JP2009521496A - TGF−β結合組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、成熟型ヒトTGF−β1、TGF−β2、およびTGF−β3を中和する非常に高い親和性を有する抗体またはその抗原結合断片を提供する。本発明の抗体は哺乳類の細胞増殖性障害の治療に有用である。

Description

本発明は、TGF−βを伴う細胞増殖性疾患、障害および症状の治療に関する。
特に、本発明は、成熟型ヒトTGF−β1、TGF−β2、およびTGF−β3を中和する抗体またはその抗原結合断片を提供する。
TGF−βタンパクファミリーは、細胞増殖性、炎症性および循環器の症状等の疾病状態に影響する複数の遺伝子応答を、活性化および調節する複数の経路を有する、3つの異なるアイソフォーム(TGF−β1、−β2および−β3)からなる。癌におけるTGF−βアイソフォーム発現は、TGF−βアイソフォームの様々な組み合わせが特定の癌において様々な役割を有して、複雑かつ多様である。例えば、TGF−β1およびβ3は卵巣癌およびその進行においてTGF−β2よりも大きな役割を演じ、一方、TGF−β1およびβ2は軟骨肉腫においてTGF−β3よりも高度に発現する。ヒト乳癌においては、TGF−β1およびβ3が高度に発現し、TGF−β3発現は全生存期間と相関し、転移およびTGF−β3発現陽性が見られる患者は生命予後が低い結果となる。しかしながら、大腸癌においてはTGB−β1およびβ2がβ3よりも高率で発現し、癌のない人よりも高い血中レベルで存在する。グリオーマ癌において、TGF−β2は細胞転移にとって重要である。したがって、癌等の細胞増殖症状において複数のTGF−βアイソフォーム発現を調節することが必要である。
米国特許第5571714号は、悪性腫瘍および転移性の癌治療における抗TGF抗体の使用を開示し、とりわけ、TGF−β1およびβ2と結合すると言われる、1D11.16(ATCC No.HB9894)と命名されたマウス抗体の使用を開示している。当該文献は、抗体1D11.16はわずか3.4×108L/molのKa(Kd=1/Ka)でTGF−β2と結合すると述べている。
悪性腫瘍や癌等の細胞増殖性障害は、結合反応速度および親和性を改良した、成熟型ヒトTGF−β1−β2および−β3を中和する抗体の使用により改善しうる。医薬品として、本質的な物理的化学的安定性、適切な薬物動態論、および良好な溶解性も所望される。したがって、細胞増殖性障害の薬理学的治療に適した特性を有する抗体が必要とされている。
本発明は、成熟型ヒトTGF−β1に対して4pM以下のKdで、成熟型ヒトTGF−β2に対して8pM以下のKdで、成熟型ヒトTGF−β3に対して4pM以下のKdで、成熟型ヒトTGF−β1、−β2および−β3を中和するモノクローナル抗体組成物を提供する。さらに本発明は、配列番号27および51、27および59、27および60、27および61、27および62、27および63、27および64、28および52、29および51、30および53、31および54、32および55、33および56、34および51、34および57、35および58、36および51、36および69、36および75、37および51、38および51、39および51、40および51、41および64、41および67、42および66、43および68、44および66、45および51、45および69、46および70、46および71、47および71、48および72、49および73、50および65、若しくは50および74、の軽鎖可変領域(LCVR)および重鎖可変領域(HCVR)の組み合わせを有する抗体を提供する。本発明は、当該抗体の抗原結合断片、並びに、ヒトまたはヒト化フレームワーク領域および定常領域を有する抗体および断片も含む。本発明の抗体および断片は、細胞増殖性疾患、障害および症状の治療に有用である。
一実施形態において、本発明の抗体は、成熟型ヒトTGF−β1、成熟型ヒトTGF−β2、および成熟型ヒトTGF−β3を中和し、インビトロHT−2セル中和アッセイにおいて、成熟型ヒトTGF−β1に対してIC50が100pM以下であり、成熟型ヒトTGF−β2に対してIC50が400pM以下であり、並びに成熟型ヒトTGF−β3に対してIC50が200pM以下である。
一実施形態において、本発明の抗体は重鎖可変領域(HCVR)および軽鎖可変領域(LCVR)を含んでなり、前記HCVRは配列番号96または配列番号100に示すペプチドをCDRH1に、配列番号97、配列番号99、配列番号101または配列番号102に示すペプチドをCDRH2に、配列番号98に示すペプチドをCDRH3に含んでなり、前記LCVRは配列番号88、配列番号91、配列番号92、または配列番号93に示すペプチドをCDRL1に、配列番号89または配列番号94に示すペプチドをCDRL2に、配列番号90または配列番号95に示すペプチドをCDRL3に含んでなる。
一実施形態において、本発明の抗体はさらにヒトフレームワーク領域を含んでなる。
別の実施形態において、本発明の抗体は、配列番号64、68、69、70、74からなる群から選ばれる配列を有するHCVR、並びに配列番号41、43、45、46および50からなる群から選ばれる配列を有するLCVRを含んでなる。
別の実施形態において、本発明の抗体は、配列番号69に示す配列を有するHCVR並びに配列番号45に示す配列を有するLCVRを含んでなる。
一実施形態において、本発明の抗体は、配列番号77、79、81、83、85からなる群から選ばれる配列を有する重鎖、並びに配列番号76、78、80、82、84からなる群から選ばれる配列を有する軽鎖を含んでなる。
一実施形態において、本発明の抗体は、配列番号81に示す配列を有する重鎖および配列番号80に示す配列を有する軽鎖を含んでなる。
本発明は、哺乳類、好適には霊長類、さらに好適にはヒトにおける細胞増殖性障害の治療方法を提供し、本発明の抗体またはその断片の有効量を、当該治療を必要とする哺乳類に投与することを含んでなる。
本発明は、哺乳類、好適には霊長類、さらに好適にはヒトにおいて、骨髄異形成症候群(MDS)/骨髄増殖性疾患(MPD)、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、肝細胞癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、結直腸癌、他の血液癌(有毛細胞白血病、CML、AML他)を含んでなるTGF−β介在性の繊維形成および/または血管形成が関係する疾患または症状を治療し、当該治療を必要とする哺乳類に本発明の抗体またはその断片の有効量を投与することを含む、方法を提供する。これはさらに、化学療法剤、抗血管形成剤、または細胞毒性化学療法等、抗TGF−β抗体以外の治療薬剤の有効量を当該哺乳類に投与することを含んでもよい。
別の実施形態において、本発明は、本発明の抗体およびHER−2受容体を介する情報伝達をブロックする抗体(即ちトラスツズマブ)の有効量を患者に投与することを含んでなる、HER−2を過剰発現する転移性乳癌の治療方法を提供する。
本発明は、製薬的に許容できるキャリア、希釈剤または賦形剤と組み合わせた、本発明の抗体を含んでなる医薬組成物も提供する。
本発明は、哺乳類における細胞増殖性障害治療のための医薬の製造のための、本発明の抗体の使用も提供する。加えて、本発明は、1以上の製薬的に許容できる賦形剤、キャリアまたはそれらの希釈剤を組み合わせた、本発明の抗体を含んでなる細胞増殖性障害の治療に適した医薬組成物を提供する。
本発明は、TGF−β活性を中和することにより疾患または症状治療を改善または予防することが可能な医薬の製造のための、本発明の抗体の使用も提供する。
本発明は、哺乳類、好適には霊長類、さらに好適にはヒトにおいて、骨髄異形成症候群(MDS)/骨髄増殖性疾患(MPD)、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、肝細胞癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、結直腸癌、他の血液癌(有毛細胞白血病、CML、AML他)を含んでなるTGF−β介在性の繊維形成および/または血管形成が関係する疾患または症状を治療するための医薬の製造のための、当該治療を必要とする哺乳類に本発明の抗体またはその断片の有効量を投与することを含んでなる、本発明の抗体の使用も提供する。これはさらに、化学療法剤、抗血管形成剤、または細胞毒性化学療法等の抗TGF−β抗体、若しくはサイトカイン以外の治療薬剤の有効量を当該哺乳類に投与することを含んでもよい。さらに、本発明は、1以上の製薬的に許容できる賦形剤、キャリアまたは希釈剤と組み合わせた、本発明の抗体を含んでなる、MDS/MPD、乳癌、前立腺癌、卵嚢癌、肝細胞癌、膵臓癌、多発性骨髄腫、結直腸癌、他の血液癌(ヘアリーセル白血病、CML、AML,etc)を含む、哺乳類においてTGF−β活性の中和または低減が有益な状態の治療に適する医薬組成物を提供する。
本発明は、TGF−β活性を中和することにより疾患または状態を改善または予防することが可能な医薬の製造のための、本発明の抗体の使用も提供する。
用語「モノクローナル抗体」は、ジスルフィド結合を介して相互に結合する4個のペプチド鎖、2個の重鎖(H)および2個の軽鎖(L)を含んでなる均一の抗体の集合(population)を有する組成物を指す。鎖それぞれの末端アミノ部分は約100−110個以上のアミノ酸可変領域を含む。このそれぞれの鎖の可変領域は、特定の抗原を認識して結合する、3個の相補性決定領域(CDRs、Complementary Determining Regions)を含む。「モノクローナル抗体」は、(完全な軽鎖および完全な重鎖を含んでなる)無傷の(intact)抗体、実質的に無傷の抗体、若しくは抗体のFab断片またはF(ab’)2断片等の抗原結合部位を含む抗体部位または断片でありうる。さらに、「モノクローナル抗体」はフレキシブルなペプチドリンカーにより共に結合した抗体の、可変重鎖領域(VH)および可変軽鎖領域(VL)からなる単鎖可変断片(scFv、single chain Fragment variable)でありうる。
「均一の抗体の集合」は、均一または実質的に均一な抗体の集合を指す(すなわち、当該集合中の少なくとも約85%、87%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、より好適には少なくとも約97%または98%、若しくは最も好適には少なくとも99%の抗体が、ELISAアッセイにおいて同一の抗原またはエピトープについて競合する)。抗体はグリコシル化していてもよく、しないなくてもよく、いずれも本発明の範囲にある。モノクローナル抗体は、例えばグリコシル化等の翻訳後修飾に差異があっても、同一のアミノ酸配列を有する場合は均一としてもよい。
用語「有効量」は、所望の薬理学的効果を達成するために要する式Iの化合物の用量を意味するものと解釈する。
用語「エピトープ」は、抗体の1以上の抗原結合領域において、抗体が認識し結合しうる分子の部分を指す。エピトープは、アミノ酸または糖鎖等の、化学的に活性な表面分子群を含み、特定の3次元構造特性並びに特定の電荷特性を有する場合がある。
用語「Kd」は、特定の抗体抗原相互作用の解離定数を指す。これは、koff/kon=Kdにより計算される。用語「kon」は、順方向または複合体形成反応の、会合またはオン速度定数、若しくは特定の反応速度を指し、M-1-1の単位で測定される。用語「koff」は、抗体/抗原複合体からの抗体の解離に対する、解離またはオフ速度定数、若しくは特定の反応速度を指し、1/秒の単位で測定される。本発明のモノクローナル抗体の親和性は、高いkonよりも低いkoffと相関することが多いが、理論に束縛されることなく、koffおよびkonの両者を改善する実施形態を包含する。より好適な実施形態において、本発明のモノクローナル抗体は、一般に低いkoff値を示す高い効力の抗体またはその断片である。
本発明のモノクローナル抗体の活性に関して本願明細書に使用の用語「中和」は、生物活性または特性、疾患若しくは状態を含んでなるがこれらに限らず阻害されるものの進行または重症度等に対し、実質的に拮抗、抑制、妨害、防止、低下、抑制、擾乱、消去、停止、減少または逆転する能力を指す。抑制または中和は、好適には少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%以上である。
本発明の抗体の結合または中和能力に関し、本願明細書にて参照するTGF−βは、成熟型ヒトTGF−β1、TGF−β2、およびTGF−β3の生物学的に活性な形態(配列番号1、2、および3)である。例えば、成熟型ヒトTGF−β1、TGF−β2、およびTGF−β3の各DNAおよびアミノ酸配列(これらの前駆体ドメインおよび成熟部を含む)を記載している、NCBI accession No:P01137、NP_003229、およびNP_003230を参照。成熟型ジスルフィド結合ホモダイマーのヒトTGF−β1、TGF−β2、およびTGF−β3は、2個の112アミノ酸残基ポリペプチドを含み、約25kDaの推定分子量を有する。本発明の抗体は、当該成熟型TGF−βアイソフォームと結合して中和するが、同様の条件下では、潜在的TGF−β1、TGF−β2、およびTGF−β3アイソフォームへの有意の結合を示さない。
親和性および結合速度を向上することは、例えば、薬物動態のおよび安全上の特性の向上に寄与することにより;用量、毒性および治療リスクを低減することにより;並びに生物学的有効性を改善することにより、抗体の問題を解決する。抗体の解離定数(Kd)は、例えば、Kinexa(登録商標)(例えばDarlingら、2004年、ASSAY and Drug Development Technologies、2巻、647−57ページを参照)またはBIAcore(登録商標)(Upsala、Sweden)、若しくはKarlssonら、1991年、J.Immunol.Methods、145巻、299−340ページを適用すること等の、当分野における方法から見出してもよい。本願明細書の用語”kon”は、会合またはオン速度定数、若しくは進行方向の特定の反応速度または抗体:抗原複合体形成(M-1-1)を指す。本願明細書の用語”koff”は、解離または”オフ速度”定数、若しくは抗体:抗原複合体から抗体が解離(秒-1)する特定の反応速度を指す。本願明細書の用語”Kd”は、Kd=koff/konで計算される、特定の抗体:抗原複合体の解離定数を指す。KaはKdの逆数である。
成熟型ヒトTGF−β1に対する本発明の抗体のKdは、約0.0001pMから約5.0pMの範囲にある。より好適には、約0.001pMから約3.0pMの範囲である。最も好適には、約0.01pMから約0.5pMの範囲である。成熟型ヒトTGF−β2に対する本発明の抗体のKdは、約0.01pMから約5.0pMの範囲にある。より好適には、約0.05pMから約2.0pMの範囲であり、最も好適には、約0.1pMから約1.5pMの範囲である。成熟型ヒトTGF−β3に対する本発明の抗体のKdは、約0.005pMから約3.0pMの範囲にある。より好適には、約0.05pMから約2.8pMの範囲である。最も好適には、約0.2pMから約2pMの範囲である。好適には本発明の抗体は、成熟型ヒトTGF−β1に対するKdが4.0×10-12以下であり、成熟型ヒトTGF−β2に対するKdが8.0×10-12以下であり、成熟型ヒトTGF−β3に対するKdが4.0×10-12以下であるという特徴を有する。
ヒトTGF−β1に対する本発明の抗体のKdは少なくともTGF−β1に対する1D11.16のKdの2倍以上であり、より好適には少なくとも25倍以上であり、最も好適には少なくとも50倍以上である。明らかに、親和性が高ければKd値はより小さくなる。ヒトTGF−β2に対する本発明の抗体のKdは少なくともTGF−β2に対する1D11.16のKdの1.5倍以上であり、より好適には少なくとも10倍以上であり、最も好適には少なくとも20倍以上である。ヒトTGF−β3に対する本発明の抗体のKdは少なくともTGF−β3に対する1D11.16のKdの4倍以上であり、より好適には少なくとも6倍以上であり、最も好適には少なくとも10倍以上である。
成熟型ヒトTGF−β1に対する本発明のFabのKdは、約0.009pMから約75.0pMの範囲であり、より好適には約0.018pMから約50pMの範囲であり、最も好適には約0.02pMから約25pMの範囲である。成熟型ヒトTGF−β2に対する本発明のFabのKdは、約0.0045pMから約60pMの範囲であり、より好適には約0.002pMから約45pMの範囲であり、最も好適には約0.02pMから約35pMの範囲である。TGF−β1に対する本発明のFabのKdは少なくともTGF−β1に対する1D11.16のKdの30倍以上であり、より好適には少なくとも300倍以上であり、最も好適には少なくとも1500倍以上である。TGF−β2に対する本発明のFabのKdは少なくともTGF−β1に対する1D11.16のKdの10倍以上であり、より好適には少なくとも100倍以上であり、最も好適には少なくとも500倍以上である。
成熟型ヒトTGF−β1に対する本発明の抗体のkoffは、好適には約110から約1(全てのkoff値は×10-6-1である)の範囲であり、より好適には約50から約6の範囲であり、さらにより好適には約15から約4の範囲であり;成熟型ヒトTGF−β2に対しては、好適には約240から約1の範囲であり、より好適には約50から約2の範囲であり、さらにより好適には約20から約4の範囲であり;並びに、成熟型ヒトTGF−β3に対しては、好適には約90から約1の範囲であり、より好適には約50から約4の範囲であり、さらにより好適には約35から約6の範囲である。本発明の抗体は、TGF−β1、−β2、−β3に対して1D11.16の約2から約50倍、より好適には約2.5から約25倍、最も好適には約3から約15倍のkoffの改善を示す。
別の実施形態において、本発明の抗体は、成熟型ヒトTGF−β1に対して5以上、成熟型ヒトTGF−β2に対して2.5以上、成熟型ヒトTGF−β3に対して1.56以上のkonを有する(全てのkon値は×107-1-1である)。成熟型ヒトTGF−β1に対するkonは、好適には約1.5から約60の範囲であり、より好適には約2から約45の範囲であり、さらにより好適には約3から約30の範囲であり;成熟型ヒトTGF−β2に対するkonは、好適には約1から約40の範囲であり、より好適には約1から約25の範囲であり、さらにより好適には約1から約15の範囲であり;並びに、成熟型ヒトTGF−β3に対するkonは、好適には約1.2から約20の範囲であり、より好適には約1.2から約10の範囲であり、さらにより好適には約1.2から約5の範囲である。本発明の抗体は、TGF−β1、−β2、−β3に対して1D11.16の約1.5から約40倍、より好適には約2から約15倍、最も好適には約2から約10倍のkonの改善を示す。好適な実施形態において、本発明の抗体はTGF−β2および−β3以上にTGF−β1に結合する。
抗体が抗原に結合して抗原の生物的機能を完全にまたは部分的に阻害または低減するならば、抗体は抗原を”中和”するという。TGF−βアイソフォームの生物的活性の中和は、受容体結合、細胞成長への阻害効果、走化性、アポトーシス、細胞内タンパク質リン酸エステル化または細胞情報伝達等、TGF−β活性の1以上の指標がインビトロまたはインビボで完全または部分的に阻害または低減することを測定して試験される。最も好適には、TGF−β活性の中和能は、本願明細書に記載のように、HT−2セル増殖アッセイにより、またはSmad2リン酸エステル化阻害の測定により試験される。
本発明の抗体は、成熟型ヒトTGF−β1、成熟型ヒトTGF−β2および成熟型ヒトTGF−β3を中和し、インビトロHT−2セル増殖アッセイにおいて、成熟型ヒトTGF−β1に対して約100pM、75pM、50pM、25pM、17.5pM、10pM、4pM、または3pM以下のIC50を、成熟型ヒトTGF−β2に対して約400pM、345pM、200pM、100pM、77.5pM、50pM、40pM、または23pM以下のIC50を、並びに成熟型ヒトTGF−β3に対して約200pM、115pM、105pM、75pM、50pM、45pM、または35pM以下のIC50を有する。
中和活性の改善は薬物動態および安全性特性を向上し、用量、毒性および治療リスクを低減し、生物学的有効性を改善する。好適な実施形態において、本発明の抗体のHT−2セル増殖/中和アッセイにおけるIC50は、本願明細書に記載のように、TGF−β1において約20pM以下、TGF−β2において約325pM以下、TGF−β3において約125pM以下である。TGF−β1に対して、本発明の抗体は好適には約0.1から約50pMの範囲の、より好適には約0.1から約30pMの範囲の、最も好適には約0.1から約20pMの範囲のIC50を有する。TGF−β2に対して、本発明の抗体は好適には約1から約400pMの範囲の、より好適には約10から約350pMの範囲の、最も好適には約15から約325pMの範囲のIC50を有する。TGF−β3に対して、本発明の抗体は好適には約0.1から約200pMの範囲の、より好適には約1から約150pMの範囲の、最も好適には約10から約125pMの範囲のIC50を有する。
別の実施形態において、本発明の抗体は、HT−2セル増殖アッセイにおいて、1D11.16と比較して、TGF−β1について約100から約600倍の範囲の、より好適には約200から約500倍の範囲の、さらにより好適には約300から約400倍の範囲の;TGF−β2について約10から約400倍の範囲の、より好適には約25から約300倍の範囲の、さらにより好適には約50から約200倍の範囲の;TGF−β3について約2から約200倍の範囲の、より好適には約4から約50倍の範囲の、さらにより好適には約6から約25倍の範囲のIC50の改善を示す。
TGF−β活性の中和に要する抗体濃度は、例えば、サイトカイン濃度、セルタイプ、成長条件、および試験する活性の種類等、種々のパラメータに依存する。本発明の抗体の中和特性は、本願明細書に記載のように、U87MGヒト腫瘍異種移植モデルアッセイにおけるSmad2タンパクのリン酸エステル化阻害の度合いを測定することにより試験される。別の好適な実施形態において、本発明の抗体は、このようなアッセイにおけるTED50(治療効果用量、Therapeutic Effective Dose)が約100から約200mg/kgの範囲、より好適には約50から約80mg/kgの範囲、さらにより好適には約5から約25mg/kgの範囲である。
本発明の特定の抗体および断片は、特異的なCDR領域であるVHCDR1 X12WMN[配列番号10、式中、X1はTまたはSのいずれか;X2はEまたはYのいずれかである]、VHCDR2 QIFPX12GSTNYX3EMX4EG[配列番号11、式中、X1はAまたはFのいずれか;X2はS、TまたはLのいずれか;X3はN、G、S、DまたはAのいずれか、X4はFまたはYのいずれかである]、VHCDR3 GX1GNYALDAMDY[配列番号12、式中、X1はD、I、M、Y、L、V、QまたはFのいずれかである]、VLCDR1 RASESVDX12GNSFMH[配列番号13、式中、X1はS、Y、FまたはLのいずれか;X2はYまたはWのいずれかである]、VLCDR2 X1ASNLES[配列番号14、式中、X1はLまたはY];並びに、VLCDR3 X1QX23EDPLT[配列番号15、式中、X1はQ、TまたはCのいずれか;X2はNまたはHのいずれか;X3はN、I、M、D、TまたはAのいずれかである]を有する。
さらに、成熟型ヒトTGF−β1、TGF−β2、およびTGF−β3を中和する本発明の組成物を作成するために、ヒトまたはヒト化抗体フレームワーク配列においてCDR領域を(適切な配向に)エンジニアリングした、当該CDR領域を用いて作成された抗体が包含される。フレームワーク配列に特定のCDR領域を取り込むために、任意の公知の手法を用いてもよい。記載したように、任意の生殖系列または再編成したヒト可変領域、若しくは、例えば公知のヒト可変ドメインのコンセンサス配列に基づく合成可変ドメインから、ヒトまたはヒト化可変フレームワーク配列が由来しうる。好適な可変ドメインフレームワーク配列は、実施形態の抗TGF−β1、−β2および−β3抗体の生物学的特性に有意の影響がないもの、すなわち、成熟型ヒトTGF−β1、−β2および−β3と高い親和性を有して結合、中和するものである。好適には、そのようなフレームワークは、ヒトに投与されても有意の免疫反応を誘発しない。フレームワーク配列は、ヒトの抗体に自然に存在する配列、または数種類のヒト抗体のコンセンサス配列である。
本発明の抗体の実施形態の重鎖可変領域に対するフレームワーク配列の例としては、VHセグメントDP−5(Tomlinsonら、1992年、J.Mol.Biol.、227巻、776−98ページ)およびJセグメントJH4、JH1またはJH5(Ravetchら、1981年、Cell、27巻、583−91ページ)が挙げられるがこれに限定されない。VkセグメントL1(Coxら、1994年、Eur.J.Immunol.、24巻、827−36ページ)およびJセグメントJk4(Hieterら、1982年、J.Biol.Chem.、10巻、1516−22ページ)は、軽鎖可変領域に対するフレームワーク配列の例であるが、これらに限定されない。
好適な実施形態において、HCVR FR1フレームワークは[配列番号16]を含み;HCVR FR2フレームワークは[配列番号17]を含み;HCVR FR3フレームワークは[配列番号18]を含み;HCVR FR4フレームワークは[配列番号19]を含んでなる。別の好適な実施形態において、LCVR FR1フレームワークは[配列番号20]を含み;LCVR FR2フレームワークは[配列番号21]を含み;LCVR FR3フレームワークは[配列番号22]を含み;LCVR FR4フレームワークは[配列番号23]を含んでなる。別の好適な実施形態において、HCVRフレームワークは[配列番号86]を含み、X1はS、Y、F、またはLのいずれかであり;X2はYまたはWのいずれかであり;X3はAまたはFのいずれかであり;X4はS、TまたはLのいずれかであり;X5はN、G、S、DまたはAのいずれかであり;X6はFまたはYのいずれかであり;並びにX7はD、I、M、Y、L、V、QまたはFのいずれかである。別の好適な実施形態において、LCVRフレームワークは[配列番号87]を含み、X1はTまたはSのいずれかであり;X2はEまたはYのいずれかであり;X3はLまたはYのいずれかであり;X4はQ、T、またはCのいずれかであり;X5はNまたはHのいずれかであり;並びにX6はN、I、M、D、TまたはAのいずれかである。
別の好適な実施形態において、フレームワークおよび定常領域は、ヒトの配列と比較して、変更、欠失、付加、置換、またはこれらの任意の組み合わせを含んでなる。1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸を任意の組み合わせにおいて置換、欠失、または付加したフレームワークおよび定常領域が好適である。別の実施形態において、当該フレームワークは本願明細書にて開示のフレームワークと85−99%の配列同一性を有する。
一実施形態において、本発明の抗体結合組成物と共に用いる好適な重鎖定常領域は、IgG定常領域である。より好適な実施形態において、当該IgG定常領域は、IgG1定常領域またはIgG4定常領域(さらにより好適には[配列番号24]または[配列番号25]の定常領域)である。本発明の好適な軽鎖定常領域は、[配列番号26]である。別の好適な実施形態において、組成物に結合する抗体は、IgG1重鎖定常領域またはIgG4重鎖定常領域と、カッパ軽鎖定常領域を含んでなる。
本発明の抗体をコードするポリヌクレオチド配列も包含される。本発明のCDRsを用いる抗体の設計を行う場合、抗原結合ドナーおよびアクセプター配列に影響しそうな抗体フレームワーク内残基の同定は、抗体レパートリーに由来する配列テンプレートを整列することにより決定してもよい。「不変異残基」(Kabatら、1991年)および「キー残基」(Chothiaら、1989年)を同定してもよく、配列テンプレートに対して提案された配列をスクリーニングして、ドナー抗原結合ループL1−L3、H1およびH2それぞれの基準クラスの帰属を決定してもよい(例えば、MartinおよびThornton、1996年、Mol.Biol.、263巻、800−15ページを参照)。VH/VLインタフェースにおける残基(Chothiaら、1985年)およびコアサイトにおいて構造保存が知られた残基(Chothiaら、1998年)は、対応するドナーおよびアクセプター残基と比較される。これらのサイトにおける不適合ドナーおよびアクセプターフレームワーク残基は、公知構造の他の抗体からの情報に基づいて分析される(Bermanら、2000年、Nucl.Acids Res.、28巻、1号、235−42ページ)。非ヒトV領域のヒト化のために、ヒトのフレームワークをテンプレートとして選択すると、引き続いてどの残基をヒト化するかに関する決定が定義されうる。公知の結晶構造を有する抗体から、生殖系列、非生殖系列、または利用可能なデータベース由来のコンセンサス配列から、ホモログテンプレートを選択することも用いうる(例えば、Routledgeら(Routledgeら、1993年、Protein Engineering of Antibody Molecules for Prophylactic and Therapeutic Applications in Man(M.Clark編集)、pp14−44、Academic Titles、Nottingham、イギリス);およびB.Lo、2004年、Antibody Engineering: Methods and Protocols、Humana Press)を参照)。抗体設計の他の方法は、ベストフィットストラテジを用いてデータベース内の生殖系列配列を検索し、ドナーCDRsを受容するフレームワークとして、ヒト生殖系列に最も近い配列を選択することである(Tomlinsonら、1992年)。ヒト生殖系列は、強力な免疫原性である体細胞性の過剰変異を示さないので、生殖系列をフレームワークとする方法は有用である。フレームワーク領域および修飾したヒトフレームワークに埋め込まれた本発明のCDRsを組み合わせた、変異型の本発明の抗体をコードする核酸分子は、ヒトのサブグループをフレームワークに用いる、コンセンサスなヒト生殖系列のストラテジにより設計しうる(例えば、Prestaら、1993年、J.Immunol.、151巻、2623−32ページ;Coutoら、1994年、Hybridoma、13巻、215−9ページ;Coutoら、1995年、Cancer Res.(Suppl.)、55巻、5973s−7sページ;Wertherら、1996年、J.Immunol.、157巻、4986−95ページ;O’Connorら、1998年、Protein Engng、11巻、321−8ページを参照)。
抗体断片(記載のような)、または本願明細書の部分配列または配列番号も包含される。このようなタンパクおよび/またはポリペプチドは「フリースタンディング」であるか、若しくはより大きなポリペプチドまたはタンパクを含む場合があり、その断片は、フュージョンタンパク内に接続したもの等、例えば本願明細書の配列番号の単一連続領域等の部分または領域を形成する。こうした断片をコードするポリペプチドも包含される。
本発明の抗体は、化学合成、組み換え、遺伝子または分子操作等の、当業者に公知の任意の方法により作製されるが、製作方法は限定されない。典型的には、本発明の抗体をコードする核酸は、天然付随または異種性のプロモータ領域を含み、コードする配列に作動可能に結合した発現制御ポリヌクレオチド配列を含んでなる。好適には、発現制御配列は、真核生物の宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトするベクター中の真核生物のプロモータシステムであるが、原核生物宿主用の制御配列も用いる。ベクターは、適切な宿主細胞に取り入れられると、配列を発現するための、並びに所望により、軽鎖、重鎖、軽鎖/重鎖二量体、または未処理の抗体、結合断片または他の免疫グロブリン形態の収集および精製のための、好適な条件下で増殖される。ヒト定常領域DNA配列は、種々のヒト細胞、好適には不死化したB細胞から当業者に公知の方法により単離される。ポリヌクレオチド配列のための好適な原料細胞、および免疫グロブリン発現および分泌のための宿主細胞は、当業者に公知の原料から得られる。
本発明は、例えば残基マッチング最適化等の当業者に公知の方法を用い、本願明細書の配列に対して実質的な配列類似性(例えば、本発明の配列(または断片)に対して少なくとも87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または99%同一)を有する、機能性ポリペプチド配列を包含する。当該配列は、本発明の抗体の機能的特性(例えば、本願明細書に記載のアッセイにおいて成熟型ヒトTGF−β1、−β2および−β3に結合し中和する)を有する任意のものを含んでなる。このような機能に関連した実施形態は、CDRまたは定常領域において本発明の配列のアミノ酸残基の付加、置換、および/または欠失を含んでなる。アミノ酸置換および/または付加は、含まれる残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、および/または両親媒性の性質における類似性に基づいてもよい。同様に、非古典的アミノ酸または化学的アミノ酸アナログを、ポリペプチド配列中に置換または付加してもよい。このような変種は全て、本発明のユニークな処方またはポリペプチド配列並びに機能的な限定を特定している本願明細書にて教示を与えられる、分子生物学の当業者の想定内にある。
本発明の組成物の好適な実施形態は、以下の特性の1以上を有する。KdはTGF−β1に対して2×10-13M未満、TGF−β2に対して5×10-13M未満、TGF−β3に対して8×10-13M未満;koffはTGF−β1に対して8×10-6-1未満、TGF−β2に対して11×10-6-1未満、TGF−β3に対して13×10-6-1未満;konはTGF−β1に対して5×107-1-1より大きく、TGF−β2に対して2×107-1-1より大きく、TGF−β3に対して1.5×107-1-1より大きく;TGF−β1に対するFab組成物のKd改善は、TGF−β1に対する1D11.16 Fabに比べ少なくとも6000倍;抗体組成物のKd改善は1D11.16に比べ、TGF−β1に対し約34倍より大きく、TGF−β2に対して約13倍より大きく、TGF−β3に対して約9倍より大きく;IC50はHT−2アッセイ中1D11.16のIC50値の約300倍よりも高く;Smad2リン酸エステル化(本願明細書に記載)抑制のためのU87MGヒト腫瘍の異種移植モデルにおいて、ED50値は約11から17mg/kgの範囲;30日間貯蔵後(標準バッファ(例えばクエン酸塩(20mM)、リン酸塩(10mM)、またはPBS(10mMリン酸塩、150mM NaCl含有)等)中、pH(5.0、6.5、または7.4)、濃度1mg/mL、40℃)のサイズ排除クロマトグラフィーによる計測から本発明の組成物の凝集が5.0%未満;標準バッファ(例えばクエン酸塩(20mM)、リン酸塩(10mM)、またはPBS(10mMリン酸塩、150mM NaCl含有)等)中、pH<7.0、濃度1mg/mL、35℃未満)で30日間貯蔵後のカチオン交換クロマトグラフィー(CEX)による計測から、分解生成物1%未満または酸の形成なし;濃度2mg/mL、4℃で2週間貯蔵後、当業者に公知の方法およびpH6.0での透析回収による本発明の組成物のタンパク回収率が80%よりも大きい。
本発明の組成物は、TGF−β1、−β2および−β3の1以上に関連する疾患、障害、状態、症候、または症状を、調節、治療、抑制、寛解、または予防するための治療薬剤として有用である。抗体は、任意の公知の方法を用いて投与でき、通常の製薬的に許容できるキャリア、希釈剤、安定剤、および賦形剤と組み合わせて用いてもよい。これらの組み合わせは、密閉服用バイアル中の凍結乾燥により、または安定化した水溶性調製物中の貯蔵等により、服用形態になりうる。製薬的に許容できるキャリア、希釈剤、安定剤、および賦形剤は、公知またはMerck Index、Merck&Co.、Rahway、米国ニュージャージー州、等に記載のものである。
とりわけ、本発明の抗体(または断片)は、良性であれ悪性であれ、細胞、細胞群、または組織の単一または複数の局在的異常増殖という特徴を有して、任意の細胞、組織、任意の部位または任意の臓器、組織または身体部分の組み合わせに影響を与え、任意の疾患、症候群、障害、症状または状態を含んでなる、細胞増殖性障害の治療に有用である。本願明細書に定義のように、細胞増殖性障害は、例えば、血液癌(MDSまたはMPD等、巨核球の巻き込みを伴うもの等(例えばSakamakiら、1999年、Blood、94年、6巻、1961−70ページ等を参照)、有毛細胞白血病および慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)等の他の血液癌;肺非小細胞癌;乳癌;前立腺癌(ホルモン抵抗性を含む);卵嚢癌;肝細胞癌;膵臓癌;多発性骨髄腫;結腸、腹部、骨、乳房、消化器系、肝臓、膵臓、腹膜、内分泌系(例えば副腎腺、副甲状腺、下垂体、精巣、卵巣、胸腺または甲状腺等)、眼、頭部、頚部、神経系(中枢または末梢)、リンパ系、骨盤、皮膚、脾臓、胸部および泌尿生殖器系の新生物等を包含される。加えて、本発明の抗体は、筋消耗(悪液質等)の治療、筋成長促進(疾病後、外傷、再構成、置換等)等の骨格筋の疾患に対して有用である。
「化学療法剤」は癌治療に有用な化合物である。化学療法剤の例は、シクロホスファミドおよびフロロウラシル等のアルキル化剤;フロロウラシルおよびゲムシタビン等の代謝拮抗物質;アドリアマイシン等の抗生物質;並びに、ビンクリスチンおよびビノレルビン等の抗縮瞳剤等を含んでなる。
「抗血管形成剤」は、血管形成を、ある程度、阻止または妨害する化合物を指す。抗血管形成剤は、例えば、成長因子または血管形成の促進に関与する成長因子受容体に結合する低分子または抗体である。
本願明細書に用いる用語「細胞毒性化学療法」は、細胞の機能を抑制または妨害、および/または細胞破壊を起こす物質を指し、放射性同位体(At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32およびLuの放射性同位体)、および低分子毒またはバクテリア、菌、植物または動物起源の酵素活性毒物等の毒物を含んでなり、これらの断片および/または変異体を含んでなる。
ポリヌクレオチドが他のポリヌクレオチドと共に機能的な関係にあるとき、「動作可能に結合」するという。例えば、プロモータまたはエンハンサは、配列の転写に影響を及ぼす場合に、コードする配列に動作可能に結合する。ペプチドは、それをコードするポリヌクレオチドが動作可能に結合するとき、好適には同一のオープンリーディングフレームにある場合に、他のペプチドに「動作可能に結合」する。
用語「ベクター」は、プラスミドまたはウィルス性ベクターを含んでなるが限定されず、結合したものに他の核酸を輸送しうる核酸分子を含んでなる。ある種のベクターは導入された宿主細胞中で自律的に複製が可能であり、一方では、宿主細胞中への導入時に宿主細胞の遺伝子に統合されることにより、宿主遺伝子に伴って複製されるベクターもある。さらに、ある種のベクターは、動作可能に結合する遺伝子の発現を指揮しうる。このようなベクターは、本願明細書における「組み換え発現ベクター」(または単純に「発現ベクター」)を指し、ベクターの例は当業者に公知である。
本願明細書に使用のように、「セル」「宿主細胞」「セルライン」および「細胞培養液」という表現は交換可能に用いられ、HCVR、LCVRまたは本発明のモノクローナル抗体をコードする配列を含む、任意の単離された本発明のポリヌクレオチドまたは任意の組み換えベクターを受け入れるものである、個別の細胞または細胞培養を含んでなる。宿主細胞は単一の宿主細胞の子孫を含んでなり、この子孫は、自然、偶然、または計画的変異および/または変化によって、必ずしも最初の親細胞と完全に同一(形態学的にまたは全DNA補完において)でなくてもよい。宿主細胞は、インビボまたはインビトロにおいて、本発明のモノクローナル抗体若しくはその軽鎖または重鎖を発現する1以上の組み換えベクターまたはポリヌクレオチドで、形質転換、形質導入、または感染した細胞を含んでなる。本発明の組み換えベクターを含んでなる宿主細胞は(宿主のクロモソームへの取り込みが安定であってもなくても)、「組み換え宿主細胞」と呼ぶ。本発明の使用に好適な宿主細胞は、CHOセル(例えばATCC CRL−9096)、NS0セル、SP2/0セルおよびCOSセル(例えばATCC CRL−1650、CRL−1651)、HeLa(ATCC CCL−2)である。本発明の使用のためのさらなる宿主細胞は、植物細胞、酵母細胞、他の哺乳類細胞および原核生物細胞を含んでなる。
(抗体発現および精製)
本発明の抗体を発現するためには、軽鎖および/または重鎖の一部または全長をコードするDNAを、転写および翻訳制御配列に遺伝子が動作可能に結合するよう、発現ベクターに挿入する。発現ベクターおよび発現制御配列は、発現宿主細胞と互換性のあるものを選択する。抗体軽鎖遺伝子および抗体重鎖遺伝子は別々のベクターに挿入されうるか、あるいは、より典型的には両者の遺伝子は同一の発現ベクターに挿入される。抗体遺伝子は標準的な方法により発現ベクターに挿入される。加えて、組み換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗TGF−βモノクローナル抗体軽鎖および/または重鎖の分泌を容易にするシグナルペプチドをコードしうる。抗TGF−βモノクローナル抗体軽鎖および/または重鎖の遺伝子は、抗体鎖遺伝子のアミノ末端に対し、フレーム内でシグナルペプチドが動作可能に結合するよう、ベクター中にクローンしうる。シグナルペプチドは免疫グロブリンシグナルペプチドまたは異種性シグナルペプチドでありうる。
抗体重鎖および/または軽鎖遺伝子に加えて,本発明の組み換え発現ベクターは、宿主細胞内で抗体鎖遺伝子の発現を制御する調節配列を輸送する。用語「調節配列」は、プロモータ、エンハンサ、その他の、必要であれば抗体鎖遺伝子の転写または翻訳を制御する発現制御エレメント(例えばポリアデニル化シグナル)を含むものとする。発現ベクターの設計は、調節配列の選択を含み、形質転換のための宿主細胞の選択、所望のタンパクの発現レベル等の要因に依存する場合がある。哺乳類宿主細胞発現のための好適な調節配列は、サイトメガロウィルス(CMV)、サルウィルス40(SV40)、アデノウィルス(adenovirus major late promoter(AdMLP))、およびポリオーマウィルス等の、哺乳類細胞中で高レベルのタンパク発現を指揮するウィルスのエレメントを含んでなる。
抗体重鎖および/または軽鎖遺伝子に加えて,本発明の組み換え発現ベクターは、宿主細胞中でのベクター複製(例えば複製起点)を調節する配列、および1以上の選択可能マーカー遺伝子等の、さらなる配列を有していてもよい。選択可能マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選別を容易にする。例えば、典型的には選択可能マーカー遺伝子は、当該ベクターが導入された宿主細胞上で、G418、ヒグロマイシン、またはメトトレキサート等の薬剤への抵抗性を与える。好適な選択可能マーカー遺伝子は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子(DHFRマイナス宿主細胞中、メトトレキサート選別/増幅と共に用いるため)、および選別/増幅用GSネガティブセルライン(NS0等)中のグルタミン合成酵素(GS)を含んでなる。
軽鎖および/または重鎖の発現のため、軽鎖および/または重鎖をコードする発現ベクターを、電気穿孔、リン酸カルシウム塩析、DEAE−デキストラントランスフェクション、形質導入、感染等の標準的な方法により宿主細胞に導入する。本発明の抗体は、理論的には原核または真核宿主細胞のいずれでも発現しうるが、真核宿主細胞が好適であり、哺乳動物の宿主細胞が最も好適である。このような細胞は、適切に折り畳まれ免疫学的に活性な抗体を形成し分泌する可能性が高いためである。本発明の組み換え抗体を発現するための好適な哺乳類の宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(例えば、R.J.KaufmanおよびP.A.Sharp、1982年、Mol.Biol.、159巻、601−621ページ記載のDHFR選別可能マーカーと共に用いられる、UrlaubおよびChasin、1980年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77巻、4216−4220ページに記載のDHFR−CHO細胞を含む)、NS0骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2/0細胞を含んでなる。
抗体遺伝子をコードする組み換え発現ベクターを哺乳動物宿主細胞に導入するときは、抗体が宿主細胞中で発現でき、より好適には宿主細胞を増殖する培地中へ抗体を分泌しうるための十分な期間、宿主細胞を培養することにより、抗体を生産する。抗体は、標準的なタンパク質精製の方法を用いて、培地から回収しうる。
宿主細胞は、通常の技法により、インタクトな抗体、例えばFabフラグメントまたはscFv分子等の部分または断片の作製に用いうる。当業者であれば、上記手順の変異体が本発明の範囲内であることを理解する。例えば、本発明の抗体の軽鎖または重鎖のいずれかをコードするDNAを、宿主細胞に移入するのが望ましいことがある。組換えDNA技術は、TGF−βへの結合に不要である軽鎖および重鎖のいずれかまたは両方をコードするDNAの一部または全部を除去するために用いてもよい。そのような切断DNA分子から発現した分子も、本発明の抗体に包含される。
本発明の抗体の組み換え発現のための好適なシステムにおいては、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコードする組み換え発現ベクターを、電気穿孔によりGS−CHOセルに導入する。組み換え発現ベクター内では抗体重鎖および軽鎖遺伝子はそれぞれエンハンサ/プロモータ調節エレメント(例えば、SV40、CMV、アデノウィルス等に由来する、CMVエンハンサ/AdMLPプロモータ調節エレメントまたはSV40エンハンサ/AdMLPプロモータ調節エレメント)に動作可能に結合し、遺伝子を高レベルで転写させる。組み換え発現ベクターはDHFR遺伝子も輸送し、これによりメトトレキサート選別/増幅を用いるベクターでトランスフェクトされたCHOセルの選別が可能になる。選択された形質転換宿主細胞を培養して抗体重鎖および軽鎖を発現させ、培地から無傷の抗体を回収する。標準的な分子生物学の技法を用いて組み換え発現ベクターを調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養して培地から抗体を回収する。本発明の抗体またはその抗原結合部位は、ヒト免疫遺伝子を導入した動物(マウス等)中で発現しうる(例えばTaylorら、Nucleic Acids Res.、20巻、6287−95ページ、1992年等を参照)。
いったん発現すると、本発明の無傷の抗体、二量体、独立した軽鎖および重鎖、または他の免疫グロブリン形態は、硫酸アンモニウム塩析、イオン交換、アフィニティ、逆相、疎水性相互作用カラムクロマトグラフィ、ゲル電気泳動、および同様のものを含んでなる、当分野の標準的な手順に従って精製されうる。少なくとも約90%、92%、94%、または96%均一の実質的に純粋な免疫グロブリンが好適であり、98%から99%またはより以上の均一度が、薬理学的使用において最も好適である。部分的または所望の均一度となるまで精製した後に、本願明細書に記載のように、ペプチドを治療または予防に用いてもよい。
(組成物)
本発明の抗体は、患者への投与に適切な医薬組成物に取り入れることが可能である。本発明の化合物は、単独で、または、製薬的に許容できるキャリア、希釈剤および/または賦形剤と組み合わせて、単一または複数の服用において投与してもよい。投与のための組成物は、選択した投与様式において適切であるように設計され、製薬的に許容できる希釈剤、キャリア、および/または分散剤、バッファ、界面活性剤、保存料、可溶化剤、等張剤、安定剤および同様のもの等の賦形剤が適切に使用される。前記組成物は、例えば、一般的に当業者に公知の処方技術の概要を提供するRemington、”The Science and Practice of Pharmacy”、第19版、Gennaro編集、Mack Publishing Co.、Easton、米国フィラデルフィア州、1995年、等に記載の通常の技法に従って設計される。
本発明の抗体を含んでなる組成物は、静脈内、腹腔内、皮下、肺、経皮、筋肉内、鼻腔内、頬、舌下、または坐剤投与を含んでなる標準的な投与技術を用いて、本願明細書に記載の病理または障害を表す患者に投与されてもよい。
本発明の抗体の投与経路は非経口でもよい。好適には、本発明の抗体は、非経口薬投与に好適な医薬組成物中に取り入れうる。本願明細書に使用の非経口という用語は、静脈内、筋肉内、皮下、直腸、膣、または腹腔内投与を含んでなる。静脈内または腹腔内または皮下注射による末梢性全身輸送が好適である。
典型的には、組成物は、密閉バイアルまたは注射器等を含んでなる、製造および用意された容器内での貯蔵条件下において、無菌かつ安定でなければならない。従って、組成物は、処方作製後に無菌フィルター処理してもよく、あるいは微生物学的に許容できるよう作製してもよい。静脈内注入液のための典型的な組成物は、リンゲル溶液、生理食塩水、デキストロース液およびハンク溶液等、250−1000mlの流体体積、並びに治療上有効な投与量の抗体濃度(例えば1から100mg/mL)を有しうる。投与量は疾患の種類や重症度に依存して変化してもよい。医療技術において公知であるように、任意の1人の患者への投与量は、患者の大きさ、体表面積、年齢、投与する特定の化合物、性別、時間および投与経路、一般的健康状態、並びに同時に投与される他の薬物を含んでなる多くの要因に依存する。
例えば、典型的な投与量は0.001から1000μgの範囲であるが、この例の範囲を下回るまたは上回る投与量も、特に上述の要因を考慮して包含される。1日の非経口投与量の投与計画は、全体重に対し約0.1μg/kgから約100mg/kg、好適には約10μg/kgから5mg/kg、より好適には1日あたり体重に対して約10μg/kgから約3mg/kgでありうる。一定周期の試験により進行をモニターしてもよい。数日以上に渡る繰り返し投与においては、症状にもよるが、疾病症候に所望の抑制が発生するまで、治療を繰り返す。しかしながら、他の投与計画も有用である場合があり、本願明細書において排除することはない。所望の投与量は、抗体の1回のボーラス投与により、複数回のボーラス投与により、または継続的注入により、当業者が望む薬物動態の減衰パターンに依存して輸送されうる。
これらの示唆した抗体量は、治療学的な裁量に大きく従う。適切な用量および日程計画の選択における重要な要因は、得られる結果である。こうした文脈において考慮すべき要因は、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳類、個々の患者の臨床条件、障害の原因、抗体の輸送部位、特定の抗体の種類、投与方法、投与計画、および他の医療実務者に公知の要因を含んでなる。
本発明の治療薬剤は、貯蔵のために凍結または凍結乾燥してもよく、使用前に適切な無菌のキャリア中に再構成してもよい。凍結乾燥および再構成により、抗体活性の損失の程度は変化しうる。補償のために投与量を調節してもよい。一般的にはpH6から8が好適である。
(製品)
本発明の別の実施形態において、上記記載の障害または症状を治療するために有用な材料を含んでなる製品を提供する。製品は容器およびラベルを含んでなる。好適な容器は、例えば、ビン、バイアル、注射器および試験管を含んでなる。容器は、ガラスまたはプラスチック等の種々の材料で形成してもよい。容器は、障害または症状を治療するために有効な本発明の組成物を保持し、無菌のアクセスポートを有してもよい(例えば、容器は、皮下注射針により貫通可能なストッパを有する静脈注入バッグまたはバイアルでもよい)。組成物中の活性成分は、本発明の抗TGF−β抗体である。容器の表面または添付ラベルは、組成物が選択症状の治療用であることを表示する。製品は、さらに、リン酸緩衝食塩水、リンゲル溶液およびデキストロース溶液等の、製薬的に許容できるバッファを含んでなる第2の容器を含んでもよい。さらに、他のバッファ、希釈剤、フィルタ、針、注射器、および使用機器を伴うパッケージ内挿物を含んでなる、商用およびユーザの観点から望まれる他の材料を含んでもよい。
以下の実施例は単なる例示を目的とし、いかなる点においても本発明の範囲を限定する意図はない。
(実施例1:抗体生産および生成)
本発明の抗体の軽鎖および重鎖の同時発現のために、重鎖および軽鎖をコードする両者の遺伝子をクローンし、分離したhCMV−MIEプロモータの制御下で、それぞれの遺伝子を有するダブルジーンベクターを生成した。軽鎖および重鎖コード配列の両者をDNAシーケンシングし、正しいコード配列を確認した。
本発明の抗体の軽鎖および重鎖の同時発現のための発現プラスミドは、シングルカッティング酵素Sal Iにより直線化し、酢酸ナトリウムおよびエタノール中で沈殿させ、氷冷70%エタノールで洗浄し、無菌バイオセーフティキャビネット内で風乾した。次いでDNAペレットをトランスフェクション培養液に再溶解し、CHOセルへのトランスフェクションに用いた。トランスフェクションは、GenePulsar(Biorad、Hercules、米国カリフォルニア州)を300V、1120μFdで用い、セル−DNA混合物を電気穿孔して実施した。次いで、本発明の抗体を発現するクローンを限界希釈法により生成し、さらに抗体生産および精製のために増殖した。本発明の抗体は、硫酸アンモニウム塩析、イオン交換、アフィニティ、逆相、疎水性相互作用カラムクロマトグラフィ、ゲル電気泳動法等を含んでなる、当分野の標準技法に従って精製した。
(実施例2:ELISA)
Costar3366をコーティングしたマイクロタイタープレートを用いてELISAを実施した(終夜、4℃、0.4μg/ml TGF−β1、TGF−β2、またはTGF−β3)。次いでプレートを洗った後(2回)、ブロック液(洗浄バッファ中10mg/ml BSA)を加えた(100μL)。Fab希釈物を、コーティングしたウェル中でインキュベートした(1.5時間、22℃)。洗浄後、抗ヒトカッパアルカリホスファターゼコンジュゲートを加えてインキュベートした(1時間、22℃)。よく洗浄した後に比色試薬を加え、吸光度を測定した(A560)。
別の例において、結合組成物を競合ELISAで試験した。典型的には、抗体等の、抗体への結合において抗原と競合しうる化合物が、まず溶液中で抗体と結合し、次いで抗体と抗原の結合度を続いて測定する、溶液相アッセイを実施した。材料:カーボネートコーティングバッファ(50mM炭酸ナトリウム、pH9.6)。抗原:GF−β1(R&D Systems、カタログ番号240−B/CF、239μg/ml)、TGF−β2(RDI、カタログ番号RDI−1035、50μg/ml)、およびTGF−β3(RDI、カタログ番号RDI−1036/CF、50μg/ml)をコーティングバッファ中で0.4μg/mLに希釈した。洗浄バッファ(0.02Mトリス、pH7.4、0.15M NaCl、0.1% Tween20)および洗浄バッファに溶解したブロッキング液10mg/ml BSA(Sigma A−4503)。ポジティブコントロールに用いたタンパクは、マウス抗ヒトTGF−β1、−β2または−β3(R&D Systems、カタログ番号1D11)、マウス抗ヒトTGF−β2(R&D Systems、カタログ番号BAF302)およびマウス抗ヒトTGF−β3(R&D Systems、カタログ番号BAF243)であり、ブロックバッファ中1μg/mlに希釈した。検出抗体コンジュゲートは、抗マウスカッパ−ペルオキシダーゼコンジュゲート(Southern Biotech、カタログ番号1050−05)とした(ブロッキング液中での使用濃度1:2000)。呈色反応試薬は、o−フェニレンジアミン(OPD)タブレット(Sigma、カタログ番号P−6912)を、試薬バッファ(0.1M Na2HPO4、0.05Mクエン酸にてpH5.0)に溶解した。OPD使用溶液(すなわち1つの196ウェルプレートに対する体積)は、基質バッファ12.5mLに5mgのOPDタブレット1個を、次いで5μlの30% H22を溶解し、それぞれのプレート発現前に都度作製した。プロトコル:1つの96ウェルプレートを抗原(TGF−β1、−β2または−β3、0.4μg/ml、ウェルあたり50μl分注)でコーティングし、テープで封入して貯蔵した(16−20時間、4℃)。プレートを洗浄バッファ中で洗浄(2回)した後、ブロッキング液(各ウェル100μL、洗浄バッファ中10mg/ml BSA)を加えた。インキュベート(約1時間、−22℃)後、プレートを洗浄バッファで洗浄(2回)し、次いで100μLの試料(バッファ希釈)または参照(PBS希釈)のいずれかを各ウェルに加えてインキュベートした(1.5時間、−22℃)。インキュベート後、プレートを洗浄バッファで洗浄(6回)し、次いで抗マウスカッパ−ペルオキシダーゼコンジュゲート(ブロッキング溶液中1:2000に希釈)またはSA−HRP(ブロッキング溶液中1:10000に希釈)のいずれかを加えた(100μL/ウェル)。被検試料をインキュベートし続け(1時間、−22℃)た後、OPD基質をウェルあたり100μL加えた。呈色が現れた後(約10分)、490nmの吸光度で96ウェルプレートを測定した。
(実施例3:Fabsの速度定数)
KinExA3000(Sapidyne Inst. Inc.)で結合速度を測定した。端的には、抗原をアズラクトンビーズに共有結合させ、本発明を含まないFabのビーズへの結合を計測機器で検出した。Kd測定のため、減少方向に順次希釈した抗原(0−250nM)を有する20pM Fab(抗体として200pM)を含むそれぞれの試験管を、インキュベート(1−6日、−25℃、1%BSA、0.02%アジドおよび0.01%Tweenを含むPBS中)した。インキュベート後、平衡化した各試料中のフリーのFabを、製造メーカーの取扱説明書に従いKinExa3000で計測した。Kd値は、KinExa3000ソフトウェアを用いて決定した。kon測定のため、2nMのFabそれぞれを、製造メーカーの取扱説明書に従い、注入法を用いて0−240nMの抗原と混合し、未結合のFabを検出した。結果のデータを、KinExa3000ソフトウェアでのkonの計算に用いた。koffは、式Kd=koff/konを用いて算出した。以下の表1に、TGFベータ1に結合する態様のFabに対してKinExA(著作権)条件下で得られたアフィニティのデータを示す。
Figure 2009521496

同様の、TGF−β2のアフィニティ結合に対するKinExA(著作権)条件下でのFabデータでは、Kd<35pMを示した。
(実施例4:抗体の速度定数)
速度定数測定の別法も知られている。例えば、TGF−β1(R&D Systems、カタログ番号240−B/CF)、TGF−β2(RDI、カタログ番号RDI−1035)、およびTGF−β3(RDI、カタログ番号RDI−1036/CF)に対する本発明抗体のアフィニティはBIAcore(登録商標)2000により測定される。本発明の全長モノクローナル抗体に対する結合アフィニティ測定は、Biacoreを用いて計測した。記載を除き、全ての試薬および機器はBIAcore(登録商標)AB(Upsala、スウェーデン)から購入した。全ての測定は室温で行った。試料は、HBS−EPバッファ(150mM塩化ナトリウム、3mM EDTA、0.01%(w/v)界面活性剤P−20および10mM HEPES、pH7.4)に溶解した。組み換えタンパクAを、アミン結合キットを用い、400−450反応ユニット(RU)のレベルで、CM4センサーチップの4フローセル全てに固定した。複数の分析サイクルを用いて結合を評価した。各サイクルは、50μL/分のフローレートで次のステップを含めて実施した:0.5μg/mL抗体を12μL注入、TGF−β1を250μL注入(各サイクル5nMで開始し、0.13nMまで順次2倍希釈、各濃度で2回注入)した後、短時間(5分)または長時間(120分)のいずれかで解離、10mMグリシン塩酸塩、pH1.5、50μLを2回注入して再生。サイクルあたりの会合および解離速度は、konおよびkoff速度定数を抽出するためのClamXP(Center for Biomolecular Interaction Analysis、Univ.of Utah)を用いる単純会合モデルでバイオセンサーのデータをフィッティングすることにより求め、平衡結合定数Kdを、Kd=koff/konから算出した。
本発明の全長モノクローナル抗体は、標準の方法を用い、IgG4 Fc領域に動作可能に結合したFabにより構築した:mAb 3.A(配列番号76の軽鎖および配列番号77の重鎖を含んでなる);mAb 4.17(配列番号84の軽鎖および配列番号85の重鎖);mAb 12.4(配列番号78の軽鎖および配列番号79の重鎖);mAb 12.7(配列番号80の軽鎖および配列番号81の重鎖);並びに、mAb 12.8(配列番号82の軽鎖および配列番号83の重鎖)。上述のアッセイを用いてmAbを測定した結果を、下記の表2に示す。
Figure 2009521496
(実施例5:特異性)
BIAcoreは、潜在的形態のTGF−β1、−β2および−β3等の、物質に対する抗体の特異性の試験に用いた。全ての測定は室温で実施した。試料をHBS−EPバッファ(150mM塩化ナトリウム、3mM EDTA、0.01%(w/v)界面活性剤P−20および10mM HEPES、pH7.4)に溶解した。組み換えタンパクAを、アミン結合キットを用い、400−450反応ユニット(RU)のレベルで、CM4センサーチップの4フローセル全てに固定した。複数の分析サイクルを用いて結合を評価した。各サイクルは、100μL/分のフローレートで次のステップを含めて実施した:1μg/mLの抗体結合組成物を15μL注入、5nM TGF−β1、5nM潜在的TGF−β2、または5nM TGF−β3のいずれかを250μL注入した後、短時間(5分)解離させ、10mMグリシン塩酸塩、pH1.5、50μLを2回注入して再生。抗体、次いでリガンドを捕獲後の信号量を、機器制御ソフトウェアを用いて計測した。信号は、捕獲したタンパクの質量に比例するので、捕獲したリガンドの化学量論が直ちに算出できる。このような条件下では、本発明の抗体に対するデータは、潜在的TGFアイソフォームの特異的結合を顕著には示さなかった。
(実施例6:HT−2セル中和アッセイ)
抗体のTGF−β生物活性中和能の試験には、Tsangら(1995年、Cytokine、7巻、389−97ページ)のHT−2細胞増殖アッセイを用いうる。HT−2アッセイは、IL−4依存HT2セルラインの細胞増殖を抑制および/または顕著に減少させることにより、TGF−βの生物活性における抗体の中和特性を評価する。端的には、HT−2セルはIL−4により投与量依存的に増殖するが、TGF−βによりアポトーシスが起きる。TGF−βの増殖抑制は、抗TGF−β抗体の添加により阻止される。ヒトHT−2セルは、IL−4に応答して増殖するが、TGF−β1、−β2または−β3はIL−4誘発性の増殖を抑制する。よって、IL−4誘発性のHT−2セルに対するTGF−βの通常抑制効果を抗体が妨害するならば、抗体には中和作用がある。従って、細胞増殖を抑制する量のTGF−β1、−β2または−β3を含んでなるHT−2セル混合物に、TGF−β1、−β2および−β3に特異的に結合する組成物の十分な量を添加するならば、IL−4誘発性の細胞増殖は制約なく進行するはずである。投与量応答性の中和能試験は、特定のTGF−βアイソフォームおよびIL−4増殖シグナルの存在下でHT−2アッセイを用いて行った。
細胞増殖度は、市販の細胞増殖アッセイ(例えば、Promega社製CellTiter 96(登録商標) AQueous One Solution Cell Proliferation Assay)を用いて計測した。HT−2セルは、10%FBS、ペニシリン/ストレプトマイシン(それぞれ100U/mlおよび100μg/ml)、50μMベータメルカプトエタノールおよび10ng/ml hIL−2(R&D Systems)を補給したRPMI 1640中に維持した。セルは、Jouvan CR422遠心分離器にて1000RPMで遠心分離し、PBSで再懸濁した。PBSで洗浄(2回)後、セルを最終的に再懸濁した(Assay Media(2% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシン(それぞれ100U/mlおよび100μg/ml)、50μMベータメルカプトエタノールを補給した、フェノールレッドを含まないRPMI 1640)中、0.15×106セル/ml)96ウェルプレートの各ウェルに、Assay Media中のセル50μlを加えた。種々の濃度の本発明の抗体を、組み換えTGF−β1、−β2または−β3(Assay Media中300pg/ml)と共にプレインキュベートした。30分プレインキュベートした後、TGF−β/抗体の混合物50μlをHT−2セルに加え、直ちに6.0ng/mlのマウスIL−4(最終2.0ng/ml)を含むAssay Media 50μlを加えた。Assay Mediaでインキュベート(20−48時間、加湿、5%CO2大気中、37℃)した後、CellTiter 96 Aqueous solution(Promega Corp)35μlを加えた。さらにインキュベート(2−3時間、上述同様)した後、CellTiter 96(登録商標)比色アッセイ(490nmの吸光量により測定されるホルマザン生成物量は直接的に生存細胞数に比例する)を用い、ELISAプレート上、490nMにおける分析によりアッセイを定量した。1D11.16、すなわちATCC−HB9849と比較して、本発明の抗体は、表3に示すように、TGF−β1、−β2および−β3誘発性細胞死の中和および中和能の改善を示した(例えば、IC50<0.1mg/mLまたは<125pM)。
Figure 2009521496
(実施例7:異種移植中和アッセイ)
TGF−βリガンドは、TGF−βRIおよびTGF−βRII受容体に結合すると、Smad−2タンパクがリン酸エステル化して下流に癌等の生物学的作用を生じる、情報伝達カスケードを活性化する。
Smad2リン酸エステル化の抑制および/または有意の減少は、転写活性を介するTGF−βの生物活性を中和することが証明された(例えば、Liら、2005年、World J.Surg.、29巻、3号、306−11ページを参照)。抗体のインビボでの中和の有効性を評価するため、異種移植モデルおよび/または複数の臓器または組織中において、本発明の抗体に曝露した後の、例えば癌等の細胞増殖性症状における中和有効性の証拠を提供する、リン酸−Smad2レベルを求めた。インビボの有効性試験は、高度に血管化したU87MGヒト腫瘍異種移植モデルを用いるphospho−Smad2阻害度測定アッセイ(Plowmanら、1997年、"Human tumor xenograft models"、Anticancer Drug Development Guide、 Preclinical Screening, Clinical Trials, and Approval、 Teicher B編集、101−25ページ、Humana Press、Totowa、米国ニュージャージー州、を参照)により行った。雌性胸腺欠損nu/nuヌードマウス(Charles River、約22−24g)を検疫および維持(7日、随時食事および水)した後、実験操作した。サブコンフルエント状態のヒトU87MGグリオブラストーマ細胞(腫瘍成長用Matrigel(BD Bioscience、1:1v/v)混合培地0.2ml中、約5×106/動物)を脇腹注射(s.c.)して、試験を開始した。次いで、腫瘍体積が約300mm3に達するまで異種移植をモニターし、次いで動物はランダムに治療グループ(10/グループ)に分割して投与を開始した。2週間の投与期間中に週2回(q4d)、食塩水ビヒクル中の種々の投与量(例えば、1、10、100μg/動物)でmAb 12.7を投与(i.p.)した時を、腫瘍インプラント後治療の開始とした。食塩水およびヒトIgG4参照(100μg)を平行して投与した。最終投与の48時間後に動物を屠殺し、腫瘍および肺試料を収集し、液体窒素で急速凍結した。引き続き、リン酸化または全Smad2に対する抗体を用いるELISAにより、Smad2リン酸化を分析するため、試料を粉砕溶解した。心臓穿刺を行い、EDTA処理チューブで血液も収集した。血液試料を遠心分離(800rpm、4℃、30分;次いで3000rpm、4℃、10分)して血漿試料を得て、分析まで貯蔵した(−80℃)。JMP5.1(SAS Institute)を用いてSmad2リン酸エステル化の統計的比較を実施した。参照と共に一方向ANOVAおよびDunnettテストも用いた。本発明の組成物での処理により誘発されるターゲットの抑制を評価するために、phospho−Smad2レベルを試験した。組織サイズおよびプロセス取り扱いによる分散を最小化するため、phospho−Smad2レベルを全Smad(または全タンパク)に対して正規化した。このU87MG異種移植モデルのデータは、投与量依存性のSmad2リン酸エステル化抑制を示し、細胞増殖におけるTGF−βの作用の調節における、インビボでの中和能を示している。データは10μgの投与量がSmad2リン酸エステル化を60%(p=0.015)抑制することを示し、100μgの投与では72%抑制(p<0.0001)された。さらに、本発明の組成物の100μgの投与において、肺組織ではSmad2リン酸エステル化における75%の抑制(p<0.001)が認められた。リン酸−Smad2レベルの投与量に依存する減少(全Smad(T−Smad)に対する相対値)および、肺組織におけるリン酸−Smad2レベルの減少(100μg投与)もあった。リン酸−Smad2レベルを全Smadレベルまたは全Smad(tSmad)の平方根で正規化すると同様のデータが得られることから、腫瘍成長抑制の割合が本発明の結合組成物の投与量の増大に相関することがさらに示された。
配列表
配列番号1は成熟型ヒトTGF−β1鎖のアミノ酸配列である。
配列番号2は成熟型ヒトTGF−β2鎖のアミノ酸配列である。
配列番号3は成熟型ヒトTGF−β3鎖のアミノ酸配列である。
配列番号4は本発明の抗体のVHCDR1アミノ酸配列である。
配列番号5は本発明の抗体のVHCDR2アミノ酸配列である。
配列番号6は本発明の抗体のVHCDR3アミノ酸配列である。
配列番号7は本発明の抗体のVLCDR1アミノ酸配列である。
配列番号8は本発明の抗体のVLCDR2アミノ酸配列である。
配列番号9は本発明の抗体のVLCDR3アミノ酸配列である。
配列番号10は本発明の抗体のVHCDR1アミノ酸配列である。
配列番号11は本発明の抗体のVHCDR2アミノ酸配列である。
配列番号11は本発明の抗体のVHCDR3アミノ酸配列である。
配列番号13は本発明の抗体のVLCDR1アミノ酸配列である。
配列番号14は本発明の抗体のVLCDR2アミノ酸配列である。
配列番号15は本発明の抗体のVLCDR3アミノ酸配列である。
配列番号16はヒトHCVR FR1フレームワークのアミノ酸配列である。
配列番号17はヒトHCVR FR2フレームワークのアミノ酸配列である。
配列番号18はヒトHCVR FR3フレームワークのアミノ酸配列である。
配列番号19はヒトHCVR FR4フレームワークのアミノ酸配列である。
配列番号20はヒトLCVR FR1フレームワークのアミノ酸配列である。
配列番号21はヒトLCVR FR2フレームワークのアミノ酸配列である。
配列番号22はヒトLCVR FR3フレームワークのアミノ酸配列である。
配列番号23はヒトLCVR FR4フレームワークのアミノ酸配列である。
配列番号24はヒト重鎖定常領域アミノ酸配列である。
配列番号25は別のヒト重鎖定常領域アミノ酸配列である。
配列番号26はヒト軽鎖定常領域アミノ酸配列である。
配列番号27−50は本発明の特定の抗体のヒト化軽鎖可変領域(LCVR)アミノ酸配列である。
配列番号51−75は本発明の特定の抗体のヒト化重鎖可変領域(HCVR)アミノ酸配列である。
配列番号76−85は本発明の特定の抗体のヒト化重鎖及び軽鎖(HC及びLC)アミノ酸配列である。
配列番号86−87は本発明の特定の抗体のヒト化重鎖及び軽鎖(HC及びLC)アミノ酸配列である。
配列番号88−102は本発明の好適な抗体の重鎖及び軽鎖CDRのアミノ酸配列である。
配列番号103−112は本発明の好適なLCVR及びHCVRをコードするDNA配列である。
AおよびBは、それぞれ本発明の好適な抗体の重鎖および軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。CDR領域を太字で示す。 AおよびBは、それぞれ本発明の好適な抗体のCDR領域のアミノ酸配列の配列比較を示す。差異を太字および下線で示す。 本発明のモノクローナル抗体、すなわちmAb12.7の軽鎖および重鎖アミノ酸配列を列挙する。

Claims (11)

  1. 成熟型ヒトTGF−β1、成熟型ヒトTGF−β2、および成熟型ヒトTGF−β3を中和し、成熟型ヒトTGF−β1に対してKdが4.0×10-12以下であり、成熟型ヒトTGF−β2に対してKdが8.0×10-12以下であり、並びに成熟型ヒトTGF−β3に対してKdが4.0×10-12以下である、ヒト化モノクローナル抗体。
  2. 成熟型ヒトTGF−β1、成熟型ヒトTGF−β2、および成熟型ヒトTGF−β3を中和し、インビトロHT−2セル中和アッセイにおいて、成熟型ヒトTGF−β1に対してIC50が100pM以下であり、成熟型ヒトTGF−β2に対してIC50が400pM以下であり、並びに成熟型ヒトTGF−β3に対してIC50が200pM以下である、抗TGF−βモノクローナル抗体。
  3. 前記抗体は重鎖可変領域(HCVR)および軽鎖可変領域(LCVR)を含んでなり、前記HCVRは配列番号96または配列番号100に示すペプチドをCDRH1に、配列番号97、配列番号99,配列番号101または配列番号102に示すペプチドをCDRH2に、配列番号98に示すペプチドをCDRH3に含んでなり、前記LCVRは配列番号88、配列番号91、配列番号92、または配列番号93に示すペプチドをCDRL1に、配列番号89または配列番号94に示すペプチドをCDRL2に、配列番号90または配列番号95に示すペプチドをCDRL3に含んでなる、請求項1または請求項2に記載のモノクローナル抗体。
  4. さらにヒトフレームワーク領域を含んでなる、請求項2に記載のモノクローナル抗体。
  5. 配列番号64、68、69、70および74からなる群から選ばれる配列を有するHCVR、並びに配列番号41、43、45、46および50からなる群から選ばれる配列を有するLCVRを含んでなる、請求項1から3のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体。
  6. 配列番号69に示す配列を有するHCVR並びに配列番号45に示す配列を有するLCVRを含んでなる、請求項4に記載のモノクローナル抗体。
  7. 配列番号77、79、81、83および85からなる群から選ばれる配列を有する重鎖、並びに配列番号76、78、80、82および84からなる群から選ばれる配列を有する軽鎖を含んでなる、モノクローナル抗体。
  8. 配列番号81に示す配列を有する重鎖、および配列番号80に示す配列を有する軽鎖を含んでなる、請求項7に記載のモノクローナル抗体。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の前記抗体、および製薬的に許容できるキャリアを含んでなる組成物。
  10. 医薬として用いる、請求項1から8のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体。
  11. 治療を必要とする患者における細胞増殖性障害の治療のための医薬の製造における、請求項1から8のいずれか1項に記載の前記抗体の使用。
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