JP2003058055A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2003058055A
JP2003058055A JP2001245684A JP2001245684A JP2003058055A JP 2003058055 A JP2003058055 A JP 2003058055A JP 2001245684 A JP2001245684 A JP 2001245684A JP 2001245684 A JP2001245684 A JP 2001245684A JP 2003058055 A JP2003058055 A JP 2003058055A
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JP2001245684A
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Takeshi Miyamoto
宮本  剛
Kenichi Sakuma
健一 佐久間
Masayoshi Wada
正良 和田
Tetsuyuki Osawa
哲之 大澤
Asa Kimura
朝 木村
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】意匠性が高く、且つ偽造が困難である積層体を
提供する。 【解決手段】基材層と、ホログラム再生層と、パール剤
印刷層とを含む各層よりなり、基材層にホログラム再生
層が積層し、該ホログラム再生層の表層側にパール剤印
刷層が配置しており、見る角度によりホログラム像の
み、ホログラム像及びパール剤印刷、パール剤印刷のみ
と三態様の見え方をすることを特徴とする積層体。前記
積層体において、ホログラム再生層に保護層が積層して
いることが好適である。前記積層体において、表層に保
護層が積層していることが好適である。前記積層体にお
いて、基材層が延伸性を持つことが好適である。前記積
層体において、基材層側に粘着層を積層することが好適
である。前記積層体を含むことを特徴とする開封確認用
シール、偽造防止用シール、意匠性シール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層体、特にその構
成材料の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ホログラムは、光の干渉を利用して立体
画像を映し出し得るものであるが、その製造、準備に多
額の費用がかかり、製造に高度な技術を要し、複写・偽
造が困難であることから偽造防止を目的としてクレジッ
トカードや金券、証明書などの証書類に用いられてい
る。また光反射性金属を反射部にもつホログラムは、光
沢に富み、美しい外観を呈し、人目を引くことができる
ため、多くのパッケージやパンフレット、書籍などに用
いられている。従来、偽造防止等の目的で用いられるホ
ログラムは、白色光で立体映像を再生できる上、虹のよ
うな色彩を放つため意匠性も高いレインボーホログラム
と呼ばれるホログラムが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レイン
ボーホログラムは、白色光で再生可能であるため、適当
な角度で光を照射すればホログラム像を観察することが
でき、そのホログラム像を写し取ることは必ずしも不可
能なことではなかった。さらに近年のコンピュータ加工
技術の向上に伴い、ホログラム像が観察できれば、コン
ピュータによってそのホログラム像を再生し得る干渉縞
を計算することができ、その干渉縞からホログラムエン
ボス等を作成することが難しいことではなくなった。こ
のため偽造防止、真性品の判別等にホログラムが占める
重要度は著しく低下し、改良が求められていた。本発明
は、前記従来の課題に鑑みなされたもので、意匠性が高
く、且つ偽造が困難である積層体を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、本発明
者らが鋭意検討した結果、ホログラム再生層とパール剤
印刷層を組み合わせた積層体は、見る角度によってホロ
グラム像又はパール剤印刷が変化し、カラーコピー等に
よる偽造が大変困難であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0005】本発明の第一の主題は即ち、基材層と、ホ
ログラム再生層と、パール剤印刷層とを含む各層よりな
り、基材層にホログラム再生層が積層し、該ホログラム
再生層の表層側にパール剤印刷層が配置しており、見る
角度によりホログラム像のみ、ホログラム像及びパール
剤印刷、パール剤印刷のみと三態様の見え方をすること
を特徴とする積層体である。前記積層体において、ホロ
グラム再生層に保護層が積層していることが好適であ
る。前記積層体において、その表層側に保護層が積層し
ていることが好適である。
【0006】前記積層体において、基材層が延伸性を持
つことが好適である。前記積層体において、基材層の延
伸性が塑性であることが好適である。前記積層体におい
て、基材層の延伸性が弾性であることが好適である。前
記積層体において、基材層側に粘着層を積層することが
好適である。本発明の第二の主題は、前記積層体を含む
ことを特徴とする開封確認用シール、偽造防止用シー
ル、意匠性シールである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の積層体について
詳細に説明する。本発明の積層体は、パール剤印刷層と
ホログラム再生層と、基材層とからなることを特徴と
し、ホログラムとパール剤印刷を組み合わせていること
から、意匠性が高く、また見る角度によって、ホログラ
ム像のみ、ホログラム像及びパール剤印刷層、パール剤
印刷層のみと三態様の見え方をするため偽造が大変困難
であるという特徴を持つ。
【0008】(1)第一実施形態 図1は本発明にかかる積層体の一実施形態を示した図で
ある。同図における積層体10は、基材層12にホログ
ラム再生層14が積層し、該ホログラム再生層14にパ
ール剤印刷層16が積層していることを特徴とする。
【0009】パール剤印刷層 パール剤印刷層は、ホログラム再生層が外部から見える
状態に保つために透明度の高い材料から構成されている
ことが好適である。図2にパール剤印刷層のパール光沢
が観察される仕組みを示す。パール剤印刷層部分とその
他の部分では光の反射率が異なる。その反射率の差によ
ってパール剤印刷層部分はパール光沢を示す。パール印
刷部分を真上から見る観察者22はその差を観察しにく
いが、反射光26、28の角度方向から見る観察者24
は観察可能である。
【0010】本発明に係るパール剤印刷層に用いられる
パール剤としては、二酸化チタン被覆雲母に代表される
干渉性鱗片状粉体を用いることが好適である。この干渉
性鱗片状粉体の母核となる鱗片状粉体としては、例えば
金属アルミニウム、金属チタン、ステンレスなどの粉
体、あるいは板状酸化鉄、板状シリカ、板状酸化チタ
ン、板状アルミナなどの無機板状酸化物、あるいは白雲
母、黒雲母、セリサイト、カオリナイト、タルク等の層
状化合物、PET樹脂膜、アクリル樹脂膜などの有機高
分子箔などが挙げられるが、これらに特に限定されるも
のではない。
【0011】これらの鱗片状粉体に干渉色を付与するに
は、鱗片状粉体の表面を金属酸化物で被覆することが一
般的であり、金属酸化物としては二酸化チタン、酸化
鉄、低次酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、酸
化アルミニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、チタン
酸コバルトなど、及びLiCoTiあるいはK
NiTiOなどの複合酸化物、あるいはこれらの金属
酸化物の混合物などが挙げられるが、干渉色を発現でき
る金属酸化物であれば、特にこれらに限定されるもので
はない。これらの金属酸化物の鱗片状粉体への被覆は、
これらの金属酸化物の有機塩や無機塩を、加熱あるいは
中和加水分解する方法あるいはCVDやPVDのような
蒸着操作によって行うことができる。
【0012】これらのパール剤表面は、必要に応じて有
機あるいは無機化合物によって表面処理を施してもよ
い。更に本発明に用いられるパール剤の使用法は特に制
限されず、干渉色が発現すればその他の着色剤との組み
合わせることも可能である。
【0013】パール剤印刷のデザインは、視覚に訴える
ことのできるもの全般を指し、内容的には特定の意味を
有するものでも、有しないものでもよく、機能的には、
デザイン、外観装飾を目的とするもの、又は情報伝達を
目的とするものでもよい。このような模様としては例え
ば、文字、数字、記号、図形、模様、地紋等の画像が挙
げられる。
【0014】ホログラム再生層 本発明のホログラム再生層は、ホログラム像を再生でき
るものであれば、特に制限されることがなく、従来用い
られているものを使用することができる。具体的には、
ホログラム像を光の干渉を利用して映し出すための凹凸
からなるホログラムエンボスを有するホログラム部と、
光反射性金属や高屈折率の金属酸化物を蒸着した反射部
から構成されているものが挙げられる。ホログラム部と
反射部を積層することによって、ホログラム部側から光
を当てると、ホログラム部を透過した光が反射部で反射
され、その反射光によってホログラム像が再生される。
【0015】ホログラムのデザインは、視覚に訴えるこ
とのできるもの全般を指し、内容的には特定の意味を有
するものでも、有しないものでもよく、機能的には、デ
ザイン、外観装飾を目的とするもの、又は情報伝達を目
的とするものでもよい。このような模様としては例え
ば、文字、数字、記号、図形、模様、地紋等の画像が挙
げられる。
【0016】図3はホログラムの一般的な製造方法とホ
ログラム像再生のしくみを示した図である。図3(a)
に示したように、ある物体32に干渉性を持つ光34を
照射し、物体からの反射光(以下、物体光38という)
を感光記録媒体36で記録する。感光記録媒体36で物
体光38を記録するときに物体の隣りに干渉性を持つ光
34と同じ波長の光を発する光源31などを置き、物体
を通さずに光を直接感光記録媒体36に送る。この光を
参照光42と呼ぶこととする。すると感光記録媒体36
には、物体光38と参照光42の重ね合わせによる干渉
図形が記録される。この干渉図形は、もとの物体とは全
く異なっており、細かい縞の不規則な図形となっている
が、物体光の振幅と位相両方の完全な情報が含まれてい
る。
【0017】前記感光記録媒体36を現像し、図3
(b)に示すように、感光記録媒体36を現像したホロ
グラム36’に向かって、参照光42と同じ角度から同
じ波長の再生光44を照射すると、干渉図形が記録され
たフィルムを透過した光は物体32の像46を再生させ
るものとなり、観察者48はあたかもそこに物体32が
存在するかのように像46を観察することができる。本
発明では、図3(c)に示すようにホログラム裏面に反
射部40を設けて、表面側から照射した光を裏面から反
射させることによってホログラム像46を再生させてい
る。
【0018】図4はホログラムの再生像と物体光と参照
光の角度の関係を説明する図である。図4(a)のよう
に例えば物体52のホログラム像記録時に物体光54と
参照光56の角度を20度で記録したとする。このとき
ホログラムを再生し得る再生光の入射許容角度が参照光
の入射角度の±5度であったとする。このように製造さ
れたホログラムは、図4(b)に示すように図4(a)
の参照光56と同じ角度の±5度の範囲から再生光58
を照射したときには、図4(a)において記録された物
体52の再生映像60が再生される。しかしながら、参
照光56と同じ角度の±5度の範囲外から再生光62を
照射したときには、図4(a)において記録された物体
52の再生映像は再生されない。
【0019】よって、本発明においてはホログラム再生
映像が再生しうる角度が、パール剤印刷の観察されうる
角度と異なるように調整することが好ましい。すると見
る角度によって、ホログラム像単独、ホログラム像とパ
ール剤印刷の両方、パール剤印刷単独、との三態様の見
え方をする(図5)。観察者64は、ホログラム像のみ
が観察可能であり、パール剤印刷によって描かれた図柄
は確認できない。観察者66は、パール剤によって描か
れた文字や図形のみが観察可能であり、ホログラム像は
確認できない。観察者68は、ホログラム像、パール剤
印刷共に観察できる。
【0020】基材層 基材層は、積層される他の層を支持しうるものであり、
この目的を達成し得る強度、耐熱性、表面性を有する材
料が選ばれる。基材層はまた、単一構造でも多層構造で
もよい。また、基材層に直接ホログラムを形成し、ホロ
グラム再生層と、基材層とを兼ねることもできる。
【0021】本発明の積層体は、ホログラムとパール剤
との組み合わせによる意匠性が高く、且つ見る角度によ
り像が変化するため、該パターンを複写すること及び複
製を作成することが大変困難となり、偽造防止に役立
つ。
【0022】また、基材層12側に粘着層18を積層さ
せることで、本発明の積層体を被着体に貼付して用いる
ことができ、開封確認用シール、偽造防止用シール、あ
るいは意匠性シール等として使用することができる(図
6)。本発明において粘着層としては、アクリル系、ゴ
ム系等の一般的な粘着剤が広く使用できる。また、粘着
層の表面を保護するために、剥離紙を粘着層側に積層さ
せることが好適である。本発明において剥離紙として
は、シリコーン系樹脂、ワックス、パラフィン類等を紙
又はフィルム等の基材に塗工したものが用いられる。ま
た粘着性を持つ被着体に適用する場合、粘着層は必ずし
も必要ではない。
【0023】本発明の第一実施形態の積層体を開封確認
用シール、偽造防止用シール、あるいは意匠性シール等
として使用する場合、基材層は延伸性を持つことが好適
である。基材層を延伸性素材とすることにより、積層体
は延伸性を持ち、従来密着が困難であった曲面等に対し
ても十分な密着性を発揮することができる。なお、本発
明において、「延伸する」とは図7のように層と平行な
方向へ平面的に伸びることを意味する。
【0024】本発明において、基材層として用いる延伸
性素材としては、特に制限されないが、延伸性樹脂を用
いることが好適である。例えばポリウレタン樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、シリコーン樹脂等が使用
できる。これらの樹脂の中でもポリウレタン樹脂が好適
である。樹脂中に、顔料、染料等を添加することで、基
材層を着色することもできる。また、必要に応じて硬化
剤を添加し強度・伸びを調製することができる。
【0025】開封確認用シール、偽造防止用シール 本発明の第一実施形態の積層体を開封確認用シール、偽
造防止用シール等として用いる場合、延伸性基材層は弾
性を持つことが好適である。基材層が弾性を持つ場合、
被着体30からの剥離時に積層体10が延伸し(図
7)、ホログラムが破壊し、剥離後も元に戻らないの
で、積層体の延伸、ホログラムの破壊の有無により、シ
ール剥離の有無を確認することができる。この場合、伸
び率は20〜500%が好ましく、特に50〜200%
が最適である。伸び率が20%以下であると、積層体の
延伸、ホログラムの破壊が判別しにくく、500%以上
であると、剥離時に取り扱いが困難である。
【0026】なお、本発明において、伸び率とは、1N
/cmの力で引っ張った時の試験片上の標点間に生じた
伸びと原標点距離との比の百分率を意味する。また本発
明において、引っ張り方向に延伸させた後、引っ張り張
力を取り去った時の変形率が5%未満である場合を弾性
とし、5%以上である場合を塑性とする。
【0027】意匠性シール 意匠性シール等として用いる場合、延伸性基材層は塑性
を持つことが好適である。基材層が塑性を持つ場合、延
伸しても元に戻るので、貼付中に多少の動きに対して
も、ホログラムが破壊されることがないという利点を持
つ。伸び率は2〜20%が好ましく、特に5〜10%が
最適である。伸び率が2%以下であると、延伸性素材を
用いる効果が発揮されにくく、20%以上であると、貼
付中にホログラムが破壊する恐れがある。
【0028】(2)第二実施形態 図8は保護層を積層させた本発明の積層体の一実施形態
である(第二実施形態)。同図における積層体は、基材
層12に、ホログラム再生層14が積層し、該ホログラ
ム再生層14に保護層20が積層し、該保護層20にパ
ール剤印刷層16が積層していることを特徴とする。す
なわち、第一実施形態の積層体のホログラム再生層に保
護層が積層した積層体である。保護層は積層体表面を保
護すると共に、積層体全体の機械的強度を上げる働きを
する。保護層は単一構造でも多層構造でもよい。また、
保護層に直接ホログラムを形成することで、保護層とホ
ログラム再生層とを兼ねることもできる。
【0029】同図における積層体において、保護層はホ
ログラムが外部から見える状態に保つために透明度の高
い材料から構成されていることが好ましい。保護層の材
質としては、透明度の高い材料であれば特に制限される
ことはないが、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等を用い
ることができる。
【0030】図8に示される積層体もまた、基材層側に
粘着層を積層させることで、被着体に貼付して用いるこ
とができ、開封確認用シール、偽造防止用シール、ある
いは意匠性シール等として使用することができる。保護
層を積層することにより、積層体の機械的強度が上が
り、貼付時に積層体が延伸するのを防止することができ
る。
【0031】開封確認用シール、偽造防止用シール 本発明の第二実施形態の積層体を開封確認用シール、偽
造防止用シール等として用いる場合には、基材層12の
延伸を妨げないよう被着体30と粘着層18の粘着力を
保護層20とホログラム再生層14との粘着力より強く
し、被着体30からの剥離時に保護層20がホログラム
再生層14から分離されるよう調節することが好適であ
る(図9)。すると貼付時には積層体が延伸することな
く、被着体30からの剥離時に保護層20がホログラム
再生層14より分離し、基材層12が延伸し、ホログラ
ムが破壊することにより、シール剥離の有無が確認でき
る。被着体と粘着層との粘着力は1〜10N/cm、保
護層とホログラム再生層との粘着力は0.01〜0.5
N/cm、特に0.04〜0.3N/cmにすることが
好適である。
【0032】(3)第三実施形態 図10は保護層を積層させた本発明にかかる積層体の別
の実施形態である(第三実施形態)。同図における積層
体は、基材層12に、ホログラム再生層14が積層し、
該ホログラム再生層14にパール剤印刷層16が積層
し、さらにその表層側に保護層20が積層していること
を特徴とする。即ち第一実施形態の積層体の表層にさら
に保護層が積層した積層体である。保護層は積層体表面
を保護すると共に、積層体全体の機械的強度を上げる働
きをする。保護層は単一構造でも、多層構造でもよい。
保護層の材質としては、特に制限されないがポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂等を用いることができる。
【0033】図10に示される積層体もまた、基材層側
に粘着層を積層させること、又は粘着性を持つ被着体に
適用することで、被着体に貼付して用いることができ、
開封確認用シール、偽造防止用シール、あるいは意匠性
シール等として使用することができる。第三実施形態で
は保護層は、貼付後に除去して用いることも、貼付中残
存させたまま用いることもできる。前者の場合、保護層
は必ずしも透明度の高い材料から構成されている必要は
なく、後者の場合、保護層はホログラムが外部から見え
る状態に保つために透明度の高い材料から構成されてい
ることが好ましい。
【0034】開封確認用シール、偽造防止用シール 保護層を積層体貼付後に除去して開封確認用シール、偽
造防止用シール等として用いる場合には、保護層が除去
しやすいよう保護層と下層との粘着力を調節することが
好ましく、0.01〜0.5N/cm、特に0.04〜
0.3N/cmにすることが好適である。0.01N/
cmより小さいと、シール貼付時に保護層が分離してし
まう恐れがあり、0.5N/cmより大きいと、保護層
が除去しにくくシール表面を損傷してしまう恐れがあ
る。保護層を積層することで、積層体全体の機械的強度
が上がり、被着体に貼付時に延伸してしまうのを防止
し、さらに貼付後は保護層を除去するので、積層体は剥
離時に延伸し、ホログラムの破壊が起こるため、シール
剥離の確認ができる。
【0035】保護層を貼付中残存させたまま、開封確認
用シール等として用いる場合には、被着体と粘着層との
粘着力を保護層と下層との粘着力より強くなるよう調節
して、剥離時に保護層が分離されるようにすることが好
適である。貼付時には積層体が延伸することなく、剥離
時に保護層が下層より分離し、基材層が延伸し、ホログ
ラムが破壊することにより、開封が確認できる。被着体
と粘着層との粘着力は1〜10N/cm、保護層と下層
との粘着力は0.01〜0.5N/cm、特に0.04
〜0.3N/cmにすることが好適である。
【0036】意匠性シール 保護層を積層体貼付後に除去して意匠性シール等として
用いる場合には、保護層が除去しやすいよう保護層と下
層との粘着力を調節することが好ましく、0.01〜
0.5N/cm、特に0.04〜0.3N/cmにする
ことが好適である。0.01N/cmより小さいと、シ
ール貼付時に保護層が分離してしまう恐れがあり、0.
5N/cmより大きいと、保護層が除去しにくくシール
表面を損傷してしまう恐れがある。保護層を積層するこ
とで、積層体全体の機械的強度が上がり、被着体に貼付
時に延伸してしまうのを防止し、さらに貼付後は保護層
を除去するので、基材層の延伸が妨げられず、貼付中の
多少の動きに対しても、十分な密着性を発揮することが
できる。
【0037】また、本発明の積層体及び積層シールの形
状については特に制限されず、使用目的に合わせ、形状
を適宜選択することになり、例えば円形、楕円形、短冊
形、多角形等の形状で使用される。
【0038】本発明における積層体は、使用目的に合わ
せ、接着性、耐熱性、耐候性、耐薬品性などを考慮し
て、適当な材料を選び各層を形成することで、単独で用
いたり、あるいは積層シールとして上質紙、アート紙、
ミラーコート紙、和紙、粗面紙、E段など一般印刷、U
V印刷、UVニス、UVコート紙、プレスコート、PV
C、PP、PETなどによる各種ラミネート紙などの紙
や、軟質、硬質、発泡ビニールなどのビニール、AB
S、AS、HiPS、AC、PP、PETなどのプラス
チック、上製本、アルバム、Tシャツ、布製品などの各
種繊維、皮革、ガラス、金属、木工など各種素材に用い
ることが可能である。なお本発明を用い得る素材として
はここに挙げたもののみに限られるものではない。
【0039】
【発明の効果】本発明の積層体を用いれば、意匠性が高
く、且つ偽造が困難である積層体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる積層体の一実施形態を示した図
である。
【図2】パール印刷が観察される仕組みを示した図であ
る。
【図3】ホログラムの一般的な製造方法とホログラム像
再生の仕組みを示した図である。
【図4】ホログラムの再生像と物体光と参照光の角度の
関係を説明するための図である。
【図5】本発明にかかる積層体の見る角度による三態様
の見え方を示した図である。
【図6】本発明にかかる粘着層を積層した積層体の一実
施形態を示した図である。
【図7】本発明にかかる積層体が剥離時に延伸する様子
を示した図である。
【図8】本発明にかかる保護層を積層した積層体の一実
施形態を示した図である。
【図9】本発明にかかる積層体剥離時に保護層が剥離す
る様子を示した図である。
【図10】本発明にかかる保護層を積層した積層体の一
実施形態を示した図である。
【符号の説明】10 積層体 12 基材層 14 ホログラム再生層 16 パール剤印刷層 18 粘着層 20 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B42D 15/10 501 B42D 15/10 501G 501P G03H 1/18 G03H 1/18 G09F 19/12 G09F 19/12 L 19/14 19/14 (72)発明者 佐久間 健一 神奈川県横浜市都筑区早渕2丁目2番1号 株式会社資生堂リサーチセンター(新横 浜)内 (72)発明者 和田 正良 神奈川県横浜市都筑区早渕2丁目2番1号 株式会社資生堂リサーチセンター(新横 浜)内 (72)発明者 大澤 哲之 神奈川県横浜市都筑区早渕2丁目2番1号 株式会社資生堂リサーチセンター(新横 浜)内 (72)発明者 木村 朝 神奈川県横浜市都筑区早渕2丁目2番1号 株式会社資生堂リサーチセンター(新横 浜)内 Fターム(参考) 2C005 HA01 HA06 HB10 HB20 JB08 JB22 KA03 KA37 KA40 KA61 WA15 2K008 AA13 BB04 CC01 EE04 FF12 FF13 4F100 AA19C AA20C AA21C AA23C AB04C AB12C AC05C AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C DE02C GB90 HB31C JB16A JK07A JK08A JN30B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材層と、ホログラム再生層と、パール剤
    印刷層とを含む各層よりなり、基材層にホログラム再生
    層が積層し、 該ホログラム再生層の表層側にパール剤印刷層が配置し
    ており、見る角度によりホログラム像のみ、ホログラム
    像及びパール剤印刷、パール剤印刷のみと三態様の見え
    方をすることを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の積層体において、ホログ
    ラム再生層に保護層が積層していることを特徴とする積
    層体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の積層体において、その表
    層側に保護層が積層していることを特徴とする積層体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の積層体に
    おいて、基材層が延伸性を持つことを特徴とする積層
    体。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の積層体において、基材層
    の延伸性が塑性であることを特徴とする積層体。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の積層体において、基材層
    の延伸性が弾性であることを特徴とする積層体。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の積層体に
    おいて、基材層側に粘着層を積層することを特徴とする
    積層体。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の積層体を
    含むことを特徴とする開封確認用シール。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかに記載の積層体を
    含むことを特徴とする偽造防止用シール。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれかに記載の積層体
    を含むことを特徴とする意匠性シール。
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