JP2010006628A - 炭素多孔体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度で且つ寸法安定性の高い軽量な炭素多孔体、及び当該炭素多孔体を極めて容易に製造すること。
【解決手段】密度が100〜1000kg/m3 である芳香族ポリイミドの発泡体又は芳香族ポリイミドの発泡体によって形成された軽量ポリイミド成形体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で600℃以上の温度で炭化して得られる、高強度で且つ寸法安定性の高い軽量な炭素多孔体。及び芳香族ポリイミドによって形成された発泡体を用いて軽量ポリイミド成形体を得る工程と、該軽量ポリイミド成形体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で600℃以上の温度で炭化させる炭化工程とを含むことを特徴とする炭素多孔体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、高強度で且つ寸法安定性の高い軽量な炭素多孔体、及び当該炭素多孔体を極めて容易に製造することができる方法に関する。
特許文献1〜3には、耐熱性発泡体としてのポリイミド発泡体、及びその製造方法が記載されている。また、特許文献4には、予め発泡されたポリイミド樹脂塊を粉砕し、これを耐熱性バインダーと混合し、この混合物を所定の型枠に投入後、所定の密度まで加圧、焼成してなる発泡ポリイミド成形体について開示されている。ここで具体的に用いられたバインダーは、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸の溶液であった。
ポリイミド発泡体の製造方法として、このような耐熱性バインダーと混合する方法では、発泡体チップとバインダー溶液とを均一に混合することが容易ではなく、またバインダー溶液の溶媒を除去する必要があるため加工成形性において改良の余地があった。
一方、炭素多孔体を製造する方法として、メラミン、ウレタン、フェノールなどの樹脂発泡体を焼成する方法が知られていたが、これらの方法では、一般に樹脂発泡体においてはそれを焼成した際の炭化収率が低いために、焼成することにより、出発物質である樹脂発泡体が極めて大きな容積収縮を起こしてしまい、強度を出すことができないという欠点があった。
このため、樹脂発泡体をそのまま焼成する上記従来方法の欠点を改良することを目的とし、ウレタンフォームなどの樹脂発泡体に熱硬化性樹脂(フラン樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂など)を含浸させ、この熱硬化性樹脂の含浸した樹脂発泡体を焼成することからなる炭素多孔体の製造方法が提案されている(特許文献5〜7参照)。
これらの方法では、元の樹脂発泡体の形状を保った炭素多孔体にはなるが、炭化までの加熱中に発泡体の収縮、熱硬化性樹脂の炭化の収縮等で、寸法変化を小さくする効果は十分ではない。更に、樹脂発泡体に樹脂溶液を適量、均一に含浸する方法が記載されておらず、密度の均一なものを製造することが困難である。
米国特許第4241193号公報 特開平4−211440号公報 特開2002−12688号公報 特開2004−323715号公報 特公昭53−7538号公報 特許第3237003号公報 特開2005−41748号公報
本発明の目的は、高強度で且つ寸法安定性の高い軽量な炭素多孔体、及び当該炭素多孔体を極めて容易に製造することができる方法を提供することにある。
本発明者らは、種々検討した結果、実質的に芳香族ポリイミドによって形成された密度が100〜1000kg/m3 程度の高密度の発泡体、特に、実質的に芳香族ポリイミドによって形成された発泡体チップを、バインダーを用いることなしに加圧成形及び加熱処理することによって得られる密度が100〜1000kg/m3 程度の軽量ポリイミド成形体を、炭化することにより、上記目的を達成する炭素多孔体が簡便に製造できることをを見出し、この発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の項に関する。
1.密度が100〜1000kg/m3 である芳香族ポリイミドの発泡体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で600℃以上の温度で炭化して得られる、高強度で且つ寸法安定性の高い軽量な炭素多孔体。
2.芳香族ポリイミドの発泡体によって形成された軽量ポリイミド成形体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で600℃以上の温度で炭化して得られる、高強度で且つ寸法安定性の高い軽量な炭素多孔体。
3.軽量ポリイミド成形体が、芳香族ポリイミドによって形成された発泡体チップを、バインダーを用いることなしに、加圧成形及び加熱処理して得られたものである項2に記載の炭素多孔体。
4.軽量ポリイミド成形体が、芳香族ポリイミドによって形成された発泡体を圧縮して得られたものである項2に記載の炭素多孔体。
5.軽量ポリイミド成形体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で800℃以上の温度で炭化して得られる、重量保持率が55%以上、寸法保持率が75%以上である項2〜4の何れかに記載の炭素多孔体。
6.芳香族ポリイミドが、テトラカルボン酸成分の主成分がビフェニルテトラカルボン酸類及び/又はベンゾフェノンテトラカルボン酸類からなり、ジアミン成分の主成分がp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4' −ジアミノジフェニルスルホン、及び2,6−ジアミノピリジンからなる群から選択された少なくとも一つの芳香族ジアミンからなる芳香族ポリイミドである項1〜5の何れかに記載の炭素多孔体。
7.軽量ポリイミド成形体の密度が、100〜1000kg/m3 である項2〜6の何れかに記載の炭素多孔体。
8.発泡体チップの最大径が50mm以下である項3に記載の炭素多孔体。
9.芳香族ポリイミドによって形成された発泡体を用いて軽量ポリイミド成形体を得る工程と、該軽量ポリイミド成形体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で600℃以上の温度で炭化させる炭化工程とを含むことを特徴とする炭素多孔体の製造方法。
10.軽量ポリイミド成形体を得る工程が、芳香族ポリイミドによって形成された発泡体チップを金型内に入れて100℃以下の温度で加圧成形して加圧成形体を得る工程と、該加圧成形体を目的形状の金型内に入れて250〜500℃の温度で加熱処理する工程からなる項9に記載の炭素多孔体の製造方法。
本発明の炭素多孔体は、炭化時の寸法変化が少なく、寸法安定性の高いのものであり、且つ高強度であり、軽量で連続気孔を有するものである。
本発明によれば、炭化工程において、寸法変化が少ない上に3次元的に形状を保ったまま炭化できるので、設計どおりの形状の炭素製品を容易に提供することができる。加工性の悪い炭素材料を切削などの加工をしないで、炭素成形品が得られるため、品質の向上、製造コストの低減、多品種少量生産の実現など、その効果は多大である。
特に、軽量ポリイミド成形体は密度の調整が容易であり、炭化工程での密度の変化も小さいため、本発明の炭素多孔体の密度の調整が容易である。例えば、炭素多孔体の密度を高くすれば、機械的強度が高くなり、炭素多孔体の密度を低くすれば、ガスや液の透過性が良くなるというように、用途に応じた特性を持つ炭素多孔体が得られる。
本発明において「軽量ポリイミド成形体」は、例えばポリイミド粉末を加熱圧縮して得られるような緻密なポリイミド成形体と区別する目的で用いた用語である。「軽量ポリイミド成形体」は、原料の発泡体チップよりも気泡(気孔)空間の割合が小さくなって高密度化しているが、成形体中に発泡体チップの気泡に起因した空間を有しており、前記のような緻密なポリイミド成形体よりも軽量なポリイミド成形体である。
本発明において発泡体を形成する芳香族ポリイミドとしては、テトラカルボン酸成分が芳香族テトラカルボン酸類、ジアミン成分が芳香族ジアミンからなり、ガラス転移温度が250℃以上、好ましくは300℃以上、より好ましくは330℃以上、特に好ましくは350℃以上の芳香族ポリイミドが好ましい。ガラス転移温度が低いポリイミドによって形成された発泡体を用いると、加熱処理時に発泡体の気泡(気孔)構造が容易に軟化して不均一な変形が生じるために、得られる軽量ポリイミド成形体は密度が不均一になり、形状も歪んだものになるので好ましくない。
したがって、本発明において発泡体を形成する芳香族ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミンとで構成されて前記ガラス転移温度を有するものである。芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン以外の少量成分を、例えば発泡成形時の可塑性を改良する目的で用いても構わない。得られるポリイミドのガラス転移温度が前記値以下にならないようにすることが重要である。前記少量成分を用いる場合には、テトラカルボン酸成分及びジアミン成分中、それぞれ独立に、10モル%程度以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは2モル%以下である。
テトラカルボン酸成分としては、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸類などのビフェニルテトラカルボン酸類、ピロメリット酸類、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸類などのベンゾフェノンテトラカルボン酸類、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸類、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸類、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸類、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸類などのナフタレンテトラカルボン酸類、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル類などのビス(ジカルボキシフェニル)エーテル類、2,2−ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)プロパン類などのビス(ジカルボキシフェニル)プロパン類、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン類などのビス
(ジカルボキシフェニル)エタン類、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン類などのビス(ジカルボキシフェニル)スルホン類などの芳香族テトラカルボン酸類を単独又は混合して好適に用いることができる。これらの中でもビフェニルテトラカルボン酸類及び/又はベンゾフェノンテトラカルボン酸類、特にビフェニルテトラカルボン酸類が、発泡体を容易に得ることができ且つガラス転移温度が高いので、テトラカルボン酸成分の主成分(50モル%以上、好ましくは80モル%以上)として用いるのが好適である。
ここでテトラカルボン酸類とは、テトラカルボン酸、そのエステル化物、その無水化物などのポリイミドを形成し得るテトラカルボン酸及びその誘導体を意味する。
成形性などを考慮して用いられる少量成分としては、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン類などのビス(ジカルボキシフェニル)テトラメチルジシロキサン類や、シクロペンタンテトラカルボン酸類、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2,4,5−テトラカルボン酸などのシクロヘキサンテトラカルボン酸類などの脂肪族テトラカルボン酸類が挙げられる。
ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノ安息香酸などのベンゼン核を1つ有する芳香族ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4' −ジアミノジフェニルスルホンなどのベンゼン核を2つ有する芳香族ジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンなどのベンゼン核を3つ有する芳香族ジアミン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、4,4' −ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4' −ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンなどのベンゼン核を4つ有する芳香族ジアミン、ジアミノナフタレン等のナフタレン環を有する芳香族ジアミン、2,6−ジアミノピリジンなどの複素環を有する芳香族ジアミンなどを単独又は混合して好適に用いることができる。これらの中でも、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4' −ジアミノジフェニルスルホン、及び2,6−ジアミノピリジンからなる群から選択された少なくとも一つの芳香族ジアミンを主成分(50モル%以上、好ましくは80モル%以上)として用いることが好適である。
成形性などを考慮して用いられる少量成分としては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシランのようなジアミノシロキサンや、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミンや、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノドデカンなどの脂肪族ジアミンを挙げることができる。
前記芳香族ポリイミドの発泡体は、従来公知の方法で好適に製造することができる。例えば、低級アルコール溶媒中でテトラカルボン酸二無水物と前記低級アルコールとを反応させてテトラカルボン酸エステル化物の溶液とし、それにジアミンを加えて混合してポリイミド前駆体溶液組成物を得、次いでその溶液組成物のアルコール溶媒を低温で蒸発除去し、粉末のポリイミド前駆体組成物を得る。この粉末のポリイミド前駆体組成物を必要に応じて予備成形してグリーン体にした後で、マイクロ波加熱などによって加熱して発泡させることで芳香族ポリイミドの発泡体を好適に得ることができる。また、前記粉末のポリイミド前駆体組成物に再度低級アルコールを加えて溶液乃至サスペンジョンのポリイミド前駆体組成物とした後で、マイクロ波加熱などによって加熱して発泡させることで芳香族ポリイミドの発泡体を好適に得ることができる。
ポリイミド前駆体溶液組成物の調製は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とが略等モルになるような組成比で混合して行われるが、発泡を均一化するために、例えばジアミノジシロキサンがジアミン成分の少量成分として好適に用いられる。溶媒の低級アルコールとしてはメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノールなどが用いられ、他の溶媒と混合されることもある。テトラカルボン酸エステル化物の溶液にジアミンを加えて混合してポリイミド前駆体溶液組成物を得る際には、各成分の濃度はジアミンの溶解度限界以下が好適であり、不揮発成分量は全量中の3〜50質量%程度になる。このポリイミド前駆体溶液組成物には、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、置換ピリジンなどのイミド化触媒、界面活性剤、或いは、他の公知の添加剤、例えば無機フィラ−、無機あるいは有機顔料などを加えてもよい。
ポリイミド前駆体溶液組成物は、実験室的にはエバポレ−タ、工業的にはスプレ−ドライヤ−などを用いて、蒸発乾固して粉末化される。この時の温度は100℃以下特に80℃以下が好ましい。高温で蒸発乾固するとポリイミド前駆体組成物の発泡性が極端に低下する。蒸発乾固は、常圧でも、加圧下でも、あるいは減圧下で行ってもよい。
グリ−ン体の作成は、例えば、粉末のポリイミド前駆体組成物を室温で圧縮成形する方法、スラリ−溶液として流延乾固する方法、テフロン(登録商標)製などのマイクロ波に不活性な容器へ充填する方法などによって行うことができる。概略均一な状態のグリ−ン体を得ることができれば、発泡時の均一化は達成できる。
ポリイミド前駆体組成物の発泡は、好適にはマイクロ波加熱による加熱によって好適に行うことができる。この際に、一般的には2.45GHzで行う。これは日本の国内法(電波法)に基づく。粉末重量当たりのマイクロ波出力を目安とすることが好ましい。これは実験を重ねることによって定義すべきである。例えば、100g/1kW程度のマイクロ波を約1分照射すると発泡を開始し、2〜3分で発泡は収束する。
発泡した状態の発泡体は非常に脆いので、直ちにオーブンなどを用いて加熱するのが好適である。加熱は、200℃程度から徐々に昇温(一応の目安として、100℃/10分程度の昇温速度)して行うのが好適である。最終的にはポリイミドのガラス転移温度+α(10〜100℃位)の温度にて5〜60分間、好適には10分間程度加熱する。
以上の製造方法によって、好ましくは密度が3〜20kg/m3 であって、均一な発泡構造を有した、弾力性があり且つ復元力に優れた芳香族ポリイミドの発泡体を好適に得ることができる。
本発明で用いられる軽量ポリイミド成形体は、前記の芳香族ポリイミドの発泡体によって形成されたものである。
本発明で用いられる軽量ポリイミド成形体としては、前記の芳香族ポリイミドの発泡体チップの所定量を、バインダーを用いることなしに、加圧成形及び加熱処理して得られたものが好ましい。本発明において、加圧成形及び加熱処理の工程を一段で行っても構わないが、発泡体チップの所定量を金型内に入れて100℃以下の温度で加圧成形して加圧成形体を得る工程と、次いで前記加圧成形体を目的形状の金型内に入れて250〜500℃の温度で加熱処理する工程とを含む多段の方法が、軽量ポリイミド成形体を効率よく且つ品質的に安定して製造することができるので好適である。
前記発泡体チップは、前記の芳香族ポリイミドの発泡体を、例えば開砕整粒装置を用いて解砕整粒して得られたチップを好適に用いることができる。発泡体チップの密度は3〜20kg/m3 、特に5〜20kg/m3 が好適である。発泡体チップの形状は特に限定されないが、好ましい形状は所定の金型に投入する際に送粒可能な球状に近い形状である。また、発泡体チップの最大径は好ましくは50mm以下、より好ましくは全体積に対して最大径が10〜50mmのチップが80体積%以上を占めるようにすることが好適である。発泡体チップの最大径が50mmを越えると均一な密度を有する軽量ポリイミド成形体を得ることが難しくなるので好ましくない。チップの最小径については5mm以下のものを使用することも可能であり、得られる軽量ポリイミド成形体の特性には特に問題はないが、ポリイミド発泡体から最大径が5mm以下に解砕するには相当の時間がかかるので非効率になる。
以下、前記多段の製造方法について説明する。
先ず金型内に所定量の発泡体チップを投入して加圧成形する。投入量は最終的な軽量ポリイミド成形体の体積と目的密度から算出される量である。これを例えばプレス機にて加圧成形し、発泡体チップが圧縮されてなる加圧成形体(グリーン体)を得る。加圧成形体の密度は、加圧成形後に起こるスプリングバックによる寸法の戻りを考慮しなければならないので、加圧成形時には、加圧成形体の(目的)密度に対し102〜120%好ましくは105〜110%の密度になるように成形圧力、金型寸法、発泡体チップの投入量を調節することが好ましい。このスプリングバックによって、空隙をなくし、より均一な状態の加圧成形体を得ることが容易になる。また、加圧成形工程で均一な密度の加圧成形体を得るためにチップの形状や寸法を前記のようにしておくことが好ましい。
加圧成形体の(目的)密度は、製品である軽量ポリイミド成形体の(目的)密度に対し好ましくは85〜115%より好ましくは90〜100%の密度に設定される。
この工程では特に加熱の必要はなく加圧成形体が金型から容易に取出せるなどの取り扱いができる程度に密に一体化される程度まで加圧成形されればよい。すなわち、加圧温度は100℃以下、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜50℃、更に好ましくは室温(15〜30℃程度)であり、いわゆる冷間加圧成形であることが好適である。
また、ポリイミド発泡体は容易に変形するので、十分に圧縮できる程度の圧力(通常200〜5000kg/cm2 、好ましくは500〜2000kg/cm2 )を加えることができるものであれば、特別な圧力条件は要求されない。加圧時間は、特に限定はないが1秒間から10分間程度の短時間が好ましく、短時間の加圧を複数回繰り返すことが好適である。
加圧成形するときに使用する金型は、所定量の発泡体チップを加圧成形できるものであれば特に限定はない。形状は最終製品の形状に準じた形状(複数の加圧成形体を組み合せて一つの製品を製造する際にはそれぞれの部分形状)であることが好適である。例えば板状のものを製造するのであれば、箱状容器を内蓋(パンチ)で圧縮するようにした金型と一軸式油圧成形機を組み合せて好適に行うことができる。
次いで加熱処理するために、加圧成形体を通常は加熱装置が備わった別の金型へ移す。この金型内で、加圧成形体を、製品の目的形状(目的密度)になるようにし、目的形状を保持した状態で加熱処理する。この時、加圧成形体の密度が製品の目的密度よりも小さい場合は金型に圧縮されて高密度になる。一方、加圧成形体の密度が製品の目的密度よりも大きい場合は加熱によって加圧成形体が膨張するので低密度になる。加熱処理は、好ましくは250〜500℃の温度範囲で0.1〜10時間程度が好適である。なお、加熱処理後もスプリングバックが起こることがある。その際には、金型形状を経験的に求められるスプリングバック量を考慮して決定するのが好適である。加熱処理の温度範囲の下限は、好ましくは300℃、より好ましくは330℃、更に好ましくは350℃、特に好ましくは380℃である。加熱処理の温度範囲の上限は、好ましくは450℃である。加熱処理する温度は、発泡体チップを形成しているポリイミドのガラス転移温度が一つの基準になる。すなわち、発泡体チップを形成しているポリイミドのガラス転移温度に対して−20℃〜+100℃、好ましくは−10℃〜+50℃、より好ましくは0〜50℃である。ポリイミドにガラス転移温度が見られない場合には400〜500℃の温度範囲で行うのが好適である。
加熱処理の温度が低すぎる場合には、軽量ポリイミド成形体の機械的強度が低くなるので好ましくない。また、500℃よりも高温で加熱処理を行うとポリイミドの炭化が始まるので好ましくない。
発泡体チップを形成しているポリイミドのガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置を使用し、発泡材料の動的粘弾性からガラス転移点を測定することができる。
加熱処理の際に用いる金型は、その内形状が製品である軽量ポリイミド成形体の形状になる。したがって、容易に変形しない金属製のものが好適に用いられる。板状の軽量ポリイミド成形体を得る場合には、2枚の金属板の間に所定厚みの金属製のスペーサーを組み合せたものを好適に用いることができる。そして、形状を整えるための加圧機能と加熱処理ができるものであれば特に限定はなく、金属板とスペーサーに加熱プレス装置を組み合せて好適に用いることができる。
本発明で用いられる軽量ポリイミド成形体は、使用する発泡体チップの密度の10〜330倍、好ましくは20〜200倍程度まで高密度化して好適に得られる。本発明で用いられる軽量ポリイミド成形体の密度は、100〜1000kg/m3 、好ましくは300〜1000kg/m3 、より好ましくは400〜1000kg/m3 、更に好ましくは500〜900kg/m3 、特に好ましくは550〜850kg/m3 のものが軽量にも拘わらず優れた機械的強度を有するので好適である。
密度が100kg/m3 より低密度の軽量ポリイミド成形体を炭化すると、炭化工程での収縮が大きく、形状が歪むので好ましくない。また得られる炭素多孔体の強度が低く、手で表面を擦ると、炭素の粉が出て、表面から崩れてしまう。密度が1000kg/m3 より高密度の軽量ポリイミド成形体は、成形にかかる圧力が大きくなり負荷が増える上に、軽量性が失われるため、好ましくない。
本発明で用いられる軽量ポリイミド成形体の形状は、シート状、板状、半割のパイプ状、柱状、キューブ状、箱状などいずれの形状でも構わない。
また、本発明で用いられる軽量ポリイミド成形体としては、前記の発泡体チップによって形成された軽量ポリイミド成形体の他、例えば、前記の芳香族ポリイミドによって形成された発泡体のボードなどを圧縮して得られたものを用いることができる。
前記ボードとしては、密度が100〜1000kg/m3 、好ましくは300〜1000kg/m3 で、厚みが0.5〜50mm程度のものが好ましい。
また、該ボードの圧縮は、好ましくは、一軸プレスを用い、温度200〜450℃、所定の厚みのスペーサを使用して、圧縮前密度に対して好ましくは3〜200倍、より好ましくは50〜200倍程度まで高密度化するように加圧することで好適に行われる。
また、本発明においては、密度が100〜1000kg/m3 の範囲内にある芳香族ポリイミドの発泡体については、圧縮したりせずにそのまま用いることができる。
本発明の炭素多孔体は、前記の軽量ポリイミド成形体で代表される密度が100〜1000kg/m3 である高密度の芳香族ポリイミドの発泡体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で600℃以上の温度で炭化して得られたものである。
本発明の炭素多孔体は、グラファイトのように完全に炭化されている必要はなく、部分的に炭化されたものでもよい。この部分的に炭化された炭素多孔体は、炭素の質量分率が60質量%以上のものが好ましく、より好ましくは炭素の質量分率が70質量%以上のもの、更に好ましくは炭素の質量分率が80質量%以上のもの、特に好ましくは炭素の質量分率が90質量%以上のものである。
不活性ガスとは、例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスあるいはこれらのガスの混合ガスなどである。ここで、不活性ガス雰囲気下とは、雰囲気が不活性ガスのみである必要はなく、空気中の酸素による酸化が抑制される程度に不活性ガスが存在すればよい。
また、真空とは、好ましくは133Pa以下、より好ましくは1.3×10-2Pa以下である。
炭化温度までの昇温速度は、軽量ポリイミド成形体のサイズ、形状、重量により調整されるべきである。小さな成形体では、昇温速度が速くても端部と中央部で温度差があまりなく、均一に炭化できるが、大きな成形体では、その温度差が大きくなり、炭化時の収縮の度合いにも差ができるため、反ったり割れたりする。このため、大きな形状、複雑な形状の炭化物を得るには、非常にゆっくりした昇温速度で炭化温度まで上げることが一般的に行われている。
炭化温度での保持時間は、中心部と端部の温度差を解消し、炭化の程度を均一にするためのものであり、小さなものや昇温速度を遅くしたものについては、保持時間は短くてよい。
炭化温度は600℃以上、好ましくは800℃以上とし、グラファイト化を行う場合には、3000℃程度まで高温処理を行うこともできる。炭化物の特性は炭化温度によって変わり、多孔構造の表面積を重視するなら800℃程度の炭化温度が好ましく、導電性を上げるには高温で炭化するほうがよい。
炭化のとき、反りの低減や温度の均一性を増すことを目的として、発泡体を加圧してもよい。加圧しすぎると、加圧方向に収縮を起こしたり、割れたりする。圧力は、1〜300g/cm2 程度が好ましい。また、発泡体が板状の場合には、重石を載せる方法でも構わない。
炭化後、更に表面積を増やすなどの目的で、水蒸気や一酸化炭素による賦活や、酸化条件下で処理することで表面処理することもできる。
このような炭化工程で得られる本発明の炭素多孔体は、通常、重量保持率が55%以上、寸法保持率が75%以上であり、炭素でできた連続した微細孔を多数有する3次元構造体であるので、触媒担体、フィルターなどに使用でき、またガスの吸着剤、熱絶縁材、電波吸収体、放熱材などに好適に使用できる。
以下本発明について実施例に基づいて更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の例で用いた測定方法は以下のとおりである。
(密度の測定)
ASTM D 3574 TEST Aに準拠して測定した。
(サイズの測定)
軽量ポリイミド成形体及び炭素多孔体の寸法は、軽量ポリイミド成形体の成型時に圧力をかけた方向(厚み方向)をZ軸とし、軽量ポリイミド成形体から切り出した5cm角のそれぞれの一辺をX軸、Y軸として、ノギスで0.1mm単位で測定した。
(ショア硬度の測定)
ASTM D 2240に準拠して測定した。
(空孔径、空孔率の測定)
水銀圧入式ポロシメーターAuto Pore III(株式会社島津製作所製)を用いて測定した。
〔参考例1〕ポリイミド発泡体の調製
1m3 のジャケット仕様の攪拌機付反応槽に、55.519kgの2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と15.201kgの3,3’,4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と139.7kgのメタノールとを仕込み、反応槽内を窒素置換した後、ジャケット内を90℃の温水を循環させて加熱し、反応液が90℃になってから90分間還流してエステル化反応を行った。その後、反応液を30℃以下まで冷却した後、反応液に25.052kgのp−フェニレンジアミンと0.628kgの1,3−ビス(3- アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンとを添加した。更に2.892kgの1 ,2- ジメチルイミダゾールを添加し、撹拌して反応液を均一な溶液にした。次いで、スプレードライヤーを使用し、前記反応液を乾燥温度が50℃以下となるように噴霧量を調整しながら乾燥して、発泡ポリイミド前駆体の乾燥粉を得た。次いで、この発泡ポリイミド前駆体乾燥粉の2kgを300mmφ×200mmtの型枠に充填し、プレス機で加圧してグリーン体を圧縮成形した。得られたグリーン体は300mmφ×15mmtの寸法であった。このグリーン体をマイクロ波照射装置に入れ、出力5kwで10分間マイクロ波を照射し、発泡ポリイミド前駆体発泡物を得、これを120℃に昇温されたオーブン中に投入し375℃まで、10℃/分の昇温速度で昇温した後、375℃で5分間保持し、その後室温まで冷却して発泡ポリイミドを得た。得られた発泡ポリイミドは緻密で均一な発泡であり、密度は7.5kg/m3 あった。
〔実施例1〕
参考例1で得られたポリイミド発泡体を解砕装置( 解砕整粒機フィオーレ、株式会社寿工作所製) に投入して解砕した。前記解砕整粒機の概略の模式図を図1に示す。孔径30mmのスクリーンを通過した粒径が30mm以下のチップを、315×315×80mmのステンレス製金型に530g入れ、プレス装置( 一軸式油圧成形機、東邦マシナリー株式会社製) を用いて圧力1130kg/cm2 で10秒間室温にて冷間成型して板状の加圧成形体を得た。この工程の概略の断面図を図2に示す。この加圧成形体の寸法は、315×315×7.5mmtであって、密度は710kg/m3 であった。その加圧成形体を330×330×10mmのステンレス製平板2枚の間に厚み8mmのスペーサーとともに挟み、図3のようにボルトで四角を固定して、均一な厚みにし、熱風焼成炉( バッチ式焼成炉DF−200HS、株式会社二葉科学製) で400℃、3時間加熱処理して寸法が315×315×8.1mmtの軽量ポリイミド成形体を得た。この軽量ポリイミド成形体は、密度が660kg/m3 であった。
この軽量ポリイミド成形体を約5cm角に切り出し、電気炉で、窒素気流中、1000℃で1時間炭化した。炭化温度までの昇温速度は、室温〜300℃までは10℃/分、300℃〜1000℃までは3℃/分とした。
得られた炭素多孔体は、重さ7.5g、重量保持率60%、かさ密度710kg/m3 、寸法保持率約82%(X軸方向:82%、Y軸方向:82%、Z軸方向:81%)であった。
〔実施例2〕
発泡体チップの量を620gとし、加圧成形体を製造する際の圧力を1400kg/cm2 に変えた以外は実施例1と同様にして、寸法が315×315×8.1mmtの軽量ポリイミド成形体を得た。この軽量ポリイミド成形体は、密度が770kg/m3 であった。
この軽量ポリイミド成形体を約5cm角に切り出し、電気炉で、窒素気流中、1000℃で1時間炭化した。炭化温度までの昇温速度は、室温〜300℃までは10℃/分、300℃〜1000℃までは3℃/分とした。
得られた炭素多孔体は、重さ8.6g、重量保持率60%、かさ密度810kg/m3 、寸法保持率約83%(X軸方向:84%、Y軸方向:84%、Z軸方向:80%)であった。
また、この炭素多孔体は、ショア硬度70であり、かさ密度が810kg/m3 であることを考慮すれば、高い強度を有している。
〔実施例3〕
発泡体チップ量を450gとし、成形圧力を920kg/cm2 とした以外は実施例1と同様にして、寸法が315×315×8.1mmtの軽量ポリイミド成形体を得た。この軽量ポリイミド成形体は、密度が560kg/m3 であった。
この軽量ポリイミド成形体を約5cm角に切り出し、電気炉で、窒素気流中、1000℃で1時間炭化した。炭化温度までの昇温速度は、10℃/分とした。
得られた炭素多孔体は、重さ6.5g、重量保持率60%、かさ密度600kg/m3 、寸法保持率約84%(X軸方向:83%、Y軸方向:82%、Z軸方向:87%)であった。
また、この炭素多孔体は、水銀圧入式ポロシメーターの測定で、平均空孔径13μm、空孔率45%であった。
〔実施例4〕
発泡体チップ量を490gとし、成形圧力を1020kg/cm2 とした以外は実施例1と同様にして、寸法が315×315×8.1mmtの軽量ポリイミド成形体を得た。この軽量ポリイミド成形体は、密度が610kg/m3 であった。
この軽量ポリイミド成形体を約5cm角に切り出し、電気炉で、窒素気流中、800℃で1時間炭化した。炭化温度までの昇温速度は、室温〜300℃までは2.5℃/分、300℃〜800℃までは1.7℃/分とした。
得られた炭素多孔体は、重さ7.7g、重量保持率62%、かさ密度660kg/m3 、寸法保持率約83%(X軸方向:83%、Y軸方向:83%、Z軸方向:83%)であった。
実施例4で得られた炭素多孔体を、更に、電気炉で、窒素気流中、1000℃で1時間炭化した。炭化温度までの昇温速度は、室温〜800℃までは6.5℃/分、800℃〜1000℃までは1.7℃/分とした。
得られた炭素多孔体は、重さ7.5g、重量保持率60%、かさ密度640kg/m3 、寸法保持率約83%(X軸方向:83%、Y軸方向:83%、Z軸方向:83%)であった。但し、重量保持率及び寸法保持率は、実施例4の軽量ポリイミド成形体の重量及び寸法を基準にした。
本発明によれば、加工成形工程が簡便であり、密度の調整が容易であり、種々の形状の炭素多孔体を好適に得ることができる。この炭素多孔体は、比較的軽量であるにも拘わらず、良好な機械的特性を有している。また、本発明によって、発泡後のポリイミド発泡体バルクから切り出した後の、残りのポリイミド発泡体を有効に利用することができる。
実施例1で用いた解砕装置を説明するための概略図である。 実施例1において、加圧成形体を得るための工程を説明するための概略図である。 実施例1において、加圧成形体から軽量ポリイミド成形体を得る工程を説明するための概略図である。

Claims (10)

  1. 密度が100〜1000kg/m3 である芳香族ポリイミドの発泡体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で600℃以上の温度で炭化して得られる、高強度で且つ寸法安定性の高い軽量な炭素多孔体。
  2. 芳香族ポリイミドの発泡体によって形成された軽量ポリイミド成形体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で600℃以上の温度で炭化して得られる、高強度で且つ寸法安定性の高い軽量な炭素多孔体。
  3. 軽量ポリイミド成形体が、芳香族ポリイミドによって形成された発泡体チップを、バインダーを用いることなしに、加圧成形及び加熱処理して得られたものである請求項2に記載の炭素多孔体。
  4. 軽量ポリイミド成形体が、芳香族ポリイミドによって形成された発泡体を圧縮して得られたものである請求項2に記載の炭素多孔体。
  5. 軽量ポリイミド成形体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で800℃以上の温度で炭化して得られる、重量保持率が55%以上、寸法保持率が75%以上である請求項2〜4の何れかに記載の炭素多孔体。
  6. 芳香族ポリイミドが、テトラカルボン酸成分の主成分がビフェニルテトラカルボン酸類及び/又はベンゾフェノンテトラカルボン酸類からなり、ジアミン成分の主成分がp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4' −ジアミノジフェニルスルホン、及び2,6−ジアミノピリジンからなる群から選択された少なくとも一つの芳香族ジアミンからなる芳香族ポリイミドである請求項1〜5の何れかに記載の炭素多孔体。
  7. 軽量ポリイミド成形体の密度が、100〜1000kg/m3 である請求項2〜5の何れかに記載の炭素多孔体。
  8. 発泡体チップの最大径が50mm以下である請求項3に記載の炭素多孔体。
  9. 芳香族ポリイミドによって形成された発泡体を用いて軽量ポリイミド成形体を得る工程と、該軽量ポリイミド成形体を、不活性ガス雰囲気下又は真空中で600℃以上の温度で炭化させる炭化工程とを含むことを特徴とする炭素多孔体の製造方法。
  10. 軽量ポリイミド成形体を得る工程が、芳香族ポリイミドによって形成された発泡体チップを金型内に入れて100℃以下の温度で加圧成形して加圧成形体を得る工程と、該加圧成形体を目的形状の金型内に入れて250〜500℃の温度で加熱処理する工程からなる請求項9に記載の炭素多孔体の製造方法。
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