以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図8は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、例えば左右方向の略中央に押しボタン式の演出用操作手段12が設けられている。
また前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤21が着脱自在に装着されている。遊技盤21の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、センターケース24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース24には、液晶式等の画像表示手段29の他、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段32、普通保留個数表示手段33等が設けられている。画像表示手段29は、演出図柄表示手段34、特別保留個数表示手段35、予告演出画像表示手段36等を構成している。
普通図柄表示手段31は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段31の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段33がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段26は、特別図柄表示手段32による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口26a,26bと、下特別始動口26bを開閉する開閉手段39とを備え、例えばセンターケース24の下側に配置されている。上特別始動口26aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口26bは、開閉手段39により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段39が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段32は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口26a,26bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口26a,26bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段35が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段34は、例えば特別図柄表示手段32による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段29の表示画面29aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。なお、本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となるものとする。なお、演出図柄表示手段34は、特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
予告演出画像表示手段36は、演出図柄表示手段34による演出図柄の図柄変動中に所定の予告演出画像を表示するもので、複数種類の予告演出のうちの画像表示演出に当選した場合に、その画像表示演出に対応する予告演出画像(演出画像)を画像表示手段29の表示画面(画像表示部)29a上の所定位置に表示するように構成されている。なお、本実施形態では第1予告演出、第2予告演出の2種類の予告演出が設けられており、それらは何れも画像表示手段29の表示画面(画像表示部)29aに所定の演出画像を表示する画像表示演出であるとする。
大入賞手段27は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板40を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段32の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板40が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤21に装着されたセンターケース24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板41は、主に遊技盤21側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段51、普通始動口チェック処理手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通利益状態発生手段55、普通図柄表示制御手段56、特別乱数作成処理手段61、特別始動口チェック処理手段62、特別乱数記憶手段63、特別図柄処理手段64、特別利益状態発生手段65、特別図柄表示制御手段66、特別遊技状態発生手段67、制御コマンド送信手段68等を備えている。
普通乱数作成処理手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段52は、普通図柄始動手段25による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段51で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段71、普通停止図柄選択手段72、変動時間選択手段73等を備えている。当たり判定手段71は、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
普通停止図柄選択手段72は、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には 「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。変動時間選択手段73は、普通図柄の変動時間を選択するものである。
普通利益状態発生手段55は、普通図柄処理手段54の当たり判定手段71による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、下特別始動口26bの開閉手段39を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
普通図柄表示制御手段56は、普通図柄処理手段54による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段31による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段73で選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段72で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段61は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段62は、特別図柄始動手段26への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち特別始動口26a,26bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段61で作成された大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値及び当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
なお本実施形態では、変動パターン乱数及び外れ図柄乱数は特別図柄始動手段26が遊技球を検出した時点では取得せず、特別図柄の変動開始時に取得することとするが、それら変動パターン乱数、外れ図柄乱数等についても大当たり判定乱数値等と同様に特別図柄始動手段26が遊技球を検出した時点で取得し、特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成してもよい。
特別図柄処理手段64は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段74、特別停止図柄選択手段75、変動パターン選択手段76等を備えている。大当たり判定手段74は、乱数抽選により変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定を行うもので、特別図柄表示手段32が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること (特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段63に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かによって大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
特別停止図柄選択手段75は、特別図柄の変動後の停止図柄を選択するもので、例えば大当たり判定手段74による判定結果が大当たり判定であった場合には、特別乱数記憶手段63に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値に基づいて複数種類の大当たり態様の何れかを選択し、大当たり判定手段74による判定結果が外れ判定であった場合には、特別乱数作成処理手段61から取得した外れ図柄乱数値に基づいて複数種類の外れ態様の何れかを選択するように構成されている。
変動パターン選択手段76は、演出図柄の変動パターンを選択するもので、例えば大当たり判定手段74による判定結果が大当たり判定であった場合には1又は複数種類のリーチ大当たり変動パターンの何れかを、大当たり判定手段74による判定結果が外れ判定の場合には特別停止図柄選択手段75により選択された停止図柄がリーチであるか否かに応じて1又は複数種類のリーチ外れ変動パターン又はリーチなし外れ変動パターンの何れかを、特別乱数作成処理手段61から取得した変動パターン乱数値に基づいて選択するように構成されている。
特別利益状態発生手段65は、大入賞手段27を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、大当たり判定手段74による判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段27の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段27を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別図柄表示制御手段66は、特別図柄表示手段32の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段32による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段76で選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段75で選択された停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段67は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、時短状態発生手段67aと高確率状態発生手段67bとを備えている。時短状態発生手段67aは、特別乱数記憶手段63に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値と一致しない場合に、特別遊技状態の一つとして所定期間、例えば特別図柄が所定回数変動するまで時短状態を発生させるように構成されている。時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段32の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口26bの開閉手段39の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。
高確率状態発生手段67bは、特別乱数記憶手段63に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値と一致した場合に、特別遊技状態の一つとして所定期間、例えば次の大当たり発生まで高確率状態を発生させるように構成されている。高確率状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も並行して行われるようになっている。
制御コマンド送信手段68は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別停止図柄を指定する特別停止図柄指定コマンド、特別図柄の停止を指示する変動停止コマンド等を演出制御基板42側に送信する機能、特別遊技状態発生手段67による特別遊技状態の発生時及び終了時にその特別遊技状態に応じて特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板42側に送信する機能、特別保留個数を指定する特別保留個数指定コマンドを演出制御基板42側に送信する機能の他、例えば特別利益状態等の各種遊技状態に基づいて、画像、音声、ランプの制御コマンドを演出制御基板42側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板42は、演出図柄表示手段34、特別保留個数表示手段35、予告演出画像表示手段36、音声出力手段81、ランプ手段82等の各種演出手段を制御するためのもので、演出図柄制御手段83、特別保留個数表示制御手段84、予告演出制御手段(演出制御手段)85等を備えている。
演出図柄制御手段83は、演出図柄表示手段34の表示制御及びそれに伴う音声出力手段81、ランプ手段82の制御を行うもので、主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに基づいて演出図柄表示手段34による演出図柄の変動及びそれに伴う音声出力、ランプ発光を開始させると共に、変動停止コマンドを受信したときに、特別停止図柄指定コマンドと変動パターン指定コマンドとに基づいて選択された停止図柄で演出図柄の変動を停止させ、またそれに伴う音声出力、ランプ発光を停止させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段84は、特別保留個数表示手段35の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段26により新たに遊技球が検出され、主制御基板41から特別保留個数指定コマンドを受信したときに、その特別保留個数指定コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示手段29の表示画面29a上の所定位置にシンボルXを1個追加的に表示するように構成されている。
予告演出制御手段85は、特別図柄表示手段32及び演出図柄表示手段34による図柄変動中に行われる予告演出を制御するもので、予告演出抽選手段(演出抽選手段)91、表示位置設定手段92等を備え、図3に示すような予告演出制御処理を、例えば制御コマンドの受信を契機として実行するように構成されている。予告演出は、例えば特別図柄及び演出図柄の図柄変動中の各期間を単位演出期間として、その図柄変動(単位演出期間)毎に複数種類の予告演出が夫々所定の確率で実行されるようになっている。
本実施形態では、第1予告演出と第2予告演出の2種類が設けられており、その何れもが、画像表示手段29の表示画面(画像表示部)29aに所定の予告演出画像(演出画像)を表示する画像表示演出であるとする。もちろん、画像表示演出を3種類以上設けてもよいし、画像表示演出以外の予告演出、例えば可動体を動作させる予告演出等を設けてもよい。
第1予告演出は、例えば図6に示すように、所定のキャラクター(ここではカッパ)の予告演出画像を予告演出画像表示手段36、即ち画像表示手段29の表示画面(画像表示部)29aの所定位置に表示するように構成されている。また第2予告演出は、演出用操作手段12の操作を伴う操作演出であって、例えば図7(a)に示すように、まず回転する的とそれに狙いを定めた弓矢の画像等よりなるボタン未操作時画像及び演出用操作手段12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる操作有効期間報知画像を予告演出画像表示手段36、即ち画像表示手段29の表示画面(画像表示部)29aの所定位置に表示し、その操作有効期間中に遊技者が演出用操作手段12を操作することに基づいて、操作有効期間報知画像の表示を終了すると共にボタン未操作時画像をボタン操作時画像、例えば図7(b)に示すような、矢が射られて回転する的に命中し、その後に的が停止してその命中した箇所(例えば大当たり信頼度を示す数字)が視認可能となるような画像に切り換えるように構成されている。
また、各予告演出のうちの画像表示演出(本実施形態では第1,第2予告演出の両方)については、優先順位と、画像表示手段29の表示画面(画像表示部)29a上における演出画像の1又は複数の表示位置と、演出画像の表示期間とが予め定められている。優先順位は、演出画像の表示期間と演出画像の表示位置とが共に重複する複数の画像表示演出に当選した場合の調整に用いるためのもので、図4に示すように本実施形態の優先順位は第2予告演出が1位、第1予告演出が2位となっている。
演出画像の表示位置は、その画像表示演出の優先順位に応じて、例えば優先順位1位の画像表示演出である第2予告演出には通常表示位置の1つのみが、優先順位2位の画像表示演出である第1予告演出には通常表示位置に加えて退避表示位置が設けられている。退避表示位置は、通常表示位置と重ならない位置に設定される。なお、優先順位3位以下の画像表示演出がある場合には、その画像表示演出については退避表示位置を2以上設ければよい。
1つの画像表示演出にのみ当選した場合には、その画像表示演出における演出画像の表示位置(画像表示手段29の表示画面29a上における表示位置)は通常表示位置となる。また、複数の画像表示演出に当選した場合であっても、他の画像表示演出との間で表示期間と通常表示位置との少なくとも一方が重複していない場合や、他の全ての画像表示演出よりも優先順位が高い場合には、その画像表示演出における演出画像の表示位置は通常表示位置となる。一方、複数の画像表示演出に当選し、他の1以上の画像表示演出よりも優先順位が低い場合には、その画像表示演出における演出画像の表示位置は退避表示位置となる。
本実施形態では、図4に示すように、優先順位1位の第2予告演出については通常表示位置が画面中央部に設定されており、優先順位2位の第1予告演出については、通常表示位置が第2予告演出と同じ画面中央部に、退避表示位置が通常表示位置と重ならない画面下部に夫々設定されているものとする。また、第1予告演出と第2予告演出とは、表示期間が共に図柄変動開始時から開始されるように設定されているものとする。これにより、第1予告演出と第2予告演出とに共に当選した場合、両者は演出画像の表示期間と通常表示位置とが共に重複することとなる。
なお、本実施形態では、第1,第2予告演出に対して、夫々通常表示位置が表示位置の初期値として予め設定されているものとする。
予告演出制御手段85による予告演出制御処理(図3)では、まず変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判定される(S1)。変動パターン指定コマンドを受信していなければ(S1:No)、ここで予告演出制御処理は終了するが、変動パターン指定コマンドを受信した場合には(S1:Yes)、予告演出抽選手段91によって予告演出抽選処理(S2)が実行される。この予告演出抽選処理では、全2種類の予告演出、即ち第1予告演出と第2予告演出とについて夫々実行するか否かの抽選が個別に行われるようになっている。
ここで、第1予告演出及び第2予告演出の出現率は、例えば図5に示すように変動パターン毎に予め定められており、例えばリーチなし外れ1変動パターンの場合の第1予告演出と第2予告演出の出現率は夫々2%と5%、スーパーリーチ外れ2変動パターンの場合は同じく5%と5%、スーパーリーチ大当たり2変動パターンの場合には同じく20%と10%などとなっている。
続いて、予告演出抽選処理S2の抽選結果に基づいて、当選した予告演出について必要に応じて演出画像の表示位置を初期値から変更する処理(S3〜S8)が実行される。即ち、例えば第1予告演出と第2予告演出との何れか一方にのみ当選した場合(S3:Yes→S5:No、又はS3:No→S4:Yes)には、その当選した予告演出に関する演出画像の表示位置は初期値の通常表示位置のままとなる。一方、第1予告演出と第2予告演出との両方に当選した場合には(S3:Yes→S5:Yes)、両者間で通常表示位置が重複するため、優先順位が低い第1予告演出における演出画像の表示位置が、表示位置設定手段92により初期値の通常表示位置から退避表示位置に変更される(S6)。もちろん、第1予告演出と第2予告演出との何れにも当選しなかった場合にはここで予告演出制御処理は終了する。
S2の抽選で当選した予告演出について演出画像の表示位置を設定する処理が終了すると(S3〜S6)、その当選した予告演出について、画像表示手段29の表示画面29a上における所定の表示位置に演出画像を表示する処理(S7)が実行される。例えば、第1予告演出と第2予告演出の両方に当選した場合には、図8に示すように、第2予告演出の演出画像が通常表示位置、即ち画像表示手段29の表示画面29aの中央部に、第1予告演出の演出画像が退避表示位置、即ち画像表示手段29の表示画面29aの下部に夫々表示される。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、予告演出抽選手段91による抽選で、予告演出画像の表示期間と画像表示手段29の表示画面29a上での通常表示位置とが共に重複する複数の画像表示演出、即ち第1予告演出と第2予告演出とに当選することに基づいて、予告演出制御手段85は、当選した2つの予告演出のうちの1つについて予告演出画像の表示位置を初期値である通常表示位置から退避表示位置に変更することにより、画像表示手段29の表示画面29a上での各予告演出画像の重なりを回避するように構成されているため、その後の演出に影響を及ぼすことなくそれら2つの予告演出を共に実行することが可能である。
また、それら2つの予告演出に予め優先順位を定め、予告演出制御手段85は、予告演出抽選手段91による抽選で当選し且つ表示期間と通常表示位置とが共に重複する2つの予告演出のうち、優先順位の高い第2予告演出については予告演出画像の表示位置を通常表示位置のまま変更せず、優先順位の低い第1予告演出について予告演出画像の表示位置を通常表示位置から退避表示位置に変更するように構成されているため、一定の規則に従って容易且つ確実に表示位置の調整を行うことが可能である。
図9は本発明の第2の実施形態を例示し、予告演出抽選手段91による予告演出抽選処理(S2)の後に、その抽選結果に基づいて、当選した全ての画像表示演出について表示位置を設定するように構成した例を示している。
即ち、本実施形態の予告演出制御処理では、図9に示すように、予告演出抽選処理S2の抽選結果に基づいて、当選した予告演出について演出画像の表示位置を設定する処理が実行される。即ち、まずS2の抽選で第2予告演出に当選した場合(S3:Yes)、この第2予告演出は最も優先順位が高いため、他の第1予告演出の抽選結果とは無関係に、その第2予告演出における演出画像の表示位置が表示位置設定手段92により通常表示位置に設定される(S3a)。
一方、S2の抽選で第2予告演出よりも優先順位の低い第1予告演出に当選した場合に、その第1予告演出における演出画像の表示位置をどのように設定するかは、その第1予告演出よりも優先順位の高い第2予告演出に当選したか否かによって異なる結果となる。即ち、第1予告演出には当選したが、それよりも優先順位の高い第2予告演出には当選しなかった場合には(S3:No→S4:Yes)、その第1予告演出における演出画像の表示位置は表示位置設定手段92により通常表示位置に設定されるが(S4a)、第1予告演出だけでなくそれよりも優先順位の高い第2予告演出にも当選した場合には(S3:Yes→S5:Yes)、通常表示位置は第2予告演出と重複するため、第1予告演出における演出画像の表示位置は表示位置設定手段92により退避表示位置に設定される(S5a)。もちろん、第1予告演出と第2予告演出との何れにも当選しなかった場合にはここで予告演出制御処理は終了する。
S2の抽選で当選した予告演出について演出画像の表示位置を設定する処理が終了すると、その当選した予告演出について、画像表示手段29の表示画面29a上における所定の表示位置に演出画像を表示する処理(S7)が実行される。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、演出画像の表示期間と画像表示部上での通常表示位置とが共に重複する画像表示演出を3つ以上設ける場合には、例えば図10に示すように、優先順位3位以下の画像表示演出に対して退避表示位置を2つ以上設ければよい。
実施形態の予告演出制御処理では、各画像表示演出に関する抽選結果に応じて、各画像表示演出に対して夫々表示位置を設定するように構成したが、各画像表示演出に関する抽選結果に拘わらず、全ての画像表示演出の表示位置を初期値として通常表示位置に設定しておき、抽選の結果、演出画像の表示期間と画像表示部上での通常表示位置とが共に重複する複数の画像表示演出に当選した場合に、優先順位の低い画像表示演出に関する表示位置を初期値である通常表示位置から退避表示位置に変更するように構成してもよい。
各画像表示演出の優先順位は、遊技状態等に応じて変化させてもよい。また、例えば外れ及び大当たりのスーパーリーチ変動パターンの場合には第2予告演出よりも第1予告演出の優先順位を高くし、外れ及び大当たりのノーマルリーチ変動パターンの場合には第1予告演出よりも第2予告演出の優先順位を高くする等、各画像表示演出の優先順位を変動パターンに応じて変化させてもよい。また、各画像表示演出の優先順位を遊技者が選択できるようにしてもよい。また、各画像表示演出に関する通常表示位置、退避表示位置、表示期間等についても、遊技状態、変動パターン等に応じて変化させてもよいし、遊技者が選択できるようにしてもよい。
退避表示位置を複数設け、変動パターンに応じて何れの退避表示位置に変更するかを決定するようにしてもよい。演出画像を退避表示位置に表示する場合は通常表示位置に表示する場合よりも明度を低くするなど、通常表示位置に表示する場合と退避表示位置に表示する場合とで明度を変化させてもよい。また、演出画像の表示位置を通常表示位置から退避表示位置、或いは退避表示位置から他の退避表示位置に変更する場合、合わせて演出画像の表示態様を変更してもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。