JP2005248730A - 電動圧縮機 - Google Patents

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祐輔 進藤
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Abstract

【課題】 冷媒圧縮機とそれを駆動する電動モータが一体化された空調装置用の電動圧縮機において、インバータのような駆動回路を低温の吸入冷媒によって冷却する構成では、例えば、圧縮機の負荷が大きくて電動モータによって発生すべきトルクが大きいのに圧縮機の回転数が低いという運転条件において、増加するインバータの発熱量に対して、電動モータの回転数を上昇させても冷却が不足になって過熱する場合がある。
【解決手段】 電動圧縮機の運転状態を、予め電動モータの電流量と回転数によって複数個の領域6〜12に分割して設定し、制御手段によって現実の運転状態がどの運転領域に属するかを判定すると共に、その領域に最適のものとして設定してある保護手段を作動させてインバータ温度を低下させる。保護手段としては回転数の上昇或いは低下、又は電動モータの運転の停止等があり、インバータの実測温度を加味して制御する場合もある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車載用等の空調装置に使用されて冷媒を圧縮する圧縮機と、その圧縮機を回転駆動する電動モータが一体化された電動圧縮機に係り、特に、その電動モータへ電力を供給するインバータ等からなる駆動回路を冷却して保護する手段に特徴がある電動圧縮機に関するものである。
近年は、ハイブリッド自動車や燃料電池自動車、或いは電気自動車等の普及に伴って、空調装置の冷媒圧縮機にも、圧縮機と電動モータに加えてその駆動回路まで一体化された駆動回路一体型の電動圧縮機が、小型で安価であるために車載に適しているのでよく使用されるようになった。しかし、自動車のエンジンコンパートメント内は、エンジン本体や走行用の電動モータ等から放出される熱だけでなく、エンジン冷却用のラジエータや空調装置のコンデンサ等から発生する熱等も加わって高温となるため、駆動回路一体型の電動圧縮機をエンジンコンパートメント内に設けると、図3に示すように、電動モータの駆動回路自体が熱を発生して時間の経過と共に高温になるため、駆動回路一体型の電動圧縮機は通常の家電製品等よりも高温雰囲気における信頼性を高める必要がある。
このような必要に対して、インバータ等の駆動回路を冷却して高温から保護する手段を備えている駆動回路一体型電動圧縮機が特許文献1に記載されている。この従来技術においては、空調装置のエバポレータから低温の吸入冷媒が戻ってくるモータハウジング内の一部に電動モータの駆動回路を設けて、吸入冷媒によって電動モータの駆動回路を冷却するようになっている。そのために駆動回路(インバータ)の発熱性部品の温度を監視していて、その温度が所定値以上に上昇した時に、空調装置の冷房需要とは無関係に、電動モータと圧縮機の回転数を上昇させて、吸入冷媒による駆動回路の冷却効果を高めることによって対処するように構成されている。
特開2003−139069号公報
このような構成の駆動回路一体型の電動圧縮機においては、インバータを含む駆動回路の温度が電動圧縮機の回転数に依存することになるが、駆動回路の温度を検出して、それが所定値よりも高い時に電動圧縮機の回転数を上昇させるという制御を行うだけでは、駆動回路のインバータを十分に冷却して保護することができない運転領域が存在する。その運転領域とは、圧縮機の負荷が大きくて電動モータによって発生すべきトルクが大きいのに圧縮機の回転数が低いというような運転条件のことである。このような運転条件においては、電動モータのトルクの増大に応じてインバータの発熱量が大きくなるのに、電動モータと圧縮機の回転数が低いために、吸入冷媒の流量が少なくなって冷却能力が低下する結果、インバータの温度上昇の傾きが大きくなるので、所定温度を越えてから電動圧縮機の回転数を上昇させても温度の上昇を抑えることができなくなり、インバータが劣化して電動圧縮機全体が信頼性を失うという恐れがある。
また、何らかの異常や経年劣化によって冷媒が冷凍サイクルから漏れ出て冷媒量が減少した場合にも、冷凍サイクル内の冷媒量の不足によって吸入冷媒による駆動回路に対する冷却能力が低下するから、駆動回路の温度が所定値よりも上昇した時に、その温度を検出して電動圧縮機の回転数を上昇させても冷却性能が十分に高くならないだけでなく、電動圧縮機の仕事量が増加することによって、駆動回路の温度が更に上昇するという悪循環を招く恐れもある。
本発明は、従来の電動圧縮機における前述のような問題に鑑み、新規な制御手段を電動圧縮機に導入することによって、それらの問題を解消することを目的としている。
本発明は、上記の課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された電動圧縮機を提供する。本発明の電動圧縮機はいずれも前提として、空調装置に使用されて冷媒を圧縮する圧縮機と、その圧縮機と一体化されて圧縮機を回転駆動する電動モータとからなり、その電動モータヘ電力を供給するインバータのような発熱部分を含む駆動回路が、圧縮機によって加圧されて冷凍サイクル内を循環した後に再び圧縮機へ戻ってくる低温低圧の吸入冷媒によって冷却されるように構成されている。
請求項1に記載された電動圧縮機においては、予め想定される運転状態が、制御手段において、電動モータの回転数と電流量によって複数個の運転領域に分割して設定されており、検出された電動モータの現実の回転数と電流量から、制御手段によって、現在の運転状態が複数個に分割された運転領域のいずれに属するかを判定し、その運転領域に適した回転数となるように電動モータを制御する点に特徴がある。
この場合の制御における具体的な1つの態様として、複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域内における運転状態が所定の時間以上継続した時に、制御手段によって電動モータの回転数を所定量だけ上昇させるという制御を実行することができる。それによって、電動モータと共に圧縮機の回転数が所定量だけ上昇し、冷媒の吐出量が増加するので、冷凍サイクルのエバポレータから圧縮機へ戻ってくる低温低圧の吸入冷媒の流量が増大すると共に吸入冷媒温度も低下するため、電動モータの駆動回路を冷却する能力が上昇する。それに伴って発熱量が多少多くなっても、増大する冷却能力がそれを上回るので駆動回路の温度が低下する。
また、複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域内における運転が所定の時間以上継続した時に、他の制御の態様として、制御手段によって電動モータを停止させるという制御を実行することができる。この場合には、制御手段が、電動モータの回転数が低い時ほど、また電流量が大きい時ほど、電動モータを停止させるまでの時間を短くすることが望ましい。電動モータが停止すると電力を消費しなくなるので、駆動回路の温度も低下して過熱を避けることができる。
また、複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域内における運転が所定の時間以上継続した場合には、制御手段が電動モータの回転数を所定量だけ低下させるという制御を実行するように構成してもよい。回転数が低下することによって電力の消費量が減少するので、駆動回路の発熱量も減少し、その温度が低下して過熱を避けることができる。そのような場合におけるより安全な対応制御は、制御手段によって電動モータを完全に停止させることであるが、それによって空調装置が冷房作用をしなくなるので、電動モータの停止は最後の手段としてとるべきものである。
請求項7に記載された電動圧縮機においては、予め想定される運転状態を電動モータの回転数と電流量によって複数個の運転領域に分割して設定し、制御手段によって、検出された電動モータの現実の回転数と電流量から現在の運転状態が複数個の運転領域のいずれに属するかを判定すると共に、それとは別に検出される駆動回路の温度が、該当する運転領域に対応して設定された閾値を越えた時に、駆動回路の温度を低下させる何らかの保護手段を作動させるように構成されている点に特徴がある。
この場合における具体的な制御の態様の1つとして、複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域において、制御手段が、駆動回路の温度に関する制御を実行するために電動モータの回転数と電流量に応じて設定されている閾値を、通常設定される値よりも低く変更すると共に、駆動回路の温度が新たな閾値を越えた時に電動モータの回転数を所定量だけ上昇させるように構成することができる。それによって電動モータと共に圧縮機の回転数が所定量だけ上昇し、冷媒の吐出量が増加するので冷凍サイクルのエバポレータから圧縮機へ戻ってくる低温低圧の吸入冷媒の流量も増大するため、電動モータの駆動回路を冷却する能力が上昇して、発熱量が多少多くなっても冷却能力がそれを上回る結果、駆動回路の温度が低下する。
また、それに似た制御の態様として、複数個の運転領域のうちで、電動モータの回転数が低く電流量が大きい1つの領域における運転が所定の時間以上継続すると共に、検出される駆動回路の温度がその運転領域に対応して設定された閾値を越えた時に、制御手段によって、電動モータの回転数を所定量だけ上昇させる制御を実行するようにしてもよい。この場合も同様に駆動回路の冷却能力が上昇する結果、駆動回路の温度が低下する。
また、複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域において、制御手段が、駆動回路の温度に関する制御を実行するために電動モータの回転数と電流量に応じて設定されている閾値を、通常設定される値よりも低く変更すると共に、駆動回路の温度が新たな閾値を越えた時に電動モータ停止させるように構成することができる。この場合には、制御手段が、電動モータの回転数が低い時ほど、また電流量が大きい時ほど、電動モータを停止させるまでの時間を短くすることが望ましい。電動モータが停止すると電力を消費しなくなるので、駆動回路の温度も低下して過熱を避けることができる。
また、それに似た制御の態様として、複数個の運転領域のうちで、電動モータの回転数が低く電流量が大きい1つの領域における運転が所定の時間以上継続すると共に、検出される駆動回路の温度がその運転領域に対応して設定された閾値を越えた時に、制御手段によって、電動モータの回転数を所定量だけ低下させるという制御を実行するようにしてもよい。この場合も同様に電動モータが停止すると電力を消費しなくなるので、駆動回路の温度が低下して過熱を避けることができる。
また、複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域において、制御手段が、駆動回路の温度に関する制御を実行するために電動モータの回転数と電流量に応じて設定されている閾値を、通常設定される値よりも低く変更すると共に、駆動回路の温度が新たな閾値を越えた時に電動モータの回転数を所定量だけ低下させるように構成することができる。回転数が低下することによって電力の消費量が減少するので、駆動回路の発熱量が減少し、その温度が低下して過熱を避けることができる。そのような場合におけるより安全な対応制御は、制御手段によって電動モータを完全に停止させることであるが、それによって空調装置が冷房作用をしなくなるので、電動モータの停止は最後の手段としてとるべきものである。
また、それに似た制御の態様として、複数個の運転領域のうちで、電動モータの回転数が低く電流量が大きい1つの領域における運転が所定の時間以上継続すると共に、検出される駆動回路の温度がその運転領域に対応して設定された閾値を越えた時に、制御手段によって、電動モータの回転数を所定量だけ低下させるという制御を実行するようにしてもよい。この場合も同様に電力の消費量が減少するので、駆動回路の発熱量が減少し、その温度が低下して過熱を避けることができる。
また、複数の制御が同時に実行される場合の態様として、それぞれの制御がもたらす複数個の保護手段が同時に実行され得る運転状態において、それらの1つを選択的に作動させる場合に、前記制御手段が電動モータの停止、モータ回転数の低下、モータ回転数の上昇の順に優先順位を予め設定して制御を実行するようにしてもよい。モータの停止は予め最後の手段として制御を設定しており、即時にモータを停止させなければ他の故障を引き起こす可能性がある場合には、それが回転数の低下や上昇と同時に発生した場合でも、モータの停止を優先するのがよい。また、モータ回転数の低下は消費電力量が上限に達した時や、冷媒量不足の状態に対応して設定するため、その状態からモータ回転数を上昇させると他の故障を引き起こす可能性があるので、回転数の上昇と同時に発生した場合でも、モータ回転数の低下を優先するのがよい。
駆動回路の温度を検出する手段が、駆動回路自体に直接に付設された温度センサであることが望ましいことは言うまでもないが、そのような温度センサを設けていないか、或いは設けることができない場合でも、電動モータの作動に応じて発熱する発熱性部品以外の非発熱性部品の温度を検出する温度検出手段を使用して、検出される非発熱性部品の温度に応じて、制御手段が駆動回路の温度を推定し、それに応じて何らかの前述のような保護手段を作動させるように構成してもよい。
また、電動モータの負荷の大きさを検出するために、それに対応するものとして電流量を検出するのが簡易であるから望ましいが、電流量の代わりに、冷凍サイクルのいずれかの部分における冷媒の温度、駆動回路を冷却するために付設されたヒートシンクの温度、駆動回路の周辺の外気温度、圧縮機から吐出される冷媒の圧力、圧縮機へ吸入される冷媒の圧力、空調装置のコンデンサに付設されたファンの電圧、空調装置のエバポレータに付設されたファンの電圧等もまた負荷の大きさに応じて変化するので、これらの少なくとも1つを検出して、制御手段によって電動モータの負荷の大きさを算出、推定するようにしてもよい。
本発明の電動圧縮機は、家庭用空調装置のような定置型の空調装置よりも、むしろ、運転状態の変化の幅が大きい車載用の空調装置における冷媒圧縮機として使用するのに適している。
本発明は、このように、圧縮機へ吸入される冷媒によって電動モータのインバータ等からなる駆動回路を冷却する構成において、電流量(負荷)と回転数との関係と、別に検出される駆動回路の温度とを組み合わせて制御手段による制御を行うので、駆動回路の過熱による劣化や破損を確実に防止して、駆動回路のみならず電動圧縮機を含む空調装置全体の信頼性を高めることができる。
図1に本発明の実施例として、車両用空調装置の冷媒圧縮機である駆動回路一体型の電動圧縮機の外観を示す。図1において、1は電動モータの駆動回路としてのインバータを、2は電動モータを収容するモータハウジングを、3はモータハウジング2に一体化されると共に、図示しない回転軸を介して電動モータによって回転駆動されて冷媒を圧縮するスクロール型圧縮機のような容積型の圧縮機を、4は図示しない空調装置のエバポレータから戻ってくる低温の吸入冷媒をモータハウジング2内へ受け入れる部分に設けられた吸入ポートを、5は圧縮機3によって圧縮された冷媒を空調装置のコンデンサに向かって送り出すための吐出ポートをそれぞれ示している。
このような部分からなる図示実施例の駆動回路一体型電動圧縮機は、空調装置における冷媒圧縮機として使用されているので、圧縮機3によって圧縮された冷媒が吐出ポート5から図示しない配管を通って冷凍サイクルのコンデンサへ導かれ、空気等によって冷却されて凝縮し、膨張弁を通って減圧されてエバポレータ内で膨張する時に車室内の空気を冷却する。エバポレータを通過した後の低温低圧の冷媒は図示しない配管を通って吸入ポート4へ戻ってくるが、この吸入冷媒(或いは戻り冷媒)が、モータハウジング2の中でも圧縮機3から最も離れた位置に設けられている吸入ポート4からモータハウジング2内に流入するので、低温の吸入冷媒がモータハウジング2内を通過して圧縮部3へ吸入される間に、モータハウジング2内の電動モータが吸入冷媒によって冷却される。
また、モータハウジング2内を流れる低温の吸入冷媒と熱交換することができる位置にインバータ1が取り付けられているので、インバータ1もまた低温の吸入冷媒によって冷却されて、それ自体が発生する熱や、モータハウジング2内の電動モータ等から受け入れる熱が除去されるため、インバータ1の回路素子等が高温となって劣化するのを防止することができる。
図2は、モータハウジング2内に収容された電動モータの制御範囲内における、モータ回転数−電流量マップを示している。一般に電動モータの負荷(トルク)は電流量と比例することが知られている。また、空調装置に設けられた冷凍サイクルの負荷条件に応じて決定される運転領域は、通常は図2の中に6として示す正常な運転領域内にあり、電動圧縮機はこの範囲で動作する。この正常な運転領域6においては、電動モータへ流れる電流量が小さい時にはその回転数が小さくなるし、電流量が大きい時には回転数も大きくなるため、インバータ1の負荷の大きさと除去すべき熱量の増減に対応して、インバータ1を冷却する吸入冷媒の流量が増減するようになるので、インバータ1の冷却が過不足なく行われて、インバータ1の回路素子が過熱、劣化するというような問題は生じない。
図2に示す電動圧縮機の運転領域7及び8はレアケースではあるが、例えば、図示しないコンデンサに付設されたファンが故障して停止したことによって、電動圧縮機の負荷が異常に増大した場合のように、異常事態が発生した時に陥る可能性がある範囲であって、図3に示す曲線7及び8のように、インバータ1の温度の上昇の傾き(速度)が大きく、インバータ1の温度の上限に達するまでの時間がa及びbのように短い。従って、運転領域7及び8は、インバータ1の過熱による劣化や、冷凍サイクルに起こる可能性がある2次的な故障を防ぐために何らかの手段を講じる必要がある運転領域である。
図2における運転領域9は、例えば、図示しない車両のバッテリーに残存している電力量が少なくなった時に、電力の消費量を抑制するために電動圧縮機の回転数を制限したような場合に陥る可能性がある運転状態であって、図3に曲線9として示すように、インバータ1の温度の上昇の傾き(速度)は比較的に小さく、インバータ温度が上限に達するまでの時間はcのように長いが、インバータ1の温度の上限を越えているので、回路素子の劣化が懸念される運転領域である。
図2に示す運転領域10は、冷凍サイクルを循環する冷媒の量が正常値よりも不足している状態を示している。経年劣化や、何らかの異常により冷媒が冷凍サイクルから漏れ出て冷媒不足になった場合には、圧縮機3は仕事をしないために負荷が軽くなって、電動モータへ流れる電流量も小さくなる。しかし、冷房能力が不足するので、必要な冷房能力を得るために電動圧縮機の回転数を上昇させる制御が行われると、図2に示す領域10のような運転状態になる。この時は図4に示す冷媒不足の状態であるから、回転数を上昇させても吸入冷媒の温度が容易に低下しない。従って、インバータ1を十分に冷却することができないのと、冷媒不足の状態で回転数が上昇することにより、圧縮機の温度が異常に上昇して、電動圧縮機が故障する可能性がある。
図2に示す運転領域11及び12は、インバータ1に設けられる回路素子の電流容量によって、インバータ1によって電動モータへ流し得る電流量には一定の上限があり、連続的には流せないが短時間であれば許容される領域があることから、電流量の上限を若干の幅をもって示したものである。このようにしてインバータ1から電動モータへ流し得る電流量の上限が決まるので、その上限を越えないように電流量を制限するため、運転領域11及び12ではインバータ温度に関わらず回転数を下げて正常運転領域6へ戻すように制御を行う。
図3は、図2に示す運転領域7,8,9のように、電動圧縮機の回転数がそれぞれ異なる場合には、電動圧縮機に同一の大きさの負荷が作用している状態でも、インバータ1の温度上昇の速さに著しい違いが生じることを、3本の曲線の相対的な位置関係によって示している。
図4は、先に説明したように冷媒量が不足している場合の他に、冷媒量が正常な場合における電動圧縮機の回転数の変化と吸入、吐出冷媒の温度の変化との関係をも示している。冷媒量が正常な場合には、回転数が上昇するのに伴なって吸入冷媒温度が低下するが、前述のように冷媒量が不足している場合には、回転数が上昇しても吸入温度は殆ど変化しないことが分かる。また、冷媒量が正常な場合には、冷媒量が不足している場合に対し、回転数が上昇するのに伴う吐出冷媒温度の上昇の傾きが大きいことが分かる。
図5は前述のような電動圧縮機と一体化されたインバータ1の概略の構造を示したものである。13はインバータ1の回路基板を示している。インバータ1の温度を検出するために、インバータ1の回路基板13の上で最も耐熱性の低い素子を選んで、それにチップサーミスタのような温度センサを取り付けて温度を検出する。
図6はインバータ1の回路例を、関連部分と共にブロック図として示したものである。インバータ1の中核をなすパワーデバイス14は発熱量が最も大きい部分である。パワーデバイス14によって変換されて出力される三相交流(脈流)の電力によって、モータハウジング2内に収容されたブラシレスDCモータからなる電動モータ15が回転駆動される。電源は車両に搭載されたバッテリー16である。電動モータ15の図示しない回転軸には圧縮機3の入力軸が直結されている。電動モータ15の回転数(回転速度)は制御装置(一般的には制御手段)17によって細かく制御される。
なお、インバータ1の制御装置17は、CPU18、内部電源回路19、ゲートドライバ回路20、パワーデバイス14内の温度を検出する温度検出回路21、フォトカプラ22、通信回路23等から構成されている。制御装置17は通信回路23を介してエンジンを含む車両及び空調装置の制御部24と交信しながら、電動モータ15の回転数やインバータ1の温度が最適値となるように制御する。
従来の一般的なインバータのように、水冷方式や空冷方式の冷却装置が設けられている場合には、インバータの冷却条件は、それによって駆動される電動モータの回転数とは無関係に常に概ね一定であるから、回転数が低くて負荷が大きい場合とか、冷凍サイクルを循環する冷媒量が不足している状態でも、絶えず基本的な大きさの熱量を除去する冷却が行なわれているので、インバータの回路素子が異常な高温になるようなことはなかった。
これに対して、本発明の駆動回路一体型電動圧縮機や特許文献1に記載された従来技術のように、圧縮機へ吸入される戻り冷媒によってインバータ1を冷却する場合には、インバータ1の冷却条件がモータの回転数に依存するために、回転数が低くて負荷が大きい場合とか、冷凍サイクルを循環する冷媒量が不足している場合には、インバータ1が冷却不足になって過熱するという特有の問題が生じる。
この問題に対して、前述のように、従来の駆動回路一体型電動圧縮機において試みられた対策では、インバータの発熱性部品の温度を検出して、その温度が所定値を越えた時に電動モータの回転数を上昇させて吸入冷媒の量を増加させるという方法をとっている。この方法は電動モータの回転数を上昇させることによってインバータの冷却条件を改善し、インバータの回路素子の温度を低下させようとするものである。
しかしながら、この方法では、インバータの温度が予め定めた値まで上昇した時に電動モータの回転数を上昇させるという保護動作を行うが、検出されるインバータの温度が、一体型電動圧縮機の回転数及び負荷の状況に対応していないため、一体型電動圧縮機にとって適切な保護動作を与えることができない結果、回路素子の劣化や破損を招き、一体型電動圧縮機全体が信頼性を失う可能性がある。
これに対して、本発明においては、回転数と負荷の状態に応じて、電動圧縮機がとる可能性があるあらゆる運転状態を想定して、予めそれらを幾つかのゾーン(運転領域)に分けて制御装置に設定しておくと共に、検出される回転数、負荷、及びインバータの温度から、制御手段によって、現実の運転状態がそれら複数個の運転領域のいずれに属するかを判定して、それぞれの運転領域に応じて保護動作の内容を変えることにより、現実の運転状態に最も適した保護動作を実施するように制御することを特徴とする。
図示実施例によってこの点を更に具体的に説明する。前述のように、通常の空調装置において電動モータ15を含む電動圧縮機が正常な運転状態において使用される動作範囲は図2における6の運転領域である。電動圧縮機がこのような正常な運転領域にある間は、空調装置の冷房能力が必要になった時(又は負荷が大きくなった時)に電動モータ15の回転数を上昇させることによって対応することができるし、冷房能力の必要がなくなった時(又は負荷が小さくなった時)には電動モータ15及び圧縮機3の回転数を低下させて対応することができる。
この特性から、駆動回路一体型の電動圧縮機は、通常の使用領域においてインバータ1の発熱量が大きくなる時には同時に電動圧縮機の回転数が高くなって、電動圧縮機へ吸入される低温の冷媒の流量が増大し、また吸入冷媒温度も低下する結果、インバータ1の冷却能力も大きくなるために、インバータ1を十分に冷却して、高温に弱い回路素子を保護することができる。
しかしながら、電動圧縮機の運転領域を広げたい場合や、何らかの要因によってインバータ1に冷却不足が生じた場合でも、インバータ1の回路素子を保護するために対策を講じる必要がある。例えば、電動圧縮機が車両用の空調装置における冷媒圧縮機として使用される場合は、バッテリー電圧の低下のような車両側の要因によって電動圧縮機の回転数が制限を受ける場合がある。このような場合には、電動圧縮機の回転数が低下することによって吸入冷媒の流量が減少し、インバータ1を冷却する能力が低下している状態でも、冷房需要が高くなると、図2の運転領域9のように、電動圧縮機のトルクが大きくなってインバータ1の発熱量が大きくなるという運転状態が発生する。
このような場合は、インバータ1の温度上昇の傾き(速度)は小さいが、回転数の低下に伴う吸入冷媒量の減少によって、インバータ1を冷却する能力が低下しているのでインバータ1の回路素子は過熱の危険性に曝される。そこで、図示実施例においては、図2に示す運転領域9において一定時間が経過した場合で、しかも、インバータ1の温度が次に示す表1に定められた設定温度Bに達した時に、CPU18を含む制御装置17が自動的に電動モータ15の回転数を所定値まで上昇させるという制御を実行し、吸入冷媒の流量を増加させることによってインバータ1の温度を低下させる。
Figure 2005248730
図2に示す運転領域7及び8は通常は殆ど発生しない運転状態であるが、例えば、空調装置のコンデンサに付設されたファンが故障して停止することにより、空調装置及び電動圧縮機の負荷が増大した場合に起こり得る状態である。この場合にはインバータ1の発熱量が吸入冷媒による冷却能力を大きく上回るため、図3に示すようにインバータ1の温度上昇が大きくなって、インバータ1の回路素子が過熱したり、冷凍サイクルに2次的な故障が生じるので、それを防止する必要がある。
この場合は、図2に示す運転領域7及び8において一定時間(数秒〜数十秒)が経過した時に、検出されるインバータ1の温度とは無関係に、制御装置17が自動的に且つ強制的に電動モータ15と圧縮機3を停止させるという制御を行う。それによって空調装置も運転を停止することになるが、インバータ1や冷凍サイクルの破損のような2次的な故障を防止することができる。また、運転領域7と8とではインバータ1の温度上昇の傾きが異なるため、運転領域8よりも条件の厳しい運転領域7においては、電動モータ15を停止させる制御を実行する時期までの許容経過時間をより短くする。
図2に示す運転領域10は冷凍サイクルを流れる冷媒が不足している状態である。経年劣化や何らかの異常により冷媒が冷凍サイクルから漏れ出て冷媒不足になった場合には、圧縮機3が仕事をしないことから負荷は軽く、電流量は小さくなる。しかし、冷房性能も低下するために十分な冷房能力が得られなくなるので、電動圧縮機の回転数を高めて冷房能力を大きくするような制御作動が行われる結果、運転領域10に入るようになる。従って、これを放置すると、図4に示すように吸入冷媒と吐出冷媒の温度が高くなるので、その流量を増大させてもインバータ1が十分に冷却されなくなって、インバータ1が過熱することによって圧縮機3が故障する可能性がある。
従来の空調装置においては、冷媒の温度を絶えず監視していて、それが異常な高温を示した時に保護手段を作動させることにより、冷媒の不足によって装置が過熱したり故障するのを防止するという制御方法をとることが知られている。しかし、この方法によると冷媒温度の検出手段を新たに設ける必要があるので、製造コストが高くなって体格が大きくなるという問題があった。また、その他の方法として、回転数が大きいのに電流量が異常に小さくなった場合に、強制的にモータを停止させるか、或いは、回転数を低下させるという方法をとることが知られている。しかしながら、この方法による場合は、冷媒が不足しているのか、それとも負荷が小さいのかを判断することが難しいので、制御の精度が低いことが問題となっていた。
これに対して、本発明の図示実施例の場合は、駆動回路一体型電動圧縮機に最適の方法として、インバータ1の温度を検出する手段を利用することによって、およその冷媒温度を推定し、その冷媒温度と回転数及び電流量の関係を示す図2の運転領域10から確実に且つコストや体格の増大を伴わないで冷媒量の不足を検出することができる。
冷媒が正常な量だけ充填されている場合に、図2に示す運転領域10に入る可能性があるのは、大きな冷房能力の必要はないが電動圧縮機の回転数を上昇させる必要がある時である。これは除湿を必要とするような場合に考えられる。しかし、正常な量の冷媒が冷凍サイクルに充填されている場合には、インバータ1を冷却する吸入冷媒の流量は十分で、かつ吸入冷媒温度も低く、インバータ1の発熱量が小さいことからインバータ1の温度は低くなる。
これに対して、何らかの故障によって冷凍サイクルの冷媒量が不足している場合には、インバータ1の発熱量が小さくても、吸入冷媒によってインバータ1が十分に冷却されないためにインバータ1の温度が高くなる。そこで、インバータ1の温度が表1に示す設定値C以上になると共に、図2に示す運転領域10において一定の時間が経過した時に、制御装置17が強制的に電動モータ15と圧縮機3を停止させるか、或いはそれらの回転数を所定量だけ低下させるという制御を行う。この制御方法によれば冷媒量の不足を確実に検出できることから、インバータ1や圧縮機3の2次的な故障を未然に防止することができる。
図示実施例においては、電動圧縮機が作動している間は制御装置17が常にインバータ1の温度を監視していて、電動圧縮機の運転状態が図2に示す運転領域6にある正常な状態や、負荷の大きさを示す電流量が限界に近いほど大きくなった運転領域11においてもインバータ1を保護するための制御を行う。これらの場合には、インバータ1の温度が設定値Aに達した時に電動圧縮機を停止させるというような制御を行うことになる。運転領域11においては電流量が限界に近いため、インバータ1の温度に関わらずモータ回転数を低下させて負荷を低減する制御を行うため、運転領域11から運転領域6又は7,8,9へ自動的に追い出す制御を行う。そのため、運転領域11に長期間滞在することはないが、一応インバータ1の温度を監視して、前記優先順位に従って、インバータ温度が設定値Aに達した時にはモータを停止し、設定値Aに達する時まではモータ回転数低下の制御を行う。
言うまでもなく、インバータ1の温度が設定値Aに達する前に、電流量が運転領域11の上限に設定される限界の設定値に達した時にも電動圧縮機を停止させる。なお、図2に示す運転領域12は、前述の運転領域7,8,9のいずれかの運転状態において電流量が限界の設定値に近いほど高くなった状態である。この場合には、インバータ1の温度に関係なく、電流量が設定値に達した時に電動圧縮機を停止させるというような制御を行う。
運転領域7,8,11,12では実質的に温度に関わらないモータ停止、回転数低下の制御を優先して行うため、インバータの温度による保護動作は運転領域6,9,10においてのみ働くので、運転領域7,8,11,12においては保護動作設定温度を、通常の運転領域である6と同じ値Aに定めている。
このように、図示実施例においては、インバータ1の温度を検出すると共に、別に検出される電動モータ15の回転数と電流量から電動圧縮機の運転状態が表1に示すどの運転領域にあるかをCPU18によって判定し、検出されたインバータ1の温度をそれぞれの運転領域に設けた閾値としての温度の設定値A,B,Cと比較して、検出された温度が設定値を越えた時に電動圧縮機を停止させるか、回転数を低下させるか、或いは逆に回転数を上昇させて吸入冷媒の流量を増加させることによりインバータ1の冷却を促進するというように、制御装置17がそれぞれのケースに応じた最適の制御を実行する。この場合に閾値となる温度の設定値A,B,Cの大きさは、通常A≧B≧Cとする。
図示実施例においては、予め電動圧縮機の運転状態を幾つかの領域に分類しておいて、現実に検出された電動圧縮機の回転数と電流量によって現在の運転状態がそれらのうちのどの運転領域に属するかを判定し、それぞれの運転領域ごとに予め定めてあるインバータ1の温度についての閾値、或いは電流量の閾値と比較して、閾値を越える時にインバータ1を高温から保護するための制御を行うが、本発明の他の実施例として、回転数と電流量からインバータ1の保護制御を行うための閾値としての設定温度を常時算出してもよい。この場合は、CPU18の計算量が大きくなるというデメリットがある反面、常に最適な保護制御のための設定温度を得ることが出来る。
なお、図示実施例ではインバータ1の温度検出手段を回路基板上に設けているが、温度検出手段を設ける位置は必ずしも回路基板上でなくてもよく、インバータ1の温度を検出することができる位置であれば他の位置でもよい。
また、前述の表1の説明においては、制御のための閾値となる3個の温度設定値の大小関係をA≧B≧Cと定めているが、本発明は必ずしもそれに限られる訳ではなく、複数個定めるべき閾値の大小関係は自由に定めることができる。言うまでもなく、図2に示した複数個の運転領域の区分は一つの例示に過ぎず、他の様式による区分も可能である。
本発明は、駆動回路一体型の電動圧縮機に組み込まれるインバータを高温から保護するために発案されたものであるが、その応用例として、電動圧縮機と一体化されていないインバータのような駆動回路を備えている空調装置において、駆動回路を高温から保護するために圧縮機の吸入冷媒によって駆動回路を冷却する場合に適用することができる。
本発明が適用される対象としての駆動回路一体型の電動圧縮機を例示する斜視図である。 圧縮機を回転駆動する電動モータの運転状態を複数個の領域に分類するための回転数−電流量マップである。 運転状態によって異なるインバータ温度の上昇速度を示す線図である。 冷凍サイクルを流れる冷媒の量によって異なる吸入冷媒の温度と回転数との関係を示す線図である。 電動圧縮機に付設されたインバータの概略構造を示す斜視図である。 インバータの回路例を関連部分と共に示すブロック図である。
符号の説明
1…インバータ
2…モータハウジング
3…圧縮機
4…吸入ポート
5…吐出ポート
6,7,8,9,10,11,12…運転領域
13…回路基板
14…パワーデバイス
15…電動モータ
16…バッテリー
17…制御装置
18…CPU
21…温度検出回路
20…制御部(ECU)

Claims (16)

  1. 空調装置に使用されて冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機と一体化されて前記圧縮機を回転駆動する電動モータとを含み、前記電動モータの駆動回路を前記圧縮機の吸入冷媒によって冷却するように構成された電動圧縮機において、予め想定される運転状態を前記電動モータの回転数と電流量によって複数個の運転領域に分割して設定し、検出された前記電動モータの現実の回転数と電流量から現在の運転状態が前記複数個の運転領域のいずれに属するかを判定して、該当する運転領域に適した回転数となるように前記電動モータを制御する制御手段を備えていることを特徴とする電動圧縮機。
  2. 請求項1において、前記複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域内における運転が所定の時間以上継続した時に、前記制御手段が前記電動モータの回転数を所定量だけ上昇させる制御を実行することを特徴とする電動圧縮機。
  3. 請求項1において、前記複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域内における運転が所定の時間以上継続した時に、前記制御手段が前記電動モータを停止させる制御を実行することを特徴とする電動圧縮機。
  4. 請求項3において、前記制御手段が、前記電動モータの回転数が低い時ほど、また、電流量が大きい時ほど、前記電動モータを停止させるまでの時間を短くすることを特徴とする電動圧縮機。
  5. 請求項1において、前記複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域内における運転が所定の時間以上継続した時に、前記制御手段が前記電動モータの回転数を所定量だけ低下させる制御を実行することを特徴とする電動圧縮機。
  6. 空調装置に使用されて冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機と一体化されて前記圧縮機を回転駆動する電動モータとを含み、前記電動モータの駆動回路を前記圧縮機の吸入冷媒によって冷却するように構成された電動圧縮機において、予め想定される運転状態を前記電動モータの回転数と電流量によって複数個の運転領域に分割して設定し、検出された前記電動モータの現実の回転数と電流量から現在の運転状態が前記複数個の運転領域のいずれに属するかを判定して、検出された前記駆動回路の温度が該当する運転領域毎に設定された閾値を越えた時に、前記駆動回路の温度を低下させる保護手段を作動させる制御手段を備えていることを特徴とする電動圧縮機。
  7. 請求項6において、前記複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域において、前記制御手段が前記電動モータの回転数と電流量に応じて前記駆動回路の温度に関する制御のための閾値を通常設定される値よりも低くし、前記駆動回路の温度が新たな閾値を越えた時に、前記電動モータの回転数を所定量だけ上昇させる制御を実行することを特徴とする電動圧縮機。
  8. 請求項6において、前記複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域内における運転が所定の時間以上継続すると共に、前記駆動回路の温度がその運転領域に対応して設定された閾値を越えた時に、前記制御手段が前記電動モータの回転数を所定量だけ上昇させる制御を実行することを特徴とする電動圧縮機。
  9. 請求項6において、前記複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域において、前記制御手段が前記電動モータの回転数と電流量に応じて前記駆動回路の温度に関する制御のための閾値を通常設定される値よりも低くし、前記駆動回路の温度が新たな閾値を越えた時に、前記電動モータを停止させる制御を実行することを特徴とする電動圧縮機。
  10. 請求項6において、前記複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域内における運転が所定の時間以上継続すると共に、前記駆動回路の温度がその運転領域に対応して設定された閾値を越えた時に、前記制御手段が前記電動モータを停止させる制御を実行することを特徴とする電動圧縮機。
  11. 請求項6において、前記複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域において、前記制御手段が前記電動モータの回転数と電流量に応じて前記駆動回路の温度に関する制御のための閾値を通常設定される値よりも低くし、前記駆動回路の温度が新たな閾値を越えた時に、前記電動モータの回転数を所定量だけ低下させ制御を実行するることを特徴とする電動圧縮機。
  12. 請求項6において、前記複数個の運転領域の中から予め選択された1つ以上の特定の運転領域内における運転が所定の時間以上継続すると共に、前記駆動回路の温度がその運転領域に対応して設定された閾値を越えた時に、前記制御手段が前記電動モータの回転数を所定量だけ低下させる制御を実行することを特徴とする電動圧縮機。
  13. 請求項1ないし5または請求項6ないし8において、複数個の保護手段が同時に実行され得る運転状態において選択的に作動させる場合に、前記制御手段が電動モータ停止、モータ回転数の低下、モータ回転数の上昇の順に優先順位を予め設定して制御を実行することを特徴とする電動圧縮機。
  14. 請求項6ないし13のいずれかにおいて、前記駆動回路の温度を検出する手段が、前記電動モータの作動に応じて発熱する発熱性部品以外の非発熱性部品の温度を検出する温度検出手段を備えていて、前記制御手段が、検出された前記非発熱性部品の温度に応じて、前記駆動回路の保護手段を作動させることを特徴とする電動圧縮機。
  15. 請求項1ないし14のいずれかにおいて、前記電動モータの負荷の大きさを検出するために検出される電流量の代わりに、前記制御手段が、冷媒の温度、前記駆動回路を冷却するために付設されたヒートシンクの温度、前記駆動回路の周辺の外気温度、前記圧縮機から吐出される冷媒の圧力、前記圧縮機へ吸入される冷媒の圧力、前記空調装置のコンデンサに付設されたファンの電圧、前記空調装置のエバポレータに付設されたファンの電圧の少なくとも1つに基づいて、前記電動モータの負荷の大きさを算出することを特徴とする電動圧縮機。
  16. 請求項1ないし15のいずれかにおいて、前記空調装置が車載型のものであることを特徴とする電動圧縮機。
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