以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、飾図)を用いて行われる。また、演出表示装置11の左下方には、特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄(特図)を変動させて表示する図柄変動ゲーム(特図変動ゲーム)が行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。また、以下の説明では、特図変動ゲームと飾図による図柄変動ゲームを纏めて、単に「図柄変動ゲーム」と示す場合がある。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも、大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。
また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
また、特別図柄表示装置12の右方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特図用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口14に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口14へ遊技球が入球すると、保留記憶数はさらに加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口14aを有する始動入賞口14が配設されている。そして、始動入賞口14の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されている。始動入賞口14は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、遊技盤10の右下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉15aを備えた大入賞口(特別電動役物)15が配設されている。大入賞口15の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図2に示す)が配設されている。大入賞口15は、入球した遊技球をカウントスイッチSW2で入球検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口15は、大当り遊技中に大入賞口扉15aの開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口15が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口15の開閉動作が所定回数(本実施形態では1回)行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口15は、入球上限個数の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、最終回のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて大当り遊技が終了する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、遊技者が操作可能な演出用操作ボタンBTが装備されている(図2に示す)。演出用操作ボタンBTは、遊技球を貯留するための球皿部材の上面や前面など、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設されている。
次に、パチンコ遊技機の制御構成について図2を参照して説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が配設されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の動作を制御する。
ここで、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図2に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1,SW2が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12及び特別図柄保留表示装置13が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、及びリーチ判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄となる特図を決定する場合に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。
また、主制御用ROM30bには、図3に示すように、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類される。大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。一方、大当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、大当り図柄を導出させる。
はずれリーチ変動は、大当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。
以下、変動パターンに定められた演出内容について説明する。
図3に示すように、はずれ変動用の変動パターンとして、変動パターンP1が定められている。はずれリーチ変動用の変動パターンとして、変動パターンP2,P3が定められている。大当り変動用の変動パターンとして、変動パターンP4,P5が定められている。
変動パターンP1は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(左列→右列→中列)に従って変動を停止させる変動内容を特定するパターンである。変動パターンP2,P4は、変動内容として「ノーマルリーチ(図中、NRと示す)」を特定するパターンである。また、変動パターンP3,P5は、変動内容として「スーパーリーチ(図中、SRと示す)」を特定するパターンである。
ノーマルリーチは、予め定めた複数の図柄列(本実施形態では、左列と右列の2列)に同一の飾柄を導出させてリーチを形成し、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて飾図を導出する変動内容のリーチ演出である。スーパーリーチは、ノーマルリーチの演出で残り1列の変動中又は変動が停止した後、例えば、特定のキャラクタが登場し、その登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○リーチ」へ移行(発展)して飾図を導出する変動内容のリーチ演出である。
このようにリーチ演出の演出内容を複数の段階に発展させることにより、遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができ、発展前の演出(ノーマルリーチ)に比して、発展後の演出(スーパーリーチ)の方が、大当り期待度が高い。大当り期待度とは、大当りになる場合の出現率とはずれになる場合の出現率を合算した全体出現率に対し、大当りになる場合の出現率の割合を示すものである。このため、大当り期待度は、全体出現率に対して大当りになる場合の出現率の割合が高いほど高くなる。
次に、演出制御基板31について説明する。
図2に示すように、演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。そして、演出制御用CPU31aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用CPU31aには、演出用操作ボタンBTが接続されており、演出用操作ボタンBTが操作(押下)される毎に出力する操作信号を入力する。
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づき、始動入賞口14に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。始動入賞口14に遊技球が入球したか否かの判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)が上限数の4未満であるか否かを判定する。この判定結果が否定(保留記憶数が4未満でない)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、保留記憶数が4未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する。すなわち、主制御用CPU30aは、始動入賞口14で入球検知された遊技球を始動保留球として主制御用RAM30cに記憶させる。保留記憶数を更新(1加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を特図保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、及びリーチ判定用乱数の各値を取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。保留記憶数が「0(零)」の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。
そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた大当り判定用乱数の値を読み出す。このとき、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている始動保留球のうち、最も早く記憶した始動保留球に対応する大当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、当該大当り判定値と一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた特図振分用乱数の値を読み出し、読み出した特図振分用乱数の値をもとに特図の大当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図として決定する。また、大当りを決定した主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。本実施形態では、大当り抽選を実行する主制御用CPU30aが、大当り抽選手段として機能する。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較してリーチか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選でリーチに当選したことから、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
そして、特別図柄開始処理において特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指示する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾図を決定する。具体的に言えば、特図として大当り図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、大当りを認識し得る大当りの図柄組み合わせ(例えば、[777])を決定する。
その一方で、特図としてはずれ図柄が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図としてはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、はずれリーチ変動用の変動パターンが指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図として、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[121]など)を決定する。その一方、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、演出制御用CPU31aは、飾図として、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[123]など)を決定する。そして、演出制御用CPU31aは、画像データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。その後、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
このように構成した本実施形態のパチンコ遊技機では、図柄変動ゲーム中に、当該ゲームが大当りとなる可能性を報知する予告演出を実行させるように構成されている。本実施形態では、表示態様の異なる複数種類の予告演出が用意されている。
以下、本実施形態に用意された予告演出について説明する。
本実施形態では、複数種類(本実施形態では、2種類)の段階予告演出を設定している。段階予告演出とは、演出表示装置11に、複数種類の予告画像を予め定めた順番に従って段階的に表示させ、実行された段階数と表示される予告画像によって大当り期待度が報知される演出である。
最初に、段階予告演出としてのセリフ予告(第1予告演出)について説明する。
セリフ予告は、演出表示装置11の表示領域(画像表示部GH)に、キャラクタによる第1予告画像としてのセリフ画像を予め定めた順番に従って段階的に表示させる態様で行われる演出である。本実施形態では、セリフ予告の実行段階数とセリフの色(予告画像)の組み合わせによって大当り期待度が報知される。本実施形態では、セリフ予告の最大段階数を3段階としている。そして、実行段階数が多いほど、大当り期待度が高く設定されている。さらに、本実施形態では、セリフの色を、「白」と「赤」の2種類に設定している。そして、同一段階数であれば、白色のセリフよりも赤色のセリフの方が、大当り期待度が高く設定されている。また、セリフ予告において、1段階目のセリフ画像は、図柄変動ゲーム開始後、所定のタイミングで表示される一方、2段階目以降のセリフ画像は、演出用操作ボタンBTが操作されたことを契機に表示される。
図6(b)を用いて具体的に説明する。
セリフ予告の各段階で表示されるセリフ画像Y1は、キャラクタを示すアイコンCと、キャラクタのセリフを文字化したメッセージMの組み合わせによって構成されている。本実施形態では、アイコンCが第1識別情報に相当する一方で、メッセージMが第2識別情報に相当する。また、セリフ画像Y1を表示させる第1表示領域H1では、アイコンCを表示させるための第1個別表示領域K1とメッセージMを表示させるための第2個別表示領域K2が規定されている。また、1回の図柄変動ゲーム中、段階予告演出としてセリフ予告のみが実行される場合、各段階のセリフ画像の表示位置は予め定められている。
本実施形態のセリフ予告は、3段階まで実行される場合、図柄変動ゲームの開始後(図6(a))、所定のタイミングで、図6(b)に示すように、1段階目(SU1)のセリフ画像Y1−1が画像表示される。セリフ予告において、画像表示部GHの下部が1段階目のセリフ画像Y1−1を表示させる第1表示領域H1−1として定められているため、1段階目のセリフ画像Y1−1は、画像表示部GHの下部に表示される。
次に、演出用操作ボタンBTが操作されたことを契機として、図6(c)に示すように、1段階目のセリフ画像Y1−1が継続して表示された状態で、2段階目(SU2)のセリフ画像Y1−2が画像表示される。セリフ予告において、画像表示部GHの上部(1段階目の第1表示領域H1−1と重複しない位置)が2段階目のセリフ画像Y1−2を表示させる第1表示領域H1−2として定められているため、2段階目のセリフ画像Y1−2は、画像表示部GHの上部に表示される。その後、演出用操作ボタンBTが操作されたことを契機として、図6(d)に示すように、3段階目(SU3)のセリフ画像Y1−3が画像表示される。セリフ予告において、画像表示部GHの全体が、3段階目のセリフ画像Y1−3を表示させる第1表示領域H1−3として定められているため、3段階目のセリフ画像Y1−3は、画像表示部GH全体に表示される。
なお、セリフ予告が2段階まで実行される場合は、図6(a)〜(c)の流れでセリフ画像が表示され、3段階目のセリフ画像Y1−3が画像表示されることなく図柄変動ゲームが終了する。一方、セリフ予告が1段階だけ実行される場合は、図6(a),(b)の流れでセリフ画像が表示され、2,3段階目のセリフ画像Y1−2,Y1−3が画像表示されることなく図柄変動ゲームが終了する。
次に、段階予告演出としてのキャラ変身予告(第2予告演出)について説明する。
キャラ変身予告は、演出表示装置11の表示領域(画像表示部GH)に、第2予告画像としてのキャラ画像を予め定めた順番に従って段階的に表示させる態様で行われる演出である。本実施形態では、キャラ変身予告の実行段階数によって大当り期待度が報知される。本実施形態では、キャラ変身予告の最大段階数を4段階としている。そして、実行段階数が多いほど、大当り期待度が高く設定されている。
本実施形態のキャラ変身予告は、4段階まで実行される場合、図7(a)〜(e)に示すように、図柄変動ゲームの開始後(図7(a))、各段階のキャラ画像を、所定間隔毎に順次、演出表示装置11に画像表示させる態様で実行される。具体的に説明すると、図7(b)に示すように、図柄変動ゲームの開始後、所定のタイミングで、1段階目(SU1)のキャラ画像Y2−1が画像表示される。キャラ変身予告において、画像表示部GHの略中央が1段階目のキャラ画像Y2−1を表示させる第2表示領域H2−1として定められているため、1段階目のキャラ画像Y2−1は、画像表示部GHの略中央に表示される。なお、キャラ変身予告における1段階目の第2表示領域H2−1は、セリフ予告における1段階目の第1表示領域H1−1とは重複しない位置に設定されている。
次に、図7(c)に示すように、2段階目(SU2)のキャラ画像Y2−2が画像表示される。キャラ変身予告において、画像表示部GHの全体が、2段階目のキャラ画像Y2−2を表示させる第2表示領域H2−2として定められているため、2段階目のキャラ画像Y2−2は、画像表示部GH全体に表示される。その後、図7(d)に示すように、3段階目(SU3)のキャラ画像Y2−3が画像表示される。キャラ変身予告において、画像表示部GHの全体が、3段階目のキャラ画像Y2−3を表示させる第2表示領域H2−3として定められているため、3段階目のキャラ画像Y2−3は、画像表示部GH全体に表示される。その後、図7(e)に示すように、4段階目(SU4)のキャラ画像Y2−4が画像表示される。キャラ変身予告において、画像表示部GHの全体が、4段階目のキャラ画像Y2−4を表示させる第2表示領域H2−4として定められているため、4段階目のキャラ画像Y2−4は、画像表示部GH全体に表示される。つまり、キャラ変身予告では、2段階目以降のキャラ画像が、画像表示部GH全体で表示されるため、画像表示部GHにおいて1段階ずつキャラ画像を切り替える態様で表示されるようになっている。
なお、キャラ変身予告が3段階まで実行される場合は、図7(a)〜(d)の流れでキャラ画像が表示され、4段階目のキャラ画像Y2−4が画像表示されることなく図柄変動ゲームが終了する。一方、キャラ変身予告が2段階まで実行される場合は、図7(a)〜(c)の流れでキャラ画像が表示され、3,4段階目のキャラ画像Y2−3,Y2−4が画像表示されることなく図柄変動ゲームが終了する。また、キャラ変身予告が1段階だけ実行される場合は、図7(a),(b)の流れでキャラ画像が表示され、2〜4段階目のキャラ画像Y2−2〜Y2−4が画像表示されることなく図柄変動ゲームが終了する。
また、本実施形態では、セリフ予告の開始タイミングとキャラ変身予告の開始タイミング、すなわち、1段階目のセリフ画像Y1−1が表示されるタイミングと1段階目のキャラ画像Y2−1が表示されるタイミングが同時期(例えば、左列の図柄が停止するタイミング)に設定されている。このため、1回の図柄変動ゲーム中、セリフ予告とキャラ変身予告が行われると、これらの演出における一部の実行期間が重複することになる。なお、本実施形態における「同時期」とは、遊技者が視認した際に「同時」と認識し得るのであれば、数msずれている場合も含む。もちろん、制御的に同一タイミングで表示されることを「同時期」と設定しても良い。
以下、段階予告演出を実行させるための制御内容について説明する。
まず、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターンに従って、図3に示す演出決定テーブルを参照して、サブパターンを決定する。サブパターンは、セリフ予告及びキャラ変身予告の実行可否を定めたパターンであって、キャラ変身予告の実行時には最終段階数を定める一方で、セリフ予告の実行時には、最終段階数と最終段階におけるセリフの色を定めたパターンである。そして、演出決定テーブルは、サブパターンを決定するために参照されるテーブルであって、演出制御用ROM31bに記憶されている。演出決定テーブルでは、指示された変動パターンの種類毎に、複数のサブパターンのうちいずれか1つを選択し得るように乱数値が所定個数ずつ振り分けられている。また、図中、「白1」や「赤2」などは、セリフ予告における最終段階数と、最終段階におけるセリフの色を示している。
以下、サブパターンに定められた内容を説明する。
サブパターンS1には、キャラ変身予告を「SU1又はSU2」まで実行させる一方で、セリフ予告を実行させない内容が定められている。なお、「SU1又はSU2」とするかは、略同一確率で決定されるようになっている。また、サブパターンS22には、キャラ変身予告を「SU4」まで実行させる一方で、セリフ予告を3段階まで実行させ、かつ最終段階におけるセリフの色を赤色とする内容が定められている(図中、「赤3」と示す)。なお、サブパターンS8〜S22は、セリフ予告とキャラ変身予告を1回の図柄変動ゲーム中に実行させることを定めたサブパターンである。また、以下の説明では、セリフ予告とキャラ変身予告が1回の図柄変動ゲーム中に実行されることを「複合している」と示すことがある。
そして、本実施形態では、はずれ変動用の変動パターンP1に対して、キャラ変身予告の最終段階数として「SU3」を定めたサブパターンS13〜S22に乱数値を振り分けていない。一方、リーチ変動を特定する変動パターンP2〜P5には、サブパターンS13〜S22を選択し得るように乱数値を振り分けている。これにより、キャラ変身予告が3段階目まで発展した場合、リーチ演出が実行されることが確定する。また、スーパーリーチを特定する変動パターンP3,P5のみ、サブパターンS18〜S22を選択し得るように乱数値を振り分けている。これにより、キャラ変身予告が4段階まで発展した場合、スーパーリーチ演出が確定する。
また、本実施形態では、はずれ変動用又ははずれリーチ変動用の変動パターンよりも大当り変動用の変動パターンに対して、セリフの色として「白」を定めた同じ実行段階数のサブパターン(例えば、サブパターンS15)よりも「赤」を定めた同じ実行段階数のサブパターン(例えば、サブパターンS16)が選択され易くなるように乱数値を振り分けている。これにより、同じ実行段階数であれば、セリフの色が白色の場合よりも赤色の場合に、大当り抽選に当選している可能性が高いことになる。また、大当り変動用の変動パターンには、セリフ予告の色が赤色である場合、セリフ予告の段階数が多いサブパターンほど選択され易くなるように乱数値が振り分けられている。一方、はずれリーチ変動用の変動パターンには、セリフ予告の色が赤色である場合、セリフ予告の段階数が多いサブパターンほど選択され難くなるように乱数値が振り分けられている。これにより、セリフの色が赤色である場合、セリフ予告の段階数が多くなるほど、大当り抽選に当選している可能性が高いことになる。
そして、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンに従って、いずれか1つのサブパターンを決定する。例えば、変動パターンP5が指示されている場合、演出制御用CPU31aは、サブパターンS2,S3,S5〜S7,S9,S11,S12,S14〜S22のうちいずれか1つを選択する。
図3を用いてサブパターンを選択した後、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンと、図3にて決定したセリフ予告の最終段階における演出内容に従って、図4に示す詳細内容決定テーブルを参照して、セリフ予告グループを決定する。セリフ予告グループは、セリフ予告における各段階の演出内容を特定するグループである。そして、詳細内容決定テーブルは、セリフ予告グループを決定するために参照されるテーブルであって、演出制御用ROM31bに記憶されている。詳細内容決定テーブルでは、指示された変動パターンと最終段階における演出内容に従って、複数のセリフ予告グループのうちいずれか1つを選択し得るように、乱数値が所定個数ずつ振り分けられている。また、図中、「白白」や「白赤赤」などは、各段階におけるセリフの色を示す。
ちなみに、キャラ変身予告は、各段階で表示されるキャラ画像が予め定められている。これにより、セリフ予告のように詳細を決定する必要がない。よって、セリフ予告の実行否を定めたサブパターンS1〜S3を選択した場合、演出制御用CPU31aは、セリフ予告グループを決定する処理を行わないことになる。
以下、セリフ予告グループに定められた内容を説明する。
例えば、セリフ予告グループG1は、セリフ予告の最終段階数として「1」が、最終段階のセリフの色として「白」が決定された(例えば、サブパターンS4)場合に選択されるグループである。そして、セリフ予告グループG1には、1段階目のセリフ予告において、メッセージMにおけるセリフの色を「白」とすることが定められている。
セリフ予告グループG7は、セリフ予告の最終段階数として「3」が、最終段階のセリフの色として「赤」が決定された(例えば、サブパターンS22)場合に選択されるグループである。そして、セリフ予告グループG7には、1段階目のセリフの色を「白」とし、2段階目のセリフの色を「赤」とし、3段階目のセリフの色を「赤」とすることが定められている。
そして、図4では、セリフ予告の最終段階数として「1」が、最終段階のセリフの色として「白」が決定された(例えば、サブパターンS4)場合、指示された変動パターンの種類に係わらず、セリフ予告グループG1のみが選択されるように乱数値が振り分けられている。
また、セリフ予告の最終段階数として「1」が、最終段階のセリフの色として「赤」が決定された(例えば、サブパターンS5)場合、変動パターンP3〜P5に対して、セリフ予告グループG2のみが選択されるように乱数値が振り分けられている。
また、セリフ予告の最終段階数として「2」が、最終段階のセリフの色として「白」が決定された(例えば、サブパターンS10)場合、指示された変動パターンの種類に係わらず、セリフ予告グループG3のみが選択されるように乱数値が振り分けられている。
また、セリフ予告の最終段階数として「2」が、最終段階のセリフの色として「赤」が決定された(例えば、サブパターンS11)場合、変動パターンP3〜P5に対して、セリフ予告グループG4,G5のどちらかを選択し得るように乱数値が振り分けられている。このとき、はずれリーチ変動用の変動パターンP3よりも、大当り変動用の変動パターンP4,P5の方が、セリフ予告グループG5を選択し易い。
また、セリフ予告の最終段階数として「3」が、最終段階のセリフの色として「赤」が決定された(例えば、サブパターンS12)場合、変動パターンP3〜P5に対して、セリフ予告グループG6〜G8のうちいずれかを選択し得るように乱数値が振り分けられている。このとき、はずれリーチ変動用の変動パターンP3よりも、大当り変動用の変動パターンP4,P5の方が、セリフ予告グループG8を選択し易い。つまり、はずれリーチ変動用の変動パターンが指示されたときよりも、大当り変動用の変動パターンが指示されているときの方が、セリフの色として赤色が出現し易い。
そして、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンと、決定したサブパターンに従って、いずれか1つのセリフ予告グループを決定する。例えば、変動パターンP5が指示されるとともに、サブパターンS22を決定した場合、演出制御用CPU31aは、セリフ予告グループG6〜G8のうちいずれか1つを選択する。
図4を用いてセリフ予告グループを決定した後、演出制御用CPU31aは、決定したセリフ予告グループに従って、図5に示すセリフパターン決定テーブルを参照して、セリフパターンを決定する。セリフパターンは、各段階におけるセリフの内容とセリフの色を定めたパターンである。そして、セリフパターン決定テーブルは、セリフパターンを決定するために参照されるテーブルであって、演出制御用ROM31bに記憶されている。セリフパターン決定テーブルでは、決定したセリフ予告グループの種類毎に、セリフパターンを選択し得るように乱数値が振り分けられている。ちなみに、セリフ予告グループ毎のセリフパターンの選択率は、略同一確率となっている。
以下、セリフパターンに定められた内容を説明する。
例えば、セリフパターンF1〜F3は、セリフ予告グループG1が選択された場合に選択されるパターンである。そして、セリフパターンF1〜F3には、セリフの色として「白」を定める一方で、夫々異なるセリフが定められている。
セリフパターンF4〜F6は、セリフ予告グループG2が選択された場合に選択されるパターンである。そして、セリフパターンF4〜F6には、セリフの色として「赤」を定める一方で、夫々異なるセリフが定められている。
セリフパターンF7〜F9は、セリフ予告グループG3が選択された場合に選択されるパターンである。そして、セリフパターンF7〜F9には、1,2段階目におけるセリフの色として「白」を定める一方で、夫々異なるセリフが定められている。なお、2段階目の「セリフA2」は、1段階目の「セリフA1」と会話が成立する内容とされ、「セリフB2」は、「セリフB1」と会話が成立する内容とされ、「セリフC2」は、「セリフC1」と会話が成立する内容とされている。その他、セリフ予告グループG4〜G8に対しても、それぞれセリフ予告グループ毎に、セリフの内容とセリフの色を定めたセリフパターンF10〜F23が定められている。
そして、演出制御用CPU31aは、決定したセリフ予告グループに従って、いずれか1つのセリフパターンを決定する。例えば、セリフ予告グループG8を決定した場合、演出制御用CPU31aは、セリフパターンF21〜F23のうちいずれか1つを選択する。
本実施形態では、大当り抽選の抽選結果として、変動パターンに従って、キャラ変身予告の実行態様及びセリフ予告の実行態様を決定する演出制御用CPU31aが、予告決定手段として機能する。
以下、演出制御用CPU31aが、セリフ予告及びキャラ変身予告を演出表示装置11にて実行させるために行う制御内容について説明する。
サブパターン、セリフ予告グループ及びセリフパターンを決定した後、演出制御用CPU31aは、決定したサブパターンによって特定される内容が、セリフ予告とキャラ変身予告を複合させる内容であるか否かを判定する。セリフ予告又はキャラ変身予告のどちらか一方のみを定めたサブパターンを決定している場合(例えば、サブパターンS1,S4)、演出制御用CPU31aは、セリフ予告又はキャラ変身予告を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
具体的に説明すると、1回の図柄変動ゲーム中、セリフ予告のみを実行させる場合、演出制御用CPU31aは、セリフパターンに従って、各段階においてセリフ画像を表示させるための画像データを特定する。そして、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム開始後、1段階目のセリフ画像を表示させるタイミングに到達すると、画像データを用いて、第1表示領域H1−1に1段階目のセリフ画像を表示させてセリフ予告を実行する。
また、演出制御用CPU31aは、1段階目のセリフ画像を表示させるタイミングから、演出用操作ボタンBTの操作を有効として判定するための操作有効期間(例えば、1秒)を設定し、計測を開始する。そして、演出制御用CPU31aは、操作有効期間内に演出用操作ボタンBTが操作されたことで操作信号を入力すると、操作有効期間内に演出用操作ボタンBTが操作されたことを認識する。そして、演出制御用CPU31aは、1段階目のセリフ画像Y1−1を表示させたまま、画像データを用いて、第1表示領域H1−2に2段階目のセリフ画像Y1−2を表示させる。一方、操作有効期間内に演出用操作ボタンBTが操作されなかった場合、演出制御用CPU31aは、2段階目のセリフ画像Y1−2を表示させない。
また、演出制御用CPU31aは、2段階目のセリフ画像を表示させると、表示させたタイミングから、操作有効期間(例えば、1秒)を設定し、計測を開始する。そして、演出制御用CPU31aは、操作有効期間内に演出用操作ボタンBTが操作されたことで操作信号を入力すると、画像データを用いて、第1表示領域H1−3に、3段階目のセリフ画像Y1−3を表示させる。一方、操作有効期間内に演出用操作ボタンBTが操作されなかった場合、演出制御用CPU31aは、3段階目のセリフ画像Y1−3を表示させない。つまり、2段階目以降のセリフ画像は、演出用操作ボタンBTが操作されない限り、表示されないようになっている。そして、2段階目以降、演出用操作ボタンBTが操作された際には、図6(a)〜(d)に示すように、各段階のセリフ画像が重複しないので、遊技者は、セリフ予告の変化態様を、最初から最後まで視認することができる。
一方、1回の図柄変動ゲーム中、キャラ変身予告のみを実行させる場合、演出制御用CPU31aは、各段階においてキャラ画像を表示させるための画像データを用い、予め定めた表示タイミングで、第2表示領域H2にキャラ画像を表示させてキャラ変身予告を実行する。この場合、図7(a)〜(e)に示すように、各段階のキャラ画像Y2−1〜Y2−4が、各段階に対応する第2表示領域H2−1〜H2−4に表示される。これにより、遊技者は、キャラ変身予告の変化態様を、最初から最後まで視認することができる。
一方、サブパターンによって特定される内容が、セリフ予告とキャラ変身予告を複合させる内容である場合(例えば、サブパターンS8)、演出制御用CPU31aは、セリフ予告とキャラ変身予告の最終段階数がそれぞれ「3」以上であるか否かを判定する(例えば、サブパターンS22)。
セリフ予告及びキャラ変身予告の最終段階数がそれぞれ「3」以上であった場合、演出制御用CPU31aは、セリフ予告又はキャラ変身予告のどちらか一方の実行を規制する。このとき、演出制御用CPU31aは、略同一確率でセリフ予告又はキャラ変身予告の実行を規制することを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、実行の規制を決定した方の予告演出は実行せず、実行の規制を決定しなかった方の予告演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
一方、セリフ予告とキャラ変身予告のうち、少なくともどちらか一方の最終段階数が「3」未満であった場合(例えば、サブパターンS12)、演出制御用CPU31aは、セリフ予告とキャラ変身予告の実行を決定する。この場合、前述したように、セリフ予告の開始タイミングとキャラ変身予告の開始タイミングが同時期に設定されているため、セリフ予告とキャラ変身予告が行われると、これらの演出における一部の実行期間が重複することになる。
本実施形態では、セリフ予告の1段階目のセリフ画像Y1−1は、画像表示部GHの下部に区画形成された第1表示領域H1−1に表示される一方で、セリフ予告の2段階目のセリフ画像Y1−2は、画像表示部GHの上部に区画形成された第1表示領域H1−2に表示される。一方、キャラ変身予告の1段階目のキャラ画像Y2−1は、画像表示部GHの略中央に区画形成された第2表示領域H2−1に表示される一方で、キャラ変身予告の2段階目以降のキャラ画像Y2−2〜Y2−4は、画像表示部GH全体に表示される。
そして、本実施形態では、1段階目のセリフ画像Y1−1が表示されるタイミングと1段階目のキャラ画像Y2−1が表示されるタイミングが同時期に設定されている。また、本実施形態では、演出用操作ボタンBTが操作されたことを契機に2段階目以降のセリフ画像を表示させるようにしている。よって、セリフ予告とキャラ変身予告が同時期に開始される場合、1段階目のキャラ画像Y2−1が表示されている期間中に、演出用操作ボタンBTが操作されることもある。
この場合、1段階目のキャラ画像Y2−1と一部重複するように2段階目のセリフ画像Y1−2が表示され、1段階目のキャラ画像Y2−1の視認性が低下してしまう。
また、1段階目のキャラ画像Y2−1の表示期間が終了し、2段階目のキャラ画像Y2−2が表示されたとしても、セリフ予告では、1段階目のセリフ画像Y1−1を継続して表示させたまま、2段階目のセリフ画像Y1−2を表示させるようになっている。これにより、2段階目のキャラ画像Y2−2の下部と上部に、1段階目のセリフ画像Y1−1と2段階目のセリフ画像Y1−2が重複し、2段階目のキャラ画像Y2−2の視認性が低下してしまう。
そこで、演出制御用CPU31aは、セリフ予告及びキャラ変身予告の実行期間が重複する場合、重複期間(詳しくは、2段階目のセリフ画像Y1−2が表示されるタイミング)において、セリフ予告では、1,2段階目のセリフ画像Y1−1,Y1−2を同一の表示領域(1段階目の第1表示領域H1−1)に表示させる。その一方で、重複期間において、キャラ変身予告では、2段階目のキャラ画像Y2−2を、第1表示領域H1−1と一部異なる2段階目の第2表示領域H2−2に表示させるようになっている。
具体的に説明すると、演出制御用CPU31aは、セリフ予告及びキャラ変身予告の開始タイミングに到達すると、セリフ画像及びキャラ画像を表示させる。このとき、図8(b)に示すように、1段階目の第1表示領域H1−1と1段階目の第2表示領域H2−1は、画像表示部GHにおいて重複しない位置に区画形成されている。これにより、1段階目のセリフ画像Y1−1と1段階目のキャラ画像Y2−1は、重複することなく表示される。つまり、演出制御用CPU31aは、セリフ画像とキャラ画像が重複するか否かを判定せず、セリフ予告とキャラ変身予告をそれぞれ独立して実行させる。
その後、演出制御用CPU31aは、演出用操作ボタンBTから操作信号を入力すると、2段階目のセリフ画像Y1−2を表示させる。このとき、演出制御用CPU31aは、2段階目のセリフ画像Y1−2を、1段階目の第1表示領域H1−1に表示させる。また、演出制御用CPU31aは、図8(c)に示すように、2段階目のセリフ画像Y1−2として、第1,第2個別表示領域K1,K2を、1段階目のセリフ画像Y1−1における第1,第2個別表示領域K1,K2の表示位置と入れ替えて、アイコンC及びメッセージMを表示させる。
これとは別に、演出制御用CPU31aは、2段階目のキャラ変身予告の開始タイミングに到達すると、2段階目のキャラ画像Y2−2を、2段階目の第2表示領域H2−2(画像表示部GH全体)に表示させる。このとき、2段階目のキャラ画像Y2−2は、画像表示部GH全体に表示される一方で、2段階目のセリフ画像Y1−2は、画像表示部GHの下部、かつ画像表示部GHにおいて2段階目のキャラ画像Y2−2よりも上層に表示されるため、2段階目のキャラ画像Y2−2の一部に2段階目のセリフ画像Y1−2が重複することになる。ただし、1,2段階目のセリフ画像Y1−1,Y1−2が、画像表示部GHの上下に分かれて表示される場合に比して、2段階目のキャラ画像Y2−2の視認性が低下せず、2段階目のキャラクタを遊技者に視認させることができる。また、2段階目のキャラ画像Y2−2の一部に2段階目のセリフ画像Y1−2が重複した場合であっても、各予告画像に記載された大当り期待度を示すために必要な情報は、視認できるようになっている。
そして、2段階目のキャラ画像Y2−2を表示させてから規定時間が経過した後、演出制御用CPU31aは、3段階目以降のキャラ画像Y2−3を、画像表示部GHにて切り替え表示させる。
本実施形態では、決定した演出内容で演出表示装置11にセリフ予告及びキャラ変身予告を実行させる演出制御用CPU31aが、演出制御手段として機能する。
以下、段階予告演出の態様を、その作用とともに図8に従って説明する。
以下の説明では、キャラ変身予告の最終段階数として「4」を、セリフ予告の最終段階数として「2」を、最終段階におけるセリフの色として「赤」を特定するサブパターンS21が選択されたものとする。
この場合、図柄変動ゲームの開始後(図8(a))、左列の停止タイミングに到達すると、図8(b)に示すように、1段階目のセリフ画像Y1−1と、1段階目のキャラ画像Y2−1がそれぞれ画像表示部GHに表示される。具体的には、1段階目のセリフ画像Y1−1が、画像表示部GHの下部に区画形成された第1表示領域H1−1に表示される一方で、1段階目のキャラ画像Y2−1が、画像表示部GHの略中央に区画形成された第2表示領域H2−1に表示される。そして、第1表示領域H1−1と第2表示領域H2−1は、画像表示部GHにおいてそれぞれ重複しない位置に形成されている。これにより、1段階目のセリフ画像Y1−1と、1段階目のキャラ画像Y2−1は、それぞれ重複することなく表示されるため、遊技者は、どちらの画像も視認することができる。
その後、遊技者が、演出用操作ボタンBTを操作すると、図8(c)に示すように、2段階目のセリフ画像Y1−2が表示される。このとき、2段階目のセリフ画像Y1−2は、1段階目のセリフ画像Y1−1が表示された第1表示領域H1−1に表示される。また、2段階目のセリフ画像Y1−2では、第1,第2個別表示領域K1,K2の位置が、1段階目のセリフ画像Y1−1における第1,第2個別表示領域K1,K2の位置と入れ替わっている。これにより、遊技者は、1,2段階目のセリフ画像Y1−1,Y1−2が、同一の第1表示領域H1−1に表示された場合であっても、第1,第2個別表示領域K1,K2の位置が左右入れ替わっていることから、2段階目のセリフ予告に発展したことを認識することができる。
一方、図8(c)に示すように、2段階目のキャラ変身予告では、キャラ変身予告が単独で行われる場合と同じように、画像表示部GH全体において、2段階目のキャラ画像Y2−2が表示される。この場合、1,2段階目のセリフ画像Y1−1,Y1−2が、同一の第1表示領域H1−1に表示されるため、2段階目のキャラ画像Y2−2と重複する箇所が、第1表示領域H1−1のみとなるので、セリフ画像とキャラ画像の両方の視認性が低下し難くなる。また、図8(c)に示すように、2段階目のキャラ画像Y2−2の一部に2段階目のセリフ画像Y1−2が重複しているが、1,2段階目のセリフ画像Y1−1,Y1−2が、画像表示部GHの上下に分かれて表示される場合に比して、2段階目のキャラ画像Y2−2の視認性は低下しない。また、2段階目のキャラ画像Y2−2の一部に2段階目のセリフ画像Y1−2が重複した場合であっても、各予告画像に記載された大当り期待度を示すために必要な情報(この例では、セリフ画像Y1−2におけるセリフの色とキャラ画像Y2−2におけるキャラクタ)は、視認できるようになっている。
その後、セリフ予告の最終段階数として「2」が決定されたことにより、セリフ予告は終了する。一方、2段階目のキャラ画像Y2−2の表示後、所定時間が経過したことを契機として、図8(d)に示すように、3段階目のキャラ画像Y2−3が、画像表示部GH全体に表示される。そして、3段階目のキャラ画像Y2−3の表示後、所定時間が経過したことを契機として、図8(e)に示すように、4段階目のキャラ画像Y2−4が、画像表示部GH全体に表示される。これにより、セリフ予告とキャラ変身予告の実行期間が重複する場合であっても、これらの予告演出の視認性を低下させることなく、セリフ予告とキャラ変身予告の一部始終を最後まで見せることができる。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)キャラ変身予告が実行されずに、セリフ予告が実行される場合、異なる段階のセリフ画像Y1を異なる表示領域に表示させるようにした。セリフ予告及びキャラ変身予告の実行期間が重複する場合、重複期間(2段階目のセリフ画像Y1−2が表示されるタイミング)において、セリフ予告では、異なる段階のセリフ画像Y1を同一の第1表示領域H1−1に表示させるようにした。一方、キャラ変身予告では、第1表示領域H1−1とは一部が異なる第2表示領域H2−2(実施形態では、画像表示部GH全体)に、キャラ画像Y2を表示させるようにした。これによれば、セリフ予告及びキャラ変身予告の実行期間が重複する場合であっても、セリフ予告の表示領域とキャラ変身予告の表示領域が完全に重複することがない。よって、セリフ予告とキャラ変身予告の実行期間が重複する場合であっても、これらの予告演出の視認性を低下させることなく、セリフ予告とキャラ変身予告の一部始終を最後まで見せることができる。
(2)連続する段階数のセリフ画像Y1が表示される際、セリフ画像Y1を構成するアイコンCを表示させるための第1個別表示領域K1と、メッセージMを表示させるための第2個別表示領域K2の規定箇所を入れ替えるようにした。よって、同一の第1表示領域H1で行われるセリフ予告であっても、アイコンCの表示位置とメッセージMの表示位置の入れ替わりからセリフ予告が段階的に行われていることを分かり易く報知することができる。
(3)セリフ予告と同じく、キャラ変身予告も、複数種類のキャラ画像Y2を段階的に表示させる内容で行われる場合、セリフ予告及びキャラ変身予告の実行期間が重複する際には、重複期間においては、セリフ画像Y1及びキャラ画像Y2を異なる表示領域にそれぞれ表示させるようにした(第1表示領域H1−1、第2表示領域H2−1)。これにより、キャラ変身予告の第1表示領域H1とセリフ予告の第2表示領域H2が重複しないので、セリフ予告とキャラ変身予告の実行期間が重複する場合であっても、これらの予告演出の視認性を低下させることなく、予告演出の一部始終を最後まで見せることができる。
(4)セリフ予告又はキャラ変身予告において、特定段階数(実施形態では、3段階)以上のセリフ画像Y1又はキャラ画像Y2が表示された際には、大当り抽選に当選している確率が高いということになる。このような場合、遊技者は、特定段階数以上のセリフ画像Y1又はキャラ画像Y2から大当り抽選に当選している可能性の高低を把握するようになっている。よって、特定段階数以上のセリフ画像Y1又はキャラ画像Y2が表示される際には、どちらか一方の予告演出の実行を規制することで、特定段階数以上のセリフ画像Y1又はキャラ画像Y2のどちらか一方を確実に遊技者に視認させることができる。これにより、その予告画像から遊技者に大当りへの期待感を抱かせることができる。
(5)セリフ予告及びキャラ変身予告において、どちらも複数段階まで発展する内容で行われたとしても、セリフ画像Y1を、演出用操作ボタンBTの操作を契機に表示させる態様とすることで、どちらの予告演出が実行されているのかを演出用操作ボタンBTの操作の必要性の有無に応じて区別し易くすることができる。つまり、演出用操作ボタンBTの操作によって表示された方の予告画像がセリフ画像Y1であり、演出用操作ボタンBTを操作しなくても表示される予告画像がキャラ画像Y2となり、セリフ予告又はキャラ変身予告のどちらに基づく予告画像であるのかが区別し易くなる。
(6)第1表示領域H1−1に2段階目のセリフ画像Y1−2を表示させた場合であっても、2段階目のキャラ画像Y2−2の一部に2段階目のセリフ画像Y1−2が重複することになる。ただし、各予告画像に記載された大当り期待度を示すために必要な情報(この例では、セリフ画像Y1−2におけるセリフの色とキャラ画像Y2−2におけるキャラクタ)は視認できるような位置関係となるよう、第1表示領域H1−1を設定している。これにより、1,2段階目のセリフ画像Y1−1,Y1−2が、画像表示部GHの上下に分かれて表示される場合に比して、2段階目のキャラ画像Y2−2の視認性が低下しない。
(7)セリフ予告とキャラ変身予告の実行期間が重複する場合、演出制御用CPU31aは、キャラ変身予告については、キャラ変身予告を単独で行わせる場合と同じように表示制御を行っても、セリフ予告について予告画像の表示位置を規制するだけで、セリフ画像とキャラ画像両方の視認性を低下させることなく、セリフ予告及びキャラ変身予告の変化態様を遊技者に最後まで視認させることができる。すなわち、セリフ予告とキャラ変身予告の両方の予告演出において予告画像の表示位置を規制しなくても、セリフ予告及びキャラ変身予告の変化態様を遊技者に最後まで視認させることができるので、制御手順の簡略化に繋がる。
(8)セリフ予告では、一度、赤色のセリフが表示されたのであれば、以降、白色のセリフに降格することがない。これにより、赤色のセリフが表示されたときには、白色のセリフが表示されたときよりも、大当りに期待を持つことができるとともに、降格しない安心感を与えることができる。
(9)セリフ予告とキャラ変身予告を同一期間に重複して実行可としたことで、どちらか一方の予告が単独で行われる場合に比して、より一層、大当りに期待を持たせることができる。また、それぞれの予告演出を重複することなく実行させる場合に比して、図柄変動ゲームの変動時間が間延びしない。さらに、セリフ予告とキャラ変身予告では、1段階目の予告画像が同時に表示されるため、各予告演出の1段階目であることを遊技者に分かり易く知らせることができる。
(10)セリフ予告では、セリフ予告の実行段階数とセリフの色の組み合わせによって大当り期待度を報知するようにした。これにより、遊技者は、セリフ予告の実行段階数に加え、セリフの色にも注目することになる。そして、遊技者が大当り期待度の高低を把握するために必要なセリフの色が、その他の予告画像によって隠されてしまうことがないよう、2段階目のセリフ画像Y1−2を、2段階目のキャラ画像Y2−2よりも上層であって、1段階目のセリフ画像Y1−1よりも上層に位置するように表示させた。これにより、遊技者は、2段階目のセリフ画像Y1−2を確実に視認することができるので、セリフの色や実行段階数から大当り期待度を認識し得る。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・実施形態では、セリフ予告及びキャラ変身予告の最終段階数がそれぞれ「3」以上となるサブパターンを設定しなくても良い(例えば、サブパターンS17,S22)。
・実施形態において、セリフ予告が単独で行われる場合、1段階目のセリフ画像Y1−1を画像表示部GH上から消去した後、1段階目のセリフ画像Y1−1が表示されていた表示領域とは異なる位置に、2段階目のセリフ画像Y1−2を表示させる態様であっても良い。
・実施形態において、セリフ予告が単独で行われる場合、1,2段階目のセリフ画像Y1−1,Y1−2を、異なる表示領域において同時に表示させても良い。
・実施形態において、セリフ予告が単独で行われる場合、1,2段階目の第1表示領域H1−1,H1−2の一部が重複していても良い。
・実施形態では、セリフ予告において、1段階目のセリフ画像Y1−1を表示させた後、2段階目のセリフ画像Y1−2を表示させることなく、3段階目のセリフ画像Y1−3を表示させても良い。同様に、キャラ変身予告において、1段階目のキャラ画像Y2−1を表示させた後、4段階目のキャラ画像Y2−4を表示させても良い。つまり、予告画像を段階的に表示させず、数段階飛ばして予告画像を表示させるようにしても良い。
・実施形態におけるセリフ予告は、演出用操作ボタンBTの操作を必要とせず、キャラ変身予告のように、所定時間が経過したことを契機に次段階のセリフ画像を表示させても良い。
・実施形態におけるセリフ予告では、1段階目のセリフ画像Y1−1を表示させる際にも、2段階目以降のセリフ画像Y1−2,Y1−3と同様、演出用操作ボタンBTが操作されたことを契機に表示させるようにしても良い。
・実施形態では、セリフ予告を複数段階以上実行させることを決定した場合、各段階におけるセリフの色を、1段階ずつ決定するようにしても良い。このとき、1段階前のセリフの色よりも大当り期待度の低い色を決定してしまった場合、1段階前のセリフと同じ色以上の大当り期待度が定められたセリフの色を決定するまで、抽選を実行し続けても良い。また、今回の段階におけるセリフの色を決定する際には、1段階前のセリフよりも大当り期待度の低い色を含まない抽選テーブルの中から、いずれか1色を決定するようにしても良い。
・実施形態におけるキャラ変身予告では、実行段階数に加え、キャラ画像の種類からも大当り期待度が報知されるようにしても良い。
・実施形態におけるセリフ予告では、実行段階数のみによって大当り期待度が報知されるようにしても良い。
・実施形態では、第1表示領域H1−1と第2表示領域H2−1が、一部重複しても良い。ただし、第1表示領域H1−1に表示されたセリフ画像Y1と第2表示領域H2−1に表示されたキャラ画像Y2の両方において、これらの予告画像に記載された大当り期待度を示すために必要な情報は、視認し得ることが望ましい。
・実施形態では、1段階目の第1表示領域H1−1と、2段階目の第2表示領域H2−2が、全く重複しなくても良い。なお、実施形態のように、1段階目の第1表示領域H1−1と、2段階目の第2表示領域H2−2が重複する場合であっても、各予告画像に記載された大当り期待度を示すために必要な情報は、視認し得るような位置に各表示領域を区画形成することが望ましい。
・実施形態における段階予告演出は、大当り遊技中などに実行しても良い。この場合、段階予告演出の実行段階数が多くなるにつれて、確変状態が付与されている可能性が高いことや、変短上限回数として多い回数が決定されている可能性が高いことを報知するようにしても良い。なお、確変状態とは、大当り遊技終了後に大当り判定の当選確率を通常状態よりも高確率に変更された状態である。変短状態とは、始動入賞口への単位時間あたりの遊技球の入球率を通常状態時よりも高められた状態である。なお、変短状態を付与する場合、始動入賞口14に開閉動作を行う開閉羽根を設け、変短状態時には、通常状態時に比して、単位時間あたりにおける開閉羽根が開状態を取り得る時間が長くなるようにすることが好ましい。
・実施形態において、キャラ変身予告では、最終段階のみ、キャラ画像Y2−5を画像表示部GH全体に表示させ、1〜4段階目のキャラ画像Y2−1〜Y2−4は、画像表示部GHにおいて空いている表示領域に重複することなく夫々表示される態様としても良い。このような場合、図9(a)〜(e)に示すような態様で、セリフ予告及びキャラ変身予告が実行されることになる。すなわち、図柄変動ゲームの開始後(図9(a))、図9(b)に示すように、1段階目のキャラ画像Y2−1が表示される。そして、所定時間の経過後、図9(c)に示すように、2段階目のキャラ画像Y2−2が画像表示部GHの右下部に表示されると同時に、1段階目のセリフ画像Y1−1が、画像表示部GHの左下部に表示される。次に、所定時間の経過後、図9(d)に示すように、2段階目のキャラ画像Y2−2が画像表示部GHの右下部に継続して表示された状態で、3段階目のキャラ画像Y2−3が画像表示部GHの上部に表示される。それと同時に、2段階目のセリフ画像Y1−2が、1段階目のセリフ画像Y1−1の表示位置と同一の表示領域に表示される。その後、図9(e)に示すように、画像表示部GHの左下部に表示されたセリフ画像Y1−2を非表示状態とした後、2,3段階目のキャラ画像が継続して表示された状態で、画像表示部GHの左下部に4段階目のキャラ画像Y2−4が表示される。
・実施形態では、1,2段階目のセリフ画像を構成する第1,第2個別表示領域K1,K2を入れ替えなくても良い。
・実施形態では、セリフ予告とキャラ変身予告が同時に実行されなくても良い。例えば、キャラ変身予告において、2段階目のキャラ画像Y2−2が表示されている期間中に、1段階目のセリフ画像Y1−1が表示されても良い。ただし、2段階目のセリフ画像Y1−2は、1段階目のセリフ画像Y1−1が表示された第1表示領域H1−1に表示されるものとする。
・実施形態において、第2予告演出は、キャラ変身予告のような段階予告演出ではなく、1つの画像表示部GH全体を用いて1つの予告画像が1回表示されただけで予告演出が終了するような態様であっても良い。
・実施形態では、主制御用CPU30aが、特図指定コマンドに代えて、当りの種類を示す制御コマンドを出力しても良い。なお、この制御コマンドは、当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特図の種類は特定できない。また、当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、変動パターン指定コマンドをもとに演出制御用CPU31aが、当りの種類を把握するようにしても良い。
・実施形態において、演出制御基板31を、演出表示装置11を制御する演出表示制御基板と、演出表示制御基板を制御するサブ統括制御基板とに分けても良い。
・実施形態は、特図と飾図を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特図のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(ハ)複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示装置を備え、前記表示装置において、遊技者に有利な特典が付与される可能性を報知する予告演出が行われ、前記予告演出には、表示態様の異なる複数種類の予告演出が用意され、予め定めた演出実行期間において複数種類の予告演出を実行可能に構成した遊技機において、遊技者に有利な特典を付与するか否かを決定する特典決定手段と、前記特典決定手段の決定結果をもとに、前記演出実行期間において実行させる予告演出の演出内容を決定する予告決定手段と、前記予告決定手段が決定した演出内容に従って前記表示装置に前記予告演出を実行させる演出制御手段と、を備え、前記予告演出には、それぞれ演出内容の異なる第1予告演出と第2予告演出を含み、前記第1予告演出は、複数種類の第1予告画像を段階的に表示させる内容で行われるようになっており、前記演出制御手段は、前記第2予告演出を実行せずに前記第1予告演出を実行させる場合、異なる段階の第1予告画像を異なる表示領域に表示させる一方で、前記第1予告演出及び前記第2予告演出の実行期間が重複する場合、重複期間において、前記第1予告演出では、異なる段階の第1予告画像を同一の表示領域に表示させる一方で、前記第2予告演出では、第2予告画像を、前記第1予告画像を表示させる表示領域とは少なくとも一部が異なる表示領域に表示させることを特徴とする遊技機。