(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示する。第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図3参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口および一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図3参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図3参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
図2は、パチンコ遊技機1の背面斜視図である。パチンコ遊技機1の背面には、基板ケース201に収納された主基板11が搭載されている。主基板11には、設定キー51や設定切替スイッチ52が設けられている。設定キー51は、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための錠スイッチとして機能する。設定切替スイッチ52は、設定変更状態において大当りの当選確率や出玉率等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。設定キー51や設定切替スイッチ52は、例えば電源基板17の所定位置といった、主基板11の外部に取り付けられてもよい。
主基板11の背面中央には、表示モニタ29が配置され、表示モニタ29の側方には表示切替スイッチ30が配置されている。表示モニタ29は、例えば7セグメントのLED表示装置を用いて、構成されていればよい。表示モニタ29および表示切替スイッチ30は、遊技機用枠3を開放した状態で遊技盤2の裏面側を視認した場合に、主基板11を視認する際の正面に配置されている。
表示モニタ29は、例えば連比や役比、ベースなどの入賞情報を表示可能である。連比は、賞球合計数のうち第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。役比は、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と第1大入賞口および第2大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である。ベースは、打ち出した遊技球数に対する賞球合計数が占める割合である。設定変更状態や設定確認状態であるときに、表示モニタ29は、パチンコ遊技機1における設定値を表示可能である。表示モニタ29は、設定変更状態や設定確認状態であるときに、変更や確認の対象となる設定値などを表示可能であればよい。
設定キー51や設定切替スイッチ52は、遊技機用枠3を閉鎖した状態であるときに、パチンコ遊技機1の正面側から操作が不可能となっている。遊技機用枠3には、ガラス窓を有するガラス扉枠3aが回動可能に設けられ、ガラス扉枠3aにより遊技領域を開閉可能に構成されている。ガラス扉枠3aを閉鎖したときに、ガラス窓を通して遊技領域を透視可能である。
パチンコ遊技機1において、縦長の方形枠状に形成された外枠1aの右端部には、セキュリティカバー500Aが取り付けられている。セキュリティカバー500Aは、遊技機用枠3を閉鎖したときに、設定キー51や設定切替スイッチ52を含む基板ケース201の右側部を、背面側から被覆する。セキュリティカバー500Aは、短片500Aaおよび長片500Abを含む略L字状の部材であり、透明性を有する合成樹脂により構成されていればよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて、または当該表示に代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯や消灯、可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を含む任意の演出装置を用いた演出として行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読予告演出がある。先読予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板などといった、各種の基板が配置されている。さらには、電源基板17も搭載されている。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品を実装可能なプリント配線板などの電子回路基板だけでなく、電子回路基板に電気部品が実装されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
パチンコ遊技機1では、商用電源などの外部電源におけるAC100Vといった交流電源からの電力を、電源基板17により主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能である。電源基板17は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを備えている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部または一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。
スイッチ回路110には、電源基板17からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれて遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100などの制御回路を動作停止状態とするための動作停止信号であり、電源監視回路、ウォッチドッグタイマ内蔵IC、システムリセットICのいずれかを用いて出力可能であればよい。電源断信号は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値を超えるとオフ状態となり、所定電源電圧が所定値以下になった期間が電断基準時間以上まで継続したときにオン状態となる。クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチに対する押下操作などに応じてオン状態となる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11には、表示モニタ29、表示切替スイッチ30、設定キー51、設定切替スイッチ52、扉開放センサ90が接続されている。扉開放センサ90は、ガラス扉枠3aを含めた遊技機用枠3の開放を検知する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図4は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図4に示す遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS3)。復旧条件は、クリア信号がオフ状態であり、バックアップデータがあり、バックアップRAMが正常である場合に、成立可能である。パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときに、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチが押下操作されていれば、オン状態のクリア信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなオン状態のクリア信号が入力されている場合には、ステップS3にて復旧条件が成立していないと判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102に保存可能であればよい。ステップS3では、バックアップデータの有無やデータ誤りの有無などを確認あるいは検査して、復旧条件が成立し得るか否かを判定すればよい。
復旧条件が成立した場合には(ステップS3;Yes)、復旧処理(ステップS4)を実行した後に、設定確認処理(ステップS5)を実行する。ステップS4の復旧処理により、RAM102の記憶内容に基づいて作業領域の設定が行われる。RAM102に記憶されたバックアップデータを用いて作業領域を設定することで、電力供給が停止したときの遊技状態に復旧し、例えば特別図柄の変動中であった場合には、停止前の状態から特別図柄の変動を再開可能であればよい。
復旧条件が成立しなかった場合には(ステップS3;No)、初期化処理(ステップS6)を実行した後に、設定変更処理(ステップS7)を実行する。ステップS6の初期化処理は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするクリア処理を含み、クリア処理の実行により作業領域に初期値が設定される。
ステップS5の設定確認処理では、予め定められた設定確認条件が成立したか否かを判定する。設定確認条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。ステップS5の設定確認処理が実行されるのは、ステップS3において、クリア信号がオフ状態であることを含めた復旧条件が成立した場合である。したがって、設定確認条件が成立し得るのは、クリア信号がオフ状態である場合となるので、クリア信号がオフ状態であることも、設定確認条件に含めることができる。
ステップS5の設定確認処理において設定確認条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を確認可能な設定確認状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認開始コマンドが送信される。設定確認状態においては、パチンコ遊技機1にて設定されている設定値を表示モニタ29の表示により確認することが可能となっている。設定確認状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定確認状態であるときには、パチンコ遊技機1における遊技の進行を停止させる遊技停止状態としてもよい。遊技停止状態であるときには、打球操作ハンドルの操作による遊技球の発射、各種スイッチによる遊技球の検出などが停止され、また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20において、ハズレ図柄などを停止表示したり、ハズレ図柄とは異なる遊技停止状態に対応した表示が行われたりするように制御すればよい。設定確認状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
ステップS7の設定変更処理では、予め定められた設定変更条件が成立したか否かを判定する。設定変更条件は、例えば電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオン状態であるとともに設定キー51がオン操作されている場合に成立する。設定変更条件は、クリア信号がオン状態であることを含んでいてもよい。
ステップS7の設定変更処理において設定変更条件が成立した場合には、パチンコ遊技機1において設定されている設定値を変更可能な設定変更状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更開始コマンドが送信される。設定変更状態においては、表示モニタ29に設定値が表示され、設定切替スイッチ52の操作を検出するごとに表示モニタ29に表示している数値を順次更新して表示する。その後、設定キー51が遊技場の係員などによる操作でオフとなったことに基づいて、表示モニタ29に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)するとともに、表示モニタ29を消灯させる。設定変更状態を終了するときには、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更終了コマンドが送信される。
パチンコ遊技機1が設定変更状態であるときには、設定確認状態であるときと同様に、パチンコ遊技機1を遊技停止状態としてもよい。設定変更状態が終了するときには、これに伴う遊技停止状態も終了すればよい。
演出制御基板12側では、設定確認開始コマンドや設定変更開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨や設定変更中である旨を報知する制御が行われてもよい。例えば、画像表示装置5において所定の画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の音を出力したり、遊技効果ランプ9といった発光部材を所定の態様により発光させたりしてもよい。
クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチの押下操作などによりオン状態となる。したがって、電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオンであるとともに設定キー51がオンである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理とともにステップS7の設定変更処理が実行されて設定変更状態に制御可能となり、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理とともにステップS5の設定確認処理が実行されて設定確認状態に制御可能となる。電力供給が開始されたときに、扉開放センサ90からの検出信号がオフである場合、または設定キー51がオフである場合には、クリアスイッチがオンであればステップS6の初期化処理が実行される一方で設定変更状態には制御されず、クリアスイッチがオフであればステップS4の復旧処理が実行される一方で設定確認状態には制御されない。
設定確認処理または設定変更処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS8)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9)、割込みを許可する(ステップS10)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図5のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図5に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図6は、特別図柄プロセス処理として、図5に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図5に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」または「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
パチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率や出玉率が変わる構成とされている。例えば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率や出玉率が変わるようになっている。例えば設定値は1~6の6段階からなり、6が最も大当りの当選確率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど大当りの当選確率が低くなる。この例において、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値に応じて大当りの当選確率が変われば、出玉率も設定値に応じて変わってもよい。大当りの当選確率は設定値にかかわらず一定であるのに対し、大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値に応じて変わってもよい。パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されていればよい。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知される。
図7は、表示結果判定テーブルの構成例を示している。図7(A)は、変動特図が第1特図である場合に用いられる第1特図用表示結果判定テーブルの構成例を示し、図7(B)は、変動特図が第2特図である場合に用いられる第2特図用表示結果判定テーブルの構成例を示している。表示結果判定テーブルは、ROM101に記憶されているデータの集まりである。表示結果判定テーブルでは、設定値に応じて、乱数値MR1と比較される当り判定値が特別図柄の可変表示結果である特図表示結果に割り当てられている。乱数値MR1は、表示結果決定用の乱数値であり、0~65535の範囲でランダムに値が更新される。表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態といった高確状態であるときには、通常状態または時短状態といった低確状態であるときに比べて、大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
第1特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が同一値となるように判定値が割り当てられている。第2特図用表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態や設定値にかかわらず、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率が第1特図用表示結果判定テーブルとは異なる同一値となるように判定値が割り当てられている。なお、設定値に応じて特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を異ならせてもよい。変動特図にかかわらず特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される確率を同一確率としてもよい。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態の場合に、当り判定値のうち1020から1237までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1237までが「大当り」に割り当てられ、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定されている一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1238から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定されている。
第1特図用表示結果判定テーブルおよび第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態の場合に、当り判定値のうち1020から1346までの範囲が、設定値にかかわらず大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲に設定されている。設定値が1の場合は、1020から1346までが「大当り」に割り当てられることで、大当りを判定するための大当り判定値の共通数値範囲のみが設定され、その一方で、設定値2~設定値6の場合は、大当り判定値の共通数値範囲から連続するように、1346から各設定値に応じた数値範囲が大当り判定値の非共通数値範囲に設定される。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第1特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33094までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
第2特図用表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態である場合に、遊技状態が通常状態または時短状態である場合と同じく、当り判定値のうち32767から33421までの範囲が、設定値にかかわらず小当りを判定するための小当り判定値の共通数値範囲に設定されている。小当り判定値は、設定値が1~6のいずれである場合にも、大当り判定値の共通数値範囲および非共通数値範囲とは異なる数値範囲に設定されている。これにより、小当り判定値の数値範囲が各設定値に応じて変化する大当り判定値の範囲に重複することが防止されている。
パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、5個以下や7個以上であってもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。パチンコ遊技機1に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(いわゆる確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が、特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が所定スイッチを通過する割合が異なる遊技性(いわゆるV確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320で小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置7の内部に設けられた所定スイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(いわゆる1種2種混合タイプ)としてもよい。パチンコ遊技機1に設定されている設定値が1~3のいずれかである場合は遊技性が同一であるが、これら設定値が1~3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が4~6のいずれかである場合)を設けてもよい。設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1~3の場合は、特別可変入賞球装置7内に設けられた所定スイッチを演出用スイッチ(遊技球が所定領域を通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が4~6の場合は、所定スイッチを遊技用スイッチ(遊技球が所定スイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
大当り種別は、大当り種別判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、大当り種別は、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。変動パターンは、変動パターン判定テーブルにおける判定値の割当てに基づいて、設定値に応じて異なる割合で決定されてもよい。あるいは、変動パターンは、設定値にかかわらず共通の割合で決定されてもよい。設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なることで、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度により設定値が示唆されてもよい。あるいは、設定値にかかわらずノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合は共通であってもよい。その他、設定値に応じて、異なる割合で任意の設定示唆演出を実行可能としたものであってもよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図8のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図8に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図9は、演出制御プロセス処理として、図8のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形および応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合または「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部051AKに関する説明)
続いて、特徴部051AKについて説明する。特徴部051AKにおいて、基本説明と共通する部分(構成、処理等)については説明を省略する。
特徴部051AKのパチンコ遊技機1は、有利状態(大当り遊技状態)に制御されることを予告・示唆する特定演出(予告演出やリーチ等)を実行可能になっている。また、特定演出とは異なる特別演出が特定演出に対応して実行される場合があるようになっている。
そして、特徴部051AKのパチンコ遊技機1は、特別演出の実行パターンとして、特定演出が開始されるタイミングで特別演出を所定態様から特定態様に変化させる第1パターンと、特定演出が開始された後に特別演出を所定態様から特定態様に変化させる第2パターンと、を含み、第1パターンで特別演出が実行される場合と、第2パターンで特別演出が実行される場合と、で第1特定演出よりも有利状態に制御される割合が高い第2特定演出が実行される割合が異なっている。これにより、特別演出の実行パターン(所定態様から特定態様に変化するタイミング)に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(特別演出及び特定演出)
図10-1は、特徴部051AKの特別演出及び特定演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図10-1では、「変動」がONの場合飾り図柄の変動が実行されていることを示し、「特別演出」がONの場合特別演出が実行されていることを示している。特別演出は、この実施例では、3人のキャラクタが会話(井戸端会議)をする井戸端会議演出となっている。その会話内容によって、特定演出が実行されることを煽ったり示唆する演出となっている。井戸端会議演出の詳細については後述する。
図10-1(A)は、第1パターンの特別演出が実行される場合のタイミングチャートである。図10-1(A)に示すように、この実施例では、複数回(例えば4回)の変動に亘って特別演出が実行される。第1パターンの特別演出は、所定態様により開始され、特定演出(ここでは第1特定演出となる図柄テンパイ)が開始されるタイミングで特定態様に変化する。なお、図柄テンパイとは左右に同じ飾り図柄が停止してリーチとなることをいう。第1特定演出が実行される場合の特別演出の所定態様は、図柄テンパイすることを煽る(図柄テンパイすることを示唆する)演出態様である。また、第1特定演出が実行される場合の特別演出の特定態様は、図柄テンパイすること(図柄テンパイしたこと)を示す演出態様である。
図10-1(B)は、第2パターンの特別演出が実行される場合のタイミングチャートである。第2パターンの特別演出は、所定態様により開始され、特定演出(ここでは第2特定演出となる保留予告)が開始された後に特定態様に変化する。第2特定演出が実行される場合の特別演出の所定態様は、保留予告が実行されることを煽る(保留予告が実行されることを示唆する)演出態様である。また、第2特定演出が実行される場合の特別演出の特定態様は、保留予告が実行されること(保留予告が実行されたこと)を示す演出態様である。
このように、この実施例では、所定態様により開始され特定演出が開始されるタイミングで特定態様に変化する第1パターンの特別演出と、所定態様により開始され特定演出が開始された後に特定態様に変化する第2パターンの特別演出と、が実行可能となっている。言い換えると、第1パターンの特別演出と第2パターンの特別演出とでは、所定態様から特定態様に変化するタイミングが異なっている。そして、第1パターンで特別演出が実行される場合と、第2パターンで特別演出が実行される場合と、で第1特定演出よりも有利状態に制御される割合が高い第2特定演出が実行される割合が異なっている。これにより、特別演出の実行パターン(所定態様から特定態様に変化するタイミング)に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図10-1(A)は、第1特定演出が実行される場合の第1パターンの特別演出を示し、図10-1(B)は、第2特定演出が実行される場合の第2パターンの特別演出を示しているが、第2特定演出が実行される場合の第1パターンの特別演出や、第1特定演出が実行される場合の第2パターンの特別演出も実行可能である。
図10-1(C)は、ガセパターンの特別演出が実行される場合のタイミングチャートである。ガセパターンの特別演出は、所定態様により開始され、所定のタイミング(特別演出のターゲットの変動中等)で特殊態様に変化する。ガセパターンの特別演出の所定態様は、図柄テンパイすることまたは保留予告といった特定演出が実行されることを煽る(示唆する)演出態様である。また、ガセパターンの特別演出の特殊態様は、特定演出が実行されないことを示す演出態様である。このように、この実施例では、特別演出が実行されても必ず特定演出が実行されるわけではなく、特別演出が実行されて特定演出が実行されない場合もあるようになっている。
このように、特別演出を実行することにより、特定演出が実行されることを示唆することができ、特別演出が実行されたことにより遊技者は特定演出が実行されることを期待するようになる。特徴部051AKの特定演出は、有利状態に制御されることを予告・示唆する演出であり、特別演出は、特定演出が実行されることを煽り、特定演出が実行されることを予告・示唆する演出である。よって、特別演出は、予告の予告であるともいえる。
図10-2は、演出制御プロセス処理における先読予告設定処理(図9のステップS161)の一例を示すフローチャートである。先読予告設定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、主基板11から始動入賞の発生を指定するための演出制御コマンド(例えば始動入賞指定コマンド)を受信したか否か判定する(ステップ051AKS001)。始動入賞指定コマンドを受信していなければ(ステップ051AKS001;No)、先読予告設定処理を終了する。
始動入賞指定コマンドを受信していれば(ステップ051AKS001;Yes)、当該始動入賞に基づいて、先読予告演出を実行するか否かの判定を行う(ステップ051AKS002)。
ステップ051AKS002の処理では、始動入賞時に受信する先読み判定の判定結果を指定する演出制御コマンドに基づいて、表示結果や変動カテゴリ(大まかな変動パターンの分類等)を先読みして、先読予告演出の実行有無や、実行する場合の演出パターンが判定(決定)される。この実施例では、先読予告演出として、少なくとも保留予告とプレミアキャラ予告が実行可能になっている。ステップ051AKS002の処理では、例えば、先読した表示結果に応じて、図10-3(A)に示す割合で、先読予告演出としての保留予告の実行有無や予告パターンを判定する。図10-3(A)に示すように、この実施例では、保留予告の演出パターンに対応する保留予告パターンとして、保留予告パターンA~Cが設けられている。
図10-3(A)に示すように、表示結果が大当りであるか、スーパーリーチハズレであるか、その他のハズレであるかによって、異なる割合で保留予告の判定を行う。保留予告が実行された場合には、大当りやスーパーリーチとなりやすく、大当り信頼度は、保留予告パターンA<保留予告パターンB<保留予告パターンCの順番で高くなっている。なお、図10-3(A)に示す決定割合は一例であり、保留予告の実行有無や保留予告パターンに応じて大当り信頼度やスーパーリーチ信頼度が異なるようになっていればよい。
この実施例では、実行中の変動に対応する保留表示がアクティブ表示として表示され、アクティブ表示が複数種類のいずれかの態様に変化する保留予告が実行される。各保留予告パターンでは、変化後の態様が異なっており、例えば、保留予告実行前の保留表示(アクティブ表示)は白で表示され、保留予告パターンAの場合は青に変化し、保留予告パターンAの場合は緑に変化し、保留予告パターンAの場合は赤に変化する。このようにすることで、変化した保留表示(アクティブ表示)の色によって大当りとなることやスーパーリーチが実行されることを予告・示唆することができる。なお、保留表示の表示態様が段階的に変化するようにしてもよい。
また、ステップ051AKS002の処理では、例えば、先読した表示結果に応じて、図10-3(B)に示す割合で、先読予告演出としてのプレミアキャラ予告の実行有無を判定する。プレミアキャラ予告は、例えば特別なキャラクタ(例えば井戸端会議演出等の他の演出では使用されないプレミアキャラクタ)を画像表示装置5に表示する予告演出であって、信頼度の高い予告となっている。この実施例では、プレミアキャラ予告の演出パターンは、一種類となっているが複数パターン設けられていてもよい。
図10-3(B)に示すように、この実施例では、プレミアキャラ予告が実行された場合には少なくともスーパーリーチとなり、大当りとなる割合(大当り信頼度)も高くなっている。なお、図10-3(B)に示す決定割合は一例であり、プレミアキャラ予告によって大当り信頼度を予告示唆できれば、決定割合は任意でよい。
この実施例では、図柄テンパイ(リーチ)が第1特定演出となっており、保留予告やプレミアキャラ予告が第2特定演出となっている。保留予告はリーチハズレとなる場合に実行されない場合もあることから、図柄テンパイ(第1特定演出)よりも、保留予告(第2特定演出)の方が、大当り信頼度(大当りとなる割合)が高くなっている。また、プレミアキャラ予告は少なくともスーパーリーチとなる場合に実行されるため、図柄テンパイ(第1特定演出)よりも、プレミアキャラ予告(第2特定演出)の方が、大当り信頼度(大当りとなる割合)が高くなっている。このような特定演出が実行されることに対応して、特別演出が実行される。
なお、複数の特定演出のうち、第1特定演出よりも大当り遊技状態に制御されやすい特定演出が第2特定演出となる。よって、保留予告を第1特定演出として、プレミアキャラ予告を第2特定演出としてもよい。この場合、第1パターンで特別演出が実行される場合と、第2パターンで特別演出が実行される場合と、で第2特定演出(プレミアキャラ予告)が実行される割合が異なるようになっていればよい。
なお、ここでは先読予告演出として、保留予告やプレミアキャラ予告の判定について説明したが、先読予告演出して他の先読予告演出(例えば演出モードやゾーンが変化する演出や操作を操作させる演出等)を実行する場合には、ステップ051AKS002では、当該他の先読予告演出に係る判定も行う。この場合、他の先読予告演出(特定演出)が実行されることを示唆する特別演出を実行するようにしてもよい。
ステップ051AKS002にて保留予告を実行すると判定された場合は(ステップ051AKS003;Yes)、当該判定結果をRAM122の所定領域等に記憶する(ステップ051AKS004)。
保留予告を実行しないと判定された場合や(ステップ051AKS003;No)、ステップ051AKS004の処理を実行した後は、特別演出が実行中であることを示す特別演出実行中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ051AKS005)。特別演出実行中フラグがオン状態である場合は(ステップ051AKS005;Yes)、新たに特別演出を実行するための処理を実行せずに先読予告設定処理を終了する。
特別演出実行中フラグがオフ状態である場合(ステップ051AKS005;No)、現在の保留記憶数が4であるか否かを判定する(ステップ051AKS006)。ステップ051AKS006では、低ベース状態であれば第1保留記憶数(第1特図の保留情報の記憶数)が4であるか否かを判定し、高ベース状態であれば第2保留記憶数(第2特図の保留情報の記憶数)が4であるか否かを判定する。この実施例では、特別演出が4回の変動に亘って実行されるようになっている。よって、ステップ051AKS006では、特別演出が実行するための変動の数に対応した保留情報が記憶されているか否かを判定する。現在の保留記憶数が4でなければ(ステップ051AKS006;No)、先読予告設定処理を終了する。
現在の保留記憶数が4であれば(ステップ051AKS006;Yes)、記憶された順番に対応した保留番号1~3の保留情報に基づく表示結果が全て非リーチハズレであるか否かを判定する(ステップ051AKS007)。保留番号1~3の保留情報に基づく表示結果に非リーチハズレ以外が含まれている場合は(ステップ051AKS007;No)、特別演出の実行途中にリーチや大当りとなって演出対象が不明確になることを防止するため、特別演出を実行するための処理を実行せずに先読予告設定処理を終了する。
保留番号1~3の保留情報に基づく表示結果が全て非リーチハズレである場合(ステップ051AKS007;Yes)、特別演出を実行するか否かの判定を行う(ステップ051AKS008)。
このように、この実施例では特別演出を実行中でない場合、保留記憶数が4である場合、かつ、保留番号1~3の保留情報に基づく表示結果が全て非リーチハズレである場合に、特別演出を実行可能となっているが、これらのいずれかの条件を満たさなくても特別演出を実行可能としてもよい。
ステップ051AKS008の処理では、今回の始動入賞に対応した変動において特定演出が実行されるか否か等に基づいて、特別演出の実行有無と実行する場合の演出パターンの判定を行う。
ステップ051AKS008の処理では、例えば、図10-4に示す割合で、特別演出の実行有無や特別演出パターンを判定する。今回の始動入賞に対応した変動において第1特定演出となる図柄テンパイ(リーチ)が実行され、第2特定演出が実行されない場合には、図10-4(A)に示す割合で、特別演出の実行有無や特別演出パターンを判定する。今回の始動入賞に対応した変動において第2特定演出となる保留予告が実行され、プレミアキャラ予告が実行されない場合には、図10-4(B)に示す割合で、特別演出の実行有無や特別演出パターンを判定する。今回の始動入賞に対応した変動において第2特定演出となるプレミアキャラ予告が実行される場合には、図10-4(C)に示す割合で、特別演出の実行有無や特別演出パターンを判定する。
即ち、第2特定演出及び第1特定演出が実行される場合には、より大当り信頼度の高い第2特定演出が特別演出の対象となる。また、保留予告及びプレミアキャラ予告が実行される場合には、より大当り信頼度の高いプレミアキャラ予告が特別演出の対象となる。第1特定演出のみが実行される場合には、第1特定演出が特別演出の対象となる。なお、特別演出の対象となる特定演出が複数ある場合、このように一律に対象が決まることに限定されず、いずれを対象とするかを決定するようにしてもよい。
また、今回の始動入賞に対応した変動において特定演出が実行されない場合には、図10-4(D)に示す割合で、特別演出の実行有無や特別演出パターンを判定する。
図10-4に示すように、この実施例では、特別演出の演出態様に対応した特別演出パターンとして、大まかに分類すると特別演出パターンA、B及びCが設けられている。特別演出パターンAは、図柄テンパイ煽り(示唆)を実行する特別演出に対応し、特別演出パターンBは、保留予告煽り(示唆)を実行する特別演出に対応し、特別演出パターンCは、プレミアキャラ予告煽り(示唆)を実行する特別演出に対応している。
また、特別演出において表示される文字の表示パターン(文字色)として、黒文字と赤文字が設けられており、特別演出パターンA1、B1及びC1は、黒文字に対応しており、特別演出パターンA2、B2及びC2は、赤文字に対応している。
また、特別演出パターンA1-1、A2-1、B1-1、B2-1、C1-1及びC2-1(枝番号が1のもの)は、図10-1(A)に示した第1パターンの特別演出に対応し、特別演出パターンA1-2、A2-2、B1-2、B2-2、C1-2及びC2-2(枝番号が2のもの)は、図10-1(B)に示した第2パターンの特別演出に対応している。
特別演出パターンA3、A4、B3、B4、C3及びC4は、ガセパターンであり、特別演出パターンA3、B3及びC3は、黒文字に対応しており、特別演出パターンA4、B4及びC4は、赤文字に対応している。このように、この実施例では、文字色が異なる特別演出を実行可能になっている。
図10-4(A)~(D)に示すように、特定演出が実行される場合には、特定演出が実行されない場合よりも、特別演出が実行されやすくなっている。これにより、特別演出が実行されることで、特定演出が実行されて大当りとなる可能性が高くなることを期待させることができる。また、特定演出が実行されない場合であっても、ガセパターンの特別演出を実行可能とすることで、特定演出の実行頻度を高めることができるとともに、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。
図10-4(A)に示すように、この実施例では、ターゲット(今回の始動入賞に対応した変動)で第1特定演出が実行される場合に特別演出を実行する場合(実行無し以外の場合)には、第2パターンよりも第1パターンに決定されやすくなっている。また、図10-4(B)、(C)に示すように、この実施例では、ターゲットで第1特定演出よりも大当り信頼度が高い第2特定演出が実行される場合に特別演出を実行する場合(実行無し以外の場合)には、第1パターンよりも第2パターンに決定されやすくなっている。また、図10-4(B)、(C)に示すように、ターゲットでプレミアキャラ予告が実行される場合に特別演出を実行する場合には、ターゲットで保留予告が実行される場合に特別演出を実行する場合よりも、第1パターンよりも第2パターンに決定されやすくなっている。このように、特徴部051AKでは、実行される特定演出の種類によって、特別演出の実行パターン(所定態様から特定態様に変化するタイミング)の決定割合が異なっている。即ち、特別演出の実行パターンによって、実行される特定演出の割合が異なっている。これにより、特別演出にバリエーションを持たせることができるとともに、所定態様から特定態様に変化するタイミングに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施例とは逆に、第2特定演出が実行される場合に特別演出を実行する場合には、第2パターンよりも第1パターンに決定されやすくしてもよいし、第1特定演出が実行される場合に特別演出を実行する場合に、第1パターンよりも第2パターンに決定されやすくしてもよい。即ち、特別演出の実行パターンによって、実行される特定演出の割合が異なっていればよい。
また、図10-4(A)~(D)に示すように、この実施例では、特定演出が実行される場合に赤文字の特別演出パターンA2、B2及びC2に決定される割合は、黒文字の特別演出パターンA1、B1及びC1に決定される割合よりも高くなっている。赤文字のガセパターンである特別演出パターンA4、B4及びC4に決定される割合は、黒文字のガセパターンである特別演出パターンA3、B3及びC3に決定される割合よりも低くなっている。よって、黒文字の特別演出パターンよりも、赤文字の特別演出パターンの方が、その後に特定演出が実行されやすくなっている。これより、特別演出の表示要素の一つである文字色によって、その後に特定演出が実行される期待度を異ならせることができ、特別演出の文字色に注目させることができる。これにより、演出の興趣を向上させることができる。
ステップ051AKS008にて特別演出を実行すると判定された場合は(ステップ051AKS009;Yes)、特別演出におけるセリフパターン(特別演出の演出態様)を決定する(ステップ051AKS010)。この実施例では、3人のキャラクタの会話によって、特定演出が実行されることを煽る(示唆する)特別演出(井戸端会議演出)が実行される。ステップ051AKS010では、そのキャラクタの会話内容を決定する。
図10-5は、特別演出におけるセリフパターン例を示す図である。セリフパターンには、テンパイ煽り、保留予告煽り、プレミアキャラ予告煽りのパターンと、それぞれのガセパターンが設けられている。特別演出ではキャラA、キャラB、キャラCの2人のキャラクタが表示され、各セリフパターンには、各キャラクタのセリフ内容(各キャラクタが喋っているように表示されるセリフ内容)が対応付けられている。図10-5(A)は、テンパイ煽りのセリフパターンの一例であり、キャラAが、特定演出が実行されることを示唆する「特定演出示唆」のセリフ、「特定演出示唆」のセリフ、図柄テンパイとなることを煽る「テンパイ煽り」のセリフを順番に言う(セリフが表示される)ことに対応している。また、キャラBが、特定演出が実行されることを示唆しない「示唆なし」のセリフ、「示唆なし」のセリフ、「特定演出示唆」のセリフを順番に言うことに対応している。また、キャラCが、特定演出が実行されることを示唆しない「示唆なし」のセリフ、「特定演出示唆」のセリフ、「特定演出示唆」のセリフを順番に言うことに対応している。その後、特定演出が実行されることに対応して3人のキャラクタが図柄テンパイとなったことを報知する「テンパイ報知」のセリフを言うことに対応している。
同様に図10-5(B)は、保留予告煽りのセリフパターンの一例であり、図中の「保留予告示唆(保留予告煽り)」は、保留予告が実行されることを示唆するセリフとなっており、「保留予告報知」は、保留予告が実行されることを報知するセリフとなっている。その他は、「示唆なし」や「特定演出示唆」のセリフとなっている。
図10-5(C)は、テンパイ煽りのガセのセリフパターンの一例であり、図中の「失敗報知」は、特定演出が実行されないことを報知するセリフとなっている。その他は、「示唆なし」や「特定演出示唆」のセリフとなっている。
また、図示は省略するが、プレミアキャラ予告が実行されることを示唆する「プレミアキャラ予告示唆(プレミアキャラ予告煽り)」のセリフ、プレミアキャラ予告が実行されることを報知する「プレミアキャラ予告報知」のセリフも設けられる。
このように、各セリフパターンは、「示唆なし」、「特定演出示唆」、「テンパイ煽り」、「保留予告示唆」、「プレミアキャラ予告示唆」が組み合わせられ、最終的に特定演出の有無に応じて「テンパイ報知」、「保留予告報知」、「プレミアキャラ予告報知」または「失敗報知」となるものであればよい。なお、「テンパイ報知」、「保留予告報知」、「プレミアキャラ予告報知」は、特別演出の特定態様となり、「失敗報知」は特別演出の特殊態様となる。
なお、ここでは、具体的なセリフ内容は省略するが、「示唆なし」は特に何も示唆しないセリフであり、「特定演出示唆」は何らかの特定演出が実行されることを示唆するセリフであり、「テンパイ煽り」は図柄テンパイとなることを煽るセリフであり、「保留予告示唆」は保留予告が実行されることを示唆するセリフであり、「プレミアキャラ予告示唆」はプレミアキャラ予告が実行されることを示唆するセリフであればよい。また、「テンパイ報知」は図柄テンパイしたことを報知するセリフであり、「保留予告報知」は保留予告が実行されたことを報知するセリフであり、「プレミアキャラ予告報知」はプレミアキャラ予告が実行されたことを報知するセリフであり、「失敗報知」は特定演出が実行されないことを報知するセリフであればよい。
このように、複数種類の示唆表示として、複数種類のキャラクタやセリフを表示する特別演出を実行可能なので、遊技の興趣が向上する。
また、複数種類の示唆表示として、特定演出の実行を示唆する態様で表示される第1示唆表示(「特定演出示唆」、「テンパイ煽り」、「保留予告示唆」、「プレミアキャラ予告示唆」)と、特定演出の実行を示唆しない態様で表示される第2示唆表示(「示唆なし」)と、が含まれ、第1示唆表示と前記第2示唆表示とが一部共通または類似の態様(キャラクタが喋るセリフ、吹き出し)で並行して表示されるようになっている。これにより、示唆表示に第1示唆表示が含まれているかに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、第1示唆表示の方が第2示唆表示よりも表示される期間が長いようにしてもよい。このようにすることで、遊技者が第1示唆表示に注目しやすくなり、演出効果を向上させることができる。なお、第1示唆表示と第2示唆表示とが全く同じ期間表示されるパターンがあってもよいし、第2示唆表示の方が第1示唆表示よりも表示される期間が長いパターンがあってもよいし、第1示唆表示の表示中に第2示唆表示を表示するパターン、第2示唆表示の表示中に第1示唆表示を表示するパターンがあってもよく、各示唆表示(セリフ)は任意に組合せ可能である。なお、特定演出の実行を示唆しない態様で表示される第2示唆表示がなくてもよい。
また、各セリフパターンでは、第1期間よりも後の第2期間の方が、特別演出の実行後に実行される特定演出の種類を認識しやすくなるように構成されていることが好ましい。具体的には、「テンパイ煽り」、「保留予告示唆」、「プレミアキャラ予告示唆」といった具体的に特定演出の種類を示唆するセリフは、特別演出の前半(第1期間)では出現しにくく、後半(第2期間)の方が出現しやすくなっていることが好ましい。このようにすることで、第1期間ではいずれの特定演出が実行されるかを認識しにくいので、特別演出の進行に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
特に、この実施例では、3人のキャラクタによる井戸端会議演出が実行されるので、第1期間では、3人のキャラクタは抽象的なセリフが多く、第2期間に向けて徐々に3人のキャラクタが具体的なセリフ(特定演出の種類や実行タイミング)を言うようにしてもよい。このようにすることで、井戸端会議演出にストーリーに遊技者を注目させることができ、演出の興趣が向上する。
ステップ051AKS010では、表示結果や特定演出の有無、特別演出パターン応じてセリフパターンを決定すればよい。例えば、表示結果が大当りとなる場合にはハズレとなる場合よりも、「特定演出示唆」、「テンパイ煽り」、「保留予告示唆」、「プレミアキャラ予告示唆」のセリフが出現しやすいようにセリフパターンを決定すればよい。また、例えば、各特定演出が実行される場合の特別演出におけるセリフは、対象の特定演出を煽る(示唆する)セリフが多くなるようにセリフパターンを決定すればよい。また、いずれの特定演出も実行されない場合には、「特定演出示唆」、「テンパイ煽り」、「保留予告示唆」、「プレミアキャラ予告示唆」のセリフが出現しにくく、「示唆なし」のセリフが多くなるようにセリフパターンを決定すればよい。
このようにすることで、特別演出(井戸端会議演出)の表示要素(第1表示要素)の一つであるセリフの内容によって、その後に特定演出が実行される期待度を異ならせることができ、特別演出におけるセリフ内容に注目させることができる。また、上述のように、この実施例では、特別演出の表示要素(第2表示要素)の一つである文字色(セリフの文字色)によっても、その後に特定演出が実行される期待度を異ならせている。よって、第1表示要素の種類と第2表示要素の種類との組合せによって特別演出の実行後に特定演出が実行される割合が異なるので、表示要素の組合せに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、他の表示要素として、井戸端会議演出におけるキャラクタの種類や表示態様によっても、その後に特定演出が実行される割合が異なるようにしてもよい。また、各表示要素の組合せを各々決定するのではなく、特定演出が実行されるか否かや特定演出の種類に応じて、表示要素の組合せをまとめて決定するようにしてもよい。
ステップ051AKS010の処理でセリフパターンを決定した後は、特別演出実行中フラグをオン状態にセットして(ステップ051AKS011)、特別演出を実行するための設定を行う(ステップ051AKS012)。
ステップ051AKS012の処理では、例えばステップ051AKS008にて判定された特別演出パターンやステップ051AKS010にて決定されたセリフパターンに対応した演出制御データを読み出して、当該演出制御データに基づいて特別演出の演出制御を可能に設定する。この実施例では、ターゲットが保留番号3になった時点の変動時(次回変動時)に特別演出が開始されるようになっており、ステップ051AKS012の処理では、次回変動時の演出開始タイミングから特別演出を開始するように設定すればよい。
特別演出を実行しないと判定された場合や(ステップ051AKS009;No)、ステップ051AKS012の処理を実行した後には、先読予告設定処理を終了する。
続いて、特徴部051AKの特別演出(井戸端会議演出)及び特定演出の演出動作例について説明する。図10-6は、図柄テンパイ煽り(示唆)の特別演出(井戸端会議演出)が実行される場合の演出動作例を示している。図10-6(A)は、下向きの矢印で、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が実行されていることを示している。また、実行前の変動に対応した3つの保留表示5Hと、実行中の変動に対応したアクティブ表示5Aと、が表示されている。ここで、3つめの保留表示が特別演出のターゲット(TG)であるものとする。また、この実施例では、画像表示装置5の左上において、常時遊技者が視認可能な小図柄の変動も実行される。
ターゲットが保留番号3となった変動の特別演出の開始タイミングになると、図10-6(B)、(C)に示すように、画像表示装置5に「井戸端会議」、「開始」という文字画像が表示され、井戸端会議演出が開始されることが報知される。
そして、図10-6(C)、(D)に示すように、画像表示装置5に3人のキャラクタ画像が表示され、3人のキャラクタが会話(井戸端会議)をする特別演出が開始される。このように、3人のキャラクタが会話をする特別演出(井戸端会議演出ともいう)がターゲットTGの変動になるまで継続する。井戸端会議演出では、3人のキャラクタの会話の内容によって特定演出が実行されることが示唆される。このように、特定演出が実行されることを煽ったり、示唆される態様が特別演出の所定態様となる。井戸端会議演出中は、画像表示装置5の左下に「井戸端会議中」という文字画像が表示されることで、井戸端会議演出中であることが示される。なお、3人のキャラクタは、左から順番にキャラA、キャラB、キャラCとなっている。図10-6(D)の段階では、左側のキャラA及び右側のキャラCが何らかの特定演出が実行されることを示唆する「特定演出示唆」のセリフを言う井戸端会議演出となっている。このようなセリフ内容は、図10-2のステップ051AKS010にて決定される。
ターゲットの変動となると、例えば、図10-6(E)に示すように、右側のキャラCが「テンパイ?」という「テンパイ煽り」のセリフを言うことで、図柄テンパイとなることが示唆される井戸端会議演出が実行される。
ここで、図柄テンパイ(リーチ)となる場合には、図10-6(F)に示すように、3人のキャラクタが図柄テンパイしたことを示すセリフを言うとともに、左右に「4」の数字の飾り図柄が停止する。このように、図柄テンパイしたこと(特定演出が実行されたこと)を示す態様が特別演出の特定態様となる。その後、図10-6(G)に示すように、「井戸端会議終了」という文字画像が表示され、3人のキャラクタ画像や「井戸端会議中」という文字画像が消去されて井戸端会議演出が終了する。このように、特定演出(図柄テンパイ)が実行されるときに特別演出の演出態様が所定態様から特定態様となるパターンが第1パターンの特別演出となる。続いて、図10-6(H)に示すように、「井戸端会議終了」という文字画像が消去され、変動パターンに対応したリーチ演出等が実行されることになる。
また、図柄テンパイとならない場合(特定演出が実行されない場合)には、図10-6(I)に示すように、3人のキャラクタが図柄テンパイしないことを示すセリフ(がっかりするセリフ等)を言うとともに、例えば左に「4」の数字の飾り図柄、右に「3」の数字の飾り図柄がそれぞれ停止する。このように、図柄テンパイしなかった(特定演出が実行されないこと)を示す態様が特別演出の特殊態様となる。その後、図10-6(J)に示すように、「井戸端会議終了」という文字画像が表示され、3人のキャラクタ画像や「井戸端会議中」という文字画像が消去されて井戸端会議演出が終了する。このとき、中に「2」数字の飾り図柄が停止(仮停止)して、全図柄が揺れ変動するといった最終停止の前の状態となっている。続いて、図10-6(K)に示すように、「井戸端会議終了」という文字画像が消去され、「423」の飾り図柄及び小図柄が最終停止して、表示結果がハズレとなる。
図10-7は、保留予告煽り(示唆)の特別演出(井戸端会議演出)が実行される場合の演出動作例を示している。図10-7(A)は、下向きの矢印で、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が実行されていることを示している。また、実行前の変動に対応した3つの保留表示5Hと、実行中の変動に対応したアクティブ表示5Aと、が表示されている。ここで、3つめの保留表示が特別演出のターゲット(TG)であるものとする。
ターゲットが保留番号3となった変動の特別演出の開始タイミングになると、図10-7(B)、(C)に示すように、画像表示装置5に「井戸端会議」、「開始」という文字画像が表示され、井戸端会議演出が開始されることが報知される。
そして、図10-7(C)、(D)に示すように、画像表示装置5に3人のキャラクタ画像が表示され、3人のキャラクタが会話をする井戸端会議演出が開始される。井戸端会議演出中は、画像表示装置5の左下に「井戸端会議中」という文字画像が表示されることで、井戸端会議演出中であることが示される。図10-7(D)の段階では、右側のキャラCが「保留変化?」という「保留変化示唆」のセリフを言うことで、保留予告が実行されることが示唆される井戸端会議演出となっている。
ターゲットの変動となると、例えば、図10-7(E)に示すように、真ん中のキャラBが「注目」という「特定演出示唆」のセリフを言うことで、特定演出の実行タイミングを示唆する井戸端会議演出が実行される。その後、図10-7(F)に示すように、アクティブ表示の表示色が変化する保留予告が実行される。続いて、図10-7(G)に示すように、3人のキャラクタが保留予告が実行されたことを示す「保留変化報知」のセリフを言う井戸端会議演出が実行される。このように、保留予告が実行されたこと(特定演出が実行されたこと)を示す態様が特別演出の特定態様となる。その後、図10-7(H)に示すように、「井戸端会議終了」という文字画像が表示され、3人のキャラクタ画像や「井戸端会議中」という文字画像が消去されて井戸端会議演出が終了する。このように、特定演出が実行された後に、特別演出の演出態様が所定態様から特定態様となるパターンが第2パターンの特別演出となる。
図10-7(G)に示す表示例では、真ん中のキャラBが変化したアクティブ表示を指差すことにより、特定演出の実行領域を示している。これにより、注目すべき領域が分かりやすくなるとともに、特別演出が分かりやすくなるので、演出効果が向上する。なお、セリフの内容によって特定演出の実行領域を示唆するようにしてもよい。
(特別演出(井戸端会議演出)の変化タイミング)
ガセパターンの特別演出(井戸端会議演出)において、井戸端会議演出の演出態様(セリフの文字色)に応じて、所定態様から特殊態様に変化するタイミングを異ならせてもよい。例えば、井戸端会議演出の実行後に特定演出が実行されやすい赤文字のセリフの井戸端会議演出を実行する場合、黒文字のセリフの井戸端会議演出を実行する場合よりも、所定態様から特殊態様に変化するタイミングを遅くしてもよい。このように、特定演出が実行される期待度が高い演出態様である場合、ガセパターンの井戸端会議演出であっても、結果報知タイミング(特殊態様に変化するタイミング)を遅らせることで、遊技者の期待感を維持させることができるので、特別演出の演出効果が向上する。なお、この実施例では、黒文字のセリフの井戸端会議演出を第1特別演出、赤文字のセリフの井戸端会議演出を第2特別演出ともいう。
また、所定態様から特殊態様に変化するタイミングを遅くする方法として、変化することが示唆されてから実際に変化するまでの期間が長くなるようにしてもよい。例えば、特別演出の実行期間として、特別演出の態様が特定態様に変化することを示唆する示唆期間と、該示唆期間よりも後の期間であって特定態様または特殊態様へ変化するタイミングを含む変化期間と、を含み、第1特別演出が実行される場合よりも、第2特別演出が実行される場合の方が、示唆期間が終了してから変化期間が開始するまでの期間が長くなるようにしてもよい。
具体的には、井戸端会議演出において、特定演出が実行されることを示唆するセリフが表示される示唆期間と、井戸端会議演出が特殊態様に変化する変化期間と、があり、黒文字の第1特別演出が実行されるときより、赤文字の第2特別演出が実行されるときの方が、特定演出が実行されることを示唆するセリフが表示されてから特殊態様に変化するまでの期間が長くなるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図10-8は、特別演出の変化タイミングを示すタイミングチャートである。図10-8(A)に示すように、ガセパターンの第1特別演出(黒文字)が実行される場合には、ターゲットの変動中に特別演出の演出態様が変化することを示唆する変化示唆(例えば特定演出の実行を示唆するセリフの表示)が実行された後、間もなく特殊態様に変化する。図10-8(B)に示すように、ガセパターンの第2特別演出(赤文字)が実行される場合には、ターゲットの変動中に特別演出の変化示唆が実行された後、第1特別演出よりも遅いタイミングで特殊態様に変化する。このように、特定演出が実行される期待の高い第2特別演出である場合には、第1特別演出である場合よりも、変化示唆から特殊態様に変化するタイミングを遅らせることで、遅らせた期間の分、遊技者の期待感を維持させることができるので、特別演出の演出効果が向上する。
なお、第1特別演出(黒文字)を実行する場合、第2特別演出(赤文字)を実行する場合よりも、所定態様から特殊態様に変化するタイミングを遅くしてもよいし、同じタイマイングで所定態様から特殊態様に変化するようにしてもよい。特別演出の種類(演出パターン)によって変化タイミングを決定するようにして、第1特別演出と第2特別演出とで変化タイミングの決定割合が異なるようにしてもよい。また、変化示唆の有無に関わらず、第1特別演出と第2特別演出とで変化タイミング(例えば変動開始や特別演出開始から変化するまでの期間)が異なるようにしてもよい。
特別演出の態様が特定態様に変化することを示唆する示唆期間は、複数の段階により構成され、示唆期間が第1段階数によって構成されているときの方が、第1段階数よりも少ない第2段階数によって構成されているときよりも、特別演出の実行後に大当り信頼度の高い特定演出(例えば保留予告やプレミアキャラ予告といった第2特定演出)が実行される割合が高く、特別演出が特殊態様に変化する割合(ガセパターンである割合)が高いようにしてもよい。このようにすることで、示唆期間の段階数が増える程、期待感を高めることができるとともに、特殊態様に変化する割合も高いので、遊技の興趣を向上させることができる。
例えば、井戸端会議演出が所定態様であるときに、セリフの数が第1数(例えば3人のキャラがセリフを喋っている状態)である場合、セリフの数が第1数より少ない第2数(例えば1人のキャラがセリフを喋っている状態)である場合よりも、その後に保留予告やプレミアキャラ予告(第2特定演出)が実行されやすい一方で、特殊態様となって特定演出が実行されない割合も高いようにしてもよい。
また、これと反対に、セリフの数が第2数である場合、セリフの数が第2数より多い第1数である場合よりも、その後に信頼度の低い図柄テンパイ(第1特定演出)が実行されやすい一方で、特殊態様となって特定演出が実行されない割合は低いようにしてもよい。このようにすることで、セリフの数(示唆期間における段階数)が多い方がガセパターンとなって特定演出が実行されない割合は高いものの特定演出が実行される場合大当り信頼度の高い特定演出となりやすく、セリフの数(示唆期間における段階数)が少ない方がガセパターンとなって特定演出が実行されない割合は高いものの大当り信頼度の低い特定演出となりやすくなる。これにより、セリフの数(示唆期間における段階数)により、特定演出が実行されるかや、特定演出の種類を示唆することができるとともに、セリフの数(示唆期間における段階数)が多い場合と少ない場合のバランスを取ることができ、遊技者の落胆を防止しつつ、演出の興趣を向上させることができる。
(タイマ予告)
また、この実施例では特定演出の実行に対応して特別演出として井戸端会議演出を実行可能となっているが、他の演出が実行されることを示唆する演出としてタイマ予告を実行するようにしてもよい。例えば、タイマ予告は、数値(タイマ値)をカウントダウンするタイマを表示して、タイマ値が0(特別態様)になったときに結果報知(特定演出)が実行されるタイマ予告を実行するようにしてもよい。
図10-9は、タイマ予告の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図10-9(A)に示すように、タイマ予告が単独で実行される場合、変動中の所定タイミングで、画像表示装置5の所定領域にタイマが表示され、タイマ値がカウントダウンされる。そして、タイマのタイマ値が0になったときに結果報知(例えば、有利度合いを示唆、報知する予告メッセージの表示)が実行される。タイマ予告における結果報知は、特定演出に含まれる。
なお、この実施例では、タイマ予告はタイマが表示され、タイマ値がカウントダウンされて、タイマ値が0になったときに結果報知される一連の演出となっているが、タイマ予告におけるタイマ値が0になったときに、他の予告演出(特定演出)が実行されるようにしてもよい。即ち、タイマ予告は、他の予告演出が実行されることを示唆する示唆演出であってもよい。この場合、タイマ予告におけるタイマ値が0になった場合に実行され得る特定演出が複数種類あってもよい。また、タイマ予告におけるタイマ値が0になった場合に他の演出が実行されない場合もあってもよい。このようにすることで、タイマ予告により、タイマ値が0になったときに何らかの演出が実行されることを示唆することができる。
図10-9(B)に示すように、特別演出(井戸端会議演出)の実行中に、タイマ予告を実行する場合、特別演出の実行中にタイマ予告が開始され、タイマによりタイマ値(数値)がカウントダウンされる。このように、この実施例では、特別演出とタイマ予告が並行して実行される場合があるようになっている。この実施例では、井戸端会議演出は、図10-6、図10-7に示したように、画像表示装置5の中央部分において、画面の略全体を使用して実行される。これに対して、タイマ予告は、井戸端会議演出が実行される領域と少なくとも一部が重複する領域(画像表示装置5の左上部分等)で実行される。そこで、この実施例では、特別演出とタイマ予告が並行して実行される場合には、特別演出の演出態様が特定態様となって特定演出(ここでは第1特定演出となる図柄テンパイ)が実行され、特別演出が終了した後に、タイマ値が0になりタイマ予告の結果報知が実行されるようになっている。
このように、井戸端会議演出の実行中においてタイマ予告を実行する場合、特別演出の終了後にタイマ予告の結果報知が実行されるので、特別演出によりタイマ予告の結果報知が阻害されることなく、確実にタイマ予告の結果報知を実行することができる。また、井戸端会議演出とタイマ予告の結果報知とが重複してしまって互いの演出を阻害してしまい、遊技者が困惑してしまうことを防止できる。また、特定演出の実行に対応して複数種類の演出を実行可能なので、演出効果が向上する。また、互いの演出(画像等)が重複してしまったり、表示領域が制限されることがないので、好適に特別演出及び示唆演出を実行できる。
図10-10(A)は、演出制御プロセス処理における可変表示開始設定処理(図9のステップS171)内で実行されるタイマ予告設定処理の一例を示すフローチャートである。タイマ予告設定処理は、タイマ予告の実行有無を決定し、タイマ予告を実行するための処理である。タイマ予告設定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、タイマ予告の実行有無と予告パターンを決定する(ステップ051AKS101)。ステップ051AKS101では、今回の変動の表示結果や変動パターンに基づいて、例えば図10-10(B)に示す決定割合で、タイマ予告の実行有無と予告パターンを決定する。図10-10(B)に示すように、この実施例では、タイマ予告の結果報知内容に対応するタイマ予告パターンとして、タイマ予告パターンA、Bが設けられている。タイマ予告パターンAとタイマ予告パターンBとは、演出態様が異なっていればよく、例えば、タイマ予告パターンAとタイマ予告パターンBとでは、タイマ値が0になったときに異なる予告メッセージ(文字)が表示されるようになっている。
図10-10(B)に示すように、表示結果が大当りであるか、スーパーリーチハズレであるか、その他のハズレであるかによって、異なる割合でタイマ予告の判定を行う。タイマ予告が実行された場合には、大当りやスーパーリーチとなりやすく、大当り信頼度は、タイマ予告パターンA<タイマ予告パターンBの順番で高くなっている。このように、タイマ予告の実行有無や予告パターンによって大当りやスーパーリーチとなることを予告できる。なお、図10-10(B)に示す決定割合は一例であり、タイマ予告の実行有無やタイマ予告パターンに応じて大当り信頼度やスーパーリーチ信頼度が異なるようになっていればよい。
ステップ051AKS101にてタイマ予告を実行しないと決定された場合(ステップ051AKS102;No)、タイマ予告設定処理を終了する。タイマ予告を実行すると決定された場合(ステップ051AKS102;Yes)、タイマ予告におけるタイマの初期値を決定する(ステップ051AKS103)。例えば、ステップ051AKS103では、今回の変動の変動時間や、他の演出の有無に応じてタイマの初期値を決定する。ステップ051AKS103では、タイマ初期値として、少なくとも変動時間よりも短い時間が決定される。
タイマ初期値を決定した後には、今回の変動でタイマ予告を実行するための設定を行う(ステップ051AKS104)。ステップ051AKS104の処理では、例えばステップ051AKS101にて決定されたタイマ予告パターンやステップ051AKS103にて決定されたタイマの初期値に対応した演出制御データを読み出して、当該演出制御データに基づいてタイマ予告の演出制御を可能に設定する。その後、タイマ予告設定処理を終了する。
続いて、タイマ予告が実行される場合の演出動作例について説明する。図10-11は、タイマ予告が単独で実行される場合の演出動作例を示している。図10-11(A)は、下向きの矢印で、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が実行されていることを示している。また、実行中の変動に対応したアクティブ表示5Aが表示されている。今回の変動開始時、タイマ予告(例えばタイマ予告パターンB)を実行すると決定された場合には、図10-11(B)に示すように、画像表示装置5の左上部分にタイマ画像051AK11が表示される。タイマ予告の開始時は、タイマ画像051AK11は、タイマ予告が開始されることを示す「準備中」の態様で表示される。これにより、タイマ予告に注目させることができる。
その後、例えば、図10-11(C)に示すように、タイマ画像051AK11におけるタイマの初期値として「20:00」(20秒)が表示される。そして、図10-11(D)、(E)に示すように、タイマ画像051AK11のタイマ値がカウントダウン表示される。また、例えば、図10-11(D)に示すように、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに「4」の数字の飾り図柄が停止してリーチとなる。
そして、図10-11(E)に示すように、タイマ画像051AK11におけるタイマ値が「0:00」になると、図10-11(F)に示すように「激アツ」といったタイマ予告パターンBに対応した文字が表示される。これにより、今回の変動の大当り信頼度が高いことを予告・報知できる。なお、タイマ予告パターンAである場合、「チャンス」といったタイマ予告パターンBの「激アツ」よりも、有利度合いが高くないことを示す態様であればよい。
図10-12は、特別演出(井戸端会議演出)の実行中にタイマ予告が実行される場合の演出動作例を示している。図10-12(A)は、特別演出のターゲットの変動において特別演出が実行されていることを示しており、例えば、図10-12(A)に示すように、右側のキャラクタが「テンパイ?」という「テンパイ煽り」のセリフを言うことで、図柄テンパイとなることが示唆される井戸端会議演出が実行される。
ここで、今回の変動開始時、タイマ予告(例えばタイマ予告パターンB)を実行すると決定された場合には、画像表示装置5の左上部分にタイマ画像051AK12が表示されてタイマ予告が開始される。この段階では、タイマ画像051AK12は、タイマ予告が開始されることを示す「準備中」の態様で表示されるが、キャラAのセリフに隠れて視認しづらい状態となっている。このように、この実施例では、タイマ予告を実行する領域は、井戸端会議演出を実行する領域の少なくとも一部に重複している。
なお、タイマ画像051AK12は、タイマ予告が単独で実行される場合のタイマ画像051AK11よりも太い枠で強調表示されている。これにより、井戸端会議演出の実行中でもタイマ画像051AK12を認識させやすくすることができる。例えば、タイマ画像051AK12における表示内容(タイマ値)までは見えないものの、少なくともタイマ予告が開始されたことを認識させやすくなる。
その後、タイマ画像051AK12におけるタイマ値のカウントダウンが開始することに対応して、図10-12(C)に示すように、タイマ画像051AK12が拡大して画像表示装置5の中央部に移動して強調表示される。これにより、井戸端会議演出の実行中であっても、タイマ予告におけるタイマ値のカウントダウンが開始されること示すことができる。なお、この実施例では、遊技者に認識しやすいように、特別演出の実行中にタイマ予告を実行する場合、タイマ画像051AK12を太枠で表示したり、中央部に移動して強調表示するようになっているが、遊技者が認識しやすい態様であれば他の態様であってもよい。例えば、音声やランプにより遊技者に認識しやすくしてもよい。
続いて、タイマ画像051AK12が画像表示装置5の左上部分に戻り、図10-12(D)に示すように、タイマ画像051AK12におけるタイマの初期値として「5:00」(5秒)が表示される。図10-12(D)では、キャラAのセリフの切れ目でタイマ画像051AK12が視認可能な状態となっている。このとき、図柄テンパイ(リーチ)となる場合には、キャラBとキャラCが図柄テンパイしたことを示すセリフを言うとともに、左右に「4」の数字の飾り図柄が停止する。その後、図10-12(E)に示すように、「井戸端会議終了」という文字画像が表示され、3人のキャラクタ画像や「井戸端会議中」という文字画像が消去されて井戸端会議演出が終了する。
そして、図10-12(E)、(F)に示すように、タイマ画像051AK12のタイマ値がカウントダウン表示される。図10-12(G)に示すように、タイマ画像051AK12におけるタイマ値が「0:00」になると、図10-12(H)に示すように「激アツ」といったタイマ予告パターンBに対応した文字が表示される。
このように、井戸端会議演出とタイマ予告が並行して実行され、井戸端会議演出の実行に対応して図柄テンパイとなり、井戸端会議演出終了後にタイマ予告の結果報知が実行されるので、複数の演出により大当り信頼度が高いことを示唆、報知することができ、演出の興趣が向上する。
なお、特別演出の実行中は、示唆演出が開始されることが制限されるようにしてもよい。例えば、井戸端会議演出の実行中に、タイマ予告を実行すると決定された場合、井戸端会議演出の終了後にタイマを表示してタイマ値をカウントダウンするタイマ予告を開始するようにしてもよい。このようにすることで、示唆演出により特別演出が妨げられることがないので、好適に特別演出を実行できる。また、示唆演出の実行中は、特別演出が開始されることが制限されるようにしてもよい。また、特別演出及び示唆演出が実行される場合、示唆演出を優先して実行するようにしてもよい。例えば、示唆演出に係る画像を特別演出に係る画像よりも優先的に手前側表示層等に表示するようにしてもよい。
また、特別演出(井戸端会議演出)の実行中に示唆演出(タイマ予告)を実行する場合には、井戸端会議演出(セリフやキャラクタ)と重複しない領域で、例えば他の表示手段や縮小表示してタイマ予告を実行するようにしてもよい。
(特徴部051AKの変形例)
本特徴部は、この実施例に限定されず、種々の変形や応用が可能であり、更に特徴を追加してもよい。上記実施例や変形例に示したフローチャートの処理内容や決定割合、各種演出の決定方法は、一例であって、上記実施例と同様の効果を奏することができ、上記実施例で示した演出を好適に実行できれば任意でよい。また、上記実施例で示した演出動作例は一例であり、同様の演出効果を達成できれば適宜変更可能である。また、上記実施例で説明した構成は、その全てが必須構成ではなく、その一部が欠けていてもよい。また、本特徴部と他の特徴部を適宜組み合わせてもよい。
上記実施例では、特定演出は図柄テンパイ、保留予告、プレミアキャラ予告であり、特別演出はこれらの特定演出が実行されることを煽り、示唆する井戸端会議演出であったが、特定演出は、有利状態に制御されることを示唆、予告する演出であればよく、特別演出は当該特定演出に対応して実行される演出であれば、他の演出であってもよい。上記実施例の井戸端会議演出は、ターゲットにおいて特定演出が実行されるか否かに基づいて、複数回の変動に亘って実行される連続演出(先読予告演出)であったが、1回の変動中に実行される演出であってもよい。例えば、変動の開始以降に特別演出を開始し、リーチの成立、スーパーリーチのチャンスアップ(特定演出)を対象に、リーチとなることやチャンスアップすることを示唆、報知する特別演出を実行するようにしてもよい。
上記実施例の特別演出は、複数のキャラクタを登場させキャラクタのセリフ(示唆表示)によって特定演出が実行されることを示唆し、特定演出が実行されること(実行されたこと)を報知する井戸端会議演出であったが、特別演出の演出態様はこれに限定されない。例えば、画像、文字、音声、ランプの点灯、またはこれらの組合せ等により、特定演出が実行されることを示唆、報知する演出であればよい。
また、特別演出は、複数の示唆表示によって特定演出を示唆、報知する演出であったが、そのような示唆表示が一つであってもよい。また、特別演出は、少なくとも、特定演出が実行されることを示唆する所定態様、特定演出が実行されること(実行されたこと)を報知する特定態様、及び、特定演出が実行されないことを報知する特殊態様がある演出であればよい。
上記実施例では、特別演出において表示される文字の文字色に応じて、その後に特定演出が実行される割合が異なっていたが、特別演出の任意の演出態様(画像や文字種類や文字の数)によってその後に特定演出が実行される割合が異なっていてもよい。
上記実施例では、特別演出の対象である特定演出は、リーチや予告演出(保留予告、プレミアキャラ予告)であったが、特定演出は特別演出が実行されることを示唆する特別示唆演出であってもよい。即ち、特別演出が実行されたことに対応して特別示唆演出が実行され、当該特別示唆演出が実行されることに対応して再度特別演出が実行されるようにしてもよい。
この場合において、特別示唆演出として、第1特別示唆演出と該第1特別示唆演出よりも有利度の高い第2特別示唆演出とを実行可能であり、第1特別示唆演出の実行後に特別演出が特定態様に変化した場合には、特別示唆演出として第2特別示唆演出を高い割合で実行するようにしてもよい。即ち、第1特別示唆演出が実行されて特別演出が実行され、当該特別演出が実行されたことに対応して再度特別示唆演出が実行される場合には、有利度の高い第2特別示唆演出が実行されやすいようにしてもよい。このようにすることで、再度特別示唆演出が実行されるときには、有利度の高い特別示唆演出が実行されやすいので、遊技者を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(特徴部051AKに係る手段)
(1)特徴部051AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部051AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
第1特定演出(例えば図柄テンパイ)と、該第1特定演出よりも前記有利状態に制御される割合が高い第2特定演出(例えば保留予告、プレミアキャラ予告)と、を含む複数種類の特定演出を実行可能な特定演出実行手段(例えば変動パターンを決定するCPU103やステップ051AKS002の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
前記特定演出とは異なる特別演出(例えば井戸端会議演出)を前記特定演出に対応して実行可能な特別演出実行手段(例えばステップ051AKS008の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特別演出実行手段は、所定態様により前記特別演出を開始し、前記特別演出を当該所定態様から特定態様に変化させることが可能であり、
前記特別演出の実行パターンとして、前記特定演出が開始されるタイミングで前記特別演出を前記所定態様から前記特定態様に変化させる第1パターン(例えば図10-1(A))と、前記特定演出が開始された後に前記特別演出を前記所定態様から前記特定態様に変化させる第2パターンと(例えば図10-1(B))、を含み、
前記第1パターンで前記特別演出が実行される場合と、前記第2パターンで前記特別演出が実行される場合と、で前記第2特定演出が実行される割合が異なる(例えば図10-4)
このような構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別演出実行手段は、複数種類の示唆表示(例えばキャラクタやセリフ)を表示する前記特別演出(例えば井戸端会議演出)を実行可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記複数種類の示唆表示として、前記特定演出の実行領域を示唆する特定示唆表示を含む(例えば図10-7(G))ようにしてもよい。
このような構成によれば、注目すべき領域を認識しやすくなり、演出効果を向上させることができる。
(4)上記(2)に記載の遊技機において、
前記複数種類の示唆表示として、前記特定演出の実行を示唆する態様で表示される第1示唆表示(例えば「特定演出示唆」、「テンパイ煽り」、「保留予告示唆」、「プレミアキャラ予告示唆」のセリフ)と、前記特定演出の実行を示唆しない態様で表示される第2示唆表示(例えば「示唆なし」のセリフ)と、が含まれ、
前記第1示唆表示と前記第2示唆表示とが一部共通または類似の態様で並行して表示される(例えば図10-6、図10-7等)ようにしてもよい。
このような構成によれば、示唆表示に第1示唆表示が含まれているかに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5)上記(2)に記載の遊技機において、
前記複数種類の示唆表示として、前記特定演出の実行を示唆する態様で表示される第1示唆表示(例えば「特定演出示唆」、「テンパイ煽り」、「保留予告示唆」、「プレミアキャラ予告示唆」のセリフ)と、前記特定演出の実行を示唆しない態様で表示される第2示唆表示(例えば「示唆なし」のセリフ)と、が含まれ、
前記第1示唆表示の方が前記第2示唆表示よりも表示される期間が長いようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者が第1示唆表示に注目しやすくなり、演出効果を向上させることができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記特別演出の実行期間として、第1期間と該第1期間よりも後の第2期間とを含み、
前記特別演出実行手段は、前記第1期間よりも前記第2期間の方が、前記特別演出の実行後に実行される前記特定演出の種類を認識しやすくなるように前記特別演出を実行可能である(例えば具体的に特定演出の種類を示唆するセリフは、第1期間では出現しにくく、第2期間の方が出現しやすい)ようにしてもよい。
このような構成によれば、特別演出の進行に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記特別演出実行手段は、示唆表示(例えばキャラクタやセリフ)を表示する前記特別演出を実行可能であり、
前記示唆表示の表示要素として、第1表示要素(例えばセリフの内容)と該第1表示要素とは異なる第2表示要素(例えばセリフの表示色)とを含み、
前記第1表示要素及び前記第2表示要素は複数種類あり、
前記第1表示要素の種類と前記第2表示要素の種類との組合せによって前記特別演出の実行後に前記特定演出が実行される割合が異なるようにしてもよい。
このような構成によれば、表示要素の組合せに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8)上記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記特別演出実行手段は、前記特定演出が実行されない場合に、前記特別演出を前記特定態様とは異なる特殊態様(例えば図10-6(I))に変化させることが可能であり、
前記特別演出として、第1特別演出(例えば図10-8(A))と該第1特別演出よりも前記特定態様に変化しやすい第2特別演出(例えば図10-8(B))とを含み、
前記特定演出が実行されない場合において、前記第1特別演出が実行される場合と、前記第2特別演出が実行される場合と、で前記特別演出が前記特殊態様に変化するタイミングが異なるようにしてもよい。
このような構成によれば、好適に特別演出を実行することができる。
(9)上記(8)に記載の遊技機において、
前記第1特別演出が実行される場合よりも、前記第2特別演出が実行される場合の方が、前記特別演出が前記特殊態様に変化するタイミングが遅い(例えば図10-8)ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(10)上記(8)に記載の遊技機において、
前記特別演出の実行期間として、実行中の前記特別演出の態様が前記特定態様に変化することを示唆する示唆期間と、該示唆期間よりも後の期間であって前記特定態様または前記特殊態様へ変化するタイミングを含む変化期間と、を含み、
前記第1特別演出が実行される場合よりも、前記第2特別演出が実行される場合の方が、前記示唆期間が終了してから前記変化期間が開始するまでの期間が長い(例えば図10-8)ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(11)上記(8)に記載の遊技機において、
前記特別演出の実行期間として、実行中の前記特別演出の態様が前記特定態様に変化することを示唆する示唆期間と、該示唆期間よりも後の期間であって前記特定態様または前記特殊態様へ変化するタイミングを含む変化期間と、を含み、
前記示唆期間は複数の段階(複数のセリフ)により構成され、
前記示唆期間が第1段階数によって構成されているときの方が、前記第1段階数よりも少ない第2段階数によって構成されているときよりも、前記特別演出の実行後に前記第2特定演出が実行される割合が高く、前記特別演出が前記特殊態様に変化する割合が高いようにしてもよい。
このような構成によれば、示唆期間の段階数が増える程、期待感を高めることができるとともに、特殊態様に変化する割合も高いので、遊技の興趣を向上させることができる。
(12)上記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記特別演出とは異なる示唆演出(例えばタイマ予告)を前記特定演出に対応して実行可能な示唆演出実行手段(ステップ051AKS101の処理を実行する演出制御用CPU120)をさらに備え、
前記示唆演出実行手段は、前記特定演出(例えばタイマ予告における結果報知、「激アツ」の文字の表示)が実行される場合に、前記示唆演出を特別態様(例えばタイマ値が「0:00」)に変化させることが可能であり、
第1表示領域(例えば画像表示装置5の略全体)において前記特別演出を実行可能であり、
前記第1表示領域よりも狭い表示領域であって前記第1表示領域と少なくとも一部が重複する第2表示領域(例えば画像表示装置5の左上部分)において前記示唆演出を実行可能であり、
前記特別演出の実行中において前記示唆演出を実行する場合に、該特別演出が終了した後に前記示唆演出を前記特別態様に変化させることが可能である(例えば図10-9(B)、図10-12)ようにしてもよい。
このような構成によれば、好適に演出を実行することができる。
(13)上記(12)に記載の遊技機において、
前記示唆演出の実行を制限可能な示唆演出制限手段をさらに備え、
前記示唆演出制限手段は、前記特別演出の実行中において、前記示唆演出が開始されることを制限可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、示唆演出により特別演出が妨げられないので、好適に特別演出を実行できる。
(14)上記(12)に記載の遊技機において、
前記特別演出実行手段は、前記特別演出の実行中に前記示唆演出を開始する場合は、前記特別演出の実行中以外に前記示唆演出を開始する場合よりも、遊技者が認識しやすい態様(例えば図10-12(C)等)で前記示唆演出を実行可能であるようにしてもよい。
このような構成によれば、特別演出の実行中でも示唆演出を認識しやすくなるので、好適に特別演出を実行できる。
(15)上記(12)に記載の遊技機において、
前記特別演出が実行されることを示唆する特別示唆演出を実行可能な特別示唆演出実行手段をさらに備え、
前記特別示唆演出実行手段は、
前記特別示唆演出として、第1特別示唆演出と該第1特別示唆演出よりも有利度の高い第2特別示唆演出とを実行可能であり、
前記特別演出が前記特定態様に変化した後に前記特別示唆演出を実行可能であり、
前記第1特別示唆演出の実行後に前記特別演出が前記特定態様に変化した場合は、前記特別示唆演出として前記第2特別示唆演出を高い割合で実行するようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(特徴部052AKに係る手段)
特徴部051AKは、以下に示す特徴部052AK(上記(8)に記載の遊技機)を含んでいる。
特徴部052AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部052AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
特定演出(例えば図柄テンパイ、保留予告、プレミアキャラ予告)を実行可能な特定演出実行手段(例えば変動パターンを決定するCPU103やステップ051AKS002の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
前記特定演出とは異なる特別演出(例えば井戸端会議演出)を前記特定演出に対応して実行可能な特別演出実行手段(例えばステップ051AKS008の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記特別演出実行手段は、
前記特定演出が実行される場合に、前記特別演出を特定態様に変化させることが可能であり、
前記特定演出が実行されない場合に、前記特別演出を前記特定態様とは異なる特殊態様(例えば図10-6(I))に変化させることが可能であり、
前記特別演出として、第1特別演出(例えば図10-8(A))と該第1特別演出よりも前記特定態様に変化しやすい第2特別演出(例えば図10-8(B))とを含み、
前記特定演出が実行されない場合において、前記第1特別演出が実行される場合と、前記第2特別演出が実行される場合と、で前記特別演出が前記特殊態様に変化するタイミングが異なる。
このような構成によれば、好適に特別演出を実行することができる。
(特徴部053AKに係る手段)
特徴部051AKは、以下に示す特徴部053AK(上記(12)に記載の遊技機)を含んでいる。
特徴部053AKに係る遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば特徴部053AKに係るパチンコ遊技機1)であって、
特定演出(例えば図柄テンパイ、保留予告、プレミアキャラ予告)を実行可能な特定演出実行手段(例えば変動パターンを決定するCPU103やステップ051AKS002の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
前記特定演出とは異なる特別演出(例えば井戸端会議演出)を前記特定演出に対応して実行可能な特別演出実行手段(例えばステップ051AKS008の処理を実行する演出制御用CPU120)と、
前記特別演出とは異なる示唆演出(例えばタイマ予告)を前記特定演出に対応して実行可能な示唆演出実行手段(ステップ051AKS101の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、前記特定演出(例えばタイマ予告における結果報知、「激アツ」の文字の表示)が実行される場合に、前記示唆演出を特別態様(例えばタイマ値が「0:00」)に変化させることが可能であり、
第1表示領域(例えば画像表示装置5の略全体)において前記特別演出を実行可能であり、
前記第1表示領域よりも狭い表示領域であって前記第1表示領域と少なくとも一部が重複する第2表示領域(例えば画像表示装置5の左上部分)において前記示唆演出を実行可能であり、
前記特別演出の実行中において前記示唆演出を実行する場合に、該特別演出が終了した後に前記示唆演出を前記特別態様に変化させることが可能である(例えば図10-9(B)、図10-12)。
このような構成によれば、好適に演出を実行することができる。
(時短図柄)
また、上記した各特徴部や変形例においては、時短状態(高ベース状態)への移行については、必ず特別可変入賞球装置7が作動する大当り状態や小当り状態を経由して移行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、特別図柄として時短図柄が導出表示された場合に、特別可変入賞球装置7を作動させることなく時短状態(高ベース状態)に移行するようにしてもよい。
尚、上記した時短図柄としては、これらの時短図柄をはずれ図柄の一部としてもよいし、小当り図柄の一部としてもよい。
また、時短図柄の導出表示に関する抽選処理を行う場合には、これらの抽選処理に、時短図柄抽選用の専用の乱数を用いて抽選を実行してもよいし、はずれ図柄の抽選乱数や大当り図柄の抽選乱数や小当り図柄の抽選乱数、大当り抽選判定用乱数、転落抽選の抽選乱数等の他の抽選を行う乱数を用いて抽選を行うようにしてもよい。
また、これら時短図柄については、複数種類の図柄であってよいとともに、その他の図柄である小当り図柄やはずれ図柄で表示される図柄の組み合わせと併用してもよい。尚、この場合、併用する小当り図柄によって時短状態の移行の有無を決定してもよい。但し、時短図柄に当選した場合に、更に抽選によって時短状態への移行の有無を抽選することや、時短回数を抽選することは行わない。
また、時短図柄の抽選を行う場合であって、設定値を変更可能である場合には、設定値に応じて時短図柄の抽選確率は変化しない、つまり、全ての設定値において時短図柄の抽選確率は同一とするが、これら時短図柄の抽選確率を第1特図と第2特図とで異なる確率としてもよい。
また、時短図柄の抽選を行う場合の乱数取得のタイミングについては、専用の乱数を使用する場合であっても、他の乱数を使用する場合であっても、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞時でよい。
また、時短図柄の抽選を行う場合の当選については、専用の乱数(時短抽選乱数)を用いる場合は専用の乱数(時短抽選乱数)による抽選結果を当選値とし、時短図柄の抽選に小当り図柄乱数を用いる場合は特定の小当り図柄乱数値を当選値とし、時短図柄の抽選に転落抽選判定値用乱数を用いる場合は転落抽選判定値用乱数を当選値とすることができるとともに、構造物を用いた抽選、例えば、特別可変入賞球装置7内部に時短領域を設け、該時短領域を遊技球が通過したことを時短図柄の当選としてもよい。
尚、時短図柄の抽選を、構造物を用いて行う場合において小当り図柄が時短図柄を併用する際に、時短状態の可変表示回数(時短回数)は、時短領域の通過の有無で変化しないようにする。
また、時短図柄の抽選を行う場合の当選については、時短図柄の抽選にはずれ図柄乱数を用いる場合は特定のはずれ図柄乱数値を当選値とし、時短図柄の抽選に大当り図柄乱数を用いる場合は特定の大当り図柄乱数値を当選値とすることができる。但し、これらの乱数値を当選値とする場合には、設定によって大当り確率以外の性能に差異がでることから、設定値の変更が不能なものに限り可能である。
また、時短図柄の抽選結果の判定タイミングは、大当り判定後のタイミングにおいて実行すればよい。尚、時短図柄の抽選は、抽選に使用する乱数値がいずれの乱数値であっても、時短状態(高ベース)や高確率時においては実行せずに、低確率低ベース状態においてのみ実行する。但し、既に、時短状態となっている状態で、時短図柄が導出表示された場合に、時短回数の再セットや抽選しないことのずれであっても、遊技機毎に決まっていればよい。
また、時短図柄が導出表示されたときの時短回数については、当選値(図柄)と遊技状態毎に応じて、予め定められた複数の時短回数をもつことができる。また、時短図柄毎に時短の付与条件を異なるようにすることもできる。
また、時短図柄に応じて時短回数が異なるときには、特図1と特図2で、時短図柄の振り分け抽選を変更することができる。
また、同一の時短図柄が導出表示されたときでも、その時の遊技状態に応じて付与される時短回数が異なるようにしてもよい。ただし、遊技状態に対して予め定められたものであることを要する。
また、低確率低ベース状態における時短図柄の抽選結果として「時短回数0回」の抽選結果を含めることができる。
また、時短終了図柄の導出抽選(時短終了抽選)を実行し、時短回数を時短開始後において時短終了図柄が導出表示されるまで、或いは大当り図柄が導出表示されるまでの回数としてもよい。つまり、時短の回数を設定せずに、原則、無制限としてもよい。
また、時短図柄により制御される時短状態と、大当りの発生によって制御される時短状態とで、時短回数や付与条件を異なるようにしてもよい。
また、時短図柄が導出表示された場合において時短状態に制御されるタイミングは、時短図柄の図柄確定時間が経過した時点となる。但し、時短図柄の抽選に小当り図柄乱数を用いる場合にあって、小当りに当選して時短状態に移行する場合には、小当りの動作終了時が時短状態に制御されるタイミングとなる。
また、構造物を用いた抽選の場合に時短状態に制御されるタイミングは、構造物を動作させる遊技状態(例えば、小当り状態)における構造物の動作終了時のタイミングとなる。
また、大当り後において所定の可変表示回数に亘って高確率低ベース状態に制御される遊技機(所謂、規定回数確変機(ST機))の場合に、遊技場の開店時に高確率低ベース状態であり、該高確率低ベース状態が規定回数の可変表示が実行されて終了した後、時短状態に制御するようにしてもよい。
また、時短リミッタ機能を搭載する場合にあって、時短図柄が導出表示された場合には、時短リミッタの回数を更新する。
また、時短図柄の図柄確定時間を、他の図柄の図柄確定時間と異なる時間としてもよい。
時短図柄が導出表示された場合に、時短状態(高ベース状態)に移行する構成を特徴部051AKに適宜組み合わせてもよい。例えば、特徴部051AKの井戸端会議演出(特別演出)の対象として、時短状態に制御されること(時短図柄が停止すること)を示唆する特別示唆演出が対象となるようにしてもよい。その場合に時短図柄に対応した示唆表示を行うようにしてもよい。即ち、時短図柄が停止するか否かや、時短図柄が停止することを示唆する特別示唆演出が実行されるか否かを先読み判定して、当該判定結果に基づいて井戸端会議演出(特別演出)を実行するようにしてもよい。
この場合、第1パターンで井戸端会議演出が実行される場合と、第2パターンで井戸端会議演出が実行される場合と、で時短図柄が停止することを示唆する特別示唆演出が実行される割合が異なるようにしてもよい。
また、時短図柄が停止することを示唆する特別示唆演出を対象として井戸端会議演出を実行しない場合に、成功期待度が高い(特定態様に変化しやすい)演出態様の井戸端会議演出がガセとなるときほど、その後に特別示唆演出が実行されやすいように構成してもよい。
また、上記井戸端会議演出とは異なる示唆演出により、時短図柄が停止することや特別示唆演出が実行することを示唆するようにしてもよい。
また、ハズレ図柄の一部が時短図柄であった場合に、時短図柄が停止する変動が保留内にある場合には井戸端会議演出や他の先読予告演出を制限するようにしてもよい。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。