以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図9は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段(図柄始動手段)16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース14には、液晶式等の画像表示装置21の他、普通図柄表示手段22、特別図柄表示手段(遊技図柄表示手段)23、普通保留個数表示手段24等が設けられている。画像表示装置21は、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段26、予告演出表示手段30等を構成している。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段23による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口27a,27bと、下特別始動口27bを開閉する開閉手段28とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。
上特別始動口27aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口27bは、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄(遊技図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口27a,27bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口27a,27bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段26が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段25は、例えば特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示装置21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。なお、本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となり、特別図柄が小当たり態様となる場合には演出図柄は大当たり態様又は外れ態様の何れかになるものとする。
特別保留個数表示手段26は、特別保留個数分のシンボルXの表示個数により特別保留個数を表示するもので、表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に保留個数分のシンボルXを表示するようになっている。
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて大当たり状態が発生したときに、開閉板29が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板31は、主に遊技盤11側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、特別乱数作成処理手段51、特別始動口チェック処理手段52、特別乱数記憶手段(情報記憶手段)53、特別図柄処理手段54、特別利益状態発生手段55、特別図柄表示制御手段56、特別遊技状態発生手段57、事前判定手段58、制御コマンド送信手段59等を備えている。
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段61、普通停止図柄選択手段62、変動時間選択手段63等を備えている。当たり判定手段61は、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
なお本実施形態では、当たり判定手段61による当たり判定に用いる当たり判定値の数を、後述する特別遊技状態中とそれ以外の通常遊技状態中とで異ならせることにより、特別遊技状態中の当たり確率(例えば1/1.3)が通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定されている。
普通停止図柄選択手段62は、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には 「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。変動時間選択手段63は、普通図柄の変動時間を選択するものである。本実施形態では、特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
普通利益状態発生手段45は、普通図柄処理手段44の当たり判定手段61による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、下特別始動口27bの開閉手段28を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は特別開閉パターンが選択されるようになっている。
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段63で選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段62で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段51は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段52は、特別図柄始動手段16への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別始動口27a,27bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値及び変動パターン選択乱数値(変動記憶情報の一例)を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値、当たり図柄乱数値及び変動パターン選択乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段54は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段71、特別停止図柄選択手段72、変動パターン選択手段73等を備えている。大当たり判定手段71は、乱数抽選により変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定を行うもので、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること (特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段53に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かによって大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
本実施形態では、大当たり判定値として、後述する高確率状態中以外の通常確率状態中には大当たり判定乱数値の範囲である0〜349等のうちの例えば「7」が、高確率状態中にはその「7」に加えて「17」「27」等の複数個(例えば合計10個)が設定されているものとする。
特別停止図柄選択手段72は、特別図柄の変動後の停止図柄を選択するもので、大当たり判定手段71による大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段53に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値とに基づいて、大当たり判定の場合には1又は複数の大当たり態様の何れかを、外れ判定の場合には1又は複数種類の外れ態様の何れかを選択するように構成されている。
変動パターン選択手段73は、演出図柄の変動パターンを選択するもので、大当たり判定手段71による大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段53に大当たり判定乱数値と共に記憶されている変動パターン選択乱数値とに基づいて、複数種類の変動パターンの中から1つを選択するように構成されている。
演出図柄の変動パターンには、リーチ状態を経由して外れ態様となるリーチなし変動パターンと、リーチ状態を経由して大当たり態様又は外れ態様となるリーチ変動パターンとがあり、大当たり判定手段71による判定結果が大当たり判定の場合にはリーチ変動パターンが、外れ判定の場合にはリーチ変動パターンとリーチなし変動パターンの何れかが夫々選択されるようになっている。
本実施形態では、図4に示すように、変動パターン選択手段73の選択対象である通常変動パターンとして、1種類のリーチなし変動パターンa0と、複数種類のリーチ変動パターンa1,a2,…とが設けられ、各リーチ変動パターンa1,a2,…の変動時間T1,T2,…は、リーチなし変動パターンの変動時間T0よりも長いものとする。なお、本実施形態では、大当たり態様の場合と外れ態様の場合とで共通の(同じ変動時間の)リーチ変動パターンを用いるものとするが、もちろん一部又は全てのリーチ変動パターンを大当たり態様又は外れ態様専用としてもよい。
特別利益状態発生手段55は、大入賞手段17を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、大当たり判定手段71による判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。
本実施形態の開放パターンは、大入賞手段17の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段17を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別図柄表示制御手段56は、特別図柄表示手段23の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段23による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段73で選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段72で選択された停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段57は、大当たり状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、時短状態発生手段57aと高確率状態発生手段57bとを備えている。
時短状態発生手段57aは、特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値と一致しない場合に、特別遊技状態の一つとして所定期間、例えば特別図柄が所定回数変動するまで時短状態を発生させるように構成されている。時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段23の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、特別始動口27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。
高確率状態発生手段57bは、特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値と一致した場合に、特別遊技状態の一つとして所定期間、例えば次の大当たり発生まで高確率状態を発生させるように構成されている。高確率状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も並行して行われるようになっている。
事前判定手段58は、特別図柄始動手段16が遊技球を検出したときに、その検出によって取得された大当たり判定乱数値の内容を判定するもので、例えばその大当たり判定乱数値が通常確率状態中に対応する大当たり判定値と一致するか否かを判定するように構成されている。なお、特別保留個数が上限値である4個のときに特別図柄始動手段16が遊技球を検出した場合には大当たり判定乱数値等は記憶されないため、事前判定手段58による判定も行われない。
制御コマンド送信手段59は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別停止図柄を指定する特別停止図柄指定コマンド、特別図柄の停止を指示する変動停止コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、特別遊技状態発生手段57による特別遊技状態の発生時及び終了時にその特別遊技状態に応じて特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、事前判定手段58による判定結果に基づいて、特別保留個数を指定する特別保留個数指定コマンドを演出制御基板32側に送信する機能の他、例えば特別利益状態等の各種遊技状態に基づいて、画像、音声、ランプの制御コマンドを演出制御基板32側に送信する機能等を備えている。
ここで、特別保留個数指定コマンドは、例えば図5に示すように、保留1から保留4までの4つの保留記憶に対応する4種類のコマンドが、通常確率時大当たり、外れの2種類に対応して2組設けられており、第何番目の保留記憶であるかの情報の他に、その保留記憶の大当たり判定乱数値が大当たり判定値(ここでは通常確率時の大当たり判定値)と一致するか否かの情報も付加されるようになっている。
演出制御基板32は、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段26、予告演出表示手段30、音声出力手段81、ランプ手段82等の各種演出手段を制御するためのもので、特別保留個数表示制御手段83、連続予告制御手段84、変動パターンデータ記憶手段85、演出図柄表示制御手段86、音声制御手段87、ランプ制御手段88等を備えている。
特別保留個数表示制御手段83は、特別保留個数表示手段26の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段16により新たに遊技球が検出され、主制御基板31から特別保留個数指定コマンドを受信したときに、その特別保留個数指定コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示装置21の表示画面21a上の所定位置にシンボルXを1個追加的に表示するように構成されている。
また、特別図柄表示手段23による図柄変動が新たに開始され、特別保留個数が減少する場合には、特別保留個数表示制御手段83は、特別図柄表示手段23による図柄変動開始時に主制御基板31から送信されるコマンド、例えば変動パターン指定コマンドを受信することを条件に、特別保留個数表示手段26に表示されている第1番目のシンボルXを消去すると共に、第2番目以降のシンボルXが表示されている場合にはそれらを1個ずつ前側にシフトするようになっている。
連続予告制御手段84は、予告演出表示手段30による予告演出を特別図柄表示手段23による複数回の図柄変動にわたって行う連続予告状態の発生を制御するもので、図6に示すような連続予告制御処理を、例えば制御コマンドの受信を契機として実行するように構成されている。
図6に示すように、連続予告制御手段84による連続予告制御処理では、例えば連続予告開始処理(S1)と連続予告終了処理(S2)とが実行されるようになっている。連続予告開始処理(S1)では、例えば図7に示すように、まず特別保留個数指定コマンドを受信したか否かが判定され(S11)、受信したと判定された場合には(S11:Yes)、連続予告カウンタの値が0より大であるか否かが判定される(S12)。
ここで、連続予告カウンタは、連続予告状態が発生している場合に、その連続予告状態の終了までの特別図柄の変動回数を示すもので、そのカウンタ値が0よりも大であれば連続予告状態中であると判断できる。
S12において連続予告カウンタの値が0より大でない、即ち連続予告状態中でないと判定された場合には(S12:No)、受信した特別保留個数指定コマンドが通常確率時大当たりと外れとの何れに対応するものであるかが判定される(S13)。
受信した特別保留個数指定コマンドが外れに対応するものであれば(S13:No)、いわゆるガセの連続予告状態を開始させるか否かの乱数抽選が行われ(S14)、通常確率時大当たりに対応するものであれば(S13:Yes)、真の(いわゆるガセでない)連続予告状態を開始させるか否かの乱数抽選が行われる(S15)。そして、S14又はS15において連続予告状態を開始させる旨の抽選結果が得られた場合には(S16:Yes)、連続予告カウンタにその時点の特別保留個数がセットされ(S17)、連続予告状態が開始される。
連続予告終了処理(S2)では、例えば図8に示すように、まず連続予告カウンタの値が0であるか否か、即ち連続予告状態中であるか否かが判定される(S21)。連続予告カウンタの値が0でなければ、即ち連続予告状態中であれば(S21:No)、特別図柄の変動が開始されたか否か、即ち例えば主制御基板31側から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判定され(S22)、特別図柄の変動が開始されたと判定された場合には(S22:Yes)、予告演出表示手段30に例えば「チャンス」等の予告演出表示が所定期間、例えば短時間出力される(S23)と共に、連続予告カウンタの値が1減算される(S27)。
このように、連続予告状態中は、連続予告カウンタの値が0となるまで、特別図柄の変動毎に予告演出が連続的に行われ、その連続予告状態がガセでない場合には、その連続予告状態中の最後の図柄変動において大当たり態様となる。
演出図柄表示制御手段86は、変動パターンデータ記憶手段85に記憶された変動パターンデータに基づいて、演出図柄表示手段25の表示制御を行うもので、図9に示すような演出図柄表示制御処理を、例えば制御コマンドの受信を契機として実行するように構成されている。
変動パターンデータ記憶手段85には、主制御基板31側の変動パターン選択手段73の選択対象である通常変動パターンに加えて、その通常変動パターンのうちの少なくとも一部の非最終用変動パターンに対応して設けられた最終用変動パターンについてのデータも予め記憶されている。なお、本実施形態では、全ての通常変動パターンが非最終用変動パターン(非最終用リーチなし変動パターンa0、非最終用リーチ変動パターンa1,a1,…)となっており、全ての通常変動パターンa0,a1,a2,…に対して夫々最終用変動パターンb0,b1,b2,…が設けられている。
最終用変動パターンb0,b1,b2,…は、夫々対応する非最終用変動パターンa0,a1,a2,…と同じ変動時間に設定されている。また、最終用変動パターンb0,b1,b2,…は、非最終用リーチなし変動パターンa0に対応する変動パターンb0も含めて全てがリーチ変動パターン(最終用リーチ変動パターン)となっており、本実施形態では、それら全ての最終用リーチ変動パターンb0,b1,b2,…においてリーチ状態発生までの時間が略同じに設定されている。即ち、最終用リーチ変動パターンにおけるリーチ状態発生までの時間TRは、例えば最も変動時間の短い変動パターン(本実施形態ではリーチなし変動パターンa0に対応する最終用リーチ変動パターンb0)に合わせて設定されている。
演出図柄表示制御手段86による演出図柄表示制御処理では、例えば図9に示すように、まず変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判定され(S31)、受信したと判定された場合には(S31:Yes)、その変動が連続予告状態中の最終変動であるか否かが判定される(S32)。ここで、連続予告状態中の最終変動であるか否かについては、例えば連続予告制御処理(図6)における連続予告カウンタの値を参照することで判定可能である。
S32において連続予告状態中の最終変動ではないと判定された場合には(S32:No)、変動パターン指定コマンドで指定された通常変動パターンがそのまま選択される (S35)。一方、S32において連続予告状態中の最終変動であると判定された場合には(S32:Yes)、変動パターン指定コマンドで指定された通常変動パターンに対応する最終用変動パターンが存在する場合にはその最終用変動パターンが選択され(S34)、対応する最終用変動パターンが存在しない場合には変動パターン指定コマンドで指定された通常変動パターンがそのまま選択される(S35)。そして、S34又はS35で選択された変動パターンに対応するデータが変動パターンデータ記憶手段85から読み出され、その変動パターンデータに基づいて演出図柄の変動が行われる(S36)。
本実施形態では、全ての通常変動パターンa0,a1,a2,…に対して最終用変動パターンb0,b1,b2,…が設けられているため(図4)、S32において連続予告状態中の最終変動であると判定された場合には(S32:Yes)、必ず最終用変動パターンが選択される(S34)。即ち、連続予告状態の最終の図柄変動においては、変動パターン選択手段73によりリーチなし変動パターンが選択された場合であっても、演出図柄の変動は必ずリーチ変動パターン(最終用リーチ変動パターン)となる。しかも、その最終用リーチ変動パターンは、変動パターン選択手段73により選択された通常変動パターンと同じ変動時間に設定されているため、主制御基板31側の制御による特別図柄の変動との間で制御上のズレが生じることもない。
また、例えば各最終用リーチ変動パターンb0,b1,b2,…におけるリーチ状態発生までの時間が、その変動パターンの変動時間に応じて任意に設定されている場合には、リーチ状態発生までの時間が不自然に短ければ、その時点でその変動パターンがリーチなし変動パターンから切り換えられたものであること、即ちその変動で大当たり態様にはならないことが遊技者に分かってしまう可能性があるが、本実施形態では全ての最終用リーチ変動パターンb0,b1,b2,…でリーチ状態発生までの時間を略同じTRに設定しているため、リーチ状態が発生した時点では、その変動パターンがリーチなし変動パターンから切り換えられたものであるか否かを遊技者が判断することは不可能である。
音声制御手段87は、スピーカー等の音声出力手段81の音声出力制御を行うもので、主制御基板31側からの音声制御コマンドに基づいて音声出力手段81から所定の効果音等を出力させるようになっている。ランプ制御手段88は、ランプ手段82等の表示制御を行うもので、主制御基板31側からのランプ制御コマンドに基づいてランプ手段82等を所定のパターンで発光させるようになっている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、演出図柄表示手段25による演出図柄の変動パターンを、リーチ状態を経由する1又は複数種類のリーチ変動パターンa1,a2,…と、リーチ状態を経由しない1又は複数種類のリーチなし変動パターンa0との中から選択する変動パターン選択手段73を備え、リーチなし変動パターンa0に対して、変動時間が同じリーチ変動パターンである最終用リーチ変動パターンb0を設け、連続予告状態中の最終の図柄変動に対して変動パターン選択手段73によりリーチなし変動パターンa0が選択された場合には、その変動パターンa0に対応する最終用リーチ変動パターンb0により演出図柄の図柄変動を行うように構成されているため、連続予告の最終の図柄変動を必ずリーチ変動とすることが可能である。しかも、その最終用リーチ変動パターンb0は、変動パターン選択手段73により選択された通常変動パターンa0と同じ変動時間に設定されているため、主制御基板31側の制御による特別図柄の変動との間で制御上のズレが生じることもない。
また、複数種類のリーチ変動パターンa1,a2,…の全てに対しても変動時間が同じリーチ変動パターンである最終用リーチ変動パターンb1,b2,…を設け、連続予告状態中の最終の図柄変動に対して変動パターン選択手段73により非最終用リーチなし変動パターンa0と非最終用リーチ変動パターンa1,a2,…との何れかが選択された場合には、その変動パターンa0,a1,a2,…に対応する最終用リーチ変動パターンb0,b1,b2,…により演出図柄の図柄変動を行うように構成され、最終用リーチ変動パターンb0,b1,b2,…は、リーチ状態発生までの時間が略同じに設定されているため、リーチ状態が発生した時点で、その変動パターンがリーチなし変動パターンから切り換えられたものであるか否かを遊技者が判断することは不可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、通常変動パターンa0,a1,a2,…の全てを非最終用変動パターンに設定し、夫々に対して最終用リーチ変動パターンを設けたが、リーチなし変動パターンの少なくとも一部と、リーチ変動パターンの少なくとも一部とを非最終用変動パターンに設定して、それらに対してのみ最終用リーチ変動パターンを設けてもよい。例えば、他の変動パターンに比べて変動時間が極端に短いリーチなし変動パターンに対しては最終用変動パターンを設けなくてもよい。対応する最終用リーチ変動パターンを設けない変動パターンがある場合には、連続予告状態の最終の図柄変動を100パーセントの確率でリーチにすることはできないが、その確率は高まるため、一定の効果を期待できる。
また実施形態では、最終用リーチ変動パターンの全てについてリーチ状態発生までの時間を略同じに設定したが、最終用リーチ変動パターンのうちの一部、例えば他の変動パターンに比べて変動時間が極端に短い変動パターンについては、リーチ状態発生までの時間を他の変動パターンと異ならせてもよい。
連続予告状態中は、最終の図柄変動以外の図柄変動については高い確率でリーチなし変動パターンとなるように構成してもよい。即ち、例えば通常変動パターンのうちのリーチ変動パターンa1,a1,…の少なくとも一部(外れとなるものに限る)に対して変動時間が同じリーチなし変動パターンc1,c2,…を設け、連続予告状態中にリーチ変動パターンa1,a2,…が選択された場合には対応するリーチなし変動パターンc1,c2,…による図柄変動を行うようにしてもよい。
実施形態では、連続予告状態中は新たに連続予告状態を開始しないように構成したが、連続予告状態中であっても、例えばそれがガセの連続予告状態であれば新たに連続予告状態を開始できるように構成してもよい。この場合、例えばガセの連続予告状態であるか否かを記憶するガセフラグ等を設け、そのガセフラグの値に基づいてガセの連続予告状態であるか否かを判定すればよい。
連続予告状態中でなくても、保留記憶中に大当たりに対応するものが存在する場合には連続予告状態を開始させないように構成してもよい。また、連続予告状態中に特別図柄が大当たり態様となった場合には、その時点でその連続予告状態を終了させるように構成してもよい。
実施形態では、予告演出の一例として、画像表示装置21上の予告演出表示手段30に「チャンス」等の表示を行う例を示したが、例えば他の表示手段やランプ等により予告演出表示を行うようにしてもよいし、音声出力や可動体の作動等により予告演出を行うようにしてもよい。また、予告演出は、図柄変動開始時だけでなく連続予告状態の開始から終了まで連続的又は断続的に行うようにしてもよい。
また本発明は、特別図柄表示手段23及び特別図柄始動手段16を複数組搭載したパチンコ機等の各種パチンコ機はもちろん、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。