まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。尚、以下の説明にて、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例でパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。また、本実施例で『実行』と『実施』とは同義である。
図1は、本実施例のパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDで点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよいし、これら「00」〜「99」を示す各セグメントが、「00」〜「99」を視認不能にランダムに配置された表示器により変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2の遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bでの第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、演出表示装置5の「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bでの第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、演出図柄の変動表示中に変動表示が仮停止するようにしても良い。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5R、または、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)にて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とする。
尚、以下の説明では、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでの表示を保留表示と総称することがある。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態にて、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する所定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)し易くする。このように、大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、開放状態となった特別可変入賞球装置7の大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、他の入賞口(例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7の大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
また、パチンコ遊技機1には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8R,8Wが設けられている。本実施例では、遊技機用枠3の左上部位置に設けられた第1スピーカ8Lと、遊技機用枠3の右上部位置に設けられた第2スピーカ8Rと、遊技機用枠3の下部位置に設けられた第3スピーカ8Wとの3つのスピーカ8L,8R,8Wが設けられている。尚、遊技機用枠3の左右下部位置には、スピーカを模した装飾部分が設けられている。また、本実施例では、遊技機用枠3の上部位置に設けられた2つの第1及び第2スピーカ8L,8Rから出力される音により音像(ステレオ音)を構成可能となっている。つまり、第1及び第2スピーカ8L,8Rは、ステレオスピーカとなっている。このように本実施例では、第1及び第2スピーカ8L,8Rにより左右方向に広がる音像が構成可能となっている。更に、下部位置に設けられた第3スピーカ8Wは、主に低音の出力を行うスピーカ、所謂ウーハーとなっている。
また、パチンコ遊技機1には、各種演出を実行するときに発光する演出LED9L,9C,9Rが設けられている。具体的には、演出LED9L,9C,9Rは、遊技機用枠3の左上部位置に第1演出LED9L、遊技機用枠3の右上部位置に第2演出LED9R、遊技機用枠3の中央上部位置に第3演出LED9Cがそれぞれ設けられている。
また、パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置に供給可能に保持(貯留)する打球供給皿が設けられている。
本実施例では、遊技機用枠3の下部における手前側の所定位置(例えば中央部分)などに、遊技者が操作可能な操作部ユニット31が設けられている。この操作部ユニット31は、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aと、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bとを有している。また、スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を有し、遊技者は操作桿を把持して操作を行うことができる。更に、プッシュボタン31Bは、操作桿の上方位置(例えば打球供給皿の本体の上面における手前側の所定位置)に設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。更に、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bを制御するコントローラユニット32が搭載されている。更に、遊技機用枠3の下部には、駆動することによってプッシュボタン31Bを振動させることが可能な振動用モータ31Cが設けられており、振動用モータ31Cは演出制御基板12に接続されている。その他にも、遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、第1〜第3スピーカ8L,8R,8W、及び第1〜第3演出LED9L,9C,9Rといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5の表示動作や、第1〜第3スピーカ8L,8R,8Wからの音声出力動作の全部または一部、第1〜第3演出LED9L,9C,9Rなどの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、第1〜第3スピーカ8L,8R,8Wから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、第1〜第3演出LED9L,9C,9Rなどの点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
本実施例では、第1及び第2スピーカ8L,8Rの配線は、音声制御基板13に直接接続されている。また、第3スピーカ8Wの配線は、後述するように、フローティングコネクタ部(外枠側コネクタ215及び遊技機用枠側コネクタ216)を介して音声制御基板13に接続されている。
スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bを制御するコントローラユニット32は、演出制御基板12に接続されている。尚、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bに搭載された各種機器の制御は、コントローラユニット32を介して演出制御基板12により実行されるとともに、スティックコントローラ31Aに対する傾倒操作を検出したときの検出信号や、プッシュボタン31Bに対する押下動作を検出したときの検出信号は、コントローラユニット32を介して演出制御基板12に入力される。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、遊技機用枠3が開放されたことを検知する扉開放スイッチ24からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、扉開放スイッチ24は、遊技機用枠3の開放を検知できるものであれば、任意の構成のセンサを使用することができる。尚、扉開放スイッチ24は1のスイッチではなく、複数のスイッチやセンサを含むのもであっても良い。
また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aでの変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bでの変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドであり、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。尚、コマンド8C00Hは、「はずれ」となる旨の事前決定結果を示すコマンドである。コマンド8C01Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C02Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C03Hは、「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨を通知するコマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、その時点の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態となったこと及び大入賞口が開放状態である期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態から閉鎖状態となったこと及び大入賞口が閉鎖状態である期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
尚、大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態のラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」または「1」〜「5」)に対応したEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口への入賞によって第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口への入賞によって第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
コマンドC800(H)は、バックアップRAMにデータが保存されている場合(突然の停電等により電力供給が一時的に停止されてその後に復旧した場合)にパチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(電断復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されたときに、電断復旧指定コマンドを送信する。尚、電断復旧指定コマンドを受信した演出制御基板12は、演出表示装置5に電断復旧中であることを示す電断復旧中画面を表示する。
コマンドC900(H)は、クリアスイッチが操作されたことによりバックアップRAMにデータが保存されていない場合にパチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、電断投入指定コマンドを送信する。尚、電断投入指定コマンドを受信した演出制御基板12は、演出表示装置5に電源が投入されたことを示す電源投入画面を表示する。
コマンドD1XX(H)は、遊技状態に応じた背景画像の表示を指定するための演出制御コマンド(背景画像指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の変動表示を実行する毎及びデモ表示設定を実行する毎に演出制御基板12に対して送信されるコマンドであり、演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、受信した背景画像指定コマンドに応じた背景画像を演出表示装置5に表示する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
これら遊技の進行の制御として遊技制御用マイクロコンピュータ100(CPU103)は、遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口に入賞したことにもとづいて、乱数回路104から抽出した乱数(大当り判定用乱数)を用いて該始動入賞にもとづく変動表示において大当りとするか否かを決定する抽選を行う処理や、乱数回路104から抽出した乱数(変動パターン判定用乱数)を用いて変動パターン(変動表示時間)を複数の変動パターンのうちから決定して該決定した変動パターンを設定する処理を行う。また、大当り遊技状態における特別可変入賞球装置7の大入賞口扉を開閉する処理や、大当り遊技終了後の遊技状態を、遊技状態フラグ等を更新する等によって変動表示時間の短い変動パターンが決定されやすい時短状態や大当りの抽選確率が通常状態よりも高確率(例えば通常状態(低確率状態)の10倍)となる確変状態とする処理や、時短状態や確変状態とする変動回数を設定(セット)するともに、該セットされた変動回数が実行されたときに時短状態や確変状態を終了する処理等を行う。
主基板11では、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路104にてカウントしない乱数値については、CPU103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図4は、本実施例の変動パターンを示している。本実施例では、図4に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図4に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図4に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図5は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bの特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、本実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3に基づいて変動パターンを、前述した図4に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
図6(A)に示す設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。つまり、変動特図が第2特図である場合には、ラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てがなく、第2特図の変動表示では「確変大当りB」が発生しないようにすることで、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態中に、得られる賞球が少ない「確変大当りB」が頻発して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。尚、図6(A)に示す設定例は一例に過ぎず、図6(A)に示す以外の大当り種別を設けるようにしても良いし、それぞれの大当りの決定割合や決定の有無等は、適宜に設定すれば良い。
また、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブルとしては、「大当り」とすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。尚、本実施例では、はずれのときよりも大当りとなるときの方がリーチの変動パターンが決定されやすくなり、リーチが発生した場合の方が大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高くなるとともに、同じリーチの変動パターンであっても、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高く、同じスーパーリーチであってもスーパーリーチβの変動パターンの方が、確変大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高くなるように、大当り用変動パターン判定テーブルとはずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、各変動パターンに対応する判定値が設定されている。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルは、合計保留記憶数や時短状態に対応した複数のテーブルを含んでおり、保留記憶数や時短状態に応じて、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)や、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)や、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)を、合計保留記憶数や遊技状態(時短状態)に応じて決定することで、合計保留記憶数が多くなる程、短い変動パターンが実行され易い、つまり、単位時間当りの変動回数が高まることで、無駄な始動入賞の発生を防ぐことが可能であるとともに、時短制御中(時短状態中)では、時短制御が実行されていないときよりも、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)が多く決定されて単位時間当りの変動回数が高まることで、次の大当りまでの期間を短縮でき、遊技者の連荘感を向上できるようになっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板92において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、突然の停電等があってパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても(所謂、電断などがあっても)、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。このようにバックアップRAMに保存されバックアップされたデータを適宜バックアップデータという。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
更に、電源基板92からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、RAM102の内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されたことを示すリセット信号が入力される。このリセット信号が入力されると、リセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、後述する遊技制御用タイマ割込処理(図8参照)を開始する。
尚、本実施例では、電源断信号やクリア信号やリセット信号が電源基板92からの遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートに入力される構成になっているが、主基板11がこれら電源断信号やクリア信号やリセット信号を出力する回路を有し、当該回路から遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力されるものであっても良い。
遊技制御用マイクロコンピュータ100のRAM102には、遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データなどを記憶する第1特図保留記憶部と、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データなどを記憶する第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、特図プロセスフラグ等の遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている遊技制御フラグ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている遊技制御タイマ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている遊技制御カウンタ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている遊技制御バッファ設定部とを備えている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5での表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
尚、演出制御基板12の側でも、主基板11と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば、演出表示装置5、第1〜第3スピーカ8L,8R,8W、第1〜第3演出LED9L,9C,9R、装飾用LED、及び演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば、特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
尚、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出としては、例えば、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
また、RAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている演出制御フラグ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマやカウンタが設けられている演出制御タイマ設定部や演出制御カウンタ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている演出制御バッファ設定部とを備えている。
尚、本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)が設けられ、その時点の保留記憶の状況を特定可能な保留記憶バッファを構成するデータが記憶されており、該保留記憶バッファのデータに基づいて、第1保留記憶表示エリア5Dと第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示が表示される。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やはずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やはずれ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、第1〜第3スピーカ8L,8R,8Wによる音声出力動作や、第1〜第3演出LED9L,9C,9Rなどの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチはずれ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。図7に示すように、遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、Sa1以降の遊技制御メイン処理を開始する。遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(Sa1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(Sa2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(Sa3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(Sa4)、RAM102をアクセス可能状態に設定する(Sa5)。なお、割込モード2は、CPU103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU103は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(Sa6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU103は、通常の初期化処理(Sa10〜Sa14)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、後述する電源断検出処理(図9参照)におけるSd2及びSd3の処理が実行されているか否かを、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かに基づいて判定する(Sa7)。
バックアップデータが格納されている場合、CPU103は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(Sa8)。本実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、Sa8では、算出したチェックサムと、電源断検出処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU103は、遊技制御用マイクロコンピュータ100を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(Sa41〜Sa43の処理)を行う。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(Sa41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定する(Sa42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。Sa41およびSa42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。また、CPU103は、演出制御基板12に対して送信電源復旧指定コマンドを送信する(Sa43)。
尚、バックアップデータが格納されていない場合(Sa7でN)やパリティチェックの結果が正常でない場合(Sa8deN)場合は、初期化処理を実行する。
初期化処理では、CPU103は、まず、RAMクリア処理を行う(Sa10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(Sa11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(Sa12)。
Sa11およびSa12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU103は、演出制御基板12に対して電源投入コマンドと、遊技状態が通常状態であることに応じた背景画像指定コマンドとを送信する(Sa13,Sa14)。尚、本実施例の電源投入コマンドは、演出制御基板12に対して主基板11(CPU103)が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。
Sa43またはSa14の実行後、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(Sa15)。CPU103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路104に特図表示結果判定用の乱数値MR1の値を更新させるための設定を行う。
そして、Sa16において、CPU103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
次いで、CPU103は、表示用乱数更新処理(Sa18)および初期値用乱数更新処理(Sa19)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(Sa17)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(Sa20)。本実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。本実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図8のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図8に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、電源断検出処理を実行する(S10)。そして、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S13)。
次に、乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、図10に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器20での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S17)。
図9は、電源断検出処理の一例を示すフローチャートである。この電源断検出処理では、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(Sd1)。電源断信号の入力が無い場合は電源断検出処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は、バックアップデータを特定し(Sd2)、該特定したバックアップデータをRAM102に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(Sd3)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(Sd4)、パチンコ遊技機1が電源断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。尚、電源断信号は電源電圧が所定値以下に低下した場合に継続して出力されるので、本実施例における電源断検出処理では、チェックデータの作成後(Sd4の実行後)にループ処理に移行することで、新たなバックアップデータをバックアップデータ格納領域に格納しないようになっている。このため、例えば、新たなバックアプデータの格納中に電源電圧が更に低下することで正常にバックアップデータ格納領域に新たなバックアップデータが格納されなくなってしまうことが防止されている。
図10は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。その後、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1、MR2、MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。更に、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図11は、特別図柄通常処理として、図10のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bのデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aのデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定する(S150)。尚、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「はずれ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「はずれ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図6(A)に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、後述するS162においてデモ表示設定が実行されたことを示すデモ表示設定実行済フラグがセットされているか否かを判定する(S157)。デモ表示設定実行済フラグがセットされている場合は(S157;Y)、デモ表示設定実行済フラグをクリアしてS159に進み(S158)、デモ表示設定実行済フラグがセットされていない場合は(S157;N)、S158を実行せずにS159に進む。
そして、S159では、CPU103は、遊技状態に応じた背景画像指定コマンドの送信設定を実行するとともに(S159)、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S160)、特別図柄通常処理を終了する。尚、S159において送信設定が実行された背景画像指定コマンドは、CPU103がコマンド制御処理(S17)を実行することによって演出制御基板12に対して送信される。
尚、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、S162においてデモ表示設定が実行されたことを示すデモ表示設定実行済フラグがセットされているか否かを判定する(S161)。デモ表示設定実行済フラグがセットされている場合は(S161;Y)特別図柄通常処理を終了し、デモ表示設定実行済フラグがセットされていない場合は(S161;N)、所定のデモ表示設定を行ってから(S162)、デモ表示設定実行済フラグをセットするとともに(S163)、遊技状態に応じた背景画像指定コマンドの送信設定を実行して特別図柄通常処理を終了する(S164)。尚、S163において送信設定が実行された背景画像指定コマンドは、CPU103がコマンド制御処理(S17)を実行することによって演出制御基板12に対して送信される。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。まず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図12に示す演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図3参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
尚、コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から送信されてきたコマンドが電断復旧指定コマンドである場合には電断復旧中フラグをセットし、予め決められている電断復旧中画面を演出表示装置5に表示する制御を行う。また、主基板11から送信されてきたコマンドが電源投入指定コマンドである場合には、電源投入指定コマンド受信フラグをセットする。
尚、電断復旧中画面は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されて復旧中であることを遊技者に報知する情報を表示する画面であって、演出表示装置5の表示領域全体が黒地の背景色で「只今復旧中です しばらくお待ち下さい」等のメッセージが表示される画面となっている。この電断復旧中画面が表示されることによって、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rや第1保留記憶表示エリア5Dや第2保留記憶表示エリア5Uが視認できなくなる。尚、電断復旧中画面は、黒地の背景色でなくても良く、演出図柄表示エリア5L,5C,5R等が視認し難くなる画面であれば良く、例えば、演出図柄表示エリア5L,5C,5R等の少なくとも一部の視認を邪魔する画像を表示した画面であっても良い。
尚、電断復旧中画面は、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中等の演出制御基板12(演出制御用CPU120)において遊技状態を特定できない状況において液晶表示装置5に表示する画面である。このため、本実施例における電断復旧中画面は、背景画像指定コマンド、遊技状態指定コマンド、変動パターンコマンド、大当り開始指定コマンド、大当り開放中指定コマンド、大当り開放後指定コマンド、大当り終了指定コマンド、デモ表示設定が実行されたことを示すコマンド等、演出制御基板12において遊技状態を特定可能なコマンドを受信したことに基づいて終了する。つまり、電断復旧中画面の表示は、電断復旧後の最初の変動表示の開始時、電断復旧後の大当り遊技の開始時、電断復旧後の大当り遊技の終了時等に終了される。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S56)。
次いで、演出制御用CPU120は、後述するように、パチンコ遊技機1のメンテナンス時などにおいて、スピーカ8L,8R,8Wが正常に音を出力可能であるか否かを確認するとともに、演出LED9L,9C,9Rが正常に点灯(発光)可能であるか否か、プッシュボタン31Bが振動するか否かを確認するための動作確認処理を実行する(S58)。尚、詳細は後述するが、本実施例における動作確認処理において実行されるスピーカ8L,8R,8Wからの音出力、演出LED9L,9C,9Rの発光、プッシュボタン31Bの振動は、主にパチンコ遊技機1の製造工場において、作業員が出荷前のパチンコ遊技機1の動作を確認するために実行される。つまり、遊技場に設置された後のパチンコ遊技機1においては、動作確認処理は、本来であれば実行する必要のない処理である。
そして、演出制御用CPU120は、受信した背景画像指定コマンドから特定した遊技状態に応じた背景画像を演出表示装置5に更新表示するための背景画像更新処理を実行し(S59)、その後、S52に移行する。
図13は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1においては、演出制御用CPU120が演出制御プロセス処理におけるS72〜S79の各処理を実行することで、演出表示装置5には演出図柄の変動表示や演出画像の表示が実行され、スピーカ8L,8R,8Wから音声が出力され、演出LED9L,9C,9Rの発光が実行される。更に、演出制御用CPU120が演出制御プロセス処理におけるS72〜S79の各処理を実行することで、遊技者等がスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを操作することによって演出表示装置5に所定の演出画像の表示、スピーカ8L,8R,8Wから所定の音声の出力、演出LED9L,9C,9Rから所定の発光がそれぞれ実行される場合がある。つまり、本実施例におけるパチンコ遊技機1では、演出装置として演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8W、演出LED9L,9C,9R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bを備えている。
図14は、動作確認処理を示すフローチャートである。動作確認処理において演出制御用CPU120は、先ず、スピーカ8L,8R,8Wからの音出力や各演出LED9L,9C,9Rの発光、プッシュボタン31Bの振動等を確認する動作である動作確認を実行中であることを示す動作確認中フラグがセットされているか否かを判定する(S401)。演出制御用CPU120は、動作確認中フラグがセットされている場合は動作確認を実行するための動作確認実行処理(S417)を実行して動作確認処理を終了する。また、動作確認中フラグがセットされていない場合は、動作確認を開始するためのプッシュボタン31Bの操作を受け付ける待機期間(後述する動作確認受付期間)が既に終了していることを示す待機終了フラグがセットされているか否かを判定する(S402)。
演出制御用CPU120は、待機終了フラグがセットされている場合は動作確認処理を終了し、待機終了フラグがセットされていない場合は、更に、後述する動作確認待機タイマが動作中であるか否かを判定する(S403)。演出制御用CPU120は、動作確認待機タイマが動作中である場合は、電源投入指定コマンドを受信したことを示す電源投入指定コマンド受信フラグまたは電源復旧指定コマンドを受信したことを示す電源復旧指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S404)。
演出制御用CPU120は、電源投入指定コマンド受信フラグまたは電源復旧指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、セットされている電源投入指定コマンド受信フラグまたは電源復旧指定コマンド受信フラグをクリアするとともに(S405)、動作確認を開始するためのプッシュボタン31Bの操作を受け付ける動作確認受付期間を監視するための動作確認待機タイマに動作確認受付期間に応じた値とセットする(S406)。尚、本実施例では、動作確認待機タイマに動作確認受付期間応じた値として1分に応じた値をセットする、つまり、後述するようにパチンコ遊技機1に電源が投入されてから1分に亘ってプッシュボタン31Bの操作を受け付け、該1分以内にプッシュボタン31Bが操作されることによって動作確認処理を実行するようになっている。
尚、本実施例では、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから1分に亘ってプッシュボタン31Bの操作を受け付ける形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に電源が投入されてからプッシュボタン31Bの操作を受け付ける期間は、1分以外の任意の期間であってもよい。
そして、動作確認待機タイマのカウント(動作確認待機タイマの動作)を開始して動作確認処理を終了する(S407)。尚、演出制御用CPU120は、S404において電源投入指定コマンド受信フラグと電源復旧指定コマンド受信フラグとのいずれもセットされていない場合は、S405〜S407の処理を実行することなく動作確認処理を終了する。
次いで、演出制御用CPU120は、S403において動作確認待機タイマが動作中である場合は、動作確認待機タイマの値を−1し(S408)、該動作確認待機タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S409)。動作確認待機タイマがタイマアウトした場合は、待機終了フラグをセットして動作確認処理を終了し(S418)、動作確認待機タイマがタイマアウトしていない場合は、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S410)。
演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、遊技状態が大当り遊技状態に制御されることに基づいて待機終了フラグをクリアして動作確認処理を終了し(S418)、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、背景指定コマンドを受信したことを示す背景指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S411)。演出制御用CPU120は、背景指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は動作確認処理を終了し、背景指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、受信した背景指定コマンドからパチンコ遊技機1の遊技状態を特定する(S412)。
そして、演出制御用CPU120は、S412において特定した遊技状態が時短状態または確変状態であるか否かを判定する(S413)。尚、本実施例では、演出表示装置5に表示する背景画像を指定するための背景画像指定コマンドがパチンコ遊技機1の遊技状態を通知するコマンドを兼ねる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1の遊技状態を通知するコマンドを設け、S412では該コマンドからパチンコ遊技機1の遊技状態を特定してもよい。
S412において特定した遊技状態が時短状態または確変状態である場合は、遊技状態が通常状態でないことに基づいて待機終了フラグをセットして動作確認処理を終了する(S418)。また、演出制御用CPU120は、S412において特定した遊技状態が通常状態である場合は、プッシュボタン31Bが操作されたか否かを判定する(S414)。プッシュボタン31Bが操作されていない場合は動作確認処理を終了し、プッシュボタン31Bが操作されている場合は、動作確認中フラグ及び待機終了フラグをセットするとともに(S415,S416)、動作確認実行処理(S417)を実行して動作確認処理を終了する。
このように、本実施例では、図18に示すように、パチンコ遊技機1に電源が投入されたから1分間に亘ってプッシュボタン31Bの操作を受け付ける。更に、該1分間に間に特別図柄の変動表示が開始されたことやデモ表示設定が実行された場合は、これら特別図柄の変動表示が開始されたことやデモ表示設定が実行されたことに基づいて主基板11から受信した背景画像指定コマンドが示す遊技状態を特定する。このとき、背景画像指定コマンドから特定した遊技状態が通常状態であれば継続してプッシュボタン31Bの操作を受け付けることによって動作確認実行処理を実行する一方で、背景画像指定コマンドから特定した遊技状態が時短状態や確変状態であれば、プッシュボタン31Bの操作の受け付けを中止し、動作確認実行処理を実行しないようになっている。
尚、本実施例では、特別図柄の変動表示の実行中や大当り遊技中に電断が発生した後にパチンコ遊技機1に電源が再投入された場合(電断復旧した場合)は、電断によって中断された特別図柄の変動表示や大当り遊技が再開されるため、実行中の特別図柄の変動表示や大当り遊技が終了して次の変動表示が開始されるかデモ表示設定が実行されるまで背景画像指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に対して送信されない。このため、特別図柄の変動表示の実行中や大当り遊技中に電断が発生した後にパチンコ遊技機1に電源が再投入された場合(電断復旧した場合)は、パチンコ遊技機1が起動してから演出制御用CPU120が背景指定コマンド受信フラグから遊技状態を特定するまでの期間が長くなってしまう場合がある。つまり、本発明における『第2状態に制御されていることを特定していないとき』には、特別図柄の変動表示の実行中や大当り遊技中に電断が発生した後にパチンコ遊技機1に電源が再投入されてから演出制御用CPU120が背景指定コマンド受信フラグから遊技状態を特定するまでの期間を含んでいる。
このため、本実施例では、パチンコ遊技機1に電源が投入されることによって、パチンコ遊技機1の遊技状態にかかわらず、必ず最長1分間に亘ってプッシュボタン31Bの操作を受け付ける動作確認受付期間となる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120が主基板11から背景画像指定コマンドを受信したと判定したことによって最長1分間に亘ってプッシュボタン31Bの操作を受け付ける動作確認受付期間に移行してもよい。
尚、本実施例では、動作確認待機タイマの動作中(後述する動作確認期間中)に動作確認制御を実行するための実行条件であるプッシュボタン31Bの操作を受け付けが成立することによって動作確認実行処理を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、動作確認待機タイマの動作中にプッシュボタン31Bの操作の受け付け以外の条件が成立(例えば、遊技状態が通常状態から変化することなく所定時間が経過することや、プッシュボタン31B以外の操作を受け付けたこと等)により動作確認ン実行処理を実行してもよい。
図15は、動作確認実行処理を示すフローチャートである。動作確認実行処理において演出制御用CPU120は、先ず、動作確認の期間を監視するための動作確認中タイマが動作中であるか否かを判定する(S421)。動作確認中タイマが動作中でない場合は、動作確認中タイマが動作確認期間に応じた値をセットするとともに(S422)、該動作確認中タイマのタイマカウント(動作確認中タイマの動作)を開始する(S423)。次いで、演出制御用CPU120は、スピーカ8L,8R,8Wからの出力音を確認するための出力音確認用プロセステーブルをセットする(S424)。更に、演出制御用CPU120は、セットした出力音確認用プロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(出力音確認用プロセスタイマ)をスタートさせ(S425)、プロセスデータに従ってスピーカ8L,8R,8Wから確認音の出力を開始して動作確認実行処理を終了する。
また、S421において動作確認中タイマが動作中である場合、演出制御用CPU120は、動作確認中タイマの値と出力音確認用プロセウタイマの値とを−1し(S427,S428)、出力音確認用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S429)。出力音確認用プロセスタイマがタイマアウトした場合、演出制御用CPU120は、プロセスデータの切り替えを行う(S430)。即ち、出力音確認用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を出力音確認用プロセスタイマにセットすることによって出力音確認用プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S431)。また、プロセスデータに従ってスピーカ8L,8R,8Wから確認音の出力を開始してS434に進む(S432)。
尚、S429において出力音確認用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合、演出制御用CPU120は、出力音確認用プロセスタイマに対応するプロセスデータに従ってスピーカ8L,8R,8Wから確認音の出力を実行してS434に進む(S433)。
S434において演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bが操作されたか否かを判定する(S434)。プッシュボタン31Bが操作された場合、演出制御用CPU120は、振動用モータ駆動処理(S435)を実行することによって振動用モータ31Cし、プッシュボタン31Bを振動させてS436に進む。また、プッシュボタン31Bが操作されていない場合、演出制御用CPU120は、振動用モータ駆動処理(S435)を実行せずにS436に進む。
尚、本実施例の動作確認実行処理では、パチンコ遊技機1の製造工場の作業員や遊技場の店員等がプッシュボタン31Bを継続して操作(長押し)することによって、プッシュボタン31Bが操作されている期間に亘って該プッシュボタン31Bを振動させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、プッシュボタン31Bが操作された場合は、プッシュボタン31Bが操作されている期間にかかわらず予め定められた所定期間に亘ってプッシュボタン31Bを振動させてもよい。
次いで、S436において演出制御用CPU120は、動作確認中タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S436)。動作確認中タイマがタイマアウトした場合は動作確認中フラグをクリアして動作確認中処理を終了し(S437)、動作確認中タイマがタイマアウトしていない場合は、後述する発光確認用プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する(S438)。発光確認用プロセスタイマが動作中でない場合、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aが操作されたか否かを判定する(S439)。
スティックコントローラ31Aが操作されている場合は、該スティックコントローラ31Aの操作方向に応じた演出LED9L,9C,9Rのいずれかの発光を確認するための発光確認用プロセステーブルをセットする(S440)。更に、演出制御用CPU120は、セットした発光確認用プロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(発光確認用プロセスタイマ)をスタートさせ(S441)、プロセスデータに従ってスティックコントローラ31Aの操作方向に応じた演出LED9L,9C,9Rのいずれかの発光を開始して動作確認実行処理を終了する。尚、S439においてスティックコントローラ31Aが操作されていない場合は、S440〜S442を実行せずに動作確認実行処理を終了する。
また、S438において発光確認用プロセスタイマが動作中である場合、演出制御用CPU120は、発光確認用プロセスタイマの値を−1し(S443)、該発光確認用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S444)。
発光確認用プロセスタイマがタイマアウトした場合、演出制御用CPU120は、プロセスデータの切り替えを行う(S445)。即ち、発光確認用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を出力音確認用プロセスタイマにセットすることによって発光確認用プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S446)。また、プロセスデータに従ってS439において検出したスティックコントローラ31Aの操作方向に応じた演出LED9L,9C,9Rのいずれかの発光を開始して動作確認実行処理を終了する。
尚、S444において発光確認用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合、演出制御用CPU120は、対応するプロセスデータに応じてS439において検出したスティックコントローラ31Aの操作方向に応じた演出LED9L,9C,9Rのいずれかの発光を実行して動作確認実行処理を終了する。
次に、スピーカ8L,8R,8Wからの確認音の出力タイミング及び確認音の出力態様、演出LED9L,9C,9Rからの発光タイミング、プッシュボタン31Bの振動タイミングについて図16及び図17に基づいて説明する。先ず、図16に示すように、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、初期化処理が実行される。そして、初期化処理が終了した時点からプッシュボタン31Bの操作を受け付ける動作確認受付期間が開始される。この動作確認受付期間内にプッシュボタンの操作がなされると、前述した動作確認実行処理(図15参照)が開始され、スピーカ8L,8R,8Wからの音出力、演出LED9L,9C,9Rからの発光、プッシュボタン31Bの振動を確認するための動作確認期間となる。尚、本実施例における動作確認期間は1分であり、該1分が経過した後は、次にパチンコ遊技機1に電源投入されてからの動作確認受付期間内にプッシュボタン31Bが操作されるまで動作確認期間とならないようになっている。
尚、本実施例では、スピーカ8L,8R,8Wからの音出力、演出LED9L,9C,9Rからの発光、プッシュボタン31Bの振動を確認するための動作確認期間として1分間の期間を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、動作確認期間としては、1分間以外の任意の期間であってもよい。また、動作確認期間は、時間の経過により終了するのではなく、特定の操作(例えば、スティックコントローラ31Aの手前側への操作等)を受け付けることにより終了してもよい。
該動作確認期間では、動作確認実行処理が実行されることによって、第1スピーカ8Lから確認音の出力が開始される。第1スピーカ8Lから出力される確認音は、ラッパの音が2回鳴る出力態様となっている(図15参照)。尚、第1スピーカ8Lから確認音が出力されているときに、第2及び第3スピーカ8R,8Wから確認音は出力されないようになっている。
尚、本実施例では、パチンコ遊技機1に3つのスピーカ8L,8R,8Wを設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設けるスピーカの数は2以下または4以上であってもよい。
また、本実施例では、動作確認期間においては各スピーカ8L,8R,8Wからそれぞれ異なる確認音を出力する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各スピーカ8L,8R,8Wから出力される確認音のうち2以上の確認音は同一であってもよい。
また、本実施例では、動作確認期間においては各スピーカ8L,8R,8Wから自動的に確認音が出力される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作によって選択されたスピーカのみから確認音を出力してもよい。
次に、第1スピーカ8Lを用いた確認音の出力が終了すると、第2スピーカ8Rから確認音の出力が開始される。第2スピーカ8Rから出力される確認音は、ベルの音が2回鳴る出力態様となっている(図15参照)。尚、第2スピーカ8Rから確認音が出力されているときに、第1及び第3スピーカ8L,8Wから確認音は出力されないようになっている。
また、第2スピーカ8Rを用いた確認音の出力が終了すると、第3スピーカ8Wから確認音の出力が開始される。第3スピーカ8Wから出力される確認音は、ドラムの音が2回鳴る出力態様となっている(図15参照)。尚、第3スピーカ8Wから確認音が出力されているときに、第1及び第2スピーカ8L,8Rから確認音は出力されないようになっている。
また、図14に示すように、動作確認期間においては、スティックコントローラ31Aが操作されることによって、スティックコントローラ31Aの操作(傾動操作)方向に応じた演出LED9L,9C,9Rの発光が実行される。具体的には、スティックコントローラ31Aが左方向に操作された場合は第1演出LED9Lの発光が実行され、スティックコントローラ31Aが後方に操作された場合は第2演出LED9Cの発光が実行され、スティックコントローラ31Aが右方向に操作された場合は第3演出LED9Rの発光が実行される。
尚、本実施例では、動作確認期間においては、スティックコントローラ31Aの操作方向に応じて演出LED9L,9C,9Rのいずれかの発光が実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、動作確認期間における演出LED9L,9C,9Rの発光は、スティックコントローラ31Aの操作方向にかかわらず、スピーカ8L,8R,8Wからの確認音の出力と同じように自動的に実行してもよいし、また、いずれか2以上の演出LED9L,9C,9Rの発光期間の少なくとも一部が重複してもよい。
更に、図14に示すように、動作確認期間においては、プッシュボタン31Bが操作されることによって振動用モータ31Cの駆動が実行されプッシュボタン31Bが振動する。尚、振動用モータ31Cの駆動は、プッシュボタン31Bの操作が開始されたタイミングから、プッシュボタン31Bの操作が終了するタイミングまで継続される。
尚、本実施例では、各スピーカ8L,8R,8Wから確認音を出力する期間が重複しないので、各スピーカ8L,8R,8Wから出力される確認音を確実に聞き分けることができ、各スピーカ8L,8R,8Wが正常に動作するか否かを確認することができる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各スピーカ8L,8R,8Wから確認音を出力する期間は、少なくとも一部が重複していてもよい。
また、本実施例では、動作確認期間においてプッシュボタン31Bを操作することによって該プッシュボタン31Bが振動する、つまり、動作確認期間において操作を受け付ける動作検出手段と動作検出手段によって所定の動作が検出されたことに基づいて動作可能な可動体とが同一体である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、動作確認期間においてプッシュボタン31Bを操作することによってスティックコントローラ31Aが振動する等、動作確認期間において操作を受け付ける動作検出手段と動作検出手段によって所定の動作が検出されたことに基づいて動作可能な可動体とが異なっていてもよい。
更に、前述のように動作確認期間においてプッシュボタン31Bを操作することによってスティックコントローラ31Aを動作させる場合は、プッシュボタン31Bの操作に応じてスティックコントローラ31Aを特定方向に傾動させる等、振動以外の動作を実行させてもよい。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、図14に示すように、演出制御用CPU120がS413において背景指定コマンドから特定した遊技状態が時短状態または確変状態であると判定した場合にS417の動作確認実行処理を実行せずに動作確認処理を終了する一方で、S413において背景指定コマンドから特定した遊技状態が通常状態であると判定した場合に、S414において更にプッシュボタン31Bが操作されたと判定したことによりS417の動作確認実行処理を実行する、つまり、時短状態や確変状態等、遊遊技者が通常状態よりも高い割合で遊技を行っていることが推測できる遊技者にとって有利な状態であることを特定していれば動作確認を実行することがないので、パチンコ遊技機1の遊技状態の特定状況に応じて動作確認を実行することができる。
また、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから1分間に亘ってプッシュボタン31Bの操作を受け付け、該プッシュボタン31Bの操作が1分以内にあった場合に演出制御用CPU120が動作確認実行処理を実行することによって、パチンコ遊技機1に電源供給が開始されてから即座に動作確認実行処理が実行されることがないので、スピーカ8L,8R,8Wや演出LED9L,9C,9Rの動作の確認漏れが生じることを防ぐことができる。
また、図14に示すように、動作確認処理の実行中に演出制御用CPU120が背景画像指定コマンドから特定した遊技状態が時短状態や確変状態である場合、再び動作確認処理のS403以降の処理で実行しないよう待機終了フラグをセットして動作確認処理を終了することで、時短状態や確変状態においてプッシュボタン31Bが操作されて動作確認実行処理が実行されることにより演出制御用CPU120の処理負荷の増加を抑えることができる。尚、時短状態や確変状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態であるため、通常状態よりもスピーカ8L,8R,8Wから大音量の音出力を実行したり、演出LED9L,9C,9Rを激しく発光させて遊技興趣を高めることが考えられる。このため、上述したように、演出制御用CPU120が背景画像指定コマンドから遊技状態が時短状態や確変状態であると特定した場合は、プッシュボタン31Bの操作が有ったとしても動作確認実行処理を実行しないようにすることで、好適に演出制御用CPU120の処理負荷の増加を抑えることができる上に、動作確認実行処理が実行されることによって遊技を阻害してしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、図14に示すように、動作確認処理の実行中であってもプッシュボタン31Bの操作が無ければ動作確認実行処理が実行されることがない、つまり、パチンコ遊技機1の製造工場の作業員や遊技場の店員等が動作確認実行処理を実行するか否かを選択することができるので、動作確認実行処理によるパチンコ遊技機1の消費電力を軽減できる。
また、本実施例では、動作確認実行処理の実行中(動作確認期間中)にスティックコントローラ31Aの操作を受け付けることで、該スティックコントローラ31Aの操作方向に応じて演出LED9L,9C,9Rのいずれかを発光させるので、スティックコントローラ31Aの操作結果に応じて好適に演出LED9L,9C,9Rの発光態様を確認することができる。
また、動作確認実行処理の実行中(動作確認期間中)にプッシュボタン31Bの操作を受け付けることで、振動用モータ31Cの駆動によりプッシュボタン31Bを振動させることができるので、好適にプッシュボタン31Bの振動態様を確認することができる。
また、演出制御用CPU120が図15に示す動作確認処理のS421〜S433を実行することによって、図16に示すように、第1スピーカ8L、第2スピーカ8R、第3スピーカ8Wの順で個別に確認音を出力することによって、パチンコ遊技機1の製造工場の作業員や遊技場の店員等の作業者が確認音の出力順番を把握しておくことで、いずれのスピーカ8L,8R,8Wから出力された確認音であるかを把握することができ、確認中であるスピーカ8L,8R,8Wが正常に音を出力しているか否かを正確に把握することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、パチンコ遊技機1において、演出装置として演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8W、演出LED9L,9C,9R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bを設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8W、演出LED9L,9C,9R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bに代えて、或いは、変形例として図19に示すように、これら演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8W、演出LED9L,9C,9R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bに加えて、図示しないモータの駆動によって演出表示装置5の上方位置や下方位置等の遊技者から視認不能或いは視認困難である初期位置(退避位置)と、演出表示装置5の正面位置等の初期位置よりも遊技者から視認容易な演出位置との間で移動可能な可動役物300,400(第1可動役物300や第2可動役物400)を設けてもよい。
これら可動役物300,400は、演出図柄の変動表示を実行している期間や大当り遊技状態において動作することで、遊技者に対して変動表示結果が大当りとなることや、大当り遊技終了後に確変制御が実行されること、大当り遊技のラウンド数が16ラウンドであること等を示唆する可動体演出を実行する。
尚、このように、図示しないモータの駆動によって初期位置(退避位置)と演出位置との間で移動可能な可動役物(第1可動役物300や第2可動役物400)を設ける場合は、前記実施例に示した動作確認受付期間や動作確認期間(図16参照)後に以下の制御を実行する。
先ず、図示しないセンサ等によって可動役物300,400が初期位置(退避位置)に位置しているか否かを判定し、可動役物300,400が初期位置(退避位置)に位置していない場合(図示しないセンサにおいて検出されなかった場合)、図20に示すように、演出制御用CPU120が、図示しないモータを駆動することによって非検出時動作として可動役物300,400を初期位置(退避位置)まで移動させる制御を実行する。また、可動役物300,400が初期位置(退避位置)に位置している場合、演出制御用CPU120は、図示しないモータを駆動することによって検出時動作制御として、可動役物300,400を初期位置(退避位置)と演出位置の間の位置である検出時動作位置に移動させた後、再び可動役物300,400を初期位置(退避位置)に移動させる。
更に、これら非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後は、演出制御用CPU120は、図20に示すお湯に、可動役物300,400を実際に初期位置(退避位置)から演出位置まで移動させた後、演出位置から再び初期位置(退避位置)に移動させる実動作確認動作制御を実行する。
尚、図21(A)〜図21(C)に示すように、演出制御用CPU120は、実動作確認用動作制御を実行する場合、原点位置から加速した後に減速して演出位置に停止させるとともに、演出位置から加速した後に減速して原点位置に停止させる制御を行う。すなわち、各可動役物300,400が正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、原点位置と演出位置との間において、可動役物300,400の制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。
一方で、演出制御用CPU120は、検出時動作制御を実行する場合、可動役物300,400を原点位置から演出位置まで移動させる期間及び演出位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度にて可動役物300,400が動作するように制御する。更に、演出制御用CPU120は、非検出時動作制御を実行する場合、可動役物300,400を原点位置まで移動させる期間において、常に動作確認用動作制御における最低速度にて可動役物300,400が動作するように制御する。
このように、演出制御用CPU120が実動作確認用動作制御、検出時動作制御、非検出時動作制御をそれぞれ実行することによって、可動役物300,400は、非検出時動作制御の実行時に常に実動作確認用動作制御における最低速度にて動作することで、いかなるタイミングにおいても停止可能となるので、可動役物300,400を衝突等により破損させる虞無く初期位置(退避位置)に位置させることができる。
尚、本変形例では、実動作確認用動作制御、検出時動作制御、非検出時動作制御を図16に示す動作確認受付期間や動作確認期間の後に実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら実動作確認用動作制御、検出時動作制御、非検出時動作制御は、動作確認期間において演出装置の動作確認の一部として実行してもよい。このように実動作確認用動作制御、検出時動作制御、非検出時動作制御を演出装置の動作確認の一部として実行することによって、パチンコ遊技機1の製造工場において作業員が出荷前のパチンコ遊技機1の動作を確認するために要する期間を短縮することができる。
尚、前記実施例では、動作確認期間中にプッシュボタン31Bの操作を受け付けることによって該プッシュボタン31Bを振動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記変形例のようにパチンコ遊技機1に初期位置(退避位置)と演出位置との間で移動可能な可動役物300,400を設けル場合は、動作確認期間中にプッシュボタン31Bの操作を受け付けることによって可動役物300,400を動作させてもよい。
また、本変形例では、演出装置として2つの可動役物300,400をパチンコ遊技機1に設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設ける可動役物数は1つまたは3以上であってもよい。更に、パチンコ遊技機1に設ける可動役物には、初期位置(退避位置)と演出位置との間を移動可能な可動役物の他、1の位置から移動することなく回転するのみの役物(回転役物)を含んでもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。このように本発明をスロットマシンに適用する場合は、スロットマシンに電源を投入してからMAXBETボタンやストップスイッチ、スタートレバー、演出用ボタン等の操作手段を操作することで演出装置の動作確認を実行すればよい。更に、スロットマシン1において演出装置の動作確認を実行可能とする場合は、遊技制御基板において操作されたか否かが監視されているMAXBETボタンや、ストップスイッチ、スタートレバーのいずれかの操作により演出装置の動作確認を実行する構成とすると、スロットマシンに電源が投入されてから演出制御基板における初期化処理が終了していない状態でスロットマシンの遊技状態が通知されることになるので、演出装置の動作確認を好適に実行できない場合が有ることが考えられる。このため、スロットマシンにおいは、演出制御基板において操作されたか否かが監視されている演出ボタンを操作することによって演出装置の動作確認を実行することが望ましい。
尚、スロットマシンにおいて演出装置の動作確認を実行可能とする場合は、前記実施例に例示したパチンコ遊技機1と同じく遊技状態に応じて演出装置の動作確認を実行するか否かを決定してもよいが、遊技状態とは異なる状態(例えば、ATの実行中か否か)に応じて演出装置の動作確認を実行するか否かを決定してもよい。
また、前記実施例では、動作確認期間において演出LED9L,9C,9Rの発光とスピーカ8L,8R,8Wからの確認音の出力及びプッシュボタン31Bの振動を実行する、つまり、遊技機用枠3に設けられた演出装置のみを対象として動作確認を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、動作確認期間においては、演出表示装置5等の遊技盤2に設けられた演出装置を対象として動作確認を実行してもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、第1状態(例えば、通常状態)と該第1状態よりも遊技者にとって有利な第2状態(例えば、時短状態、確変状態、大当り遊技状態)とに制御可能な制御手段(例えば、CPU103が特別図柄プロセス処理を実行する部分)と、演出装置(例えば、演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8W、演出LED9L,9C,9R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B)を用いた演出を実行可能な演出制御手段(例えば、演出制御用CPU120が演出制御プロセス処理を実行する部分)と、電源供給が停止されても所定期間において記憶を保持可能な記憶手段(例えば、RAM102に設けられたバックアップデータ記憶領域)と、電源供給が停止される場合に該電源供給が停止されるときの状態を特定可能な電断情報を前記記憶手段に記憶する記憶処理手段(例えば、CPU103が電断検出処理のSd2〜Sd4を実行する部分)と、前記記憶手段に前記電断情報が記憶されている場合に電源供給が再開された際に、前記電断情報から特定される状態に復旧可能な復旧処理手段と、前記演出装置の動作確認を行う動作確認制御を実行可能な動作確認制御手段(例えば、CPU103が遊技制御メイン処理のSa6〜Sa8及びSa41〜Sa43を実行する部分)と、を備え、前記動作確認制御手段は、前記第2状態に制御されていることを特定しているときに前記動作確認制御を実行せず、前記第2状態に制御されていることを特定していないときに前記動作確認制御を実行可能であり(例えば、図14に示すように、演出制御用CPU120がS413において背景指定コマンドから特定した遊技状態が時短状態または確変状態であると判定した場合にS417の動作確認実行処理を実行せずに動作確認処理を終了する部分と、演出制御用CPU120がS413において背景指定コマンドから特定した遊技状態が通常状態であると判定した場合に、S414において更にプッシュボタン31Bが操作されたと判定したことによりS417の動作確認実行処理を実行する部分)、前記演出装置は、表示手段(例えば、画像表示装置905)と所定の演出手段(例えば、可動体9099)とを含み、前記所定の演出手段により実行される演出の態様によって前記有利状態に制御されるか否かを示唆する示唆演出を実行するとともに、該示唆演出に関連した演出補助表示を前記表示手段にて実行可能である示唆演出実行手段(例えばステップS90804またはステップS90805の処理を実行する演出制御用CPU90120など)をさらに備え、前記示唆演出実行手段は、特定条件が成立しているか否かに応じて前記演出補助表示を異なる位置で実行可能である(例えばステップS90803にてYesと判定された場合にステップS90805の処理を実行するなど)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、状態の特定状況に応じて動作確認制御を実行することができる。また、演出補助表示の実行パターンが多様化し、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、上記遊技機において、動作確認制御手段は、表示手段と所定の演出手段のうち一方のみの動作確認を行い、他方の動作確認は行わないようにしてもよい。また、表示手段と所定の演出手段の双方の動作確認を行わず、他の演出装置の動作確認を行うようにしてもよい。
また、上記遊技機において、第1状態に制御されているか第2状態に制御されているかに応じて、演出補助表示を異なる位置で実行するようにしてもよい。このような構成によれば、状態に応じた演出を実行可能となり興趣を向上させることができる。
また、上記遊技機において、動作確認を行っているときは、示唆演出や演出補助表示の実行を制限するようにしてもよい。
さらに、状態の特定状況に応じて動作確認制御を実行することができ、また、演出補助表示の実行パターンが多様化し、遊技興趣の低下を防止することができる遊技機の形態の一例として、表示手段(例えば画像表示装置905など)を備え、有利状態に制御可能な遊技機であって、所定の演出手段により実行される演出の態様によって前記有利状態に制御されるか否かを示唆する示唆演出を実行するとともに、該示唆演出に関連した演出補助表示を前記表示手段にて実行可能である示唆演出実行手段(例えばステップS90804またはステップS90805の処理を実行する演出制御用CPU90120など)を備え、前記示唆演出実行手段は、特定条件が成立しているか否かに応じて前記演出補助表示を異なる位置で実行可能である(例えばステップS90803にてYesと判定された場合にステップS90805の処理を実行するなど)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。なお、この他の形態例を「実施の形態」ということがある。図22は、この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図22に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置905の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置905の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置905の画面上では、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置905の画面上には、始動入賞記憶表示エリア905Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア905Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(この実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア905Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図22に示す例では、始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、第1特別図柄表示装置904A及び第2特別図柄表示装置904Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置905の画面上には、当該始動入賞記憶表示エリア905Hに近接してアクティブ表示エリア905HAが配置されている。アクティブ表示エリア905HAは、実行中の可変表示に対応する表示が行われる。アクティブ表示エリア905HAにおける表示は、アクティブ表示(可変表示対応表示、消化時表示あるいは今回表示などともいう)と称する。アクティブ表示エリア905HAでは、例えば第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア905Hにて消去(消化)された第1保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。また、アクティブ表示エリア905HAでは、例えば第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア905Hにて消去(消化)された第2保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。
画像表示装置905の表示領域における所定位置(ここでは、中央下側)には、可動体9099が設けられている。可動体9099は、図23に示す可動体用モータ9061の回転駆動により、回転動作する。
画像表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aが設けられており、当該普通入賞球装置906Aの右側には、普通可変入賞球装置906Bが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図23に示す普通電動役物用のソレノイド9081によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置906Bは、ソレノイド9081がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド9081がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置906Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図23に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図23に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機901は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置906Aの下方には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図23に示す大入賞口扉用となるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図23に示すカウントスイッチ9023によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置907において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置(図22に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ9031Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ9031Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット9035A(図23参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機901と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤902の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤902の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031B(図23参照)が設けられている。プッシュボタン9031Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン9031Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン9031Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ9035Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図23に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100やスイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などが搭載されている。スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド9081やソレノイド9082をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド9081や大入賞口扉用のソレノイド9082に伝送する。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置905、スピーカ908L、908R及び遊技効果ランプ909や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板9012は、画像表示装置905における表示動作や、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ909や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ908L、908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ909や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図23に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ9022Aおよび第2始動口スイッチ9022B)、カウントスイッチ9023といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板9011には、第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置905における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ909や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。
図24は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が送信する演出制御コマンドの一例を示す図である。コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置905において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動コマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用CPU90120は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置905において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8A01(H)は、第1始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第1始動入賞口指定コマンド)である。コマンド8A02(H)は、第2始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第2始動入賞口指定コマンド)である。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドであり、入賞時判定結果として、大当りとするか否か、及び、大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU90120は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。コマンド8C01(H)(表示結果1指定コマンド)は、ハズレを指定する。コマンド8C02(H)(表示結果2指定コマンド)は、15R大当り且つ確変を指定する。コマンド8C03(H)(表示結果3指定コマンド)は、15R大当り且つ非確変を指定する。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動開始指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動開始指定コマンド)である。第1図柄変動開始指定コマンドと第2図柄変動開始指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動開始指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用CPU90120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき(初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたとき(再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、15ラウンド大当りの場合のファンファーレの開始(大当り遊技状態の開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
大当り遊技状態は、最初にファンファーレが実行され、その後に大入賞口である特別可変入賞球装置907の開放等(ラウンド遊技など)が行われる大当り遊技状態のメインとなる大当り遊技が実行され、大当り遊技のあとにエンディングが実行される。ファンファーレは、大当り遊技状態が開始されたこと、すなわち、大当り遊技がこれから開始されることを報知又は示唆する演出である。エンディングは、大当り遊技状態が終了すること、すなわち、大当り遊技が終了したことを報知する演出である。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置907の開放を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置907の閉鎖を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA601(H)は、エンディングの開始を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した合計保留記憶数を指定する演出制御コマンド(合計保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合計保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。
コマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドであり、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´が何れの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、変動パターンコマンドと同様、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応するコマンドがある。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU90103の他にRAM90102が内蔵されていればよく、ROM90101や乱数回路90104、I/O90105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、例えば乱数回路90104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路90104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100のCPU90103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM90102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU90103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、画像表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU90120がROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU90120がRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU90120がRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU90120が演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU90120が演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板9012には、画像表示装置905に対して画像データを伝送するための配線や、音声制御基板9013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板9014に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。更に、演出制御基板9012には、スティックコントローラ9031Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット9035Aから伝送するための配線や、プッシュボタン9031Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ9035Bから伝送するための配線も接続されている。更に、演出制御基板9012には、可動演出体9099を回転動作させる可動体用モータ9061を駆動するためのモータ駆動回路9016に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板9012では、例えば乱数回路90124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図23に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板9012に搭載された演出制御用CPU90120は、各種の指令を生成する。例えば、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905が表示すべき内容を決定し、その決定に応じて表示制御部90123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板9012に搭載された表示制御部90123は、演出制御用CPU90120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置905における表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成する。例えば、表示制御部90123は、画像表示装置905の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部90123内には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板9012の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O90125の出力ポートからは、画像表示装置905へと伝送される映像信号や、音声制御基板9013へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板9014へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路9016へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU90120は、表示制御部90123を介して画像表示装置905の表示領域に演出画像を表示させる。また、演出制御用CPU90120は、音声制御基板9013を介してスピーカ908L、908Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板9014を介して遊技効果ランプ909や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部90123を介して画像表示装置905の表示領域に演出画像を表示させたり、モータ駆動回路9016を介して可動体用モータ9061を駆動して可動体9099を動かす。このようにして、各種の演出(後述する、リーチ演出、可動演出部材演出、画像表示装置905が遊技者に対するメッセージの画像を表示するメッセージ演出など、遊技の盛り上げるための演出など)が実行される。
パチンコ遊技機901においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機901における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図23に示す第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図23に示す第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置906Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート9041を通過した遊技球が図23に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器9020にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置906Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図23に示す主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から演出制御基板9012に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置905の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置905において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な価値が付与される特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置907が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ9023により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、第1有利状態と第2有利状態とがあり、例えば、平均的な可変表示時間が異なる。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置906Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機901において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機901において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。なお、遊技者にとっての有利度とは、例えば、ある事象が生じたときに実際に遊技者にとって有利な状態(特典が付与される、あるいは、付与されている状態、特典付与の割合が高い状態、特典とは異なる有利な状態など)になる割合、あるいは、有利な状態になっている割合などをいう。また、特殊態様により付与の可能性が高いことが示される特典は、遊技者にとっての有利度の対象(有利な状態)と同じであってもよく、遊技者にとっての有利度の対象とは異なるものであってもよい。
画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置905の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア905Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置905の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置905における表示動作のみならず、スピーカ908L、908Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ909などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーCといったリーチ演出が予め設定されている。この実施の形態におけるスーパーA〜Cのリーチ演出は、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。以下では、スーパーA〜Cのリーチ演出を、スーパーリーチA〜Cといい、ノーマルのリーチ演出をノーマルリーチということがある。
上述したように、この実施の形態におけるスーパーリーチA〜Cは、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。スーパーリーチA〜Cでは、例えば、戦うキャラクタが異なるようにして、スーパーリーチA〜Cそれぞれを異なる演出態様とすればよい。スーパーA又はBでは、所定のキャラクタが戦いに勝つと、可変表示結果が「大当り」となり、所定のキャラクタが戦いに負けると、可変表示結果が「ハズレ」となる。スーパーリーチCが実行された場合には、スーパーリーチCの実行後にスーパーリーチAが実行されることがある(スーパーリーチAに発展することがある)。スーパーリーチCが実行されたがスーパーリーチAに発展がない場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに負ける場合)には可変表示結果は「ハズレ」となる。一方で、スーパーリーチAに発展した場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに勝つ場合)には、可変表示結果は「大当り」になる可能性がある。
どのリーチ演出が実行されたかに応じて、その可変表示の可変表示結果が「大当り」(この実施形態では、大当り種別が「非確変」又は「確変」である「大当り」)となる可能性(大当り期待度)が変化する。例えば、ノーマルリーチが実行された場合よりも、スーパーリーチA〜Cが実行された場合の方が大当り期待度は高くなる。また、スーパーリーチのうちでも、スーパーリーチA(スーパーリーチCから発展した場合も含む)が実行された場合には、スーパーリーチBが実行された場合やスーパーリーチCが実行された場合(スーパーリーチAに発展しない場合)よりも、大当り期待度が高くなる。なお、これとは反対に、スーパーリーチCが実行された場合に、スーパーリーチBが実行された場合やスーパーリーチAが実行された場合よりも、大当り期待度が高くなっていてもよい。この場合、スーパーリーチAの実行後にスーパーリーチCが実行されることがあってもよい(スーパーリーチCに発展することがあってもよい)。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では理解を容易にするために説明を省略しているが、例えば「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板9011の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板9011の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板9012の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア905Lと「右」の飾り図柄表示エリア905Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄を再び変動(再変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回までなど)行うことができる。この実施の形態における擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数を指すものとする。
「擬似連」の可変表示演出において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示されると、その後に、再度可変表示(再変動)が行われる。擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せとなる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。また、擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチハズレ組合せ(単に、「リーチ組合せ」ともいう)となる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示される飾り図柄(中図柄)を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(擬似連チャンス図柄)としてもよい。通常時における飾り図柄の可変表示でも使用される飾り図柄のうちに、「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示されることで擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄が含まれてもよい。
「擬似連」の可変表示演出において、再変動(擬似連変動)が行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも複数回続けて開始されたかのように見せることができる。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み演出ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告可能な予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、例えば始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。
例えば、先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける保留表示の表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「保留表示変化」の先読み予告演出が実行される。より具体的には、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば灰色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色、白色のいずれかなど)や通常時における形状(例えば丸型)とは異なる形状(例えば星形)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける保留表示の表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。あるいは、保留表示として所定のメッセージ(例えば「秘」など)を示す表示態様とすることにより、表示色が特定色に変化する可能性が通常よりも高いことを報知(示唆)できるようにしてもよい。こうした表示態様が特定態様に変化する可能性が高いことを示唆する保留表示は、示唆保留表示ともいう。「保留表示変化」の先読み予告演出は、保留変化演出ともいう。なお、先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告、当該変動予告、あるいは可変表示中予告演出ともいう)と称される。この実施の形態では、「保留表示変化」の先読み演出として、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるよう、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる演出が行われる場合がある。具体的に、予め用意されたキャラクタ(変化演出用キャラクタ)を示す演出画像を画像表示装置905の画面上に表示させ、予告対象となる可変表示に対応する保留表示に作用を及ぼすような作用演出が行われることにより、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となる。なお、理解を容易にするため、この実施の形態では、作用演出の実行タイミング(予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるタイミング)を、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングとしているが、当該作用演出の実行タイミングを、複数回のシフトのうちのいずれのシフトタイミングとするか、可変表示結果に応じて異なる割合で決定するようにしてもよい。なお、詳しくは後述するが、この実施の形態における「保留表示変化」の先読み演出では、作用演出が行われる場合と行われない場合があり、作用演出が行われない場合には、変化演出用キャラクタは表示されずに、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるよう態様が変化する。
始動入賞の発生に基づいて実行される先読み予告演出は、始動入賞が発生した後に、先読み予告演出による予告内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある始動入賞の発生によりリーチ状態となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(または非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある始動入賞の発生により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく可変表示において確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
この実施の形態では、単独予告演出の一例として、アクティブ表示エリア905HAにおける演出画像の表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、開始条件が成立した可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「アクティブ表示変化」の予告演出が実行される。より具体的には、アクティブ表示エリア905HAにおける表示色を、通常時における所定色(例えば灰色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色、白色のいずれかなど)や通常時における形状とは異なる形状とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、アクティブ表示エリア905HAに表示されるアイコンを、通常時における丸型無地とは異なる特定アイコンとすることにより、例えば「?」、「チャンス」、「激熱」などのメッセージを報知して、可変表示結果が「大当り」となる可能性を示唆できればよい。その他、アクティブ表示エリア5HAに表示されるアイコンには、例えば「NEXT」などのメッセージを報知して、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動が実行されることを報知するアイコンがあってもよい。「アクティブ表示変化」の予告演出は、アクティブ変化演出ともいう。
具体的に、この実施の形態におけるアクティブ変化演出では、予め用意されたキャラクタ(変化演出用キャラクタ)を示す演出画像(保留表示演出時に表示された演出画像)を画像表示装置905の画面上に表示させ、予告対象の保留表示(保留変化演出の対象の保留表示)がアクティブ表示エリア905HAに移行(シフト)したタイミングでアクティブ表示エリア905HAの表示(アクティブ表示)に作用演出を行うことにより、表示色を変化させる場合と、作用演出が行われずにアクティブ表示の表示色を変化させる場合とがある。なお、上述したように、この実施の形態では、保留変化演出として、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるよう表示態様を変化させる演出が行われる。そして、単独予告演出としてアクティブ変化演出が行われ、表示態様が変化した保留表示がアクティブ表示エリア905HAに移行して、表示色が変化する。すなわち、まず保留変化演出にて予告対象が示され、アクティブ変化演出において表示色が変化する(大当り期待度が示唆される)こととなり、この一連の演出(保留変化演出およびアクティブ変化演出)を、この実施の形態では保留・アクティブ変化演出という。なお、この実施の形態では、理解を容易にするために保留変化演出では予告対象を遊技者に認識可能とするに留まり、大当り期待度はアクティブ変化演出にて示唆する(すなわち、アクティブ変化演出において始めて表示色が変化する)例を示しているが、保留変化演出においても表示色を変化させ大当り期待度を示唆してもよい。具体的に、保留変化演出において表示色を変化させ、アクティブ変化演出では表示色が変化しないガセの演出を行ってもよいし、保留変化演出において表示色を変化させ、さらにアクティブ変化演出においても表示色を変化させてもよい。例えば、保留変化演出において保留表示がシフトする度に表示色を段階的に変化させ(シフトしても変化させない場合も含む)、アクティブ表示エリア905HAにシフトした場合にアクティブ変化演出を行ってさらに表示色を変化させてもよい(ガセの演出を行ってもよい)。また、この実施の形態における保留・アクティブ変化演出では、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示される場合がある。具体的には後述するが、保留・アクティブ変化演出において、緑色や赤色に表示色が変化する保留・アクティブ変化演出が開始されると、当該保留・アクティブ変化演出が終了するまでの期間、表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示されることがある(白色や青色に表示色が変化する保留・アクティブ変化演出では拡大表示は行われない)。また、拡大表示される保留・アクティブ変化演出が開始されると、画像表示装置905内に特定表示領域としての小画面が表示され、当該保留・アクティブ変化演出にて表示される画像(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示が全て特定表示領域としての小画面にて行われることとなる。当該小画面表示は、当該保留・アクティブ変化演出が終了すると終了する(特定表示領域における表示制御が終了する)。なお、小画面にて表示される各種画像は、画像表示装置905に対して表示された画像と比率が同じであればよい(例えば、画像表示装置905の画面サイズが10で小画面の画面サイズが1であれば、小画面にて表示される画像は、画像表示装置905において表示されていたサイズの10分の1の比率となればよい)。また、この実施の形態では、拡大表示が行われない場合には、保留・アクティブ変化演出において作用演出が行われないものとしているが、例えば小さなキャラクタ画像を表示することにより作用演出を行うなど、拡大表示を行う場合と異なる態様により作用演出を行ってもよい。
また、この実施の形態では、先読み予告演出として、予告対象の保留に対応する可変表示が行われるまでの期間(当該予告対象の保留の可変表示も含む)、可変表示が行われる度に可動体9099を回転動作させる可動体演出が実行される。具体的に、可動体演出は、予告対象の保留の可変表示が行われるまでの複数回の可変表示において実行され、各可変表示の開始から所定期間(例えば2秒間など)行われる。その際、画像表示装置905では、エフェクト画像を表示し、当該可動体9099が動作していることを効果的に目立たせる表示が行われる。
すなわち、この実施の形態では、保留・アクティブ変化演出と可動体演出といった2種類の先読み演出が実行されるが、これらはそれぞれ単独で行われてもよいし、重複して行われてもよい。なお、拡大表示が行われる保留・アクティブ変化演出と可動体演出が重複して行われる場合の可動体演出のことを可動体特殊演出という。可動体特殊演出では、画像表示装置905に表示された特定表示領域としての小画面にてエフェクト画像が表示される。これにより、可動体9099が回転動作していることを遊技者に容易に認識可能とし、かつ保留表示やアクティブ表示が認識不可能となることを防止している。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、この実施例におけるパチンコ遊技機901の主要な動作(作用)を説明する。
主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM90102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板9011の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板9011の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と、大当り種別決定用の乱数値MR2´と、変動パターン決定用の乱数値MR3´と、が含まれていればよい(図27参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1´は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2´は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」又は「確変」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3´は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置904における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM90101にコマンド毎に設定されている。)のROM90101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM90102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM90102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM90101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。図26は、ステップS90101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU90103は、まず、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ9022Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ9022Aがオンであるか否かを判定する(ステップS90201)。このとき、第1始動口スイッチ9022Aがオンであれば(ステップS90201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS90202)。このとき、CPU90103は、RAM90102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS90202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS90202;No)、RAM90102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS90203)。
ステップS90201にて第1始動口スイッチ9022Aがオフであるときや(ステップS90201;No)、ステップS90202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS90202;Yes)、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ9022Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ9022Bがオンであるか否かを判定する(ステップS90204)。このとき、第2始動口スイッチ9022Bがオンであれば(ステップS90204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS90205)。このとき、CPU90103は、RAM90102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS90205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS90205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS90206)。第2始動口スイッチ9022Bがオンでなかったり(ステップS90204;No)、第2特図保留記憶数が上限値であったり(ステップS90205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS90203、S90206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS90207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM90102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS90208)。
ステップS90208の処理を実行した後に、CPU90103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS90209)。一例として、ステップS90209の処理では、乱数回路90104やRAM90102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1´、大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動パターン決定用の乱数値MR3´を示す数値データが抽出される(図27参照)。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS90210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図28(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図28(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図28(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU90103が乱数回路90104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1´や大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動パターン決定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図28(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU90103が乱数回路90104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1´や大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動パターン決定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS90210の処理に続いて、CPU90103は、始動入賞時判定処理を行う(ステップS90211)。始動入賞時判定処理は、所謂先読みのための処理である。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図25のステップS90110、図30)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図25のステップS90111、図32)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。
他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU90103がステップS90211の入賞時判定処理を実行することにより、今回の始動入賞によって実行される特図ゲームの特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定や、今回の始動入賞によって実行される飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様などとなることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板9012の側で演出制御用CPU90120などにより、保留表示の色を変化させる保留変化演出やアクティブ表示の色を変化させるアクティブ変化演出を実行するか否かを、決定することができる。
図29は、始動入賞時判定処理の一例を示すフローチャートである。CPU90103は、まず、例えばRAM90102に所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオンになるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS90401)。CPU90103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS90401の処理に続いて、CPU90103は、予めROM90101の所定領域に記憶するなどして用意された複数の特図表示結果決定テーブルのうちから、現在の遊技状態に対応して用意されたテーブルを選択して使用テーブルにセットする(ステップS90402)。特図表示結果決定テーブルは、遊技状態が確変状態であるかなどに応じて複数用意されている。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図31(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
例えば、特図表示結果決定テーブルとして、非確変状態及び確変状態に対応する特図表示結果決定テーブル(図31(A)参照)が用意されている。CPU90103は、このテーブルのうち、現在の遊技状態に対応したテーブルをROM90101からRAM90102に読み出すなどして当該テーブルを使用テーブルにセットする。
その後、CPU90103は、図26のステップS90209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1´を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS90403)。大当り判定範囲には、ステップS90402の処理でセットされた使用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU90103が乱数値MR1´と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1´と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU90103が乱数値MR1´と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1´が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1´が大当り判定範囲の範囲内であると判定することにより、その乱数値MR1´を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS90403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS90403;No)、CPU90103は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた表示結果指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「ハズレ」を指定するコマンド)を、演出制御基板9012に対して送信するための送信設定を行う(ステップS90405)。
ステップS90403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS90403;Yes)、CPU90103は、大当り種別決定用の乱数値MR2´に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS90409)。このとき、CPU90103は、予めROM90101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを参照する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図31(B)に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2´と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU90103は、乱数値MR2´に合致する決定値に割り当てられている大当り種別を今回の判定結果とする。こうしたステップS90409の処理による判定結果に応じた表示結果指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「確変」又は「非確変」の「大当り」を指定するコマンド)を、演出制御基板9012に対して送信するための送信設定が行われる(ステップS90410)。
ステップS90405、S90410の処理のいずれかを実行した後には、CPU90103は、変動カテゴリコマンド(始動入賞時の判定結果のうちの変動カテゴリを指定するコマンド)を、演出制御基板9012に対して送信するための送信設定を行う(ステップS90413)。
ステップS90413の後、CPU90103は、始動入賞口指定コマンドの送信設定を行う(ステップS90414)。ここでの第1始動入賞口指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板9012の側へと送信される。また、第2始動入賞口指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板9012の側へと送信される。ステップS90414の後、入賞時判定処理は終了する。
再び、図26に戻って説明する。その後、CPU90103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS90212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS90212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS90213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS90212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS90214)、ステップS90204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ9022Aと第2始動口スイッチ9022Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図25に示すステップS90101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、RAM90102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S90117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM90102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1´を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」又は「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM90102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図30は、特別図柄通常処理として、図25のステップS90110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す特別図柄通常処理において、CPU90103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS90231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU90103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS90231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM90102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS90232)。これにより、図26に示すステップS90209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS90232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS90233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS90233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM90102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS90234)。
ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS90231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS90235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU90103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS90235の処理は、ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM90102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS90236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS90237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS90237の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS90238)。
ステップS90234、S90238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS90239)。一例として、ステップS90239の処理では、予めROM90101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図31(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。CPU90103は、ステップS90232又はS90236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1´を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1´を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1´に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU90103は、RAM90102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1´が「9000」であるとき、CPU90103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図31(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図25に示すステップS90117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在の遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU90103は、ステップS90239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS90240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS90240;Yes)、RAM90102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS90241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS90242)。一例として、ステップS90242の処理では、予めROM90101の所定領域に記憶するなどして用意されたに示す大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2´と比較される数値(決定値)に応じて、大当り種別を複数種類(「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図31(B)参照)。CPU90103は、ステップS90232又はS90236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2´を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、大当り種別決定用の乱数値MR2´を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2´に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2´が「75」である場合、CPU90103は、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
ステップS90242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS90243)。CPU90103は、RAM90102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図31(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS90240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS90240;No)、ステップS90241〜S90243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS90246)。一例として、ステップS90240、S90244にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS90240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS90242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS90246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS90247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS90247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図25に示すステップS90111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS90235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS90235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS90248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図25のステップS90111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図32は、変動パターン設定処理として、図25のステップS90111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す変動パターン設定処理において、CPU90103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS90261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS90261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS90262)。
ステップS90261にて大当りフラグがオフである場合には、CPU90103は、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS90265)。
図33は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」を指定する変動パターンとして、通常時(非時短時)用の変動パターンPA1´−1からPA1´−3と、時短時用の変動パターンPB1´−1及びPB1´−2とが用意されている。
また、可変表示結果が「大当り」(大当り種別が「確変」又は「非確変」の「大当り」)になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。具体的には、ノーマルリーチを実行することを指定する変動パターンPA2´−1(ハズレ用)及び変動パターンPA3´−1(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチAを実行することを指定する変動パターンPA2´−2(ハズレ用)及び変動パターンPA3´−2(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチBを実行することを指定する変動パターンPA2´−3(ハズレ用)及び変動パターンPA3´−3(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチCを実行し、その後にスーパーリーチAに発展することを指定する変動パターンPA2´−4(ハズレ用)及び変動パターンPA3´−4(「大当り」)が用意されている。
図32に示すステップS90262の処理では、例えば図34に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が、「非確変」又は「確変」のいずれの場合も共通して、変動パターン決定用の乱数値MR3´と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU90103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3´を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3´に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3´が「140」である場合、CPU90103は、変動パターンPA3´−3を選択する。
図32に示すステップS90265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM90102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図35(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図35(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3´と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値との合計値などから特定すればよい。
CPU90103は、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3´を示す数値データと、に基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、時短中でないときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3´に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
CPU90103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3´が「229」である場合、CPU90103は、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2´−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1´−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「3」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1´−2を選択する。
図32に示すステップS90262、S90265の処理のいずれかを実行した後には、CPU90103は、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS90266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図33に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU90103は、ステップS90262、S90265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS90266の処理に続いて、CPU90103は、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS90267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU90103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器9025Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器9025Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU90103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器9025Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器9025Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS90267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS90268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU90103は、主基板9011から演出制御基板9012に対して第1図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU90103は、主基板9011から演出制御基板9012に対して第2図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。ここでの第1図柄変動開始指定コマンドや第2図柄変動開始指定コマンドは、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが減少したかを指定する保留通知情報として送信される。
ステップS90268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS90269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS90269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図25に示すステップS90112の特別図柄変動処理が実行される。
図25のステップS90112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置904A又は第2特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置904A又は第2特別図柄表示装置904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS90110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。ステップS90112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図25のステップS90113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する処理や、大当りフラグがオン状態である場合に時短フラグ及び確変フラグをオフ状態にし、RAM90102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にし、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新する処理が含まれる。また、特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態でない場合、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する処理が含まれる。
送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板9012側になされる。
図25のステップS90114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに対応して(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS90114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS90115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS90114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS90115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS90116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS90114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。ステップS90116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS90114からS90116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS90117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS90114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。ステップS90116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
なお、時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
次に、演出制御基板9012における主な動作を説明する。
演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM90122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM90122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ909及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM90122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図36は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す演出制御プロセス処理では、まず、演出制御用CPU90120は、保留・アクティブ変化演出や可動体演出といった先読み演出の実行設定などを行う先読み処理を実行する(ステップS90160)。
図37は、図36のステップS90160にて実行される先読み処理の一例を示すフローチャートである。図37に示すように、まず、演出制御用CPU90120は、主基板9011における図29の始動入賞時判定処理で送信される始動入賞口指定コマンド(第1始動入賞口指定コマンド及び第2始動入賞口指定コマンドの何れか)と、表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド、表示結果2指定コマンド及び表示結果3指定コマンドの何れか)と、変動カテゴリコマンドとが入力されたか否かを判定する(ステップS90600)。演出制御用CPU90120は、始動入賞口指定コマンドにより始動入賞を認識することができる。また、演出制御用CPU90120は、表示結果指定コマンドにより、始動入賞に対応する入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかを認識することができる。また、演出制御用CPU90120は、変動カテゴリコマンドにより始動入賞に対応する可変表示の変動パターン(スーパーリーチであるか否か等)を認識することができる。なお、これらのコマンドは、RAM90122に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファに格納されていればよい。
始動入賞口指定コマンド、表示結果指定コマンド及び変動カテゴリコマンドが入力されていない場合には(ステップS90600;No)、先読み処理を終了する。一方、始動入賞口指定コマンド、表示結果指定コマンド及び変動カテゴリコマンドが入力された場合には(ステップS90600;Yes)、演出制御用CPU90120は、特図保留記憶数を示す保留記憶数カウント値を1増加させる(ステップS90601)。保留記憶数カウント値は、例えば、RAM90122に設けられる。保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口指定コマンドが入力される毎に1増加し、第1図柄変動開始指定コマンド又は第2図柄変動開始指定コマンドが入力される毎に1減少する。これにより、保留記憶数カウント値は、現在の特図保留記憶数を示すことになる。
保留記憶カウント値を1増加させた後(ステップS90601)、演出制御用CPU90120は、保留・アクティブ変化演出や可動体演出といった先読み演出の実行設定を行う先読み演出実行設定処理を行う(ステップS90602)。
図38は、図37のステップS90602にて実行される先読み演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図38に示すように、まず、演出制御用CPU90120は、保留・アクティブ変化演出および可動体演出といった先読み演出の実行有無を決定する(ステップS90700)。具体的に、ステップS90700の処理では、図39に示す先読み演出実行決定テーブルを参照して、先読み演出の実行有無を決定する。なお、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み演出の設定が行われないように制限される。また、先読み演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み演出について、全部の態様の先読み演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、この実施の形態では、既に先読み演出を実行中である場合には、当該予告対象となる可変表示が終了するまで、他の対象に対する先読み演出を実行する処理が行われないよう制限される。さらに、時短制御中は先読み演出を実行する処理が行われないよう制限されてもよい(時短制御が行われない通常状態の場合にのみ先読み演出が実行されるようにしてもよい)し、時短制御中は第2始動入賞口指定コマンドに基づいて先読み演出を実行し(第1始動入賞口への入賞に対する先読み演出を制限する)、時短制御が行われない通常状態の場合には第1始動入賞口指定コマンドに基づいて先読み演出を実行する(第2始動入賞口への入賞に対する先読み演出を制限する)ようにしてもよい。また、例えば保留記憶数が2以上の場合にのみ先読み演出を実行可能とするなど、保留記憶数に応じて先読み演出の実行を制限してもよい。また、保留記憶数が1の場合に先読み演出を実行するときには、予告対象の保留表示が認識可能となる変化(保留・アクティブ変化演出が行われる場合にのみ表示される特殊表示態様への変化)、アクティブ表示の表示態様の変化といったそれぞれの変化が遊技者にとって一瞬で行われることとなる。そのため、当該保留記憶数が1の場合に先読み演出を実行するときには、最終色が「赤」となるなど、期待度が最も高い表示態様となる場合にのみ行われるようにしてもよい。これによれば、保留表示やアクティブ表示に遊技者の注目を集めることができる。
また、始動入賞時受信コマンドバッファに格納されている前回までの変動カテゴリコマンドをチェックして、先読み演出を実行可能な変動カテゴリであるか否かを判定し、実行可能な変動カテゴリであると判定した場合にのみ先読み演出を実行可能としてもよい(実行不可能な場合には先読み演出を制限してもよい)。例えば、最新の変動カテゴリコマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時受信コマンドバッファに格納されている変動カテゴリコマンドにより指定された変動カテゴリを全て読み取り、読み取った全てが「非リーチ」の可変表示態様に対応した変動カテゴリを指定するものである場合に、先読み演出を実行可能な変動カテゴリであると判定すればよい。これによれば、予告対象となる可変表示が開始されるまでの各可変表示では、すべて「非リーチ」の可変表示態様となる場合に先読み演出が実行可能となる。したがって、先読み演出の途中でリーチ演出が実行されてしまい先読み演出の連続性が損なわれることを防止できる。
図39は、先読み演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。図39に示す先読み演出実行決定テーブルでは、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行する場合、保留・アクティブ変化演出のみ実行して可動体演出を実行しない場合、保留・アクティブ変化演出および可動体演出を実行せず可動体演出のみ実行する場合(以上が先読み演出を実行する場合)、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行しない場合(先読み演出を実行しない場合)のそれぞれに対し、図37のステップS90600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかに応じて、異なる決定割合が設定されている。図示するように、対応する保留の入賞時判定結果に応じて先読み演出の実行割合が異なっており、大当りの場合はハズレの場合よりも先読み演出が実行される割合が高くなっている。また、先読み演出が実行される場合であっても、大当りの場合は保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方が実行される割合が高くなっている。したがって、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方が行われることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。図39に示す先読み演出実行決定テーブルは、例えば、RAM90122に記憶されている。演出制御用CPU90120は、先読み演出実行決定テーブルと、ステップS90600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果とに基づいて、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行するのか、保留・アクティブ変化演出のみ実行して可動体演出を実行しないのか、保留・アクティブ変化演出および可動体演出を実行せず可動体演出のみ実行するのか、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行しないのか、を決定する。すなわち、図38のステップS90700の処理では、先読み演出の実行有無とともに、先読み演出を実行する場合、保留・アクティブ変化演出を実行するのか、可動体演出を実行するのか、それとも両方を実行するのか、といった先読み演出の種類も一気に決定している。なお、これとは別に、先読み演出の実行有無を先に決定し、その後、先読み演出を実行すると決定した場合に、さらに実行する先読み演出の種類を決定するといったように、2段階で決定するようにしてもよい。
図38に戻り、演出制御用CPU90120は、ステップS90700における決定が、保留・アクティブ変化演出を実行することを決定したか否かを判定する(ステップS90701)。保留・アクティブ変化演出を実行しないと決定した場合(ステップS90701;No)、演出制御用CPU90120は、先読み演出実行設定処理を終了する。
保留・アクティブ変化演出を実行することが決定された場合(ステップS90701;Yes)、演出制御用CPU90120は、図40に示す最終色決定テーブルを参照して、最終的に変化する色(最終色)を決定する(ステップS90706)。なお、上述したように、この実施の形態では、理解を容易にするため、保留変化演出では予告対象を遊技者に認識可能とする(特殊表示態様へ変化させる)に留まり、アクティブ変化演出において始めて表示色が変化する例を示しているが、例えば、保留変化演出において表示色を段階的に変化させてもよい。具体的には、保留・アクティブ変化演出パターンを複数用意しておき、保留表示がシフトする度に表示色が変化可能としてもよい。保留・アクティブ変化演出パターンは、例えば、保留記憶数に応じて、始動入賞に対応する保留が最古の保留から数えて何番目であるかを示す保留順位が3番目(保留3)、2番目(保留2)、1番目(保留1)となるときの保留表示の色及び色の変化の態様と、始動入賞に対応する可変表示が実行中となるとき(アクティブとなるとき)のアクティブ表示の色及び色の変化の態様が示されていればよい。ステップS90706の処理では、段階的に変化させる場合も含めた最終的な表示色を決定すればよい。
図40は、最終色決定テーブルの構成例を示す図である。最終色決定テーブルでは、「白」、「青」、「緑」、「赤」のそれぞれの最終色に、可変表示結果に応じて異なる割合で決定されるよう設定されている。この実施の形態における最終色決定テーブルでは、最終色が「赤」である場合が最も大当りとなる割合が高く、次いで「緑」が高く、その次に「青」、「白」が最も大当りとなる割合が低く設定されている。また、「緑」および「赤」の場合にはスーパーリーチ以上が確定されるよう決定割合が設定されている。上述したように、緑色や赤色に表示色が変化する保留・アクティブ変化演出では、表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示されることがあるため、拡大表示が行われた場合には、予告対象となる保留表示に対応する可変表示では少なくともスーパーリーチとなることが確定的に報知されたことになる。したがって、拡大表示が行われることへの遊技者の期待感を向上させることができる。
図38に戻り、ステップS90706の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップS90706の処理にて決定した最終色が「緑」または「赤」であるか否かを判定する(ステップS90707)。最終色が「緑」でも「赤」でもない場合、すなわち、「白」または「青」である場合(ステップS90707;No)、演出制御用CPU90120は、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大して表示する拡大態様設定を、無しに決定する(ステップS90708)。これにより、「白」または「青」に変化する保留・アクティブ変化演出では、拡大表示は行われず、画像表示装置905内に特定表示領域としての小画面も表示されないこととなる。ステップS90708の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、先読み演出実行設定処理を終了する。
一方、ステップS90707の処理にて、最終色が「緑」または「赤」であると判定した場合(ステップS90707)、演出制御用CPU90120は、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大して表示する拡大態様設定有無を、図41に示す拡大態様設定有無決定テーブルを参照して決定する(ステップS90709)。
図41は、拡大態様設定有無決定テーブルの構成例を示す図である。図41に示す拡大態様設定有無決定テーブルでは、拡大表示を行う拡大態様設定有りと、拡大表示を行わない拡大態様設定無しに対し、図37のステップS90600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかに応じて、異なる決定割合が設定されている。図示するように、対応する保留の入賞時判定結果に応じて拡大表示を行う拡大態様設定有りに決定される割合が異なっており、大当りの場合はハズレの場合よりも拡大態様設定有りに決定され割合が高くなっている。したがって、拡大表示が行われることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
図38に戻り、ステップS90709の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップS90709にて拡大態様設定有りに決定されたか否かを判定する(ステップS90710)。拡大態様設定無しに決定された場合(ステップS90710;No)、演出制御用CPU90120は、先読み演出実行設定処理を終了する。その一方で、拡大態様設定有りに決定された場合(ステップS90710;Yes)、演出制御用CPU90120は、ステップS90700にて可動体演出を行うと決定されたか否か、すなわち保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行うと決定したか否かを判定する(ステップS90711)。可動体演出を行わない、すなわち、保留・アクティブ変化演出のみ行う場合(ステップS90711;No)、演出制御用CPU120は、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出のみ実行することを示す拡大フラグをオン状態にセットする(ステップS90712)。拡大フラグは、RAM122に設けられていればよい。ステップS90712の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。
一方、可動体演出を行うと判定した場合、すなわち拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行う場合(ステップS90711;Yes)、演出制御用CPU90120は、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行し、さらに可動体演出を行うこと、すなわち実行される可動体演出が上述した可動体特殊演出であることを示す重複フラグをオン状態にセットする(ステップS90713)。重複フラグは、RAM90122に設けられていればよい。ステップS90713の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、先読み演出実行設定処理を終了する。なお、重複フラグがオン状態にセットされること、すなわち、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行うこと、を特定条件が成立するともいう。
図37に戻り、ステップS90602の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、保留表示又はアクティブ表示を追加する処理を行う(ステップS90603)。例えば、保留記憶数が1で、且つ、特図ゲーム開始の条件が成立している場合、演出制御用CPU90120は、アクティブ表示エリア905HAにアクティブ表示を追加する制御を行い、それ以外の場合には、演出制御用CPU90120は、始動入賞記憶表示エリア905Hに保留順位に応じた保留表示を追加する制御を行う。特図ゲーム開始の条件とは、上述したように、第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件と第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件とがある。例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了して画像表示装置905において可変表示が実行されておらず、デモ画像等が表示されている場合、第1開始条件や第2開始条件は成立した状態となる。
具体的に、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905が表示すべき保留表示やアクティブ表示の内容(初期状態として灰色の表示)を決定し、その決定に応じて表示制御部90123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板9012に搭載された表示制御部90123は、演出制御用CPU90120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置905における表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成し、アクティブ表示エリア905HAにアクティブ表示を表示させ、始動入賞記憶表示エリア905Hに保留表示を表示させる。ステップS90603の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、先読み処理を終了する。
再び、図36に戻って説明する。ステップS90160における先読み処理の後、演出制御用CPU90120は、RAM90122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、ステップS90170〜S90177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011からの第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示や、図37のステップS90602の処理で設定された先読み演出や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“2”に更新されて終了する。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、RAM90122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS90171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。
ステップS90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS90174の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU90120は、例えば「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示領域に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置905において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口通常開放時処理は、例えば主基板9011からの大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS90175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示領域に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図42は、可変表示開始設定処理として、図36のステップS90171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、例えば主基板9011から伝送された表示結果指定コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS90521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS90521;Yes)、例えば主基板9011から伝送された変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS90522)。
ステップS90522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS90522;Yes)、演出制御用CPU90120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90523)。一例として、ステップS90523の処理では、まず、演出制御用CPU90120は、乱数回路90124またはRAM90122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア905Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア905Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS90522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS90522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90524)。一例として、ステップS90524の処理では、まず、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS90521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS90521;No)、演出制御用CPU90120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90527)。一例として、ステップS90527の処理では、まず、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM90121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置905の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このとき、例えば、表示結果指定コマンドなどによって特定される大当り種別に応じて同一の飾り図柄を決定する。
ステップS90523、S90524、S90527において設定された、左確定飾り図柄、右確定飾り図柄、中確定飾り図柄の態様や停止順序の情報は、例えばRAM90122に記憶される。
ステップS90523、S90524、S90527の処理のいずれかを実行した後には、演出制御用CPU90120は、重複フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS90528)。上述したように、重複フラグは、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行し、さらに可動体演出を行うことを示すフラグであり、図38のステップS90713の処理にてオン状態にセットされる。重複フラグがオン状態にセットされていると判定した場合(ステップS90528;Yes)、演出制御用CPU90120は、可動体演出として、画像表示装置905に表示された特定表示領域としての小画面にてエフェクト画像を表示する可動体特殊演出を実行するための設定を行う可動体特殊演出設定処理を実行する(ステップS90529)。具体的に、ステップS90529の処理では、予告対象の保留の可変表示が行われるまでの複数回の可変表示において各可変表示の開始から2秒間、可動体9099を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示する設定が行われる。ステップS90529の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、保留・アクティブ変化演出を実行するための設定を行う保留・アックティブ変化演出実行設定処理を行う(ステップS90530)。ステップS90530の処理では、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる設定を行うとともに、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングで作用演出を行い、さらに、アクティブ表示エリア905HAにシフトしたタイミングでアクティブ表示の表示色を、作用演出を行って変化させる設定が行われる。また、ステップS90530の処理では、画像表示装置905に特定表示領域としての小画面を表示し、当該保留・アクティブ変化演出にて表示される画像(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示を全て小画面にて行う設定が行われるとともに、当該保留・アクティブ変化演出の終了後に特定表示領域としての小画面への表示を終了し、元に戻す設定が行われる。なお、ステップS90529の処理をステップS90530の処理の後に実行してもよい。
ステップS90528にて重複フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS90528;No)、演出制御用CPU90120は、可動体演出を実行するか否かを判定する(ステップS90531)。可動体演出を実行する場合(ステップS90531;Yes)、演出制御用CPU90120は、可動体演出を実行するための可動体演出設定処理を行う(ステップS90532)。具体的に、ステップS90532の処理では、予告対象の保留の可変表示が行われるまでの複数回の可変表示において各可変表示の開始から2秒間、可動体9099を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて画像表示装置905における可動体9099の近傍にエフェクト画像を表示する設定が行われる。
ステップS90532の処理を実行した後、またはステップS90531にて可動体演出を実行しないと判定した場合(ステップS90531;No)、演出制御用CPU90120は、保留・アクティブ変化演出を実行するか否かを判定する(ステップS90533)。保留・アクティブ変化演出を実行すると判定した場合(ステップS90533;Yes)、演出制御用CPU90120は、拡大フラグの設定状況に応じて、保留・アクティブ変化演出を実行するための保留・アクティブ変化演出実行設定処理を行う(ステップS90534)。上述したように、拡大フラグは、図38のステップS90712にてオン状態に設定される。ステップS90534の処理では、拡大フラグがオン状態にセットされている場合には、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる設定を行うとともに、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングで作用演出を行い、さらに、アクティブ表示エリア905HAにシフトしたタイミングでアクティブ表示の表示色を変化させる設定を行う。一方、拡大フラグがオン状態にセットされておらず、オフ状態である場合には、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる設定や作用演出は行われず、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングで予告対象を認識可能とするよう表示態様を変化させる設定を行い、さらに、アクティブ表示エリア905HAにシフトしたタイミングでアクティブ表示の表示色を(作用演出なしに)変化させる設定のみを行う。
ステップS90530またはステップS90534の処理を実行した後、またはステップS90533にて保留・アクティブ変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS90533;No)、演出制御用CPU90120は、その他の演出を実行するための演出パターンの設定処理を行う(ステップS90535)。
続いて、演出制御用CPU90120は、ステップS90528〜ステップS90534の処理にて設定された内容、及びステップS90529の処理において設定した演出パターンに基づいて、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS90536)。
続いて、演出制御用CPU90120は、例えば変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM90122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS90537)。
そして、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS90538)。このときには、例えばステップS90536にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
更に、演出制御用CPU90120は、可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける保留表示やアクティブ表示エリア905HAにおけるアクティブ表示を更新するための設定を行う(ステップS90539)。ここで、始動入賞記憶表示エリア905Hに保留表示が表示されている場合には、演出制御用CPU90120は、保留順位1に対応する保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつ移動(シフト)させる。一方、始動入賞記憶表示エリア905Hに保留表示が表示されておらず、アクティブ表示エリア905HAにおけるアクティブ表示のみが表示されている場合、演出制御用CPU90120は、表示の更新を行わない。
その後、演出制御用CPU90120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90540)、可変表示開始設定処理を終了する。
図43は、可変表示中演出処理として、図36のステップS90172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図43に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90801)。一例として、ステップS90801の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS90801にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS90801;No)、演出制御用CPU90120は、可動体演出を実行するための可動体演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS802)。可動体演出実行期間は、図42に示すステップS90529やステップS90532にて設定されている。可動体演出実行期間であると判定した場合(ステップS90802;Yes)、演出制御用CPU90120は、重複フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS90803)。重複フラグがオン状態にセットされている場合(ステップS90803;Yes)、可動体9099を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示する可動体特殊演出制御を行う(ステップS90805)。一方、重複フラグがオフの場合(ステップS90803;No)、可動体9099を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて画像表示装置905における可動体9099の近傍にエフェクト画像を表示する可動体演出制御を行う(ステップS90804)。
ステップS90805またはステップS90804の処理を行った後、またはステップS90802にて可動体演出実行期間ではないと判定した場合(ステップS90803;No)、演出制御用CPU90120は、保留・アクティブ変化演出を実行するための保留・アクティブ変化演出実行期間であるか否か判定する(ステップS90806)。保留・アクティブ変化演出実行期間は、図42に示すステップS90530やステップS90534にて設定されている。保留・アクティブ変化演出実行期間であると判定した場合(ステップS90806;Yes)、演出制御用CPU90120は、図42のステップS90530またはステップS90534にて設定された内容にしたがって、保留・アクティブ変化演出を実行する(ステップS90807)。具体的に、ステップS90807の処理では、拡大表示を行う拡大態様設定が行われている場合には、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる拡大制御を行うとともに、作用演出を行うためのキャラクタを表示し、保留表示およびアクティブ表示の表示態様を変化させる制御や、特定表示領域としての小画面にて当該保留・アクティブ変化演出に関する表示以外の表示を行う制御などが行われる。具体的に、特定表示領域としての小画面では、背景画像や可変表示、保留・アクティブ変化演出以外の予告演出など、当該保留・アクティブ変化演出に関する表示以外の全ての表示が行われる。一方、拡大表示を行う拡大態様設定が行われていない場合には、拡大制御を行わず、作用演出を実行せずに保留表示およびアクティブ表示の表示態様を変化させる制御が行われる。
ステップS90807の処理を実行した後、またはステップS90806にて保留・アクティブ変化演出実行期間ではないと判定した場合(ステップS90806;No)、演出制御用CPU90120は、重複フラグまたは拡大フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS90808)。重複フラグまたは拡大フラグがオン状態にセットされていると判定した場合(S90808;Yes)、保留・アクティブ変化演出実行期間が終了したか否かを判定する(ステップS90809)。保留・アクティブ変化演出実行期間が終了した場合(ステップS90809;Yes)、特殊領域としての小画面による表示制御、すなわち特定表示領域制御を終了し、表示を元に戻す(ステップS90810)。ステップS90810の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、重複フラグまたは拡大フラグのうち、オン状態にセットされているフラグをオフ状態にクリアする(ステップS90811)。
ステップS90811の処理を実行した後、ステップS90808にて重複フラグも拡大フラグもオフであると判定した場合(ステップS90808;No)、またはステップS90809にて保留・アクティブ変化演出実行期間が終了していないと判定した場合(ステップS90809;No)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS90812)。リーチ演出実行期間は、所定のリーチ演出に対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS90812にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS90812;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS90813)。
ステップS90812にてリーチ演出実行期間ではないときや(ステップS90812;No)、ステップS90813の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS90814)、可変表示中演出処理を終了する。なお、ステップS90814にて行われる演出は、特定表示領域としての小画面が表示されている場合は、当該小画面で行われることとなる。小画面表示が行われているか否かは、例えば、RAM90122に設けられた小画面表示中フラグの状態を参照することにより判定すればよい。小画面表示中フラグは、ステップS90807の処理にて小画面表示が行われた場合にオン状態にセットされ、ステップS90810の処理にてオフ状態にクリアされればよい。
ステップS90801にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS90801;Yes)、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90815)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS90815;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS90815にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS90815;Yes)、例えば表示制御部90123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS90816)。続いて当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定し(ステップS90817)、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS90818)、可変表示中演出処理を終了する。
続いて図44と図46を参照して、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と、可動体演出(ここで実行される可動体演出は可動体特殊演出となる)とが行われる場合における演出動作について説明する。図44は、保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが行われる場合におけるタイミングチャートである(より具体的には、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と、可動体特殊演出を行う場合におけるタイミングチャートである)。図46は、保留・アクティブ変化演出と可動体演出の演出動作例を示す図である(より具体的には、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と、可動体特殊演出を行う場合における演出動作例を示す図である)。図示する例では、3回目の可変表示が先読み演出の予告対象の可変表示であり、当該予告対象の可変表示をターゲット変動といい、当該予告対象の保留表示をターゲット保留という。
まず1回目の可変表示が開始されると(図46(A)から図46(B)への推移)、保留・アクティブ変化演出が実行され、表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示される(図46(A)に示す始動入賞記憶表示エリア905Hの保留表示およびアクティブ表示エリア905HAのアクティブ表示が、図46(B)に示す始動入賞記憶表示エリア905Hの保留表示およびアクティブ表示エリア905HAのアクティブ表示に拡大表示される。)とともに作用演出が実行される。なお、作用演出が実行されることなく、背景が切り替わることに関連して星形(特殊態様)に変化させるようにしてもよい。また、図46(B)と図46(F)に示す場合とで異なる態様の作用演出を実行することにより保留表示の表示態様を変化させてもよい。図示する例ではアクティブ表示エリア905HA全体(アクティブ表示AHと台座表示AHAの両方)が拡大表示された例を示している。また、予告対象の保留表示がいずれの保留表示であるかを遊技者に認識可能とするよう、予告対象の保留表示の表示態様を星型(特殊態様)に変化させる(図46(B)に示す保留表示HG)。これに合わせて特定表示領域としての小画面が表示される(図46(B)に示す小画面906DP)。また、同時に可動体演出として、可変表示開始から2秒間、可動体9099が回転動作されるとともに、小画面にエフェクト画像(図46(B)に示すエフェクト画像9044)が表示される可動体特殊演出が実行される(以上、図46(B))。また、背景画像や飾り図柄が縮小されて小画面に表示される(図46(A)に示す背景画像9066や飾り図柄905L、905C、905Rが図46(B)に示す背景画像9066、飾り図柄905L、905C、905Rとして縮小して表示される)。なお、図示するように、一旦拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が実行されると、特定表示領域としての小画面は、少なくとも当該保留・アクティブ変化演出が終了するまでの期間は表示され続けることとなる。
そして1回目の可変表示が終了し(図46(C))、2回目の可変表示が開始されると、当該可変表示開始から2秒間、可動体9099を回転動作させるとともに、可動体特殊演出が実行される(図46(D))。ターゲット変動が開始されると、当該ターゲット変動の開始から2秒間、可動体9099を回転動作させるとともに、可動体特殊演出が実行されるとともに、アクティブ表示に対して作用演出が行われる(図46(F))。続いて可動体特殊演出が終了すると、作用演出の結果としてアクティブ表示の表示色が、図38のステップS90706にて決定された最終色に変化する(図46(F)に示す特殊態様のアクティブ表示905HGの態様がアクティブ表示905HKの態様に変化する)。なお、図示する例では、赤色に変化した例を示している(図46(G))。保留・アクティブ変化演出が終了すると、当該終了に合わせて拡大表示が終了される(図46(H)に示すように始動入賞記憶表示エリア905Hの保留表示およびアクティブ表示エリア905HAのアクティブ表示(台座表示も含む)が元の大きさで表示される)。その後、特定表示領域を非表示として小画面による制御を終了し、元の表示(飾り図柄905L、905C、905Rも元の大きさで表示され、背景画像9066も元の大きさで表示される)に戻す(図46(H))。そして、リーチ演出などの演出動作が行われることとなる。図44に示すように、この実施の形態における保留・アクティブ変化演出は、可動体演出(この場合には可動体特殊演出)の終了後に終了する。また、特定表示領域としての小画面は、保留・アクティブ変化演出の終了後に消去される。したがって、演出の終了タイミングが明確となり、演出効果を高めることができる。また、可動体演出が中途半端な状態のときに終了することによる違和感を軽減(防止)することができる。また、図46に示すように、特定表示領域としての小画面では、背景画像や飾り図柄の可変表示、エフェクト画像など、保留・アクティブ変化演出に関する表示(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示が行われ、保留表示やアクティブ表示は行われない。したがって、保留表示やアクティブ表示などの可変表示に対応する対応表示が複数の表示領域に表示されることで与えてしまう違和感を防止することができる。
図45は、可動体演出の演出動作例を示す図であり、より具体的には、先読み演出として可動体演出のみが行われる場合の演出動作例を示す図である。上述したように、可動体演出には、当該可動体9099が動作していることを効果的に目立たせるためのエフェクト画像を特定表示領域としての小画面に表示する特殊可動体演出と、当該エフェクト画像を画像表示装置905における可動体9099の近傍に表示する(通常の)可動体演出とが実行され得るため、その違いについて説明する。図45(A)に示すように、可変表示中に3つ目の保留表示が記憶され(図45(A)に示す始動入賞記憶表示エリア905Hに3つの保留表示が表示され、アクティブ表示エリア905HAにアクティブ表示AHと台座表示AHAが表示され)、当該保留がターゲット保留として決定された場合を例に説明する。図45(B)に示すように、実行中の可変表示が終了し、次の可変表示が開始されると、図45(C)に示すように、可変表示の開始から2秒間、可動体演出として可動体9099が回転動作し、エフェクト画像(図45(C)に示すエフェクト画像9044)が表示される。この場合、拡大表示は行われていないため、図46(B)や図46(D)、図46(F)などと異なり、エフェクト画像は、図示するように像表示装置905における可動体9099の近傍に表示される(図45(C)に示すようにエフェクト画像9044が可動体9099の近傍に表示される)。また、図46(B)などと異なり、背景画像(図45(A)に示す背景画像9066)や飾り図柄(図45(A)に示す飾り図柄905L、905C、905R)は画像表示装置905に表示され、小画面には表示されない。そして可変表示開始から2秒間経過すると可動体演出が終了し、可動体9099の回転動作が停止するとともにエフェクト画像も消去される。その後、ターゲット保留に対応する変動(ターゲット変動)が開始されるまで(ターゲット変動も含む)、各変動にて可動体演出が実行される。
なお、図45や図46における可動体演出のように、ターゲット変動までに複数回の可動体演出を実行する場合、各回における回転動作のスピードを徐々に早くしたり、エフェクト画像の色を各回で変更してもよい。この場合、保留・アクティブ変化演出における最終色のエフェクト画像が最終回の可動体演出にて表示されるようにしてもよい。これによれば演出の統一感が保て、遊技興趣を向上させることができる。なお、可動体9099にもLEDやランプを設け、回転動作に応じて様々な色にて点灯や点滅などしてもよい。例えば、可動体9099にLEDを設け、期待度に応じた色で発光させ回転動作させてもよい(すなわち、期待度に応じて異なる態様にて可動体演出を実行してもよい)。そして、演出補助表示として表示するエフェクト画像の色を当該LEDの発光色に応じた色としてもよい。これによれば演出効果を向上させることができる。また、演出補助表示の実行パターンが多様化し、遊技興趣の低下を防止することができる。さらに、可動体演出において、可動体9099の回転動作に合わせて動作音を出力してもよい。この場合、実行中の可動体演出が特定表示領域としての小画面でエフェクト画像を表示する可動体特殊演出であるか、通常の可動体演出であるかに応じて出力するスピーカを異ならせてもよい。例えば、通常の可動体演出においては、スピーカ908Lおよびスピーカ908Rにて動作音を出力する一方で、可動体特殊演出においては、特定表示領域が表示されている側のスピーカ(図46に示す例では画像表示装置の左側に特定表示領域としての小画面が表示されるためスピーカ908L)からのみ動作音を出力するようにしてもよい。また、特定表示領域としての小画面が表示されている期間(すなわち、保留・アクティブ変化演出が実行されている期間)は、特定表示領域としての小画面にて行われる表示に関する音声出力を、全て特定表示領域が表示されている側のスピーカからのみ出力するようにしてもよい。これによれば演出効果を高めることができる。
以上説明したように、この実施の形態におけるパチンコ遊技機901によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU90120は、先読み演出として保留・アクティブ変化演出と可動体演出といった2種類の演出を実行可能である。そして、保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を実行する場合、画像表示装置905に表示された特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示して、通常時とは異なる態様により可動体演出を実行可能である。したがって、演出の視認性が低下してしまうことによる遊技興趣の低下を防止することができる。
また、演出制御用CPU90120は、保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を実行する場合、画像表示装置905に表示された特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示して、可動体演出が実行されていることを遊技者に報知する。したがって、可動体演出の実行中であることを容易に認識することができ遊技興趣を向上させることができる。また、演出制御用CPU90120は、保留・アクティブ変化演出として、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行可能である。したがって、保留・アクティブ変化演出として表示態様が変化することを容易に認識することができ遊技興趣を向上させることができる。
演出制御用CPU90120は、可動体演出として可動体9099を回転動作させるとともに、当該可動体9099が動作していることを効果的に目立たせるよう、エフェクト画像を演出補助表示として表示する。そして、可動体演出のみを行う場合にはエフェクト画像を画像表示装置905における可動体9099の近傍に表示するのに対し、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行う場合には、特定表示領域としての小画面に当該エフェクト画像を表示する。したがって、演出補助表示を適格に行うことができ遊技興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU90120は、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行した場合、当該保留・アクティブ変化演出に関する表示(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示(背景画像や飾り図柄の可変表示、エフェクト画像など)を全て特定表示領域としての小画面にて行い、保留表示やアクティブ表示は小画面にて表示されない。したがって、保留表示やアクティブ表示などの可変表示に対応する対応表示が複数の表示領域に表示されることで与えてしまう違和感を防止することができる。また、演出制御用CPUは、特定表示領域としての小画面において、背景画像や可変表示、保留・アクティブ変化演出以外の予告演出など、保留・アクティブ変化演出に関する表示以外の全ての表示を行うことが可能である。したがって、演出の視認性が向上し演出効果を向上させることができ遊技興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU90120は、可動体演出の終了後に保留・アクティブ変化演出を終了させ、当該保留・アクティブ変化演出の終了後に特定表示領域としての小画面を非表示として小画面による制御を終了する。したがって、演出の終了タイミングが明確となり、演出効果を高めることができる。また、演出制御用CPU90120は、保留・アクティブ変化演出において、先読み演出の予告対象がいずれの保留であるのかを遊技者に認識可能とする態様に変化させる。すなわち、保留・アクティブ変化演出が行われる場合特有の表示態様に変化させる。したがって、保留・アクティブ変化演出が行われる対象が明確になり、演出効果を向上させることができる。
また、演出制御用CPU90120は、期待度に応じて可動体演出を実行可能であり、当該可動体演出において演出補助表示としてのエフェクト画像を表示する。そして、さらに拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が行われる場合(拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出との両方を行うという特定条件が成立する場合)には、当該エフェクト画像を、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が行われない場合(特定条件が成立していない場合)と比較して異なる位置にて表示可能である。したがって、演出補助表示の実行パターンが多様化し、遊技興趣の低下を防止することができる。より具体的に、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が行われる場合、演出制御用CPU90120は、可動体演出として可動体特殊演出を実行することで、特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示する。したがって、特定条件が成立していうることを容易に認識することができ遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施形態によれば、画像表示装置905の画面上において、当該始動入賞記憶表示エリア905Hに近接してアクティブ表示エリア905HAが配置され、アクティブ表示は保留表示に近接して表示される。これにより、保留表示が消去された場合に、遊技者にアクティブ表示を注目させることが可能となる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機901では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出において、作用演出を行うことにより予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかを認識可能とする(保留・アクティブ変化演出が行われる場合にのみ表示される特殊表示態様とする)例を示した(図46(B)参照)が、これは一例である。例えば、作用演出はアクティブ表示の表示態様を変化させる場合にのみ行ってもよく、特殊表示態様とする場合には作用演出を行わないようにしてもよい。なお、特殊表示態様に変化するタイミングは、当該保留・アクティブ変化演出が開始されたタイミングであってもよいし、予告対象の可変表示に対応する保留(ターゲット保留)がシフトしたタイミング(何回目のシフトのタイミングかを決定してもよい)であってもよい。また、上記実施の形態では、「緑」または「赤」にアクティブ表示の表示態様が変化する保留・アクティブ変化演出を実行する場合に、拡大表示が行われない場合もある例を示したが、「緑」または「赤」にアクティブ表示の表示態様が変化する保留・アクティブ変化演出を実行する場合には100%拡大表示を行うようにしてもよい。また、「白」や「青」にアクティブ表示の表示態様が変化する保留・アクティブ変化演出を実行する場合であっても、拡大表示が行われることがあってもよい。また、上記実施の形態では、保留・アクティブ変化演出において拡大表示される場合、拡大表示の対象が表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示自体である例を示したが、これに加え、保留表示およびアクティブ表示の表示部や表示領域(例えば台座表示や領域的に区切ってある部分など)なども拡大表示されてもよい。
また、上記実施の形態では、先読み演出として保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが行われ、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが同一期間に行われることを条件に、可動体演出の実行態様を異ならせる(可動体特殊演出を行う)例を示したが、これは一例である。当該条件は、先読み演出として実行される2種類の演出が同一期間に行われることに限られない。例えば、キャラクタによるセリフ予告や文字やテロップなどを用いた予告、背景の態様を変化させる背景変化予告などといった、可変表示中に行われる当該変動に対する予告演出が同一期間に行われたり、大当り制御中に行われる演出が同一期間に行われるなど、任意の状態で行われる2種類の演出が同一期間に行われればよく、一方の演出が実行されると他方の演出が視認困難となるものであれば、演出の種類は任意の演出であってよい。また、一方の演出が先読み演出で、もう一方の演出が可変表示中に行われる当該変動に対する予告演出であってもよい。また、同一期間に実行される演出は2種類に限られず3種類以上であってもよい。この場合、特定表示領域をさらに表示してもよい。また、3種類以上の演出が同一期間に実行される場合には、特定表示領域としての小画面にて複数の演出が実行されてもよい。また、特定表示領域としての小画面にて擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄を表示させることで、当該変動における複数回の変動にわたって拡大制御を行うようにしてもよい。また、上記実施の形態では、特定表示領域を画像表示装置905内に表示する例を示したが、画像表示装置905の他にサブ液晶が設けられている遊技機などでは、特定表示領域を表示しなくてもよく、当該特定表示領域としての小画面にて行われる表示をサブ液晶にて行ってもよい。また、上記実施の形態では、保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが同一期間に行われることを条件に、可動体演出の実行態様を異ならせ、保留表示やアクティブ表示を拡大表示し優先的に表示する例を示したが、これとは反対に、可動体演出を優先してもよい。具体的には、可動体9099を画像表示装置905の画面いっぱいに動作させる予告演出を実行可能とし、その場合には、保留表示やアクティブ表示を特定表示領域としての小画面に表示してもよい。
また、上記実施の形態では、小画面にて表示される各種画像が、画像表示装置905に対して表示された画像と比率が同じである例、すなわち、画像表示装置905の画面サイズが10で小画面の画面サイズが1であれば、小画面にて表示される画像は、画像表示装置905において表示されていたサイズの10分の1の比率となる例を示したが、これは一例である。上述したように、特定表示領域としての小画面では、例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像などといった保留・アクティブ変化演出にて表示される画像以外の表示が全て行われることとなるが、そのうち、ボタン演出など、遊技者の操作を要す演出を行う場合には、当該操作を促す画像(促進表示)についてのみ画像表示装置5に対して表示される画像と同じ比率で縮小しないようにしてもよい(小画面は10分の1に縮小されていても、促進表示としてのボタン表示は10分の2の縮小であってもよい)。これによれば、遊技者が促進表示を見逃してしまうことを防止することができる。また、特定表示領域としての小画面の表示中には、ボタン演出など、遊技者の操作を要す演出の実行を禁止してもよい。これによれば、保留・アクティブ変化演出に遊技者の注目を集めることができる。なお、保留・アクティブ変化演出の終了後に実行されるボタン演出については実行可能とすればよい。
また、上記実施の形態では、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が実行されると、作用演出が実行されてアクティブ表示の表示態様が「緑」または「赤」といった期待度が比較的高い表示態様へ変化する例を示したが、これは一例である。例えば、アクティブ表示を変化させる作用演出には、成功演出と失敗演出とがあってよい。具体的には、成功演出が行われた場合には、アクティブ表示の表示態様が特殊表示態様から「緑」または「赤」へ変化する一方、失敗演出が行われた場合には、特殊表示態様から「灰色」である通常態様へと変化する。また、失敗演出が行われた場合、通常態様ではなく、「白」や「青」の表示態様に変化させてもよい。
上記実施の形態では、理解を容易にするため、保留変化演出では予告対象を遊技者に認識可能とする(特殊表示態様へ変化させる)に留まり、アクティブ変化演出において始めて表示色が変化する例を示しているが、保留変化演出において表示色を変化させてもよい。さらに、上記実施の形態では、拡大表示を行わない保留・アクティブ変化演出においては作用演出が行われない例を示したが、これに限られない。例えば、図47に示すような保留変化演出を行うことによって、その保留表示に対応する可変表示に関する動作を予告してもよい。なお、図示する例では、拡大表示を行わない保留・アクティブ変化演出としての保留変化演出が実行された場合を例として示しているが、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出としての保留変化演出においても適用可能である。
図47は、保留変化演出の演出動作例を示す図である。図示する保留変化演出は、保留表示の1つに向けて投げ放たれたカラーボールが対象の保留表示にぶつかって割れる(すなわち作用させる)ことで、対象の保留表示の色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示にぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。もちろん、投げ放たれたボールが対象の保留表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。見事にボールが割れて保留表示の色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずに保留表示の色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、その保留表示が大当りである期待度が高い。保留表示の色が大当り等の期待度の高い色に変化することを“成り上がる”ともいう。
図示する保留変化演出では、保留表示の1つに向けて投げ放たれたカラーボールの速度が途中で減速する点に1つの特徴がある。特に減速する期間の長さは一様ではなく、少なくとも2種類の中から決定され、その減速期間が長い場合の方が短い場合よりも演出結果が成功となる可能性が高くなる。ただし、いずれの減速期間が選択された場合であっても、ボールが投げ放たれてから減速し始めるタイミングは共通である。
画像表示装置905の画面には、下向きの3本の矢印で示す飾り図柄の可変表示中に、各種画像が表示される。下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像THまたはHが保留記憶情報の数に対応して表示される(以下、保留記憶画像または保留表示と呼ぶ)。これらの保留表示は、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶画像が表示されるようにしてもよい。画面の左下のアクティブ表示エリア905HA内には、アクティブ表示の表示位置を示す位置表示AHA(台座表示AHA)が表示されている。台座表示AHAの上にはアクティブ表示AHが表示されている。なお、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出における保留変化演出として実行する場合、図示する例における下向きの3本の矢印で示す飾り図柄の可変表示は、上記実施の形態で示したように、特定表示領域としての小画面にて行われればよい。この場合、図47に示す保留表示やアクティブ表示は拡大表示されていればよい(なお図示する例では可動体9099を省略している)。
図47(a)を参照して飾り図柄の可変表示中に、カラーボール90931を持ったキャラクタ90930が登場する。キャラクタ90930の登場タイミングは、様々に設定できる。ただし、キャラクタ90930の登場から演出の成功・失敗の結果が出るまでの演出期間の間に保留表示がシフトして、演出が無駄にならないようにする必要がある。このため、可変表示の残り期間が演出期間に比べて十分に長い段階でキャラクタ90930を登場させる。
キャラクタ90930は、画面に現れている4つの保留表示のうちの左から2つめの保留表示THに向かってカラーボール90931を投げる。キャラクタ90930がカラーボール90931を投げてから、そのカラーボール90931が保留表示THにぶつかるまでの時間は所定期間である。その所定期間の長さは演出が成功する場合と失敗する場合とで異なるが、同じにしてもよい。いずれにしても、その所定期間において、カラーボール90930の速度が変化する。
カラーボール90931は、投球されてから一定期間が経過するまで(所定距離を移動するまで)の間、一定速度で移動するのであるが、一定期間が経過した段階で、その速度が減速する。つまり、減速期間に突入する。その様子を図47(b)に示す。このような減速制御の演出は、例えば、スローモーション再生の演出である。減速期間は、3秒または5秒である。ただし、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタ90930がボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通である。そのようなスローモーション再生による減速期間を経て、再び、カラーボールの90931の速度が初速に戻り、やがてカラーボール90931が対象の保留表示THに衝突する。なお、初速に戻らずに減速したまま演出が終了してもよいし、減速期間終了後の速度が初速や減速期間での速度とは異なる速度となるようにしてもよい。
その後、演出のパターンは、衝突したカラーボール90931が割れて中の塗料が対象の保留表示を覆い、保留表示の色を当初とは別の色に成り上がる成功パターンと、衝突したカラーボール90931が割れずに跳ね返り、保留表示の色が変化しない失敗パターンとに分かれる。図47(c)は成功パターンを示し、図47(d)は失敗パターンを示す。成功パターンの場合には、カラーボール90931が割れる前にプッシュボタン9031Bが振動し、成功パターンを遊技者に予告する(ボタン報知演出)。これにより、遊技者の期待感を向上させることができる。もちろん、プッシュボタン9031Bが振動する場合と振動しない場合とがあるようにしてもよい。なお、このような予告報知は、プッシュボタン9031Bに代えて、あるいは、プッシュボタン9031Bに加えて、音声や画像によって行うものとしてもよい。また、ボタン報知演出を抽選により決定するようにしてもよい。このような場合には、プッシュボタン9031Bが振動する場合の方が、プッシュボタン9031Bが振動しない場合よりも大当り期待度が高くなるようにするのが望ましい。また、プッシュボタン9031Bの振動に強弱を設けてもよい。このような場合には、ボタン報知演出の抽選の際にプッシュボタン9031Bの強弱を含めた抽選をすればよい。そして、プッシュボタン9031Bが強振動する場合の方が、プッシュボタン9031Bが弱振動する場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
成功パターンでは、保留表示の色が元の色(例えば灰色)から複数の色のいずれかに変化する。例えば、その色のバリエーションは、白、青、緑、赤である。このような色の違いは、例えば、その保留表示に対応する変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。例えば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。遊技者は、成功パターンにおいて、いずれの色に変化するかという点に注目できるために、より面白みのある遊技を提供できる。なお、色の変化に対する期待をより一層に高めるために、カラーボール90931が保留表示に衝突した段階、または、衝突する直前の段階で、そのボールの動きを一旦停止させてもよい。
以上、説明した保留変化演出によれば、カラーボール90931が放たれてからそれが保留表示に衝突する前に、カラーボール90931の速度が減速する期間が存在するため、その間で、遊技者の期待感を高めることができる。特に、カラーボール90931の速度を減速させることなく、そのままの速度で保留表示に衝突させる演出に比べると、遊技者の期待感は格段に向上する。また、減速期間は複数の中から選択的に設定されるため、遊技者に減速期間に対して注目させつつバラエティに富んだ演出を提供できる。
また、上記実施の形態では、アクティブ変化演出や保留表示変化演出においてアクティブ表示や保留表示の色が変化するようにしたが、アクティブ表示や保留表示の大きさや形状が変化する等、アクティブ表示や保留表示が様々な態様で変化するようにしてもよい。また、アクティブ表示や保留表示の色である赤色、緑色、青色、白色は、アクティブ表示及び保留表示の双方で用いることができるが、アクティブ表示時のみに表示される色、文字、キャラクタ等があってもよく、保留表示の保留表示時のみに表示される色、文字、キャラクタ等があってもよい。
また、上記実施形態では、図39に示す先読み演出実行決定テーブルを用いることにより、大当りの場合とハズレの場合とで先読み演出の実行割合を異ならせたが、これに限定されない。例えば、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンに基づいて、始動入賞に対応するリーチ演出の有無で先読み演出の実行割合を異ならせて、リーチ演出が実行される場合には、リーチ演出が実行されない場合よりも先読み演出の実行割合を高くしてもよい。また、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンが示す変動時間に基づいて、先読み演出の実行割合を異ならせて、変動時間が所定時間以上の場合には、所定時間未満の場合よりも先読み演出の実行割合を高くしてもよい。
また、上記実施形態では、大当り種別決定用の乱数値MR2´の値に基づいて大当りの種類を確定させる態様としているが、大当りの種類を確定させる条件はこれに限定されない。例えば、大入賞口の近傍に、又は、大入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)することに基づいて、大当りの種類が確定する態様としてもよい。例えば、確変大当りと通常大当りとを設けた場合に、上記特定領域に遊技球が進入することに基づいて確変大当りが確定する態様としてもよい。
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおいて大当り図柄が表示されたことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口の近傍に、または、第2始動入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにいてもよい。
なお、上記実施形態では、0〜9の数字または記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
例えば、上記において、「割合」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係にかぎらず、A:B=100%:0%のような関係も含む概念である(即ち、一方が100%、他方が0%となるような割り振りも含む概念である)。また、AはBよりも割合が高いと言うときには、Aが100%であってBが100%未満である場合や、Bが0%であってAが0%よりも大きい場合も含む概念である。
また、例えば、上記実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板9012に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板9012に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板9012側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板9012の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、この発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
また、上記実施形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
また、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にもこの発明を適用することができる。
また、上記では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたがこの発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
この発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、この発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。