JP2001002951A - 新規な蛍光色素およびその蛍光マーカーとしての使用 - Google Patents

新規な蛍光色素およびその蛍光マーカーとしての使用

Info

Publication number
JP2001002951A
JP2001002951A JP2000150567A JP2000150567A JP2001002951A JP 2001002951 A JP2001002951 A JP 2001002951A JP 2000150567 A JP2000150567 A JP 2000150567A JP 2000150567 A JP2000150567 A JP 2000150567A JP 2001002951 A JP2001002951 A JP 2001002951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
xanthene
group
groups
acid
conjugate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000150567A
Other languages
English (en)
Inventor
Ewald Daltrozzo
ダルトロッツォ エワルド
Alexander Reiss
ライス アレキサンダー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roche Diagnostics GmbH
Original Assignee
Roche Diagnostics GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Roche Diagnostics GmbH filed Critical Roche Diagnostics GmbH
Publication of JP2001002951A publication Critical patent/JP2001002951A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B11/00Diaryl- or thriarylmethane dyes
    • C09B11/04Diaryl- or thriarylmethane dyes derived from triarylmethanes, i.e. central C-atom is substituted by amino, cyano, alkyl
    • C09B11/10Amino derivatives of triarylmethanes
    • C09B11/24Phthaleins containing amino groups ; Phthalanes; Fluoranes; Phthalides; Rhodamine dyes; Phthaleins having heterocyclic aryl rings; Lactone or lactame forms of triarylmethane dyes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/58Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances
    • G01N33/582Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances with fluorescent label

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物学的分子とのカップリングに適してお
り、高い量子効率を有し、650nm以上のスペクトル領域
内で吸収し、かつ生物学的化合物または固相に対して可
能なかぎり低い非特異的結合を示す色素を提供する。 【解決手段】 式Iで表されるキサンテン誘導体。 【化1】 〔式中、基R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれが水素、ア
ルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シア
ノ、ヒドロキシ、ハロゲン、イソシアナート、イソチオ
シアナート、またはカルボキシル、スルホニルもしくは
それぞれの誘導体、例えば、アルコキシカルボニル、ア
リールオキシカルボニル、活性エステル、酸ハロゲン化
物、混合酸無水物、または無置換もしくは置換アミノ
基、特に、ω-アミノアルコール、ω-アミノカルボン酸
またはω-アミノハロゲンアルカンであり、基R6、R7、R
8、R9、R10、R11は、互いに独立して、水素、アルキ
ル、置換アルキル基、またはハロゲン化物であり、特に
水素、炭素原子数1〜10のアルキル基、スルホアルキル
基(特に、スルホメチル基)、塩素またはフッ素が好ま
しく、基XおよびYは求電子基を表すか、あるいはXまた
はYがそのような求電子基で、YまたはXがアミンまたは
置換アミンを表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、650nm以上に吸収
域を有する新規な蛍光色素の製造、その生体分子マーカ
ーとしての使用、ならびに診断系におけるマーカー/生
体分子コンジュゲートの使用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】免疫学的アッセイやDNA解析を行うため
には、アナライト特異的反応の完了後にアナライトの定
量を可能にするマーカーまたはラベルが必要である。最
近、特に蛍光ラベルがその高い感度ゆえに一般的に受け
入れられるようになってきた。こうして、抗体またはオ
リゴヌクレオチドを蛍光色素でラベルすることにより、
直接的な定量が可能である。広く受け入れられている蛍
光色素としては、例えば、FITC(フルオレセインイソチ
オシアナート)、FLUOS(フルオレセインN-ヒドロキシ
スクシンイミドエステル)、レゾルフィンまたはローダ
ミンラベルがあるが、これらはその励起のためにアルゴ
ンレーザーのような比較的高度の光源を必要とする。
【0003】小型システムの配置に非常に適している、
発光範囲が630〜780nmの安価なレーザーダイオードの迅
速な開発により、この波長範囲内で吸収する色素が非常
に望ましいものになっている。EP-A-0 543 333には、ラ
ベルとして使用するのに適した5環状のローダミン色素
が記載されている。この種の色素の主要な吸収域は660n
m以下である。WO 88/04777には、フタロシアニン色素が
記載されているが、この色素は2個以上の官能基をもつ
ために、例えば抗体とのコンジュゲートを形成する場合
に架橋してしまい、混合生成物の高度な精製が必要であ
る。DE 195 21 231には、最大吸収が700nmである新規な
オキサジン色素ならびに蛍光マーカーとしてのその使用
が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、生物
学的分子とのカップリングに適しており、高い量子効率
を有し、650nm以上のスペクトル領域内で吸収し、かつ
生物学的化合物または固相に対して可能なかぎり低い非
特異的結合を示す色素を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は各請求項にお
いて特徴づけられる本発明により達成される。本発明の
主題は、一般式Iで表される新規なキサンテン誘導体で
ある。
【0006】
【化2】
【0007】式中、基R1、R2、R3、R4、R5は、互いに独
立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、
アルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、イソシア
ナート、イソチオシアナート、またはカルボキシル、ス
ルホニルもしくはそれぞれの誘導体(例えば、アルコキ
シカルボニル、アリールオキシカルボニル、活性エステ
ル、酸ハロゲン化物、混合酸無水物)、または無置換も
しくは置換アミノ基、特に、ω-アミノアルコール、ω-
アミノカルボン酸またはω-アミノハロゲンアルカンで
ある。
【0008】基R1、R2、R3、R4、R5の少なくとも1つの
基はハロゲン、特にフッ素または塩素を表し、かつ基R
1、R2、R3、R4、R5の少なくとも1つの基は官能基、好
ましくは酸性基、特に好ましくはカルボン酸またはその
誘導体を表すことが有利であるとわかった。
【0009】基R6、R7、R8、R9、R10、R11は、互いに独
立して、水素、アルキル、置換アルキル基、またはハロ
ゲン化物であり、特に好ましいものは水素、炭素原子数
1〜10のアルキル基、スルホアルキル基(特に、スルホ
メチル基)、塩素またはフッ素である。
【0010】基XおよびYの少なくとも1つは求電子性で
ある。好ましい求電子基は、活性化されたメチル芳香族
化合物またはヘテロ芳香族化合物からのC-求核試薬であ
り、例えば、2-ベンゾチアゾリリデンシアノメチンや2-
または4-キノリニリデンシアノメチンのタイプのヘテロ
アリーリデンシアノメチン、または2-プロピルジニトリ
ル基やシアノ酢酸エステルなどのマロン酸誘導体であ
る。
【0011】少なくともXまたはYが前記の基であるか、
XとYの両方が前記の基である。これらの基XおよびYは同
一でも異なっていてもよい。
【0012】さらに、Xはアミン基または置換アミン基
であってもよく、特に好ましいものはアルキル置換アミ
ンまたは環状アミンである。この場合Yは上記のような
系統の求電子基(特に、ヘテロアリーリデンシアノメチ
ン基またはマロン酸誘導体)から選択される。
【0013】本発明による化合物は、そのスペクトル特
性(約650nm以上の最大吸収および670nm以上の最大発
光)のため、色素として、特に蛍光色素として非常に適
している分子を提供する。最大吸収は700nm以上である
ことが特に好ましい。同時に、R1、R2、R3、R4、R5、R
6、R7、R8、R9、R10、R11に関して基の種類、数および
位置を変えることによって前記分子のスペクトル特性を
変えることができる。すなわち、650nm以上に任意の最
大吸収および発光をもつ蛍光色素の製造が可能である。
したがって、蛍光色素またはレーザー色素としての本発
明のキサンテン誘導体の使用も本発明の主題である。
【0014】本発明による一般式Iの化合物において、
基R1、R2、R3、R4、R5の少なくとも1つはカップリング
に適するように活性化された基の形で存在するか、カッ
プリングのために活性化し得る基の形で存在することが
好ましい。活性化されたそのような基は特に活性化可能
なカルボン酸基またはスルホン酸基から誘導されるもの
であり、例えば、酸エステル、酸無水物、酸ハロゲン化
物(好ましくは臭化物、特に塩化物)、H-ヒドロキシス
クシンイミドエステルまたはω-アルキルハロゲン化物
などである。さらに、そのような活性化基は例えばホス
ホルアミダイトであってもよい。
【0015】下記の表に、カップリングに適する活性化
基の例をいくつか示す。当業者には、コンジュゲート合
成の分野からのさらに多数の活性化基が知られている。
【0016】活性化基 カップリングする基 生成物 NHS-エステル アミン アミド イソチオシアナート アミン チオ尿素 (混合)酸無水物 アミン アミド マレインイミド チオール チオエーテル チオール マレイミド チオエーテル ハロアセチル チオール チオエーテル ヒドラジン アルデヒド ヒドラゾン アミン アルデヒド アミン(還元後) アミン 反応性カルボン酸 アミド ホスホルアミダイト 保護ヌクレオチド ラベルした オリゴヌクレオチド
【0017】本発明のキサンテン誘導体を含むコンジュ
ゲートを製造するためには、例えば生体分子や他の分析
試薬のラベリングに適する、活性化された誘導体を合成
する。活性化された誘導体の製造には、基R1、R2、R3、
R4、R5、およびそれぞれXまたはYに位置づけられる活性
化可能な基が少なくとも1個必要である。活性化は当業
者に公知の標準方法に従っておこなわれる。一般的に
は、R1、R2、R3、R4またはR5の少なくとも1個のヒドロ
キシル基、アミノ基、スルホ基またはカルボキシル基を
用いて活性化を実施する。
【0018】その後の用途に応じて、異なる反応基を導
入することができる。ホスホルアミダイトとH-ホスホナ
ートは例えばヒドロキシル基から誘導される。こうし
て、一般的には、キサンテンのホスホルアミダイトおよ
びH-ホスホナートはこれまでに知られている方法(Metho
ds in Mol. Biol. Vol.20, "Protocols for Oligonucle
otides and Analogs, Synthesis and Properties", S.
Agrawal Hrsg., HumanaPress Totowa, NJ)に従って製造
することができる。
【0019】しかし、N-ヒドロキシ-スクシンイミド(NH
S)-エステルは一般的にカルボキシル基から誘導され、
マレインイミドはアミノ基から(P.Y. Reddy, Synthesis
(1998) 999)または対応するω-アミノアルキルマレイ
ンイミドによる活性化カルボン酸の延長により誘導され
る。
【0020】NHS-エステルの製造は、好ましくは、EP 0
543 333に記載の方法に従っておこなわれ、この方法で
は、遊離のカルボン酸を、DCCやMEIなどの縮合剤の存在
下でNHSと混合する。キサンテンイソチアシアナートを
製造するにはアミノ基とチオホスゲンとを反応させるこ
とが好ましい(Advanced Organic Chemistry, McGrawHil
l, 第2版, p.383, 1997)。
【0021】したがって、本発明の主題はまた本発明に
よるキサンテンの活性化された誘導体である。活性化誘
導体の反応性の基は好ましくはホスホルアミダイト、N-
ヒドロキシ-スクシンイミド(NHS)-エステル、マレイン
イミド-アルキルアミド、H-ホスホナート、イソチオシ
アナートまたはω-アルキルハロゲン化物である。
【0022】本発明の更なる主題は、本発明によるキサ
ンテン化合物またはその活性化誘導体を結合させること
によって得られるコンジュゲートである。かくして、こ
の種のコンジュゲートは少なくとも2つの成分を含み、
1つの成分が本発明のキサンテン誘導体に相当する。コ
ンジュゲートの製造は、活性化誘導体から出発して、標
準的なプロトコールに従って実施される。応用するのに
適したコンジュゲート製造法は当業者に公知である。
【0023】本発明のコンジュゲートは、そのコンジュ
ゲートの第2成分が分析すべき結合パートナーと結合す
るとすぐに、分析目的のために使用される。生成した複
合体は、適切な吸収波長の光で励起した後に該複合体か
ら発生する蛍光を検出することで同定することができ
る。
【0024】NIRにおける吸収のため、本発明の化合物
はin vivo使用にも適している。そのためには、本発明
の色素またはそのコンジュゲートの水溶性誘導体を生体
分子と一緒に適用する。in vivo測定は蛍光または吸収
の測定によりおこなう。
【0025】本発明によるコンジュゲートの使用は診断
分析または医学的もしくは生物学的物質の分析に特に適
している。それゆえに、本発明の主題は特に生体分子と
相互作用することができるコンジュゲートである。それ
らは、一般的に更なる成分として1つまたは複数の生体
分子を含むコンジュゲートである。
【0026】コンジュゲートに含まれる生体分子として
は、例えば、DNA、RNAなどの一本鎖または二本鎖核酸、
三重らせん構造体、PNAなどの核酸類似体、オリゴヌク
レオチドおよびオリゴヌクレオチド誘導体、さらには1
個のヌクレオチド、ヌクレオチド誘導体、ヌクレオチド
類似体、ヌクレオシド三リン酸などがある。このような
分子のラベリングは、5'位置で好ましくはNHS-エステル
またはホスホルアミダイトにより、または3'位置で好ま
しくはCPGのような色素置換キャリアーを介しておこな
われる。核酸塩基のような他の場所のラベリングをNHS-
エステルによりおこなうことも好ましい。
【0027】タンパク質、タンパク質複合体、抗体また
はアミノ酸のラベリングの場合には、コンジュゲート形
成をNHS-エステル、m-マレインイミド、イソチオシアナ
ートまたはω-アルキルハロゲン化物でおこなうことが
好ましい。更なるコンジュゲート成分の例としては、ビ
タミン、ステロイドホルモン、脂質分子、ハプテンがあ
る。さらに、膜画分や全細胞といった、より複雑な生物
学的構造体もラベルすることができる。
【0028】本発明のコンジュゲートの具体例は本発明
のキサンテン誘導体とコンジュゲート化されたオリゴヌ
クレオチドである。このようにマークしたオリゴヌクレ
オチドは、核酸を検出および分析する既知の方法におい
て、例えばin situハイブリダイゼーションで使用した
り(Meyne and Myzis, Methods Mol. Biol. 33, 63-74,
1994)、様々な配列決定法においてプライマーとして使
用したりすることができる(Sheealyら, Anal. Chem. 6
7, 247-251, 1995)。
【0029】核酸の化学合成的ラベリングのほかに、本
発明のキサンテン色素でマークしたリボヌクレオシド三
リン酸およびデオキシリボヌクレオシド三リン酸を、種
々の酵素反応によってポリメラーゼの基質として核酸に
導入することができる。DNAの場合、DNAポリメラーゼを
用いて、例えばニックトランスレーション法(Rigbyら,
J. Mol. Biol. 113, p.237, 1977)または「ランダムプ
ライムラベリング(Random Primed Labeling)」(Feinber
g and Vogelstein, Anal. Biochem. 137, p.266, 1984)
によりおこなう。RNAの場合は、例えば、T3、T7またはS
P6 RNAポリメラーゼを用いて転写によりおこなう。核酸
マーキングの他の方法は、ターミナルトランスフェラー
ゼを用いる、いわゆる3'末端付加反応により可能であ
る。
【0030】かくして、本発明の更なる主題はまた、化
学的または酵素的方法で核酸をマーキングするための本
発明のコンジュゲートの使用、ならびに核酸を検出およ
び分析するための本発明に従ってラベルしたハイブリダ
イゼーションプローブの使用である。
【0031】分析アッセイの場合は、最初に、本発明の
キサンテン誘導体をレーザー、レーザーダイオード、LE
Dなどの適切な波長の光で励起する。アナライトに応じ
て、当業者に公知の測定方法を用いて蛍光検出をおこな
う。これらは、例えば、in situ法の蛍光顕微鏡検査、
または適切なフォトダイオードによる発光放射線の検出
である。
【0032】適当な波長の放射線エネルギーを用いる本
発明の色素の直接励起のほかに、いわゆる蛍光共鳴エネ
ルギー転移によっても励起させることが可能である。こ
の原理によると、第2の蛍光色素が適切な波長の光で励
起される。2つの色素の位置的接近のために、その後に
本発明のキサンテン誘導体への非放射性エネルギー転移
が生じる(Van der Meerら, Resonance Energy Transfe
r, VCH, 1994)。ある波長でのこの分子による発光の検
出は、好ましくはアナライトの定量に使用される。した
がって、本発明の主題はさらに、蛍光共鳴エネルギー転
移系の一成分としての本発明のキサンテン誘導体または
対応するコンジュゲートの使用である。
【0033】本発明の化合物は好ましくは共鳴エネルギ
ー受容体として使用される。本発明の全ての化合物のた
めの好適な共鳴エネルギー供与体はスペクトル分析に適
している蛍光色素コンジュゲートである。したがって、
本発明の主題はさらに、蛍光共鳴エネルギー転移系にお
ける蛍光共鳴エネルギー受容体としての本発明のキサン
テン誘導体または対応するコンジュゲートの、適切な蛍
光共鳴エネルギー供与体コンジュゲートと一緒の、使用
である。
【0034】核酸の定量検出のためには、オリゴヌクレ
オチドなどの、蛍光色素でマークしたハイブリダイゼー
ションプローブが適しており、これは蛍光共鳴電子転移
(FRET)の原理により検出可能である。オリゴヌクレオチ
ドの場合は、5'末端位置を例えばFRET系の1つの色素成
分でマークし、3'末端位置をFRET系の残りの色素成分で
マークする。この場合には、オリゴヌクレオチドを配列
の内部でマークすることもできる。
【0035】特別な実施形態では、前記のような2種類
の色素でマークしたオリゴヌクレオチドが、得られる産
物の検出のために核酸増幅において用いられ、そこでは
蛍光共鳴エネルギー供与体の発光が測定される。オリゴ
ヌクレオチドが標的に結合しないと、非放射性エネルギ
ー転移のために供与体の蛍光はまったく測定されない。
しかし、オリゴヌクレオチドが標的DNAに結合すると、
用いるDNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性のた
めに2つの色素成分が位置的に分離され、それゆえにFR
ET供与体のある程度の蛍光が測定可能となる(米国特許
第5,210,015号)。
【0036】他の好ましい実施形態では、標的核酸と位
置的に接近してハイブリダイズ可能な2種類のハイブリ
ダイゼーションプローブに異なる色素が配置される。こ
れらのプローブは例えば同一の標的核酸鎖にハイブリダ
イズする2つのオリゴヌクレオチドプローブであり、一
方の色素を第1プローブの3'末端のヌクレオチドに、他
方の色素を第2プローブの5'末端のヌクレオチドに配置
して、2つの色素間の距離が少数(すなわち、0〜30
個)のヌクレオチドからなるようにする。本発明のキサ
ンテン誘導体と結合させたフルオレセインを使用する場
合は、0〜15個、特に1〜5個、大抵の場合はたった1個
のヌクレオチドの距離が有利であるとわかった。色素成
分間のヌクレオチド距離が保たれるならば、末端で色素
と結合させるのではなく、鎖内部で結合させたプローブ
も使用可能である。二本鎖標的核酸の場合は、2つの色
素成分間に0〜30個のヌクレオチドからなる一定のヌク
レオチド距離が存在するかぎり、異なる標的鎖に結合す
るプローブも使用することができる。
【0037】かくして、本発明の更なる主題は、核酸を
分析するためのオリゴヌクレオチドと本発明のキサンテ
ン誘導体からなる本発明のコンジュゲートの使用であ
り、この場合は、第2のオリゴヌクレオチドと別の好適
な蛍光色素からなる第2のコンジュゲートが用いられ、
色素(好ましくは第2のオリゴヌクレオチドに結合され
たもの)の励起後に蛍光共鳴エネルギー転移が起こる。
オリゴヌクレオチドの組合せは以下で「FRETペア」と呼
ばれ、そのように記される。
【0038】ポリメラーゼ連鎖反応の途中または後で増
幅産物の検出のために前記のFRETペアを使用することは
特に有利であることがわかった。それゆえ、本発明の更
なる主題は、核酸増幅反応の反応産物を検出するための
FRETペアの一成分としての本発明のコンジュゲートの使
用である。特別の試験法においては、2つの増幅プライ
マーの一方を2つの色素の一方で同時にマークすること
ができ、こうしてFRETの二成分のうちの一方が得られ
る。
【0039】適切なFRETペアを増幅産物の検出に使用す
ることは、プライマー反応サイクルの数に応じて増幅産
物の生成に必要なデータを確認することで、PCR反応の
いわゆる「リアルタイムでのモニタリング」を可能とす
る。これは一般的に、増幅プライマーに必要とされるア
ニーリング時間中の反応・温度条件のため、FRETペアの
オリゴヌクレオチドも標的核酸にハイブリダイズし、適
切な励起により測定可能な蛍光シグナルが発生するとい
う事実により達成される。得られたデータにより、最初
にアプライされた標的核酸の量を定量分析で測定するこ
とができる。したがって、これらの実施形態は生物学的
サンプルのRNA濃度を定量するときの定量RT-PCR実験に
おいて特に重要となる。かくして、本発明の主題はさら
に、反応産物が各サイクルで検出される場合に核酸増幅
反応の反応産物を検出するためのFRETペアの一成分とし
ての本発明のコンジュゲートの使用である。加えて、本
発明の主題は、増幅しようとする核酸を定量するための
FRETペアの一成分としての本発明のコンジュゲートの使
用である。
【0040】別の実施形態では、増幅産物の検出が増幅
反応の完了後におこなわれるが、その際、検出すべき標
的核酸へのFRETペアのハイブリダイゼーション後の融合
曲線分析の間、温度を連続的に増加させる。同時に、温
度に応じて発生した蛍光を測定する。この方法は、いく
つかのミスマッチのために、用いたFRETペアに低度のス
トリンジェント条件でしかハイブリダイズしない配列の
検出を可能にする。このようにして決定された融合点は
点突然変異や他の多形の検出に利用することができる。
したがって、本発明の主題は、特に多形および点突然変
異の同定において、融合曲線を調べるためのFRETペアの
一成分としての本発明のコンジュゲートの使用である。
【0041】前記の蛍光共鳴エネルギー転移法は、一般
的に、分子−分子相互作用、例えば、タンパク質−タン
パク質相互作用または抗原−抗体反応を調べるために使
用される。こうした反応が均一条件下で行われる場合に
は特に有利である。
【0042】対イオンとして、本発明の化合物の電荷の
中和に適していて、pHに依存してその陰イオン塩基性構
造と適合しうる陽イオンを使用することが可能である。
【0043】本発明による式Iの化合物の合成は、実際
には、CH-酸性ベース化合物から得られるC-求核試薬に
よってキサンテンまたはフルオランの3',6'-位置の脱離
基を置換することに相当する。脱離基としては、ハロゲ
ン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、SO2R-またはSO3R-
基(R=アルキル、アリール)、ホスフィットなどが使用
される。C-求核試薬としては、求電子性の置換基または
マロン酸誘導体により活性化されたメチル芳香族化合物
やメチルヘテロ芳香族化合物などのベース化合物から得
られるCH-酸性化合物の誘導体(陰イオン)が使用され
る。好ましくは、文献(A.v.Bayer, Liebigs Ann. 183
(1876) 18)に従ってPOCl3/PCl5を用いて3',6'-ジヒドロ
キシフルオラン類から得られる3',6'-ジクロロフルオラ
ン類を、LDA(リチウムジイソプロピルアミド)により
得られるCH-酸性化合物の誘導体と混合する。
【0044】出発化合物は、好ましくは、合成の生成物
が活性化に適する基を含むように選択される。そのよう
な基を公知の方法で活性化すると、その後に生物学的活
性分子の反応基と結合させて生体分子−色素コンジュゲ
ートを形成するのに適した基が得られる。活性化基と生
物学的活性分子の間にリンカーを導入してもよい。
【0045】リンカーは本発明の色素と生体分子間の距
離を変えるために用いられる。例えば、伸長の理由でカ
ルボン酸にアミノカプロン酸を導入することができる。
これは、例えばカルボン酸とマレインイミドアルキルア
ミンとの反応のように、官能価の変化をもたらしうる。
さらに、リンカーの電荷は色素の溶解性に影響を及ぼす
ことがある。こうした影響を与えるには、リシンやグル
タミン酸などの電荷キャリアーを有するアミノ酸が特に
適している。
【0046】本発明による化合物を用いると、その分光
特性(650nm以上の最大吸収)のため、カップリングに
適した吸収色素として、特にハプテン、抗体、タンパク
質のコンジュゲートにおいて使用される蛍光色素として
非常に適しており、また、ポリヌクレオチドのマーキン
グやラテックスの染色(蛍光ラテックス)に非常に適し
ている新規化合物が提供される。
【0047】本発明によるキサンテン誘導体の色素は、
それが有機/非水混和性溶媒に可溶性で、膨潤法により
ラテックス中に挿入可能であるならば、ラテックスへの
挿入に特に適している。直径が約50nmから数μmまで
の、そのような蛍光ラテックスには、いろいろなコーテ
ィング法を用いて、例えばタンパク質、ハプテン、核酸
などをローディングすることができる。
【0048】本発明による色素を少なくとも1つ含み、
それゆえに共鳴エネルギー転移が起こりうる色素混合物
も適している。
【0049】吸収波長が同じで発光波長が異なる粒子
は、多パラメーター分析、すなわち、1つのサンプル中
の異なるアナライトの測定に適している。
【0050】ハプテン、抗体、タンパク質またはポリヌ
クレオチドのコンジュゲートにおいて使用するために
は、水溶性の色素であることが有利である。そのため
に、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11が
可能なかぎり親水性である一般式Iの化合物を用いるこ
とが好適である。好ましくは、こうした化合物は例えば
カルボン酸および/またはスルホン酸基を含む置換生成
物である。コンジュゲートのカップリングは、基R1、R
2、R3、R4またはR5の活性化された置換基の少なくとも
1個を介して、特にヒドロキシスクシンイミド基を介し
ておこなわれる。
【0051】蛍光色素とハプテン(例えば、テオフィリ
ン、ジゴキシン、T3、T4)またはタンパク質(例えば、
抗体)とのコンジュゲートは、例えば診断系において、
特に蛍光イムノアッセイや蛍光偏光イムノアッセイにお
いて使用するのに適している。
【0052】本発明の更なる主題は、第1の免疫学的に
結合可能な物質の測定方法であり、この方法は、本発明
化合物のコンジュゲートを、該第1の物質と類似してい
ても異なっていてもよい第2の(免疫学的に)結合可能
な物質と共に使用し、そして第1の物質に対して特異的
な(免疫学的)結合反応により生じる本発明化合物の吸
収、蛍光または蛍光偏光の変化を、サンプル中に含まれ
る分析すべき物質の量の指標として測定する、ことを特
徴としている。
【0053】本発明の更なる主題は、イムノアッセイに
おける本発明のコンジュゲートの使用である。
【0054】
【発明の実施の形態】以下に示す具体例により、キサン
テン誘導体の合成を説明する。
【0055】基本構造がフルオランである場合は、式I
の位置R1にあるカルボン酸官能基が閉環してラクトン環
となる。残りの基R2〜R11は請求項1に示した定義に対
応する。当業者には公知であるように、R1で閉環してラ
クトン環を形成している点に特徴があるフルオラン形態
は、開環によってキサンテン形態に転換され得る。本発
明はこれら両方の基本構造を包含する。
【0056】
【化3】 キサンテン フルオラン
【0057】一連のクラス(2, 4, 6, 8)の物質を合成
するには、次の一般的実施条件を満たす必要があり、時
には、これらの条件は他のクラスの物質の合成にも応用
可能である。(A) 保護用ガスの条件のもとで、ジオキサ
ン中のジイソプロピルアミンとn-ブチルリチウムから0.
1M LDA(リチウムジイソプロピルアミド)溶液を調製す
る。この溶液を約7℃まで冷却し、等モル量のCH-酸性
成分を添加する。この混合物をLDA-CH酸という。この混
合物に3',6'-脱離基-置換フルオラン誘導体(LDA 1mol
につき0.4mol)を加えて、得られた化合物を還流下で6
時間加熱する。その後の手順工程は処理法1または2に
従って実施する。
【0058】方法1:反応溶液を減圧下で蒸発乾固さ
せ、残留物をメタノールにとる。この溶液を、色の変化
が現れるまで酢酸で酸性化して、溶媒を減圧下で留去す
る。残留物を水で洗い、カラムクロマトグラフィーで精
製する。
【0059】方法2:反応溶液を加熱吸引により濾過
し、フィルター残留物を最初に加熱ジオキサンで洗い、
次にジエチルエーテルで洗う。残留物をメタノールまた
は水に溶解し、その後はっきりとした色の変化が現れる
まで鉱酸で酸性化する。溶媒を減圧下で留去し、得られ
たままの生成物を水で洗う。続いて、必要ならば、カラ
ムクロマトグラフィーを使って精製する。
【0060】物質2a、6eおよび8aの合成法の具体例を実
施例1〜3に示す。これらのクラスの他の物質の例は表
2、6および8に示してある。
【0061】クラス3の物質(2つの異なる求電子性の
基をもつ)の場合は、ほぼ確実な方法も存在する。この
方法は(A)に記載した方法に従うが、等モル割合の第1L
DA-CH-酸混合物と3',6'-脱離基-置換フルオラン誘導体
を必要とする。処理は方法1に記載したようにおこな
う。
【0062】次に、得られた生成物を、ジオキサン中の
等モル量の第2LDA-CH-酸混合物のリチウム塩に再度添
加する。このリチウム塩は第2CH-酸性成分とLDAから得
られる。その後の処理は方法1に従っておこなう。
【0063】実施例4には、この方法をこのクラスの物
質に典型的な物質3bを用いて示す(表3参照)。
【0064】クラス1の物質は(A)に記載したように処
理し、得られた中間生成物を単離する。
【0065】続いて、アミンの沸点に応じて溶媒の存在
下または非存在下で高温(約100℃)にて反応させる。
次に、この反応溶液を氷/水に添加し、塩酸で酸性化す
る。こうして得られた生成物を回収し、カラムクロマト
グラフィーで精製する。
【0066】実施例5には、物質1aの合成法を示すこと
により、クラス1の物質の一般的な合成法を示す(表1
参照)。
【0067】クラス1、2、3、4、6および8の化合
物は、例えば、種々のアルコールによりピリジン中のジ
シクロヘキシルカルボジイミドを用いてエステル化する
ことができる。この方法により、例えば、クラス5、7
および9の物質が得られる。
【0068】
【実施例】 実施例1: 3',6'-ビス-(2-ベンゾチアゾリリデン-シアノメチン)-フルオラン(2a)の合成
【化4】 準備: 10.0g 3',6'-ジクロロフルオラン (0.027mol) 19.0g 2-シアノメチルベンゾチアゾール [2*95g] (0.109mol) 11.6ml t-ブチルアミン [2*58ml] (0.11mol) 11.0ml n-ブチルリチウム、ヘキサン画分中10M [2*55ml] (0.110mm ol) 手順: 方法2 精製: この物質はすでに高純度であった。 収量: 13.6g=0.021mol=理論の78% 元素分析: C38H20N4O3S2 MG=644.74g/mol 計算値: C 70.79% H 3.13% N 8.69% 実測値: C 70.74% H 3.23% N 8.43% 融合点: 210℃(Z)1 H-NMR: 400MHz LM: CD3OD+CH3ONa プロトン δ[ppm](数) 分割シグナル/J[Hz] H 4 8.01(1) m H 5/6 7.57(2) m H 7 7.27(1) m H 1'/8' 7.00(2) d/9.0 H 2'/7 7.48(2) s(幅広) H 4'/5' 8.44(2) s(幅広) H 4/7(Bz) 7.73/7.80(4) d/8.1 H 5/6(Bz) 7.15/7.35(4) t/7.6 FT-IR(KBr): ν[cm-1] =2185(C≡N), 1768(C=O), 1598, 1545, 1470 1420, 1328, 1253, 1082, 883 EI-MS : (70eV; 280℃) [M+°]=644 UV/VIS: ジアニオン:添加剤 トリエチルアミン カチオン:添加剤 濃硫酸 溶媒 ジアニオン カチオン λmax [nm] λmax [nm] (εmax [M-1cm-1]) (εmax [M-1cm-1]) メタノール 817 (125200) 746 (87100) アセトニトリル 830 (122000) 745 (79000) アセトン 830 (132500) 761 (72500)
【0069】 実施例2: 5,6,2',7'-テトラクロロ-3',6'-ビス-(2-プロピル-ジニトリル)-フルオラン(6e) の合成
【化5】 準備: 3.5g 5,6,3',6'- テトラクロロフルオラン (8.00mmol) 1.6g マロン酸ジニトリル (24.21mmol) 2.4ml n-ブチルリチウム、ヘキサン画分中10M (24.00mmol) 手順: 方法2 精製: シリカゲル(乾燥カラム)によるクロマトグラフィー EE/PE 3:2 収量: 2.95g=5.21mmol=理論の65% 元素分析: C26H8Cl4N4O3 MG=566.19g/mol 計算値: C 55.16% H 1.42% N 9.90%1 H-NMR: 400MHz LM: DMSOd6 プロトン δ[ppm](数) 分割シグナル/J[Hz] H 4 8.26(1) s H 7 7.80(1) s H 1'/8' 6.88(2) s H 4'/5' 6.89(2) s FT-IR(KBr): ν[cm-1] =2189(C≡N), 1633, 1569, 1461, 1321, 1203 UV/VIS: ジアニオン:添加剤 トリエチルアミン アニオン:添加剤 酢酸 溶媒 ジアニオン アニオン λmax [nm] λmax [nm] (εmax [M-1cm-1]) (εmax [M-1cm-1]) メタノール 716 (97000) 728 (99500) アセトン 730 (74000) 744 (93500)
【0070】 実施例3: 3',6'-ビス-(シアノ酢酸エチルエステル-2-イル)-フルオラン(8a)の合成
【化6】 準備: 5.0g 3',6'-ジクロロフルオラン (13.54mmol) 4.1ml シアノ酢酸エチルエステル (38.49mmol) 5.5ml ジイソプロピルアミン (39.03mmol) 3.9ml n-ブチルリチウム、ヘキサン画分中10M (39.00mmol) 手順: 方法2 精製: シリカゲル(乾燥カラム)によるクロマトグラフィー EE/PE 1:1 収量: 4.53g=8.67mmol=理論の64% 元素分析: C30H22N2O7 MG=522.54g/mol 計算値: C 68.95% H 4.25% N 5.36% 実測値: C 68.51% H 4.38% N 5.47%1 H-NMR: 400MHz LM: CDCl3 プロトン δ[ppm](数) 分割シグナル/J[Hz] H 4 8.06(1) d/8.6 H 5 7.70(1) t/7.3 H 6 7.66(1) t/7.3 H 7 7.16(1) d/7.8 H 1'/8' 6.91(2) d/8.3 H 2'/7 7.19(2) d/8.3 H 4'/5' 7.14(2) s -CH-CN 4.75(2) s -CH2- 4.27(4) q/7.08 -CH3 1.31(6) t/7.08 EI-MS : (70eV; 260℃) [M+°]=522 UV/VIS: λmax=695nm; εmax=105000M-1cm-1 (アセトン、トリエチルアミン添加) λmax=676nm; εmax=119500M-1cm-1 (メタノール、トリエチルアミン添加)
【0071】 実施例4: 3'-(2-ベンゾチアゾリリデン-シアノメチン)-3'-(2-キノリニリデン-シアノメチ ン)-4,5,6,7-テトラクロロフルオラン (3b)の合成
【化7】 準備: 4.00g 3'-(2-キノリニリデ-シアノメチレン)-4,5,6,7,6'- ペンタクロロフルオラン (6.26mmol) 1.20g 2-シアノメチルベンゾチアゾール (6.89mmol) 0.97ml ジイソプロピルアミン (6.86mmol) 0.70ml ヘキサン画分中のn-ブチルリチウム、10M (7.00mmol) 精製: シリカゲル(乾燥カラム)によるクロマトグラフィー EE/PE 1:3 収量: 1.85g=2.38mmol=理論の38% 元素分析: C40H18Cl4N4O3S MG=776.49g/mol 計算値: C 61.87% H 2.34% N 7.22% 実測値: C 61.62% H 2.54% N 8.04% UV/VIS: λmax=859nm; εmax=40500M-1cm-1 (メタノール、添加剤 t-BuOK) λmax=867nm; εmax=37500M-1cm-1 (アセトニトリル、添加剤 TEA)
【0072】 実施例5: 3'-(2-ベンゾチアゾリリデ-シアノメチレン)-6'-クロロフルオラン (1a)の合成
【化8】 準備: 2.0g 3'-(2-ベンゾチアゾリリデ-シアノメチレン)-6'- クロロフルオラン (3.95mmol) 精製: シリカゲル(乾燥カラム)によるクロマトグラフィー EE/PE 2:1 収量: 1.95g=3.51mmol=89% 元素分析: C34H25N3O3S MG=555.66g/mol 計算値: C 73.49% H 4.54% N 7.56% 実測値: C 73.03% H 4.82% N 7.64% EI-MS : (70eV; 300℃) [M+°]=555 UV/VIS: 溶媒 アニオン カチオン λmax [nm] λmax [nm] (εmax [M-1cm-1]) (εmax [M-1cm-1]) メタノール 723 (55000) 624 (60500) アセトニトリル 722 (13500) 623 (42000)
【0073】合成した誘導体の例を表1〜9に示す。
【表1】3'-(2-ベンゾチアゾリリデン-シアノメチン)-
6'-(N-ピペリジニル)-フルオラン
【0074】
【表2】3',6'-ビス-(2-ベンゾチアゾリリデン-シアノ
メチン)-フルオラン
【0075】
【表3】3'-(2-ベンゾチアゾリリデン-シアノメチン)-
6'-(2-キノリニリデン-シアノメチン)-フルオラン
【0076】
【表4】3',6'-ビス-(4-キノリニリデン-シアノメチン)
-フルオラン
【0077】
【表5】3-(2-ベンゾチアゾリル-シアノメチン)-6-(2-
ベンゾチアゾリリデン-シアノメチン)-9-(2-フェニルカ
ルボン酸エステル)-キサンテン-3-イリデン
【0078】
【表6】3',6'-ビス-(2-プロピルジニトリル)-フルオラ
【0079】
【表7】2,7-ジクロロ-3,6-ビス-(2-プロピルジニトリ
ル)-9-(2,4(5)-フェニルジカルボン酸-ジ-(N-ヒドロキ
シスクシンイミジルエステル)-キサンテン-3-イリデン
【0080】
【表8】3',6'-ビス-(シアノ酢酸エチルエステル-2-イ
ル)-フルオラン
【0081】
【表9】3',6'-ビス-(シアノ酢酸エチルエステル-2-イ
ル)-9-(2-フェニルカルボン酸エチルエステル)-キサン
テン-3-イリデン
【0082】
【発明の効果】本発明による化合物は、その分光特性
(650nm以上の最大吸収)のため、カップリングに適し
た吸収色素として、特にハプテン、抗体、タンパク質と
のコンジュゲートにおいて使用される蛍光色素として非
常に適しており、また、ポリヌクレオチドのラベリング
やラテックスの染色(蛍光ラテックス)にも適してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07H 19/00 C07H 19/00 21/00 21/00 C12N 15/09 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/533 G01N 33/533 C12N 15/00 A

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Iで表されるキサンテン誘導体。 【化1】 〔式中、 基R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれが水素、アルキル、
    アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シアノ、ヒド
    ロキシ、ハロゲン、イソシアナート、イソチオシアナー
    ト、またはカルボキシル、スルホニルもしくはそれぞれ
    の誘導体、例えば、アルコキシカルボニル、アリールオ
    キシカルボニル、活性エステル、酸ハロゲン化物、混合
    酸無水物、または無置換もしくは置換アミノ基、特に、
    ω-アミノアルコール、ω-アミノカルボン酸またはω-
    アミノハロゲンアルカンであり、 基R6、R7、R8、R9、R10、R11は、互いに独立して、水
    素、アルキル、置換アルキル基、またはハロゲン化物で
    あり、特に水素、炭素原子数1〜10のアルキル基、スル
    ホアルキル基(特に、スルホメチル基)、塩素またはフ
    ッ素が好ましく、 基XおよびYは求電子基を表すか、あるいはXまたはYがそ
    のような求電子基で、YまたはXがアミンまたは置換アミ
    ンを表す。〕
  2. 【請求項2】 求電子基が次の基: a)アリーリデンシアノメチンまたはヘテロアリーリデ
    ンシアノメチン、例えば、2-ベンゾチアゾリリデンシア
    ノメチンまたは2-もしくは4-キノリニリデンシアノメチ
    ン、 b)マロン酸誘導体、例えば、2-プロピルジニトリル基
    またはシアノ酢酸エステル、から誘導される、請求項1
    記載のキサンテン誘導体。
  3. 【請求項3】 XおよびYが同一の基である、請求項1ま
    たは2記載のキサンテン誘導体。
  4. 【請求項4】 XおよびYが異なる基である、請求項1ま
    たは2記載のキサンテン誘導体。
  5. 【請求項5】 XまたはYがアミン基または置換アミン基
    であり、そしてYまたはXが求電子基を表す、請求項1、
    2または4記載のキサンテン誘導体。
  6. 【請求項6】 XまたはYがアルキル置換アミンまたは環
    状アミンである、請求項5記載のキサンテン誘導体。
  7. 【請求項7】 基R1〜R11の少なくとも1つが活性化さ
    れ得る基(例えば、カルボン酸基もしくはスルホン酸
    基)または活性化された基(例えば、酸エステル、酸無
    水物、酸ハロゲン化物またはN-ヒドロキシスクシンイミ
    ドエステル)を構成する、請求項1〜6のいずれか1項
    記載のキサンテン誘導体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項記載のキサ
    ンテン誘導体および少なくとも1種の生体分子からなる
    キサンテンコンジュゲート。
  9. 【請求項9】 生物学的に活性な基がハプテン、抗原、
    抗体またはタンパク質を構成する、請求項8記載のキサ
    ンテンコンジュゲート。
  10. 【請求項10】 生体分子がモノヌクレオチドまたはポ
    リヌクレオチドである、請求項8または9記載のキサン
    テンコンジュゲート。
  11. 【請求項11】 請求項8または9記載のコンジュゲー
    トを使用する物質の測定方法であって、該物質に対する
    特異的結合反応を吸収、蛍光または蛍光偏光の変化によ
    り測定することを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 診断法のための請求項9記載のコンジ
    ュゲートの使用。
  13. 【請求項13】 核酸分析における請求項10記載のコ
    ンジュゲートの使用。
  14. 【請求項14】 エネルギー転移系における請求項9ま
    たは10記載のコンジュゲートの使用。
  15. 【請求項15】 ラテックス粒子を染色するための請求
    項1〜7のいずれか1項記載のキサンテン誘導体の使
    用。
  16. 【請求項16】 生体内色素としての請求項1〜7のい
    ずれか1項記載のキサンテン誘導体の使用。
  17. 【請求項17】 レーザー色素としての請求項1〜7の
    いずれか1項記載のキサンテン誘導体の使用。
  18. 【請求項18】 3',6'-脱離基-置換キサンテンまたは
    フルオランを(CH-酸性化合物からの)C-求核試薬と混
    合することを特徴とする、請求項1記載の式Iのキサン
    テン誘導体の製造方法。
JP2000150567A 1999-05-20 2000-05-22 新規な蛍光色素およびその蛍光マーカーとしての使用 Pending JP2001002951A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19923168.0 1999-05-20
DE19923168A DE19923168A1 (de) 1999-05-20 1999-05-20 Neue Fluoreszenzfarbstoffe und ihre Verwendung als Fluoreszenzmarker

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001002951A true JP2001002951A (ja) 2001-01-09

Family

ID=7908635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000150567A Pending JP2001002951A (ja) 1999-05-20 2000-05-22 新規な蛍光色素およびその蛍光マーカーとしての使用

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6552199B1 (ja)
EP (1) EP1054039B1 (ja)
JP (1) JP2001002951A (ja)
AT (1) ATE260322T1 (ja)
DE (2) DE19923168A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009044967A (ja) * 2007-08-14 2009-03-05 Sony Corp 二本鎖核酸の形成に係る情報を得る方法
JP2010512409A (ja) * 2006-12-11 2010-04-22 アルコン リサーチ, リミテッド 実質的に純粋なフルオレセイン

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6583168B1 (en) * 1997-11-25 2003-06-24 Applera Corporation Sulfonated diarylrhodamine dyes
US5936087A (en) 1997-11-25 1999-08-10 The Perkin-Elmer Corporation Dibenzorhodamine dyes
DE19926154A1 (de) * 1999-06-09 2000-12-14 Ktb Tumorforschungs Gmbh Verfahren zur Herstellung einer injizierbaren Arzneimittelzubereitung
WO2004101709A1 (en) * 2003-05-09 2004-11-25 Applera Corporation Phenyl xanthene dyes
WO2004101708A1 (en) * 2003-05-09 2004-11-25 Applera Corporation Fluorescent polymeric materials containing lipid soluble rhodamine dyes
US7371524B2 (en) * 2003-06-17 2008-05-13 Hannjorg Hereth Substituted azaporphyrins as fluorescence labels
US20050186606A1 (en) * 2004-02-11 2005-08-25 Schroeder Benjamin G. Methods and compositions for detecting nucleic acids
US8586743B2 (en) 2007-01-30 2013-11-19 Life Technologies Corporation Labeling reagents and methods of their use
WO2008138646A1 (en) 2007-05-16 2008-11-20 Ktb Tumorforschungsgesellschaft Mbh Low-viscous anthracycline formulation
DE102008047689A1 (de) 2008-09-18 2010-03-25 Mark Helm Reaktive Fluoreszenzfarbstoffe und Leuko-Fluoresenzfarbstoffe auf Xanthenbasis und Verfahren zur Herstellung derselben
US9416153B2 (en) 2011-10-11 2016-08-16 Enzo Life Sciences, Inc. Fluorescent dyes

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE755141A (fr) 1969-08-21 1971-02-22 Hoechst Ag Procede de teinture ou d'impression de matieres textiles a basede polymeres ou de copolymeres de l'acrylonitrile
AU636562B2 (en) 1986-12-15 1993-05-06 British Technology Group Usa, Inc. Monomeric phthalocyanine reagents
US5210015A (en) 1990-08-06 1993-05-11 Hoffman-La Roche Inc. Homogeneous assay system using the nuclease activity of a nucleic acid polymerase
DE4137934A1 (de) 1991-11-18 1993-05-19 Boehringer Mannheim Gmbh Neue pentacyklische verbindungen und ihre verwendung als absorptions- oder fluoreszenzfarbstoffe
DE19521231A1 (de) 1995-06-10 1996-12-12 Boehringer Mannheim Gmbh Neue Oxazinfarbstoffe und ihre Verwendung als Fluoreszenzmarker
US5847162A (en) 1996-06-27 1998-12-08 The Perkin Elmer Corporation 4, 7-Dichlororhodamine dyes
US6008379A (en) * 1997-10-01 1999-12-28 The Perkin-Elmer Corporation Aromatic-substituted xanthene dyes

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010512409A (ja) * 2006-12-11 2010-04-22 アルコン リサーチ, リミテッド 実質的に純粋なフルオレセイン
JP2009044967A (ja) * 2007-08-14 2009-03-05 Sony Corp 二本鎖核酸の形成に係る情報を得る方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1054039A1 (de) 2000-11-22
DE50005377D1 (de) 2004-04-01
EP1054039B1 (de) 2004-02-25
US6552199B1 (en) 2003-04-22
DE19923168A1 (de) 2000-11-23
ATE260322T1 (de) 2004-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7172907B2 (en) Cyanine dye labelling reagents with meso-substitution
JP4361138B2 (ja) 蛍光シアニン色素
EP0684239B1 (en) A method for detecting a target substance in a sample, utilizing pyrylium compound
US8541555B2 (en) Hydrazone-based and oxime-based fluorescent and chromophoric/pro-fluorescent and pro-chromophoric reagents and linkers
JP2001524969A (ja) 複合糖質蛍光標識試薬
KR20240031282A (ko) 시아닌계 화합물, 이를 포함하는 생체분자 표지용 염료, 키트 및 조영제 조성물
WO2002099424A2 (en) Acridone derivatives as labels for fluorescence detection of target materials
CA2627628A1 (en) Novel fluorescent dyes and uses thereof
EP1110088B1 (en) Energy transfer dyes
JP2001002951A (ja) 新規な蛍光色素およびその蛍光マーカーとしての使用
US6828159B1 (en) Carbopyronine fluorescent dyes
EP1106621A2 (en) Fluorescent substances
US20030088109A1 (en) Fluorescent dye
US20030175988A1 (en) Method and compounds for the fluorescent labelling of biomolecules and polymer particles
EP2150858A1 (en) Novel hydrazone-based and oxime-based fluorescent and chromophoric/pro-fluorescent and pro-chromophoric reagents and linkers
US20200255668A1 (en) Labeling dye and kit including same
WO2000056933A1 (en) Chemically reactive plane-rigidized cyanine dyes and their derivatives
JPWO2006054426A1 (ja) 高蛍光量子収率型疎水性蛍光プローブ、それを用いる生体高分子検出法ならびに生体高分子間相互作用検出法
US6967250B1 (en) Energy transfer dyes
CN115703771A (zh) 一种荧光染料及其制备方法和用途
JP3796271B2 (ja) 試料中の標的物質の検出方法
JP2001163900A (ja) 蛍光アビジン
AU2002257963A1 (en) Acridone derivatives as labels for fluorescence detection of target materials