JP2010004619A - 圧入荷重設定方法及びモータの製造方法 - Google Patents

圧入荷重設定方法及びモータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石の飛散防止を、軽量及び低コストで実現することができる圧入荷重設定方法及びモータの製造方法を提供する。
【解決手段】出力軸24に対する端面板90及びロータヨーク61の圧入荷重設定方法であって、ロータヨーク61とマグネットプレート92とを当接させた状態で、エンドプレート91を撓み変形させる撓み変形荷重Fbより、出力軸24に対する端面板90及びロータヨーク61の圧入荷重Fcを大きく設定することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧入荷重設定方法及びモータの製造方法に関するものである。
従来から、筒状のステータと、ステータの内側に配置されたロータ部と、ロータ部と同軸状に圧入固定され回転可能に支持されたシャフトとを備えたモータが知られている。
上述したモータのロータ部は、複数の磁性板材が積層されたロータヨークと、ロータヨークの端面から軸方向に沿って形成された収容孔内に収容された永久磁石と、ロータヨークの軸方向端部に設けられ、永久磁石を保持する端面板とを備えている。
端面板は、ロータヨークの軸方向に沿う端面を覆うように設けられており、永久磁石が開口部から抜けて飛散すること等を防止するためのものである。
ここで、例えば特許文献1に示されるように、合成樹脂等からなる端面板に形成された円周状の溝内に環状弾性部材を挿入し、この環状弾性部材を端面板と永久磁石との間に介在させる構成が知られている。この構成によれば、弾性部材の弾性力により接着剤を用いることなく、永久磁石をロータヨークに固定することができるとされている。
特開2004−328963号公報
ところで、上述した従来の端面板では、端面板とシャフトとをどのように締結するかが問題となる。
具体的には、端面板を全て合成樹脂等の非磁性材料で構成することで、端面板とシャフト(例えば、鉄製)との線膨張係数の差が大きくなる。そのため、圧入固定した端面板を有するモータの駆動時においてモータが高温になった場合に、端面板とシャフトとの間にクリアランスが生じ、端面板が緩んで軸方向に抜ける虞がある。その結果、端面板とロータヨークとの間にクリアランスが生じ、永久磁石が飛散する虞がある。
また、端面板をルーズ設定してシャフトの外周面にスプライン加工等の回り止め加工を施すことで回転方向を固定し、軸方向はカラー圧入で端面板を固定する構成も考えられる。しかしながら、回り止め加工を施すための加工工数が増加して、モータの製造効率及び製造コストが増加するという問題がある。また、カラーの板厚をある程度確保しなければならないため、モータの重量が増加するという問題がある。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、永久磁石の飛散防止を、軽量及び低コストで実現することができる圧入荷重設定方法及びモータの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、回転可能に支持されたシャフト(例えば、実施形態における出力軸24)と、前記シャフトに対して同軸状に圧入固定されたロータ部(例えば、実施形態におけるロータ部22)と、を備え、前記ロータ部は、ロータヨーク(例えば、実施形態におけるロータヨーク61)と、前記ロータヨークの端面(例えば、実施形態におけるロータヨーク61a、61b)から軸方向に沿って形成された収容孔(例えば、実施形態における収容孔62)内に収容された永久磁石(例えば、実施形態における永久磁石63)と、前記ロータヨークの軸方向両端部に設けられ、前記ロータヨークを挟持して前記収容孔内に前記永久磁石を保持する一対の端面板(例えば、実施形態における第1端面板90及び第2端面板70)とを備え、前記端面板は、少なくとも前記収容孔の開口部を覆うように設けられ径方向中央部に中央孔(例えば、実施形態における中央孔76,96)を有し、非磁性材料からなる環状板(例えば、実施形態におけるマグネットプレート72,92)と、前記ロータヨークとの間に前記環状板を挟持しつつ、前記シャフトに圧入固定され、前記シャフトと同等の線膨張係数を有する支持板(例えば、実施形態におけるエンドプレート71,91)とで構成されたモータにおいて、前記シャフトに対する前記端面板及び前記ロータヨークの圧入荷重設定方法であって、前記ロータヨークと前記環状板とを当接させた状態で、前記支持板を撓み変形させる撓み変形荷重より、前記シャフトに対する前記端面板及び前記ロータヨークの圧入荷重を大きく設定することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに対して同軸状に圧入固定されたロータ部と、を備え、前記ロータ部は、ロータヨークと、前記ロータヨークの端面から軸方向に沿って形成された収容孔内に収容された永久磁石と、前記ロータヨークの軸方向両端部に設けられ、前記ロータヨークを挟持して前記収容孔内に前記永久磁石を保持する一対の端面板とを備え、前記端面板は、少なくとも前記収容孔の開口部を覆うように設けられるとともに径方向中央部に中央孔を有し、非磁性材料からなる環状板と、前記ロータヨークとの間に前記環状板を挟持しつつ、前記シャフトに圧入固定され、前記シャフトと同等の線膨張係数を有する支持板とで構成されたモータの製造方法であって、前記シャフトの一端側から他端側に向けて、前記他端側の前記端面板及び前記ロータヨークを圧入する圧入工程を有し、前記圧入工程における前記ロータヨークの圧入力は、前記シャフトに対する前記ロータヨークの圧入荷重と、前記ロータヨークと前記環状板とを当接させた状態で前記支持板を撓み変形させる撓み変形荷重と、前記シャフトに対する前記端面板の圧入荷重との合力より大きいことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記圧入工程に先立って、前記ロータヨークと前記他端側の端面板とを治具上にセットする工程を有し、前記圧入工程は、前記シャフトの他端側から一端側に向けて前記圧入力を付与し、前記シャフトの一端側から前記ロータヨークと前記他端側の端面板とを一括して圧入する工程を有することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに対して同軸状に圧入固定されたロータ部と、を備え、前記ロータ部は、ロータヨークと、前記ロータヨークの端面から軸方向に沿って形成された収容孔内に収容された永久磁石と、前記ロータヨークの軸方向両端部に設けられ、前記ロータヨークを挟持して前記収容孔内に前記永久磁石を保持する一対の端面板とを備え、前記端面板は、少なくとも前記収容孔の開口部を覆うように設けられるとともに径方向中央部に中央孔を有し、非磁性材料からなる環状板と、前記ロータヨークとの間に前記環状板を挟持しつつ、前記シャフトに圧入固定され、前記シャフトと同等の線膨張係数を有する支持板とで構成されたモータの製造方法であって、前記一対の端面板のうち第1端面板、前記ロータヨーク及び前記一対の端面板のうち第2端面板を、前記シャフトの一端側から他端側に向けて順に圧入する圧入工程を有し、前記圧入工程は、前記シャフトに対する前記第1端面板の第1圧入荷重より大きい第1圧入力により前記第1端面板を圧入する第1圧入工程と、前記シャフトに対する前記ロータヨークの第2圧入荷重より大きい第2圧入力により前記ロータヨークを圧入する第2圧入工程と、前記第2圧入荷重以上の位置決め押圧力により前記ロータヨークを移動させて、前記ロータヨークの軸方向における位置決めを行う位置決め工程と、前記シャフトに対する前記第2端面板の第3圧入荷重より大きい第3圧入力により前記第2端面板を圧入する第3圧入工程と、を有し、前記第1圧入荷重は、前記ロータヨークと前記環状板とを当接させた状態で前記第1端面板を撓み変形させる撓み変形荷重より大きく設定され、前記位置決め工程では、前記第2圧入荷重と前記撓み変形荷重との合力より大きい前記位置決め押圧力により前記ロータヨークを移動させることで、前記第1端面板を撓み変形させ、前記第3圧入工程では、前記第3圧入荷重と前記撓み変形荷重との合力より大きく、なおかつ前記第3圧入荷重と前記撓み変形荷重と前記第2圧入荷重との合力より小さい前記第3圧入力により前記第2端面板を圧入することで、前記第2端面板を撓み変形させることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、非磁性材料からなる環状板により収容孔の開口部を覆うことで、永久磁石を保持することができるため、開口部から永久磁石が抜けて飛散することを防ぐとともに、永久磁石から発生する磁束の短絡も防ぐことができる。そして、環状板と別体で設けられ、シャフトと同等の線膨張係数を有する支持板をシャフトに圧入固定することで、周囲の温度に依存することなく端面板をシャフトに容易に固定することができる。つまり、シャフトと同等の線膨張係数を有する環状板をシャフトに圧入固定することで、シャフトと支持板との線膨張係数の差が小さくなるため、モータ発熱時において支持板とシャフトとが緩むことがなく、端面板が緩んで抜けることを防ぐことができる。
よって、端面板によるロータヨーク及び永久磁石の保持力を向上させることができるため、環状板が緩んで軸方向に抜けることを防ぎ、永久磁石の飛散を防ぐことができる。これにより、従来のように全てが非磁性材料からなる端面板を採用するために、カラーを用いることもないので、モータの小型軽量化も図ることができる。また、従来のようにシャフトにスプライン加工等の回り止め加工を施す必要もない。つまり、支持板を圧入するのみで端面板を固定することができるため、ロータ部及びシャフトの部品形状を簡略化することができ、加工コストを低減することができる。
したがって、永久磁石の飛散・磁気短絡防止を、軽量及び低コストで実現することができる。
特に、環状板をロータヨークの端面に当接させた状態で、ロータヨークに向けて支持板に撓み変形荷重を付与することで、支持板の径方向中央部がロータヨークに向けて撓み変形して、支持板の周縁部により環状板をロータヨークに向けて押圧することができる。この時、撓み変形荷重より、ロータヨークの圧入荷重(摩擦力)を大きく設定することで、支持板の撓み変形に起因して環状板からロータヨークに向けて作用する押圧力が、ロータヨークの圧入荷重よりも小さくなる。そのため、ロータヨークに伝わる押圧力によって、ロータヨークが軸方向に移動することがない。また、支持板の撓み変形荷重より、端面板の圧入荷重を大きくすることで、支持板の撓み変形に起因して支持板の径方向中央部からロータヨークの反対側に向けて作用する復元力が、支持板の圧入荷重よりも小さくなる。これにより、支持板の径方向中央部が軸方向に移動することがないので、支持板を復元させずに、撓み変形させた状態で保持することができる。
そして、支持板を撓み変形させた状態でシャフトに圧入固定することで、環状板がロータヨークの端面に確実に突き当たるため、支持板の押圧力によりロータヨーク及び永久磁石を均等に押圧することになる。これにより、環状板とロータヨーク及び永久磁石との間のクリアランスがなくなり、永久磁石の端面とロータヨークの端面とが面一の状態で保持される。したがって、環状板により永久磁石及びロータヨークをより強固に保持することができるため、永久磁石の飛散をより確実に防止することができる。また、永久磁石の軸方向の移動が規制されるため、モータのトルク脈動を低減することができる。
請求項2に記載した発明によれば、圧入工程におけるロータヨークの圧入力を、シャフトに対するロータヨークの圧入荷重と、ロータヨークと環状板とを当接させた状態で支持板を撓み変形させる撓み変形荷重と、シャフトに対する端面板の圧入荷重との合力より大きく設定することで、一端側の端面板を圧入後にロータヨークを圧入した場合にロータヨークとともに端面板を移動させることができる。これにより、軸方向におけるロータヨークの位置決めを容易に行うことができる。
請求項3に記載した発明によれば、ロータヨーク及び第1端面板を治具上に積層してセットし、この状態でシャフトに圧入力を付与することで、ロータヨーク及び第1端面板が一括して圧入固定される。これにより、製造効率を向上させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、まず第1圧入力により第1端面板をシャフトに圧入した後、第2圧入力によりロータヨークを圧入する。これにより、第1端面板の環状板の端面とロータヨークの端面とが当接した状態で圧入されることになる。ここで、第2圧入荷重と撓み変形荷重との合力より大きい位置決め押圧力をロータヨークに付与することで、ロータヨークが環状板を押圧した状態でシャフトの他端側に移動する。この時、位置決め押圧力が、支持板の周縁部に伝わって周縁部がシャフトの他端側に向けて撓み変形する。これにより、支持板を撓み変形させた状態で、ロータヨークの位置決めを行うことができる。なお、位置決め押圧力をさらに大きく設定することで、支持板が撓み変形した状態でロータヨークとともに他端側に移動するため、ロータヨーク及び第1端面板を同時に位置決めすることも可能である。
そして、最後に第2端面板に第3圧入力を付与して第2端面板をシャフトに圧入する。この時、第3圧入荷重と撓み変形荷重との合力より大きく、なおかつ第3圧入荷重と撓み変形荷重と第2圧入荷重との合力より小さい範囲で第3圧入力を設定することで、環状板がロータヨークの端面に当接した後、支持板のみがロータヨークに向けて移動する。これにより、第2端面板の支持板が、ロータヨークに向けて撓み変形することになる。
したがって、第1端面板及び第2端面板が互いにロータヨークを押圧した状態でロータヨークを挟持することができるため、ロータヨーク及び永久磁石を均等に押圧することになる。これにより、環状板とロータヨーク及び永久磁石との間のクリアランスがなくなり、永久磁石の端面とロータヨークの端面とが面一の状態で保持される。したがって、環状板により永久磁石及びロータヨークをより強固に保持することができるため、永久磁石の飛散をより確実に防止することができる。また、永久磁石の軸方向の移動が規制されるため、モータのトルク脈動を低減することができる。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態を図1〜6に基づいて説明する。なお、本実施形態では車両用駆動モータユニットに採用したモータについて説明する。
(車両用駆動モータユニット)
図1は車両用駆動モータユニットの概略構成断面図である。
図1に示すように、車両用駆動モータユニット(以下、モータユニットという。)10は、ステータ部21及びロータ部22を備えたモータ23を収容するモータハウジング11と、モータハウジング11の軸方向一方側に締結され、モータ23の出力軸(シャフト)24(例えば、鉄製)からの動力を伝達する動力伝達部(不図示)を収容するミッションハウジング12と、モータハウジング11の軸方向他方側に締結され、モータ23の回転センサ25を収容するセンサハウジング13と、を備えている。なお、ミッションハウジング12は、モータハウジング11に締結された共用ハウジング12Aと、共用ハウジング12Aに締結されたギアハウジング12Bとで構成されている。また、モータハウジング11の内部はモータ室36が、ミッションハウジング12の内部はミッション室37が、センサハウジング13の内部はセンサ室38が、それぞれ構成されている。
モータハウジング11は、モータ23全体を覆うような略円筒形状で形成されている。共用ハウジング12Aは、モータハウジング11とミッションハウジング12との境界部を構成しており、モータハウジング11とミッションハウジング12との間にモータ室36とミッション室37とを仕切る仕切壁41が形成されている。この仕切壁41の径方向中央部には、仕切壁41の厚さ方向に貫通する貫通孔40が形成されている。この貫通孔40内には、モータ23の出力軸24の他端側を回転自在に支持するベアリング26が挿入されている。出力軸24の他端には、ミッションハウジング12内で動力伝達部と噛合するヘリカルギア28が固定されている。一方、モータハウジング11とセンサハウジング13との境界部のセンサハウジング13側には、モータ23の出力軸24の一端側を回転自在に支持するベアリング27が挿入されている。
なお、モータユニット10内(モータハウジング11、ミッションハウジング12、センサハウジング13)には、ベアリング26,27やモータ23等を冷却するための冷却油(不図示)が導入されており、上述したモータ23は、ステータ部21の一部が冷却油に浸漬した状態で配置されている。また、モータハウジング11とミッションハウジング12との間には、オイルポンプ(不図示)が設けられており、オイルポンプにより汲み上げられた冷却油が、図示しない油路を通ってモータユニット10内を循環可能に構成されている。そして、モータユニット10内を循環する冷却油がベアリング26,27等に供給されることでベアリング26,27等が冷却されるようになっている。
また、モータハウジング11の壁部31、ミッションハウジング12の壁部32及びセンサハウジング13の壁部33には、互いに連通するブリーザ通路35がそれぞれ形成され、ブリーザ配管39からモータユニット10内の高圧・高温の空気を排出することができるようになっている。
さらに、モータハウジング11の壁部31内で、ブリーザ通路35よりも内周側には、モータ23を冷却するためのウォータジャケット55が、モータ23におけるステータ部21の全周を覆うように設けられている。また、ステータ部21は、モータハウジング11に焼き嵌めされており、モータハウジング11の内周面に密着するように配されている。
(モータ)
本実施形態のモータ23は、インナーロータ型のモータであって、筒状のステータ部21と、ステータ部21の内側に配置された円柱状のロータ部22と、ロータ部22と同軸状に固定され回転可能に支持された出力軸24と、を備えている。
ステータ部21は、磁性板材44が軸方向に積層されたものであって、径方向内側に向かって延びるティース42を備えている。このティース42には、インシュレータ(不図示)を介してコイル43が巻装されている。
図2はロータ部の側面図であり、図3は図2のA−A’線に沿う断面図である。
図2,3に示すように、ロータ部22は、上述したステータ部21の内側に所定間隔を空けて配置されており、出力軸24に圧入固定されたロータヨーク61を備えている。このロータヨーク61は、出力軸24の軸方向に沿って磁性板材60が積層されたものであり、その径方向中央部にはロータヨーク61の厚さ方向に貫通する圧入孔64が形成されている。
ロータヨーク61の両端面61a,61bの周縁部には、ロータヨーク61の軸方向に貫通する複数(例えば、16個)の収容孔62が形成されている。これら収容孔62は、ロータヨーク61の端面61a,61bの周縁部において、周方向に沿って等間隔に配されており、平面視で弧状や長方形状に形成されている。各収容孔62内には、ネオジウム等の希土類からなる永久磁石63が挿入されている。この永久磁石63は、軸方向に沿って複数分割されて構成されており、永久磁石63の端面がロータヨーク61の端面61a,61bと面一となるように配されている。このように永久磁石63を複数に分割することで、永久磁石63に発生する渦電流損失を低減することができる。
ここで、ロータヨーク61は、その軸方向両端側に設けられた第1端面板90と第2端面板70とにより挟持されている。始めに第2端面板70は、ロータヨーク61の一端側の端面61aの周縁部に設けられたマグネットプレート(環状板)72と、マグネットプレート72を支持しつつ、出力軸24に圧入固定されたエンドプレート(支持板)71とを備えている。
マグネットプレート72は、径方向中央部に中央孔76を有する環状の部材であり、ロータヨーク61の端面61aにおける周縁部、つまりロータヨーク61の収容孔62の開口部を覆うように設けられている。マグネットプレート72におけるロータヨーク61に対向する端面(軸方向内側の端面)は、ロータヨーク61の端面61a及び永久磁石63の端面に当接している。つまり、マグネットプレート72は、ロータヨーク61の周縁部において、ロータヨーク61の端面61aに当接して磁性板材60の剥離を防ぐとともに、永久磁石63を保持して永久磁石63が収容孔62から抜けて飛散することを防止する機能を有する。また、マグネットプレート72は、SUS304や黄銅等の非磁性材料により構成されており、永久磁石63から発生する磁束の短絡を防ぐ機能も有している。
エンドプレート71は、出力軸24と同等の線膨張係数を有する構成材料、例えば鉄等からなる円板形状のものであり、その径方向中央部には、エンドプレート71の厚さ方向に貫通する圧入孔73が形成されている。圧入孔73の径方向外側には、エンドプレート71の周方向に沿って複数(例えば、6個)の肉抜き孔74が形成されている。
この肉抜き孔74は、エンドプレート71の厚さ方向に貫通する丸孔であり、ロータ部22の軽量化を図ったり、後述するようにエンドプレート71を撓み変形させ易くしたりするためのものである。このようにエンドプレート71に肉抜き孔74を形成することで、エンドプレート71を軽量化することができるため、モータ23の最高回転数を増加させ、モータ出力の向上を図ることができる。また、エンドプレート71は非磁性材料からなるマグネットプレート72に比べ機械的強度が高いため、第2端面板70における最大応力発生位置である肉抜き孔74間のリブを、エンドプレート71に配置することができるとともに、肉抜き孔74のレイアウト性を向上させることができる。
また、エンドプレート71の外周部分には、複数(例えば、3つ)のバランス調整部65が形成されている。このバランス調整部65は、ロータ部22の組み付け後(端面板70の圧入後)にロータ部22の重量バランスの調整を行うためのものであり、ドリル等によりエンドプレート71の厚さ方向に沿って切削されている。このように、非磁性材料からなるマグネットプレート72に比べて、加工が容易なエンドプレート71によりロータ部21のバランス調整部65や肉抜き孔74を形成することで、製造効率を向上させることができるとともに、製造コストを低下させることができる。
肉抜き孔74の径方向外側、すなわちエンドプレート71の外周縁には、外周縁の角部が断面視L字形状に切り欠かれた段差部75が形成されている。この段差部75は、エンドプレート71におけるロータヨーク61に対向する端面71a(軸方向内側の端面)の外周縁が厚さ方向に切り欠かれて形成されたものであり、エンドプレート71の全周に亘って形成されている。したがって、エンドプレート71は、軸方向外側に形成された広径部77と、広径部77より外径が縮小した状態で広径部77から軸方向内側に突出形成された小径部78とで構成されている。なお、本実施形態において、小径部78の突出高さは、マグネットプレート72の厚さより低く形成されている。
エンドプレート71は、その小径部78がマグネットプレート72の中央孔76内に圧入(軽圧入)された状態で出力軸24に固定されている。つまり、マグネットプレート72の内周縁は、エンドプレート71の広径部77と小径部78との間の段差部75内に収容されており、エンドプレート71の外周縁とロータヨーク61との間でマグネットプレート72の内周縁を挟持している。これにより、第2端面板70は、エンドプレート71の肉抜き孔74に対応する領域を除いてロータヨーク61の端面61aの全面を覆うようになっている。この時、ロータヨーク61の端面61aとエンドプレート71の軸方向内側の端面71aとの間には、マグネットプレート72の厚さとエンドプレート71の段差部75の深さとの差分だけクリアランスを有している。
ここで、エンドプレート71は、マグネットプレート72の中央孔76内で上述したクリアランスを潰すように、軸方向内側に向けて撓み変形した状態で圧入固定されている。具体的には、エンドプレート71の外周縁は、広径部77と小径部78との間の段差部75によりマグネットプレート72の内周縁を挟持する一方、エンドプレート71の径方向中央部は、エンドプレート71の厚さ方向(軸方向)に沿ってロータヨーク61の端面61aに向けて撓んだ状態になっている。つまり、エンドプレート71は、その中央部分が軸方向内側に向けて撓み変形した板バネ状に保持されており、エンドプレート71の中央部分において端面71aとロータヨーク61の端面61aとが接触している。一方、エンドプレート71の外周縁では、エンドプレート71の撓み変形に起因した弾性力(復元力)がマグネットプレート72を介してロータヨーク61に伝わり、マグネットプレート72を間に挟んでロータヨーク61を軸方向内側(他端側)へ向けて押圧している。
ここで、上述したようにエンドプレート71には、肉抜き孔74が形成されているため、肉抜き孔74が形成された周上は他の領域(エンドプレート71の外周縁や内周縁)に比べて弾性力が高くなる。そのため、エンドプレート71を撓み変形させ易くすることができる。そして、肉抜き孔74の形状等を調整することによりエンドプレート71の弾性力を設定することができるため、製造効率を向上させることができる。
ロータヨーク61の他端側に設けられた第1端面板90は、上述した第2端面板70と同様に、ロータヨーク61の他端側の端面61bの周縁部に設けられたマグネットプレート92と、マグネットプレート92を支持しつつ、出力軸24に圧入固定されたエンドプレート91とを備えている。なお、第1端面板90のエンドプレート91及びマグネットプレート92は、上述した第2端面板70のエンドプレート71及びマグネットプレート72とそれぞれほぼ同様の構成であるため、同一の構成については説明を省略する。
マグネットプレート92は、上述した第2端面板70のマグネットプレート72と同様に、径方向中央部に中央孔96を有する環状の部材であり、ロータヨーク61の端面61bにおける周縁部、つまりロータヨーク61の収容孔62の開口部を覆うように設けられている。
エンドプレート91は、上述した第2端面板70のエンドプレート71と同様の構成からなり、その径方向中央部に形成された圧入孔93と、エンドプレート91の周方向に沿って形成された複数の肉抜き孔94とを備えている。また、エンドプレート91は、軸方向外側に形成された広径部97と、広径部97より外径が縮小した状態で広径部97から軸方向内側に突出形成された小径部98とで構成されている。そして、広径部97と小径部98との間には、エンドプレート91の外周縁の角部が断面視L字形状に切り欠かれた段差部95が形成されている。
エンドプレート91は、上述したエンドプレート71と同様に、軸方向内側に向けて撓み変形した状態で出力軸24に圧入固定されている。そして、エンドプレート91は、軸方向内側に向けて撓み変形した板バネ状に保持されており、エンドプレート91の中央部分において端面91aとロータヨーク61の端面61bとが接触している。一方、エンドプレート91の外周縁では、エンドプレート91の弾性力がマグネットプレート92を介してロータヨーク61に伝わり、マグネットプレート92を間に挟んでロータヨーク61を軸方向内側(一端側)へ向けて押圧している。
ここで、ロータヨーク61の圧入荷重(摩擦力)Faは、エンドプレート91(71)の撓み変形荷重Fbより大きいため、エンドプレート91(71)の撓み変形に起因したマグネットプレート92(72)の押圧力によりロータヨーク61を押圧しても、ロータヨーク61が軸方向に移動することはない。また、エンドプレート91(71)の圧入荷重(摩擦力)Fcも、エンドプレート91(71)の撓み変形荷重Fbより大きいため、エンドプレート91(71)の撓み変形に起因したエンドプレート91(71)の復元力により、エンドプレート91(71)が軸方向に移動して復元することはない。
したがって、ロータヨーク61の軸方向両端に設けられた一対の端面板70,90は、軸方向内側に向けて互いにロータヨーク61を押圧した状態でロータヨーク61を挟持している。
(モータの製造方法)
次に、図4〜6に基づいてモータの製造方法について説明する。なお、以下の説明では、主としてロータ部を出力軸に組み付ける際の出力軸の圧入方法について説明する。図4〜6は、出力軸の圧入方法を示す工程図である。
まず、本実施形態の圧入方法に用いる治具について説明する。
図4(a)に示すように、本実施形態の治具100は、直方体形状のベース部101を備えている。ベース部101の高さは、出力軸24にロータヨーク61を圧入固定した際における出力軸24の一端からロータヨーク61の端面61aまでの距離に設定されている。ベース部101には、厚さ方向(高さ方向)に沿って貫通する収容孔102が形成されている。収容孔102は、出力軸24の圧入時に出力軸24を受け入れるものであり、その内径が少なくとも出力軸24の外径より大きく形成されている。ベース部101の上面103は、水平方向と平行に形成されており、この上面103がロータ部22の載置面を構成している。
次に、出力軸の圧入方法について説明する。なお、本実施形態の出力軸24は、その他端側に予めヘリカルギア28が固定されており、ロータ部22の構成部材は出力軸24の一端側から他端側へ向けて圧入していく構成となっている。
まず、マグネットプレート72,92を、それぞれエンドプレート71,91に予め圧入して第2端面板70と第1端面板90とをそれぞれ形成しておく。
次に、ベース部101の上面103に、ロータヨーク61及び第1端面板90を下から順にセットする。具体的には、ロータヨーク61の端面61aを下向きにしてセットし、端面61aとベース部101の上面103とを当接させる。次に、ロータヨーク61の上に、ロータヨーク61の端面61bと、第1端面板90のマグネットプレート92とが当接するように第1端面板90をセットする。
そして、ロータヨーク61の圧入孔64及び第1端面板90の圧入孔93と、ベース部101の収容孔102とがそれぞれ重なるように位置合わせを行う。このように、本実施形態ではロータヨーク61及び第1端面板90を積層してセットし、この状態で出力軸24に圧入力を付与することで、ロータヨーク61及び第1端面板90が一括して圧入固定されるようになっている。これにより、製造効率を向上させることができる。
そして、ベース部101の上面103にセットされたロータヨーク61及び第1端面板90に、出力軸24を圧入する(圧入工程)。具体的には、ロータヨーク61の圧入孔64及び第1端面板90の圧入孔93と、ベース部101の収容孔102とに向けて出力軸24に圧入力を付与していく。すると、まず出力軸24の一端の周端縁が、第1端面板90の圧入孔94における軸方向外側(上側)の周端縁に接触する。
ここで、まず第1端面板90のエンドプレート91を撓み変形させる。具体的には、出力軸24の周端縁と、第1端面板90の圧入孔94の周端縁とが接触した状態で、出力軸24にエンドプレート91を撓み変形させるための撓み変形荷重Fbを付与する。この撓み変形荷重Fbは、エンドプレート91の撓み変形に起因したマグネットプレート92の押圧力以上であって、出力軸24に対する第1端面板90及びロータヨーク61の圧入荷重Fa,Fcより小さく設定されている(Fa,Fc>Fb)。つまり、第1端面板90が出力軸24に圧入される前に、出力軸24に付与された撓み変形荷重Fbがエンドプレート91の内周縁に作用し、エンドプレート91の内周縁が軸方向内側(下側)に向けて撓み変形する(図4(b)参照)。
これにより、図4(b)に示すように、エンドプレート91は、内周縁においてロータヨーク61の端面61aに当接する一方、外周縁においてエンドプレート91の撓み変形に起因する押圧力によりマグネットプレート92をロータヨーク61に向けて押圧することになる。その後、出力軸24に第1端面板90を圧入するための圧入力F2を付与する。この圧入力F2は、第1端面板90の圧入荷重Fcとエンドプレート91の撓み変形荷重Fbとの合力より大きく設定されている(F2>Fb+Fc)。すると、エンドプレート71が撓んだ状態のまま、第1端面板90が出力軸24に圧入される。
そして、図5(a)に示すように、第1端面板90が出力軸24に圧入された後、出力軸24の一端がロータヨーク61の圧入孔64の周端縁に到達した時点で、ロータヨーク61を出力軸24に圧入するための圧入力F3を付与する。この圧入力F3は、第1端面板90の圧入荷重Fc、エンドプレート91の撓み変形荷重Fb、及びロータヨーク61の圧入荷重Faの合力より大きく設定されている(F3>Fa+Fb+Fc)。すると、ロータヨーク61の圧入孔64の締め代を潰しながら、圧入孔64内に出力軸24が圧入されていく。
その後、図5(b)に示すように、出力軸24の一端がベース部101の下面に到達する。これにより、ロータヨーク61が出力軸24の軸方向における所定位置まで圧入された時点で圧入を停止することができる。上述したようにベース部101の収容孔102の高さ(深さ)を、出力軸24の一端からロータヨーク61の端面61aまでの距離に設定することよって、圧入時毎にロータヨーク61及び第1端面板90の軸方向の位置合わせすることがなく、容易に圧入固定することができる。そして、このような位置関係が常に実現されるように、出力軸24の一端からロータヨーク61の端面61aまでの距離寸法が、ロータヨーク61等の寸法ばらつきを考慮して設定されている。
以上により、出力軸24にロータヨーク61と第1端面板90とが圧入固定される。
次に、図6(a)に示すように、ロータヨーク61及び第1端面板90が圧入固定された出力軸24を治具100から取り外し、出力軸24の一端側から第2端面板70を圧入する。具体的には、第2端面板70のエンドプレート71の中央部に、第2端面板70を出力軸24に圧入するために必要な圧入力F4を付与させる。この圧入力F4は、端面板70の圧入荷重Fcよりも大きく設定する(F4>Fc)。第2端面板70を圧入すると、まずマグネットプレート72の端面がロータヨーク61の端面61aの外周縁に当接する。
そして、この状態でさらにエンドプレート71に圧入力F5を付与すると、エンドプレート71の内周縁は軸方向内側に向けて撓み変形し、ロータヨーク61の端面61aに当接する(図6(b)参照)。この時、圧入力F5は、エンドプレート71を撓み変形させるために必要な撓み変形荷重Fbと第2端面板70の圧入荷重Fcとの合力より大きく、なおかつ撓み変形荷重Fbと圧入荷重Fa,Fcとの合力より小さく設定する(Fa+Fb+Fc>F5>Fb+Fc)。これにより、第1端面板90及びロータヨーク61を移動させずに、第2端面板70のエンドプレート71のみを撓み変形させることができる。
以上により、出力軸24にロータ部22が圧入固定される。
このように、非磁性材料からなるマグネットプレート72,92によりロータヨーク61の収容孔62の開口部を覆うことで、永久磁石63を保持することができるため、収容孔62から永久磁石63が抜けて飛散することを防ぐとともに、永久磁石63から発生する磁束の短絡も防ぐことができる。そして、マグネットプレート72,92と別体で設けられ、出力軸24と同等の線膨張係数を有するエンドプレート71,91を出力軸24に圧入固定することで、周囲の温度に依存することなく端面板70,90を出力軸24に容易に固定することができる。つまり、出力軸24と同等の線膨張係数を有するエンドプレート71,91を出力軸24に圧入固定することで、出力軸24とエンドプレート71,91との線膨張係数の差を小さくすることができる。そのため、モータ発熱時においてエンドプレート71と出力軸24とが緩むことがなく、端面板70が緩んで抜けることを防ぐことができる。
よって、端面板70,90によるロータヨーク61及び永久磁石63の保持力を向上させることができるため、マグネットプレート72,92が緩んで軸方向に抜けることを防ぎ、永久磁石63の飛散を防ぐことができる。これにより、従来のように全てが非磁性材料からなる端面板を採用するために、従来のように出力軸24にスプライン加工等の回り止め加工を施す必要もない。また、カラーを用いることもないので、モータ23の小型軽量化も図ることができる。つまり、エンドプレート71,91を圧入するのみで端面板70,90を固定することができるため、ロータ部22及び出力軸24の部品形状を簡略化することができ、加工コストを低減することができる。
したがって、永久磁石63の飛散・磁気短絡防止を、軽量及び低コストで実現することができる。
特に、マグネットプレート72,92をロータヨーク61の端面61a,61bにそれぞれ当接させた状態で、ロータヨーク61に向けてエンドプレート71,91の径方向中央部に撓み変形荷重Fbを付与することで、エンドプレート71,91の径方向中央部がロータヨーク61に向けて撓み変形する。その結果、エンドプレート71,91の周縁部により、マグネットプレート72,92をロータヨーク61に向けて押圧することができる。この時、エンドプレート71,91の撓み変形荷重Fbより、ロータヨーク61の圧入荷重Faを大きく設定することで、エンドプレート71,91の撓み変形に起因してマグネットプレート72,92からロータヨーク61に向けて作用する押圧力(撓み変形荷重Fb)が、ロータヨーク61の圧入荷重Faよりも小さくなる。そのため、ロータヨーク61に伝わる押圧力によって、ロータヨーク61が軸方向に移動することがない。また、エンドプレート71,91の撓み変形荷重Fbより、端面板70,90の圧入荷重Fcを大きくすることで、エンドプレート71,91の撓み変形に起因してエンドプレート71,91の径方向中央部からロータヨーク61の反対側に向けて作用する復元力が、端面板70,90の圧入荷重Fcよりも小さくなる。これにより、エンドプレート71,91の径方向中央部が軸方向に移動することがないので、エンドプレート71,91を復元させずに、撓み変形させた状態で保持することができる。
そして、エンドプレート71,91を撓み変形させた状態で出力軸24に圧入固定することで、マグネットプレート72,92がロータヨーク61の端面61a,61bに確実に突き当たるため、エンドプレート71,91の押圧力によりロータヨーク61及び永久磁石63を均等に押圧することになる。したがって、マグネットプレート72,92とロータヨーク61及び永久磁石63との間のクリアランスがなくなり、永久磁石63の端面とロータヨーク61の端面61a,61bとが面一の状態で保持される。したがって、マグネットプレート72,92により永久磁石63及びロータヨーク61をより強固に保持することができるため、永久磁石63の飛散をより確実に防止することができる。また、永久磁石63の軸方向の移動が規制されるため、モータ23のトルク脈動を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図7に基づいて説明する。図7は、第2実施形態に係る、モータの製造方法を示す工程図である。本実施形態では、第1端面板90、ロータヨーク61及び、第2端面板70を出力軸24に順に圧入していく点で上述した第1実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、説明を省略する。
図7(a)に示すように、出力軸24の一端側から他端側に向けて第1端面板90に第1圧入力F6を付与し、第1端面板90を圧入する(第1圧入工程)。この第1圧入力F6は、第1端面板90の圧入荷重(第1圧入荷重)Fcより大きく設定する(F6>Fc)。
次に、図7(b)に示すように、出力軸24の一端側からロータヨーク61を圧入する(第2圧入工程)。具体的には、ロータヨーク61に、ロータヨーク61を圧入するために必要な第2圧入力F7を付与し、ロータヨーク61の端面61bが第1端面板90のマグネットプレート92の端面に当接する位置まで圧入する。なお、第2圧入力F7は、ロータヨーク61の圧入荷重(第2圧入荷重)Faより大きく設定する(F7>Fa)。
次に、図7(c)に示すように、マグネットプレート92の端面とロータヨーク61の端面61bとが当接した状態で、ロータヨーク61の軸方向における位置決めを行う(位置決め工程)。具体的には、ロータヨーク61の端面61a側から出力軸24の他端側に向けて、上述したロータヨーク61の圧入荷重Faと、第1端面板90を撓み変形させる撓み変形荷重Fbとの合力より大きい位置決め押圧力F8を付与する(F8>F7+Fb)。すると、ロータヨーク61が出力軸24の他端側へ向けて再び移動する。ロータヨーク61が出力軸24の他端側へ移動することで、ロータヨーク61の端面61bと当接している第1端面板90のマグネットプレート92に位置決め押圧力F8が作用する。そして、この位置決め押圧力F8により、エンドプレート91の周縁部が軸方向外側(他端側)へ押圧され、エンドプレート91の周縁部が軸方向外側へ撓み変形する。
これにより、ロータヨーク61がエンドプレート91との間のクリアランスを潰すように他端側へ移動し、ロータヨーク61の端面61bとエンドプレート91の端面91aとが当接する。
なお、位置決め押圧力F8をロータヨーク61の圧入荷重Fa、第1端面板90を撓み変形させる撓み変形荷重Fb、及び第1端面板90の圧入荷重Fcの合力より大きく設定することで、エンドプレート91を撓ませた状態で、ロータヨーク61と第1端面板90とをともに出力軸24の他端側へ移動させることも可能である(F8>Fa+Fb+Fc)。これにより、第1端面板90及びロータヨーク61が圧入された状態で、出力軸24に対する第1端面板90及びロータヨーク61の位置決めを行うことができる。
その後、図6に示すように、上述した第1実施形態と同様に第2端面板70に圧入力F4,F5を付与し、第2端面板70を出力軸24の一端側から圧入する(第3圧入工程)。この時、圧入力F5は、エンドプレート71を撓み変形させるために必要な撓み変形荷重Fbと第2端面板70の圧入荷重(第3圧入荷重)Fcとの合力より大きく、なおかつ撓み変形荷重Fbと圧入荷重Fa,Fcとの合力より小さく設定する(Fa+Fb+Fc>F5>Fb+Fc)。これにより、位置決め工程で位置決めされた第1端面板90及びロータヨーク61を移動させることなく、エンドプレート91を撓み変形させた状態で第2端面板70を圧入固定することができる。したがって、一対の端面板70,90が、ともに軸方向内側に向けて撓み変形した状態で出力軸24に圧入固定される。つまり、出力軸24の一端側から第1端面板90、ロータヨーク61及び第2端面板70を順に積層した場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、端面板とロータヨークとが固定される領域における出力軸の外径をそれぞれ異ならせるような構成も可能である。また、本実施形態では、本発明のモータを車両用駆動モータユニットに採用した場合について説明したが、これに限られることはない。
本発明の実施形態におけるモータユニットの概略構成断面図である。 本発明の実施形態におけるロータ部の平面図である。 図2のA−A’線に沿う断面図である。 出力軸の圧入方法を示す工程図である。 出力軸の圧入方法を示す工程図である。 出力軸の圧入方法を示す工程図である。 第2実施形態における出力軸の圧入方法を示す工程図である。
符号の説明
22…ロータ部 23…モータ 24…出力軸(シャフト) 61…ロータヨーク 62…収容孔 63…永久磁石 70…第2端面板(端面板) 71,91…エンドプレート(支持板) 72,92…マグネットプレート(環状板) 90…第1端面板

Claims (4)

  1. 回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに対して同軸状に圧入固定されたロータ部と、を備え、
    前記ロータ部は、ロータヨークと、前記ロータヨークの端面から軸方向に沿って形成された収容孔内に収容された永久磁石と、前記ロータヨークの軸方向両端部に設けられ、前記ロータヨークを挟持して前記収容孔内に前記永久磁石を保持する一対の端面板とを備え、
    前記端面板は、少なくとも前記収容孔の開口部を覆うように設けられるとともに径方向中央部に中央孔を有し、非磁性材料からなる環状板と、前記ロータヨークとの間に前記環状板を挟持しつつ、前記シャフトに圧入固定され、前記シャフトと同等の線膨張係数を有する支持板とで構成されたモータにおいて、
    前記シャフトに対する前記端面板及び前記ロータヨークの圧入荷重設定方法であって、
    前記ロータヨークと前記環状板とを当接させた状態で、前記支持板を撓み変形させる撓み変形荷重より、前記シャフトに対する前記端面板及び前記ロータヨークの圧入荷重を大きく設定することを特徴とする圧入荷重設定方法。
  2. 回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに対して同軸状に圧入固定されたロータ部と、を備え、
    前記ロータ部は、ロータヨークと、前記ロータヨークの端面から軸方向に沿って形成された収容孔内に収容された永久磁石と、前記ロータヨークの軸方向両端部に設けられ、前記ロータヨークを挟持して前記収容孔内に前記永久磁石を保持する一対の端面板とを備え、
    前記端面板は、少なくとも前記収容孔の開口部を覆うように設けられるとともに径方向中央部に中央孔を有し、非磁性材料からなる環状板と、前記ロータヨークとの間に前記環状板を挟持しつつ、前記シャフトに圧入固定され、前記シャフトと同等の線膨張係数を有する支持板とで構成されたモータの製造方法であって、
    前記シャフトの一端側から他端側に向けて、前記他端側の前記端面板及び前記ロータヨークを圧入する圧入工程を有し、
    前記圧入工程における前記ロータヨークの圧入力は、前記シャフトに対する前記ロータヨークの圧入荷重と、前記ロータヨークと前記環状板とを当接させた状態で前記支持板を撓み変形させる撓み変形荷重と、前記シャフトに対する前記端面板の圧入荷重との合力より大きいことを特徴とするモータの製造方法。
  3. 前記圧入工程に先立って、前記ロータヨークと前記他端側の端面板とを治具上にセットする工程を有し、
    前記圧入工程は、前記シャフトの他端側から一端側に向けて前記圧入力を付与し、前記シャフトの一端側から前記ロータヨークと前記他端側の端面板とを一括して圧入する工程を有することを特徴とする請求項2記載のモータの製造方法。
  4. 回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに対して同軸状に圧入固定されたロータ部と、を備え、
    前記ロータ部は、ロータヨークと、前記ロータヨークの端面から軸方向に沿って形成された収容孔内に収容された永久磁石と、前記ロータヨークの軸方向両端部に設けられ、前記ロータヨークを挟持して前記収容孔内に前記永久磁石を保持する一対の端面板とを備え、
    前記端面板は、少なくとも前記収容孔の開口部を覆うように設けられるとともに径方向中央部に中央孔を有し、非磁性材料からなる環状板と、前記ロータヨークとの間に前記環状板を挟持しつつ、前記シャフトに圧入固定され、前記シャフトと同等の線膨張係数を有する支持板とで構成されたモータの製造方法であって、
    前記一対の端面板のうち第1端面板、前記ロータヨーク及び前記一対の端面板のうち第2端面板を、前記シャフトの一端側から他端側に向けて順に圧入する圧入工程を有し、
    前記圧入工程は、
    前記シャフトに対する前記第1端面板の第1圧入荷重より大きい第1圧入力により前記第1端面板を圧入する第1圧入工程と、
    前記シャフトに対する前記ロータヨークの第2圧入荷重より大きい第2圧入力により前記ロータヨークを圧入する第2圧入工程と、
    前記第2圧入荷重以上の位置決め押圧力により前記ロータヨークを移動させて、前記ロータヨークの軸方向における位置決めを行う位置決め工程と、
    前記シャフトに対する前記第2端面板の第3圧入荷重より大きい第3圧入力により前記第2端面板を圧入する第3圧入工程と、を有し、
    前記第1圧入荷重は、前記ロータヨークと前記環状板とを当接させた状態で前記第1端面板を撓み変形させる撓み変形荷重より大きく設定され、
    前記位置決め工程では、前記第2圧入荷重と前記撓み変形荷重との合力より大きい前記位置決め押圧力により前記ロータヨークを移動させることで、前記第1端面板を撓み変形させ、
    前記第3圧入工程では、前記第3圧入荷重と前記撓み変形荷重との合力より大きく、なおかつ前記第3圧入荷重と前記撓み変形荷重と前記第2圧入荷重との合力より小さい前記第3圧入力により前記第2端面板を圧入することで、前記第2端面板を撓み変形させることを特徴とするモータの製造方法。
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