JP2004241189A - 蛍光ランプ用誘電部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギー効率がよい外部電極ランプを製造することが可能な蛍光ランプ用外套部材を提供する。
【解決手段】透明ガラス管5の両端に接合され、蛍光ランプ用外套管の一部を構成する誘電部材4であって、管状に成形された絶縁体からなる。また誘電部材4の外周面には、さらに電極3が配置されている。
【選択図】 図4
【解決手段】透明ガラス管5の両端に接合され、蛍光ランプ用外套管の一部を構成する誘電部材4であって、管状に成形された絶縁体からなる。また誘電部材4の外周面には、さらに電極3が配置されている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子等の照明装置の光源となる蛍光ランプの誘電部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は自己発光しないため、透過型液晶表示素子に専用の照明装置(以下バックライトユニット)が用いられたノート型パソコン、TVモニター、パーソナルコンピュータ(PC)モニター、車載用計器等が一般に使用されている。
【0003】
照明装置の光源となる蛍光ランプの発光原理は、一般の照明用蛍光ランプと同様である。即ち、電極間の放電によって封入された水銀ガス等が励起し、励起したガスから放射される紫外線によってガラス管の内壁面に塗られた蛍光体が可視光線を発光するというものである。冷陰極管は初期電圧が高いため、インバーター電源により、高電圧、高周波が印加される。このような蛍光ランプには、熱的、機械的に強度が高く、電気絶縁性で有利なホウケイ酸系ガラスと導入金属の組合せとして、コバール金属封着ガラスとコバール金属を用いた蛍光ランプや、タングステン金属封着ガラスとタングステン金属を用いた蛍光ランプが開発され商品化されている。水銀が電極と共にスパッタされて、ランプ内の水銀が消費されるため、寿命がある。TVモニター用として十分に長い寿命とは言えない。また、このランプの電源ユニットは電流を制御するための個別コンデンサーと個別インバーター電源からなる。このため、ランプごとにインバーター電源とコンデンサーがセットされたユニットが必要である。
【0004】
液晶表示装置の裏側に蛍光ランプを約1〜5cm間隔で複数本均等に多数並べて光らせ、その光を拡散板を通して用いるバックライトユニットが主にTVモニターに使用される。
【0005】
TVモニターでは、ランプ本数分だけ電源をつみこむので、電源が占める容積が表示装置内で大きいだけでなく、価格も高くなるめ、ユニットの電源を一つにまとめることが期待されているが、コンデンサーが省略できないため従来不可能であった。
【0006】
また、従来の冷陰極ランプの寿命は、金属電極がランプ内でスパッタされるときにHgと合金を構成し、Hgを消費することによって決定されていると考えられている。電子放出特性を維持するために金属電極が必要であり、寿命に限界があった。その寿命はTVモニター用として十分に長いとは言えない。
【0007】
このため、寿命に影響しやすい内部電極がなく、ガラス外套管の外面に電極を配置した外部電極ランプが検討されている。(非特許文献1)
【0008】
【非特許文献1】
照明学会誌 vol.87 No.1 2003 p18
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
外部電極ランプは、電子を電極から直接的に放出させるのではなく、ガラス外套管を誘電体として機能させ、その誘電特性により管内面から電子を放出させるものである。つまり、ランプ内にコンデンサーの代わりになる機構を構築するものであり、その結果、コンデンサーが不要となり電源の統合が可能になる。
【0010】
ところがこの構造では、誘電体として作用するガラスの温度が上昇するが、従来のガラス外套管材質では高温での体積抵抗が十分でなく、ガラスが抵抗体として発熱するのみならず、誘電正接が増大することによって誘電損失が増大し、エネルギーロスを生じ、エネルギー効率の観点で好ましくない。また、生じたエネルギーロスは熱エネルギーに変換されるため、電極部分の温度が異常に上昇し、周辺部材に火災を生じる危険性もある。特に液晶バックライトユニット内は、反射板や液晶パネルに囲われて、発生熱が放散しにくく、ランプ周辺温度が上昇しやすい。このため、ランプの放熱に関して考慮する必要が生じ、放熱装置が必要になったり、ランプ出力を上げることができなかったりする等様々な制約が生まれる。
【0011】
ランプ周辺温度が上昇しても、エネルギーロスを極端に増大させない、つまりランプの発熱が極端に増えない外面電極蛍光ランプ用ガラス外套管が求められているが好適なものはなかった。
【0012】
本発明の目的は、エネルギー効率がよい外部電極ランプを製造することが可能な蛍光ランプ用外套部材を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は種々の検討を行った結果、ランプ外套管の誘電体として機能する部分を、高温領域でも良好な電気特性を有する絶縁体で構成することにより、上記目的を達成できることを見いだし、本発明として提案するものである。
【0014】
即ち本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、透明ガラス管の両端に接合され、蛍光ランプ用外套管の一部を構成する部材であって、管状に成形された絶縁体からなることを特徴とする。
【0015】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、外周面に、さらに電極が配置されていることを特徴とする。
【0016】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、内周面に、さらに電子放射性物質からなる層が形成されていることを特徴とする。
【0017】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、ランプ点灯時に誘電体として機能することを特徴とする。
【0018】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、150℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で6以上の材料からなることを特徴とする。
【0019】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、350℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で5以上の材料からなることを特徴とする。
【0020】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、1MHz、室温の誘電正接が、0.01よりも小さい材料からなることを特徴とする。
【0021】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、40KHz、150℃の誘電正接が、0.05よりも小さい材料からなることを特徴とする。
【0022】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、40KHz、250℃の誘電正接が0.1より小さい材料からなることを特徴とする。
【0023】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、40KHz、350℃の誘電正接が0.5よりも小さい材料からなることを特徴とする。
【0024】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、Si02を含む2以上の成分で構成される材料からなることを特徴とする。
【0025】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、ガラスからなることを特徴とする。
【0026】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、管引き成形されたガラス管からなることを特徴とする。
【0027】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、ガラス粉末焼結体からなることを特徴とする。
【0028】
またガラス粉末焼結体が、結晶性ガラス粉末の焼結体からなることを特徴とする。
【0029】
またガラス粉末焼結体に、さらに誘電体セラミックス粉末が含まれていることを特徴とする。
【0030】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、下記組成を有するガラスからなることを特徴とする。
【0031】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、Na2Oの含有量が1%以下の材料からなることを特徴とする。
【0032】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、肉厚が0.1〜1mmであることを特徴とする。
【0033】
本発明の蛍光ランプ用外套管は、透明ガラス管の両端に、上記誘電部材が一体的に接合されてなることを特徴とする。
【0034】
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、透明ガラス管と管状絶縁体とが封着ガラスで接合されてなることを特徴とする。
【0035】
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、誘電部材が、耐熱温度が500℃以上の材料からなることを特徴とする。
【0036】
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、透明ガラス管と誘電部材とが融着してなることを特徴とする。
【0037】
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、誘電部材が、耐熱温度が900℃以上の材料からなることを特徴とする。
【0038】
本発明の蛍光ランプは、上記外套管を使用してなることを特徴とする。
【0039】
また本発明の蛍光ランプは、液晶表示素子の照明装置用蛍光ランプとして用いられることを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の蛍光ランプ用誘電部材を構成する絶縁体には、以下のような特性が要求される。
▲1▼150、250、350℃の誘電正接が極力小さいこと。
【0041】
インバーターによって交流高電圧が印加されると絶縁体の誘電損失により誘電発熱がおこる。発熱は第一にエネルギーの浪費によりランプの発光効率を悪化させる。第二に発熱は誘電部材全体の放熱によって平衡状態となるまで温度が上昇するが、その温度上昇により絶縁体の誘電正接が大きくなると誘電損失が大きくなりさらに発熱が大きくなって温度が上がることになり、最終的に誘電部材が変形して焼損にいたる。焼損すると誘電体層としての働きが失われる。正常な状態で電極温度は150℃近辺であり、250℃になることもまれにある。
【0042】
誘電加熱は周波数、誘電率、誘電正接、電圧に比例するため、電源条件の周波数と電圧を一定とすると、誘電率と誘電正接を小さくすることで誘電加熱は少なくできる。誘電率はランプに送りこむ電力を確保する誘電容量の設計上に大きく影響する因子であり、設計の自由度が少ない。従ってランプ駆動温度域での誘電正接の値を小さくすることが誘電加熱を小さくするために大切である。また、誘電正接が温度上昇によって大きく増加すると、絶縁体自身の発熱によって、それ自身の誘電損失が大きくなり、更に温度上昇を招く悪循環を繰り返し、最終的に誘電部材の焼損に至るため、ランプ駆動温度の150℃から250℃の誘電損失は温度による変化が少ないことが重要である。さらに誘電部材の焼損を予防するためには350℃の誘電損失量も十分に小さい必要がある。
▲2▼体積抵抗が150℃から350℃で高いこと。
【0043】
体積抵抗が低いと電流が流れて、ジュール熱により誘電部材が焼損する問題を生じる。
▲3▼誘電体として効果を発揮するためには誘電部材が緻密であること。
【0044】
誘電部材が緻密でなければ、誘電特性が損なわれるばかりでなく、ランプ点灯時のサーマルショックにより破損することがある。
▲4▼アルカリ含有量が少ないこと。特にNa2Oの含有量が極力少ないこと。
【0045】
アルカリ成分は、高温領域で誘電正接や体積抵抗値に大きな影響を与えるため極力少ないことが求められる。またNaイオンはHgとイオン交換をし易い事でも知られており極限まで使用を制限することが望まれている。なおKイオンやLiイオンも誘電損失を増大させる働きがあるため、できれば含有させない方がよい。
▲5▼耐熱温度が十分に高いこと。
【0046】
封着ガラスを用いて透明ガラス管と誘電部材を接合する場合には、封着温度以上の耐熱温度が誘電部材に必要がある。封着ガラスを用いて封着する場合は通常450℃以下で焼成されるため、450℃以上の耐熱温度が求められる。この場合、非晶質ガラスの耐熱性はJIS R3103に規定される歪点と同一であり、結晶性の場合は結晶の溶融する温度である。
【0047】
また透明ガラス管と誘電部材とを溶着により直接接合する場合には、接合温度程度の耐熱温度が誘電部材に求められる。溶着のための加熱温度は800〜1000℃程度となるので、900℃程度、特に1000℃以上の耐熱温度を有することが望まれる。この場合の耐熱性は非晶質ガラスの場合、JIS R3104に規定される軟化点のことであり、結晶性の場合は結晶の溶融する温度である。
【0048】
なお誘電部材の耐熱温度が低いと変形が生じ、蛍光ランプを製造することが困難になる。
【0049】
上記要求特性を満足する材料について、以下に詳述する。
【0050】
誘電部材に使用される絶縁体材料は、酸化物であることが好ましい。これは、酸化物がHgと合金を作りにくいためである。
【0051】
また1MHzの誘電特性は物質の性質を代表する値であり、このときの誘電正接が室温で0.01、好ましくは0.005、さらに好ましくは0.003以下の物質を使用するべきである。0.01以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実用以下にすることが可能であり、0.05以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる、さらに0.003以下であれば高出力タイプや高周波数タイプのランプでも発熱が小さくなり好ましい。
【0052】
またランプは40KHzから100KHzで使用されるが、誘電正接は周波数が高くなるほど小さくなる傾向があるため、40KHzの方が100KHzよりも高くなる。よって40KHzの値で誘電体の誘電特性を規定することができる。また150℃はランプの通常の作動温度であり、250℃はランプ内部で発生する可能性のある温度である。さらに350℃は電極の発熱を抑制し、安全を確保するのに必要な数値である。
【0053】
150℃、40kHzの誘電正接は通常0.0005よりも大きく0.05以下、好ましくは0.01以下、さらに好ましくは0.005以下である。0.05以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実用以下にすることが可能であり、0.01以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる。さらに0.005以下であれば高出力タイプでも発熱が小さくなり好ましい。
【0054】
250℃、40kHzの誘電正接は0.1以下、好ましくは0.05以下、さらに好ましくは0.01以下である。0.1以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実用以下にすることが可能であり、0.05以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる、さらに0.01以下であれば高出力タイプでも発熱が大きいタイプでも使用可能であり好ましい。
【0055】
350℃、40kHzの誘電正接は0.3以下、好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下である。0.3以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実用以下にすることが可能であり、0.1以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる、さらに0.5以下であれば周辺温度が高温でかつ放熱しにくい環境下で高出力タイプのランプでも使用可能であり好ましい。
【0056】
また下式で表される誘電正接変化率が、150℃〜250℃間の平均値で、0.005以下、好ましくは0.001以下、さらに好ましくは0.0001以下であることが望まれる。0.005以下であれば温度が上昇しても、発熱量の変化が少なく安定した温度で使用でき、0.001以下であればランプ外部環境の影響が少なくなり、0.0001以下であればランプ発熱量が減って、環境上も真に理想的である。また下式で表される誘電正接変化率が250℃〜350℃間の平均値で、0.01以下、好ましくは0.005以下、さらに好ましくは0.001以下であることが望まれる。0.01以下であれば、温度上昇に伴う誘電損失の増大による温度の上昇による誘電部材の焼損を防止することができ、0.005以下であればランプからの放熱が制限されるような条件でも誘電部材の焼損が起こりにくくなるが、より理想的には0.001以下であればさらにランプの温度安定化が図れて好ましい。
【0057】
誘電正接変化率 = △誘電正接/△T
△誘電正接 : 誘電正接の差
△T : 誘電特性の測定温度(℃)の差
体積抵抗はガラスの絶縁性を示す数値であり、抵抗が少ないと電流が流れてガラスがジュール熱によって発熱するため、できだけ高い値が必要である。
【0058】
150℃における体積抵抗率Ω・cmは、log表示で6よりも高く、11以上、好ましくは12以上、さらに好ましくは14以上である。11以上あれば十分な実用上の問題の無い抵抗を示し、12以上あれば誘電損失に与える影響も小さくなり、14以上あれば完全な絶縁体とみなすことができる。
【0059】
250℃における体積抵抗率Ω・cmは、log表示で5よりも高く、10以上、好ましくは11以上、さらに好ましくは12以上である。10以上あれば実用上問題の無い抵抗を示し、11以上あれば誘電損失に与える影響も小さくなり、12以上であればより安全である。
【0060】
350℃における体積抵抗率Ω・cmは、log表示で4よりも高く、9以上、好ましくは10以上、さらに好ましくは11以上である。9以上であればなんとか実用化することが可能であり、10以上あれば実用上問題の無い抵抗を示し、11以上であればより安全である。
【0061】
誘電部材を構成する絶縁体としては、SiO2を含む2種以上の成分からなる材料を使用することが好ましい。
【0062】
絶縁体としてガラスを選択すれば、溶融ガラスを管引き成形したガラス管が使用できる。この場合、非晶質ガラスを用いることが好ましい。管引き成形として、ダンナー法、ダウンドロー法、アップドロー法等が適用できる。
【0063】
また絶縁体としてガラスを選択すれば、ガラス粉末成形体の焼結体を用いることも可能である。この場合、ガラスであるがゆえに焼結体は緻密である。なおガラス粉末としては、非晶質ガラス粉末でも、焼成中に結晶を析出する結晶性ガラス粉末でも良いが、結晶が生じると耐熱温度が高くなるため、結晶性ガラス粉末を用いることがより好ましい。またガラス粉末に誘電体セラミックス粉末を添加、混合して作製した粉末成形体を焼結させてもよい。誘電体セラミックス粉末を導入することで誘電特性の調整が可能になる。誘電体セラミックス粉末の添加量は、体積比で全体の60%以下であることが好ましい。この範囲であれば緻密な焼結体が容易に得られる。なお焼結体を得るには、例えばガラス粉末、または必要に応じてさらに誘電体セラミックス粉末に、バインダーを加えて造粒し、所定の形状にプレス成形した後、焼成すればよい。
【0064】
絶縁体として使用可能なガラスとしては、例えば質量百分率で、SiO2 5〜80%、B2O3 0〜50%、Al2O3 0〜50%、Li2O+Na2O+K2O 0〜10%、ZrO2 0〜10%、TiO2 0〜40%、MgO 0〜50%、CaO 0〜50%、SrO 0〜50%、BaO 0〜50%、ZnO 0〜90%、Nd2O3 0〜40%、Cl2 0〜0.5%の組成を有する非晶質ガラスや結晶性ガラスが挙げられる。各成分の範囲を限定した理由を以下に説明する。
【0065】
SiO2は材料をガラスの骨格成分である。SiO2の含有量は5〜80%、特に5〜70%、さらには10〜60%であることが好ましい。5%よりも多いと上記した効果が得られて好ましい。80%よりも少ないと溶融ガラスを管状に直接成形する場合に成形性がよくなり、また粉末成形する場合に、低温焼成が可能になって好ましい。
【0066】
なおSiO2のみでは低温のガラスが得られにくいので、SiO2以外に酸化物を含有させる必要がある。以下に使用可能な酸化物を紹介する。
【0067】
アルカリはガラスを低温化するのみならず、ガラスの原料を溶けやすくする融材として働く効果があるが、温度の高い状態でイオン伝導をおこして、体積抵抗の劣化や誘電正接の増大を招きやすい。その含有量はLi2O+Na2O+K2Oが10%以下、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。特にNa2Oは1%以下、特に0.1%以下であれば誘電正接も小さく好ましい。
【0068】
Al2O3は、ガラスの失透性を大きく改善する成分であり、ガラスの溶融、成形を容易にする成分である。その含有量は0〜60%、好ましくは0〜50%である。Al2O3が60%以下であれば溶融、加工が工業的に容易になり、50%以下であれば粘度が十分に低くなって焼結が容易になる。
【0069】
B2O3は、溶融性の向上、膨張の調整、粘度の調整、及び化学的耐久性を向上させる成分であり、その含有量は0〜50%、好ましくは0〜40%である。B2O3が50%以下であると、ガラス融液からの蒸発が少なくガラスが均一になりやすいため好ましい。40%以下であるとランプ製造工程中の熱加工時にもガラス成分の蒸発が少なく好ましい。
【0070】
TiO2は、ガラスの誘電率を高める成分であり、高誘電率が必要な場合には含有されることが望まれる。その含有量は0〜40%、好ましくは0〜30%である。40%よりも少なければ、ガラス中に失透を生じることなく安定して生産でき、30%よりも少ないと、さらに安定して工程での安定化が期待できる。
【0071】
ZrO2はガラスの安定性を増す成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%である。ZrO2が10%以内であれば失透が生じることもなく安定したガラスが得られ、8%以下であればさらに好ましい。
【0072】
ZnOはガラスの低温化に効果のある成分であり、その含有量は0〜90%、好ましくは0〜80%である。90%よりも少なければ失透が生じることもなく安定したガラスが得られ、80%以下であればさらに好ましい。
【0073】
MgO、CaO、SrO、BaOはガラスの低温化に効果のある成分であり、アルカリの移動を抑制し高温域でも誘電正接が増大しにくくなる効果があるのでアルカリを導入する場合は導入することが強く推奨される。相乗効果が得られるので1種類以上よりも2種類以上導入することが好ましい。その含有量は各々0〜50%であり、好ましくは0〜40%である。50%以下であれば失透が生じることなく安定したガラスが得られ40%以下であればさらに好ましい。
【0074】
Nd2O3はガラスの誘電率を調整する成分であり、その含有量は0〜40%、好ましくは0〜30%である。40%以下であれば失透が生じることなく安定したガラスが得られ、30%以下であればさらに好ましい。
【0075】
その他に、誘電率を調整する成分として、Nb2O5、Ta2O5、MoO3、WO3、Bi2O3、Y2O3やLa2O3等の希土類を40%以下で導入可能である。また清澄剤成分としてSnO2、Sb2O3、SO3等を含有させることも可能である。また着色剤が導入されていると、色調が安定して好ましいことがあるので、Fe2O3、MnO、CoO、Cr2O3を5%以下で導入可能である。
【0076】
また誘電部材から多量にガスが放出されて穴が開くと、誘電体として重大な欠陥になる。しかもランプ内でのガス放出はランプの輝度を確保する上で好ましくない。ガラスから発生するガスの成分は主として水分と考えられる。それゆえ、ガラスの水分量が少ないほど好ましく、下記式で求められる係数Xが0.1〜1.2であれば、穴が開くことなく緻密に焼成できて好ましい。特に0.4〜0.8の範囲にあればランプ内にガスが放出されることが無く好ましい。
【0077】
水分量は、下記の式で表される赤外線透過率係数(X)に比例する。
【0078】
X=(log(a/b))/t
a:3840cm−1付近の極小点の透過率(%)
b:3560cm−1付近の極小点の透過率(%)
t:試料測定厚み(mm)
ガラス中の水分量の調整は、通常ガラス溶融時の燃焼ガス中の水分量や、ガラス原料(硼酸と無水硼砂の混合比)で調整する。また、これらで調整しきれない場合には、乾燥空気バブリングによって調整できる。
【0079】
上記絶縁体を用いて形成される管状の誘電部材の肉厚は、静電容量を確保するためには薄いほうが良いが、強度を保つためには厚いほうが好ましい。したがって、その肉厚は0.1mm以上、できれば0.2mm以上で、2mm以下、より好ましくは1mm以下であることが好ましい。
【0080】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。表1は誘電部材の作製に用いるガラス材質(試料A〜H)を示している。また表2は、本発明の誘電部材(試料a〜m)を示している。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
まず、表1の組成となるようにガラス原料を調合した後、白金坩堝を用いて1550〜1650℃で8時間溶融した。使用したガラス原料は石粉、アルミナ、硼酸、ジルコン、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、亜鉛華、酸化ネオジウムある。これは一例であり、原料の種類に限定されるものではない。また、組成に示される成分は換算値であり、表記の酸化物価数に限定されない。
【0084】
次にA、B、E及びGのガラス融液をダウンドロー法で管状に成形して管引き成形されたガラス管からなる誘電部材を得た。
【0085】
またこれとは別に、A〜D、F及びHのガラス融液を薄板に成形し、アルミナボールミルで粉砕して目開き200μmで分級してガラス粉末を作成した。次いで、ガラス粉末単体又はさらに表2に示す誘電体セラミックスを添加し、バインダーと混ぜて造粒し、管状にプレスして粉末成形体からなる誘電部材とした後、表2の焼成温度で焼成して粉末焼結体からなる誘電部材を得た。
【0086】
このようにして得られた誘電部材は、耐熱温度が700℃以上、線熱膨張係数が25〜75×10−7/℃であった。
【0087】
次にこれらの誘電部材を用いて蛍光ランプを作製した。表3は本発明の蛍光ランプの実施例(試料No.1〜14)及び従来の蛍光ランプをそれぞれ示している。
【0088】
【表3】
【0089】
各蛍光ランプは、表中に示すランプ種類に応じて以下のようにして作製された。なお表中に示すランプ種類は、1が第一の形態の蛍光ランプ、2が第二の形態の蛍光ランプをそれぞれ意味している。
【0090】
第一の形態の蛍光ランプの作製方法を説明する。第一の形態の蛍光ランプは、予め外周面に電極を形成した誘電部材が、封着ガラスで透明ガラス管等に接合される構造を有している。なお封着ガラスタブレットを使用する本形態では、封着ガラスが温度ヒューズとして機能するため安全である。つまり封着ガラスは耐熱性が高くないため、万一誘電部材の温度が封着ガラスの耐熱温度、即ち非晶質ガラスの場合は軟化点、結晶性ガラスの場合は析出結晶の融解温度(例えば後述のLS−1301では390℃)を超えた場合に、封着ガラスが軟化してランプの気密性を破り、ランプを停止させ周辺部材の火災を防止することができる。
【0091】
まず封止部材1、封着ガラスタブレット2、電極3が形成された誘電部材4、透明ガラス管5、排気管6を、図1のようにカーボン型10に挿入配置後、封着ガラスの封着温度で焼成し、各部材を接合一体化する。
【0092】
ここで透明ガラス管5は、紫外線遮蔽性やソラリゼーション防止性に優れた外径4mm、内径3mm、長さ500mmのガラス管(例えば日本電気硝子製BFK又はBFW)が使用可能である。なお透明ガラス管5内には予め蛍光体7が塗布されている。
【0093】
また誘電部材4に予め形成される電極は、表2に示す材料で構成される。電極形成材料には特に制限はないが、例えば京都エレックス株式会社製のDD3600Cuペースト、DD300Agペースト、DD7000Niペースト等を使用することができる。例えばDD300Agペーストを使用する場合、誘電部材の外周面上に転写印刷して600℃窒素中で焼結することで、外面に密着した均質な電極層が得られる。電極として、アルミニウム箔を接着剤で接着する方法もあるが、密着性に劣るため誘電容量が低く好ましくない。
【0094】
また封着ガラスタブレット2には、例えば、日本電気硝子株式会社製LS−1301タブレット外径4mm、内径3mm、厚み0.3mm(封着温度は430℃)が使用できる。このタブレットは、封着ガラス粉末に低温分解性のバインダーを用いて混練したものを押し出し成形によって形成したものであり、蛍光体や誘電部材上の電極に影響を与えることなく各部材を封着できる。
【0095】
また封止部材1は、粉末化した透明ガラス管材料(例えば前述のBFK又はBFW)にバインダーを加え造粒した後、直径4mm厚み2mmの円盤状になるようにプレス成形したものである。なお封止部材の形状は、円盤状に限定されるものではなく、例えば凸型でもかまわない。
【0096】
次に図2のように、排気管6内部に水銀アマルガムボート8を挿入し、排気後、ArとNeガスを導入する。
【0097】
続いて、排気管端部を封止し、さらにアマルガムボート8を加熱してHgを管内に導入する。(図3)
その後、排気管6を封止切りして第一の形態の蛍光ランプを得る。(図4)
なお第一の形態の蛍光ランプにおいて、誘電部材と透明ガラス管や排気管との接合形態の変形例を図5〜図7に示す。各図において、誘電部材4と透明ガラス管5、誘電部材4と排気管6は、それぞれ封着ガラスタブレット2で接合されている。なお排気管の代わりに封止部材を適用できることは言うまでもない。
【0098】
第二の形態の蛍光ランプの作製方法を説明する。第二の形態の蛍光ランプは、誘電部材と透明ガラス管等を融着させることにより直接接合する構造を有しており、誘電部材上に形成される電極は、この融着後に形成される。
【0099】
まず図8のように、誘電部材4及び透明ガラス管5内にジグ11を挿入して回転させながら、バーナーで過熱して、両者を接合する。同様に誘電部材と排気管を接合する。透明ガラス管5の他端も同様にして誘電部材及び排気管を接合し、外套管を形成する。
【0100】
次に外套管内部の透明ガラス管5部分に蛍光体7を塗布する。その際、余分な蛍光体はブラシで除去する。また誘電部材4外周部に、表2に示す電極を形成するために電極形成用金属ペーストを塗布する。その後、管全体を570℃で焼成し、蛍光体の焼きつけと電極の焼付けを同時に行う。(図9)
続いて一方の排気管6を封止した後、他方の排気管6を用いて排気、ArとNeガスの封入、Hgの管内への導入を行う。(図10、11)
その後、排気管6を封止切りすることにより、第二の形態の蛍光ランプを得る。(図12)
また第一及び第二の形態の蛍光ランプ以外にも、誘電部材と透明ガラス管の接合、誘電部材と排気管の接合の何れか一方を封着ガラスタブレットによる接着とし、他方を直接融着させる第三の形態(図13〜15)を採用することも可能である。各図において、誘電部材4と透明ガラス管5は直接融着され、誘電部材4と排気管6又は封止部材1は封着ガラスタブレット2で接着される。なお誘電部材4と透明ガラス管5を封着ガラスタブレット2で接着し、誘電部材4と排気管6又は封止部材1を直接融着しても差し支えないことは言うまでもない。本形態の蛍光ランプも第一の形態のランプと同様に、封着ガラスが温度ヒューズとして機能するため安全である。
【0101】
上記のようにして組み立てられた外部電極型蛍光ランプについて、ランプ照度、並列点灯性、異常加熱について評価した。
【0102】
その結果、各実施例のランプは、同条件で点灯させた従来のCFLランプ(冷陰極ランプ 図16)と比較したところ、遜色ないか、或いは本実施例のランプの方が明るかった。またインバーター電源に対して並列にランプを並べて点灯することができ、電源の集約が可能であることを示している。また誘電部材付近温度も150℃程度であり、異常は見られなかった。なお輝度維持については十分な検証ができていないが、100hrレベルでは安定した輝度維持を示すことが確認された。
【0103】
ランプ照度は、同条件で点灯させたCFLとフィルター越しに観察して比較した。並列点灯性は、図17に示すようにランプを並列に並べて、コンデンサーを介さずに点灯が可能か調査した。なおこの試験には、安全のためランプ1本平均の電流が100mAを越えるとブレーカーが働くようにした電源を用いた。異常加熱については、ランプ周辺温度を計測して、250℃以上の加熱を認めた時は異常加熱とした。
【0104】
【発明の効果】
以上のように本発明の蛍光ランプ用誘電部材を用いれば、エネルギー効率がよく、異常発熱のない外部電極ランプを製造することができる。
【0105】
また本発明の蛍光ランプは、電極が外部にあるため、劣化が殆どなく寿命が長い。またコンデンサーを必要とすることがなく、インバーター電源の集約が可能である。しかも異常発熱が起こりにくい。それゆえ安価で信頼性の高い液晶バックライト用照明装置のランプとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図2】第一の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図3】第一の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図4】第一の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図5】第一の形態における誘電部材の他の接合形態を示す説明図である。
【図6】第一の形態における誘電部材の他の接合形態を示す説明図である。
【図7】第一の形態における誘電部材の他の接合形態を示す説明図である。
【図8】第二の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図9】第二の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図10】第二の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図11】第二の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図12】第二の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図13】第三の形態における誘電部材の接合形態を示す説明図である。
【図14】第三の形態における誘電部材の他の接合形態を示す説明図である。
【図15】第三の形態における誘電部材の他の接合形態を示す説明図である。
【図16】従来のCFLランプを示す説明図である。
【図17】本発明の蛍光ランプを並列に並べた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 封止部材
2 封着ガラスタブレット
3 電極
4 誘電部材
5 透明ガラス管
6 排気管
7 蛍光体
8 水銀アマルガム
9 排気装置
10 カーボン型
11 ジグ
21 従来のCFLランプ
22 本発明の蛍光ランプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子等の照明装置の光源となる蛍光ランプの誘電部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は自己発光しないため、透過型液晶表示素子に専用の照明装置(以下バックライトユニット)が用いられたノート型パソコン、TVモニター、パーソナルコンピュータ(PC)モニター、車載用計器等が一般に使用されている。
【0003】
照明装置の光源となる蛍光ランプの発光原理は、一般の照明用蛍光ランプと同様である。即ち、電極間の放電によって封入された水銀ガス等が励起し、励起したガスから放射される紫外線によってガラス管の内壁面に塗られた蛍光体が可視光線を発光するというものである。冷陰極管は初期電圧が高いため、インバーター電源により、高電圧、高周波が印加される。このような蛍光ランプには、熱的、機械的に強度が高く、電気絶縁性で有利なホウケイ酸系ガラスと導入金属の組合せとして、コバール金属封着ガラスとコバール金属を用いた蛍光ランプや、タングステン金属封着ガラスとタングステン金属を用いた蛍光ランプが開発され商品化されている。水銀が電極と共にスパッタされて、ランプ内の水銀が消費されるため、寿命がある。TVモニター用として十分に長い寿命とは言えない。また、このランプの電源ユニットは電流を制御するための個別コンデンサーと個別インバーター電源からなる。このため、ランプごとにインバーター電源とコンデンサーがセットされたユニットが必要である。
【0004】
液晶表示装置の裏側に蛍光ランプを約1〜5cm間隔で複数本均等に多数並べて光らせ、その光を拡散板を通して用いるバックライトユニットが主にTVモニターに使用される。
【0005】
TVモニターでは、ランプ本数分だけ電源をつみこむので、電源が占める容積が表示装置内で大きいだけでなく、価格も高くなるめ、ユニットの電源を一つにまとめることが期待されているが、コンデンサーが省略できないため従来不可能であった。
【0006】
また、従来の冷陰極ランプの寿命は、金属電極がランプ内でスパッタされるときにHgと合金を構成し、Hgを消費することによって決定されていると考えられている。電子放出特性を維持するために金属電極が必要であり、寿命に限界があった。その寿命はTVモニター用として十分に長いとは言えない。
【0007】
このため、寿命に影響しやすい内部電極がなく、ガラス外套管の外面に電極を配置した外部電極ランプが検討されている。(非特許文献1)
【0008】
【非特許文献1】
照明学会誌 vol.87 No.1 2003 p18
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
外部電極ランプは、電子を電極から直接的に放出させるのではなく、ガラス外套管を誘電体として機能させ、その誘電特性により管内面から電子を放出させるものである。つまり、ランプ内にコンデンサーの代わりになる機構を構築するものであり、その結果、コンデンサーが不要となり電源の統合が可能になる。
【0010】
ところがこの構造では、誘電体として作用するガラスの温度が上昇するが、従来のガラス外套管材質では高温での体積抵抗が十分でなく、ガラスが抵抗体として発熱するのみならず、誘電正接が増大することによって誘電損失が増大し、エネルギーロスを生じ、エネルギー効率の観点で好ましくない。また、生じたエネルギーロスは熱エネルギーに変換されるため、電極部分の温度が異常に上昇し、周辺部材に火災を生じる危険性もある。特に液晶バックライトユニット内は、反射板や液晶パネルに囲われて、発生熱が放散しにくく、ランプ周辺温度が上昇しやすい。このため、ランプの放熱に関して考慮する必要が生じ、放熱装置が必要になったり、ランプ出力を上げることができなかったりする等様々な制約が生まれる。
【0011】
ランプ周辺温度が上昇しても、エネルギーロスを極端に増大させない、つまりランプの発熱が極端に増えない外面電極蛍光ランプ用ガラス外套管が求められているが好適なものはなかった。
【0012】
本発明の目的は、エネルギー効率がよい外部電極ランプを製造することが可能な蛍光ランプ用外套部材を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は種々の検討を行った結果、ランプ外套管の誘電体として機能する部分を、高温領域でも良好な電気特性を有する絶縁体で構成することにより、上記目的を達成できることを見いだし、本発明として提案するものである。
【0014】
即ち本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、透明ガラス管の両端に接合され、蛍光ランプ用外套管の一部を構成する部材であって、管状に成形された絶縁体からなることを特徴とする。
【0015】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、外周面に、さらに電極が配置されていることを特徴とする。
【0016】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、内周面に、さらに電子放射性物質からなる層が形成されていることを特徴とする。
【0017】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、ランプ点灯時に誘電体として機能することを特徴とする。
【0018】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、150℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で6以上の材料からなることを特徴とする。
【0019】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、350℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で5以上の材料からなることを特徴とする。
【0020】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、1MHz、室温の誘電正接が、0.01よりも小さい材料からなることを特徴とする。
【0021】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、40KHz、150℃の誘電正接が、0.05よりも小さい材料からなることを特徴とする。
【0022】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、40KHz、250℃の誘電正接が0.1より小さい材料からなることを特徴とする。
【0023】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、40KHz、350℃の誘電正接が0.5よりも小さい材料からなることを特徴とする。
【0024】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、Si02を含む2以上の成分で構成される材料からなることを特徴とする。
【0025】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、ガラスからなることを特徴とする。
【0026】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、管引き成形されたガラス管からなることを特徴とする。
【0027】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、ガラス粉末焼結体からなることを特徴とする。
【0028】
またガラス粉末焼結体が、結晶性ガラス粉末の焼結体からなることを特徴とする。
【0029】
またガラス粉末焼結体に、さらに誘電体セラミックス粉末が含まれていることを特徴とする。
【0030】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、下記組成を有するガラスからなることを特徴とする。
【0031】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、Na2Oの含有量が1%以下の材料からなることを特徴とする。
【0032】
また本発明の蛍光ランプ用誘電部材は、肉厚が0.1〜1mmであることを特徴とする。
【0033】
本発明の蛍光ランプ用外套管は、透明ガラス管の両端に、上記誘電部材が一体的に接合されてなることを特徴とする。
【0034】
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、透明ガラス管と管状絶縁体とが封着ガラスで接合されてなることを特徴とする。
【0035】
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、誘電部材が、耐熱温度が500℃以上の材料からなることを特徴とする。
【0036】
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、透明ガラス管と誘電部材とが融着してなることを特徴とする。
【0037】
また本発明の蛍光ランプ用外套管は、誘電部材が、耐熱温度が900℃以上の材料からなることを特徴とする。
【0038】
本発明の蛍光ランプは、上記外套管を使用してなることを特徴とする。
【0039】
また本発明の蛍光ランプは、液晶表示素子の照明装置用蛍光ランプとして用いられることを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の蛍光ランプ用誘電部材を構成する絶縁体には、以下のような特性が要求される。
▲1▼150、250、350℃の誘電正接が極力小さいこと。
【0041】
インバーターによって交流高電圧が印加されると絶縁体の誘電損失により誘電発熱がおこる。発熱は第一にエネルギーの浪費によりランプの発光効率を悪化させる。第二に発熱は誘電部材全体の放熱によって平衡状態となるまで温度が上昇するが、その温度上昇により絶縁体の誘電正接が大きくなると誘電損失が大きくなりさらに発熱が大きくなって温度が上がることになり、最終的に誘電部材が変形して焼損にいたる。焼損すると誘電体層としての働きが失われる。正常な状態で電極温度は150℃近辺であり、250℃になることもまれにある。
【0042】
誘電加熱は周波数、誘電率、誘電正接、電圧に比例するため、電源条件の周波数と電圧を一定とすると、誘電率と誘電正接を小さくすることで誘電加熱は少なくできる。誘電率はランプに送りこむ電力を確保する誘電容量の設計上に大きく影響する因子であり、設計の自由度が少ない。従ってランプ駆動温度域での誘電正接の値を小さくすることが誘電加熱を小さくするために大切である。また、誘電正接が温度上昇によって大きく増加すると、絶縁体自身の発熱によって、それ自身の誘電損失が大きくなり、更に温度上昇を招く悪循環を繰り返し、最終的に誘電部材の焼損に至るため、ランプ駆動温度の150℃から250℃の誘電損失は温度による変化が少ないことが重要である。さらに誘電部材の焼損を予防するためには350℃の誘電損失量も十分に小さい必要がある。
▲2▼体積抵抗が150℃から350℃で高いこと。
【0043】
体積抵抗が低いと電流が流れて、ジュール熱により誘電部材が焼損する問題を生じる。
▲3▼誘電体として効果を発揮するためには誘電部材が緻密であること。
【0044】
誘電部材が緻密でなければ、誘電特性が損なわれるばかりでなく、ランプ点灯時のサーマルショックにより破損することがある。
▲4▼アルカリ含有量が少ないこと。特にNa2Oの含有量が極力少ないこと。
【0045】
アルカリ成分は、高温領域で誘電正接や体積抵抗値に大きな影響を与えるため極力少ないことが求められる。またNaイオンはHgとイオン交換をし易い事でも知られており極限まで使用を制限することが望まれている。なおKイオンやLiイオンも誘電損失を増大させる働きがあるため、できれば含有させない方がよい。
▲5▼耐熱温度が十分に高いこと。
【0046】
封着ガラスを用いて透明ガラス管と誘電部材を接合する場合には、封着温度以上の耐熱温度が誘電部材に必要がある。封着ガラスを用いて封着する場合は通常450℃以下で焼成されるため、450℃以上の耐熱温度が求められる。この場合、非晶質ガラスの耐熱性はJIS R3103に規定される歪点と同一であり、結晶性の場合は結晶の溶融する温度である。
【0047】
また透明ガラス管と誘電部材とを溶着により直接接合する場合には、接合温度程度の耐熱温度が誘電部材に求められる。溶着のための加熱温度は800〜1000℃程度となるので、900℃程度、特に1000℃以上の耐熱温度を有することが望まれる。この場合の耐熱性は非晶質ガラスの場合、JIS R3104に規定される軟化点のことであり、結晶性の場合は結晶の溶融する温度である。
【0048】
なお誘電部材の耐熱温度が低いと変形が生じ、蛍光ランプを製造することが困難になる。
【0049】
上記要求特性を満足する材料について、以下に詳述する。
【0050】
誘電部材に使用される絶縁体材料は、酸化物であることが好ましい。これは、酸化物がHgと合金を作りにくいためである。
【0051】
また1MHzの誘電特性は物質の性質を代表する値であり、このときの誘電正接が室温で0.01、好ましくは0.005、さらに好ましくは0.003以下の物質を使用するべきである。0.01以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実用以下にすることが可能であり、0.05以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる、さらに0.003以下であれば高出力タイプや高周波数タイプのランプでも発熱が小さくなり好ましい。
【0052】
またランプは40KHzから100KHzで使用されるが、誘電正接は周波数が高くなるほど小さくなる傾向があるため、40KHzの方が100KHzよりも高くなる。よって40KHzの値で誘電体の誘電特性を規定することができる。また150℃はランプの通常の作動温度であり、250℃はランプ内部で発生する可能性のある温度である。さらに350℃は電極の発熱を抑制し、安全を確保するのに必要な数値である。
【0053】
150℃、40kHzの誘電正接は通常0.0005よりも大きく0.05以下、好ましくは0.01以下、さらに好ましくは0.005以下である。0.05以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実用以下にすることが可能であり、0.01以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる。さらに0.005以下であれば高出力タイプでも発熱が小さくなり好ましい。
【0054】
250℃、40kHzの誘電正接は0.1以下、好ましくは0.05以下、さらに好ましくは0.01以下である。0.1以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実用以下にすることが可能であり、0.05以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる、さらに0.01以下であれば高出力タイプでも発熱が大きいタイプでも使用可能であり好ましい。
【0055】
350℃、40kHzの誘電正接は0.3以下、好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下である。0.3以下であれば誘電損失が小さくなって発熱量を実用以下にすることが可能であり、0.1以下であればランプ稼動温度の高いものでも使用できる、さらに0.5以下であれば周辺温度が高温でかつ放熱しにくい環境下で高出力タイプのランプでも使用可能であり好ましい。
【0056】
また下式で表される誘電正接変化率が、150℃〜250℃間の平均値で、0.005以下、好ましくは0.001以下、さらに好ましくは0.0001以下であることが望まれる。0.005以下であれば温度が上昇しても、発熱量の変化が少なく安定した温度で使用でき、0.001以下であればランプ外部環境の影響が少なくなり、0.0001以下であればランプ発熱量が減って、環境上も真に理想的である。また下式で表される誘電正接変化率が250℃〜350℃間の平均値で、0.01以下、好ましくは0.005以下、さらに好ましくは0.001以下であることが望まれる。0.01以下であれば、温度上昇に伴う誘電損失の増大による温度の上昇による誘電部材の焼損を防止することができ、0.005以下であればランプからの放熱が制限されるような条件でも誘電部材の焼損が起こりにくくなるが、より理想的には0.001以下であればさらにランプの温度安定化が図れて好ましい。
【0057】
誘電正接変化率 = △誘電正接/△T
△誘電正接 : 誘電正接の差
△T : 誘電特性の測定温度(℃)の差
体積抵抗はガラスの絶縁性を示す数値であり、抵抗が少ないと電流が流れてガラスがジュール熱によって発熱するため、できだけ高い値が必要である。
【0058】
150℃における体積抵抗率Ω・cmは、log表示で6よりも高く、11以上、好ましくは12以上、さらに好ましくは14以上である。11以上あれば十分な実用上の問題の無い抵抗を示し、12以上あれば誘電損失に与える影響も小さくなり、14以上あれば完全な絶縁体とみなすことができる。
【0059】
250℃における体積抵抗率Ω・cmは、log表示で5よりも高く、10以上、好ましくは11以上、さらに好ましくは12以上である。10以上あれば実用上問題の無い抵抗を示し、11以上あれば誘電損失に与える影響も小さくなり、12以上であればより安全である。
【0060】
350℃における体積抵抗率Ω・cmは、log表示で4よりも高く、9以上、好ましくは10以上、さらに好ましくは11以上である。9以上であればなんとか実用化することが可能であり、10以上あれば実用上問題の無い抵抗を示し、11以上であればより安全である。
【0061】
誘電部材を構成する絶縁体としては、SiO2を含む2種以上の成分からなる材料を使用することが好ましい。
【0062】
絶縁体としてガラスを選択すれば、溶融ガラスを管引き成形したガラス管が使用できる。この場合、非晶質ガラスを用いることが好ましい。管引き成形として、ダンナー法、ダウンドロー法、アップドロー法等が適用できる。
【0063】
また絶縁体としてガラスを選択すれば、ガラス粉末成形体の焼結体を用いることも可能である。この場合、ガラスであるがゆえに焼結体は緻密である。なおガラス粉末としては、非晶質ガラス粉末でも、焼成中に結晶を析出する結晶性ガラス粉末でも良いが、結晶が生じると耐熱温度が高くなるため、結晶性ガラス粉末を用いることがより好ましい。またガラス粉末に誘電体セラミックス粉末を添加、混合して作製した粉末成形体を焼結させてもよい。誘電体セラミックス粉末を導入することで誘電特性の調整が可能になる。誘電体セラミックス粉末の添加量は、体積比で全体の60%以下であることが好ましい。この範囲であれば緻密な焼結体が容易に得られる。なお焼結体を得るには、例えばガラス粉末、または必要に応じてさらに誘電体セラミックス粉末に、バインダーを加えて造粒し、所定の形状にプレス成形した後、焼成すればよい。
【0064】
絶縁体として使用可能なガラスとしては、例えば質量百分率で、SiO2 5〜80%、B2O3 0〜50%、Al2O3 0〜50%、Li2O+Na2O+K2O 0〜10%、ZrO2 0〜10%、TiO2 0〜40%、MgO 0〜50%、CaO 0〜50%、SrO 0〜50%、BaO 0〜50%、ZnO 0〜90%、Nd2O3 0〜40%、Cl2 0〜0.5%の組成を有する非晶質ガラスや結晶性ガラスが挙げられる。各成分の範囲を限定した理由を以下に説明する。
【0065】
SiO2は材料をガラスの骨格成分である。SiO2の含有量は5〜80%、特に5〜70%、さらには10〜60%であることが好ましい。5%よりも多いと上記した効果が得られて好ましい。80%よりも少ないと溶融ガラスを管状に直接成形する場合に成形性がよくなり、また粉末成形する場合に、低温焼成が可能になって好ましい。
【0066】
なおSiO2のみでは低温のガラスが得られにくいので、SiO2以外に酸化物を含有させる必要がある。以下に使用可能な酸化物を紹介する。
【0067】
アルカリはガラスを低温化するのみならず、ガラスの原料を溶けやすくする融材として働く効果があるが、温度の高い状態でイオン伝導をおこして、体積抵抗の劣化や誘電正接の増大を招きやすい。その含有量はLi2O+Na2O+K2Oが10%以下、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。特にNa2Oは1%以下、特に0.1%以下であれば誘電正接も小さく好ましい。
【0068】
Al2O3は、ガラスの失透性を大きく改善する成分であり、ガラスの溶融、成形を容易にする成分である。その含有量は0〜60%、好ましくは0〜50%である。Al2O3が60%以下であれば溶融、加工が工業的に容易になり、50%以下であれば粘度が十分に低くなって焼結が容易になる。
【0069】
B2O3は、溶融性の向上、膨張の調整、粘度の調整、及び化学的耐久性を向上させる成分であり、その含有量は0〜50%、好ましくは0〜40%である。B2O3が50%以下であると、ガラス融液からの蒸発が少なくガラスが均一になりやすいため好ましい。40%以下であるとランプ製造工程中の熱加工時にもガラス成分の蒸発が少なく好ましい。
【0070】
TiO2は、ガラスの誘電率を高める成分であり、高誘電率が必要な場合には含有されることが望まれる。その含有量は0〜40%、好ましくは0〜30%である。40%よりも少なければ、ガラス中に失透を生じることなく安定して生産でき、30%よりも少ないと、さらに安定して工程での安定化が期待できる。
【0071】
ZrO2はガラスの安定性を増す成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%である。ZrO2が10%以内であれば失透が生じることもなく安定したガラスが得られ、8%以下であればさらに好ましい。
【0072】
ZnOはガラスの低温化に効果のある成分であり、その含有量は0〜90%、好ましくは0〜80%である。90%よりも少なければ失透が生じることもなく安定したガラスが得られ、80%以下であればさらに好ましい。
【0073】
MgO、CaO、SrO、BaOはガラスの低温化に効果のある成分であり、アルカリの移動を抑制し高温域でも誘電正接が増大しにくくなる効果があるのでアルカリを導入する場合は導入することが強く推奨される。相乗効果が得られるので1種類以上よりも2種類以上導入することが好ましい。その含有量は各々0〜50%であり、好ましくは0〜40%である。50%以下であれば失透が生じることなく安定したガラスが得られ40%以下であればさらに好ましい。
【0074】
Nd2O3はガラスの誘電率を調整する成分であり、その含有量は0〜40%、好ましくは0〜30%である。40%以下であれば失透が生じることなく安定したガラスが得られ、30%以下であればさらに好ましい。
【0075】
その他に、誘電率を調整する成分として、Nb2O5、Ta2O5、MoO3、WO3、Bi2O3、Y2O3やLa2O3等の希土類を40%以下で導入可能である。また清澄剤成分としてSnO2、Sb2O3、SO3等を含有させることも可能である。また着色剤が導入されていると、色調が安定して好ましいことがあるので、Fe2O3、MnO、CoO、Cr2O3を5%以下で導入可能である。
【0076】
また誘電部材から多量にガスが放出されて穴が開くと、誘電体として重大な欠陥になる。しかもランプ内でのガス放出はランプの輝度を確保する上で好ましくない。ガラスから発生するガスの成分は主として水分と考えられる。それゆえ、ガラスの水分量が少ないほど好ましく、下記式で求められる係数Xが0.1〜1.2であれば、穴が開くことなく緻密に焼成できて好ましい。特に0.4〜0.8の範囲にあればランプ内にガスが放出されることが無く好ましい。
【0077】
水分量は、下記の式で表される赤外線透過率係数(X)に比例する。
【0078】
X=(log(a/b))/t
a:3840cm−1付近の極小点の透過率(%)
b:3560cm−1付近の極小点の透過率(%)
t:試料測定厚み(mm)
ガラス中の水分量の調整は、通常ガラス溶融時の燃焼ガス中の水分量や、ガラス原料(硼酸と無水硼砂の混合比)で調整する。また、これらで調整しきれない場合には、乾燥空気バブリングによって調整できる。
【0079】
上記絶縁体を用いて形成される管状の誘電部材の肉厚は、静電容量を確保するためには薄いほうが良いが、強度を保つためには厚いほうが好ましい。したがって、その肉厚は0.1mm以上、できれば0.2mm以上で、2mm以下、より好ましくは1mm以下であることが好ましい。
【0080】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。表1は誘電部材の作製に用いるガラス材質(試料A〜H)を示している。また表2は、本発明の誘電部材(試料a〜m)を示している。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
まず、表1の組成となるようにガラス原料を調合した後、白金坩堝を用いて1550〜1650℃で8時間溶融した。使用したガラス原料は石粉、アルミナ、硼酸、ジルコン、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、亜鉛華、酸化ネオジウムある。これは一例であり、原料の種類に限定されるものではない。また、組成に示される成分は換算値であり、表記の酸化物価数に限定されない。
【0084】
次にA、B、E及びGのガラス融液をダウンドロー法で管状に成形して管引き成形されたガラス管からなる誘電部材を得た。
【0085】
またこれとは別に、A〜D、F及びHのガラス融液を薄板に成形し、アルミナボールミルで粉砕して目開き200μmで分級してガラス粉末を作成した。次いで、ガラス粉末単体又はさらに表2に示す誘電体セラミックスを添加し、バインダーと混ぜて造粒し、管状にプレスして粉末成形体からなる誘電部材とした後、表2の焼成温度で焼成して粉末焼結体からなる誘電部材を得た。
【0086】
このようにして得られた誘電部材は、耐熱温度が700℃以上、線熱膨張係数が25〜75×10−7/℃であった。
【0087】
次にこれらの誘電部材を用いて蛍光ランプを作製した。表3は本発明の蛍光ランプの実施例(試料No.1〜14)及び従来の蛍光ランプをそれぞれ示している。
【0088】
【表3】
【0089】
各蛍光ランプは、表中に示すランプ種類に応じて以下のようにして作製された。なお表中に示すランプ種類は、1が第一の形態の蛍光ランプ、2が第二の形態の蛍光ランプをそれぞれ意味している。
【0090】
第一の形態の蛍光ランプの作製方法を説明する。第一の形態の蛍光ランプは、予め外周面に電極を形成した誘電部材が、封着ガラスで透明ガラス管等に接合される構造を有している。なお封着ガラスタブレットを使用する本形態では、封着ガラスが温度ヒューズとして機能するため安全である。つまり封着ガラスは耐熱性が高くないため、万一誘電部材の温度が封着ガラスの耐熱温度、即ち非晶質ガラスの場合は軟化点、結晶性ガラスの場合は析出結晶の融解温度(例えば後述のLS−1301では390℃)を超えた場合に、封着ガラスが軟化してランプの気密性を破り、ランプを停止させ周辺部材の火災を防止することができる。
【0091】
まず封止部材1、封着ガラスタブレット2、電極3が形成された誘電部材4、透明ガラス管5、排気管6を、図1のようにカーボン型10に挿入配置後、封着ガラスの封着温度で焼成し、各部材を接合一体化する。
【0092】
ここで透明ガラス管5は、紫外線遮蔽性やソラリゼーション防止性に優れた外径4mm、内径3mm、長さ500mmのガラス管(例えば日本電気硝子製BFK又はBFW)が使用可能である。なお透明ガラス管5内には予め蛍光体7が塗布されている。
【0093】
また誘電部材4に予め形成される電極は、表2に示す材料で構成される。電極形成材料には特に制限はないが、例えば京都エレックス株式会社製のDD3600Cuペースト、DD300Agペースト、DD7000Niペースト等を使用することができる。例えばDD300Agペーストを使用する場合、誘電部材の外周面上に転写印刷して600℃窒素中で焼結することで、外面に密着した均質な電極層が得られる。電極として、アルミニウム箔を接着剤で接着する方法もあるが、密着性に劣るため誘電容量が低く好ましくない。
【0094】
また封着ガラスタブレット2には、例えば、日本電気硝子株式会社製LS−1301タブレット外径4mm、内径3mm、厚み0.3mm(封着温度は430℃)が使用できる。このタブレットは、封着ガラス粉末に低温分解性のバインダーを用いて混練したものを押し出し成形によって形成したものであり、蛍光体や誘電部材上の電極に影響を与えることなく各部材を封着できる。
【0095】
また封止部材1は、粉末化した透明ガラス管材料(例えば前述のBFK又はBFW)にバインダーを加え造粒した後、直径4mm厚み2mmの円盤状になるようにプレス成形したものである。なお封止部材の形状は、円盤状に限定されるものではなく、例えば凸型でもかまわない。
【0096】
次に図2のように、排気管6内部に水銀アマルガムボート8を挿入し、排気後、ArとNeガスを導入する。
【0097】
続いて、排気管端部を封止し、さらにアマルガムボート8を加熱してHgを管内に導入する。(図3)
その後、排気管6を封止切りして第一の形態の蛍光ランプを得る。(図4)
なお第一の形態の蛍光ランプにおいて、誘電部材と透明ガラス管や排気管との接合形態の変形例を図5〜図7に示す。各図において、誘電部材4と透明ガラス管5、誘電部材4と排気管6は、それぞれ封着ガラスタブレット2で接合されている。なお排気管の代わりに封止部材を適用できることは言うまでもない。
【0098】
第二の形態の蛍光ランプの作製方法を説明する。第二の形態の蛍光ランプは、誘電部材と透明ガラス管等を融着させることにより直接接合する構造を有しており、誘電部材上に形成される電極は、この融着後に形成される。
【0099】
まず図8のように、誘電部材4及び透明ガラス管5内にジグ11を挿入して回転させながら、バーナーで過熱して、両者を接合する。同様に誘電部材と排気管を接合する。透明ガラス管5の他端も同様にして誘電部材及び排気管を接合し、外套管を形成する。
【0100】
次に外套管内部の透明ガラス管5部分に蛍光体7を塗布する。その際、余分な蛍光体はブラシで除去する。また誘電部材4外周部に、表2に示す電極を形成するために電極形成用金属ペーストを塗布する。その後、管全体を570℃で焼成し、蛍光体の焼きつけと電極の焼付けを同時に行う。(図9)
続いて一方の排気管6を封止した後、他方の排気管6を用いて排気、ArとNeガスの封入、Hgの管内への導入を行う。(図10、11)
その後、排気管6を封止切りすることにより、第二の形態の蛍光ランプを得る。(図12)
また第一及び第二の形態の蛍光ランプ以外にも、誘電部材と透明ガラス管の接合、誘電部材と排気管の接合の何れか一方を封着ガラスタブレットによる接着とし、他方を直接融着させる第三の形態(図13〜15)を採用することも可能である。各図において、誘電部材4と透明ガラス管5は直接融着され、誘電部材4と排気管6又は封止部材1は封着ガラスタブレット2で接着される。なお誘電部材4と透明ガラス管5を封着ガラスタブレット2で接着し、誘電部材4と排気管6又は封止部材1を直接融着しても差し支えないことは言うまでもない。本形態の蛍光ランプも第一の形態のランプと同様に、封着ガラスが温度ヒューズとして機能するため安全である。
【0101】
上記のようにして組み立てられた外部電極型蛍光ランプについて、ランプ照度、並列点灯性、異常加熱について評価した。
【0102】
その結果、各実施例のランプは、同条件で点灯させた従来のCFLランプ(冷陰極ランプ 図16)と比較したところ、遜色ないか、或いは本実施例のランプの方が明るかった。またインバーター電源に対して並列にランプを並べて点灯することができ、電源の集約が可能であることを示している。また誘電部材付近温度も150℃程度であり、異常は見られなかった。なお輝度維持については十分な検証ができていないが、100hrレベルでは安定した輝度維持を示すことが確認された。
【0103】
ランプ照度は、同条件で点灯させたCFLとフィルター越しに観察して比較した。並列点灯性は、図17に示すようにランプを並列に並べて、コンデンサーを介さずに点灯が可能か調査した。なおこの試験には、安全のためランプ1本平均の電流が100mAを越えるとブレーカーが働くようにした電源を用いた。異常加熱については、ランプ周辺温度を計測して、250℃以上の加熱を認めた時は異常加熱とした。
【0104】
【発明の効果】
以上のように本発明の蛍光ランプ用誘電部材を用いれば、エネルギー効率がよく、異常発熱のない外部電極ランプを製造することができる。
【0105】
また本発明の蛍光ランプは、電極が外部にあるため、劣化が殆どなく寿命が長い。またコンデンサーを必要とすることがなく、インバーター電源の集約が可能である。しかも異常発熱が起こりにくい。それゆえ安価で信頼性の高い液晶バックライト用照明装置のランプとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図2】第一の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図3】第一の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図4】第一の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図5】第一の形態における誘電部材の他の接合形態を示す説明図である。
【図6】第一の形態における誘電部材の他の接合形態を示す説明図である。
【図7】第一の形態における誘電部材の他の接合形態を示す説明図である。
【図8】第二の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図9】第二の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図10】第二の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図11】第二の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図12】第二の形態の蛍光ランプの製造方法を示す説明図である。
【図13】第三の形態における誘電部材の接合形態を示す説明図である。
【図14】第三の形態における誘電部材の他の接合形態を示す説明図である。
【図15】第三の形態における誘電部材の他の接合形態を示す説明図である。
【図16】従来のCFLランプを示す説明図である。
【図17】本発明の蛍光ランプを並列に並べた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 封止部材
2 封着ガラスタブレット
3 電極
4 誘電部材
5 透明ガラス管
6 排気管
7 蛍光体
8 水銀アマルガム
9 排気装置
10 カーボン型
11 ジグ
21 従来のCFLランプ
22 本発明の蛍光ランプ
Claims (26)
- 透明ガラス管の両端に接合され、蛍光ランプ用外套管の一部を構成する部材であって、管状に成形された絶縁体からなることを特徴とする蛍光ランプ用誘電部材。
- 外周面に、さらに電極が配置されていることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- 内周面に、さらに電子放射性物質からなる層が形成されていることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- ランプ点灯時に誘電体として機能することを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- 150℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で6以上の材料からなることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- 350℃における体積抵抗率Ω・cmが、log表示で5以上の材料からなることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- 1MHz、室温の誘電正接が、0.01よりも小さい材料からなることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- 40KHz、150℃の誘電正接が、0.05よりも小さい材料からなることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- 40KHz、250℃の誘電正接が0.1より小さい材料からなることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- 40KHz、350℃の誘電正接が0.5よりも小さい材料からなることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- Si02を含む2以上の成分で構成される材料からなることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- ガラスからなることを特徴とする請求項1又は11の蛍光ランプ用誘電部材。
- 管引き成形されたガラス管からなることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- ガラス粉末焼結体からなることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- ガラス粉末焼結体が、結晶性ガラス粉末の焼結体からなることを特徴とする請求項14の蛍光ランプ用誘電部材。
- ガラス粉末焼結体に、さらに誘電体セラミックス粉末が含まれていることを特徴とする請求項14又は15の蛍光ランプ用誘電部材。
- 下記組成を有するガラスからなることを特徴とする請求項12の蛍光ランプ用誘電部材。
質量百分率で、SiO2 5〜80%、
B2O3 0〜50%、
Al2O3 0〜50%、
Li2O+Na2O+K2O 0〜10%、
ZrO2 0〜10%、
TiO2 0〜40%、
MgO 0〜50%、
CaO 0〜50%、
SrO 0〜50%、
BaO 0〜50%、
ZnO 0〜90%、
Nd2O3 0〜40%、
Cl2 0〜0.5% - Na2Oの含有量が1%以下の材料からなることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- 肉厚が0.1〜1mmであることを特徴とする請求項1の蛍光ランプ用誘電部材。
- 透明ガラス管の両端に、請求項1〜19の何れかの誘電部材が一体的に接合されてなることを特徴とする蛍光ランプ用外套管。
- 透明ガラス管と誘電部材とが封着ガラスで接合されてなることを特徴とする請求項20の蛍光ランプ用外套管。
- 誘電部材が、耐熱温度が500℃以上の材料からなることを特徴とする請求項20の蛍光ランプ用外套管。
- 透明ガラス管と誘電部材とが融着してなることを特徴とする請求項20の蛍光ランプ用外套管。
- 誘電部材が、耐熱温度が900℃以上の材料からなることを特徴とする請求項22の蛍光ランプ用外套管。
- 請求項20〜24の何れかの外套管を使用してなることを特徴とする蛍光ランプ。
- 液晶表示素子の照明装置用蛍光ランプとして用いられることを特徴とする請求項25の蛍光ランプ。
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