以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図7は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。また、センターケース14には、液晶式等の画像表示手段19の他、普通図柄表示手段21、特別図柄表示手段22、普通保留個数表示手段23等が設けられている。画像表示手段19は、演出図柄表示手段24、特別保留個数表示手段25等を構成している。
普通図柄表示手段21は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段21の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段23がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段22による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口16a,16bと、下特別始動口16bを開閉する開閉手段26とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。上特別始動口16aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口16bは、開閉手段26により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段21の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段26が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段(図柄表示手段)22は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄(図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口16a,16bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口16a,16bへの入賞時に取得された乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値(当たり判定乱数値)が予め定められた大当たり判定値(当たり判定値)と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口16a,16bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等の乱数情報が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、例えば画像表示手段19上に乱数情報の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段24は、例えば特別図柄表示手段22による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段19の表示画面19aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口16a,16bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。なお、本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となるものとする。
特別保留個数表示手段25は、特別保留個数分(例えば最大4個分)の保留個数報知画像X1〜X4の表示個数により特別保留個数を表示するもので、表示画面19a上の所定部分、例えば下部に特別保留個数分の保留個数報知画像X1〜を表示するようになっている。保留個数報知画像X1〜は、特別図柄始動手段16が遊技球を検出して特別保留個数が増加する毎に待ち行列の後ろ側、例えば右側に1個ずつ追加表示され、また特別図柄表示手段22による新たな特別図柄変動が開始されて特別保留個数が減少する毎に、待ち行列の先頭の保留個数報知画像X1を消去すると共にその他の保留個数報知画像X2〜を待ち行列の先頭側にシフトして新たな保留個数報知画像X1〜とするようになっている。
保留個数報知画像X1〜X4には、例えば任意の図形やキャラクターの画像を用いることができ、本実施形態では「○」の図形を用いている。また、保留個数報知画像X1〜X4には、色、模様、形、大きさ等が異なる複数種類の表示態様(報知態様)が用意されている。本実施形態では、塗りつぶし色が「白」、「青」、「黄」、「赤」の4種類の表示態様が用意されているものとする。なお図面上では、保留個数報知画像X1〜X4の「白」、「青」、「黄」、「赤」の4種類の表示態様を、それぞれ「白抜き」、「斜線」、「網掛け」、「塗りつぶし」によって表現する。
また、特別保留個数表示手段25は先読み予告報知を行う先読み予告報知手段としても機能し、例えば保留個数報知画像X1〜の表示態様(報知態様)を、保留記憶されている乱数情報毎に、後述する先読み判定結果に基づいて選択された表示パターン(報知パターン)に従って変化させるようになっている。
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板27を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段22の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態(利益状態)が発生したときに、開閉板27が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板31は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、特別乱数作成処理手段51、特別始動口チェック処理手段52、特別乱数記憶手段53、特別図柄処理手段54、特別利益状態発生手段55、特別図柄表示制御手段56、特別遊技状態発生手段57、先読み判定手段58、制御コマンド送信手段59等を備えている。
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段44a、普通停止図柄選択手段44b、変動時間選択手段44c等を備えている。当たり判定手段44aは、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段21が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に記憶されている当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
普通停止図柄選択手段44bは、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。変動時間選択手段44cは、普通図柄の変動時間を選択するものである。
普通利益状態発生手段45は、当たり判定手段44aによる判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段21の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段16を構成する下特別始動口16bの開閉手段26を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段21の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段21が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段21による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段44cで選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段44bで選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段51は、大当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数の他、大当たり判定の場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、外れ判定の場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段52は、特別図柄始動手段16への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること(所定の図柄始動条件の成立の一例)、即ち特別始動口16a,16bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等の乱数情報を取得し、その乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の特別乱数記憶手段(保留記憶手段)53に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段54は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段54a、特別停止図柄選択手段54b、変動パターン選択手段54c等を備えている。大当たり判定手段(変動開始時判定手段)54aは、乱数抽選により大当たり/外れの判定を行うもので、特別図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に(所定の変動開始条件の成立の一例)、特別乱数記憶手段53に記憶されている乱数情報の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値(所定乱数値)が予め定められた大当たり判定値(所定判定値)と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
特別停止図柄選択手段54bは、特別図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するもので、例えば大当たり判定手段54aによる判定結果が大当たりであった場合には、特別乱数記憶手段53に記憶されている乱数情報に含まれる大当たり図柄乱数値に基づいて例えば複数種類の大当たり態様の何れかを選択し、大当たり判定手段54aによる判定結果が外れであった場合には例えば複数種類の外れ態様の何れかを抽選等により選択するように構成されている。
変動パターン選択手段54cは、演出図柄の変動パターンを複数種類の中から選択するもので、所定の変動パターン選択テーブルを用いて、変動パターン乱数による抽選により変動パターンを択一的に選択するようになっている。演出図柄の変動パターンには、例えばリーチ状態を経由して大当たり態様又は外れ態様となるリーチ大当たり/外れ変動パターンと、リーチ状態を経由することなく外れ態様となる通常変動パターンとがあり、またそれらリーチ大当たり/外れ変動パターンと通常変動パターンとが夫々複数種類設けられており、大当たり判定手段54aによる判定結果が大当たりの場合にはリーチ大当たり変動パターンの何れかが、大当たり判定手段54aによる判定結果が外れの場合にはリーチ外れ変動パターンと通常変動パターンのうちの何れかが、変動パターン選択テーブルを用いた抽選により選択されるようになっている。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)55は、大入賞手段17を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、大当たり判定手段54aによる判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段22による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態における大入賞手段17の開放パターンは、大入賞手段17の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段17を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別図柄表示制御手段(図柄表示制御手段)56は、特別図柄表示手段(図柄表示手段)22の表示制御を行うもので、特別図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1以上の乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別図柄表示手段22による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段54cにより選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段54bにより選択された停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段53に記憶された乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に基づいて、その大当たり図柄乱数値が所定の確変判定値と一致しない場合には時短遊技状態を、一致する場合には確変遊技状態を夫々発生させるように構成されている。
時短遊技状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段22の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り替えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率から高確率へ、変動時間が通常変動時間から短縮変動時間へ、下特別始動口16bの開閉手段26の開閉パターンが通常開閉パターンから延長開閉パターンへ、夫々切り替えられるようになっている。なお、時短遊技状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了するようになっている。
また確変遊技状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が増加することにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率よりも高い高確率に切り替えられると共に、例えば時短遊技状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。なお、確変遊技状態は例えば次の特別利益状態が発生した時点で終了するが、次の特別利益状態が発生するまでに所定の終了条件が成立(特別図柄が所定回数変動、転落抽選に当選等)した場合にはその時点で終了するようにしてもよい。
先読み判定手段58は、特別図柄始動手段16が遊技球を検出したときに取得される大当たり判定乱数値等の乱数情報の内容を、大当たり判定手段54aによる判定よりも前の所定のタイミング、例えばその乱数情報を取得した時点で事前に判定するもので、例えば大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致するか否か、及び大当たり図柄乱数値が確変判定値と一致するか否かに応じて、例えば大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致しない「外れ保留記憶」、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が確変判定値と一致しない「通常大当たり保留記憶」、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が確変判定値と一致する「確変大当たり保留記憶」の何れであるかを判定するようになっている。
制御コマンド送信手段59は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、減算後の特別保留個数を指定する保留減算コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄の変動後の停止図柄を指定する停止図柄コマンドを例えばこの順序で演出制御基板32側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板32側に送信する機能、特別図柄始動手段16による遊技球検出時に増加後の特別保留個数等を指定する保留増加コマンドを演出制御基板32側に送信する機能、確変遊技状態中における遊技モードの状況を示す遊技モードコマンドを、確変遊技状態中における特別図柄の変動毎、即ち例えば特別図柄の変動開始毎に演出制御基板32側に送信する機能等を備えている。
保留減算コマンドは、図3に示すように、例えば減算後の特別保留個数(ここでは0〜3個)に応じて複数種類(ここでは4種類)設けられている。また、保留増加コマンドは、図3に示すように、例えば増加後の特別保留個数(ここでは1〜4個)に応じた複数種類(ここでは4種類)のコマンドが、先読み判定手段58による外れ保留記憶、通常大当たり保留記憶、確変大当たり保留記憶の3種類の判定結果に応じて3組設けられている。
演出制御基板32は、画像表示手段19、音声出力手段61、電飾手段62等の各種演出手段を制御するもので、図柄変動演出制御手段63、特別保留個数表示制御手段64、表示パターン記憶手段65、表示パターン選択手段66等を備えている。
図柄変動演出制御手段63は、演出図柄表示手段24の表示制御及びそれに伴う音声出力手段61、電飾手段62等の制御を行うもので、主制御基板31から変動パターン指定コマンドを受信し、その後所定時間内に停止図柄コマンドを受信することを条件に、演出図柄の停止図柄を選択する停止図柄抽選処理を実行した後、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づいて、画像表示手段19上の演出図柄表示手段24により所定の演出画像と共に演出図柄の変動を開始させ、変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄抽選処理により決定された停止図柄で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段61から所定の効果音を出力し、電飾手段62を所定のパターンで発光させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段64は、特別保留個数表示手段25による特別保留個数の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段16により新たに遊技球が検出され、主制御基板31から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドに基づいて、画像表示手段19上の特別保留個数表示手段25に表示されている保留個数報知画像X1〜の個数が増加後の特別保留個数と一致するように、既に表示されている保留個数報知画像の待ち行列の後ろ側に保留個数報知画像を1個追加表示し、また主制御基板31から保留減算コマンドを受信することに基づいて、画像表示手段19上の特別保留個数表示手段25に表示されている保留個数報知画像X1〜の個数が減少後の特別保留個数と一致するように、待ち行列の先頭の保留個数報知画像X1を消去すると共にその他の保留個数報知画像X2〜を待ち行列の先頭側にシフトして新たな保留個数報知画像X1〜とするように構成されている。
従って、例えば特別保留個数が3個のときに特別図柄始動手段16が遊技球を検出して特別保留個数が4個に増加すると、画像表示手段19上に表示されていた3個の保留個数報知画像X1〜X3に加えて新たに4個目の保留個数報知画像X4が表示され、その保留個数報知画像X4は、特別図柄の新たな変動が開始される毎に→X3→X2→X1へと移行された後、対応する特別図柄変動が開始される際に画像表示手段19から消去される。
また、特別保留個数表示制御手段(先読み予告報知制御手段)64は、特別図柄始動手段16が遊技球を検出することによって新たに乱数情報が取得された場合に、その乱数情報について先読み判定手段58による先読み判定が行われてからその乱数情報が特別図柄変動に供されるまでの間の先読み予告報知期間中、先読み判定手段58による判定結果に基づく先読み予告報知を実行するようになっている。
この先読み予告報知は、特別図柄始動手段16による遊技球検出時に取得される各乱数情報に対応する保留個数報知画像X1〜の表示態様を、先読み判定手段58による判定結果に基づいて表示パターン選択手段66によって選択された表示パターンに従って乱数情報毎に制御することにより行われる。
表示パターン(報知パターン)は、先読み予告報知期間中の先読み予告報知における保留個数報知画像X1〜の表示態様(報知態様)の変化状態を規定するもので、本実施形態では、図4に示すような複数種類の表示パターンA01〜A10,B01〜B15が、予め表示パターン記憶手段(報知パターン記憶手段)65に記憶されているものとする。
また本実施形態では、保留個数報知画像X1〜X4についてその表示色が異なる複数種類、例えば「白」、「青」、「黄」、「赤」の4種類の表示態様が設けられており、先読み予告報知では、それらのうちの「青」、「黄」、「赤」の3種類の表示態様が用いられ、「白」の表示態様については先読み予告報知が実行されない場合に用いられるものとする。
また、先読み予告報知で用いられる「青」、「黄」、「赤」の3種類の表示態様は、特別図柄が大当たり態様となる信頼度(以下、大当たり信頼度という)に関する順位付けがされており、図5に示すように「青」、「黄」、「赤」の順で一段階ずつ大当たり信頼度が高くなるように設定されている。
図4(a)に示す表示パターンA01〜A10は、特別保留個数が2個のときに3個目として取得される乱数情報に対応するもので、保留個数報知画像がX3→X2→X1と移行する際の保留個数報知画像の表示態様、即ち表示色の変化が規定されている。
ここで、全ての表示パターンは複数のタイプに分類されており、本実施形態では、図6に示すように、先読み予告報知期間を通して表示態様が変化しない「タイプT1」(不変報知パターン)、1回の変化が全て1段階以下である「タイプT2」(可変報知パターン)、1回の変化が2段階以上の場合を含む「タイプT3」(可変報知パターン)の3種類のタイプが設けられている。例えば、「青」→「青」→「青」の表示パターンA01、「赤」→「赤」→「赤」の表示パターンA05等はタイプT1、「青」→「黄」→「黄」の表示パターンA03、「青」→「黄」→「赤」の表示パターンA08等はタイプT2、「青」→「赤」→「赤」の表示パターンA09等はタイプT3となっている。
また、図4(b)に示す表示パターンB01〜B15は、特別保留個数が3個のときに4個目として取得される乱数情報に対応するもので、保留個数報知画像がX4→X3→X2→X1と移行する際の保留個数報知画像の表示態様、即ち表示色の変化が規定されている。なお、表示パターンについてのタイプ分類は図4(a)に示す表示パターンA01〜A10と同様である。例えば、「青」→「青」→「青」→「青」の表示パターンB01、「赤」→「赤」→「赤」→「赤」の表示パターンB06等はタイプT1、「青」→「黄」→「黄」→「黄」の表示パターンB03、「青」→「青」→「黄」→「赤」の表示パターンB12等はタイプT2、「青」→「赤」→「赤」→「赤」の表示パターンB13、「青」→「青」→「青」→「赤」の表示パターンB15等はタイプT3となっている。
表示パターン選択手段(報知パターン選択手段)66は、特別保留個数表示制御手段64による先読み予告報知で用いられる表示パターンを、表示パターン記憶手段65に記憶されている複数種類の中から選択するもので、例えば図7に示す表示パターン選択処理を、例えば微少時間間隔(例えば4msec毎)で行われる定期割り込み毎に実行するようになっている。
この表示パターン選択処理(図7)では、まず保留増加コマンドを受信したか否かが判定され(S1)、保留増加コマンドを受信していない場合(S1:No)にはここで表示パターン選択処理は終了する。
S1において保留増加コマンドを受信したと判定された場合には(S1:Yes)、増加後の特別保留個数が所定個数、例えば3個以上であるか否かが判定され(S2)、3個以上でなければ(S2:No)ここで表示パターン選択処理は終了する。
S2において増加後の特別保留個数が3個以上であると判定された場合には(S2:Yes)、先読み予告報知を行うか否かの抽選が行われ(S3)、先読み予告報知を行わない旨の抽選結果が得られた場合(S4:No)にはここで表示パターン選択処理は終了する。
S3において先読み予告報知を行う旨の抽選結果が得られた場合には(S4:Yes)、増加後の特別保留個数が3個の場合には表示パターン選択テーブルA(図4(a))を用いて表示パターンが選択され(S6)、増加後の特別保留個数が4個の場合には表示パターン選択テーブルB(図4(b))を用いて表示パターンが選択され(S7)、表示パターン選択処理は終了する。
ここで、図4に示す表示パターン選択テーブルA,Bでは、先読み判定手段58による先読み判定結果が大当たりの場合と外れの場合とで各表示パターンの選択率が異なる値に設定されている。即ち、まず全ての表示パターンは最終の表示態様に応じて選択率が割り振られており、先読み判定結果が大当たりの場合(遊技者に有利な特定結果の場合の一例)には、最終の表示態様(即ち保留個数報知画像X1の表示態様)が「青」、「黄」、「赤」の順序で選択率が高くなっているのに対し、先読み判定結果が外れの場合(特定結果でない場合の一例)には、逆に最終の表示態様が「青」、「黄」、「赤」の順序で選択率が低くなっている。これにより、最終の表示態様が「青」の場合よりも「黄」の場合の方が、また「黄」の場合よりも「赤」の場合の方が大当たり信頼度が高いと判断できる。
また、最終の表示態様が同じ複数の表示パターンに関しては、先読み判定結果が大当たりの場合には、タイプT1よりもタイプT2の方が、またタイプT2よりもタイプT3の方が選択率が高くなっているのに対し、先読み判定結果が外れの場合には、逆にタイプT1よりもタイプT2の方が、またタイプT2よりもタイプT3の方が選択率が低くなっている。これにより、最終の表示態様が同じ複数の表示パターン(例えば表示パターンA05〜A10)に関しては、表示態様が変化しない表示パターン(例えば表示パターンA05)よりも表示態様が変化する表示パターン(例えば表示パターンA06〜A10)の方が大当たり信頼度が高く、また最終の表示態様が同じで表示態様が変化する複数の表示パターン(例えば表示パターンA06〜A10)に関しては、表示態様の変化による順位上昇幅が大きいほど(例えば表示パターンA06〜A08よりも表示パターンA09,A10の方が)大当たり信頼度が高いと判断できる。
更に、最終の表示態様とタイプとが共に同じ複数の表示パターンに関しては、先読み判定結果が大当たりの場合には、最初の表示態様の順位が低い表示パターンほど、また表示態様の変化タイミングが遅い表示パターンほど選択率が高くなっているのに対し、先読み判定結果が外れの場合には、逆に最初の表示態様の順位が高い表示パターンほど、また表示態様の変化タイミングが早い表示パターンほど選択率が高くなっている。これにより、最終の表示態様が同じで表示態様の変化による順位上昇幅も同じ複数の表示パターン(例えば表示パターンA09,A10)に関しては、なるべく順位上昇のタイミングが遅いほど(例えば表示パターンA09よりもA10の方が)大当たり信頼度が高いと判断できる。従って、例えば先読み予告報知が開始された場合の最初の表示態様の順位が低くても、またその順位が早いタイミングで上昇しなくても、遊技者の期待感を高く維持できる。
以上のように、本実施形態のパチンコ機によれば、最終の表示態様が同じでもそれまでの表示態様の変化状況によって大当たり信頼度が異なるため、遊技者は最終の表示態様だけでなくそれに至る表示態様の変化状況を見極めることでより正確に大当たり信頼度の高低を判断することができ、この先読み予告報知によって十分な演出効果を期待できる。
図8は本発明の第2の実施形態を例示し、先読み判定手段58による先読み判定結果が確変大当たりの場合と通常大当たりの場合とで表示パターンの選択率を異ならせた例を示している。
図8に示す表示パターン選択テーブルA′は、図4(a)に示す表示パターン選択テーブルAと同じく増加後の特別保留個数が3個の場合に使用されるもので、選択対象の表示パターンA01〜A10については図4(a)と全く同じであり、各表示パターンの選択率の設定が異なっている。なお、増加後の特別保留個数が4個の場合に使用される表示パターン選択テーブルについては省略する。
図8に示す表示パターン選択テーブルA′では、先読み判定手段58による先読み判定結果が大当たりの場合には、更に確変大当たりであるか通常大当たりであるかによって表示パターンの選択率が異なっている。即ち、確変大当たりの場合には、最終の表示態様が「青」、「黄」、「赤」の順序で選択率が高くなり、最終の表示態様が同じ複数の表示パターンに関してはタイプT1よりもタイプT2の方が、またタイプT2よりもタイプT3の方が選択率が高くなり、最終の表示態様とタイプとが共に同じ複数の表示パターンに関しては最初の表示態様の順位が低い表示パターンほど、また表示態様の変化タイミングが遅い表示パターンほど選択率が高くなるように設定されているのに対し、通常大当たりの場合には、逆に最終の表示態様が「青」、「黄」、「赤」の順序で選択率が低くなり、最終の表示態様が同じ複数の表示パターンに関してはタイプT1よりもタイプT2の方が、またタイプT2よりもタイプT3の方が選択率が低くなり、最終の表示態様とタイプとが共に同じ複数の表示パターンに関しては最初の表示態様の順位が高い表示パターンほど、また表示態様の変化タイミングが早い表示パターンほど選択率が高くなるように設定されている。なお、先読み判定手段58による先読み判定結果が外れの場合には、全ての表示パターンA01〜A10の選択率が同じ値に設定されている。
これにより、最終の表示態様が「青」の場合よりも「黄」の場合の方が、また「黄」の場合よりも「赤」の場合の方が、大当たりとなった場合に確変遊技状態が発生する可能性が高く、最終の表示態様が同じ複数の表示パターン(例えば表示パターンA05〜A10)に関しては、表示態様が変化しない表示パターン(例えば表示パターンA05)よりも表示態様が変化する表示パターン(例えば表示パターンA06〜A10)の方が大当たりとなった場合に確変遊技状態が発生する可能性が高く、また最終の表示態様が同じで表示態様が変化する複数の表示パターン(例えば表示パターンA06〜A10)に関しては、表示態様の変化による順位上昇幅が大きいほど(例えば表示パターンA06〜A08よりも表示パターンA09,A10の方が)大当たりとなった場合に確変遊技状態が発生する可能性が高く、更に最終の表示態様が同じで表示態様の変化による順位上昇幅も同じ複数の表示パターン(例えば表示パターンA09,A10)に関しては、なるべく順位上昇のタイミングが遅いほど(例えば表示パターンA09よりもA10の方が)大当たりとなった場合に確変遊技状態が発生する可能性が高いと判断できる。
以上のように、先読み判定手段58による先読み判定結果が確変大当たりの場合と通常大当たりの場合とで表示パターンの選択率を異ならせてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、表示パターンのタイプ分けは実施形態に示したものに限られず、例えば実施形態のタイプT2について、1段階ずつ2回以上変化する表示パターン(例えば表示パターンA08,B10〜B12)を、1段階の変化が1回のみの表示パターン(例えば表示パターンA06,A07,B07〜B09)とは別のタイプに分類し、大当たり等の場合の選択率をタイプT3よりも高く設定する等、実施形態とは異なる選択率に設定してもよい。
また実施形態では、全ての表示パターンが、特別図柄表示手段22による新たな図柄変動の開始のタイミング(又は図柄変動の終了のタイミング)で表示態様が変化するように構成したが、それ以外のタイミングで表示態様が変化する表示パターン、例えば保留個数報知画像が最初の表示態様によって表示されてから所定時間経過後に他の表示態様に変化する表示パターンを設けてもよい。
先読み判定手段58によってどのような判定を行うかは任意であり、その任意の先読み判定結果に応じて、各表示パターンの選択率の値を異ならせてもよい。例えば、先読み判定手段58によって、特別利益状態における大入賞手段17の開放パターンの種類を判定し、その開放パターンに応じて、例えば多くの出玉が期待できる開放パターンとその他の開放パターンとで各表示パターンの選択率の値を異ならせてもよい。また、例えばいわゆる潜伏確変の場合と通常時とで各表示パターンの選択率の値を異ならせてもよい。
特定の表示パターンについて、複数種類の先読み判定結果(例えば大当たりと外れ)のうちの所定判定結果(例えば大当たり)以外の選択率を全て0%としてもよい。これにより、その特定の表示パターンが出現すれば所定判定結果(例えば大当たり)となることが確定する。
実施形態では、画像表示手段19に特別保留個数分の保留個数報知画像X1〜X4を表示することにより特別保留個数を報知する特別保留個数表示手段25を用いて先読み予告報知を実行するように構成し、保留個数報知画像X1〜の表示態様(報知態様)の変化状態を規定した表示パターンを表示パターン選択手段(報知パターン選択手段)66により選択するように構成した例を示したが、先読み予告報知を行う報知手段は、保留個数報知画像X1〜X4を表示することにより特別保留個数を報知するものに限られるものではなく、任意の報知手段を採用できる。例えば、LED等の発光手段により特別保留個数を報知する特別保留個数表示手段を用いて先読み予告報知を実行するように構成し、その発光手段の発光態様(報知態様)、例えば発光色、点滅パターン等の変化状態を規定した報知パターンを報知パターン選択手段により選択するように構成してもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施することが可能である。