JP2009532649A - エアバッグインフレータの振動ダンパ - Google Patents

Abstract

自動車のステアリングコラムなどにおいて、インフレータをエアバッグモジュールに結合するための振動ダンパ。振動ダンパは、インフレータ用の拡散器と結合した第１端部、および第１端部と反対側のインフレータ部材と結合した第２端部を有するしなやかで弾力性のある環状のダンパ部材を備えている。拡散器は、インフレータに結合されるように構成されたインフレータリングに結合されている。表面部材はエアバッグモジュールに結合されるように構成されている。

Description

発明の詳細な説明

〔技術分野〕
本発明は、エアバッグインフレータ（inflator）用の振動ダンパ（vibration damper）、特に自動車のステアリングコラム（column）におけるインフレータとエアバッグモジュールとの間に配置される振動ダンパに関する。

〔関連技術の説明〕
自動車において、モータが駆動している状態で、運転またはアイドリングしている間に生じる振動は、多くの場合、ステアリングコラムに伝動され、その後ステアリングホイールに伝動される。ステアリングホイールでこれらの振動を緩和し、かつ運転の快適性を改善するために、振動ダンパ装置の様々なタイプがステアリングコラムに搭載されている。ある場合には、振動ダンパ装置は、ステアリングコラム内に搭載されたエアバッグインフレータの組立品と一体化されており、他の場合においては、振動ダンパ装置は、エアバッグインフレータの組立品と分離されている。

そのような振動ダンパ装置は、以下の１つ以上の不利点に左右される：
１．振動ダンパ装置の構造が複雑である；
２．振動ダンパ装置の設置が難しい；
３．振動ダンパ装置の製造が難しいおよび／または高価である；
４．振動ダンパ装置の動作に信頼性がない；および／または、
５．振動ダンパ装置が、ステアリングコラム内の多くのスペースを占領する。

本発明の振動ダンパは上述した不利点のいずれにも左右されず、かつ従来技術における同じ一般型のダンパ装置には発見されないいくつかの利点を有している。

〔発明の概要〕
本発明の振動ダンパは、任意の適した材料（例えばゴム、熱可塑性高分子弾性体、または熱硬化性高分子弾性体等）で形成されたしなやかで弾力性のある環状のダンパ部材を備える。ダンパ部材は、円錐台の形状であってもよく、円筒型であってもよく、または任意の他の適した形状を含んでいてもよい。ダンパ部材は、任意の適した方法により、ダンパ部材の端部で、任意の適した材料（例えばスチールまたはアルミニウム等の金属）で形成された十分に硬い２つの表面部材に取り付けられている。説明のための実施例としてのダンパ部材は、表面部材に嵌め込まれて（鋳造されて、be molded）いてもよい。

表面部材の１つは、エアバッグインフレータ用の拡散器多岐管（diffuser manifold）である。拡散器は、拡散器の底端で、ダンパ部材と結合された外側に延びている環状周縁部を備えている。拡散器の底部は、任意の適した構造のインフレータリングの上部に結合され、かつインフレータリングの上部を覆っており、スチール等の任意の適した材料で形成されている。説明のための実施例としての拡散器は、インフレータリング上に捲縮されていてもよい。インフレータリングは、任意の適した方法（溶接など）により、インフレータの外側表面に結合されるように構成されている。

もう一方の表面部材は、ステアリングコラムにおいてダンパおよびインフレータをエアバッグモジュールに結合させるための、任意の適した形状または構造を備える環状の取り付けフランジの形態である。

上述したダンパの構造は、ステアリングコラムにおける振動を緩和し、かつステアリングコラム内のダンパシステムを分離する必要性を取り除くために、インフレータがある程度自由に動作できるようにする。また、本発明のダンパは、インフレータの組み立て品が、インフレータを製造する間におけるインフレータの外側に弾性材料が存在することによって引き起こされるヘリウム質量分析の不正確さの可能性に関するいくらかの懸念を軽減するように完成した後に、搭載または設置することができる。

〔発明の詳細な説明〕
図１−３を参照して、本発明の振動ダンパ１０は、一般に、しなやかで弾力性のある環状のダンパ部材１２を備えており、該ダンパ部材１２は、第１および第２の端に対して、十分に硬い表面部材１４および１６にそれぞれ固定される。振動ダンパ１０の目的は、自動車のステアリングコラムなどにおいて、ステアリングコラムの振動を緩和させるためにインフレータがある程度自由に動作できるように、インフレータをエアバッグモジュールに結合させることである。

図２および図３に示されるように、ダンパ部材１２は円錐台の形状であってもよいし、または、円筒型のような任意の他の適した環状形状であってもよい。ダンパ部材１２は、任意の適したしなやかで弾力性のある材料（ゴム、熱可塑性高分子弾性体、または熱硬化性高分子弾性体等）で形成されていてもよい。

振動ダンパ１２は、任意の適した方法により、ダンパ部材１２の上部または第１端部１８で、第１表面部材１４に固定される。該表面部材１４はインフレータ用の拡散器多岐管（diffuser manifold）であり、任意の適した十分に硬い材料（例えば、アルミニウムもしくはスチール等の金属、または、ナイロン、ガラス製ナイロン、ポリプロピレンもしくはガラス製ポリプロピレン等の適切なプラスチック材料）で形成される。図２および図３に示されるように、拡散器１４は、拡散器１４の底端で、ダンパ部材１２の第１端部１８に結合され、外側に延びている環状フランジ２０を備える。ダンパ部材１２は、任意の適した方法（例えば鋳造など）により、拡散器１４のフランジ２０に結合される。

拡散器１４の底部２２は、任意の適した構造のインフレータリング２４の上部に結合され、インフレータリング２４の上部を覆っており、かつスチールなどの任意の適した材料で形成されてもよい。説明のための実施例としての拡散器１４は、図２および図３に示されているように、インフレータリング２４の隣接している部分に捲縮されていてもよい。インフレータリング２４は、図３に示されるように、任意の適した方法（例えば溶接など）により、インフレータ２６の外側表面に結合されるように構成される。

ダンパ部材１２の底部または第２端部は、任意の適した方法（例えば鋳造など）により、第２表面部材１６に結合される。第２表面部材１６は、任意の適した形状の取り付けフランジであり、エアバッグ部材（図示せず）と結合されやすいように開口２８を有していてもよい。第２表面部材１６は任意の適した材料（例えば、アルミニウムもしくはスチール等の金属、または、ナイロン、ポリプロピレンもしくはガラス製ポリプロピレンなどの適切なプラスチック）で形成されていてもよい。

上述した説明により、本発明は簡素で効果的な振動ダンパを提供することが明らかであろう。該振動ダンパは、エアバッグ部材に対して、比較的インフレータがある程度自由に動作できるように、自動車のステアリングコラムに容易に設置することができ、これにより、ステアリングコラムにおいて振動を緩和する。

本発明の振動ダンパ１０は、インフレータの組み立て品が、インフレータを製造する間におけるインフレータの外側に弾性材料が存在することによって引き起こされるヘリウム質量分析の不正確さの可能性に関するいくらかの懸念を軽減するように完成した後に、搭載または設置することができることが有利点である。

上述した説明では、最も実用的で、且つ、好ましい実施の形態であると考えられたものに関して、本発明が述べられている。しかし、本発明は開示された実施の形態に限定されず、本発明の請求項の精神および範囲内に含まれる、様々な改良および同等の構成を包含することが意図されていると言える。

本発明の振動ダンパの１つの実施例を示す斜視図である。 図１に示された振動ダンパの断面を示す側面図である。 図２と同様に、インフレータに結合された振動ダンパの断面を示す側面図である。

Claims (17)

1. 自動車のステアリングコラムなどにおいて、インフレータをエアバッグモジュールと結合するための振動ダンパであって、
   第１端部および該第１端部と反対の第２端部を有するしなやかで弾力性のある環状のダンパ部材；
   前記ダンパ部材の第１端部に結合され、かつインフレータ用の拡散器である第１環状表面部材；
   前記拡散器の内側表面に固定され、かつインフレータの外側表面に結合される構造であるインフレータリング；および
   前記ダンパ部材の第２端部に結合され、かつエアバッグモジュールに結合される構造である第２環状表面部材
   により構成されている、振動ダンパ。
2. 前記ダンパ部材は円錐台の形状であり、
   前記第１端部は、前記第２端部よりも小さい、請求項１に記載の振動ダンパ。
3. 前記ダンパ部材は、ゴム、熱可塑性高分子弾性体、または熱硬化性高分子弾性体で形成されている、請求項１に記載の振動ダンパ。
4. 前記拡散器は、前記ダンパ部材に結合され、かつ外側に延びている環状フランジを備えている、請求項１に記載の振動ダンパ。
5. 前記拡散器は、前記インフレータリングの上に捲縮されている、請求項１に記載の振動ダンパ。
6. 前記インフレータリングは、インフレータに溶接される構造である、請求項１に記載の振動ダンパ。
7. 前記ダンパ部材は、前記第１環状表面部材および第２表面部材に鋳造されている、請求項１に記載の振動ダンパ。
8. 前記拡散器および第２表面部材は、硬い材料で形成されている、請求項１に記載の振動ダンパ。
9. 自動車のステアリングコラムなどにおいて、エアバッグモジュール用のインフレータ構造であって、
   拡散器および振動ダンパにより構成され、
   前記振動ダンパは、第１端部および第２端部を有するしなやかで弾力性のある環状のダンパ部材、該第１端部に結合された拡散器、該拡散器に固定されたインフレータリング、該拡散器および該振動ダンパ内に配置されたインフレータ、該インフレータリングに固定されたインフレータ、および前記第２端部に結合されておりかつ前記エアバッグモジュールに結合される構造である表面部材により構成されている、インフレータ構造。
10. 前記ダンパ部材は、円錐台の形状であり、
    前記第１端部は、前記第２端部よりも小さい、請求項９に記載のインフレータ構造。
11. 前記ダンパ部材は、ゴム、熱可塑性高分子弾性体、または熱硬化性高分子弾性体で形成されている、請求項９に記載のインフレータ構造。
12. 前記拡散器は、前記ダンパ部材の前記第１端部に結合され、かつ外側に延びている環状フランジを備えている、請求項９に記載のインフレータ構造。
13. 前記拡散器は、前記インフレータリングの上に捲縮されている、請求項９に記載のインフレータ構造。
14. 前記インフレータリングは、前記インフレータの外側表面上に溶接されている、請求項９に記載のインフレータ構造。
15. 前記ダンパ部材は、前記拡散器および前記表面部材に鋳造されている、請求項９に記載のインフレータ構造。
16. 前記拡散器および表面部材は、硬い材料で形成されている、請求項９に記載のインフレータ構造。
17. 前記表面部材は、エアバッグモジュールとの結合を容易にする複数の開口を有している、請求項９に記載のインフレータ構造。

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