JP4314535B2 - 蛍光ランプ用外套管 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示素子等の照明装置の光源となる外部電極蛍光ランプの外套管に関するものである。
液晶表示素子は自己発光しないため、透過型液晶表示素子に専用の照明装置(以下バックライトユニット)が用いられたノート型パソコン、TVモニター、パーソナルコンピュータ(PC)モニター、車載用計器等が一般に使用されている。
バックライトユニットの光源となる蛍光ランプは冷陰極管であるが、その発光原理は、一般の照明用蛍光ランプと同様である。即ち、電極間の放電によって封入された水銀ガス等が励起し、励起したガスから放射される紫外線によってガラス管の内壁面に塗られた蛍光体が可視光線を発光するというものである。ただし冷陰極管は初期電圧が高いため、インバーター電源により、高電圧、高周波が印加される。このような蛍光ランプには、熱的、機械的に強度が高く、電気絶縁性で有利なホウケイ酸系ガラスと導入金属の組合せとして、コバール金属封着用ガラスとコバール金属を用いた蛍光ランプや、タングステン金属封着用ガラスとタングステン金属を用いた蛍光ランプが開発され商品化されている。また、このランプの電源ユニットは電流を制御するための個別コンデンサーと個別インバーター電源からなる。このため、ランプごとにインバーター電源とコンデンサーがセットされたユニットが必要である。
液晶表示装置の裏側に蛍光ランプを約1〜5cm間隔で複数本均等に多数並べて光らせ、拡散板を通して発光させるバックライトユニットが主にTVモニターに使用される。
TVモニターでは、ランプ本数分だけ電源をつみこむので、電源が占める容積が表示装置内で大きいだけでなく、価格も高くなる。それゆえユニットの電源を一つにまとめることが期待されているが、コンデンサーが省略できないため従来不可能であった。
また、従来の冷陰極ランプの寿命は、金属電極がランプ内でスパッタされるときにHgと合金を構成し、Hgを消費することによって決定されていると考えられている。電子放出特性を維持するために金属電極が必要であり、寿命に限界があった。その寿命はTVモニター用として十分に長いとは言えない。
このため、寿命に影響しやすい内部電極がなく、ランプ外周面の両端近傍部分に電極を配置した外部電極ランプが検討されている。(特許文献1、非特許文献1)
特開2002−8408 特開2000-311659 特開2002-338296 照明学会誌 vol.87 No.1 2003 p18
外部電極ランプは、電子を電極から直接的に放出させるのではなく、ガラス外套管を誘電体として機能させ、その誘電特性により管内面から電子を放出させるものである。つまり、ランプ内にコンデンサーの代わりになる機構を構築するものであり、その結果、コンデンサーが不要となり電源の統合が可能になる。
ところがこの構造では、誘電体として作用するガラスの温度が上昇するが、従来のガラス外套管材質では高温での体積抵抗が十分でなく、ガラスが抵抗体として発熱するのみならず、誘電正接が増大することによって誘電損失が増大し、エネルギーロスを生じ、エネルギー効率の観点で好ましくない。また、生じたエネルギーロスは熱エネルギーに変換されるため、電極部分の温度が異常に上昇し、周辺部材に火災を生じる危険性もある。特に液晶バックライトユニット内は、反射板や液晶パネルに囲われていて発生熱が放散しにくく、ランプ周辺温度が上昇しやすい。このため、ランプの放熱に関して考慮する必要が生じ、放熱装置が必要になったり、ランプ出力を上げることができなかったりする等様々な制約が生まれる。
このような事情から、ランプ周辺温度が上昇してもエネルギーロスを極端に増大させない、つまりランプの発熱が極端に増えない外部電極蛍光ランプ用ガラス外套管が求められているが好適なものはなかった。
本発明の目的は、ランプ周辺温度が上昇してもエネルギー効率がよい外部電極ランプを製造することが可能な外部電極蛍光ランプ用外套管を提供することである。
本発明者は種々の検討を行った結果、誘電体として機能するランプ外套管自体を、高温領域でも優れた電気特性を有するガラスで構成することにより、上記目的を達成できることを見いだし、本発明として提案するものである。
即ち本発明の蛍光ランプ用外套管は、ランプ外套管外周面の両端近傍に電極が設けられた構造を有する外部電極蛍光ランプの作製に用いられる蛍光ランプ用外套管であって、透明ガラス管からなり、該ガラス管を構成するガラスの150℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で13以上であり、且つガラス組成として、質量百分率で、SiO 20〜80%、B 0〜40%、Al 0〜50%、LiO+NaO+K〜15%、ZrO 0.001〜10%、MgO 0〜30%、CaO 0〜30%、SrO 0〜30%、BaO 0〜30%、ZnO 0〜30%、Nb 0〜10%、TiO 0〜30%、CeO 0〜10%、WO 0〜10%、Sb 0〜6%、Cl 0〜0.5%含有し、且つ(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Li O+Na O+K O)≧2の関係を満たすガラスからなることを特徴とする。
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、ランプ外套管外周面の両端近傍に電極が設けられた構造を有する外部電極蛍光ランプの作製に用いられる蛍光ランプ用外套管であって、透明ガラス管からなり、該ガラス管を構成するガラスの150℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で13以上であり、且つガラス組成として、質量百分率で、SiO 20〜80%、B 0〜40%、Al 0〜50%、Li O+Na O+K O 0〜4.5%未満、ZrO 0.001〜10%、MgO 0〜30%、CaO 0〜30%、SrO 0〜30%、BaO 0〜30%、ZnO 0〜30%、Nb 0〜10%、TiO 0〜30%、CeO 0〜10%、WO 0〜10%、Sb 0〜6%、Cl 0〜0.5%を含有するガラスからなることを特徴とする。
また、本発明の蛍光ランプ用外套管は、ガラス組成として、質量百分率で、Al
の含有量が5%以上であるガラスからなることを特徴とする。また、本発明の蛍光ランプ
用外套管は、ガラス組成として、質量百分率で、KOの含有量が3%以下であるガラス
からなることを特徴とする。

また本発明の蛍光ランプ用外套管は、250℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で10.3以上のガラスからなることを特徴とする。また本発明の蛍光ランプ用外套管は、350℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で8.3以上のガラスからなることを特徴とする。
た本発明の蛍光ランプ外套管は、MgO+CaO+SrO+BaOが1〜50質量%であるガラスからなることを特徴とする。
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、Feの含有量が200ppm以下であるガラスからなることを特徴とする。
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、TiO+CeO+WOが0.01〜20質量%であるガラスからなることを特徴とする。
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、NaOの含有量が3質量%以下のガラスからなることを特徴とする。
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、肉厚が0.1〜2mmであることを特徴とする。
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、少なくとも一方の開口端に、さらに排気管が接合されてなることを特徴とする。
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、少なくとも一方の開口端に、さらに封止部材が接合され、これによって当該開口端が封止されていることを特徴とする。
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、ガラス管外周面に、さらに電極層が形成されていることを特徴とする。
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、ガラス管内周面に、さらに蛍光体層が形成されていることを特徴とする。
本発明の外部電極蛍光ランプは、上記外套管を使用してなることを特徴とする。
また本発明の外部電極蛍光ランプは、液晶表示素子の照明装置用蛍光ランプとして用いられることを特徴とする。
本発明の蛍光ランプ用誘電部材を用いれば、エネルギー効率がよく、異常発熱のない外部電極ランプを製造することができる。
また本発明の外套管を用いて作製した蛍光ランプは、電極が外部にあるため、電極劣化が殆どなく寿命が長い。またコンデンサーを必要とすることがなく、インバーター電源の集約が可能である。しかも異常発熱が起こりにくい。それゆえ安価で信頼性の高い液晶バックライト用照明装置のランプとして好適である。
ランプ寿命に影響しやすい内部電極を使用しない構造を持つ蛍光ランプとして、本発明で対象とする上述の外部電極ランプ以外にも、ランプ外面の軸方向に電極を配した外面電極ランプが知られている(例えば特許文献2)。
このタイプのランプの外套管に用いられるガラスが、例えば特許文献3で提案されている。しかしこの外面電極ランプ構造では、外套管外面全域に電極を持つため、電極を含むランプ外周全域に透明樹脂をコートすることで絶縁を図っているが、ランプ駆動中に発生する熱により、また強い光が透明樹脂に照射されることにより、透明樹脂が劣化して着色しやすくランプの輝度が長期にわたって維持できないという問題がある。また電極の存在により、発生した光がランプ内部へ反射され、効率面で劣る。このため外面電極ランプは、強い光を瞬間的に発生させ、かつ連続点灯を必要としない用途、例えばコピー機などに好適に使用されている。
一方、本発明が対象とする外部電極蛍光ランプは、長時間の連続点灯が行われる用途、例えば液晶用バックライトに使用される。この種の用途では、長期にわたりランプ輝度を維持する必要がある。そこで外套管外周面の両端近傍に電極を設け、その部分にのみ樹脂をコートして絶縁を図っている。このような構造を採用することにより、光を取り出す部分に透明樹脂や電極を形成する必要がなく、光をランプ外套管全周方向から効率的に取り出せるという利点がある。
ところが、外部電極ランプは、外面電極ランプに比較して、電極面積が小さいために高電圧が印加される。その結果、電圧、周波数、誘電体の誘電率及び誘電正接の積の関数で表される誘電損失の影響により、ガラス外套管の温度が容易に上昇する状態にある。しかも外部電極ランプは連続点灯されるため、温度が加速度的に上昇しやすい。
このような条件を考慮した結果、本発明の蛍光ランプ用外套管を構成するガラスには、以下のような特性が必要となる。
(1)体積抵抗が150℃から350℃で高いこと。
体積抵抗が低いと電流が流れて、ジュール熱によりエネルギーが浪費され、発光効率が悪くなる。またジュール熱により、外套管の変形や周辺部材の火災が起こるおそれがある。
(2)150、250、350℃の誘電正接が極力小さいこと。
インバーターによって交流高電圧が印加されるとガラスの誘電損失により誘電発熱がおこる。発熱は第一にエネルギーの浪費によりランプの発光効率を悪化させる。第二に発熱すると、外套管全体の放熱によって平衡状態となるまで温度が上昇するが、その温度上昇によりガラスの誘電正接が大きくなって誘電損失が大きくなり、さらに発熱が大きくなって温度が上がることになり、最終的に外套管が変形して焼損にいたる。正常な状態で電極温度は150℃近辺であるが、250℃になることもまれにある。
誘電加熱は周波数、誘電率、誘電正接、電圧に比例するため、電源条件の周波数と電圧を一定とすると、誘電率と誘電正接を小さくすることで誘電加熱は少なくできる。誘電率はランプに送りこむ電力を確保する誘電容量の設計上に大きく影響する因子であり、設計の自由度が少ない。従ってランプ駆動温度域でのガラスの誘電正接の値を小さくすることが誘電加熱を小さくするために大切である。また、誘電正接が温度上昇によって大きく増加すると、ガラス自身の発熱によって、それ自身の誘電損失が大きくなり、更に温度上昇を招く悪循環を繰り返し、最終的に外套管の焼損に至るため、ランプ駆動温度の150℃から250℃の誘電損失は温度による変化が少ないことが重要である。さらに外套管の焼損を予防するためには350℃の誘電損失量も十分に小さい必要がある。
(3)アルカリ含有量が少ないこと。特にNaOの含有量が極力少ないこと。
アルカリ成分は、高温領域で誘電正接や体積抵抗値に大きな影響を与えるため極力少ないことが求められる。特にNaイオンはガラスの体積抵抗率を下げる働きが大きい。しかもHgとイオン交換をし易い事でも知られており極限まで使用を制限することが望まれている。なおKイオンやLiイオンも誘電損失を増大させる働きがあるため、できれば含有させない方がよい。
ただしガラスを低粘性化したり、生産性を上げたりするためにやむを得ず2質量%以上のアルカリ成分を含有する場合は、同時にアルカリ土類成分を豊富に導入することで対処可能である。
(4)耐熱温度が十分に高いこと。
蛍光体の焼成は500℃程度で行われるため、500℃以上の耐熱温度が求められる。耐熱温度が600℃以上であれば、金属ペーストを用いて、ガラス管外周面に電極を形成することが容易となり、密着性のよい電極を蛍光体焼成と同時に形成できるため好都合である。なお金属ペーストの焼成温度は600℃に制限されるものではなく、材料に適した温度で焼成すればよい。
なお耐熱温度が低いと外套管に変形が生じ、蛍光ランプを製造することが困難になる。
(5)紫外線遮蔽性、ソラリゼーション性に優れること
液晶バックライトでは、反射板等の有機部材が蛍光灯の近傍に備えられているため紫外線による有機物の劣化により光量が減衰するおそれがある。このため蛍光ランプ内部で発生する紫外線を外部に漏らさないよう外套管用ガラスには紫外線遮蔽性が要求される。
また紫外線がガラスに当たるとガラス着色(ソラリゼーション)を生じるが、着色を生じるとランプの光量が減少するため好ましくない。このためガラスが着色しないよう組成面で対応する必要がある。
上記要求特性を満足する本発明の外套管について、以下に詳述する。
本発明の外套管は、体積抵抗が高いガラスからなる。体積抵抗はガラスの絶縁性を示す数値であり、抵抗が少ないと電流が流れてガラスがジュール熱によって発熱するため、できだけ高い値が必要である。
150℃における体積抵抗率Ω・cmは、log表示で13.0以上、好ましくは13.5以上、さらに好ましくは14.0以上である。13.0以上あれば十分な実用上の問題の無い抵抗を示し、13.5以上あれば誘電損失に与える影響も小さくなり、14.0以上あれば完全な絶縁体とみなすことができる。
250℃における体積抵抗率Ω・cmは、log表示で10.3以上、好ましくは10.5以上、さらに好ましくは11以上、特に12以上であることが望ましい。10.3以上あれば実用上問題の無い抵抗を示し、10.5以上あれば誘電損失に与える影響も小さくなり、11以上であればランプ周辺温度が高くなるような厳しい使用条件下でもランプを使用できる。12以上であればより安全である。
350℃における体積抵抗率Ω・cmは、log表示で8.3以上、好ましくは8.5以上、特に9以上が望ましい。体積抵抗率が8.3以上であれば実用上問題の無い抵抗を示し、8.5以上であればランプ周辺温度が高くなるような厳しい使用条件下でもランプを使用できる。9以上であればより安全である。
また本発明の外套管は、誘電正接の小さいガラスからなる。
1MHzの誘電特性は物質の性質を代表する値であり、本発明においては、1MHzにおける誘電正接が室温で0.003、好ましくは0.0025、さらに好ましくは0.002以下のガラスを使用するべきである。0.003以下であれば誘電損失が小さくなって、発熱量を実使用上問題ないレベルに抑えることが可能になり、0.025以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる。さらに0.002以下であれば高出力タイプや高周波数タイプのランプでも発熱が小さくなり好ましい。
ランプは40KHzから100KHzで使用されるが、誘電正接は周波数が高くなるほど小さくなる傾向があるため、40KHzの誘電正接の方が100KHzのそれよりも高くなる。よって40KHzの値で外套管用ガラスの誘電特性を規定することができる。また150℃はランプの通常の作動温度であり、250℃はランプ内部で発生する可能性のある温度である。さらに350℃は安全面から考慮すべき温度である。
150℃、40kHzの誘電正接は通常0.0005よりも大きいが、0.005以下、好ましくは0.004以下、さらに好ましくは0.003以下であることが望まれる。0.005以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実使用上問題ないレベルに抑えることが可能になり、0.004以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる。さらに0.003以下であれば高出力タイプの蛍光ランプでも発熱が小さくなり好ましい。
250℃、40kHzの誘電正接は0.02以下、好ましくは0.015以下、さらに好ましくは0.01以下である。0.02以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実使用上問題ないレベルに抑えることが可能になり、0.015以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる、さらに0.01以下であれば高出力タイプの蛍光ランプのような発熱が大きいタイプでも使用可能であり好ましい。
350℃、40kHzの誘電正接は0.1以下、好ましくは0.07以下、さらに好ましくは0.05以下である。0.1以下であれば、誘電損失が小さくなって電極の発熱を抑制し、発熱量を実使用上問題ないレベルに抑えることが可能となる。0.07以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる、さらに0.05以下であれば周辺温度が高温でかつ放熱しにくい環境下においても、高出力タイプのランプが使用可能となり好ましい。
また下式で表される誘電正接変化率が、150℃〜250℃間の平均値で、0.0002以下、好ましくは0.0001以下、さらに好ましくは0.00008以下であることが望まれる。0.0002以下であればランプ周辺温度が上昇しても、ランプ発熱量の変化が少なく安定した温度で使用でき、0.0001以下であればランプ外部環境の影響が少なくなり、0.00008以下であればランプ発熱量が減って、環境上も極めて理想的である。
また下式で表される誘電正接変化率が、250℃〜350℃間の平均値で、0.001以下、好ましくは0.0007以下、さらに好ましくは0.0005以下であることが望まれる。0.001以下であれば、温度上昇に伴う誘電損失の増大による異常発熱が抑制できるため、外套管の焼損を防止することができる。0.007以下であればランプからの放熱が制限されるような条件でも外套管の焼損が起こりにくくなるが、より理想的には0.005以下であればさらにランプの温度安定化が図れて好ましい。
誘電正接変化率 = △誘電正接/△T
△誘電正接 : 誘電正接の差
本発明において、外套管材質として使用するガラスとしては、例えば質量百分率で、SiO 20〜80%、B 0〜40%、Al 0〜50%、LiO+NaO+K〜15%、ZrO 0.001〜10%、MgO 0〜30%、CaO 0〜30%、SrO 0〜30%、BaO 0〜30%、ZnO 0〜30%、Nb 0〜10%、TiO 0〜30%、CeO 0〜10%、WO 0〜10%、Sb 0〜6%、Cl 0〜0.5%含有し、且つ(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Li O+Na O+K O)≧2の関係を満たすガラスや、質量百分率で、SiO 20〜80%、B 0〜40%、Al 0〜50%、Li O+Na O+K O 0〜4.5%未満、ZrO 0.001〜10%、MgO 0〜30%、CaO 0〜30%、SrO 0〜30%、BaO 0〜30%、ZnO 0〜30%、Nb 0〜10%、TiO 0〜30%、CeO 0〜10%、WO 0〜10%、Sb 0〜6%、Cl 0〜0.5%を含有するガラスがある。各成分の範囲を限定した理由を以下に説明する。
SiOは主成分であり、ガラスの骨格成分である。SiOの含有量は20〜80%、特に20〜60%、さらには40〜55%未満であることが好ましい。SiOが20%よりも多いと上記した効果が得られ好ましい。40%以上であれば耐候性が良くなり、ガラス表面が白くなるアルカリ吹き等を防止することができる。また80%よりも少ないと溶融ガラスを管状に直接成形する際の成形性がよくなり、60%以下であればガラスの粘性が低くなって生産性が向上し、大量生産に好適となる。なお、アルカリ成分の少ない組成でより精密な成形を行うことが求められる場合には、ガラス粘度を下げるためにSiOを55%未満にすることが好ましい。
は、溶融性の向上、膨張の調整、粘度の調整、及び化学的耐久性を向上させる成分であり、その含有量は0〜40%、好ましくは0〜30%である。Bが40%以下であると、ガラス融液からの蒸発が少なくガラスが均一になりやすいため好ましい。30%以下であるとランプ製造工程中の熱加工時にもガラス成分の蒸発が少なくなり好ましい。
Alは、ガラスの失透性を大きく改善する成分であり、ガラスの溶融、成形を容易にする成分である。その含有量は0〜50%、好ましくは0.5〜50%、より好ましくは1〜50%、更に好ましくは5〜50%である。Alが0.5%以上であれば上記効果を得ることができる。また50%以下であれば溶融、加工が工業的に容易になる。
アルカリ成分は少量でもガラスを低温化させ、大量生産に適したガラスを得る効果がある。またガラスの原料を溶け易くする融材として働く効果があるが、温度の高い状態でイオン伝導をおこして、体積抵抗の劣化や誘電正接の増大を招きやすいという欠点もある。アルカリ成分の含有量は、LiO+NaO+KOが0〜15%、好ましくは0〜12%である。アルカリ成分の合量が15%以下であれば、アルカリ土類成分の導入によって上記欠点を補うことが可能であるが、12%以下で使用する方が実用上好ましい。なお、体積抵抗の劣化や誘電正接の増大による発熱が非常に起こりやすい状況でランプが使用される場合には、LiO+NaO+KOの合量を4.5%未満に制限することが望ましい。
NaOは3%以下、できれば1%以下、特に0.1%以下であれば高温域での誘電正接や体積抵抗が改善されるため好ましい。LiOの含有量は6%以下、特に3%以下であることが好ましい。KOは15%以下、特に10%以下、さらには6%以下が望まれる。なおNaOを2%以上使用する場合は、同時にLiOやKOを使用すると高温域での体積抵抗の悪化を抑制することができ好ましい。また、体積抵抗の劣化や誘電正接の増大による発熱が非常に起こりやすい状況でランプが使用される場合には、KOの含有量を4.5%未満、好ましくは3%以下に制限することが望ましい。
ZrOはガラスの化学的安定性を増す成分であり、ガラスのアルカリ吹きやアルカリ土類吹きを防止する効果がある。その含有量は0.001〜10%、好ましくは0.001〜5%である。ZrOが0.001%以上であれば上記効果が得られる。また10%以内であれば失透が生じることもなく安定したガラスが得られ、5%以下であればさらに好ましい。
アルカリ土類成分であるMgO、CaO、SrO、BaOはアルカリ成分のガラス中での移動を抑制する効果と、ガラスを安定化させ失透物がガラス中に生じることを防止する効果がある。その含有量は各々0〜30%であり、好ましくは各々0〜20%である。各成分がそれぞれ30%以下であればアルカリ土類系の失透が生じることなく安定したガラスが得られ、それぞれ20%以下であればさらに好ましい。なおアルカリ土類成分を2種類以上使用すれば、上記効果がさらに得やすくなり好ましい。
複数のアルカリ土類成分を使用する場合、その含有量は合量で1〜50%、特に2〜40%であることが好ましい。1%以上であれば上記効果が現れ始めるが、確実に効果を得るためには2%以上含有することが望ましい。また50%以下であればアルカリ土類系の失透が生じることなく安定したガラスが得られ、40%以下であればより失透が生じにくくなり、失透物発生原因である溶融炉の耐火物の使用制限を緩和することができる。
ガラスの生産性向上等の理由から、やむを得ず合量で2%以上のアルカリ成分を導入する場合には、アルカリ土類成分を適当な割合で導入することで、高温域の誘電正接や体積抵抗の悪化を緩和することができる。この場合、アルカリ土類成分を2種類以上、好ましくは3種類以上導入することで緩和効果が大きくなる。
アルカリ成分を2%以上含有する場合において、アルカリ成分とアルカリ土類成分の適正な割合は、(MgO+CaO+SrO+BaO)/(LiO+NaO+KO)が0.5以上、0.9以上、さらには1.5以上、特に2以上であることが好ましい。この比が0.5以上であれば上記した効果が現れはじめ、確実に効果を得るためには0.9以上にすることが望ましい。さらに1.5以上であれば、外套管が高温に曝される環境下でも、外套管の変形が起こるような発熱が起こりにくくなる。
ZnOはガラスの低温化に効果のある成分であり、その含有量は0〜30%、好ましくは0〜15%である。30%よりも少なければ失透が生じることなく安定したガラスを得ることが可能になり、15%以下であればさらに好ましい。
Nbはソラリゼーションを防止する効果があり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜5%である。10%以下であれば失透が生じることなく安定して生産でき、5%以下であればさらに工程の安定化をはかることができる。
TiOは、ソラリゼーション防止及び紫外線遮蔽効果がある。またガラスの誘電率を高める成分であり、高誘電率が必要な場合には含有することが好ましい。その含有量は0〜30%、好ましくは0〜10%である。30%よりも少なければ、ガラス中に失透を生じることなく安定して生産でき、10%よりも少ないと、さらなる工程の安定化が期待できる。
CeO及びWOは紫外線を遮蔽し、ソラリゼーションを防止する効果がある。各成分の含有量は各々0〜10%である。10%よりも少なければ、ガラス中に失透を生じることなく安定して生産できる。
TiO、CeO及びWOは紫外線を遮蔽するために1種類以上含有させることが望ましく、その含有量は合量で0.01〜20%、特に0.1〜20%であることが好ましい。0.01%以上であれば上記効果を確認できるが、確実に上記効果を得るためには0.1%以上含有することが望まれる。また20%以下であればガラス中に失透を生じることなく安定して生産できる。
その他に、誘電率を調整する成分として、Ta、MoO、Bi、希土類成分(Y、La等)を40%以下で導入可能である。また清澄剤成分としてSnO、Sb、As、SO等を含有させることも可能である。ただしAsは環境面から使用しないほうがよい。また、CeOと、SbやAsが共存すると、耐紫外線ソラリゼーション性が悪化し易くなる。Feは、安価なガラス原料に含まれるだけでなく、工程からも混入するため、市販のガラスにはごく普通に含まれる成分である。しかしながらガラス着色の原因になるため、本発明ではその含有量を0.1%以下、特に0.03%以下、さらには0.02%以下に制限するべきである。
ガラス中に含まれる水分は、ガラスの低温粘性を低下させて加工性を向上させる働きがある。しかし一方でランプ内部にガスとして放出されるとランプの輝度を低下させるおそれがある。また、水分量は誘電正接とも関連があり、より誘電正接を小さくするためには水分量が少ない方が有利である。
このような理由から水分量を適正に管理することが好ましい。具体的には、下記式で求められる係数Xが1.2以下であれば、ガスの放出が起こりにくく上記問題が生じにくい。また0.1以上であれば、ランプを安定して加工することが容易になる。係数Xの好適な範囲は0.1〜0.8であり、さらには、0.1〜0.6が望ましい。
なお水分量は、下記の式で表される赤外線透過率係数(X)に比例する。
X=(log(a/b))/t
a:3840cm−1付近の極小点の透過率(%)
b:3560cm−1付近の極小点の透過率(%)
t:試料測定厚み(mm)
ガラス中の水分量の調整は、通常ガラス溶融時の燃焼ガス中の水分量や、ガラス原料(硼酸と無水硼砂の混合比)で調整する。また、これらで調整しきれない場合には、ガラス溶融時の乾燥空気バブリング等によって調整できる。
本発明の外套管の肉厚は、静電容量を確保するためには薄いほうが良いが、強度を保つためには厚いほうが好ましい。したがって、その肉厚は0.1mm以上、できれば0.2mm以上で、2mm以下、より好ましくは1mm以下であることが好ましい。また外套管の外径は、1〜12mm、特に1〜6mmであることが発光効率の点から好ましい。
次に本発明の蛍光ランプ用外套管の製造方法を述べる。
まず上記特性又は組成となるように原料を調合し、混合した後、溶融炉にてガラス溶融する。このとき必要に応じてガラス中の水分量を調整する。次に溶融ガラスをダンナー法、ダウンドロー法、アップドロー法等の管引き法を利用して管状に成形する。その後、管状ガラスを所定の寸法に切断し、必要に応じて後加工することにより、蛍光ランプ用外套管を得ることができる。
このようにして得られた外套管を用い、常法に従って外部電極蛍光ランプを作製することができる。なお蛍光ランプを組み立てるに先立って、外套管外表面に電極を形成したり、内表面に蛍光体や電子放射物質からなる層を形成しておくことができる。また外套管の開口端に排気管を接合したり、封止部材を設けておくことも可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。表1は外套管を構成するガラス材質(試料A〜H)を示している。

まず、表1の組成となるようにガラス原料を調合した後、白金坩堝を用いて1550〜1650℃で8時間溶融した。使用したガラス原料は石粉、アルミナ、硼酸、ジルコン、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、亜鉛華、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化ナトリウム、酸化ニオビウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化アンチモンなどである。これは一例であり、原料の種類に限定されるものではない。また、組成に示される成分は換算値であり、表記の酸化物価数に限定されない。
次にA〜Iのガラス融液をダウンドロー法で管状に成形した後、所定の長さに切断し、透明ガラス管からなる外套管を得た。なお、その他の管引き成形法として、ダンナー法、アップドロー法等が適用できる。
このようにして得られた外套管は、線熱膨張係数が38〜95×10−7/℃、歪点450℃以上であった。また体積抵抗率(log表示)は、150℃で13以上、250℃で10以上、350℃で8以上であった。
なお歪点はガラス外套管の耐熱性の目安であり、JIS R3103によって測定される。歪点以下の温度であれば蛍光体や外部電極塗布時の焼成でガラスが変形することなく、セラミックスのように扱うことが可能であるが、歪点が工業的に十分過ぎるほど硬い粘度であるので、実際の耐熱温度は歪点よりさらに80℃高い温度となる。体積抵抗率は次のようにして測定した。まず5cm角、厚み1mmの#1000研磨した板状ガラス試料の上に蒸着によって金電極を形成した。続いて電極を備えた電気炉内で、電極で挟むようにして試料を保持した。その後、所定の温度での抵抗値を高抵抗測定装置を用いて測定した。
次にこれらの外套管を用いて外部電極蛍光ランプを作製した。
表2は本発明の外部電極蛍光ランプの実施例(試料No.1〜9)を示している。
各蛍光ランプは、表中に示すランプ種類に応じて以下のようにして作製された。なお表中に示すランプ種類は、試料A〜Cが第一の形態の外部電極蛍光ランプ、試料D〜Iが第二の形態の外部電極蛍光ランプをそれぞれ意味している。
第一の形態の蛍光ランプを作製する方法について説明する。第一の形態の蛍光ランプは、予め外周面に電極を、内周面に蛍光体層をそれぞれ形成した外套管の両開口端に、封着ガラスを用いて封止部材及び排気管をそれぞれ接合する構造を有している。なお封着ガラスを使用する本形態では、封着ガラスが温度ヒューズとして機能するため安全である。つまり封着ガラスは耐熱性が高くないため、万一外套管の温度が封着ガラスの耐熱温度、即ち非晶質ガラスの場合は軟化点(例えば後述のLS−1301では390℃)、結晶性ガラスの場合は析出結晶の融解温度を超えた場合に、封着ガラスが軟化してランプの気密性を破り、ランプを停止させ周辺部材の火災を防止することができる。
まず図1(a)に示すように、封止部材1、封着ガラスタブレット2、電極3が形成された外套管4、排気管5を、図1のようにカーボン型10に挿入配置後、封着ガラスの封着温度で焼成し、各部材を接合一体化する。
ここで外套管4は、表1のガラスからなる外径4mm、肉厚0.5mm、長さ500mmの透明ガラス管である。またガラス管の内周面には予め蛍光体6が塗布されている。なおガラス管両端付近の余分な蛍光体は、ブラシで除去されている。この塗布された蛍光体6は、後の電極焼き付けのための焼成時に、ガラス管内周面に焼き付けられ、蛍光体層を形成する。
また外套管4に予め形成される電極3は、表2に示す材料で構成される。電極形成材料には特に制限はないが、例えば京都エレックス株式会社製のDD3600Cuペースト、DD300Agペースト、DD7000Niペースト等を使用することができる。例えばDD300Agペーストを使用する場合、外套管の外周面上に転写印刷して600℃窒素中で焼結することで、外面に密着した均質な電極層が得られる。電極として、アルミニウム箔を接着剤で接着する方法があるが、密着性に劣るため誘電容量が低く好ましくない。アルミニウムを使用する場合、肉厚0.03〜3mm好ましくは0.1〜1mmのリングをガラス管よりも200℃程度高温に加熱して膨張させた後、ガラス管にはめ込んでかしめる方法であれば、誘電容量の点で良好な結果が得られる。
また封着ガラスタブレット2には、例えば、日本電気硝子株式会社製LS−1301(非晶質ガラス使用、封着温度430℃、耐熱温度390℃)、LS−1320(非晶質ガラス使用、封着温度320℃、耐熱温度270℃)、LS−0206(非晶質ガラス使用、封着温度450℃、耐熱温度410℃)、LS−7105(結晶性ガラス使用、封着温度450℃、耐熱温度500℃)等からなる外径4mm、内径3mm、厚み0.3mmのタブレットが使用できる。これらのタブレットは、封着ガラス粉末に低温分解性のバインダーを用いて混練したものを押し出し成形によって形成したものであり、蛍光体や誘電部材上の電極に影響を与えることなく各部材を封着できる。上記例では封着ガラスは何れも鉛系ガラスであるが、銀リン酸系ガラスや錫リン酸系ガラス等を採用してもよい。封着ガラスの選択に当たっては、耐熱温度や、外套管等の被封着部材の熱膨張係数を考慮して適宜選択すればよい。
また封止部材1は、外套管ガラスをアルミナボールミルで粉砕し、目開き200μmの篩で分級して得たガラス粉末にバインダーを加えて造粒した後、直径4mm厚み2mmの円盤状になるようにプレス成形し、焼結させたものである。なお封止部材の形状は、円盤状に限定されるものではなく、例えば凸型でもかまわない。
次に図1(b)のように、排気管5内部に水銀アマルガムボート7を挿入し、排気装置11にて排気後、ArとNeガスを導入する。
続いて、排気管5端部を封止し、さらに水銀アマルガムボート7を加熱してHgを管内に導入する。(図1(c))
その後、排気管5を封止切りして、図1(d)に示すような第一の形態の蛍光ランプを得る。
なお、外套管4と排気管5の接合の何れか一方又は両方を、直接融着で行ってもよい。
第二の形態の蛍光ランプを作製する方法について説明する。第二の形態の蛍光ランプは、封止部材及び排気管を接合しない構造を有している。
まず図2(a)のように、外套管4内部に蛍光体6を塗布する。その際、余分な蛍光体はブラシで除去する。また外套管4外周部に、表2に電極形成用金属ペーストを塗布する。その後、管全体を600℃で焼成し、蛍光体6の焼きつけと電極3の焼付けを同時に行う。なお電極3の形成は、最終工程で行うこともできる。
続いて図2(b)のように外套管の一方の端部を溶融封止した後、他端から排気、ArとNeガスの導入、水銀アマルガムボートの挿入を行う。(図2(c))
次いで、開口部を熔封し、さらに水銀アマルガムボートを誘導加熱して、Hgを管内へ導入する。(図2(d))
その後、外套管の水銀アマルガムボート7が存在する部分を封止切りすることにより、第二の形態の蛍光ランプを得る。(図2(e))
第二の形態の蛍光ランプにおいて、外套管が耐熱性の不十分なガラスからなる場合には、500℃程度で焼成が可能な金属ペースト材料を使用するか、最終工程で電極を貼り付けることも可能である。
また第一及び第二の形態以外にも、一方の外套管端部に封止部材又は排気管が接合され、他端が溶融封止された形態を採用することも可能である。
上記のようにして組み立てられた外部電極型蛍光ランプについて、ランプ照度、並列点灯性、紫外線遮蔽性,ソラリゼーション性、及び異常加熱について評価した。
その結果、各ランプは、同条件で点灯させた従来の冷陰極ランプ21(図3)と比較したところ、遜色ないか、或いは本実施例のランプの方が明るかった。またインバーター電源に対して並列にランプを並べて点灯することができ、電源の集約が可能であることを示している。紫外線遮蔽性及び耐ソラリゼーション性は何れのランプも良好であることが判った。異常加熱については、外套管付近温度がNo.9を除いて150℃程度であり、異常は見られなかった。またNo.9のランプは、他のランプよりも温度が高く240℃程度あったため、「△」で表記した。なお輝度維持については十分な検証ができていないが、100hrレベルでは安定した輝度維持を示すことが確認された。
ランプ照度は、フィルター越しに観察して評価したものであり、同条件で点灯させた冷陰極ランプと比較した。並列点灯性は、図4に示すように外部電極蛍光ランプ22を並列に並べて、コンデンサーを介さずに点灯が可能か調査した。なおこの試験には、安全のためランプ1本平均の電流が100mAを越えるとブレーカーが働くようにした電源を用いた。紫外線遮蔽性は、市販の照度計を用いて254nm波長を測定し、距離3cmで0.1mW/cm以下を良好とした。ソラリゼーション性は、鏡面研磨した1.0mm厚のガラス板について、紫外線照射前照射後の分光光度計400nmの透過率を測定し、透過率差が0.5%以下であれば良好とした。なお紫外線の照射は、オゾン洗浄装置(岩崎電気OC-2650)を用い、照射距離20mmにて1時間行った。異常加熱については、ランプ周辺温度を計測して、250℃以上の加熱を認めた時に異常加熱と認定した。
本発明の蛍光ランプは、ノート型パソコン、TVモニター、パーソナルコンピュータ(PC)モニター、車載用計器等に搭載される透過型液晶表示素子の照明装置(以下バックライトユニット)用蛍光ランプとして使用可能である。また本発明の外套管は、このような蛍光ランプの構部材として使用できる。
第一の形態の蛍光ランプを製造する方法を示す説明図である。 第二の形態の蛍光ランプを製造する方法を示す説明図である。 従来の冷陰極ランプを示す説明図である。 本発明の外部電極蛍光ランプを並列に並べた状態を示す説明図である。
1 封止部材
2 封着ガラスタブレット
3 電極
4 外套管
5 排気管
6 蛍光体
7 水銀アマルガムボート
10 カーボン型
11 排気装置
21 従来の冷陰極ランプ
22 本発明の外部電極蛍光ランプ

Claims (16)

  1. ランプ外套管外周面の両端近傍に電極が設けられた構造を有する外部電極蛍光ランプの作製に用いられる蛍光ランプ用外套管であって、透明ガラス管からなり、該ガラス管を構成するガラスの150℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で13以上であり、且つガラス組成として、質量百分率で、SiO 20〜80%、B 0〜40%、Al 0〜50%、LiO+NaO+K〜15%、ZrO 0.001〜10%、MgO 0〜30%、CaO 0〜30%、SrO 0〜30%、BaO 0〜30%、ZnO 0〜30%、Nb 0〜10%、TiO 0〜30%、CeO 0〜10%、WO 0〜10%、Sb 0〜6%、Cl 0〜0.5%含有し、且つ(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Li O+Na O+K O)≧2の関係を満たすガラスからなることを特徴とする蛍光ランプ用外套管。
  2. ランプ外套管外周面の両端近傍に電極が設けられた構造を有する外部電極蛍光ランプの作製に用いられる蛍光ランプ用外套管であって、透明ガラス管からなり、該ガラス管を構成するガラスの150℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で13以上であり、且つガラス組成として、質量百分率で、SiO 20〜80%、B 0〜40%、Al 0〜50%、Li O+Na O+K O 0〜4.5%未満、ZrO 0.001〜10%、MgO 0〜30%、CaO 0〜30%、SrO 0〜30%、BaO 0〜30%、ZnO 0〜30%、Nb 0〜10%、TiO 0〜30%、CeO 0〜10%、WO 0〜10%、Sb 0〜6%、Cl 0〜0.5%を含有するガラスからなることを特徴とする蛍光ランプ用外套管。
  3. ガラス組成として、質量百分率で、Alの含有量が5%以上であるガラスからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光ランプ用外套管。
  4. ガラス組成として、質量百分率で、KOの含有量が3%以下であるガラスからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  5. 250℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で10.3以上であるガラスからなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  6. 350℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で8.3以上であるガラスからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  7. ガラス組成として、質量百分率で、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が1〜50%であるガラスからなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  8. Fe の含有量が200ppm以下であるガラスからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  9. ガラス組成として、質量百分率で、TiO+CeO+WOの含有量が0.01〜20%であるガラスからなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  10. ガラス組成として、質量百分率で、NaOの含有量が3%以下であるガラスからなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  11. 少なくとも一方の開口端に、さらに排気管が接合されてなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  12. 少なくとも一方の開口端に、さらに封止部材が接合され、これによって当該開口端が封止されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  13. ガラス管外周面に、さらに電極層が形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  14. ガラス管内周面に、さらに蛍光体層が形成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の蛍光ランプ用外套管。
  15. ランプ外套管外周面の両端近傍に電極が設けられた構造を有する外部電極蛍光ランプにおいて、請求項1〜14のいずれかに記載の外套管を使用してなることを特徴とする外部電極蛍光ランプ。
  16. 液晶表示素子の照明装置用蛍光ランプとして用いられることを特徴とする請求項15に記載の外部電極蛍光ランプ。

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