JP2009297931A - インモールド用転写箔、及びそれを用いた成形品 - Google Patents
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Abstract
耐熱性と伸縮追従性がよく、割れや白化などの少なく、パール印刷図柄、ホログラム図柄及びパール調ホログラム図柄の3図柄が同時に観察できるインモールド用転写箔、及びそれを用いた成形品を提供する。
【解決手段】
基材11/離型層13/ハードコート層14/パターン状のパール印刷層21/全面レリーフのホログラム層15/パターン状の反射層17/接着層19からなり、透明部分37に浮かぶように、パール印刷図柄35、ホログラム図柄31及びパール調ホログラム図柄33の3図柄が、同時に観察することができ、該3図柄は高精度で位置合わせされていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
従って、さらなる意匠性やセキュリティ性の向上のために、ホログラムを有する転写箔を用いてインモールド射出成形法で転写した立体の射出成形品であっても、熱で白化しない耐熱性と、立体面へよく追従して割れや白化などが少なく、単にホログラムとパール印刷の2図柄のみでなく、さらにこれらの組み合わせ図柄、即ちパール印刷図柄、ホログラム図柄及びパール調ホログラム図柄の3図柄が同時に観察できるインモールド用転写箔、及びそれを用いた成形品が求められている。
また、加飾転写層(本発明のホログラム層を含む)を伸縮性材料に転写した後に、少なくとも表面の一部に凹凸又は曲面を有する成形品本体の表面の一部分に加熱加圧により転写した表面装飾成形品が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、加飾転写層を直接成形品へ転写はできないという欠点がある。
さらに、ベースフィルム、保護層、金属薄膜(本発明のホログラム層と反射層に相当する)、接着層とからなる転写フィルムを作製し、この転写フィルムを挟んで一対の金型を型締めし、該金型内に溶融樹脂を射出して金属薄膜をつけ爪本体の表面に転写するつけ爪の製法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、つけ爪は1方向の大きな曲面で、転写フィルム自身は平面を巻き付けた状況であり、三次元の立体とは言い難い、また、転写フィルムを構成する保護層、金属薄膜、及び接着層の材料についても、極く一般的なものであり、立体物への転写で最大の問題点であある材料の伸縮性については記載も示唆もされていない。
さらにまた、本出願人も立体成形品を成形する際に微細な凹凸を予め形成しておいてから、該微細な凹凸面へ反射層を設けてホログラムとするものを開示している(例えば、特許文献4〜5参照。)。しかしながら、微細な凹凸を予め形成せるために微細な凹凸を賦型する専用の賦型フィルムを作成せねばならず、またそれを用いたインモールド成形方法も煩雑であり、さらに形成した微細な凹凸へ反射層を設ける工程が必要で、高コストとなるという問題点がある。
以上の特許文献1〜5のいずれにも、ホログラム層の伸縮についての記載も示唆もない。さらに、 についての記載も示唆もない。
請求項2の発明に係わる成形品は、請求項1に記載のインモールド用転写箔を用いて、インモールド射出成形法で成形された立体成形品に、ハードコート層、パール印刷層、ホログラム層、反射層及び接着層が転写され、パール印刷図柄、ホログラム図柄及びパール調ホログラム図柄が同時に観察できるように、したものである。
請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、立体面へでも割れや白化などが少なく転写された成形品が提供される。
図1は、本発明の1実施例を示すインモールド用転写箔の断面図である。
図2は、本発明のインモールド用転写箔を用いて、転写した成形品の断面図である。
図3は、本発明の3図柄の同時観察を説明する平面図である。
(4)転写後のハードコート層14は最表面層となり、極めて過酷な環境での使用、長期間にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤、機械的な摩擦、及び摩耗から保護し、傷付きにくく耐久性に優れる。(5)ハードコート層14はメラミン系樹脂を用いた離型層13と界面を接しているので、安定した剥離性を有し、転写時には箔切れがよく、バリなどの発生も極めて少なくすることができる。
なお、保護層14の硬化はホログラム層15と同時でもよく、予め硬化させておいてもよい。
該離型層13面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させ、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ハードコート層14を形成した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV・V3031(三菱化学社製、紫外線硬化性樹脂商品名) 25部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光7510B)5部
マイクロシリカ 1部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 1.75部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70部
該ハードコート層14面へ、下記のプライマ層組成物をグラビアリコーターで乾燥後の厚さが1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、プライマ層16を形成した。
・<プライマ層組成物>
ポルエステル系樹脂 10部
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 10部
溶媒(酢酸エチル:トルエン) 80部
該プライマ層16面へ、下記のパール印刷層組成物を、乾燥後の厚さが2μmになるようにグラビア印刷法で、図3のパール印刷図柄35とパール調ホログラム図柄33に相当する図柄を印刷し乾燥させて、パール印刷層21を形成した。
・<パール印刷層組成物>
ユピマーUV・V3031(三菱化学社製、紫外線硬化性樹脂商品名) 25部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光7510B)5部
パール顔料 5部
青染料 1部
マイクロシリカ 1部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 1.75部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70部
該パール印刷層21面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが2μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、ホログラム層15を形成した。
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV・V3031(三菱化学社製、紫外線硬化性樹脂商品名) 25部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名紫光7510B)5部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−1602) 0.2部
マイクロシリカ 1部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 1.75部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70部
次に、該ホログラム層15面へ、EB(電子線)描画法による回折格子から2P法で複製した擬似連続絵柄としたスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを全面に賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた。
該ホログラム層15のレリーフ面へ、乾燥後の厚さが1μmになるようにシルクスクリーン印刷法で、図3のパール印刷図柄35と透明部分37に相当する図柄を印刷し乾燥させて、水洗層を形成した。
・<水洗層の組成物>
水洗プライマー(昭和インク工業所、水溶性インキ商品名) 20部
溶媒(水:イソプロピルアルコール=9:1) 80部
該水洗層面へ真空蒸着法で厚さが500nmのアルミニウム薄膜を形成して反射層17を形成した。
次に、反射層17面へ40℃の温水を吹き付け、水洗層と反射層17を洗い流し除去して、ホログラム図柄31とパール調ホログラム図柄33の図柄部分には反射層17を残した。
該反射層17面へ、接着層組成物としてTM−A1HS(大日精化社製、商品名)をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19を形成して、基材11/離型層13/ハードコート層14/プライマ層16/パール印刷層21/ホログラム層15/反射層17/接着層19の層構成からなる実施例1のインモールド用転写箔10を得た。
<射出成形>実施例1のインモールド用転写箔10を射出成形装置の自動箔送り装置に、接着層面が成形樹脂側になるように挿入(インサート)し、スミペックスSTH−55(住友化学社製、アクリル樹脂商品名)を、溶融温度250℃、金型温度80℃の通常条件で射出成形を行った。冷却後、金型を解放し、基材11/離型層13を剥離して取り出して、実施例2のインモールド用転写箔を用いたホログラム付き成形品を得た。
なお、該射出成形は成形サイクル12秒で連続的に成形した。得られた成形品は3次元形状(周囲に5mmの縁取りがあり、中央部が球面状に盛り上った直径150mmのCDプレイヤーの部材)とした。
また、実施例1のインモールド用転写箔10は、図3に示すような、透明部分37に浮かぶように、パール印刷図柄35、ホログラム図柄31及びパール調ホログラム図柄33の3図柄が同時に観察することができ、該3図柄は高精度で位置合わせされており、高意匠性であった。
11:基材
13:離型層
14:ハードコート層
15:ホログラム層
17:透明反射層
19:接着層
21:パール印刷層
31:ホログラム図柄
33:パール調ホログラム図柄
35:パール印刷図柄
37:透明部分
100:成形品
Claims (2)
- 基材と、該基材の一方の面へ離型層、ハードコート層、パール印刷層、ホログラム層、反射層及び接着層が設けてなるインモールド用転写箔において、前記離型層がメラミン系樹脂で、前記ハードコート層、前記パール印刷層及び前記ホログラム層の主成分が電離放射線硬化樹脂であり、前記ホログラム層に賦型されている光回折効果を有するレリーフが全面状で、前記パール印刷層及び前記反射層がパターン状の図柄からなり、(イ)前記パール印刷層の図柄部分と前記反射層の図柄のない部分との構成からパール印刷図柄が、(ロ)前記ホログラム層と前記反射層の図柄部分との構成からホログラム図柄が、(ハ)前記パール印刷層の図柄部分と前記ホログラム層と前記反射層の図柄部分との構成からパール調ホログラム図柄が同時に観察され、かつ、前記ホログラム層が(1)電離放射線硬化前の塗膜が指乾状態で、(2)電離放射線硬化後の23℃における破断伸度が5%以上で、(3)基材、離型層、ハードコート層、パール印刷層、ホログラム層、反射層及び接着層を設けたインモールド用転写箔状態で、150℃雰囲気中に1時間放置しても白化しない耐熱性を有することを特徴とするインモールド用転写箔。
- 請求項1に記載のインモールド用転写箔を用いて、インモールド射出成形法で成形された立体成形品に、ハードコート層、パール印刷層、ホログラム層、反射層及び接着層が転写され、パール印刷図柄、ホログラム図柄及びパール調ホログラム図柄が同時に観察できることを特徴とする成形品。
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