JP2009299945A - 電動コンプレッサの駆動装置、電動コンプレッサ、冷凍サイクル装置、および空調装置 - Google Patents

電動コンプレッサの駆動装置、電動コンプレッサ、冷凍サイクル装置、および空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電動コンプレッサ10のモータ10bの運転可能領域が制限されることを抑制する。
【解決手段】制御回路73は、冷房モードが実行されていると判定したときには、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるとしてモータ温度保護領域Aを設定する。冷房モード以外のモードが実行されている場合には、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To未満であるとしてモータ温度保護領域Bを設定する。モータ温度保護領域Bは、モータ温度保護領域Aに比べて、出力電流Imの下限値が高く、かつ回転数Ncの上限値が低く設定されている。吸入冷媒の温度が所定温度To未満である場合には、吸入冷媒の温度が所定温度To以上である場合に比べて、モータ運転可能領域を広げることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、冷媒を圧縮する電動コンプレッサ、電動コンプレッサの駆動装置、冷凍サイクル装置、および空調装置に関するものである。
従来、電動コンプレッサでは、例えば特許文献1に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構を駆動するモータとを備え、インバータ回路からモータに出力される出力電流とモータ回転数とに基づいてモータの温度を推定し、この推定温度が閾値以上になるとモータを停止するものがある。
これにより、モータの温度を検出する温度センサを用いることなく、モータの温度が許容温度を超えることを未然に防ぐことができる。
特開2006−291878号公報
上述の電動コンプレッサでは、圧縮機構により吸入された吸入冷媒によりモータ自体が冷却される構成になっている場合には、モータの温度は吸入冷媒の温度の影響を受ける。このため、上述の閾値を低く設定した場合には、吸入冷媒の温度によってモータが頻繁に停止するなどの問題が生じる。すなわち、上述の閾値を低くすると、モータを支障なく運転できるモータの運転可能領域が制限されることになる。
本発明は上記に鑑みて、モータの運転可能領域が制限されることを抑制するようにした電動コンプレッサの駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、前記モータ(10b)を駆動するために前記モータ(10b)に電流を出力する電流出力回路(72)と、
前記電流出力回路(72)から前記モータ(10b)に出力される出力電流を検出する電流検出手段(S100)と、
前記モータの回転数を検出する回転数検出手段(S101)と、
前記モータが高温異常になることを避けるために前記モータを保護すべきモータ温度保護領域内に前記モータの実際の状態が入っているか否かについて前記電流算出手段(S100)の検出値と前記回転数検出手段(S101)の検出値とに基づき判定するモータ領域判定手段(S203)とを備え、
前記モータ温度保護領域は、前記モータの回転数と前記出力電流とから設定されるものであり、
前記吸入冷媒の温度が所定温度以上であるか否かを判定する冷媒温度判定手段(S200、S220、S220a、S222)と、
前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であると前記冷媒温度判定手段(S200、S220、S220a、S222)が判定した場合には、前記吸入冷媒の温度が所定温度以上であると前記冷媒温度判定手段(S200、S220、S220a、S222)が判定した場合に比べて、前記モータ温度保護領域の前記出力電流の下限値を上げ、かつ前記モータ温度保護領域の前記モータ回転数の上限値を下げるように前記モータ温度保護領域を設定する保護領域設定手段(S201、S202)と、を備えることを特徴とする。
これにより、吸入冷媒の温度が所定温度未満であると場合には、吸入冷媒の温度が所定温度以上である場合に比べて、モータ運転可能領域を広げることができる。これは、吸入冷媒の温度が所定温度未満であると場合には、吸入冷媒の温度が所定温度以上である場合に比べて、モータの温度が上がり難いからである。
以上により、モータ温度保護領域が一定である場合に比べて、モータ運転可能領域が制限されることを抑制することができる。
モータ運転可能領域とは、モータに出力される出力電流とモータ回転数とから設定されるもので、モータを支障なく運転できる領域である。
請求項2に記載の発明では、前記モータ温度保護領域内に前記モータ(10b)の実際の状態が入っていると前記モータ領域判定手段(S203)が判定した回数をカウントするカウント手段(S210)と、
前記カウント手段(S210)によりカウントされたカウント数が所定数以上であるか否かを判定する回数判定手段(S212)と、
前記カウント数が所定回数以上であると前記回数判定手段(S212)が判定したとき、前記モータ(10b)を停止する停止手段(S204)と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、前記モータ(10b)の実際の状態が前記温度保護領域から外れていると前記モータ領域判定手段(S203)が判定する毎に前記カウント数を減らす減算手段(S211)を備え、
前記モータ温度保護領域内に前記モータ(10b)の実際の状態が入っていると前記モータ領域判定手段(S203)が判定する毎に、前記カウント手段(S210)は前記カウント数を増やすようになっており、
前記減算手段が前記カウント数を減らした後に前記カウント手段(S210)は前記カウント数を増やして前記カウント数が所定回数以上であると前記回数判定手段(S212)が判定したとき、前記停止手段(S204)が前記モータ(10b)を停止することを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、前記モータ温度保護領域内に前記モータ(10b)の実際の状態が入っていると前記モータ領域判定手段(S203)が判定したとき、前記モータ(10b)を停止する停止手段(S204)を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、前記吸入冷媒の温度を検出する吸入冷媒温度センサ(84)を備え、
前記モータ領域判定手段(S203)は、前記吸入冷媒温度センサ(84)の検出値が所定温度未満であるか否かを判定することにより、前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であるかを判定することを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1に記載の駆動装置(10c)を前記ハウジング(50)の外側に配置されてなる電動コンプレッサ(10)であって、
前記駆動装置(10c)は、前記圧縮機構(10a)により前記ハウジング(50)内に吸入された吸入冷媒により冷却されるようになっており、
前記駆動装置(10c)の温度を検出する駆動装置温度検出手段(75b)を備え、
前記冷媒温度判定手段(S222)は、前記駆動装置温度検出手段(75b)の検出値が閾値未満であるか否かを判定することにより、前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であるか否かを判定することを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、前記駆動装置(10c)の発熱量が多いほど前記冷媒温度判定手段(S222)で用いられる前記閾値を大きくする閾値設定手段(S230)を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、前記吸入冷媒の温度を示す冷媒温度信号を送信手段(S55)から受信する受信手段(76)を備え、
前記冷媒温度判定手段(S200)は、前記受信手段で受信された前記冷媒温度信号に基づいて、前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であるであるか否かを判定することを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の電動コンプレッサの駆動装置(10c)を備える空調装置(1)であって、
空調ケース(21)と、
前記空調ケース(21)内に空気を送風する送風機(24)と、
前記空調ケース(21)内に配置され、前記電動コンプレッサ(10)の吐出冷媒により前記送風機(24)から送風された空気を加熱する加熱用熱交換器(11)と、
前記空調ケース(21)内に配置され、前記加熱用熱交換器(11)の下流側冷媒により前記送風機(24)から送風された空気を冷却する冷却用熱交換器(18)と、
前記加熱用熱交換器(11)の下流側冷媒を前記冷却用熱交換器(18)をバイパスして前記電動コンプレッサ(10)の冷媒吸入口側に流すバイパス通路(17a)と、
前記バイパス通路(17a)を開閉する弁(17)と、
前記弁(17)を閉じて前記加熱用熱交換器(11)の下流側冷媒を前記冷却用熱交換器(18)に流す冷房モードと、前記弁(17)を開けて前記加熱用熱交換器(11)の下流側冷媒を前記バイパス通路(17a)を通して前記電動コンプレッサ(10)の冷媒吸入口側に流す前記冷房モード以外の他のモードのうちいずれか一方を実行する実行手段(S52、S53、S54)と、を備え、
前記送信手段(S55)は前記実行手段(S52、S53、S54)により実行されたモードを示す信号を前記冷媒温度信号として前記受信手段(76)に送信するものであり、
前記実行手段(S54)が前記冷房モードを実行しているとき、前記冷媒温度判定手段(S200)が前記吸入冷媒の温度が所定温度以上であると判定し、前記実行手段(S52、S53)が前記他のモードを実行しているとき、前記冷媒温度判定手段(S200)が前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であると判定することを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、前記加熱用熱交換器(11)から出た冷媒を減圧する減圧器(16)を備え、
前記冷却用熱交換器(18)は、前記減圧器(16)により減圧された冷媒により前記送風機(24)から送風された空気を冷却するようになっており、
前記加熱用熱交換器(11)から前記減圧器(16)に流れる冷媒を通過させる第1の冷媒流路(15a)と、前記冷却用熱交換器(18)から前記電動コンプレッサ(10)に吸入される冷媒を通過させる第2の冷媒流路(15b)とを有し、前記第1の冷媒流路(15a)内の冷媒により前記第2の冷媒流路(15b)内の冷媒を加熱する冷媒加熱用熱交換器(11)を備え、
前記バイパス通路(17a)は、前記加熱用熱交換器(11)から出た冷媒を前記第1の冷媒流路(15a)、前記減圧器(16)、および前記冷却用熱交換器(18)をバイパスして前記電動コンプレッサ(10)の冷媒吸入口側に流すようになっていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電動コンプレッサの駆動装置(10c)を備える冷凍サイクル装置であって、
前記電動コンプレッサ(10)から吐出された冷媒を冷却する冷却器(13b)と、
前記冷却器(13b)により冷却された冷媒を減圧する減圧器(16)と、
前記減圧器(16)からの冷媒の蒸発により送風機(24)からの送風空気を冷却する冷却用熱交換器(18)と、
前記冷却器(13b)の冷媒出口側の冷媒温度を検出する冷却器冷媒温度検出手段(86)と、
前記冷却用熱交換器(18)から吹き出される冷風温度を検出する空気温度検出手段(81)と、を備え、
前記冷媒温度判定手段(S220a)は、前記冷却器冷媒温度検出手段(86)の検出値と前記空気温度検出手段(81)の検出値とに基づいて、前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であるか否かを判定することを特徴とする。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1に、本発明に係る車両用空調装置の第1実施形態の全体構成図を示す。
車両用空調装置1は、ヒートポンプサイクルを構成するもので、電動コンプレッサ10、加熱用熱交換器11、第1電動式膨張弁12、室外熱交換器13、第1開閉弁14、内部熱交換器15、第2電動式膨張弁16、第2開閉弁17、冷却用熱交換器18、およびアキュムレータ19を備えている。
電動コンプレッサ10は、冷媒を圧縮する圧縮機構10aと、圧縮機構10aを駆動するモータ10bと、モータ10bを駆動する駆動装置10cとから構成されている。なお、モータ10bおよび駆動装置10cの具体的な構成は、後述する。
加熱用熱交換器11は、室内空調ユニット20の空調ケーシング21内に配置され、電動コンプレッサ10から吐出された高温高圧の冷媒を熱源として、冷却用熱交換器18を通過した冷風を加熱する熱交換器である。
すなわち、加熱用熱交換器11は、冷媒の熱を冷却用熱交換器18を通過した空気に放熱して冷媒を凝縮する放熱用熱交換器として作用する。室内空調ユニット20は、後述するように車室内に吹き出す空気温度を調整する。第1電動式膨張弁12は、加熱用熱交換器11の出口側冷媒を減圧する弁機構である。
第1電動式膨張弁12の冷媒入口側と冷媒出口側との間には第1バイパス通路14aが接続されている。第1バイパス通路14aは、第1電動式膨張弁12をバイパスして加熱用熱交換器11出口側冷媒を室外熱交換器13側に流す。第1バイパス通路14aには、第1バイパス通路14aを開閉する第1開閉弁14が配置されている。
室外熱交換器13は、当該自動車のエンジンルーム内に配置され、第1電動式膨張弁12および第1開閉弁14のうちいずれか一方を通過した冷媒と電動送風機13aからの送風空気との間で熱交換する。
内部熱交換器15は、室外熱交換器13の出口側冷媒が通過する第1冷媒通路15aとアキュムレータ19の出口側冷媒が通過する第2冷媒通路15bとを備え、第1冷媒通路15aを通過する冷媒と第2冷媒通路15bを通過する冷媒との間で熱交換する。第2電動式膨張弁16は、内部熱交換器15の出口側冷媒を減圧する弁機構である。
冷却用熱交換器18は、第2電動式膨張弁16通過した冷媒を蒸発させることにより、電動送風機24から送風される空気を冷却する熱交換器である。アキュムレータ19は、冷却用熱交換器18を通過した冷媒を気相冷媒と液相冷媒に分離して、液相冷媒を溜めるとともに気相冷媒を排出する。
アキュムレータ19の気相冷媒出口は、内部熱交換器15の第2冷媒通路15bの冷媒入口に接続されている。これにより、アキュムレータ19から流出した気相冷媒は第2冷媒通路15bを通過後に電動コンプレッサ10の冷媒入口側に流れる。
内部熱交換器15の第1冷媒通路15aの入口側と冷却用熱交換器18の出口側との間には、第2バイパス通路17aが接続されている。第2バイパス通路17aは、内部熱交換器15の第1冷媒通路15a、冷却用熱交換器18および第2電動式膨張弁16をバイパスして室外熱交換器13からの冷媒をアキュムレータ19の冷媒入口に流す。第2バイパス通路17aには第2開閉弁17が配置されている。第2開閉弁17は、第2バイパス通路17aを開閉する電磁弁である。
次に、本実施形態の室内空調ユニット20の概略構成について説明する。
室内空調ユニット20の空調ケーシング21内には、車室内に空気を流す空気通路が構成される。空気通路の最上流部には、内気導入口23aおよび外気導入口23bを有する内外気切替箱23が配置され、その内部には、内外気切替ドア23cが回転自在に配置されている。内外気切替ドア23cは、サーボモータ(図示省略)によって駆動され、内気導入口23a、および外気導入口23bのうち少なくとも一方を開放する。
電動送風機24は、内外気切替箱23の下流側に配置され、車室内に向けて送風する。電動送風機24は、遠心式多翼ファンを電動モータにより駆動する送風機である。冷却用熱交換器18は、電動送風機24から送風された空気を冷却する。加熱用熱交換器11は、冷却用熱交換器18から吹き出される冷風を加熱する。
加熱用熱交換器11の側方には、バイパス通風路7a、7bおよびエアミックスドア8a、8bが配置されている。バイパス通風路7a、7bは、冷却用熱交換器18からの冷風を加熱用熱交換器11をバイパスして流す。
エアミックスドア8aは、バイパス通風路7a内で回転自在に支持されている。エアミックスドア8bは、バイパス通風路7b内で回転自在に支持されている。
エアミックスドア8a、8bの開度を調整することにより、加熱用熱交換器11を通過する空気量とバイパス通風路7a、7bを通過する空気量との割合が調整される。このことにより、吹出口(図示省略)から車室内に吹き出される空気温度が調整される。
次に、本実施形態の電動コンプレッサ10の構造について図2を参照して説明する。図2に電動コンプレッサ10の断面を示す。
電動コンプレッサ10は、圧縮機構10a、モータ10b、および駆動装置10cから構成されている。
モータ10bは、ハウジング50、回転軸52、ロータ53、ステータコア54、およびステータコイル55から構成されている三相交流同期モータである。 ハウジング50は、アルミニウム等の金属からなるもので、吸入口51aおよび吐出口51bを有する略円筒状に形成されている。ハウジング50の外壁の上側には、装着面51dが設けられている。装着面51dには駆動装置10cが配置される
回転軸52は、ハウジング50内に配置され、軸受け52a、52bにより回転自在に支持されている。回転軸52は、ロータ53から受ける回転駆動力を圧縮機構10aに伝える。軸受け52aは、支持部60を介してハウジング50により支持されている。軸受け52bは、ハウジング50の底壁により支持されている。
ロータ53は、筒状に形成され、かつ永久磁石が埋め込まれているものであって、回転軸52に対して固定されている。ロータ53は、ステータコイル55から発生される回転磁界に基づいて、回転軸52とともに回転する。
ステータコア54は、ロータ53に対して径方向外周側に配置され、ハウジング50内において環状に形成されている。ステータコア54は、フェライト等の磁性体からなるもので、ハウジング50の内周面から支持されている。ハウジング50の内周面のうち装着面51d側とステータコア54との間には、軸線方向に冷媒を流す冷媒流路57が設けられている。
ステータコイル55は、U相コイル、V相コイル、およびW相コイルを有し、かつスター結線されたもので、ステータコア54に回巻されている。U相コイル、V相コイル、W相コイルは、ターミナル17を介して駆動装置20に接続されている。
圧縮機構10aは、スクロール型圧縮機構であって、モータ10bの回転軸52からの回転駆動力によって旋回して冷媒を吸入、圧縮、吐出する。駆動装置10cは、モータ10bに三相交流電流を出力する駆動回路70と、駆動回路70を覆うように形成されているカバー71とを備える。
以下、駆動回路70の具体的な回路構成について説明する。図3は駆動回路70の回路構成を示す回路図である。
駆動回路70は、インバータ回路72、制御回路73、メモリ74、電流センサ75a、温度センサ75bおよび通信回路76を備える。
インバータ回路72は、モータ10bに三相交流電流を出力する電流出力回路を構成するもので、トランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6を備える。
トランジスタSW1、SW4は負極側母線72bと正極側母線72aとの間に直列接続され、トランジスタSW2、SW5は負極側母線72bと正極側母線72aとの間で直列接続され、トランジスタSW3、SW6は負極側母線72bと正極側母線72aとの間で直列接続されている。
トランジスタSW1、SW4の共通接続点T1は、W相コイル55aに接続され、トランジスタSW2、SW5の共通接続点T2は、V相コイル55bに接続され、トランジスタSW3、SW6の共通接続点T3は、U相コイル55cに接続されている。
トランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6がスイッチングすることにより、電源装置77の出力電圧に基づき、共通接続点T1、T2、T3から三相交流電流がステータコイル55に出力される。
トランジスタSW1、SW2、…SW6は、図2(図中トランジスタSW1、SW2だけを示す)に示すように、ハウジング50の装着面51d上に配置されている。
なお、トランジスタSW1、SW2…SW6としては、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタや電界効果型トランジスタ等の半導体トランジスタが用いられている。
正極側母線72aと負極側母線72bとの間には、電源装置77とコンデンサ78とが並列に接続されている。電源装置77は、正極側母線72aに電源電圧を出力する。コンデンサ45は電源装置77から正極側母線72aに出力される電圧を安定化させる。
制御回路73は、CPU、カウンタなどから構成され、コンピュータプログラムを実行し、このコンピュータプログラムの実行に伴ってセンサ75a、75bの検出値と電子制御装置80から出力される目標回転数とに基づいてトランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6を制御する。メモリ74は、制御回路73のコンピュータプログラムおよび各種データを記憶する。
電流センサ75aは、負極側母線72bに流れる電流を検出する。負極側母線72bに流れる電流は、W相電流、V相電流、およびU相電流が重畳されたものである。W相電流は共通接続点T1からW相コイル55aに流れる電流である。V相電流は共通接続点T2からV相コイル55bに流れる電流である。U相電流は共通接続点T3からU相コイル55cに流れる電流である。
温度センサ75bは、駆動回路70自体の温度を検出する駆動装置温度検出手段である。具体的には、温度センサ75bは、制御回路73およびメモリ74等が搭載された回路基板70a(図2参照)の温度を検出する。通信回路76は、受信手段を構成するもので、電子制御装置80との間で通信を行う。
電子制御装置80は、メモリ、マイクロコンピュータなどから構成され、コンピュータプログラムを実行し、このコンピュータプログラムの実行に伴ってセンサ81、82、83、84の検出値、および空調操作パネル85の出力信号などに基づいて電動送風機13a、24、電動式膨張弁12、16、および開閉弁14、17をそれぞれ制御する。
センサ81は、冷却用熱交換器18から吹き出された空気温度を検出する温度センサである。センサ82は、車室内の空気温度Trを検出する温度センサである。センサ83は、車室外の空気温度Tamを検出する温度センサである。
センサ84は、電動コンプレッサ10のハウジング50の吸入口51a付近に配置され、吸入口51aに吸入される吸入冷媒温度を検出する吸入冷媒温度センサである。空調操作パネル85には、設定温度Testの設定や内外気モード、吹出口モードの選択を行うスイッチなどが設けられている。
次に、本実施形態の作動について説明する。
まず、電子制御装置80の作動について図4を参照して説明する。図4は電子制御装置80の制御処理を示すフローチャートである。電子制御装置80は、図4のフローチャートにしたがって、コンピュータプログラムを実行する。
まず、ステップS50で冷房モードを実行するべきか否かを判定する。
具体的には、車室内の空気温度Tr、車室外の空気温度Tam、および設定温度Testなどから目標吹き出し空気温度TAOを算出する。目標吹き出し空気温度TAOは、車室内の空気温度Trが設定温度Testを維持するのに必要である吹出口からの吹き出し空気温度である。なお、目標吹き出し空気温度TAOの算出方法は周知であるため省略する。
目標吹き出し空気温度TAOが一定温度未満であるときには、ステップS50で冷房モードを実行するべきであるとしてYESと判定する。これに伴い、ステップS54に進んで冷房モードを実行する。
また、目標吹き出し空気温度TAOが一定温度以上であるときには、ステップS50で冷房モード以外のモードを実行するべきであるとしてステップS50でNOと判定する。
次に、ステップS51において、暖房モードを実行するべきか否かを判定する。
具体的には、車室外の空気温度Tamが一定温度未満であるか否かを判定する。
空気温度Tamが一定温度未満であるときには、暖房モードを実行するべきであるとしてステップS51でYESと判定する。これに伴い、ステップS53に進んで暖房モードを実行する。
また、空気温度Tamが一定温度以上であるときには、除湿モードを実行するべきであるとしてステップS51でNOと判定する。これに伴い、ステップS52に進んで除湿モードを実行する。
このように冷房モード、暖房モード、および除湿モードのうちいずれか1つを運転モードとして実行する。その後、ステップS55において冷媒温度信号としての送信信号を駆動回路70の通信回路76に送信する。送信信号には、前記実行された運転モードと、電動コンプレッサ10のモータ10bの目標回転数とが含まれる。
以下、冷房モード、暖房モードおよび除湿モードについて図1を参照して別々に説明する。
(冷房モード)
冷房モードでは、第1開閉弁14を開弁し、第1電動式膨張弁12を全閉状態とし、第2開閉弁17を閉弁する。
この場合、電動コンプレッサ10から吐出された高温高圧冷媒は、加熱用熱交換器11で冷却用熱交換器18からの冷風に放熱する。すると、加熱用熱交換器11から流出した冷媒は、第1バイパス通路14aを通して室外熱交換器13に流入し、この流入した冷媒は室外熱交換器13で室外空気に放熱する。
室外熱交換器13から流出した冷媒は、内部熱交換器15の第1冷媒通路15aに流れる。内部熱交換器15の第1冷媒通路15aから流出した冷媒は、第2電動式膨張弁16により減圧される。第2電動式膨張弁16で減圧された冷媒は、冷却用熱交換器18に流れ、この冷媒は冷却用熱交換器18において電動送風機24からの送風空気を冷却する。
その後、冷却用熱交換器18から流出した冷媒は、アキュムレータ19で気液分離され、気相冷媒は、内部熱交換器15の第2冷媒通路15bに流入する。
ここで、第2冷媒通路15bを通過する冷媒は、第1冷媒通路15aを通過する冷媒との間で熱交換されて加熱される。
これにより、冷却用熱交換器18における冷媒入口側と出口側との間の冷媒のエンタルピ差(冷凍能力)を増大させることができる。その後、内部熱交換器15の第2冷媒通路15bを通過した冷媒は、電動コンプレッサ10に吸入される。
(暖房モード)
このモードでは、第1開閉弁14を閉弁させ、第2開閉弁17を開弁させ、第1電動式膨張弁16を全閉状態とする。このため、電動コンプレッサ10から吐出された高温高圧冷媒は、加熱用熱交換器11を通過後、第1電動式膨張弁12にて減圧される。
第1電動式膨張弁12にて減圧された冷媒は、室外熱交換器13において室外空気から吸熱して蒸発する。その後、室外熱交換器13から流出した冷媒は、第2バイパス通路17a→アキュムレータ19→内部熱交換器15の第2冷媒通路15bの順に流れて、電動コンプレッサ10に吸入される。
(除湿モード)
除湿モードでは、第1開閉弁14を閉弁し、第2開閉弁17を閉弁し、さらに第2電動式膨張弁16を全開する。
この場合、電動コンプレッサ10から吐出された高温高圧冷媒は、加熱用熱交換器11を通過後に、第1電動式膨張弁12で減圧される。この減圧された冷媒は、室外熱交換器13において室外空気から吸熱して蒸発する。
その後、室外熱交換器13を通過した冷媒は、内部熱交換器15の第1冷媒通路15aおよび第2電動式膨張弁16を通過して冷却用熱交換器18に流れる。 この冷媒は冷却用熱交換器18において電動送風機24からの送風空気から吸熱して送風空気を冷却する。その後、冷却用熱交換器18から流出した冷媒は、アキュムレータ19で気液分離され、気相冷媒は、内部熱交換器15の第2冷媒通路15bに流入する。
第2冷媒通路15bを通過する冷媒は、第1冷媒通路15aを通過する冷媒との間で熱交換されて加熱される。その後、内部熱交換器15の第2冷媒通路15bを通過した冷媒は、電動コンプレッサ10に吸入される。
このように設定される除湿モードでは、内部熱交換器15の第1、第2冷媒通路15a、15bの間で熱交換されるものの、第2冷媒通路15b内の冷媒に対する第1冷媒通路15a内の冷媒の放熱量は、冷房モードに比べて少ない。このため、電動コンプレッサ10に吸入される吸入冷媒温度は、冷房モードに比べて低い。
また、暖房モードでは、上述の如く、内部熱交換器15の第1冷媒通路15aをバイパスして電動コンプレッサ10の吸入口51aに流している。このため、内部熱交換器15の第1、第2冷媒通路15a、15bの間で熱交換が行われない。このため、電動コンプレッサ10に吸入される吸入冷媒温度は、冷房モードに比べて低い。
次に、本実施形態の駆動回路70の制御回路73の作動について説明する。
制御回路73は、モータ駆動処理と温度保護処理とを時分割で繰り返し実行する。以下、モータ駆動処理と温度保護処理とを別々に説明する。
(モータ駆動処理)
図5はモータ駆動処理を示すフローチャートである。制御回路73は、図5のフローチャートにしたがって、コンピュータプログラムを実行する。
まず、ステップS100において、電流センサ75aの検出値に基づいて、W相電流、V相電流、およびU相電流を推定する。すなわち、共通接続点T1、T2、T3からステータコイル55に出力される三相交流電流を推定することになる。加えて、三相交流電流に基づいてステータコイル55に出力される出力電流Imを求める。出力電流Imは、インバータ回路72からステータコイル55に出力される三相交流電流の実効値である。
次のステップS101において、上記ステップS100で推定した三相交流電流(すなわち、W相電流、V相電流、およびU相電流)に基づいて、モータ10bの実際の回転数Ncを推定する。
この回転数Ncの推定は、周知に如く、三相交流電流からモータ10bの回転位置を算出することともに、この算出された回転位置を時間で微分することにより算出される。
次に、ステップS102において、電子制御装置7から与えられる目標回転数にモータ10bの実際の回転数を近づけるために、ステータコイル55に対する電圧指令値を求めるとともに、この電圧指令値を用いて、周知の三角波比較PWM方式などによりトランジスタSW1、SW2、…SW6をスイッチングさせるための制御信号を出力する。電圧指令値は、ステータコイル55に出力させる目標電圧の振幅を示す値である。
これに伴い、トランジスタSW1、SW2、…SW6がスイッチングすると、共通接続点T1、T2、T3から三相交流電流がステータコイル55に出力される。このため、ステータコイル55に発生する電圧の振幅は、電圧指令値に近づくことになる。これにより、ステータコイル55には、電圧指令値に対応する回転磁界が発生することになる。
よって、ステータコイル55から発生した回転磁界にロータ53が同期して回転する。これにより、回転軸52の回転数が目標回転数に近づくようになる。すると、圧縮機構10aが回転軸52により駆動されて旋回して、冷媒を吸入、圧縮、吐出する。
これに伴い、アキュムレータ19からの冷媒がハウジング50の吸入口51a内に吸入し、この吸入冷媒はステータコア54とロータ53との間の隙間58と、冷媒流路57とにそれぞれ流れる。
このとき、隙間58に流れる吸入冷媒によりステータコア54およびステータコイル55を冷却する。冷媒流路57に流れる吸入冷媒により、駆動回路70のトランジスタSW1、SW2、…SW6などを冷却する。その後、隙間58と冷媒流路57とを通過した冷媒は、矢印aの如く、圧縮機構10a側に流れ、その後、冷媒は圧縮機構10aで圧縮され、吐出口51bから凝縮器側に吐出される。
(温度保護処理)
図6は温度保護処理を示すフローチャートである。制御回路73は、図6のフローチャートにしたがって、コンピュータプログラムを実行する。
まず、ステップS200において、電子制御装置80から送信された送信信号に基づいて、冷房モードが実行されているか否かを判定する。
ここで、冷房モードでは、上述の如く、暖房モードおよび除湿モードに比べて、電動コンプレッサ10に吸入される吸入冷媒温度が高い。このことにより、
冷房モードが実行されているか否かを判定することにより、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定することになる。
このとき、冷房モードが実行されているとしてステップS200でYESと判定したときには、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるとして、ステップS201でモータ温度保護領域Aを設定する。
モータ温度保護領域Aは、図7に示すように、縦軸を出力電流Im(A)、横軸を回転数Nc(rpm)としたときのグラフにおいて、モータが高温異常になることを避けるためにモータ10bを保護するように設定された領域である。
モータ温度保護領域Aは、点d1と点d2を結ぶ線分Saより上側に設定された領域である。線分Saより下側の領域は、モータ10bの運転が支障なく可能である運転可能領域である。本実施形態の点d1は、Im=8.2A、Nc=0とする点であり、点d2は、Im=13A、Nc=4000とする点である。
次の図6のステップS203において、モータ温度保護領域Aにモータ10bの実際の状態が入っているか否かについて、上述のステップS101で求めた出力電流Imおよび回転数Ncに基づいて判定する。モータ温度保護領域Aにモータ10bの実際の状態が入っていない場合にはステップS203でNOと判定する。
また、ステップS203において、モータ温度保護領域Aにモータ10bの実際の状態が入っている場合にはYESと判定する。これに伴い、ステップS204で、インバータ回路70のトランジスタSW1、SW2、…SW6を全て停止してステータコイル55に対する三相交流電流の出力を停止する。これにより、モータ10bを停止することができる。
次に、ステップS205で、モータ10bの温度異常によりインバータ回路70を停止させた旨を示す異常停止情報を通信回路76から電子制御装置80に出力する。
また、冷房モード以外の暖房モード或いは除湿モードが実行されている場合には、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To未満であるとして、ステップS200でNOと判定して、ステップS202でモータ温度保護領域Bを設定する。
ここで、モータ温度保護領域Bは、図7のグラフにおいて点d3と点d4を結ぶ線分Sbより上側に設定された領域である。線分Saより下側の領域は、モータ10bの運転が支障なく可能である運転可能領域である。
点d3は、Im=10A、Nc=0とする点であり、点d2は、Im=13A、Nc=2100とする点である。
線分Sbは、線分Saより出力電流Imが高く、かつ回転数Ncが低い範囲を示している。このことにより、モータ温度保護領域Bは、モータ温度保護領域Aに比べて、出力電流Imの下限値が高く、かつ回転数Ncの上限値が低く設定されていることになる。
このようにステップS202でモータ温度保護領域Bが設定された場合には、
次のステップS203において、モータ温度保護領域Bにモータ10bの実際の状態が入っているか否かについて、上述のステップS100で求めた出力電流Imおよび回転数Ncに基づいて判定する。
モータ温度保護領域Bにモータ10bの実際の状態が入っている場合にはステップS203でYESと判定する。これに伴い、ステップS204で、上述と同様に、インバータ回路70からステータコイル55に対する三相交流電流の出力を停止する。次に、ステップS205で、異常停止情報を通信回路76から電子制御装置80に出力する。
以上説明した本実施形態によれば、駆動装置10cの制御回路73は、冷房モードが実行されているか否かを判定することにより、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定することになる。
冷房モードが実行されていると判定したときには、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるとしてモータ温度保護領域Aを設定する。
冷房モード以外の暖房モード或いは除湿モードが他のモードとして実行されている場合には、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To未満であるとしてモータ温度保護領域Bを設定する。
モータ温度保護領域Bは、モータ温度保護領域Aに比べて、出力電流Imの下限値が高く、かつ回転数Ncの上限値が低く設定されていることになる。
したがって、吸入冷媒の温度が所定温度To未満である場合には、吸入冷媒の温度が所定温度To以上である場合に比べて、モータ運転可能領域を広げることができる。これは、吸入冷媒の温度が所定温度To未満である場合には、吸入冷媒の温度が所定温度To以上である場合に比べてモータ10bの温度が上がり難いからである。このため、モータ温度保護領域が一定である場合に比べて、モータ10bの運転可能領域が制限されることを抑制することができる。
上述の第1実施形態では、本発明に係る電流検出手段として、負極側母線72bに流れる電流を検出する電流センサ75aの検出値からモータ10bに出力される出力電流Imを求めた例を示したが、これに代えて、共通接続点T1、T2、T3からステータコイル55に出力される三相交流電流を検出するセンサを用い、このセンサの検出値に基づいて出力電流Imを求めてもよい。
上述の第1実施形態では、本発明に係る回転数検出手段において、負極側母線72bに流れる電流を検出する電流センサ75aの検出値に応じてモータ10bの回転数Ncを求めた例を示したが、これに代えて、モータ10bの回転数Ncを検出する光式エンコーダやホール素子等の回転数センサを用いてもよい。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、モータ10bの実際の状態がモータ温度保護領域に入っていると判定すると、モータ10bを停止した例を示したが、これに代えて、モータ10bの実際の状態がモータ温度保護領域に入っていると判定した回数が所定回数に到達するとモータ10bを停止する本第2実施形態を示す。
図8は本実施形態の制御回路73による温度保護処理を示すフローチャートである。図8において、図6と同一符号は同一ステップを示し、その説明を省略する。
ステップS200において冷房モードが実行されているか否かを判定し、その判定の結果により、ステップS201、S202のうちいずれか一方に進んで、モータ温度保護領域Aおよびモータ温度保護領域Bのうちいずれか一方のモータ温度保護領域を設定する。
その後、ステップS203でモータ10bの実際の状態がモータ温度保護領域に入っているか否かを判定する。モータ10bの実際の状態がモータ温度保護領域に入っているとしてステップS203でYESと判定したときには、ステップS210に進んで、カウント数を1つ増加させる。カウンタは、ステップS203でYESと判定された回数をカウントするものである。
また、モータ10bの実際の状態がモータ温度保護領域から外れて運転可能領域に入っている場合にはステップS203でNOと判定する。ステップS211に進んで、カウント数を1つ減少させる。
次に、ステップ212においてカウント数が所定回数以上であるか否かを判定する。カウント数が所定回数未満であるときにはステップ212においてNOと判定して、ステップS200に戻る。
例えば、モータ10bの温度が異常に上昇したときには、カウント数が所定回数以上になるまで、ステップS200の判定処理、ステップS201、S202のうちいずれか一方でのモータ温度保護領域の設定、ステップS203の判定処理、およびステップS210、S211のうちいずれか一方でのカウント数の変更を繰り返す。
その後、カウント数が所定回数以上になるとステップ212でYESと判定する。そして、ステップS204で、上述と同様に、インバータ回路70からステータコイル55に対する三相交流電流の出力を停止後、ステップS205で、異常停止情報を通信回路76から電子制御装置80に出力する。
以上説明した本実施形態では、制御回路73は、モータ10bの実際の状態が運転可能領域に入りカウント数を減らした後でも、モータ10bの実際の状態がモータ温度保護領域に入りカウント数が所定回数以上になるとモータ10bを停止することになる。したがって、モータ10bの温度が異常に上昇したときには、ステップS203の判定履歴を加味して、モータ10bを停止することができる。
なお、第2実施形態では、モータ10bの実際の状態がモータ温度保護領域から外れた場合には図8のステップS211でカウント数を1つ減少させる例を示したが、これに代えて、モータ10bの実際の状態がモータ温度保護領域から外れた場合にはカウント数を保持するようにしてもよい。
(第3実施形態)
上述の第1実施形態では、冷房モードが実行されているか否かを判定することにより、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定する例を示したが、これに代えて、本実施形態では、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度を検出する温度センサを用いて、この温度センサの検出値に応じて電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定する。
本実実施形態では、センサ84(図3参照)の検出温度が電子制御装置80から通信回路76を通して制御回路73に送信されるようになっている。
図9に本実施形態において温度保護処理を示すフローチャートであり、図9中において、図6と同一符号は同一ステップを示し、その説明を省略する。
制御回路73は、図9のフローチャートにしたがって、温度保護処理を実行する。
まず、ステップS220において、センサ84の検出温度が所定温度To以上であるか否かを判定する。センサ84の検出温度が所定温度To以上であるときには、吸入冷媒温度が所定温度To以上であるとしてステップS220でYESと判定してステップS201でモータ温度保護領域Aを設定する。
また、センサ84の検出温度が所定温度To以上であるときには、吸入冷媒温度が所定温度To未満であるとしてステップS220でNOと判定してステップS202でモータ温度保護領域Bを設定する。その後、上述と同様に、ステップS203、S204、S205の処理を実行する。
(第4実施形態)
上述の第1実施形態では、室内空調ユニットにおいて冷却用熱交換器からの冷風を冷媒により加熱する加熱用熱交換器を用いた例を示したが、これに代えて、本実施形態では次のように構成されている。
図10に本実施形態の車両用空調装置1の構成を示す。図10において、図1と同一符号は同一のものを示す。
本実施形態では、図1の加熱用熱交換器11に代えて、加熱用熱交換器11Aが用いられる。加熱用熱交換器11Aは、エンジン冷却水により冷却用熱交換器18からの冷風を加熱する熱交換器である。
本実施形態の車両用空調装置1は、電動コンプレッサ10の吐出冷媒を、室外熱交換器13b→電動式膨張弁16→冷却用熱交換器18→アキュムレータ19→電動コンプレッサ10の順に流す冷凍サイクル装置を構成している。室外熱交換器13bは、電動コンプレッサ10の吐出冷媒を車室外空気により冷却、凝縮する冷却器である。
このように構成された本実施形態の制御回路73は、上述の第3実施形態と同様に、図9に示す温度保護処理を実行する。
すなわち、温度センサ84の検出値に応じて電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定し、その判定に応じてモータ温度保護領域Aおよびモータ温度保護領域Bのうちいずれか一方を設定する。そして、前記一方のモータ温度保護領域にモータ10bの実際の状態が入っているか否かを判定する。以降の処理は上述の第3実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第5実施形態)
上述の第4実施形態では、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度を検出する温度センサを用いて、この温度センサの検出値に応じて電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定した例を示したが、これに代えて、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度を推定し、この推定温度に応じて電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定する本第5実施形態を示す。
図11に本実施形態において温度保護処理を示すフローチャートであり、図11中において、図9と同一符号は同一ステップを示し、その説明を省略する。
制御回路73は、図9のフローチャートにしたがって、温度保護処理を実行する。
まず、ステップ221において、温度センサ81の検出温度TEと温度センサ86(図10参照)の検出温度THOを電子制御装置80を介して取得し、これらセンサ81、86の検出温度に基づいて電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度の推定値TS’を求める。
温度センサ81は、冷却用熱交換器18から吹き出された空気温度TEを検出する冷却器冷媒温度検出手段である。温度センサ86は、室外熱交換器13の冷媒出口側の冷媒温度THOを検出する空気温度検出手段ある。
具体的には、温度センサ81の検出温度TEと温度センサ86(図10参照)の検出温度THOを次の数式1に代入して吸入冷媒温度の推定値TS’を求める。
α、βは予め決められた定数が用いられている。
TS’={α×(THO−TE)+β}+TE……数式1
次のステップS220aにおいて、吸入冷媒温度TS’が所定温度To以上であるか否かを判定する。吸入冷媒温度TS’が所定温度To以上であるときには、吸入冷媒温度が所定温度To以上であるとしてステップS220aでYESと判定してステップS201でモータ温度保護領域Aを設定する。
また、吸入冷媒温度TS’が所定温度To未満であるときには、吸入冷媒温度が所定温度To未満であるとしてステップS220aでNOと判定してステップS202でモータ温度保護領域Bを設定する。その後、上述と同様に、ステップS203、S204、S205の処理を実行する。
(第6実施形態)
上述の第4実施形態では、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度を検出する温度センサを用いて、この温度センサの検出値に応じて電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定した例を示したが、これに代えて、本第6実施形態では、駆動回路70(図2参照)自体の温度を検出する温度センサ75bの検出値を用いて、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定する。
図12に本実施形態の制御回路73による温度保護処理を示すフローチャートであり、図12中において、図9と同一符号は同一ステップを示し、その説明を省略する。
制御回路73は、図12のフローチャートにしたがって、モータ温度保護処理を実行する。
まず、ステップS230において、予めメモリ74に設定されたデータマップに基づいて、後述する吸入冷媒温度の判定に用いる閾値を設定する。
マップデータは、出力電圧Vと、出力電流Imと、閾値とが1対1対1で特定されるように構成されている。出力電圧Vは、上述したステータコイル55に対する電圧指令値である。
出力電流Imは、インバータ回路72からステータコイル55に出力される三相交流電流の実効値である。閾値は、ハウジング50の吸入口51a内に所定温度Toの冷媒が吸入された場合における駆動装置10cの推定温度である。
ここで、駆動装置10cは、ハウジング50内に吸入された吸入冷媒温度により冷却されるものの、駆動装置10c自体の発熱量により駆動装置10cの温度が変化する。そこで、マップデータでは、出力電圧Vと出力電流Imとの積(=Im×V)が大きくなるほど閾値が大きくなるように設定されている。出力電圧Vと出力電流Imとの積(=Im×V)は、駆動装置10cの発熱量を示す情報である。これにより、駆動装置10cの発熱量が大きくなるほど閾値が大きくなることになる。
次のステップS222において、温度センサ75bの検出値が閾値より高いか否かを判定する。
温度センサ75bの検出値が閾値以上であるときには、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるとしてステップS222においてYESと判定して、ステップS201でモータ温度保護領域Aを設定する。
また、温度センサ75bの検出値が閾値未満であるときには、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To未満であるとしてステップS222においてNOと判定して、ステップS202でモータ温度保護領域Bを設定する。その後、上述と同様に、ステップS203、S204、S205の処理を実行する。
上述の第6実施形態では、駆動装置温度検出手段としての温度センサ75bにより、駆動回路70自体の温度として、回路基板70a(図2参照)の温度を検出する例を示したが、これに限らず、駆動装置温度検出手段としての温度センサ75bにより、駆動回路70の温度であるならばいずれの箇所の温度を検出してもよい。
上述の第6実施形態では、駆動装置10cの発熱量を示す情報を求めるために、出力電圧Vと出力電流Imとを用いる例を示したが、これに代えて、出力電圧Vに代えてモータ10bの回転数Ncを用いても良く、或いは、出力電流Imに代えてモータ10bのトルクを用いても良い。
上述の第1実施形態では、冷房モードが実行されているか否かを判定することにより、電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定した例を示したが、これに代えて、上述の第5、第6の実施形態で説明した温度保護処理を用いて電動コンプレッサ10の吸入冷媒温度が所定温度To以上であるか否かを判定してもよい。
上述の第1の実施形態では、加熱用熱交換器11において冷却用熱交換器18を通過した冷風により冷媒を冷却、凝縮させる例を示したが、これに限らず、加熱用熱交換器11において冷媒が凝縮しないまま、冷却用熱交換器18からの冷風により冷媒を冷却させるようにしてもよい。
この場合、電動コンプレッサ10の吐出冷媒圧力が臨界圧力を超える冷媒を用いてヒートポンプサイクルとして超臨界サイクルを構成することが必要になる。
上述の第1〜第5の実施形態では、本発明に係る電動コンプレッサ10を車両用空調装置に適用した例を示したが、これに代えて、本発明に係る電動コンプレッサ10を定置置き型空調装置、業務用冷凍装置などの各種の冷凍サイクル装置に適用してもよい。
本発明の第1実施形態における車両用空調装置全体構成図である。 図1の電動コンプレッサの構成を示す図である。 図1の車両用空調装置の電気的構成を示す図である。 図1の電子制御装置の制御処理を示すフローチャートである。 図3の制御回路のモータ駆動処理を示すフローチャートである。 図3の制御回路の温度保護処理を示すフローチャートである。 図6で用いるモータ温度保護領域を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における制御回路の温度保護処理を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態における制御回路の温度保護処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態における車両用空調装置全体構成図である。 本発明の第5実施形態における制御回路の温度保護処理を示すフローチャートである。 本発明の第6実施形態における制御回路の温度保護処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両用空調装置
10 電動コンプレッサ
11 加熱用熱交換器
12 第1電動式膨張弁
13 室外熱交換器
14 第1開閉弁
15 内部熱交換器
16 第2電動式膨張弁
17 第2開閉弁
18 冷却用熱交換器
19 アキュムレータ
10a 圧縮機構
10b モータ
10c 駆動装置
70 駆動回路
72 インバータ回路
72b 負極側母線
72a 正極側母線
73 制御回路
74 メモリ、
75a 電流センサ
75b 温度センサ
76 通信回路

Claims (11)

  1. ハウジング(50)内に配置されて冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機構(10a)と、前記ハウジング(50)内に配置されて前記圧縮機構(10a)を駆動するモータ(10b)とを備え、前記圧縮機構(10a)により前記ハウジング(50)内に吸入された吸入冷媒により前記モータ(10b)を冷却するように構成された電動コンプレッサ(10)の駆動装置であって、
    前記モータ(10b)を駆動するために前記モータ(10b)に電流を出力する電流出力回路(72)と、
    前記電流出力回路(72)から前記モータ(10b)に出力される出力電流を検出する電流検出手段(S100)と、
    前記モータの回転数を検出する回転数検出手段(S101)と、
    前記モータが高温異常になることを避けるために前記モータを保護すべきモータ温度保護領域内に前記モータの実際の状態が入っているか否かについて前記電流算出手段(S100)の検出値と前記回転数検出手段(S101)の検出値とに基づき判定するモータ領域判定手段(S203)とを備え、
    前記モータ温度保護領域は、前記モータの回転数と前記出力電流とから設定されるものであり、
    前記吸入冷媒の温度が所定温度以上であるか否かを判定する冷媒温度判定手段(S200、S220、S220a、S222)と、
    前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であると前記冷媒温度判定手段(S200、S220、S220a、S222)が判定した場合には、前記吸入冷媒の温度が所定温度以上であると前記冷媒温度判定手段(S200、S220、S220a、S222)が判定した場合に比べて、前記モータ温度保護領域の前記出力電流の下限値を上げ、かつ前記モータ温度保護領域の前記モータ回転数の上限値を下げるように前記モータ温度保護領域を設定する保護領域設定手段(S201、S202)と、
    を備えることを特徴とする電動コンプレッサの駆動装置。
  2. 前記モータ温度保護領域内に前記モータ(10b)の実際の状態が入っていると前記モータ領域判定手段(S203)が判定した回数をカウントするカウント手段(S210)と、
    前記カウント手段(S210)によりカウントされたカウント数が所定数以上であるか否かを判定する回数判定手段(S212)と、
    前記カウント数が所定回数以上であると前記回数判定手段(S212)が判定したとき、前記モータ(10b)を停止する停止手段(S204)と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  3. 前記モータ(10b)の実際の状態が前記温度保護領域から外れていると前記モータ領域判定手段(S203)が判定する毎に前記カウント数を減らす減算手段(S211)を備え、
    前記モータ温度保護領域内に前記モータ(10b)の実際の状態が入っていると前記モータ領域判定手段(S203)が判定する毎に、前記カウント手段(S210)は前記カウント数を増やすようになっており、
    前記減算手段が前記カウント数を減らした後に前記カウント手段(S210)は前記カウント数を増やして前記カウント数が所定回数以上であると前記回数判定手段(S212)が判定したとき、前記停止手段(S204)が前記モータ(10b)を停止することを特徴とする請求項2に記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  4. 前記モータ温度保護領域内に前記モータ(10b)の実際の状態が入っていると前記モータ領域判定手段(S203)が判定したとき、前記モータ(10b)を停止する停止手段(S204)を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  5. 前記吸入冷媒の温度を検出する吸入冷媒温度センサ(84)を備え、
    前記モータ領域判定手段(S203)は、前記吸入冷媒温度センサ(84)の検出値が所定温度未満であるか否かを判定することにより、前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であるかを判定することを特徴とする請求項1に記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  6. 請求項1に記載の電動コンプレッサの駆動装置(10c)を前記ハウジング(50)の外側に配置されてなる電動コンプレッサ(10)であって、
    前記駆動装置(10c)は、前記圧縮機構(10a)により前記ハウジング(50)内に吸入された吸入冷媒により冷却されるようになっており、
    前記駆動装置(10c)の温度を検出する駆動装置温度検出手段(75b)を備え、
    前記冷媒温度判定手段(S222)は、前記駆動装置温度検出手段(75b)の検出値が閾値未満であるか否かを判定することにより、前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であるか否かを判定することを特徴とする電動コンプレッサ。
  7. 前記駆動装置(10c)の発熱量が多いほど前記冷媒温度判定手段(S222)で用いられる前記閾値を大きくする閾値設定手段(S230)を備えることを特徴とする請求項6に記載の電動コンプレッサ。
  8. 前記吸入冷媒の温度を示す冷媒温度信号を送信手段(S55)から受信する受信手段(76)を備え、
    前記冷媒温度判定手段(S200)は、前記受信手段で受信された前記冷媒温度信号に基づいて、前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であるであるか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の電動コンプレッサの駆動装置。
  9. 請求項8に記載の電動コンプレッサの駆動装置(10c)を備える空調装置(1)であって、
    空調ケース(21)と、
    前記空調ケース(21)内に空気を送風する送風機(24)と、
    前記空調ケース(21)内に配置され、前記電動コンプレッサ(10)の吐出冷媒により前記送風機(24)から送風された空気を加熱する加熱用熱交換器(11)と、
    前記空調ケース(21)内に配置され、前記加熱用熱交換器(11)の下流側冷媒により前記送風機(24)から送風された空気を冷却する冷却用熱交換器(18)と、
    前記加熱用熱交換器(11)の下流側冷媒を前記冷却用熱交換器(18)をバイパスして前記電動コンプレッサ(10)の冷媒吸入口側に流すバイパス通路(17a)と、
    前記バイパス通路(17a)を開閉する弁(17)と、
    前記弁(17)を閉じて前記加熱用熱交換器(11)の下流側冷媒を前記冷却用熱交換器(18)に流す冷房モードと、前記弁(17)を開けて前記加熱用熱交換器(11)の下流側冷媒を前記バイパス通路(17a)を通して前記電動コンプレッサ(10)の冷媒吸入口側に流す前記冷房モード以外の他のモードのうちいずれか一方を実行する実行手段(S52、S53、S54)と、を備え、
    前記送信手段(S55)は前記実行手段(S52、S53、S54)により実行されたモードを示す信号を前記冷媒温度信号として前記受信手段(76)に送信するものであり、
    前記実行手段(S54)が前記冷房モードを実行しているとき、前記冷媒温度判定手段(S200)が前記吸入冷媒の温度が所定温度以上であると判定し、前記実行手段(S52、S53)が前記他のモードを実行しているとき、前記冷媒温度判定手段(S200)が前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であると判定することを特徴とする空調装置。
  10. 前記加熱用熱交換器(11)から出た冷媒を減圧する減圧器(16)を備え、
    前記冷却用熱交換器(18)は、前記減圧器(16)により減圧された冷媒により前記送風機(24)から送風された空気を冷却するようになっており、
    前記加熱用熱交換器(11)から前記減圧器(16)に流れる冷媒を通過させる第1の冷媒流路(15a)と、前記冷却用熱交換器(18)から前記電動コンプレッサ(10)に吸入される冷媒を通過させる第2の冷媒流路(15b)とを有し、前記第1の冷媒流路(15a)内の冷媒により前記第2の冷媒流路(15b)内の冷媒を加熱する冷媒加熱用熱交換器(11)を備え、
    前記バイパス通路(17a)は、前記加熱用熱交換器(11)から出た冷媒を前記第1の冷媒流路(15a)、前記減圧器(16)、および前記冷却用熱交換器(18)をバイパスして前記電動コンプレッサ(10)の冷媒吸入口側に流すようになっていることを特徴とする請求項9に記載の空調装置。
  11. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の電動コンプレッサの駆動装置(10c)を備える冷凍サイクル装置であって、
    前記電動コンプレッサ(10)から吐出された冷媒を冷却する冷却器(13b)と、
    前記冷却器(13b)により冷却された冷媒を減圧する減圧器(16)と、
    前記減圧器(16)からの冷媒の蒸発により送風機(24)からの送風空気を冷却する冷却用熱交換器(18)と、
    前記冷却器(13b)の冷媒出口側の冷媒温度を検出する冷却器冷媒温度検出手段(86)と、
    前記冷却用熱交換器(18)から吹き出される冷風温度を検出する空気温度検出手段(81)と、を備え、
    前記冷媒温度判定手段(S220a)は、前記冷却器冷媒温度検出手段(86)の検出値と前記空気温度検出手段(81)の検出値とに基づいて、前記吸入冷媒の温度が所定温度未満であるか否かを判定することを特徴とする冷凍サイクル装置。
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