青色、赤色、虹色に着色されたキャラクター画像等よりなる4種類のアイテム(以下、白アイテム76a,青アイテム76b,赤アイテム76c,虹アイテム76dという)が用意されており、これら4種類のアイテム76a〜76dが全て画像表示手段29上に表示された状態から、所定の演出パターンに従って例えば演出ボタン12が操作される毎に何れか1個のアイテムが消去され、最後まで残った1個のアイテム(最終アイテム)によって大当たりの期待度を報知するようになっている。また、それら4種類のアイテム76a〜76dは、白アイテム76a→青アイテム76b→赤アイテム76c→虹アイテム76dの順序で大当たりの期待度が高くなるように設定されているものとする。従って、虹アイテム76dが、期待度が最も高い最高期待度アイテムの一例であり、白アイテム76aが、期待度が最も低い最低期待度アイテムの一例である。
また本実施形態では、絞り込み演出の演出パターンとして、白アイテム76aが最終アイテムとなる6種類の演出パターンA1〜A6(図7)と、青アイテム76bが最終アイテムとなる6種類の演出パターンB1〜B6(図8)と、赤アイテム76cが最終アイテムとなる6種類の演出パターンC1〜C6(図9)と、虹アイテム76dが最終アイテムとなる6種類の演出パターンD1〜D6(図10)との計24種類が設けられているものとする。
演出パターン選択手段75aは、絞り込み演出で用いる演出パターンを選択するもので、例えば主制御基板41から絞り込み演出変動パターンに対応する変動パターンコマンドを受信した場合に、図11に示す演出パターン選択処理を実行するように構成されている。
この演出パターン選択処理(図11)では、まずテーブル選択テーブルに基づいて演出パターン選択テーブルが選択される(S1)。ここで、演出パターン選択テーブルは、各演出パターンの選択率を規定するもので、本実施形態では、最終アイテムの種類に応じて、白アイテム76aを最終アイテムとする演出パターンA1〜A6に対応する演出パターン選択テーブルA(図7)と、青アイテム76bを最終アイテムとする演出パターンB1〜B6に対応する演出パターン選択テーブルB(図8)と、赤アイテム76cを最終アイテムとする演出パターンC1〜C6に対応する演出パターン選択テーブルC(図9)と、虹アイテム76dを最終アイテムとする演出パターンD1〜D6に対応する演出パターン選択テーブルD(図10)との4種類が設けられている。
また、テーブル選択テーブルは、各演出パターン選択テーブルの選択率を規定するもので、本実施形態のテーブル選択テーブル(図6)では、大当たり判定結果毎に演出パターン選択テーブルA〜Dの選択率が設定されている。即ち、このテーブル選択テーブルに基づく演出パターン選択テーブルの選択処理(S1)により、最終アイテムの種類が決定される。
図6に示すテーブル選択テーブルでは、演出パターン選択テーブルA〜Dのうち、演出パターン選択テーブルDについては大当たり判定の場合にのみ選択され、小当たり判定及び外れ判定の場合には選択されない設定となっている。従って、4種類のアイテム76a〜76dのうち、虹アイテム76dが最も大当たり期待度が高く、絞り込み演出で虹アイテム76dが最後まで残った場合にはその図柄変動で必ず大当たり態様となる。
また、図6に示すテーブル選択テーブルでは、演出パターン選択テーブルA〜Cに関しては、大当たり判定の場合には演出パターン選択テーブルCが、小当たり判定の場合には演出パターン選択テーブルBが、外れ判定の場合には演出パターン選択テーブルAがそれぞれ最も高い選択率に設定されている。従って、虹アイテム76dを除く3種類のアイテム76a〜76cでは、赤アイテム76cが最も大当たり期待度が高く、白アイテム76aが最も大当たり期待度が低い。
S1で演出パターン選択テーブルの何れかが選択されると、その選択された演出パターン選択テーブルに基づいて演出パターンが選択される(S2)。本実施形態の全ての演出パターンは、4種類のアイテム76a〜76dが全て画像表示手段29上に表示された初期状態から、演出ボタン12が操作される毎に何れか1個のアイテムが消去され、3回目の操作後に1個のアイテムのみが残るように設定されている。従って、各演出パターンでは、演出ボタン12の操作が有効となる操作有効期間がそれぞれ3回設定されている。
なお本実施形態では、各操作有効期間内に必ず演出ボタン12が操作されるものとして説明を行うが、操作有効期間内に演出ボタン12が操作されなかった場合には、その絞り込み演出を終了してもよいし、専用の演出に切り替えてもよい。或いは、操作有効期間が終了した時点で演出ボタン12が操作された場合と同様の処理を自動的に行うようにしてもよい。
また、アイテムが残り2つに絞られた第2回操作後の段階でそれら2つのアイテムに最高期待度アイテムである虹アイテム76dが含まれる演出パターンを「特定演出パターン」とすると、図7〜図10に示す演出パターン選択テーブルA〜Dでは、特定演出パターンはそれ以外の演出パターンに比べて選択率が高く設定されている。即ち、演出パターン選択テーブルA〜Cでは、特定演出パターンA5,A6,B5,B6,C5,C6の選択率がそれぞれ80%,65%,55%であり、いずれも特定演出パターン以外の演出パターンの選択率20%,35%,45%よりも高くなっている。また、最終アイテムの期待度が低い演出パターン選択テーブルほど特定演出パターンの選択率が高くなっている。
これにより、最終結果は同じでも、絞り込み演出中の遊技者の期待感をより長く維持することができ、演出効果の更なる向上が期待できる。なお、演出パターン選択テーブルDの演出パターンは全て最終アイテムが虹アイテム76dとなるため、全て特定演出パターンであり、その選択率は100%である。
また、最高期待度アイテムが最初の絞り込みで排除される演出パターンを「所定演出パターン」とすると、図7〜図10に示す演出パターン選択テーブルA〜Dでは、所定演出パターンよりもそれ以外の演出パターンの方が選択率が高く設定されている。即ち、演出パターン選択テーブルA〜Cでは、所定演出パターンA1,A3,B1,B3,C1,C3の選択率がそれぞれ5%,10%,15%であり、いずれも所定演出パターン以外の演出パターンの選択率95%,90%,85%よりも低くなっている。
これにより、最終結果は同じでも、絞り込み演出の開始直後に遊技者の期待感が早々に失われる可能性を低くすることができ、演出効果の更なる向上が期待できる。なお、演出パターン選択テーブルDの演出パターンは全て最終アイテムが虹アイテム76dとなるため、所定演出パターンは存在せず、その選択率は0%である。
また、図7〜図10に示す演出パターン選択テーブルA〜Dでは、所定演出パターンを選択する場合には、最低期待度アイテムである白アイテム76aを最終アイテムとする演出パターンよりもそれ以外の演出パターンを高い確率で選択するようになっている。即ち、最低期待度アイテムである白アイテム76aを最終アイテムとする所定演出パターンA1,A3の選択率は5%(図7)であるのに対し、青アイテム76bを最終アイテムとする所定演出パターンB1,B3の選択率は10%(図8)、赤アイテム76cを最終アイテムとする所定演出パターンC1,C3の選択率は15%(図9)であり、共に所定演出パターンA1,A3の選択率より高くなっている。また、最終アイテムの期待度が高い所定演出パターンほどその選択率が高くなっている。
これにより、最高期待度アイテムが最初の絞り込みで排除された場合であっても、残りの演出で遊技者の期待感を最大限高めることができ、演出効果の更なる向上が期待できる。
演出パターン選択手段75aによって例えば演出パターンA6が選択されると、演出制御処理手段75bにより、絞り込み演出変動パターンによる演出図柄34の変動中に図12に示すような絞り込み演出が実行される。即ち、絞り込み演出の開始タイミングが到来すると、まず画像表示手段29の画面上に全てのアイテム76a〜76dが表示される(図12(a))。
そして、第1回目の操作有効期間が開始されると、画像表示手段29の画面上に操作誘導画像81が表示される(図12(b))。この操作誘導画像81は、遊技者に操作有効期間中であることを報知すると共に遊技者に演出ボタン12を操作させるべく誘導するためのもので、例えば演出ボタン12を示すイラスト画像と、「ボタンを押してキャラを消去しろ!」等の文言画像等の組み合わせにより構成されている。なお、操作有効期間中であることの報知は、操作誘導画像81の表示だけでなく、演出ボタン12に設けられたLED13の発光、音声出力手段71による音声出力等を組み合わせて行うことが望ましい。
第1回目の操作有効期間中に演出ボタン12が操作されると、画像表示手段29上の操作誘導画像81が消去され、例えば演出ボタン12が操作されたことを示す操作報知画像82が新たに画像表示手段29上に表示されると共に、演出パターンA6に従って青アイテム76bが画像表示手段29上から消去される(図12(c))。
以後、第2回目、第3回目の操作有効期間について図12(b),(c)と同様の処理が繰り返される(図12(d)〜(g))。そして、第2回目の操作時に赤アイテム76cが消去され(図12(e))、画像表示手段29上には最高期待度アイテムである虹アイテム76dと最低期待度アイテムである白アイテム76aとの2つのアイテムのみが残された状態となった後(図12(f))、最後の第3回目の操作時に、最高期待度アイテムである虹アイテム76dが消去され(図12(g))、最後に残った白アイテム76aによる確定画像が表示されて絞り込み演出は終了する(図12(h))。
このように、特定演出パターンである演出パターンA6では、最低期待度アイテムである白アイテム76aが最終アイテムとなるものの、最後の絞り込み前の段階まで最高期待度アイテムである虹アイテム76dが残っているため、遊技者はその絞り込み演出の最終段階まで期待感を高めつつ十分に演出を楽しむことができる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、絞り込み演出に関する演出パターンを複数の中から選択する演出パターン選択手段75aにより、アイテム76a〜76dが残り2つに絞られた段階でそれらの中に期待度が最も高い最高期待度アイテムが含まれる特定演出パターンを、それ以外の演出パターンに比べて高い確率で選択するように構成しているため、最終結果は同じでも、絞り込み演出中の遊技者の期待感をより長く維持することができ、演出効果の更なる向上が期待できる。
また、最高期待度アイテムが最初の絞り込みで排除される所定演出パターンよりも、それ以外の演出パターンを高い確率で選択するように構成しているため、最終結果は同じでも、絞り込み演出の開始直後に遊技者の期待感が早々に失われる可能性を低くすることができ、演出効果の更なる向上が期待できる。
また、最高期待度アイテムが最初の絞り込みで排除される所定演出パターンを選択する場合には、最低期待度アイテムを最終アイテムとする演出パターンよりもそれ以外の演出パターンを高い確率で選択するように構成しているため、最高期待度アイテムが最初の絞り込みで排除された場合であっても、残りの演出で遊技者の期待感を最大限高めることができ、演出効果の更なる向上が期待できる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば実施形態では、最高期待度アイテムである虹アイテム76d以外のどのアイテムを最終アイテムとする演出パターンを選択対象とする場合であっても、残り2つに絞られるまで最高期待度アイテムが残っている特定演出パターンをそれ以外の演出パターンに比べて高い確率で選択するように構成したが、必ずしもそうである必要はない。但し、少なくとも最低期待度アイテムを最終アイテムとする演出パターンを選択対象とする場合については、特定演出パターンをそれ以外の演出パターンに比べて高い確率で選択するように構成することが望ましい。即ち少なくとも演出パターン選択テーブルAについては、特定演出パターンの選択率をそれ以外の演出パターンの選択率に比べて高い値に設定することが望ましい。
また実施形態では、最高期待度アイテムである虹アイテム76d以外のどのアイテムを最終アイテムとする演出パターンを選択対象とする場合であっても、最高期待度アイテムが最初の絞り込みで排除される所定演出パターンよりもそれ以外の演出パターンを高い確率で選択するように構成したが、必ずしもそうである必要はない。但し、少なくとも最低期待度アイテムを最終アイテムとする演出パターンを選択対象とする場合については、所定演出パターンよりもそれ以外の演出パターンを高い確率で選択するように構成することが望ましい。即ち少なくとも演出パターン選択テーブルAについては、所定演出パターンの選択率に比べてそれ以外の演出パターンの選択率を高い値に設定することが望ましい。
また実施形態では、所定演出パターンを選択する場合には、最終アイテムの期待度が高い演出パターンほどその確率が高くなるように構成したが、必ずしもそうである必要はない。但し、最低期待度アイテムを最終アイテムとする演出パターンよりもそれ以外の演出パターンを高い確率で選択するように構成することが望ましい。
実施形態の絞り込み演出では、外部操作可能な演出ボタン(操作手段)12が操作されることに基づいて絞り込みを行うように構成したが、これに限られるものではなく、例えば所定時間が経過する毎に絞り込みを行う等、予め定められたタイミングで絞り込みを行うように構成してもよい。また操作手段は押しボタン式に限られるものではない。
実施形態では、絞り込み演出によって大当たりとなる期待度を報知するように構成したが、これに限られるものではなく、確変大当たりとなる期待度、大当たりにおける出玉数の期待度、潜伏確変中であることの期待度等を報知するように構成してもよい。
実施形態では、最高期待度アイテムである虹アイテム76dが残れば大当たり確定となるように構成したが、最高期待度アイテムは他のアイテムよりも期待度が高ければよく、最高期待度アイテムが残った場合に利益状態の発生が確定するように構成する必要はない。
実施形態では、演出図柄34の変動中に行う予告演出の一例として絞り込み演出を行うように構成したが、絞り込み演出は利益状態の発生に関する演出であればよく、例えば演出図柄34の変動におけるリーチ演出、即ちリーチ後の最終停止図柄を決定する演出を絞り込み演出とすることも可能である。
絞り込みの対象となるアイテムは3種類以上であればよい。また、絞り込み演出の初期状態で全てのアイテムを表示させる必要はなく、全てのアイテムの中から選択された所定個数のアイテムを表示した状態から絞り込みを開始してもよい。絞り込みは1アイテムずつ行う必要はなく、一度に複数個排除される場合があってもよい。また、絞り込みによって排除されたアイテムはそれが分かるようになっていればよく、必ずしも画面上から消去する必要はない。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。