JP2009295593A - 外部電極蛍光ランプ用外套容器 - Google Patents

外部電極蛍光ランプ用外套容器 Download PDF

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Abstract

【課題】誘電損失が小さく、かつ誘電容量のバラツキが生じにくい外部電極蛍光ランプ用外套容器を提供する。
【解決手段】 外面に電極が設けられた構造を有する外部電極蛍光ランプの作製に用いられる外部電極蛍光ランプ用外套容器であって、質量百分率で、質量百分率で、SiO2 35〜65%、B23 0.1〜25%、Al23 2〜12.5%、Li2O+Na2O+K2O 0〜0.1%未満の組成を有するアルミノホウケイ酸ガラスからなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示素子等の照明装置の光源となる外部電極蛍光ランプの外套容器に関するものである。
液晶表示素子は自己発光しないため、ノート型パソコン、TVモニター、パーソナルコンピュータ(PC)モニター、車載用計器等の用途に使用される場合、専用の照明装置(以下バックライトユニット)を使用することが広く行われている。
従来使用されているバックライトユニットの光源となる蛍光ランプはコンパクトで長寿命の冷陰極管が使用されているが、その発光原理は、一般の照明用蛍光ランプと同様である。すなわち、ガラス外套容器内に封入されたジュメット線、コバール金属、タングステン金属等を介して内部の電極に電力を供給し、電極間に放電を起こさせる。この電極間の放電によって、外套容器内に封入された水銀(Hg)やキセノン(Xe)が励起し、紫外線が放射される。この放射された紫外線によって外套容器の内壁面に塗られた蛍光体が可視光線を発光する。蛍光灯の発光中の電流量をコントロールするために、冷陰極管ユニットは、ランプ1本毎に電圧を上げるインバーターと、電流をコントロールするコンデンサーから構成されている。
近年、液晶表示装置が大型化してきており、これに伴って十分な明るさを確保するためにバックライトユニットに冷陰極管を複数本使用するようになってきている。例えばTVモニターでは、液晶表示装置の裏側に蛍光ランプを約1〜5cm間隔で複数本均等に並べて発光させ、拡散板を通して均質な光を取り出すバックライトユニットが主に使用されている。このような表示装置では、ランプ本数分だけ電源を搭載するので、装置内で電源が占める容積が大きくなり、表示装置の薄型化が困難になるだけでなく、価格も高くなる。それゆえユニットの電源を一つに統合することが期待されているが、コンデンサーが省略できないため従来不可能であった。
また、従来の冷陰極ランプは、点灯中に金属電極がHgと反応して合金を構成し、Hgを消費する。Hgは発光に寄与する成分であるため、冷陰極ランプは徐々に暗くなり、やがては使用に耐えなくなる。このように冷陰極管の寿命には限界があるが、その寿命はTVモニター用としては十分に長いとは言えない。
このような事情から、寿命に影響しやすい内部電極がなく、ランプ外套管外周面の両端近傍部分に電極を配置した外部電極蛍光ランプ(EEFL)が検討されている。(例えば特許文献1、非特許文献1)
外部電極蛍光ランプの電力供給方法は、冷陰極ランプのように電子を電極から直接的に放出させるのではなく、ガラス外套管のガラス部分を誘電体として機能させ、その誘電特性により管内面から電子を放出させるものである。つまり、ランプ外套管を利用してコンデンサーの代替機構を構築するものである。その結果、コンデンサーが不要となり電源の統合が可能になる。基本的な発光原理は従来の蛍光ランプ同様、HgまたはXeにより紫外線を発生させ、蛍光体を光らせるものである。
特開2002−8408 米国特許第3903353号明細書 米国特許出願公開第2002/0117959号明細書
照明学会誌 vol.87 No.1 2003 p18
外部電極蛍光ランプの外套容器には、下記の特性が要求される。
(1)誘電損失が小さいこと。
誘電損失はコンデンサーのエネルギー損失を表すものである。これが大きくなるとエネルギー損失が大きくなり、熱エネルギーとして放出される結果、誘電体(外套容器)自体が発熱する。熱エネルギーの発生は、ランプの効率悪化であり環境上好ましくない。
また通常の蛍光ランプは内部損失により、ある程度温度が上昇する。駆動中のランプの温度が室温より上がることはよく知られるところである。ところが外部電極蛍光ランプでは、外套容器の温度が上昇すると、外套容器を構成するガラスの誘電損失が大きくなってガラス自身が発熱しはじめ、この発熱がさらにガラスの誘電損失を上昇させるという悪循環に陥る。その結果、周辺部材に火災を生じる危険性もある。特に液晶バックライトユニットは、反射板や液晶パネルに囲われていて発生した熱を放散しにくく、ランプ周辺温度が上昇しやすい。このため、ランプの放熱を考慮する必要が生じ、放熱装置が必要になったり、ランプ出力を上げることができなかったりする結果、大型液晶表示装置の光源に使用するに際して様々な制約が生まれる。
(2)誘電容量(静電容量)のバラツキがないこと。
外部電極蛍光ランプは、ガラス製の外套容器を誘電体として使用する性格上、ランプへの投入電力量を決定する誘電体厚み、すなわち、外套容器肉厚がランプの特性を決定する上で極めて重要となる。
外部電極蛍光ランプは、上述の通り、内部に電極を持たず、外套容器外周面に電極を有する構造をとる。図5に示すように、複数のランプL1、L2を一つの電源20につなぐ場合、電圧は各ランプとも等しくなる。外部電極蛍光ランプは、ガラス肉厚を誘電体、一方の電極を外部電極、もう一方の電極をランプ内部のHg蒸気やXeとするコンデンサー代替機構を有している。ランプへの電力供給は、このコンデンサー代替機構を交流電源で駆動することによって行なわれる。ランプの明るさは電力量で決まり、コンデンサーの電力量(電荷)は静電容量と電圧(下記)で求められる。
Q=C×V
[Q:電荷 C:静電容量 V:端子電圧]
電圧は各ランプとも等しくなるので、静電容量が電力量を決定すると言ってもよい。静電容量は、誘電率と面積と厚みの逆数の積である。(下記式)
C=ε×S×(1/d)
[C:静電容量 ε:誘電体誘電率 S:電極面積 d:誘電体厚み]
誘電体の誘電率はガラス組成で決まるので、外套容器材質が同一であれば同じ値となる。電極面積は各ランプとも同じになるので、実質上、誘電体厚み(=外套容器肉厚)が静電容量を決定する。つまり、外套容器肉厚が薄いほど電荷量が増えるため、ランプが明るくなる。逆に肉厚が厚くなれば電荷量が減って、ランプが暗くなる。従って複数本のランプを一つの電源につなぐ構造のバックライトユニット等では、ランプ間の明るさのバラツキを抑制するために、ランプ外套容器肉厚が均一であることが極めて重要となる。
しかしながら現在用いられている外部電極蛍光ランプ用外套容器は、通常の蛍光ランプ用外套容器を単に転用したものであり、上記要求特性が十分に考慮されたものではない。
本発明の目的は、誘電損失が小さく、かつ誘電容量のバラツキが生じにくい外部電極蛍光ランプ用外套容器を提供するものである。
本発明者は、種々の検討を行った結果、誘電正接が小さく、しかも成形性に優れたガラスで外套容器を作製することにより、上記目的を達成できることを見いだし、本発明として提案するものである。
即ち本発明の外部電極蛍光ランプ用外套容器は、外面に電極が設けられた構造を有する外部電極蛍光ランプの作製に用いられる外部電極蛍光ランプ用外套容器であって、質量百分率で、質量百分率で、SiO2 35〜65%、B23 0.1〜25%、Al23 2〜12.5%、Li2O+Na2O+K2O 0〜0.1%未満の組成を有するアルミノホウケイ酸ガラスからなることを特徴とする。
なお本発明における「外套容器」とは、管形状、箱型形状等種々の形状を含み、蛍光ランプの放電空間を形成するための部材として使用されるものである。
本発明の外部電極蛍光ランプ用外套容器は、誘電損失が小さいため、ランプの効率がよい。またランプ温度が上昇しにくい。このため本発明の外套容器を用いて作製した外部電極蛍光ランプは、複数本のランプを必要とする大型の液晶表示装置に使用されても、放熱装置を設置したり、ランプ出力を制限したりする必要がない。
また本発明の外套容器は、成形性に優れたガラスを用いて作製されたものであるため、外套容器の肉厚が一定になり易く、ランプ毎の誘電容量のバラツキが生じにくい。このため本発明の外套容器を用いた外部電極蛍光ランプは、大型の液晶表示装置に使用されても、各ランプの明るさに差がないために、表示ムラが生じることがない。
しかも成形性に優れたガラスで作製されることから、管状の外套容器の場合には、真円度が高く、また管の曲がりもない。一般に、バックライトユニット等の用途に用いられる蛍光ランプは、細径であるために蛍光体を塗布し難い。このため管の真円度が悪いと蛍光体の塗布ムラが生じ易くなる。また管径が細い割にランプ長が長いため、僅かな管の曲がりも目立ってしまう。しかし本発明の外套容器は、真円度が高く、また管の曲がりがないため、上記の問題が生じ難いという効果がある。
誘電特性を測定する試料を示す説明図であり、(a)は試料を側面から見た図を、(b)は試料を底面側から見た図を示している。 誘電特性を測定する装置を示す説明図である。 第一の形態の蛍光ランプを製造する方法を示す説明図である。 第二の形態の蛍光ランプを製造する方法を示す説明図である。 外部電極蛍光ランプの使用方法を示す説明図である。
本発明の外部電極蛍光ランプ用外套容器は、誘電正接が小さいガラスからなることが好ましい。
ガラスの発熱に影響を与える誘電損失は、誘電正接、電圧、誘電率と周波数の積に比例する。電源の電圧と周波数は電源条件で一定であり、誘電率は基本組成に依存しており大きな変更が困難である。結果的に、誘電正接が誘電損失を決定付ける重要な因子となる。なお誘電正接は、蛍光ランプで使用されるおおよそ100kHz以下の周波数では、ガラスのイオン伝導の影響に大きく支配される。ガラスのイオン伝導は、温度が上昇すると急速に大きくなる傾向にあるため、誘電正接も温度上昇と共に増大する。
次に外套容器を構成するガラスの誘電正接について詳述する。
蛍光ランプは40KHzから100KHzで使用されるが、誘電正接は周波数が高くなるほど小さくなる傾向がある。つまり40KHzの誘電正接の方が100KHzのそれよりも高くなる。よって40KHzの値で外套容器用ガラスの誘電特性を規定することができる。以下に150℃、250℃、350℃における誘電正接の値を示す。なお150℃はランプの通常の作動温度に相当し、250℃はランプ内部で発生する可能性のある温度に相当する。さらに350℃は安全面から考慮すべき温度である。本発明では、蛍光ランプで考えられる最高温度である250℃での値が最も重要であると認識し、この値を重視している。
150℃、40kHzでの誘電正接は0.005以下、特に0.004以下、さらには0.003以下であることが望まれる。0.005以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実使用上問題ないレベルに抑えることが可能になり、0.004以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる。さらに0.003以下であれば高出力タイプの蛍光ランプでも発熱が小さくなり好ましい。
250℃、40kHzでの誘電正接は0.02以下、好ましくは0.015以下、さらに好ましくは0.01以下である。0.02以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実使用上問題ないレベルに抑えることが可能になり、0.015以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる、さらに0.01以下であれば高出力タイプの蛍光ランプのような発熱が大きいタイプでも使用可能であり好ましい。
350℃、40kHzでの誘電正接は0.1以下、特に0.07以下、さらには0.05以下であることが好ましい。0.1以下であれば、誘電損失が小さくなって電極の発熱を抑制し、発熱量を実使用上問題ないレベルに抑えることが可能となる。0.07以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる、さらに0.05以下であれば周辺温度が高温でかつ放熱しにくい環境下においても、高出力タイプのランプが使用可能となり好ましい。
また1MHzの誘電特性は物質の性質を代表する値であり、本発明においては、1MHzにおける誘電正接が室温で0.003、特に0.0025、さらには0.002以下のガラスを使用することが好ましい。0.003以下であれば誘電損失が小さくなって、発熱量を実使用上問題ないレベルに抑えることが可能になり、0.025以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる。さらに0.002以下であれば高出力タイプや高周波数タイプのランプでも発熱が小さくなり好ましい。
また下記式で表される誘電正接変化率が、150℃〜250℃間の平均値で、0.0002以下、好ましくは0.0001以下、さらに好ましくは0.00008以下であることが望まれる。0.0002以下であればランプ周辺温度が上昇しても、ランプ発熱量の変化が少なく安定した温度で使用でき、0.0001以下であればランプ外部環境の影響が少なくなり、0.00008以下であればランプ発熱量が減って、環境上も極めて理想的である。
また下記式で表される誘電正接変化率が、250℃〜350℃間の平均値で、0.001以下、好ましくは0.0007以下、さらに好ましくは0.0005以下であることが望まれる。0.001以下であれば、温度上昇に伴う誘電損失の増大による異常発熱が抑制できるため、外套容器の焼損を防止することができる。0.007以下であればランプからの放熱が制限されるような条件でも外套容器の焼損が起こりにくくなる。より理想的には0.005以下であればランプのさらなる温度安定化が図れて好ましい。
誘電正接変化率 = △誘電正接/△T
[△誘電正接:誘電正接の差 △T:誘電特性の測定温度(℃)の差]
なおガラスの誘電正接を低くするには、組成的にイオン伝導が起こりにくくなるようにすればよい。具体的には、アルカリ成分を少なくしたり、アルカリ成分の割合を調整したり、或いは水分量を制限したりすることにより調整可能である。また低アルカリ、或いは無アルカリのアルミノホウケイ酸ガラスは、低い誘電正接を有しているため、この種のガラスにより外套容器を作製することが好ましい。
本発明の外部電極蛍光ランプ用外套容器を構成するガラスは、成形性に優れており、精度よく管状、板状等に成形できる。なお板状に成形したガラス部材は、直接或いは、さらにプレス成形されて箱型形状の外套容器の作製に使用される。
ガラスの成形性は、成形方法に適した粘度特性を有しているかどうかに左右される。例えば管状に成形されるガラスは、通常、ダンナー法、ダウンドロー法、アップドロー法等の方法で管引き成形される。また板状に成形されるガラスはオーバーフロー法、フロート法、スロットダウン法、ロールアウト法等の方法で板引き成形される。このため、成形温度域において、温度に対するガラスの粘性変化が緩やか(ロングなガラス)である方がよい。特に本発明のように、液晶表示素子の照明装置用途に用いられる外部電極蛍光ランプ用外套容器の用途では、ガラス管等が薄肉細径である。しかも真円度、外内径偏芯や肉厚バラツキに対する制約が厳しいため、精密成形するためには温度に対する粘性変化が十分に緩やかなガラスである必要がある。
そこで本発明では、ガラスがほぼ固まる歪点を目安としている。即ち、歪点が低いほど、実際上の成形温度との温度差が大きくなるため、いわゆるロングなガラスとなる。具体的には、この温度が650℃以下、特に600℃以下であるガラスを用いることが好ましい。歪点が650℃以下であればガラスの粘性変化が急にならず、管引き成形に適した粘度特性を得やすくなる。さらに600℃以下であればガラスの成形温度を下げることが可能になる。
また同様の理由から、歪点と、104dPa・Sに相当する温度の差が400℃以上、450℃以上、特に500℃以上、さらには570℃以上であることが望まれる。この温度差が400℃以上であれば寸法精度のよいガラス管を得ることが可能になり、500℃以上であれば容易に寸法精度のよいガラス管が得られる。570℃以上あれば、高い寸法精度を維持しながら、成形速度を上げることが可能になる。
またガラスの成形温度が高いと、特殊な耐熱レンガやPtが必要になるだけでなく、環境面からも使用エネルギー量が多くなって好ましくない。従って、管引き開始時の粘度(103dPa・S)に相当する温度が1400℃以下であることが望まれる。同様にランプの加工粘度(104dPa・S)に相当する温度が1200℃以下であることが望まれる。
また成形時に結晶が生成すると、寸法精度のよいガラス管を得ることが困難になる。ガラスの液相粘度は、ガラスの結晶発生のしやすさを表す。この値が大きいほど大きい粘性でも結晶が発生しにくいといえる。本発明では、液相粘度が104dPa・S以上、特に104.5dPa・S以上、さらには105dPa・Sであることが好ましい。104dPa・S以上であれば管引き成形に支障がなく、104.5dPa・S以上であれば量産性の向上が望める。105dPa・S以上あれば、成形設備に特別な配慮をしなくても、寸法精度のよいガラス管を効率よく成形することができる。
なおガラスの粘度特性をロングにするには、Li2O、Na2O、K2Oといったアルカリ成分やB23の含有量を増やしたり、SiO2やAl23を少なくしたり、水分量を増やしたりすることによって達成することができる。またガラスの液相粘度を高くするには、MgO、CaO、SrO、BaOといったアルカリ土類成分、ZnO、Al23等の含有量及びこれらの成分の割合を適正化することによって達成可能である。
ガラス中に含まれる水分は、ガラスの低温粘性を低下させてランプの加工性を向上させる働きがある。しかし水分量が多くなると誘電正接が大きくなるという不具合がある。またランプ内部にガスとして放出されるとランプの輝度が低下する。さらに泡不良の原因ともなる。
このような理由から、水分量を適正に管理することが好ましい。具体的には、下記式で求められる係数Xが0.8以下であれば、上記問題が生じにくい。また0.1以上であれば、精度良くガラスを成形することが容易になる。係数Xの好適な範囲は0.15〜0.6、特に0.2〜0.5である。
なお水分量は、下記の式で表される赤外線透過率係数(X)に比例する。
X=(log(a/b))/t
a:3840cm-1付近の透過率(%)
b:3560cm-1付近の極小点の透過率(%)
t:試料測定厚み(mm)
ただし外套容器の形状によっては、赤外線透過率係数を直接測定することが困難な場合がある。例えば管形状の場合など、赤外線透過率を直接測定することは困難である。そのような場合、測定対象のガラスの粘度(dPa・s)がlog表示で5.0±0.5となる温度に設定した電気炉の中に、白金板に乗せた外套容器を5分間投入して溶融し、得られた塊状のガラスを厚さ1mmになるように鏡面研磨した後、評価に供すればよい。この条件で測定試料を作製すれば、試料作製に伴う水分量の減少を最小限に抑えることができ、得られる赤外線透過率係数Xは、試料作製前の係数Xとみなすことができる。
ガラス中の水分量の調整は、通常ガラス溶融時の燃焼ガス中の水分量や、ガラス原料(硼酸と無水硼砂の混合比)で調整する。また、これらで調整しきれない場合には、ガラス溶融時の乾燥空気バブリング等によって調整できる。
外部電極蛍光ランプに用いられる外套容器には、上記(1)(2)の特性が要求されるが、これ以外にも下記の特性を満足することが望まれる。
(3)泡を含まないこと。
誘電体部分である外套容器に泡が存在すると、泡の電極側に電荷が蓄積される。これがトリーと呼ばれる微小な放電現象を起こし、局所的に著しく加熱されてガラスが溶けるおそれがある。その結果、外套容器の気密性が損なわれ、ランプの発光が停止する可能性がある。従って、外部電極蛍光ランプ用の外套容器には、従来の蛍光ランプ用外套容器よりも泡が少ないことが要求される。
なお従来の蛍光ランプの外套容器の場合、泡数は、ガラス中に200個/100gまで許容されてきたが、液晶表示素子の照明用途に使用されるような外部電極蛍光ランプの外套容器においては10個/100g以下、さらに好ましくは1個/100g以下であることが必要である。
(4)紫外線遮蔽性に優れること。
液晶表示装置のバックライトユニットでは、反射板等の有機部材が蛍光灯の近傍に備えられているため紫外線による有機物の劣化により光量が減衰するおそれがある。このため蛍光ランプ内部で発生する紫外線を外部に漏らさないよう、外套容器は紫外線遮蔽性の高いガラスで作製する必要がある。
(5)耐ソラリゼーション性に優れること。
紫外線がガラスに当たるとソラリゼーションと呼ばれるガラス着色が生じるが、外套容器を構成するガラスに着色が生じるとランプの光量が減少するため好ましくない。このためソラリゼーションが起こりにくいガラスを採用する必要がある。
(6)たわみ難いこと。
バックライトユニットに使用される管形状の蛍光ランプは細径長尺であり、その両端で固定すると、ランプの自重で中央部が垂れ下がりやすい。ところがランプがたわむと、バックライトの干渉しまの原因となるため好ましくない。またバックライトユニットに使用される箱型形状の蛍光ランプは薄肉扁平であり、やはり中央部分がたわみやすい。ところがこのタイプのランプがたわむと放電空間の容積が変化して発光のバラツキが生じる。従って、できるだけ密度が小さく、ヤング率が高いガラスで外套容器を作製することが望まれる。
外套容器材質としては、上記種々の条件を考慮して使用可能なガラスを適宜選択すればよい。本発明では質量百分率で、
SiO2 35〜65%、
23 0.1〜25%、
Al23 2〜12.5%、
Li2O+Na2O+K2O 0〜0.1%未満
の組成を有するアルミノホウケイ酸ガラス、好ましくは質量百分率で、
SiO2 35〜65%、
23 0.1〜25%、
Al23 2〜12.5%、
Li2O 0〜0.1%未満、
Na2O 0〜0.1%未満、
2O 0〜0.1%未満、
Li2O+Na2O+K2O 0〜0.1%未満、
MgO 0〜20%、
CaO 0〜20%、
SrO 0〜30%、
BaO 0〜30%、
MgO+CaO+SrO+BaO 3〜45%、
ZnO 0〜25%、
TiO2 0〜15%、
WO3 0〜15%、
CeO2 0〜5%、
TiO2+WO3+CeO2 0.005〜15%、
ZrO2 0〜9%、
SnO2 0〜10%、
Nb25 0〜15%、
Ta25 0〜15%、
25 0〜10%、
Bi23 0〜30%、
Cl2 0〜0.5%、
Sb23 0〜1%
含有するアルミノホウケイ酸ガラスを採用している。またこれ以外にも質量百分率で、
SiO2 35〜65%、
23 0.1〜25%、
Al23 2〜20%、
Li2O+Na2O+K2O 0.1〜5%
の組成を有するアルミノホウケイ酸ガラス、好ましくは質量百分率で、
SiO2 35〜65%、
23 0.1〜25%、
Al23 2〜20%、
Li2O 0〜5%、
Na2O 0〜5%、
2O 0〜5%、
Li2O+Na2O+K2O 0.1〜5%、
MgO 0〜20%、
CaO 0〜20%、
SrO 0〜30%、
BaO 0〜30%、
MgO+CaO+SrO+BaO 3〜45%、
ZnO 0〜25%、
TiO2 0〜15%、
WO3 0〜15%、
CeO2 0〜5%、
TiO2+WO3+CeO2 0.005〜15%、
ZrO2 0〜9%、
SnO2 0〜10%、
Nb25 0〜15%、
Ta25 0〜15%、
25 0〜10%、
Bi23 0〜30%、
Cl2 0〜0.5%、
Sb23 0〜1%
含有するアルミノホウケイ酸ガラスが使用できる。
上記組成において、各成分の範囲を限定した理由を以下に述べる。
SiO2は、ガラスの骨格を構成するために必要な主成分であり、含有量が増えるほど化学耐久性が向上する。一方で、粘度を上げる傾向があるため、多すぎるとロングなガラスを得にくくなる。その含有量は35%以上、好ましくは40%以上である。また65%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは54%以下、さらに好ましくは50%以下である。SiO2が40%以上であれば、使用可能なレベルの化学的耐久性が確保できる。35%以上であれば化学耐久性が十分に高くなってガラス表面のヤケ等の発生が防止でき、長期にわたって輝度低下のない蛍光ランプを作製することができる。またSiO2 が65%以下であればシリカ原料の溶融に長時間を要することがないため生産性に支障をきたすことがない。60%以下であればガラス粘性が低くなる。54%以下であればアルカリ含有量が0.1%未満であっても、成形に好適な粘性が得ることが容易になる。特に50%以下であれば、ガラスの粘性がさらに低くなり、容易に寸法精度のよいガラスを得ることができる。
23は、溶融性の向上、粘度の低下のために必要な成分であり、含有量が増えるほどガラスが低粘性化する。一方で、化学耐久性を低下させる傾向がある。その含有量は0.1%以上、好ましくは6%以上、より好ましくは7%以上、さらに好ましくは10%以上である。また25%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは16%以下である。B23を0.1%以上含有すれば、上記した効果が現れる。さらに実用的な粘性を得るためには5%以上含有することが好ましい。6%以上含有すれば、アルカリ含有量が0.1%未満であっても、歪点が650℃以下で、且つ103dPa・Sの粘度に相当する温度が1400℃以下となる組成を設計し易くなる。10%以上であれば、歪点がさらに低くなって、104dPa・Sの粘度に相当する温度との差が大きくなり易く、ロングなガラスが容易に得られる。一方、B23が25%以下であれば実用上使用可能な化学耐久性を確保することが可能となる。20%以下であれば化学耐久性がさらに改善される。16%以下ではガラス表面でのヤケ等が発生するおそれが殆どなく、長期にわたって輝度低下のない蛍光ランプを作製することができる。
Al23は、ガラスの安定性を大きく改善する必須成分であり、ガラスの溶融、成形を容易にする。同時にヤング率を高くする成分である。一方で、粘度を上げる傾向があるため、多すぎるとロングなガラスを得にくくなる。その含有量は2%以上、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは7%以上である。また20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは12.5%以下である。Al23が2%以上であればガラスを安定化する効果が現れる。5%以上であれば結晶の生成が少なくなって、寸法精度に優れたガラス管を生産するのに適したものとなる。7%以上であればガラスの安定性が顕著に向上する。高ヤング率のガラスを得るという観点からは、10%以上含有することが好ましい。またAl23が20%以下であればガラス融液の粘度が高くなりすぎることがない。15%以下であれば低粘性とガラスの安定性が両立し易くなる。12.5%以下であれば、アルカリ含有量が0.1%未満であっても成形に適した粘性とガラスの安定性の両立が可能になる。
アルカリ金属酸化物であるLi2O、Na2O、及びK2Oの含有量は0〜5%である。アルカリ金属酸化物はガラス原料を溶けやすくする融材として働き、ガラス溶融を容易にする。これらの成分の合量を0.01%以上とすれば、ガラスの溶解性を改善する効果が期待できる。またガラスを低粘性化して粘度特性をロングにしたり、ガラスの安定性を向上させる。さらにガラスの電気抵抗を下げて電気溶融を容易にするという効果もある。しかしガラスの誘電正接を高くする成分でもあるため、含有量の決定に当たっては細心の注意を払う必要がある。アルカリ金属酸化物によって低粘性化させたい場合は、合量で0.1〜5%、好ましくは1〜4%、より好ましくは2〜4%である。これら成分の合量が0.1%以上であれば、ガラスの粘度特性を改善することが可能となり、1%以上含有すればガラスを低粘性化する効果が十分に得られる。また溶融性が向上するため、エネルギー効率の点からも好ましい。2%以上含有すればガラスの電気抵抗が電気溶融に適した値となる。電気溶融を採用すれば、SO3の混入原因となる燃料の使用量を減少できるので泡の対策上好ましい。またアルカリ成分が5%以下であれば誘電正接がそれほど高くならず、ガラスの発熱を実用上問題ないレベルに抑えることができるが、できれば4%以下が推奨される。
またLi2O、Na2O、及びK2Oの各々の含有量は、それぞれLi2O 0〜5%(特に0〜4%)、Na2O 0〜5%(特に0.01〜4%、さらには0.1〜4%)、K2O 0〜5%(特に0.01〜4、さらには0.1〜4%、最適には1〜4%)であることが好ましい。なお、各アルカリ成分とも5%より少なければ、誘電正接が高くなりすぎず、ガラスの発熱を実用上問題ないレベルに抑えることができる。なおK2Oは、他のアルカリ成分に比べて誘電正接を高める度合いが小さいために、優先的に使用することが推奨される。Na2Oを使用する場合は、単独で使用するよりも、K2Oと共に用いることが推奨される。Na2OとK2Oを併用する場合の含有比は、Na2O/K2Oがモル比で0.2〜0.8であることが好ましい。この範囲内であれば、アルカリ混合効果によって誘電正接の上昇を効果的に抑制しながら、溶融性の向上やガラスの低粘性化を容易に達成することができる。
なお本発明では、ガラスをロングにして高い成形性を得るためにAl23を2〜12.5%の範囲に限定(好ましくはさらにSiO2を5〜54%及び/又はB23を6〜25%に限定)しているために、アルカリ金属酸化物の合量を0〜0.1%未満(Li2O 0〜0.1%未満、Na2O 0〜0.1%未満、K2O 0〜0.1%未満)としている。これにより、アルカリ金属酸化物を0.1%以上含む場合に比べて、本発明の容器は低い誘電正接が得られる。またアルカリ金属酸化物の好適な範囲は0.01〜0.1%未満である。
アルカリ土類成分であるMgO、CaO、SrO、BaOはガラスを安定化させてガラス中に結晶が生じることを防止する。またガラス中でのアルカリの移動を抑制して誘電正接の上昇を抑制する効果がある。一方で、ガラス成形装置の耐火物等と反応してアルカリ土類長石結晶を生成するおそれがある。その含有量は合量で3〜45%、好ましくは5〜35%、さらに好ましくは10〜25%である。3%以上含有すればアルカリの移動を防止する効果が現れ、5%以上含有すると結晶を抑制する効果が顕著になる。10%以上であれば相対的にSiO2量を少なくすることができ、結果としてガラスを低粘性化することができる。また45%以下であればアルカリ土類長石結晶の生成を抑制可能であるが、35%以下、特に25%以下であればアルカリ土類長石結晶が非常に生成し難くなり、成形装置等の制約が少なくなる。なおガラスの密度を低減させるためには、例えばBaOよりもSrOやCaOを使用すればよい。
MgOは、上記特徴に加えてガラスのヤング率を高める効果があるが、他成分との組み合わせによっては容易にMg系結晶を生成してしまう。その含有率は0〜20%、好ましくは0〜5%、より好ましくは0〜2.5%である。20%以下であればMg系結晶の析出が抑制可能となり、5%以下であればガラス成形時にMg系結晶が析出しにくくなる。2.5%以下ではMg系結晶が極めて析出し難くなるために、他成分との組み合わせの自由度が増し好ましい。
CaOはMgOと同様の成分であるが、MgOよりも耐火物等との反応性が低い。その含有量は0〜20%、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは1〜8%、さらに好ましくは1〜5%である。CaOは0.1%以上含有させることより、ガラスを安定化させる効果が現れ、1%以上含有するとさらにガラスが安定する。また20%以下であればCa系結晶の析出を抑制可能であり、真円度の高いガラス管が得易くなる。10%以下、特に8%以下であればCa系結晶が極めて析出し難くなる。より好ましくは5%である。
SrOの含有量は0〜30%、好ましくは0.1〜25%、さらに好ましくは3〜20%、より好ましくは7〜20%である。SrOを0.1%以上含有すれば、ガラスを安定化させる効果が現れる。より効果的には3%以上であり、7%以上であれば相対的にSiO2量を少なくすることができ、結果としてガラスを低粘性化することができる。また30%以下であればSr系結晶の析出を抑制可能であり、真円度に優れたガラス管が得易くなる。25%以下、特に20%以下であればさらにSr系結晶が析出し難くなる。
BaO含有量は0〜30%、好ましくは3〜30%、さらに好ましくは7〜25%である。BaOを含有する場合、SiO2とAl23が多い耐火物にガラスが触れると、その部分でBa長石結晶が生成しやすい。このため、使用する成形設備等によってはできるだけガラス中のBaO量が少ない方がよい。しかしBaOは、ガラスを安定化し、結晶析出を抑制する効果も大きいため3%以上含有することが好ましい。成形設備の制約がない場合、7%を超えれば相対的にSiO2量を少なくすることができ、結果としてガラスを低粘性化することができる。また30%以下であればBa系結晶の析出を抑制可能であり、優れた真円度のガラス管が得られ、25%以下であれば、さらにBa系結晶が発生しにくい。
ZnOはガラスの粘性を下げ、結晶析出を抑制する効果のある成分である。その含有量は0〜25%、好ましくは0〜5%である。25%以下であれば、Znを含む結晶が生成しにくく、5%以下であれば揮発も少なくなって、より好ましい。
TiO2、CeO2及びWO3は紫外線を遮蔽するために1種類以上含有させることが望ましく、その含有量は合量で0.005〜15%、特に0.005〜10%、さらには0.1〜3%であることが好ましい。0.005%以上であれば上記効果を確認できるが、確実に上記効果を得るためには0.1%以上含有することが望まれる。また10%以下であればガラス中に結晶が析出することなく安定して生産できる。
TiO2は、ソラリゼーション防止及び紫外線遮蔽効果が最も高い。またガラスの誘電率やヤング率を高める成分である。ただしガラス中でFe23と共存すると、着色を引き起こすおそれがある。その含有量は0〜15%、好ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.01〜3%、さらに好ましくは0.1〜2%である。TiO2を0.01%以上、好ましくは0.1%以上含有すれば、上記した効果が得られる。また10%以下であれば、ガラス中に結晶を生じることなく安定して生産でき、3%以下であればFe23の含有量が増えても着色の影響が少なくなり、2%以下であればより影響が少なくなる。
WO3は紫外線を遮蔽する効果がある。その含有量は0〜15%、好ましくは0〜5%である。15%よりも少なければ、ガラス中に結晶を析出させることなく安定して生産できる。
CeO2は紫外線遮蔽効果及びソラリゼーション防止効果がある。また清澄作用がある。その含有量は0〜5%、好ましくは0.01〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%、より好ましくは2〜3%(ただし2%を含まず)である。5%以下であれば結晶を析出させることなくガラスを溶融することが可能である。一方、0.01%以上であれば清澄剤としての効果が期待でき、0.1%以上であればソラリゼーションの防止効果が期待でき、2%よりも多ければ高い紫外線遮蔽効果が得られ、例えばガラス肉厚0.2mmで313nm付近の紫外線を単独で遮蔽することが可能になる。
ZrO2はガラスの化学的安定性を改善し、ガラスのアルカリ吹きやアルカリ土類吹きを防止する効果がある。またヤング率を高める成分である。その一方で、ガラス粘性を上げる成分である。その含有量は0〜9%、好ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.01〜3%、さらに好ましくは0.01〜2%である。ZrO2が0.01%以上であれば上記効果が得られる。また5%以下、特に3%以下であればZrを含有する結晶が生じることなく安定したガラスが得られやすく、2%以下であれば他の結晶の析出を誘発する心配も無くなる。
SnO2は清澄作用と、ガラスを安定化させる効果がある。その含有量は0〜10%、好ましくは0.01〜5%である。SnO2が0.01%以上であれば清澄効果が期待できる。また10%以下、特に5%以下であれば結晶が生じることなく好ましい。
Nb25はソラリゼーションを防止する効果があり、その含有量は0〜15%、好ましくは0〜10%である。15%以下であれば結晶を析出することなく安定して生産でき、10%以下であればさらに工程の安定化をはかることができる。
Ta25はソラリゼーションを防止する効果があり、その含有量は0〜15%である。15%以下であれば結晶を析出することなく安定して生産できる。
25はガラスの骨格成分となる元素であり、少量で結晶の発生を抑制する効果があるが、多すぎると分相を生じてガラスが白濁する。その含有量は0〜10%、好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%である。0.1%以上あれば上記効果を得ることができる。また10%以下であれば分相が少なくなり、5%以下であれば量産上好ましく、3%以下であればさらに好ましい。
Bi23は、ガラスの誘電率を高める成分であり、外部電極の面積を小さくするために高誘電率が必要な場合には含有することが好ましい。その含有量は0〜30%である。30%よりも少なければ、ガラス中に結晶を析出させることなく安定して生産できる。
塩化物は清澄剤として有効であり、その量はガラス中の残存量をCl2で表して0〜0.5%、好ましくは0.001〜0.5%である。Cl2が0.001%以上であれば清澄剤として十分な効果がある。0.5%以下であれば労働環境を悪化させる心配がない。
Sb23は清澄剤として有効であり、その含有量は0〜1%、より好ましくは0.01〜1%、さらに好ましくは0.1〜1%である。0.01%以上であれば清澄効果が現れ、0.1%以上であれば十分な清澄効果を得ることが可能になる。また1%以下であれば、ランプの加工時の加熱でSbが還元されてガラスが黒くなる現象を抑制できる。
また上記成分の他にも種々の成分を含み得る。例えばFe23、硫黄成分(SO3)、Cl、F、さらには稀土類等がガラス中に含まれていてもよい。
Fe23は、意識的に除外しない限り、ガラス工業においては不可避的に含有される成分である。Fe23の価数及び配位数によって、ガラスの着色やソラリゼーションを引き起こしたり、紫外線を吸収し、ソラリゼーションを抑制したりする。即ち、Fe2+イオンは青色の色調をガラスに与え、Fe3+イオンの低い配位の場合はガラスを褐色にする。またFe3+イオンの高配位の場合は、紫外線領域に鋭い吸収を有し、ガラスを着色することなく、紫外線吸収性を与える。またソラリゼーション防止効果もある。各イオンは共存しており、ガラスの酸化度合いに応じて各イオンの割合が連続的に変化する。それゆえFeの3価ができるだけ多くなるよう酸化状態にする必要があるが、完全にFeの3価の高配位のみにすることは困難である。このため、Fe自体の含有量の管理が重要となってくる。Fe23の含有量は0.001〜0.1%、好ましくは0.005〜0.06%、さらに好ましくは0.01〜0.03%に抑制することが好ましい。ソラリゼーションを防止する効果を得るためには0.001%以上含有することが望ましく、0.005%以上含有することが推奨される。0.01%以上含有すればソラリゼーション防止効果がより高くなる。また0.1%以下であれば、Feイオンを原因とする着色の影響をなくすことが可能になるが、0.06%以下であることが望まれる。TiO2を含有する場合には着色が促進されるので、特に色調に厳しい高精細液晶TV等の用途では0.03%以下であることが望ましい。
ガラス原料中の硫黄成分は、原料粉末の溶解を容易にし、泡切れを良くする成分である。その一方、ガラス中に過剰に残留すると、ランプ加工時にリボイルして泡の原因になり、ランプ停止原因になるため、その含有量は厳重に管理する必要がある。なおガラス中の硫黄成分の許容量はアルカリ含有量が増えると多くなる。その含有量はSO3として表して0.0001〜0.05%、好ましくは0.0005〜0.02%、より好ましくは0.0005〜0.01%、さらに好ましくは0.0005〜0.005%である。上記した効果を得るためには0.0001%以上含有することが好ましく、顕著な効果を得るためには0.0005%以上含有する方がよい。また0.05%以下であればリボイルによる泡の発生を防止することが可能になり、0.02%以下であれば安定して量産することが可能になる。またアルカリ含有量が2%程度以下のガラスの場合、リボイルし易くなるので、0.01%以下に制限することが好ましく、特に0.005%以下になるように含有量を調整することが望ましい。
なおSO3は原料や燃料に不純物として含有されていることも多く、その不純物量や硫黄化合物の種類によっては、原料の選択が必要になってくる。燃料は重油よりも天然ガスの使用が推奨される。原料や燃料の不純物のみでは不足である場合は、硫酸塩の形で添加することができる。SO3の許容量はアルカリの増加と共に増すので、ガラスの泡の状態を考慮してSO3の含有量を調整すればよい。またガラス中に残留するSO3を減少させる方法として、CeO2、SnO2、Sb23、Cl、Fや硝酸塩の少なくとも1種類、できれば2種類以上と共存させる方法や、溶融中に酸素や空気等のガスでバブリングする方法がある。
Clは清澄効果を有しており、塩化物原料、例えば塩化バリウムを使用することによってガラスに導入することができる。ガラスの成形までに揮発しやすく、その残留含有量は1%以下、特に0.0001〜0.5%であることが好ましい。
も清澄効果があり、フッ化物原料、例えばフッ化アルミニウムを使用することによってガラスに導入することができる。ガラスの成形までに揮発しやすく、その残留含有量は1%以下であることが好ましい。
23、La23等の希土類は、ガラスのヤング率を大きくする目的で10%まで含有することができる。
なおAs23は清澄作用が大きく、またFe3+イオンの高配位による着色を抑制する効果がある。しかしながらCeO2と共存すると、ソラリゼーションを引き起こす。また毒性が高いために設計上導入しないことが望ましく、不純物レベルでも0.1%以下、好ましくは0.005%以下に制限することが望まれる。PbOもAs23と同様であり、不純物レベルで0.5%以下、好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.01%以下にすることが望まれる。
次に本発明の外部電極蛍光ランプ用外套容器の製造方法を管形状に成形する場合を例に挙げて説明する。
まず上記特性又は組成となるように原料を調合し、混合した後、溶融炉にてガス溶融する。このとき必要に応じてガラス中の水分量を調整する。次に溶融ガラスをダンナー法、ダウンドロー法、アップドロー法等の管引き法を利用して管状に成形する。その後、管状ガラスを所定の寸法に切断し、必要に応じて後加工することにより、外部電極蛍光ランプ用外套管を得ることができる。なお外部電極蛍光ランプ用外套管の寸法は、特に制限されるものではないが、液晶表示装置のバックライトユニットに使用される場合には、外径が8mm以下、特に5.2mm以下の細管であることが望ましい。また外套管の肉厚は、静電容量を大きくするために薄肉であることが望ましく、具体的には0.6mm以下、特に0.4mm以下、さらには0.3mm以下であることが望ましい。また肉厚のバラツキは、ランプの投入電力を左右し、ランプ毎の明るさの不均一を招く。従ってバラツキをできる限り小さくすることが重要であり、0.02mm以内、特に0.01mm以下であることが望ましい。なお、肉厚のバラツキは、外套容器端面部分全周の肉厚をマイクロゲージにて測定し、その最大値及び最小値の差とした。
このようにして得られた外套容器を用い、常法に従って外部電極蛍光ランプを作製することができる。なお蛍光ランプを組み立てるに先立って、外套容器外周面の両端近傍に電極を形成したり、内表面に蛍光体や電子放射物質からなる層を形成しておくことができる。また外套容器の開口端に排気管を接合したり、封止部材を設けておくことも可能である。
[実施例1]
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。表1、2は本発明の実施例(試料No.1〜5)を示している。なお試料No.6〜10は参考例である。
Figure 2009295593
Figure 2009295593
まず、表の組成となるようにガラス原料を調合した後、白金坩堝を用いて1600℃で18時間溶融した。溶融後、融液を所定の形状に成形、加工して各ガラス試料を作製した。各試料の特性を表に示す。なお主原料として酸化珪素(150μm篩上1%以下、45μm篩下30%以下)、酸化アルミニウム(平均粒径50μm・マイクロトラック)、硼酸(400μm篩上10%以下、63μm篩下10%以下)、高純度炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム(平均粒径2μm)、硝酸バリウム(500μm篩上1%以下、45μm篩下5%以下)、炭酸バリウム(平均粒径2μm)、酸化亜鉛(45μm篩上1%以下)を用い、その他の微量成分として試薬級の無水硼酸、酸化マグネシウム、硝酸ストロンチウム、塩化バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリクム、炭酸カリウム、酸化ジルコニウム、五酸化アンチモン、酸化第二スズ、メタリン酸アルミニウム、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化タンタル、硫酸ストロンチウムを使用した。なおPbO、Fe23、Cl2は蛍光X線分析にて、As23、SO3は液化した後、化学分析によって求めた値である。
誘電正接の評価は次のようにして行った。具体的には、まず図1に示すように、#1000仕上げの直径20mm、厚さ1mmの円盤状試料Gを用意し、その片面に、外径14.5mmの主電極aと、主電極aの外側に同心状に設けられた外径20mm、内径16mmのガイド電極bとをそれぞれ金蒸着にて作製した。また試料のもう一方の面には、その全面に対電極cを金蒸着にて作製した。
測定装置は、図2に示すように、ヒーター100と、試料測定室110と、LCRメーター(図示せず)とを有する構造になっている。ヒーターは無誘電巻きしたテープヒーターを使用している。試料測定室110は、ヒーター100の影響による電磁誘導を避けるために、シールド(金属筒)120内に設置されている。また試料測定室110には、試料Gの主電極a及びガード電極bと接するための主電極用端子111及びガード電極用端子112が一体的に昇降可能に設けられている。主電極用端子111はLCRメーターの端子と、ガード電極用端子112はLCRメーターのガード端子とそれぞれ導線を介して接続されている。また試料測定室110内の上部には、試料Gの対電極cと接するための対電極用端子113が設けられている。対電極用端子113は、LCRメーターの端子に導線を介して接続されている。また対電極用端子113の導線と主電極用端子111の導線との間での影響がないように、両者間にはシールド(アルミニウム箔、図示せず)が設けられている。また試料測定室110内に保持される試料Gの近傍には、サーモメーターに接続された熱電対114が設置されており、試料温度が測定できるようになっている。
上記測定装置を用いて試料Gの誘電特性を測定するには、まず、試料Gを主電極用端子111及びガード電極用端子112上に載置する。次いで両端子を上方へ移動させ、上部に設置された対電極用端子113に押しつけられた状態で試料Gを保持する。続いてヒーター100で試料Gを加熱し、所定温度になったときの誘電特性を、LCRメーターによって測定する。このようにして、室温−1MHz、40KHz−150℃、40KHz−250℃、40KHz−350℃の条件で誘電正接を測定した。
各粘度に相当する温度は、ASTM C336、ASTM C338及び球引き上げ法によって求めた。
液相粘度は次のようにして求めた。まず、粒径0.1mm程度に粉砕したガラスをボート状の白金容器に入れ、温度勾配炉に24時間保持した後、取り出した。この試料を顕微鏡で観察して結晶の初相が出る温度(液相線温度)を測定し、次いで予め測定しておいた当該ガラスの温度と粘度の関係から、初相の温度に対応する粘度(液相線粘度)を求めた。
水分量を示す係数Xは、赤外分光光度計にて測定した3846cm-1付近の極小点の透過率aと、3560cm-1付近の極小点の透過率bを下記式に代入して求めた。なおtは試料厚み(mm)である。
X=(log(a/b))/t
密度はアルキメデス法にて、ヤング率は曲げ共振法にて求めた。
次に、得られたガラス試料について、紫外線遮蔽性、耐ソラリゼーション性、泡数、リボイル性、加工性及び着色の有無を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2009295593
紫外線遮蔽性は、両面を鏡面研磨した厚さ0.2mmの板状ガラス試料を作製し、波長253.7nmの分光透過率を測定し、1%以下であれば「A」とした。なお253.7nmの波長は水銀の輝線である。本発明の用途では、この波長の透過率が低いほどよい。
耐紫外線ソラリゼーション性は次のようにして評価した。まず、厚さ1mmの板状ガラスの両面を鏡面研磨して試料を得た。次いで紫外線照射前の試料の透過率が80%を示す光の波長を測定した。さらにその試料に40Wの低圧水銀ランプによって主波長253.7nmの紫外線を照射距離20mmで60分間照射した後、400nmの照射前に透過率と照射後の透過率を比較して、その差が1%以下である場合を「A」とした。なお耐紫外線ソラリゼーション性の劣るガラスほど、この透過率低下が大きくなるが、液晶バックライト等の蛍光ランプ用外套容器は、この低下が殆どないことが重要である。
溶解性は次のようにして評価した。まずガラス原料100gを三角坩堝に投入し、1550℃で2時間加熱した後、坩堝内で冷却、固化させた。固化後、坩堝からガラス塊を壊れないように取り出し、アニールした。その後、ガラス塊の中央部を7mm厚で切り出し、透過光を用いて断面を観察した。その結果、未溶解物が見当たらないものを「A」、僅かに認められるものを「B」、未溶解物が集合して白く見える状態のものを「C」とした。
泡数は、ブロック状に切り出したガラス試料を観察し、40倍の顕微鏡で見える泡(直径30μm程度以上の泡)の数を数え、100g当たりの個数に換算した値である。
リボイル性は、約10mm角のガラス試料片をガラス棒の先端に溶着した後、酸素バーナーで丸くなるまで加熱して、冷却後、肉眼で泡を観察し、泡(明らかに巻きこみ泡であると思われるものを除く)が1個以内である場合を「A」とした。
加工性は、管ガラスの端を封止することで評価した。具体的には次のようにして行った。まず試料をガラス細管状に加工し、その一端をバーナーで加熱しながら、はさみ状の工具でつまみ封止した封入面を観察し、リボイル泡のないこと、封入管周辺の変形の無いことを確認して、問題が無けれは「A」とした。
ガラスの着色は、厚さ1mmのガラス試料を肉眼で観察し、着色が無いものを「A」とした。
[実施例2]
実施例1で使用したガラス試料と同一組成を有するガラスを用いて外部電極蛍光ランプ用外套容器を作製し、肉厚のバラツキを評価した。その結果、肉厚のバラツキは0.01mm以内であることが確認された。
なお外套容器は、次のようにして作製した。まず各試料と同等のガラスとなるように調製した原料を耐火物窯で、1600℃、24時間溶融した後、ガラス融液をダンナー成形装置に供給して管引きし、切断することにより、外径3.0mm、肉厚0.3mm、長さ800mmのガラス管を得、これを外套容器とした。
また肉厚のバラツキは、外径内径測定器を用いて真円度とともに測定して評価した。
[実施例3]
実施例2で作製した外套容器を用いて外部電極蛍光ランプを作製する。ここでは2種類の形態のランプを作製する。
第一の形態の蛍光ランプを作製する方法について説明する。第一の形態の蛍光ランプは、予め外周面に電極を形成した外套容器の両開口端に、封着ガラスを用いて封止部材及び排気管をそれぞれ接合する構造を有している。なお封着ガラスを使用する本形態では、封着ガラスが温度ヒューズとして機能するため安全である。つまり封着ガラスは耐熱性が高くないため、万一外套容器の温度が封着ガラスの耐熱温度、即ち非晶質ガラスの場合は軟化点(例えば後述のLS−1301では390℃)、結晶性ガラスの場合は析出結晶の融解温度を超えた場合に、封着ガラスが軟化してランプの気密性を破り、ランプを停止させ周辺部材の火災を防止することができる。
まず図3(a)に示すように、封止部材1、封着ガラスタブレット2、電極3が形成された外套容器4、排気管5を、図3のようにカーボン型10に挿入配置後、封着ガラスの封着温度で焼成し、各部材を接合一体化する。外套容器4を構成する透明ガラス管4内には予め蛍光体6が塗布されている。
また外套容器4に予め形成される電極3は、Ni、Cu、Ag等の材料で構成される。電極形成材料には特に制限はないが、例えば京都エレックス株式会社製のDD3600Cuペースト、DD300Agペースト、DD7000Niペースト等を使用することができる。例えばDD300Agペーストを使用する場合、外套容器の外周面上に転写印刷して600℃窒素中で焼結することで、外面に密着した均質な電極層が得られる。電極として、アルミニウム箔を接着剤で接着する方法もあるが、密着性に劣るため誘電容量が低く好ましくない。
また封着ガラスタブレット2には、例えば、日本電気硝子株式会社製LS−1301(非晶質ガラス使用、封着温度430℃、耐熱温度390℃)、LS−1320(非晶質ガラス使用、封着温度320℃、耐熱温度270℃)、LS−0206(非晶質ガラス使用、封着温度450℃、耐熱温度410℃)、LS−7105(結晶性ガラス使用、封着温度450℃、耐熱温度500℃)等からなるタブレットが使用できる。これらのタブレットは、封着ガラス粉末に低温分解性のバインダーを用いて混練したものを押し出し成形によって形成したものであり、蛍光体や誘電部材上の電極に影響を与えることなく各部材を封着できる。上記例では封着ガラスは何れも鉛系ガラスであるが、銀リン酸系ガラスや錫リン酸系ガラス等を採用してもよい。封着ガラスの選択に当たっては、耐熱温度や、外套容器等の被封着部材の熱膨張係数を考慮して適宜選択すればよい。
また封止部材1は、外套容器用ガラスをアルミナボールミルで粉砕し、目開き200μmの篩で分級して得たガラス粉末にバインダーを加えて造粒した後、円盤状になるようにプレス成形し、焼結させたものである。なお封止部材の形状は、円盤状に限定されるものではなく、例えば凸型でもかまわない。
次に図3(b)のように、排気管5内部に水銀アマルガムボート7を挿入し、排気装置11にて排気後、ArとNeガスを導入する。
続いて、排気管5端部を封止し、さらに水銀アマルガムボート7を加熱してHgを管内に導入する。(図3(c))
その後、排気管5を封止切りして、図3(d)に示すような第一の形態の蛍光ランプを得る。
なお、封止部材と排気管の接合の何れか一方を封着ガラスタブレットによる接着とし、他方を外套容器に直接融着させる形態を採用することも可能である。
第二の形態の蛍光ランプを作製する方法について説明する。第二の形態の蛍光ランプは、封止部材及び排気管を接合しない構造を有している。
まず図4(a)のように、外套容器4内部に蛍光体6を塗布する。その際、余分な蛍光体はブラシで除去する。また外套容器4外周部に、電極形成用金属ペーストを塗布する。その後、管全体を600℃で焼成し、蛍光体6の焼きつけと電極3の焼付けを同時に行う。なお電極3の形成は、最終工程で行うこともできる。
続いて図4(b)のように外套容器の一方の端部を溶融封止した後、他端から排気、ArとNeガスの封入、Hgの管内への導入を行う。(図4(c)(d))
その後、外套容器の水銀アマルガムボート7が存在する部分を封止切りすることにより、第二の形態の蛍光ランプを得る。(図4(e))
第二の形態の蛍光ランプにおいて、外套容器が耐熱性の不十分なガラスからなる場合には、500℃程度で焼成が可能な金属ペースト材料を使用するか、最終工程で電極を貼り付けることも可能である。
また第一及び第二の形態以外にも、一方の外套容器端部に封止部材又は排気管が接合され、他端が溶融封止された形態を採用することも可能である。
1 封止部材
2 封着ガラスタブレット
3 電極
4 外套容器
5 排気管
6 蛍光体
7 水銀アマルガムボート
10 カーボン型
11 排気装置
20 電源
L1、L2 外部電極蛍光ランプ

Claims (4)

  1. 外面に電極が設けられた構造を有する外部電極蛍光ランプの作製に用いられる外部電極蛍光ランプ用外套容器であって、質量百分率で、SiO2 35〜65%、B23 0.1〜25%、Al23 2〜12.5%、Li2O+Na2O+K2O 0〜0.1%未満の組成を有するアルミノホウケイ酸ガラスからなることを特徴とする外部電極蛍光ランプ用外套容器。
  2. 管形状の外部電極蛍光ランプ用外套容器であって、外周面の両端近傍に電極が設けられた構造を有する外部電極蛍光ランプの作製に用いられることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套容器。
  3. 外面に電極が形成されてなることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套容器。
  4. 外周面の両端近傍に電極が形成されてなることを特徴とする請求項1の何れかの外部電極蛍光ランプ用外套容器。
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