本発明の詳細な説明
チロシンキナーゼ受容体(RTK)は、シグナルを細胞外環境から細胞質中へ中継する膜貫通分子である。RTKのEphファミリーは、RTKの最大のサブファミリーである。本グループは、細胞外ドメインにおける1つのシステインリッチ領域と2つのIII型フィブロネクチン反復で識別される。Eph受容体は、第2のファミリーの細胞表面固着タンパク質、エフリンにより活性化される。Ephチロシンキナーゼとエフリンリガンドの両方のメンバーは受容体-リガンド相互作用後のシグナル伝達を媒介する(Brucknerら, 1997, Science 275:1640; Hollandら, 1996, Nature 383:722)。この二方向シグナル伝達は、細胞接着、細胞遊走および組織境界形成などの細胞相互作用を含むプロセスに影響を与えることが知られている(Boydら, 2001 Sci STKE RE20; Schmucherら, 2001, Cell 105:701-4; Kullanderら, 2002 Nat. Rev.Mol. Cell Biol. 3:475)。さらに最近、Eph受容体は癌の発生および進行に関係づけられている。
細胞表面分子として、Eph受容体は抗体が関与する療法に容易に利用しうる標的分子である。EphA2を過剰発現する腫瘍細胞において、例えば、表面受容体の存在の増加は不安定な細胞-細胞接触の原因となり、これが細胞周期調節を破壊しそして腫瘍細胞成長、増殖および侵襲性をもたらす。Eph受容体ファミリーの色々なメンバー(例えばEphA2)に対する裸の抗体は受容体のリン酸化、内在化、および分解を介してアゴニスト活性を示した(例えば、それぞれ本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許第6,927,203号、米国特許仮出願第60/717,209号、米国特許出願公開第US2006/0121042-A1号、米国特許出願第09/952,560号、第10/994,129号、第10/436,782号、第10/863,729号、および第11/203,251号を参照されたい)。一実施形態において、本発明のADCは少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合する抗体の変異体である。本発明のADCが特異的に結合するEph受容体には、限定されるものでないが、EphA1、EphA2、EphA3a、EphA3b、EphA4、EphA5a、EphA5b、EphA6、EphA7、EphA8、EphB1、EphB2a、EphB2b、EphB3、EphB4およびEphB6が含まれる。
当業者は、本発明のEph受容体が公知のEph受容体(例えば、前掲を参照)と実質的な程度の相同性を示す分子であるので、そのアミノ酸配列に基づいてEph受容体ファミリー分子として分類されているかまたはされうることを理解するであろう。公知のヒトEph受容体の対合比較を、MegaAlignプログラム(DNASTAR)を用いてClustal Wアルゴリズムにより実施した(Thompsonら, 1994 Nucleic Acids Res 22:4673-80)。その結果(図18)は、Eph受容体ファミリーメンバーのなかで各タンパク質が高度の類似性を共有する複数領域が存在することを示す。具体的に、当業者はEph受容体の領域に対する抗体を作製し、前記抗体のファミリーメンバー間の交差反応性、または前記抗体が特異的に1つのファミリーメンバーとだけ高親和性で結合するもっと制限された特異性を可能にしうると考えられる。タンパク質特異的であるかまたは1以上のEph受容体と結合しうる抗体を作製するのに利用する潜在的免疫原性ペプチドを同定するために、各タンパク質の抗原性指数を、Proteanプログラム(DNASTAR)を用いてJameson-Wolfアルゴリズムにより試験することができる。Eph受容体の全メンバーの中で最高の抗原性指数をもつ領域を同定することができ、そして1以上のファミリーメンバーのなかで高度に保存されたこれらの領域は2以上のファミリーメンバーを認識する抗体を産生するための優れた候補でありうる。一方、保存が劣る領域の利用は恐らく1つのEph受容体ファミリーメンバーに特異的な抗体を作製しうる。
一実施形態において、本発明のADCは腫瘍細胞上に存在するEph受容体と優先的と結合しかつ非腫瘍細胞上に存在するEph受容体と結合しない。他の実施形態において、本発明のADCは、限定されるものでないが、脳、肺、膵臓、肝臓、前立腺、心臓、卵巣、皮膚、腎臓、腸および胃を含む正常組織を染色しない。抗体結合と特異的染色パターンは、限定されるものでないが、免疫組織化学および蛍光励起細胞分取法(FACS)を含む当技術分野で周知の免疫学的標識方法により容易に確認することができる。具体的な方法とプロトコルは、なかでも、PolakおよびVan Noorden (1997) Introduction to Immunocytochemistry, second edition(Springer Verlag, N.Y.)およびHaugland (2004) Handbook of Fluorescenct Probes and Research Chemicals,ninth edition(Molecular Probes, Inc., Eugene, Oreg出版のハンドブック・カタログ併用版)に記載されている。
他の実施形態において、本発明のADCはEphA2および/またはEphA4と特異的に結合する抗体の変異体、それらの誘導体、類似体およびそれらのエピトープ結合断片、例えば、限定されるものでないが、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる、本明細書およびPCT公報WO 04/014292、WO 03/094859および米国特許出願第10/863,729号に開示されたもの、ならびに、表2〜4もしくは6、または図1〜59に掲げられた抗体のいずれかである。特定の実施形態において、本発明のADCはEphA2および/またはEphA4と特異的に結合する抗体であって、12G3H11および/または3F2および/または12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、および/または表2〜4もしくは6、または図1〜59に掲げられた抗体のいずれかからの可変域の全てもしくは一部分(例えば1以上のCDR)を含むものである、前記抗体である。
本発明はさらに、少なくとも1つのEph受容体に対して高い結合親和性を有する本発明のADCの使用を包含する。特定の実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合する本発明のADCの会合速度定数またはkon速度((Ab)+抗原(Ag)k on←Ab-Ag)は、少なくとも105M-1s-1、少なくとも5×105M-1s-1、少なくとも106M-1s-1、少なくとも5×106M-1s-1、少なくとも107M-1s-1、少なくとも5×107M-1s-1、または少なくとも108M-1s-1である。さらなる特定の実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合する本発明のADCの会合速度定数またはkon速度((Ab)+抗原(Ag)k on←Ab-Ag)は、少なくとも約105M-1s-1、少なくとも約5×105M-s-1、少なくとも約106M-1s-1、少なくとも約5×106M-1s-1、少なくとも約107M-1s-1、少なくとも約5×107M-1s-1、または少なくとも約108M-1s-1である。他の実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合するADCのkonは、少なくとも2×105M-1s-1、少なくとも5×105M-1s-1、少なくとも106M-1s-1、少なくとも5×106M-1s-1、少なくとも107M-1s-1、少なくとも5×107M-1s-1、または少なくとも108M-1s-1である。さらなる実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合するADCのkonは、少なくとも約2×105M-1s-1、少なくとも約5×105M-1s-1、少なくとも約106M-1s-1、少なくとも約5×106M-1s-1、少なくとも約107M-1s-1、少なくとも約5×107M-1s-1、または少なくとも約108M-1s-1である。
他の実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合する本発明のADCのkoff速度((Ab)+抗原(Ag)k off←Ab-Ag)は10-1s-1未満、5×10-1s-1未満、10-2s-1未満、5×10-2s-1未満、10-3s-1未満、5×10-3s-1未満、10-4s-1未満、5×10-4s-1未満、10-5s-1未満、5×10-5s-1未満、10-6s-1未満、5×10-6s-1未満、10-7s-1未満、5×10-7s-1未満、10-8s-1未満、5×10-8s-1未満、10-9s-1未満、5×10-9s-1未満、または10-10s-1未満である。さらに他の実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合する本発明のADCのkoff速度((Ab)+抗原(Ag)k off←Ab-Ag)は約10-1s-1未満、約5×10-1s-1未満、約10-2s-1未満、約5×10-2s-1未満、約10-3s-1未満、約5×10-3s-1未満、約10-4s-1未満、約5×10-4s-1未満、約10-5s-1未満、約5×10-5s-1未満、約10-6s-1未満、約5×10-6s-1未満、約10-7s-1未満、約5×10-7s-1未満、約10-8s-1未満、約5×10-8s-1未満、約10-9s-1未満、約5×10-9s-1未満、または約10-10s-1未満である。さらなる実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合するADCのkoff速度は5×10-4s-1未満、10-5s-1未満、5×10-5s-1未満、10-6s-1未満、5×10-6s-1未満、10-7s-1未満、5×10-7s-1未満、10-8s-1未満、5×10-8s-1未満、10-9s-1未満、5×10-9s-1未満、または10-10s-1未満である。他の実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合するADCのkoff速度は約5×10-4s-1未満、約10-5s-1未満、約5×10-5s-1未満、約10-6s-1未満、約5×10-6s-1未満、約10-7s-1未満、約5×10-7s-1未満、約10-8s-1未満、約5×10-8s-1未満、約10-9s-1未満、約5×10-9s-1未満、または約10-10s-1未満である。
他の実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合する本発明のADCの親和性定数またはKa(kon/koff)は少なくとも102M-1、少なくとも5×102M-1、少なくとも103M-1、少なくとも5×103M-1、少なくとも104M-1、少なくとも5×104M-1、少なくとも105M-1、少なくとも5×105M-1、少なくとも106M-1、少なくとも5×106M-1、少なくとも107M-1、少なくとも5×107M-1、少なくとも108M-1、少なくとも5×108M-1、少なくとも109M-1、少なくとも5×109M-1、少なくとも1010M-1、少なくとも5×101M-1、少なくとも1011M-1、少なくとも5×1011M-1、少なくとも1012M-1、少なくとも5×1012M、少なくとも1013M-1、少なくとも5×1013M-1、少なくとも1014M-1、少なくとも5×1014M-1、少なくとも1015M-1、または少なくとも5×1015M-1である。さらなる実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合する本発明のADCの親和性定数またはKa(kon/koff)は少なくとも約102M-1、少なくとも約5×102M-1、少なくとも約103M-1、少なくとも約5×103M-1、少なくとも約104M-1、少なくとも約5×104M-1、少なくとも約105M-1、少なくとも約5×105M-1、少なくとも約106M-1、少なくとも約5×106M-1、少なくとも約107M-1、少なくとも約5×107M-1、少なくとも約108M-1、少なくとも約5×108M-1、少なくとも約109M-1、少なくとも約5×109M-1、少なくとも約1010M-1、少なくとも約5×101M-1、少なくとも約1011M-1、少なくとも約5×1011M-1、少なくとも約1012M-1、少なくとも約5×1012M、少なくとも約1013M-1、少なくとも約5×1013M-1、少なくとも約1014M-1、少なくとも約5×1014M-1、少なくとも約1015M-1、または少なくとも約5×1015M-1である。
さらに他の実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合するADCの解離定数またはKd(koff/kon)は10-2M未満、5×10-2M未満、10-3M未満、5×10-3M未満、10-4M未満、5×10-4M未満、10-5M未満、5×10-5M未満、10-6M未満、5×10-6M未満、10-7M未満、5×10-7M未満、10-8M未満、5×10-8M未満、10-9M未満、5×10-9M未満、10-10M未満、5×10-10M未満、10-11M未満、5×10-11M未満、10-12M未満、5×10-12M未満、10-13M未満、5×10-13M未満、10-14M未満、5×10-14M未満、10-15M未満、または5×10-15M未満である。さらなる実施形態において、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合するADCの解離定数またはKd(koff/kon)は10-2M未満、約5×10-2M未満、約10-3M未満、約5×10-3M未満、約10-4M未満、約5×10-4M未満、約10-5M未満、約5×10-5M未満、約10-6M未満、約5×10-6M未満、約10-7M未満、約5×10-7M未満、約10-8M未満、約5×10-8M未満、約10-9M未満、約5×10-9M未満、約10-10M未満、約5×10-10M未満、約10-11M未満、約5×10-11M未満、約10-12M未満、約5×10-12M未満、約10-13M未満、約5×10-13M未満、約10-14M未満、約5×10-14M未満、約10-15M未満、または約5×10-15M未満である。
以上考察したように本発明は、ADCの抗体部分が少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合する可変域を含むADCを包含する。本発明はさらに、少なくとも1つのEph受容体と特異的に結合するADCであって、比較しうる分子と比較してADCCおよび/またはCDC活性が変化しかつ1以上のFcリガンド(例えば、FcgRs、C1q)に対する結合親和性が改変された前記ADCを包含する。例えば、米国特許出願公開第2006/0039904 A1号を参照されたい。本発明は具体的に、抗Eph受容体抗体またはそれらの断片由来のADCを包含し、それには、限定されるものでないが、Eph099B-102.147(ATCC受託番号PTA-4572)、Eph099B-208.261(ATCC受託番号PTA-4573)、Eph099B-210.248(ATCC受託番号PTA-4574)、Eph099B-233.152(ATCC受託番号PTA-5194)、(本明細書に参照によりその全てが組み入れられるPCT公報WO03/094859);EA2(ATCC受託番号PTA-4380)、EA3、EA4、EA5(ATCC受託番号PTA-4381)、(本明細書に参照によりその全てが組み入れられるPCT公報No.WO04/014292);LX-13およびscFv EA44(ATCC受託番号PTA-6044)、(本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許出願第10/863,729号)、G2、および12G3H11ならびにそれらの類似体、誘導体、または断片が含まれる。具体的に本発明のADCは、12G3H11からの可変域の全てまたは一部分(例えば、1以上のCDR)(表2を参照)および/または表2〜4もしくは6、または図1〜59に掲げたいずれかの抗体を含みうることを意図する。
一実施形態において、ADCは12G3H11、EphA2と結合するヒト化アゴニスト性モノクローナル抗体のADCである。重鎖可変域および軽鎖可変域に対するアミノ酸配列は本明細書においてそれぞれ配列番号165および配列番号166として与えられる(図1および2を参照)。他の実施形態において、本発明のADCは12G3H11と同じエピトープと結合するかまたはEphA2との結合に対して12G3H11と競合する。代わりの実施形態において、Eph受容体と特異的に結合する本発明のADCは12G3H11のADCでない。
一実施形態において、ADCは3F2、EphA2と結合するヒト化アゴニスト性モノクローナル抗体である(本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許出願第11/203,251号を参照)。重鎖可変域および軽鎖可変域に対するアミノ酸配列は本明細書にそれぞれ配列番号63および配列番号64として与えられる(図3)。他の実施形態において、本発明のADCは3F2と同じエピトープと結合するかまたはEphA2との結合に対して3F2と競合する。代わりの実施形態において、Eph受容体と免疫特異的に結合する本発明のADCは3F2のADCでない。
他の実施形態において、ADCはG5、EphA2と結合するヒト化アゴニスト性モノクローナル抗体のADCである。G5の重鎖および軽鎖の可変域のアミノ酸配列は本明細書にそれぞれ配列番号103および配列番号104として与えられる(図1および2)。
他の実施形態において、ADCは抗EphA2抗体12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のADCである。これらの抗体の重鎖および軽鎖の可変域のアミノ酸配列を図1〜14(配列番号165および166、87および88、95および96、103および104、140および142、137および138、63および64、3および4、13および14、23および24、33および34、43および44、および53および54)に示す。
一実施形態において、本発明のADCは他のEph受容体よりも優先的にEphA2と結合する。他の実施形態において、本発明のADCは他のEph受容体よりも優先的にEphA4と結合する。さらに他の実施形態において、本発明のADCは1以上のEph受容体複合体(例えば、Eph受容体-エフリンリガンド複合体)と免疫反応する。さらに他の実施形態において、本発明のADCは特異的に2以上のEph受容体と結合する。2以上のEph受容体と特異的に結合するADCが結合するEph受容体の組合わせは次式、EphA(x)+EphB(y);EphA(x)+EphA(x);EphB(y)+EphB(y)[式中、(x)は1、2、3、3a、3b、4、5、5a、5b、6、7または8でありかつ(y)は1、2、2a、2b、3、4、5または6である]により表される。特定の実施形態において、2以上のEph受容体と特異的に免疫反応するADCは、例えば、EphA2+EphA4、またはEphA2+EphA3、またはEphA2+EphB4、またはEphA4+EphA3、またはEphA4+EphB4と結合する。2以上のEph受容体と特異的に結合するADCは二特異的抗体であることを特定して意図する。さらに、2以上のEph受容体と特異的に結合するADCは2以上のEph受容体間の共通のエピトープと結合する抗体であることを意図する。さらに、2以上のEph受容体と特異的に結合するADCは1以上のEph受容体と交差反応する抗体であることを意図する。さらに、本発明のADCは2以上のEph受容体(例えば、EphA2およびEphA4)に対して同じ免疫反応性を有しうるか、またはあるいは、該ADCは1つのEph受容体と他の1つのEph受容体とより強く免疫反応しうる。
本発明はEphA2と特異的に結合するADCであって、前記抗体が12G3H11、Eph099B-102.147、Eph099B-208.261(B208)、Eph099B-210.248(B210)、Eph099B-233.152(B233)、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVHドメインのアミノ酸配列を有する可変重鎖(VH)ドメインを含むものである、前記ADCを包含する。本発明はまた、EphA2と特異的に結合するADCであって、前記抗体が12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVLドメインのアミノ酸配列を有する可変軽鎖(VL)ドメインを含むものである、前記ADCを包含する。本発明はさらに、EphA2と特異的に結合するADCであって、前記抗体が本明細書に開示したVHドメインを、本明細書に開示したVLドメイン、または他のVLドメインと組合わせて含むものである、前記ADCを包含する。本発明はさらに、EphA2と特異的に結合するADCであって、前記ADCが本明細書に開示したVLドメインを、本明細書に開示したVHドメイン、または他のVHドメインと組合わせて含むものである、前記ADCを包含する。
本発明はEphA4と特異的に結合するADCであって、前記抗体がLX-13またはscFv EA44のVHドメインのアミノ酸配列を有する可変重鎖(VH)ドメインを含むものである、前記ADCを包含する。本発明はまた、EphA4と特異的に結合するADCであって、前記抗体がLX-13またはscFv EA44のVLドメインのアミノ酸配列を有する可変軽鎖(VL)ドメインを含むものである、前記ADCを包含する。本発明はさらに、EphA4と特異的に結合するADCであって、前記抗体が本明細書に開示したVHドメインを、本明細書に開示したVLドメイン、または他のVLドメインと組合わせて含むものである、前記ADCを包含する。本発明はさらに、EphA4と特異的に結合するADCであって、前記ADCが本明細書に開示したVLドメインを、本明細書に開示したVHドメイン、または他のVHドメインと組合わせて含むものである、前記ADCを包含する。
本発明はEph受容体と特異的に結合するADCであって、前記抗体が表2または3(下記)に掲げたVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する前記ADCを包含する。本発明はまた、Eph受容体と特異的に結合するADCであって、前記抗体が表2または3(下記)に掲げたVL CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する前記ADCを包含する。本発明はまた、Eph受容体と特異的に結合するADCであって、前記ADCが表2または3に掲げた1以上のVH CDRおよび1以上のVL CDRを含むものである、前記ADCを包含する。本発明はさらに、Eph受容体と特異的に結合するADCであって、前記ADCが表2または3に掲げたVH CDRおよびVL CDRのいくつかまたは全ての任意の組合わせを含むものである、前記ADCを包含する。
本発明はまた、12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13もしくはscFv EA44またはそれらの抗原結合断片と、Eph受容体との結合に対して競合するADCを包含する。かかる抗体を同定するために用いることができる競合アッセイは当業者に周知である。特別な実施形態において、本発明の抗体1μg/mlは、ORIGENタグ標識した12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44のビオチン標識Eph受容体との結合を、周知のORIGEN分析により測定して、75%、80%、85%または90%阻止する。
本発明はまた、当業者に公知のフレームワーク領域を含むADCも提供する。一実施形態において、本発明の抗体またはその断片はヒトであるかまたはヒト化されている。
本発明は、いずれか他の置換または変化(例えば、Fc置換)に加えてフレームワークまたは可変域に突然変異(例えば、1以上のアミノ酸置換)をもつ12G3H11、3F2、Eph099B-102.147、Eph099B-208.261、Eph099B-210.248、Eph099B-233.152、EA2、EA3、EA4、EA5、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8LX-13またはscFv EA44のアミノ酸配列を含むADCを包含する。一実施形態において、これらの抗体における突然変異は、特異的に結合するEph受容体に対する抗体の結合活性および/または親和性を維持または増強する。当業者に公知の標準技法(例えば、イムノアッセイ)を用いて抗体の特別な抗原に対する親和性をアッセイすることができる。
本発明は、Eph受容体と特異的に結合するADCの抗体部分をコードする、通常は単離された、核酸分子の使用を包含する。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEph受容体と特異的に結合するADCをコードし、前記ADCは1以上のFc置換を含有する12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44のアミノ酸配列を有する。他の実施形態において、単離された核酸分子はEph受容体と特異的に結合するADCをコードし、前記ADCは12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。他の実施形態において、単離された核酸分子はEph受容体と特異的に結合するADCをコードし、前記抗体は12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44のアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。
本発明は、Eph受容体と特異的に結合するADCをコードする単離された核酸分子の使用であって、前記ADCが表2または3に掲げたVH CDRのいずれかのおよび/または表4または6に掲げた抗体のいずれかの重鎖由来のアミノ酸配列を有する1つのVH CDRを含むものである、前記使用を包含する。特に、本発明はEph受容体と特異的に結合するADCをコードする単離された核酸分子の使用であって、前記抗体が表2または3に掲げたVH CDRのいずれかのおよび/または表4または6に掲げた抗体のいずれかの重鎖由来のアミノ酸配列を有する1つ、2つまたはそれ以上のVH CDRを含むものである、前記使用を包含する。
本発明は、Eph受容体と特異的に結合するADCをコードする単離された核酸分子の使用であって、前記ADCが表2または3に掲げたVL CDRのいずれかのおよび/または表4または6に掲げた抗体のいずれかの軽鎖由来のアミノ酸配列を有する1つのVL CDRを含むものである、前記使用を包含する。特に、本発明はEph受容体と特異的に結合するADCをコードする単離された核酸分子の使用であって、前記抗体が表2または3に掲げたVL CDRのいずれかのおよび/または表4または6に掲げた抗体のいずれかの軽鎖由来のアミノ酸配列を有する1つ、2つまたはそれ以上のVL CDRを含むものである、前記使用を包含する。
本発明はEph受容体と特異的に結合するADCの使用であって、前記ADCが本明細書に記載の、Eph受容体と特異的に結合するVHドメイン、VH CDR、VLドメイン、またはVL CDRの誘導体を含むものである、前記使用を包含する。当業者に公知の標準技法を用いて、本発明の抗体をコードするヌクレオチド配列中に突然変異(例えば、付加、欠失、および/または置換)を導入することができ、それには例えば、部位-部位特異的突然変異誘発が含まれ、そしてPCRが介在する突然変異を用いて日常的にアミノ酸置換が作製される。一実施形態において、VHおよび/またはVL CDR誘導体は、元来のVHおよび/またはVL CDRと比較して、25アミノ酸未満の置換、20アミノ酸未満の置換、15アミノ酸未満の置換、10アミノ酸未満の置換、5アミノ酸未満の置換、4アミノ酸未満の置換、3アミノ酸未満の置換、または2アミノ酸未満の置換を含む。他の実施形態において、VHおよび/またはVL CDR誘導体は、保存的アミノ酸置換(例えば前記)を1以上の予想される非本質的アミノ酸残基(すなわち、抗体にとってEph受容体と特異的に結合するために致命的でないアミノ酸残基)において行う。あるいは、突然変異を無作為にVHおよび/またはVLCDRコード配列の全てまたは一部に沿って飽和突然変異誘発などによって導入し、得られる突然変異体を生物学的活性についてスクリーニングして活性を保持する突然変異体を同定してもよい。突然変異の後に、コードした抗体を発現させて抗体の活性を決定することができる。
本発明は、可変軽鎖(VL)ドメインおよび/または可変重鎖(VH)ドメインに1以上のさらなるアミノ酸残基置換をもつ12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFvEA44のADCを包含する。本発明はまた、1以上のVL CDRおよび/または1以上のVH CDRに、1以上のさらなるアミノ酸残基置換をもつ12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44のADCを包含する。12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44のADCのVH ドメイン、VH CDR、VLドメインおよび/またはVL CDRに置換を導入することにより作製した抗体は、例えば、Eph受容体と結合する能力について(例えば、限定されるものでないが、ELISAおよびBIAcoreを含むイムノアッセイにより)、または癌またはその1以上の症候群を介在、予防、治療、管理する能力についてin vitroおよびin vivoで試験することができる。
本発明はまた、少なくとも1つのEph受容体またはその断片と特異的に結合するADCの使用であって、前記ADCが12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44の可変重鎖および/または軽鎖のアミノ酸配列と少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である可変重鎖および/または可変軽鎖のアミノ酸配列を含むものである、前記使用を包含する。本発明はまた、少なくとも1つのEph受容体またはその断片と特異的に結合するADCの使用であって、前記ADCが12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44の可変重鎖および/または軽鎖のアミノ酸配列と少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%同一である可変重鎖および/または可変軽鎖のアミノ酸配列を含むものである、前記使用を包含する。本発明はさらに、少なくとも1つのEph受容体またはその断片と特異的に結合するADCの使用であって、前記抗体または抗体断片が12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44の1以上のCDRと少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である1以上のCDRのアミノ酸配列を含むものである、前記使用を包含する。本発明はさらに、少なくとも1つのEph受容体またはその断片と特異的に結合するADCの使用であって、前記抗体または抗体断片が12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44の1以上のCDRと少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%同一である1以上のCDRのアミノ酸配列を含むものである、前記使用を包含する。2つのアミノ酸配列の%同一性の決定は、BLASTタンパク質サーチを含む、当業者に公知のいずれかの方法により決定することができる。
本発明はまた、少なくとも1つのEph受容体またはその断片と特異的に結合するADCの使用であって、前記ADCが12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13またはscFv EA44のヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされる前記使用を包含する。他の実施形態において、本発明はEph受容体またはその断片と特異的に結合するADCであって、前記ADCが、12G3H11、Eph099B-102.147、B208、B210、B233、EA2、EA3、EA4、EA5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、5A8LX-13 またはscFv EA44の1以上のCDRのヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされる1以上のCDRを含むものである、前記ADCを包含する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件としては、限定されるものでないが、6X塩化ナトリウム/ナトリウムクエン酸(SSC)中のフィルターに結合したDNAとの約45℃におけるハイブリダイゼーションと次いで約50-65℃における0.2 X SSC/0.1%SDS中の1回以上の洗浄、高度にストリンジェントな条件、例えば6 X SSC中のフィルターに結合したDNAとの約45℃におけるハイブリダイゼーションと次いで約60℃における0.1 X SSC/0.2%SDS中の1回以上の洗浄、または当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件が挙げられる(例えば、Ausubel, F.M.ら, eds. 1989 Current Protocols in Molecular Biology, vol. 1, Green Publishing Associates, Inc. and John Wiley and Sons, Inc., NY at pp.6.3.1-6.3.6 and 2.10.3を参照)。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体薬物コンジュゲートを提供する。本発明はさらに、ヒトEphA2ポリペプチド、マウスEphA2ポリペプチドおよびラットEphA2ポリペプチドと結合する抗体を提供する。ある特定の実施形態において、単一抗体クローンはEphA2ポリペプチドのヒト、マウスおよびラット型と結合してもよい。他の実施形態において、単一抗体クローンはヒトEphA2だけと結合するか、またはマウスEphA2だけと結合するか、またはラットEphA2だけと結合する。さらに他の実施形態において、単一クローンはヒトおよびマウスEphA2と結合するか、またはヒトおよびラットEphA2と結合するか、またはラットおよびマウスEphA2と結合する。
特に、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する次の抗体またはADCを提供する:12G3H11またはその抗原結合断片、Eph099B-102.147またはその抗原結合断片、B208またはその抗原結合断片、B210またはその抗原結合断片、B233またはその抗原結合断片、EA2またはその抗原結合断片、EA3またはその抗原結合断片、EA4またはその抗原結合断片、EA5またはその抗原結合断片、10C12またはその抗原結合断片、4H5またはその抗原結合断片、10G9またはその抗原結合断片、3F2またはその抗原結合断片、5A8LX-13またはその抗原結合断片、scFv EA44またはその抗原結合断片、1C1またはその抗原結合断片、1F12またはその抗原結合断片、1H3またはその抗原結合断片、1D3またはその抗原結合断片、2B12またはその抗原結合断片、および5A8またはその抗原結合断片。一実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は1C1またはその抗原結合断片(例えば、1C1の1以上のCDR)である。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は1F12またはその抗原結合断片(例えば、1F12の1以上のCDR)である。さらなる実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は1H3またはその抗原結合断片(例えば、1H3の1以上のCDR)である。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は1D3またはその抗原結合断片(例えば、1D3の1以上のCDR)である。さらに他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は2B12またはその抗原結合断片(例えば、2B12の1以上のCDR)である。さらなる実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は5A8またはその抗原結合断片(例えば、5A8の1以上のCDR)である。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体またはADCであって、前記抗体が12G3H11(図1,2;配列番号:165)、B233(図1、2;配列番号:87)、B208(図1、2;配列番号:95)、B210(図1、2)、G5(図1、2;配列番号:103)、10C12(図6;配列番号:140)、4H5(図4;配列番号:138)、10G9(図4)、3F2(図3;配列番号:63)、1C1(図7Aおよび8;配列番号:3)、1F12(図7Aおよび9;配列番号:13)、1H3(図7Aおよび10;配列番号:23)、1D3(図7Aおよび11;配列番号:33)、2B12(図7Aおよび12;配列番号:43)、または5A8(図7Aおよび13;配列番号:53)のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含むものである、前記抗体またはADCを提供する。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が表2または3(下記)に掲げたVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有するVH CDRを含むものである、前記抗体を提供する。特に、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の表2または3(下記)に掲げたVH CDRのいずれかのアミノ酸配列を有するVH CDRを含む(またはあるいは、からなる)前記抗体を提供する。
一実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:5、15、25、35、45、55、または65のアミノ酸配列を有するVH CDR1を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:6、16、26、36、46、56、または66のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:7、17、27、37、47、57、または67のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。
他の実施形態においては、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:5、15、25、35、45、55、または65のアミノ酸配列を有するVH CDR1、および:6、16、26、36、46、56、または66のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む。他の実施形態においては、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:5、15、25、35、45、55、または65のアミノ酸配列を有するVH CDR1、および配列番号:7、17、27、37、47、57、または67のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。他の実施形態においては、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:6、16、26、36、46、56、または66のアミノ酸配列を有するVH CDR2、および配列番号:7、17、27、37、47、57、または67のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。他の実施形態においては、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:5、15、25、35、45、55、または65のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号:6、16、26、36、46、56、または66のアミノ酸配列を有するVH CDR2、および配列番号:7、17、27、37、47、57、または67のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が12G3H11(図1、2;配列番号:166)、B233(図1、2;配列番号:88)、B208(図1、2;配列番号:96)、B210(図1、2)、G5(図3;配列番号:104)、10C12(図6;配列番号:142)、4H5(図4;配列番号:137)、10G9(図4)、3F2(図3;配列番号:64)、1C1(図7Bおよび8;配列番号:4)、1F12(図7B;配列番号:14)、1H3(図7Bおよび10;配列番号:24)、1D3(図7Bおよび11;配列番号:34)、2B12(図7Bおよび12;配列番号:44)、または5A8(図7Bおよび13;配列番号:54)に対するVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含むものである、前記抗体を提供する。
本発明はまた、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が表2または3(下記)に掲げたVL CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有するVL CDRを含むものである、前記抗体を提供する。特に、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が表2または3(下記)に掲げたVL CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1つ、2つ、3つまたはそれ以上のVL CDRを含む(またはあるいは、からなる、または本質的にからなる)前記抗体を提供する。一実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:8、18、28、38、48、58、または68のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:9、19、29、39、49、59、または69のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:10、20、30、40、50、60、または70のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:8、18、28、38、48、58、または68のアミノ酸配列を有するVL CDR1および配列番号:9、19、29、39、49、59、または69のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:8、18、28、38、48、58、または68のアミノ酸配列を有するVL CDR1および配列番号:10、20、30、40、50、60、または70のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:9、19、29、39、49、59、または69のアミノ酸配列を有するVL CDR2および配列番号:10、20、30、40、50、60、または70のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:8、18、28、38、48、58、または68のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号:9、19、29、39、49、59、または69のアミノ酸配列を有するVL CDR2、および配列番号:10、20、30、40、50、60、または70のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含み、それらは抗体の一部である。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が本明細書に開示したVHドメインを本明細書に開示したVLドメイン、または他の公知のVLドメインと組み合わせて含むものである、前記抗体を提供する。本発明はまた、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が本明細書に開示したVLドメインを本明細書に開示したVHドメイン、または他の公知のVHドメインと組み合わせて含むものである、前記抗体を提供する。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が表2または3(前記)に掲げた1以上のVH CDRおよび1以上のVL CDRを含むものである、前記抗体を提供する。特に、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体がVH CDR1およびVL CDR1;VH CDR1およびVL CDR2;VH CDR1およびVL CDR3;VH CDR2およびVL CDR1; VH CDR2およびVL CDR2;VH CDR2およびVL CDR3;VH CDR3およびVL CDR1;VH CDR3およびVL CDR2;VH CDR3およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2およびVL CDR1;VH CDR1、VH CDR2およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR1;VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR2;VH CDR2、VH CDR2およびVL CDR3;VH CDR1、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR1;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR2およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;またはそれらのおよび表2または3(前記)に掲げたVH CDRおよびVL CDRのいずれかの組合わせを含む(またはあるいは、からなる、または本質的にからなる)前記抗体を提供する。
一実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:5、15、25、35、45、55、または65のアミノ酸配列を有するVH CDR1および配列番号:8、18、28、38、48、58、または68のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:5、15、25、35、45、55、または65のアミノ酸配列を有するVH CDR1および配列番号:9、19、29、39、49、59、または69のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:5、15、25、35、45、55、または65のアミノ酸配列を有するVH CDR1および配列番号:10、20、30、40、50、60、または70のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
一実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:6、16、26、36、46、56、または66のアミノ酸配列を有するVH CDR2および配列番号:8、18、28、38、48、58、または68のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。
他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:6、16、26、36、46、56、または66のアミノ酸配列を有するVH CDR2および配列番号:9、19、29、39、49、59、または69のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。
他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:6、16、26、36、46、56、または66のアミノ酸配列を有するVH CDR2および配列番号:10、20、30、40、50、60、または70のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
一実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:7、17、27、37、47、57、または67のアミノ酸配列を有するVH CDR3および配列番号:8、18、28、38、48、58、または68のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号:7、17、27、37、47、57、または67のアミノ酸配列を有するVH CDR3および配列番号:9、19、29、39、49、59、または69のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は配列番号: 7、17、27、37、47、57、または67のアミノ酸配列を有するVH CDR3および配列番号: 10、20、30、40、50、60、または70のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8またはその抗原結合断片のヌクレオチド配列を含む核酸配列によりコードされる前記抗体を提供する。特定の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVHドメインのヌクレオチド配列を有する核酸配列によりコードされるVHドメインを含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVLドメインのヌクレオチド配列を有する核酸配列によりコードされるVLドメインを含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVHドメインおよびVLドメインのヌクレオチド配列を有する核酸配列によりコードされるVHドメインおよびVLドメインを含む。
他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDRのヌクレオチド配列を有する核酸配列によりコードされるVH CDRを含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDRのヌクレオチド配列を有する核酸配列によりコードされるVL CDRを含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDRおよびVL CDRのヌクレオチド配列を有する核酸配列によりコードされるVH CDRおよびVL CDRを含む。
本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する本発明の抗体をコードする、通常は単離された、核酸分子を提供する。特に、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、前記抗体が12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、もしくは5A8、またはその抗原結合断片のアミノ酸配列を有する前記核酸分子を提供する。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1C1のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1F12のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1H3のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1D3のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は2B12のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は5A8のアミノ酸配列を有する。
本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、前記抗体が12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む(あるいは、からなる、または本質的にからなる)前記核酸分子を提供する。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1C1のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1F12のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1H3のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1D3のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は2B12のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は5A8のVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含む。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、前記抗体が表2または3(前記)に掲げたVH CDRのいずれかのアミノ酸配列を有するVH CDRを含む(あるいは、からなる、または本質的にからなる)前記核酸分子を提供する。特に、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、前記抗体が表2または3(前記)に掲げたVH CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上のVH CDRを含むものである、前記核酸分子を提供する。一実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は表2または3(前記)に掲げたVH CDR1のアミノ酸配列を有するVH CDR1を含む。他の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は表2または3(前記)に掲げたVH CDR2のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む。他の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は表2または3(前記)に掲げたVH CDR3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、前記抗体が12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL ドメインのアミノ酸配列を有するVL ドメインを含む(あるいは、からなる、または本質的にからなる)前記核酸分子を提供する。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1C1のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1F12のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1H3のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は1D3のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は2B12のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。特定の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は5A8のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含む。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、前記抗体が表2または3(前記)に掲げたVL CDRのいずれかのアミノ酸配列を有するVL CDRを含む(あるいは、からなる、または本質的にからなる)前記核酸分子を提供する。特に、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、前記抗体が表2または3(前記)に掲げたVL CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1つ、2つ、3つまたはそれ以上のVL CDRを含むものである、前記核酸分子を提供する。一実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は表2または3(前記)に掲げたVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む。他の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は表2または3(前記)に掲げたVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む。他の実施形態において、単離された核酸分子はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードし、前記抗体は表2または3(前記)に掲げたVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する核酸分子であって、前記抗体が表2または3(前記)に掲げた1以上のVH CDRおよび1以上のVL CDRを含むものである、前記核酸分子を提供する。特に、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体をコードする単離された核酸分子であって、前記抗体がVH CDR1およびVL CDR1;VH CDR1およびVL CDR2;VH CDR1およびVL CDR3;VH CDR2およびVL CDR1; VH CDR2およびVL CDR2;VH CDR2およびVL CDR3;VH CDR3およびVL CDR1;VH CDR3およびVL CDR2;VH CDR3およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2およびVL CDR1;VH CDR1、VH CDR2およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR1;VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR2;VH CDR2、VH CDR2およびVL CDR3;VH CDR1、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR1;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR2およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR2;VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR2、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;VH CDR1、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3;またはそれらのおよび表2または3(前記)に掲げたVH CDRおよびVL CDRのいずれかの組合わせを含む(またはあるいは、からなる、または本質的にからなる)前記核酸分子を提供する。
本発明のさらなる特定の実施形態は次の通りであり、連続して番号を付した:
1.12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8の可変重鎖(VH)ドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインを含むEphA2抗体またはADCであって、前記抗体がEphA2ポリペプチドと特異的に結合する前記抗体またはADC。
2.12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8の可変軽鎖(VL)ドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインを含むEphA2抗体またはADCであって、前記抗体がEphA2ポリペプチドと特異的に結合する前記抗体またはADC。
3.12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインをさらに含む、実施形態1の抗体またはADC。
4.12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8の相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列を有するCDRを含むEphA2抗体またはADCであって、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する前記抗体またはADC。
5.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDRのアミノ酸配列を有するVH CDRを含む、実施形態4の抗体またはADC。
6.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8ののアミノ酸配列を有するVL CDRを含む、実施形態4の抗体またはADC。
7.12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDRのアミノ酸配列を有するVL CDRをさらに含む、実施形態5の抗体またはADC。
8.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR1のアミノ酸配列を有するVH CDR1を含む、実施形態5の抗体またはADC。
9.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR2のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む、実施形態5の抗体またはADC。
10.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む、実施形態5の抗体またはADC。
11.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR2のアミノ酸配列を有するVH CDR2をさらに含む、実施形態8の抗体またはADC。
12.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR3のアミノ酸配列を有するVH CDR3をさらに含む、実施形態8の抗体またはADC。
13.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR3のアミノ酸配列を有するVH CDR3をさらに含む、実施形態9の抗体またはADC。
14.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR3のアミノ酸配列を有するVH CDR3をさらに含む、実施形態11の抗体またはADC。
15.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR1のアミノ酸配列を有するVH CDR1を含む、実施形態7の抗体またはADC。
16.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR2のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む、実施形態7の抗体またはADC。
17.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR3のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む、実施形態7の抗体またはADC。
18.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR2のアミノ酸配列を有するVH CDR2をさらに含む、実施形態15の抗体またはADC。
19.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR3のアミノ酸配列を有するVH CDR3をさらに含む、実施形態15の抗体またはADC。
20.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR3のアミノ酸配列を有するVH CDR3をさらに含む、実施形態16の抗体またはADC。
21.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDR3のアミノ酸配列を有するVH CDR3をさらに含む、実施形態18の抗体またはADC。
22.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む、実施形態6の抗体またはADC。
23.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む、実施形態6の抗体またはADC。
24.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む、実施形態6の抗体またはADC。
25.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2をさらに含む、実施形態22の抗体またはADC。
26.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態22の抗体またはADC。
27.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態23の抗体またはADC。
28.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態25の抗体またはADC。
29.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む、実施形態7の抗体またはADC。
30.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む、実施形態7の抗体またはADC。
31.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む、実施形態7の抗体またはADC。
32.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2をさらに含む、実施形態29の抗体またはADC。
33.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態29の抗体またはADC。
34.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態30の抗体またはADC。
35.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態32の抗体またはADC。
36.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む、実施形態15の抗体またはADC。
37.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む、実施形態15の抗体またはADC。
38.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む、実施形態15の抗体またはADC。
39.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2をさらに含む、実施形態36の抗体またはADC。
40.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態36の抗体またはADC。
41.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態37の抗体またはADC。
42.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態39の抗体またはADC。
43.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む、実施形態16の抗体またはADC。
44.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む、実施形態16の抗体またはADC。
45.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む、実施形態16の抗体またはADC。
46.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2をさらに含む、実施形態43の抗体またはADC。
47.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態43の抗体またはADC。
48.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態44の抗体またはADC。
49.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態46の抗体またはADC。
50.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む、実施形態17の抗体またはADC。
51.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む、実施形態17の抗体またはADC。
52.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む、実施形態17の抗体またはADC。
53.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2をさらに含む、実施形態50の抗体またはADC。
54.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態50の抗体またはADC。
55.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態51の抗体またはADC。
56.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態53の抗体またはADC。
57.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む、実施形態18の抗体またはADC。
58.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む、実施形態18の抗体またはADC。
59.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む、実施形態18の抗体またはADC。
60.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2をさらに含む、実施形態57の抗体またはADC。
61.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態57の抗体またはADC。
62.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態58の抗体またはADC。
63.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態60の抗体またはADC。
64.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む、実施形態19の抗体またはADC。
65.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む、実施形態19の抗体またはADC。
66.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む、実施形態19の抗体またはADC。
67.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2をさらに含む、実施形態64の抗体またはADC。
68.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態64の抗体またはADC。
69.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態65の抗体またはADC。
70.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態67の抗体またはADC。
71.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む、実施形態20の抗体またはADC。
72.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む、実施形態20の抗体またはADC。
73.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む、実施形態20の抗体またはADC。
74.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2をさらに含む、実施形態71の抗体またはADC。
75.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態71の抗体またはADC。
76.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態72の抗体またはADC。
77.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態74の抗体またはADC。
78.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR1のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む、実施形態21の抗体またはADC。
79.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む、実施形態21の抗体またはADC。
80.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む、実施形態21の抗体またはADC。
81.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR2のアミノ酸配列を有するVL CDR2をさらに含む、実施形態78の抗体またはADC。
82.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態78の抗体またはADC。
83.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態79の抗体またはADC。
84.抗体またはADCが12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDR3のアミノ酸配列を有するVL CDR3をさらに含む、実施形態81の抗体またはADC。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体がEphA2ポリペプチドと特異的に結合する本明細書に記載したVHドメイン、VH CDR、VLドメイン、またはVL CDRの誘導体を含むものである前記抗体を提供する。当業者に公知の標準技法を用いて本発明の抗体をコードするヌクレオチド配列中に突然変異(例えば、付加、欠失、および/または置換)を導入することができ、それらの技法には例えば、部位-部位特異的突然変異誘発およびアミノ酸置換をもたらすPCRが介在する突然変異が含まれる。好ましくは、誘導体は、元来の分子と比較して、25アミノ酸未満の置換、20アミノ酸未満の置換、15アミノ酸未満の置換、10アミノ酸未満の置換、5アミノ酸未満の置換、4アミノ酸未満の置換、3アミノ酸未満の置換、または2アミノ酸未満の置換を含む。特定の実施形態において、誘導体は、保存的アミノ酸置換(例えば前記)を1以上の予想される非本質的アミノ酸残基(すなわち、抗体にとってEphA2ポリペプチドと特異的に結合するために致命的でないアミノ酸残基)において行う。「保存的アミノ酸置換」はアミノ酸残基を類似した電荷をもつ側鎖を有するアミノ酸残基と置き換えるアミノ酸置換である。類似した電荷をもつ側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当技術分野で規定されている。これらのファミリーには塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β-分枝側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)をもつアミノ酸が含まれる。あるいは、突然変異を無作為にコード配列の全てまたは一部に沿って飽和突然変異誘発などによって導入し、そして得られる突然変異体を生物学的活性についてスクリーニングして活性を保持する突然変異体を同定してもよい。突然変異の後に、コードした抗体を発現させて抗体の活性を決定することができる。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が可変軽鎖(VL)ドメインおよび/または可変重鎖(VH)ドメインにおいて1以上のアミノ酸残基置換をもつ12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のアミノ酸配列を含むものである前記抗体を提供する。本発明はまた、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1以上のVL CDRおよび/または1以上のVH CDRにおいて1以上のアミノ酸残基置換をもつ12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のアミノ酸配列を含むものである前記抗体を提供する。本発明はまた、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1以上のVHフレームワークおよび/または1以上のVLフレームワークあるいはそれらのVHおよび/またはVLドメインにおいて1以上のアミノ酸残基置換をもつ12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のアミノ酸配列を含むものである前記抗体を提供する。VHドメイン、VHCDR、VLドメイン、VLCDRおよび/またはフレームワークにおいて12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8の置換を導入することにより作製した抗体は、in vitroおよび/またはin vivoで、例えば、EphA2ポリペプチドと結合する能力について、またはEphA2受容体活性化を阻害または低減する能力について、またはEphA2を活性化する能力について試験することができる。
特定の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、もしくは5A8、またはその抗原結合断片をコードするヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下、例えば、6 X 塩化ナトリウム/ナトリウムクエン酸(SSC)中のフィルターに結合したDNAとの約45℃におけるハイブリダイゼーションと次いで約50〜65℃における0.2 X SSC/0.1%SDS中の1回以上の洗浄、高度にストリンジェントな条件下、例えば、6 X SSC中のフィルターに結合したDNAとの約45℃におけるハイブリダイゼーションと次いで約68℃における0.1 X SSC/0.2%SDS中の1回以上の洗浄、または当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件(例えば、Ausubel, F. M.ら, eds., 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, Green Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc., New Yorkのpp.6.3.1-6.3.6および2.10.3を参照)下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。
他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVHまたはVLドメインをコードするヌクレオチド配列と、本明細書に記載のストリンジェントな条件下でまたは当業者に公知のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインのアミノ酸配列またはVLドメインのアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVHおよびVLドメインをコードするヌクレオチド配列と、本明細書に記載のストリンジェントな条件下でまたは当業者に公知のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインのアミノ酸配列およびVLドメインのアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は、表2または3(上記)に掲げたVH CDRまたはVL CDRのいずれか1つをコードするヌクレオチド配列と、本明細書に記載のストリンジェントな条件下でまたは当業者に公知のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVH CDRのアミノ酸配列またはVL CDRのアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は、表2または3(上記)に掲げたVH CDRのいずれか1つおよび表2または3(上記)に掲げたVL CDRのいずれか1つをコードするヌクレオチド配列と、本明細書に記載のストリンジェントな条件下でまたは当業者に公知のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVH CDRのアミノ酸配列およびVL CDRのアミノ酸配列を含む。
他の実施形態において、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1C1のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:1および2)とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1F12のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:11および12)とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1H3のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:21および22)とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1D3のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:31および32)とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が2B12のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:41および42)とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が5A8のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:51および52)とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。
他の実施形態においては、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8(図1〜13)のVH CDRおよび/またはVL CDRのヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされたVH CDRおよび/またはVL CDRを含むものである前記抗体を提供する。
特定の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、もしくは5A8、またはその抗原結合断片のアミノ酸配列と、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、もしくは5A8のVHドメインと、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるVHドメインのアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、もしくは5A8のVLドメインと、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるVLドメインのアミノ酸配列を含む。
他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は、表2または3(上記)に掲げたVL CDRのいずれかと少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である1以上のVL CDRのアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体は、表2または3(上記)に掲げたVL CDRの1つのいずれかと少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である1以上のVL CDRのアミノ酸配列を含む。
他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1C1をコードするヌクレオチド配列と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされた前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1F12をコードするヌクレオチド配列と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされた前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1H3をコードするヌクレオチド配列と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされた前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1D3をコードするヌクレオチド配列と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされた前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が2B12をコードするヌクレオチド配列と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされた前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が5A8をコードするヌクレオチド配列と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされた前記抗体を提供する。
他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1C1のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:1および2)と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1F12のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:11および12)と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1H3のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:21および22)と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が1D3のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:31および32)と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が2B12のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:41および42)と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。他の実施形態において、本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が5A8のVHドメインおよび/またはVLドメインのヌクレオチド配列(それぞれ、配列番号:51および52)と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされたVHドメインおよび/またはVLドメインを含むものである前記抗体を提供する。
他の実施形態においては、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8(図1〜13)のVH CDRおよび/またはVL CDRのヌクレオチド配列と少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列によりコードされたVH CDRおよび/またはVL CDRを含むものである前記抗体を提供する。
本発明は、EphA2ポリペプチドとの結合について本明細書に記載の抗体と競合する抗体を包含する。特に本発明は、EphA2ポリペプチドとの結合について12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、もしくは5A8またはその抗原結合断片と競合する抗体を包含する。特定の実施形態において、本発明は、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のEphA2 ポリペプチドとの結合を、本明細書に記載の競合アッセイまたは当業者に周知の競合アッセイにおいてPBSなどの対照と比較して、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上、25%〜50%、45〜75%、または75〜99%低減する抗体を包含する。他の特定の実施形態において、本発明は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のEphA2 ポリペプチドとの結合を、ELISA競合アッセイにおいてPBSなどの対照と比較して、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上、25%〜50%、45〜75%、または75〜99%低減する抗体を包含する。
ELISA競合アッセイは次の方法で実施することができる:PBS中の組換えEphA2を10μg/mlの濃度で調製する。この溶液の100μlをELISA98ウエルマイクロタイタープレートのそれぞれのウエルに加え、一晩4〜8℃にてインキュベートする。ELISAプレートを0.1%Tweenを補充したPBSを用いて洗浄し、過剰の組換えEphA2を除去する。非特異的タンパク質-タンパク質相互作用を、PBS中で最終濃度1%に調製したウシ血清アルブミン(BSA)100μlを加えることによりブロックする。室温にて1時間後、ELISAプレートを洗浄する。無標識の抗体をブロッキング溶液中で最終濃度1μg/ml〜0.01μg/mlに調製する。対照ウエルはブロッキング溶液単独または濃度1μg/ml〜0.01μg/mlの対照抗体を含有する。西洋わさびペルオキシダーゼにより標識した試験抗体(例えば、1C1)を競合する抗体希釈液に固定した最終濃度1μg/mlにて加える。100μlの試験および競合抗体混合物をELISAウエルに、三重で加え、そしてプレートを1時間室温にてインキュベートする。残留する非結合抗体を洗浄除去する。西洋わさびペルオキシダーゼ基質100μlをそれぞれのウエルに加えることにより、結合した試験抗体を検出する。プレートを30分間室温にてインキュベートし、そして吸収を自動プレートリーダーを用いて読み取る。三重ウエルの平均を計算する。試験抗体と良く競合する抗体は、対照ウエルと比較した測定吸収値を低減する。
他の実施形態において、本発明は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8の抗原結合断片(例えば、限定されるものでないが、VHドメイン、VH CDR、VLドメインまたはVL CDR)を含む(あるいは、からなる)抗体のEphA2ポリペプチドとの結合を、本明細書に記載のまたは当業者に周知の競合アッセイにおいてPBSなどの対照と比較して、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上、または25%〜50%、45〜75%、または75〜99%低減する抗体を包含する。
他の実施形態において、本発明は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8の抗原結合断片(例えば、VHドメイン、VLドメイン、VH CDRまたはVL CDR)を含む(あるいは、からなる、または本質的にからなる)抗体のEphA2ポリペプチドとの結合を、ELISA競合アッセイにおいてPBSなどの対照と比較して、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上、または25%〜50%、45〜75%、または75〜99%低減する抗体を包含する。
本発明は12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVHドメインと競合するVHドメインを含む(あるいは、からなる、または本質的にからなる)ポリペプチドまたはタンパク質を包含する。本発明はまた、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVLドメインと競合するVLドメインを含む(あるいは、からなる、または本質的にからなる)ポリペプチドまたはタンパク質を包含する。
本発明は、EphA2ポリペプチドとの結合に対して表2または3(上記)に掲げたVH CDRと競合するVH CDRを含む(あるいは、からなる、または本質的にからなる)ポリペプチドまたはタンパク質を包含する。本発明は、EphA2ポリペプチドとの結合に対して表2または3(上記)に掲げたVL CDRと競合するVL CDRを含む(あるいは、からなる、または本質的にからなる)ポリペプチドまたはタンパク質を包含する。
EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体には共有結合など、すなわち、いずれかの型の分子の抗体との共有結合により、修飾された誘導体が含まれる。例えば、限定されるものでないが、抗体誘導体には例えば、グリコシル化、アセチル化、PEG化、リン酸化、アミド化、公知の保護/ブロック基による誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質、などとの連結により修飾された抗体が含まれる。多数の化学修飾のいずれかを公知の技法により行うことができ、それには、限定されるものでないが、特異的化学 切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成などが挙げられる。さらに誘導体は1以上の非古典的アミノ酸を含有してもよい。
本発明はまた、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が当業者に公知のフレームワーク領域(例えば、ヒトまたは非ヒトフレームワーク)を含むものである前記抗体を提供する。フレームワーク領域は天然またはコンセンサスフレームワーク領域であってもよい。好ましくは、本発明の抗体の断片領域はヒトである(ヒトフレームワーク領域の表については、例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられるChothiaら, 1998、J. Mol. Biol. 278:457-479を参照)。
本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体がフレームワーク領域に突然変異(例えば、1以上のアミノ酸置換)をもつ12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のアミノ酸配列を含むものである前記抗体を包含する。ある特定の実施形態において、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体はVHおよび/またはVLドメインのフレームワーク領域に1以上のアミノ酸残基置換をもつ12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のアミノ酸配列を含む。
本発明はまた、EphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体であって、前記抗体が可変およびフレームワーク領域に突然変異(例えば、1以上のアミノ酸置換)をもつ12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のアミノ酸配列を含むものである前記配列を包含する。
ある特定の実施形態において、本発明の抗体はある特定のEphA2ポリペプチドと特異的に結合する抗体を含まない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体は1C1でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体は1F12でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体は1H3でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体は1D3でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体は2B12でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体は5A8でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体は3F2でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体はEA5でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体はG5でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体はEA2でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体はB233でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体はB208でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体は10C12でない。一実施形態において、本発明の抗体はEphA2と結合する抗体であるが、前記EphA2と結合する抗体はB210でない。
特定の実施形態において、本発明の抗体はEphA2の抗原性エピトープを保持するペプチドおよびポリペプチドと結合し、そして前記抗原性エピトープを保持するペプチドおよびポリペプチドはいずれかの種で見出されるEphA2の、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、より好ましくは少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50連続アミノ酸残基、および、好ましくは、約15〜約30連続アミノ酸のアミノ酸配列を含むかまたはからなる。免疫原性または抗原性エピトープを含むポリペプチドは、長さが少なくとも8、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも少なくとも30、または少なくとも35アミノ酸残基である。
EphA2エピトープを保持するペプチド、ポリペプチド、およびそれらの断片はいずれかの通常の手法により作製することができる。例えば、Houghten, R. A. (1985) 「多数のペプチドを迅速に固相合成するための一般的な方法:個々のアミノ酸のレベルにおける抗原-抗体相互作用の特異性(General method for the rapid solid-phase synthesis of large numbers of peptides: specificity of antigen-antibody interaction at the level of individual amino acids)」, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:5 13 1-5 135を参照されたい;この「同時多重ペプチド合成(Simultaneous Multiple Peptide Synthesis (SMPS))」プロセスはさらにHoughtenらの米国特許第4,631,211号(1986)に記載されている。
本発明は、本明細書に記載した抗体の1以上の可変または超可変域を含むペプチド、ポリペプチドおよび/またはタンパク質を提供する。好ましくは、本発明の抗体の1以上の可変または超可変域を含むペプチド、ポリペプチドおよび/またはタンパク質はさらに異種アミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態において、かかる異種アミノ酸配列は少なくとも5連続アミノ酸残基、少なくとも10連続アミノ酸残基、少なくとも15連続アミノ酸残基、少なくとも20連続アミノ酸残基、少なくとも25連続アミノ酸残基、少なくとも30連続アミノ酸残基、少なくとも40連続アミノ酸残基、少なくとも50連続アミノ酸残基、少なくとも75連続アミノ酸残基、少なくとも100連続アミノ酸残基またはそれ以上の連続アミノ酸残基を含む。かかるペプチド、ポリペプチドおよび/またはタンパク質は融合タンパク質と呼んでもよい。
特定の実施形態において、1以上の本発明の抗体の可変または超可変域を含むペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、長さが10アミノ酸残基、15アミノ酸残基、20アミノ酸残基、25アミノ酸残基、30アミノ酸残基、35アミノ酸残基、40アミノ酸残基、45アミノ酸残基、50アミノ酸残基、75アミノ酸残基、100アミノ酸残基、125アミノ酸残基、150アミノ酸残基またはそれ以上のアミノ酸残基である。ある特定の実施形態において、本発明の抗体の1以上の可変または超可変域を含むペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質はEphA2ポリペプチドと特異的に結合する。他の実施形態において、本発明の抗体の1以上の可変または超可変域を含むペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質はEphA2ポリペプチドと特異的に結合しない。
特定の実施形態において、本発明は本明細書(表2および3(上記)を参照)に記載の抗体の1つのVHドメインおよび/またはVLドメインを含むペプチド、ポリペプチドおよび/またはタンパク質を提供する。さらなる特定の実施形態において、本発明は表2および3(上記)に掲げたCDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1以上のCDRを含むペプチド、ポリペプチドおよび/またはタンパク質を提供する。これらの実施形態において、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質はさらに異種アミノ酸配列を含んでもよい。
1以上の可変または超可変域を含むペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、次いで疾患または障害(例えば、癌、高または低増殖性障害)に関連する1以上の症候群を予防、治療、および/または改善するために用いることができる抗イディオタイプ抗体の生産に利用することができる。生産した抗イディオタイプ抗体はまた、イムノアッセイ、例えばELISAに利用して、抗イディオタイプの抗体の生産に使われるペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質に含有される可変または超可変域を含む抗体を検出することもできる。
本発明は、EphA2ポリペプチドと特異的に結合しかつin vivoで長い半減期を有する抗体を提供する。特に、本発明はEphA2ポリペプチドと特異的に結合しかつ被験体、好ましくは哺乳動物そして最も好ましくはヒトにおいて、3日より長い、7日より長い、10日より長い、好ましくは15日より長い、25日より長い、30日より長い、35日より長い、40日より長い、45日より長い、2か月より長い、3か月より長い、4か月より長い、または5か月より長い半減期を有する抗体を提供する。
抗体(例えば、モノクローナル抗体、1本鎖抗体およびFab断片)の血清循環をin vivoで延長するために、例えば、高分子量ポリエチレングリコール(PEG)などの不活性ポリマー分子を、多官能基リンカーを用いてまたは用いないで、抗体のN-またはC-末端に対するPEGの部位特異的なコンジュゲーションを介してまたはリシン残基上に存在するε-アミノ基を介して、抗体に結合させてもよい。生物学的活性の消失を最小化する直鎖または分枝鎖ポリマー誘導体化を利用しうる。コンジュゲーションの程度をSDS-PAGEおよび質量分析により厳密にモニターしてPEG分子の抗体との適切なコンジュゲーションを確実なものにすることができる。未反応PEGはサイズ排除によりまたはイオン交換クロマトグラフィにより抗体-PEGコンジュゲートから分離することができる。PEG誘導体化した抗体は、結合活性ならびにin vivoでの効力について、当業者に周知の方法、例えば、本明細書に記載のイムノアッセイを用いて試験することができる。
in vivoでの半減期が増加した抗体はまた、1以上のアミノ酸改変(すなわち、置換、挿入または欠失)をIgG定常ドメイン中、またはそのFcRn結合断片(好ましくはFcまたはヒンジ-Fcドメイン断片)へ導入して作製することもできる。例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる国際特許公開WO 98/23289;国際特許公開WO 97/34631;国際特許公開WO 02/060919;米国特許出願公報第2006/0039904 A1号および米国特許第6,277,375号を参照されたい。
さらに、in vivoでより安定したまたはin vivoでより長い半減期を有する抗体または抗体断片を作る目的で、抗体をアルブミンとコンジュゲートしてもよい。その技法は当技術分野において周知であり、例えば、国際特許公開WO 93/15199、WO 93/15200、および WO 01/77137;および 欧州特許EP 413,622を参照されたい、これらは全て本明細書に参照により組み入れられる。
本発明のADCが所要の通り作用するために、選択した毒素とコンジュゲートされる抗体の重要な態様は細胞表面標的(例えばEphA2もしくはEphA4)と結合した抗体が細胞により内在化されることである。いったん内在化されると、コンジュゲートした毒素は放出されるかまたは結合されたまま残って、その毒性効果を細胞に作用する。
本発明のADCの抗体部分としては、限定されるものでないが、合成抗体、モノクローナル抗体、オリゴクローナル抗体、組換えで生成した抗体、細胞内発現抗体、多特異的抗体、二特異的抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、合成抗体、1本鎖FvFc(scFvFc)、1本鎖Fv(scFv)、および抗イディオタイプ(抗Id)抗体が挙げられる。特に本発明の方法に用いられる抗体としては、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分が挙げられる。本発明の抗体は免疫グロブリンのいずれの型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであってもよい。
本発明のADCの抗体部分は、鳥類および哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、またはニワトリ)を含むいずれの動物由来であってもよい。好ましくは、抗体はヒトまたはヒト化モノクローナル抗体である。本明細書で「ヒト」抗体には、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含みかつヒト免疫グロブリンライブラリーからまたはヒト遺伝子由来の抗体を発現するマウスから単離された抗体が含まれる。
抗体は、全てのポリペプチドの様に、一般にポリペプチドが正味電荷を保持しないpHとして定義される等電点(pI)を有する。当技術分野では、タンパク質溶解度は、通常、溶液のpHがタンパク質の等電点(pI)と等しいときに最低であることは公知である。抗体中のイオン化残基の数および位置を変えてpIを調節することにより溶解度を最適化することが可能である。例えば、ポリペプチドのpIは、適当なアミノ酸置換を行うことにより(例えば、リシンなどの荷電アミノ酸をアラニンなどの非荷電残基と置換することにより)操作しうる。特別な理論に縛られることなく、前記抗体のpIの変化をもたらす抗体のアミノ酸置換は抗体の溶解度および/または安定性を改善しうる。当業者は、特にその抗体が所望のpIを達成するためにどのアミノ酸置換が最も適当であるかを理解しうる。タンパク質のpIは、限定されるものでないが、等電点電気泳動および様々な計算機アルゴリズムを含む様々な方法により決定することができる(例えば、Bjellqvistら, 1993, Electrophoresis 14:1023を参照)。一実施形態において、本発明のADCのpIは約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、または約9.0の間にあるかまたはそれらより高い。他の実施形態において、本発明のADCのpIは6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、または9.0の間にあるかまたはそれらより高い。一実施形態において、本発明のADCのpIの改変をもたらす置換はEph受容体との結合親和性を有意に減ずることはないであろう。本明細書でpI値は支配的な電荷型のpI値として定義される。タンパク質のpIは、限定されるものでないが、等電点電気泳動および様々な計算機アルゴリズムを含む様々な方法により決定することができる(例えば、Bjellqvistら, 1993, Electrophoresis 14:1023を参照)。
抗体のFabドメインのTmは抗体の熱安定性の良い指標でありかつさらに有効期間の指標である。より低いTmは、より高い凝集性/より低い安定性を示すが、より高いTmはより低い凝集性/より高い安定性を示す。従って、より高いTmを有する抗体が好ましい。一実施形態において、ADCのFabドメインは少なくとも50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃または120℃より高いTm値を有する。他の実施形態において、ADCのFabドメインは少なくとも約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃または約120℃より高いTm値を有する。タンパク質ドメイン(例えば、Fabドメイン)の熱融解温度Iは、当技術分野で公知のいずれかの標準的方法を用いて、例えば、示差操作熱量測定により測定することができる(例えば、Vermeerら、2000、Biophys. J. 78:394-404; Vermeerら、2000、Biophys. J. 79: 2150-2154を参照)。
本発明のADCの抗体部分は単特異的、二特異的、三特異的であってもまたはさらに高い多特異性を有してもよい。多特異的抗体は所望の標的分子の異なるエピトープと特異的に結合することもまたは標的分子ならびに異種エピトープ(異種ポリペプチドまたは固体支持材料など)の両方と結合することができる。例えば、国際公開WO 94/04690;WO 93/17715;WO 92/08802;WO 91/00360;およびWO 92/05793;Tuttら、1991、J. Immunol. 147:60-69;米国特許第4,474,893号、第4,714,681号、第4,925,648号、第5,573,920号、および 第5,601,819号;および Kostelnyら、1992、J. Immunol. 148:1547(これらはそれぞれ本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)を参照されたい。一実施形態において、結合特異性の1つはEph受容体に対するものであり、他の1つはいずれかの他の抗原(すなわち、他のEph受容体、エフリン、シグナル伝達またはエフェクター分子)に対するものである。
多特異的抗体は少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有する。かかる分子は通常2つの抗原だけと結合しうるもの(すなわち二特異的抗体、BsAbs)であるが、三特異的抗体のようなさらなる特異性をもつ抗体も本発明により包含される。BsAbsの例には、限定されるものでないが、インテグリンαvβ3に対する1つのアームといずれか他の抗原に対する他のアームをもつ抗体が含まれる。二特異的抗体を作る方法は当技術分野で公知である。全長の二特異的抗体の伝統的な生産は、2つの鎖が異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の共発現に基づいている(本明細書に参照によりその全てが組み入れられるMillsteinら,1983、Nature、305:537-539)。免疫グロブリン重鎖および軽鎖の無作為な詰め合わせであるので、これらのハイブリドーマ(クアドローマ;quadromas)は異なる抗体分子の潜在的混合物を産生し、それらのうちの1つだけが正しい二特異的構造を有する。正しい分子の精製は通常、親和性クロマトグラフィステップにより行い、手間がかかりかつ産生収率は低い。類似の手順がWO 93/08829、およびTrauneckerら、1991、EMBO J.、10:3655-3659に開示されている。さらに関係する手法は、Di-diabody、すなわち四価二特異的抗体の作製である。Di-diabodyを産生する方法は当技術分野で公知である(例えば、Luら、2003、J Immunol Methods 279:219-32;Marvinら、2005、Acta Pharmacolical Sinica 26:649を参照)。
異なる手法によれば、所望の結合特異性をもつ抗体可変ドメイン(抗体-抗原結合部位)を免疫グロブリン定常ドメイン配列と融合する。ヒンジ、CH2、およびCH3域の少なくとも部分を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとの融合が好ましい。一実施形態において、軽鎖結合に必要な部位を含有する第1重鎖定常域(CH1)が融合体の少なくとも1つに存在する。免疫グロブリン重鎖融合体および、もし所望であれば、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを、別の発現ベクター中に挿入し、そして好適な宿主生物中に共トランスフェクトする。これは、構築物に使われる3つのポリペプチド鎖の不等比が最適収率を与える実施形態において、3つのポリペプチド断片の相互比率を調節する上で大きいフレキシビリティを与える。しかし、2つまたは全3つのポリペプチド鎖に対するコード配列を1つの発現ベクター内に挿入することが可能であるのは、等しい比の少なくとも2つのポリペプチド鎖の発現が高収率で得られるときかまたはその比が特に重要でないときである。
この手法の一実施形態において、二特異的抗体は1つのアームにおける第1の結合特異性をもつハイブリッド免疫グロブリン重鎖(例えば、Eph受容体)、および他のアームにおけるハイブリッド免疫グロブリン重鎖-軽鎖対(第2の結合特異性を与える)から構成される。この不斉構造は、二特異的分子の片方の半分だけの免疫グロブリン軽鎖の存在が容易な分離方法を提供するので、所望の二特異的化合物の欲しない免疫グロブリン鎖組合わせからの分離を促進することが見出された。この手法はWO 94/04690 (本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)に開示されている。二特異的抗体のさらなる詳細については、例えば、Sureshら、1986、Methods in Enzymology、121:210 (本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)を参照されたい。WO96/27011 (本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)に記載の他の手法によれば、一対の抗体分子を遺伝子操作によりヘテロダイマーの百分率を最大化するように作り、これを組換え細胞培養から回収することができる。好ましい界面は少なくとも抗体定常ドメインのCH3ドメインの一部分を含む。この方法では、第1抗体分子の界面からの1以上の小さいアミノ酸側鎖をより大きい側鎖(例えばチロシンまたはトリプトファン)と置き換える。大アミノ酸側鎖をより小さいもの(例えばアラニンまたはトレオニン)と置き換えることにより、大側鎖と同一または類似サイズの代償「空洞」が作製される。これは、ホモダイマーなどの他の欲しない最終産物を凌ぐヘテロダイマーの収率を増加するための機構を提供する。
他の特定の実施形態において、本発明の方法において使用する抗体は二特異的T細胞エンゲージャー(BiTE)である。二特異的T細胞エンゲージャー(BiTE)は標的の抗原特異的排除に対してT細胞を再指揮することができる。BiTE分子は、分子の1末端でT細胞抗原(例えばCD3)と結合する抗原結合ドメインおよび標的細胞上の抗原と結合しうる抗原結合ドメインを有する。BiTE分子は、本明細書に参照により組み入れられるWO 99/54440に最近記載された。この公開文書は、CD19およびCD3抗原(CD19xCD3)に対する結合部位を含む新規の1本鎖多官能ポリペプチドを記載する。この分子は2つの抗体、すなわち1つはB細胞上のCD19と結合するものおよびT細胞上のCD3と結合する抗体から誘導された。これらの異なる抗体の可変域をポリペプチド配列により連結して単一分子を作製する。また、1本鎖、二特異的抗体を作製するための重鎖(VH)および軽鎖(VL)可変ドメインのフレキシブルリンカーによる連結も記載されている。
本発明のある実施形態において、目的のポリペプチド(例えば、Eph受容体および/またはエフリン)と特異的に結合する抗体またはリガンドはBiTE分子の一部分を含みうる。例えば、目的のポリペプチド(例えば、Eph受容体および/またはエフリン)と結合する抗体を上記分子の抗体などの抗CD3結合部分と融合して、目的のポリペプチド(例えば、Eph受容体および/またはエフリン)を標的化するBiTE分子を作製してもよい。目的のポリペプチド(例えば、Eph受容体および/またはエフリン)に対する抗体の重鎖および/または軽鎖可変ドメインに加えて、目的のポリペプチド(例えば、Eph受容体および/またはエフリン)と結合する他の分子はBiTE分子、例えば受容体(例えば、Eph受容体および/またはエフリン)を含んでもよい。他の実施形態において、BiTE分子は他のT細胞抗原(CD3ではない)と結合する分子を含んでもよい。例えば、CD2、CD4、CD8、CD11a、TCR、およびCD28のようなT細胞抗原と特異的に結合するリガンドおよび/または抗体は本発明の一部分であると意図する。このリストは網羅するものでなく、T細胞抗原と特異的に結合する他の分子をBiTE分子の一部分として利用しうることを説明するだけのものである。これらの分子は抗体または天然リガンド(例えば、LFA3(その天然リガンドはCD3である))のVHおよび/またはVL部分を含みうる。
二特異的抗体は架橋または「へテロコンジュゲート」抗体を含む。例えば、へテロコンジュゲートの抗体の1つはアビジンと、また他の1つはビオチンとカップリングしていてもよい。かかる抗体が、例えば、標的免疫系細胞に対して、欲しない細胞に対して(米国特許第4,676,980号)、およびHIV感染の治療のために(WO 91/00360、WO 92/200373、および EP 03089)提案されている。上記の参照は、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる。へテロコンジュゲート抗体はいずれかの好都合な架橋方法を用いて行うことができる。好適な架橋剤は当技術分野で周知であり、米国特許第4,676,980号において、いくつかの架橋技法と共に開示されている。以上の参照は本明細書に参照によりその全てが組み入れられる。
本発明の少なくとも1つのヒンジ改変を組み込んだ3価以上の抗体を意図している。例えば、三特異的抗体を調製することができる。例えば、本明細書に参照により組み入れられるTuttら J. Immunol. 147: 60 (1991)を参照されたい。
本発明のADCの抗体部分は、ラクダ化単一ドメイン抗体を含む単一ドメイン抗体を包含する(例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられるMuyldermansら, 2001, Trends Biochem. Sci. 26:230;Nuttallら, 2000, Cur. Pharm. Biotech. 1:253;ReichmannおよびMuyldermans, 1999、J. Immunol. Meth. 231:25;国際特許公開WO 94/04678およびWO 94/25591;米国特許第6,005,079号を参照)。
他の抗体は特定して「オリゴクローナル」抗体であると意図する。本明細書で使用する用語「オリゴクローナル」抗体は別個のモノクローナル抗体の所定の混合物を意味する。例えば、本明細書に参照により組み入れられるPCT公開WO 95/20401;米国特許第5,789,208号および第6,335,163号を参照されたい。好ましくは、オリゴクローナル抗体は単一細胞において1以上のエピトープに対して産生された抗体の所定の混合物からなる。さらに好ましくは、オリゴクローナル抗体は共通の軽鎖と対になって多特異性をもつ抗体を産生できる複数の重鎖を含む(例えば、本明細書に参照により組み入れられるPCT公開WO 04/009618)。オリゴクローナル抗体は、単一標的分子上の多エピトープを標的化することが所望されるときに有用である(例えば、インテグリンαvβ3)。当業者はどの型の抗体または抗体の混合物が意図する目的および所望のニーズに対して応用しうるかを知るかまたは決定することができよう。
一実施形態において、本発明のADCを化学的に改変するか(例えば、1以上の化学部分を抗体に付着させてもよい)または改変してそのグリコシル化を変え、再びその抗体の1以上の機能的特性を変えることができる。
さらなる他の実施形態において、本発明のADCのグリコシル化を改変する。例えば、非グリコシル化抗体(すなわち、抗体がグリコシル化を欠く)を作ることができる。グリコシル化を改変して、例えば、標的抗原に対する抗体の親和性を増加することができる。かかる糖鎖改変は、例えば、抗体配列内のグリコシル化の1以上の部位を改変することにより実施することができる。例えば、1以上のアミノ酸置換を行って、1以上の可変域フレームワークのグリコシル化部位を排除し、それによりその部位のグリコシル化を排除することができる。かかる非グリコシル化は抗体の抗原に対する親和性を増加しうる。かかる手法は、さらに詳しく、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許第5,714,350号および第6,350,861号に記載されている。
さらにまたはあるいは、フコシル残基量の低下した低フコシル化抗体またはバイセクティングGlcNAc構造の増加した抗体などの改変されたグリコシル化パターンを有するADCを作ることができる。かかる改変されたグリコシル化パターンは抗体のADCC能力を増加することが実証されている。かかる糖鎖改変は、例えば、グリコシル化機構の改変された宿主細胞において抗体を発現させることにより達成することができる。グリコシル化機構の改変された細胞は当技術分野で記載されているので、その宿主細胞で本発明の遺伝子組換え抗体を発現してそれによりグリコシル化の改変された抗体を産生することができる。例えば、それぞれが本明細書に参照によりその全てが組み入れられるShields、R.L.ら (2002) J. Biol. Chem. 277:26733-26740; Umanaら (1999) Nat. Biotech. 17:176-1、ならびに、欧州特許EP 1,176,195;PCT公報WO 03/035835;WO 99/54342を参照されたい。
さらに他の実施形態においては、本発明のADCのグリコシル化を改変する。例えば、非グリコシル化抗体を作ることができる(すなわち、グリコシル化を欠く抗体)。グリコシル化を改変して、例えば、抗体の標的 抗原に対する親和性を増加することができる。かかる糖鎖改変は、例えば、抗体配列内のグリコシル化の1以上の部位を改変することにより実施することができる。例えば、1以上のアミノ酸置換を行い、1以上の可変域フレームワークグリコシル化部位を排除し、それによりその部位におけるグリコシル化を排除することができる。かかる非グリコシル化は抗体の抗原に対する親和性を増加することができる。かかる手法は、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許第5,714,350号および第6,350,861号にさらに詳しく記載されている。
さらにまたはあるいは、フコシル残基量の低下した低フコシル化Fc変異体またはバイセクティングGlcNAc構造の増加したFc変異体などの改変されたグリコシル化パターンを有するADCを作ることができる。かかる改変されたグリコシル化パターンは抗体のADCC能力を増加することが実証されている。かかる糖鎖改変は、例えば、グリコシル化機構の改変された宿主細胞において抗体を発現させることにより達成することができる。グリコシル化機構の改変された細胞は当技術分野で記載されているので、その宿主細胞で本発明の遺伝子組換え抗体を発現してそれによりグリコシル化の改変された抗体を産生することができる。例えば、それぞれが本明細書に参照によりその全てが組み入れられるShields、R.L.ら (2002) J. Biol. Chem. 277:26733-26740; Umanaら (1999) Nat. Biotech. 17:176-1、ならびに、欧州特許EP 1,176,195;PCT公報WO 03/035835;WO 99/54342を参照されたい。
本発明はまた、抗体依存性の細胞が介在する細胞傷害活性(ADCC)の増加したFc変異体である抗体を包含する。かかるFc変異体抗体の限定するものでない例は、それぞれ本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許出願第11/203,253号(2005年8月15日出願されかつ米国特許出願第2006/0039904A1号として公開された)および11/203,251(2005年8月15日出願)、およびU.S.ProvisionalPatentApplications60/674,674(2005年4月26日出願)および60/713,711(2005年9月6日出願)に開示されている。
抗体コンジュゲート
本発明は、標的化部分と抗EphA2または抗EphA4作用薬の両方の融合タンパク質を作製するために、異種薬剤と、遺伝子組換えで融合したまたは化学的にコンジュゲートした(共有結合および非共有結合の両方を含む)抗体またはその断片の使用を包含する。異種薬剤はポリペプチド(またはその部分、好ましくは少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90または少なくとも100アミノ酸のポリペプチド)、核酸、小分子(1000ダルトン未満)、または無機もしくは有機化合物であってもよい。融合は、必ずしも直接的でなくてよく、リンカー配列を介して生じていてもよい。異種薬剤と融合またはコンジュゲートした抗体をin vivoで用いて当技術分野で公知の方法を用いて障害の進行を検出、治療、管理、またはモニターすることができる。例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる国際公開WO 93/21232;EP 439,095;Naramuraら, 1994, Immunol. Lett. 39:91-99;米国特許第5,474,981号;Gilliesら, 1992, PNAS 89:1428-1432;およびFellら, 1991, J. Immunol. 146:2446-2452を参照されたい。ある実施形態では、検出、治療、管理、またはモニターすべき障害は、EphA2またはEphA4を過剰発現する悪性の癌である。他の実施形態では、検出、治療、管理、またはモニターすべき障害は、EphA2またはEphA4を過剰発現する細胞を伴う前癌状態である。特定の実施形態では、前癌状態は、ハイグレードの前立腺上皮内新生物(PIN)、乳房の線維腺腫、線維嚢胞症、または複合母斑である。
本発明は、抗体断片と融合またはコンジュゲートした異種薬剤をさらに含んでなる組成物を含む。例えば、異種ポリペプチドを、Fab断片、Fd断片、Fv断片、F(ab)2断片、もしくはその部分と融合またはコンジュゲートしてもよい。ポリペプチドを抗体部分と融合またはコンジュゲートする方法は、当技術分野で公知である。例えば、その全体が参照により組み込まれている米国特許第5,336,603号、第5,622,929号、第5,359,046号、第5,349,053号、第5,447,851号、および第5,112,946;EP 307,434;EP 367,166;国際公開WO 96/04388およびWO 91/06570;Ashkenaziら, 1991, PNAS 88:10535〜10539;Zhengら, 1995, J. Immunol. 154:5590〜5600;およびVilら, 1992, PNAS 89:11337〜11341を参照されたい。
例えば、EA2-5、Eph099B-102.147、Eph099B-208.261、Eph099B-210.248、Eph099B-233.152、表2または3、または図1〜59に掲げた抗体、またはEA44のいずれか(またはいずれかの他のEphA2/EphA4アゴニスト性抗体またはEphA2/EphA4癌細胞表現型を阻害する抗体または曝されたEphA2/EphA4エピトープ抗体またはEphA2もしくはEphA4と3X10-3s-1未満のKoffで結合するEphA2/EphA4抗体)のさらなる融合タンパク質を、遺伝子シャッフリング、モチーフシャッフリング、エキソンシャッフリング、および/またはコドンシャッフリング(総称として「DNAシャッフリング」と呼ばれる)の技法を通して作製することができる。DNAシャフリングを使用すると、本発明の抗体またはその断片(例えば、親和性が高く、解離速度が低い抗体またはその断片)の活性を変化させることができる。一般に、米国特許第5,605,793号;第5,811,238号;第5,830,721号;第5,834,252号;および第5,837,458号、ならびにPattenら, 1997, Curr. Opinion Biotechnol. 8:724-33;Harayama, 1998, Trends Biotechnol. 16:76;Hanssonら, 1999, J Mol. Biol. 287:265;およびLorenzoおよびBlasco, 1998, BioTechniques 24:308(これらの特許および刊行物は本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)を参照されたい。抗体もしくはその断片、またはコードされた抗体もしくはその断片は、組換えを行う前に、エラー-プローンPCR、ランダム・ヌクレオチド挿入、または他の方法によるランダム変異誘発で処理することによって改変することができる。抗体または抗体断片をコードするポリヌクレオチドの1以上の部分であってEphA2もしくはEphA4に特異的に結合する前記部分を、1以上の異種薬剤の1以上の構成成分、モチーフ、切片、一部、ドメイン、断片などと組み換えることができる。
一実施形態において、本発明の抗体またはその断片もしくは変異体をペプチドなどのマーカー配列とコンジュゲートして精製を容易にすることができる。ある特定の実施形態において、マーカーアミノ酸配列は、市販される多くの他のものなかでも、pQEベクター(QIAGEN, Inc., 9259 Eton Avenue, Chatsworth, CA, 91311)中に提供されるタグのようなヘキサヒスチジン・ペプチドである。Gentzら, 1989, PNAS 86:821に記載のとおり、例えば、ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の精製に好都合である。精製に有用な他のペプチド・タグには、限定されるものでないが、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する赤血球凝集素「HA」タグ(Wilsonら, 1984, Cell 37:767)および「フラグ」タグが含まれる。
他の実施形態において、本発明の抗体またはその断片もしくは変異体は、診断または検出可能な物質とコンジュゲートする。かかる抗体は、特定の治療の効力の確認などの臨床試験手順の一部として、癌の発生または進行をモニターまたは予測するのに有用でありうる。さらに、かかる抗体は、EphA2もしくはEphA4を過剰発現する細胞に関連する前癌状態(例えば、ハイグレードの前立腺上皮内新生物(PIN)、乳房の線維腺腫、線維嚢胞症、または複合母斑)の発生または進行をモニターまたは予測するのに有用でありうる。一実施形態において、露出EphA2もしくはEphA4エピトープ抗体を、診断または検出可能な物質とコンジュゲートする。
かかる診断および検出は抗体を検出可能な物質とカップリングすることによって実施することができ、前記検出可能な物質としては、限定されるものでないが、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼなどの様々な酵素;限定されるものでないが、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンなどの補欠分子族;限定されるものでないが、ウンベリフェロン、フルオレセイン、イソチオシアン酸フルオレセイン、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンなどの蛍光物質;限定されるものでないが、ルミノールなどの発光物質;限定されるものでないが、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンなどの生物発光物質;限定されるものでないが、ビスマス(213Bi)、炭素(14C)、クロム(51Cr)、コバルト(57Co)、フッ素(18F)、ガドリニウム(153Gd、159Gd)、ガリウム(68Ga、67Ga)、ゲルマニウム(68Ge)、ホルミウム(166Ho)、インジウム(115In、113In、112In、111In)、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、ランタン(140La)、ルテチウム(177Lu)、マンガン(54Mn)、モリブデン(99Mo)、パラジウム(103Pd)、リン(32P)、プラセオジム(142Pr)、プロメチウム(149Pm)、レニウム(186Re、188Re)、ロジウム(105Rh)、ルテニウム(97Ru)、サマリウム(153Sm)、スカンジウム(47Sc)、セレン(75Se)、ストロンチウム(85Sr)、硫黄(35S)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、スズ(113Sn、117Sn)、トリチウム(3H)、キセノン(133Xe)、イッテルビウム(169Yb、175Yb)、イットリウム(90Y)、亜鉛(65Zn)などの放射性物質;様々な陽電子放出断層撮影法を用いる陽電子放出金属および非放射性常磁性金属イオンが挙げられる。
他の実施形態において、本発明の抗体またはその断片もしくは変異体は、細胞毒などの治療薬、例えば、細胞増殖抑制剤または細胞破壊剤、または治療薬、または放射性金属イオン、例えばα放射体とコンジュゲートする。細胞毒すなわち細胞傷害薬は、細胞に有害ないずれかの物質を含む。例としては、パクリタキセル、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、エピルビシン、およびシクロホスファミド、ならびにこれらの類似体または相同体が挙げられる。治療薬としては、限定されるものでないが、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパ(thioepa)クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BCNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロトスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシスジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前のダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC)、および有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられる。
一実施形態において、細胞傷害薬はエネジイン、レキシトロプシン、デュオカルマイシン、タキサン、ピューロマイシン、ドラスタチン、メイタンシノイド、およびビンカアルカロイドからなる群より選択される。他の実施形態において、細胞傷害性薬はパクリタキセル、ドセタキセル、CC-1065、SN-38、トポテカン、モルホリノ-ドキソルビシン、リゾキシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、ドラスタチン-10、エキノマイシン、コンブレタスタチン、カリケマイシン、メイタンシン、DM-1、アウリスタチンまたは他のドラスタチン誘導体、例えばアウリスタチンEまたはアウリスタチンF、AEB、AEVB、AEFP、MMAE(モノメチルアウリスタチンE)、MMAF(モノメチルアウリスタチンF)、エルーテロビンまたはネトロプシンである。MMAEおよびMMAFの構造を図25〜27に掲げた。
さらに他の実施形態において、本発明のADCの細胞傷害薬は抗チューブリン剤である。さらに特定の実施形態において、細胞傷害薬はビンカアルカロイド、ポドフィロトキシン、タキサン、バッカチン誘導体、クリプトフィシン、メイタンシノイド、コンブレタスタチン、およびドラスタチンからなる群より選択される。さらに特定の実施形態において、細胞傷害薬はビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、VP-16、カンプトセシン、パクリタキセル、ドセタキセル、エピシロンA、エピシロンB、ノコダゾール、コルヒチン、コルチミド、エストラムスチン、セマドチン、ジスコデルモリド、メイタンシン、DM-1、アウリスタチンまたは他のドラスタチン誘導体、例えばアウリスタチンEまたはアウリスタチンF、AEB、AEVB、AEFP、MMAE(モノメチルアウリスタチンE)、MMAF(モノメチルアウリスタチンF)、エルーテロビンまたはネトロプシンである。
特定の実施形態において、本発明のADCの細胞傷害薬はMMAEである。他の特定の実施形態において、本発明のADCの細胞傷害薬はAEFPである。さらなる特定の実施形態において、本発明のADCの細胞傷害薬はMMAFである。
毒素、スペーサー、リンカー、ストレッチャーなどの例、およびそれらの構造は、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許出願公開第2006/0074008A1号、第2005/0238649A1号、第2005/0123536A1号、第2005/0180972A1号、第2005/0113308A1号、第2004/0157782A1号、米国特許第6,884,869B2号、米国特許第5,635,483号に記載されている。
本明細書に考察したように、本発明のADCとのコンジュゲーションに用いる薬物は、通常の化学治療薬、例えばドキソルビシン、パクリタキセル、メルファラン、ビンカアルカロイド、メトトレキセート、マイトマイシンC、エトポシドその他を含みうる。さらに、強力な薬剤、例えばCC-1065類似体、カリキアマイシン、メイタンシン、ドラスタチン10の類似体、リゾキシン、およびパリトキシンを、条件的に安定なリンカーを用いてADCと連結して強力な免疫コンジュゲートを形成させてもよい。
ある特定の実施形態において、本発明のADCはEphA2もしくはEphA4を発現する細胞上でドキソルビシンより少なくとも40倍以上強力である薬物を含む。かかる薬物としては、限定されるものでないが、エネジイン(エネジイン)およびレキシトロプシンを含むDNAマイナーグルーブバインダー、デュオカルマイシン、タキサン(パクリタキセルおよびドセタキセルを含む)、ピューロマイシン、ビンカアルカロイド、CC-1065、SN-38、トポテカン、モルホリノ-ドキソルビシン、リゾキシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、エチノマイシン(エキノマイシン)、コンブレタスタチン、ネトロプシン、エピシロンAおよびB、エストラムスチン、クリプトフィシン、セマドチン、マイタンシノイド、ドラスタチン、例えば、アウリスタチンE、ドラスタチン10、MMAE、MMAF、ジスコデルモリド、エルーテロビン、およびミトキサントロンが挙げられる。
ある特定の実施形態において、本発明のADCはエネジイン(エネジイン)部分を含む。特定の実施形態において、エネジイン(エネジイン) 部分はカリケマイシンである。エネジイン化合物はBergman環化を介してジラジカルを作製することにより2本鎖DNAを切断する。
他の特定の実施形態において、細胞傷害性または細胞分裂停止剤はアウリスタチンEまたはアウリスタチンF、またはその誘導体である。さらなる実施形態において、アウリスタチンE誘導体はアウリスタチンEとケト酸の間で生成するエステルである。例えば、アウリスタチンEをp-アセチル安息香酸またはベンゾイル吉草酸と反応させてそれぞれAEBおよびAEVBを作ることができる。他のアウリスタチン誘導体にはMMAE、MMAF、およびAEFPが含まれる。
ドラスタチン-10としても当技術分野で知られるアウリスタチンE、およびその誘導体の合成と構造は、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許出願公開第2003/0083263 A1号および第2005/0009751 A1号;国際特許出願公開PCT/US02/13435、米国特許第6,323,315号;第6,239,104号、第6,034,065号、第5,780,588号、第5,665,860号、第5,663,149号、第5,635,483号、第5,599,902号、第5,554,725号、第5,530,097号、第5,521,284号、第5,504,191号、第5,410,024号、第5,138,036号、第5,076,973号、第4,986,988号、第4,978,744号、第4,879,278号、第4,816,444号および第4,486,414号に記載されている。
特定の実施形態において、薬物はDNAマイナーグルーブバインダーである。かかる化合物の例およびそれらの合成は、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許第6,130,237号に記載されている。ある特定の実施形態において、その薬物はCBI化合物である。
本発明のある特定の実施形態において、本発明のADCは抗チューブリン薬を含む。抗チューブリン薬は十分確立された癌治療化合物のクラスである。抗チューブリン薬の例には、限定されるものでないが、タキサン(例えば、タキソール.RTM.(パクリタキセル)、ドセタキセル)、T67(Tularik)、ビンカス、およびアウリスタチン(例えば、アウリスタチンE、AEB、AEVB、MMAE、MMAF、AEFP)が含まれる。このクラスに含まれる抗チューブリン薬はまた、ビンクリスチンおよびビンブラスチンを含むビンカアルカロイド、ビンデシンおよびビノレルビン;パクリタキセルおよびドセタキセルなどのタキサンおよびバッカチン誘導体、エピシロンAおよびB、ノコダゾール、コルヒチンおよびコルチミド、エストラムスチン、クリプトフィシン、セマドチン、メイタンシノイド、コンブレタスタチン、ドラスタチン、ジスコデルモリドおよびエルーテロビンがある。
特定の実施形態において、薬物はメイタンシノイド、抗チューブリン薬の1グループである。さらに特定の実施形態において、薬物はメイタンシノイドである。さらに、特定の実施形態において、細胞傷害性または細胞分裂停止剤はDM-1である(ImmunoGen, Inc.;Chariら 1992、Cancer Res 52:127-131も参照されたい)。メイタンシン、天然産物はチューブリン重合を阻害し、有糸分裂のブロックおよび細胞死をもたらす。従って、メイタンシンの作用機構はビンクリスチンおよびビンブラスチンの作用機構に類似していると思われる。メイタンシンは、しかし、ビンカアルカロイドより約200〜1,000倍以上のin vitro細胞傷害性である。他の特異的実施形態において、薬物はAEFPである。
本発明のある特定の実施形態において、薬物は50、100または200以上のアミノ酸のポリペプチド、例えば毒素でない。本発明の特定の実施形態において、薬物はリシン(ricin)でない。
本発明の他の特定の実施形態において、本発明のADCは1以上の細胞傷害性または細胞分裂停止剤、すなわち、次の相互に排他的でないクラスの薬剤を含まない:アルキル化剤、アントラサイクリン、抗生物質、葉酸代謝拮抗薬、抗代謝物、抗チューブリン薬、アウリスタチン、化学療法増感剤、DNAマイナーグルーブバインダー、DNA複製インヒビター、デュオカルマイシン、エトポシド、フッ素化ピリミジン、レキシトロプシン、ニトロソウレア、プラチノール、プリン抗代謝物、ピューロマイシン、放射線増感剤、ステロイド、タキサン、トポイソメラーゼインヒビター、ビンカアルカロイド、プリンアンタゴニスト、およびジヒドロ葉酸レダクターゼインヒビター。さらに特定の実施形態において、高い効能の薬物は1以上のアンドロゲン、アントラマイシン(AMC)、アスパラギナーゼ、5-アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ブスルファン、ブチオニンスルホキシミン、カンプトセシン、カルボプラチン、カルムスチン(BSNU)、CC-1065、クロランブシル、シスプラチン、コルヒチン、シクロホスファミド、シタラビン、シチジンアラビノシド、サイトカラシンB、ダカルバジン、ダクチノマイシン(旧名アクチノマイシン)、ダウノルビシン、デカルバジン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エストロゲン、5-フルオロデオキシウリジン、5-フルオロウラシル、グラミシジンD、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミン、メルファラン、6-メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトラマイシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ニトロイミダゾール、パクリタキセル、プリカマイシン、プロカルビジン、ストレプトゾトシン、テノポシド、6-チオグアニン、チオTEPA、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン.VP-16、VM-26、アゾチオプリン、マイコフェノール酸モフェチル、メトトレキセート、アシクロビル、ガングシクロビウル、ジドブジン、ビダラビン、リババリン、アジドチミジン、シチジンアラビノシド、アマンタジン、ジデオキシウリジン、ヨードデオキシウリジン、ポスカルネット、およびトリフルリジンでない。
ある特定の実施形態において、細胞傷害性または細胞分裂停止剤はドラスタチンである。さらに特定の実施形態において、ドラスタチンはアウリスタチンクラスのクラスである。本発明の特定の実施形態において、細胞傷害性または細胞分裂停止剤はMMAEである。本発明の他の特定の実施形態において、細胞傷害性または細胞分裂停止剤はAEFPである。本発明の他の特定の実施形態において、細胞傷害性または細胞分裂停止剤はMMAFである。
他の実施形態において、本発明の抗体またはその断片もしくは変異体は所与の生物学的応答を改変する治療薬または薬物部分とコンジュゲートする。治療薬または薬物部分は古典的な化学治療薬に限定されると推量してはならない。例えば、前記薬物部分は所望の生物学的活性を所持するタンパク質またはポリペプチドであってもよい。かかるタンパク質としては、例えば、毒、例えばアブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、コレラ毒、またはジフテリア毒素;タンパク質、例えば腫瘍壊死因子、α-インターフェロン、β-インターフェロン、神経成長因子、血小板由来の成長因子、組織プラスミノーゲンアクチベーター、アポトーシス剤、例えば、TNF-α、TNF-β、AIMI(国際特許公開WO97/33899を参照)、AIMII(国際特許公開WO97/34911を参照)、Fasリガンド(Takahashiら, 1994, J. Iminunol., 6:1567)、およびVEGf(国際特許公開WO99/23105を参照)、血栓薬または抗血管形成薬、例えば、アンギオスタチンまたはエンドスタチン;または、生物学的応答改変因子例えば、リンホカイン(例えば、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン-15(IL-15)、インターロイキン-12(IL-12)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、および顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF))、または成長因子(例えば、成長ホルモン(GH))を挙げることができる。
他の実施形態においては、本発明の抗体またはその断片もしくは変異体を、放射性材料(上記の例えば、放射性材料を参照)または放射性金属イオンとコンジュゲートするために有用な大環状キレーターなどの治療薬とコンジュゲートする。ある特定の実施形態において、大環状キレーターは、リンカー分子を介して抗体に付着しうる1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N',N'',N''-四酢酸(DOTA)である。本明細書で以下にさらに考察する、かかるリンカー分子は、当技術分野で公知であり、それぞれ本明細書に参照によりその全てが組み入れられるDenardoら, 1998, Clin Cancer Res. 4 : 2483-90;Petersonら, 1999, Bioconjug. Chem. 10 : 553;およびZimmermanら, 1999, Nucl. Med. Biol. 26 : 943-50に記載されている。
特定の実施形態において、コンジュゲートされる抗体は、好ましくは、癌細胞上に曝されたEphA2もしくはEphA4エピトープと結合するが非癌細胞と結合しないEphA2もしくはEphA4抗体(すなわち、曝されたEphA2もしくはEphA4エピトープ抗体)である。他の特定の実施形態において、コンジュゲートした抗体はEA2またはEA4ではない。他の特定の実施形態において、コンジュゲートした抗体はEA44ではない。
治療部分を抗体にコンジュゲートする技法は周知である。治療部分を当技術分野で公知のいずれの方法により抗体とコンジュゲートしてもよく、その方法としては、限定されるものでないが、アルデヒド/シッフ結合、スルフヒドリル結合、酸不安定性結合、cis-アコニチル(aconityl)結合、ヒドラゾン結合、酵素分解性結合が挙げられる(一般的にはGarnett, 2002, Adv. Drug Deliv. Rev. 53:171-216を参照)。治療成分を抗体にコンジュゲートする他の技法も周知であり、例えば、Arnonら, 「癌治療における薬物の免疫標的化用のモノクローナル抗体(Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy)」, Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy, Reisfeldら(編), 243〜56(Alan R. Liss, Inc. 1985);Hellstromら、「薬物送達用抗体(Antibodies For Drug Delivery)」、Controlled Drug Delivery(第2版)、Robinsonら(編)、623〜53(Marcel Dekker, Inc. 1987);Thorpe、「癌治療における細胞傷害薬の抗体担体(Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer THerapy:A Review)」, Monoclonal Antibodies '84:Biological And Clinical Applications, Pincheraら(編), 475〜506(1985);「癌治療における放射性抗体に治療利用の分析、結果、および将来展望(Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy)」, Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy, Baldwinら(編), 303〜16(Academic Press 1985);およびThorpeら, 1982, Immunol. Rev. 62:119〜58を参照のこと。抗体をポリペプチド成分に融合またはコンジュゲートする方法は、当技術分野で公知である。例えば、米国特許第5336603号、第5622929号、第5359046号、第5349053号、第5447851号、および第5112946号;EP 307434;EP 367166;国際公開WO 96/04388およびWO 91/06570;Ashkenaziら、1991、PNAS 88:10535〜10539;Zhengら、1995、J. Immunol. 154:5590〜5600;およびVilら、1992、PNAS 89:11337〜11341を参照のこと。抗体の治療部分との融合は、必ずしも直接的でなくてもよく、リンカー配列を介して生じてもよい。こうしたリンカー分子は、当技術分野で一般に知られており、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる、Denardoら, 1998, Clin Cancer Res. 4:2483〜90;Petersonら, 1999, Bioconjug. Chem. 10:553;Zimmermanら, 1999, Nucl. Med. Biol. 26:943〜50;Garnett, 2002, Adv. Drug Deliv. Rev. 53:171〜216に記載されている。
本発明のADCにより標的化される細胞の外側での薬剤活性を最小にするために2つの方法を取ることができる:まず、細胞膜に結合するが可溶性EphA2もしくはEphA4と結合しない抗体を用いることによって、薬物(プロドラッグ変換酵素の作用によって生じる薬物を含む)を活性化リンパ球の細胞表面に濃縮させることができる。本発明の抗体と結合した薬物の活性を最小化するさらに好ましい方法は、薬物が加水分解されるかまたは抗体から切り離されることなくその活性を低下しうる方式で薬物とコンジュゲートすることである。かかる方法は、活性化リンパ球の細胞表面の環境(例えば活性化リンパ球の細胞表面に存在するプロテーゼ活性)または前記コンジュゲートが活性化リンパ球に取り込まれるときに遭遇する活性化リンパ球内の環境(例えば、エンドソーム環境またはpH感受性またはプロテアーゼ感受性による、リソソーム環境)に対して感受性のあるリンカーによる薬剤と抗体との結合を利用する。本発明で利用しうるリンカーの例は、それら全てが本明細書に参照によりその全文が組み入れられる米国特許出願第2005/0123536 A1号、第2005/0180972 A1号、第2005/0113308 A1号、第2004/0157782 A1号、および米国特許第6,884,869 B2号に開示されている。
一実施形態において、リンカーはリソソーム内で加水分解される酸不安定性ヒドラゾンまたはヒドラジド基である(例えば、米国特許第5,622,929を参照)。他の実施形態においては、薬物をcis-アコニチン酸アミド(aconitic amide)、オルトエステル、アセタールおよびケタールなどの、他の酸不安定性リンカーを介して抗体と結合することができる(DubowchikおよびWalker, 1999, Pharm. Therapeutics 83: 67-123;Nevilleら, 1989, Biol. Chem. 264: 14653-14661)。かかるリンカーは、血中条件などの中性pH条件下では比較的安定であるが、pH 5以下、すなわち、リソソームに近いpHでは不安定である。
他の実施形態においては、薬物は細胞内プロテアーゼによって切断されるペプチドスペーサーを用いて本発明の抗体と結合する。標的酵素にはカテプシンBおよびDならびにプラスミンが含まれ、これら全てはジペプチドドラッグ(dipeptide drug)誘導体を加水分解して、標的細胞の内側で活性の薬物の放出をもたらすことが知られている(DubowchikおよびWalker, 1999, Pharm. Therapeutics 83: 67-123)。細胞内プロテアーゼ分解薬物放出を用いることの利点は、コンジュゲートしたときに薬物が非常に弱毒化されかつコンジュゲートの血清安定性が極めて高くなりうることである。
さらに他の実施形態では、このリンカーはマロネートリンカー(Johnsonら, 1995, Anticancer Res. 15: 1387-93)、マレイミドベンゾイルリンカー(Lauら, 1995, Bioorg-Med-Chem. 3(10) : 1299-1304)または3-N-アミド類似体(Lauら, 1995, Bioorg-Med-Chem. 3 (10): 1305-12)である。
以上考察したように、ADCは一般的にはリンカーを介して薬剤と抗体とをコンジュゲートすることにより作られる。したがって、抗EphA2もしくはEphA4抗体と高い効能の薬物および/または内在化促進剤を含む本発明のADCの大多数はさらにリンカーを含む。当技術分野で公知のいずれのリンカー、例えば、二官能性剤(ジアルデヒドもしくはイミドエステルなど)または分岐鎖ヒドラゾンリンカー(例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許第5,824,805を参照)を本発明のADCに使用することができる。
本発明のある特定の、限定するものでない実施形態において、ADCの薬物部分と抗体部分との間のリンカー領域は、特定の条件下で切断可能であり、その際、リンカーの切断または加水分解により、抗体部分から薬物部分が放出される。好ましくは、このリンカーは細胞内条件下で切断または加水分解に対して感受性である。
一実施形態において、ADCの薬物部分と抗体部分との間のリンカー領域は、pHがある特定値だけ変化するかまたはある特定値を超えれば加水分解しうる。本発明の他の実施形態では、リンカーはリソソームの環境において、例えば酸性条件下(すなわち約5〜5.5以下のpH)で切断しうる。他の実施形態において、このリンカーはペプチジルリンカーであって、限定されるものでないが、リソソームプロテアーゼ酵素、膜関連プロテアーゼ、細胞内プロテアーゼまたはエンドソームプロテアーゼを含むペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素によって切断される。典型的には、このリンカーは少なくとも2アミノ酸の長さであり、さらに典型的には少なくとも3アミノ酸の長さである。EphA2もしくはEphA4を発現する癌に存在する酵素によって切断可能なペプチジルリンカーが好ましい。例えば、カテプシンB(癌性細胞で高度に発現されるチオール依存性プロテアーゼ)によって切断可能なペプチジルリンカー(例えばGly-Phe-Leu-Glyリンカー)を使用することができる。他のかかるリンカーは、例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許第6,214,345に記載されている。
本発明の他の非相互排他的な実施形態において、本発明のADCの抗EphA2もしくはEphA4抗体と薬物をコンジュゲートするリンカーは細胞内在化を促進する。ある特定の実施形態において、ADCのリンカー-薬物部分は細胞内在化を促進する。ある特定の実施形態においては、リンカーをADC全体の構造が細胞内在化を促進するように選択する。
本発明の特定の実施形態においては、バリン-シトルリンの誘導体がリンカーとして使用される(val-citリンカー)。ドキソルビシンとval-citリンカーとの合成は既に記載されている(本明細書に参照によりその全てが組み入れられるDubowchikおよびFirestoneの米国特許第6,214,345号を参照)。
さらなる特定の実施形態において、リンカーはマレイミドカプロイル-シトルリン・リンカーまたはマレイミドカプロイル-バリン-シトルリン・リンカーである。
他の特定の実施形態において、リンカーはphe-lysリンカーである。
他の特定の実施形態において、リンカーはでチオエーテル・リンカーある(例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられるWillnerらの米国特許第5,622,929号を参照)。
さらに他の特定の実施形態において、リンカーはヒドラゾン・リンカーである(本明細書に参照によりその全てが組み入れられるGreenfieldらの米国特許第5,122,368号を参照)。
さらに他の特定の実施形態において、リンカーはジスルフィド・リンカーである。様々なジスルフィド・リンカーが当業界で知られており、限定されるものでないが、SATA(N-スクシンイミジル-S-アセチルチオアセテート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオナート)、SPDB(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチラート)およびSMPT(N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン)を用いて形成することができるものが含まれる。SPDBおよびSMPT(例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられるThorpeら, 1987, Cancer Res., 47:5924-5931;Wawrzynczakら, l987, In Immunoconjugates : Antibody Conjugates in Radioimagery and Therapy of Cancer,編. C. W. Vogel, Oxford U. Press, pp.28-55を参照;またThorpeらの米国特許第4,880,935も参照されたい)。
本発明の組成物および方法とともに使用できる様々なリンカーが、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許出願公開第US 2004/0018194 A1号に記載されている。
本発明のさらに他の実施形態において、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体-リンカー-薬物コンジュゲート(抗EphA2もしくは抗EphA4 ADC)のリンカーユニットは、細胞傷害剤または細胞分裂停止剤(薬剤ユニット;-D)と抗EphA2もしくは抗EphA4抗体ユニット(-A)を結合する。本明細書で使用される用語「抗EphA2もしくは抗EphA4 ADC」は、リンカーユニットを含む抗EphA2もしくは抗EphA4抗体-薬剤コンジュゲートおよびリンカーユニットを含まない抗EphA2もしくは抗EphA4抗体-薬剤コンジュゲートを包含する。ある特定の実施形態において、リンカーユニットは一般式:
-Ta-Ww-Yy-を有し、
ここで、
-T-はストレッチャーユニットであり;
aは0または1であり;
それぞれの-W-は独立してアミノ酸ユニットであり;
wは独立して2〜12の整数であり;
-Y-はスペーサーユニットであり;そして
yは0、1または2である。
ストレッチャーユニット(-T-)は、存在する場合、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体ユニットをアミノ酸ユニット(-W-)と結合する。天然にまたは化学操作を介して抗EphA2もしくは抗EphA4抗体上に存在しうる有用な官能基には、限定されるものでないが、スルフヒドリル基、アミノ基、ヒドロキシル基、糖鎖のアノマーヒドロキシル基、およびカルボキシル基が含まれる。好ましい官能基はスルフヒドリル基とアミノ基である。スルフヒドリル基は、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体の分子内ジスルフィド結合の還元によって生じうる。あるいはスルフヒドリル基は、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体のリシン部分のアミノ基の、2−イミノチオラン(Traut試薬)または他のスルフヒドリル生成試薬との反応によって生じうる。特定の実施形態において、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体は組換え抗体であり、1以上のリシンを持つように遺伝子操作される。他の実施形態において、組換え抗EphA2もしくは抗EphA4抗体はさらなるスルフヒドリル基、例えばさらなるシステインを持つように操作される。
ある特定の実施形態において、ストレッチャーユニットは、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体ユニットの硫黄原子との結合を生じる。硫黄原子は、還元された抗EphA2もしくは抗EphA4抗体(A)のスルフヒドリル(-SH)基から誘導することができる。ある特定の他の実施形態において、ストレッチャーユニットは、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体ユニットの硫黄原子とストレッチャーユニットの硫黄原子との間のジスルフィド結合を介して抗EphA2もしくは抗EphA4抗体ユニット(A)と連結される。
さらに他の特定の実施形態において、ストレッチャーの反応基は、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体のアミノ基に対して反応性でありうる反応部位を含む。アミノ基はアルギニンまたはリシンのものであってもよい。好適なアミン反応部位には、限定されるものでないが、スクシンイミドエステル、4−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、酸無水物、酸塩化物、スルホニルクロリド、イソシアネートおよびイソチオシアネートなどの、活性化エステルが含まれる。
本発明のさらに他の態様において、ストレッチャーの反応性官能基は、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体上に存在し得る修飾された糖鎖基に対して反応性である反応部位を含む。1つの特定の実施形態において、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体は酵素によってグリコシル化されて糖鎖部分を与える。糖鎖は過ヨウ素酸ナトリウムなどの試薬によって穏やかに酸化することができ、得られる酸化糖鎖のカルボニルユニットを、例えばKaneko, Tら, Bioconjugate Chem 1991, 2, 133-41に記載されたヒドラジン、オキシム、反応性アミン、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、カルボン酸ヒドラジン、およびアリールヒドラジンなどの官能基を含有するストレッチャーと縮合することができる。
アミノ酸ユニット(-W-)は、スペーサーユニットが存在すればストレッチャーユニット(-T-)とスペーサーユニット(-Y-)を連結し、そしてスペーサーユニットがなければストレッチャーユニットと細胞静止剤または細胞傷害剤(薬剤ユニット;D)を連結する。
-Ww-は、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド、デカペプチド、ウンデカペプチドまたはドデカペプチドユニットである。リンカーユニットのアミノ酸ユニットは、限定されるものでないが、腫瘍関連プロテアーゼを含む酵素によって酵素切断されて、薬剤ユニット(-D)を放出し、これが放出時にin vivoでプロトン化されて細胞傷害剤(D)を与える。
一実施形態において、アミノ酸ユニットはフェニルアラニン−リシンジペプチド(phe-lysまたはFKリンカー)である。他の実施形態において、アミノ酸ユニットは、バリン−シトルリンジペプチド(val-citまたはVCリンカー)である。
スペーサーユニット(-Y-)は、存在する場合、アミノ酸ユニットと薬剤ユニットを連結する。スペーサーユニットは2つの一般的な型:自壊型(self-immolative)および非自壊型(non self-immolative)をもつ。非自壊型のスペーサーユニットは、スペーサーユニットの一部または全てが、抗EphA2もしくは抗EphA4抗体−リンカー−薬剤コンジュゲートまたは薬剤−リンカー化合物からアミノ酸ユニットが酵素切断された後に薬剤と結合したままである。非自壊型のスペーサーユニットには、限定されるものでないが、(グリシン−グリシン)スペーサーユニットおよびグリシンスペーサーユニットが含まれる。グリシン−グリシンスペーサーユニットまたはグリシンスペーサーユニットを含む本発明の抗EphA2もしくは抗EphA4抗体−リンカー薬剤コンジュゲートが腫瘍細胞関連プロテアーゼを介した酵素切断を受ける場合、グリシン−グリシン−薬物部分またはグリシン−薬物部分がA-T-Ww-から切断される。薬物を放出するためには、独立の加水分解反応が標的細胞中で生じてグリシン−薬剤ユニットの結合を切断しなくてはならない。
自壊型スペーサーの他の例には、限定されるものでないが、2−アミノイミダゾール−5−メタノール誘導体(例えばHayら, Bioorg. Med. Chem. Lett., 1999, 9, 2237を参照)およびオルトまたはパラアミノベンジルアセタールなどのPAB群と電子的に等価な芳香族化合物が含まれる。置換されたおよび未置換の4−アミノ酪酸アミド(Rodriguesら, Chemistry Biology, 1995, 2, 223)、適切に置換された環系(Stormら, J. Amer. Chem. Soc., 1972, 94, 5815)および2−アミノフェニルプロピオン酸アミド(Amsberryら, J. Org. Chem., 1990, 55, 5867)など、アミド結合の加水分解時に容易に環化されるスペーサーを使用することができる。グリシンのα位置が置換されたアミン含有薬物の脱離も、本発明の抗体-リンカー-薬剤コンジュゲートに適用し得る自壊型スペーサー計画の例である。
特定の実施形態においては本発明のADCの抗EphA2もしくはEphA4抗体と細胞傷害薬を、ペプチドリンカーであるリンカーを介してコンジュゲートする。特定の実施形態においては本発明のADCの抗EphA2もしくはEphA4抗体と細胞傷害薬を、val-citリンカー、phe-lysリンカー、ヒドラゾンリンカー、またはジスルフィドリンカーであるリンカーを介してコンジュゲートする。特定の実施形態においては本発明のADCの抗EphA2もしくはEphA4抗体と細胞傷害薬を、ペプチドリンカーを介してコンジュゲートする。
ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは抗EphA2-バリン-シトルリン-MMAE(抗EphA2-val-cit-MMAEまたは抗EphA2-vc-MMAE)、または抗EphA2-バリン-シトルリン-MMAF、または抗EphA2-マレイミドカプロイル-シトルリン-MMAE、または抗EphA2-マレイミドカプロイル-シトルリン-MMAF、または抗EphA2-バリン-シトルリン-AEFP(抗EphA2-val-cit-AEFPまたは抗EphA2-vc-AEFP)である。特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートはG5-バリン-シトルリン-MMAE(G5-val-cit-MMAEまたはG5-vc-MMAE)またはG5-バリン-シトルリン-AEFP(G5-val-cit-AEFPまたはG5-vc-AEFP)である。
さらなる特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは、-バリン-シトルリン-MMAEと連結した、-バリン-シトルリン-MMAFと連結した、-マレイミドカプロイル-シトルリン-MMAEと連結した、-マレイミドカプロイル-シトルリン-MMAFと連結した、または-バリン-シトルリン-AEFPと連結した、本発明の図1〜59に開示の抗体から選択される抗体である。
ある特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは抗EphA4-バリン-シトルリン-MMAE(抗EphA4-val-cit-MMAEまたは抗EphA4-vc-MMAE)または抗EphA4-バリン-シトルリン-AEFP(抗EphA4-val-cit-AEFPまたは抗EphA4-vc-AEFP)である。
他の実施形態において、本発明のコンジュゲートは抗EphA2-フェニルアラニン-リシン-MMAE(抗EphA2-phe-lys-MMAEまたは抗EphA2-fk-MMAE)または抗EphA2-フェニルアラニン-リシン-AEFP(抗EphA2-phe-lys-AEFPまたは抗EphA2-fk-AEFP)である。
特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートはG5-フェニルアラニン-リシン-MMAE(G5-phe-lys-MMAEまたはG5-fk-MMAE)またはG5-フェニルアラニン-リシン-AEFP(G5-phe-lys-AEFPまたはG5-fk-AEFP)である。
特定の実施形態において、本発明のコンジュゲートは-フェニルアラニン-リシン-MMAEと、またはフェニルアラニン-リシン-MMAFと、または-フェニルアラニン-リシン-AEFPと連結した本発明の図1〜59に開示の抗体から選択される抗体である。
他の実施形態において、本発明のコンジュゲートは抗EphA4-フェニルアラニン-リシン-MMAE(抗EphA4-phe-lysMMAEまたは抗EphA4-fkMMAE)または抗EphA4-フェニルアラニン-リシン-AEFP(抗EphA4-phe-lys-AEFPまたは抗EphA4-fk-AEFP)である。
このように、特定の実施形態において、本発明は被験体の癌を治療する方法であって、被験体に有効な量の前記治療薬、(a)G5-val-cit-MMAE;および(b)製薬上許容される担体を含む医薬組成物を投与するステップを含んでなる前記方法を提供する。
他の特定の実施形態において、本発明は被験体の癌を治療する方法であって、被験体に有効な量の前記治療薬、(a)G5-val-cit-AEFP;および(b)製薬上許容される担体を含む医薬組成物を投与するステップを含んでなる前記方法を提供する。
他の特定の実施形態において、本発明は被験体の癌を治療する方法であって、被験体に有効な量の前記治療薬、(a)G5-val-cit-MMAF;および(b)製薬上許容される担体を含む医薬組成物を投与するステップを含んでなる前記方法を提供する。
ある特定の実施形態においては、本発明のADCの抗EphA2もしくはEphA4抗体を、5.5未満のpHで切断可能であるリンカーを介して細胞傷害薬とコンジュゲートする。ある特定の実施形態において、前記リンカーは5.0未満のpHで切断可能である。
ある特定の実施形態においては、本発明のADCの抗EphA2もしくはEphA4抗体を、プロテアーゼにより切断可能であるリンカーを介して細胞傷害薬とコンジュゲートする。ある特定の実施形態において、前記プロテアーゼはリソソームのプロテアーゼである。他の特定の実施形態において、前記プロテアーゼは、とりわけ、膜結合プロテアーゼ、細胞内プロテアーゼ、またはエンドソームのプロテアーゼである。
あるいは、抗体を第2の抗体とコンジュゲートして、本明細書に参照によりその全てが組み入れられるSegalの米国特許第4,676,980号に記載の抗体へテロコンジュゲートを形成させてもよい。
抗体はまた、特に、標的抗原のイムノアッセイまたは精製に有用である固体支持体と結合させることもできる。かかる固体支持体としては、限定されるものでないが、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンが挙げられる。
一実施形態において、本発明の抗体はいったん結合すると、細胞中に内在化し、その場合、内在化は、本明細書に記載の対照抗体より少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、または少なくとも約170%高い。
他の実施形態において、本発明の抗体はいったん結合すると、細胞中に内在化し、その場合、内在化は、本明細書に記載の対照抗体より、1〜10%、10〜20%、20〜30%、30〜40%,40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%、90〜100%、100〜110%、110〜120%、120〜130%、130〜140%、140〜150%、150〜160%、160〜170%高い。
他の実施形態において、本発明の抗体はいったん結合すると、細胞中に内在化し、その場合、内在化は、二次サポニン抗体を用いる内在化アッセイにより測定して、対照抗体より、1〜10%、10〜20%、20〜30%、30〜40%,40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%、90〜100%、100〜110%、110〜120%、120〜130%、130〜140%、140〜150%、150〜160%、160〜170%高い。
他の実施形態において、本発明の抗体は、細胞と結合すると受容体を活性化しかつ内在化し、本明細書に記載のように、ヒト心臓との組織交差反応性を示すことはない。
他の実施形態において、本発明の抗体は、細胞と結合すると受容体を活性化しかつ内在化し、本明細書に記載のように低用量で投与したときに、ヒト心臓との組織交差反応性を示すことはない。
他の実施形態において、本発明の抗体は、細胞と結合すると受容体を活性化しないが内在化し、本明細書に記載のように、ヒト心臓との組織交差反応性を示すことはない。
他の実施形態において、本発明の抗体は複数の細胞型と、平均蛍光の増加により測定して、本明細書に記載のように、対照抗体より少なくとも約10%、少なくとも約100%、少なくとも約500%、少なくとも約1000%、少なくとも約1500%、少なくとも約2000%、少なくとも約2500%、少なくとも約3000%、少なくとも約3500%、少なくとも約4000%、少なくとも約4500%、少なくとも約5000%、少なくとも約5500%、少なくとも約6000%、少なくとも約6500%、少なくとも約7000%、少なくとも約7500%、少なくとも約8000%、少なくとも約8500%、少なくとも約9000%、少なくとも約9500%または少なくとも約10000%強く結合する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、限定されるものでないが、本明細書に記載のようにA-549、Hey-A8、PC3、KC-231、Panc-02.03、SKMel.28、ACHN、496、D-145、HT-29、SKOV-3、またはSW-480を含む複数のヒト細胞型と結合する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のようにマウス細胞株CT26と特異的に結合する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、限定されるものでないが、本明細書に記載のようにF98、RG2、またはYPENを含むラット細胞と特異的に結合する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のようにマウス細胞株CT26およびラット細胞株F98およびYPENと特異的に結合する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、ラット細胞型F98およびYPENと、ラット細胞型RG2より少なくとも約2倍、約5倍、約10倍、または約100倍強く特異的に結合する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、マウス細胞型CT26と、マウス細胞型Balb/3T3またはNIH3T3より少なくとも約2倍、約5倍、約10倍、または約100倍強く、特異的に結合する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、HUVEC細胞に適用するとEphA2リン酸化を刺激する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、HUVEC細胞アッセイにおけるEphA2リン酸化を、対照抗体より少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、または少なくとも約170%強く刺激する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、限定されるものでないが、CT26および4T1を含むマウス細胞株におけるEphA2リン酸化を、対照抗体より少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、または少なくとも約170%強く刺激する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、限定されるものでないが、ラット細胞株F98におけるEphA2リン酸化を、対照抗体より少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、または少なくとも約170%強く刺激する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、限定されるものでないが、PC3およびES2を含むヒト細胞株におけるEphA2リン酸化を、対照抗体より少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、または少なくとも約170%強く刺激する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、限定されるものでないが、mEphAおよびmEphBを含むマウスEphタンパク質ファミリーと特異的に結合する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、限定されるものでないが、mEphA2およびmEphB2を含むマウスEphタンパク質ファミリーと特異的に結合する。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、in vitro IC50より少なくとも約1倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約25倍、少なくとも約100倍、または少なくとも約500倍低いIC50用量を示しうる。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、PC3細胞株に対して、KC231細胞株と比較して、少なくとも約2倍、5倍、10倍、または100倍低いIC50用量を示しうる。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、マウス異種移植モデルにおける対照抗体と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、または少なくとも約170%だけ腫瘍増殖を阻害しうる。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、マウス異種移植モデルにおける対照抗体と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、または少なくとも約170%だけ腫瘍後退を促進しうる。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、マウス異種移植モデルにおける対照抗体と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、または少なくとも約170%だけ腫瘍転移を阻害しうる。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、マウス異種移植モデルにおける対照抗体と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、または少なくとも約170%だけ腫瘍血管新生を阻害しうる。
他の実施形態において、本発明の抗体は、本明細書に記載のように、限定されるものでないが、A-549、Hey-A8、PC3、KC-231、Panc-02.03を含むヒト細胞株と、限定されるものでないがSKMel.28、ACHN、496、D-145、HT-29、SKOV-3、またはSW-480を含むヒト細胞株よりも、少なくとも約2倍、5倍、10倍、または100倍強く優先的に結合しうる。
抗体を生成する方法
抗体またはその断片は、抗体の合成についての当技術分野で公知のいずれかの方法によって、特に、化学合成、または好ましくは組換え発現技法によって生成することができる。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換え、およびファージ・ディスプレイ技法、またはその組合せの使用を含む当技術分野で公知の多種多様な技法を用いて調製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、当技術分野で公知の、および例えば、Harlowら, Antibodies:A Laboratory Manual, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed. 1988);Hammerlingら:Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas, p.563-681(Elsevier, N.Y., 1981)に教示の技法を含むハイブリドーマ技法を用いて生成することができる(前記参考文献は本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)。本明細書で使用する用語「モノクローナル抗体」はハイブリドーマ技法により生成した抗体だけに限定されない。用語「モノクローナル抗体」はいずれかの真核生物、原核生物、またはファージ・クローンを含む単一クローン由来の抗体を意味し、それを生成する方法を問わない。
ハイブリドーマ技術を使用して特定の抗体を生成し、スクリーニングする方法は、日常的な方法であり、当技術分野では周知である。概要を述べると、マウスをEphA2もしくはEphA4(全長タンパク質またはその断片、例えば細胞外ドメインまたはリガンド結合ドメイン)で免疫感作し、いったん免疫応答が検出されたなら、例えば、マウス血清中にEphA2もしくはEphA4に特異的な抗体が検出されたなら、マウスの脾臓を摘出し、脾細胞を単離する。次いで脾細胞を、周知の技法によって、いずれかの好適な骨髄腫細胞、例えばATCCから入手可能なSP20細胞系由来の細胞と融合させる。ハイブリドーマを選択し、限界希釈によってクローン化する。次いで、当技術分野で公知の方法によって、本発明のポリペプチドと結合できる抗体を分泌する細胞について、ハイブリドーマ・クローンをアッセイする。マウスを陽性のハイブリドーマ・クローンで免疫感作することによって、一般に高レベルの抗体を含む腹水を生成することができる。
従って、モノクローナル抗体は、本発明の抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養することによって生成することができ、その場合、好ましくは、前記ハイブリドーマは、EphA2もしくはEphA4またはその断片で免疫したマウスから単離した脾細胞を骨髄腫細胞と融合することによって生成し、次いで融合で得たハイブリドーマを、EphA2もしくはEphA4と結合できる抗体を分泌するハイブリドーマ・クローンについてスクリーニングする。
特定のEphA2もしくはEphA4エピトープを認識する抗体断片は、当業者に公知のいずれかの技法によって生成することができる。例えば、本発明のFabおよびF(ab')2断片は、パパイン(Fab断片を生成する酵素)またはペプシン(F(ab')2断片を生成する酵素)などの酵素を用いた免疫グロブリン分子のタンパク質分解切断によって生成することができる。F(ab')2断片は、可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCH1ドメインを含む。さらに、本発明の抗体は、当技術分野で公知の様々なファージ・ディスプレイ法を用いて生成することもできる。
ファージ・ディスプレイ法では、機能的抗体ドメインは、それらをコードするポリヌクレオチド配列を保持するファージ粒子の表面上にディスプレイされている。特に、VHおよびVLドメインをコードするDNA配列は、動物cDNAライブラリー(例えば、リンパ系組織のヒトまたはネズミcDNAライブラリー)から増幅されている。VHおよびVLドメインをコードするDNAをscFvリンカーと一緒にPCRによって組換え、ファージミド・ベクター(例えば、p CANTAB 6またはpComb 3 HSS)中にクローニングする。このベクターを大腸菌(E. coli)中にエレクトロポレーションし、その大腸菌にヘルパー・ファージを感染させる。これらの方法で使用するファージは、典型的にはfdおよびM13を含む線状ファージであり、そのVHおよびVLドメインは、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIのいずれかと通常組換え融合させる。目的のEphA2エピトープと結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、抗原、例えば、標識した抗原または固体表面もしくはビーズに結合もしくは捕捉された抗原を用いて、選択または同定することができる。本発明の抗体を作製するのに使用できるファージ・ディスプレイ法の例には、本明細書に参照によりその全てが組み入れられるBrinkmanら, 1995, J. Immunol. Methods 182:41〜50;Amesら, 1995, J. Immunol. Methods 184:177;Kettleboroughら, 1994, Eur. J. Immunol. 24:952-958;Persicら, 1997, Gene 187:9;Burtonら, 1994, Advances in Immunology 57:191〜280;国際出願PCT/GB91/01134;国際公開WO 90/02809、WO 91/10737、WO 92/01047、WO 92/18619、WO 93/11236、WO 95/15982、WO 95/20401、およびW0 97/13844;ならびに米国特許第5698426号、第5223409号、第5403484号、第5580717号、第5427908号、第5750753号、第5821047号、第5571698号、第5427908号、第5516637号、第5780225号、第5658727号、第5733743号および第5969108号に記載されている方法が挙げられる。
ファージは、EphA2の結合、特にEphA2もしくはEphA4の細胞外ドメインへの結合についてスクリーニングしてもよい。EphA2もしくはEphA4活性に対するアゴニスト作用(例えば、EphA2もしくはEphA4のリン酸化の増大、EphA2もしくはEphA4レベルの低減)または癌細胞表現型阻害活性(例えば、軟寒天中のコロニー形成または三次元基底膜中の管状ネットワーク形成またはMATRIGEL(登録商標)などの細胞外マトリックス調製の低減)または癌細胞上に曝されたEphA2もしくはEphA4エピトープとの優先的結合、しかし非癌性細胞との非結合(例えば、細胞-細胞接触においてリガンドと結合したEphA2もしくはEphA4との結合が乏しい一方、リガンドと結合してないまたは細胞-細胞接触にないEphA2もしくはEphA4との結合が良い)をスクリーニングしてもよい。
上記の参考文献に記載のように、ファージ選択の後、ファージから抗体コード領域を単離し、それを用いて、ヒト抗体を含む全抗体、またはいずれか他の所望の抗原結合断片を生成し、そして、例えば、下記に記載のように、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母、および細菌を含むいずれか所望の宿主中で発現させることができる。Fab、Fab'およびF(ab')2断片を組換え生成する技法も、国際公開WO 92/22324;Mullinaxら, 1992, BioTechniques 12:864;Sawaiら, 1995, AJRI 34:26;およびBetterら, 1988, Science 240:1041に開示された当技術分野で公知の方法を用いて行うことができる(前記参考文献は本明細書に参照によりその全てが組み入れられる)。
全抗体を生成するためには、VHまたはVLヌクレオチド配列、制限部位、および制限部位を保護するためのフランキング配列を含むPCRプライマーを使用して、scFvクローンのVHまたはVL配列を増幅させることができる。当業者に公知のクローニング技法を利用することによって、PCRで増幅したVHドメインをVH定常域、例えば、ヒトγ4定常域を発現するベクター中にクローン化することができ、PCRで増幅したVLドメインをVL定常域、例えば、ヒトκまたはλ定常域を発現するベクター中にクローン化することができる。VHまたはVLドメインを発現するためのベクターには、EF-1αプロモーター、分泌シグナル、可変ドメインのクローニング部位、定常ドメイン、およびネオマイシンなどの選択マーカーが含まれることが好ましい。VHおよびVLドメインは、必要な定常域を発現する1つのベクターにクローニングすることもできる。次いで、当業者に公知の技法を用いて、重鎖変換ベクターおよび軽鎖変換ベクターを細胞系に同時トランスフェクトして、完全長抗体、例えばIgG、を発現する安定的または一過性細胞系を生成する。
ヒトにおける抗体のin vivo使用およびin vitro検出アッセイを含むいくつかの用途では、ヒトまたはキメラ抗体を使用することが好ましいかもしれない。ヒト被験体の治療的処置にとっては全くヒト抗体が特に望ましい。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列由来の抗体ライブラリーを用いて上記のファージ・ディスプレイ法を含む当技術分野で公知の様々な方法によって作製することができる。本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国特許第4444887号および第4716111号;ならびに国際特許公開WO 98/46645、WO 98/50433、WO 98/24893、WO 98/16654、WO 96/34096、WO 96/33735、およびWO 91/10741も参照されたい。
ヒト抗体を、機能的内因性免疫グロブリンを発現できないがヒト免疫グロブリン遺伝子を発現できるトランスジェニックマウスを用いて、生成することもできる。例えば、ヒト重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体を、マウス胚幹細胞中にランダムにまたは相同組換えによって導入することができる。あるいは、ヒト可変領域、定常領域、および多様性領域を、ヒト重鎖および軽鎖遺伝子に加えてマウス胚幹細胞に導入することができる。マウス重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えよるヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入によって別々にまたは同時に非機能的にすることができる。特に、JH領域のホモ接合性欠失は、内因性抗体生成を阻害する。改変した胚幹細胞を増殖させ、胚盤胞にマイクロインジェクションしてキメラマウスを作製する。次いで、キメラマウスを繁殖させて、ヒト抗体を発現するホモ接合性子孫を作製する。トランスジェニックマウスを、選択した抗原、例えば、本発明のポリペプチドのすべてまたは一部分を用いて通常の方法で免疫感作する。該抗原に対するモノクローナル抗体は、従来のハイブリドーマ技法を用いて、その免疫化トランスジェニックマウスから得ることができる。トランスジェニックマウスが有するヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞分化の際に再配列を起こし、続いてクラス・スイッチングおよび体細胞変異を生じる。従って、このような技術を用いることによって、治療上有用なIgG、IgA、IgMおよびIgE抗体を生成することが可能である。ヒト抗体を生成するためのこの技術の概要については、LonbergおよびHuszar(1995, Int. Rev. Immunol. 13:65-93)を参照されたい。ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を生成するためのこの技法およびかかる抗体を生成するためのプロトコルの詳細な説明については、例えば、それらの全体が本明細書によって組み込まれる国際特許公開WO 98/24893、WO 96/34096、およびWO 96/33735;ならびに米国特許第5,413,923号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,569,825号、第5,661,016号、第5,545,806号、第5,814,318号、および第5,939,598を参照されたい。さらに、Abgenix, Inc.(Freemo
nt、CA)およびMedarex(Princeton、NJ)などの会社は、上記と類似の技法を用いて選択した抗原に対するヒト抗体の提供に携わることができる。
キメラ抗体は、非ヒト抗体由来の可変領域とヒト免疫グロブリン定常領域を有する抗体のように、抗体の異なる部分が異なる免疫グロブリン分子に由来する分子である。キメラ抗体を生成する方法は、当技術分野で公知である。例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられるMorrison, 1985, Science 229:1202;Oiら, 1986, BioTechniques 4:214;Gilliesら, 1989, J. Immunol. Methods 125:191-202;米国特許第6,311,415号、第5,807,715号、第4,816,567号、および第4,816,397号を参照されたい。非ヒト種に由来する1以上のCDRとヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を含むキメラ抗体は、当技術分野で公知の様々な技法、例えば、CDR移植(EP 239,400;国際公開WO 91/09967;米国特許第5,225,539号、第5,530,101号、および第5,585,089号)、張り合わせ(veneering)または再表面化(resurfacing)(EP 592,106;EP 519,596;Padlan, 1991, Molecular Immunology 28(4/5):489-498;Studnickaら, 1994, Protein Engeneering 7:805;およびRoguskaら, 1994, PNAS 91:969)、および鎖シャフリング(米国特許第5,565,332号)を利用して作製することができる。一実施形態において、本発明のキメラ抗体は、EphA2と特異的に結合し、ヒトフレームワーク領域内に、EA2〜EA5、Eph099B-102.147、Eph099B-208.261、Eph099B-210.248、Eph099B-233.152のVL CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1個、2個、または3個のVL CDRを含む。
他の実施形態において、本発明のキメラ抗体は、EphA4と特異的に結合し、ヒトフレームワーク領域内に、EA44(米国非仮出願第10/863,729号(2004年6月7日出願)に開示された)のVL CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1個、2個、または3個のVL CDRを含む。他の実施形態において、本発明のキメラ抗体は、EphA2と特異的に結合し、ヒトフレームワーク領域内に、EA2、EA5、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1個、2個、または3個のVH CDRを含む。
他の実施形態において、本発明のキメラ抗体は、EphA4と特異的に結合し、ヒトフレームワーク領域内に、EA44(米国非仮出願第10/863,729号(2004年6月7日出願)に開示された)のVH CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1個、2個、または3個のVH CDRを含む。他の実施形態において、本発明のキメラ抗体は、EphA2と特異的に結合し、ヒトフレームワーク領域内に、EA2、EA5、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVL CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1個、2個、または3個のVL CDRを含みかつさらにEA2、EA5、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1個、2個、または3個のVH CDRを含む。本発明のキメラ抗体は、EphA4と特異的に結合し、ヒトフレームワーク領域内に、EA44のVL CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1個、2個、または3個のVL CDRを含みかつEA44のVH CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する1個、2個、または3個のVH CDRを含む。
さらなる実施形態において、本発明のキメラ抗体はEphA2と特異的に結合し、ヒトフレームワーク領域に、EA2、EA5、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12または5A8のVL CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する3個のVL CDRおよびEA2、EA5、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、または5A8のVH CDRのいずれかのアミノ酸配列を有する3個のVH CDRを含む。
しばしば、フレームワーク領域中のフレームワーク残基を、CDRドナー抗体の対応する残基で置換して、抗原結合性を改変、好ましくは改善しうる。これらのフレームワーク置換は、当技術分野で周知の方法、例えば、CDRとフレームワーク残基の相互作用をモデリングして抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定することにより、および配列比較を行って特定部位における異常フレームワーク残基を同定することにより、特定される(例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる、米国特許第5585089号;およびRiechmannら, 1988, Nature 332:323を参照のこと)。
ヒト化抗体は、所定の抗原に結合可能であり、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有するフレームワーク領域と、非ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有するCDRとを含む抗体もしくはその変異体、またはその断片である。ヒト化抗体は少なくとも1つ、そして典型的には2つの可変ドメインを実質的にすべて含み、前記可変ドメインにおいて、すべてまたは実質的にすべてのCDR域は非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のCDR域に対応しかつすべてまたは実質的にすべてのフレームワーク領域はヒト免疫グロブリン・コンセンサス配列のものである。好ましくは、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常域の少なくとも一部分を含む。通常、抗体は、軽鎖ならびに重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含む。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびCH4領域も含みうる。ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含むいずれかのクラスの免疫グロブリン、ならびにIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含むいずれかのアイソタイプから選択してもよい。通常、定常ドメインは、ヒト化抗体が細胞傷害活性を示すことが望ましい補体結合性定常ドメインであり、そのクラスは典型的にはIgG1である。こうした細胞傷害活性が望ましくない場合、定常ドメインはIgG2クラスであってもよい。ヒト化抗体は、2以上のクラスまたはアイソタイプの配列を含んでもよく、特定の定常ドメインを選択して所望のエフェクター機能を最適化することは、当技術分野の通常の技術の範囲内である。ヒト化抗体のフレームワークおよびCDR領域は、親配列と正確に対応している必要は無く、例えば、ドナーCDRまたはコンセンサス・フレームワークを少なくとも1つの残基の置換、挿入または欠失によって突然変異させて、その部位におけるCDRまたはフレームワーク残基がコンセンサスまたは移入抗体に対応しないようにすることができる。しかし、かかる突然変異は広範囲のものでない。通常、ヒト化抗体残基の少なくとも75%、より頻繁には90%、最も好ましくは95%より多い残基が、親フレームワーク領域(FR)およびCDR配列の残基に対応する。
ヒト化抗体は、限定されるものでないが、CDR移植(欧州特許EP 239400;国際公開WO 91/09967;および米国特許第5225539号、第5530101号、および第5585089号)、張り合わせまたは再表面化(欧州特許EP 592106およびEP 519596;Padlan, 1991, Molecular Immunology 28(4/5):489-498;Studnickaら, 1994, Protein Engineering 7(6):805-814;およびRoguskaら, 1994, PNAS 91:969-973)、鎖シャフリング(米国特許第5565332号)を含む、当技術分野で周知の様々な技術ならびに例えば、米国特許第6407213号、第5766886号、第5585089号、国際公開WO 9317105、Tanら, 2002, J. Immunol. 169:1119-25、Caldasら, 2000, Protein Eng. 13:353-60、Moreaら, 2000, Methods 20:267-79、Bacaら, 1997, J. Biol. Chem. 272:10678-84、Roguskaら, 1996, Protein Eng. 9:895-904、Coutoら, 1995, Cancer Res. 55(23 Supp):5973-5977、Coutoら, 1995, Cancer Res. 55:1717-22、Sandhu, 1994, Gene 150:409-10、Pedersenら, 1994, J. Mol. Biol. 235:959-73、Jonesら, 1986, Nature 321:522-525、Riechmannら, 1988, Nature 332:323、およびPresta, 1992, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596に開示されている技術を用いて生成することができる。
多くの場合、フレームワーク領域中のフレームワーク残基を、CDRドナー抗体の対応する残基で置換して、抗原結合性を改変、好ましくは改善しうる。これらのフレームワーク置換は、当技術分野で周知の方法、例えば、CDRとフレームワーク残基の相互作用をモデリングして抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定することにより、または配列比較を行って特定部位における異常フレームワーク残基を同定することにより、特定される(例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる、Queenら、米国特許第5585089号;およびRiechmannら、1988、Nature 332:323を参照のこと)。
さらに、本発明の抗体を利用して、当業者に周知の技法を用いて抗イディオタイプ抗体を生成させることができる。(例えば、Greenspan & Bona、1989、FASEB J. 7:437〜444;およびNissinoff、1991、J. Immunol. 147:2429〜2438を参照のこと)。本発明は、本発明の抗体またはその断片をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドの使用を用いる方法を提供する。
抗体をコードするポリヌクレオチド
本発明の方法は、例えば、上記のような、高ストリンジェンシー、中または低ストリンジェンシー・ハイブリダイゼーション条件下で本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドも包含する。
当技術分野で周知のいずれかの方法によって、このポリヌクレオチドを得ることができ、該ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を決定することができる。その抗体のアミノ酸配列が判明しているので、当技術分野でよく知られている方法を用いてこれらの抗体をコードするヌクレオチド配列を決定することができ、すなわち、特定のアミノ酸をコードすることが知られているヌクレオチドコドンが、本発明の抗体またはその断片をコードする核酸を生成するように構築される。抗体をコードするこのようなポリヌクレオチドは、化学合成したオリゴヌクレオチドから構築することもでき(例えば、Kutmeierら, 1994, BioTechniques 17:242に記載のように)、簡単に言えば、それは、抗体をコードする配列の一部分を含む重複オリゴヌクレオチドの合成、それらオリゴヌクレオチドのアニーリングおよび連結、次いで連結したオリゴヌクレオチドのPCRによる増幅を伴う。
あるいは、適切な供給源に由来する核酸から、抗体をコードするポリヌクレオチドを生成してもよい。特定の抗体をコードする核酸を含むクローンが入手できなくとも、抗体の配列がわかっている場合(例えば、図19を参照のこと)、その免疫グロブリンをコードする核酸を化学的に合成することができ、あるいは、適切な供給源(例えば、本発明の抗体を発現するとして選択されたハイブリドーマ細胞(例えばATCCにPTA-4572、PTA-4573、PTA-4574、PTA-4380、PTA-4381として寄託されているクローン)などの本抗体を発現するいずれかの組織または細胞から単離した核酸、好ましくはポリA+RNA、それから作製したcDNAライブラリー、または抗体cDNAライブラリー)から、その配列の3'末端および5'末端にハイブリダイズすることのできる合成プライマーを使用するPCR増幅法によって、または、特別な遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチド・プローブを使用してクローニングし、例えばその抗体をコードするcDNAライブラリー由来のcDNAクローンを同定することもできる。PCRによって生成した増幅核酸は、次いで、当技術分野でよく知られているいずれかの方法を使用して、複製可能なクローニング・ベクター中にクローン化することができる。
抗体のヌクレオチド配列をいったん決定すれば、その抗体のヌクレオチド配列を、ヌクレオチド配列の遺伝子操作のための当技術分野でよく知られている方法、例えば、組換えDNA技術、部位特異的変異誘発、PCRなど(例えば、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる、Sambrookら, 1990, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY;およびAusubelら編, 1998, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, NYに記載の技術)を用いて遺伝子操作して、異なるアミノ酸配列を有する抗体を作製し、例えば、アミノ酸置換、欠失、および/または挿入を生じさせることができる。
特定の実施形態では、通常の組換えDNA技術を用いて1以上のCDRをフレームワーク領域内に挿入する。そのフレームワーク領域は、天然のまたはコンセンサス・フレームワーク領域、好ましくはヒトフレームワーク領域でありうる(例えば、ヒトフレームワーク領域の記載についてはChothiaら、1998、J. Mol. Biol. 278:457〜479を参照のこと)。フレームワーク領域とCDRの組合せによって作製されるポリヌクレオチドが、EphA2もしくはEphA4に特異的に結合する抗体をコードすることが好ましい。上記のように、1以上のアミノ酸置換がフレームワーク領域内で生じ得ることが好ましく、アミノ酸置換が抗体のその抗原への結合を改善させることが好ましい。さらに、こうした方法を用いて、鎖内ジスルフィド結合に関与する1以上の可変領域システイン残基のアミノ酸置換または欠失を生じさせ、1以上の鎖内ジスルフィド結合を欠く抗体を生成することができる。ポリヌクレオチドに対する他の改変も本発明に包含され、当技術分野の技術範囲内にある。
抗体の組換え発現
本発明の抗体、その誘導体、類似体または断片(例えば、本発明の抗体の重鎖もしくは軽鎖、またはその一部分、または本発明の一本鎖抗体)の組換え発現には、本抗体をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターの構築が必要である。本発明の抗体、または抗体の重鎖もしくは軽鎖、またはその一部分(重鎖または軽鎖可変ドメインを含むことが好ましいが、必須ではない)をコードするポリヌクレオチドを得た後、当技術分野でよく知られている技術を用いて組換えDNA技術によって抗体を生成するためのベクターを作製することができる。従って、ヌクレオチド配列をコードする抗体を含むポリヌクレオチドを発現することによってタンパク質を調製する方法を本明細書に記載する。当業者によく知られている方法を用いて、抗体コード配列ならびに適切な転写および翻訳調節シグナルを含む発現ベクターを構築することができる。これらの方法には、例えばin vitro組換えDNA技術、合成技術、およびin vivo遺伝子組換えがある。
すなわち本発明は、プロモーターに機能しうるように連結した、本発明の抗体分子、抗体の重鎖もしくは軽鎖、抗体の重鎖もしくは軽鎖可変ドメインまたはその一部分、重鎖または軽鎖CDRをコードするヌクレオチド配列を含む、複製可能なベクターを提供する。かかるベクターは抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含み(例えば、国際公開WO 86/05807およびWO 89/01036;ならびに米国特許第5,122,464号を参照のこと)、抗体の可変ドメインをこのようなベクター中にクローニングして重鎖全体、軽鎖全体、または重鎖全体および軽鎖全体の両方を発現させることができる。
発現ベクターを従来の技術によって宿主細胞に導入し、次いで従来の技術によって、トランスフェクトしたその細胞を培養し本発明の抗体を生成する。従って、本発明は、異種プロモーターに機能しうるように連結した本発明の抗体もしくはその断片、またはその重鎖もしくは軽鎖、またはその一部分、または本発明の一本鎖抗体、をコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を含む。二本鎖抗体を発現させるある特定の実施形態では、以下に詳述するように、重鎖と軽鎖の両方をコードするベクターを宿主細胞中で同時発現させて、免疫グロブリン分子全体を発現させることができる。
様々な宿主-発現ベクター系を利用して、本発明の抗体分子を発現させることができる(例えば、米国特許第5,807,715号を参照のこと)。その宿主-発現系とは、それによって目的のコード配列を生成し、その後、精製することのできるビヒクルを言うが、適切なヌクレオチド・コード配列で形質転換またはトランスフェクトしたときに本発明の抗体分子をin situで発現し得る細胞も言う。これらには、限定されるものでないが、抗体コード配列を含む組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した細菌(例えば、大腸菌および枯草菌(B. subtilis))などの微生物;抗体コード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換した酵母(例えば、サッカロミセス、ピチア(Saccharomyces、Pichia));抗体コード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞系;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワー・モザイクウイルス、CaMV;タバコ・モザイクウイルス、TMV)を感染させたか、または抗体コード配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換した植物細胞系;あるいは哺乳動物細胞ゲノム由来のプロモーター(例えば、メタロチオネイン・プロモーター)または哺乳動物ウイルス由来のプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;牛痘ウイルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発現構築体を保持する哺乳動物細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、NSO、および3T3細胞)が含まれる。特に組換え抗体分子全体の発現では、好ましくは大腸菌(Escherichia coli)などの細菌細胞、より好ましくは真核細胞を使用して、組換え抗体分子を発現させる。
例えば、ヒト・サイトメガロウイルス由来の主要中間初期遺伝子プロモーター・エレメントなどのベクターと併用するチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)などの哺乳動物細胞は、抗体の有効な発現系である(Foeckingら, 1986, Gene 45:101;およびCockettら, 1990, BioTechnology 8:2)。特定の実施形態において、抗体またはその断片はEphA2もしくはEphA4と特異的に結合してEphA2もしくはEphA4にアゴニスト作用を示し、癌細胞表現型を阻害し、癌細胞上に選択的に曝されるか増加するが非癌細胞ではそうでないEphA2もしくはEphA4上のエピトープと優先的に結合しおよび/または3 X 10-3 s-1未満のKoffを有するものであって、前記抗体またはその断片をコードするヌクレオチド配列の発現が構成的プロモーター、誘導プロモーターまたは組織特異的プロモーターにより調節される。
細菌系では、いくつもの発現ベクターを、発現される抗体を意図とした使用に応じて有利に選択することができる。例えば、抗体の医薬組成物を生成するために多量のこのようなタンパク質を生成させる場合、容易に精製される融合タンパク質産物の高レベル発現を誘導するベクターが望ましいであろう。こうしたベクターには、限定されるものでないが、融合タンパク質が生成されるように抗体コード配列がlac Zコード領域とイン・フレームでベクター中にそれぞれ連結され得る大腸菌発現ベクターpUR278(Rutherら、1983、EMBO 12:1791);pINベクター(Inouye & Inouye, 1985, Nucleic Acids Res. 13:3101〜3109;Van Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem. 24:5503〜5509)などがある。pGEXベクターを使用して、グルタチオン5-トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として外来タンパク質を発現することもできる。一般に、こうした融合タンパク質は可溶性であり、マトリックス・グルタチオン-アガロース・ビーズへの吸着および結合と、それに続く遊離グルタチオンの存在下での溶出によって、溶解した細胞から容易に精製することができる。pGEXベクターは、クローン化した標的遺伝子産物をGST成分から遊離できるように、トロンビンまたはXa因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計される。
昆虫系では、外来遺伝子を発現するためのベクターとしてオートグラファ・カリフォルニカ核多角体病ウイルス(AcNPV)を使用する。このウイルスは、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞中で増殖する。抗体コード配列を個々にウイルスの非必須領域(例えばポリヘドリン遺伝子)にそれぞれクローニングし、AcNPVプロモーター(例えばポリヘドリンプロモーター)の制御下に置くことができる。
哺乳動物宿主細胞では、いくつかのウイルス系発現系を利用することができる。アデノウイルスを発現ベクターとして使用する場合、所定の抗体コード配列をアデノウイルス転写/翻訳調節複合体、例えば、後期プロモーターおよびトリパタイトリーダー配列と連結することができる。次いで、このキメラ遺伝子を、in vitroまたはin vivo組換えによってアデノウイルス・ゲノムに挿入することができる。ウイルス・ゲノムの非必須領域(例えば、領域E1またはE3)への挿入によって、感染宿主中で生存および抗体を発現可能な組換えウイルスが得られる(例えば、Logan & Shenk、1984、PNAS 8 1:6355〜6359を参照のこと)。挿入した抗体コード配列の効率的な翻訳には特定の開始シグナルも必要であるかもしれない。これらのシグナルには、ATG開始コドンおよび隣接配列が含まれる。さらに、全挿入断片を確実に翻訳するために、開始コドンは所望のコード配列の読み枠と同調していなければならない。これらの外来性翻訳調節シグナルおよび開始コドンの起源は様々であってよく、天然でも合成でもよい。発現の効率は、適切な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどを含めることによって高めることができる(例えば、Bittnerら、1987、Methods in Enzymol. 153:516〜544を参照のこと)。
さらに、挿入配列の発現をモジュレートし、あるいは望ましい特定の様式で遺伝子産物を修飾およびプロセシングする宿主細胞株を選択することができる。タンパク質生成物のこうした修飾(例えば、グリコシル化)およびプロセシング(例えば、切断)は、タンパク質の機能に関して重要であるかもしれない。異なる宿主細胞は、タンパク質および遺伝子産物の翻訳後プロセシングおよび修飾のための特徴的かつ特異的なメカニズムを有する。適切な細胞系または宿主系を選択して、発現される外来タンパク質が正確に修飾およびプロセシングされるようにする。このために、正しい転写一次産物のプロセシング、遺伝子産物のグリコシル化およびリン酸化のための細胞機構をもつ真核宿主細胞を使用することができる。こうした哺乳動物宿主細胞には、限定されるものでないが、CHO、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、293、3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT2O、NS1およびT47D、NS0(免疫グロブリン鎖を内因的に生成しないマウス骨髄腫細胞系)、CRL7O3OおよびHsS78Bst細胞がある。
組換えタンパク質の長期高収率産生には、安定的な発現が好ましい。例えば、抗体を安定して発現する細胞系を作製することができる。宿主細胞は、ウイルス複製起点を含む発現ベクターを用いるのではなく、適切な発現調節エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)、および選択マーカーによって制御されるDNAを用いて形質転換することができる。外来DNAの導入に続いて、遺伝子操作した細胞を富化培地中で1〜2日間増殖させ、次いで選択培地に切り換えることができる。組換えプラスミドの選択マーカーは、選択への耐性を与え、細胞の染色体中へプラスミドを安定して組み込ませてそれを増殖させ細胞巣を形成することを可能にし、それを後に細胞系へとクローン化および拡張できるようにする。この方法は、抗体を発現する細胞系を作製するのに使用すると有利でありうる。この作製した細胞系は、抗体と直接的または間接的に相互作用する組成物のスクリーニングおよび評価に特に有用でありうる。
限定されるものでないが、単純疱疹ウイルス・チミジン・キナーゼ(Wiglerら、1977、Cell 11:223)、グルタミン合成酵素、ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybaska & Szybalski、1992、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48:202)を含む多くの選択系を使用でき、アデニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowyら、1980、Cell 22:8-17)遺伝子をそれぞれtk-、gs-、hgprt-またはaprt-細胞に使用することができる。さらに、代謝拮抗剤耐性を、以下の遺伝子: メトトレキセートへの耐性を与えるdhfr(Wiglerら、1980、PNAS 77:357;O'Hareら、1981、PNAS 78:1527);マイコフェノール酸への耐性を与えるgpt(Mulligan & Berg、1981、PNAS 78:2072);アミノグリコシドG-418への耐性を与えるneo(WuおよびWu、1991、Biotherapy 3:87;Tolstoshev、1993、Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 32:573;Mulligan、1993、Science 260:926;ならびにMorganおよびAnderson、1993、Ann. Rev. Biochem. 62:191;May、1993、TIB TECH 11:155〜);およびハイグロマイシンへの耐性を与えるhygro(Santerreら、1984、Gene 30:147)、に対する選択のベースとして使用することができる。組換えDNA技術の当技術分野で一般に周知の方法は、所望の組換えクローンを選択するのに通常適用でき、こうした方法は、例えば、それらの全体が本明細書に参照により組み込まれるAusubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、NY(1993);Kriegler、Gene Transfer and Expression、A Laboratory Manual、Stockton Press、NY(1990);ならびに第12および13章、Dracopoliら(編)、Current Protocols in Humqn Genetics、John Wiley & Sons、NY(1994);Colberre-Garapinら、1981、J. Mol. Biol. 150:1に記載されている。
抗体の発現レベルは、ベクター増幅によって増大させることができる(概説については、BebbingtonおよびHentschel、The use of vectors based on gene amplification for the expression of cloned genes in mammalian cells in DNA cloning、第3巻(Academic Press、New York、1987)を参照のこと)。抗体を発現するベクター系のマーカーが増幅可能な場合、宿主細胞の培養物中に存在する阻害物質のレベルの増大により、マーカー遺伝子のコピー数が増大することになる。増幅領域は抗体遺伝子と関連しているので、抗体の産生も増大することになる(Crouseら、1983、Mol. Cell. Biol. 3:257)。
宿主細胞は、本発明の2つの発現ベクター、重鎖由来ポリペプチドをコードする第1のベクターおよび軽鎖由来ポリペプチドをコードする第2のベクターで同時トランスフェクトしてもよい。この2つのベクターは、重鎖および軽鎖ポリペプチドの同等発現を可能にする同一の選択マーカーを含んでいてよい。あるいは、重鎖および軽鎖ポリペプチドの両方をコードし、発現できる単一ベクターを使用してもよい。こうした状況では、軽鎖を重鎖の手前に置いて、毒性の遊離重鎖が過剰になることを防止すべきである(Proudfoot、1986、Nature 322:52;およびKohler、1980、PNAS 77:2197)。重鎖および軽鎖のコード配列は、cDNAまたはゲノムDNAを含みうる。
本発明の抗体分子を組換え発現によって生成した後、免疫グロブリン分子の精製に関する当技術分野で周知のいずれかの方法、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、特にプロテインA後の特異的抗原に対する親和性によるもの、およびサイズ分画カラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解性の差、またはタンパク質の精製に関するいずれかの他の標準的な技法によって精製することができる。さらに、本発明の抗体またはその断片は、本明細書に記載されている異種ポリペプチド配列と融合して、または当技術分野で周知のその他の方法で、精製を容易にすることができる。
予防/治療方法
本発明は、被験体におけるEphA2もしくはEphA4の過剰発現に関連する疾患もしくは障害および/または細胞過増殖障害、特に癌を治療、予防、または管理する方法であって、EphA2もしくはEphA4を発現する細胞を標的化し、およびEphA2もしくはEphA4発現または機能を阻害し、および/または過増殖細胞疾患に対して治療または予防効果を有しうる組成物の有効量を投与するステップを含んでなる前記方法を包含する。一実施形態において、本発明の方法は被験体に、過増殖細胞疾患に対する治療または予防薬と結合したEphA2もしくはEphA4標的化部分を含む組成物を投与するステップを含んでなる。他の実施形態において、本発明の方法は被験体に、EphA2もしくはEphA4標的化部分をコードするヌクレオチド配列および過増殖疾患に対する治療または予防薬をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含有する組成物を投与するステップを含んでなる。他の実施形態において、本発明の方法は被験体に、EphA2もしくはEphA4標的化部分および過増殖疾患に対する治療または予防薬をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含有する組成物を投与するステップを含んでなり、その場合、標的化部分は、直接またはEphA2もしくはEphA4を発現する細胞へ送達する送達ベクターを介して核酸と結合している。特定の実施形態においては、EphA2もしくはEphA4標的化部分もEphA2もしくはEphA4発現または活性を阻害する。
本発明は、被験体におけるEphA2もしくはEphA4の過剰発現に関する疾患または障害および/または細胞過増殖障害、好ましくは癌を治療、予防、または管理する方法であって、EphA2もしくはEphA4を標的化するおよび/またはEphA2もしくはEphA4発現または活性を阻害する1以上のADCを投与するステップを含んでなり、その場合、前記ADCがEphA2もしくはEphA4アゴニスト性抗体、EphA2もしくはEphA4細胞内発現抗体、またはEphA2もしくはEphA4癌細胞表現型阻害性抗体または曝されたEphA2もしくはEphA4エピトープ抗体またはEphA2もしくはEphA4と3X10-1s-1未満のKoffで結合するEphA2もしくはEphA4抗体、好ましくは1以上のモノクローナルEphA2もしくはEphA4アゴニスト性抗体、EphA2もしくはEphA4細胞内発現抗体、BiTE分子、またはEphA2もしくはEphA4癌細胞表現型阻害性抗体または曝されたEphA2もしくはEphA4エピトープ抗体またはEphA2もしくはEphA4と3X10-1s-1未満のKoffで結合するEphA2もしくはEphA4抗体を含むものである前記方法を包含する。特定の実施形態において、治療、予防、または管理される障害は悪性癌である。他の実施形態において、治療、予防、または管理される障害はEphA2もしくはEphA4を過剰発現する細胞に関連する前癌症状である。さらに特定の実施形態において、前記前癌症状は高度の前立腺上皮内新形成(PIN)、乳房の線維腺腫、複合母斑である。
ある実施形態では、本発明の組成物を、癌の治療、予防または管理に有用な他の治療薬と組み合わせて投与してもよい。ある実施形態では、本発明の1以上の組成物を、EphA2もしくはEphA4過剰発現、過剰増殖性障害、および/または癌の治療、予防または管理に有用な1以上の他の治療薬と同時に、哺乳動物、好ましくはヒトに投与する。「同時に」という用語は、予防剤または治療薬を正確に同時刻に投与することに限らず、むしろ本発明の組成物および他の薬剤を順次またはある時間間隔で被験体に投与する際に、本発明の組成物がそのような他の薬剤と一緒に作用し、それ以外の方法で投与するよりも増強された利益をもたらすようにすることを意味する。例えば、各予防剤または治療薬は、同時点に投与してもよいし、あるいは異なった時点にいずれかの順序で順次投与してもよい。しかし、同時点で投与しない場合は、所望の治療または予防効果をもたらすように十分近接した時間内に投与すべきである。各治療薬はいかなる適切な形態で、またいかなる適切な経路で、別々に投与してもよい。他の実施形態では、本発明の組成物を手術前、手術中または手術後に投与する。その手術は局在する腫瘍を完全に除去するか大型腫瘍を縮小することが好ましい。手術を予防措置または痛みを軽減するために行ってもよい。
さらなる実施形態において、本発明の組成物はEA2、EA5、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12もしくは5A8、または表2もしくは3、もしくは図1〜59に掲げた抗体のいずれかからなる1以上のEphA2抗体を含み、その場合、前記抗体はEphA2標的化部分または過増殖細胞疾患に対する薬剤として用いられる。一実施形態において、本発明の組成物は、ヒト化されたEA2、EA5、12G3H11、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12もしくは5A8、または表2もしくは3、もしくは図1〜59に掲げた抗体のいずれかからなる1以上のEphA2抗体を含む。他の実施形態において、EA2、EA5、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、または表1もしくは2に掲げた抗体のいずれかの、例えば、1以上のアミノ酸置換を特に可変ドメインにもつ変異体であって、EA2、EA5、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、または表2もしくは3、または図1〜59に掲げた抗体のいずれかと比較して活性、結合能力、などの増加した前記変異体が提供される。
なおさらなる実施形態において、本発明の組成物は1以上のEphA2抗体[例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられる米国非仮出願第10/994,129号(2004年11月19日出願)、第10/436,782号(2003年5月12日出願)、および米国仮出願第60/583,184号(2004年6月25日出願)、第60/624,153号(2004年11月2日出願)、第60/601,634号(2004年8月16日出願)、第60/608,852号、(2004年9月13日出願)に開示された]を含み、その場合、前記抗体はEphA2標的化部分または過増殖細胞疾患に対する薬剤として用いられる。
なおさらなる実施形態において、本発明の組成物はEA44(例えば、米国非仮出願第10/863,729号(2004年6月7日出願)に開示された)からなる1以上のEphA4抗体を含み、その場合、前記抗体はEphA4標的化部分または過増殖細胞疾患に対する薬剤として用いられる。さらなる実施形態において、本発明の組成物はヒト化されたEA44からなる抗体を含む。他の実施形態においては、例えば、特に可変ドメインに1以上のアミノ酸置換をもつEA44の変異体であって、EA44と比較して活性、結合能力の増加した前記変異体が提供される。
患者集団
本発明は、治療または予防有効量の本発明の1以上の組成物を被験体に投与することにより、EphA2もしくはEphA4過剰発現および/または過増殖細胞疾患に関連する疾患または障害、特に癌を治療、予防または管理する方法を提供する。他の実施形態では、本発明の組成物を、1以上の他の治療薬と組み合わせて投与してもよい。被験体は好ましくは哺乳動物であり、例えば非霊長類(ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)および霊長類(カニクイザルなどのサルおよびヒト)である。他の実施形態では、被験体はヒトである。
本発明に包含される方法により治療される癌の具体例は、EphA2もしくはEphA4を過剰発現する癌を含むが、それだけに限定はされない。さらなる実施形態において、癌は上皮由来である。このような癌の例は、肺、大腸、前立腺、乳房、および皮膚の癌である。他の癌には 膀胱および膵臓の癌および腎 細胞 癌および黒色腫が含まれる。さらなる癌は例として掲げられ、以下に限定されるものでない。特別な実施形態においては、本発明の方法を用いて原発腫瘍からの転移を治療および/または予防することができる。
本発明の方法および組成物は、癌を患っている被験体/患者、または、例えば特定型の癌の遺伝的素因を有するか、発癌物質にさらされたことがあるか、特定の癌の寛解期にあるかなど、癌を患うことが予想される被験体/患者への本発明の1以上の組成物の投与を含む。本明細書で使用する「癌」は原発癌または転移癌を指す。かかる患者は過去に癌で治療されたことがあってもなくてもよい。本発明の方法および組成物を、癌の第1選択治療としても、または第2選択治療として用いてもよい。本発明は他の癌治療を受けている患者の治療も含み、これらの他の癌治療の副作用や不耐性が現れるまで本発明の方法と組成物を使用してもよい。本発明は、不応性患者の症状を治療または改善するために、本発明の1以上の組成物を投与する方法も包含する。ある特定の実施形態で、癌が療法に対して不応性であるとは、癌細胞の少なくともある有意な一部が死滅しないかまたはそれらの細胞分裂が停止しないことを意味する。癌細胞が不応性かどうかの判定は、癌細胞に対する治療の効力をアッセイするための当技術分野で公知のいずれかの方法によってin vivoまたはin vitroで行うことができ、そのような文脈において当技術分野で許容される「不応性」の意味を用いる。様々な実施形態で、癌細胞数が有意に減少せず、または増加する場合、癌は不応性である。本発明は、癌の素因のある患者における癌の発症または再発を防ぐために、1以上のEphA2もしくはEphA4 ADC(EphA2もしくはEphA4標的化部分および/または癌に対する薬剤としての使用)を投与する方法も包含する。好ましくは、ADCの抗体部分は1以上のEA2、EA5、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、または表2または3、または図1〜59に掲げた抗体のいずれかである。他の実施形態において、本発明のADC組成物および方法に使用するEphA4アゴニスト性抗体はEA44である。
特別な実施形態においては、本発明の組成物を、ある特定のホルモン、放射線および化学治療薬に対する癌細胞の抵抗性すなわち減少した感受性を反転させるために投与し、それにより1以上のこれらの薬剤に対する癌細胞の感受性を再び惹起する。その後これらの薬物は、転移を予防することを含む、癌を治療または管理するために投与する(または投与し続ける)ことができる。特定の実施形態において、本発明の組成物は、化学療法およびホルモン療法などの色々な治療レジメンに対する癌細胞耐性の発生に関連している増加したレベルのサイトカインIL-6の患者に投与される。他の特定の実施形態において、本発明の組成物は、タモキシフェン治療に対して反応性の低下したまたは不応性の乳癌患者に投与される。他の特定の実施形態において、本発明の組成物は、化学療法およびホルモン療法などの色々な治療レジメンに対する癌細胞耐性の発生に関連している増加したレベルのサイトカインIL-6の患者に投与される。
他の実施形態において、本発明は、本発明の1以上の組成物を他のいずれかの治療法と組み合せて投与し患者の癌を治療する方法、または他の治療法に対して不応性であることが示されてその治療法をもはや受けていない患者に対する方法を提供する。好ましくは、1以上のEA2、EA5、B233、B208、B210、G5、10C12、4H5、10G9、3F2、1C1、1F12、1H3、1D3、2B12、5A8、表2または3に掲げた抗体のいずれか、またはEA44が、本発明に従って抗EphA2または抗EphA4 ADCとして使用される。ある実施形態では、本発明の方法で治療される患者は、すでに化学療法、放射線療法、ホルモン療法または生物学的または免疫療法により治療されている。これらの患者の中には、不応性の患者、および既存の癌治療を用いた治療にもかかわらず癌を有する患者が含まれる。他の実施形態では、患者はすでに治療されており疾患活動性を示さないが、本発明の1以上の組成物を、癌の再発を防ぐために投与する。
ある特定の実施形態において、既存の治療は化学療法である。特定の実施形態において、既存の治療には、限定されるものでないが、メトトレキセート、タキソール、メルカプトプリン、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、シタラビン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシン、ダカルバジン、プロカルビジン、エトポシド、カンパテシン(campathecin)、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、アスパラギナーゼ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、ドセタキセルなどを含む化学療法の適用がある。これらの患者のうち、放射線療法、ホルモン療法および/または生物学的療法/免疫療法で治療した患者が挙げられる。また、これらの患者のうち、癌の治療のために手術を受けた患者が挙げられる。
あるいは、本発明は、放射線療法を受けているまたは受けた患者を治療する方法も含む。これらの患者のうち、化学療法、ホルモン療法および/または生物学的療法/免疫療法で治療しているかまたは既に治療した患者が挙げられる。また、これらの患者のうち、癌の治療のために手術を受けた患者が挙げられる。
他の実施形態では、本発明は、ホルモン療法および/または生物学的療法/免疫療法を受けているまたは受けた患者を治療する方法を含む。これらの患者のうち、化学療法および/または放射線療法で治療しているかまたは治療した患者が挙げられる。また、これらの患者のうち、癌の治療のために手術を受けた患者が挙げられる。
さらに、本発明はまた、治療している被験体にとって、その治療の毒性が強すぎることが示されたかまたは示されうる場合、すなわち、その治療が許容できないまたは耐えられない副作用をもたらす場合の、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、および/または生物学的療法/免疫療法に代わる方法としての癌の治療方法を提供する。本発明の方法で治療している被験体は、場合によっては、許容できないかまたは耐えられないかが判明した治療に応じて、手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法または生物学的療法などの他の癌治療で治療してもよい。
他の実施形態では、本発明は、癌の治療のためのいずれかの他の癌治療を施さずに、そうした治療に不応性であることが示された被験体に1以上の本発明の組成物を投与することを提供する。特定の実施形態では、他の癌治療に不応性の患者に、癌治療を行わない状況下で1以上の本発明の組成物を投与する。
他の実施形態では、EphA2もしくはEphA4を過剰発現する細胞に関連する前癌状態を有する患者に、本発明の組成物を投与して、その障害を治療し、それが悪性癌に進行する可能性を減らすことができる。特定の実施形態では、前癌状態は、ハイグレードの前立腺上皮内新生物(PIN)、乳房の線維腺腫、線維嚢胞症、または複合母斑である。
さらに他の実施形態において、本発明は非癌過増殖細胞障害、特に、限定されるものでないが、喘息、慢性閉塞性肺障害(COPD)、再狭窄(平滑筋および/または内皮の)、乾癬、などを含むEphA2もしくはEphA4の過剰発現に関連する障害を治療、予防および管理する方法を提供する。これらの方法には、例えば、本発明の組成物を投与することにより癌を治療、予防および管理する上記の方法に類似した方法、ならびに併用療法、特別な治療に不応性の患者に対する投与などが含まれる。
癌
本発明の方法および組成物により治療、予防または管理することができる癌および関連する疾患には、限定されるものでないが、上皮細胞由来の癌が含まれる。かかる癌の例としては以下のものが挙げられる:限定されるものでないが、急性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性および赤白血病などの急性骨髄性白血病、ならびに骨髄異形成症候群などの白血病;限定されるものでないが、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ性白血病、毛様細胞白血病などの慢性白血病;真性赤血球増加症;限定されるものでないが、ホジキン病、非ホジキン病などのリンパ腫;限定されるものでないが、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌型骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞白血病、孤立性形質細胞腫および髄外性形質細胞腫などの多発性骨髄腫;ヴァルデンストレームマクログロブリン血症;意義不定単クローン性免疫グロブリン血症;良性単クローン性免疫グロブリン血症;H鎖病;限定されるものでないが、骨肉腫(bone sarcoma、osteosarcoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫瘍、骨線維肉腫、脊索腫、骨膜性骨肉腫、軟部組織肉腫、血管肉腫(angiosarcoma、hemangiosarcoma)、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫などの骨および結合組織肉腫;限定されるものでないが、神経膠腫、星状膠細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、乏突起膠腫、非神経膠腫、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体腫、松果体芽腫、原発性脳リンパ腫などの脳腫瘍;限定されるものでないが、腺管癌、腺癌、小葉(小細胞)癌、腺管内癌、乳腺髄様癌、乳腺粘液癌、乳腺管状癌、乳頭癌、パジェット病および炎症性乳癌などの乳癌;限定されるものでないが、クロム親和性細胞腫および副腎皮質癌などの副腎癌;限定されるものでないが、乳頭状または濾胞性甲状腺癌、髄様甲状腺癌および未分化型甲状腺癌などの甲状腺癌;限定されるものでないが、膵島細胞腺腫、ガストリン産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ビポーマ、ソマトスタチン産生腫瘍およびカルチノイドまたは膵島細胞腫などの膵癌;限定されるものでないが、クッシング病、プロラクチン産生腫瘍、末端肥大症および尿崩症などの下垂体癌;限定されるものでないが、虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫、毛様体黒色腫などの眼球黒色腫および網膜芽細胞腫などの眼癌;扁平上皮癌、腺癌および黒色腫などの膣癌;扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫およびパジェット病などの外陰癌;限定されるものでないが、扁平上皮癌および腺癌などの子宮頸癌;限定されるものでないが、子宮内膜癌および子宮肉腫などの子宮癌;限定されるものでないが、卵巣上皮癌、境界性腫瘍、胚細胞腫瘍および間質腫瘍などの卵巣癌;限定されるものでないが、扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、疣贅癌および燕麦細胞(小細胞)癌などの食道癌;限定されるものでないが、腺癌、腫瘤形成型(ポリープ状)、潰瘍形成型、表在拡大型、びまん性拡大型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、癌肉腫などの胃癌;大腸癌;直腸癌;限定されるものでないが、肝細胞癌および肝芽腫などの肝臓癌;腺癌のなどの胆嚢癌;限定されるものでないが、乳頭状、結節型およびびまん性などの胆管癌;非小細胞肺癌、扁平上皮癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌および小細胞肺癌などの肺癌;限定されるものでないが、胚腫瘍、精上皮腫、未分化型、古典的(典型的)、精母細胞性、非精上皮腫、胎児性癌、奇形腫癌、絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)などの精巣癌;限定されるものでないが、前立腺上皮内腫瘍、腺癌、平滑筋肉腫および横紋筋肉腫などの前立腺癌;陰茎癌;これだけに限定するものではないが、扁平上皮癌などの口腔癌;基底癌;限定されるものでないが、腺癌、粘表皮癌および腺様嚢胞癌などの唾液腺癌;限定されるものでないが、扁平上皮癌および疣贅癌などの咽頭癌;限定されるものでないが、基底細胞癌、扁平上皮癌および黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、黒子悪性黒色腫、末端黒子型黒色腫などの皮膚癌;限定されるものでないが、腎細胞癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫、移行上皮癌(腎盤および/または尿管)などの腎癌;ウィルムス腫瘍;限定されるものでないが、移行上皮癌、扁平上皮癌、腺癌、癌肉腫などの膀胱癌。また、混合肉腫、骨原性肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原性癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌および乳頭腺癌も癌に含まれる。(この疾患の総説は、Fishmanら, 1985, Medicine, 第2版, J.B.Lippincott社, PhiladelphiaおよびMurphyら, 1997, Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin社, Penguin Books U.S.A.社, United States of Americaを参照されたい)。
従って、本発明の方法および組成物はさらに(限定されるものでないが)、膀胱、乳房、大腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、膵臓、胃、頚部、甲状腺および皮膚の癌を含む癌(扁平上皮癌を含む);白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫を含むリンパ様系統の造血腫瘍;急性および慢性骨髄性白血病ならびに前骨髄性血病を含む骨髄様系統の造血腫瘍;線維肉腫および横紋筋肉腫を含む間葉起源の腫瘍;黒色腫、精上皮腫、テラトカルシノーマ、神経芽細胞腫および神経膠腫を含む他の腫瘍;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、および神経鞘腫を含む中枢および末梢神経系の腫瘍;線維肉腫、横紋筋肉腫、および骨肉腫を含む間葉起源の腫瘍;ならびに黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞状癌および奇形癌を含む他の腫瘍を含む様々な癌または他の異常増殖性疾患の治療または予防に有用である。アポトーシスの異常によって引き起こされた癌も本発明の方法および組成物によって治療されることも意図している。こうした癌には、限定されるものでないが、濾胞状リンパ腫、p53変異をもつ癌、乳房、前立腺および卵巣のホルモン依存腫瘍、ならびに家族性腺腫性ポリポージスなどの前癌性病変、ならびに骨髄異形成症候群がありうる。特定の実施形態では、悪性または異常増殖性変化(化生および異形成など)、あるいは過剰増殖性障害は、皮膚、肺、大腸、乳房、前立腺、膀胱、腎臓、膵臓、卵巣、または子宮について治療または予防される。他の特定の実施形態では、肉腫、黒色腫、または白血病が治療または予防される。
いくつかの実施形態では、癌は悪性であり、EphA2もしくはEphA4を過剰発現する。他の実施形態では、治療すべき障害は、EphA2もしくはEphA4を過剰発現する細胞に関連する前癌状態である。特定の実施形態では、前癌状態は、ハイグレードの前立腺上皮内新生物(PIN)、乳房の線維腺腫、線維嚢胞症、または複合母斑である。
他の実施形態において、本発明の方法および組成物は、乳房、大腸、卵巣、肺、および前立腺癌および黒色腫の治療および/または予防に使用し、限定するものではなく、例として下記に示す。
乳癌の治療
特定の実施形態では、乳癌にかかっている患者に有効量の1以上の本発明の組成物を投与する。一実施形態において、本発明は、患者に(a)本発明の抗EphA2もしくは抗EphA4 ADC、および(b)製薬上許容される担体を投与することを含む、乳癌を予防、治療または管理する方法を提供する。他の実施形態においては、本発明の組成物を乳癌治療に有用な1以上の薬剤の有効量と組み合わせて投与することができる。乳癌治療に有効な薬剤には、限定されるものでないが、ドキソルビシン、エピルビシン、ドキソルビシンとシクロホスファミドの合剤(AC)、シクロホスファミド、ドキソルビシンおよび5-フルオロウラシルの合剤(CAF)、シクロホスファミド、エピルビシンと5-フルオロウラシルの合剤(CEF)、ハーセプチン、タモキシフェン、タモキシフェンと細胞傷害性化学療法の組合せ、タキサン(ドセタキセルおよびパクリタキセルなど)が挙げられる。さらなる実施形態において、他の実施形態では、本発明の組成物は、リンパ節陽性の局在性乳癌のアジュバント治療のためにタキサンと標準的なドキソルビシンおよびシクロホスファミドと一緒に投与することができる。
ある特定の実施形態では、前癌性の線維腺腫または線維嚢胞症の患者に、本発明の1つの組成物を投与して、該疾患を治療し、疾患が悪性乳癌に進行する可能性を減少させる。他の特定の実施形態においては、治療、特にホルモン療法、さらに特にタモキシフェン療法に不応性の患者に本発明の組成物を投与して癌を治療するおよび/または患者を非不応性または応答性にする。
大腸癌の治療
特定の実施形態では、大腸癌にかかっている患者に有効量の1以上の本発明の組成物を投与する。他の実施形態では、本発明の組成物は、限定されるものでないが、5-FUとロイコボリンの合剤、5-FUとレバミゾールの合剤、イリノテカン(CPT-11)またはイリノテカン、5-FUおよびロイコボリンの合剤(IFL)を含む有効量の大腸癌治療に有用な1以上の他の薬剤を含むかまたは組み合わせて使用することができる。
前立腺癌の治療
特定の実施形態では、前立腺癌にかかっている患者に有効量の1以上の本発明の組成物を投与する。他の実施形態では、本発明の組成物は、限定されるものでないが、外部ビーム放射線療法、放射性同位元素(すなわち、I125、パラジウム、イリジウム)の組織内移植、ロイプロイドまたは他のLHRHアゴニスト、非ステロイド性抗アンドロゲン(フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド)、ステロイド性抗アンドロゲン(酢酸シプロテロン)、ロイプロイドとフルタミドの合剤、DES、クロロトリアニセン、エチニルエストラジオール、結合型エストロゲンU.S.P.、DES二リン酸などのエストロゲン、ストロンチウム-89などの放射性同位元素、外部ビーム放射線療法とストロンチウム-89の組合せ、アミノグルテチミド、ヒドロコルチゾン、フルタミド使用中止、プロゲステロン、およびケトコナゾールなどの第2選択のホルモン療法、低用量プレドニゾン、またはドセタキセル、パクリタキセル、エストラムスチン/ドセタキセル、エストラムスチン/エトポシド、エストラムスチン/ビンブラスチン、およびエストラムスチン/パクリタキセルを含む症状の自覚的な改善およびPSAレベルの低減をもたらすことが報告されている他の化学療法レジメンを含む有効量の前立腺癌治療に有用な1以上の他の薬剤と組み合わせて投与することができる。
特別な実施形態では、前癌状態のハイグレードの前立腺上皮内新生物(PIN)にかかっている患者には、本発明の組成物を投与して、障害を治療し、それが悪性前立腺癌に進行する可能性を減らす。
黒色腫の治療
特定の実施形態では、黒色腫にかかっている患者に有効量の1以上の本発明の組成物を投与する。他の実施形態では、本発明の組成物は、限定されるものでないが、ダカルバジン(DTIC)、カルムスチン(BCNU)およびロムスチン(CCNU)などのニトロソ尿素、ビンカ・アルカロイド、白金化合物、およびタキサンを含む穏和な単一薬剤活性をもつ薬剤、ダートマス・レジメン(シスプラチン、BCNU、およびDTIC)、インターフェロンα(IFN-A)、ならびにインターロイキン-2(IL-2)を含む有効量の黒色腫癌治療に有用な1以上の他の薬剤と組み合わせて含むかまたは使用することができる。特定の実施形態では、多発性脳転移、骨転移、および脊髄圧迫にかかっている患者に、有効量の1以上の本発明のアゴニストモノクローナル抗体を、メルファラン(L-PAM)を用い、かつ腫瘍壊死因子α(TNF-α)を用いるかまたは用いない単一温熱肢潅流(isolated hyperthermic limb perfusion;ILP)と組み合わせて投与することにより、症状軽減および放射線療法による腫瘍のある程度の収縮を果たすことができる。
特定の実施形態では、前癌性複合母斑にかかっている患者には、本発明の組成物を投与して、その障害を治療し、それが悪性黒色腫に進行する可能性を減らす。
卵巣癌の治療
特定の実施形態では、卵巣癌にかかっている患者に有効量の1以上の本発明の組成物を投与する。他の実施形態では、本発明の組成物は、限定されるものでないが、P32療法などの腹膜内放射線療法、全腹部および骨盤放射線療法、シスプラチン、パクリタキセル(タキソール)またはドセタキセル(タキソテール)およびシスプラチンまたはカルボプラチンの合剤、シクロホスファミドとシスプラチンの合剤、シクロホスファミドとカルボプラチンの合剤、5-FUとロイコボリンの合剤、エトポシド、リポソーマル・ドキソルビシン、ゲムシタビンまたはトポテカンを含む有効量の卵巣癌治療に有用な1以上の他の薬剤と組み合わせて投与することができる。白金不応性疾患にかかっている患者のために有効量の1以上の本発明の組成物をタキソール投与と組み合わせて投与することも意図している。白金不応性の疾患にかかっている患者におけるイホスファミド、シスプラチン系併用レジメンの失敗後のサルベージ化学療法としてのヘキサメチルメラミン(HIMM)、ならびに腫瘍上の細胞質エストロゲン受容体が検出可能レベルである患者におけるタモキシフェンの投与を含む、不応性卵巣癌にかかっている患者の治療も、包含される。
肺癌の治療
特定の実施形態では、小細胞肺癌にかかっている患者に有効量の1以上の本発明の組成物を投与する。他の実施形態では、本発明の組成物は、限定されるものでないが、胸部放射線療法、シスプラチン、ビンクリスチン、ドキソルビシン、およびエトポシドを単独でまたは組合せて、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン/エトポシド、およびシスプラチンの合剤(CAV/EP)、気管支内レーザー療法による局所緩和、気管支内ステント、および/または近接照射療法を含む有効量の肺癌治療に有用な1以上の他の薬剤と組み合わせて含むかまたは使用することができる。
他の特定の実施形態では、非小肺細胞癌にかかっている患者に有効量の1以上の本発明の組成物を、限定されるものでないが、対症放射線療法、シスプラチン、ビンブラスチンおよびマイトマイシンの合剤、シスプラチンとビノレルビンの合剤、パクリタキセル、ドセタキセルまたはゲムシタビン、カルボプラチンとパクリタキセルの合剤、気管支内病変の組織内放射線療法または定位放射線外科手術を含む有効量の肺癌治療に有用な1以上の他の薬剤と組み合わせて投与する。
他の予防/治療薬
いくつかの実施形態において、本発明は、患者に(a)本発明の抗EphA2もしくは抗EphA4 ADC、および(b)製薬上許容される担体を投与することを含む、過増殖細胞疾患を予防、治療または管理する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、限定されるものでないが、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、および/または生物学的療法/免疫療法および/または手術と組み合わせて、1以上の本発明の組成物を投与することを含んでなる過増殖細胞疾患を予防、治療または管理する方法を提供する。
本発明によって用いることができる予防/治療薬としては、限定されるものでないが、ペプチド、ポリペプチド、転写後改変されたタンパク質を含むタンパク質、抗体などを含むタンパク質性分子;または小分子(1000ダルトン未満)、無機または有機化合物;または、限定されるものでないが、2本鎖または1本鎖DNA、または2本鎖または1本鎖のRNA、ならびに三重らさん核酸分子を含む核酸分子が挙げられる。予防/治療薬は、いずれの公知の生物(限定されるものでないが、動物、植物、細菌、真菌、および 原生生物、またはウイルスを含む)からまたは合成分子のライブラリー由来であってもよい。
特定の実施形態において、本発明によって用いることができる予防/治療薬は、限定されるものでないが、次のようなキナーゼ阻害剤である:ABL、ACK、AFK、AKT(例えば、AKT-1、AKT-2、およびAKT-3)、ALK、AMP-PK、ATM、Auroral、Aurora2、bARK1、bArk2、BLK、BMX、BTK、CAK、CaMキナーゼ、CDC2、CDK、CK、COT、CTD、DNA-PK、EGF-R、ErbB-1、ErbB-2、ErbB-3、ErbB-4、ERK(例えば、ERK1、ERK2、ERK3、ERK4、ERK5、ERK6、ERK7)、ERT-PK、FAK、FGR(例えば、FGF1R、FGF2R)、FLT(例えば、FLT-1、FLT-2、FLT-3、FLT-4)、FRK、FYN、GSK(例えば、GSK1、GSK2、GSK3-α、GSK3-β、GSK4、GSK5)、G-タンパク質結合受容体キナーゼ(GRK)、HCK、HER2、HKII、JAK(例えば、JAK1、JAK2、JAK3、JAK4)、JNK(例えば、JNK1、JNK2、JNK3)、KDR、KIT、IGF-1受容体、IKK-1、IKK-2、INSR(インスリン受容体)、IRAK1、IRAK2、IRK、ITK、LCK、LOK、LYN、MAPK、MAPKAPK-1、MAPKAPK-2、MEK、MET、MFPK、MHCK、MLCK、MLK3、NEU、NIK、PDGF受容体α、PDGF受容体β、PHK、PI-3キナーゼ、PKA、PKB、PKC、PKG、PRK1、PYK2、p38キナーゼ、p135tyk2、p34cdc2、p42cdc2、p42mapk、p44mpk、RAF、RET、RIP、RIP-2、RK、RON、RSキナーゼ、SRC、SYK、S6K、TAK1、TEC、TIE1、TIE2、TRKA、TXK、TYK2、UL13、VEGFR1、VEGFR2、YES、YRK、ZAP-70、およびこれらのキナーゼの全てのサブタイプ(例えば、HardieおよびHanks (1995) The Protein Kinase Facts Book, I and II, Academic Press, San Diego, Calif.を参照)など。さらなる実施形態において、本発明によって用いることができる1以上の予防/治療薬はEph受容体キナーゼ(例えば、EphA2、EphA4)の阻害剤である。特定の実施形態において、本発明によって用いることができる1以上の予防/治療薬はEphA2もしくはEphA4の阻害剤である。
他の特定の実施形態において、本発明によって用いることができる1以上の予防/治療薬は、限定されるものでないが、次のような血管新生阻害剤である:アンギオスタチン(プラスミノゲン断片);抗血管新生アンチトロンビンIII;アンギオザイム(Angiozyme);ABT-627;Bay 12-9566;ベネフィン;ベバシズマブ;BMS-275291;軟骨由来阻害剤(CDI);CAI;CD59補体断片;CEP-7055;Col 3;コンブレタスタチンA-4;エンドスタチン(コラーゲンXVIII断片);フィブロネクチン断片;Gro-β;ハロフジノン;ヘパリナーゼ;ヘパリン六糖類断片;HMV833;ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG);IM-862;インターフェロンα/β/γ;インターフェロンで誘発されるタンパク質(IP-10);インターロイキン12;クリングル5(プラスミノゲン断片);マリマスタット;メタロプロテイナーゼ阻害剤(TIMP);2-メトキシエストラジオール;MMI 270(CGS 27023A);MoAb IMC-1C11;ネオバスタット;NM-3;パンゼム;PI-88;胎盤リボヌクレアーゼ阻害剤;プラスミノゲン活性化剤阻害剤;血小板因子-4(PF4);プリノマスタット;プロラクチン16kD断片;プロリフェリン(Proliferin)系タンパク質(PRP);PTK 787/ZK 222594;レチノイド;ソリマスタット(Solimastat);スクアラミン;SS 3304;SU 5416;SU 6668;SU 11248;テトラヒドロコルチゾール-S;テトラチオモリブデン酸塩;サリドマイド;トロンボスポンジン-1(TSP-1);TNP-470;形質転換成長因子-β(TGF-β);バスキュロスタチン(Vasculostatin);バソスタチン(Vasostatin)(カルレチクリン断片);ZD6126;ZD6474;ファルネシル・トランスフェラーゼ阻害剤(FTI);およびビスフォスフォネートなど。
他の特定の実施形態において、本発明によって用いることができる1以上の予防/治療薬は、限定されるものでないが、次のような抗癌剤である:アシビシン(acivicin)、アクラルビシン、塩酸アコダゾール(acodazole)、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アムボマイシン(ambomycin)、酢酸アメタントロン(ametantrone)、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アンスラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン(asperlin)、アザシチジン(azacitidine)、アゼテパ(azetepa)、アゾトマイシン(azotomycin)、バチマスタット、ベンゾデパ(benzodepa)、ビカルタミド、塩酸ビサントレン、ジメシル酸ビスナフィド(bisnafide)、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ブレキナール・ナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド(caracemide)、カーベタイマー、カルボプラチン、カルムスチン、塩酸カルビシン(carubicin)、カルゼレシン(carzelesin)、セデフィンゴル(cedefingol)、クロラムブシル、シロレマイシン(cirolemycin)、シスプラチン、クラドリビン、メシル酸クリスタノール(crisnatol)、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デカルバジン(decarbazine)、デシタビン(decitabine)、デキソマプラチン(dexormaplatin)、デザグアニン(dezaguanine)、メシル酸デザグアニン(dezaguanine)、ジアジコン、ドセタキセル、ドキソルビシン、塩酸ドキシルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、デュアゾマイシン(duazomycin)、エダトレキセート(edatrexate)、塩酸エフロルニチン、エルサミトルシン(elsamitrucin)、エンロプラチン(enloplatin)、エンプロメート(enpromate)、エピプロピジン(epipropidine)、塩酸エピルビシン、エルブゾロール(erbulozole)、塩酸エソルビシン(esorubicin)、エストラムスチン、リン酸エストラムスチン・ナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン(etoprine)、塩酸ファドロゾール、ファザラビン(fazarabine)、フェンレチニド(fenretinide)、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルロシタビン(flurocitabine)、ホスキドン(fosquidone)、ホストリエシン・ナトリウム、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、塩酸イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン(ilmofosine)、インターロイキン2(組換えインターロイキン2、またはrIL2を含む)、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンα-n3、インターフェロンβ-Ia、インターフェロンγ-Ib、イプロプラチン、塩酸イリノテカン、酢酸ランレオチド、レトロゾール、酢酸リュープロライド、塩酸リアロゾール、ロメトレキソール(lometrexol)・ナトリウム、ロムスチン、塩酸ロソキサントロン(losoxantrone)、マソプロコール(masoprocol)、メイタンシン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサレート・ナトリウム、メトプリン、メツレデパ(meturedepa)、ミチンドミド(mitindomide)、マイトカルシン(mitocarcin)、マイトクロミン(mitocromin)、マイトギリン(mitogillin)、マイトマルシン(mitomalcin)、マイトマイシン、マイトスパー(mitosper)、ミトタン(mitotane)、塩酸ミトキサントロン、ミコフェノール酸、ニトロソ尿素、ノコダゾール、ノガラマイシン、オルマプラチン(ormaplatin)、オキシスラン(oxisuran)、パクリタキセル、ペガスパルガーゼ(pegaspargase)、ペリオマイシン(peliomycin)、ペンタムスチン(pentamustine)、硫酸ペプロマイシン、ペルホスファミド(perfosfamide)、ピポブロマン、ピポスルファン(piposulfan)、塩酸ピロキサントロン(piroxantrone)、プリカマイシン、プロメスタン(plomestane)、ポルフィマー・ナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン(prednimustine)、塩酸プロカルバジン、ピューロマイシン、塩酸ピューロマイシン、ピラゾフリン(pyrazofurin)、リボプリン(riboprine)、ログレチミド(rogletimide)、サフィンゴル(safingol)、塩酸サフィンゴル(safingol)、セムスチン、シムトラゼン(simtrazene)、スパルフォセート・ナトリウム、スパルソマイシン、塩酸スピロゲルマニウム、スピロムスチン(spiromustine)、スピロプラチン(spiroplatin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌール(sulofenur)、タリソマイシン、テコガラン・ナトリウム、テガフル、塩酸テロキサントロン(teloxantrone)、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン(teroxirone)、テストラクトン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン(tiazofurin)、チラパザミン、クエン酸トレミフェン、酢酸トレストロン(trestolone)、リン酸トリシリビン(triciribine)、トリメトレキセート、グルクロン酸トリメトレキセート、トリプトレリン、塩酸チュブロゾール(tubulozole)、ウラシル・マスタード、ウレデパ(uredepa)、バプレオチド(vapreotide)、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン(vinepidine)、硫酸ビングリシネート(vinglycinate)、硫酸ビンロイロシン(vinleurosine)、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン(vinrosidine)、硫酸ビンゾリジン(vinzolidine)、ボロゾール(vorozole)、ゼニプラチン(zeniplatin)、ジノスタチン、塩酸ゾルビシン。他の抗癌剤としては、限定されるものでないが、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3、5-エチニルウラシル、アビラテロン(abiraterone)、アクラルビシン、アシルフルベン、アデシペノール(adecypenol)、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL-TKアンタゴニスト、アルトレタミン、アンバムスチン(ambamustine)、アミドクス(amidox)、アミフォスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラホライド、血管新生阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリクス(antarelix)、抗背側化形態形成タンパク質1、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、抗新生物薬、グリシン酸アフィジコリン、アポトーシス遺伝子調節剤、アポトーシス調節剤、アプリン酸、ara-CDP-DL-PTBA、アルギニン・デアミナーゼ、アスラクリン(asulacrine)、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン(axinastatin)1、アキシナスタチン(axinastatin)2、アキシナスタチン(axinastatin)3、アザセトロン、アザトキシン(azatoxin)、アザチロシン、バッカチンIII誘導体、バラノール(balanol)、バチマスタット、BCR/ABLアンタゴニスト、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン、β-ラクタム誘導体、β-アレチン(alethine)、β-クラミシンB、ベツリン酸、bFGF阻害剤、ビカルタミド、ビサントレン、ビスアジリジニルスペルミン、ビスナフィド(bisnafide)、ビストラテン(bistratene)A、ビゼレシン、ブレフレート(breflate)、ブロピリミン、ブドチタン(budotitane)、ブチオニン・スルホキシイミン、カルシポトリオール、カルフォスチンC、カンプトセシン誘導体、カナリア痘IL-2、カペシタビン、カルボキサミド-アミノ-トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CaRest M3、CARN 700、軟骨由来阻害剤、カルゼレシン(carzelesin)、カゼイン・キナーゼ阻害剤(ICOS)、カスタノスペルミン、セクロピンB、セトロレリクス、クロロキノキサリン・スルホンアミド、シカプロスト、cis-ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシン(collismycin)A、コリスマイシン(collismycin)B、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン、クラムベスシジン(crambescidin)816、クリスタノール(crisnatol)、クリプロファイシン(cryptophycin)8、クリプロファイシン(cryptophycin)A誘導体、クラシン(curacin)A、シクロペンタンスラキノン、シクロプラタム、サイペマイシン(cypemycin)、シタラビンオクホスファート、細胞溶解因子、サイトスタチン(cytostatin)、ダクリキシマブ(dacliximab)、デシタビン(decitabine)、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキサメタゾン、デキシホスファミド、デクスラゾキサン、デクスベラパミル、ジアジコン、ジデムニンB、ジドクス(didox)、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ-5-アザシチジン、ジヒドロタキソール、ジオキサマイシン(dioxamycin)、ジフェニル・スピロムスチン(spiromustine)、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドロロキシフェン、ドロナビノール、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン(ecomustine)、エデルホシン(edelfosine)、エドレコロマブ、エフロルニチン、エレメン、エミテフール、エピルビシン、エプリステリド、エストラムスチン類似体、エストロゲン・アゴニスト、エストロゲン・アンタゴニスト、エタニダゾール、リン酸エトポシド、エキセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン(fazarabine)、フェンレチナイド、フィルグラスチム、フィナステライド、フラボピリドール、フレゼラスチン(flezelastine)、フルアステロン、フルダラビン、塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin)、フォルフェニメクス(forfenimex)、フォルメスタン、フォストリエシン、フォテムスチン、ガドリニウム・テキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス、ゲラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプルスファム(hepsulfam)、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン(idramantone)、イルモホシン(ilmofosine)、イロマスタット(ilomastat)、イミダゾアクリドン、イミキモド、免疫刺激ペプチド、インシュリン様成長因子-1受容体阻害剤、インターフェロン・アゴニスト、インターフェロン、インターロイキン、イオベングアン(iobengua
ne)、ヨードドキソルビシン(iododoxorubicin)、イポメアノール(ipomeanol)、イロプラクト(iroplact)、イルソグラジン、イソベンガゾール(isobengazole)、イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B、イタセトロン、ジャスプラキノライド、カハラリド(kahalalide)F、三塩酸ラメラリン-N、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レプトルスタチン(leptolstatin)、レトロゾール、白血病阻害因子、白血球αインターフェロン、ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン、ロイプロレリン、レバミゾール、リアロゾール、直鎖ポリアミン類似体、親油性二糖類ペプチド、親油性白金化合物、リッソクリナミド(lissoclinamide)7、ロバプラチン(lobaplatin)、ロンブリシン、ロメトレキソール(lometrexol)、ロニダミン、ロソキサントロン(losoxantrone)、ロバスタチン、ロキソリビン(loxoribine)、ルルトテカン(lurtotecan)、ルテチウム・テキサフィリン、リソフィリン(lysofylline)、溶解ペプチド、メイタンシン、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール(masoprocol)、マスピン(maspin)、マトリリシン阻害剤、マトリックス・メタロプロテイナーゼ阻害剤、メノガリル、メルバロン(merbarone)、メテレリン(meterelin)、メチオニナーゼ(methioninase)、メトクロプラミド、MIF阻害剤、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミスマッチ二重鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール(mitolactol)、マイトマイシン類似体、ミトナフィド(mitonafide)、マイトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞成長因子-サポリン、ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム、モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロフィン、モノホスホリル脂質A+細胞壁sk、モピダモール(mopidamol)、多剤耐性遺伝子阻害剤、多発腫瘍抑制剤1系治療薬、マスタード抗癌薬、マイカペルオキシド(mycaperoxide)B、ミコバクテリウム細胞壁抽出物、ミリアポロン(myriaporone)、N-アセチルジナリン、N-置換ベンズアミド、ナファレリン、ナグレスチップ(nagrestip)、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン(napavin)、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン(nemorubicin)、ネリドロン酸(neridronic acid)、中性エンドペプチターゼ、ニルタミド、ナイサマイシン(nisamycin)、一酸化窒素調整剤、ニトロキシド抗酸化剤、ニトルリン(nitrullyn)、O6-ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン(okicenone)、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オラシン、経口サイトカイン誘発剤、オルマプラチン(ormaplatin)、オサテロン、オキサリプラチン、オキザウノマイシン、パクリタキセル、パクリタキセル類似体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン(palauamine)、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン(parabactin)、パゼリプチン(pazelliptine)、ペガスパルガーゼ(pegaspargase)、ペルデシン、ポリ硫酸ペントサンナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール(pentrozole)、パーフルブロン、パーホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、酢酸フェニル、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニル、塩酸ピロカルピン、ピラルビシン、ピリトレキシム(piritrexim)、プラセチン(placetin)A、プラセチン(placetin)B、プラスミノゲン活性化剤阻害剤、白金錯体、白金化合物、白金トリアミン錯体、ポルフィマー・ナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プロピルbis-アクリドン、プロスタグランジンJ2、プロテアソーム阻害剤、タンパク質A系免疫調節剤、タンパク質キナーゼC阻害剤、微細藻、タンパク質チロシン・ホスファターゼ阻害剤、プリン・ヌクレオシド・ホスホリラーゼ阻害剤、プルプリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビン・ポリオキシエチレン接合体、rafアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、rasファルネシル・タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、ras阻害剤、ras-GAP阻害剤、脱メチル化レテリプチン(retelliptine)、エチドロン酸レニウムRe 186、リ
ゾキシン、リボザイム、RIIレチンアミド、ログレチミド(rogletimide)、ロヒツカイン(rohitukine)、ロムルチド、ロキニメクス(roquinimex)、ルビギノン(rubiginone)B1、ルボキシル(ruboxyl)、サフィンゴル(safingol)、サイントピン(saintopin)、SarCNU、サルコフィトールA、サルグラモスチム、Sdi 1ミメティクス、セムスチン、老化由来阻害剤1、センス・オリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害剤、シグナル伝達調整剤、一本鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサン、ナトリウム・ボロカプテート、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール(solverol)、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン、スパルホシン酸(sparfosic acid)、スピカマイシンD、スピロムスチン(spiromustine)、スプレノペンチン、スポンジスタチン1、スクアラミン、幹細胞阻害剤、幹細胞分裂阻害剤、スチピアミド(stipiamide)、ストロメリシン阻害剤、スルフィノシン(sulfinosine)、超活性血管作用性腸ペプチド・アンタゴニスト、スラジスタ(suradista)、スラミン、スワンソニン、合成グリコサミノグリカン、タリムスチン(tallimustine)、タモキシフェン・メチオジド、タウロムスチン(tauromustine)、タキソール、タザロテン、テコガラン・ナトリウム、テガフール、テルラピリリウム(tellurapyrylium)、テロメラーゼ阻害剤、テモポルフィン、テモゾロマイド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン(tetrazomine)、タリブラスチン(thaliblastine)、サリドマイド、チオコラリン(thiocoraline)、チオグアニン、トロンボポエチン、トロンボポエチン・ミメティク、チマルファシン(thymalfasin)、チモポエチン受容体アゴニスト、チモトリナン(thymotrinan)、甲状腺刺激ホルモン、スズ・エチル・エチオプルプリン、チラパザミン、二塩化チタノセン、トプセンチン(topsentin)、トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻害剤、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン(triciribine)、トリメトレキセート、トリプトレリン、トロピセトロン、ツロステライド(turosteride)、チロシンキナーゼ阻害剤、チルホスチン、UBC阻害剤、ウベニメクス、尿生殖洞由来成長阻害因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バプレオチド(vapreotide)、バリオリン(variolin)B、ベクター系、赤血球遺伝子治療薬、ベラレゾール(velaresol)、ベラミン(veramine)、ベルジンス(verdins)、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビンキサルチン(vinxaltine)、バイタクシン、ボロゾール、ザノテロン(zanoterone)、ゼニプラチン(zeniplatin)、ジラスコルブ(zilascorb)、およびジノスタチン・スチマラマーなどが挙げられる。好ましいさらなる抗癌剤は、5-フルオロウラシルおよびロイコボリンである。
さらに特別な実施形態において、本発明はまた、限定されるものでないが、例えば、表5に開示した抗癌薬などの1以上の療法を組み合わせて含むかまたは用いる、本発明の1以上の組成物の投与も含むものであって、前記の乳房、卵巣、黒色腫、前立腺、結腸および肺癌を治療するためであることが好ましい。
本発明はまた、本発明の組成物の投与を、X線、γ線、および他の放射線源の使用を含む放射線療法と組み合わせて、癌細胞を破壊することを含む。ある特定の実施形態では、この放射線療法は、放射線が遠隔治療線源から向けられる外照射または遠隔照射療法として行われる。他の実施形態では、この放射線療法は、放射線源を体内の癌細胞または腫瘤に近い位置に配置する内科療法または近接照射療法として行われる。
癌治療薬、ならびにその用量、投与経路、および推奨される使用法は当技術分野で周知であり、Physician's Desk Reference(第58版、2004)などの文献に記載されている。
製剤
本発明に従って使用される医薬組成物は、1以上の生理的に許容される担体を用いて、通常の方法で調製することができる。従って本発明の組成物およびその生理的に許容される塩および溶媒和物を、吸入法または吹送法(口か鼻のどちらかを通じて)による投与、または経口、非経口あるいは粘膜(頬、膣、直腸、舌下など)投与用に製剤化してもよい。他の実施形態では、局所的または全身的な非経口投与が使用される。
経口投与では、これらの医薬組成物は例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸水素カルシウム);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)などの製薬上許容される賦形剤を使った通常の方法で調製される錠剤またはカプセル剤の形をとることができる。これらの錠剤は当技術分野で周知の方法によりコーティングすることができる。経口投与用の液体製剤は、例えば溶液剤、シロップ剤、または懸濁剤の形をとることができ、これらは使用前に水や他の適切なビヒクルを使って構成すべき乾燥品として提供することができる。このような液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトール・シロップ、セルロース誘導体、水添食用脂);乳化剤(例えば、レシチン、アカシア);非液体ビヒクル(例えば、アーモンド油、油状エステル、エチルアルコール、分画植物油);および防腐剤(例えば、メチルp-ヒドロキシベンゾエート、プロピルp-ヒドロキシベンゾエート、ソルビン酸)などの製薬上許容される添加剤を使った通常の方法で調製することができる。これらの製剤はまた、緩衝塩、着色剤、および甘味剤を必要に応じて含むことができる。
経口投与用製剤を適切に調製して、有効化合物を制御放出させることができる。
バッカル投与では、これらの組成物は、通常の方法で調製される錠剤またはトローチ剤の形をとることができる。
吸入による投与では、本発明に従って用いられる予防または治療薬は、適切な噴霧剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガスを使用した、加圧包装または噴霧器から提供されるエアロゾル・スプレーの形をとることができる。加圧エアゾールの場合、バルブを設けることで単位用量を決定して、計量された量を送達することができる。例えば吸入器または注入器中で用いられるゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、この化合物とラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤の粉末混合物を含むものとして調製することができる。
この予防または治療薬は、注射、例えばボーラス注射または連続輸液による非経口投与用に調製することができる。輸液用製剤は、防腐剤を加えた単位剤形、例えば、アンプルや複数用量容器で提供することができる。これらの組成物は、油性または水性ビヒクル中での懸濁剤、溶液剤、乳剤などの形をとることができ、また懸濁剤、安定化剤、および/または分散剤などの調製剤を含むこともできる。あるいは、有効成分を粉末の形にして、使用前に適切なビヒクル、例えば発熱物質を含まない滅菌水を使って構築できるようにすることもできる。
これらの予防または治療薬は、例えばココアバターや他のグリセリドなどの通常の坐薬基剤を含む坐薬や停留浣腸などの直腸用組成物として調製することもできる。
前述の組成物に加えて、これらの予防または治療薬はデポー製剤として調製することもできる。そのような持効性製剤は、(例えば皮下もしくは筋肉内)移植または筋肉内注射により投与することができる。従って、例えば、これらの予防または治療薬は、適切なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、許容可能な油中乳剤として)またはイオン交換樹脂を用いて、あるいは難溶性の誘導体、例えば難溶性の塩として調製することができる。
本発明はまた、その量を示すアンプルやサシェット(sachette)などの気密性密封容器に封入された予防または治療薬を提供する。一実施形態では、この予防または治療薬は、気密性密封容器中の滅菌凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として供給され、例えば水や生理食塩水で適切な濃度に再構築して被験体に投与することができる。
本発明の他の実施形態では、様々な化学治療薬、生物学的療法剤/免疫療法剤、およびホルモン療法剤は当技術分野で周知であり、しばしばPhysician's Desk Reference(第58版、2004)に記載されている。例えば、本発明のある特定の実施形態では、本発明の治療薬は表5に示すように調製、供給することができる。
本発明の他の実施形態では、放射性同位体などの放射線療法剤は、カプセル中の液体または飲料として経口投与することができる。放射性同位体はまた、静脈注射用に調製することもできる。熟練した腫瘍学者であれば、好ましい製剤および投与経路を決定することができる。
ある特定の実施形態では、本発明の組成物を、静脈注射の場合は1mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、25mg/ml、反復皮下投与および筋肉内注射の場合は5mg/ml、10mg/ml、80mg/mlに調製する。
これらの化合物は、所望であれば、有効成分を含む1つまたは複数の単位剤形を含み得る包装またはディスペンサ装置に入れて提供することができる。この包装、例えばブリスター包装は、金属やプラスチック箔を含んでいてもよい。この包装またはディスペンサ装置には投与用の説明書を添付してもよい。
投与の用量および頻度
過増殖疾患または1以上のその症候群の予防、治療、管理および/または改善に有効でありうる療法の量(例えば、予防または治療薬)または本発明の組成物は標準の臨床的な方法により決定することができる。頻度および用量はまた、それぞれの患者に特異的な因子によって、すなわち、投与される特定の療法(例えば特定の治療または予防薬)、障害、疾患もしくは症状の重篤度、投与経路、ならびに年齢、体重、応答性、および過去の患者の医療歴によって変わりうる。例えば、過増殖疾患またはその1以上の症候群の治療、予防、管理、および/または改善に有効でありうる予防または治療薬 または本発明の組成物の用量は、組成物を動物モデル、例えば、本明細書に開示したまたは当業者に公知の動物モデルに投与することにより決定することができる。さらに、場合により、in vitroアッセイを使って最適な用量範囲を特定するのを助けることができる。当業者はかかる因子を考慮することにより、および、例えば、文献に報じられかつPhysician’s Desk Reference (58th ed., 2004)に推奨されている用量により好適な治療レジメンを選択することができる。
種々の実施形態において、療法(例えば、予防または治療薬)を、1時間未満の間隔、約1時間間隔、約1時間から約2時間間隔、約2時間から約3時間間隔、約3時間から約4時間間隔、約4時間から約5時間間隔、約5時間から約6時間間隔、約6時間から約7時間間隔、約7時間から約8時間間隔、約8時間から約9時間間隔、約9時間から約10時間間隔、約10時間から約11時間間隔、約11時間から約12時間間隔、24時間以下の間隔または48時間以下の間隔で投与する。ある特定の実施形態では、複数の構成成分を患者の同じ来診時に投与する。
本明細書に示す投与の投与量および投与頻度は、治療有効および予防有効という用語に包含される。さらに、投与量および投与頻度は、投与した特定の治療薬または予防剤、癌の重症度およびタイプ、投与経路、ならびに患者の年齢、体重、応答性、および過去の病歴に応じた各患者に特異的な要因によって、通常さまざまである。適当なレジメンは、こうした要因を考慮し、例えば、文献に報告され、またPhysician's Desk Reference(第58版、2004)で推奨された投与量に従うことによって、当業者によって選択されうる。
小分子の用量の例としては、ミリグラムまたはマイクログラム量の小分子/被験体もしくはサンプル重量キログラム(例えば、約1マイクログラム/キログラム〜約500ミリグラム/キログラム、約100マイクログラム/キログラム〜約5ミリグラム/キログラム、または約1マイクログラム/キログラム〜約50マイクログラム/キログラム)が挙げられる。
本発明が包含する抗体、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドおよび融合タンパク質について、患者に投与される用量は、典型的には0.0001mg/kg〜100mg/kg-患者体重である。好ましくは、患者に投与する用量は、0.0001mg/kg〜20mg/kg、0.0001mg/kg〜10mg/kg、0.0001mg/kg〜5mg/kg、0.0001〜2mg/kg、0.0001〜1mg/kg、0.0001mg/kg〜0.75mg/kg、0.0001mg/kg〜0.5mg/kg、0.0001mg/kg〜0.25mg/kg、0.0001〜0.15mg/kg、0.0001〜0.10mg/kg、0.001〜0.5mg/kg、0.01〜0.25mg/kgまたは0.01〜0.10mg/kg-患者体重である。一般に、ヒト抗体は、ヒト体内で、外来ポリペプチドに対する免疫応答によって、他の種由来の抗体より長い半減期を有する。従って、ヒト抗体では、より低い用量とより低い頻度の投与が可能である場合が多い。さらに、抗体の取り込みおよび組織貫入を、例えば、リピド化などにより促進して、本発明の抗体またはその断片の投与の用量と頻度を低下させることができる。
特定の実施形態において、患者の過増殖疾患または1以上のその症候群を予防、治療、管理、および/または改善するために投与されるADCの用量は、患者体重kg当たり150μg/kg以下、好ましくは125μg/kg以下、100μg/kg以下、95μg/kg以下、90μg/kg以下、85μg/kg以下、80μg/kg以下、75μg/kg以下、70μg/kg以下、65μg/kg以下、60μg/kg以下、55μg/kg以下、50μg/kg以下、45μg/kg以下、40μg/kg以下、35μg/kg以下、30μg/kg以下、25μg/kg以下、20μg/kg以下、15μg/kg以下、10μg/kg以下、5μg/kg以下、2.5μg/kg以下、2μg/kg以下、1.5μg/kg以下、1μg/kg以下、0.5μg/kg以下、または0.5μg/kg以下である。他の実施形態において、患者の過増殖疾患または1以上のその症候群を予防、治療、管理、および/または改善するために投与される本発明のADCの用量は、単位用量で0.1mg〜20mg、0.1mg〜15mg、0.1mg〜12mg、0.1mg〜10mg、0.1mg〜8mg、0.1mg〜7mg、0.1mg〜5mg、0.1〜2.5mg、0.25mg〜20mg、0.25〜15mg、0.25〜12mg、0.25〜10mg、0.25〜8mg、0.25mg〜7mg、0.25mg〜5mg、0.5mg〜2.5mg、1mg〜20mg、1mg〜15mg、1mg〜12mg、1mg〜10mg、1mg〜8mg、1mg〜7mg、1mg〜5mg、または1mg〜2.5mgである。
他の実施形態においては、被験体に、有効量の用量が少なくとも0.1μg/ml、少なくとも0.5μg/ml、少なくとも1μg/ml、少なくとも2μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも6μg/ml、少なくとも10μg/ml、少なくとも15μg/ml、少なくとも20μg/ml、少なくとも25μg/ml、少なくとも50μg/ml、少なくとも100μg/ml、少なくとも125μg/ml、少なくとも150μg/ml、少なくとも175μg/ml、少なくとも200μg/ml、少なくとも225μg/ml、少なくとも250μg/ml、少なくとも275μg/ml、少なくとも300μg/ml、少なくとも325μg/ml、少なくとも350μg/ml、少なくとも375μg/ml、または少なくとも400μg/mlの本発明の療法(例えば治療または予防薬)ml当たり血清力価を達成するものである、1以上の本発明の療法(例えば治療または予防薬)の1以上の有効量の用量を投与する。さらに他の実施形態においては、被験体に、少なくとも0.1μg/ml、少なくとも0.5μg/ml、少なくとも1μg/ml、少なくとも、2μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも6μg/ml、少なくとも10μg/ml、少なくとも15μg/ml、少なくとも20μg/ml、少なくとも25μg/ml、少なくとも50μg/ml、少なくとも100μg/ml、少なくとも125μg/ml、少なくとも150μg/ml、少なくとも175μg/ml、少なくとも200μg/ml、少なくとも225μg/ml、少なくとも250μg/ml、少なくとも275μg/ml、少なくとも300μg/ml、少なくとも325μg/ml、少なくとも350μg/ml、少なくとも375μg/mlまたは少なくとも400μg/mlのADC ml当たり血清力価を達成するための本発明の1以上のADCの有効量の用量を投与し、そして、次に、少なくとも0.1μg/ml、0.5μg/ml、1μg/ml、少なくとも、2μg/ml、少なくとも5μg/ml、少なくとも6μg/ml、少なくとも10μg/ml、少なくとも15μg/ml、少なくとも20μg/ml、少なくとも25μg/ml、少なくとも50μg/ml、少なくとも100μg/ml、少なくとも125μg/ml、少なくとも150μg/ml、少なくとも175μg/ml、少なくとも200μg/ml、少なくとも225μg/ml、少なくとも250μg/ml、少なくとも275μg/ml、少なくとも300μg/ml、少なくとも325μg/ml、少なくとも350μg/ml、少なくとも375μg/ml、または少なくとも400μg/mlのADC ml当たり血清力価を維持するための本発明の1以上のADCの有効量の追加用量を投与する。これらの実施形態によって、被験体に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12またそれ以上の追加の用量を投与することができる。
特定の実施形態において、本発明は過増殖疾患またはその1以上の症候群を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験体に、1以上の療法(例えば治療または予防薬)、併用療法または本発明の組成物の少なくとも10μg、好ましくは少なくとも15μg、少なくとも20μg、少なくとも25μg、少なくとも30μg、少なくとも35μg、少なくとも40μg、少なくとも45μg、少なくとも50μg、少なくとも55μg、少なくとも60μg、少なくとも65μg、少なくとも70μg、少なくとも75μg、少なくとも80μg、少なくとも85μg、少なくとも90μg、少なくとも95μg、少なくとも100μg、少なくとも105μg、少なくとも110μg、少なくとも115μg、または少なくとも120μgの用量を投与することを含んでなる前記方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、過増殖疾患またはその1以上の症候群を予防、治療、管理または改善する方法であって、それを必要とする被験体に1以上のADC、併用療法または本発明の組成物の少なくとも10μg、好ましくは少なくとも15μg、少なくとも20μg、少なくとも25μg、少なくとも30μg、少なくとも35μg、少なくとも40μg、少なくとも45μg、少なくとも50μg、少なくとも55μg、少なくとも60μg、少なくとも65μg、少なくとも70μg、少なくとも75μg、少なくとも80μg、少なくとも85μg、少なくとも90μg、少なくとも95μg、少なくとも100μg、少なくとも105μg、少なくとも110μg、少なくとも115μg、または少なくとも120μgの用量を、3日毎に1回、好ましくは4日毎に1回、5日毎に1回6日毎に1回、7日毎に1回、8日毎に1回、10日毎に1回、2週毎に1回、3週毎に1回、1ヶ月毎に1回、投与することを含んでなる前記方法を提供する。
本発明は過増殖疾患またはその1以上の症候群を予防、治療、管理または改善する方法であって、(a)それを必要とする被験体に、本発明の1以上のADC、併用療法、または組成物の予防上または治療上有効な量の1以上の用量を投与するステップ;および(b)前記療法(例えば、治療または予防薬)のある特定数の用量を投与した後に前記被験体中の前記投与されたADCの血漿レベル/濃度をモニターするステップを含んでなる前記方法を提供する。さらに、好ましくは、前記ある特定数の用量は、本発明の1以上のADC、組成物、または併用療法の予防上または治療上有効な量の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12用量である。
特定の実施形態において、本発明は過増殖疾患またはその1以上の症候群を予防、治療、管理または改善する方法であって、(a)それを必要とする被験体に、本発明の1以上の療法(例えば、治療または予防薬)の少なくとも10μg(好ましくは少なくとも15μg、少なくとも20μg、少なくとも25μg、少なくとも30μg、少なくとも35μg、少なくとも40μg、少なくとも45μg、少なくとも50μg、少なくとも55μg、少なくとも60μg、少なくとも65μg、少なくとも70μg、少なくとも75μg、少なくとも80μg、少なくとも85μg、少なくとも90μg、少なくとも95μg、または少なくとも100μg)を投与するステップ;および(b)前記被験体中の投与されたADCの血漿レベル/濃度が0.1μg/ml未満、好ましくは0.25μg/ml未満、0.5μg/ml未満、0.75μg/ml未満、または1μg/ml未満であると、続いて1以上の用量を前記被験体に投与するステップを含んでなる前記方法を提供する。他の実施形態において、本発明は過増殖疾患またはその1以上の症候群を予防、治療、管理または改善する方法であって、(a)それを必要とする被験体に、本発明の1以上のADCの少なくとも10μg(好ましくは少なくとも15μg、少なくとも20μg、少なくとも25μg、少なくとも30μg、少なくとも35μg、少なくとも40μg、少なくとも45μg、少なくとも50μg、少なくとも55μg、少なくとも60μg、少なくとも65μg、少なくとも70μg、少なくとも75μg、少なくとも80μg、少なくとも85μg、少なくとも90μg、少なくとも95μg、または少なくとも100μg)の1以上の用量を投与するステップ;(b)ある特定数の用量の投与後に前記被験体中の前記投与されたADCの血漿レベル/濃度をモニターするステップ;および(c)前記被験体中の投与されたADCの血漿レベル/濃度が0.1μg/ml未満、好ましくは0.25μg/ml未満、0.5μg/ml未満、0.75μg/ml未満、または1μg/ml未満であると、続いて本発明のADCの用量を投与するステップを含んでなる前記方法を提供する。好ましくは、前記ある特定数の用量は、本発明の1以上のADC、組成物の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12用量で
ある。
過増殖疾患またはその1以上の症候群を予防、治療、管理および/または改善するために使われてきたまたは現在使われている本発明のADC以外の療法(例えば、予防または治療薬)を、過増殖疾患またはその1以上の症候群を予防、治療、管理または改善するために本発明による1以上のADCと併用してもよい。好ましくは、本発明の併用療法に使われる予防または治療薬の用量は、過増殖疾患またはその1以上の症候群を予防、治療、管理および/または改善するために使われてきたまたは現在使われている用量より少ない。過増殖疾患またはその1以上の症候群を予防、治療、管理および/または改善するために現在使われている薬剤の推奨される用量は、当技術分野のいずれかの参考文献、限定されるものでないが、本明細書に参照によりその全てが組み入れられるHardmanら, eds., 2001, Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis Of Basis Of Therapeutics, 10th ed., Mc-Graw-Hill, New York;Physician's Desk Reference (PDR) 58th ed., 2004, Medical Economics Co., Inc., Montvale、NJから得ることができる。
様々な実施形態において、療法(例えば、予防または治療薬)は、5分間未満離れて、30分間未満離れて、1時間離れて、約1時間離れて、約1〜約2時間離れて、約2時間〜約3時間離れて、約3時間〜約4時間離れて、約4時間〜約5時間離れて、約5時間〜約6時間離れて、約6時間〜約7時間離れて、約7時間〜約8時間離れて、約8時間〜約9時間離れて、約9時間〜約10時間離れて、約10時間〜約11時間離れて、約11時間〜約12時間離れて、約12時間〜18時間離れて、18時間〜24時間離れて、24時間〜36時間離れて、36時間〜48時間離れて、48時間〜52時間離れて、52時間〜60時間離れて、60時間〜72時間離れて、72時間〜84時間離れて、84時間〜96時間離れて、または96時間〜120時間離れて投与される。他の実施形態においては、2以上の療法が同じ患者の来訪時に投与される。
ある特定の実施形態において、1以上の本発明のADCおよび1以上の他の療法(例えば、予防または治療薬)は周期的に投与される。サイクリング療法はある期間に対して第1の療法(例えば、第1の予防または治療薬)の投与、次いである期間に対して第2の療法(例えば、第2の予防または治療薬)の投与、場合により、次いである期間に対して第3の療法(例えば、第3の予防または治療薬)の投与というように行い、この逐次投与を繰り返すこと、すなわちサイクルは療法の1つに対する耐性の発生を低減し、療法の1つの副作用を低減し、および/または療法の効力を改善するためである。
ある特定の実施形態においては、同じ本発明のADCの投与を繰返してもよくかつ投与は少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、または少なくとも6ヶ月だけ分離して行ってもよい。他の実施形態においては、本発明のADC以外の同じ療法(例えば、予防または治療薬)の投与を繰り返してもよく、かつその投与は少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2ヶ月、75日、3ヶ月、または少なくとも6ヶ月だけ分離して行ってもよい。
実施例
以下、本発明を次の実施例を参照して記載する。これらの実施例は説明のためだけに提供するのであって、本発明はこれらの実施例に限定されると解釈してはならず、むしろ本明細書に提供した教示の結果として明らかになるいずれかのおよび全ての変法を包含すると解釈すべきである。
実施例1
様々な抗体構築物の生成と発現
6つのヒト化モノクローナル抗体(G5、10D3、12G3、1E11、4C10、4B11)および1つのヒト/マウスキメラ抗体(EA5)を共通の抗原、EphA2に対して生成させた。全てのこれらの抗体は哺乳動物細胞で少ししか発現されなかった。位置40、60および/または61における1以上の重鎖置換をこれらの各抗体において生成させ、これらの位置の1以上の好ましいアミノ酸残基の存在が生産性に与える効果を確認した。6つのヒト化抗体は位置H40にアラニンを含有した。これらの抗体をアラニンおよびアスパラギン酸によりH60およびH61においてそれぞれ置換した。同じ抗原に対するキメラ抗体、EA5は位置H40、H60またはH61に好ましいアミノ酸も含有しなかった。EA5について2つの別の重鎖を生成させると、その1つは位置60および61に置換を含有し、そして他の1つは位置H40、H60およびH61に置換を含有した。改変された重鎖の具体的なアミノ酸残基(図1Bを参照)を以下に記載する。全事例において、1以上の好ましい重鎖残基を位置40、60および61にもたらす置換は生産性の改善をもたらした(表6を参照)。興味深いことに、好ましいアミノ酸を含有しないEA5の場合、重鎖A60/D61組合わせはそれ自体が有意に生産収率を増加した。
材料と方法
抗原特異的抗体の生成、特徴づけおよびクローニング:抗体を生成、スクリーニング、クローニングおよび発現する一般的な方法は当業者に公知である。例えば、本明細書に参照によりその全てが組み入れられるCurrent Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausubelら, ed., John Wiley & Sons (Chichester, England, 1998);Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3nd Edition, J. Sambrookら, ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press (Cold Spring Harbor, NY, 2001);Antibodies: A Laboratory Manual, E. HarlowおよびD. Lane, ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press (Cold Spring Harbor, NY, 1988);ならびにUsing Antibodies: A Laboratory Manual, E. HarlowおよびD. Lane, ed., Cold Spring Harbor Laboratory (Cold Spring Harbor, NY, 1999)を参照されたい。
重鎖置換の生成: 抗体クローンG5、10D3、12G3、1E11、4C10、4B11、およびEA5の軽鎖の可変域および抗体クローンG5、10D3、12G3、1E11、4C10、4B11、およびEA5の重鎖の可変域を個々にヒトサイトメガロウイルス主最初期(hCMVie)エンハンサー、プロモーターおよび5'-非翻訳領域をコードする哺乳動物の発現ベクター中にクローニングした(Boshartら, 1985, Cell 41:521-30)。この系においては、ヒトγ1鎖がヒトκ鎖とともに分泌される(Johnsonら, 1997, J. Infect. Dis. 176:1215-24)。全ての重鎖置換は、部位-部位特異的突然変異誘発によりQuick Change Multi突然変異誘発キット(Stratagene、CA)を用いて製造業者取扱説明書に従って導入した。具体的には、S60A/A61DをクローンG5、10D3、12G3、1E11、4C10および4B11中にプライマー:5’-ACACAACAGAGTACGCTGACTCTGTGAAGGGTAGAGTCACCATT-3’を用いて導入し;これは重鎖抗体クローンG5/M、10D3/M、12G3/M、1E11/M、4C10/Mおよび4B11/Mを生成し;N60A/Q61DをEA5中にプライマー:5’-GTTACAATGGTGTTACTAGCTACGCCGACAAGTTCAAGGGCAAGGCCAC-3’および5’-GTGGCCTTGCCCTTGAACTTGTCGGCGTAGCTAGTAACACCATTGTAAC-3’を用いて導入してEA5/M’を生成し;そして、S40A/N60A/Q61DをEA5中にプライマー:5’-CTACATGCACTGGGTCAAGCAGGCCCATGGAAAGAGCCTTGAG-3’、5’-CTCAAGGCTCTTTCCATGGGCCTGCTTGACCCAGTGCATGTAG-3’、5’-GTTACAATGGTGTTACTAGCTACGCCGACAAGTTCAAGGGCAAGGCCAC-3’および5’-GTGGCCTTGCCCTTGAACTTGTCGGCGTAGCTAGTAACACCATTGTAAC-3’を用いて導入し、EA5/Mを生成した。軽鎖が変わらないで残ることに注意されたい(図1A)。配列はABI 3100シーケンサーを用いて立証した。次いでヒト胎児腎臓(HEK)293細胞を様々な抗体構築物を用いて35mm、6-ウエルディッシュ中でリポフェクタミンおよび標準プロトコルを用いて一過的にトランスフェクトした。上清を2回トランスフェクション後72および144時間に収穫した(それぞれ第1および第2収穫と呼ぶ)。分泌した可溶性ヒトIgG1を次に生産収率および元来の抗原との結合についてアッセイした(下記参照)。
発現収率の測定: 抗体クローンG5、G5/M、10D3、10D3/M、12G3、12G3/M、1E11、1E11/M、4C10、4C10/M、4B11および4B11/Mutの発現収率をELISAにより測定した。2日間隔で2回採集したトランスフェクション上清を抗体生産について抗ヒトIgGELISAを用いてアッセイした。簡単に説明すると、ヤギ抗ヒトIgGを用いてコートした96-ウエルBiocoatプレート(BD Biosciences、SanJose、CA)の個々のウエルをサンプルs(上清)または標準(ヒトIgG、0.5-100ng/ml)とともにインキュベートし、次いでヤギ抗ヒトIgG抗体の西洋わさびペルオキシダーゼコンジュゲートとともにインキュベートした。ペルオキシダーゼ活性は3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジンにより検出し、そして反応は0.2M H
2SO
4によりクエンチした。プレートは450nmにて読み取った。結果を表6に総括した。
aHEK293細胞を様々な抗体構築物を用いて一過的にトランスフェクトした。
bH1=第1収穫(トランスフェクション後72時間)。
cH2=第2収穫(トランスフェクション後144時間)。
d倍数増加=重鎖が改変された“Mut”抗体の各収穫(H1、H2)に対する平均収率を、非改変抗体の各収穫に対する平均収率により除した数値。
実施例2
クローン1C1を同定するための固体ファージパンニング
イムノチューブを、0.1M炭酸塩バッファー(pH 9.6、Sigma)中の20mg/mlのEphA2-Fcを用いてコートし、そして一晩4℃でインキュベートした。ファージライブラリー(Fab310、Dyax)を、20%のPEG(Fluka)を用いて1/5体積にて沈降させ、そしてPBS(pH7.4)に再懸濁した。次いでファージライブラリーを、2%ミルクを用いてブロックし、そして非EphA2結合モノクローナル抗体を用いてデセレクト(deselect)した(Fcバインダーを除去した)。ファージライブラリーを、ブロックとデセレクト(deselect)の後にEphA2をコートしかつ2%ミルクによりブロックしたイムノチューブに移した。2時間後、イムノチューブを、PBST(PBS+0.1%Tween)を用いて10〜20回洗浄して非結合ファージを取除いた。結合したファージを、イムノチューブから1mlの100mMトリエチルアミン(Sigma)を用いて溶出させ、そして0.5mlの1M Tris-HCl(pH 7.5、Invitrogen)を加えることにより中和した。次いで、1体積の溶出しかつ中和したファージを5体積の対数期TG1細胞(Novagen)および4体積の2YT(Teknova)と混合した。サンプルを37℃にて30分間(水浴)インキュベートした。次いで、サンプルを4000gで遠心分離し、ペレットを2YTに再懸濁した。細胞を2YT寒天プレート(Teknova)上にカルベニシリンおよび2%グルコースを用いてプレーティングした。プレートを30℃にて一晩インキュベートした。2日目に、コロニーを採集し、ヘルパーファージ(Invitrogen)に感染させた。感染細胞を一晩2YT中でカルベニシリン(Invitrogen)およびカナマイシン(Sigma)とともに30℃にて培養して高力価ファージを生成させた。ファージを一晩培養物から沈降させ、次いで上記の手順に従って次のラウンドのパンニングを行った。抗EphA2抗体クローン1C1を第2ラウンドのパンニングから誘導した。
抗EphA2抗体の生成:1F12、1H3、1D3、2B12および5A8
ファージディスプレイ技法を用いてEphA2と結合するFabを同定した。Dyaxからのファージライブラリーfab310を可溶相パンニングに用いた。ファージライブラリーを2%ミルクによりブロックし、そして非EphA2結合モノクローナル抗体を用いてデセレクト(deselect)した(Fcバインダーを除去した)。ストレプトアビジンをコートしたダイナビーズ(Dynal Biotech)を1%ミルクによりブロックした。ブロックしかつデセレクト(deselect)したファージを2.9mgのビオチン化したEphA2に曝し、そしてEphA2-ファージ複合体をブロックしたダイナビーズ(Invitrogen)により捕獲した。結合したファージを、1MLの100mMトリエチルアミン(Sigma)を用いて溶出し、そして溶出物を0.5MLの1MTris-HCLを加えることにより中和した。感染については、1体積のファージ溶出物を5体積の対数期のTG1(Novagen)および4体積の2YT(Teknova)と混合した。この混合液を30分間37℃水浴にてインキュベートした。感染後に、これを4000gにて5分間遠心分離し、そしてペレットを2YTに再懸濁した。TG-1細胞を、50ug/mlカルベニシリンおよび2%グルコース(Teknova)を含有する2YTプレート上にプレーティングし、30℃にて一晩インキュベートした。第2日に、細菌コロニーを採集し、ヘルパーファージ(Invitrogen)に感染させた。感染細胞を、カルベニシリン(Invitrogen)およびカナマイシン(Sigma)を含有する2YT培地にて一晩増殖して高力価ファージを生成させた。ファージを一晩培養からPEG沈降により濃縮した。PEG沈降はPEG/NaCl溶液を用いて5分の1体積の培養(FlukaからのPEG)にて行った。沈降後、ファージペレットを1ML PBS(pH 7.4、Invitrogen)に再懸濁し、そして次のラウンドのパンニングに用いた。2回以上のパンニングを行い、その場合、ビオチン化EphA2濃度を2.0mgに低下させた。抗EphA2抗体1F12、1D3、1H3および2B12を第2回のパンニングより、そして抗EphA2抗体5A8を第3回のパンニングより得た。
抗EphA2抗体の一過性発現
全抗体IgGを発現するために、抗体重鎖および軽鎖の可変域を、IgG1/ またはIgG1/ の抗体定常域を含有する哺乳動物の細胞IgG発現ベクターpABOE中に、標準分子生物学技法を用いてクローニングした。重鎖および軽鎖両方の発現カセットはそれ自身のCMVieプロモーターの制御下にあった。抗体遺伝子をHEK293F中に293フェクチン・トランスフェクション試薬により製造業者のプロトコル(Invitrogen)に従って一過的にトランスフェクトした。9日間内に3コレクションを採取した後に、タンパク質を、培養上清をタンパク質Aカラム(GEヘルスケア)を介して通過させることにより精製した。結合した抗体を、50mMクエン酸バッファー(pH3.2)を用いて溶出し、次いでPBSに透析した。全てのタンパク質をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析し、そして定量用ELISAにBCAキット(PIERCE)を用いて適用して抗体濃度を測定した。
実施例3
EphA2抗体の細胞表面結合
150μl FACSバッファー(PBS+2%ウシ胎児血清+L-グルタミン)中の2 X 105細胞を、1μg一次Ab(1C1,1F12、1H3、および3F2 α-EphA2 AbおよびR347イソ型対照)を用いて30分間4℃にてv底96ウエルプレート中で染色した。次いで細胞を2X、冷PBSにより洗浄し、そして30分間4℃にて二次Ab(フィコエリトリンとコンジュゲートしたヤギ-a-ヒトIgG、Biosource)を用いて染色した。FACS Caliburフローサイトメーター(BD Biosciences)を用いて蛍光分析を行った。この実験結果を本明細書の図15Aおよび15Bに総括し、腫瘍細胞上に発現されたヒト、マウスおよびラットEphA2と結合するこれらの抗体のそれぞれの能力を実証した。
実施例4
EphA2抗体の内在化
抗EphA2抗体(B233、B208、およびEA5)と抗EphA2抗体を認識する二次サポリン(毒)標識したモノクローナル抗体(mAb)を共インキュベートして、腫瘍細胞に基づく単層(MCF-10A)を導入して72-96時間インキュベートした。この目的は、複合体(抗EphA2mAbと二次mAb-サポリンコンジュゲート)が内在化されたことを示す細胞死を測定することにあった。このアッセイは、内在化mAbを選択するためのプレスクリニーングとして使用した。Kohlsら, Biotechniques, 2000 Jan; 28(1):162-5を参照されたい。この実験結果を本明細書の図15および16に総括した。
実施例5
α-EphA2抗体の内在化の蛍光可視化
細胞(PC3、HUVEC、またはCT26)を、NuncのTekII8-チャンバスライド上で、24〜48時間、37℃/5%CO2にて1チャンバ当たり適当な増殖培地400μl当たり2.5〜5.0x104細胞の濃度で増殖した。接着性細胞を一次Ab(G5、1C1、1F12、または3F2抗EphA2AbsおよびR347イソ型対照)により50μg/mlの濃度で30〜45分間、4℃にて標識した。次いで細胞をPBSで2回洗浄し、そして細胞表面に結合した一次Abを、細胞を増殖培地で覆いかつ37℃/5%CO2にて0分間、20分間(図19A〜Cおよび20)または60分間(図18)にてインキュベートすることにより内在化させた。
内在化に続いて、各ステップの間で2 X 冷PBS洗浄しながら、細胞を固定し(4%パラホルムアルデヒド)、透過化し(0.5% Triton X-100)、そして二次AlexaFluor 488ヤギ-α-ヒトIgG Ab(Biosource)を用いて標識した。最終的に、細胞をDAPI(Vector Labs)およびカバースリップを用いたVECTASHIELDマウンティングメディアによりカバーし、その後、蛍光共焦点顕微鏡により試験および写真撮影を行った。抗体内在化実験の結果を本明細書の図16、17、18A、18B、18C、および19の蛍光顕微鏡写真に示す。EphA2は、アゴニスト性EphA2抗体と結合すると速やかにこれらの細胞株に内在化された。
実施例6
EphA2受容体活性化
細胞を、6ウエル組織培養プレート中で一晩37℃/5%CO2にて1ウエル当たり3mlの適当な増殖培地当たり0.5x106細胞の濃度で増殖した。翌日、古い培地を取除いて、10μgの1C1または1F12α-EphA2AbまたはR347イソ型対照を含有する新しい培地と置き換えた。細胞を15分間、37℃/5%CO2でインキュベートしてEphA2受容体を活性化した。活性化の後、細胞を1回、冷PBSを用いて洗浄し、そしてホスファターゼインヒビターカクテル1および2(Sigma)ならびに製造業者推奨に従って加えた完全プロテアーゼインヒビターカクテル錠剤(Roche)を含有する1%TritonX-100溶解バッファーを用いて氷上で溶解した。D7α-EphA2 mAbおよび50μlのウサギ抗マウスIgGとプレコンジュゲートしたタンパク質Aセファローズビーズを、ライセートとともに4℃にて一晩混合してタンパク質を免疫沈降した。
タンパク質ライセートを10%ビス-Tris NuPAGEウェスタンゲルにより再溶解し、電気泳動によって製造業者プロトコルに従い、ニトロセルロース膜(Invitrogen)に移した。ブロットを1μg/ml一次Ab(マウスα-ホスホチロシンIgG2bk、クローン4-G10、Upstate)および二次Ab(ペルオキシダーゼ-コンジュゲートしたヤギ-α-マウスIgG、Jackson Immuno Research)とともにインキュベートして、活性化した(リン酸化された)タンパク質バンドをSuper Signal ECLキット(Pierce)を用いて同定し、そしてAmersham Biosciences Hyperfilmを用いて現像した。Coffmanら、Cancer Res. 63: 7907-7912、2003を参照されたい。EphA2受容体活性化実験の結果を本明細書の図21および22に総括し、様々なヒト、マウスおよびラット腫瘍細胞株上のEphA2を活性化するこれらの抗体のそれぞれの能力を実証した。
実施例7
Eph受容体交差反応性ELISAアッセイ
抗EphA2抗体1C1および1F12が、Ephファミリー受容体のマウスメンバーとなんらかの結合を示すかを確認する目的で、次のアッセイを実施した。抗EphA抗体を、8ウエルを通して、PBS中の5ml/ml(pH 7.2)の濃度からスタートして1:2で希釈した。EIA/RIA ELISAプレート(Costar cat. 3690)を50mlの希釈した抗体を用いてコートし、そして4℃にて一晩インキュベートした。翌日、そのプレートを3秒間の振とう間隔により分離した5回の調合/吸引洗浄ステップ[1X PBST(1X PSB、0.1%Tween20)による]をプログラムしたElx405自動プレート洗浄機を用いて洗浄した。プレートを重ねたペーパータオル上でパッティングして乾燥し、240mlのブロックバッファー(2%BSA w/vを含む1X PBST)を用いて1時間室温にてブロックした。Eph受容体をEZ-リンク・スルホ-NHS-ビオチン試薬(Pierce cat. 21335)を用いて8ビオチン/Eph受容体分子のチャレンジ比でビオチン化した。ビオチン化Eph受容体を50mM Tris-HCl(Invitrogen cat 15506-017)を用いてクエンチし、そして1mg/mlの希釈液をブロックバッファーで作った。プレートを再びElx405自動プレート洗浄機を用いて洗浄し、そしてパッティングして乾かした。各ウエルに、50mlの希釈したビオチン化Eph受容体を加え、そして37℃にて1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、そして前記のように乾燥し、そして50mlニュートラアビジン-HRP 1:12500(Pierce cat. 31002)を加えた。1時間37℃にてインキュベーションした後、プレートを洗浄し、180度回転しそして再び洗浄した。プレートをパッティングして乾かし、そして50mlのSureBlue TMBペルオキシダーゼ(KPL cat. 52-00-03)を各ウエルに加え、そして5〜10分間現像した。反応を50mlの0.2MH2SO4を用いて停止し、そしてELISAシグナルを450nmにて読み取った。この実験の結果を図23に総括し、1C1のマウスEphA2およびマウスEphA4との結合を実証し、かつ1F12のマウスEphA2、3、4、5、6、7、8、およびマウスEphB1および2との結合を実証した。
実施例8
in vitro成長阻害アッセイ
抗体のコンジュゲーション:
EphA2を、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)またはモノメチルアウリスタチンF(MMAF)のいずれかと、バリン-シトルリン(vc)またはマレイドカプロイル-シトルリン(mc)リンカーを用いてコンジュゲートした。抗体は、SeattleGenetics、Inc.にて前記プロトコル(DoroninaらBioConjugChem.2006;DoroninaらNatBiotech2003)に従ってコンジュゲートした。
In Vitro成長阻害アッセイ
細胞を、組織培養処理した96ウエルプレート(FalconBD)中で一晩37℃/5%CO2にて1ウエル当たり増殖培地(RPMI1640+10%ウシ胎児血清)150μl当たり2.0〜3.0x103細胞の濃度で増殖した。翌日古い培地を取除いて1ウエル当たり120μlの新しい培地と置き換えた。別々の希釈プレートを調製し、30μlの各希釈物を細胞に移した。
プレートを、37℃/5% CO2にてさらなる3〜4日間インキュベートし、そしてCellTiter-GloLuminescent細胞生存度アッセイキット(Promega)を用いて収穫した。細胞生存度をWallac Victor IIプレートリーダーを用いて蛍光測定値として決定した。
色々なin vitro成長阻害アッセイで試験した細胞は次の通りであった:PC3、SKMEL-28、A549、MDA-MB-231、231KC、A375、HCT-116、SW620、MDA-MB-468、MDA-MB-435、T231、HUVEC、H460、M21、SKOV-3、HeyA8、Panc.02.03、DU145、ACHN、OVCAR-3、HT29、MCF10-A、F98、およびCYNO-MK。色々なin vitro成長阻害アッセイで試験した抗体は次の通りであった:G5vc-MMAF、3F2vc-MMAE、3F2vc-MMAF、3F2mcMMAF、EA5vc-MMAF、1A7MMAF、R347vc-MMAF、R347mcMMAF、1C1mcMMAF、1F12mcMMAF、1C1vc-MMAE、および1F12vc-MMAE。実施した多数の異なるin vitro成長阻害アッセイの結果を本明細書の図30〜47に総括し、そしてEphA2を発現する腫瘍細胞株の増殖を特異的に阻害する、様々なEphA2コンジュゲートの能力を実証した。
実施例9
様々な癌モデルに対する抗EphA2 ADC G5のin vivo効力試験
4〜6週齢の胸腺欠損nu/nu(Harlan, Somerville, NJ)雌性マウスの皮下に5x106腫瘍細胞を注射した。図凡例に示したように、腫瘍が平均サイズ100〜150mm3に到達した後に、PBSまたは抗体薬物コンジュゲートの処置を4日毎に全部で5用量を腹腔内腔に注入した。各処置群は10〜12の範囲の数のマウスの群から構成された。
腫瘍体積測定はカリパーにより、薬物処理の開始時にスタートして日常的に(1〜2回/週)行った。これらの研究の結果を本明細書の図48〜50に総括する。結果は、vcリンカーを用いてMMAFとコンジュゲートしたG5はPC3およびMDA-MB231腫瘍成長をin vivoで用量に応じる方式で特異的に阻害することを実証した。
実施例10
前立腺癌モデルにおける抗EphA2、ADC 3F2のin vivo効力試験
4〜6週齢の胸腺欠損nu/nu(Harlan, Somerville, NJ)雌性マウスの皮下に5x106腫瘍細胞を注射した。図凡例に示したように、腫瘍が平均サイズ100〜150mm3に到達した後に、PBSまたは抗体薬物コンジュゲートの処置を4日毎に全部で5用量を腹腔内腔に注入した。各処置群は10〜12の範囲の数のマウスの群から構成された。
腫瘍体積測定はカリパーにより、薬物処理の開始時にスタートして日常的に(1〜2回/週)行った。これらの研究の結果を本明細書の図51に総括する。結果は、vcリンカーを用いてMMAEと、またはmcリンカーを用いてMMAFとコンジュゲートした3F2はPC3腫瘍成長をin vivoで用量に応じる方式で特異的に阻害できることを実証した。
実施例11
様々な癌モデルにおける抗EphA2 ADCである1C1および1F12のin vivo効力試験
4〜6週齢の胸腺欠損nu/nu(Harlan, Somerville, NJ)雌性マウスの皮下に5x106腫瘍細胞を注射した。図凡例に示したように、腫瘍が平均サイズ100〜150mm3に到達した後に、PBSまたは抗体薬物コンジュゲートの処置を4日毎に全部で5用量を腹腔内腔に注入した。用量の範囲は各図(本明細書の図52〜56Cを参照)に対して記載の通り1mg/kg(20μg)〜10mg/kg(200μg)であった。各処置群は10〜12の範囲の数のマウスの群から構成された。
腫瘍体積測定はカリパーにより、薬物処理の開始時にスタートして日常的に(1〜2回/週)行った。これらの研究の結果を本明細書の図52〜56Cに総括する。結果は、mcリンカーを用いてMMAFとコンジュゲートした1C1および1F12はPC3およびMDA-MB231腫瘍成長をin vivoで用量に応じる方式で特異的に阻害することを実証した。
実施例12
in vivo毒性研究
4〜6週齢の胸腺欠損nu/nu(Harlan, Somerville, NJ)雌性マウスに尾静脈を介して、PBSまたは抗体薬物コンジュゲート(MMAEとvcリンカーを用いてコンジュゲートした、またはMMAFとmcリンカーを用いてコンジュゲートした1C1および1F12)を次の用量レベル:vc-MMAE抗体を40mg/kg、50mg/kg、および60mg/kgで;1C1-mcMMAF抗体を120mg/kg、180mg/kg、および240mg/kgで;および1F12-mcMMAF抗体を90mg/kg、120mg/kg、180mg/kg、210mg/kg、および240mg/kgにて注射した(単一ボーラスで)。薬物投与後14日間、毎日の観察値および体重測定値を14日間記録した。各処置群は3〜4マウスから構成された。罹患徴候を示す動物(曲がった姿勢、呼吸障害、運動性低下、20%を越える体重低下など)は人道的にCO2吸引により安楽死させた。これらのin vivo毒性研究結果を本明細書の図58に総括し、体重低下と関係する各抗体薬物コンジュゲートの相対的耐用性を示す。
本発明の特別な実施形態を説明の目的で以上に記載したが、当業者は、多数の詳細の変法が添付した請求の範囲に記載した本発明から逸脱することなく行われうることを理解するであろう。
本明細書に記載したすべての刊行物、特許および特許出願は、あたかもその各々が具体的にかつ個別に参考として本明細書に取り込まれていたと同程度に、本明細書中に参照により本明細書に取り込むものとする。