以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段(図柄始動手段)16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース14には、液晶式等の画像表示手段21の他、普通図柄表示手段22、特別図柄表示手段(図柄表示手段)23、普通保留個数表示手段24等が設けられている。画像表示手段21は、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段(保留個数報知手段)26等を構成している。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段23による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口27a,27bと、下特別始動口27bを開閉する開閉手段28とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。
上特別始動口27aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口27bは、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄(図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口27a,27bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値(変動記憶情報のうちの特定判定乱数値の一例)が予め定められた大当たり判定値(特定判定値の一例)と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口27a,27bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段26が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段25は、例えば特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。なお、本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となるものとする。
特別保留個数表示手段26は、特別保留個数分(例えば最大4個分)の保留個数報知画像X1〜X4の表示個数により特別保留個数を表示(報知)するもので、表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に特別保留個数分の保留個数報知画像X1〜を表示すると共に、その保留個数報知画像X1〜が、例えば保留個数増加時には保留個数増加前の状態から増加後の状態に、保留個数減少時には保留個数減少前の状態から減少後の状態に、夫々アニメーションにより所定の動作を経て変化するようになっている(保留増加演出及び保留減少演出)。
即ち、例えば特別保留個数が2個から3個に増加する場合の保留増加演出では、図7に示すように、2個の保留個数報知画像X1,X2が表示されている状態から、3個目の保留個数報知画像X3が徐々に大きくなるアニメーションを経て新たに表示され、また例えば特別保留個数が3個から2個に減少する場合の保留減少演出では、図8に示すように、3個の保留個数報知画像X1〜X3が表示されている状態から、1個目の保留個数報知画像X1が縮小しつつ欄外に飛び出して消滅すると共に2,3個目の保留個数報知画像X2,X3の表示位置が1個分ずつ前側に移動するアニメーションを経て、新たに2個の保留個数報知画像X1,X2が表示された状態となる。
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が大当たり態様(特定態様)となることに基づいて大当たり状態(利益状態)が発生したときに、開閉板29が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板31は、主に遊技盤11側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、特別乱数作成処理手段51、特別始動口チェック処理手段52、特別乱数記憶手段(情報記憶手段)53、特別図柄処理手段54、特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)55、特別図柄表示制御手段56、特別遊技状態発生手段57、先読み判定手段58、制御コマンド送信手段59等を備えている。
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
普通利益状態発生手段45は、普通図柄処理手段44による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段16を構成する下特別始動口27bの開閉手段28を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段44で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段44で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段51は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段52は、特別図柄始動手段16への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別始動口27a,27bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値(特定判定乱数値)及び大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値及び当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段(情報記憶手段)53に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段54は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段53に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段53に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は新たに取得された外れ図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて演出図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択機能等を備えている。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)55は、特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、特別図柄処理手段54による大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様 (特定態様)となることに基づいて、大入賞手段17を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段17の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段17を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)繰り返すように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別図柄表示制御手段56は、特別図柄表示手段23の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動を開始させると共に、選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段23の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了する。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。
先読み判定手段58は、特別図柄処理手段54による大当たり判定が行われるよりも前に大当たり判定乱数値等の内容を判定するもので、例えば特別図柄始動手段16が遊技球を検出した時点で、その検出によって取得された大当たり判定乱数値が通常確率状態中に対応する大当たり判定値と一致するか否かに基づく大当たり/外れの判定、その他の判定を行うように構成されている。この先読み判定手段58による先読み判定の対象となる乱数等は、その先読み判定の時点で取得されているものであれば大当たり判定乱数値に限られず、例えば大当たり図柄乱数値によって大当たり時の停止図柄を先読み判定してもよい。また、例えば特別図柄始動手段16が遊技球を検出したときに大当たり判定乱数値と共に変動パターン乱数値を取得するように構成すれば、先読み判定手段58によって演出図柄の変動パターンを先読み判定することも可能である。なお、特別保留個数が上限値である4個のときに特別図柄始動手段16が遊技球を検出した場合には大当たり判定乱数値等は記憶されないため、先読み判定手段58による判定も行われない。
コマンド送信手段59は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減少を指定する保留減少コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンドをこの順序で演出制御基板32側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板32側に送信する機能、特別保留個数が増加したときに特別保留個数の増加を指定する保留増加コマンドを演出制御基板32側に送信する機能、特別遊技状態発生手段57による特別遊技状態の発生時及び終了時にその特別遊技状態に応じて特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能の他、例えば特別利益状態等の各種遊技状態に基づいて、画像、音声、ランプの制御コマンドを演出制御基板32側に送信する機能等を備えている。
ここで、保留増加コマンドには、例えば増加後の特別保留個数を示す保留個数情報の他、先読み判定手段58による大当たり/外れの判定結果等の先読み情報、その他の情報 (大当たり図柄、変動パターン等)が付与され、保留減少コマンドには、例えば減少後の特別保留個数を示す保留個数情報が付与されて送信されるようになっている。また、保留増加コマンド、保留減少コマンドには、本実施形態のように増減後の特別保留個数を示す保留個数情報を付与することが望ましいが、単に保留個数の1個増加、1個減少のみを示し、増減後の特別保留個数の情報を付与しないことも可能である。
演出制御基板32は、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段26、音声出力手段61、ランプ手段62等の各種演出手段を制御するためのもので、コマンド受信手段63、演出図柄制御手段64、特別保留個数表示制御手段65等を備えている。
コマンド受信手段63は、主制御基板31から送信される制御コマンドを受信し、その制御コマンドの種類に応じた処理を実行するもので、例えば保留増加コマンド(保留増加指令)を受信した場合には図4に示す保留増加コマンド受信処理を、保留減少コマンド (保留減少指令)を受信した場合には図5に示す保留減少コマンド受信処理を、夫々実行するように構成されている。
図4に示す保留増加コマンド受信処理では、まず予告演出抽選用乱数値が取得され(S1)、例えば受信した保留増加コマンドから得られた先読み情報等と共に、増加後の特別保留個数に対応する所定の格納領域に格納される。ここで、予告演出抽選用乱数値は、演出図柄の変動中に実行される予告演出の抽選に用いられるもので、例えば複数種類の予告演出に対応して複数取得される。
続いて、特別保留個数を示す保留個数カウンタに1が加算されると共に(S2)、特別保留個数表示制御手段65による保留増加演出の未処理数を示す保留増加カウンタに1が加算される(S3)。
また、先読み予告演出を行うか否かの抽選が行われ(S4)、先読み予告演出に当選した場合には(S5:Yes)、先読み予告演出がセットされ(S6)、その後に所定の先読み予告演出が行われる。ここで、先読み予告演出は、先読み判定手段58による先読み判定結果を用いた予告演出であり、各保留記憶が大当たりに対応するものであるか否かを例えば特別保留個数表示手段26に表示される保留個数報知画像Xの表示態様(例えば色)によって予告する保留予告演出、保留記憶中に大当たりに対応するものが存在するか否かを複数回の図柄変動にわたって所定の予告演出画像の表示等(例えば特定のリーチ演出の出現、特定のキャラクタ画像の表示等)によって予告する連続予告演出等が考えられる。
また、図5に示す保留減少コマンド受信処理では、所定の格納領域に格納されている予告演出抽選用乱数値が、例えば先読み情報等と共に前側にシフトされる(S11)。即ち、保留1個目に対応する予告演出抽選用乱数値が読み出され、例えば演出図柄制御手段64による予告演出抽選に用いられると共に、保留2個目以降に対応する各予告演出抽選用乱数値が前側に1個ずつシフトされる。
そして、特別保留個数を示す保留個数カウンタから1が減算されると共に(S12)、特別保留個数表示制御手段65による保留減少演出の未処理数を示す保留減少カウンタに1が加算される(S13)。
演出図柄制御手段64は、演出図柄表示手段25による演出図柄の変動表示制御、その演出図柄の変動中に出現する予告演出の制御及びそれらに伴う音声出力手段61、ランプ手段62等の制御を行うもので、例えば主制御基板31から変動パターンコマンドを受信し、その後所定時間内に図柄指定コマンドを受信することを条件に、例えば保留増加コマンド受信処理(図4)で取得された予告演出抽選用乱数値に基づく予告演出の抽選、演出図柄の停止図柄を選択する抽選等を行った後、変動パターンコマンドで指定された変動パターンに基づいて演出図柄の変動を開始させると共に、予告演出抽選によって選択された予告演出を実行しつつ演出図柄を左、右、中等の所定の順序で仮停止させ、主制御基板31から変動停止コマンドを受信したときに図柄変動を停止・確定させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段(保留個数報知制御手段)65は、特別保留個数を示す保留個数報知画像X1〜を表示(報知)する特別保留個数表示手段26の表示制御を行うもので、例えば図6に示す保留表示処理を例えば定期割り込み毎に実行するようになっている。
図6に示す保留表示処理では、まず保留減少カウンタと保留増加カウンタの値が判定される(S21,S31)。そして、保留減少カウンタが0でない、即ち保留減少演出の未処理数が1以上であると判定された場合には(図10のT1)、保留減少カウンタの値が1減算される(S22)と共に、保留減少演出が開始され(S23)、保留表示処理は終了する。
例えば特別保留個数が3個から2個に減少する場合の保留減少演出は、図8に示すように、画像表示手段21上の特別保留個数表示手段26に例えば風船をイメージした3個の保留個数報知画像X1〜X3が表示されている状態(図8(a))から、1個目の保留個数報知画像X1が縮小しながら欄外に飛び出して消滅すると共に2,3個目の保留個数報知画像X2,X3の表示位置が1個分ずつ前側に移動するアニメーション(図8(b),(c))を経て、新たに2個の保留個数報知画像X1,X2が表示された状態に変化する(図8(d))。
また、S21,S31において保留減少カウンタが0で保留増加カウンタが0でない、即ち保留増加演出の未処理数のみが1以上であると判定された場合には(図10のT2,T3)、保留増加カウンタの値が1減算される(S32)と共に、保留増加演出の実行を遅延させるか否か、即ち保留増加コマンドを受けた時点よりも後の所定時点で特別保留個数の増加を報知する「遅延増加報知」と、保留増加コマンドを受けた時点で特別保留個数の増加を報知する「通常増加報知」との何れを選択するかの判定が行われる(S33)。このS33では、保留増加コマンドから得られた先読み情報から先読み判定手段58による大当たり/外れの判定結果、即ち大当たり判定乱数値が通常確率状態中に対応する大当たり判定値と一致するか否かの判定結果が読み出され、この判定結果に基づいて、遅延増加報知と通常増加報知との何れを選択するかの抽選が行われる。
本実施形態では、このS33の抽選において遅延増加報知が選択される確率は、図9に示すように先読み判定手段58による大当たり/外れの判定結果が大当たりの場合には10%、外れの場合には1%に設定されているものとする。
そして、S33において通常増加報知が選択された場合には(S34:No)、図10のT2に示すようにその時点で保留増加演出が開始され(S44)、保留表示処理は終了する。
例えば特別保留個数が2個から3個に増加する場合の保留増加演出は、図7に示すように、画像表示手段21上の特別保留個数表示手段26に例えば風船をイメージした2個の保留個数報知画像X1,X2が表示されている状態(図7(a))から、3個目の保留個数報知画像X3が徐々に膨らんで大きくなるアニメーションを経て(図7(b),(c))、新たに3個の保留個数報知画像X1〜X3が表示された状態に変化する(図7(d))。
一方、S33において遅延増加報知が選択された場合には(S34:Yes)、図10のT3に示すように、保留増加演出の遅延中であることを示す表示遅延フラグがONに設定される(S35)と共に、表示遅延タイマに初期値がセットされてカウントダウンが開始され(S36)、保留表示処理は終了する。
ここで、表示遅延タイマは、保留増加演出の遅延時間、即ち保留増加演出を開始するまでの時間を計時するもので、S36で初期値がセットされた後は時間経過と共に減算され、保留増加演出の開始タイミングに達した時点で0になるように設定されている。なお、この遅延時間は任意であり、例えば数秒程度に設定することが望ましい。また、この遅延時間を複数種類設け、変動パターンの種類、遊技状態、抽選結果等に基づいて選択するようにしてもよい。
また、S21,S31において保留減少カウンタ、保留増加カウンタが共に0である、即ち保留減少演出、保留増加演出の各未処理数が共に0であると判定された場合には、表示遅延フラグがONであるか否かが判定され(S41)、表示遅延フラグがONでなければ(S41:No)、即ち保留増加演出の遅延中でなければここで保留表示処理は終了する。
S41において表示遅延フラグがONである、即ち保留増加演出の遅延中であると判定された場合には(S41:Yes)、表示遅延タイマの値が0であるか否か、即ち保留増加演出の開始タイミングに達したか否かが判定され(S42)、表示遅延タイマの値が0でない、即ち未だ保留増加演出の開始タイミングに達していないと判定された場合(図10のT3〜T4)にはここで保留表示処理は終了する。
S42において表示遅延タイマの値が0である、即ち保留増加演出の開始タイミングに達したと判定された場合には、図10のT4に示すように、表示遅延フラグがOFFに設定される(S43)と共に、保留増加演出が開始され(S44)、保留表示処理は終了する。
なお、図6に示す保留表示処理では、S21,S31を見れば明らかなように、前回の処理後の一定期間内に特別保留個数の増加と減少とが共に発生した場合には、保留増加演出よりも保留減少演出が優先的に実行されるようになっている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、特別図柄始動手段16が遊技球を検出した時点で、その検出時に取得された大当たり判定乱数値(特定判定乱数値)が予め定められた大当たり判定値(特定判定値)と一致するか否かの判定結果に応じて、特別保留個数増加の報知タイミングを異ならせるように構成されているため、特別保留個数表示手段26について保留個数報知の正確性は犠牲になるものの、演出手段としての面白さをより向上させることが可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、保留個数報知手段は、液晶等の画像表示手段上に保留個数報知画像を表示するものに限らず、LED等の発光体の発光個数によって保留個数を表すもの、7セグメント表示装置等によってデジタル表示するもの、音声によって報知するもの、可動体によって報知するもの等、どのようなものでもよく、またそれらを組み合わせて使用してもよい。
保留個数増加の報知タイミングの選択で使用される先読み判定手段58による判定結果は、大当たり/外れの判定結果に限られるものではなく、例えば大当たり時の停止図柄、演出図柄の変動パターン等の判定結果でもよい。
実施形態では、S33の抽選において遅延増加報知が選択される確率を、先読み判定手段58による大当たり/外れの判定結果が大当たりの場合には10%、外れの場合には1%に設定したが、これに限られるものではない。但し、遅延増加報知が選択された場合の方が通常増加報知が選択された場合よりも大当たり(特定態様)となる確率が高くなるように設定することが望ましい。
遅延増加報知の選択確率は、大当たり/外れ以外の先読み情報(例えば変動パターン)や遊技状態等に応じて変更するようにしてもよい。例えば図11の例では、保留増加コマンドに、増加後の特別保留個数の情報の他、先読み情報として大当たり/外れの判定結果と演出図柄の変動パターンの種類とが設定されており、大当たり/外れの別だけでなく変動パターンの種類毎に遅延増加報知の選択確率が設定されている。
また、特定の変動パターン(例えばリーチ変動パターン)となる場合にのみ遅延増加報知が選択されるようにしてもよい。
遅延増加報知の場合、その遅延時間を複数種類設けてもよい。また、遅延増加報知の場合に保留個数の増加を報知するタイミングは、遅延時間で設定する以外に、所定条件の成立時、例えば図柄変動停止時、次の図柄変動開始時としてもよい。
遅延増加報知の場合と通常増加報知の場合とで異なるアニメーションを表示するようにしてもよい。例えば、遅延増加報知の場合の方が通常増加報知の場合よりも風船(保留個数報知画像の一例)が膨らむ速度を遅くするなど、保留個数の増加を示すアニメーションの時間を長くすることにより、遅延したことを遊技者がより認識しやすくなる利点がある。
また、遅延増加報知の場合と通常増加報知の場合とで異なる表示態様により保留個数を表示するようにしてもよい。