JP2008158141A - ホログラム転写箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】
美麗で高輝度の金属光沢ホログラム又は透明ホログラムの光回折効果が得られ、また、成形品などの被転写面が曲面、不規則形状面の非平面への転写できるホログラム転写箔を提供する。
【解決手段】
水溶性の基材11、ホログラム層15、反射層16及び膨潤性の接着層19が順次積層されてなり、接着層へ膨潤化液を塗布し、液体上に浮かべ、塗布面に向つて上方から曲面を有する被転写体の一部ないし全部を液面下に沈降させた後、被転写体を液体内より取り出し、基材を被転写体表面から除去する液圧転写方法に用いることを特徴とし、反射層16が酸化チタン薄膜と高輝度インキ層の2層からなることも特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、接着層を膨潤させうる溶剤を含む膨潤化液を塗布し、次いで乾燥前に、前記塗布面を上にして液体上に浮かべ、しかる後、上記塗布面に向つて上方から曲面を有する被転写体を下降させてその一部ないし全部を液面下に沈降させた後、被転写体を液体内より取り出し、さらに基材を被転写体表面から除去するる液圧転写方法に用いるホログラム転写箔に関し、さらに詳しくは、前記基材と、該基材の一方の面にホログラム層、反射層及び接着層が順次積層されてなり、前記基材が水溶性であり、前記接着層が膨潤性であるホログラム転写箔に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PVA」は「ポリビニルアルコール」、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、「LDPE」は「低密度ポリエチレン」、「スタンパ」は「金型」、「UV」は「紫外線」、「カールフィット法」は「大日本印刷社、登録商標、曲面液圧転写方法」、の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(主なる用途)本発明のホログラム転写箔を用いて、平面及び/又は曲面へ液圧転写した成形品の主なる用途としては、成形品の被転写面が曲面、不規則形状面等の非平面であつても任意のホログラムを転写できるので、プラスチック製掛時計ケース、テレビ、ラジオのキャビネットなど電気製品、家具、ステショナリー、日用品等などのものである。
しかしながら、被転写面が平面及び/又は曲面や不規則形状面などの非平面を有するものにホログラムを転写する用途であれば、特に限定されるものではない。
(背景技術)美麗で高輝度で、特異な高意匠性を有し、また製造の困難性もあり、セキュリティ性の優れるホログラムは、ホログラム転写箔やホログラムラベルとして、多くのものに転写や貼着されている。従来、ホログラム転写箔は、真空成膜法で金属の薄膜を全面に形成して反射層とした金属光沢のホログラムが知られている。しかしながら、金属反射層では銀色などの金属光沢で極めて明るいホログラムが提供されているが、成形品などの被転写面が曲面や不規則形状面の非平面へ転写すると、ホログラム効果が減じて、外観が著しく劣化し、時には全くホログラムが観察できなくなってしまうという問題があった。
従って、ホログラム転写箔は、金属光沢ホログラム又は透明ホログラムの光回折効果が得られ、また、成形品などの被転写面が曲面、不規則形状面の非平面への転写できるホログラム転写箔が求められている。
(先行技術)従来、ホログラム転写箔は、真空成膜法で金属薄膜の全面反射層を設けるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、該ホログラム転写箔は平面にしか転写することが出来ず、仮に成形品などの被転写面が曲面、不規則形状面の非平面へ転写すると、反射層面にヒビ割れ(クラック)やムラが入ったりして、光が乱反射してホログラムが白化したりして、ホログラム効果が減じて、外観が著しく劣化し、時には全くホログラムが観察できなくなってしまう。
さらに、本出願人は、接着層を膨潤させうる溶剤を含む膨潤化液を塗布し、次いで乾燥前に、前記塗布面を上にして液体上に浮かべ、しかる後、上記塗布面に向つて上方から曲面を有する被転写体を下降させてその一部ないし全部を液面下に沈降させた後、被転写体を液体内より取り出し、さらに上記基材を被転写体表面から除去する曲面印刷方法(以下、カールフィット法という)を開示している(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、転写するのは多色印刷層であり、ホログラムの転写についての記載や示唆はない。
さらにまた、本出願人は、反射層として高輝度インキ層を用いたもの、及び透明反射層と高輝度インキ層を併用したものを開示している(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、反射層として高輝度インキ層のみを用いたものでは、実用上支障は少ないものの金属反射層並みの光回折効果が得られず、また、透明反射層と高輝度インキ層を併用したものについては、成形品などの被転写面が曲面、不規則形状面の非平面への転写についての記載はなく、特許文献2〜3の欠点を解消し、基材と接着層の材料を限定することで、本発明に至ったものである。
特許第2877968号公報 特開昭54−33115号公報 特開2003−285599号公報
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、美麗で高輝度の金属光沢ホログラム又は透明ホログラムの光回折効果が得られ、また、成形品などの被転写面が曲面、不規則形状面の非平面への転写できるホログラム転写箔を提供することである。
上記の課題を解決するために、
請求項1の発明に係わるホログラム転写箔は、接着層を膨潤させうる溶剤を含む膨潤化液を塗布し、次いで乾燥前に、前記塗布面を上にして液体上に浮かべ、しかる後、上記塗布面に向つて上方から曲面を有する被転写体を下降させてその一部ないし全部を液面下に沈降させた後、被転写体を液体内より取り出し、さらに基材を被転写体表面から除去するる液圧転写方法に用いるホログラム転写箔であって、前記基材と、該基材の一方の面にホログラム層、反射層及び接着層が順次積層されてなり、前記基材が水溶性であり、前記接着層が膨潤性であるように、したものである。
請求項2の発明に係わるホログラム転写箔は、上記反射層が、金属薄膜又は酸化チタン薄膜であるように、したものである。
請求項3の発明に係わるホログラム転写箔は、上記反射層が、酸化チタン薄膜と少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート又はセルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片を含む高輝度インキ層の2層からなるように、したものである。
請求項1の本発明によれば、金属光沢ホログラム又は透明ホログラムの光回折効果が得られ、また、成形品などの被転写面が曲面、不規則形状面の非平面への転写できるホログラム転写箔が提供される。
請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、金属光沢又は透明ホログラムの光回折効果が得られるホログラム転写箔が提供される。
請求項3の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、より大きな曲面を有する被転写体でも、金属光沢ホログラムの光回折効果が得られるホログラム転写箔が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示すホログラム転写箔の断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示すホログラム転写箔の断面図である。
図3は、被転写体へホログラム転写箔を用いて液圧転写した断面図である。
(ホログラム転写箔)本発明のホログラム転写箔1は、成形品などの被転写面が曲面、不規則形状面の非平面への転写す液圧転写方法(カールフィット法)に用いることができるもので、図1に示すように、基材11として水溶性の基材を用い、接着層19が膨潤性の接着層を用い、基材11の一方の面に、ホログラム層15、反射層16及び接着層19を設け、基材11/ホログラム層15/反射層16/接着層19の層構成とする。反射層16として金属光沢の金属薄膜層を用いると金属光沢ホログラムとなり、反射層16として透明反射層17を用いると透明ホログラムとなって、美麗、高輝度の意匠性及び/又はセキュリティ性に優れる金属光沢ホログラム又は透明ホログラムを観察できる。
また、好ましくは、反射層16として透明反射層17と高輝度インキ層18の2層とする。図2に示すように、反射層16を耐熱性の高い酸化チタン薄膜からなる透明反射層17と少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート又はセルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片を含む高輝度インキ層18の2層とすると、透明反射層17と高輝度インキ層18との相乗効果で明るい金属様光沢ホログラムとなり、また、透明反射層17に耐熱性が高く、屈折率も高い酸化チタン薄膜を用いることで、例え若干のひび割れ(クラック)が入っても透明で目立たず、クラック部分の反射性はその下部の高輝度インキ層18の反射で代替され反射性が維持されているために、明るい金属様光沢のホログラムを観察することができる。
本発明のホログラム転写箔1を用いて液圧転写方法(カールフィット法)で成形品などの被転写面が曲面や不規則形状面の非平面へ転写した際に、非平面へ転写されたホログラム層15/反射層16/接着層19の層は曲面に応じて伸縮を受けるが、上記の作用で反射性が維持されているために、明るい金属様光沢のホログラムを観察することができる。もちろん、被転写体の転写面が平面であってもよく、より良好に転写することができるので範囲内である。
しかも、その製造についても、従来の真空成膜法による酸化チタン薄膜による透明反射層以外は、既存設備での印刷法により形成可能で、小ロット生産にも対応でき、低コストで生産することができる。
(液圧転写方法)液圧転写方法(カールフィット法)とは、水圧などの液圧を利用する転写印刷方法で、(1)接着層を膨潤させうる溶剤を含む膨潤化液を塗布し、(2)次いで乾燥前に、前記塗布面を上にして液体上に浮かべ、(3)しかる後、上記塗布面に向つて上方から曲面を有する被転写体を下降させてその一部ないし全部を液面下に沈降させた後、被転写体を液体内より取り出し、(4)さらに上記基材を被転写体表面から除去する方法で、詳しくは、特開昭54−33115号公報で、曲面印刷方法として、本出願人が開示している。
(基材)基材11としては、転写時に液体上で十分膨潤し、かつホログラム加工適性を有し、さらに転写性、すなわち被転写体の曲面に対し、充分にまつわりつく性質を有するものが用いられる。例えば、デキストリン、ゼラチン、にかわ、力ティン、セラツク、アラビアゴム、澱粉、蛋白、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと一無水マレイン酸の共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸の共重合体、ポリビニルピロドリン、あるいはセルロース、アセチルセルロース、アセチルブチルセルローセ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、アルギン酸ソーダなどが単独でまたは混合して用いられる。
上記基材11は10〜100μ、好ましくは20〜60μの厚さのものが適用される。転写の行なわれる液体には水を用いることが最も実用的であり、従つて、この場合、上記薄膜フィルムには水溶性フィルムを用いることが望ましい。水溶性フィルムの好ましい例としては、上記のうち、澱粉系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、ポリビニルアルコールど澱粉との混合系からなるフィルム、あるいは上記材料を紙、不織布、各種多孔質フィルムなどの液体浸透性のあるベースにコーティングしたフィルムあるいはラミネートしたフィルムが挙げられる。
(ホログラム層)ホログラム層15としては、無色または着色された透明または半透明なもので、単層であっても多層状であってもよく、凹凸を注型や型押しで再現できる熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、あるいは、光回折パターン情報に応じて硬化部と未硬化部とを成形することができる感光性樹脂組成物が利用できる。具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、アクリル(ポリメチルメタクリレート)、ポリスチレン、またはポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、またはトリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂であり、それぞれの単独、熱可塑性樹脂どうし、または熱硬化性樹脂同志の混合、もしくは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合等であってもよい。ラジカル重合性不飽和基を有し、熱成形性を有するものや、ラジカル重合性不飽和モノマーを添加した電離放射線硬化性樹脂組成物も利用できる。
電離放射線硬化樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が適用でき、好ましくはウレタン変性アクリレート樹脂である。
また、好ましくは、ホログラム層15の材料としては、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂(本明細書では「電離放射線硬化性樹脂組成物M」と呼称する)、反応性シリコーン及びポリエチレンワックスを含むようにする。さらに好ましくは、(メタ)アクリレートオリゴマーも含ませて硬化させる。該組成物を塗布し乾燥して、ホログラム機能を発現する微細な凹凸レリーフを賦型した後に、電離放射線で硬化させればよい。電離放射線硬化性樹脂は架橋性樹脂ともいわれ、他の層でも同様である。
(電離放射線硬化性樹脂組成物M)「電離放射線硬化性樹脂組成物M」としては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂などが例示でき、実施例でも述べる。即ち、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物である。
((メタ)アクリレートオリゴマー)(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、耐熱性のあるオリゴマーであればよく、例えば、日本合成化学社の商品名;紫光6630B、7510B、7630Bなどが例示できる。ホログラム層15に(メタ)アクリレートオリゴマーを含ませることで伸縮性が向上し、液圧転写方法(カールフィット法)で成形品などの非平面へ転写されたホログラム層15層は曲面に応じて伸縮を受け入れられる。しかしながら、透明反射層17の酸化チタン薄膜は伸縮性に乏しいが、例え若干のひび割れ(クラック)が入っても透明で目立たず、クラック部分の反射性はその下部の伸縮性のある高輝度インキ層18の反射で代替され反射性が維持されているために、明るい金属様光沢のホログラムを観察することができるのである。
(ポリエチレンワックス)ポリエチレンワックスとしては、ポリエチレン系樹脂の粒子やビーズが挙げられるが、好ましくは球状ビーズである。但し、ポリエチレンワックスを添加すると、箔切れ性は低下するので、その添加量は、電離放射線硬化樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部程度、好ましくは0.1〜5質量部とする。
(反応性シリコーン)反応性シリコーンとしては、電離放射線で硬化時に樹脂と反応し結合して一体化するもので、アクリル変性、メタクリル変性、又はエポキシ変性などで変性した反応性シリコーンで、該反応性シリコーンを含有させる質量基準での割合としては「電離放射線硬化性樹脂組成物M」100に対して、0.1〜10部程度、好ましくは0.3〜5部である。この範囲未満ではレリーフの賦型時にプレススタンパとの剥離が不十分であり、プレススタンパの汚染を防止することが困難で賦型性が悪い。また、この範囲を超えてはホログラム層面への反射層の密着性が低く、ホログラム層と反射層との間で剥離し商品価値を失ってしまう。従来のシリコーンオイルの添加では、反射層との密着性が悪い。
このように、ホログラム層15には、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」、必要に応じて(メタ)アクリレートオリゴマー、反応性シリコーン、及びポリエチレンワックスを含ませることで、レリーフの賦型性がよく光回折効果が高く、かつ、ハードコート機能を兼ねさせることができる。特にポリエチレンワックスを含有させることで、耐擦傷性(耐スクラッチ性)が著しく向上する。
(1)電離放射線硬化前の塗布状態のホログラム層15の塗膜は指乾状態でべとつかず、ブロッキングせずに巻き取ることができるので、ロールツーロール加工ができる。(2)ホログラム層15へは反応性シリコーンを含ませると、塗布表面に集まりスタンパの凹凸からの剥離がよく賦型性が向上して、レリーフ構造を容易に賦型でき、賦型後には電離放射線で硬化すれば反応性シリコーンも硬化する。(3)ポリエチレンワックスを含ませることで、転写後にはホログラム層15が最表面層となるが、極めて過酷な環境での使用、長期間にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤、機械的な摩擦、及び摩耗から被着体に設けられた画像を保護し、傷付きにくく耐久性に優れる。
(ホログラム層の形成)ホログラム層15は、上記の電離放射線硬化性樹脂、必要に応じて(メタ)アクリレートオリゴマー、反応性シリコーン、及びポリエチレンワックスを含ませ、さらに必要に応じて光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。ホログラム層15の厚さとしては、通常は0.5μm〜20μm程度、好ましくは1μm〜10m程度であり、複数回の塗布でもよい。
(ホログラム)次に、ホログラム層15の表面には、ホログラムなどの光回折効果の発現する所定のレリーフ構造を賦型し、硬化させる。ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。レリーフ形状は凹凸形状であり、特に限定されるものではなく、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものでもよく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
これらのレリーフ形状の作製方法としてはホログラム撮影記録手段を利用して作製されたホログラムや回折格子の他に、干渉や回折という光学計算に基づいて電子線描画装置等を用いて作製されたホログラムや回折格子をあげることもできる。また、ヘアライン柄や万線柄のような比較的大きなパターンなどは機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画装置を用いてパターン作製する電子線描画法をなどが適用できる。
(レリーフの賦型)ホログラム層15面へ、上記のレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する。ホログラムの賦型は、公知の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。
(レリーフの硬化)ホログラム層15は、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(ホログラム層15)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
(レリーフの絵柄)ホログラム層15の絵柄は、特に限定されないが、個別の絵柄でも、擬似連続絵柄でもよい。擬似連続絵柄はプレス型を作成する際に、小さなレリーフ版の複数を、精度よく突合せてつなぎ目を目立たなくしたり、つなぎ目を樹脂で埋めたりすればよい。このように、擬似連続絵柄とすることで、できるだけ大きな面積、又は好ましくは全面とすることもできる。個別の絵柄の場合には絵柄と絵柄に同調した見当合わせマークを形成しておき、被着体の所望の位置へ転写すればよい。
(反射層)ホログラム層15に設けた光回折パターン(レリーフ構造で、ホログラム効果を持つ)面に、反射層17を設けることにより、ホログラムの再生像及び/又は回折格子が明瞭に視認できるようになる。反射層17としては、金属薄膜などの金属の反射層17、又はホログラム層15と屈折率に差のある酸化チタン薄膜などの透明金属化合物などの透明反射層16が適用できる。
金属の反射層17としては、金属光沢を有し光を反射する金属元素の薄膜で、蒸着、スパッタリングにより得られるが、その他、メッキなどによっても形成できる。光反射層25の金属の薄膜としては、アルミニウム、クロム、ニッケル、金、銀などが特に好ましく、光回折構造層24面に、200オングストローム、あるいはそれ以上の厚みになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどで設ける。
(透明反射層)透明反射層16は、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、ホログラム層15よりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したもの等が挙げられる。好ましくは、耐熱性及び屈折率差の大きい点で酸化チタン(TiO2)である。
透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、ホログラム層15のレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。
(透明反射層と高輝度インキ層)また、好ましくは、透明反射層と高輝度インキ層の2層からなる反射層である。透明反射層16としては、上記と同じでよく、例えば、ホログラム層15よりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、ZnS、TiO2、Al23などがある。好ましくは、耐熱性及び屈折率差の大きい点で酸化チタン(TiO2)である。
(高輝度インキ層)高輝度インキ層18を透明反射層16面へ設けることにより、ホログラムの再生像および/または回折格子が明瞭に視認できるようになる。従来、金属光沢の反射層としては、通常、特殊機能を発揮させるものを除いては、真空蒸着法で形成したアルミニウムの金属薄膜が用いられてきた。他の、例えば、圧延法のアルミニウム箔では、真空薄膜法の金属薄膜ほどの金属光沢が、得られなかった。また、他の金属では、色調を帯びていたり、高コストためである。このように、真空蒸着法のアルミニウム薄膜が、実際に実用されている汎用用途では、全てと言って良いほどに、また、長期間にわたって用いられてきた。
また、従来からも、金属光沢を付与する印刷インキがあったが、該インキはアルミニウムペーストやアルミニウム粉等の金属顔料を用いた、シルバーまたはゴールド等のメタリック調印刷インキである。アルミニウムペーストには、リーフィングタイプとノンリーフィングタイプがあるが、いずれを用いても、真空薄膜法の金属薄膜の金属光沢には、はるかに及ばなかった。さらにまた、蒸着アルミニウム薄膜を粉砕した粉末を用いたインキがあったが、表面処理が異なり分散性が悪く、十分な高輝度が得られなかった。
ところが、本発明では、透明反射層15、及び、少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート又はセルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片を含有させた高輝度インキを用いて印刷したメタリックインキ層(高輝度インキ層18)と併用することで、高温や曲げても白化しにくく、明るいホログラム転写箔となることを見出した。
該メタリックインキ層は、金属光沢様(メタリック調)を付与する印刷インキを用いた印刷層であり、少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート又はセルロース誘導体で表面処理されている蒸着金属膜を粉砕した蒸着金属膜細片を含有させた高輝度インキを用いた印刷層である。印刷法なので、部分的に設けてもよく、高輝度インキ反射層を既存の印刷設備で安価に製造することができる。金属薄膜片とバインダとからなる高輝度インキを用いたメタリック印刷層17を透明反射層15面へ印刷することで、よりメタリック調の高輝度を発揮でき、光回折画像の反射層とする。また、意匠性が高く、かつ、目視で容易に真偽が判定できてセキュリティ性も高まり、小ロット生産にも対応でき、また、コストも低くできるという著しい効果を発揮する。また、高輝度インキ層18とは印刷法なので、他の印刷層があればこの印刷絵柄に同調させて、高輝度インキ層を設けることが容易である。印刷絵柄と同調するように設けることで、より一層意匠効果が高まる。部分的とは、文字、数字、記号、イラスト、模様、写真などのすべての絵柄が使用できる。
また、従来の真空蒸着法で形成したアルミニウムの金属薄膜は、十分な金属光沢が得られる。しかしながら、意匠的に高めるために、部分的なアルミニウムの金属薄膜を設けるには、一旦、真空成膜法でアルミニウム金属薄膜を全面に設けた後に、別工程で、レジストを印刷しエッチングするので、コストが非常に高く、また、製造工程が多くなって小ロット生産に向かない。しかも、高温や曲げられると、白化するという欠点がある。
(高輝度インキ)透明反射層16、及び高輝度インキ層18の2層とすることで、明るいホログラム層15からの光回折画像が視認できるようになる。該高輝度インキとしては、金属蒸着膜に匹敵する金属光沢を有する高輝度インキで、金属蒸着膜細片の表面を有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート又はセルロース誘導体で処理して、インキ中への分散性を向上させて、インキ塗膜の金属光沢を高輝度としたものである。該インキは、有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片、バインダ、添加剤、及び溶剤からなり、必要に応じてグラビアインキ、スクリーンインキ、又はフレキソインキ化すればよい。
金属蒸着膜細片の金属としては、アルミニウムが適用できるが、必要に応じて、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等も使用できる。金属蒸着膜の厚さは、0.01〜0.1μmが好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.08μmであり、インキ中に分散させた金属蒸着膜細片の大きさは、5〜25μmが好ましく、さらに好ましくは10〜15μmである。大きさが、この範囲未満の場合はインキ塗膜の輝度が不十分となり、この範囲を超えると、グラビア版のセルに入りにくく、またスクリーン版が目詰まりし易く、印刷塗膜の光沢が低下する。
金属蒸着膜細片は、まず、ポリエステルフィルム/剥離層/蒸着膜/表面の酸化防止トップコート層からなる蒸着フィルムを作成する。剥離層、トップコート層は、特に限定されないが、例えば、セルロース誘導体、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレンなどが適用できる。上記蒸着フィルムを、溶剤中に浸積して、金属蒸着膜を剥離、撹拌、濾別、乾燥して、金属蒸着膜細片を得る。該金属蒸着膜細片を温度10〜35℃、30分程度、撹拌しながら、有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、又はセルロース誘導体溶液を加え、金属蒸着膜細片の表面に有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート又はセルロース誘導体を吸着させて、金属蒸着膜細片の表面処理を行う。セルロース誘導体としては、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース等が適用できる。セルロース誘導体の添加量は、金属がアルミニウムの場合は、蒸着膜細片に対して1〜20質量%が好ましい。
該表面処理の後、金属蒸着膜細片を分離、又は金属蒸着膜細片スラリーをそのまま、バインダ及び溶剤へ配合、分散させてインキ化する。該バインダとしては、公知のインキ使われているものでよく、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セラック、アルキッド樹脂等がある。該インキには、必要に応じて、着色用顔料、染料、ワックス、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、消泡剤、キレート化剤などの添加剤を添加してもよい。インキの溶剤は、公知のインキ用溶剤を使用することができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、メタノール、エタノール、IPA等のアルコール類、アセトン、MEK等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等がある。
また、通常のインキは、ロールミル、ボールミルなどで混練して、顔料た添加剤をサブミクロンまで微粒子化し高度に分散させて、印刷適性を持たせる。しかしながら、本発明で使用する高輝度インキは、混練工程を必要とせず、攪拌機で混合するだけでよく分散し、金属光沢が損なわれない。即ち、高輝度の金属光沢を発現させるためには、金属蒸着膜細片の大きさが5〜25μm程度が必要で、上記混練工程を行うと金属光沢が極端に低下してしまう。
(高輝度インキ印刷)以上のようにして得られたインキを、公知のグラビア印刷、スクリーン印刷、又はフレキソ印刷で、文字、記号、数字、図形、イラストなどの所要の絵柄を製版して、印刷し、乾燥、必要に応じて硬化すればよい。
(接着層)接着層19としては、転写する直前に接着層19を膨潤させうる溶剤を含む液(膨潤化液という)で膨潤性の接着層で、該接着層に対して親和性の有る樹脂が適用できる。例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体、スチレン並びにその誘導体、酢酸ビニル等のビニルエステル単量体、アリルアルコールおよびアリルエステル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン類、マレイン酸又はフマル酸等の不飽和カルボン酸類、上記の不飽和カルボン酸類のエステル誘導体、同ニトリル誘導体又は同酸アミド誘導体、上記の不飽和カルボン酸類の酸アミド誘導体のN−メチロール誘導体及び同N−アルキルメチロールエーテル誘導体、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグ)リシジルエーテル、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、2−ヒドロキシエチルーアクリレート又はーメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルーアクリレート又はーメタクリレート、エチレングリコ−ルーモノアクリレート又はーモタノメタクリレート、エチレングリコールージアクリレート又はーモノメタクリレート、無水マレイン酸、無水イタコン酸、メチルビニルケトン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、Tertθ−ブチルアミノエチルメタクリレート、多価アルコールのモノアリルエーテル等の如き単量体の単独重合体ないし共重合体類等の熱可塑性樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、フタル酸ジアリル系樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン系樹脂等の如き熱硬化性樹脂又はそれらの変性樹脂若しくは初期縮合物が例示できる。
(膨潤化液)該膨潤化液とは、接着層19を膨潤させうる溶剤を含む膨潤化液が用いられるが、該溶剤は接着層19を溶解させず、液体上で転写が行なわれるまでに蒸発せず、さらに被転写体表面を浸蝕したり、被転写体が塗料により下塗りされている時には、この塗料に接する転写時にこの塗料を急激に溶解させないものであることが望ましい。
このような溶剤の例としては、公知のもの例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等、或いはこれらの混合液であるガソリン、石油ベンジン、ミネラルスピリット、石油ナフタ等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、トリク的レエチレン、パークロルエチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲソ化炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等の一価アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン、イソホロン等のケトン類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エチレングリコール−モノ−メチルエーテル、エチレングリコール−モノ−エチルエーテル、ジエチレングリコール−モノ−メチルエーテル、ジエチレングリコール−モノ−エチルエーテル、ジエチレングリコール−モノ−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−ジ−ブチルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール−モノ−メチルエーテル−アセテート、エチレングリコール−モノ−エチルエーテル−アセテート、ジエチレングリコール−モノ−メチルエーテル−アセテート、ジエチレングリコール−モノ−エチルエーテル−アセテート、ジエチレングリコール−モノ−ブチルエーテル−アセテート等の酢酸エステル類、酪酸エステル類、等のエステル類、ニトロ炭化水素類、ニトリル類、アミン類、その他アセタール類、酸類、フラン類等が単独或いは混合溶剤として使用される。
また、上記溶剤には、上記溶剤に対して親和性の有る樹脂を添加してもよい。該樹脂としては、公知のもの、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン系樹脂などが例示できる。また、天然樹脂、ロジン及びその誘導体、セルロース誘導体、天然又は合成ゴム、石油樹脂等の樹脂を5〜6鍾量%程度添加した膨潤化液を用いると、粘度調整が容易で、塗布方法を選ばずインキの保持時間が長く、転写時間を長くとれる等の効果が得られる。
(液圧転写方法)液圧転写方法は、「カールフィット法」(大日本印刷社、登録商標、曲面液圧転写方法)と呼ぶ転写方法で、(1)接着層を膨潤させうる溶剤を含む膨潤化液を塗布し、(2)次いで乾燥前に、前記塗布面を上にして液体上に浮かべ、(3)しかる後、上記塗布面に向つて上方から曲面を有する被転写体を下降させてその一部ないし全部を液面下に沈降させた後、被転写体を液体内より取り出し、(4)さらに上記基材を被転写体表面から除去する方法で、詳しくは、特開昭54−33115号公報で、曲面印刷方法として、本出願人が開示している。
(第1工程)接着層を膨潤させうる溶剤を含む膨潤化液を塗布する工程
本発明のホログラム転写箔1は枚葉であつても、あるいは連続加工による巻取状であつてもよい。膨潤は液圧転写する直前にホログラム転写箔1の接着層19面へ前述の膨潤化液を塗布して膨潤させる。塗布手段としては、グラビアコート、オフセットグラビアコート、ロールコート、バーコート、スプレーコートなどが適用でき、膨潤化液の塗布量は2〜30g/m2程度であり、好ましくは3〜15g/m2である。また、膨潤化液は接着層19を溶解させず、液体上で転写が行なわれるまでに蒸発せず、さらに被転写体表面を浸蝕したり、被転写体が塗料により下塗りされている時には、この塗料に接する転写時にこの塗料を急激に溶解させないものであることが望ましい。
(第2工程)次いで乾燥前に、前記塗布面を上にして液体上に浮かべる工程
膨潤化液で活性化の後、ホログラム転写箔1を液体上に浮かべる。この時、枚葉状のものを一枚ずつ浮かべることもできるし、巻取状の場合には、液体を一方向に流しながら連続的に浮かべることができる他、枚葉状に切断した後、液体上に浮かべることができる。液体上に浮かべるには接着層19面を上に向け、ホログラム転写箔1を構成する基材11と液面との間に気泡がはいらないようにし、かつホログラム転写箔1にしわが寄らないようにすることが転写印刷を良好に行なう上で要求される。
(第3工程)しかる後、上記塗布面に向つて上方から曲面を有する被転写体を下降させてその一部ないし全部を液面下に沈降させた後、被転写体を液体内より取り出す工程
転写はホログラム転写箔1の接着層19面の上方から被転写体である成形品を下降させて、その一部ないし全部を液面下に沈降させて行ない、ホログラム転写箔1と被転写体との間に気泡を入れないように行う。この操作は自動的に、あるいは手作業によつて行なうことができる。
(第4工程)さらに上記基材を被転写体表面から除去する工程
転写後、被転写体に付着した基材11を十分膨潤させて、ホログラム転写箔1の接着層19を被転写体表面に固着させると共に基材11を除去する。これに要する時間は種々の条件により適宜決定される。転写の行なわれる液体は基材11の性質により適当な温度に調整される。例えば、液体として水を使い、基材11として澱粉系フィルム(商品名、オブラート)を使つた場合、水温は40〜50℃程度てあることが望ましい。また、上記の例示の如く澱粉系フィルムを使う場合、基材11除去の際にはその溶解を促進させるためにアミラーゼ等を2〜4%程度添加しておくことが好ましい。次に、接着層19が充分被転写体表面に固着し・さらに薄膜フィルムを除去した後、被転写体を液体内より取り出し、さらに被転写体表面を十分に清浄にした後、乾燥させる。ここで基材11を除去するには、任意の手段を適用できる。たとえば被転写体表面より基材11を剥離させる方法、さらには溶解除去する方法などである。水溶性フィルムを使用した場合には、水を用いて被転写体をシャワー洗浄することが最も能率的で好ましい方法である。これにより付着した基材11が完全に除去されると共に、転写の際に生ずる汚れも洗浄される。この時、水温は用いた基材11の性質などによつても異なるが、一般に15〜60℃が適当であり、また、洗浄時間は1〜10分程度である。
このようにして、液圧転写方法(カールフィット法)が行なわれ、曲面を有する被転写体でも、金属光沢又は透明ホログラムの光回折効果が得られる。また、転写完了後、必要に応じて、スプレー法、浸漬法あるいは電着法などの手段により表面の艶状態を調整し、かつ表面物性向上を計る為に下塗りや塗料系と同じ樹脂を上塗りしてもよい。
(成形品)被転写体である成形品などの被転写面が曲面や不規則形状面の非平面へ転写でき、また平面であってもよい。成形品としては特に限定されないが、例えば、木材、金属、タイル、又はアクリル系樹脂、ポリカーボネイト、ABS樹脂などのプラスチックなどの単独体や、これらの複合体でもよい。また、被転写体は液圧転写する前に、洗浄や下塗りなどの前処理を施しておくことが転写を良好に行なう上で好ましい。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)基材11として厚さ25μmのハイセロンCP300(日本合成化学社製、PVAフィルム商品名)を用い、該基材11の一方の面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが5μmになるように、塗工し120℃で乾燥させた。
・<ホログラム層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV−V3031(三菱化学社製、UV硬化性樹脂商品名) 100質量部
メタアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、紫光6630B) 20質量部
反応性シリコーン(信越化学社製、商品名X−22−2445) 0.5質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径2.0m) 2質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 5質量部
酢酸エチル 300質量部
次に、該層面へ、2光束干渉法による回折格子から2P法で複製した擬似連続絵柄としたプレス型を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ホログラム層15を得た。
該ホログラム層15のレリーフ面へ、コロナ処理して、厚さ50nmの酸化チタンを真空蒸着法で形成して、透明反射層16とした。
該反射層16面へ、ファインラップスーパーメタリックシルバーインキ(大日本インキ化学工業社製、高輝度インキ商品名)を用いて、グラビア印刷法で、乾燥後の厚さが2μmになるように印刷して、高輝度インキ層18を形成した。
該高輝度インキ層18面へ、硝化綿系インキを用いて、乾燥後の厚さが1μmになるように、グラビア印刷法で印刷し乾燥して、膨潤性の接着層19を形成して、基材11/ホログラム層15/透明反射層17/高輝度インキ層18/接着層19の層構成からなる実施例1のホログラム転写箔1を得た。
(評価方法)実施例1のホログラム転写箔1の接着層19面へ、膨潤化液としてイソホロンをグラビア印刷法で3g/m2塗布し、次いで乾燥前に、前記塗布面を上にして水面上に浮かべ、しかる後、上記塗布面に向つて上方から、被転写体としてアクリル樹脂製で丸みを有する携帯電話外側ケースを下降させてその全部を液面下に沈降させた後、被転写体を水中より取り出し、さらに基材としたPVAフィルムを被転写体表面から温水で除去したところ、携帯電話外側ケースの曲面を含んだ全面に、金属様光沢の高輝度でキラキラ感があり、高意匠性の回折格子効果が得られた。
本発明の1実施例を示すホログラム転写箔の断面図である。 本発明の1実施例を示すホログラム転写箔の断面図である。 被転写体へホログラム転写箔を用いて液圧転写した断面図である。
符号の説明
1:ホログラム転写箔
11:基材
15:ホログラム層
16:反射層
17:透明反射層
18:高輝度インキ層
19:接着層
100:被転写体

Claims (3)

  1. 接着層を膨潤させうる溶剤を含む膨潤化液を塗布し、次いで乾燥前に、前記塗布面を上にして液体上に浮かべ、しかる後、上記塗布面に向つて上方から曲面を有する被転写体を下降させてその一部ないし全部を液面下に沈降させた後、被転写体を液体内より取り出し、さらに基材を被転写体表面から除去するる液圧転写方法に用いるホログラム転写箔であって、前記基材と、該基材の一方の面にホログラム層、反射層及び接着層が順次積層されてなり、前記基材が水溶性であり、前記接着層が膨潤性であることを特徴とするホログラム転写箔。
  2. 上記反射層が、金属薄膜又は酸化チタン薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム転写箔。
  3. 上記反射層が、酸化チタン薄膜と少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート又はセルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片を含む高輝度インキ層の2層からなることを特徴とする請求項1に記載のホログラム転写箔。
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