JP2009513766A - 新規な蛍光染料およびその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アクリジン誘導体を主成分とする蛍光染料およびこのような染料の、例えば生化学および/または細胞を基本とするアッセイにおける使用に関する。幾つかの開示される染料の好ましい特徴は、その長い蛍光寿命および生物学的な分子を標識するためのその用途である。

Description

本発明は、アクリジン誘導体を基本とする蛍光染料およびこのような染料の、例えば生物化学的アッセイおよび/または細胞に基くアッセイにおける使用に関するものである。ここに記載される幾つかの染料の好ましい特徴は、その長い蛍光発光寿命およびその生物学的な分子を標識するための利用性にある。
染料を含む蛍光性分子は、細胞を含まない生化学的アッセイ、並びに細胞を基本とするアッセイにおける、生物学的な分子を標識しおよび検出するための薬剤として、長きに渡り利用されている。しかし、多くの系において、バックグラウンド蛍光発光が見られ、また該関連する蛍光シグナルを首尾よく検出するためには、良好なシグナル/ノイズ比を持つ必要がある。
多くの高度に蛍光発光性の染料が公知であり、またシグナル/ノイズ比を改善するために利用されている。もう一つの方法は、蛍光性分子を用いることであり、ここで該蛍光性分子は、その分子の検出が、該バックグラウンドから容易に識別できるように、検討中の系とは大幅に異なる、蛍光発光寿命を示す。
生化学的アッセイおよび細胞に基くアッセイにおいて使用するのに適した蛍光発光特性を持つ、新規な蛍光性分子および/または既知分子の同定に対する需要が、常に存在し、また中でも特に、このようなアッセイにおいて使用するための新規な蛍光性分子を提供しおよび/または同定し、並びにこのようなアッセイにおける該蛍光性分子の使用法を提供することが、本発明の目的である。
従って、第一の局面においては、ターゲット材料の蛍光標識および/または該材料の寿命検出のための、試薬の使用を提供するものであり、ここで該試薬は、以下の式(I)で表される蛍光染料およびその塩を含む:
Figure 2009513766
ここで、破線Yは、単結合または二重結合であり、該破線Yが、単結合である場合、環Z3は、ピリジルまたはジヒドロピリジル環であり、該破線が二重結合である場合には、該環Z3は、ジヒドロピリジル環であり、また場合によりR1およびR2の一方は、存在しなくても良いが、R1およびR2両者が存在する場合には、これらが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
基R4は、Z1環構造の利用可能な原子に結合しており、また基R5は、Z2環構造の利用可能な原子に結合しており;
該Z1およびZ2は、夫々独立に一つの環、二個の縮合した環、または三個の縮合した環または芳香族または複素芳香族環系を完成するに必要な原子を表し、該環の各々は、夫々独立に、独立に炭素原子から選択される5または6個の原子および場合により独立に酸素、窒素および硫黄から選択される、2個を越えない原子を持ち;
R1、R2およびR3は、各存在位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基および四級アンモニウム基から選択され;
R4およびR5は、各存在位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基および基:-J、-Kまたは-J-Kから選択され(ここでJはリンカー基であり、またKはターゲット結合基である)から選択されるが、存在するR4および/またはR5の少なくとも一つは、水素原子ではないことを条件とし;
また、該環Z3がピリジル環である場合には、R3は場合により存在しなくても良いが、R3が存在する場合には、これが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
あるいは破線Yが、単結合である場合には、R1およびR2は、これらが結合している窒素原子と共に以下の式:
Figure 2009513766
で表される基を形成し、該式においてR6およびR7は、R1、R2およびR3に対して与えたものと同一の意味を持つ。
本発明による染料は、蛍光寿命染料として使用するのに特に適している。本発明によれば、用語「寿命染料」とは、染料が、励起後にその励起状態に維持される時間の平均の量として定義される、測定可能な蛍光発光寿命を持つ染料を意味するものとする(Lackowicz, J.R., 蛍光分光分析法の原理(Principles of Fluorescence Spectroscopy), クルワーアカデミック/プレナムパブリッシャーズ(Kluwer Academic/Plenum Publishers), N.Y., (1999))。
好ましくは、該蛍光染料は、5〜30ナノ秒なる範囲、好ましくは8〜25ナノ秒なる範囲、より好ましくは12〜25ナノ秒なる範囲の蛍光寿命を持つ。
好ましくは、Z1およびZ2は、夫々独立に、芳香族環、または縮合芳香族環を形成する。該芳香族環は、置換または無置換のものであり得る。好ましくは、該芳香族環は、置換または無置換のフェニル基(ここでは、ベンゼン環と呼ぶこともできる)である。
好ましくは、該縮合芳香族環は、ナフチル、フェナントリル、またはアントラシル(これらは、ここでは夫々ナフタレン、フェナントレンまたはアントラセン環と呼ぶこともできる)から選択される基を形成する。
不飽和または飽和アリール基は、6〜10個の炭素原子を含む、1または2個の縮合芳香族環を含有する芳香族置換基、例えばフェニルまたはナフチル基であり、該アリール基は、場合により、また独立に1またはそれ以上の置換基、例えばハロゲン原子、ヒドロキシル基、直鎖または分岐鎖C1-C6アルキル、アラルキルまたはアルコキシ基により置換されている。
ヘテロアリール基は、二環式の5〜10-員の芳香族環系であって、少なくとも一つの、および3個を越えない複素原子を含み、該複素原子は、N、OおよびSから選択することができ、また場合によりおよび独立に1またはそれ以上の置換基、例えばハロゲン原子、ヒドロキシル基、直鎖または分岐鎖C1-C6アルキル、アラルキル基またはアルコキシ基によって置換されている。
アラルキル基は、典型的にアリール基またはヘテロアリール基によって置換された、C1-C6アルキル基である。
典型的には、該置換または無置換のアルキルまたはアルケニル基は、アミノ、ヒドロキシル、スルフヒドリル基、カルボニルおよびホスフェート基を含むものと理解される置換基をもつ、C1-C6アルキルまたはアルケニル基である。
好ましくは、上記式(I)で表される染料における、該基R1、R2、R3、R4およびR5の少なくとも一つは、-J、-Kまたは-J-Kである。より好ましくは、Yは単結合であり、Z3はピリジル環であり、R1、R2はHであり、R3は存在せず、また少なくとも1回現れる、R4および/またはR5は、基:-J、-Kまたは-J-Kである。
適当なリンカー基Jは、炭素原子、場合により窒素、酸素、硫黄および/またはリン原子を含む、1〜40(特に1〜10)個の連鎖原子を含むことができる。例えば、該連鎖は、置換または無置換のアルキルまたはアルケニル、アルコキシ連鎖、アルカンカルボキサミド、例えばアセタミドであり得る。
適当には、該生物学的分子結合基Kは、反応性または官能性の基である。上記式(I)の化合物の反応性の基は、適当な条件の下で、生物学的分子の官能基と反応でき、該式(I)の化合物の官能性の基は、適当な条件の下で、該生物学的分子の反応性の基と反応して、該生物学的分子を、該化合物で標識することができる。
好ましくは、Kが反応性の基である場合、サクシンイミジルエステル、スルホ-サクシンイミジルエステル、イソチオシアネート、マレイミド、ハロアセタミド、酸ハライド、ビニルスルホン、ジクロロトリアジン、カルボジイミド、ヒドラジド、ホスホラミダイト、ペンタフルオロフェニルエステルおよびアルキルハライドから選択される。好ましくは、Kが官能性の基である場合、これは、ヒドロキシ、アミノ、スルフヒドリル、イミダゾール、カルボキシル、アルデヒドおよびケトンを包含するカルボニル、ホスフェートおよびチオホスフェートから選択される。Kが官能性の基である場合、該生物学的分子と複合化する際に、変性することができ、例えばアミノ基は、アミドとすることができ、またはカルボキシルはエステルとすることができる。これらの反応性および官能性の基によって、上記式(I)の化合物は、生物学的分子と反応し、またこれと共有結合により結合し得る。
当業者は、どの官能性/反応性基が、該染料をカップリングすべき、該生物学的分子の対応する反応性/官能性基と反応できるかを、容易に知ることができる。
有利には、上記式(I)の染料の該基R1、R2、R3、R4およびR5の少なくとも一つは、該化合物に親水性を付与するために、水溶性の基であり得る。水溶性の基、例えばスルホネート、スルホン酸および四級アンモニウム基は、上記式(I)の化合物の芳香族環構造Z1および/またはZ2と直接結合することができる。あるいはまた、水溶性の基は、リンカー、例えばC1-C6アルキルリンカー鎖によって、該環構造に結合することができ、また例えば-(CH2)n-Mから選択することができ、ここでMは、スルホネート、サルフェート、ホスホネート、ホスフェート、四級アンモニウムおよびカルボキシルから選択され、またnは1〜6なる範囲に整数である。その他の水溶性の基は、炭水化物残基、例えば単糖類残基であり得る。水溶性成分の例は、C1-C6アルキルスルホネート、例えば-(CH2)3-SO3 -および-(CH2)4-SO3 -を含む。しかし、上記式(I)の染料の該芳香族環構造に直接結合した、1またはそれ以上のホスホネートまたはスルホン酸基が、特に好ましい。水溶性は、タンパク質を標識する際に有利であり得る。
理解されるように、本発明の蛍光染料の幾つかは、例えば四級アンモニウム基において、電荷を含むことができ、またこの電荷は、塩を形成し、または負に帯電した分子、例えばDNAおよび/またはRNAと結合するのに利用できる。
適当な生物学的分子は、抗体、脂質、タンパク質、ペプチド、炭水化物、1またはそれ以上のアミノ、スルフヒドリル、カルボニル、ヒドロキシルおよびカルボキシル、ホスフェートおよびチオホスフェート基を含む、あるいはこれらを含むように誘導体化されるヌクレオチド、および1またはそれ以上のアミノ、スルフヒドリル、カルボニル、ヒドロキシルおよびカルボキシル、ホスフェートおよびチオホスフェート基を含む、あるいはこれらを含むように誘導体化されるオキシまたはデオキシポリ核酸、微生物物質、薬物、ホルモン、細胞、細胞膜および毒素を含むが、これらに制限されない。
更なる局面においては、生物学的分子と複合状態にある、以下の式(I)で表される染料を含む、生物学的アッセイにおいて使用するための、蛍光染料-生物学的分子複合体を提供する:
Figure 2009513766
ここで、破線Yは、単結合または二重結合であり、該破線Yが、単結合である場合、環Z3は、ピリジルまたはジヒドロピリジル環であり、該破線が二重結合である場合には、該環Z3は、ジヒドロピリジル環であり、また場合によりR1およびR2の一方は、存在しなくても良いが、R1およびR2両者が存在する場合には、これらが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
基R4は、Z1環構造の利用可能な原子に結合しており、また基R5は、Z2環構造の利用可能な原子に結合しており;
該Z1およびZ2は、夫々独立に一つの環、二個の縮合した環、または三個の縮合した環または芳香族または複素芳香族環系を完成するに必要な原子を表し、該環各々は、独立に炭素原子から選択される5または6個の原子および場合により独立に酸素、窒素および硫黄から選択される、2個を越えない原子を持ち;
R4およびR5の何れかは、独立に生物学的分子との複合状態にある、リンカー基:-J(前に定義したような)であり;
該基R1、R2またはR3の何れかは、各存在(出現)位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基から選択され;
残りの該R4およびR5の何れかは、各存在(出現)位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基から選択され:
また、該環Z3がピリジル環である場合には、R3は場合により存在しなくても良いが、R3が存在する場合には、これが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
あるいは破線Yが、単結合である場合には、R1およびR2は、これらが結合している窒素原子と共に、以下の式:
Figure 2009513766
で表される基を形成し、該式においてR6およびR7は、該基R1、R2またはR3の何れかに対して与えたものと同一の意味を持つ。
本明細書に記載する該染料および染料-複合体は、更に細胞侵入(cell entry)ペプチドを含むことができる。該細胞侵入ペプチドは、ペネトラチン(Penetratin) (サイクラセル(Cyclacel), UK)、例えばTATまたはシャリオット(Chariot)であり得る。
更に別の局面では、以下の式(I)で表される蛍光染料およびその塩を提供する:
Figure 2009513766
ここで、破線Yは、単結合または二重結合であり、該破線Yが、単結合である場合、環Z3は、ピリジルまたはジヒドロピリジル環であり、該破線が二重結合である場合には、該環Z3は、ジヒドロピリジル環であり、また場合によりR1およびR2の一方は、存在しなくても良いが、R1およびR2両者が存在する場合には、これらが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
基R4は、Z1環構造の利用可能な原子に結合しており、また基R5は、Z2環構造の利用可能な原子に結合しており;
該Z1およびZ2は、夫々独立に一つの環、二個の縮合した環、または三個の縮合した環または芳香族または複素芳香族環系を完成するに必要な原子を表し、該環各々は、独立に炭素原子から選択される5または6個の原子および場合により独立に酸素、窒素および硫黄から選択される、2個を越えない原子を持ち;
該基R4およびR5の少なくとも一つは、独立に生物学的分子との複合状態にある-Jまたは-J-Kであり、ここでJはリンカー基であり、またKはターゲット結合基であり;
該基R1、R2およびR3の何れかは、各存在位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基から選択され;
残りの該基R4およびR5の何れかは、各存在位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基から選択され:
また、該環Z3がピリジル環である場合には、R3は場合により存在しなくてもよいが、R3が存在する場合には、これが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
あるいは破線Yが、単結合である場合には、R1およびR2は、これらが結合している窒素原子と共に、以下の式:
Figure 2009513766
で表される基を形成し、該式においてR6およびR7は、該基R1、R2およびR3の何れかに対して与えたものと同一の意味を持つ。
好ましい置換基は、上記第一の局面に関連して上で説明されている。
特に好ましいものは、以下の式(II)または(III)で表され、またこれまでに説明したものと同一の定義を持つ、染料である:
Figure 2009513766
本発明による、更に好ましい染料は、以下の式(iv)で表されるものである:
Figure 2009513766
ここで、該基R4またはR5の少なくとも一つは、独立に-J、-Kまたは-JKであり、ここで前に説明したように、Jはリンカー基であり、またKはターゲット結合基である。好ましいリンカー基Jは、炭素および場合により窒素原子を含む、1-10個の連鎖原子を含むことができ、例えば置換または無置換のアルキルまたはアルカンカルボキサミドであり得;またKは、反応性または官能性の基、例えばサクシンイミジル(succininidyl)エステル、スルフヒドリル、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ等である。
本発明の染料の幾つかを合成するための例示的な反応経路は、以下の通りである:
環置換基を持つ、9-アミノアクリジン誘導体の合成
方法1
Figure 2009513766
方法2:
Figure 2009513766
様々な環置換基を持つアクリドンの合成は、既に報告されており、このものは次に、上記合成手順を用いて、対応する9-アミノアクリジン誘導体に転化することができる。
9-アミノ官能基の誘導体
方法3:
Figure 2009513766
方法4:
Figure 2009513766
方法5:
Figure 2009513766
方法6:
Figure 2009513766
方法7:
Figure 2009513766
ピリジル窒素の誘導体
方法8:
Figure 2009513766
方法9:
Figure 2009513766
方法10:
Figure 2009513766
従って、本発明は、また上記方法1-10に記載したような方法に従う、上記式(I)、(II)または(III)で表される新規蛍光性染料の製法をも提供するものである。
上記の染料は、多くの生物学的および/または細胞を基本とするアッセイにおける用途ある。簡単なアッセイにおいて、本発明による蛍光性染料は、結合剤または被検体が、あるサンプル中に存在するか否かを検出するのに使用することができ、そこでは、該結合剤/被検体が、相手分子に特異的に結合でき、該結合剤/被検体の一方または相手は、本発明による蛍光染料で標識されている。このようなアッセイは、推定上の阻害剤または増強剤が持つ可能性のある、該結合剤とその相手との間の結合に及ぼす作用を決定するのに適したものであり得る。典型的な結合剤/被検体および相手分子は、タンパク質/タンパク質、タンパク質/核酸、核酸/核酸、タンパク質/小分子、および核酸/小分子相手を含む。
細胞を基本とするアッセイに関連して、これらのアッセイは、生きた細胞について、または細胞成分、例えば細胞壁フラグメントを用いて行うことができる。原核細胞および真核細胞、特に哺乳動物およびヒトの細胞を含む、任意の細胞を使用できる。
本発明のアッセイは、典型的に多重ウエルプレート、例えば24、96、384またはそれ以上の密度のウエル、例えば864または1536ウエルを持つ微量分析用プレートのウエル内で行うことができる。あるいはまた、該アッセイは、アッセイチューブまたは多重流体デバイスの微細チャンネル内で行うことができる。
公知の検出法を利用して、該ラベルの蛍光強度および/またはその寿命を測定することができる。これらの方法は、検出デバイスとして、光電子増倍管を利用した装置の使用を含む。数種の方法、例えば以下のような方法が、これらの方法を用いて実施可能である:
i) 時間相関単一フォトン計数法(蛍光分光分析法の原理(Principles of Fluorescence Spectroscopy), (第4章) 編者:J.R. Lakowicz, 第二版, 1999, クルーワー/アカデミックプレス(Kluwer/Academic Press)刊を参照);
ii) 頻度ドメイン/相変調(frequency domain/phase modulation)に基く方法(蛍光分光分析法の原理(Principles of Fluorescence Spectroscopy), (第5章) 編者:J.R. Lakowicz, 第二版, 1999, クルーワー/アカデミックプレス刊を参照);および
iii) タイムゲーティング(time gating)に基く方法(Sanders等, Analytical Biochemistry, 1995, 227 (2):302-308を参照)。
適当なデバイスは、エディンバラインスツルメンツ(Edinburgh Instruments) FLS920蛍光測定器(エディンバラインスツルメンツ(Edinburgh Instruments)社, UK)である。
蛍光強度の測定は、電荷結合デバイス(CCD)撮像装置、例えばスキャンニング撮像装置またはエリア撮像装置によって実施して、多重ウエルプレートの全ウエルを撮像することができる。このリードシーカー(LEADseekerTM)装置は、一回のパスで、高密度の微量分析プレートの撮像を可能とするCCDカメラを備えることを特徴とする。撮像は、定量的かつ迅速であり、また撮像用途に適した計装は、今や多重ウエルプレート全体を、同時に撮像することを可能とする。実施することのできるアッセイの型の詳細は、例えばWO02/099424およびWO03/089665に記載されている。
本発明の蛍光染料で標識するのに特に好ましい生物学的分子は、ペプチドまたはタンパク質である。当業者は、合成ペプチド内の特異的なサイトにおける標識を可能とする方法を認識している(例えば、Bioconjugate Techniques, G.T. Hermanson, アカデミックプレス(Academic Press)刊(1996)を参照)。
更に、蛍光標識および抑制(quenching)ペプチド法が、既に記載されている。即ち、WO 02/081509は、例えばトリプトファン、チロシンまたはヒスチジン残基を使用して、蛍光標識されたペプチド内の、蛍光強度を内部から抑制することを記載している。これらのペプチドは、内部-および外部-ペプチダーゼ活性を検出するのに使用できる。蛍光寿命の測定に関連する更なる、また極めて適した方法が、WO 03/089663に記載されており、当業者はこれを参照することができ、またそこに記載されている技術は、本明細書に記載する染料に対して適用できる。
ここに記載するように、該ペプチド基質は、例えば該ラベルの寿命における差に基いて、該開裂生成物から容易に識別できる。該強度および寿命における変化は、必要ならば追跡して、このアッセイに適合する二重のパラメータを得ることができる。
従って、本発明は、また蛍光変調部分の組込み、あるいはその除去に基いて、蛍光強度および/またはその寿命における変化を検出する方法にも係る。典型的に、このような部分は、該蛍光性分子内に初めから存在することができ、また相手分子の結合、または該変調部分の、例えば開裂反応による除去は、容易に検出できる、蛍光強度および/またはその寿命における変調に導く可能性がある。
蛍光のモジュレータは、典型的に発蛍光団の蛍光強度またはその寿命を増減する部分である。このような蛍光変調のメカニズムは、エネルギー移動、電子移動または分子間相互作用であり得るが、これらの限定されない。このような部分は、それ自体発蛍光団蛍光抑制剤、例えばdabcylまたはQSY35;芳香族環系、例えばナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレンおよびこれらの誘導体;トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、インドリルおよびこれらの誘導体であり得る。
以下、本発明を、実施例および添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
実施例部分
実施例1:チオアクリドンの合成
Figure 2009513766
手順:
トルエン(15mL)中に分散させた、N-メチルアクリドン(250mg、1.2mM)およびローエッソン(Lawesson)の試薬(540mg、1.34mM)の混合物を、窒素ガス雰囲気下で10分間攪拌し、次いで8時間還流下に加熱した。室温まで冷却した後、該トルエンを減圧下で除去し、生成するチオアクリドンを、DCMから再結晶させて、暗橙色の固体を得た。
1H NMR、IRおよびマススペクトルデータは、全て文献値と一致した(J. Pharm. Sci., 1971, 60:1239)。
405nmにて励起した際の、140mM NaCl、10mMリン酸バッファー(pH 7.4)中の、10-メチル-9(10H)-チオアクリドン(N-メチルチオアクリドン)および10-メチル-9(10H)-アクリドン(N-メチルアクリドン)の蛍光発光スペクトルが得られた。このチオアクリドンの濃度は、500nMであり、また該10-メチル-9(10H)-アクリドン(N-メチルアクリドン)の濃度は、100nMである。結果を図1に示した。
Figure 2009513766
高い蛍光発光特性を持つアクリドン誘導体を生成する試みにおいて、N-メチルチオアクリドンを製造し、その蛍光特性を、N-メチルアクリドンの蛍光特性と比較した。しかし、蛍光発光スペクトルから理解できるように、アクリドンのカルボニル酸素の、硫黄による置換は、該分子の蛍光発光を著しく減衰する。該チオアクリドンの蛍光発光強度は、対応するメチルアクリドン誘導体の該強度よりも著しく低い。
実施例2:
405nmにて励起した際の、9-アミノアクリジンおよび10-メチル-9(10H)-アクリドン(N-メチルアクリドン)の蛍光発光スペクトル。140mM NaCl、10mMリン酸バッファー(pH 7.4)中で、100nMの濃度の、これら両化合物が得られた。結果を図2に示した。
Figure 2009513766
同一濃度における、9-アミノアクリジンおよびN-メチルアクリドンの蛍光発光スペクトルの比較は、9-アミノアクリジンの蛍光が、N-メチルアクリドンの蛍光よりもかなり高明度であることを、明確に示している。一般に、高明度の染料は、蛍光発光を基本とする用途にとって一層有利である。結局、9-位にアミノ含有置換基を持つアクリジン誘導体は、蛍光レポータとしてかなり有望である。
実施例3:N-メチルアクリドン、N-メチルチオアクリドンおよび9-アミノアクリジンの蛍光寿命測定:
蛍光寿命を、エディンバラインスツルメンツFLS920蛍光測定器を用いて、時間相関単一フォトン計数(time-correlated single photon counting)法によって測定した。サンプルは、405nmにて励起し、450nmにて検出した。測定値は、10mMリン酸バッファー(pH 7.4)中で記録した。9-アミノアクリジンの蛍光寿命発光スペクトルを図3に示した。
Figure 2009513766
実施例4:9-アミノ位における9-アミノアクリジンの誘導体化
405nmにて励起した際の、140mM NaCl、10mMリン酸バッファー(pH 7.4)中の、100nM濃度の、(アクリジン-9-イルアミノ)酢酸エチルエステルの蛍光発光スペクトルを、図4に示した。
蛍光寿命の測定
蛍光寿命は、14.9nsであることが示された。励起波長:405nm、および検出波長:450nm。
実験手順
Figure 2009513766
100mgの9-アミノアクリジン[飽和NaHCO3(aq)に溶解し、DCMで抽出し、Na2CO3で乾燥した、9-アミノアクリジン・H2O・HCl(アルドリッチ(Aldrich)社製)]を、2mLのDMFに溶解した。ブロモエチルアセテート(86.5μL)を注入し、得られる混合物を80-85℃にて加熱した。1時間後に反応が開始して、明るい黄色から褐色を帯びた色へと黒ずむ。反応を、更に4時間継続した。該DMFを、トルエン(3×15mL)との共沸条件下で、減圧下にて除去し、トルエンをDCMとの共沸条件下で、除去した。何の変化も伴わずに一夜乾燥し、DCM/MeOH(9:1)中でのTLCは、UVランプの照明下で全て蛍光発光性の、少なくとも8種の化合物の存在を示す。MSは、4種の主な成分(M/Z=195(M+1, 9-アミノアクリジン);281(M+1, モノ-アルキル化物);336(未知)および367(M+1, ジアルキル化物)の存在を示す。DCM〜DCM/MeOH(96:4)による、シリカ中でのクロマトグラフィー精製は、M/Z=336を持ち、全て僅かな量の不純物を含む、該モノ-アルキル化アミノアクリジン(281)を与える。蒸発させたところ、36mgの生成物を、黄色-橙色の固体として単離した。
Figure 2009513766
実施例5:アセタミジル-9-アミノアクリジン誘導体の合成
(1) 9-アミノアクリジン
Figure 2009513766
アクリジン塩酸塩(2g、8.7mM)を、水(100mL)に溶解した水酸化ナトリウム(0.7g、17.4mM)およびEtOAc(100mL)を含む混合物に添加し、15分間攪拌した。該EtOAc相を分離し、かつ該水性相をEtOAc(3×50mL)で洗浄した。得られた有機画分を併合し、乾燥(Na2CO3)し、濾過し、減圧下で濃縮して、オレンジ色の結晶性固体(1.7g、定量的)を得た。
(2) 2-アセタミジル-9-アミノアクリジン
Figure 2009513766
コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、5mLのrbfに、2,9-ジアミノアクリジン(100mg、0.48mM)および酢酸(300μL)を装入した。得られたこの溶液に、無水酢酸(47μL、0.50mM)を添加した。この反応混合物を窒素ガス雰囲気下で10分間、加熱還流した。LCMSは、予想された生成物および幾分かの痕跡量の出発物質のみの存在を示した。この反応混合物を、濃縮乾固した。NMR分析は、所定の生成物、出発物質のサンプル由来のアルカン不純物および残留する酢酸の存在を示した。この残渣を水に溶解し、DCMで洗浄して、アルカン不純物を除去した。得られた水性相を凍結乾燥して、褐色固体として2-アセタミジル-9-アミノアクリジンを得た(130mg、定量的)。1H NMRおよびLCMSによる分析は、構造と一致した。
(3) 3-アセタミジル-9-アミノアクリジン
Figure 2009513766
窒素ガス吹込装置を備えた、25mLのrbfに、3,9-ジアミノアクリジン(50mg、0.24mM)および無水DCM(2mL)を充填した。得られた赤色の懸濁液に、酢酸無水物(25μL、0.26mM)を、次いでトリエチルアミン(37μL、0.26mM)を添加した。この反応混合物を、窒素ガス雰囲気下で、室温にて一夜攪拌した。LCMSは、不完全な反応であることを示したが、予想された生成物のみを生成した。出発物質は、現実にはDCMに不溶性であった。次いで、ピリジン(0.5mL)を添加し、また得られたこの混合物を、一夜攪拌した。LCMSは、依然として反応が不完全であることを示した。酢酸無水物の更なる部分(25μL、0.26mM)を添加し、得られたこの反応混合物を、室温にて3日間に渡り攪拌した。LCMSは、反応が完全であることを示した。
この反応混合物を、濃縮乾固した。得られた残渣を、EtOAcと水との間で分配させ、次いでこれらの相を分離した。得られた該水性相を更にEtOAc(2回)抽出し、減圧下で濃縮して、暗橙色の固体を得た。この固体を、ジエチルエーテル中でスラリー化し、濾過すると、純粋な3-アセタミジル-9-アミノアクリジンを、黄色固体(35mg、58%)として生成した。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
(4) 3,6-ジアセタミジル-9-アミノアクリジン
Figure 2009513766
3-アセタミジル-6,9-ジアミノアクリジン(10mg、0.048mM)を酢酸(5mL)に溶解し、窒素雰囲気下で、加熱還流した。酢酸無水物(4.7μL、0.05mM)を添加し、還流を10分間継続した。室温まで冷却してから、該溶液を濃縮乾固し、得られた残渣を水(10mL)に溶解し、DCM(3×10mL)で洗浄した。得られた水性相を凍結乾燥して、褐色固体を得た。
(5) 2,9-ジアミノアクリジン
Figure 2009513766
段階1:5-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸のウルマン(Ullmann)反応による合成
Figure 2009513766
アニリン(2.8mL、31.75mM)および2-クロロ-4-ニトロ安息香酸(1g、4.96mM)を、還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、50mLのrbfに充填した。得られた混合物に、酢酸銅(II)(45mg)、次いで無水炭酸カリウム(789mg、5.71mM)を添加した。この反応混合物を、185℃にて2時間加熱し、次いで室温まで冷却した。得られた褐色の固体を、水で希釈し、2Mの水性塩酸溶液で、pHが2に達するまで酸性にした。この混合物を圧潰し、得られる懸濁液を、緑色の粉末が出現するまで攪拌した。この固体を濾別し、過剰量の水で洗浄して、アニリンを除去し、1時間に渡り吸引乾燥した。該生成物を、緑色の粉末状固体(1.24g)として得た。勾配溶出(DCM→DCM:MeOH 99:1)を利用した、乾式クロマトグラフィーによる精製は、純粋な5-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸を、黄色-橙色の粉末状固体(672mg、52%)として与えた。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階2:5-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸の、POCl3を用いた環化
Figure 2009513766
5-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸(500mg、1.94mM)およびオキシ塩化リン(4mL)を、還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、25mLのrbfに充填した。この反応混合物を、140℃にて30分間還流し、次いで0℃まで冷却した。過剰量のPOCl3を石油エーテルで洗い流した。得られた粘着性の残渣を、注意して氷で冷却し、28%水性アンモニア溶液で塩基性にした(該フラスコは、氷浴中で低温状態に維持した)。得られた混合物を、該生成物が黄色粉末となるまで圧潰し、該粉末をクロロホルムで抽出した。併合した有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、粗生成物(489mg)を得た。DCMを用いたフラッシュマスター(flashmaster)カラム溶出による精製は、純粋な2-ニトロ-9-クロロアクリジンを、黄色固体(423mg、85%)として与えた。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階3:2-ニトロ-9-アミノアクリジンの、アミノ化による合成
Figure 2009513766
還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、50mLのrbfに、2-ニトロ-9-クロロアクリジン(422mg、1.63mM)およびフェノール(1.58g、16.80mM)を装入した。この混合物を、70℃に加熱した。攪拌を続け、粉末状炭酸アンモニウム(211mg)を、激しい泡立ちが許す限り迅速に添加した。その温度を、120℃まで急速に高め、該反応混合物を、この温度にて更に1時間攪拌した。30℃に冷却した後、アセトン(4mL)を添加し、該反応フラスコを、0℃にて1時間冷却して、9-アミノアクリジン塩酸塩を沈殿させた。この懸濁液を、濾別し、アセトン(1.8mL)で洗浄してフェノールを除去した。該生成物のHCl塩を、橙色の固体(449mg)として得た。該固体を水(28mL)に分散させてスラリーとし、1gの水酸化ナトリウム固体を添加した。この混合物を室温にて1時間攪拌し、濾過し、水洗した。2-ニトロ-9-アミノアクリジンを、暗赤色の固体(352mg、90%)として得た。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階4:2,9-ジアミノアクリジンを製造するための、ニトロ官能基の還元
Figure 2009513766
窒素ガス吹込装置を備えた、50mLのrbfに、2-ニトロ-9-アミノアクリジン(350mg、1.46mM)および酢酸エチル(7.4mL)を装入した。メタノール(3.7mL)およびPd/アルミナ10%(47mg)を添加し、この反応混合物を、微細な懸濁液となるまで攪拌した。蟻酸アンモニウム(185mg、2.93mM)を添加し、この混合物を、室温にて20分間攪拌した。次いで、更なる部分の蟻酸アンモニウム(277mg、4.39mM)を添加した。攪拌を、一夜に渡り維持した。LCMSによる分析は、反応が完結したことを示した。
この懸濁液を濾過し、酢酸エチルで洗浄して、黄色固体として粗生成物(257mg)を得た。この固体を水に溶解し、得られた溶液を、2Mの水性塩酸溶液の添加により中和した。濾過して、触媒および幾つかの塩基性不純物を除去した。得られた濾液を、過剰量の2.5Mの水性水酸化ナトリウム溶液に注込み、所定の生成物を沈殿させた。この固体を、濾過により集め、THFに溶解し、濾過した。該濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をヘキサンに分散させてスラリーとした。濾過により、橙色の固体として2,9-ジアミノアクリジン(115mg、38%)を得た。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
(6) 3,9-ジアミノアクリジン
Figure 2009513766
段階1:ウルマン反応による4-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸
Figure 2009513766
アニリン(29mL、317.5mM)および2-クロロ-5-ニトロ安息香酸(10g、49.61mM)を、還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、250mLのrbfに装入した。得られたこの混合物に、酢酸銅(II)(450mg)、次いで無水炭酸カリウム(7.9g、57.05mM)を添加した。この反応混合物を、185℃にて2時間加熱し、次いで室温まで冷却した。得られた暗緑色の固体を、水で希釈し、pHが2に達するまで、水性塩酸溶液で酸性化した。この混合物を圧潰し、得られる懸濁液を、緑色粉末が現れるまで、攪拌した。該固体を濾別し、過剰量の水で洗浄して、アニリンを除去し、1時間に渡り吸引乾燥させた。4-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸を、緑色粉末状固体(12.0g、93%)として得た。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階2:4-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸の、POCl3を用いた環化
Figure 2009513766
4-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸(8g、30.98mM)およびオキシ塩化リン(80mL)を、還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、250mLのrbfに装入した。この反応混合物を、140℃にて5時間還流した。過剰量のPOCl3を減圧下で除去した。この反応混合物を、氷で注意して冷却し、水性アンモニア溶液で塩基性とし(該反応フラスコは、氷浴で低温に維持した)、DCM(2×500mL)で抽出した。併合した有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。勾配溶出(ヘキサン→ヘキサン:EtAOc 80:20)を利用した、乾式クロマトグラフィーによる精製は、純粋な3-ニトロ-9-クロロアクリジンを、黄色固体(3.8g、47%)として与えた。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階3:アミノ化による3-ニトロ-9-アミノアクリジンの合成
Figure 2009513766
還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、50mLのrbfに、3-ニトロ-9-クロロアクリジン(1.49g、5.75mM)およびフェノール(5.57g、59.24mM)を装入した。この混合物を、70℃に加熱した。攪拌を続け、また粉末状の炭酸アンモニウム(743mg、7.73mM)を、激しい泡立ちが許す限り迅速に添加した。急速に120℃まで昇温し、該反応混合物を、この温度にて更に1時間攪拌した。30℃まで冷却した後、アセトン(14mL)を添加し、該反応フラスコを0℃にて1時間冷却して、9-アミノアクリジン塩酸塩を沈殿させた。得られた懸濁液を濾過し、アセトン(6mL)で洗浄して、フェノールを含まないものとした。該生成物のHCl塩を、橙色の固体(1.78g)として得た。該固体を水(100mL)に分散させてスラリーを形成し、3.7gの水酸化ナトリウム固体を添加した。この混合物を、室温にて2時間攪拌し、濾過し、水洗した。3-ニトロ-9-アミノアクリジンを、赤色固体として得た(1.29g、94%)。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階4:該ニトロ-官能基の還元による、3,9-ジアミノアクリジンの生成
Figure 2009513766
窒素ガス吹込装置を備えた、250mLのrbfに、3-ニトロ-9-アミノアクリジン(1.29g、5.39mM)および酢酸エチル(27.2mL)を装入した。メタノール(13.6mL)およびPd/アルミナ10%(174mg)を添加し、この反応混合物を攪拌して微細な懸濁液とした。蟻酸アンモニウム(680mg、10.78mM)を添加し、この混合物を20分間室温にて攪拌した。次いで、蟻酸アンモニウムの更なる部分(1.02g、16.18mM)を添加した。攪拌を、1時間継続した。TLCおよびLCMS分析は、反応が完結したことを示した。
該懸濁液を濾過し、酢酸エチルで洗浄して、粗生成物を橙色の固体(1.99g)として得た。該固体を水に溶解し、得られた溶液を、2Mの水性塩酸溶液の添加により、中和した。濾過により、触媒および幾分かの塩基性不純物を除去した。該濾液を過剰量の2.5Mの水性水酸化ナトリウム溶液中に注込み、該所定の生成物を沈殿させた。該固体を濾過により集め、THFに溶解し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮して、褐色固体として3,9-ジアミノアクリジンを得た(915mg、81%)。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
(7) 3-アセタミジル-6,9-ジアミノアクリジン
Figure 2009513766
段階1:4'-アセタミジル-4-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸の、ウルマン反応による合成
Figure 2009513766
4'-アミノアセタニリド(7.45g、49.61mM)および2-クロロ-5-ニトロ安息香酸(10g、49.61mM)を、還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、250mLのrbfに装入した。得られた混合物に、酢酸銅(II)(450mg)、次いで無水炭酸カリウム(7.9g、57.05mM)を添加した。これらの固体を十分に攪拌して、均一な混合物とし、次いでメルトとして、2時間170℃にて加熱した。室温まで冷却した後、得られる黒色固体を、水に溶解し、pHが2に達するまで、2Mの水性塩酸溶液で酸性とした。この混合物を黒色粉末が出現するまで圧潰した。該固体を濾別し、過剰量の水で洗浄し、1時間に渡り吸引乾燥させた。この生成物は、暗褐色の粉末状固体(11.89g)として得た。勾配溶出(DCM→DCM:MeOH 90:10)を利用した、乾式クロマトグラフィーによる精製は、赤色固体(4.73g、30%)として、4'-アセタミジル-4-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸を与えた。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致し、また純度が>90%であることを明らかにした。生成物は、更なる精製操作無しに、次工程において使用した。
段階2:4'-アセタミジル-4-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸の、POCl3を用いた環化
Figure 2009513766
4'-アセタミジル-4-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸(500mg、1.59mM)およびオキシ塩化リン(4mL)を、還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、25mLのrbfに装入した。この反応混合物を140℃にて20分間還流し、次いで0℃まで冷却した。過剰量のPOCl3を石油エーテルで洗い流した。得られた粘着性の残渣を、氷で注意して冷却し、28%の水性アンモニア溶液で塩基性にした(該反応フラスコは、氷浴で低温に維持した)。得られた該混合物を、該生成物が黒色粉末に転化されるまで、圧潰した。該生成物は、クロロホルムで抽出した。併合した有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、粗生成物(400mg)を得た。DCM→DCM:EtAOc 60:40を用いた、フラッシュマスターカラム溶出による精製は、純粋な3-アセタミジル-6-ニトロ-9-クロロアクリジンを、橙色の固体(126mg、25%)として与えた。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階3:アミノ化による3-アセタミジル-6-ニトロ-9-アミノアクリジンの合成
Figure 2009513766
還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、50mLのrbfに、3-アセタミジル-6-ニトロ-9-クロロアクリジン(208mg、0.66mM)およびフェノール(639mg、6.79mM)を装入した。この混合物を70℃に加熱した。攪拌を継続し、粉末化した炭酸アンモニウム(93mg)を、激しい泡立ちが許す限り迅速に添加した。急速に120℃まで昇温し、該反応混合物を、この温度にて更に1時間攪拌した。30℃まで冷却した後、アセトン(1.8mL)を添加し、該反応フラスコを0℃にて1時間冷却して、9-アミノアクリジン塩酸塩を沈殿させた。この懸濁液を濾過し、アセトン(1mL)で洗浄して、フェノールを含まないものとした。該生成物のHCl塩を、橙色の固体(198.5mg)として得た。この固体を水(12mL)に分散させて、スラリーとし、425mgの水酸化ナトリウム固体を添加した。この混合物を室温にて1時間攪拌し、濾過し、水洗して、赤色固体(141mg)として3-アセタミジル-6-ニトロ-9-アミノアクリジンを生成した。カラムによる精製および異なる溶媒中でのスラリー化は成功しなかった。最終生成物(112mg)は、依然として幾分かの不純物を含んでいた。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致し、また純度が>90%であることを明らかにした。
段階4:3-アセタミジル-6,9-ジアミノアクリジンを得るための該ニトロ官能基の還元
Figure 2009513766
窒素ガス吹込装置を備えた、50mLのrbfに、3-アセタミジル-6-ニトロ-9-アミノアクリジン(110mg、0.37mM)および酢酸エチル(1.9mL)を装入した。メタノール(950μL)およびPd/アルミナ10%(12mg)を添加し、この反応混合物を攪拌して、微細な懸濁液とした。蟻酸アンモニウム(47mg、0.74mM)を添加し、得られた混合物を、室温にて20分間攪拌した。次いで、蟻酸アンモニウムの更なる部分(70mg、1.11mM)を添加した。攪拌を一夜に渡り継続した。この懸濁液を濾過し、酢酸エチルで洗浄して、粗生成物(106mg)を得た。該固体を水に溶解し、酢酸エチルで洗浄した。得られた水性相を減圧濃縮して、褐色の固体(29mg、29%)として3-アセタミジル-6,9-ジアミノアクリジンを得た。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
(8) 1,9-ジアミノアクリジン
Figure 2009513766
段階1:ウルマン反応による6-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸の合成
Figure 2009513766
アニリン(2.9mL、31.75mM)および2-クロロ-3-ニトロ安息香酸(1g、4.96mM)を、還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、50mLのrbfに装入した。得られたこの混合物に、酢酸銅(II)(45mg)を、次いで無水炭酸カリウム(789mg、5.71mM)を添加した。この反応混合物を、160℃にて1時間加熱し、次いで室温まで冷却した。得られた残渣を水で希釈し、pHが2に達するまで、2Mの水性塩酸溶液で酸性とした。この混合物を緑色粉末が出現するまで圧潰した。該固体を濾過し、過剰量の水で洗浄して、アニリンを除去し、1時間に渡り吸引乾燥した。6-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸を、緑色粉末状固体(1.26g、98%)として得た。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階2:6-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸の、POCl3を用いた環化
Figure 2009513766
6-ニトロジフェニルアミン-2-カルボン酸(654mg、2.53mM)およびオキシ塩化リン(5mL)を、還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、25mLのrbfに装入した。この反応混合物を、140℃にて1時間還流し、次いで0℃まで冷却した。過剰量のPOCl3を石油エーテルで洗い流した。得られた粘着性の残渣を、氷で注意して冷却し、28%の水性アンモニア溶液で塩基性にした(該反応フラスコは、氷浴で低温に維持した)。得られたこの混合物を、該生成物が粉末に転化されるまで圧潰し、該生成物はクロロホルムで抽出した。併合した有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮したところ、褐色固体(714mg)として、1-ニトロ9-クロロアクリジンを得た。1H NMRによる分析は、クロロアクリジン構造と一致し、また1-ニトロアクリジン(11%)の存在をも示した。この生成物は、そのシリカ上での不安定性のために、更に精製することなく、次工程で使用した。
段階3:1-ニトロ-9-アミノアクリジンの、アミノ化による合成
Figure 2009513766
還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、50mLのrbfに、粗製1-ニトロ9-クロロアクリジン(714mg、2.76mM)およびフェノール(2.67g、28.42mM)を装入した。この混合物を70℃まで加熱した。攪拌を継続し、粉末状の炭酸アンモニウム(360mg)を、激しい泡立ちが許す限り迅速に添加した。迅速に120℃まで昇温し、この反応混合物を、この温度にて更に1時間攪拌した。30℃まで冷却した後、アセトン(7.2mL)を添加し、該反応フラスコを0℃にて1時間冷却した。この懸濁液を濾過し、アセトン(3mL)で洗浄して、フェノールを含まないものとして、1-ニトロアクリドン(84%)および1-ニトロ-9-アミノアクリジン(26%)との混合物に相当する、橙色の固体(270mg)を得た。アセトンを除去した後、水性水酸化ナトリウム溶液(水28.6mL中、2.14g)を、該濾液に添加した。得られた沈殿を集め、2%の水性酢酸溶液(21.4mL)で圧潰した。黒色の不溶性物質を濾別し、更なる溶媒で洗浄した。併合した濾液を、水性水酸化ナトリウム溶液で塩基性にすると、赤色固体(333mg)を生成した。フラッシュマスターカラムによる精製は、純粋な1-ニトロ-9-アミノアクリジンを、赤色固体(162mg、25%)として与えた。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階4:1,9-ジアミノアクリジンの製造のための、ニトロ官能基の還元
Figure 2009513766
窒素ガス吹込装置を備えた、50mLのrbfに、1-ニトロ-9-アミノアクリジン(162mg、0.68mM)および酢酸エチル(3.4mL)を装入した。メタノール(1.7mL)およびPd/アルミナ10%(22mg)を添加し、この反応混合物を攪拌して、微細な懸濁液とした。蟻酸アンモニウム(85mg、1.35mM)を添加し、得られた混合物を、室温にて20分間攪拌した。次いで、蟻酸アンモニウムの更なる部分(128mg、2.03mM)を添加した。攪拌を一夜に渡り継続した。この反応混合物を濾過して触媒を除去し、濃縮乾固した。得られた残渣を、勾配溶出(DCM→DCM:MeOH 98:2)を利用した、フラッシュマスターカラム溶出により精製し、褐色-黄色固体(57mg、40%)として、純粋な1,9-ジアミノアクリジンを得た。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
実施例6:アクリジン染料のペプチドへの結合
発蛍光団の、ペプチドおよびタンパク質への結合を容易にするために、該発蛍光団のカルボン酸誘導体が、しばしば生成される。というのは、このような化合物が、ペプチドおよびタンパク質上のアミノ官能基と反応して、アミド結合の形成を通して、標識の形成をもたらすからである。
以下のような初期ターゲット分子が選択され:
Figure 2009513766
該分子は、その3-位にカルボン酸部分を含み、該部分は、アミド結合を介してペプチドと結合することができる。[注:該カルボン酸官能基は、3-位において、アミド結合のブリッジ介して、9-アミノアクリジンの芳香族環と結合している]。
しかし、樹脂を主成分とする方法が、染料-標識ペプチドの合成のために開発されており、該ペプチドは、上記ターゲット分子の生成を必要としないが、同一の染料が結合した生体分子へと導く。樹脂結合基質は、先ずグルタル酸無水物と反応し、次いで3,9-ジアミノアクリジン(非-蛍光発光性のプリカーサ化合物)とカップリングした。該樹脂結合物質の開裂は、所望の9-アミノアクリジン-標識ペプチド基質を与えた(反応式1)。
Figure 2009513766
段階1:グルタル酸無水物のカップリング
グルタル酸無水物(11mg、0.1mM)およびジイソプロピルエチルアミン(40μL、0.2mM)の、DMF(0.5mL)溶液を、樹脂(250mg)に添加した。この混合物を、3時間超音波処理し、次いでDMFおよびDCMで洗浄した。ニンヒドリンテストは、このカップリング反応が、完結していることを示した。
段階2:3,9-ジアミノアクリジンのカップリング
DIC(200μL、DMF中0.5M)およびHOCt(200μL、DMF中0.5M)の溶液を、該樹脂に添加し、この混合物を15分間超音波処理した。3,9-ジアミノアクリジン(10mg、0.05mM)のDMF(0.5mL)溶液を、該樹脂混合物に添加し、超音波処理を一夜継続した。該樹脂を、DMF、DCMおよびエーテルで洗浄した。
段階3:開裂
乾燥樹脂を、TFA:TIS:水(95:2.5:2.5、3mL)の溶液で、攪拌しつつ3時間処理した。次いで、この溶液を濾過し、冷エーテル中に注ぎ、沈殿したペプチドを遠心分離し、エーテルで洗浄し、凍結乾燥して、綿毛状の固体を得た。分取HPLCは、所定の化合物を与えた。
実施例7:アミノおよび/またはアセタミジル官能基で、2-、3-および6-位において誘導体化された、一連の9-アミノアクリジン誘導体の蛍光分析
アセタミジル-9-アミノアクリジン誘導体に関する出発点として、該3-アセタミジル-9-アミノアクリジンを検討し、これが、3-位におけるアミドを介してペプチドと結合した該9-アミノアクリジンと同様な、蛍光寿命および蛍光強度(図5)を持つことが示された。[3-アセタミジル-9-アミノアクリジン寿命は、17nsであり、また9-アミノアクリジン-3-DEVDSK寿命は、18nsである]。
Figure 2009513766
次いで、上記一連のアセタミジル-9-アミノアクリジン誘導体を分析した(図6a、6bおよび表2)。染料を含まない系(未結合の染料を模倣するためにアセチル化されていない)をも検討したが、極めて微弱な蛍光発光性であることが示された。
これらの結果は、該蛍光強度が、該9-アミノアクリジン環の官能化により弱められるが、蛍光寿命における増大が観測された。
Figure 2009513766
更に、340nmにおいて、2-アセタミジル-9-アミノアクリジン(2)を励起した際に、蛍光強度における増大が、応答の結果として観測され、これは、9-アミノアクリジンよりも一層強力な蛍光発光性であった。
実施例8:3,9-ジアミノアクリジンで標識したペプチドを用いた、カスパーゼ-3アッセイに基く蛍光寿命
実施例6に記載の方法を利用して、該染料を、2種のペプチド、即ちDEVDSKおよびDEVDSWとカップリングさせ、その蛍光発光特性を測定した(図7)。リジン(K)含有ペプチドは、蛍光性であることが示されたが、トリプトファン(W)含有ペプチドの蛍光強度は、85%だけ抑制された。トリプトファンは、またアクリジン染料の蛍光寿命に影響を及ぼすことが示された。というのは、その寿命が、18ns(DEVDSK)から、7ns(DEVDSW)へと、著しく変化したからである。結局、トリプトファンは、9-アミノアクリジンの蛍光強度抑制剤であり、またその蛍光寿命の変調剤(モジュレータ)であることが示された。
これら2種のペプチド配列を、該酵素カスパーゼー3に対する基質である、該配列DEVDSを含んでおり、また該トリプトファン抑制基質、9-アミノアクリジン-3-DEVDSWの酵素媒介開裂が、蛍光強度変化(増加)および蛍光寿命の変化(増加)(反応式2)を生じることが予想されたことから、選択され、かくして該染料を、生化学および細胞を基本とするアッセイにおける蛍光レポータとして使用することが可能となった。
Figure 2009513766
アクリジン-DEVDSWのカスパーゼ-3媒介開裂
9-アミノアクリジン標識ペプチド基質、AA-DEVDSW(10%のスクロース、0.1%のCHAPS、100mMのNaCl、1mMのEDTA、10mMのDTTを含む、pH 7.4の10mMHEPESバッファー中、1μM)を、30℃にて、カスパーゼ-3組変え酵素(50Uおよび20U)を用いた生化学アッセイで使用した。このアッセイ混合物を、エジンバラインスツルメンツ蛍光寿命プレートリーダ(Edinburgh Instruments Fluorescence Lifetime Plate Reader)を用いて、所定の時間間隔で分析した。該反応の進行中、該反応混合物の蛍光寿命における変化が観測され(9ns〜17ns)たが、このことは該基質が生成物に転化されたことを示す。これらのデータは、また時間の経過に伴う開裂率の変化として、容易に吟味することもでき、カスパーゼ-3の50単位が利用し尽くされた、90分後に、該反応が、完結に至るまで進行したことを確証している(図8および9を参照のこと)。
実施例9:3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸の合成
(1) ターゲット1:3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸
発蛍光団の、ペプチドおよびタンパク質への結合を容易にするために、該発蛍光団のカルボン酸誘導体が、しばしば生成される。というのは、このような化合物が、ペプチドおよびタンパク質上のアミノ官能基と反応して、アミド結合の形成を通して、標識の形成をもたらすからである。アミド結合を介してペプチドと結合できる、カルボン酸部分を3-位に含む、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸(ターゲット1)を選択した。[注:該カルボン酸官能基は、メチレンスペーサを介して、9-アミノアクリジンの芳香族環と結合しているが、その理由は、このようなリンカーが、該コアとしての9-アミノアクリジン発蛍光団の、魅力的な蛍光発光特性を維持しているであろうことが観測されたからである]。
Figure 2009513766
段階1:2-クロロ安息香酸1と4-ブロモアニリン2とのウルマン反応による、4'-ブロモジフェニルアミン-2-カルボン酸3の合成:
Figure 2009513766
装入材料:
Figure 2009513766
手順:
2-クロロ安息香酸1(1g、6.39mM)、4-ブロモアニリン2(1.15g、6.71mM)および無水DMF(6mL)を、還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、50mLのrbfに装入した。得られた混合物に、無水炭酸カリウム(883mg、6.39mM)を、次いで銅粉末(80mg)、および痕跡量のヨウ化銅(I)を添加した。この反応混合物を、140℃にて5時間加熱し、次いで室温まで冷却した。得られたこの懸濁液を、氷/水混合物に注込み、pHが4に達するまで、0.1Mの水性塩酸溶液で酸性とした。生成する固体を濾過し、過剰量の水で洗浄し、1時間に渡り風乾した。この生成物は、緑色粉末状固体(1.67g)として得られた。勾配溶出(DCM→DCM:MeOH 99:1)を利用した、乾式クロマトグラフィーによる精製、これに続くヘキサン/DCM中でのスラリー化は、純粋な4'-ブロモジフェニルアミンー2-カルボン酸3を、クリーム状の固体(430mg、23%)として与えた。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階2:
POCl3を使用した、4'-ブロモジフェニルアミン-2-カルボン酸3の環化は、対応する9-クロロアクリジンを与えた。
Figure 2009513766
装入材料:
Figure 2009513766
手順:
4'-ブロモジフェニルアミン-2-カルボン酸3(430mg、1.47mM)およびオキシ塩化リン(5mL)を、還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、25mLのrbfに装入した。この反応混合物を該混合物が赤色となるまで、140℃にて1時間還流した。過剰量のPOCl3を減圧下で除去した。この反応混合物を、注意して氷で冷却し、濃厚水性アンモニア溶液で塩基性(該反応フラスコは、氷浴で低温に維持した)とし、またクロロホルムで抽出した。併合した有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。勾配溶出(ヘキサン→ヘキサン:EtAOc 96:4)を利用した、乾式クロマトグラフィーによる精製は、純粋な3-ブロモ-9-クロロアクリジン4を、クリーム状の固体(397mg、92%)として与えた。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階3:フェノールおよび炭酸アンモニウムを使用した、アミノ化による3-ブロモ-9-アミノアクリジン5の合成:
Figure 2009513766
装入材料:
Figure 2009513766
手順:
還流コンデンサおよび窒素ガス吹込装置を備えた、25mLのrbfに、3-ブロモ-9-クロロアクリジン4(397mg、1.36mM)およびフェノール(1.31g、14.01mM)を装入した。この混合物を70℃にて加熱した。攪拌を継続し、粉末化した炭酸アンモニウム(200mg、2.04mM)を、激しい泡立ちが許す限り迅速に添加した。急速に120℃まで昇温し、該反応混合物を、この温度にて更に1時間攪拌した。30℃まで冷却した後、アセトン(3.6mL)を添加し、該反応フラスコを0℃にて2時間冷却して、9-アミノアクリジン塩酸塩を沈殿させた。この懸濁液を濾過し、アセトンで洗浄して、フェノールを含まないものとした。この生成物、即ちHCl塩は、黄色固体として得られた(415mg)。この固体を、0.1Mの水性水酸化ナトリウム溶液中でスラリー化し、濾過し、水洗した。3-ブロモ-9-アミノアクリジン5を、黄色固体として得た(275mg、74%)。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階4:
t-ブチルアクリレートを用いたヘック(Heck)反応は、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-アクリル酸t-ブチルエステル6を与えた。
Figure 2009513766
装入材料:
Figure 2009513766
手順:
窒素ガス吹込装置を備えた、10mLのrbfに、3-ブロモ-9-アミノアクリジン5(120mg、0.44mM)、t-ブチルアクリレート(75μL、0.48mM)および無水DMF(1mL)を装入した。トリ-(O-トリル)ホスフィン(25mg、0.08mM)および酢酸パラジウム(II)(6mg、0.03mM)を添加した。この反応混合物を室温にて攪拌し、窒素ガス流の適用および減圧の適用を連続的に(3回)反復することにより脱気した。この混合物を、最終的に窒素ガス雰囲気下に置き、またトリエチルアミン(185μL、1.32mM)を添加した。得られた赤色-橙色の溶液を、110℃にて3時間加熱し、次いで室温まで冷却させた。得られた褐色-橙色を帯びた溶液を、セライトを介して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。次いで、この有機相を、水洗し、減圧濃縮して、橙色のオイルとして、粗生成物を得た。勾配溶出(DCM→DCM:MeOH 60:40)を利用した、フラッシュマスターIIによる精製は、純粋な3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-アクリル酸t-ブチルエステル6を、橙色の固体(74mg、53%)として与えた。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階5:
接触水添による二重結合の還元は、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸t-ブチルエステル7を与えた。
Figure 2009513766
装入材料:
Figure 2009513766
手順:
3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-アクリル酸t-ブチルエステル6(40mg、0.06mM)を、エタノール(25mL)に溶解した。10%Pd/C(15mg)を添加し、得られた溶液を、1時間半、約0.3MPa(3bar)にて、水添条件の下においた。この混合物を、セライトを通して濾過し、該溶媒を蒸発させた。得られた残渣を、勾配溶出(DCM→DCM:MeOH 40:60)を利用した、フラッシュマスターIIにより精製して、純粋な3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸t-ブチルエステル7を、橙色のオイル(20mg、52%)として得た。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
段階6:
該t-ブチルエステルの、TFAによる開裂は、ターゲット1を生成した。
Figure 2009513766
装入材料:
Figure 2009513766
手順:
3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸t-ブチルエステル7(55mg、0.17mM)を、無水ジクロロメタン(2mL)に溶解し、またトリフルオロ酢酸(2mL)を注意深く添加した。該溶媒を蒸発させる前に、この混合物を、室温にて一夜攪拌した。ジエチルエーテルとの同時蒸発(3回)により、黄色の固体を得、これをジエチルエーテル中でスラリー化し、濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。純粋な3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸(ターゲット1)を、黄色のTFA塩(49mg、76%)として単離した。1H NMRおよびLCMSによる分析は、該化合物の構造と一致した。
2. 3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸(ターゲット1)を得るための合成経路
反応式3に示された化学現象は、TFA塩として、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸を首尾よく合成するのに、十分に機能した。
2-クロロ安息香酸1と4-ブロモアニリン2とのウルマン反応(段階1)は、4'-ブロモジフェニルアミン-2-カルボン酸3を与えた。POCl3を用いた環化、これに続くアミノ化は、予想された3-ブロモ-9-アミノアクリジン5を、良好な収率および純度にて与えた。
t-ブチルアクリレートを用いたヘック反応(段階4)は、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-アクリル酸t-ブチルエステル(化合物6)を首尾よく合成するのに、十分に機能した。該二重結合を還元するのに最良の条件は、エタノール中、約0.3MPa(3bar)での接触水添であった。該予想された3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸t-ブチルエステル(化合物7)は、主生成物としてカラムクロマトグラフィーにより単離された。該芳香族環の還元の結果としての、他の異性体および副生成物も、単離された。
最後に、TFAによる該t-ブチルエステルの脱保護は、TFA塩として、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸を生成した。LCMSおよびNMRによる分析は、該化合物の構造と一致した。純度>95%。
Figure 2009513766
3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸および3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸t-ブチルエステルの蛍光発光スペクトルを、9-アミノアクリジンのものと比較した(図10)。これらおよび他の関連する化合物の蛍光寿命も測定した(表3)。これらの蛍光特性は、親化合物である9-アミノアクリジンに匹敵するものであることが分かった。
実施例10:3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸を用いた、染料標識ペプチドの合成
合成手順:
段階1:3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸の、ペプチドへの結合
3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオン酸(10mg、0.03mM)を、DIC(60μL、DMF中0.5M)およびHOCt(60μL、DMF中0.5M)に溶解し、得られたこの溶液を、15分間超音波処理に掛けた。次いで、この溶液を、樹脂(100mg)に添加し、超音波処理を、5時間継続した。該樹脂を、DMF、DCMおよびエーテルで洗浄した。
段階2:該樹脂からのペプチド基質の開裂:
乾燥樹脂を、攪拌しつつ、3時間に渡り、TFA:TIS:水(95:2.5:2.5、3mL)の溶液で処理した。次いで、この溶液を濾過し、冷エーテル中に注ぎ、沈殿したペプチドを、遠心分離し、エーテルで洗浄し、凍結乾燥して、綿毛状の固体を得た。分取HPLC処理は、表記所定の化合物を与えた。
カスパーゼ3アッセイ用のペプチド基質の合成
2種のターゲット染料で標識したペプチド基質:3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオニル-DEVDSKおよび3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオニル-DEVDSWを提案した。これら2つの基質を合成し、その蛍光強度およびその寿命特性を解析した。
該3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオン酸は、DMF中のHOCtおよびDICを使用して、直接該ペプチドとカップリングし、次いで該ペプチドを該樹脂から開裂して、該ターゲット染料-標識ペプチド基質を得た(反応式5)。この手順は、両ペプチド製品:DEVDSKおよびDEVDSWの合成に対して使用した:
Figure 2009513766
該標識ペプチドの蛍光強度を測定し、遊離9-アミノアクリジンのものと比較したところ、該リジン誘導体(DEVDSK)が、9-アミノアクリジンのものに匹敵する発光スペクトルおよび蛍光強度を持つことが示された(図11)。更に、トリプトファンが、該アクリジン染料の蛍光強度の、効果的な抑制剤であり、またこの特定の場合において、トリプトファンが、該染料分子を、75%だけ抑制することを示した(図11)。
その蛍光寿命も、極めて有望であり、該染料-標識ペプチド基質におけるトリプトファンの存在は、17.7nsから7.6nsへの、蛍光寿命における減少をもたらした(図12および表3)。
実施例11:3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオニル-DEVDSWのカスパーゼ3媒介開裂
カスパーゼ3酵素アッセイ
溶液:
バッファー:20mMヘペス(HEPES)バッファー、pH 7.4、10%のスクロース、0.1%のCHAPS、100mMのNaCl、1mMのEDTA、10mMのDTTを含有する;
基質溶液:バッファー中の、10μMの3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオニル-DEVDSW;
製品溶液:バッファー中の、10μMの3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオニル-DEVDSK
酵素溶液:バッファー中10U/μL。
手順:
96-ウエルプレートのウエルに、バッファー(88μL)、基質溶液(10μL、1μM最終濃度)、および酵素(2μL、20U)を添加した。これら反応を3回実施し、また種々の酵素濃度において実施した。この反応の進行を、製品および基質標準物質を含有するウエルに対して、エジンバラインスツルメンツ蛍光強度プレートリーダーを用いて、所定の時間間隔で追跡した。
3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオニル-DEVDSWのカスパーゼ3媒介開裂
部分的に抑制された9-アミノアクリジン-標識ペプチド基質、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオニル-DEVDSWを、カルビオケム(Calbiochem)から購入した組換えカスパーゼ(Caspase)-3酵素を用いる、生化学的酵素開裂アッセイにおいて使用した。このアッセイは、20または50単位の酵素(祭集体積100μL)の何れかの存在下で、10%のスクロース、0.1%のCHAPS、100mMのNaCl、1mMのEDTA、10mMのDTTを含有する、pH 7.4の20mMヘペス(HEPES)バッファー中の、1μM基質濃度を用いて行った。該アッセイ混合物を、エジンバラインスツルメンツ蛍光強度プレートリーダーを用いて、所定の時間間隔で解析した。この反応の進行中、該反応混合物の蛍光寿命における変化が、観測され(8.5nsから15.5ns)、このことは、該基質が生成物に転化されたことを示す(図13)。上に述べた蛍光寿命からの、該蛍光寿命におけるずれは、該バッファー系の結果である。
これらのデータは、また経時の開裂割合における変化として考えることもでき、これは、50単位のカスパーゼ3酵素を使用した場合に、該反応が、60分後に完結にまで進行することを示した(図14)。
Figure 2009513766
実施例12:3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオン酸のNHSエステル誘導体の合成[3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオン酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル]
Figure 2009513766
装入材料:
Figure 2009513766
手順:
TFA塩としての3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオン酸(ターゲット1)(10mg、0.03mM)、N-ヒドロキシサクシンイミド(5mg、0.04mM)および無水DMF(500μL)を、窒素雰囲気下で、窒素ガス吹込装置を備えた、5mLのrbfに装入した。この反応混合物を、0℃に冷却し、1-エチル-3-[3-(ジメチルアミノ)-プロピル]カルボジイミド塩酸塩(8mg、0.04mM)を添加した。得られた黄色の溶液を、0℃にて10分間、次いで室温にて一夜攪拌した。1時間後に、この混合物は橙色の溶液となった。
この反応混合物を、水と酢酸エチルとの間で分配させた。その水性相を、酢酸エチルで抽出(3回)し、凍結乾燥した。粗製ターゲット2を、粘着性の黄色固体(21mg)として得た。LCMS分析は、該化合物の構造と一致した。この生成物を、更に精製することなしに、次のアミノ化のために使用した。
ターゲット2を得るための合成経路:
3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオン酸を、そのN-ヒドロキシサクシンイミジルエステルとして首尾よく活性化して、DCCまたはEDCの存在下で、N-ヒドロキシサクシンイミドとのカップリング反応(反応式2)を介して、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオン酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルを得た。ターゲット2の生成を、分光分析により同定した。
Figure 2009513766
粗製3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオン酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルを、メタノール中で首尾よくベンジルアミン(1.1当量)とカップリングした。
該所定のアミドの形成は、LCMS分析により立証した。
実施例13:該染料-NHS誘導体と、ペプチド/タンパク質との、溶液によるカップリング
該NHSで活性化した9-アミノアクリジン化合物を、Nα-末端を持つ反応性アミン(他のアミノ官能基を持たない)を含むペプチドおよび数種の反応性リジン-Nε-アミンを含むタンパク質と、反応式5に示すように、pH 7.0のリン酸カリウムバッファー中でカップリングした。
Figure 2009513766
一般的な手順:該ペプチド/タンパク質(0.28μM)を、50mM PBS(100μL, pH 7.0)に溶解し、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオン酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルのDMSO溶液(5μL, 2.8μM)を添加した。この反応の進行を、2時間後にHPLCにより追跡した。
ペプチド基質(H2N-LRRASLG; 分子量:770Da):該ペプチド基質は、唯一つの反応性アミノ基を含み、また2時間後に、その反応は、>95%の完結度まで進行した。このことは、405nmにおける吸収を示し、かつ該9-アミノアクリジン-標識ペプチドに相当する分子量1018.8Daを持つ、単一の新規ペプチド生成物の生成に伴う、該9-アミノアクリジン NHS誘導体の消耗によって確認された。
タンパク質基質(リゾチーム;分子量:14308.7Da):該タンパク基質は、数個の反応性アミノ基を持ち、従ってその染料標識は、これらサイトの何れかにおいてランダムに発生できた。2時間後に、90%のタンパク質が、アクリジンによって標識されて、マススペクトル解析により、14558.8Da、14808.3Da、および15055.3Daなる種々の分子量をもつ、異なる生成物を与えたが、これは夫々1、2および3単位の9-アミノアクリジンの付加に相当した。
ターゲット分子の合成および/または生物学的分子のカップリングに関連する、上記実施例の説明は、限定的なものと考えるべきではない。当業者は、上記化学的操作を変更して、異なる染料分子および/または染料-生物学的分子複合体を製造できる方法を、容易に理解するであろう。
10-メチル-9(10H)-チオアクリドンおよび10-メチル-9(10H)-アクリドンの、蛍光発光スペクトルを示す図である。 9-アミノアクリジンおよび10-メチル-9(10H)-アクリドンの、蛍光発光スペクトルを示す図である。 9-アミノアクリジンに関する、代表的な蛍光寿命測定を示す図である。 (アクリジン-9-イルアミノ)酢酸エチルエステルの蛍光発光スペクトルを示す図である。 3-アセタミジル-9-アミノアクリジンおよび対応する標識ペプチド9-アミノアクリジン-3-DEVDSKの蛍光発光スペクトルを示す図である。 アミノおよび/またはアセタミジル官能基で、2、3または6-位の組合せ位置において、誘導体化された、一連の9-アミノアクリジン誘導体の、蛍光発光スペクトルを示す図である。 アミノおよび/またはアセタミジル官能基で、2、3または6-位の組合せ位置において、誘導体化された、一連の9-アミノアクリジン誘導体の、励起スペクトルを示す図である。 (反応式1において概説したように)発蛍光団の3-位におけるアミド結合を介して、9-アミノアクリジンにより、特異的にN-末端部分において標識された、ペプチドDEVDSKおよびDEVDSWの、蛍光発光スペクトルを示す図である。 蛍光寿命変化を通して、実時間で追跡された、カスパーゼ-3による、9-アミノアクリジン-3-DEVDSW(3-位におけるアミド結合を介して、N-末端部分において特異的に標識された)の開裂を示す図である。 蛍光寿命変化を通して、実時間で追跡された、カスパーゼ-3による、9-アミノアクリジン-3-DEVDSW(3-位におけるアミド結合を介して、N-末端部分において特異的に標識された)の開裂割合を示す図である。 9-アミノアクリジン、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオン酸および3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオン酸t-ブチルエステルの、蛍光発光スペクトルを示す図である。 9-アミノアクリジン、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオニル-DEVDSKおよび3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオニル-DEVDSWの、蛍光発光スペクトルを示す図である。 3-(9-アミノアクリジン-2-イル)プロピオニル-DEVDSKおよび3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオニル-DEVDSWに関する蛍光寿命スペクトルを示す図である。 該発蛍光団の蛍光寿命変化を通して、実時間で追跡された、カスパーゼ-3による、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオニル-DEVDSWの開裂を示す図である。 実時間で追跡された、カスパーゼ-3による、3-(9-アミノアクリジン-2-イル)-プロピオニル-DEVDSWの開裂割合を示す図である。

Claims (39)

  1. ターゲット材料の蛍光標識および/または該材料の寿命検出のための、試薬の使用であって、該試薬が、以下の式(I)で表される蛍光染料(その塩を含む)ことを特徴とする前記使用:
    Figure 2009513766
    ここで、破線Yは、単結合または二重結合であり、該破線Yが、単結合である場合、環Z3は、ピリジルまたはジヒドロピリジル環であり、該破線が二重結合である場合には、該環Z3は、ジヒドロピリジル環であり、また場合によりR1およびR2の一方は、存在しなくても良いが、但しR1およびR2両者が存在する場合には、これらが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
    基R4は、Z1環構造の利用可能な原子に結合しており、また基R5は、Z2環構造の利用可能な原子に結合しており;
    該Z1およびZ2は、夫々独立に一つの環、二個の縮合した環、または三個の縮合した環または芳香族または複素芳香族環系を完成するに必要な原子を表し、該環の各々は、夫々独立に、独立に炭素原子から選択される5または6個の原子および場合により独立に酸素、窒素および硫黄から選択される、2個を越えない原子を持ち;
    R1、R2およびR3は、各存在位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはヘテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基および基:-Kまたは-J-K(ここでJはリンカー基であり、またKはターゲット結合基である) から選択され;
    R4およびR5は、各存在位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基および基:-Kまたは-J-Kから選択され;
    また、該環Z3がピリジル環である場合には、R3は場合により存在しなくても良く、但しR3が存在する場合には、これが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
    あるいは破線Yが、単結合である場合には、R1およびR2は、これらが結合している窒素原子と共に以下の式:
    Figure 2009513766
    で表される基を形成し、該式においてR6およびR7は、R4およびR5の何れかに対して与えたものと同一の意味を持つ。
  2. 生物学的分子と複合状態にある以下の式(I)の染料(その塩を含む)を含有する、蛍光染料-生物学的分子複合体:
    Figure 2009513766
    ここで、破線Yは、単結合または二重結合であり、該破線Yが、単結合である場合、環Z3は、ピリジルまたはジヒドロピリジル環であり、該破線が二重結合である場合には、該環Z3は、ジヒドロピリジル環であり、また場合によりR1およびR2の一方は、存在しなくても良いが、但しR1およびR2両者が存在する場合には、これらが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
    基R4は、Z1環構造の利用可能な原子に結合しており、また基R5は、Z2環構造の利用可能な原子に結合しており;
    該Z1およびZ2は、夫々独立に一つの環、二個の縮合した環、または三個の縮合した環または芳香族または複素芳香族環系を完成するに必要な原子を表し、該環各々は、独立に炭素原子から選択される5または6個の原子および場合により独立に酸素、窒素および硫黄から選択される、2個を越えない原子を持ち;
    該基R1、R2、R3、R4およびR5の少なくとも一つは、独立に-Jまたは-J-Kであり、ここでJはリンカー基であり、またKはターゲット結合基であり;
    該基R1、R2またはR3の何れかは、各存在位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基から選択され;
    R4およびR5の何れかは、各存在位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基から選択され:
    また、該環Z3がピリジル環である場合には、R3は場合により存在しなくても良く、但しR3が存在する場合には、これが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
    あるいは破線Yが、単結合である場合には、R1およびR2は、これらが結合している窒素原子と共に、以下の式:
    Figure 2009513766
    で表される基を形成し、該式においてR6およびR7は、R4またはR5の何れかに対して与えたものと同一の意味を持つ。
  3. 以下の式(I)で表される蛍光染料(その塩を含む):
    Figure 2009513766
    ここで、破線Yは、単結合または二重結合であり、該破線Yが、単結合である場合、環Z3は、ピリジルまたはジヒドロピリジル環であり、該破線が二重結合である場合には、該環Z3は、ジヒドロピリジル環であり、また場合によりR1およびR2の一方は、存在しなくても良いが、但しR1およびR2両者が存在する場合には、これらが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
    基R4は、Z1環構造の利用可能な原子に結合しており、また基R5は、Z2環構造の利用可能な原子に結合しており;
    該Z1およびZ2は、夫々独立に一つの環、二個の縮合した環、または三個の縮合した環または芳香族または複素芳香族環系を完成するに必要な原子を表し、該環各々は、独立に炭素原子から選択される5または6個の原子および場合により独立に酸素、窒素および硫黄から選択される、2個を越えない原子を持ち;
    該基R1、R2、R3、R4およびR5の少なくとも一つは、独立に生物学的分子との複合状態にある-J、-Kまたは-J-Kであり、ここでJはリンカー基であり、またKはターゲット結合基であり;
    該基R1、R2およびの何れかは、各存在位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基から選択され;
    R4およびR5の何れかは、各存在位置において独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、またはへテロアリール置換または無置換のアラルキル基、アルキルオキシ基、アミノ基、モノ-またはジ-C1-C4アルキル置換アミノ基、スルフヒドリル基、カルボニル基、カルボキシル基、アクリレート基、ビニル基、スチリル基、スルホネート基、スルホン酸基、四級アンモニウム基から選択され:
    また、該環Z3がピリジル環である場合には、R3は場合により存在しなくてもよいが、R3が存在する場合には、これが結合している窒素原子は、正に帯電していることを条件とし;
    あるいは破線Yが、単結合である場合には、R1およびR2は、これらが結合している窒素原子と共に、以下の式:
    Figure 2009513766
    で表される基を形成し、該式においてR6およびR7は、R4またはR5の何れかに対して与えたものと同一の意味を持つ。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の染料-複合体または染料の使用であって、該蛍光染料が、5〜30ナノ秒なる範囲内の蛍光寿命を持つことを特徴とする、前記使用。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載の染料-複合体または染料の使用であって、該蛍光染料が、8〜25ナノ秒なる範囲内の蛍光寿命を持つことを特徴とする、前記使用。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の染料-複合体または染料の使用であって、該置換Z1およびZ2が、夫々独立に芳香族環または縮合芳香族環を形成することを特徴とする、前記使用。
  7. 該芳香族環が、置換または無置換のフェニル基である、請求項6記載の染料-複合体または染料の使用。
  8. 該縮合芳香族環が、ナフチル、フェナントリルまたはアンスラニル基からなる群から選択される基を形成する、請求項6記載の染料-複合体または染料の使用。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の染料-複合体または染料の使用であって、前記式(I)の染料における、置換基R1、R2、R3、R4およびR5の少なくとも一つが、-J、-Kまたは-J-Kであり、ここでJは炭素、および場合により窒素、酸素、硫黄および/またはリン原子を含む、1〜40(特に、1〜10)個の連鎖原子を含み、またKは反応性または官能性の基であることを特徴とする、前記使用。
  10. 該リンカーが、置換または無置換のアルキル、アルケニル、アルキルオキシ鎖、アルカンカルボキサミド、例えばアセタミド基である、請求項9記載の染料-複合体または染料の使用。
  11. 該基Kが、サクシンイミジルエステル、スルホ-サクシンイミジルエステル、イソチオシアネート、マレイミド、ハロアセタミド、酸ハライド、ビニルスルホン、ジクロロトリアジン、カルボジイミド、ヒドラジド、ホスホラミジエート、ペンタフルオロフィルエステルおよびアルキルハライドから選択される反応性の基である、請求項9または10記載の染料-複合体または染料の使用。
  12. 該基Kが、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、イミダゾール、カルボキシル、アルデヒドおよびケトンを含むカルボニル、ホスフェートおよびチオホスフェートから選択される官能性の基である、請求項9または10記載の染料-複合体または染料の使用。
  13. 該Yが単結合であり、該環Z3がピリジル環であり、該基R1、R2がHであり、R3が存在せず、また少なくとも1回出現するR4および/またはR5が、前記の基:-J、-Kまたは-J-Kである、請求項1〜12の何れか1項に記載の、染料-複合体または染料の使用。
  14. 前記式(I)で表される染料の、該基R1、R2、R3、R4およびR5の少なくとも一つが、該化合物に親水性を付与するために、水溶性の基である、請求項1〜13の何れか1項に記載の、染料-複合体または染料の使用。
  15. 該水溶性の基が、前記式(I)で表される化合物の該芳香族環構造Z1および/またはZ2に直接結合した、スルホネート基、スルホン酸基または四級アンモニウム基である、請求項14記載の染料-複合体または染料の使用。
  16. 該水溶性の基が、リンカーによって、該環構造と結合しており、また該水溶性の基が、スルホネート基、サルフェート基、ホスホネート基、ホスフェート基、四級アンモニウム基およびカルボキシル基から選択される、請求項14記載の染料-複合体または染料の使用。
  17. 請求項2および請求項2に従属する場合における請求項4〜16の何れか1項に記載の染料-複合体であって、該生物学的分子が、抗体、脂質、タンパク質、ペプチド、炭水化物;1またはそれ以上のアミノ、スルフヒドリル、カルボニル、ヒドロキシおよびカルボキシル、ホスフェートおよびチオホスフェート基を含むか、これらを含むように誘導体化されるヌクレオチド;および1またはそれ以上のアミノ、スルフヒドリル、カルボニル、ヒドロキシおよびカルボキシル、ホスフェートおよびチオホスフェート基を含むか、これらを含むように誘導体化されるオキシまたはデオキシポリ核酸;微生物物質、薬物、ホルモン、細胞、細胞膜および毒素からなる群から選択される、前記染料-複合体。
  18. 細胞侵入ペプチドを含む、請求項2〜17の何れか1項記載の染料または染料-複合体。
  19. 該細胞侵入ペプチドが、ペネトラチン(Penetratin) TATまたはシャリオット(Chariot)である、請求項18記載の染料または染料-複合体。
  20. 以下の式(iv)で表される染料:
    Figure 2009513766
    ここで、R4またはR5の少なくとも一つは、独立に、-J、-Kまたは-J-Kであり、ここでJはリンカー基であり、またKはターゲット結合基である。
  21. 以下の式(iv)で表される染料-生物学的複合体:
    Figure 2009513766
    ここで、R4またはR5の少なくとも一つは、生物学的分子と複合状態にある-Jまたは-J-Kである。
  22. 生物学的分子を蛍光標識する方法であって、該方法が、以下の諸工程:
    a) 該生物学的分子と、請求項3、請求項3に従属する場合における請求項4〜16の何れか1項に記載の染料とを接触させる工程;および
    b) 該染料と該生物学的分子とを、該染料を該生物学的分子と複合化するのに適した条件下で、インキュベートする工程、
    を含むことを特徴とする、前記方法。
  23. サンプル中の被検体をアッセイする方法であって、該方法が、以下の諸工程:
    a) 該被検体と、この被検体に対する特異的結合相手とを、該被検体の少なくとも一部と、該特異的結合相手との結合を生じるのに適した条件下で接触させて、錯体を形成し、また該被検体および該特異的結合相手の一方が、請求項3〜16の何れか1項に記載の蛍光染料で標識されており;および
    b) 該標識錯体から放出される蛍光および/または該錯体の蛍光発光寿命を測定する工程、
    を含むことを特徴とする、前記方法。
  24. 該被検体-特異的結合相手が、抗体/抗原、レクチン/糖タンパク質、ビオチン/ストレプタビジン、ホルモン/レセプタ、酵素/基質または補助因子、DNA/DNA、DNA/RNA、およびDNA/結合タンパク質からなる群から選択される、請求項23記載の方法。
  25. 基質上の酵素の活性を測定する方法であって、該方法が、以下の各工程:
    a) 該酵素と接触させる前に、該基質の蛍光強度および/または寿命を測定する工程;
    b) 該酵素と該基質とを接触させる工程;および
    c) 該基質に及ぼす該酵素の作用の結果としての、蛍光強度および/または寿命におけるあらゆる変化を測定する工程、
    を含むことを特徴とする、前記方法。
  26. 該基質が、該酵素によって開裂することのできる、生物学的分子を含む、請求項25記載の方法。
  27. 該生物学的分子が、該酵素による該基質の開裂の際に、該蛍光染料から分離できる、蛍光変調部分を含み、結果として蛍光強度および/または蛍光寿命を増加する、請求項26記載の方法。
  28. 分子の該基質に対する結合を触媒し、結合した分子を含む該基質が、該基質単独の場合と比較して、変更された蛍光強度および/または寿命を持つ、請求項25記載の方法。
  29. 該結合すべき分子が、該分子と該基質とを結合した際に、該基質単独の場合と比較して、低下された蛍光強度および/または寿命を与えるように、蛍光変調部分を含む、請求項28記載の方法。
  30. 該基質が、チロシン、トリプシンまたはフェニルアラニンを、該蛍光変調部分として含む、ペプチドを包含する、請求項27記載の方法。
  31. 該ペプチドが、4〜20個のアミノ酸残基を含む、請求項30記載の方法。
  32. 該酵素が、プロテアーゼ、エステラーゼ、ペプチダーゼ、アミダーゼ、ヌクレアーゼおよびグリコシダーゼからなる群から選択される、請求項25〜27の何れか1項に記載の方法。
  33. 該酵素が、アンギオテンシン変換酵素(ACE)、カスパーゼ、カテプシンD、キモトリプシン、ペプシン、ズブチリシン、プロテイナーゼK、エラスターゼ、ネプリリシン、サーモリシン、asp-n、マトリックスプロテイン1〜20、パパイン、プラスミン、トリプシン、エンテロキナーゼおよびウロキナーゼからなる群から選択される、請求項26記載の方法。
  34. 酵素の活性に作用を及ぼす、テスト薬剤をスクリーニングする方法であって、該方法が、以下の諸工程:
    a) 請求項25〜33の何れか1項に記載の方法を、該薬剤の存在下、または不在下で行う工程;および
    b) 該薬剤の存在下、または不在下で、該酵素の活性を測定する工程;
    を含み、該薬剤の存在下、または不在下における該酵素の活性間の差が、該テスト薬剤の、該酵素活性に及ぼす効果の指標となることを特徴とする、前記方法。
  35. 請求項25〜31の何れか1項に記載の、該基質の細胞位置および分布を測定する方法であって、該基質が、生きた細胞によって取込まれ得るものであり、該方法が、以下の諸工程:
    a) 細胞を含まない環境における、該基質の蛍光強度および/または蛍光寿命を測定する工程;
    b) 1種またはそれ以上の細胞に該基質を添加する工程;および
    c) 該工程b)に引続いて、該基質の蛍光強度および/または蛍光寿命を測定する工程、
    を含み、蛍光強度および/または蛍光寿命における変化が、基質変調の指標であり、また酵素活性および局在化両者を測定するのに利用できることを特徴とする、前記方法。
  36. 該細胞が、哺乳動物、植物、昆虫、魚類、鳥類、バクテリアおよび真菌細胞からなる群から選択される、請求項35記載の方法。
  37. 付随的に、複数の異なる基質の使用を含み、各基質が、複数の異なる蛍光染料と結合し、該染料の各々が、その固有の蛍光発光および/またはその蛍光寿命のために、他のものから個々に識別可能であって、結果として複数の酵素活性を測定できる、請求項25〜36の何れか1項に記載の方法。
  38. 請求項2、請求項2に従属する場合における請求項4〜16の何れか1項に記載の染料-生物学的複合体の、酵素活性を測定するための、および/またはインビボまたはインビトロでの像形成プローブとしての使用。
  39. a) 請求項2、請求項2に従属する場合における請求項4〜16の何れか1項に記載の染料-生物学的分子複合体;および
    b) 該生物学的分子または該生物学的分子を触媒的に変えることのできる酵素に対する結合相手、
    を含むことを特徴とする、キット。
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