JP2010214798A - インモールド用転写箔、及びそれを用いた立体成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 射出立体成形品であっても、層間剥離、白化、割れが少ない意匠性の高い透明ホログラムを有し、さらにセキュリティ性と装飾性の高い同期シルク印刷を有するインモールド用転写箔、及びそれを用いた立体成形品を提供する。
【解決手段】 基材11、離型層13、ハードコート層14、印刷層21、ホログラム層15、透明反射層17、同期シルク印刷層25及び接着層19が設けてなり、前記ホログラム層15が(1)、(2)及び(3)を含む組成物を電離放射線で硬化させてなる層であり、前記ハードコート層14が前記ホログラム層15と同一樹脂の(1)及び同一樹脂の(2)を含む組成物を電離放射線で硬化させてなる層であり、同期シルク印刷層がスクリーン印刷法で印刷されてなり、かつ前記ホログラム層の凹凸のピッチがインモールド射出成形で成形される立体成形品の表面膨張率に反比例しているすることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インモールド用転写箔に関し、さらに詳しくは、成形用金型内へ挿入し成形することで、成形品の立体面への追従性がよく、白化せずにホログラムを転写することのでき、しかも立体成形品へ転写された透明ホログラムの光輝性に優れるインモールド用転写箔、及び立体成形品に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」の略語、同意語、機能的表現、通称、又は業界用語である。また、「ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー」は「ウレタンアクリレートオリゴマーと、ウレタンメタクリレートオリゴマー」の総称で、「ホログラム」は「ホログラムと、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
(背景技術)従来、上記の用途の媒体、例えば、ブランド品や高級品では経済的価値を持つため、不正に偽造されることが絶えず、種々の改竄防止策が提案され、セキュリティ性の向上が図られている。偽造が困難で、セキュリティ性に優れ、光回折効果を持つホログラムを媒体へ転写することが知られている。一方、射出成形などによる成形品の平面や曲面では、成形時に、ホログラムなどの転写箔を金型内へ挿入して、射出成形と同時にホログラムを転写するインモールド射出成形が行われている。しかしながら、該転写は平面又は1方向の曲面に制限される。立体部分は溶融した高温の射出成形樹脂の流れによって、ホログラムなどの転写箔が伸張しシワや破れが発生し、また伸張及び/又は収縮によって、割れ、伸縮ジワによって光輝性が変化し、ホログラムの光輝性が低下してしまう。従来は伸縮の影響を最小に押えようと、伸縮の少ない部分へホログラムを貼着又は転写したり、小さい面積のホログラムとしたりすることで、伸縮の影響を最小に押えなければならなかった。また、立体成形品へ転写されたホログラムは、ホログラム層の凹凸のピッチが立体成形品の表面へ膨張しながら転写されるために、膨張率に比例して、ホログラムの凹凸のピッチが広がってしまう。このために、光の干渉が妨げられて光輝性が低下し、意匠性が劣るという欠点もあった。さらにまた、セキュリティ性や意匠性の向上のために、ある程度の厚みを必要とするパール調や色彩可変の顔料を含む印刷層が求められ、しかも、ホログラムや別の印刷層と同期のとれた同期シルク印刷層も求められている。
従って、さらなる意匠性やセキュリティ性の向上のために、パール調や色彩可変の厚膜な同期シルク印刷層を持ったホログラムを有する転写箔を用いてインモールド射出成形法で転写した立体の射出成形品であっても、熱で白化しない耐熱性と、立体面へよく追従して割れや白化などが少なく、かつ、立体成形品へ転写されたホログラムでも光輝性の劣化が少なく光輝性に優れるインモールド用転写箔、及びそれを用いた立体成形品が求められている。
特開2005−7647号公報 特開2004−58599号公報 特開2003−9941号公報 特開2004−163482号公報 特開2004−284178号公報 特開2007−118467号公報
(従来技術)従来、基材、印刷層、光回折構造層(本発明のホログラム層に相当する)及び熱接着性樹脂層とを含む積層シートで作製したラベルを、インモールドラベリング方式の射出成形により一体化成形するカップ状容器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、ホログラム層が成形される周壁は平面であり立体面ではない。
また、加飾転写層(本発明のホログラム層を含む)を伸縮性材料に転写した後に、少なくとも表面の一部に凹凸又は曲面を有する立体成形品本体の表面の一部分に加熱加圧により転写した表面装飾成形品が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、加飾転写層を直接成形品へ転写はできないという欠点がある。
さらに、ベースフィルム、保護層、金属薄膜(本発明のホログラム層と反射層に相当する)、接着層とからなる転写フィルムを作製し、この転写フィルムを挟んで一対の金型を型締めし、該金型内に溶融樹脂を射出して金属薄膜をつけ爪本体の表面に転写するつけ爪の製法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、つけ爪は1方向の大きな曲面で、転写フィルム自身は平面を巻き付けた状況であり、三次元の立体とは言い難い、また、転写フィルムを構成する保護層、金属薄膜、及び接着層の材料についても、極く一般的なものであり、立体物への転写で最大の問題点であある材料の伸縮性については記載も示唆もされていない。
さらにまた、本出願人も立体成形品を成形する際に微細な凹凸を予め形成しておいてから、該微細な凹凸面へ反射層を設けてホログラムとするものを開示している(例えば、特許文献4〜5参照。)。しかしながら、微細な凹凸を予め形成せるために微細な凹凸を賦型する専用の賦型フィルムを作成せねばならず、またそれを用いたインモールド成形方法も煩雑であり、さらに形成した微細な凹凸へ反射層を設ける工程が必要で、高コストとなるという問題点がある。
以上の特許文献1〜5のいずれにも、ホログラム層の伸縮性への対応についての記載も示唆もない。
さらにまた、本出願人は特開2007−118467号で、立体成形品へのインモールド用転写箔を出願している。しかしながら、保護層(本願発明のハードコート層に相当する)とホログラム層の樹脂組成物に同様の樹脂組成物を用いているが、印刷層はなく、印刷層の立体面への追従による割れや歪みの防止については記載されておらず、また、ホログラム層の凹凸のピッチが立体成形品の表面へ膨張しながら転写されるので、膨張率に比例して、ホログラムの凹凸のピッチが広がってしまい、光の干渉が妨げられて光輝性が劣化する点についての記載は全くない。
(発明が解決しようとする課題)そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、ハードコート層とホログラム層の樹脂組成物として同一樹脂の樹脂組成物を用いることで、ハードコート層とホログラム層の破断伸度を同一とし、伸びが安定して層間での剥離もなく、また層間又は隣接する印刷層や透明反射層もつれて伸びるので、インモールド射出成形法で転写した立体の射出成形品であっても、熱で白化しない耐熱性と、立体面へよく追従して割れや白化などが少なく、しかもホログラム層の凹凸のピッチをインモールド射出成形で成形される立体成形品の表面膨張率に反比例するようにして、立体成形品へ転写されたホログラムでも光輝性に優れ、さらにセキュリティ性と装飾性の高い同期シルク印刷を有するインモールド用転写箔、及びそれを用いた立体成形品を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わるインモールド用転写箔は、基材と、該基材の一方の面へ離型層、ハードコート層、印刷層、ホログラム層、透明反射層、同期シルク印刷層及び接着層が設けてなるインモールド用転写箔において、前記離型層がメラミン系樹脂であり、前記ホログラム層が下記の(1)、(2)及び(3)を含む組成物を電離放射線で硬化させてなる層であり、前記ハードコート層が前記ホログラム層と同一樹脂の(1)及び同一樹脂の(2)を含む組成物を電離放射線で硬化させてなる層であり、かつ、前記ハードコート層及び前記ホログラム層が(a)電離放射線硬化前の塗膜が指乾状態で、(b)電離放射線硬化後の23℃における破断伸度が5%以上で、(c)基材、離型層、ハードコート層、印刷層、ホログラム層、透明反射層、同期シルク印刷層及び接着層を設けたインモールド用転写箔状態で、150℃雰囲気中に1時間放置しても白化しない耐熱性を有し、(d)同期シルク印刷層がスクリーン印刷法で印刷されてなり、かつ(e)前記ホログラム層の凹凸のピッチがインモールド射出成形で成形される立体成形品の表面膨張率に反比例していることを特徴とし、(1)は(イ)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(ロ)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類又は(ハ)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーで、(2)はエーテル単位又はエステル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーから選択した1又は複数で、(3)はシリコーンオイル又は反応性シリコーンであるように、したものである。
請求項2の発明に係わる立体成形品は、請求項1に記載のインモールド用転写箔を用いて、インモールド射出成形法で成形された立体成形品に、ハードコート層、印刷層、ホログラム層、透明反射層、同期シルク印刷層及び接着層が転写されてなるように、したものである。
請求項1の本発明によれば、ハードコート層とホログラム層の破断伸度を同一とし、伸びが安定して層間での剥離もなく、インモールド射出成形法で転写した立体の射出成形品であっても、熱で白化しない耐熱性と、立体面へよく追従して、層間での剥離もなく、印刷層の割れや歪みもなく、透明ホログラムにも割れや白化などの少なく、しかもホログラム層の凹凸のピッチをインモールド射出成形で成形される立体成形品の表面膨張率に反比例するようにして、立体成形品へ転写されたホログラムでも光輝性に優れる効果を奏し、セキュリティ性と装飾性の高い同期シルク印刷を有するインモールド用転写箔、及びそれを用いた立体成形品を提供することである。
請求項2の本発明によれば、層間での剥離もなく、印刷層の割れや歪みもなく、ホログラムも明るくかつ割れや白化などの少ない効果を奏し、セキュリティ性と装飾性に優れるる光輝性のホログラムと該ホログラムと同期したシルク印刷を有する層が、インモールド射出成形で転写された立体成形品が提供される。
本発明の1実施例を示すインモールド用転写箔の断面図である。 本発明のインモールド用転写箔を用いて、転写した立体成形品の断面図である。 図2(C)での膨張率を説明する説明図である。 図2(C)の等高線図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(インモールド用転写箔)本発明のインモールド用転写箔10は、図1に示すように、基材11と、該基材の一方の面へ離型層13、ハードコート層14、プライマ層23(必要に応じて)、印刷層21、プライマ層23(必要に応じて)、ホログラム層15、透明反射層17、同期シルク印刷層25及び接着層19の構成において、離型層13、ハードコート層14及びホログラム層15が特定の材料からなる。ハードコート層14とホログラム層15とを同一樹脂の樹脂組成物とし、ホログラム層15のみに剥離性のシリコーンオイル又は反応性シリコーンを添加し、同期シルク印刷層はスクリーン印刷法で印刷する。
本発明の構成と、ハードコート層14とホログラム層15と材料を特定し、しかもハードコート層14とホログラム層15の樹脂組成物として同一樹脂の樹脂組成物を用いることで、ハードコート層14とホログラム層15の破断伸度を同一とすることができる。即ち、ハードコート層14とホログラム層15が(a)電離放射線硬化前の塗膜が指乾状態で、(b)電離放射線硬化後の23℃における破断伸度が5%以上で、(c)基材11、離型層13、ハードコート層14、印刷層21、ホログラム層15、透明反射層17及び接着層19を設けたインモールド用転写箔10状態で、150℃雰囲気中に1時間放置しても白化しない耐熱性を有するようにできる。このように、伸びが安定して層間での剥離もなく、また層間又は隣接する印刷層21や透明反射層17もつれて伸びるので、インモールド射出成形法で転写した立体の射出成形品であっても、熱で白化しない耐熱性と、立体面へよく追従して割れや白化などが少ない意匠性の高いホログラムが得られる。
本発明のインモールド用転写箔10は、インモールド射出成形法で、立体成形品へホログラム層を転写した立体成形品100を図2に示す。なお、図2(A)及び図2(B)は作図の都合上、立体成形品は平面に描いているが、三次元の立体状であり、立体面へ転写された立体成形品である。図2(B)は層構成を省略した図で、図2(C)は立体成形品を球体とした場合の中央断面図である。図3は膨張率を説明する説明図である。図4は、図2(C)及び図3の等高線図であり、間隔a×2、間隔b、間隔c、間隔d、間隔e、の順に等高線が狭くなり、平面状のインモールド用転写箔10が球状に膨張し引き伸ばされていることが判る。
このように、平面状のインモールド用転写箔10が射出成形時に膨張し引き伸ばされるので、層構成のホログラム層15も引き伸ばされる。即ち、ホログラム層の凹凸のピッチが膨張率に比例して広がってしまい、光の干渉性が低下して、光輝性が低下してしまう。そこで、ホログラム層15の凹凸のピッチが、インモールド射出成形で成形される立体成形品の表面に追従する膨張率に反比例するように狭くすることで、光輝性の低下を解消した。即ち、立体成形品の膨張率で引き伸ばされて、所望の凹凸のピッチとなることで、ホログラムの光輝性が保たれるのである。
(インモールド射出成形法)まず、インモールド射出成形法とは、(1)インモールド用転写箔10を準備する工程と、(2)該インモールド用転写箔10を射出成形用金型内へ挿入する工程と、(3)該射出成形用金型へ樹脂を射出成形し密着させることで、該樹脂の表面へインモールド用転写箔10のハードコート層14、プライマ層23(必要に応じて)、印刷層21、プライマ層23(必要に応じて)、ホログラム層15、透明反射層17、同期シルク印刷層25及び接着層19を転写する工程と、(4)冷却後、金型を解放し、インモールド用転写箔10の基材11及び離型層13を剥離して立体成形品を取り出す工程と、からなる射出成形法で、立体面へホログラムが転写された立体成形品100を製造できる。
(基材)基材11としては、耐熱性、機械的強度、製造に耐える機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート、セロファン、セルロースアセテートなどのセルロース系フィルム、などがある。好ましくは、耐熱性、機械的強度の点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルムで、ポリエチレンテレフタレートが最適である。該基材の厚さは、通常、2.5〜100μm程度が適用できるが、4〜50μmが転写性の点で好ましい。
該基材11は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、該基材は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。該基材は、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
(離型層)離型層13としては、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などがあるが、本発明ではメラミン系樹脂を用いる。該メラミン系樹脂を用いることで、後述するハードコート層14との組合わせで安定した剥離性を発揮する。
離型層13の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、プレーコートなどの印刷又はコーティング方法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して塗膜を形成する。また、要すれば、温度30℃〜120℃で加熱乾燥、あるいはエージングしてもよい。離型層13の厚さとしては、通常は0.01μm〜5μm程度、好ましくは0.5μm〜3μm程度である。該厚さは薄ければ薄い程良いが、0.1μm以上であればより良い成膜が得られて剥離力が安定する。
(ハードコート層とホログラム層)ハードコート層14は(1)及び(2)を含む組成物を電離放射線で硬化させてなる層とし、ホログラム層15はハードコート層14は同一樹脂の(1)及び同一樹脂の(2)を樹脂組成物とし、ホログラム層15のみに(3)を添加した組成物を電離放射線で硬化させてなる層とする。なお、(1)は(イ)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(ロ)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類又は(ハ)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーで、(2)はエーテル単位又はエステル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーから選択した1又は複数で、(3)はシリコーンオイル又は反応性シリコーンである。
ハードコート層14とホログラム層15の樹脂組成物はその配合比も同一が好ましい。
(ハードコート層)ハードコート層14には、(1)及び(2)を含む組成物に、機能に影響のない範囲内で、エチレンワックスやマイクロシリカなどのフィラー成分を添加してもよい。フィラーとしては、ポエチレンワックス又はマイクロシリカで、フィラー成分である。ポリエチレンワックスとしては、ポリエチレン系樹脂の粒子やビーズが挙げられるが、好ましくは球状ビーズである。但し、ポリエチレンワックスを添加すると、箔切れ性は低下するので、その添加量は、(1)と(2)の樹脂組成物合計100質量部に対して、0.01〜10質量部程度、好ましくは0.1〜5質量部とする。この範囲未満では転写時にバリが発生し、この範囲を超えては透明性が悪くなる。
(ホログラム層)ホログラム層15としては、ハードコート層14は同一樹脂の(1)及び同一樹脂の(2)を樹脂組成物とし、ホログラム層15のみに(3)のシリコーンオイル又は反応性シリコーンを添加した組成物を電離放射線で硬化させてなる層とする。
(シリコーン)(3)としては、シリコーンオイル又は反応性シリコーンである。反応性シリコーンは電離放射線で硬化時に樹脂と反応し結合して一体化したり、1部は残留するものもある。該反応性シリコーンとしてはアクリル変性、メタクリル変性、又はエポキシ変性などで変性した反応性シリコーンで、該反応性シリコーンを含有させる質量基準での割合としては、前記(1)と(2)成分の合計100部に対して、0.1〜10質量部程度、好ましくは0.3〜5質量部である。この範囲未満ではレリーフの賦型時にプレススタンパとの剥離が不十分であり、密着したり、版とられしたり、逆にプレススタンパを汚染したりして、賦型できなかったり、賦型性が悪かったりする。また、この範囲を超えてはホログラム層面への透明反射層の密着性が低く、ホログラム層と透明反射層との間で剥離し商品価値を失ってしまう。
(樹脂組成物(1))樹脂組成物のうち、(1)は(イ)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(ロ)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(ハ)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーで、電離放射線硬化性を有するウレタン変性アクリレート樹脂である。好ましいウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、詳細は特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂が好ましい。具体的には、MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)、ユピマーUV・V3031(三菱化学(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)が例示できる。
(樹脂組成物(2))樹脂組成物のうち、(2)はエーテル単位又はエステル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーから選択した1又は複数である。エーテル単位又はエステル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを配合することで、電離放射線硬化性があり、しかも硬化後の皮膜は超軟質で、高伸度を有し、ゴム弾性を示し、ウレタンエラストマーに近似の引張り物性を与えられるので、電離放射線硬化後の23℃における破断伸度が5%以上でとすることができる。
(エーテル単位)エーテル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、耐熱性のあるオリゴマーであればよく、例えば、日本合成化学社の商品名;紫光6630B、7510B、7630Bなどが例示できる。含有させる質量基準での割合としては、(1)の樹脂組成物100部に対して10〜30部程度、好ましくは15〜25部である。この範囲未満では耐熱性が不足し、この範囲を超えては耐熱性はよいが、ヒビ割れしやすい。
(エステル単位)エステル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、日本合成化学社製の商品名、紫光UV3520EAなどが例示できる。エステル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることで、熱白化しない耐熱性と、立体面へ追従し割れにくい柔軟性をより向上させることに至ったのである。しかも、ホログラム(微細なレリーフ)をプレススタンパ(エンボス版)を用いて賦型する際に、版へ密着せず貼り付いたり、版へホログラム層がとられたり、また、インモールド射出成形の際にもバリの発生が少なく、多くの矛盾点を解消することができる。
該エステル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、電離放射線硬化性で、硬化後の皮膜は超軟質で、高伸度を有し、ゴム弾性を示し、ウレタンエラストマーに近似の引張り物性を有するので、電離放射線硬化後の23℃における破断伸度が5%以上でとすることができる。また、引き裂き強度、耐割れ性に優れるので、インモールド射出成形法でも、立体面へ追従し、立体成形品の表面へ転写させることができる。しかも、耐熱性も合わせ持っているので、インモールド射出成形時の熱で白化しないので、エステル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの方が、硬化後の皮膜が超軟質でゴム弾性を示し、しかも、耐熱性も合わせ持っているので好ましい。
エステル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有させる質量基準での割合としては、前記(1)成分のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー100部に対して10〜45部程度、好ましくは15〜30部である。この範囲未満では高温で白化しやすく、この範囲を超えてはエンボス版への貼り付き、転写時にバリが発生しやすい。
ハードコート層14を(1)(2)及び必要に応じてフィラーを含む組成物を電離放射線で硬化させてなる層とすることで、次の効果を奏する。(1)電離放射線硬化前の塗布状態のハードコート層14の塗膜は指乾状態でべとつかず、ブロッキングせずに巻き取ることができるので、ロールツーロール加工ができる。
ホログラム層15を(1)(2)及び(3)を含む組成物を電離放射線で硬化させてなる層とすることで、次の効果を奏する。(1)電離放射線硬化前の塗布状態のホログラム層15の塗膜は指乾状態でべとつかず、ブロッキングせずに巻き取ることができるので、ロールツーロール加工ができる。(2)ホログラム層15へはシリコーンを含ませることで、賦型性がよいので、レリーフ構造を容易に賦型でき、賦型後に電離放射線で硬化できる。また、ホログラム層15は伸縮が大きな立体的な成形品へ転写しても、伸縮へ追従性がよく、割れや白化などのホログラム効果の低下が少ない意匠性に優れたホログラムを立体面へ転写することのできる。電離放射線硬化後の23℃における破断伸度を5%以上、好ましくは7%以上とすることができる。5%未満では伸縮時にヒビ割れたり白化したりする。7%以上であると、伸縮率が高くても伸縮時にヒビ割れたり白化したりしない。(3)基材11、離型層13、ハードコート層14、印刷層21、ホログラム層15、透明反射層17及び接着層19を設けたインモールド用転写箔状態で、150℃、好ましくは170℃雰囲気中に1時間放置しても白化しない耐熱性を有するので、通常の射出成形での樹脂温度である150〜200℃の熱でもホログラムが劣化しない。200℃の熱でも瞬間的なために、ホログラム像が劣化しないのである。なお、耐熱性は接着層19を設けても設けなくとも同じである。(4)インモールド射出成形法による立体成形品でも、硬化後のハードコート層14とホログラム層15の伸縮性が同じなために、層間又は隣接する印刷層21及び金属反射層17も均一に伸ばされて、ヒビ割れたり白化したりしないので、意匠性の高い印刷及びホログラムが得られる。
さらに、次の作用効果もある。(5)転写後のハードコート層14は最表面層となり、極めて過酷な環境での使用、長期間にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤、機械的な摩擦、及び摩耗から印刷やホログラムを保護し、傷付きにくく耐久性に優れる。(6)ハードコート層14はメラミン系樹脂を用いた離型層13と界面を接しているので、安定した剥離性を有し、転写時には箔切れがよく、バリなどの発生も極めて少なくすることができる。
(ハードコート層の形成)ハードコート層14の形成は、前述の(1)及び(2)成分と、必要に応じて、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥した後に、電離放射線で反応(硬化)させればよく、ホログラム層15と同時に反応(硬化)させてもよい。ハードコート層14の厚さとしては、通常は1μm〜30μm程度、好ましくは2μm〜20μm程度である。複数回の塗布でもよい。
(ホログラム層の形成)ホログラム層15の形成は、上記の(1)、(2)、(3)及び(4)成分と、必要に応じて、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して、レリーフを賦型した後に、電離放射線で反応(硬化)させればよい。ホログラム層15の厚さとしては、通常は1μm〜30μm程度、好ましくは2μm〜20μm程度である。複数回の塗布でもよい。
(ホログラム)次に、ホログラム層15の表面には、ホログラムなどの光回折効果の発現する所定のレリーフ構造を賦型し、硬化させる。通常、レリーフ構造は一定のピッチであるが、前述のように、立体成形品では、平面状のインモールド用転写箔10が膨張し引き伸ばされるので、層構成のホログラム層15も引き伸ばされる。即ち、ホログラム層の凹凸(レリーフ)のピッチが膨張率に比例して広がってしまい、光輝性が低下してしまう。そこで、ホログラム層15の凹凸のピッチを、インモールド射出成形で成形される立体成形品の表面に追従する膨張率に反比例するように調整することで、光輝性の低下を解消することができる。凹凸は畝状の溝であり、該畝の長手方向に直角方向を凹凸のピッチとして、凹凸のピッチを縮小すればよい。
立体成形品の表面の各部位における膨張率(二次元的には伸長率)を計算し、各部位の伸長率に反比例した凹凸のピッチとなるように、平面状のインモールド用転写箔10のホログラム層15の凹凸のピッチとする。反比例とは、2倍に伸長する部位の凹凸のピッチを、予め所望の凹凸のピッチの1/2にしておくことである。畝状の方向はまちまちの場合が多いので、それぞれの該畝の長手方向の直角方向を凹凸のピッチであり、それぞれの方向を有している。膨張率又は伸長率の計算は有限要素法などで容易にコンピュータ計算できるし、グラフ用紙を印刷した転写箔を実際にインモールド射出成形した成形品を計測してもよい。回折格子をデザインした図柄の場合には、各回折格子領域は畝に方向性をもっているので、図柄(領域)、即ち、畝の長手方向の直角方向の凹凸ピッチに対する伸長率に対応する各部位のレリーフの凹凸ピッチを決定すればよい。
通常、ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。レリーフ形状は凹凸形状であり、特に限定されるものではなく、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものでもよく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
これらのレリーフ形状の作製方法としてはホログラム撮影記録手段を利用して作製されたホログラムや回折格子の他に、干渉や回折という光学計算に基づいて電子線描画装置等を用いて作製されたホログラムや回折格子をあげることもできる。また、ヘアライン柄や万線柄のような比較的大きなパターンなどは機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画装置を用いてパターン作製する電子線描画法をなどが適用できる。
膨張率に従って変化するピッチを有するレリーフは、レーザ光干渉法では、物体光と参照光の角度を変化させながら、スポット露光を順次繰り返して、干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録すればよい。また、電子線描画装置を用いる場合のレリーフは、電子線で走査する幅(ピッチの半幅となる)を変えながら走査するればよく、容易に作製することができて、好適である。但し、図柄(領域)を有する場合には、図柄(領域)の畝の方向によって、電子線で走査する幅ガ異なる。また、回折格子では最低でも10本程度の同じピッチの凹凸が隣接することが干渉光が強く光輝性に優れる。従来では、平面状のインモールド用転写箔10が膨張し引き伸ばされるので、連続的にレリーフのピッチが変化するので、同じピッチの凹凸が隣接することが少なく、特に光輝性が低下するという欠点がある。
これに対して、本願発明のインモールド用転写箔10では、の立体成形品の膨張率に従って、各部位のレリーフの凹凸ピッチを決定することで、最適なピッチとでき、しかも該ピッチを隣接して配置することができるので、最良な光輝性を発現させることができる。回折格子のピッチとしては0.5〜4μm程度、好ましくは1〜2μmで、揃っていることがさらに好ましい。
(レリーフの賦型)ホログラム層15面へ、上記のレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する。ホログラムの賦型は、公知の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。
(レリーフの硬化)ホログラム層15は、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(ホログラム層15)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
(レリーフの絵柄)ホログラム層15の絵柄を擬似連続絵柄とすることが好ましい。擬似連続絵柄はプレス型(スタンパという)を作成する際に、小さなレリーフ版の複数を、精度よく突合せてつなぎ目を目立たなくしたり、つなぎ目を樹脂で埋めたりすればよい。このように、擬似連続絵柄とすることで、できるだけ大きな面積、又は好ましくは全面とすることもできる。大面積又は全面のホログラム絵柄を背景とし他の任意な印刷絵柄と、同調させたり、合わせたりして、さらなる特異な意匠性を向上させることができる。
(印刷層)印刷層21は、公知の印刷法でよく、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷などが適用できる。印刷インキは、少なくともビヒクルと着色剤とを含み、着色剤やビヒクルは特に限定されるものではないが、ビヒクルとしては、変性アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの合成樹脂系が好ましい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、などの添加剤を、適宜加えても良い。
これらの印刷インキ組成物を、分散・混練して、また、必要に応じて、溶剤で固形分量や粘度を調整して、インキ組成物とする。該インキを、前記印刷法で印刷して、乾燥し、必要に応じて、温度30℃〜70℃で適宜エージング、または、電離放射線(紫外線、電子線)を照射して、形成すれば良い。
(プライマ層)プライマ層23は、図1に示すように、ハードコート層14面へ印刷層21を設ける際、印刷層21面へホログラム層15面へ設ける際、又は他の層でも、層間の接着力を向上させるために、必要に応じて、設ければよい。プライマ層23としては、上下の層に応じて、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンイミン系化合物、イソシアネ−ト系化合物などを使用することができる。上記の樹脂を主成分とし、適宜溶剤に溶解又は分散し、必要に応じて充分に混練して、コ−ティング剤組成物(インキ、塗布液)を調整し、ロールコート法、グラビアコート法等の公知のコーティング法で塗布し乾燥すればよい。該プライマー層23の厚さは、0.05〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μmである。
(透明反射層)透明反射層17は、所定のレリーフ構造を設けたホログラム層15面のレリーフ面へ、透明反射層17へ設けることにより、レリーフの反射及び/又は回折効果を高めるので、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。
透明反射層17としては、例えば、ホログラム層15よりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したもの等が例示できる。またアルミニウム等の一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが200Å以下になると、透明性が出て使用できる。透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、ホログラム層15のレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。
(同期シルク印刷層)同期シルク印刷層25としては、印刷層21及び/又はホログラム層15と同期させたスクリーン印刷法で印刷した印刷層とする。該同期シルク印刷層25は、所謂、画像部が貫通孔、非画像部が非貫通となった版を被印刷物の上に置き、版の上からインキを押し出し貫通孔からインキを被印刷物に転移させる印刷法で、シルク印刷、スクリーン印刷、シルクスクリーン印刷、孔版印刷とも呼称され、本願発明ではいずれをも含むものとする。同期シルク印刷層25は、印刷層を比較的厚膜とすることができるので、例えば、コーテッドガラス、パール顔料、色彩可変顔料などの特殊な顔料を着色剤として印刷することができる。これらの顔料はオフセット印刷やグラビア印刷では印刷層が薄く機能が十分に発揮できない。同期シルク印刷層25の厚みは厚いほど好ましく、通常1〜30μm程度、2〜15μmが好ましい。
同期シルク印刷層25の印刷インキとしては、少なくともビヒクルと着色剤とを含み、着色剤としては、上記のような例えば、液晶、磁性材、コーテッドガラス、パール顔料、色彩可変顔料などの特殊な顔料を用いる。ビヒクルは特に限定されるものではないが、ビヒクルとしては、変性アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの合成樹脂系が好ましい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、などの添加剤を、適宜加えても良い。これらの印刷インキ組成物を、分散・混練して、また、必要に応じて、溶剤で固形分量や粘度を調整して、インキ組成物とする。該インキを、前記印刷法で印刷して、乾燥し、必要に応じて、温度30℃〜70℃で適宜エージング、または、電離放射線(紫外線、電子線)を照射して、形成すれば良い。
例えば、着色剤としてパール顔料を用いると、見る角度によって色が変化する色彩変化インキとなる。色彩が変化するインキは、光を多重反射する顔料を含んでおり、その顔料で反射した光の干渉によって、色が変化して見える。色彩可変インキは、例えば、透明なビヒクル中に、高屈折率の酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄などの層と、低屈折率のマイカ等の層を積層した顔料を分散したもの、コーテッドガラスや液晶を含むものも使用できる。具体例を挙げると、資生堂製の商品名;インフィニットカラーや、メルク社(独国)製の商品名;イリオジン等のパールインキなどである。このように、ホログラム層15/透明反射層層17面に、色彩可変インキで同期シルク印刷層25を設けると、観察する角度でホログラムの色彩が変化するホログラムとすることができる。
同期シルク印刷層25を色彩可変インキを用いた場合には、透明な媒体中に高屈折率層と低屈折率層を積層した顔料を分散した色彩可変インキ層が形成されている。入射光は顔料によって反射して、第1の角度α方向に出射するとともに、顔料高屈折率で透過したのちに、媒体基材の表面で反射して、第2の角度β方向に出射する。顔料の反射光と透過光の関係は、その顔料の厚さによって、可視光線の波長のいずれかが干渉して、次のような組み合わせとなる。顔料の厚さが約60nmのときには、反射光は銀色、透過光は透明で、同約90nmのときには、反射光は金色、透過光は紫色で、同約115nmのときには、反射光は赤色、透過光は緑色で、同約128nmのときには、反射光は紫色、透過光は黄色で、同約143nmのときには、反射光は青色、透過光は橙色で、同約170nmのときには、反射光は緑色、透過光は赤色となる。従って、例えば、同期シルク印刷層25は、第1の角度αで金色に見えた場合には、第2の角度βでは紫色に見えることになる。
同期シルク印刷層25は印刷法なので、その図柄は、全面ベタでも、部分的でもよく、部分的とは、文字、数字、記号、イラスト、模様、写真などのすべての絵柄が使用できる。また、印刷層21及び/又はホログラム層15に印刷又はホログラム図柄があれば、これらの図柄に同期印刷することで、容易に製造することができずセキュリティ性が向上し、意匠性もさらに向上させることができる。なお、同期とは、印刷層21及び/又はホログラム層15に印刷又はホログラム図柄と所望の関連付けて印刷することである。その製造法についても、真空成膜装置による透明薄膜による透明反射層17以外については、既存設備での印刷法により形成可能で、小ロット生産にも対応でき、低コストで生産することができる。
印刷層21及び/又はホログラム層15の図柄と同期させて、同期シルク印刷層25を印刷する方法としては、公知の方法でよく、印刷層21の図柄であれば印刷と同時に被印刷物(基材11)の余白へ印刷されたタイミングマーク(当業者では、レジスターマーク、レジマーク、見当マーク、見当トンボなどとも呼ばれる)を設けておき、該タイミングマークを公知のセンサで読み取り、同期シルク印刷層25の図柄を位置合わせして(同期をとって)印刷すればよい。ホログラム層15の図柄の場合にも、同様にホログラム被印刷物(基材11)の余白へホログラムのタイミングマークを設けておき、該タイミングマークを回折光のセンサで読み取り、同期シルク印刷層25の図柄を位置合わせして(同期をとって)印刷すればよい。印刷層21、ホログラム層15、及び同期シルク印刷層25の3層を同期させて印刷すれば、より効果的である。
(接着層)同期シルク印刷層25面、即ち被転写体と相対する面へ接着層19を設ける。該接着層19の材料としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニール酢酸ビニール共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ0.1〜30μm程度、好ましくは0.5〜10μmの層とする。接着層19の材料としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニール酢酸ビニール共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ0.1μmから30μmの層を得る。
(インモールド用転写箔)従来のハードコート層14へ設けた印刷層21、ホログラム層15へ設けた金属薄膜は、金属光沢と印刷による意匠性が得られるが、高温や外力で白化したり、層間で剥離したり、するという欠点がある。立体面へインモールド射出成形すると、平面状のインモールド用転写箔10は射出された高温の溶融樹脂で立体面に沿って引き伸ばされると、印刷層21や透明反射層17では細かいヒビ割れ(クラック)が発生して、輝度が低下したり、白化してホログラムが観察できなくなったり、平面状のインモールド用転写箔では膨張し引き伸ばされるので、連続的にレリーフのピッチが広がる方向へ変化し、光の干渉効果が減少し、しかも、同じピッチの凹凸が隣接することが少なく、特に光輝性が低下するという欠点がある。
本発明のインモールド用転写箔10でも、立体の射出成形品を得るべくインモールド射出成形法で成形されると、ハードコート層14/印刷層21/ホログラム層15/透明反射層17/同期シルク印刷層25/接着層19が高温で引き伸ばされていく。ところが、本発明のインモールド用転写箔10では、ハードコート層14とホログラム層15の樹脂組成物として同一樹脂の樹脂組成物を用いているので、ハードコート層14とホログラム層15の破断伸度は同一である。しかもハードコート層14とホログラム層15の接している部分は相熔状態となってほぼ一体化している。ハードコート層14/印刷層21/ホログラム層15/透明反射層17/同期シルク印刷層25も立体面に沿って引き伸ばされるが、層間で剥離することもなく、破断伸度が5%以上と大きいので、印刷層21、透明反射層17及び同期シルク印刷層25も均一に伸ばされてクラックは発生しにくく、白化もしにくく、立体面へ転写することができる。
従来であれば、立体面へ転写すると、ホログラム層の凹凸のピッチが膨張率に比例して広がってしまい、光の干渉性が低下して、光輝性が低下してしまう。しかしながら、本発明であれば、ホログラム層15の凹凸のピッチが、インモールド射出成形で成形される立体成形品の表面に追従する膨張率に反比例するように狭くしてあるので、立体成形品の膨張率で引き伸ばされて、所望の凹凸のピッチとなることで、ホログラムの光輝性が保たれるのである。
このような効果は、本発明のハードコート層14とホログラム層15と材料を特定し、しかもハードコート層14とホログラム層15の樹脂組成物として同一樹脂の樹脂組成物を用いることで、ハードコート層14とホログラム層15の破断伸度を同一とすることができ、このために、(b)電離放射線硬化後の23℃における破断伸度が5%以上で、(c)インモールド用転写箔10状態で、150℃雰囲気中に1時間放置しても白化しない耐熱性を有する、ことで可能とすることができる。その結果として、ハードコート層とホログラム層の破断伸度を同一とし、伸びが安定して層間での剥離もなく、インモールド射出成形法で転写した立体の射出成形品であっても、熱で白化しない耐熱性と、立体面へよく追従して、層間での剥離もなく、印刷層の割れや歪みもなく、透明ホログラムにも割れや白化などの少なく、高意匠性の、印刷図柄、光輝性のホログラム、同期シルク印刷図柄もと共に転写することができるインモールド用転写箔10とすることができる。本願発明のるインモールド用転写箔10を用いることで、層間での剥離もなく、印刷層の割れや歪みもなく、ホログラムにも割れや白化などの少なく、高意匠性の印刷図柄、同期シルク印刷図柄付き、光輝性のホログラムが転写された立体成形品とすることができる。
(破断伸度)ハードコート層14及びホログラム層15の伸縮性を破断伸度で表し、該層の破断伸度(%)の測定方法は、23℃55%RHの条件下でUV硬化後樹脂層を24時間以上放置した後、株式会社オリエンテックテンシロン万能試験機RTA−100を用いデータ処理は、テンシロン多機能型データ処理TYPE MP−100/200S Ver.44を用い測定を行なった。試料幅10mm、チャック間距離50mm、RANGEは20%、荷重は100kgの条件で、引っ張り速度10mm/minで引っ張り、破断伸度は、引っ張り時の破断または亀裂が入ったときの破断点伸びの自長に対する伸び率とした。ホログラム層15の破断伸度の測定では、ホログラム層15膜のみを作成するのは難しいため、25μm剥離PETに10μmのホログラム層15を形成し、メタルハライドランプにて積算露光量250mjで露光した後に剥離して試料とした。
(耐熱性)ハードコート層14及びホログラム層15の耐熱性は、基材11/離型層13/ハードコート層14/印刷層21/ホログラム層15/透明反射層17/同期シルク印刷層25/接着層19を設けたインモールド用転写箔10状態で、150℃から170℃のオーブン中に1時間放置して、目視によりヒビ割れ及び/又は白化しないものを合格とした。
(インモールド射出成形)このようにして本発明のインモールド用転写箔10が準備できる。該インモールド用転写箔10を用いて、インモールド射出成形法して、立体面へホログラムが転写された立体成形品を製造することができる。まず、(2)インモールド用転写箔10を射出成形用金型内へ挿入し、(3)該射出成形用金型へ樹脂を射出成形し密着させ、該樹脂の表面へインモールド用転写箔10のホログラムを転写し、(4)冷却後、金型を解放し、インモールド用転写箔の基材11及び離型層13を剥離して成形品を取り出す公知の方法でよい。なお、離型層13の1部がホログラム層15側に残る場合もあるが、剥離に支障はなく、本発明の範囲内である。また、インモールド用転写箔10の射出成形用金型内へ挿入を、間歇方式で連続的に供給するインサート射出成形も好ましい。
(ホログラム付き射出成形品)このように、離型層13、及びホログラム層15を特定の材料を用いたインモールド用転写箔10とし、インモールド射出成形法で立体面へ、ホログラム自身の熱で白化しない耐熱性、及び伸縮へ追従性がよく、割れや白化などが極めて少ない意匠性に優れたホログラムが転写されたホログラム付き立体成形品を製造できる。また、インモールド用転写箔10には、ホログラム絵柄を背景とし他の任意な印刷絵柄と合わせて、さらなる特異な意匠性も向上させることができる。
(射出成形品)射出樹脂の材料は特に限定されず、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アクリル系樹脂などの射出樹脂のできる公知の樹脂でよい。該射出成形品の形状としては、特に限定されず、少なくとも1部分に立体部があれば、適用できる。立体部とは二次面、三次面でもよく、波状、曲面状、多面体状、円又は角錐状、球状などがあり、これらの1、又は複数の組合わせ、若しくはランダム形状でもよい。射出成形による立体成形品は、日用品や生活用品などの機器本体、食品や各種物品の容器類、携帯電話などの電子機器や事務用品などの筐体類などに使用できる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)基材11として厚さ50μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、グラビアコート法で、TCM01メジューム(大日本インキ社製、メラミン樹脂商品名)塗工液を乾燥後2μmになるように塗布し乾燥して、180℃20秒間焼き付けて、離型層13を形成した。
該離型層13面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、未硬化のハードコート層14とした。なお、硬化は後述するホログラム層15を形成し、レリーフの賦形後に高圧水銀灯を用いて紫外線を照射することで、ホログラム層15をと共にハードコート層14も硬化させた。
・<ハードコート層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
MHX405ニス(ザ・インクテック社製、商品名) 80部
紫光UV3520EA(日本合成化学社製、エステル単位含有、商品名)20部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 4部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 5部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 300部
次に、この未硬化のハードコート層14面へ、下記のプライマ層組成物をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、プライマ層23とした。
・<プライマ層の組成物>
酢酸ビニル塩化ビニル共重合樹脂 10部
ポリエステル系樹脂 10部
溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1) 80部
次に、プライマ層23面へ、ウレタン系樹脂をビヒクルとした公知のグラビアインキを用いて、公知のグラビア印刷法で、文字及びカラー写真を印刷し乾燥して、印刷層21とした。
次に、この印刷層21面へ、下記のプライマ層組成物をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、プライマ層23とした。
・<プライマ層の組成物>
酢酸ビニル塩化ビニル共重合樹脂 10部
ポリエステル系樹脂 10部
溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1) 80部
次に、プライマ層23面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが2μmになるように、塗工し100℃で乾燥させた。
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
MHX405ニス(ザ・インクテック社製、商品名) 80部
紫光UV3520EA(日本合成化学社製、エステル単位含有、商品名)20部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.15部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 5部
溶媒(メチルイソブチルケトン:トルエン=1:1) 300部
次に、該層は電離放射線硬化前であり、塗膜は指乾状態であった。
該層面へ、下記の電子線描画法による回折格子から2P法で複製したプレス型を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ホログラム層15を形成した。
電子線描画法による回折格子は、電子線描画装置を用い、図3の球面で、図4の同心円状に、各部位における伸長率に反比例するようにしたピッチで、電子線を走査して作製した。
該ホログラム層15のレリーフ面へ、厚さ20nmの酸化チタンをスパッタリング法で形成して透明反射層17とした。
該透明反射層17面へ、下記のプライマ層組成物をグラビアコーターで乾燥後の厚さが0.5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、プライマ層とした。
・<プライマ層の組成物>
酢酸ビニル塩化ビニル共重合樹脂 10部
ポリエステル系樹脂 10部
溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1) 80部
次に、プライマ層面へ、下記の同期シルク印刷インキ(色彩可変インキ)を用いて、シルクスクリーン印刷法で、文字及びイラストを印刷し乾燥して、同期シルク印刷層25とした。
・<色彩可変インキ>
アクリル系樹脂 27部
イリオジン231(メルク社製、パール顔料商品名) 3部
溶媒(トルエン:酢酸エチル=1:1) 70部
次に、同期シルク印刷層25面へ、接着層組成物としてTM−A1HS(大日精化社製、商品名)をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が1μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19を形成して、基材11/離型層13/ハードコート層14/印刷層21/ホログラム層15/透明反射層17/プライマ層/同期シルク印刷層25/接着層19の層構成からなる実施例1のインモールド用転写箔10を得た。
(実施例2)ハードコート層14及びホログラム層15の電離放射線硬化性樹脂組成物として、下記の組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインモールド用転写箔10を得た。
・<ハードコート層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV・V3031(三菱化学社製、商品名) 30部
紫光6630B(日本合成化学社製、商品名) 5部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 4部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70部
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV・V3031(三菱化学社製、商品名) 30部
紫光6630B(日本合成化学社製、商品名) 5部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.2部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70部
(評価試験)評価は、ホログラム複製時の版とられ、貼り付き、インモールド射出成形時のバリ、立体成形品のホログラムの白化と層間剥離、目視観察、及びホログラムの明るさで評価した。
ホログラム複製時の版とられは、実施例1〜2のインモールド用転写箔10の作成にあたって、微細な凹凸をプレススタンパ(版)で賦型する際の版とられで、問題のないものを合格とし、やや版とられするが、実用上支障のないものも合格とした。
貼り付きは、微細な凹凸をプレススタンパ(版)で賦型する際の版への密着で、賦型に問題のないものを合格とし、密着して製造に支障のあるものを不合格とした。
インモールド射出成形時のバリ、立体成形品のホログラムの白化は、まず、次のように射出成形した。実施例1〜2のインモールド用転写箔10を射出成形装置の自動箔送り装置に、接着層面が成形樹脂側になるように挿入(インサート)し、スミペックスSTH−55(住友化学社製、アクリル樹脂商品名)を、溶融温度250℃、金型温度80℃の通常条件で射出成形を行った。冷却後、金型を解放し、基材11を離型層13と共に剥離して取り出して、インモールド用転写箔を用いたホログラム付き立体成形品を得た。なお、該射出成形は成形サイクル12秒で連続的に成形した。得られた立体成形品は3次元形状(周囲に5mmの縁取りがあり、中央部が球面状に盛り上った直径150mmのCDプレイヤーの部材)とした。
インモールド射出成形時のバリは、射出成形後に金型を解放し、基材11/離型層13を剥離した際に、ハードコート層14及びホログラム層15のバリを目視で観察して、バリのほとんどないものを合格とし、バリが若干あるが実用上支障のないものも合格とした。
立体成形品のホログラムの白化は、射出成形後に金型を解放し、立体成形品へ転写されたホログラム層15を目視で観察して、白化のないものを合格とし、白化が部分的に若干あるが実用上支障のないものも合格とした。
層間剥離は、射出成形後に金型を解放し、立体成形品へ転写されたハードコート層14とホログラム層15を目視で観察して、この層間も含めてずべての層で剥離の認められないものを合格とした。
ホログラムの明るさは、立体成形品へ転写されたホログラムを目視で観察した。
(評価)実施例1〜2では「版とられ、貼り付き、バリ、白化、剥離、ホログラムの明るさ」のすべてが合格であった。また、実施例1〜2の硬化前のハードコート層14及びホログラム層15はいずれも指乾状態であり、巻取り加工ができ、以降の工程もロールツーロール加工ができた。実施例1のハードコート層14及びホログラム層15の破断伸度は31%、実施例2のハードコート層14及びホログラム層15の破断伸度は31%であった。インモールド用転写箔10の耐熱性としては、実施例1が170℃、実施例2も170℃であった。また、実施例1〜2のインモールド用転写箔10はいずれの立体成形品も球面部及び縁取り部分にも追随し、アクリル樹脂表面に転写され、層間の剥離もなく、ホログラムは割れもなく正常に転写できた。さらに、該立体成形品の転写部分を目視で観察したところ、見る角度によって色が変化した。ホログラムの明るさは、実施例1〜2の立体成形品へ転写されたホログラムを目視したところ、インモールド用転写箔10自身の明るさより、向上しており、十分に明るい光輝性を有し、意匠性に優れるものであった。
また、実施例1〜2のインモールド用転写箔10を用いた立体成形品100の最表面となっているハードコート層14面の鉛筆硬度試験を、JIS−K−5400に準拠して測定したところ、2H以上の硬度を有し、さらに、スクラッチ強度はサファイア200g以上であり、充分な耐久性を有していた。
(産業上の利用可能性)本発明のインモールド用転写箔を用いた立体成形品の主なる用途としては、日用品や生活用品などの機器本体、食品や各種物品の容器類、電子機器や事務用品などの筐体類など立体成形品で、立体成形品の表面にホログラムによる特異な意匠性やセキュリティ性を向上させたもので、立体成形品の形状や内容物は任意である。しかしながら、意匠性やセキュリティ性を向上させるために、立体成形品の表面にホログラムを転写した用途であれば、特に限定されるものではない。
10:インモールド用転写箔
11:基材
13:離型層
14:ハードコート層
15:ホログラム層
17:透明反射層
19:接着層
21:印刷層
23:プライマ層
25:同期シルク印刷層
100:立体成形品
101:射出樹脂

Claims (2)

  1. 基材と、該基材の一方の面へ離型層、ハードコート層、印刷層、ホログラム層、透明反射層、同期シルク印刷層及び接着層が設けてなるインモールド用転写箔において、前記離型層がメラミン系樹脂であり、前記ホログラム層が下記の(1)、(2)及び(3)を含む組成物を電離放射線で硬化させてなる層であり、前記ハードコート層が前記ホログラム層と同一樹脂の(1)及び同一樹脂の(2)を含む組成物を電離放射線で硬化させてなる層であり、かつ、前記ハードコート層及び前記ホログラム層が(a)電離放射線硬化前の塗膜が指乾状態で、(b)電離放射線硬化後の23℃における破断伸度が5%以上で、(c)基材、離型層、ハードコート層、印刷層、ホログラム層、透明反射層、同期シルク印刷層及び接着層を設けたインモールド用転写箔状態で、150℃雰囲気中に1時間放置しても白化しない耐熱性を有し、(d)同期シルク印刷層がスクリーン印刷法で印刷されてなり、かつ(e)前記ホログラム層の凹凸のピッチがインモールド射出成形で成形される立体成形品の表面膨張率に反比例していることを特徴とするインモールド用転写箔。
    (1)は(イ)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(ロ)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類又は(ハ)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーで、(2)はエーテル単位又はエステル単位を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーから選択した1又は複数で、(3)はシリコーンオイル又は反応性シリコーンである。
  2. 請求項1に記載のインモールド用転写箔を用いて、インモールド射出成形法で成形された立体成形品に、ハードコート層、印刷層、ホログラム層、透明反射層、同期シルク印刷層及び接着層が転写されてなることを特徴とする立体成形品。
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