JP2009520747A - アクリル酸を形成するためのプロピレンの不均一触媒部分気相酸化の方法 - Google Patents

アクリル酸を形成するためのプロピレンの不均一触媒部分気相酸化の方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、アクリル酸を形成するためのプロピレンの不均一触媒部分気相酸化方法に関する。前記方法によれば、反応開始混合物は、不純物としてシクロプロパンを含有し、アクリル酸は、生成物ガス混合物から凝縮相に変換された後、結晶化による分離によって分離分離される。

Description

本発明は、プロピレンからアクリル酸への不均一触媒部分気相酸化の方法に関する。本方法では、第1の反応ゾーンにおいて、プロピレン、分子酸素、および少なくとも1つの不活性希釈ガスを含み、かつO2:C36のモル比が1以上で分子酸素とプロピレンを含む開始反応ガス混合物1を、高温の第1の反応段階で、まず、活性組成物としてMo、FeおよびBiを含む少なくとも1つの多金属酸化物を触媒が有する少なくとも1つの第1の触媒床に通して、触媒床を1回通過した際のプロピレン変換率が90mol%以上となり、かつアクロレイン形成とアクリル酸副生成物形成を合わせた付随する選択性SACが80mol%以上となるようにし、第1の反応段階を終えた生成物ガス混合物1の温度を、適宜、直接冷却により、または間接冷却により、または直接および間接冷却により低下させ、さらに適宜、分子酸素の形態の、または不活性ガスの形態の、あるいは分子酸素および不活性ガスの形態の2次ガスを、生成物ガス混合物1に添加し、次いで、生成物ガス混合物1を、アクロレイン、分子酸素、および少なくとも1つの不活性希釈ガスを含み、かつO2:C34Oのモル比が0.5以上で分子酸素およびアクロレインを含む開始反応ガス混合物2として、高温の第2の反応段階で、活性組成物としてMoおよびVを含む少なくとも1つの多金属酸化物を触媒が有する少なくとも1つの第2の触媒に通して、触媒床を1回通過した際のアクロレイン変換率が90mol%以上となり、かつ両反応段階にわたって評価された、変換されたプロピレンに基づくアクリル酸形成の選択性SAAが70mol%以上となるようにし、その後、第2の反応段階で形成された生成物ガス混合物2に含まれるアクリル酸を、第1の分離ゾーンにおいて、現在の相から凝縮相に変換し、次いで、第2の分離ゾーンにおいて、少なくとも1つの熱分離工程を使用することにより、濃縮相からアクリル酸を分離する。
プロピレンの部分酸化生成物として、アクリル酸は、その形態でまたはそのアルキルエステルの形態で、例えば付着剤または超吸水性ポリマーとして適切なポリマーを得るために使用される重要なモノマーである(例えば、国際公開第WO 02/055469号および国際公開第WO 03/078378号を参照)。
本書の冒頭に記載した方法によるアクリル酸の製造は、既知である(例えば、ドイツ特許出願第DE−A 102 45 585号、国際公開第WO 03/011804号、ドイツ特許出願第DE−A 101 31 297号、国際公開第WO 01/96270号を参照)。
この手順の開始物質として必要となるプロピレンは、通常は粗プロピレンとして開始反応ガス混合物1に添加される。化学的に純粋なプロピレンとは対照的に、粗プロピレンはまた、粗プロピレンに基づき最高10体積%以上である場合があるプロピレンとは化学的に異なる成分(不純物)も含む。例えば、粗プロピレンはまた、不均一触媒部分プロパン脱水素の生成物ガス混合物である場合もある(ドイツ特許出願第DE−A 102 45 585号およびドイツ特許出願第DE−A 10 2005 022 798号を参照)。基本的には、粗プロピレンに含まれるすべての不純物を粗プロピレンに含まれるプロピレンから分離する場合がある(例えば、ドイツ特許出願第DE−A 35 21 458号およびドイツ特許出願第DE−A 102 45 585号を参照)。しかし、これは、不純物がプロピレンからアクリル酸への不均一触媒部分酸化において不活性に作用する場合には必要でない。後者の特性を有する場合、不純物は、開始反応ガス混合物1において単に不活性希釈ガスとして作用する(国際公開第WO 01/96270号およびドイツ特許出願第DE−A 33 13 573号を参照)。本書において、これはごく一般的には、部分酸化の過程で、それぞれが単独で、少なくとも95mol%、好ましくは少なくとも97mol%、最も好ましくは99mol%以上、化学的に不変のまま維持されるガスを指す。生成物ガス混合物2のアクリル酸を濃縮相に変換する過程で、これらの不活性ガスは、通常、残留ガスとして気相のまま残っており、そのため、部分酸化の前にプロピレンを分離する場合よりも比較的簡単な方法で、部分酸化後に標的生成物から分離することができる。プロピレンからアクリル酸への部分酸化に関して、プロパンは、これまで技術文献においてこのような不活性希釈ガスであると考えられていた。これに関しては、アクリル酸を製造するための原料となるプロピレンを、このような原料としてプロパンに置き換えることさえ考えられている。この場合、プロパンは、第1の手順でプロピレンに部分的に脱水素化し、次いで、この第1の手順で形成したプロピレンを、未変換プロパンの存在下において不均一触媒下でアクリル酸に部分酸化する(国際公開第WO 01/96270号を参照)。通常の場合、このようにして得られる開始反応ガス混合物1のプロパンは、主要成分さえも形成した。未変換プロパンを含み、かつ生成物ガス混合物からの標的生成物の凝縮において残留する残留ガスを、脱水素および/または部分酸化に再利用することで、このようにプロパンは最終的にはアクリル酸に完全に変換することができる(例えば、ドイツ特許出願第DE−A 02 45 585号、第DE−A 10 2005 009 885号、第DE−A 10 2005 010 111号を参照)。ごく少量のプロパン(使用量に基づく大きさの程度は0.01重量%)をプロピオン酸(最も少ない量でも臭いが不快であり、かつフリーラジカル重合できないために、アクリル酸の望ましくない随伴物)に変換することができるが、このような小量の副生成物の変換は、例えば、プロパンを含む開始反応ガス混合物1をプロパン以外の不活性希釈ガス(例えば、N2、H2O、CO2、希ガス、これらのガスの混合物など)でさらに希釈することによって抑制することができる(例えば、国際公開第WO 01/96270号を参照)。
しかし、上述の考察は、プロピレン汚染物質がアクリル酸への不均一触媒部分酸化において不活性に作用せず、代わりに大部分がアクリル酸形成の副生成物に変換されてしまう場合には、もはや有効ではない。これは、通常の場合、形成される副生成物が標的生成物の不純物として標的生成物とともに排出できないことに起因する。その代わりに、多くの場合、所望の標的生成物を使用する目的においては、たとえ少量の標的生成物の汚染物質であっても厄介な影響を及ぼすことから(例えば、アクリル酸を使用して、主に衛生業界の超吸水性材料として使用されるポリアクリル酸ならびに/またはその完全中和および/もしくは部分中和アルカリ金属塩を製造する場合;あるいはアクリル酸を使用してアルキルエステルを製造し、アルカリエステルを使用して、付着剤として適切なポリマーを製造する場合)、凝縮形態の標的生成物を含み、かつ第1の分離ゾーンで形成される相から、少なくとも1つの熱分離工程を使用して、これを第2の分離ゾーンにおいて分離しなければならない(またはその逆の場合も同様)。このような分離は、比較的費用がかかり、不都合なことがある。このような場合は、部分酸化の前に適切なプロピレン不純物を分離することを試みるのが適切であろう。
多くの場合は、並行手順も使用される。すなわち、プロピレン不純物の一部を、プロピレンの部分酸化の前に分離し、残りの部分は、プロピレンの部分酸化を実施した後に、少なくとも1つの熱分離工程により、分離ゾーン2においてアクリル酸副生成物としてアクリル酸から分離する(またはその逆の場合も同様)。
熱分離工程とは、互いに異なる少なくとも2つの物質相(例えば、液体と液体、気体と液体、固体と液体、気体と固体など)を生成し、互いに接触させる工程を意味するものとして理解する必要がある。これらの相の間には不均衡が存在するため、これらの相間で熱および質量の移動が生じ、最終的には所望の分離(分離)が行われる。熱分離工程という用語は、物質相の形成には熱の抽出もしくは供給が必要であること、および/または熱エネルギーを抽出もしくは供給することで質量の移動が促進もしくは維持されることを反映している。
したがって、本発明の状況における熱分離工程とは、蒸留、精留、結晶化、抽出、共沸蒸留、共沸精留、剥離、脱着などである(国際公開第WO 04/063138号も参照)。
結晶化熱分離工程は、特に資本集約的な工程であると考えられており、したがって、この工程を回避する試みが一般的に行われている。
驚くべきことに、粗プロピレンにおいて一般的なプロピレンの随伴物であるシクロプロパンは、冒頭に記載したプロピレンからアクリル酸への不均一触媒部分酸化の状況において不活性ガスを形成しないことが、現在組織内研究の過程で判明している。触媒(例えばPt)の存在下において100℃から200℃に加熱する過程で、シクロプロパンはプロピレンに異性化する(例えば、Lehrbuch der Organischen Chemie [Textbook of organic chemistry], Beyer・Wafter, Hirzel Verlag Stuttgart, page 390, 1991)。しかし、冒頭に記載したプロピレンからアクリル酸への不均一触媒部分酸化の過程では、シクロプロパンがプロピレンに対して極めて異なる作用を及ぼし、プロピレンのように、ほぼ排他的に反応してアクリル酸を産生することはなく、その代わりに、全く予想外にも、大量かつ驚くほど多量にプロピオン酸を産生する。したがって、本発明の目的は、プロピレンからアクリル酸への2段階不均一触媒部分酸化の経路を介して、例えばプロピオン酸が極めて少ないアクリル酸を製造する状況下で、この驚くべき可能性の発見を活用することであった。このことはまた、上述のプロピレンへの異性化が、部分酸化の前にシクロプロパンを排除するのに適切な経路であると考えられていた背景とも矛盾している。基本的に、プロピレンとシクロプロパンは、標準圧力(1バール)下における沸点が互いに十分異なることから、精留を行うことで互いに分離させることもできる(プロピレン沸点=−47℃;シクロプロパン沸点=−32.8℃)。上述の疑問およびその回答は、具体的には、分離ゾーン1に残留しかつ部分酸化で不完全に変換されたシクロプロパンを含む残留ガスの少なくとも一部が、開始反応ガス混合物1の成分として、少なくとも一部が部分酸化にサイクルガスとして再利用される場合に、特に興味深いものとなる。というのも、連続動作時におけるこのようなサイクルガスの方法は、開始反応ガス混合物1中にシクロプロパンが堆積することを伴うためである。
本発明の目的に対する解決法として、開始ガス混合物1中に含まれるプロピレンに基づき少なくとも3mol%以下のシクロプロパン含有量が、シクロアルカンを不純物として粗プロピレンに残し、アクリル酸の少なくとも1つの結晶化分離工程を含む第2の分離ゾーンにおける(分離ゾーン2における)少なくとも1つの熱分離工程によって、部分酸化でシクロアルカンから形成されるプロピオン酸をアクリル酸標的生成物から分離するのが適切であることが、現在判明している(凝縮点がほぼ同じ(1バールの場合、アクリル酸が141℃、プロピオン酸が141.35℃)であるため、プロピオン酸は、通常はアクリル酸とともに(すなわちアクリル酸の随伴物として)、分離ゾーン1にて凝縮相に変換される)。
したがって、本出願は、プロピレンからアクリル酸への不均一触媒部分気相酸化方法であって、第1の反応ゾーンにおいて、プロピレン、分子酸素、および少なくとも1つの不活性希釈ガスを含み、かつO2:C36のモル比が1以上で前記分子酸素と前記プロピレンを含む開始反応ガス混合物1を、第1の反応段階(反応段階1)で、まず、活性組成物としてMo、FeおよびBiを含む少なくとも1つの多金属酸化物を触媒が有する少なくとも1つの第1の触媒床に通して、前記触媒床を1回通過した際のプロピレン変換率が90mol%となり、かつアクロレイン形成とアクリル酸副生成物形成を合わせた付随する選択性SACが80mol%以上(好ましくは85%以上または90%以上)となるようにし、前記第1の反応段階を終えた生成物ガス混合物1の温度を、適宜、直接冷却によって、または間接冷却によって、あるいは直接および間接冷却によって低下させ、さらに適宜、分子酸素の形態の、または不活性ガスの形態の、あるいは分子酸素および不活性ガスの形態の2次ガスを、生成物ガス混合物1に添加し、次いで、生成物ガス混合物1を、アクロレイン、分子酸素、および少なくとも1つの不活性希釈ガスを含み、かつO2:C34Oのモル比が0.5以上で前記分子酸素と前記アクロレインを含む開始反応ガス混合物2として、高温の第2の反応段階(反応段階2)で、活性組成物としてMoおよびVを含む少なくとも1つの多金属酸化物を触媒が有する少なくとも1つの第2の触媒に通して、前記触媒床を1回通過した際のアクロレイン変換率が90mol%以上となり、かつ両反応段階にわたって評価された、変換されたプロピレンに基づくアクリル酸形成の選択性SAAが70mol%以上(好ましくは75%以上または80%以上)となるようにし、その後、前記第2の反応段階で形成された前記生成物ガス混合物2に含まれるアクリル酸を、第1の分離ゾーン(分離ゾーン1)において、現在の相から凝縮相に変換し、次いで、第2の分離ゾーン(分離ゾーン2)において、少なくとも1つの熱分離工程を使用することにより、濃縮相からアクリル酸を分離し、
この場合、
開始反応ガス混合物1が、前記開始反応ガス混合物1に含まれるプロピレンのモル量に基づき、0mol%超、3mol%以下のシクロプロパンを含み、前記第2の分離ゾーンにおける前記少なくとも1つ熱分離工程が、(濃縮液相からの)アクリル酸の少なくとも1つの結晶化分離工程を含む、
方法を請求する。
アクリル酸の結晶化分離工程は、形成される結晶にアクリル酸が堆積し、残留する母液に2次成分が堆積することを意味するものとして理解される。
したがって、本発明による方法はまた、開始反応ガス混合物1が、前記開始反応ガス混合物1に含まれるプロピレンのモル量に基づき、10molppb〜3mol%、または50molppb〜2mol%、または100molppb〜1mol%、または1molppm〜8,000molppm、または10molppm〜5,000molppm、または100molppm〜3,000molppm、または200molppm〜2,500molppm、または300molppm〜2,000molppm、または400molppmもしくは500molppm〜1,500molppm、または750〜1,250molppmのシクロプロパンを含む場合にも、特に適切である。
本発明による方法において、生成物ガス混合物2に含まれるアクリル酸を分離ゾーン1で濃縮相(通常残留する気相は、本書では残留ガスと呼ぶ)に変換するのに有用な方法は、基本的に従来の技術においてこれに関して知られるすべての方法である。これらの方法は、吸収および/または凝縮(冷却)法によって気相から濃縮相に標的生成物(アクリル酸)を変換することを特徴とする。
有用な吸収剤は、例えば、水、水溶液、および/または有機(特に疎水性)溶媒である(ドイツ特許出願第DE−A 103 36 386号、第DE−A 196 31 645号、第DE−A 195 01 325号、欧州特許出願第EP−A 982 289号、ドイツ特許出願第DE−A 198 38 845号、国際公開第WO 02/076917号、欧州特許出願第EP−A 695 736号、第EP−A 778 225号、第EP−A 1 041 062号、第EP−A 982 287号、第EP−A 982 288号、米国特許第US 2004/0242826号、欧州特許出願第EP−A 792 867号、第EP−A 784 046号、第EP−A 695 736号、およびこれらの文書でこれに関して引用した文献を参照)。
生成物ガス混合物2に含まれるアクリル酸は、完全凝縮あるいは分別凝縮によって変換される場合もある(例えば、国際公開第WO 04/035514号、ドイツ特許出願第DE−A 199 24 532号、第DE−A 198 14 387号、第DE−A 197 40 253号、第DE−A 197 40 252号、第DE−A 196 27 847号、およびこれらの文書でこれに関して引用した文献を参照)。
アクリル酸から液相への吸収変換および凝縮変換はいずれも、通常、(例えば質量移動表面積を拡大するための)分離インターナルを含む分離カラムにおいて行われる。有用な分離インターナルには、既知のインターナルがすべて含まれる。すなわち、バブルキャップトレイ、デュアルフロートレイ、またはバルブトレイなどのトレイ、ラシヒリングなどのランダムパッキング、あるいはズルツァーリングなどのストラクチャードパッキングを分離インターナルとして使用する場合がある。生成物ガス混合物2は一般的に、下部から上方へ分離カラムに通す。吸収凝縮においては、通常、分離カラムにおいて上部から下方に吸収剤を移動させる(通す)。下方に流れる液体吸収質は、アクリル酸(およびプロピオン酸などのように沸点が同様に高めの2次成分)を含む凝縮相を形成する。分別凝縮では、生成物ガス混合物2の比較的高沸点の成分が、生成物ガス混合物2の中を上昇して凝縮される。濃縮アクリル酸を含む凝縮物は一般的に、側方抽出分離により凝縮カラムの外へ通される。吸収および凝縮は、互いに重複して使用される場合もあることを理解されたい。例えば、吸収工程において、直接冷却および/または間接冷却により熱がシステムからさらに抽出される場合には、これが常に行われる。
生成物ガス混合物2を分離カラムに通す操作は、直接冷却により、または間接冷却により、または直接および間接冷却により温度を低下させた状態で行うのが好ましい。間接冷却は、それ自体が既知である方法により間接熱交換器にて行われるのに対し、直接冷却は、通常、急冷装置で事前に冷却した吸収剤または事前に冷却した分離カラムの残留液を生成物ガス混合物2に噴霧することによって行われる。上述の吸収および/または凝縮工程(分離工程)の共通する特徴としては、適切には記載した先行する直接および/または間接冷却を行った後に、下部の生成物ガス混合物2を通常通す、分離インターナルを含む特定の分離カラムの上部に、標準圧力(1バール)下の沸点が−20℃以下である生成物ガス混合物2の成分(すなわち、凝縮が難しい、またはより揮発性が高い成分)を主に含む残留ガス流が、通常残留することである。
これらには、例えば、部分酸化において不活性希釈ガスとして追加的に使用される分子窒素、部分酸化において反応化学量論に比べて過剰に残留する分子酸素、開始反応ガス混合物1において副生成物として形成されるまたは不活性希釈ガスとして追加的に使用される炭素酸化物が含まれるだけでなく、部分酸化で変換されないプロピレン、ならびに未変換のシクロプロパンも含まれる。一般的に、残留する残留ガスは、例えば、蒸気の留分も依然として含む。本発明によれば、このような残留ガスの少なくとも一部が、開始反応ガス混合物1の成分として部分酸化に再利用されるのが適切である。適用の観点からすると、このようなサイクルガス法は、プロピレンの供給源として本発明の部分酸化の上流で行われるプロパンの不均一触媒部分脱水素および/またはオキシ脱水素により実施できるのが適切である。多くの場合、本発明による方法では、少なくとも10体積%、または少なくとも20体積%、または少なくとも30体積%であるが、通常は80体積%未満、または60体積%未満、または40体積%未満である残留ガスが、部分酸化に再利用される(しかし、一般的にはほぼ完全に、これに含まれる未変換プロパンおよび/またはプロペン、ならびにそれらを有する未変換シクロプロパンの全量が再利用される)。この再利用の一部は、第2の反応段階に、すなわち開始反応ガス混合物2の成分として行うことも可能である。
記載の通り実施されるサイクルガス法は、不活性ガスの供給源として最初に機能することができ、一般的には(使用される原料の量に基づいて)所望の標的生成物収率を増大させる。また、基本的には、例えば欧州特許出願第EP−A 925 272号に記載の通り、残留ガスの全体および/または一部を焼却に供給することも可能である(例えば、エネルギー生成のため)。
アクリル酸を生成物ガス混合物2から吸収分離および/または凝縮分離する方法については、欧州特許出願第EP−A 1 388 533号、欧州特許出願第EP−A 1 388 532号、ドイツ特許出願第DE−A 102 35 847号、国際公開第WO 98/01415号、欧州特許出願第EP−A 1 015 411号、欧州特許出願第EP−A 1 015 410号、国際公開第WO 99/50219号、国際公開第WO 00/53560号、国際公開第WO 02/09839号、ドイツ特許出願第DE−A 102 35 847号、国際公開第WO 03/041833号、ドイツ特許出願第DE−A 102 23 058号、ドイツ特許出願第DE−A 102 43 625号、ドイツ特許出願第DE−A 103 36 386号、欧州特許出願第EP−A 854 129号、米国特許出願第US−A 4,317,926号、ドイツ特許出願第DE−A 198 37 520号、ドイツ特許出願第DE−A 196 06 877号、ドイツ特許出願第DE−A 195 01 325号、ドイツ特許出願第DE−A 102 47 240号、ドイツ特許出願第DE−A 197 40 253号、欧州特許出願第EP−A 695 736号、欧州特許出願第EP−A 1 041 062号、欧州特許出願第EP−A 117 146号、ドイツ特許出願第DE−A 43 08 087号、ドイツ特許出願第DE−A 43 35 172号、ドイツ特許出願第DE−A 44 36 243号、ドイツ特許出願第DE−A 103 32 758号、およびドイツ特許出願第DE−A 199 24 533号にも記載されている。
アクリル酸を生成物ガス混合物2から吸収分離および/または凝縮分離する方法は、ドイツ特許出願第DE−A 103 36 386号、ドイツ特許出願第DE−A 101 15 277号、ドイツ特許出願第DE−A 196 06 877号、欧州特許出願第EP−A 920 408号、欧州特許出願第EP−A 1 068 174号、欧州特許出願第EP−A 1 066 239号、欧州特許出願第EP−A 1 066 240号、国際公開第WO 00/53560号、国際公開第WO 00/53561号、ドイツ特許出願第DE−A 100 53 086号、国際公開第WO 01/96271号に記載の通り実施することもできる。好都合な分離方法はまた、国際公開第WO 04/063138号、国際公開第WO 04135514号、ドイツ特許出願第DE−A 102 43 625号、およびドイツ特許出願第DE−A 10235847号に記載される方法でもある。基本的に、アクリル酸は、第1の分離ゾーンにおいて生成物ガス混合物2から凍結分離することもできる。
したがって、アクリル酸を凝縮相からさらに分離する方法は、分離ゾーン1で使用される手順に応じて、ならびに部分酸化のために選択し、したがって他の2次成分のスペクトルを測定する特定のプロセス条件(反応温度、選択する不活性希釈ガス、選択する触媒、開始反応ガス混合物1における反応物の含有量およびモル比など)に応じて、広範な異なる熱分離工程の広範な異なる組み合わせによってアクリル酸の所望の純度まで、本発明による方法で行うことができる。これらの組み合わせとは、例えば、抽出、脱着、精留、共沸蒸留、共沸精留、蒸留、および/または剥離工程の組み合わせである場合がある。
分離ゾーン2におけるアクリル酸のさらなる分離のために全体で使用する熱分離工程の組み合わせが、アクリル酸の少なくとも1つの結晶化分離工程を含むことのみが、本発明に不可欠な要件である。この要件は、アクリル酸の結晶化分離がプロピオン酸の枯渇増大を伴うことによるものであるが、このような枯渇は他の熱分離工程では達成することができない。すなわち、アクリル酸を濃縮された形で含む結晶が、アクリル酸を含み、かつ分離ゾーン2において使用される少なくとも1つの熱分離工程で得られる少なくとも1つの液相から、本発明による方法で分離される。通常、結晶は本質的に、ほとんどがアクリル酸で構成されている。
基本的に、本発明による方法におけるアクリル酸の少なくとも1つの結晶化分離工程は、生成物ガス混合物2由来のアクリル酸を凝縮相に変換する際に得られたアクリル酸含有凝縮相からの分離において実施することができる。
例えば、ドイツ特許出願第DE−A 198 38 845号の教示内容に準じた結晶化分離工程は、吸収されたアクリル酸を含む吸収質からの直接分離において実施することができる(状況によっては、結晶化の前に、アクリル酸よりも揮発性が大幅に高い成分を吸収質から分離するために、剥離および/または脱着工程が予め行われる場合がある。このような比較的揮発性の高い成分とは、例えば、酢酸、ギ酸および/または下級アルデヒドである場合がある)。適切な場合は、結晶化分離の前に蒸留によって吸収剤を分離し、それによって吸収質におけるアクリル酸の含有量を増大させ、これによりアクリル酸が、冷却の過程で分離する結晶相(または、濃縮アクリル酸を分離し、含む結晶相)を形成できるようにすることも可能である。上述の内容は、吸収質がアクリル酸ならびにアクリル酸よりも沸点が高い溶媒を含む場合(例えば、ドイツ特許出願第DE−A 198 38 845号を参照;可能な吸収剤は、例えば、ジフェニル、ジフェニルエーテル、上述の2つの薬剤の混合物、ならびにジフェニル、ジフェニルエーテル、およびジメチルフタレートの混合物である)のほか、使用した吸収剤が水または水溶液であった場合(例えば、国際公開第WO 02/055469号および第WO 03/078378号を参照)にも当てはまる。一般的に、結晶化分離において得られた結晶は、他の分離および精製措置としてさらに洗浄される。有用な洗浄剤は、例えば、純粋な吸収剤、および/または事前に製造し、すでに所望の純度を有するアクリル酸である。基本的に、洗浄は発汗によっても実施することができる。この場合、結晶は加熱され、不純物レベルが増大し、より低い温度で溶解した結晶が液体になり、不純物を有する洗浄液として流れ出る。しかし、例えば国際公開第WO 04/035514号に記載の通り、濃縮アクリル酸を含み、分別凝縮において得られる(好ましくは側方抽出分離によって抽出される)凝縮物から直接結晶化させることもできる。基本的に、分離した結晶の洗浄は、洗浄カラムで行うこともできる(これは、例えば国際特許第WO 01/77056号に記載の通り、静的、水圧式または機械式洗浄カラムである場合がある)。
基本的に、本発明に基づき使用される、アクリル酸を含む少なくとも1つの液相Pの分離ゾーン2における結晶化処理は、結晶から母液を分離する工程を含めて、制約を受けていない(すなわち、本書に記載の従来技術で詳述されるすべての方法を使用することができる)。すなわち、これは1つ以上の段階で、連続して、または一括して実施される場合もある。具体的には、分別(または精留)結晶化として実施される場合もある。通常、分別結晶化では、供給された液相Pよりも純度の高いアクリル酸結晶を生成するすべての段階が精製段階として知られており、その他すべての段階が剥離段階として知られている。適切には、対向流の原理によって多段階方法が行われ、この方法では、各段階の結晶化の後に、結晶が母液から分離され、特定の段階のこれらの結晶が次に高い純度で供給される一方で、特定の段階の結晶残留物が次に低い純度で供給される。
多くの場合、濃縮アクリル酸を含む結晶を分離する過程の液相Pの温度は、−25℃〜14℃、具体的には12℃〜−5℃である。
例えば、本発明に基づき必要とされる、アクリル酸を含む液相Pからアクリル酸を結晶化分離する方法は、層結晶化として実施される場合がある(ドイツ特許出願第DE−A 26 06 364号、欧州特許出願第EP−A 616 998号、欧州特許出願第EP−A 648 520号、および欧州特許出願第EP−A 776 875号を参照)。この結晶化では、連続する堅固に付着した層の形態で結晶が凍結分離される。最も簡単な場合には、沈積した結晶が、簡単に流れ出る残留溶融物によって残留する残留溶融物(母液とも呼ばれる)から分離される。基本的には、「静的」層結晶化工程と「動的」層結晶化工程は区別される。アクリル酸を含む液相Pの動的層結晶化に固有の特徴は、液相Pの強制対流である。これは、液相Pを管に全流動でポンプ循環させることによって、液相Pをトリクル膜として導入することによって(例えば、欧州特許出願第EP−A 616 998号に準ずる)、または不活性ガスを液相Pに導入することによって、あるいはパルス化によって実施することができる。
静的層結晶化工程では、液相Pが(例えば、管束熱交換器またはプレート熱交換器において)静止しており、2次側の緩徐な温度低下により層に沈積する。その後、残留溶融物(母液)が廃棄され、より高度に汚染された留分が、緩徐な温度上昇により結晶層から発汗された後、純粋な生成物が溶融される(国際公開第WO 01/77056号を参照)。
多くの場合、この分離ゾーン2におけるアクリル酸の少なくとも1つの結晶化分離は、動的層結晶化と静的層結晶化の組み合わせを使用することにより行われる(欧州特許出願第EP−A 616 998号を参照)。
しかし、本発明によれば、液相Pから(具体的には本書で一例として詳述するすべての液相Pから)のアクリル酸の少なくとも1つの結晶化分離は、国際公開第WO 01/77056号、第WO 02/055469号、および第WO 03/078378号の教示内容に従い、懸濁結晶化として実施されるのが好ましい。
一般的に、懸濁アクリル酸結晶を含む結晶懸濁液は、液相Pを冷却することによって得られるが、アクリル酸結晶は、精製する液相Pよりも低いプロピオン酸含有量を有するのに対して、残りの残留溶融物(母液)は、より高いプロピオン酸含有量を有する(相対的に、特定の全量に基づく)。
アクリル酸結晶は、懸濁液において直接成長し、および/または冷却された壁上に層として沈積する場合があり、後にその壁からアクリル酸結晶がかき取られ、残留溶融物(母液)に再懸濁される。
国際公開第WO 01/77056号、国際公開第WO 02/055469号、および国際公開第WO 03/078378号に詳述するすべての懸濁液結晶および懸濁結晶化工程が、本発明において有用である。一般的に、生成されるアクリル酸結晶懸濁液は、20〜40重量%の固体含有量を有する。
さらに、上述の国際公開に記載されるすべての方法は、形成された懸濁液結晶と、残留する母液とを分離するのに適している(例えば、遠心分離などの機械式分離工程)。本発明によれば、洗浄カラムで分離するのが好ましい(例えば、重量分析、水圧式および機械式処置;国際公開第WO 01/77056号を参照)。これは、沈積したアクリル酸結晶を強制的に輸送する洗浄カラムであるのが好ましい。結晶床の結晶体積分率は一般的に、0.5超の値に達する。一般的に、洗浄カラムは0.6〜0.75の値で使用される。使用する洗浄液は、洗浄カラムで事前に精製(分離)したアクリル酸結晶の溶融物であるのが有利である。洗浄は、通常、対向流で行われる。したがって、本発明による方法は、具体的には、以下のプロセス手順を含む方法を含む:
a)液相Pからアクリル酸を結晶化させる手順;
b)アクリル酸結晶を残留する母液(残留溶融物、液体残留相)から分離させる手順;
c)分離したアクリル酸結晶を少なくとも部分的に溶融させる手順;ならびに
d)溶融アクリル酸を手順b)および/または手順a)に少なくとも部分的に再利用する手順。
手順b)は、事前に分離し、溶融させ、および手順b)に再利用されているアクリル酸結晶で対向流洗浄を行うことによって行うのが好ましい。
本発明によれば、液相Pは、本発明の結晶化アクリル酸分離が使用される場合に、水を含むのが有利であるが、その理由は、国際公開第WO 01/77056号および国際公開第WO 03/078378号の教示内容によれば、水の存在下でアクリル酸結晶を形成することにより、残留する母液から結晶を後に分離させるのに特に好適な結晶形態がもたらされるためである。このことは、結晶化が懸濁結晶化として実施される場合に特に当てはまり、その後に行われる母液の分離が洗浄カラムで実施される場合には、さらに当てはまり、使用する洗浄液が、すでに洗浄カラムで精製したアクリル酸結晶の溶融物である場合には、さらに一層当てはまる。
すなわち、本発明に基づき必要とされるアクリル酸の結晶化分離工程は、具体的には、アクリル酸を含む液相Pが、アクリル酸結晶および液体残留相(残留溶融物)からなる結晶懸濁液に低温条件下で変換され、アクリル酸結晶におけるプロピオン酸の重量割合が、液相Pにおけるプロピオン酸の重量割合よりも小さく、プロピオン酸の液体残留相(母液)の重量割合が、液相Pにおけるプロピオン酸の重量割合よりも大きく、残留する母液の一部が、適宜結晶懸濁液から機械的に分離され、アクリル酸結晶が洗浄カラムで残りの母液から分離されるが、但し、
a)液相Pは、液相内に含まれるアクリル酸に基づき、0.20〜30重量%、多くの場合は最高20重量%、大抵は最高10重量%の水を含み;
b)使用する洗浄液は、洗浄カラムで精製したアクリル酸結晶の溶融物である、
ことを条件とする、方法を含む。
具体的には、本発明による方法は、上述の方法であって、液相Pが80重量%以上のアクリル酸、または90重量%以上のアクリル酸、または95重量%以上のアクリル酸を含む、方法を含む。
さらに、本発明によれば、上述の手順における液相Pの水含有量が、液相Pに含まれるアクリル酸に基づき、0.2もしくは0.4重量%〜8もしくは10もしくは20もしくは30重量%、または0.6〜5重量%、または0.60〜3重量%である場合に(あるいはごく一般的には、本発明による方法が使用される場合に)有利である。
上述の記載内容はすべて、特に、洗浄カラムがアクリル酸結晶を強制輸送する洗浄カラムである場合、具体的には、国際公開第WO 01/77056号に記載の水圧式または機械式洗浄カラムであり、前記国際公開で詳述する通りに使用される場合に当てはまる。
また、上述の記載内容はすべて、具体的には、洗浄カラムが、国際公開第WO 03/041832号および国際公開第WO 03/041833号の教示内容に従って設計および使用される場合に当てはまる。
本発明によれば、必ずしも、アクリル酸の少なくとも1つの結晶化分離は、凝縮形態のアクリル酸を含み、分離ゾーン1で得られる凝縮相から直接実施される必要はない。代わりに、アクリル酸を含み、分離ゾーン1で得られる液(凝縮)相は最初に、1つの熱分離工程、あるいは複数を組み合わせた熱分離工程に供し、その過程で、結晶化するアクリル酸含有液相Pが得られる。
したがって、多くの場合、本発明に基づき結晶化させるアクリル酸含有液相Pは、結晶化以外の少なくとも1つの熱分離工程(例えば、蒸留、精留、抽出、超臨界流体抽出、脱着、剥離、共沸精留、および/または共沸蒸留)を、分離ゾーン1で得られるアクリル酸含有凝縮(液)相および/または本出願で得られるその後の相に使用することにより得られる(例えば、ドイツ特許出願第DE−A 196 06 877号を参照)。多くの場合、結晶化処理するアクリル酸含有液相Pは、上述の工程を繰り返し使用することにより得られる。例えば、結晶化させるアクリル酸含有液相Pは、結晶化以外の種々の熱分離工程を使用することにより、プロピレン部分酸化の生成物ガス混合物の吸収質(分離ゾーン1で得られる)から、ドイツ特許出願第DE−A 103 36386号の記載の通りに得た粗アクリル酸である場合がある。本発明に基づき結晶化させるこのような粗アクリル酸はまた、少なくとも1つの共沸蒸留を追加で使用して、欧州特許出願第EP−A 695 736号、第EP−A 778 255号、および第EP−A 1 041 062号の教示内容に従い、本発明による方法の水性吸収質(分離ゾーン1で得られる)から得られる場合もある。
本発明による方法におけるプロピオン酸の排出物は基本的に、主に少なくとも1つの結晶アクリル酸分離にて廃棄することができる。この場合、排出物は、濃縮プロピオン酸を含む母液からなる。
例えば、欧州特許出願第EP−A 616 998号による動的結晶化と静的結晶化の組み合わせによって、本発明に基づき使用される結晶化分離が行われる場合は、濃縮プロピオン酸を含む母液排出物が、静的結晶化の領域において廃棄されるのが適切である。
本発明によれば、第2の分離ゾーンにおける少なくとも1つの結晶アクリル酸分離の精密分離工程は、結晶アクリル酸の分離で残留する母液を非精密分離工程の少なくとも1つに少なくとも部分的に再利用することによって、第1の分離ゾーン(好ましくは)および/または第2の分離ゾーンの少なくとも1つの非精密分離工程と、本発明による方法において組み合わせるのが有利である。
このように結晶化の非精密分離工程と精密分離工程を組み合わせて使用する基本的な構造については、例えば、ドイツ特許出願第DE−A 196 06 877号、欧州特許出願第EP−A 792 867号、および欧州特許出願第EP−A 1 484 308号、欧州特許出願第EP−A 1 484 309号、欧州特許出願第EP−A 1 116 709号、ならびに特に欧州特許出願第EP−A 1 015 410号に教示されている。
非精密分離工程は、堆積した標的生成物を含み、分離工程の使用時に形成される相の組成物が、分離させる混合物の組成物により著しく変動する分離工程として定義されるが、本発明に基づき必要とされる結晶化分離は、形成されるアクリル酸結晶の組成物が、アクリル酸含有液相Pの組成物により実質的に変動しない(理想的には完全に変動しない)という点で、精密分離工程である。生成物ガス混合物2に由来するアクリル酸を凝縮相に変換するために分離ゾーン1で使用される吸収および/または分別凝縮は、例えば、分離ゾーン2の抽出および/または精留のように、非精密分離工程である。
分離ゾーン2の精密分離工程と、例えば分離ゾーン1の非精密分離工程とをこのように組み合わせる場合には、このような手順の連続動作において、母液を再利用することで、本発明に基づき結晶化処理するアクリル酸含有液相Pにプロピオン酸が堆積するという点で、本発明による方法がより重要となる。というのも、母液は、プロピオン酸を濃縮形態で含むためである。
本発明による方法において記載の通りに使用する非精密分離と精密分離とを組み合わせる方法は、母液のほかに濃縮プロピオン酸を含む少なくとも1つの流れの排出物(これは、方法の唯一の排出物である場合がある)も有するのが適切である。例えば、分離カラムの(例えば、分離ゾーン1の吸収または凝縮カラムの)残留液は、このような排出物として使用することができ、その排出物から、液相P自体または後の段階で液相Pに変換される流れが、例えば側方抽出および/または上部抽出により抽出される。
あるいは、(液相Pの排出物のほかに)プロピオン酸の隆起が存在する分離カラムのある地点において、別のプロピオン酸の排出物流(例えば、分離ゾーン1内で廃棄されたもの)を抽出し、この排出物流から、第2の好ましくは分別結晶化分離(例えば、欧州特許出願第EP−A 616 998号に記載の動的結晶化と静的結晶化の組み合わせ)にて母液のプロピオン酸を濃縮し、このような母液を(好ましくは静的結晶化から)排出することも可能である。精製した結晶から、留分を溶融して分離カラムに再利用し、および/またはアクリル酸含有液相Pの結晶化に導入することができる。基本的に、このようなプロピオン酸排出流は、液相Pから抽出した副流である場合もある。
分離ゾーン1、2において実施されるすべてのプロセス手順は、重合を阻害して行われることが理解されるであろう。本手順は、引用した従来技術に記載の通りである場合がある。利用可能なアクリル酸プロセス安定剤全体の中で未反応の位置は、ジベンゾ−1,4−チアジン(PTZ)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ−メチルピペリジン1−オキシル(4−OH−TEMPO)、およびp−メトキシフェノール(MEHQ)によって想定される。これらは、例えば、それぞれ単独で、または対になって、または3つの物質の混合物として、本発明に基づき結晶化処理されるアクリル酸含有液相Pの一部となる場合がある。通常、液相Pに含まれる重合阻害剤の全量は、前記液相に含まれるアクリル酸に基づき、0.001〜2重量%である。
全体として、本発明による方法は、開始反応ガス混合物1のシクロプロパンの含有量に関係なく、開始反応ガス混合物1に含まれるプロピレンを2段階で部分酸化し、部分酸化の生成物ガス混合物2からアクリル酸を分別凝縮し、抽出したアクリル酸凝縮物を懸濁結晶化し、純粋な結晶溶融物を洗浄液として使用して残留する母液から懸濁結晶を洗浄カラムにて分離する順序で行うことにより、効率的な方法で、かつ唯一の結晶化段階を使用して、超吸収剤に適切なアクリル酸を製造することが可能となる(このようなアクリル酸は、当然ながら、国際公開第WO 02/055469号および国際公開第WO 03/078378号で対応するその他すべての用途にも使用される場合がある)。
開始反応ガス混合物1のシクロプロパン含有量を除けば、本書の冒頭で概説するプロピレンからアクリル酸への2段階不均一触媒部分気相酸化の方法は、周知の事柄である(例えば、国際公開第WO 01/36364号を参照)。触媒床は、固定床である場合もあれば、流動床である場合もある。本発明によれば、両方の反応段階で固定触媒床を使用するのが好ましい。
本書において、(固定)触媒床に開始反応ガス混合物を充填することとは、1時間に1リットルの(固定)触媒床に通す、標準的なリットルで表した開始反応ガス混合物の量(=Nl;適切な量の開始反応ガス混合物が標準条件(25℃、1バール)下で占める、リットルで表した体積)を意味するものとして理解されたい。しかし、(固定)触媒床の充填はまた、開始反応ガス混合物の成分のみに基づく場合もある。その場合は、特定の開始反応ガス混合物の成分として1時間に1リットルの(固定)触媒床に通す、Nl/l・時で表したこの成分の量となる。
本発明に基づき本発明の開始反応ガス混合物1を使用して実施するプロピレンからアクリル酸への2段階不均一触媒部分酸化は、具体的には、欧州特許出願第EP−A 700 714号(第1の反応段階;本出願に記載の通りに実施するが、管束反応器における塩浴および開始反応ガス混合物の対応する対向流様式でも実施)、欧州特許出願第EP−A 70 08 93号(第2の反応段階:本出願に記載の通りに実施するが、対応する対向流様式でも実施)、国際公開第WO 04/085 369号(特に本出願は、本書の一構成要素であるとされる)(2段階方法として)、国際公開第WO 04/085363号、ドイツ特許出願第DE−A 103 13 212号(第1の反応段階)、欧州特許出願第EP−A 1 159 248号(2段階方法として)、欧州特許出願第EP−A 1 159 246号(第2の反応段階)、欧州特許出願第EP−A 1 159 247号(2段階方法として)、ドイツ特許出願第DE−A 199 48 248号(2段階方法として)、ドイツ特許出願第DE−A 101 01 695号(2段階)、国際公開第WO 04/085368号(2段階方法として)、ドイツ特許出願第DE−A 10 2004 021 764号(2段階)、国際公開第WO 04/085362号(第1の反応段階)、国際公開第WO 04/085370号(第2の反応段階)、国際公開第WO 04/085365号(第2の反応段階)、国際公開第WO 04/085367号(2段階)、欧州特許出願第EP−A 990 636号、欧州特許出願第EP−A 1 007 007号、および欧州特許出願第EP−A 1 106 598号に記載の通り、実施される場合がある。
このことは、これらの文献に含まれるすべての実施例に特に当てはまる。これらの実施例は、これらの文献に記載の通りに実施される場合があるが、但し、第1の反応段階に使用される開始反応ガス混合物が本発明の開始反応ガス混合物1である点が異なる。残りのパラメータに関しては、記載した文献の実施例と同じ手順となる(特に、固定触媒床および固定触媒床の反応物充填に関して)。本発明による方法において2つの反応段階間で2次分子酸素が供給される場合は、本発明に基づき空気の形態で実施するのが好ましい。しかし、純粋な分子酸素、あるいは分子酸素と不活性ガスの別の混合物の形態で実施することもできる。本発明によれば、2次酸素は、生成物ガス混合物2が未変換の分子酸素を含むような量で供給されるのが有利である。しかし、プロセス全体に必要となる分子酸素の量が、すでに開始反応ガス混合物1に添加されている場合もある。一般的に、開始反応ガス混合物1に含まれる分子酸素とこの混合物に含まれるプロピレンのモル比は、1以上3以下である。
本発明に基づき必要とされる元素を含み、かつ2つの反応段階の内の特定の反応段階に適切である多金属酸化物触媒は、すでに何度も記載されており、当業者には周知である。例えば、欧州特許出願第EP−A 253 409号は、5ページにおいて、対応する米国特許について言及している。特定の酸化段階(反応段階)に適切な触媒については、ドイツ特許出願第DE−A 4 431 957号、第DE−A 10 2004 025 445号、および第DE−A 4 431 949号にも開示されている。これは、上述の2つの従来技術の文献の一般化学式Iに記載のものに特に当てはまる。特定の酸化段階(反応段階)に有用な触媒については、ドイツ特許出願第DE−A 103 25 488号、第DE−A 103 25 487号、第DE−A 103 53 954号、第DE−A 103 44 149号、第DE−A 103 51 269号、第DE−A 103 50 812号、および第DE−A 103 50 822号に開示されている。
第1の反応段階において本発明による方法のためのMo、BiおよびFeを含む可能な多金属酸化物組成物はまた、ドイツ特許出願第DE−A 199 55 176号の一般化学式Iの多金属酸化物活性組成物、ドイツ特許出願第DE−A 199 48 523号の一般化学式Iの多金属酸化物活性組成物、ドイツ特許出願第DE−A 101 01 695号の一般化学式I、IIおよびIIIの多金属酸化物活性組成物、ドイツ特許出願第DE−A 199 48 248号の一般化学式I、IIおよびIIIの多金属酸化物活性組成物、ならびにドイツ特許出願第DE−A 199 55 168号の一般化学式I、IIおよびIIIの多金属酸化物活性組成物でもあり、また、欧州特許出願第EP−A 700 714号に記載した多金属酸化物活性組成物でもある。
2005年8月29日付のResearch Disclosure No. 497012、ドイツ特許出願第DE−A 100 46 957号、ドイツ特許出願第DE−A 100 63 162号、ドイツ登録特許第DE−C 3 338 380号、ドイツ特許出願第DE−A 199 02 562号、欧州特許出願第EP−A 15 565号、ドイツ登録特許第DE−C 2 380 765号、欧州特許出願第EP−A 8 074 65号、欧州特許出願第EP−A 279 374号、ドイツ特許出願第DE−A 330 00 44号、欧州特許出願第EP−A 575 897号、米国特許出願第US−A 4 438 217号、ドイツ特許出願第DE−A 19855913号、国際公開第WO 98/24746号、ドイツ特許出願第DE−A 197 46 210号(一般化学式IIのもの)、日本特許出願第JP−A 91/294 239号、欧州特許出願第EP−A 293 224号、および欧州特許出願第EP−A 700 714号に開示された、Mo、BiおよびFeを含む多金属酸化物触媒も、本発明による方法の第1の反応段階に適切である。このことは、これらの文献の例示的実施形態に特に当てはまり、これらの中でも、欧州特許出願第EP−A 15 565号、欧州特許出願第EP−A 575 897号、ドイツ特許出願第DE−A 197 46 210号、およびドイツ特許出願第DE−A 198 55 913号のものが特に好ましい。この意味では、欧州特許出願第EP−A 15 565号の実施例1cによる触媒のほか、対応する方法で製造されるが、活性組成物が組成物Mo12Ni6.5Zn2Fe2Bi10.00650.06x・10SiO2を有する触媒に、特に重点が置かれている。また、形状5mm×3mm×2mm(外径×高さ×内径)の無担持中空シリンダー触媒として、ドイツ特許出願第DE−A 198 55 913号(化学量論:Mo12Co7Fe3Bi0.60.08Si1.6x)の通し番号3を有する実施例、ならびにドイツ特許出願第DE−A 197 46 210号の実施例1に記載の無担持多金属酸化物II触媒にも重点が置かれている。また、米国特許出願第US−A 4 438 217号の多金属酸化物触媒も取り上げる必要がある。後者は、これらの中空シリンダーが、5.5mm×3mm×3.5mm、または5mm×2mm×2mm、または5mm×3mm×2mm、または6mm3mm×3mm、または7mm×3mm×4mm(それぞれ、外径×高さ×内径)の形状を有する場合に、特に当てはまる。この意味での更なる可能な触媒の形状には、押出物がある(例えば、長さ7.7mmおよび直径7mm、または長さ6.4mmおよび直径5.7mm)。
Mo、FeおよびBiを含み、これらの存在下にて、第1の反応段階のシクロプロパンが望ましくない副反応の影響を特に受けやすく、そのためこれらを使用する場合に、本発明の手順が特に適切である、多くの多金属酸化物活性組成物は、以下の一般化学式IVにより包含することができる:
式(IV)
Mo12BiaFeb1 c2 d3 e4 fn (IV)
[式中、変数はそれぞれ以下のように定義される:
1=ニッケルおよび/またはコバルト、
2=タリウム、アルカリ金属、および/またはアルカリ土類金属、
3=亜鉛、リン、ヒ素、ホウ素、アンチモン、錫、セリウム、鉛、および/またはタングステン、
4=ケイ素、アルミニウム、チタニウン、および/またはジルコニウム、
a=0.5〜5、
b=0.01〜5、好ましくは2〜4、
c=0〜10、好ましくは3〜10、
d=0〜2、好ましくは0.02〜2、
e=0〜8、好ましくは0〜5、
f=0〜10、ならびに、
n=式IV中の酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数値]。
上記は、これらの触媒が本質的に既知の方法で得られ(例えば、ドイツ特許出願第DE−A 4 023 239号を参照)、かつ本発明に基づき使用される、例えば、球、環または円筒になるように実質的に成形される、あるいはコーティングされた触媒、すなわち、活性組成物でコーティングされた予備成形の不活性担持体の形態で使用されるを与えるように場合に、特に当てはまる。但し、この説明は、これらの触媒が第1の反応段階の触媒として粉末の形態で使用される(例えば、流動床反応器で)場合にも当てはまることが理解されるであろう。
基本的に、一般化学式IVの活性組成物は一般的に、その元素成分の適切な供給源から、化学量論的に対応する組成物を有する極めて均質な、好ましくは微粒子化した乾燥混合物を得て、これを350〜650℃の温度にてか焼することにより、簡単に製造することができる。か焼は、不活性ガス下において、または空気(不活性ガスと酸素の混合物)などの酸化大気下において、および還元大気(例えば、不活性ガス、NH3、CO、および/またはH2の混合物)下において、行われる場合がある。か焼時間は、数分から数時間であってよく、通常は温度とともに減少する。多金属酸化物活性組成物IVの元素成分の有用な供給源は、すでに酸化物である化合物、および/または少なくとも酸素の存在下において加熱により酸化物に変換することができる化合物である。
酸化物のほかに、このような有用な開始混合物には、特に、ハロゲン化物、窒化物、ギ酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、アミン錯体、アンモニウム塩、および/または水酸化物が含まれる(気体として放出される化合物が得られるように分解するか、または遅くとも後のか焼時に分解することができる、NH4OH、(NH42CO3、NH4NO3、NH4CHO2、CH3COOH、NH4CH3CO2、および/またはシュウ酸アンモニウムなどの化合物は、均質乾燥混合物にさらに組み込むことができる)。
多金属酸化物活性組成物IVを製造するための開始混合物は、乾燥形態または湿潤形態で均質混合することができる。これらを乾燥形態で混合する場合、開始混合物は、微粉として適切に使用され、混合および場合により圧縮後にか焼される。しかし、湿潤形態での均質混合が好ましい。通常、開始混合物は、水溶液および/または懸濁液の形態で互いに混合される。特に均質な乾燥混合物は、開始材料が主に溶解形態の元素成分の供給源である場合に、記載した混合工程で得られる。使用する溶媒は水であるのが好ましい。その後、得られた水性組成物は乾燥させ、乾燥工程は、100〜150℃の出口温度にて水性混合物を噴霧乾燥させることにより行うのが好ましい。
一般化学式IVの多金属酸化物活性組成物は、粉末形態でか、あるいは特定の触媒形状に成形されて、本発明による方法の第1の反応段階に使用される場合があり、成形は、最後のか焼の前または後に行われる場合がある。例えば、無担持触媒は、補助剤(例えば潤滑剤および/または成形補助剤としてのグラファイトまたはステアリン酸)ならびに強化剤(ガラスのマイクロファイバー、アスベスト、炭化ケイ素、またはチタン酸カリウムなど)を適宜追加して、所望の触媒形状に圧縮(例えば、タブレット化または押出加工)することにより、活性組成物あるいはその未か焼および/または部分か焼先駆物質組成物から製造することができる。グラファイトの代わりに、ドイツ特許出願第DE−A 10 2005 037 678号で推奨されるように、成形の補助剤として六方窒化ホウ素を使用することも可能である。適切な無担持触媒の形状の例には、2〜10mmの外径および長さを有する中実シリンダーまたは中空シリンダーが含まれる。中空シリンダーの場合は、1〜3mmの壁厚が有利である。無担持触媒は、当然ながら、球体の形状を有してもよく、球体の直径は2〜10mmであってよい。
本発明に基づき特に適切な中空シリンダーの形状は、特に無支持触媒の場合、5mm×3mm×2mm(外径×長さ×内径)である。
本発明に基づき適切な粉状活性組成物、あるいは未か焼および/または部分か焼の粉状先駆物質組成物は、当然ながら、予備成形された不活性触媒担持体に適用することによって成形される場合もある。コーティングされた触媒を生成するための担持体のコーティングは一般的に、例えばドイツ特許出願第DE−A 2 909 671号、欧州特許出願第EP−A 293 859号、または欧州特許出願第EP−A 714 700号に開示される通り、適切な回転式容器で実施される。担持体をコーティングするために、適用する粉末組成物は、適切に湿潤させ、例えば高温の空気により適用後に再び乾燥させる。担持体に適用する粉末組成物のコーティング厚は、多くの場合、10〜1000μmの範囲内、好ましくは50〜500μmの範囲内、より好ましくは150〜250μmの範囲内において選択される。
有用な担持体材料には、典型的な多孔質または無孔質のアルミニウム酸化物、二酸化ケイ素、二酸化トリウム、二酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、あるいはケイ酸マグネシウムもしくはケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩がある。これらは一般的に、本発明による方法が基盤とする標的反応に対してほぼ不活性に作用する。担持体は、規則的なまたは不規則な形状を有することができるが、球または中空シリンダーなど、明確な表面粗さを有する規則的に成形された担持体が好ましい。本発明によれば、直径が1〜10mmまたは8mm、好ましくは4〜5mmである、ステアタイト製のほぼ無孔質の、表面の粗い球状担持体を使用するのが適切である。しかし、本発明によれば、長さが2〜10mmで、外径が4〜10mmであるシリンダーを担持体として使用するのも適切である。また、環状の担持体である場合、壁厚は、通常1〜4mmである。本発明に基づき使用する環状担持体は、2〜6mmの長さ、4〜8mmの外径、および1〜2mmの壁厚を有する。また、本発明によれば、7mm×3mm×4mm(外径×長さ×内径)の形状のリングも担持体として適切である。担持体の表面に適用する触媒活性酸化物組成物の粉末度は、当然ながら、所望のコーティング厚に調節される(欧州特許出願第EP−A 714 700号を参照)。
本発明に基づきプロピレンからアクロレインへの手順に適切な多金属酸化物組成物はまた、以下の一般化学式Vの組成物であって:
式(V)
[Y1 a'2 b'x'p[Y3 c'4 d'5 e'6 f'7 g'2 h'y'q (V)
[式中、変数はそれぞれ以下のように定義される:
1=ビスマスのみ、あるいはビスマスおよびテリウム、アンチモン、錫および銅の元素の少なくとも1つ、
2=モリブデン、またはタングステン、またはモリブデンおよびタングステン、
3=アルカリ金属、タリウム、および/またはサマリウム、
4=アルカリ土類金属、ニッケル、コバルト、銅、マンガン、亜鉛、錫、カドミウム、および/または水銀、
5=鉄、あるいは鉄ならびにクロミウムおよびセリウムの元素の少なくとも1つ、
6=リン、ヒ素、ホウ素、および/またはアンチモン、
7=希土類金属、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、レニウム、ルーテニウム、ロジウム、銀、金、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、鉛、トリウム、および/またはウラニウム、
=0.01〜8、
=0.1〜30、
=0〜4、
=0〜20、
>0〜20、
=0〜6、
=0〜15、
=8〜16、
,y=式V中の酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数値、
p,q=p/q比が0.1〜10である数値]、
局所的環境とは異なる組成物のために局所的環境から分界される化学組成物Y1 a'・Y2 b'・Ox'の3次元領域を含み、その最大直径(領域の中心を通り、かつ領域の表面(境界)上の2つの点を結ぶ最長の直線)が、1nm〜100μm、多くの場合は10nm〜500nm、または1μm〜50μmもしくは25μmである、
組成物でもある。
本発明に基づき特に有利な多金属酸化物組成物Vは、Y1がビスマスのみであるものである。
これらの中では、結果として以下の一般化学式VIのものが好ましく:
式(VI)
[Bia"Z2 b"Ox"]p"[Z2 123 c"Z4 d"Fee"Z5 f"Z6 g"Z7 h"Oy"]q" (VI)
[式中、変数はそれぞれ以下のように定義される:
2=モリブデン、またはタングステン、またはモリブデンおよびタングステン、
3=ニッケルおよび/またはコバルト、
4=タリウム、アルカリ金属、および/またはアルカリ土類金属、
5=リン、ヒ素、ホウ素、アンチモン、錫、セリウム、および/または鉛、
6=ケイ素、アルミニウム、チタン、および/またはジルコニウム、
7=銅、銀、および/または金、
’’=0.1〜1、
’’=0.2〜2、
’’=3〜10、
’’=0.02〜2、
’’=0.01〜5、好ましくは0.1〜3、
’’=0〜5、
’’=0〜10、
’’=0〜1、
’’,y’’=式VI中の酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数値、
’’,q’’=p’’/q’’比が0.1〜5、好ましくは0.5〜2である数値]、
特に、以下の通りである組成物VIが好ましい:
2 b''=(タングステン)b''およびZ2 12=(モリブデン)12
本発明によれば、本発明に基づき適切である多金属酸化物組成物V(多金属酸化物組成物VI)において本発明に基づき適切である多金属酸化物組成物V(多金属酸化物組成物VI)の[Y1 a'2 b'x'p([Bia''/Z2 b''/Ox''p'')の全割合の少なくとも25mol%(好ましくは少なくとも50mol%、より好ましくは少なくとも100mol%)が、局所的環境とは異なる化学組成物のために局所的環境から分界され、かつ最大直径が1nm〜100μmの範囲にある化学組成物[Y1 a'2 b'x'[Bia''2 b''x'']の3次元領域の形態である場合に、やはり重要である。
成形に関して、多金属組成物IV触媒についてなされた説明は、多金属組成物V触媒に当てはまる。
多金属酸化物活性組成物Vの製造は、例えば、欧州特許出願第EP−A 575 897号およびドイツ特許出願第DE−A 198 55 913号に記載されている。
上で推奨した不活性担持体材料はまた、とりわけ、適切な固定触媒床の希釈および/または分界の不活性材料として、あるいはそれらを保護し、および/またはガス混合物を加熱する予備床としても有用である。
アクロレインからアクリル酸への不均一触媒気相部分酸化である第2の手順(第2の反応段階)の場合、触媒に必要とされる有用な活性組成物は、本発明によれば、基本的に、MoおよびVを含むすべての多金属酸化物組成物であり、例えば、ドイツ特許出願第DE−A 100 46 928号および第DE−A 198 15 281号のものである。
本発明に基づきシクロプロパンの望ましくない反応に特に適切である多くのものは、以下の一般化学式VIIにより包含することができる:
式(VII)
Mo12a1 b2 c3 d4 e5 f6 gn (VII)
[式中、変数はそれぞれ以下のように定義される:
1=W、Nb、Ta、Cr、および/またはCe、
2=Cu、Ni、Co、Fe、Mn、および/またはZn、
3=Sbおよび/またはBi、
4=1つ以上のアルカリ金属、
5=1つ以上のアルカリ土類金属、
6=Si、Al、Tiおよび/またはZr、
a=1〜6、
b=0.2〜4、
c=0.5〜18、
d=0〜40、
e=0〜2、
f=0〜4、
g=0〜40、および
n=式VII中の酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数値]。
活性多金属酸化物VIIの中で本発明に基づき特に適切である実施形態は、一般化学式VIIの変数の以下の定義によって包含される:
1=W、Nb、Ta、および/またはCr、
2=Cu、Ni、Co、および/またはFe、
3=Sb、
4=Naおよび/またはK、
5==Ca、Sr、および/またはBa、
6=Si、Al、および/またはTi、
a=1〜5、
b=0.5〜2、
c=0.5〜3、
d=0〜2、
e=0〜0.2、
f=0〜1、
n=式VII中の酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数値。
しかし、本発明に基づき特に適切である多金属酸化物VIIは、以下の一般化学式VIIIのものである:
式(VIII)
Mo12a'1 b'2 c'5 f'6 g'n' (VIII)
[式中、
1=Wおよび/またはNb、
2=Cuおよび/またはNi、
5=Caおよび/またはSr、
6=Siおよび/またはAl、
=2〜4、
=1〜1.5、
=1〜3、
f=0〜0.5、
=0〜8、
n=式VIII中の酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数値]。
本発明に基づき適切である多金属酸化物活性組成物(VII)は、例えばドイツ特許出願第DE−A 43 35 973号または欧州特許出願第EP−A 714 700号に開示される通り、本質的に既知の方法で得られる。
一般的に、本発明に基づき「アクロレイン→アクリル酸」の手順に適切な多金属酸化物活性組成物、特に一般化学式VIIのものは、その元素成分の適切な供給源から、化学量論的に対応する組成物を有する極めて均質な、好ましくは微粒子化した乾燥混合物を得て、これを350℃〜600℃の温度にてか焼することにより、簡単に製造することができる。か焼は、不活性ガス下において、または空気(不活性ガスと酸素の混合物)などの酸化大気下において、および還元大気(例えば、不活性ガスとH2、NH3、CO、メタン、および/またはアクロレインなどの還元ガスとの混合物、あるいは記載した還元ガスそれ自体)下において、行われる場合がある。か焼時間は、数分から数時間であってよく、通常は温度とともに減少する。多金属酸化物活性組成物VIIの元素成分の有用な供給源は、すでに酸化物である化合物、および/または少なくとも酸素の存在下において加熱により酸化物に変換することができる化合物である。
多金属酸化物活性組成物VIIを製造するための開始混合物は、乾燥形態または湿潤形態で均質混合することができる。これらを乾燥形態で混合する場合、開始混合物は、微粉として適切に使用され、混合および適宜圧縮後にか焼される。しかし、湿潤形態での均質混合が好ましい。
これは、通常、水溶液および/または懸濁液の形態で開始混合物を互いに混合することにより行われる。特に開始材料は、開始材料が主に溶解形態の元素成分の供給源である場合に、記載した混合工程で得られる。使用する溶媒は水であるのが好ましい。その後、得られた水性組成物は乾燥させ、乾燥工程は、100℃〜150℃の出口温度にて水性混合物を噴霧乾燥させることにより行うのが好ましい。
得られた多金属酸化物組成物、具体的には一般化学式VIIのものは、粉末形態でか(例えば流動床反応器において)か、あるいは特定の触媒形状に成形されて、本発明のアクロレインの酸化に使用される場合があり、成形は、最後のか焼の前または後に行われる場合がある。例えば、無担持触媒は、補助剤(例えば潤滑剤および/または成形補助剤としてのグラファイトまたはステアリン酸)ならびに強化剤(ガラスのマイクロファイバー、アスベスト、炭化ケイ素、またはチタン酸カリウムなど)を適宜追加して、所望の触媒形状に圧縮(例えば、タブレット化または押出加工)することにより、活性組成物あるいはその未か焼および/または部分か焼先駆物質組成物から製造することができる。適切な無担持触媒の形状の例には、2〜10mmの外径および長さを有する中実シリンダーまたは中空シリンダーがある。中空シリンダーの場合は、1〜3mmの壁厚が適切である。無担持触媒は、当然ながら、球体の形状も有する場合もあり、球体の直径は2〜10mm(例えば、8.2mmまたは5.1mm)である場合がある。
粉状活性組成物、あるいはその未か焼の粉状先駆物質組成物も、当然ながら、予備成形された不活性触媒担持体に適用することによって成形することができる。コーティングされた触媒を生成するための担持体のコーティングは一般的に、例えばドイツ特許出願第DE−A 2 909 671号、欧州特許出願第EP−A 293 859号、または欧州特許出願第EP−A 714 700号に開示される通り、適切な回転式容器で実施される。
担持体をコーティングするために、適用する粉末組成物は、適切に湿潤させ、例えば高温の空気により適用後に再び乾燥させる。担持体に適用する粉末組成物のコーティング厚は、本発明に基づき適切な方法では、多くの場合10μm〜1000μmの範囲内、好ましくは50μm〜500μmの範囲内、より好ましくは150μm〜250μmの範囲内において選択される。
有用な担持体材料には、典型的な多孔質または無孔質のアルミニウム酸化物、二酸化ケイ素、二酸化トリウム、二酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、あるいはケイ酸マグネシウムもしくはケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩がある。担持体は、規則的な形状または不規則な形状を有する場合があるが、グリット層を有する球または中空シリンダーなど、明確な表面粗さを有する規則的な形状の担持体が好ましい。直径が1〜10mmまたは8mm、好ましくは4〜5mmである、ステアタイト製のほぼ無孔質の、表面の粗い球状担持体を使用するのが適切である。すなわち、適切な球体形状は、8.2mmまたは5.1mmの直径を有する場合がある。しかし、長さが2〜10mmで、外径が4〜10mmであるシリンダーを担持体として使用するのも適切である。また、環状の担持体である場合、壁厚は、通常1〜4mmである。使用する環状担持体は、好ましくは2〜6mmの長さ、4〜8mmの外径、および1〜2mmの壁厚を有する。また、7mm×3mm×4mm(外径×長さ×内径)の形状のリングも特に適切である。担持体の表面に適用する触媒活性酸化物組成物の粉末度は、当然ながら、所望のコーティング厚に適合される(欧州特許出願第EP−A 714 700号を参照)。
本発明の「アクロレイン→アクリル酸」の手順に適切な多金属酸化物活性組成物はまた、以下の一般化学式IXの組成物であって:
式(IX)
[D]p[E]q (IX)
[式中、
D=Mo12a''1 b''Z2 c''3 d''4 e''5 f''6 g''x
E=Z7 12Cuh''i''y''
1=W、Nb、Ta、Cr、および/またはCe、
2=Cu、Ni、Co、Fe、Mn、および/またはZn、
3=Sbおよび/またはBi、
4=Li、Na、K、Rb、Cs、および/またはH、
5=Mg、Ca、Sr、および/またはBa、
6=Si、Al、Ti、および/またはZr、
7=Mo、W、V、Nb、および/またはTa、好ましくはMoおよび/またはW、
’’=1〜8、
’’=0.2〜5、
’’=0〜23、
’’=0〜50、
’’=0〜2、
’’=0〜5、
’’=0〜50、
’’=4〜30、
’’=0〜20、および
’’,y’’=式IX中の酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数値、ならびに
p,q=p/q比が160:1〜1:1であるゼロ以外の数値]、
微粒子形態(開始組成物1)で以下の多金属酸化物組成物Eを個別に予備成形した後:
7 12Cuh"Hi"Oy" (E)
予備形成された固体開始組成物1を、所望のp:q比で以下の化学量論D(開始組成物2)の上述の元素を含む元素Mo、V、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6の供給源の水溶液、水性懸濁液、または微粒子化した乾燥混合物に組み込み:
Mo12a"Z1 b"Z2 c"Z3 d"Z4 e"Z5 f"Z6 g" (D)
結果として得られる場合がある水性混合物を乾燥させ、250℃〜600℃の温度にて乾燥させて所望の触媒形状を得る前または後に、得られた乾燥先駆物質組成物をか焼することにより、得ることができる、
組成物でもある。
特に適切な多金属酸化物組成物IXは、事前に形成された固体開始組成物1が、70℃未満の温度にて水性開始組成物2に組み込まれるものである。多金属組成物VI触媒を製造する詳細な説明は、例えば、欧州特許出願第EP−A 668 104号、ドイツ特許出願第DE−A 197 36 105号、ドイツ特許出願第DE−A 100 46 928号、ドイツ特許出願第DE−A 197 40 493号、およびドイツ特許出願第DE−A 195 28 646号に包含されている。
成形に関して、多金属組成物VII触媒についてなされた説明は、多金属組成物IX触媒に当てはまる。
本発明に基づき「アクロレイン→アクリル酸」手順に特に適切である多金属酸化物触媒はまた、ドイツ特許出願第DE−A 198 15 281号のもの、具体的には、本書の一般化学式Iの多金属酸化物活性組成物を有するものである。
本発明によれば、無担持触媒リングが、プロピレンからアクロレインへの手順に使用され、コーティング触媒リングが、アクロレインからアクリル酸への手順に使用される。
本発明によれば、第1の反応段階の温度は、適切には270℃〜450℃または280℃〜420℃、好ましくは300℃〜380℃である。本発明によれば、第2の反応段階の温度は、適切には200℃〜370または320℃、好ましくは220℃〜300℃である。
本発明による方法はまた、第1の反応段階の触媒の活性組成物が、比表面積が0.1m2/g〜120m2/g、または0.2m2/g〜50m2/g、または1m2/g〜20m2/g、または2m2/g〜10m2/gであるものを含む場合に、特に適切である。
本発明による方法はまた、第1の反応段階の触媒の活性組成物が、数値として最も頻繁な孔径が、0.1μm〜1μmであるものを含む場合に、特に適切である。
また、上述の数値として最も頻繁な孔径および上述の比表面積の1つが、第1の反応段階の触媒の活性組成物について組み合わされて存在する場合に、特に適切である。
さらに、本発明による方法は、第1の反応段階の触媒の活性組成物の孔体積全体における種々の孔径の割合が以下の分布を有する場合に、特に重要である:
直径0.03μm未満の孔:0体積%以上55体積%以下、
直径0.003μm以上0.1μm以下の孔:3体積%以上20体積%以下、
直径0.1μm超1μm未満の孔:75体積%以下95体積%以下、ならびに
直径1μm以上10μm以下の孔:5体積%以下。
本発明に基づき適切な第1段階の触媒活性組成物の全孔体積は、通常、0.1mL/g〜1.00mL/g、通例は0.10mL/g〜0.80mL/g、または0.20mL/g〜0.40mL/gである。
さらに、本発明による方法は、第2の反応段階の触媒の活性組成物が、その比表面積が0.1m2/g〜150m2/g、または0.2m2/g〜50m2/g、または1m2/g〜20m2/g、または2m2/g〜10m2/gであるものを含む場合に、特に適切である。さらに、本発明による方法は、第2の反応段階の触媒の活性組成物が、数値として最も頻繁な孔径が0.1μm〜1μmであるものを含む場合に、特に適切である。
また、上述の数値として最も頻繁な孔径および上述の比表面積の1つが第2の反応段階の触媒について活性組成物の組み合わせで存在する場合に、やはり特に適切である。
本発明に基づき適切な第2段階の触媒の全孔体積は、通常、0.10mL/g〜0.90mL/g、または0.20mL/g〜0.80mL/g、あるいは0.30mL/g〜0.70mL/gである。
さらに、本発明による方法は、第2の反応段階の触媒の活性組成物における孔の分布が、いずれの場合にも、上述の全孔体積の少なくとも5体積%、好ましくは少なくとも10体積%が、0μm〜1.0μm、1.0μm〜10μm未満、および10μm〜100μmの直径の範囲によって占められる場合に、特に適切である。
本発明の手順はまた、欧州特許出願第EP−A 293 859号による孔径分布が第2段階の触媒活性組成物について存在する場合に有利である。比表面積、孔径、全孔体積、および孔径の分布について上記で行われた各1つの記載は、特に、第1の酸化段階及び第2の酸化段階の触媒について本書において適切と述べられた各1つの多金属酸化物に当てはまる。
基本的に、本発明による方法の第1の反応段階内における少なくとも1つの第1の触媒床(具体的には固定触媒床)の比体積活性は、反応ガス混合物1の流れ方向の流路長にわたって一定である、または少なくとも1回(連続的にまたは突然あるいは段階的に)増大するである場合がある。少なくとも1回の増大が、本発明の基準(最小限の副生成物の形成)の下では本発明によれば好ましい。すべての上述の場合において、活性組成物が第1の反応段階内において流路帳にわたって変化しない場合に、やはり有利である。
第1の反応段階についてなされた説明は、本発明による方法の第2の反応段階にも同様に当てはまる。
第1の反応段階の触媒床が固定触媒床である場合、多金属酸化物活性組成物を有する成形触媒本体のみ、または多金属酸化物活性組成物を有する成形触媒本体と、多金属酸化物活性組成物を有さず、かつ不均一触媒気相酸化に関して実質的に不活性に作用する成形本体(成形希釈剤本体)とを有する実質的に均質な混合物を使用することによって、本発明の方法においてこの固定床触媒充填1を製造する場合がある。このような不活性成形本体に有用な材料は、基本的に、本発明に基づき適切なコーティング触媒の担持体材料としても適しているすべてのものである。有用なこのような材料には、例えば、既述の多孔性または非多孔性のアルミニウム酸化物、二酸化ケイ素、二酸化トリウム、二酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、ケイ酸マグネシウムまたはケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩、あるいは既述のステアタイトがある。
このような不活性成形希釈剤本体の形状は、基本的に、所望通りである場合がある。すなわち、例えば、形状は、球、多角形、中実シリンダー、または、活性組成物を有する成形触媒本体のように、リングである場合がある。本発明によれば、選択される不活性成形希釈剤本体は、形状が、それらで希釈される成形触媒本体の形状に対応するものであるのが好ましい(上の説明は、多金属酸化物活性組成物を有する成形触媒本体、および固定床触媒充填2(第2の反応段階の固定触媒床)を提供するのに有用な成形希釈剤本体の実質的に均質な混合物にも当てはまる)。
使用される活性組成物の化学組成物が固定床触媒充填1にわたって変化しない場合に有利である。すなわち、個々の触媒本体に使用される活性組成物は、異なる多金属酸化物の混合物である場合があるが、その場合、同じ混合物が、固定床触媒充填1のすべての成形触媒本体について使用されなければならない。
比体積(すなわち、単位体積に正規化される)活性は、一様に作成された基本量の成形触媒本体を成形希釈剤本体で均一に希釈することによって、簡単に低減することができる。選択された成形希釈剤本体の割合が高くなると、ある体積の床に含まれる活性組成物または触媒活性の量は少なくなる。
したがって、固定床触媒充填1にわたって反応ガス混合物の流れ方向において少なくとも1回増大する比体積活性を、例えば、成形触媒本体の1つのタイプに基づいて高い割合の不活性成形希釈剤本体を有する床で開始し、次いで、流れ方向における成形希釈剤本体のこの割合を連続的に、または少なくとも1回あるいは2回以上、突然に(例えば段階的に)低減することによって、本発明による方法について簡単に得ることができる。成形希釈剤本体の含有量が一定とされる場合、または成形希釈剤本体が固定床触媒充填1においてさらに使用されない場合、結果は、固定床触媒充填1にわたる反応ガス混合物の流れ方向において一定の比体積活性となる。しかし、比体積活性の増大も、例えば、一定の形状および活性組成物タイプの成形コーティング触媒本体では、担持体に加えられた活性組成物相の厚さを増大させることによって、または、同じ形状を有するが、活性組成物の異なる重量割合を有するコーティング触媒の混合物では、活性組成物のより高い重量割合を有する成形触媒本体の割合を増大させることによって、可能である。例えば、無担持触媒とコーティング触媒の混合物では(同一の組成物を有する)、混合比を適切な方法で変更することによって、同様の効果を達成することができる。記載した変形形態は組み合わせて使用できることが理解されるであろう。
通常、比体積活性は、反応ガス混合物の流れ方向において、固定床触媒充填1内でも、固定床触媒充填2内でも、1回減少しない。
固定床触媒充填1の上流および/または下流に、不活性材料から排他的になる(例えば、成形希釈剤本体のみ)床が配置される場合がある(専門用語の目的では、これらは、本書では固定床触媒充填1に含まれないが、その理由は、多金属酸化物活性組成物を含む任意の成形体を備えないからである)。不活性床に使用される成形希釈剤本体は、固定床触媒充填1において使用される成形触媒本体と同じ形状を有する場合がある。しかし、不活性床に使用される成形希釈剤本体は、成形触媒本体の上述の形状とは異なることも可能である(例えば、環状の代わりに球)。
本発明によれば、本発明による方法の固定床触媒充填1は、以下のように反応ガス混合物の流れ方向において構造化されるのが好ましい。
第一に、成形触媒本体のみ、または成形触媒本体と成形希釈剤本体の1つの均一な混合物(両方ともほぼ同じ形状を有するのが好ましい)である固定床触媒争点物1の全長のいずれの場合にもおいて、10〜60%、好ましくは10〜50%、より好ましくは20〜40%、最も好ましくは25〜35%の長さまで(すなわち、例えば、0.70m〜1.50m、好ましくは0.90〜1.20m)、固定床触媒充填1の全長のいずれの場合にもおいて、成形希釈本体の割合重量(成形触媒本体と成形希釈剤本体の質量密度は、一般的にごくわずか異なる)は、通常、5〜40重量%、または10〜40重量%、または20〜40重量%、または25〜35重量%である。次いで、固定床触媒充填1のこの第1のゾーンの下流に、本発明によれば、固定床触媒充填の長さの最高端部まで(すなわち、例えば、2.00〜3.00m、好ましくは2.50〜3.00mの長さまで)、(第1のゾーンにおいて)より少ない程度にのみ希釈された成形触媒本体の床、または最も好ましくは、第1のゾーンにおいても使用された同じ成形触媒本体の単独の(希釈されていない)床が配置されるのが有利である。
上記は、固定床触媒充填1において使用される成形触媒本体が、無担持触媒リングまたはコーティング触媒リングである場合(特に、本書において好ましいと述べられるもの)、特に当てはまる。上記の構造化の目的では、本発明による方法の成形触媒本体および成形希釈剤本体の両方とも、実質的にリングの形状5mm×3mm×2mm(外径×長さ×内径)を有するのが有利である。
固定床触媒充填1の比体積活性を変更することができる方法に対応する方法で、固定床触媒充填2の比体積活性も変更することができる。この場合、対応する不活性床は、再び、実際の固定床触媒充填2の上流または下流に配置される場合がある。
本発明によれば、本発明による方法の固定床触媒充填2は、反応ガス混合物の流れ方向において以下のように構造化されるのが好ましい。
第一に、成形触媒本体のみ、または成形触媒本体と成形希釈剤本体の1つの均一な混合物(両方ともほぼ同じ形状を有するのが好ましい)である固定床触媒争点物1の全長のいずれの場合にもおいて、10〜60%、好ましくは10〜50%、より好ましくは20〜40%、最も好ましくは25〜35%の長さまで(すなわち、例えば、0.70〜1.50m、好ましくは0.90〜1.20m)、成形触媒本体のみ、または成形触媒本体と成形希釈剤本体の1つの均一な混合物(両方ともほぼ同じ形状を有するのが好ましい)である固定床触媒充填1の全長のいずれの場合にもおいて、成形希釈本体の割合重量(成形触媒本体と成形希釈剤本体の質量密度は、一般的にごくわずか異なる)は、通常、5〜40重量%、または10〜40重量%、または20〜40重量%、または25〜35重量%である。次いで、この第1のゾーンの下流に、本発明によれば、固定床触媒充填の長さの最高端部まで(すなわち、例えば、2.00〜3.00m、好ましくは2.50〜3.00mの長さまで)、(第1のゾーンにおいて)より少ない程度にのみ希釈された成形触媒本体の床、または最も好ましくは、第1のゾーンにおいても使用された同じ成形触媒本体の単独の(希釈されていない)床が配置されるのが有利である。
上記は、固定床触媒充填1において使用される成形触媒本体が、無担持触媒リングまたはコーティング触媒リングである場合(特に、本書において好ましいと述べられるもの)、特に当てはまる。上記の構造化の目的では、本発明による方法の成形触媒本体および成形希釈剤本体の両方とも、実質的にリングの形状5mm×3mm×2mm(外径×長さ×内径)を有するのが有利である。
適用の観点から、本発明による方法の第1の反応段階は、例えば、欧州特許公報第EP−B700714号に記載の通り、固定床触媒充填1(ならびに適宜それの上流および/または下流の不活性床)が充填された管束反応器において実施することができるのが適切である。
すなわち、最も簡単な方法では、各場合の上記の充填は、管束反応器の個々の金属管に配置され、一般的には塩溶融物である加熱媒体(1セクション方法)が、金属管の周りに通される。塩溶融物および反応ガス混合物は、簡単な並流または対向流で通す場合がある。しかし、塩溶融物(加熱媒体)はまた、反応器を確認しながら蛇行するように管束の周りに通すことも可能であり、それにより、反応器全体にわたってのみ見て、反応ガス混合物の流れ方向に対して並流または対向流が存在する。加熱媒体(熱交換媒体)の流量は、通常、反応器の中への入口点から反応器からの出口点までの熱交換媒体の温度上昇(発熱反応によって生じる)が、0℃以上〜10℃、しばしば2℃以上〜8℃、頻繁に3℃以上〜6℃であるようなものである。管束反応器の中への熱交換媒体の入口温度は一般的に、300℃〜360℃、しばしば300℃〜340℃である。
適切な熱交換媒体は、具体的には流体加熱媒体である。硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、および/または硝酸ナトリウムなどの塩の溶融物、あるいは、ナトリウム、水銀、および異なる金属の合金などの低融点金属の溶融物を使用するのが特に好適である。
通常、上述の管束反応器の触媒管は、フェライト鋼から製造され、通常、1〜3mmの壁厚を有する。その内径は(特に、本書において規定される触媒リング形状を使用する場合)、一般的に20〜30mm、しばしば21〜26mmである。その長さは、通常、2〜4m、しばしば2.5〜3.5mである。本発明によれば、これらの通常は少なくとも60%、しばしば少なくとも75%が、固定床触媒充填1によって占められる。適用の観点から、管束容器に収容される触媒管の数は、少なくとも5000、好ましくは少なくとも10000であるのが適切である。多くの場合、反応容器に収容される触媒管の数は、15000〜30000または40000である。50000を超える触媒リングを有する管束反応器は、通常、例外である。容器内において、触媒管は、通常、均一に分布して配置され、分布は、直接隣接する触媒管の中央内部軸の離間距離(触媒管ピッチとして知られる)が、35〜45mmであるように適切に選択される(例えば、欧州特許公報第EP−B 468290号を参照)。本発明による方法に適切な管束反応器は、ドイツ特許出願第DE−A 10131126号、第DE−A 10137768号、第DE−A 10135498号、および第DE−A 10232967号にも開示されている。
開始反応ガス混合物1は、反応温度に事前に加熱された固定床触媒充填1に供給されるのが適切である。この目的は、例えば、固定床触媒充填に先行する不活性材料の床によって果たすことができる。
本発明による方法の第1の反応段階はまた、例えばドイツ特許出願第DE−A 199 10 508号、第199 48 523号、第199 10 506号、および第199 48 241号に記載の通り、2セクション(または多セクション)管束反応器において実施されることも可能であることが理解されるであろう。本発明によれば使用することができる2セクション管束反応器の好ましい変形形態が、ドイツ登録特許第DE−C 2830765号に開示されている。しかし、ドイツ登録特許第DE−C 2513405号、米国特許出願第US−A 3147084号、ドイツ特許出願第DE−A 2201528号、欧州特許出願第EP−A 383224号、およびドイツ特許出願第DE−A 2903218号に開示された2セクション管束反応器も、本発明による方法の第1の反応段階を実施するのに適している。
すなわち、最も簡単な方法では、本発明に基づき使用される固定床触媒充填1(可能であれば下流および/または上流の不活性床を有する)は、管束反応器の金属管に配置され、一般的には塩溶融物である2つの実質的に空間分離された加熱媒体が、金属管の周りに通される。特定の塩浴が上にわたって延びる管セクションは、本発明による反応セクションを表す。すなわち、最も簡単な方法では、例えば、塩浴Aが、プロペンの酸化変換(1回通過)が40〜80mol%の範囲の変換が達成されるまで進行する管のセクションの周りに流れ(反応セクションA)、塩浴Bが、プロペンのその後の酸化変換(1回通過)が、少なくとも90mol%の変換値が達成されるまで進行する管のセクションの周りに流れる(反応セクションB)(必要に応じて、本発明に基づき使用される反応セクションA、Bに、個々の温度に維持される他の反応セクションが続く場合がある)。
本発明による方法の第1の反応段階の適用の観点から、他の反応セクションを備えないのが適切である。すなわち、塩浴Bは、プロペンのその後の酸化変換(1回通過)が、90mol%以上、または92mol%以上、または94mol%以上、または96mol%以上の変換値を超えて進行する管のセクションの周りに流れるのが適切である。
通常、反応セクションBの開始は、反応セクションAのホットスポット最大値を超えて存在する。反応セクションBのホットスポット最大値は、通常、反応セクションAのホットスポット最大温度より低い。
本発明によれば、塩浴A、Bの両方とも、反応管を通って流れる反応ガス混合物の流れ方向に対して、反応管を囲む空間を通る並流または対向流で通すことができる。当然ながら、本発明によれば、セクションAにおいて並流の流れを使用し、反応セクションBにおいて対向流の流れを使用することも可能である(または逆もまた同様)。
上述の場合のすべてにおいて、当然ながら、反応管に対して、塩溶融物の並流に横断流を重ね合わせることが可能であり、特定の反応セクション内において行われ、それにより、個々の反応セクションは、欧州特許出願第EP−A 700 714号または第EP−A 700 893号に記載の管束反応器に対応し、これにより、触媒管束を通る縦方向セクションにおいて熱交換媒体の蛇行流プロファイルが全体として得られる。
2セクション方法でも、開始反応ガス混合物1は、反応温度に事前に加熱されて、固定床触媒充填1に供給されるのが適切である。
2セクション管束反応器でも、触媒管は、通常、フェライト鋼から製造され、通常、1〜3mmの壁厚を有する。その内径は一般的に、20〜30mm、しばしば21〜25mmである。その長さは、適切には2〜4m、好ましくは2.5〜3.5mである。各温度セクションにおいて、固定床触媒充填1は、セクションの長さの少なくとも60%、または少なくとも75%、または少なくとも90%を占める。任意の残りの長さは、場合により、不活性床によって占められる。適用の観点から、管束容器に収容される触媒管の数は、少なくとも5000、好ましくは少なくとも10000であるのが有利である。多くの場合、反応管に収容される触媒管の数は、15000〜30000または40000である。50000を超える数の触媒管を有する束反応器は、通常、例外である。容器内において、触媒管は、通常、均一に分布し、分布は、直接隣接する触媒管の中央内部軸の離間距離(触媒管ピッチとして知られる)が、35〜45mmであるように適切に選択される(例えば、欧州特許公報第EP−B 468 290号を参照)。
2ゾーン方法に適切な熱交換媒体は、具体的には、流体加熱媒体でもある。硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、および/または硝酸ナトリウムなどの塩の溶融物、あるいは、ナトリウム、水銀、および異なる金属の合金などの低融点金属の溶融物を使用するのが特に好適である。
一般的に、2セクション管束反器における上述のすべての流れ構成において、必要とされる2つの熱交換媒体回路内の流量は、熱交換媒体の温度が、反応セクションへの入口から反応セクションからの出口まで、0℃〜15℃だけ上昇するように選択される(発熱反応の結果として)。すなわち、上述のΔTは、本発明によれば、1℃〜10℃、または2℃〜8℃、または3℃〜6℃である場合がある。
本発明によれば、反応セクションAへの熱交換媒体の入口温度は、通常、300℃〜340℃である。本発明によれば、反応セクションBへの熱交換媒体の入口温度は、通常、第一に305℃〜380℃であり、第2に同時に、反応セクションAに入る熱交換媒体の入口温度より少なくとも0℃以上、または少なくとも5℃以上高い。適切な場合、この温度差は0℃以下である場合がある。
プロペン負荷量が多い場合、反応セクションBへの熱交換媒体の入口温度は、反応セクションAに入る熱交換媒体の入口温度より少なくとも10℃高いのが適切である。したがって、反応セクションAとBへの入口温度の差は、本発明によれば、最高20℃、最高25℃、最高30℃、最高40℃、最高45℃、または最高50℃である場合がある。通常、それにもかかわらず、上述の温度差は、50℃を超えない。本発明による方法において選択される固定床触媒充填1に対するプロピレン充填が高くなると、反応セクションAへの熱交換媒体の入口温度と反応セクションBへの熱交換媒体の入口温度との差は、大きくなるはずである。
反応セクションBへの熱交換媒体の入口温度は、本発明によれば、330℃〜370℃であるのが有利であり、340℃〜370℃であるのが特に有利である。
本発明による方法の2つの反応セクションA、Bは、空間的に離れた管束反応器において実現されることも可能であることが理解されるであろう。必要に応じて、熱交換器を2つの反応セクションA、Bの間に取り付けることもできる。
また、本発明による方法の反応段階1を実施するために、具体的には、ドイツ特許公報第DE−B 2201528号に記載の2セクション管束反応器のタイプを使用する場合があることも、ここで再び指摘されるべきであり、これは、適宜低温開始反応ガス混合物または低温サイクルガスを加熱するために、反応セクションAに対して反応セクションBのより高温の熱交換媒体の一部を分離する可能性を含む。個々の反応セクション内の管束の特徴はまた、欧州特許出願第EP−A 382098号に記載の通り構成されることも可能である。
本発明によれば、第1の反応段階を出る生成物ガス混合物を、第2の反応段階に入る前に冷却し、それにより、第1の反応段階で形成されたアクロレインの一部が後に完全燃焼することを抑制するのが適切であることが判明している。このために、最終冷却器が、通常、2つの反応段階の間に接続される。最も簡単な場合、これは、間接管束伝熱器である場合がある。この場合、生成物ガス混合物は一般的に、管に通され、熱交換媒体は、管の周りに通され、管のタイプは、管束反応器について推奨された熱交換媒体に対応する場合がある。管の内部は、不活性ランダムパッキングで充填されるのが有利である(例えば、ステンレス鋼のらせん、ステアタイトのリング、ステアタイトの球など)。これらは、熱交換を改善し、第1の反応段階の固定床触媒充填から昇華するあらゆる三酸化モリブデンを、第2の反応段階に入る前に捕獲する。最終冷却器は、ケイ酸亜鉛でコーティングされたステンレス鋼から製造されるのが有利である。
一般的に、第1の反応段階における本発明による単一通路に基づくプロペン変換は、92mol%以上、または94mol%以上、または96mol%以上である。本発明によれば、第1の反応段階を1回通過する際のアクロレイン形成とアクリル酸副生成物形成とを合わせて得られる選択性SAAは、通例は85mol%以上または90mol%以上、多くの場合は92mol%以上または94mol%以上、しばしば95mol%以上または96mol%以上あるいは97mol%以上である。
本発明による方法は、80Nl/l・時以上、または100Nl/l・時以上、または120Nl/l・時以上、または140Nl/l・時以上、または1Nl/l・時以上、または170Nl/l・時以上、または175Nl/l・時以上、または180Nl/l・時以上の固定床触媒充填1のプロペン負荷量に適切であるが、185Nl/l・時以上、または190Nl/l・時以上、200Nl/l・時以上、210Nl/l・時以上の固定床触媒充填1のプロペン負荷量、および201Nl/l・時以上、230Nl/l・時以上、240Nl/l・時以上、250Nl/l・時以上の固定床触媒充填1のプロペン負荷量にも適している。
プロペンの充填を増大する場合、記載する2セクション方法は、第1の反応段階で記載した1セクション方法より好ましい。
通常、本発明による方法における第1の固定床触媒充填のプロペン負荷量は、600Nl/l・時を超えない。通常、本発明による方法における固定床触媒充填1のプロペン負荷量は、300Nl/l・時以下の値、しばしば250Nl/l・時以下の値にある。
第1の反応段階で本発明による方法の作用圧力は、標準圧力より低い(例えば、最高0.5バール、反応混合物は、吸い込まれる)、または標準圧力より高いである場合がある。通常、第1の反応段階の作用圧力は、1〜5バール、しばしば1.5〜3.5バールの値にある。通常、第1の反応段階の反応圧力は、100バールを超えない。
第1の反応段階で必要な分子酸素の有用な供給源は、空気および分子窒素が枯渇した空気の両方である。
適用の観点から、すべに述べられた最終冷却器において、第1の反応段階の生成物ガス混合物を210℃〜290℃、しばしば230℃〜280℃、または250℃〜270℃の温度に冷却するのが適切である。第1の反応段階の生成物ガス混合物は、極めて可能であれば、第2の反応段階の温度より低い温度に冷却することができる。しかし、記載した最終冷却は、全く必須ではなく、一般的には、特に、第1の反応段階から第2の反応段階への生成物ガス混合物の経路が短く維持される場合に不要にすることができる。通常、本発明による方法はまた、第2の反応段階の酸素要件が、開始反応ガス混合物1の適度に高い酸素含有量によってすでに対応されておらず、むしろ必要な酸素が第1の反応段階と第2の反応段階の間の領域において添加されるように実現される。これは、最終冷却前、最終冷却中、最終冷却後、および/または最終冷却のために実施することができる。第2の反応段階で必要な分子酸素の有用な供給源は、純粋な酸素および酸素と不活性ガスの混合物の両方であり、例えば、空気または分子窒素が枯渇した空気である(90体積%以下のO2、10体積%以下のN2)。酸素供給源は、通例、反応圧力に圧縮されて添加される。本発明による方法の第2の反応段階の酸素要件は、第1の反応段階の適度に高い酸素要件によってすでに対応されている場合があることが理解されるであろう。
反応段階1の場合のように、第2の反応段階における本発明による方法の作用圧力は、標準圧力より低い(例えば、最高0.5バール)、または標準圧力より高いである場合がある。通常、第1の反応段階の作用圧力は、1〜5バール、しばしば1.5〜3.5バールの値にある。通常、第1の反応段階の反応圧力は、100バールを超えない。
第1の反応段階と全く同様に、本発明による方法の第2の反応段階は、例えば欧州特許出願第EP−A 700 893号に記載の通り、固定床触媒充填2が充填された管束反応器において簡単な方法で実施することができる。固定床触媒充填2に先行および/または後続する不活性床が、充填を完成することができる。
すなわち、最も簡単な方法では、本発明に基づき使用される固定床触媒2、およびさらに使用される不活性床は、管束反応器の金属管に配置され、一般的には塩溶融物である加熱媒体(1セクション方法)が、金属管の周りに通される。塩溶融物および反応ガス混合物は、簡単な並流または対向流で通す場合がある。しかし、加熱媒体は、反応器を確認しながら蛇行するように管束の周りに通すことも可能であり、それにより、反応器全体にわたってのみ見て、反応ガス混合物の流れ方向に対して並流または対向流が存在する。加熱媒体(熱交換媒体)の流量は、通常、反応器の中への入口点から反応器からの出口点までの熱交換媒体の温度上昇(発熱反応によって生じる)が、0℃以上〜10℃、しばしば2℃以上〜8℃、多くの場合は3℃以上〜6℃であるようなものである。管束反応器の中への熱交換媒体の入口温度は一般的に、230℃〜300℃、しばしば245℃〜285℃、または255℃〜275℃である。適切な加熱交換媒体は、第1の反応段階について既述した同じ流体加熱媒体である。
開始反応ガス混合物2は、反応温度に事前に加熱されて固定床触媒充填2に供給されるのが適切である。触媒管の寸法、触媒管の材料、触媒管の数、および固定床触媒充填2/不活性床の充填について、第1の反応段階の管束反応器について述べられたことと同じことが当てはまる。
一般的には、第1の反応段階の1セクション方法は、第2の反応段階の1セクション方法と組み合わされ、両段階の反応ガス混合物と加熱媒体の相対的な流れは、同一に選択される。
しかし、本発明による方法の第2の反応段階はまた、第1の反応段階に対応する方法で、2つの空間的に連続する反応セクションC、Dとして実現されることも可能であることが理解されるであろう。この場合、反応セクションCの温度(これは、一般的に入り塩浴または熱担体の温度を常に意味する)は、230℃〜270℃が適切であり、反応段階Dの温度は、250℃〜300℃であり、同時に、反応ゾーンCの温度より少なくとも0℃以上、または少なくとも5℃以上高い。適宜、この温度差も、0℃以下である場合がある。
反応セクションCは、65〜80mol%のアクロレイン変換にまで適用されるのが好ましい。さらに、反応セクションCの温度は、245℃〜260℃であるのが有利である。アクロレイン負荷量が多い場合の反応セクションDの温度は、反応セクションCの温度より5℃〜10℃高いことが好ましく、260℃〜285℃であるのが有利である。第2の反応段階2の2セクション方法では、反応器に関して、触媒管の寸法、触媒管の材料、触媒管の数、および固定床触媒2/不活性床の充填については、第1の反応段階の2セクション管束反応器についてなされた説明が当てはまる。
本発明による方法において選択される固定床触媒充填2のアクロレイン負荷量が多くなると、2セクション方法が1セクション方法より好ましくなり、かつ反応セクションCの温度と反応セクションDの温度とのより大きな差が選択されるはずである。通常、それにもかかわらず、上述の温度差は、40℃を超えない。すなわち、反応セクションCの温度と反応セクションDの温度との差は、本発明によれば、最高15℃、最高25℃、最高30℃、最高35℃、または最高40℃である場合がある。
一般的に、本発明による方法において、第2の反応段階を1回通過することに基づくアクロレイン変換は、90mol%以上、または92mol%以上、または94mol%、または96mol%、または98mol%、およびしばしば99mol%以上でさえある。変換されたアクロレインに基づくアクリル酸形成の選択性は、通例92mol%以上、または94mol%以上、しばしば95mol%以上または96mol%以上あるいは97mol%以上である場合がある。
本発明による方法は、80Nl/l・時以上、または100Nl/l・時以上、または120Nl/l・時以上、または140Nl/l・時以上、または150Nl/l・時以上、または160Nl/l・時以上、または170Nl/l・時以上、または175Nl/l・時以上、または180Nl/l・時以上の固定床触媒充填2のアクロレイン負荷量に適しているが、185Nl/l・時以上、または190Nl/l・時以上、または200Nl/l・時以上、または210Nl/l・時以上の固定床触媒充填2のアクロレイン負荷量においても、および220Nl/l・時以上、または230Nl/l・時以上、または240Nl/l・時以上、または250Nl/l・時以上の充填値においても適している。
本発明によれば、不活性ガスのみからなる2次ガスが、第1の反応段階と第2の反応段階との間において計量供給されないのが好ましい。
通常、本発明による方法における第2の固定床触媒充填のアクロレイン負荷量は、600Nl/l・時の値を超えない。通常、本発明による方法における固定床触媒充填2のアクロレイン負荷量は、変換および選択性を著しく失わずに、300Nl/l・時以下の値、しばしば250Nl/l・時以下の値にある。
一般的に、本発明による方法における固定床触媒充填2のアクロレイン負荷量は、約10Nl/l・時、しばしば約20Nl/l・時または25Nl/l・時であり、固定床触媒充填1のプロペン負荷量より少ない。これは、主に、第1の反応段階のアクロレインの変換および選択性が、一般的に100%を達成しないということに起因する。さらに、第2の反応段階の酸素の需要は、通常、2次ガスとして空気によって対応される。アクロレイン負荷量を増大させることにより、記載した2セクション方法は、第2の反応段階で実施される1セクション方法より好ましい。
注目すべきことに、最高のプロペンおよびアクロレインの充填においてさえ、変換されたプロペンに基づき、本発明による方法の両反応段階にわたって評価されたアクリル酸の選択性は一般的に、83mol%以上、しばしば85mol%以上または88mol%、多くの場合は90mol%以上、または93mol%以上の値にある場合がある。
適用の観点から適切な方法で、本発明による方法の第2の反応段階は、2セクション管束反応器において実施される。第2の反応段階について本発明による有用な2セクション管束反応器の好ましい変形形態が、ドイツ登録特許第DE−C 2830765に開示されている。しかし、ドイツ登録特許第DE−C 2513405号、20米国特許出願第US−A 3147084号、ドイツ特許出願第DE−A 2201528号、第欧州特許出願第EP−A 383224号、および第DE−A 2903582号に開示された2セクション管束反応器も、本発明による方法の第2の反応段階の実施に適している。
すなわち、簡単な方法で、本発明に基づき使用される固定床触媒充填2(不活性床を含む)は、管束反応器の金属管に配置され、一般的には塩溶融物である2つの実質的に空間的に離れた加熱媒体が、金属管の周りに通される。本発明によれば、それぞれの塩浴が上にわたって延びる管セクションは、反応セクションを表す。
すなわち、簡単な方法で、例えば、塩浴Cが、アクロレインの酸化変換(1回通過)が55〜85mol%の範囲の変換が達成されるまで進行する管のセクションの周りに流れ(反応セクションC)、塩浴Bが、アクロレインのその後の酸化変換(1回通過)が、少なくとも90mol%の変換値が達成されるまで進行する管のセクションの周りに流れる(反応セクションD)(必要に応じて、本発明に基づき使用される反応セクションC、Dに、個々の温度に維持される他の反応セクションが続く場合がある)。
本発明による方法の反応段階2の適用の観点から、他の反応セクションを備えないのが適切である。すなわち、塩浴Dは、プロペンのその後の酸化変換(1回通過)が、最高92mol%以上、または94mol%以上、または95mol%以上、または96mol以上、およびしばしば99mol%以上の変換値にまで進行する管のセクションの周りに流れるのが適切である。
通常、反応セクションDの開始は、反応セクションCのホットスポット最大値を超えて存在する。反応セクションDのホットスポット最大値は、通常、反応セクションDのホットスポット最大温度より低い。
本発明によれば、塩浴C、Dの両方とも、反応管を通って流れる反応ガス混合物の流れ方向に対して、反応管を囲む空間を通る並流または対向流で通すことができる。当然ながら、本発明によれば、セクションCにおいて並流の流れを使用し、反応セクションDにおいて対向流の流れを使用することも可能である(または逆もまた同様)。
上述の場合のすべてにおいて、当然ながら、反応管に対して、塩溶融物の並流に横断流を重ね合わせることが可能であり、特定の反応セクション内において行われ、それにより、個々の反応セクションは、欧州特許出願第EP−A 700 714号または欧州特許出願第EP−A 700 893号に記載の管束反応器に対応し、これにより、触媒管束を通る縦方向セクションにおいて熱交換媒体の蛇行流プロファイルが全体として得られる。
通常、上述の2ゾーン管束反応器の触媒管は(1ゾーン方法の管束反応器の場合と全く同様に)、フェライト鋼から製造され、通常、1〜3mmの壁厚を有する。その内径は一般的に、20〜30mm、しばしば22〜26mmである。その長さは、通常、3〜4mであるのが有利であり、3.5mであるのが好ましい。各温度ゾーンにおいて、固定床触媒充填2は、ゾーンの少なくとも60%、または少なくとも75%、または少なくとも90%の長さを占める。任意の残りの長さは、場合により、不活性床によって占められる。適用の観点から、管束容器に収容される触媒管の数は、少なくとも5000、好ましくは少なくとも10000であるのが適切である。多くの場合、反応容器に収容される触媒管の数は、15000〜30000または40000である。50000を超える触媒リングの数を有する管束反応器は、通常、例外である。容器内において、触媒管は、通常、均一に分布し、分布は、直接隣接する触媒管の中央内部軸の離間距離(触媒管ピッチとして知られる)が、35〜45mmであるように適切に選択される(例えば、欧州特許公報第EP−B 468290号を参照)。
適切な熱交換媒体は、具体的には、流体加熱媒体である。硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、および/または硝酸ナトリウムなどの塩の溶融物、あるいは、ナトリウム、水銀、および異なる金属の合金などの低融点金属の溶融物を使用するのが特に好適である。
一般的に、2セクション管束反器における上述のすべての流れ構成において、必要とされる2つの熱交換媒体回路内の流量は、熱交換媒体の温度が、反応セクションへの入口から反応セクションからの出口まで、0℃〜15℃だけ上昇するように選択される。すなわち、上述のΔTは、本発明によれば、1℃〜10℃、または2℃〜8℃、または3℃〜6℃である場合がある。
第2の反応段階における本発明の2セクション方法の反応セクションCへの熱交換媒体の入口温度は、通常、230℃〜270℃である。反応セクションDへの熱交換媒体の入口温度は、本発明によれば、通常、第一に250℃〜300℃であり、第2に同時に、反応セクションCに入る熱交換媒体の入口温度より少なくとも0℃以上、または少なくとも5℃以上高い。
プロペン負荷量が多い場合、反応セクションDへの熱交換媒体の入口温度は、反応セクションCに入る熱交換媒体の入口温度より5℃〜10℃高いのが好ましい。本発明によれば、反応セクションCとDへの入口温度の差も、最高15℃、最高25℃、最高30℃、最高35℃、最高40℃である場合がある。通常、それにもかかわらず、上述の温度差は、50℃を超えない。本発明による方法において選択される触媒充填2のアクロレイン負荷量が多くなると、反応セクションCへの熱交換媒体の入口温度と反応セクションDへの熱交換媒体の入口温度との差は、大きくなるはずである。反応セクションCへの熱交換媒体の入口温度は、245℃〜260℃であり、反応セクションDへ入口温度は、260℃〜285℃であるのが好ましい。
本発明による方法の2つの反応セクションC、Dは、別々の管束反応器において実現されることも可能であることが理解されるであろう。必要に応じて、熱交換器を2つの反応セクションC、Dの間に取り付けることも可能である。
また、本発明による方法の第2の反応段階を実施するために、具体的には、ドイツ特許公報第DE−B 2201528号に記載され、かつ反応セクションCに対して反応セクションDのより高温の熱交換媒体の部分を分離する可能性を含み、それにより、適宜、過度に低温の開始反応ガス混合物2または低温サイクルガスを加熱する、2セクション管束反応器のタイプを使用する場合があることが、ここで再び指摘されるべきである。さらに、個々の反応セクション内の管束の特徴は、欧州特許出願第EP−A 382 098号に記載の通り構成される場合がある。
当然ながら、本発明による方法では、例えばドイツ登録特許第DE−C 2830765号、欧州特許出願第EP−A 911 313号、および欧州特許出願第EP−A 383 224号に記載の通り、2つの反応段階の2つの1セクション管束反応器を組み合わせて、他の方法で動作される単一の2セクション反応器を与えることも可能である。この場合、第1の反応段階は、第1の反応セクションにおいて実施され、第2の反応段階は、2ゾーン管束反応器において実施される。
完全に対応する方法で、いずれの場合にも、1つの1セクション管束反応器と1つの2セクション管束反応器または2つの2セクション管束反応器を単一の管束反応器に組み合わせることも可能であり、これは3つまたは4つの温度セクションを有し、例えば国際公開第WO 01/36364号に記載されている。
この場合、例えば、第1の反応段階は、第1の反応セクションにおいて実施することができ、第2の反応段階は、3セクション管束反応器の2つの下流反応セクションにおいて実施することができる。あるいは、例えば、第1の反応段階は、第1の2つの反応セクションにおいて実施されることが可能であり、第2の反応段階は、4セクションの管束反応器の2つの下流反応セクションにおいて実施される場合がある、等である。個々の温度セクションの塩浴温度は、空間的に離れた管束反応器の場合に記載したように構成される場合がある。通常、不活性床が、これらの場合では固定床触媒充填1と固定床触媒充填2の間に配置される。しかし、このような中間不活性床を不要とすることも可能である。多くの場合の組み合わせの場合の反応管の長さは、組み合わされていない管束反応器の長さの合計に対応する。本発明による方法は、当然ながら、欧州特許出願第EP−A 990 636号および第EP−A 1106598号に記載の手順と同様に実施することもできる。
一般的に、本発明による方法の開始反応ガス混合物1は、3〜25体積%、多くの場合は5〜20体積%、通常は6〜13体積%のプロピレンを含む。
本発明によれば、開始反応ガス混合物1の分子酸素の含有量は、開始反応ガス混合物に含まれるC36に対する開始反応ガス混合物1に含まれるO2のモル比V1が1以上であるようなものであるべきである。通常、本発明による方法のV1は、1以上3以下、通常は1.3以上2.5以下、しばしば1.5以上2.3以下である。開始反応ガス混合物2の分子酸素の量は、通常、開始反応ガス混合物2に含まれるアクロレインに対する開始反応ガス混合物2に含まれるO2のモル比が、0.5以上2以下、しばしば0.75以上1.5以下であるようなものである。生成物ガス混合物2が最高5体積%または最高3体積%の分子酸素をも含む場合に好適である。
本発明の手順は、開始反応ガス混合物1が蒸気を含む場合に、特に適切であるが、その理由は、蒸気がシクロプロパンの変換を促進するからである。
開始反応ガス混合物1は、最高25体積%(例えば、0.01〜0.1体積%、または0.5体積%、あるいは2〜25体積%)のCO2をも含む場合がある。
具体的には、本発明による方法において分子酸素に使用される供給源が空気である場合、反応ガス混合物1は、不活性希釈ガスとして分子窒素を含む。基本的に、本発明による方法の開始反応ガス混合物1は、1体積%以上、または5体積%以上、または10体積%以上、または20体積%以上、または30体積%以上、または40体積%以上の分子窒素を含む場合がある。しかし、一般的に、開始反応ガス混合物1における分子窒素の含有量は、80mol%以下、または70mol%以下、または60mol%以下の値にある。
したがって、本発明による方法は、具体的には、開始反応ガス混合物1が0体積%超〜35体積%、しばしば1〜25体積%、または5〜15体積%もしくは10体積%のH2Oを含む実施形態を含む。
通常の開始反応ガス混合物1は、例えば、以下を含むものである:
6〜11体積%のプロペン、
6〜12体積%の水、
プロペン、水、酸素、シクロプロパン、および窒素以外の0体積%以上〜5体積%の成分、
1が1〜3である十分な分子酸素、ならびに
存在するプロペンに基づき0mol%超〜最高3mol%のシクロプロパン、ならびに最高100体積%の全量の残りとしての分子窒素。
本発明によれば、開始反応ガス混合物1はまた、最高70体積%、または最高60体積%、または最高50体積%、または最高40体積%、または最高30体積%、または最高20体積%、または最高10体積%のプロパンをも含む場合がある。多くの場合、このプロパン含有量は、0.01体積%以上、または0.03体積%以上、または0.05体積%以上、または0.1体積%以上、または1体積%以上である。一般的に、開始反応ガス混合物1は、10体積%以下、多くの場合は55体積%以下のプロパンを含む。本発明による方法では、このプロパンは、不活性希釈ガスとして慎重に添加される場合がある。不純物を含む粗プロパンの形態で添加される場合は、シクロプロパンを含むことも可能である。
すなわち、本発明の開始反応ガス混合物1は、以下をも含む場合がある:
6〜9体積%のプロピレン、
8〜18体積%の分子酸素、
6〜30体積%のプロパン、および
32〜72体積%の分子窒素。
本発明の開始反応ガス混合物2は、以下を含む場合がある:
4.5〜8体積%のアクロレイン、
2.25〜9体積%の分子酸素、
6〜30体積%のプロパン、
32〜72体積%の分子窒素、および
5〜30体積%の蒸気。
しかし、本発明の開始反応ガス混合物2は、最高20体積%のH2をも含む場合がある。
すなわち、本発明による方法の反応ガス混合物1は、以下をも含む場合がある:
4〜25体積%のプロピレン、
6〜70体積%のプロパン、
5〜60体積%のH2O、
8〜65体積%のO2、および
0.3〜20体積%のプロピレンH2
本発明による方法はまた、開始反応ガス混合物1が0.1〜30体積%のCO2を含む場合に好適である。
本発明によれば可能である開始反応ガス混合物2は、以下をも含む場合がある:
3〜25体積%のアクロレイン、
5〜65体積%の分子酸素、
6〜70体積%のプロパン、
0.3〜20体積%の分子水素、および
8〜65体積%の蒸気。
最後に、本発明はまた、第2の分離ゾーンにおいて結晶化により分離されたアクリル酸が溶融され、溶融アクリル酸結晶がポリマーを製造するために遊離基重合される少なくとも1つの遊離基重合の方法が続く方法をも含むことに注目する必要がある。本書では、さらには添加されないプロパンは、n−プロパンを意味する。
本発明は、アクリル酸を製造するための本発明による方法に、アクリルエステルを製造する方法が続く方法をさらに含み、この場合、本発明に基づき製造されたアクリル酸は、一般的に酸触媒下で、アルコール(好ましくはアルカノール、より好ましくはC1−アルカノールからC12−アルカノール)でエステル化される。エステル化の方法に、このようにして製造されたアクリルエステルが重合される遊離基重合の方法が続く場合がある。
また、生成物ガス混合物2から凝縮相にアクリル酸を変換する(分離ゾーン1において)際に残留する残留ガスの少なくとも一部を第1の反応段階および/または第2の反応段階に再利用することができることも、注目する必要がある。
また、部分脱水素化から少なくとも部分的に、開始反応ガス混合物1に含まれるプロピレンを開始反応ガス混合物1に供給することも可能である(例えば、分子酸素の存在下において、および/または分子酸素を排除した状態で、均一および/または不均一に触媒されて)(一般的には未変換プロパンの存在下において)。上述の場合では、生成物ガス混合物2から凝縮相にアクリル酸を変換する際に残留する残留ガスの少なくとも一部を、プロパンの部分脱水素に再利用することができる。
開始反応ガス混合物1のシクロプロパン含有量は、ガスクロマトグラフィーによって問題なく決定することができる(開始反応ガス混合物1のその他すべての含有量と同様に)。開始反応ガス混合物1の凝縮相を分析することにより、シクロプロパンおよび他のC3炭化水素の検出限界が拡張されることが可能になる。
実施例および比較例
I. シクロプロパンの非存在下および存在下におけるプロピレンからアクリル酸への2段階不均一触媒部分酸化
A) 反応装置の一般的な実験設定
第1の酸化段階の反応器(第1の反応段階)
反応器は、ステンレス鋼のジャケット付きシリンダー(シリンダー外部容器で囲まれたシリンダーガイド管)で構成されていた。壁厚は、常に2〜5mmであった。
外部シリンダーの内径は91mmであった。ガイド管の内径は約60mmであった。
ジャケット付きシリンダーは、上部と下部がそれぞれ蓋と基部で閉鎖されていた。
接触管(全長400cm、内径26mm、外径30mm、壁厚2mm、ステンレス鋼)は、いずれの場合にも上端および下端の蓋および基部から僅かに突出するように(封止されて)、シリンダー容器のガイド管に収容されていた。シリンダー容器には、熱交換媒体(53重量%の硝酸カリウム、40重量%の亜硝酸ナトリウム、および7重量%の硝酸ナトリウムからなる塩溶融物)を封入した。シリンダー容器内の接触管の全長(400cm)にわたる接触管の外壁に極めて均一な熱境界条件を保証するため、プロペラポンプにより熱交換媒体をポンプ循環させた。
外部ジャケットに取り付けた電気ヒータにより、熱交換媒体の温度を所望のレベルに制御した。それ以外には、空気冷却を行った。
反応器の充填:
第1段階の反応器を確認しながら、塩溶融物および第1段階の反応器の充填ガス混合を並流で通した。充填ガス混合物は、第1段階の反応器の下部に流入した。いずれの場合にも、混合物は165℃の温度で反応管に通した。
塩溶融物は、温度Tinでシリンダーガイド管の下部に流入し、Tinよりも最高で2℃高い温度Toutでシリンダーガイド管の上部に残留した。
第1の酸化段階の出口において1回通過する際に97.8±0.1mol%のプロピレン変換を常に生じるように、Tinを調節した。
触媒管の充填(下部から上方へ):
セクションA:長さ90cm
直径4〜5mmのステアタイト球の予備床
セクションB:長さ100cm
形状5mm×3mm×2mm(外径×長さ×内径)の30重量%のステアタイトリングと、セクションCの70重量%の無担持触媒との均一混合物の触媒充填。
セクションC:長さ200cm
ドイツ特許出願第DE−A 100 46 957号の実施例1による環状(5mm×3mm×2mm=外径×長さ×内径)無担持触媒の触媒充填(化学量論:[Bi229・2WO30.5[Mo12Co5.5Fe2.94Si1.590.08x1
セクションD:長さ10cm
形状7mm×3mm×4mm(外径×長さ×内径)のステアタイトリングの下流床
中間冷却および中間酸素供給(2次ガスとして純粋なO2
(空気による間接的な)中間冷却のため、第1の固定床反応器に残留する生成物ガス混合物1を、20cmの長さまで中心に取り付け、形状7mm×3mm×4mm(外径×長さ×内径)のステアタイトリングの不活性床を充填し、第1段階の触媒管の上に直接フランジ付けした接続管(長さ40cm、内径26mm、外径30mm、壁厚2mm、ステンレス鋼、1cmの絶縁材を巻き付ける)に通した。
生成物ガス混合物1は、常にTinを超える温度で接続管に流入し(第1段階)、200℃超〜270℃未満の温度で接続管に残留した。
接続管の端部で、生成物ガス混合物1の圧力レベルの分子酸素を、冷却した生成物ガス混合物1に計量供給した。得られたガス混合物(第2の酸化段階の充填ガス混合物)を、上述の接続管を他端により同様にフランジ付けした第2段階の触媒管に直接通した。計量供給した分子酸素の量は、得られたガス混合物に含まれるO2と、得られたガス混合物に含まれるアクロレインとのモル比が1.3となるような量とした。
第2の酸化段階(第2の反応段階)の反応器
第1の酸化段階のものと同一の設計である触媒管固定床反応器を使用した。反応器を確認しながら、塩溶融物および充填ガス混合物を並流で通した。塩溶融物は下部に流入し、充填ガス混合物も同様に流入した。塩溶融物の入口温度Tinは、第2の酸化段階の出口において1回通過する際に99.3±0.1mol%のアクロレイン変換を常に生じるように調整した。塩溶融物のToutは、常にTinよりも最高で2℃高かった。
触媒管の充填(底部から上方)は、以下の通りであった。
セクションA:
長さ70cm
形状7mm×3mm×4mm(外径×長さ×内径)のステアタイトリングの上流床
セクションB:
長さ100cm
形状7mm×3mm×4mm(外径×長さ×内径)の30重量%のステアタイトリングと、セクションCの70重量%のコーティング触媒との均一混合物の触媒充填。
セクションC:
長さ200cm
ドイツ特許出願第DE−A 10046928号の製造例5による環状(7mm×3mm×4mm=外径×長さ×内径)コーティング触媒の触媒充填(化学量論:Mo1231.2Cu2.4x)。
セクションD:
長さ30cm
直径4〜5mmのステアタイト球の下流床
B) 第1の酸化段階の開始反応ガス混合物1の組成物の関数として達成した結果(プロペンの充填は、150Nl/l・時に設定;アクリル酸形成の選択性(変換したプロピレンに基づき両反応段階にわたって評価)は、常に94mol%以上)
a) 第1の酸化段階の開始反応ガス混合物1の組成物は、(開始反応ガス混合物1の全体積に基づき)実質的に以下を含んでいた:
6.3体積%のプロピレン、
28体積%のプロパン、
X体積%のシクロプロパン、
10.8体積%のO2
5体積%のH2O、および
残りとしてN2
生成物ガス混合物2から、形成されたアクリル酸を、事前に形成し、4℃に冷却し、ヒドロキノンで重合を阻害した凝縮物で直接冷却することにより凝縮した。以下の表は、開始反応ガス混合物1に含まれるシクロプロパンの量X*の関数として、凝縮物に含まれるアクリル酸の量に基づき、凝縮物に含まれるプロピオン酸の量の重量割合Yを示すが、ここでは、開始反応ガス混合物に含まれるプロピレンのモル量と相関させてmol%で示している。
Figure 2009520747
II. アクリル酸含有液相Pからの結晶化分離
液相Pは、以下の含有量を有していた:
95.201重量%のアクリル酸、
0.042重量%のメタクリル酸、
0.604重量%のベンズアルデヒド、
0.062重量%のプロピオン酸、
0.687重量%のフラン−2−アルデヒド、
0.663重量%の酢酸、
0.004重量%のフラン−3−アルデヒド、
0.002重量%のアリルアクリレート、
0.009重量%のアクロレイン、および
2.20重量%の水。
150重量ppmのヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)および1000重量ppm未満のフェノチアジンを添加することにより(含まれるアクリル酸に基づく)、重合を阻害した。
1800gの液相Pを、撹拌した金属タンク(容量2L;壁の間隙が極めて狭いヘリカル攪拌機)に充填した。
1K/hの冷却率にて、ジャケットに通した冷却液の温度(水/グリコール混合物)を、得られた結晶懸濁液(残留溶融物に懸濁したアクリル酸結晶)が18重量%の固体含有量を有するまで低下させた。次いで、結晶懸濁液の一部を抽出し、プロピレン濾布を備えた振るいカップの実験用遠心分離器にて、2000rpmの回転速度で180秒間遠心分離させ、それにより残留した母液をほぼ完全にふるい落とした。残留する結晶および振るい落とした母液を分析したところ、3.9のプロピオン酸枯渇係数が得られた(枯渇係数とは、母液中に残留するプロピオン酸と、結晶中に残留するプロピオン酸との定量比であり、いずれの場合にも、母液の全量および結晶の全量にそれぞれ基づき、重量%で表される)。
2005年12月22日出願の米国仮特許出願第60/752,362号は、参考として本特許出願で援用される。
上述の教示内容に関しては、本発明からの変更および逸脱が数多く可能である。
したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の適用範囲内において、本明細書に具体的に記載した方法とは異なる方法で実施できることを想定することができる。

Claims (29)

  1. プロピレンからアクリル酸への不均一触媒部分気相酸化の方法であって、第1の反応ゾーンにおいて、プロピレン、分子酸素、および少なくとも1つの不活性希釈ガスを含み、かつO2:C36のモル比が1以上で前記分子酸素と前記プロピレンを含む開始反応ガス混合物1を、高温の第1の反応段階で、まず、活性組成物としてMo、FeおよびBiを含む少なくとも1つの多金属酸化物を触媒が有する少なくとも1つの第1の触媒床に通して、前記触媒床を1回通過した際のプロピレン変換率が90mol%以上となり、かつアクロレイン形成とアクリル酸副生成物形成を合わせた付随する選択性SACが80mol%以上となるようにし、前記第1の反応段階を終えた前記生成物ガス混合物1の温度を、適宜、直接冷却により、または間接冷却により、または直接および間接冷却により低下させ、さらに適宜、生成物ガス混合物1に、分子酸素の形態の、または不活性ガスの形態の、あるいは分子酸素および不活性ガスの形態の2次ガスを添加し、次いで、生成物ガス混合物1を、アクロレイン、分子酸素、および少なくとも1つの不活性希釈ガスを含み、かつO2:C34Oのモル比が0.5以上で前記分子酸素および前記アクロレインを含む開始反応ガス混合物2として、高温の第2の反応段階で、活性組成物としてMoおよびVを含む少なくとも1つの多金属酸化物を触媒が有する少なくとも1つの第2の触媒に通して、触媒床を1回通過した際のアクロレイン変換率が90mol%以上となり、かつ両反応段階にわたって評価された、変換されたプロピレンに基づくアクリル酸形成の選択性SAAが70mol%以上となるようにし、その後、前記第2の反応段階で形成された前記生成物ガス混合物2から、そこに含まれるアクリル酸を、前記第1の分離ゾーンにおいて、現在の相から凝縮相に変換し、次いで、第2の分離ゾーンにおいて、少なくとも1つの熱分離工程を使用することにより、濃縮相からアクリル酸を分離する方法において、開始反応混合物1が、前記開始反応ガス混合物1に含まれるプロピレンのモル量に基づき、最高3mol%のシクロプロパンを含み、前記第2の分離ゾーンの前記少なくとも1つの熱分離工程が、アクリル酸の少なくとも1つの結晶分離を含むことを特徴とする方法。
  2. 開始反応ガス混合物1が、前記開始反応ガス混合物1に含まれるプロピレンの全量に基づき、50molppb〜2mol%のシクロプロパンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 開始反応ガス混合物1が、前記開始反応ガス混合物1に含まれるプロピレンの全量に基づき、100molppb〜1mol%のシクロプロパンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記アクリル酸が、吸収措置によって生成物ガス混合物2から前記凝縮相に変換されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記アクリル酸が、凝縮措置によって生成物ガス混合物2から前記凝縮相に変換されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記アクリル酸が、吸収および凝縮措置によって生成物ガス混合物2から前記凝縮相に変換されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 吸収剤として水または水溶液を使用することを特徴とする、請求項4または6に記載の方法。
  8. 前記アクリル酸が、分別凝縮によって生成物ガス混合物2から前記凝縮相に変換されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記アクリル酸の少なくとも1つの結晶化分離を、前記第1の分離ゾーンにおいて実施した生成物ガス混合物2から前記凝縮相へのアクリル酸の変換時に得られたアクリル酸含有凝縮相から、前記第2の分離ゾーンにおいて実施することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記アクリル酸の前記少なくとも1つの結晶化分離を、前記第1の分離ゾーンで得られた前記アクリル酸含有凝縮相に対して結晶化以外の少なくとも1つの熱分離工程を使用することにより得られる液相から、前記第2の分離ゾーンにおいて実施することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記アクリル酸の前記少なくとも1つの結晶化分離を、分別凝縮として実施することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記アクリル酸の前記少なくとも1つの結晶化分離を、層結晶化として実施することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記アクリル酸の前記少なくとも1つの結晶化分離が、動的層結晶化と静的層結晶化の組み合わせであることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記アクリル酸の前記少なくとも1つの結晶化分離を、懸濁結晶化として実施することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 形成された懸濁液結晶と残留する母液との分離を、洗浄カラムで実施することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 前記アクリル酸の前記少なくとも1つの結晶化分離を、水を含む液相から実施することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記第2の分離ゾーンにおいて結晶化により分離されたアクリル酸を溶融させ、溶融アクリル酸結晶をポリマーを製造するために遊離基重合させる、遊離基重合の少なくとも1つの方法が続くことを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記第2の分離ゾーンにおけるアクリル酸の前記少なくとも1つの結晶化分離と少なくとも1つの非精密分離工程とを、前記第1および/または前記第2の分離ゾーンにおいて、結晶化アクリル酸分離において残留する母液を少なくとも部分的に非精密分離工程の少なくとも1つに再利用することによって組み合わせることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. Mo、FeおよびBiを含む前記少なくとも1つの多金属酸化物が、以下の一般化学式IV:
    Mo12BiaFeb1 c2 d3 e4 fn (IV)
    [式中、
    1=ニッケルおよび/またはコバルト、
    2=タリウム、アルカリ金属、および/またはアルカリ土類金属、
    3=亜鉛、リン、ヒ素、ホウ素、アンチモン、錫、セリウム、鉛、および/またはタングステン、
    4=ケイ素、アルミニウム、チタン、および/またはジルコニウム、
    a=0.5〜5、
    b=0.01〜5、
    c=0〜10、
    d=0〜2、
    e=0〜8、
    f=0〜10、ならびに、
    n=式IV中の酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数値]の1つであることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
  20. MoおよびVを含む前記少なくとも1つの多金属酸化物が、以下の一般化学式VII:
    Mo12a1 b2 c3 d4 e5 f6 gn (VII)
    [式中、
    1=W、Nb、Ta、Cr、および/またはCe、
    2=Cu、Ni、Co、Fe、Mn、および/またはZn、
    3=Sbおよび/またはBi、
    4=1つ以上のアルカリ金属、
    5=1つ以上のアルカリ土類金属、
    6=Si、Al、Ti、および/またはZr、
    a=1〜6、
    b=0.2〜4、
    c=0.5〜18、
    d=0〜40、
    e=0〜2、
    f=0〜4、
    g=0〜40、ならびに、
    n=式VII中の酸素以外の元素の原子価および頻度によって決定される数値]の1つであることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記少なくとも1つの第1の触媒床の比体積活性が、開始反応ガス混合物1の流れ方向の流路の長さにわたって少なくとも1回増大することを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記少なくとも1つの第2の触媒床の比体積活性が、開始反応ガス混合物2の流れ方向の流路の長さにわたって少なくとも1回増大することを特徴とする、請求項1から21までのいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記少なくとも1つの第1の触媒床が、固定床であり、そのプロペン負荷量が、120Nl/l・時以上、250Nl/l・時以下であることを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項に記載の方法。
  24. 開始反応ガス混合物1が6〜13体積%のプロピレンを含むことを特徴とする、請求項1から23までのいずれか1項に記載の方法。
  25. 開始反応ガス混合物1が0体積%超〜35体積%のH2Oを含むことを特徴とする、請求項1から24までのいずれか1項に記載の方法。
  26. 開始反応ガス混合物1が0.01体積%以上のプロパンを含むことを特徴とする、請求項1から25までのいずれか1項に記載の方法。
  27. 生成物ガス混合物2から前記凝縮相へのアクリル酸の変換時に残留する残留ガスの少なくとも部分量を、前記第1の反応段階および/または前記第2の反応段階に再利用することを特徴とする、請求項1から26までのいずれか1項に記載の方法。
  28. 開始反応ガス混合物1に含まれる前記プロピレンを、少なくとも部分的に、プロパンの部分脱水素化から開始反応ガス混合物1に供給することを特徴とする、請求項1から27までのいずれか1項に記載の方法。
  29. 生成物ガス混合物2から前記凝縮相へのアクリル酸の変換時に残留する残留ガスの少なくとも部分量を、プロパンの前記部分脱水素化に再利用することを特徴とする、請求項28に記載の方法。
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