JP2016031021A - 電動圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動回路の温度が過度に低くなることを抑制できる電動圧縮機を提供すること。
【解決手段】ヒートポンプ100に用いられる電動圧縮機10は、冷媒が吸入されるハウジング11と、ハウジング11内に収容されている圧縮部12及び電動モータ13と、ハウジング11と熱的に結合する位置に配置されたインバータ31と、インバータ31を制御する制御部55とを備えている。ここで、制御部55は、電動モータ13の回転中にインバータ温度が予め定められた閾値温度以下となった時、回転数を制限する。そして、制御部55は、少なくとも回転数の制限中は、高温停止制御を禁止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動圧縮機に関する。
従来から、冷媒が吸入されるハウジングと、ハウジング内に収容され、冷媒を圧縮する圧縮部と、ハウジング内に収容され、圧縮部を駆動する電動モータと、電動モータを駆動する駆動回路と、を備えた電動圧縮機が知られている(例えば特許文献1参照)。また、特許文献1には、ハウジングの外面に駆動回路が取り付けられており、ハウジングを介して、冷媒と駆動回路との間で熱交換が行われることによって、駆動回路が冷却されることが記載されている。さらに、例えば、特許文献2には、電動圧縮機が暖房を行うヒートポンプに用いられることが記載されている。
特開2003−324900号公報 特開2011−11686号公報
ここで、例えば電動モータの電流値や回転数によっては、電動モータにて過度な発熱が発生し得る。また、電動圧縮機の周囲の雰囲気温度や、ハウジング内に吸入される冷媒の温度である吸入冷媒温度が低い条件下で電動圧縮機が運転する場合、駆動回路の温度が過度に低くなる場合がある。この場合、例えば駆動回路の温度が当該駆動回路の動作保証範囲の下限値よりも低くなり、駆動回路に異常が発生する場合がある。
特に、駆動モータを駆動させるために駆動回路が動作している場合には、当該駆動回路にて電力損失に係る熱が発生している。しかしながら、駆動回路の動作が停止すると、駆動回路にて電力損失に係る熱が発生しなくなる。このため、駆動回路の動作が停止する際には、停止直前に吸入された冷媒によって駆動回路が冷却されて、駆動回路の温度が過度に低くなる場合がある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は駆動回路の温度が過度に低くなることを抑制できる電動圧縮機を提供することである。
上記目的を達成する電動圧縮機は、冷媒が吸入されるハウジングと、前記ハウジング内に収容され、前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮部と、前記ハウジング内に収容され、前記圧縮部を駆動させる電動モータと、前記ハウジングと熱的に結合され、前記電動モータを駆動させる駆動回路と、前記駆動回路の温度を測定する温度測定部と、前記駆動回路を制御することにより前記電動モータを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電動モータの回転中に、前記電動モータの電流値が予め定められた閾値電流値以上であり、且つ、前記電動モータの回転数が予め定められた閾値回転数以下となった時、前記電動モータを停止させる高温停止制御部と、前記電動モータの回転中に前記温度測定部によって測定された前記駆動回路の温度が予め定められた閾値温度以下となった時、前記電動モータの回転数を低下させる低温制御部と、を備えるとともに、前記低温制御部によって前記電動モータの回転数を低下させている時は、前記高温停止制御部によって前記電動モータを停止させないことを特徴とする。
かかる構成によれば、制御部が高温停止制御部を備えているため、電動モータの過度な発熱を抑制できる。また、駆動回路の温度が閾値温度以下となった時、電動モータの回転数が低下する。これにより、ハウジング内に吸入される冷媒流量が低減されるため、冷媒による駆動回路の冷却が軽減される。よって、駆動回路の温度が過度に低くなることを抑制できる。また、電動モータの回転中における駆動回路の温度を、ある程度高く維持することができるため、電動モータが停止したことに基づいて駆動回路の発熱が停止した場合であっても、駆動回路の温度が過度に低くなることを抑制できる。
特に、低温制御部によって電動モータの回転数を低下させている時は、高温停止制御部によって電動モータが停止しない。これにより、電動モータの回転数を閾値回転数以下にすることができる。よって、高温停止制御部によって電動モータが停止する場合と比較して、冷媒流量を低減することができる場合がある。また、駆動回路の温度が閾値温度以下となるような比較的低温条件下においては、電動モータにて過度な発熱は生じにくいため、高温停止制御部による電動モータの停止が行われないことによる悪影響は生じにくい。したがって、駆動回路の温度が過度に低くなることを好適に抑制できる。
上記電動圧縮機について、前記制御部は、前記駆動回路の温度が前記閾値温度よりも高い温度である禁止温度以下となった時、前記高温停止制御部によって前記電動モータを停止させないとよい。かかる構成によれば、低温制御部による回転数の低下が開始される前段階にて、高温停止制御部による電動モータの停止が行われないようになる。これにより、低温制御部による回転数の低下が行われることに起因して高温停止制御部によって電動モータが停止するという不都合を回避できる。
上記電動圧縮機について、前記制御部は、前記低温制御部によって前記電動モータの回転数を低下させている状況において前記駆動回路の温度が前記閾値温度よりも高い温度である解除温度以上となった時、前記低温制御部による前記電動モータの回転数の低下を解除するとよい。かかる構成によれば、低温制御部によって電動モータの回転数を低下させている状況において駆動回路の温度が解除温度となった時、低温制御部による電動モータの回転数の低下が解除される。これにより、電動モータの回転数を上昇させることが可能となるため、冷媒流量を大きくすることができる。
上記電動圧縮機について、前記制御部は、前記低温制御部によって前記電動モータの回転数を低下させている状況において前記駆動回路の温度が前記閾値温度よりも低い温度である低温停止温度以下となった時、前記電動モータの回転数を徐々に減速させてから前記電動モータを停止させる低温停止制御部を備えているとよい。吸入冷媒温度等によっては、低温制御部によって回転数を低下させている場合であっても、駆動回路の温度が閾値温度よりも低下する場合がある。これに対して、本構成によれば、電動モータは、低温制御部によって回転数を低下させている状況において駆動回路の温度が閾値温度よりも低い温度である低温停止温度以下となった時、徐々に減速してから停止する。この場合、電動モータの減速中においては、冷媒流量が低減される一方、駆動回路の動作は継続しているため、駆動回路の温度は高くなり易い。これにより、駆動回路の温度を低温停止温度よりも高めた状態で電動モータを停止させることができる。よって、電動モータの停止に伴う駆動回路の温度低下に起因して駆動回路の温度が過度に低くなることを抑制できる。
特に、低温停止制御部による電動モータの回転数の減速中は、高温停止制御部による電動モータの停止は行われない。これにより、仮に電動モータの電流値が閾値電流値以上であっても、電動モータの回転数を閾値回転数以下まで減速させることができる。よって、より駆動回路の温度を高めてから電動モータを停止させることができるため、より好適に駆動回路の温度が過度に低くなることを抑制できる。
上記電動圧縮機について、前記駆動回路は、予め定められた動作下限温度以上である場合に正常に動作するスイッチング素子を有し、当該スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより前記電動モータを駆動させるものであり、前記閾値温度は、前記動作下限温度よりも高く設定されているとよい。かかる構成によれば、駆動回路の温度が動作下限温度となる前に低温制御部によって回転数を低下させるため、駆動回路の温度が動作下限温度に近づくことを抑制できる。これにより、スイッチング素子が動作下限温度よりも低くなることを抑制できる。
この発明によれば、駆動回路の温度が過度に低くなることを抑制できる。
ヒートポンプの概要を示す模式図。 インバータの回路図。 運転領域等を説明するためのグラフ。 電動モータ制御処理を示すフローチャート。 (a)は第1のケースにおける温度の時間変化を示すグラフであり、(b)は第1のケースにおける回転数の時間変化を示すグラフであり、(c)は第1のケースにおける高温停止制御のON/OFF態様を示すタイムチャート。 (a)は第2のケースにおける温度の時間変化を示すグラフであり、(b)は第2のケースにおける回転数の時間変化を示すグラフであり、(c)は第2のケースにおける高温停止制御のON/OFF態様を示すタイムチャート。
以下、電動圧縮機の一実施形態について説明する。本実施形態の電動圧縮機は例えばヒートポンプに用いられる。また、本実施形態のヒートポンプは例えば車両に搭載されており、カーエアコンとして用いられる。
図1に示すように、ヒートポンプ100は、電動圧縮機10と、電動圧縮機10に対して冷媒を供給する外部冷媒回路101とを備えている。外部冷媒回路101は、例えば熱交換器及び膨張弁などを有している。ヒートポンプ100は、電動圧縮機10によって冷媒が圧縮され、且つ、外部冷媒回路101によって冷媒の熱交換及び膨張が行われることによって、車両の室内の冷暖房を行う。
なお、ヒートポンプ100は、当該ヒートポンプ100の全体を制御する空調ECU102を備えている。空調ECU102は、車内温度やカーエアコンの設定温度等を把握可能に構成されており、これらのパラメータに基づいて、電動圧縮機10に対してON/OFF指令や回転数を指示する指令等といった各種指令を送信する。
電動圧縮機10は、外部冷媒回路101から冷媒が吸入される吸入口11aが形成されたハウジング11と、ハウジング11に収容された圧縮部12及び電動モータ13とを備えている。
ハウジング11は、全体として略円筒形状であって、伝熱性を有する材料(例えばアルミニウム等の金属)で形成されている。ハウジング11には、冷媒が吐出される吐出口11bが形成されている。
圧縮部12は、吸入口11aからハウジング11内に吸入された冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒を吐出口11bから吐出させるものである。なお、圧縮部12の具体的な構成は、スクロールタイプ、ピストンタイプ、ベーンタイプ等任意である。
電動モータ13は、圧縮部12を駆動させるものである。電動モータ13は、例えばハウジング11に対して回転可能に支持された円柱状の回転軸21と、当該回転軸21に対して固定された円筒形状のロータ22と、ハウジング11に固定されたステータ23とを有する。回転軸21の軸線方向と、円筒形状のハウジング11の軸線方向とは一致している。ステータ23は、円筒形状のステータコア24と、当該ステータコア24に形成されたティースに捲回されたコイル25とを有している。ロータ22及びステータ23は、回転軸21の径方向に対向している。
図1に示すように、電動圧縮機10は、電動モータ13を駆動させる駆動回路としてのインバータ31と、当該インバータ31が収容されたケース32とを有するインバータユニット30を備えている。電動モータ13のコイル25とインバータ31とは図示しないコネクタ等によって接続されている。
ケース32は、伝熱性を有する材料(例えばアルミニウム等の金属)で形成されており、板状のベース部材41と、当該ベース部材41に対して組み付けられた有底筒状のカバー部材42とを有する。ベース部材41は、ハウジング11、詳細にはハウジング11の軸線方向の両壁部のうち吐出口11bとは反対側の壁部11cに対して接触しており、その状態で固定具(例えばボルト43)によってハウジング11に固定されている。これにより、インバータ31が収容されたケース32がハウジング11に取り付けられている。すなわち、本実施形態の電動圧縮機10は、インバータ31が一体化されている。
インバータ31は、例えばベース部材41に固定された回路基板51と、当該回路基板51と電気的に接続されたパワーモジュール52とを備えている。回路基板51には、各種電子部品及び配線パターンが実装されており、例えばケース32内の雰囲気温度を測定する温度センサ53が実装されている。ケース32におけるカバー部材42の外面にはコネクタ54が設けられており、回路基板51とコネクタ54とが電気的に接続されている。コネクタ54を介して、外部電源としてのDC電源からインバータ31に電力供給が行われるとともに、空調ECU102とインバータ31とが電気的に接続されている。
ここで、インバータ31は、ハウジング11と熱的に結合する位置に配置されている。詳細には、インバータ31のパワーモジュール52はベース部材41に対して接触している。そして、既に説明した通り、ベース部材41は、ハウジング11の壁部11cに対して接触している。このため、インバータ31(詳細にはパワーモジュール52)とハウジング11とは、ベース部材41を介して熱的に結合している。
図2に示すように、電動モータ13のコイル25は、例えばu相コイル25u、v相コイル25v及びw相コイル25wを有する3相構造となっている。各コイル25u〜25wは例えばY結線されている。
パワーモジュール52は、u相コイル25uに対応するu相パワースイッチング素子Qu1,Qu2と、v相コイル25vに対応するv相パワースイッチング素子Qv1,Qv2と、w相コイル25wに対応するw相パワースイッチング素子Qw1,Qw2と、を備えている。
各パワースイッチング素子Qu1,Qu2,Qv1,Qv2,Qw1,Qw2(以降単に各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2と示す)は例えばIGBTで構成されている。各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2は、当該各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2の温度が予め定められた動作下限温度Tmin以上であって予め定められた動作上限温度以下である場合に正常に動作する。すなわち、動作下限温度Tminとは、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2の動作保証範囲の下限値であり、換言すればパワーモジュール52(インバータ31)の動作保証範囲の下限値である。すなわち、パワーモジュール52(インバータ31)は、その温度が動作下限温度Tmin以上であって動作上限温度以下である場合に正常に動作する。
各u相パワースイッチング素子Qu1,Qu2は接続線を介して互いに直列に接続されており、その接続線は、u相コイル25uに接続されている。そして、各u相パワースイッチング素子Qu1,Qu2の直列接続体に対してDC電源Eからの直流電力が入力されている。なお、他のパワースイッチング素子Qv1,Qv2,Qw1,Qw2については、対応するコイルが異なる点を除いて、u相パワースイッチング素子Qu1,Qu2と同様の接続態様であるため、詳細な説明を省略する。なお、インバータ31は、DC電源Eに対して並列に接続された平滑コンデンサC1を有している。
パワーモジュール52は、インバータ31(詳細には各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング動作)を制御する制御部55を備えている。制御部55は、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2を周期的にON/OFFさせることにより、電動モータ13を駆動、つまり回転させる。
ここで、制御部55は、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2のON/OFFのデューティ比を可変制御することにより、電動モータ13の回転数rを制御することができる。
制御部55は、空調ECU102と電気的に接続されており、空調ECU102から回転数rの指令値等を受信した場合には、低温時制御を行う必要がある場合等といった特別な状況を除いて、当該指令値に対応する回転数rで電動モータ13を回転させる。
図2に示すように、インバータ31は、電動モータ13に流れる電流値Iを測定し、その測定結果を制御部55に送信する電流値測定部61を備えている。また、電動圧縮機10は、電動モータ13の回転数rを検出し、その検出結果を制御部55に送信する回転数検出器62を備えている。これにより、制御部55は電流値I及び回転数rを把握可能となっている。なお、電流値測定部61は、例えば回路基板51に実装されている(図1参照)。
温度センサ53は、その測定結果を制御部55に送信する。制御部55は、温度センサ53の測定結果に基づいて、インバータ31の温度であるインバータ温度Tを把握する。
ここで、インバータ温度Tとは、例えばパワーモジュール52の温度である。この場合、制御部55は、温度センサ53の測定温度とパワーモジュール52の温度との相関関係に関するデータを予め記憶しておき、当該データを参照することにより、温度センサ53の測定結果に対応するパワーモジュール52の温度を導出し、当該温度をインバータ温度Tとする。つまり、温度センサ53は、インバータ温度Tを測定するのに用いられるものである。
なお、インバータ温度Tについては、上記に限られず、インバータ31に関する温度であれば任意であり、例えば温度センサ53によって測定された測定値そのもの、すなわちケース32内の雰囲気温度等であってもよい。
ここで、電動モータ13の温度は、回転数r及び電流値Iに依存する。詳細には、電動モータ13の温度は、電流値Iが高くなるほど高くなる。また、回転数rが低くなるほどハウジング11内に吸入される冷媒流量が小さくなるため、電動モータ13の温度は高くなる。
これに対して、本実施形態の制御部55は、電流値Iと回転数rとの関係が、電動モータ13が高温となる関係の場合には、電動モータ13を停止させる高温停止制御を行う機能を有している。詳細には、図3に示すように、制御部55は、所定の条件下において、回転数rと電流値Iとの交点が運転領域A1に含まれる場合には運転(回転)を継続する一方、回転数rと電流値Iとの交点が運転領域A1よりも電動モータ13の温度が高くなる領域A2に含まれる場合には電動モータ13を停止させる。
本実施形態における運転領域A1と領域A2との境界線は少なくとも電流値Iが予め定められた閾値電流値Ith以上の領域で、かつ、回転数rが予め定められた閾値回転数rth以下の領域である。閾値回転数rthは、例えば電流値Iによって変動するパラメータである。詳細には、閾値回転数rthは、電流値Iが閾値電流値Ithである場合に最小値となり、電流値Iが高くなるに従って高くなるように設定されている。
ここで、ヒートポンプ100が低温条件下(例えば室温などの雰囲気温度が−30度以下であって、吸入冷媒温度が−45度以下等)で動作する場合、ハウジング11及びベース部材41が冷媒によって過度に冷却され、その結果インバータ温度Tが過度に低くなるおそれがある。例えば、吸入冷媒温度が動作下限温度Tminよりも低い場合には、電動モータ13の回転中にインバータ温度Tが動作下限温度Tminよりも低くなる場合が生じ得る。すると、パワーモジュール52に異常が発生し得る。
特に、電動モータ13の回転が停止することに基づいて、インバータ温度Tが過度に低くなる場合がある。詳述すると、電動モータ13の回転中は、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2は周期的にON/OFFしているため、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2にてスイッチング損失に係る熱が発生している。一方、電動モータ13の回転が停止すると、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2の周期的なON/OFFは停止するため、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2にてスイッチング損失に係る熱が発生しない。このため、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2は、回転中の電動モータ13が停止する際に、停止直前に吸入された冷媒によって過度に冷却されるおそれがある。よって、例えば、吸入冷媒温度が動作下限温度Tminよりも低い場合には、電動モータ13の停止によって、インバータ温度Tが動作下限温度Tminよりも低くなる場合が生じ得る。
これに対して、本実施形態の制御部55は、上述した高温停止制御と、インバータ温度Tを動作下限温度Tmin以上に維持するための制御との双方を行う電動モータ制御処理を実行する。当該電動モータ制御処理について図4を用いて詳細に説明する。なお、電動モータ制御処理は、電動モータ13の回転中、定期的に行われる。また、以下の説明においては、ヒートポンプ100は暖房運転中とする。
まず、図4に示すように、制御部55は、ステップS101にて、温度センサ53の測定結果に基づいて、現状のインバータ温度Tを把握する。
続くステップS102では、制御部55は、ステップS101にて把握されたインバータ温度Tが、予め定められた禁止温度T1よりも高いか否かを判定する。禁止温度T1は、高温停止制御を禁止するか否かを判断するための温度であり、例えば0度である。
制御部55は、現状のインバータ温度Tが禁止温度T1よりも高い場合にはステップS103〜ステップS107にて高温停止制御を実行する。なお、制御部55がステップS103〜ステップS107の処理を実行する機能が「高温停止制御部」に対応する。
詳細には、制御部55は、まずステップS103にて、電流値測定部61の測定結果に基づいて現状の電流値Iを把握し、回転数検出器62の検出結果に基づいて回転数rを把握する。
続くステップS104では、制御部55は、上記ステップS103にて把握された電流値Iが閾値電流値Ith以上であるか否かを判定する。制御部55は、電流値Iが閾値電流値Ith未満である場合にはそのまま本電動モータ制御処理を終了する一方、電流値Iが閾値電流値Ith以上である場合にはステップS105に進み、今回把握された電流値Iに対応する閾値回転数rthを導出する。詳細には、制御部55は、電流値Iと閾値回転数rthとが対応付けられたデータを予め有しており、当該データを参照することによって今回把握された電流値Iに対応する閾値回転数rthを導出する。
その後ステップS106では、制御部55は、ステップS103にて把握された回転数rが、ステップS105で導出された閾値回転数rth以下であるか否かを判定する。制御部55は、回転数rが閾値回転数rth以下である場合には、ステップS107に進み、電動モータ13を停止させて、本電動モータ制御処理を終了する一方、回転数rが閾値回転数rthよりも高い場合には、電動モータ13を停止させることなく、そのまま本電動モータ制御処理を終了する。
一方、制御部55は、インバータ温度Tが禁止温度T1以下である場合には、ステップS102を否定判定し、ステップS103〜ステップS107の高温停止制御を実行することなく、ステップS108に進む。すなわち、制御部55は、インバータ温度Tが禁止温度T1よりも高い場合に高温停止制御を行う一方、インバータ温度Tが禁止温度T1以下である場合には高温停止制御を禁止する。
制御部55は、ステップS108〜ステップS112では、インバータ温度Tに基づいて、電動モータ13の回転数rを制限する低温時制御を行うか否か、又は、低温時制御を解除するか否かの判定を行う。
詳細には、まず制御部55は、ステップS108にて、低温時制御中であるか否かを判定する。低温時制御とは、電動モータ13が、通常設定される回転数rである通常回転数r0よりも低い回転数rで回転している状態である。通常回転数r0とは、例えば空調ECU102から制御部55に対して指示された指令値に対応する回転数rである。通常回転数r0は、例えば車内温度やカーエアコンの設定温度等に基づいて設定される。なお、通常回転数r0での電動モータ13の回転を通常運転とする。
制御部55は、低温時制御中でない場合には、ステップS109に進み、インバータ温度Tが予め定められた閾値温度T2以下であるか否かを判定する。閾値温度T2は、禁止温度T1よりも低く、且つ、動作下限温度Tminよりも高い温度である。
制御部55は、インバータ温度Tが閾値温度T2よりも高い場合にはそのまま本電動モータ制御処理を終了する一方、インバータ温度Tが閾値温度T2以下である場合には、ステップS110に進み、回転数rを低下させ、その状態で電動モータ13の回転を維持する低温時制御を開始して、ステップS113に進む。
ここで、制御部55は、低温時制御においては、回転数rを閾値回転数rth以下まで低下可能に構成されている。低温時制御における回転数rの低下量(減速量)は任意であるが、例えば、制御部55は、電流値Iによっては領域A2に含まれるような値、詳細には閾値回転数rthの最小値と最大値との間の値を目標値として設定し、当該目標値まで低下させる。なお、制御部55は、電流値Iが閾値電流値Ith以上である場合には、回転数rを閾値回転数rthの最小値より低くする場合がある。なお、制御部55がステップS109及びステップS110の処理を実行する機能が「低温制御部」に対応する。
制御部55は、既に低温時制御中である場合には、ステップS108を肯定判定し、ステップS111に進む。ステップS111では、制御部55は、インバータ温度Tが予め定められた解除温度T3以上か否かを判定する。解除温度T3は、閾値温度T2よりも高く設定されている。また、本実施形態では、解除温度T3は、禁止温度T1よりも低く設定されている。
制御部55は、インバータ温度Tが解除温度T3以上である場合には、ステップS112に進み、低温時制御を解除する。詳細には、制御部55は、回転数rを通常回転数r0まで上昇させる。その後、制御部55は、本電動モータ制御処理を終了する。
一方、制御部55は、インバータ温度Tが解除温度T3よりも低い場合にはステップS111を否定判定し、ステップS113に進む。この場合、低温時制御が継続される。
制御部55は、ステップS110の処理の実行後、又は、ステップS111を否定判定した場合には、ステップS113〜ステップS115の処理を実行する。なお、制御部55がステップS113〜ステップS115の処理を実行する機能が「低温停止制御部」に対応する。
詳細には、制御部55は、ステップS113にて、インバータ温度Tが予め定められた低温停止温度T4以下となっているか否かを判定する。本実施形態では、低温停止温度T4は、動作下限温度Tminよりも高く、閾値温度T2よりも低く設定されている。
制御部55は、インバータ温度Tが低温停止温度T4よりも高い場合にはそのまま本電動モータ制御処理を終了する一方、インバータ温度Tが低温停止温度T4以下である場合には、ステップS114に進み、回転数rの減速を開始する。詳細には、制御部55は、現状の回転数rから徐々に(例えば−140rpm/sずつ)減速させる。仮に電流値Iが閾値電流値Ith以上である場合には、制御部55は、回転数rを閾値回転数rth以下となるまで減速させる。そして、制御部55は、回転数rの減速が十分に行われた後にステップS115に進み、電動モータ13を停止させて、本電動モータ制御処理を終了する。
ちなみに、制御部55は、停止制御を行う場合には、その旨の通知を空調ECU102に送信し、空調ECU102は、上記通知を受信した場合には、所定の報知部(例えば表示灯など)を用いて、その旨の報知(警報)を行ってもよい。
次に、図5及び図6を用いて本実施形態の作用について説明する。なお、図5及び図6は、電流値Iが閾値電流値Ith以上であって吸入冷媒温度が動作下限温度Tminよりも低い条件下での、インバータ温度T及び回転数rの時間変化の一例を示すとともに、高温停止制御のON/OFF態様を示す。図5(c)及び図6(c)では、高温停止制御が禁止されている状態をOFFとし、高温停止制御が禁止されていない状態をONとする。
まず図5を用いて第1のケースについて説明する。図5(a)及び図5(c)に示すように、t1のタイミングにて、インバータ温度Tが禁止温度T1となると、高温停止制御が禁止される(ON→OFF)。これにより、仮に電流値Iが閾値電流値Ith以上であり、且つ、回転数rが閾値回転数rth以下である場合であっても、電動モータ13は停止しない。
その後、図5(a)及び図5(b)に示すように、t2のタイミングにて、インバータ温度Tが低下して閾値温度T2に達すると、低温時制御が開始される。詳細には、回転数rは、低下して閾値回転数rthより低くなったとする。この場合、高温停止制御が禁止されているため、電動モータ13の回転は、停止することなく、継続される。
ここで、回転数rが低下することによって、ハウジング11内に吸入される冷媒流量が減少する。すると、ハウジング11の冷却が軽減される。このため、ハウジング11に対して熱的に結合しているパワーモジュール52の冷却が軽減される。本第1のケースでは、図5(a)に示すように、インバータ温度Tが上昇したとする。
その後、図5(a)及び図5(b)に示すように、t3のタイミングにて、低温時制御中に、インバータ温度Tが解除温度T3に到達すると、低温時制御が解除される。これにより、回転数rが上昇するため、冷媒流量が上昇し、ヒートポンプ100の温度調整能力(暖房能力)が向上する。一方、冷媒流量が上昇することにより、パワーモジュール52が冷却され易くなるため、インバータ温度Tは低下する。その後、t4のタイミングにて、再度インバータ温度Tが閾値温度T2となると、低温時制御が開始される。
以上のことから、電動圧縮機10は、インバータ温度Tが所定の範囲(詳細には閾値温度T2から解除温度T3までの範囲よりも若干広い範囲)内に収まった状態で運転を継続する。
ちなみに、禁止温度T1は、閾値温度T2及び解除温度T3の双方よりも高い。このため、少なくとも低温時制御中は、高温停止制御は禁止されている。また、閾値温度T2は、動作下限温度Tmin及び低温停止温度T4に対して高く設定されているため、インバータ温度Tが上記所定の範囲内に収まっている状況において電動モータ13が徐々に減速することなく停止した場合であっても、インバータ温度Tは動作下限温度Tminよりも低くなりにくい。
次に図6を用いて第2のケースについて説明する。図6(a)及び図6(c)に示すように、t11のタイミングにて、インバータ温度Tが低下して禁止温度T1に達することによって高温停止制御が禁止される。そして、図6(a)及び図6(b)に示すように、t12のタイミングにて、インバータ温度Tが閾値温度T2となり、低温時制御が開始される。
ここで、吸入冷媒温度や制限された回転数r等によっては、低温時制御が開始された場合であっても、インバータ温度Tが上昇することなく低下する場合が生じ得る。本第2のケースでは、図6(a)に示すように、低温時制御が開始された場合であってもインバータ温度Tが低下したものとする。この場合であっても、通常運転時と比較して、低温時制御時の方が、冷媒流量が低減されている分だけ、温度低下率が小さくなっている。このため、インバータ温度Tが低温停止温度T4となるまでの時間が長くなっている。
その後、図6(a)に示すように、インバータ温度Tが低温停止温度T4となると、電動モータ13の減速が開始される。すると、冷媒流量が更に減少することとなる。一方、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング動作は継続されている。このため、インバータ温度Tが上昇する。そして、t14のタイミングにて、電動モータ13が停止する。
ここで、仮にt13のタイミングにて、電動モータ13が停止すると、図6(a)の2点鎖線に示すように、インバータ温度Tが動作下限温度Tminよりも低くなり得る。これに対して、本実施形態では、t13のタイミングよりもt14のタイミングの方が、インバータ温度Tが高くなっているため、電動モータ13が停止した場合であっても、インバータ温度Tが動作下限温度Tmin以上となり易い。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)圧縮部12及び電動モータ13が収容され、且つ、冷媒が吸入されるハウジング11と、該ハウジング11と熱的に結合する位置に配置されたインバータ31とを有する電動圧縮機10は、インバータ温度Tを測定するのに用いられる温度センサ53と、インバータ31を制御することにより電動モータ13を制御する制御部55とを備えている。制御部55は、電動モータ13の電流値Iが閾値電流値Ith以上であって電動モータ13の回転数rが閾値回転数rth以下となった時、電動モータ13を停止させる高温停止制御を行う機能を有している。これにより、電動モータ13の過度な発熱を抑制できる。
かかる構成において、制御部55は、電動モータ13の回転中にインバータ温度Tが予め定められた閾値温度T2以下となった時、回転数rを制限する。詳細には、制御部55は、回転数rを低下させ、且つ、その低下した回転数rで電動モータ13を回転させる低温時制御を行う。そして、制御部55は、低温時制御中は、高温停止制御を禁止する。すなわち、制御部55は、低温時制御によって電動モータ13の回転数rを低下させている時は、高温停止制御によって電動モータ13を停止させない。
かかる構成によれば、低温時制御中は、高温停止制御が禁止されているため、電流値Iが閾値電流値Ith以上である状況下で回転数rを閾値回転数rth以下まで低下させても、電動モータ13は停止しない。よって、高温停止制御が禁止されていない状況と比較して、低温時制御における回転数rを低くすることができるため、冷媒流量をより好適に低減することができる。したがって、インバータ温度Tの低下の軽減、又はインバータ温度Tの上昇を図ることができる。また、インバータ温度Tが閾値温度T2以下という比較的低温の状況下においては、電動モータ13にて過度な発熱は生じにくい。このため、高温停止制御が禁止されていることに起因する不都合が生じにくい。したがって、インバータ温度Tが過度に低くなることを好適に抑制することができる。
特に、電動モータ13が停止すると、インバータ31にて熱が発生しなくなる。すると、例えばインバータ温度Tが動作下限温度Tminよりも低くなり得る。これに対して、本実施形態では、低温時制御によってインバータ温度Tをある程度高い温度(例えば閾値温度T2付近)に維持することができる場合がある。これにより、仮に電動モータ13が停止した場合であっても、例えばインバータ温度Tが動作下限温度Tminよりも低くなるような事態を抑制することができる。よって、電動モータ13の停止に伴うインバータ温度Tの低下に好適に対応できる。
(2)電動モータ13は、インバータ温度Tが低温停止温度T4以下となることに基づいて停止するように構成されている。これにより、インバータ温度Tが過度に低くなる前に電動モータ13を停止させることができる一方、電動モータ13が停止すると例えば車両の室内の快適性が低下する。
これに対して、本実施形態では、上述した通り、インバータ温度Tが低温停止温度T4よりも高く設定された閾値温度T2以下となることに基づいて、低温時制御が開始される。これにより、インバータ温度Tが低温停止温度T4となることを回避したり、インバータ温度Tが低温停止温度T4となるまでの時間を長くしたりすることが可能となる。よって、例えば快適性の向上を図ることができる。
(3)制御部55は、インバータ温度Tが閾値温度T2よりも高い禁止温度T1以下である場合に、高温停止制御を禁止する。換言すれば、制御部55は、インバータ温度Tが禁止温度T1以下となった時、高温停止制御によって電動モータ13を停止させない。詳細には、制御部55は、インバータ温度Tが禁止温度T1以下である場合には、ステップS103〜ステップS107の処理を実行しない。これにより、インバータ温度Tが閾値温度T2となる前段階にて、高温停止制御を禁止することができるため、低温時制御を行うことに起因して高温停止制御が行われるという不都合を回避できる。
(4)制御部55は、低温時制御によって電動モータ13の回転数rを低下させている状況においてインバータ温度Tが閾値温度T2よりも高い温度である解除温度T3以上となった時、低温時制御を解除する処理(ステップS111及びステップS112)を実行する。これにより、電動モータ13の回転数rを通常回転数r0まで上昇させることが可能となるため、冷媒流量を大きくすることができる。よって、ヒートポンプ100の温度調整能力の向上を図ることができる。
(5)特に、解除温度T3は、高温停止制御が禁止される契機となる禁止温度T1よりも低く設定されている。これにより、低温時制御中にインバータ温度Tが禁止温度T1よりも高くなり、低温時制御中に高温停止制御が解除されることが回避されている。よって、低温時制御中に高温停止制御が行われることによる電動モータ13の意図しない停止を回避できる。
(6)制御部55は、低温時制御中にインバータ温度Tが閾値温度T2よりも低い温度である低温停止温度T4以下となった時、電動モータ13の回転数rを徐々に減速させてから電動モータ13を停止させる低温停止制御を行う。この場合、電動モータ13の減速中においては、冷媒流量が低減される一方、インバータ31の動作は継続しているため、インバータ温度Tは高くなる。これにより、インバータ温度Tが低温停止温度T4よりも高くなってから電動モータ13が停止し得るため、インバータ温度Tが動作下限温度Tminよりも低くなることを抑制できる。よって、低温時制御が行われた場合であってもインバータ温度Tが低下する場合に好適に対応できる。
ここで、例えば電動モータ13の停止時にインバータ温度Tが動作下限温度Tminよりも低くならないように、予め低温停止温度T4を動作下限温度Tminよりも十分に高く設定することも考えられる。しかしながら、低温停止温度T4を高く設定すると、その分だけ電動モータ13が停止し易くなるため、例えば車内の快適性が低下するといった不都合が生じ得る。これに対して、本実施形態では、上記のように、電動モータ13の停止が行われる前に回転数rの徐々の減速が行われるため、インバータ温度Tが動作下限温度Tminよりも低くなることを抑制しつつ、低温停止温度T4を低く設定することができる。これにより、上記不都合を軽減することができる。
特に、制御部55は、低温停止制御による電動モータ13の回転数rの減速中は、高温停止制御を禁止している。これにより、仮に電動モータ13の電流値Iが閾値電流値Ith以上であっても、電動モータ13の回転数rを閾値回転数rth以下まで減速させることができる。よって、よりインバータ温度Tを高めてから電動モータ13を停止させることができるため、より好適にインバータ温度Tが動作下限温度Tminよりも低くなることを抑制できる。
(7)インバータ31は、予め定められた動作下限温度Tmin以上である場合に正常に動作する各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2を有し、当該各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2が周期的にON/OFFすることにより電動モータ13を駆動させるものである。そして、閾値温度T2は動作下限温度Tminよりも高く設定されている。これにより、インバータ温度Tが動作下限温度Tminとなる前にインバータ温度Tが閾値温度T2となり、低温時制御が行われる。よって、各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2の温度が動作下限温度Tminよりも低くなることを抑制できる。
(8)電動圧縮機10は、ハウジング11とインバータ31(詳細にはパワーモジュール52)との双方に対して熱的に結合する伝熱部材としてのベース部材41を備えている。これにより、ハウジング11及びベース部材41を介して、冷媒とインバータ31との間で熱交換が行われるため、冷媒を用いたインバータ31の温度調整が可能となる。
特に、ベース部材41は、インバータ31が収容されているケース32を構成しているものであって、ハウジング11に当該ケース32を取り付けるのに用いられている。換言すれば、インバータ31をハウジング11に取り付けるのに用いられるベース部材41を用いて、インバータ31の温度調整を行うことができるため、ベース部材41の多機能化を図ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ インバータ31のパワーモジュール52とベース部材41とは接触しておらず離間して配置されていてもよい。この場合であっても、ケース32内の雰囲気温度が冷媒によって調整されるため、それを通じてパワーモジュール52の温度が調整される。
○ ベース部材41を省略して、カバー部材42をハウジング11の壁部11cに固定してもよい。この場合、カバー部材42とハウジング11の壁部11cとによって区画される空間にインバータ31が収容される。かかる構成であっても、インバータ31とハウジング11とは熱的に結合している。要は、インバータ31は、ハウジング11と熱的に結合する位置に配置されていればよい。この場合、インバータ31は、ベース部材41又はハウジング11の壁部11cに対して離間していてもよいし、接触していてもよい。
○ 閾値回転数rthは、電流値Iに関わらず変動しない固定値でもよい。
○ 低温時制御に係る回転数rの低下量の設定態様は任意である。例えば、制御部55は、現状の電流値Iが閾値電流値Ith以上である場合には、現状の電流値Iに対応する閾値回転数rthを導出し、当該閾値回転数rthに対して予め定められた規定量だけ小さい値まで低下させてもよい。この場合、低下量は、現状の回転数rに応じて異なる。
また、例えば制御部55は、現状の回転数rや電流値Iに関わらず、現状の回転数rから予め定められた固定値の低下量だけ低下させる構成でもよい。この場合、現状の回転数r及び電流値Iと上記低下量とによっては、回転数rが閾値回転数rth以下となり得る。つまり、制御部55は、現状の回転数rや電流値I等に対応させて低下量を可変させてもよいし、固定してもよい。いずれの場合であっても、回転数rは閾値回転数rth以下となり得る。
○ 制御部55は、インバータ温度Tが上昇するまで回転数rを低下させるように、インバータ温度Tの変化に基づいて、回転数rのフィードバック制御を行う構成でもよい。これにより、可能な限り、インバータ温度Tが閾値温度T2よりも低くなることを抑制できる。
○ 禁止温度T1は、閾値温度T2よりも高く、高温停止制御が適切に行われる温度であれば、0度に限られず任意である。
○ 制御部55は、低温時制御中のみ高温停止制御を禁止する構成としてもよい。要は、制御部55は、少なくとも低温時制御中は、高温停止制御を禁止すればよい。換言すれば、高温停止制御が禁止される禁止期間は、低温時制御が行われる期間を含むように構成されているとよい。
○ 低温時制御の解除条件は、インバータ温度Tが解除温度T3以上となることに限られない。例えば低温時制御の開始タイミングから予め定められた時間が経過したことを、低温時制御の解除条件としてもよい。
○ 制御部55は、インバータ温度Tが低温停止温度T4以下となることに基づいて、回転数rを徐々に減速させることなく、電動モータ13を直ちに停止してもよい。この場合、電動モータ13の停止時におけるインバータ温度Tが動作下限温度Tminよりも低くならないように、低温停止温度T4を動作下限温度Tminに対して十分に高く設定するとよい。
○ ステップS113〜ステップS115の処理を省略してもよい。
○ 各パワースイッチング素子Qu1〜Qw2の具体的な構成はIGBTに限られず、任意であり、例えばパワーMOSFET等でもよい。
○ 温度センサ53は、ベース部材41の温度を測定してもよい。この場合、制御部55は、ベース部材41の温度からパワーモジュール52の温度を推定し、その推定された温度をインバータ温度Tとしてもよい。
○ ヒートポンプ100は、車両に限られず、他の機器に搭載されてもよい。また、電動圧縮機10は、ヒートポンプ100以外の用途に用いられてもよい。
○ ハウジング11に対するインバータユニット30の取付位置は、任意であり、例えばハウジング11におけるステータ23の外周面と対向する部分の外面等でもよい。
○ 制御部55の位置は、パワーモジュール52内に限られず任意であり、例えば回路基板51上に実装されていてもよい。また、温度センサ53の取付位置は、任意であり、例えばパワーモジュール52内でもよい。
○ 制御部55は、インバータ温度Tが低温停止温度T4よりも高く設定された規定温度(例えば−20度)よりも低い状況において、空調ECU102から電動モータ13の停止指令等があった場合には、電動モータ13の回転数rを徐々に減速させてから、電動モータ13を停止させるようにしてもよい。要は、制御部55は、インバータ温度Tが予め定められた規定温度よりも低い状況において予め定められた停止条件が成立した場合には、電動モータ13の回転数rを徐々に減速させてから電動モータ13を停止させてもよい。なお、上記停止条件は、インバータ温度Tが低温停止温度T4となることや停止指令があった場合等、任意である。また、規定温度は、閾値温度T2よりも高くてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)前記駆動回路を前記ハウジングに取り付けるのに用いられるものであって、前記ハウジングと前記駆動回路との双方に対して熱的に結合している伝熱部材を備えている請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の電動圧縮機。
(ロ)冷媒が吸入されるハウジングと、前記ハウジング内に収容され、前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮部と、前記ハウジング内に収容され、前記圧縮部を駆動させる電動モータと、前記ハウジングと熱的に結合され、前記電動モータを駆動させる駆動回路と、前記駆動回路の温度を測定するのに用いられる温度測定部と、前記駆動回路を制御することにより前記電動モータを制御する制御部と、を備えた電動圧縮機であって、前記制御部は、前記電動モータの回転中に、前記電動モータの電流値が予め定められた閾値電流値以上であり、且つ、前記電動モータの回転数が予め定められた閾値回転数以下となることに基づいて、前記電動モータを停止させる高温停止制御部と、前記電動モータの回転中に前記駆動回路の温度が予め定められた低温停止温度以下となることに基づいて、前記電動モータの回転数を徐々に減速させてから前記電動モータを停止させる低温停止制御部と、を備え、少なくとも前記低温停止制御部による前記電動モータの回転数の減速中は、前記高温停止制御部による前記電動モータの停止を禁止することを特徴とする電動圧縮機。
なお、上記構成に着目した場合、低温時制御は必須の構成ではない。つまり、低温時制御の開始及び解除に係るステップS108〜ステップS112の処理を省略してもよい。
10…電動圧縮機、11…ハウジング、12…圧縮部、13…電動モータ、31…インバータ(駆動回路)、41…ベース部材(伝熱部材)、52…パワーモジュール、55…制御部、100…ヒートポンプ、I…電動モータの電流値、Ith…閾値電流値、r…電動モータの回転数、rth…閾値回転数、T…インバータ温度、T1…禁止温度、T2…閾値温度、T3…解除温度、T4…低温停止温度、Tmin…動作下限温度。

Claims (5)

  1. 冷媒が吸入されるハウジングと、
    前記ハウジング内に収容され、前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮部と、
    前記ハウジング内に収容され、前記圧縮部を駆動させる電動モータと、
    前記ハウジングと熱的に結合され、前記電動モータを駆動させる駆動回路と、
    前記駆動回路の温度を測定する温度測定部と、
    前記駆動回路を制御することにより前記電動モータを制御する制御部と、
    を備えた電動圧縮機であって、
    前記制御部は、
    前記電動モータの回転中に、前記電動モータの電流値が予め定められた閾値電流値以上であり、且つ、前記電動モータの回転数が予め定められた閾値回転数以下となった時、前記電動モータを停止させる高温停止制御部と、
    前記電動モータの回転中に前記温度測定部によって測定された前記駆動回路の温度が予め定められた閾値温度以下となった時、前記電動モータの回転数を低下させる低温制御部と、
    を備えるとともに、前記低温制御部によって前記電動モータの回転数を低下させている時は、前記高温停止制御部によって前記電動モータを停止させないことを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記制御部は、前記駆動回路の温度が前記閾値温度よりも高い温度である禁止温度以下となった時、前記高温停止制御部によって前記電動モータを停止させない請求項1に記載の電動圧縮機。
  3. 前記制御部は、前記低温制御部によって前記電動モータの回転数を低下させている状況において前記駆動回路の温度が前記閾値温度よりも高い温度である解除温度以上となった時、前記低温制御部による前記電動モータの回転数の低下を解除する請求項1又は請求項2に記載の電動圧縮機。
  4. 前記制御部は、前記低温制御部によって前記電動モータの回転数を低下させている状況において前記駆動回路の温度が前記閾値温度よりも低い温度である低温停止温度以下となった時、前記電動モータの回転数を徐々に減速させてから前記電動モータを停止させる低温停止制御部を備えている請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  5. 前記駆動回路は、予め定められた動作下限温度以上である場合に正常に動作するスイッチング素子を有し、当該スイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより前記電動モータを駆動させるものであり、
    前記閾値温度は、前記動作下限温度よりも高く設定されている請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の電動圧縮機。
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