以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図5は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、例えば左右方向の略中央に演出ボタン(操作手段)12が設けられている。なお、演出ボタン12内にはLED13が配置されており、例えば演出ボタン12の操作が有効となる操作有効期間中に点灯されるようになっている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤21が着脱自在に装着されている。遊技盤21の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、センターケース24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。また、センターケース24には、液晶式等の画像表示手段29の他、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段32、普通保留個数表示手段33等が設けられている。
普通図柄表示手段31は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段31の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段33がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段26は、特別図柄表示手段32による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口26a,26bと、下特別始動口26bを開閉する開閉手段39とを備え、例えばセンターケース24の下側に配置されている。上特別始動口26aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口26bは、開閉手段39により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段39が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段32は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口26a,26bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口26a,26bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、例えば画像表示手段29上に大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
大入賞手段27は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板40を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段32の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板40が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
また、画像表示手段29には、例えば特別図柄表示手段32による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄34が変動表示される他、特別保留個数を示す保留表示画像35、後述するボタン演出に関する報知を行うボタン演出報知画像(報知画像)等の各種演出画像が遊技状態に応じて表示されるようになっている。
ここで、演出図柄34は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の数字図柄等で構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。
また、演出図柄34では、例えば3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。なお、本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄34も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄34も外れ態様となるものとする。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤21に装着されたセンターケース24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板41は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段51、普通始動口チェック処理手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通利益状態発生手段55、普通図柄表示制御手段56、特別乱数作成処理手段61、特別始動口チェック処理手段62、特別乱数記憶手段63、特別図柄処理手段64、特別利益状態発生手段65、特別図柄表示制御手段66、特別遊技状態発生手段67、制御コマンド送信手段68等を備えている。
普通乱数作成処理手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段52は、普通図柄始動手段25による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段51で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に記憶されている当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
普通利益状態発生手段55は、普通図柄処理手段54による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、下特別始動口26bの開閉手段39を所定の開閉パターンに従って開状態に変化させるようになっている。
普通図柄表示制御手段56は、普通図柄処理手段54による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段31による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段54で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段54で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段61は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段62は、特別図柄始動手段26への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち特別始動口26a,26bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段61で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値、当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
なお本実施形態では、変動パターン乱数及び外れ図柄乱数は特別図柄始動手段26が遊技球を検出した時点では取得せず、特別図柄の変動開始時に取得することとするが、それら変動パターン乱数、外れ図柄乱数等についても大当たり判定乱数値等と同様に特別図柄始動手段26が遊技球を検出した時点で取得し、特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成してもよい。
特別図柄処理手段64は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段32が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段63に記憶されている大当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段63に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は新たに取得された外れ図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて演出図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択機能等を備えている。
特別利益状態発生手段65は、大入賞手段27を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段64による判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段27の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段27を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別図柄表示制御手段66は、特別図柄表示手段32の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段32による特別図柄の変動を開始させると共に、選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段67は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段63に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に基づいて、その大当たり図柄乱数値が所定の確変判定値と一致しない場合には時短状態を、一致する場合には確変状態を夫々発生させるように構成されている。
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段32の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口26bの開閉手段39の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。なお、確変状態は例えば次の特別利益状態が発生した時点で終了するが、次の特別利益状態が発生するまでに所定の終了条件が成立(特別図柄が所定回数変動、転落抽選に当選等)した場合にはその時点で終了するようにしてもよい。
制御コマンド送信手段68は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減少を指定する保留減少コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、演出図柄の変動後の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンドをこの順序で演出制御基板42側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に増加後の特別保留個数等を指定する保留増加コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、遊技状態が変化する際に遊技状態コマンドを演出制御基板42側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板42は、画像表示手段29、音声出力手段71、ランプ手段72等の各種演出手段を制御するためのもので、図柄変動演出制御手段73、特別保留個数表示制御手段74、ボタン演出制御手段75等を備えている。
図柄変動演出制御手段73は、演出図柄34の変動表示制御及びそれに伴う音声出力手段71、ランプ手段72等の制御を行うもので、主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信し、その後所定時間内に停止図柄コマンドを受信することを条件に、演出図柄34の変動後の停止図柄を抽選により決定すると共に変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づいて画像表示手段29上で所定の演出画像と共に演出図柄34の変動を開始させ、変動停止指定コマンドを受信したときに、抽選により決定された停止図柄で演出図柄34の変動を停止させ、またその演出図柄34の変動表示に合わせて音声出力手段71から所定の効果音を出力し、ランプ手段72を所定のパターンで発光させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段74は、画像表示手段29への特別保留個数の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段26により新たに遊技球が検出され、主制御基板41から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示手段29上に保留表示画像35を1個追加的に表示し、また特別図柄の変動開始時に主制御基板41から保留減少コマンドを受信したときに、第1番目の保留に対応する保留表示画像35を消去すると共に第2番目以降の保留に対応する保留表示画像35を前側にシフトさせるようになっている。
ボタン演出制御手段(操作演出制御手段)75は、演出ボタン12の操作を伴うボタン演出(操作演出)を制御するもので、ボタン演出抽選処理手段81、ボタン演出制御処理手段(操作演出報知制御手段)82等を備えている。
ボタン演出抽選処理手段81は、ボタン演出を実行するか否か等の抽選を行うもので、図3に示すようなボタン演出抽選処理を、例えば微少時間間隔(例えば4msec毎)で行われる定期割り込み毎に実行するようになっている。ここで、ボタン演出は、所定の操作有効期間中に演出ボタン12が操作されることに基づいて所定の操作時演出処理を実行するもので、本実施形態では、特別図柄及び演出図柄の変動開始から終了までの期間内に操作有効期間が設定され、その操作有効期間中に演出ボタン12が操作されることに基づいて、複数種類の図柄予告演出画像の何れかを画像表示手段29に表示する操作時演出処理を実行するように構成されている。
ボタン演出抽選処理手段81によるボタン演出抽選処理(図3)では、まず変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判定される(S1)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S1:No)にはここでボタン演出抽選処理は終了する。変動パターン指定コマンドを受信したと判定された場合には(S1:Yes)、ボタン演出を実行するか否かに関する抽選が行われる(S2)。もちろん、ボタン演出だけでなく、それ以外の演出を行うか否かについても併せて抽選してもよい。
そして、ボタン演出を実行する旨の抽選結果が得られた場合には(S3:Yes)、ボタン演出フラグに1がセットされ(S4)、ボタン演出抽選処理は終了する。ボタン演出を実行しない旨の抽選結果が得られた場合には(S3:No)、続いてガセのボタン演出報知を行うか否かの抽選が行われる(S5)。ここで、ボタン演出報知とは、ボタン演出及びその操作有効期間に関する報知であって、ボタン演出が実行され、操作有効期間が発生する場合に行われる「真のボタン演出報知」と、ボタン演出が実行されず、従って操作有効期間も発生しない場合に行われる「ガセのボタン演出報知」の2種類設けられているものとする。
S5の抽選においてガセのボタン演出報知を行う旨の抽選結果が得られた場合にはボタン演出フラグに2がセットされ(S6:Yes→S7)、ガセのボタン演出報知を行わない旨の抽選結果が得られた場合にはボタン演出フラグに0がセットされ(S6:No→S8)、ボタン演出抽選処理は終了する。
ボタン演出制御処理手段82は、特別図柄及び演出図柄の変動中にボタン演出及びボタン演出報知に関する制御を行うもので、例えば特別図柄の変動が開始されることに基づいて、図4に示すボタン演出制御処理を実行するように構成されている。
ここで、ボタン演出制御処理の説明の前にボタン演出報知について説明する。本実施形態のボタン演出報知は、画像表示手段29へのボタン演出報知画像36の表示の他、例えば効果音の出力、LED13の点灯等により行われるようになっている。このボタン演出報知において画像表示手段29に表示されるボタン演出報知画像36は、図5に示すように、例えば演出ボタン12を表すボタン画像91、黒猫を表す黒猫画像92等で構成されるアニメーション画像で、その表示パターンは、真のボタン演出報知で用いられる第1表示パターンと、ガセのボタン演出報知で用いられる第2表示パターンの2種類が設けられている。
第1表示パターンと第2表示パターンとは、共通のボタン演出予告シーン(図5(a)〜(b))で始まっているが、そのボタン演出予告シーンの後、第1表示パターンでは操作有効報知シーン(図5(c)〜(d))に移行するのに対し、第2表示パターンでは操作無効報知シーン(図5(c′)〜(d′))に移行するようになっている。
第1,第2表示パターンに共通のボタン演出予告シーンは、ボタン演出が開始されて演出ボタン12の操作が有効となる可能性があることを報知する部分であり、図5(a)〜(b)に示すように、例えば演出ボタンをくわえた黒猫が画面の右側から登場して画面の中央付近まで歩いて行く場面で構成されている。
また、第1表示パターン(真のボタン演出報知)における操作有効報知シーンは、ボタン演出が開始され、演出ボタン12の操作が有効な操作有効期間中であることを報知する部分であり、図5(c)〜(d)に示すように、例えば画面の中央付近までやってきた黒猫がくわえていた演出ボタンを放し、その演出ボタンを残したまま画面の左側に去って行く場面で構成されている。なお、この操作有効報知シーンは、操作有効期間に合わせて出現するように制御される。
一方、第2表示パターン(ガセのボタン演出報知)における操作無効報知シーンは、ボタン演出が開始されず、従って演出ボタン12の操作も有効とならないことを報知する部分であり、図5(c′)〜(d′)に示すように、例えば画面の中央付近までやってきた黒猫が演出ボタンをくわえたまま画面の左側に去って行く場面で構成されている。
以上のように、本実施形態のボタン演出報知では、ボタン演出報知画像36における演出ボタンの状態が、操作有効期間中であるか否か等を示している。即ち、ボタン演出報知画像36において、演出ボタンが黒猫にくわえられている状態が操作有効期間中でないことを示し、演出ボタンが黒猫から放された状態が操作有効期間中であることを示している。
ここで、演出ボタン12を表すボタン画像91が特定画像の一例であり、演出ボタン(特定画像)が黒猫にくわえられて画面上を移動する表示態様を第1態様、演出ボタンが黒猫から放されて画面上の中央付近(所定位置)に留まっている表示態様を第2態様とすると、真のボタン演出に対応する第1表示パターンでは所定期間の第1態様を経て第2態様に変化し、ガセのボタン演出に対応する第2表示パターンでは第1態様を経た上で第2態様に変化することなく終了するようになっており、第1表示パターンによる表示中に第1態様から第2態様に変化することに基づいて操作有効期間が開始され、第2表示パターンによる表示中には操作有効期間は開始されないようになっている。
以上の通り、本実施形態では、演出ボタン(特定画像)が黒猫にくわえられて画面上を移動する表示態様、即ち「ボタン演出予告シーン」と「操作無効報知シーン」とが共に「第1態様」の一例であり、演出ボタンが黒猫から放されて画面上の中央付近(所定位置)に留まっている表示態様、即ち「操作有効報知シーン」が「第2態様」の一例である。このように、本実施形態では、第1表示パターン(真のボタン演出報知)では第1態様から第2態様に変化し、その第2態様への変化によって操作有効期間の開始を報知しているが、第2表示パターン(ガセのボタン演出報知)では第1態様のまま第2態様に変化することなく終了するようになっている。
なお、第2態様、即ち操作有効報知シーンにおけるボタン画像91は、遊技者に演出ボタン12の操作を促すためのものであるから、第1態様、即ちボタン演出予告シーン及び操作無効報知シーンにおけるボタン画像91とはその表示態様、例えば色、大きさ等を異ならせることが望ましい。また第2態様では、「PUSH!」等、遊技者のボタン操作をより具体的に促す表示をボタン画像91に付加することが望ましい。
続いて、ボタン演出制御処理手段82によるボタン演出制御処理について説明する。ボタン演出制御処理(図4)では、まずボタン演出フラグが0であるか否かが判定される(S11)。そして、ボタン演出フラグが0であれば(S11:Yes)、即ちボタン演出を実行せずガセのボタン演出報知も行わない場合にはここでボタン演出制御処理は終了する。
ボタン演出フラグが0でない場合(S11:No)、即ちボタン演出を実行するか、ボタン演出は実行しないがガセのボタン演出報知を行う場合には、ボタン演出報知の開始タイミングが到来することを条件に(S12:Yes)、ボタン演出報知におけるボタン演出予告シーン(図5(a)〜(b))の表示が開始される(S13)。なお、ボタン演出報知の開始タイミングは、例えば演出図柄の変動パターン毎に予め設定されている。
続いて、その時点での演出図柄変動の変動パターンに対応する操作有効期間の開始タイミングが到来すると(S14:Yes)、ボタン演出フラグが1の場合、即ちボタン演出を実行する場合には操作有効報知シーン(図5(c)〜(d))の表示が開始される(S15→S16)。なお、操作有効期間の開始タイミングが変動パターン毎に異なる場合、有効報知予告シーンの継続時間も変動パターン毎に異なるが、このような場合には、例えば有効報知予告シーンの最終状態(図5(b))でその表示を仮停止(例えば黒猫に足踏みをさせる)させる等により次のシーンへの移行までの時間調整を行うようにしてもよい。
操作有効報知シーンの開始後は、演出ボタン12の操作状態が監視される(S17,S18)。そして、演出ボタン12が操作されることなく操作有効期間の終了タイミングが到来した場合には(S17:No→S18:Yes)、操作有効期間を終了し(S19)、操作有効報知シーンの表示を終了して(S20)ボタン演出制御処理は終了する。
操作有効期間の終了タイミングが到来するまでに演出ボタン12が操作された場合には(S17:Yes)、例えばその時点で操作有効期間を終了し(S21)、操作有効報知シーンの表示が終了する(S22)と共に、操作時演出処理が実行され(S23)、ボタン演出制御処理は終了する。この操作時演出処理は任意であり、例えば大当たり信頼度等に応じて特定のキャラクターを登場させ、或いは特定の音声を出力する処理等が考えられる。
一方、ボタン演出フラグが2の場合、即ちボタン演出は実行しないがガセのボタン演出報知を行う場合には、そのときの変動パターンにおいてボタン演出を行うと仮定した場合の操作有効期間の開始タイミングが到来した時点で(S14:Yes)、操作無効報知シーン(図5(c′)〜(d′))が表示され(S15→S24)、ボタン演出制御処理は終了する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、ボタン演出報知画像36の画像表示手段29への表示パターンは、所定期間のボタン演出予告シーン(第1態様の一例)を経て操作有効報知シーン(第2態様の一例)に変化する第1表示パターンと、所定期間のボタン演出予告シーンから操作無効報知シーン(共に第1態様の一例)へとつながり、操作有効報知シーン(第2態様)に変化することなく終了する第2表示パターンとを含み、第1表示パターンによる表示中にボタン演出予告シーン(第1態様)から操作有効報知シーン(第2態様)に変化することに基づいて操作有効期間が開始され、第2表示パターンによる表示中には操作有効期間は開始されないように構成されているため、遊技者は操作有効報知シーン(第2態様)の出現により操作有効期間の開始を知ることができ、またボタン演出予告シーン(第1態様)の出現によってその後にボタン演出が行われる(操作有効期間が発生する)可能性を知ることができ、更にボタン演出予告シーン(第1態様)が出現してもボタン演出が行われるとは限らないため、興趣をより喚起できる。
即ち、操作有効期間の報知と、ボタン演出が発生するか否かに関する演出とを一つの演出に統合することにより、操作有効期間の報知に演出としての面白みを加えると共に、保留先読み時等の制限なく、操作演出が開始される可能性があることを遊技者が事前に知ることができるという利点がある。
図6〜図8は本発明の第2の実施形態を例示し、第1表示パターンとこれに対応する第2表示パターンとを複数組設け、大当たり信頼度等に基づいてそれら複数の表示パターンの何れかを選択するように構成した例を示している。なお、以下の説明は第1の実施形態と異なる構成を中心に行い、それ以外の構成については第1の実施形態と同様とする。
本実施形態のボタン演出報知画像36は、図6に示すように、第1の実施形態で例示した第1表示パターン(第1表示パターンA1とする)と第2表示パターン(第2表示パターンB1とする)との組に加えて、それら第1,第2表示パターンA1,B1における画像の少なくとも一部を変更した第1,第2表示パターンA2,B2を設けている。即ち、第1,第2表示パターンA1,B1と第1,第2表示パターンA2,B2とはボタン画像91の態様が異なっており、第1,第2表示パターンA1,B1のボタン画像91には「CHANCE」と表示されているのに対し、第1,第2表示パターンA2,B2のボタン画像91′には「LUCKY」と表示されているものとする。
また、本実施形態のボタン演出制御処理では、図7に示すように、S15においてボタン演出フラグが1(ボタン演出を実行する)であると判定された場合には、第1表示パターン選択テーブルに基づいて複数の第1表示パターンA1,A2の何れかが選択され(S15a)、その選択された第1表示パターンに対応する操作有効報知シーンの表示が開始され(S16)、S15においてボタン演出フラグが2(ボタン演出は実行しないがガセのボタン演出報知を行う)であると判定された場合には、第2表示パターン選択テーブルに基づいて複数の第2表示パターンB1,B2の何れかが選択され(S15b)、その選択された第2表示パターンに対応する操作有効報知シーンの表示が開始される(S24)ように構成されている。
ここで、第1,第2表示パターン選択テーブルでは、図8に示すように、それぞれ大当たり判定結果に応じて第1表示パターンA1,A2の選択率が設定されており、例えば第1表示パターン選択テーブル(図8(a))では、大当たり判定の場合には第1表示パターンA2の選択率が高く、外れ判定の場合には第1表示パターンA1の選択率が100%で第1表示パターンA2は選択されない設定となっており、一方の第2表示パターン選択テーブル(図8(b))でも、大当たり判定の場合には第2表示パターンB2の選択率が高く、外れ判定の場合には第2表示パターンB1の選択率が高く設定されている。
これにより、黒猫が「LUCKY」と表示された演出ボタンを運んできた場合(第1,第2表示パターンA2,B2)の方が「CHANCE」と表示された演出ボタンを運んできた場合(第1,第2表示パターンA1,B1)よりも大当たりとなる可能性が高く、また黒猫が「LUCKY」と表示された演出ボタンを運んできた場合に黒猫がその演出ボタンを放して演出ボタン12の操作が有効になった場合(第1表示パターンA2)にはその特別図柄変動において大当たり態様となることが確定することとなる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では演出ボタン(特定画像)が黒猫にくわえられて画面上を移動する表示態様を第1態様、演出ボタンが黒猫から放されて画面上の中央付近(所定位置)に留まっている表示態様を第2態様とし、第1表示パターン(真のボタン演出報知)では第1態様から第2態様に変化し、第2表示パターン(ガセのボタン演出報知)では第1態様のまま、即ち黒猫が演出ボタンをくわえたままの状態で終了するように構成した例を示したが、第2表示パターンは、第1態様を経て第2態様とは異なる第3態様、例えば黒猫が演出ボタンを画面外に投げ捨ててしまう表示態様等に変化するように構成してもよい。
第1,第2表示パターンは3組以上設けてもよい。また、例えば黒猫が特定形態の演出ボタンをくわえて登場した場合(第1態様のうちの特定第1態様を経た場合)には必ずその演出ボタンが放される(ボタン演出が開始される)(第2態様に変化する)場合のように、対応する第2表示パターン(特定第2表示パターン)が存在しない第1表示パターン(特定第1表示パターン)を設けてもよいし、逆に例えば黒猫が特定形態の演出ボタンをくわえて登場した場合(第1態様のうちの特定第1態様を経た場合)には必ずその演出ボタンをくわえたまま去って行く(ボタン演出は開始されない)(第2態様に変化しない)場合のように、対応する第1表示パターン(特定第1表示パターン)が存在しない第2表示パターン(特定第2表示パターン)を設けてもよい。
第1,第2表示パターン選択テーブルは、例えば演出図柄の変動パターン毎に第1,第2表示パターンの選択率を設定してもよい。
実施形態では、操作有効期間中の演出ボタン12の操作は特別図柄等の図柄変動には影響を与えないように構成したが、演出ボタン12の操作によって特別図柄等の変動内容が変化するように構成してもよい。例えば、演出図柄がリーチになった状態で操作有効期間が開始され、その操作有効期間中に演出ボタン12が操作されることに基づいて、変動中の中図柄が特定図柄で停止していわゆる疑似連を発生させる等の演出が考えられる。
演出ボタン12を複数設け、各演出ボタン12毎にボタン演出報知画像36の表示パターンを設けてもよい。この場合、ボタン演出報知画像36中に各演出ボタン12を識別可能な画像を含めることが望ましい。また演出ボタン12は押しボタン式のものに限られるものではなく、タッチ式、レバー式等どのようなものでもよい。
実施形態では操作有効期間中に演出ボタン12が操作された場合にはその時点で操作有効期間を終了するように構成したが、演出ボタン12が操作されても操作有効期間を継続するように構成してもよい。この場合、例えば操作有効期間中における演出ボタン12の操作回数等に応じて操作時演出処理の内容を異ならせるようにしてもよい。
ボタン演出報知画像36については、第1表示パターンは所定期間の第1態様を経て第2態様に変化し、第2表示パターンは第1態様のまま第2態様に変化することなく終了するように構成すればよく、第1態様と第2態様とをどのように相違させるかは任意である。例えば、演出ボタンを示すボタン画像の色、形、大きさ、動作等を異ならせた第1態様と第2態様とを設けてもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。