JP2010004630A - モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転可能に支持された出力軸24と、出力軸24に対して同軸状に圧入固定されたロータ部22と、を備え、ロータ部22は、ロータヨーク61と、ロータヨーク61の端面61aから軸方向に沿って形成された収容孔62内に収容された永久磁石63と、ロータヨーク61の両端部に設けられ、永久磁石63を保持する端面板70とを備えたモータであって、端面板70は、収容孔62の開口部を覆うように設けられ、非磁性材料からなるマグネットプレート72と、マグネットプレート72を支持しつつ、出力軸24に圧入固定され、出力軸24と同等の線膨張係数を有するエンドプレート71とで構成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
上述したモータのロータ部は、複数の磁性板材が積層されたロータヨークと、ロータヨークの端面から軸方向に沿って形成された収容孔内に収容された永久磁石と、ロータヨークの軸方向端部に設けられ、永久磁石を保持する端面板とを備えている。端面板は、ロータヨークの軸方向に沿う端面を覆うように設けられており、永久磁石が開口部から抜けて飛散すること等を防止するためのものである。
また、例えば特許文献1の従来例に示されるように、端面板を非磁性材料により構成し、永久磁石から発生する磁束の短絡を防ぐような技術が知られている。
具体的には、端面板を全て非磁性材料(例えば、ステンレス)で構成することで、端面板とシャフト(例えば、鉄製)との線膨張係数の差が大きくなる。そのため、モータの駆動時においてモータが高温になった場合に、端面板とシャフトとの間にクリアランスが生じ、端面板が緩んで軸方向に抜ける虞がある。その結果、端面板とロータヨークとの間にクリアランスが生じ、永久磁石が飛散する虞がある。
そこで、回り止め加工(例えば、スプライン加工等)が施されたシャフトに、端面板を挿入してシャフトに対する回り止めを行い、軸方向はカラーで固定する構成が考えられる。しかしながら、回り止め加工を施すための加工コストが増加するととともに、カラーの板厚をある程度確保しなければならないため、モータの重量が増加するという問題がある。
よって、端面板によるロータヨーク及び永久磁石の保持力を向上させることができるため、環状板が緩んで軸方向に抜けることを防ぎ、永久磁石の飛散を防ぐことができる。これにより、従来のように全てが非磁性材料からなる端面板を採用するために、カラーを用いることもないので、モータの小型軽量化も図ることができる。
また、端面板によるロータヨーク及び永久磁石の保持力を向上させることで、支持板が緩んで周方向に回転することを防止することができるので、ロータ部の重量バランスが崩れることがない。そして、従来のようにシャフトに回り止め加工を施したり、非磁性材料に複雑な加工をしたりする必要もない。つまり、支持板を圧入するのみでシャフトに対する回り止めを補償することができるため、ロータ部及びシャフトの部品形状を簡略化することができ、加工コストを低減することができる。
したがって、永久磁石の飛散・磁気短絡防止及びロータ部の重量バランスを、軽量及び低コストで実現することができる。
(車両用駆動モータユニット)
図1は車両用駆動モータユニットの概略構成断面図である。
図1に示すように、車両用駆動モータユニット(以下、モータユニットという。)10は、ステータ部21及びロータ部22を備えたモータ23を収容するモータハウジング11と、モータハウジング11の軸方向一方側に締結され、モータ23の出力軸(シャフト)24(例えば、鉄製)からの動力を伝達する動力伝達部(不図示)を収容するミッションハウジング12と、モータハウジング11の軸方向他方側に締結され、モータ23の回転センサ25を収容するセンサハウジング13とを備えている。なお、ミッションハウジング12は、モータハウジング11に締結された共用ハウジング12Aと、共用ハウジング12Aに締結されたギアハウジング12Bとで構成されている。また、モータハウジング11の内部はモータ室36が、ミッションハウジング12の内部はミッション室37が、センサハウジング13の内部はセンサ室38が、それぞれ構成されている。
本実施形態のモータ23は、インナーロータ型のモータであって、筒状のステータ部21と、ステータ部21の内側に配置された円柱状のロータ部22と、ロータ部22と同軸状に固定され回転可能に支持された出力軸24とを備えている。
ステータ部21は、磁性板材44が軸方向に積層されたものであって、径方向内側に向かって延びるティース42を備えている。このティース42には、インシュレータ(不図示)を介してコイル43が巻装されている。
図2,3に示すように、ロータ部22は、上述したステータ部21の内側に所定間隔を空けて配置されており、出力軸24に圧入固定されたロータヨーク61を備えている。このロータヨーク61は、出力軸24の軸方向に沿って磁性板材60が積層されたものであり、その端面61aの周縁部にはロータヨーク61の軸方向に貫通する複数(例えば、16個)の収容孔62が形成されている。これら収容孔62は、ロータヨーク61の端面61aの周縁部において、周方向に沿って等間隔に配されており、平面視で弧状や長方形状に形成されている。各収容孔62内には、ネオジウム等の希土類からなる永久磁石63が挿入されている。この永久磁石63は、軸方向に沿って複数分割されて構成されており、永久磁石63の端面がロータヨーク61の端面と面一となるように配されている。このように永久磁石63を複数に分割することで、永久磁石63に発生する渦電流損失を低減することができる。
また、エンドプレート71の外周部分には、複数(例えば、3つ)のバランス調整部65が形成されている。このバランス調整部65は、ロータ部22の組み付け後(端面板70の圧入後)にロータ部22の重量バランスの調整を行うためのものであり、ドリル等によりエンドプレート71の厚さ方向に沿って切削されている。このように、非磁性材料からなるマグネットプレート72に比べて、加工が容易なエンドプレート71によりロータ部21のバランス調整部65や肉抜き孔74を形成することで、製造効率を向上させることができるとともに、製造コストを低下させることができる。
この構成によれば、非磁性材料からなるマグネットプレート72によりロータヨーク61の収容孔62の開口部を覆うことで、永久磁石63を保持することができるため、収容孔62から永久磁石63が抜けて飛散することを防ぐとともに、永久磁石63から発生する磁束の短絡も防ぐことができる。そして、マグネットプレート72と別体で設けられ、出力軸24と同等の線膨張係数を有するエンドプレート71を出力軸24に圧入固定することで、周囲の温度に依存することなく端面板70を容易に固定することができる。つまり、出力軸24と同等の線膨張係数を有するエンドプレート71を出力軸24に圧入固定することで、出力軸24とエンドプレート71との線膨張係数の差が小さくなるため、モータ発熱時においてエンドプレート71と出力軸24とが緩むことがなく、端面板70が緩んで抜けることを防ぐことができる。
また、端面板70によるロータヨーク61及び永久磁石63の保持力を向上させることで、エンドプレート71が緩んで周方向に回転することを防止することができるので、ロータ部22の重量バランスが崩れることがない。そして、従来のように出力軸に回り止め加工を施したり、非磁性材料に複雑な加工をしたりする必要がない。具体的には、エンドプレート71に形成された丸孔(圧入孔73)に、出力軸24やマグネットプレート72を圧入するのみで出力軸24に対する回り止めを補償することができるため、ロータ部22や出力軸24の部品形状を簡略化することができ、加工コストを低減することができる。
したがって、永久磁石63の飛散・磁気短絡防止及びロータ部22の重量バランスを、軽量及び低コストで実現することができる。
また、永久磁石63をロータヨーク61の端面61aより突出させることがないため、ネオジウム磁石等の高価な材料を用いることによるコスト増加を抑えることができる。さらに、永久磁石63とマグネットプレート72との間にクリアランスがなくなるため、冷却油が飛散しても両者間に侵入し難くなり、永久磁石63の劣化を抑えることができる。
また、エンドプレート71における肉抜き孔74が形成された周上は、他の領域(エンドプレート71の外周縁や内周縁)に比べて弾性力が高くなるため、エンドプレート71を撓み変形させ易くすることができる。そして、肉抜き孔74の形状等を調整することによりエンドプレート71の弾性力を設定することができるため、製造効率を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
図4は、本発明の第2実施形態におけるロータ部の断面図である。
図4に示すように、本実施形態の端面板170は、上述した第1実施形態におけるエンドプレート71の肉抜き孔74(図3参照)に代えて、エンドプレート171の内周部と外周部との間に、内周部と外周部の肉厚より薄く形成された薄肉部100が形成されている点で第1実施形態と相違している。
また、エンドプレート171における薄肉部100が形成された周上は、他の領域(エンドプレート171の内周縁及び外周縁)に比べて弾性力が高くなるため、エンドプレート171を撓み変形させ易くすることができる。そして、薄肉部100の肉厚等を調整することによりエンドプレート171の弾性力を設定することができるため、製造効率を向上させることができる。
また、図5に示すように、端面板270のエンドプレート271に、上述した薄肉部100と肉抜き孔74とを同時に形成するような構成にしてもよい。この構成によれば、エンドプレート271に肉抜き孔74と薄肉部100との双方が形成されているため、よりモータ23の軽量化を図ることができるとともに、よりエンドプレート271の弾性力の調整が容易になる。
本実施形態では、図3に示すように、エンドプレート71の小径部78の高さを、マグネットプレート72の厚さより浅く形成することで、エンドプレート71を撓み変形させた状態で圧入したが、エンドプレート71の小径部78の高さを、マグネットプレート72の厚さと同等に形成することも可能である。具体的には、図6に示すように、マグネットプレート172の厚さを、エンドプレート71の段差部75の深さと同等に形成することも可能である。この場合、エンドプレート71とロータヨーク61の端面61aとが全面で当接することになる。
また、本実施形態では、本発明の端面板構造を車両駆動用モータユニットに採用した場合について説明したが、これに限られることはない。
Claims (6)
- 回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに対して同軸状に圧入固定されたロータ部とを備え、
前記ロータ部は、ロータヨークと、前記ロータヨークの端面から軸方向に沿って形成された収容孔内に収容された永久磁石と、前記ロータヨークの軸方向端部に設けられ、前記永久磁石を保持する端面板とを備えたモータであって、
前記端面板は、
少なくとも前記収容孔の開口部を覆うように設けられ、非磁性材料からなる環状板と、
前記環状板を支持しつつ、前記シャフトに圧入固定され、前記シャフトと同等の線膨張係数を有する支持板とで構成されていることを特徴とするモータ。 - 前記環状板は、前記支持板の第1端面の周縁部と前記ロータヨークとの間に挟持され、
前記支持板は、前記第1端面から前記ロータヨークに向けて突出形成された凸部を備え、
前記凸部は、前記環状板の中央孔に挿入されていることを特徴とする請求項1記載のモータ。 - 前記凸部の高さは、前記環状板の厚さより低く形成され、
前記支持板は、径方向中央部が前記ロータヨークに向けて撓み変形した状態で前記シャフトに圧入固定され、前記第1端面の周縁部により前記環状板を前記ロータヨークに向けて押圧していることを特徴とする請求項2記載のモータ。 - 前記凸部は、前記環状板の前記中央孔に圧入されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載のモータ。
- 前記支持板には、前記支持板の厚さ方向に沿って肉抜き部が形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4の何れか1項に記載のモータ。
- 前記支持板には、前記支持板の厚さ方向に沿って薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項3ないし請求項5の何れか1項に記載のモータ。
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JP5186291B2 (ja) | 2013-04-17 |
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