JP2009504981A - アキシャルピストンコンプレッサ - Google Patents
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Abstract
少なくとも一つのピストンと、駆動軸(1)に対して傾斜を変動できしかも駆動軸(1)によって回転駆動されるティルトプレート(2)特にリング型ティルトプレートと備え、ティルトプレート(2)が駆動軸(1)から離間しかつ駆動軸(1)と共に回転するように配列した少なくとも一つの支持要素(5)に、特に連接して、接続され、一つ又は複数のピストンが各ケースに連接装置を備え、この連接装置にティルトプレート(2)が摺動係合し、支持要素(5)が、駆動軸(1)と共に回転する力伝達要素(6)と作動係合し、支持要素(5)が半径方向及び/又は垂直方向、特に駆動軸の軸線に対して垂直に変位できるように力伝達要素(6)に連接されて成るアキシャルピストンコンプレッサ、特に自動車の空調システム用コンプレッサ。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
本発明は、アキシャルピストンコンプレッサ、特に請求項1の前文による自動車空調システム用コンプレッサに関するものである。
コンプレッサ駆動機構の分野では、可変ピストンストロークを備えたコンプレッサの場合に、ティルトリングの形態のティルトプレート、すなわちリング型ティルトプレートを使用する傾向が現われ始めており、プレートを傾斜させるのに必要な傾斜形成関節(連接)は実質的にリング型ティルトプレートと一体化されている。例えば、ピストンのストローク運動が機械の軸に対して傾いて方向決めしたリングプレートを係合チャンバ内で係合することによって行われるようにしたコンプレッサは、欧州特許EP0964997B1によって公知である。係合チャンバはピストンの包囲中空空間に隣接して設けられる。ティルトプレート又はティルトリングのあらゆる傾斜において実質的に遊びのない摺動係合では、ティルトプレートと係合チャンバの球形に湾曲した内壁との間の両側に、摺動ブロックと呼ばれる球形セグメントが設けられ、それによりティルトリングは回転する際にそれらの間で摺動するようにされる。
駆動は、駆動軸に取付けられる結合運動のピンによって駆動軸からティルトリングへ伝達され、ピンの球形ヘッドはティルトリングにおけるラジアル孔に係合し、結合運動用の部材のヘッドの位置は、それの中心点が球形セグメントの中心点と一致するように選択される。さらに、中心点は七つのピストンの幾何学的軸線を互いに接続する円形線上に及びさらにピストンの球形関節部材の中心点を結ぶ円形線上に位置される。該手段によって、ピストンの上死点位置が決められ、そして最小隙間容積が確保される。これに関して、死点はティルトリングの全ての偏向角すなわち傾斜角について一定であり、従って前記の最小隙間容積が確保されることが認められるべきである。結合運動用の部材のヘッドの自由端のヘッド形状によって、結合運動用の部材のヘッドがピストンのストローク距離を変えるティルトプレートの傾斜運動に対する軸受体を形成することによって、ティルトプレートの傾斜を変えることができる。
ティルトプレートを傾斜するための別の必須条件は、ティルトプレートの取付け軸線を駆動軸の方向へ変位できることにある。この目的で、取付け軸線は、摺動スリーブの各側における同じ軸線に装着した二つの取付けピンによって形成され、これらの取付けピンは、ティルトプレートにおけるラジアル孔に付加的に装着される。この目的で、摺動スリーブは好ましくは、各側に取付けスリーブを備え、これらの取付けスリーブは、摺動スリーブとティルトプレートとの間の環状空間をスポークの形態で跨いでいる。
摺動スリーブの変位可能性の限界及び結果としてティルトプレートの最大傾斜位置は、結合運動用のピンが摺動スリーブに設けた細長い孔を通り、摺動スリーブが細長い孔の端部における端部止めに当るようにすることによって、結合運動用のピンから生じる。ティルトプレートの角度を変化させる及び従ってコンプレッサを調整する力は、各場合にピストンの各側において互いに作用する圧力の和から生じ、それでこの力は駆動機構チャンバ内の圧力に依存する。先行技術によれば、駆動機構チャンバ内の圧力Pcは高い圧力と低い圧力(入口圧力)との間で調整され得、その結果、ティルトプレートの傾斜に影響を及ぼすティルトプレートにおける力の平衡に影響を及ぼす。摺動スリーブの位置はさらに、種々の変形例において先行技術に含まれるバネによって影響される。
さらに、供給出力を調節する摺動スリーブの位置はまた、ティルトプレートに作用する慣性力によって決められ、ティルトプレートの位置すなわちティルトプレートの傾斜角は回転速度の増大と共に変化する。既存のコンプレッサの場合に、慣性運動を備えたティルトプレートを用いる傾向に向っており、それらのティルトプレートはピストンのストローク距離を短縮し、その結果回転速度が増大すると、供給出力を低減する。これに関連して、コンプレッサの回転速度が増大する際に傾斜角が小さくなるのが望ましい。
しかし、前記で説明した装置における問題点は、結合運動用の部材のヘッド(点接触/線接触)及びティルトプレート(システム:球形/シリンダ)の領域における高いヘルツ応力、及びピストンにおけるガス力による反力及びティルトプレートに伝達されるべきトルクによる力にある。
欧州特許EP0964997B1によって公知であるコンプレッサと同様なコンプレッサは、JP2003−269330AAによって公知であるが、そのコンプレッサでは全部で二つの結合運動用の部材が用いられている。
前記の二つの文献による運動学すなわち欧州特許EP0964997B1及びJP2003−269330AAの発明の場合の運動学に重要な点は、結合運動用の部材のヘッドがピストンの摺動ブロックの中央点と中心的に一致し、結合運動用の部材のヘッドの中央点の位置が同時にピストンの中心軸線の基準円に対してほぼ接線方向であることにある。
前記の不利益な特徴の他に、欧州特許EP0964997B1及びJP2003−269330AAの発明は装置構造が非常に複雑であり、その結果部品数が非常に多くなり、従ってコストが高くなり、さらには二つの結合運動用の部材による取付けは過剰に決められ、従って摩耗しやすく、また特に軸に孔が設けられることにより構成要素の強度がむしろ低いと考えられるべきである。
前述の文献に記載された発明と相当に異なる別のコンプレッサはDE10152097A1によって公知である。DE10152097A1による発明の場合には、結合運動用の部材、特に結合運動用の部材の球形ヘッドはヒンジピン又はスピンドルに代えられる。しかし、これは外側からティルトプレート内に一体化されそして駆動軸組立体の構成要素である結合運動用のカップ型ディスクを用いて緊締される。DE10152097A1の発明はまた、装置構造が複雑であり、さらに、傾斜角に依存して大きな不平衡が生じ得ることに留意される必要がある。これは、コンプレッサの摩耗を助長し、その結果コンプレッサの動作寿命が低減することなる。
さらに別のコンプレッサはFR2782126A1から公知であり、駆動軸から半径方向外方へのびしかもティルトプレートに係合する結合運動用の部材を備えている。DE10152097A1による解決法と同様にして、この装置におけるティルトプレートは、径方向にのびて、結合運動用の部材に固定される。またこれにおいては、欧州特許EP0964997B1及びJP2003−269330AAの発明と中心的に異なっている。欧州特許EP0964997B1及びJP2003−269330AAの発明の場合には、ティルトプレートが軸の軸線上に位置する関節における回転運動を行うので、ティルトプレートにおける結合運動用の部材のヘッドの取付け点(部位)はティルトプレートにおける案内通路(孔)における相対運動を受けるが、FR2782126A1及びDE10152097A1による装置の場合の回転運動はティルトプレートの横方向連接において行われる。
本願の出願人の未公開特許出願DE102004041645には、駆動軸に変位可能に装着される結合運動用の部材(ティルトプレートと接触する支持要素並びに駆動軸及びティルトプレートと作動係合する力伝達要素から成る)が提案されている。その結果、結合運動用の部材のヘッドとティルトプレートとの間の力の伝達は最適に行われえる(面積状接触の結果としての力の伝達)。しかし、駆動軸における結合運動用の部材の変位は、曲げモーメントのために大きな力が取られなければならず、そのため部品は非常に堅固な構造のものでなければならないので、問題となり得る。この堅固な構造は、コンプレッサの質量を増大させることになる。
結合運動用の部材がいかなるトルクも伝達しない結合運動構造型のティルトプレート/部材のコンプレッサはDE10315477A1から公知である。この特徴はさらに、DE102004041645の好ましい装置に適用する。結合運動機能は、ティルトプレートに軸方向に作用するピストン力の支持体を構成することに限定され、トルクは、結合運動用の部材と別個の要素によって供給される。その結果として、結合運動用の部材に作用する力は、前述のようにトルクが伝達されないので、低い。この方法の利点は、加えられた力による力すなわち表面接触圧では(これらの力が比較的低いために)、結合運動用の部材が過剰に変形せず、その結果、結合運動用の部材が相応して軽量構造のものにでき、ティルトプレートの傾斜が相対的にヒステリシスのない仕方で或いは相対的に殆どヒステリシスなしに行うことができることにある。しかし、欠点としては、結合運動用の部材の球状ヘッドがティルトプレートにおける比較的大きな凹部に配置されることにある。その結果、ヘルツ応力は平面/球面幾何学的組合せで描かれ得又は描かれなければならず、このことは、高度のヘルツ応力を引き起こすので相対的に不利益である。
また、本願の出願人の未公開特許出願DE102005004840から、面接触圧の問題に関して改善するコンプレッサは公知である。DE102005004840の発明は、ティルトリングと係合する支持要素を備え、支持要素とティルトリングとの間で線接触する。前述の先行技術に比べて、これはヘルツ応力に関して改善している。又有利な効果として、DE102005004840の発明の場合には、駆動モーメント及びねじれモーメントはガス力支持体から解放される。しかし、十分な長さの線接触保証しかつ相応して低い面接触圧を達成するために、ティルトプレートに相対的に大きな凹部を設ける必要がある。ティルトプレートにおける大きな凹部は、伝達されるガス力のために、ティルトリングを変形させ、従って摩耗させることになる。さらに、ティルトフレームのダウン調整作用(回転する質量体の偏りの特に関連したモーメントによるモーメントMsw及びそのモーメントと変換において動いた質量体のモーメントMk,gesとの間の相互作用に関係する)及びそれらの不平衡は大きな凹部によって不利に影響される。DE102005004840の発明の場合には、ガス力支持手段の質量は偏りのモーメントに影響しない。
さらに、本願の出願人の未公開特許出願DE10200501811023から、力伝達要素が支持要素と回転可能に及び/又は径方向に変位可能に連接しているコンプレッサは公知である。その結果、支持要素が大きな面積にわたって(低いヘルツ応力に相当する)力を得ることのでき、一方ティルトプレート及びティルトプレートの質量関連特性に関連した別の部品の取付け及び傾斜が全傾斜角度範囲及び全回転速度範囲にわたって低いコンプレッサが提供される。面接触圧の問題は、DE10200501811023の発明において、許容できる仕方で解決されるが、しかし上記ドイツ国特許出願で提案した形態は、相対的に大きなサイズの構造が必要である。力伝達要素の必要な直径すなわち横断面外形の(例えば引張り計算による)測定及び可能な変形(案内通路内のジャミングの可能性による)の測定は、かかる種類のコンプレッサの構造のサイズの低減が望ましいことになる。また、支持要素における孔に力伝達要素を一体化し、またその目的で適切な強度を保証する残留壁厚を設けなければならないという事実はまた、結果として支持要素の直径が実質的なものとなる。同様な問題は、支持要素がティルトプレートまたはティルトリングと最終的に一体的に構成される場合に生じる。結果として、この種の装置は、ティルトプレートの高さをかなりの程度に調節する。より良いポイントを例示するために、例を挙げると次のとおりである。必須の強度又は必要な寸法の概算では、力伝達要素の直径は8mmとなり、支持要素の直径は14mm(最大残留壁厚は3mm)となり、またプレートの高さは18mm(最大残留壁厚は2mm)となる。ティルトプレートの高さは、底部摺動ブロック適応手段を頂部摺動ブロック適応手段に接続するピストンのブリッジング領域に実質的に影響するので、比較的コンパクトな構造モードが望ましい。ブリッジング領域がお菊なればなるほど、確実な曲げモーメントが大きくなる。適切な寸法決めでこれを阻止できるが、かかるコンプレッサのハウジングの直径は大きい。
前述の先行技術から始まって、本発明の課題は従って、力伝達要素と支持要素との間の取付けが、一方では取付けの領域における低い変形程度を保証し、他方では同時にティルトプレートの高さをできる限り低くししかも調和して力の伝達の過程における低いヘルツ応力を保証するように構成されるコンプレッサを提供することにある。
この課題は、特許請求の範囲の請求項1に記載の特徴を備えたコンプレッサによって解決され、好ましい発展及び実施形態は従属請求項に記載されている。
従って、本発明の基本特徴は、支持要素が半径方向及び/又は垂直方向、特に駆動軸の軸線に対して垂直に変位できるように力伝達要素に連接されることにある。このことは言い換えれば、支持要素が軸線沿って又は特に平面において変位できることを意味している。結果として、必須の強度及び剛性がワイドな取付けによって行われるので、先行技術の場合より小さな力伝達要素を用いることができる。その結果として、相対的に小さな構造形態で所望の低い変形程度も保証することができる。さらに、力伝達の過程において、所望の低いヘルツ応力程度も保証される。
好ましい実施形態では、支持要素は、円筒状ピンの形態であり、その結果、構造上シンプルな構成と同時に、最適ヘルツ応力を保証する。支持要素は溝を備えることができ、この溝に力伝達要素が作動係合する。代わりに、支持要素はポケット型凹部を備えることができ、“ポケット型”は本発明においては特に長方形を表わすが、しかしまた支持要素においては丸型又は楕円形凹部も表わす。この場合、任意ではあるが、支持要素と対向する力伝達要素の少なくとも端部領域は平坦な鋼部品の形態に形成され、すなわち、ほぼ長方形の周囲輪郭をもつ。その結果、支持要素と力伝達要素との間の確かな係合は、造上の複雑さが低い程度であると同時に保証される。
力伝達要素はさらに、相対的に回転できない仕方で駆動軸に接続され得、これにより本発明によるコンプレッサがシンプルな構造であることを保証する。所望の又は必要な自由度に関連して、力伝達要素はまた当然、駆動軸に回転可能に装着され得る。任意ではあるが、力伝達要素は、駆動軸の一部であっても、或いは駆動軸と一体に構成されてもよい。好ましい実施形態では、力伝達要素は、駆動軸と一部片に形成される。これは、構造上の複雑さを低くすると同時に機能上の構成を保証している。
好ましくは、支持要素及び力伝達要素は、実質的に単にピストンにアキシャル支持体を設けるため、すなわちガス力支持体を設けるために機能し、一方駆動軸とティルトプレートとの間の独立した装置、特に関節接続体が実質的に単にトルク伝達するために機能する。これにより、駆動トルク及びガス力支持体の分離が保証される。
本発明によるコンプレッサの場合、好ましくはティルトプレートは、駆動軸に沿って軸方向に変位できるように装着した摺動スリーブに回動可能に装着され、ティルトプレートは、駆動ピンを介して摺動スリーブ及び/又は駆動軸に接続される。これは、駆動トルク及びガス力支持体の分離の簡単な手段を保証する。駆動ピンは、押し嵌めにより摺動スリーブ又はティルトプレート内に挿入され得、或いはアキシャル固定要素又はサークリップによって摺動スリーブ又はティルトプレート内に固定され得る。駆動ピンは、特に駆動軸における溝の形態であり得る凹部内に突出できる。任意ではあるが、特にフェザーキーの形態の接続要素は、駆動軸と摺動スリーブとの間に設けられ、接続要素は、力及びモーメントを径方向に伝達でき、そして駆動軸に軸方向に変位可能に装着される。支持要素から離れた力伝達要素の端部によって駆動軸から摺動スリーブへ駆動トルクを伝達するようにして、支持要素から離れた力伝達要素の端部は、駆動軸を通って、摺動スリーブにおける長手方向スロット内へ突出できる。前述の構造上の特徴により、駆動トルク及びガス力支持体の信頼できる分離が保証され、その結果として、力伝達要素及び支持要素の両方は適切に“スリム”な構造のものとなり得る。
摺動スリーブ又は駆動軸とティルトプレートとのには、特に平坦な接触面の形態のある他の装置が設けられ得る。これに関して、摺動スリーブを備えた装置及び摺動スリーブを備えない装置は両方とも、最初に駆動軸における適当に平坦な領域とティルトプレートにおける相応した平坦な領域との間において、並びに一方では駆動軸及び/又は摺動スリーブと、他方ではティルトプレートとの間の相応した平坦な領域によって間接的に又は直接的に装置に依存してトルク伝達を行うことができるように、実現できることが記載されるべきである。確かなモーメント伝達は結果として保証される。
支持要素は任意ではあるが、ティルトプレートの円筒状凹部、特に孔に装着される。孔は駆動軸の軸線に垂直にのびることができる。この構造手段は本発明によるコンプレッサを作る簡単な手段を保証する。
好ましくは、支持要素は、少なくとも一つのサークリップによってティルトプレートの相応した凹部、特に円筒状凹部に固定される。付加的に及び/又は代わりに、支持要素は、少なくとも一つのネジ付き緊締要素によってティルトプレートの凹部に固定される。ネジ付き緊締要素は無頭ネジであり得る。これに関して、サークリップ及び無頭ネジの組合せは、支持要素を固定するために可能であることが認められるべきである。構造的に好ましい実施形態では、ティルトプレートの凹部に、少なくとも一つの緊締要素、又は特に二つの緊締要素が設けられる。代わりに又は付加的に、少なくとも一つの緊締要素がティルトプレートの径方向にのびる(任意ではあるが付加的な)凹部に設けられ得、そして支持要素における凹部、任意ではあるが付加的な溝内へのびることができる。この溝は好ましくは、支持要素の長手方向軸線に沿って配置される。結果として、低コスト経費で有効な緊締が保証される。
力伝達要素は、駆動軸に対向した端部においてリング型又はスリーブ型であり、そしてリング型又はスリーブ型端部によって、駆動軸の外径上に装着又は固定され、或いは駆動軸上に配置され得る。代わりに、力伝達要素は、リング型又はスリーブ型要素と作動係合でき、リング型又はスリーブ型要素は、駆動軸の外径上に装着され又は駆動軸の外径と作動接続し、或いは駆動軸と作動係合する。力伝達要素は、駆動軸に対向した端部がリング型又はスリーブ型である際には、フェザーキーによって駆動軸に径方向に固定又は緊締され得る。当然、力伝達要要素が力伝達要素とリング型要素とから成る構成要素である場合にも同じである。さらに、力伝達要素又はリング型要素は、特に溝付きナット又は他のアキシャル固定要素のような機械要素によって駆動軸に軸線方向に随意に固定され得る。任意ではあるが、力伝達要素のリング型又はスリーブ型端部或いはリング型又はスリーブ型要素は、軸線方向にのびる少なくとも一つの溝を備えることができ、溝には一つ又は複数のトルク伝達装置が係合する。既に説明したように、前記トルク伝達装置は、簡単な実施形態では、相応した溝に係合する駆動ピンである。前述の構造の装置は、駆動軸に当らない、特に駆動軸の安定性を侵さない構造である。駆動軸が固体構成にできることによって、一方では、孔の貫通している駆動軸に比較して半径を減少でき、また他方では、半径の減少により、本発明によるコンプレッサの重量軽減及び構造のより小さな寸法を達成できる。
支持要素と力伝達要素との間に長さ補償手段を設けることができ、この長さ補償手段は好ましくはほぼ径方向に配列される。駆動軸の軸線に垂直な方向に支持要素を変位させることのできる、支持要素と力伝達要素との連接(関節接続)に加えて、この長さ補償手段は、代わりに及び/又は付加的に入れ子式機構などによって実施され得る。
支持要素とティルトプレートとの間の連接の中心は好ましくは、ティルトプレートの偏向角が小さい場合には、ティルトプレートとピストンとの連接によって生じる連接の中心より駆動軸の中心軸線から径方向へ一層に離れている。ティルトプレートの偏向角が大きい場合には、幾何学的構造は好ましくは、ティルトプレートに対する支持要素の連接の中心が、ティルトプレートに対するピストンの連接によって生じる連接の中心より駆動軸の中心軸線に一層近づくように変位される。好ましくは、前記二つの連接の中心は、ティルトプレートの少なくとも一つの、特に正確に一つの傾斜角又は偏向角に対して同じ距離駆動軸の中心軸線から径方向へ離れている。前記の構造上の特徴によって、本発明によるコンプレッサは最適な運動学を備えることが保証される。
支持要素及び/又は力伝達要素の中心軸線は、ティルトプレートの全ての偏向角に対して、駆動軸の中心軸線と好ましくは90°に等しくない含み角を成す。このことは、言い換えれば、支持要素及び/又は力伝達要素の中心軸線が、全ての偏向角に対して、0°より大きい角度でティルトプレートに設けられることを意味している。本発明によるコンプレッサの最適化した構造形態では、ティルトプレートの中間偏向角は、支持要素及び/又は力伝達要素の中心軸線をティルトプレートに設ける最大角度と、支持要素及び/又は力伝達要素の中心軸線をティルトプレートに設ける最小角度との差のほぼ半分に相当する。二つの前述の構造の装置は有利な隙間容積特性曲線をもたらす。
別の好ましい実施形態では、駆動軸の中心軸線から支持要素と力伝達要素との間の連接部の径方向間隔、一層正確には前記連接部の中心の径方向間隔は、ティルトプレートの偏向角が小さい場合に、駆動軸の中心軸線からピストン連接の中心の径方向間隔より大きい。転移して動くピストン、摺動ブロック等のような質量体、及び回転して動く質量体(ティルトプレートなど)によるモーメントの和は、好ましく全ての偏向角に対して、特に大きな偏向角に対して、及び一層特にティルトプレートの最大偏向角度に対して、ほぼ一定である。好ましくは、モーメントの和はほぼゼロである。このことは、本発明によるコンプレッサの所望の調整特性をもたらす。
本発明によるコンプレッサの別の好ましい実施形態では、支持要素は、径方向にのびる凹部を備え、この凹部に力伝達要素が装着される。この凹部は、特にほぼ長方形形態又は長方形横断面であり得る。任意ではあるが、凹部の横断面は、径方向外側領域において、外側へ向う径方向に大きくなり、一方、径方向内側領域において、ほぼ一定である。好ましくは、径方向外側(端面)に位置する力伝達要素の縁部は、ティルトプレートの任意の傾斜角に対して、前記凹部の径方向外側領域に設けられる。言い換えれば、このことは、端面縁部がほぼ一定の凹部横断面の領域を越えてのびることを意味している。前述の構造手段より、力伝達要素が取付けのための支持要素における凹部にジャミングしたりブロックしなくなることが保証される。
別の有利な構造形式では、本発明によるコンプレッサは、ハウジングと、ハウジングによってほぼ画定された駆動機構チャンバとを有し、駆動機構チャンバと入口ガス側との間に、少なくとも部分的に駆動軸を通ってのびる流体接続部が設けられる。流体接続部は、駆動機構チャンバ圧力の調整及び従ってティルトプレートの傾斜角又は偏向角の調整を可能にする。駆動軸における流体接続部の少なくとも部分装置は、本発明によるコンプレッサが僅かな構成要素部品を備え、従って経済的に製造できることを保証する。
任意ではあるが、流体接続部は、駆動軸においてほぼ軸線方向にのびる、少なくとも一つの凹部、及びほぼ径方向にのびる少なくとも一つの凹部を備えている。これらの凹部は、特に孔の形態であり得る。好ましくは、駆動軸に対向する力伝達要素の少なくとも端部領域はほぼ円筒状であり、すなわちほぼ円形横断面を備えている。力伝達要素は、駆動軸に押し込まれ、或いは押し嵌めによって嵌合され得る。これらの手段よって、駆動軸に対して力伝達要素を構造的に簡単でしかも確実かつ信頼できる接続できる。
好ましい実施形態では、力伝達要素の駆動軸関連端部は、駆動機構チャンバと入口ガス側との間の流体接続の一部である特に半円形または溝型の凹部を備えている。その結果、力伝達要素は、駆動軸に中心に装着され得、これにより不平衡が防止され、同時に、前述のようにティルトプレートの偏向角を調整する働きをする駆動機構チャンバと入口ガス側との間の流体接続は簡単な仕方で、特に付加的な構成要素部品なしで形成できる。
以下添付図面を参照して本発明を例として別の利点及び特徴に関して説明する。
本発明によるコンプレッサの好ましい実施形態は、(図面に示されてない)ハウジングと、シリンダブロックと、シリンダヘッドとを備えている。ピストンは、軸線方向に前後に動くことができるようにシリンダブロックに装着される。コンプレッサの駆動装置は駆動軸1によってベルトプーリを介して設けられる。この場合のコンプレッサは、可変ピストンストロークを備えたコンプレッサであり、ピストンストロークは、入口ガス側及び駆動機構チャンバにおける圧力によって既定された圧力差により調整される。圧力差の大きさに依存して、ティルトリング2の形態のティルトプレートは、それの垂直位置から多少偏向または傾斜される。傾斜の結果としての角度すなわち偏向角が大きければ大きいほど、ピストンストロークは大きくなり、従ってコンプレッサの外側で利用できる圧力は高くなる。
図1から分かるように、好ましい実施形態のティルトプレート機構は、駆動軸1、ティルトリング2、リング型又はらせん調整又は復帰バネ4の形態の弾性要素の作用に抗して駆動軸1に軸方向に装着される摺動スリーブ3、支持要素5及び力伝達要素6を備えている。支持要素5は、径方向及び垂直方向(駆動軸の軸線に垂直な方向)の両方向に変位できるように力伝達要素6と連接(関節接続)され、このことは、支持要素5が平面において(及び軸線に沿ってではなく)変位できるように装着されることを意味している。支持要素5は円筒状ピン型であり、そして溝7を備え、この溝7によって、支持要素5は力伝達要素6と作動係合する。この目的で、支持要素5に対向した端部すなわち支持要素5に対向した力伝達要素6の端部領域は平坦な鋼部品の形態に形成される。従ってこのことは、力伝達要素6の前記端部領域の周囲輪郭がほぼ長方形であることを意味している。このほぼ長方形に形成した端部領域は支持要素5の溝7に係合する。力伝達要素6及び支持要素5の構成による利点、並びに特に一方を他方の内部に取付けることによる利点は、平坦な鋼部品が非常に高く作る必要がないことにあり、強度及び剛性(低い変形)は取付けの幅によってもたらされる。中間領域では、力伝達要素6の厚さは増大し、また力伝達要素6は駆動軸1に対向した端部では、スリーブ型にされている。力伝達要素6のスリーブ型部品8によって、力伝達要素6は駆動軸1に装着及び緊締される。これに関連して、この好ましい実施形態では力伝達要素6はスリーブ型部品8 と一部片に及びまたスリーブ型部品8と同一材料で形成されることが認められるべきである。代わりに、力伝達要素6及びスリーブ型部品8は当然、二つの異なる構成要素部品(任意ではあるが異なる材料から成る)でもよいことが認められるべきである。さらに、これに関連して、力伝達要素6又は力伝達要素6のスリーブ型部品8は溝9の形状の二つの凹部を備えることが認められるべきである。
バネ4の内径は力伝達要素6のスリーブ型部品8の外径より大きいので、スリーブ型部品8は、ティルトプレート機構の組立てた状態において、バネ4の下側で摺動され得る。従ってこのことは、スリーブ型部品8が駆動軸1上に配置され、そしてバネ4によって径方向に駆動軸1に固定される。バネ4から離れた力伝達要素6の側には、駆動軸1上に摺動スリーブ3が配置され、摺動スリーブ3は力伝達要素6に相対した凹部10を備えている。摺動スリーブ3はさらに、孔11の形状の二つの凹部を備えている。力伝達要素6及び摺動スリーブ3は、溝付きナット12(図2a及び図2b参照)によって軸方向に駆動軸1に固定される。コンプレッサの始動を良好にするために、さらに、駆動軸1にはディスクバネ23が設けられ、このディスクバネ23は、コンプレッサがティルトリング2の最小の偏向角で始動しないことを保証する。さらに、駆動軸2(1の誤り)には、端部止めディスク24、25の形式の端部止め部材が設けられ、これらの端部止め部材でティルトリングの偏向角を制限する。端部止めディスク24は最小偏向角に対する端部止め部材として機能し、また端部止めディスク25はティルトリング2の最大偏向角に対する端部止め部材として機能する。
支持要素5は、ティルトリング2における孔13の形式の円筒状凹部に装着される。孔13は駆動軸の軸線に垂直にのびている。支持要素5は、二つのサークリップ14によってティルトリング2に固定される。
これに関連して、この好ましい実施形態では、相対回転をさせない仕方で駆動軸1に接続される力伝達要素6は、他の実施形態では駆動軸1と回転可能に作動接続することが認められるべきである。さらに、これに関して、力伝達要素6のスリーブ型装置すなわちスリーブ型部品8の結果として、駆動軸1は孔が貫通してなく、従って適切な安定性をもたらすことが認められるべきである。ティルトリング2における孔の開口幅は少なくとも力伝達要素6の相応した長さより非常に僅かに大きい。
この好ましい実施形態では、支持要素5及び力伝達要素6を備えた機構は、軸からティルトリング2の形式のティルトプレートへトルクを伝達するようにされない。支持要素5と力伝達要素6との間、力伝達要素6と駆動軸1との間及び支持要素5とティルトリング2との間の取付け位置は、トルクを伝達するために設計されない。従って、ある種の運動伝達機能は、支持要素5及び力伝達要素6にはなく、これはヒステリシスのために故意に決められており、すなわち、ティルトリング2の傾斜及びトルクの伝達は互いに機能的に分離される。力伝達要素6及び支持要素5を備えた機構は、基本的にはピストン力を取得する。その部分として、トルクは、駆動軸の中心軸線上に設けた傾斜形成連接部(駆動ピン15で構成される)によって駆動軸1からティルトリング2へ伝達される。摺動スリーブ3とティルトリング2との間でトルクを伝達する駆動ピン15は、サークリップ16によってティルトリングに保持又は固定される。ティルトリング2は平坦な領域17を備え、この平坦な領域17は摺動スリーブ3における平坦な領域18に相対している。原則として別の実施形態では、摺動スリーブ3を削除でき、任意の所望の形態において駆動軸とティルトリング2との間で直接トルクを伝達するようにできる(例えば駆動軸1及びティルトリング2における平坦な領域によって)。
トルク伝達とガス力支持体との分離により、適切に小さな寸法の支持要素5及び力伝達要素6を製作する可能性に加えて、特に力伝達要素6と支持要素5との間及び支持要素5とティルトリング2との間に最適化した面接触圧を達成することができる。その結果としてかつ支持要素5及び力伝達要素6の本発明に特有の構成モード、すなわち力伝達要素6と支持要素5との間の本発明に特有の連接の結果として、コンパクトな構造形態のコンプレッサを達成できる。
図2a及び図2bには、組立てた状態における本発明によるコンプレッサの好ましい実施形態を最小偏向角の場合(図2a)及び最大偏向角の場合(図2b)において示す。図2aにおいて、“V”は溝付き連接部の位置、すなわち支持要素5及び力伝達要素6で形成された連接部の位置を表わし、また“U”はピストンの位置を表わしている。支持要素5及び力伝達要素6の本発明による形状は、半径Uが半径Vに相対している場合、UがVより小さい場合及びUがVより大きい場合があり得る。多数の自由度は、ジャミングが生じないので、ヘルツ応力の度合い及び摩耗の度合いが低くなる。
図3aには、本発明によるコンプレッサの好ましい実施形態の組立体を示す。スリーブ型部品8を含む力伝達要素6の直径はティルトリング2における孔より大きいので、ティルトリング2は、力伝達要素6上の傾斜位置に配置され、そして力伝達要素6に垂直な位置に動かされ、その結果、力伝達要素6は、凹部13内へ動かされる。ここではさらに詳細には説明しない本発明によるコンプレッサの別の好ましい実施形態の場合のように、ティルトリングにおける孔の直径が力伝達要素6の直径より大きい場合には(これに関しては図3b参照)、ティルトリング2は力伝達要素6上に垂直方向に、力伝達要素6又は支持要素5と作動係合する横向き運動によって配置され得る。
図4aには、大きな偏向角の場合における本発明によるコンプレッサのティルトプレートユニットを概略的に示している。図4b及び図4cにはさらに、図4aと異なるティルトリング2の偏向角(中間の及び小さな偏向角)の場合における図4aの細部を示している。コンプレッサの運動学は中心C及び支持要素5の位置Bによってピストンの摺動ブロックの位置を考慮する。C、B間の隙間は、偏向角に依存する断片図である。大きな偏向角(図4a参照)は、ティルトリングにおける支持要素5の中心Bがピストンの中心軸線の位置する円形シリンダbの内側に配置されるティルトリング2の位置となる。中間の偏向角(図4b参照)では、ティルトリング2における支持要素5の中心Bは、ピストン連接部の中心すなわちピストン連接部の中心の位置する円形シリンダと一致する。さらに、図4c(小さな傾斜角に相当する)には、支持要素5の中心Bは、ピストンの中心軸線の位置する円形シリンダbの外側に対して径方向に配置される。好ましい実施形態では、従ってB、Cの両方を一致させることができ、またBはCを通る軸線bの左側又は右側に配置されるようにできる。詳しくは、図4a〜図4cにおける参照文字の意味は次のとおりである。
A:駆動軸の案内路におけるティルトリング2の連接部(中心);
B:ティルトリング2における支持要素5の連接部(中心);
C:上死点位置に配置されるピストンのピストン連接部(摺動ブロック)の中心;
D:支持要素5の軸線と駆動軸の軸線との交点;
E:駆動軸の中心軸線と中心Cに垂直な線との交点;
F:駆動軸の中心軸線と中心Bに垂直な線との交点;
G:軸線bと軸線eとの交点;
a:駆動軸の中心軸線;
b:上死点位置に配置されるピストン(シリンダ)のピストン及びシリンダの中心軸線(五つ、六つ又は七つのピストンが通常用いられる);
c:中心B、Cが(好ましくは)配置されるティルトリング2の中心線;
d:支持要素の中心軸線及び/又は力伝達要素の中心軸線;
e:駆動軸の中心軸線から中心Bへの垂直線;
f:駆動軸の中心軸線から中心Cへの垂直線;
α:支持/力伝達要素の傾斜角(一定;構造上決まる);
β:ティルトリング2の傾斜角。
A:駆動軸の案内路におけるティルトリング2の連接部(中心);
B:ティルトリング2における支持要素5の連接部(中心);
C:上死点位置に配置されるピストンのピストン連接部(摺動ブロック)の中心;
D:支持要素5の軸線と駆動軸の軸線との交点;
E:駆動軸の中心軸線と中心Cに垂直な線との交点;
F:駆動軸の中心軸線と中心Bに垂直な線との交点;
G:軸線bと軸線eとの交点;
a:駆動軸の中心軸線;
b:上死点位置に配置されるピストン(シリンダ)のピストン及びシリンダの中心軸線(五つ、六つ又は七つのピストンが通常用いられる);
c:中心B、Cが(好ましくは)配置されるティルトリング2の中心線;
d:支持要素の中心軸線及び/又は力伝達要素の中心軸線;
e:駆動軸の中心軸線から中心Bへの垂直線;
f:駆動軸の中心軸線から中心Cへの垂直線;
α:支持/力伝達要素の傾斜角(一定;構造上決まる);
β:ティルトリング2の傾斜角。
ティルトリング2が始動位置に対してさらに傾斜すると、連接部の中心点Bは駆動軸の中心軸線aに向かって動き、その結果、線B−Dは短くなる。線の長さの変動のために必要な自由度は、力伝達要素6に対する支持要素5の本発明による連接部によって得られる。線B−Dは三角形BDFの斜辺である。直角三角形の線D−F、F−Bも短くなる。線D−Fは、通常最小化されるべきである隙間容量に非常に重要である。
また(直角)三角形BCGも重要である。連接部の中心点Bが駆動軸Aに向って動く場合には、三角形BCGは大きくなる(小さくなる三角形BDFと反対)。線D−Fに加えて、線C−Gも隙間容量にとって重要である。前記の二つの線に関して、ティルトリング2の傾斜において二つの逆の効果が生じ、これは、パラメータを適切に選択すれば、相互補償のために有利に用いられ得る。これに関連して、支持要素5及び/又は力伝達要素6が、三角形BCGによる効果に対して逆に作用する効果(三角形BDF)を生じさせるために、角度α(0°でない)で配置される場合に有利である。BCGによる効果は単に影響され得、取付け点C、Bが傾斜角に依存して互いに対して動くので、決して除外され得ない(BDFでの場合のように)。特定の装置の結果としての隙間容積は“CG+DF”曲線のプロットに比例する。図5には、力伝達要素6と駆動軸の中心軸線に垂直な線との間に含まれるガス力支持手段(支持要素5及び力伝達要素6とから成る)の角度9°に対する隙間容積特性曲線に関する情報を示している。図5の線図は、適用に応じて他の隙間容積特性曲線が望ましいので単に一例とみなされるべきである。原理的に、殆どの場合に隙間容積の最小化が望ましいが、多くのパラメータを適切に選択することにより、ユーザーの要求に応じて非常に異なった作用を得ることができる。
図6には、本発明によるコンプレッサの好ましい実施形態のモーメント分布を示し、図6からわかるように、転移において動く質量体によるモーメントとティルトプレートの偏りのモーメントによるモーメントとの和は、ティルトプレートすなわちティルトリング2の全傾斜角範囲にわたって殆ど平衡する。特に、16°〜18°の高い傾斜角の場合にモーメントが等しくなることに注目されるべきである。このモーメント分布は、特定の動作点及び種々の回転速度nに対して図7に示すような調整特性曲線となる。図7から分かるように、調整特性曲線は種々の回転速度nに対して極めて同様であり、これはコンプレッサの最適化したモーメント分布から得られる。
図8a〜図8eには、ティルトリング2における相応した凹部(孔13)に支持要素5を固定する種々の可能性を示している。特に遠心力の影響のために、孔13に支持要素5を固定することは必要である。前述の好ましい実施形態では、固定は、二つのサークリップ14によって行われる。代わりに、図8aに示すように、サークリップ14と孔に設けた相応したネジに係合する無頭ネジ19との組合せによる固定も実施できる。当然また、無頭ネジによって孔の両側に支持要素5を固定するように実施することもできる。孔はティルトリング2の質量の慣性に不利に影響するので、無頭ネジ19(サークリップ14に比較して大きな質量をもつ)の質量を付加的に導入することは、ティルトリング2の質量の慣性に有利に影響を及ぼし得る。支持要素5で占められていない孔13の大部分に無頭ネジが差し込まれるように実施できる。代わりに又は付加的に、孔の端部に止め部材を設けるように実施できる。これらの止め部材は、質量の損失した慣性を補償するために、ティルトリング2の材料と異なる材料、特に比較的重い材料で構成され得る。
図8bには、支持要素5を固定する別の可能性を示す。この例では、ティルトリング2に貫通孔は設けられず、盲孔20が設けられる。支持要素5を適位置に配置した後、サークリップ14で固定される。代わりに、当然、開口には前述のように無頭ネジ及び/又は適当な止め部材を設けることができる。
図8cに見られるように、支持要素5には連続した溝を設けずにある種のポケット22すなわち支持要素の中央領域に位置した凹部を設けるように実施できる。その結果、基本的には、そのような固定機構はもはや必要でなく、孔13には、必要ならば、任意の所望の材料の栓が側部に差し込まれ得る。この種の装置は、特に図3bに従って組立てがなされる又はなされ得る場合に奨励されることになる。
図8dに見られるように、異なった形状の溝又はポケットもまた考えられる。図8dに示す凹部又はポケット22は例えば、簡単な製造を保証するディスクフライスを用いた簡単な手段で形成される。
図8eには、支持要素を固定する別の可能性を示す。この場合には、ティルトリング2に径方向に別のネジ付き凹部が形成され、この凹部内に無頭ネジ21が嵌合される。無頭ネジは孔13の径方向外方リムを越えて突出し、そして支持要素5に設けた相応した溝に係合し、こうして支持要素5は孔13における滑りに抗して固定される。
図9a及び図9bには、本発明によるコンプレッサのティルトプレート機構の別の好ましい実施形態を示している。図1に示すティルトプレート機構と同様に、この機構は、ティルトリング2と、駆動軸1に軸方向に装着される摺動スリーブ3とを備えている。以下、単に図9a及び図9bによる機構を図1による機構と区別するこれらの特徴の詳細について説明する。これに関して、図9aにおけるティルトプレート機構はティルトリング2の最小偏向角に対して示し、また図9bにはティルトリング2の最大偏向角におけるティルトプレート機構を示していることが認められるべきである。
図1による実施例形態と対照的に、支持要素5(これに関して特に図10も参照)は溝型又はポケット型凹部を備えてなく、ほぼ長方形の凹部26は、支持要素5の全体にわたって径方向にのびている。前述したように、径方向外方端部に平坦な鋼部品のように形成される力伝達要素6は凹部26に係合し、従って支持要素5と力伝達要素6の連接部を形成する。
径方向外方領域(図9a及び図9bに矢印27でまた図10に矢印28で示す)において、凹部26の横断面は径方向外側に向って大きくなり(これに関して図9a及び図9bの横断面参照)、前記径方向外方の領域における横断面はほぼV形に広がっており、また径方向内方領域では、ほぼ一定である(これに関して特に図9a及び図9b参照)ことが分かる。力伝達要素6の径方向外方端面縁部は、ティルトリングの全傾斜角に対して、径方向外方領域には位置される(これに関して図9a及び図9b参照)。これは、縁部29がティルトプレートの全ての角度においてほぼ一定な凹部横断面の領域から突出することを意味している。その結果、支持要素5との縁部29のジャミングはコンプレッサのあらゆる動作ポイントで避けられる。それにより、機構の領域における摩擦およびヒステリシスは低減され、その結果、使用時の摩耗は低くなり、また発熱は低くなる。
図11は、本発明によるコンプレッサの別の好ましい実施形態を示し、この好ましい実施形態では、力伝達要素はスリーブの一部ではなく或いはスリーブに接続されないが、駆動軸内に押し込まれる。また図1において記載した好ましい実施形態の場合のように、力伝達要素は、支持要素に対向した径方向外方端部において、平坦な鋼部品の形状に形成される。しかし、駆動軸に対向した端部においてすなわち駆動軸に対向した領域において、力伝達要素6は円筒状形態に形成されるが、駆動軸の領域において、すなわち力伝達要素が駆動軸内に押し込まれる場合、前記の要素はほぼ半円形又は溝型凹部30を備えている。
力伝達要素6における凹部30は、コンプレッサの駆動機構空間すなわち駆動機構チャンバと入口ガス側部との間の流体接続部31の一部である。この流体接続部は、駆動機構チャンバにおける圧力を調整するため及び従ってピストンのストロークを調整するために機能する。流体接続部は、駆動軸1を通ってのび、そして凹部30の他に、駆動軸における凹部を備え、この凹部はほぼ軸線方向にのび、そして孔32の形態であり、また流体接続部は、ほぼ径方向にのびかつ孔33の形態である凹部を備えている。これに関して、この種の装置は二つのチャンバ、特に前述のチャンバの接続に限定されず、その結果、任意の所望のチャンバ又は容積又は領域間の流体接続が可能となる。
入口ガス端部において、孔32は円筒状凹部33(孔)内に開放している。この種の装置は、駆動機構チャンバと入口ガス側との間の流体接続部において油が十分に分離されることを保証している。一方では、遠心力の結果として、油霧潤滑の行われる駆動機構チャンバに存在する油は駆動機構チャンバの方向に接続部からスピンされる。他方では、軸方向にのびる孔32の領域に達する油は遠心力によって孔32の壁に分離され、そして孔33へ流れ戻り得る。駆動軸には径方向の別の孔を特に駆動軸の取付け領域に設けることができ、その結果、孔32の壁に集まる油は軸受内へ逃げることができ、従って軸受に最適な潤滑を設ける。さらに、図11に見られるように、ティルトリング2の最大傾斜角すなわち偏向角を制限するために、駆動軸1には端部止めディスク35が嵌められる。
この点において、ティルトリング2及びピストンを製造するのに用いた材料について簡単に説明すべきである。前述の実施形態において、ティルトリング2は、鋼から成り、そしてティルトリング2及びピストンの摺動ブロック間の摩擦及び摩耗を最少化するコーティングを備えている。代わりに、ティルトリング2はまた黄銅又は青銅から成り得る。前期の材料は、構造形式によってなされる要求を満たすことを保証する。用いられるティルトリング2は実際、先行技術の場合より高さの非常に大きなリングである。該高さは、一方では、支持要素5及び力伝達要素6から成るガス力支持手段が装着できるために望ましく、また他方では該高さは、構成要素に質量の十分な慣性を与えるために有利である。このことは、ピストンの質量力による逆に作用する傾斜モーメントを補償又は過剰補償するために所望の程度に十分に大きくできる傾斜モーメント(ティルトリング2の回転における遠心作用による)を発生できるようにするために必要である。
この種のティルトリング2の場合、材料鋼、黄銅又は青銅は、前述のように、ティルトリング2の高さによってこれら材料が変形を避けることのできる十分な強度及び剛性を保証するので、特に適している。先行技術によるティルトリングの場合には、これはしばしば保証されない。さらに、黄銅又は青銅の密度は、合金に依存して、鋼の密度又は生の鋳造鉄の密度より幾分高い(本発明によるティルトリング2は当然また生の鋳造鉄から成り得る)。青銅または黄銅の密度増加又は比較的高い密度はピストンのより良い質量を補償又は過剰補償できるようにするために利用され得る。ティルトリング2の高さは、本明細書で説明しているピストンがティルトリング2のまわりに係合し、そしてティルトリング2のまわりに係合するために大きな開口を備えなければならない二つの摺動ブロックによってティルトリング2に装着されることになる。ティルトリング2が黄銅から成っている好ましい実施形態では、ピストンはアルミニウム合金から成る。黄銅はアルミニウムと同様な熱膨張をもつので、これら材料のかかる組合せは、組立体の状態に比較してピストンにおける摺動ブロックの遊びが(使用中熱の発生時に)単に想像上増大され、或いは全く増大されないので、本発明によるコンプレッサの摩耗を低減し、動作寿命を増大するのを保証する。
これにより、雑音の発生は低くなり、摺動ブロックが過度の遊びの結果として外れるのが阻止される。ティルトリング2が鋼から成る場合に、同様に鋼から成るピストンは同じ効果を奏する。しかし、代わりに、材料の他の組合せも実施できる(特に本発明によるコンプレッサの重量を低減する観点で)。
前記の機構、すなわちティルトリングを備えるティルトプレート機構は、特にR744(CO2)が用いられるコンプレッサに対して適している。当然、この機構はR134a、R152a等のような冷媒及びまた米国特許6,969,701号及び国際出願WO2006/012095に記載されているような冷媒(例えばテトラフルオロプロペンとトリフルオロイオドメタンとの共沸混合物)に対しても用いられ得る。比較的高さの高い本明細書で説明したもののようなティルトプレートはしばしば、摺動ブロックの球状キャップが(非常に)小さい曲率半径をもつ場合にピストンの連接部に設ける摺動ブロックで動作される。これは、摺動ブロックに対して比較的大きな球状直径が用いられることによる(ティルトプレートの高さ+2×摺動ブロックの高さ=直径)。摺動ブロックが過剰の傾斜のために(摺動ブロックの低い曲率で)ピストンキャップから押し出されるのを有効に阻止するために、ティルトリングの最大偏向角すなわち傾斜は15.5°〜17.5°であるのが好ましい。
特徴の一定の組合せを備えた実施形態を用いて本発明を説明してきたが、従属請求項に特にしかし包括的にではなく記載されているので、これらの特徴の任意の別の実施可能な有利な組合せを包含する。本明細書に記載した全ての特徴は、それら特徴が先行技術に比較してそれら自体又は組合せにおいて新規である限り、本発明にとって重要である。
1:駆動軸
2:ティルトリング
3:摺動スリーブ
4:バネ
5:支持要素
6:力伝達要素
7:溝
8:力伝達要素6のスリーブ型部品
9:溝
10:摺動スリーブにおける溝
11:孔
12:溝付きナット
13:孔
14:サークリップ
15:駆動ピン
16:サークリップ
17、18:平坦な領域
19:無頭ネジ
20:盲孔
21:無頭ネジ
22:ポケット
23:ディスクバネ
24、25:端部止め部材(ディスク)
26:凹部
27、28:矢印
29:力伝達要素(6)の径方向外方縁部
30:力伝達要素(6)における凹部
31:流体接続部
32、33:孔
34:円筒状凹部
35:端部止めディスク
2:ティルトリング
3:摺動スリーブ
4:バネ
5:支持要素
6:力伝達要素
7:溝
8:力伝達要素6のスリーブ型部品
9:溝
10:摺動スリーブにおける溝
11:孔
12:溝付きナット
13:孔
14:サークリップ
15:駆動ピン
16:サークリップ
17、18:平坦な領域
19:無頭ネジ
20:盲孔
21:無頭ネジ
22:ポケット
23:ディスクバネ
24、25:端部止め部材(ディスク)
26:凹部
27、28:矢印
29:力伝達要素(6)の径方向外方縁部
30:力伝達要素(6)における凹部
31:流体接続部
32、33:孔
34:円筒状凹部
35:端部止めディスク
Claims (38)
- 少なくとも一つのピストンと、駆動軸(1)に対して傾斜を変動できしかも駆動軸(1)によって回転駆動されるティルトプレート(2)特にリング型ティルトプレートを備え、ティルトプレート(2)が駆動軸(1)から離間し、かつ駆動軸(1)と共に回転するように配設した少なくとも一つの支持要素(5)に、特に連接して、接続され、一つ又は複数のピストンが各ケースに関節装置を備え、この関節装置にティルトプレート(2)が摺動係合し、支持要素(5)が、駆動軸(1)と共に回転する力伝達要素(6)と作動係合しているアキシャルピストンコンプレッサ、特に自動車の空調システム用コンプレッサにおいて、
支持要素(5)が半径方向及び/又は垂直方向、特に駆動軸の軸線に対して垂直に変位できるように力伝達要素(6)に連接されていること
を特徴とするコンプレッサ。 - 支持要素(5)が円筒状ピンの形態であることを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ。
- 支持要素(5)が溝(7)を備え、溝(7)に力伝達要素(6)が作動係合することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンプレッサ。
- 支持要素(5)がポケット型凹部を備え、このポケット型凹部に力伝達要素(6)が作動係合することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンプレッサ。
- 支持要素(5)と対向する力伝達要素(6)の少なくとも端部領域が平坦な鋼部品の形態に形成され、すなわち、ほぼ長方形の形態をもつことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項、特に請求項3又は4に記載のコンプレッサ。
- 力伝達要素(6)が、相対的に回転できない仕方で駆動軸(1)に接続されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンプレッサ。
- 力伝達要素(6)が、相対的に回転できる仕方で駆動軸(1)に作動係合、特に噛み合わせ接続又は摩擦接続し、及び/又は相対的に回転できる仕方で駆動軸上に又は駆動軸内に装着されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンプレッサ。
- 力伝達要素(6)が、駆動軸(1)の一部であり、或いは駆動軸(1)と一体に構成され、特に駆動軸(1)と一部片に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項、特に請求項6に記載のコンプレッサ。
- 支持要素(5)及び力伝達要素(6)が、実質的に単にピストンにアキシャル支持体を設けるため、すなわちガス力支持体を設けるために機能し、一方駆動軸(1)とティルトプレート(2)との間の独立した装置、特に関節接続体(15)が実質的に単にトルク伝達するために機能することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- ティルトプレート(2)が駆動軸(1)に沿って軸方向に変位できるように装着した摺動スリーブ(3)に回動可能に装着され、
ティルトプレート(2)が駆動ピン(15)を介して摺動スリーブ(3)及び/又は軸(1)に接続されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のコンプッサ。 - 駆動ピン(15)が押し嵌めにより摺動スリーブ(3)又はティルトプレート(2)内に挿入され、或いはアキシャル固定要素又はサークリップ(16)によって摺動スリーブ(3)又はティルトプレート(2)内に固定されることを特徴とする請求項10に記載のコンプッサ。
- 接続要素、特にフェザーキー(4)が、駆動軸(1)と摺動スリーブ(3)との間に設けられ、接続要素が力及びモーメントを径方向に伝達でき、そして駆動軸(1)に軸方向に変位可能に装着されることを特徴とする請求項10又は11に記載のコンプッサ。
- 駆動軸(1)とティルトプレート(2)との間のトルク伝達が、駆動軸(1)及び/又は少なくとも部分的に互いに相応する摺動スリーブ(3)及びティルトプレート(2)における又はそれらの上の平坦な領域及び/又は表面によって行われることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項、特に請求項9に記載のコンプッサ。
- 支持要素(5)が、駆動軸の軸線に垂直にのびるティルトプレート(2の円筒状凹部、特に孔(13)に装着されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- 支持要素(5)が、少なくとも一つのサークリップ(11)によってティルトプレート(2)の凹部(13)に固定されることを特徴とする請求項14に記載のコンプッサ。
- 支持要素(5)が、少なくとも一つのネジ付き緊締要素、特に無頭ネジ(19)によってティルトプレート(2)の凹部(13)に固定されることを特徴とする請求項14又は15に記載のコンプッサ。
- 少なくとも一つの、特に二つの緊締要素(19)がティルトプレート(2)の凹部(13)に設けられていることを特徴とする請求項16に記載のコンプッサ。
- 少なくとも一つの緊締要素がティルトプレート(2)の径方向にのびる(付加的な)凹部に設けられ、そして支持要素における(任意ではあるが付加的な)溝内へのび、この溝が支持要素に設けられていることを特徴とする請求項16に記載のコンプッサ。
- 力伝達要素(6)が、駆動軸(1)に対向した端部においてリング型又はスリーブ型であり、そして駆動軸(1)に装着され、或いは駆動軸(1)の外径上に装着されるリング型又はスリーブ型要素と作動係合することを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- 力伝達要素(6)のリング型又はスリーブ型端部(8)或いはリング型又はスリーブ型要素がフェザーキー(4)によって径方向に固定されることを特徴とする請求項19に記載のコンプッサ。
- 力伝達要素(6)のリング型又はスリーブ型端部(8)或いはリング型又はスリーブ型要素が、特に例えば溝付きナットのような機械要素によって軸線方向に固定されることを特徴とする請求項19又は20に記載のコンプッサ。
- 力伝達要素(6)のリング型又はスリーブ型端部(8)或いはリング型又はスリーブ型要素が、軸線方向にのびる少なくとも一つの溝(9)を備え、溝(9)には駆動ピン(15)又はトルクを伝達する装置の少なくとも一つが係合することを特徴とする請求項19〜21のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- 支持要素(5)と力伝達要素(6)との間に、ほぼ径方向の長さ補償手段が設けられることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- ティルトプレート(2)に対する支持要素(5)の連接によって生じる連接の中心(B)は、ティルトプレート(2)の偏向角(β)が小さい場合に、ティルトプレート(2)に対するピストンの連接によって生じる連接の中心(C)より駆動軸の中心軸線(a)から径方向へ一層に離れていることを特徴とする請求項1〜23のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- ティルトプレート(2)に対する支持要素(5)の連接によって生じる連接の中心(B)は、ティルトプレート(2)の偏向角(β)が大きい場合に、ティルトプレート(2)に対するピストンの連接によって生じる連接の中心(C)より駆動軸の中心軸線(a)に径方向へ一層近いことを特徴とする請求項1〜24のいずれか一項、特に請求項24に記載のコンプッサ。
- ティルトプレート(2)に対する支持要素(5)の連接によって生じる連接の中心(B)は、ティルトプレート(2)の少なくとも一つの、特に正確に一つの偏向角(β)の場合に、ティルトプレート(2)に対するピストンの連接によって生じる連接の中心(C)と同じ距離駆動軸の中心軸線(a)から径方向へ離れていることを特徴とする請求項1〜25のいずれか一項、特に請求項24に記載のコンプッサ。
- 支持要素(5)及び/又は力伝達要素(6)の中心軸線(d)が、ティルトプレート(2)の全ての偏向角(β)に対して、駆動軸の中心軸線と90°に等しくない含み角を成し、すなわち、支持要素(5)及び/又は力伝達要素(6)の中心軸線が、0°より大きい角度(α)でティルトプレート(2)に設けられることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- ティルトプレート(2)の中間偏向角(βmiddle)は、支持要素(5)及び/又は力伝達要素(6)の中心軸線をティルトプレート(2)に設ける最大角度(αmax)と、支持要素(5)及び/又は力伝達要素(6)の中心軸線をティルトプレート(2)に設ける最小角度(αmin)との差のほぼ半分((αmax)−(αmin)/2≒βmiddle)に相当することを特徴とする請求項27に記載のコンプッサ。
- 駆動軸の中心軸線(a)から支持要素(5)と力伝達要素(6)との間の連接部の径方向間隔(V)は、ティルトプレート(2)の偏向角(β)が小さい場合に、駆動軸の中心軸線(a)からピストン連接の中心(C)の径方向間隔(U)より大きいことを特徴とする請求項1〜28のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- 転移して動く質量体(ピストン、摺動ブロック等)、及び回転して動く質量体による、特にティルトプレート(2)の偏りのモーメントによるモーメントの和は、全ての偏向角に対して、特に大きな偏向角に対して、及び一層特にティルトプレート(2)の最大偏向角度に対して、ほぼ一定であり、特にほぼゼロであることを特徴とする請求項1〜29のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- 支持要素(5)が、径方向にのびる特に長方形の凹部(26)を備え、凹部(26)に力伝達要素(6)が装着されることを特徴とする請求項1〜30のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- 凹部(26)の横断面が、径方向外側領域において、外側へ向う径方向に大きくなり、一方、径方向内側領域において、ほぼ一定であることを特徴とする請求項31に記載のコンプッサ。
- 径方向外側(端面)に存在する力伝達要素(6)の縁部が、ティルトプレート(2)の任意の傾斜角に対して、径方向外側領域に設けられ、すなわちほぼ一定の凹部横断面の領域を越えてのびていることを特徴とする請求項32に記載のコンプッサ。
- ハウジングと、ハウジングによってほぼ画定された駆動機構チャンバとを有し、駆動機構チャンバと入口ガス側との間に、少なくとも部分的に駆動軸(1)を通って流体接続部が設けられることを特徴とする請求項1〜33のいずれか一項に記載のコンプッサ。
- 流体接続部が、駆動軸(1)においてほぼ軸線方向にのびる、少なくとも一つの凹部、特に孔、及びほぼ径方向にのびる少なくとも一つの凹部とを備えていることを特徴とする請求項34に記載のコンプッサ。
- 駆動軸(1)に対向する力伝達要素(6)の少なくとも端部領域がほぼ円筒状であることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜35のいずれか一項に記載のコンプッサ。請求項32に記載のコンプッサ。
- 力伝達要素が駆動軸に押し込まれ、或いは(押し嵌めによって)嵌合されることを特徴とする請求項1〜36のいずれか一項、特に請求項36に記載のコンプッサ。
- 力伝達要素の駆動軸関連端部が、駆動機構チャンバと入口ガス側との間の流体接続の一部である特に半円形または溝型の凹部を備えていることを特徴とする請求項34〜37のいずれか一項に記載のコンプッサ。
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