JP4625115B2 - ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプ及び照明装置 - Google Patents

ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプ及び照明装置 Download PDF

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Description

本発明は、ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプ及び照明装置に関する。
一般に、ガラスバルブやフレアステムなどのランプ用ガラス部品には、当該ガラス部品に電流が流れて照明装置の回路がショートしたり当該ガラス部品が異常発熱により溶けたりすることがないように、電気絶縁性の高いガラスが用いられる。
電気絶縁性の高いガラスとして、従来はPbO(酸化鉛)を多量に含有するいわゆる鉛ガラスが多用されていた。ところが、鉛ガラスは、有害物質である鉛成分を含有していることから近年公的規制の対象となったため、鉛ガラスと同程度の電気絶縁性を有するガラスとして、電気絶縁性を高める機能を有するSrO(酸化ストロンチウム)を多量に添加したガラスが数多く提案されている(特許文献1)。さらに、SrOを多量に添加すると結晶が生じてガラスが失透することが分かってきたため、ガラスの失透を抑えるためにSrOの含有率を2.5wt%以下にしたガラスも提案されている(特許文献2)。
特開平6−206737号公報 特開2005−213129号公報
しかしながら、発明者が特許文献2のガラスを作製し実験調査したところ、特許文献2のガラスは照明用途に必要な諸特性を満足していないことが分かった。特に、失透性についてさらに改善する必要があることが分かった。
本発明は、上記の課題に鑑み、鉛成分を含有せず、照明用途に適した電気絶縁性を有し、かつ、失透がより起こりにくいランプ用ガラス組成物を提供することを主たる目的とする。本発明の他の目的は、そのようなガラス組成物を用いたランプ用ガラス部品、ランプ及び照明装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るランプ用ガラス組成物は、酸化物換算で、SiO:65〜75wt%、Al:1〜5wt%、LiO:0.5〜5wt%、NaO:5〜12wt%、KO:3〜7wt%、LiO+NaO+KO:12〜18wt%、MgO:3.3〜7wt%、CaO:4.1〜7wt%、SrO:0〜0.9wt%、BaO:7.1〜12wt%を含有し、実質的にPbOを含有しないことを特徴とする。なお、実質的にPbOを含有しないとは、PbOを全く含有しない場合のみならず、不純物レベルでPbOを含有する場合も含める意味である。
また、本発明に係るガラス組成物の一態様では、酸化物換算で、Al:1〜3wt%、LiO:1〜3wt%、NaO:7〜10wt%、KO:3〜6wt%、LiO+NaO+KO:13〜17wt%、MgO:3.3〜6wt%、CaO:4.1〜6wt%、BaO:7.1〜10wt%を含有することを特徴とする。
なお、本願で記載した数値範囲は下限値及び上限値を含む。例えば、数値範囲が65〜75wt%である場合は、その数値範囲に65wt%と75wt%とが含まれる。
SiOは、ガラスの網目構造を形成する主成分であって、その含有率は65〜75wt%の範囲内である。SiOの含有率が65wt%より低いと、ガラスの耐水性が悪くなり、当該含有率が75wt%より高いと、ガラスの高温時の粘度が高くなって当該ガラスの加工性が著しく低下する。
Alは、添加するとアルカリ溶出を抑制する成分であり、かつ、ガラスの網目構造を形成する成分であるため添加すると加工性が低下する成分でもある。その含有率は1〜5wt%の範囲内である。Alの含有率が1wt%よりも低いと、アルカリ溶出を抑制する効果が十分に発揮されず、当該含有率が5wt%より高いと、ガラスに脈理不良を生じたり、ガラスの高温時の粘度が高くなって当該ガラスの加工性が低下したりする。ガラスバルブ用のガラスとしては、1〜3wt%の範囲内が好ましい。
LiO、NaOやKOはアルカリ金属酸化物であって、ガラス中のSiOの結合を切断して、当該ガラスの粘度を下げる成分である。また、膨張係数にも大きく影響する成分でもある。それぞれは多く添加するとアルカリ溶出量が多くなる傾向にあるが、LiO、NaOやKOが共存するもとでは、混合アルカリ効果と呼ばれる現象により、アルカリ溶出量が少なくなる。
NaOは、ガラスの粘度を下げる効果が他の原料よりも大きく、かつ安価であるため、ガラスの加工性向上に有用である。NaOの含有率は、5〜12wt%の範囲内である。NaOの含有率が5wt%よりも低いと、ガラスの粘度が高くなって加工性が低下する。一方、NaOの含有率が12wt%よりも高いと、ガラスの耐水性が悪くなり、アルカリ溶出量が多くなる。ガラスバルブ用のガラスとしては、7〜10wt%の範囲内が好ましい。
Oの含有率は、3〜7wt%の範囲内である。KOの含有率が3wt%よりも低いと、前記混合アルカリ効果が得られずにアルカリ溶出量が多くなり、7wt%よりも高いと、ガラスの耐水性が悪くなり、アルカリ溶出量が多くなる。ガラスバルブ用のガラスとしては、3〜6wt%の範囲内が好ましい。
LiOの含有率は、0.5〜5wt%の範囲内である。LiOの含有率が0.5wt%よりも低いと、前記混合アルカリ効果が得られずにアルカリ溶出量が多くなり、5wt%よりも高いと、ガラスの耐水性が悪くなり、アルカリ溶出量が多くなるだけでなく、比較的高価な原料であることからコストが嵩む。ガラスバルブ用のガラスとしては、1〜3wt%の範囲内が好ましい。
LiO、NaOとKOの総和は12〜18wt%の範囲内である。この範囲であると、加工性が確保される。12wt%よりも低いと、ガラスの粘度が高くなって加工性が低下する。一方、18wt%よりも高いと、ガラスの耐水性が悪くなり、アルカリ溶出量が多くなる。ガラスバルブ用のガラスとしては、13〜17wt%の範囲内が好ましい。
MgO、CaO、SrO及びBaOはアルカリ土類金属酸化物であって、ガラスの電気絶縁性に影響を与える。その影響とは、第1に、アルカリ土類金属は原子半径が大きくなるほど物理的障害となり易く、電気伝導度を抑える。つまり、この観点からは、最も原子半径の大きいBaが最も電気伝導度を抑える。第2に、アルカリ土類金属は原子半径が大きいほどその周辺のSiO骨格を切断・変形させ易く、それがアルカリ金属の通り道となるため電気伝導度は高まる。つまり、この観点からは、最も原子半径が大きいBaが最も電気伝導度を高める。
MgO及びCaOは、ガラスの電気絶縁性に影響を与える他に、ガラス中のSiOの結合を切断して当該ガラスの粘度を下げると共に、ガラスの耐水性を向上させる成分である。また、MgO及びCaOは、ガラスの化学的耐久性や、失透性などの特性にも影響を及ぼす。それらの含有率は、MgOは2.1〜7wt%、CaOは2〜7wt%の範囲内である。MgOの含有率が2.1wt%より低い場合や、CaOの含有率が2wt%よりも低い場合は、それぞれガラスの化学的耐久性が悪くなる。一方、MgO及びCaOの含有率が7wt%よりも高いと、それぞれガラスの温度に対する粘度変化が激しくなり過ぎて加工時にガラスが早く冷め易くなるため、ガラスの加工性が低下し、ランプ製造の歩留まりが低下する。ガラスバルブ用のガラスとしては、それぞれ3〜6wt%の範囲内が好ましい。
SrOの含有率は、0〜0.9wt%の範囲内である。SrOの含有率が0.9wt%をよりも高いと、ガラス溶融時の失透性傾向が強まるためランプ用として適さない。なお、失透傾向が強まるためSrOは極力添加しないほうが好ましい。
BaOの含有率は、7.1〜12wt%の範囲内である。上述したようにBaOはMgO、CaO及びSrOとともにガラスの電気絶縁性に影響を与えるものであるが、MgO、CaO及びSrOの含有率をガラスの化学的耐久性や失透性などの影響を鑑み一定以下に抑えており、これらの含有率との関係でBaOの含有率が7.1wt%よりも低いと、ガラスの電気絶縁性の確保が難しくなる。一方、その含有率が12wt%よりも高いとガラス溶融時の失透性傾向が強まるためランプ用として適さない。ガラスバルブ用のガラスとしては、7.1〜10wt%の範囲内が好ましい。
なお、LiO、NaOやKOはガラスの電気伝導度を高くする傾向にあり、それとは逆にMgO、CaO、SrO及びBaOはガラスの電気絶縁性を確保することができ、それぞれの含有率の最適化により、所望とする電気絶縁性を得ることができる。
なお、ガラスに紫外線吸収機能を付加するために、CeO、TiO、SnOやSnOなどの紫外線吸収剤を、それぞれ1wt%を上限として加えても本発明に係るガラス組成物の特性は損なわれない。また、清澄剤として、Sb、SO、C、FやClなどを、それぞれ1wt%を上限として加えても本発明に係るガラス組成物の特性は損なわれない。また、Feなどに代表される不純物が0.5wt%まで混入しても本発明に係るガラス組成物の特性は損なわれない。
本発明に係るガラス組成物の一態様では、重量比で、0.76≦(MgO+CaO)/(SrO+BaO)≦1.19、の関係を満たすことを特徴とする。
アルカリ土類金属酸化物は前述したようにガラス中のSiOの結合を切断するが、このことでガラスの網目が広がることになる。これは移動度の高いアルカリ金属、特にナトリウムの移動する経路が広く確保されることにつながる。しかしながら、アルカリ土類金属として、ナトリウムと原子半径がほぼ等しいマグネシウムや、ナトリウムよりは原子半径が大きいがアルカリ土類金属の中では比較的原子半径の小さいカルシウムが添加された場合の網目構造の広がりは、それらよりも原子半径の大きいバリウムやストロンチウムが添加される場合の広がりと比べて小さい。そのため、アルカリ土類金属酸化物として、MgOやCaOの重量比が大きいほどガラスのアルカリ溶出を抑えることができるといえる。
一方、アルカリ土類金属は原子半径が大きいほど物理的障害となり易く電気伝導度を抑える。つまり、電気伝導度を抑える効果は、原子半径の大きいSrOやBaOの方が大きいので、SrOとBaOの重量比が大きいほどアルカリ溶出を抑えることができるともいえる。
これらのバランスでアルカリ溶出の優れた範囲が決まることになる。そして、発明者は、0.76≦(MgO+CaO)/(SrO+BaO)≦1.19の範囲で十分な効果があることを見出した。
本発明に係るガラス組成物の一態様では、酸化物換算で、LiO、NaO及びKOの総和が15.8wt%未満、かつ、MgO、CaO、SrO及びBaOの総和が15.6wt%未満であって、重量比で、0.76<(MgO+CaO)/(SrO+BaO)、の関係を満たすことを特徴とする。
アルカリ金属酸化物すなわちLiO、NaO及びKOの総和が多いと作業点温度が低下する傾向にある。アルカリ金属酸化物の総和が15.8wt%以上の参考例4,5は作業点温度が1000℃を下回った。
また、アルカリ金属酸化物の総和が15.8wt%未満の場合でも、アルカリ土類金属酸化物の総量が多いと作業点温度が低下する傾向にある。アルカリ金属酸化物の総和が15.8wt%未満であるがアルカリ土類金属酸化物の総和が15.6以上の実施例1,2および参考例7,8は作業点温度が1000℃を下回った。
さらに、アルカリ土類金属酸化物の中でも原子半径の大きいSrOとBaOの重量比が大きいものは作業点温度が低下する傾向にある。重量比で、0.76≧(MgO+CaO)/(SrO+BaO)の関係を満たす参考例6,は作業点温度が1000℃を下回った。
一方、LiO、NaO及びKOの総和が15.8wt%未満、かつ、MgO、CaO、SrO及びBaOの総和が15.6wt%未満であって、0.76<(MgO+CaO)/(SrO+BaO)、の関係を満たす参考例1〜3は、作業点温度が加工に適した1000〜1050℃の範囲内に収まる。
本発明に係るガラス組成物の一態様では、軟化点温度が650〜720℃の範囲にあることを特徴とする。
本発明に係るガラス組成物の一態様では、30〜380℃の膨張係数が90〜100×10−7−1であることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス部品は、上記ガラス組成物で形成されたことを特徴とする。
本発明に係るランプは、上記ランプ用ガラス部品を備えることを特徴とする。
本発明に係る照明装置は、上記ランプを備えることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、SrOの含有率が低く抑えられているためガラスが失透しにくい。また、MgO、CaO及びBaOが所定の含有率であるため照明用途に適した電気絶縁性が確保されている。
本発明に係るランプ用ガラス部品は、上記ランプ用ガラス組成物で形成されているため、ガラスが失透しにくいことから歩留まり良く製造でき、また、電気絶縁性が確保されていることからランプ用として好適である。
本発明に係るランプは、上記ランプ用ガラス部品を備えているため、歩留まり良く製造できることから安価であり、光束維持率も良い。
本発明に係る照明装置は、上記ランプを備えているため、従来の照明装置よりも安価であり、また従来のランプと同程度の光束維持率を有する。
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
[ガラス組成物]
まず、本実施の形態に係るガラス組成物について説明する。図1は、本実施の形態に係るガラス組成物の組成及び特性を示す図である。本実施の形態に係るガラス組成物は、図1に示す実施例1,2および参考例1〜9の組成を有する。
<ガラス組成物の特性>
各ガラス組成物の特性(アルカリ溶出量、膨張係数、軟化点温度、作業点温度、及び、失透性)は、それぞれ以下のような方法で評価した。
1.アルカリ溶出量
アルカリ溶出量を測定する方法としては、一般に、JISに基づく化学分析用ガラス器具の試験方法(日本工業規格JIS R 3502)が挙げられる。この方法を簡単に説明すると、まず、乳鉢などを用いてガラス試料を粉末状(粒径250〜420μm)に粉砕しガラス粉砕物を得て、次に、そのガラス粉砕物をエチルアルコールで洗浄してガラス粉砕物からガラス微粉末を取り除き、次に、洗浄後のガラス粉砕物を沸騰水浴中で60分間加熱して当該ガラス粉砕物からアルカリを溶出させてアルカリ溶出液を得る。その後、そのアルカリ溶出液を硫酸で中和滴定し、得られた滴定値からアルカリ溶出量を換算する。
このようなJISに基づく試験方法は、エチルアルコールによる洗浄が不十分であると、ガラス粉砕物中にガラス微粉末が残留するため、当該ガラス微粉末の存在により蒸留水中のガラスの総表面積が大幅に増大して、正確なアルカリ溶出量が測定できない問題がある。また、ガラス試料を粉末状に粉砕する、洗浄によりガラス微粉末を取り除く、中和滴定したりする等といった煩雑な作業が必要である。そのため、より高精度かつ簡便なアルカリ溶出量の測定方法が望まれている。
そこで、発明者らは、JISに基づく試験方法よりも高精度かつ簡便なアルカリ溶出量の測定方法を新たに確立した。本発明に係る測定方法は、ブロック状のガラス試料を蒸留水中に浸漬させてガラス試料から蒸留水中にアルカリを溶出させ、得られたアルカリ溶出液の導電率を測定して、その測定値からアルカリ溶出量を換算するものである。
図2は、本発明に係るアルカリ溶出量の測定方法を説明するための図である。図2を用いて本発明に係る測定方法の具体的な手順を説明する。
まず、ガラス試料をブロック状にカットし、温度を75〜85℃、湿度を85〜95%に保った恒温恒湿槽内で45〜50時間放置して含湿処理する。なお、測定精度を上げるためには、含浸処理における温度、湿度及び放置時間を前記各範囲の中心付近の値である80℃、90%、48時間にすることがより好ましい。
次に、図2に示すように、水槽1内に70〜80℃の蒸留水2を100ml溜めて、当該蒸留水2中に含湿処理を終えたガラス試料3を1時間浸漬させる。本発明に係る測定方法では、70〜80℃という比較的低温度の蒸留水2中でアルカリを溶出させるため、沸騰させた蒸留水中でアルカリを強制的に溶出させるJISに基づく試験方法よりも、より実際のガラスの使用形態に即したアルカリ溶出量を測定することができる。
ガラス試料3は、表面積の総和が4500〜5500mm2の範囲内に収まるように、
好ましくは約5000mm2になるように調整し浸漬させる。例えば、約15×15×2
.5mmの直方体形状にカットしたガラス試料3を8個浸漬させる。
その後、蒸留水2からガラス試料3を取り除きアルカリ溶出液を得る。そして、当該アルカリ溶出液を25℃に安定させ、市販のハンディタイプのセンサー式液体浸漬形導電率測定機4(商品名:ツインコンド B−173)を用いて導電率を測定する。
図3は、JISに基づく試験方法により測定したアルカリ溶出量と、本発明に係る試験方法により測定した導電率との相関関係を示すグラフである。前記アルカリ溶出量と導電率とは、図3に示すような相関関係にある。蛍光灯のガラスバルブには、アルカリ溶出量が270μg/g以下のガラスが適していると考えられているが、図3から分かるように、270μg/gのアルカリ溶出量に対応する導電率は57μS/cmである。したがって、導電率が57μS/cm以下のガラスがガラスバルブ用のガラスとして適しているといえる。
すなわち、導電率はガラスのアルカリ溶出量を間接的に示す数値であり、ランプ用として好適なガラスであるためには、25℃において57μS/cm以下であることが好ましいといえる。導電率が57μ/cmより高いと、アマルガムの生成に起因する種々の問題が顕著になる。
本発明に係る測定方法は、ブロック状のガラス試料を用いるため、蒸留水に浸漬させるガラスの表面積の総和を制御し易い。したがって、JISによる試験方法よりも高い精度でアルカリ溶出量を測定することができる。また、本発明に係る測定方法は導電率によってアルカリ溶出量を測定するため、アルカリ溶出量が多くなっても測定精度が落ちるようなことはない。
また、本発明に係る測定方法は、カットしたブロック状のガラス試料を蒸留水に浸漬させるため、ガラス試料を粉末状に粉砕したり、ガラス粉砕物を洗浄したりする作業が不要である。また、アルカリ溶出液の導電率の測定は、導電率測定機4の電極を当該アルカリ溶出液に漬けるだけの簡単な操作で行うことができ、煩雑な中和滴定作業が不要である。したがって、JISに基づく測定方法よりも操作が簡易である。
2.膨張係数、軟化点温度及び作業点温度
膨張係数、軟化点温度及び作業点温度の測定は、次のような手順で作製したサンプルを用いて測定した。まず、ガラス原料としての化学試薬を所定の組成となるよう調合する。次に、調合物100gを白金るつぼに入れ電気炉で1500℃、3時間加熱し溶融させる。その後、ガラス化した溶融ガラスを金型に流し込んで成形し、さらに12時間かけて徐々に冷却(アニール)して歪をとる。このようにして得られたガラス塊を切削機等で所定の形状に加工しサンプルとして用いた。
膨張係数は、熱機械分析装置(株式会社リガク製 TAS300 TMA8140C)を用いて測定した。測定用サンプルとして、ガラスを直径5mm、高さ10mmの円柱状に加工し、当該サンプルの平均線膨張係数を、圧縮荷重法により30〜380℃の温度範囲で測定した。
ガラスバルブにリード線を気密封着するためには、ガラスバルブとリード線の熱膨張係数が近似していることが好ましい。リード線の封止部分(外部リード線)に用いられるジュメット線は熱膨張係数が94×10−7−1であるため、ガラスの膨張係数は90〜100×10−7−1の範囲であることが好ましい。
軟化点温度は、ガラスの粘度が107.65dPa・sになる温度であり、当該粘度でガラスは流動性を得る。軟化点温度は、ガラスバルブ用として650℃〜720℃の範囲内であることが好ましい。軟化点温度が650℃よりも低いと、蛍光体の焼付け工程において、蛍光体懸濁液のバインダーを揮発させるため加熱した際にガラスバルブがその熱で変形してしまう。一方、軟化点温度が720℃よりも高いと、封止加工する際にガラスをより高温に加熱する必要が生じるため、燃焼能力の高い加工設備が必要となる。
作業点温度は、ガラスの粘度が10dPa・sになる温度であり。当該温度以下でガラスを加工する。作業点温度は、ガラスバルブ用として1000℃〜1050℃の範囲内であることが好ましい。作業温度が1000℃より低いと、作業温度範囲(ガラスの軟化点から作業点までの温度範囲)が狭くなるため加工性が悪くなる。一方、作業点温度が1050℃よりも高いと、ガラスが溶融する温度が高くなり過ぎるため加工性が悪くなり、また溶融工程のコストも高くなる。
3.失透性
溶融しガラス化させた際にガラスに結晶が生じ失透するかどうかを目視で確認し、○:失透しない、×:失透するとの評価を行った。
<数値範囲の臨界的意義>
本発明に係るガラス組成物は、図1における実施例1,2および参考例1〜9に示す組成に限定されないが、ランプ用としての特性を保つためには、実質的に、酸化物換算で、SiO:65〜75wt%、Al:1〜5wt%、LiO:0.5〜5wt%、NaO:5〜12wt%、KO:3〜7wt%、LiO+NaO+KO:12〜18wt%、MgO:2.1〜7wt%、CaO:2〜7wt%、SrO:0〜0.9wt%、BaO:7.1〜12wt%を含有し、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。また、重量比で、0.76≦(MgO+CaO)/(SrO+BaO)≦1.19、の関係を満たすことがより好ましい。さらに、酸化物換算で、LiO、NaO及びKOの総和が15.8wt%未満、かつ、MgO、CaO、SrO及びBaOの総和が15.6wt%未満であって、重量比で、0.76<(MgO+CaO)/(SrO+BaO)、の関係を満たすことがより好ましい。それらの理由を比較例と対比しながら以下に説明する。
図4は、比較例に係るガラス組成物の組成及び特性を示す図である。なお、比較例に係るガラス組成物の特性は、実施例および参考例に係るガラス組成物と同様の方法により測定した。
実施例1,2および参考例1〜9と比較例1とを比較すると、失透が抑えられるSrOの含有率が分かる。SrOの含有率がいずれも0.9wt%以下である実施例1,2および参考例1〜9は、失透性の評価が○である。一方、SrOの含有率が0.9wt%を超えている(1.1wt%)比較例1は、失透性の評価が×である。このことから、失透を防止するためには、SrOの含有率を0.9wt%以下に限定しなければならないことが分かる。
実施例1,2および参考例1〜9と比較例2とを比較すると、照明用途に適した電気絶縁性を得るために必要な組成範囲が分かる。本発明に係るガラス組成物の組成範囲を満たさない比較例2は導電率が97μS/cmと高く、したがってアルカリ溶出量が多いことから、ガラス中でアルカリ金属イオンが移動しやすい電気絶縁性の低いガラスであることが分かる。このことから、本発明に係る組成範囲を満たさなければ、照明用途に適した電気絶縁性を得られないことが分かる。
実施例1および参考例1〜8と実施例2および参考例9とを比較すると、アルカリ土類金属酸化物の重量比がアルカリ溶出に及ぼす影響が分かる。重量比で、0.76≦(MgO+CaO)/(SrO+BaO)≦1.19、の関係を満たす実施例1および参考例1〜8は、導電率が57μS/cm以下でありアルカリ溶出量が少ない。一方、前記重量比が1.19を超える実施例及び0.76未満の参考例9は、いずれもアルカリ溶出量が57μS/cmよりも多い。このことから、アルカリ溶出量の少ないガラスを得るためには、前記重量比を0.76〜1.19の範囲内に収める必要があることが分かる。
参考例1〜3と実施例1,2および参考例4〜9とを比較すると、MgO及びCaO、並びに、LiO、NaO及びKOの含有量が作業点温度に及ぼす影響が分かる。酸化物換算で、LiO、NaO及びKOの総和が15.8wt%未満、かつ、MgO、CaO、SrO及びBaOの総和が15.6wt%未満であって、重量比で、0.76<(MgO+CaO)/(SrO+BaO)、の関係を満たす参考例1〜3は、作業点温度が1000〜1050℃の範囲内であり加工性が良いことが分かる。一方、前記条件を満たさない実施例1,2および参考例4〜9は、作業点温度が1000℃未満であり加工性がそれほど良くないことが分かる。
[ランプ及びランプ用ガラス部品]
次に、本実施の形態に係るランプ及びランプ用ガラス部品について説明する。
<第1の実施形態>
図5は、第1の実施形態に係る環状型蛍光ランプを示す一部破断平面図である。図5に示すように、第1の実施形態に係るランプ10は、環状型蛍光ランプ(FCL30ECW/28)であって、環状のガラスバルブ20と、当該ガラスバルブ20の両端部に封着されたステム30,30’と、それら両端部に跨って取り付けられた口金40とを備える。
ガラスバルブ20は、本実施の形態に係るランプ用ガラス部品の一例であって、本発明に係るガラス組成物で形成されている。当該ガラスバルブ20には、その内面に保護層(不図示)および蛍光体層(不図示)が順次積層されており、内部に水銀蒸気を供給するためのアマルガム粒21と、希ガスの一例であるアルゴンガスとが封入されている。
図6は、ガラスバルブに封着前のステムを説明するための図であって、図6(a)はステムを構成する各部材を示す図、図6(b)はステムを示す断面図である。ステム30は、図6(a)に示すようなフィラメントコイル34、一対のリード線35,36、フレア管32’およびガラス細管33’を組み立てたものであって、図6(b)に示すように、電極31と、当該電極31が封着されたフレア32と、当該フレア32に融着された排気管33とで構成される。
電極31は、フィラメントコイル34と一対のリード線35,36とからなり、当該フィラメントコイル34は、前記一対のリード線35,36の一方(ガラスバルブ20内に配置される方)の端部間に跨って、かしめ又は溶接等により取り付けられている。
フレア32は、本実施の形態に係るランプ用ガラス部品の一例であって、本発明に係るガラス組成物で形成されている。当該フレア32は、リード線35,36が封着されたマウント部37aと、当該マウント部37aからフィラメントコイル34と反対側に延出する筒状部37bと、当該筒状部37bから更にフィラメントコイル34と反対側に延出する鍔部38とからなる。
フレア32は、フレア管32’を加工して形成され、当該フレア管32’のストレート部37’の一部が溶融し、ガラス細管33’の一方の端部と合わさってフレア32のマウント部37aが形成される。フレア管32’のストレート部37’の残りの部分は、溶融・変形しないままフレア32の筒状部37bとなる。また、フレア管32’のフレア部38’は、そのままフレア32の鍔部38となる。鍔部38は、バルブ封止工程において、その一部がガラスバルブ20の端部に溶融接合される。なお、フレア32のガラス組成は、ガラスバルブ20や排気管33のガラスと混ざり合わない筒状部37bで特定できる。
排気管33は、本実施の形態に係るランプ用ガラス部品の一例であり、本発明に係るガラス組成物で形成されている。当該排気管33は、ガラス細管33’を加工したものであって、ガスを排気しガラスバルブ20内部を真空にするため、また内部に希ガスおよびアマルガム粒21を投入するために使用される。ガラス細管33’の一方の端部は、フレア32のマウント部37aに融着されている。
口金40は、ガラスバルブ20の端部が収容される本体部41と当該本体部41に設けられた複数の接続ピン42とを備える。
以上のような第1の実施形態に係るランプ10は、加工性のよいガラスでガラスバルブ20、フレア32及び排気管33が形成されているため製造歩留まりがよい。また、30〜380℃の膨張係数が90〜100×10−7−1であるガラスでフレア32が形成されているため、ステム30にクラックが生じにくくランプ寿命が長い。
図7は、環状型蛍光ランプの光束維持率を示す図である。ランプ10と同じ構造の環状型蛍光ランプを、図1に示す参考例1,2,4〜6および実施例1のガラス、図4に示す比較例1〜2のガラス、及び、比較例3のガラスとしての環状型蛍光ランプに従来から用いられている軟質ガラスを用いて作製し、各環状型蛍光ランプの光束維持率を評価した。
評価では、まず、各環状型蛍光ランプについてランプ点灯試験を行い一定時間毎の光束を測定し、その測定結果から1000時間後および3000時間後の光束維持率を、ランプ点灯時間100時間の光束を100%として算出した。なお、失透する比較例1のガラスについては、清浄な管ガラスが作製できないため環状型蛍光ランプを作製することができず、光束維持率の評価はできなかった。
図7に示す結果から、導電率の低いガラスで作製した環状型蛍光ランプは光束維持率が高いことが分かる。また、実施例および参考例のガラスを用いて作製した環状型蛍光ランプは、従来の軟質ガラス(比較例3)で作製した環状型蛍光ランプ以上の光束維持率を発揮していることが分かる。
<第2の実施形態に係るランプ>
図8は、第2の実施形態に係る冷陰極蛍光ランプの概略構成を示す一部破断平面図である。図8に示すように、第2の実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ60は、略円形横断面で直管状をしたガラスバルブ61を有する。
ガラスバルブ61は、ランプ用ガラス部品の一例であって、本発明に係るガラス組成物で形成されている。なお、ガラスバルブ61のサイズは、長さ720mm、外径4.0mm、内径3.0mmである。
ガラスバルブ61の端部には、ビードガラス62を介してリード線63が封着されている。このリード線63は、例えば、タングステンからなる内部リード線と、ニッケルからなる外部リード線とからなる継線であり、内部リード線の先端部には冷陰極型の電極64が固着されている。
ビードガラス62とガラスバルブ61とは例えば融着されており、ビードガラス62とリード線63とは例えばフリットガラスによって固着されているため、ガラスバルブ61の内部が気密状態に保たれている。なお、電極64とリード線63とは、例えば、レーザ溶接等を利用して固着されている。
電極64は、有底筒状をしたいわゆるホロー型電極である。ホロー型の電極を採用することで、ランプ点灯時の放電によって生じる電極におけるスパッタリングを抑えている。
ガラスバルブ61の内部には、水銀が、ガラスバルブ61の容積に対して所定の比率、例えば、0.6mg/ccで封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、60Torrで封入されている。 希ガスは、アルゴンとネオンの混合ガス
が用いられ、これらの比率は、Arが5%、Neが95%である。
ガラスバルブ61の内面には、保護層65が形成されており、さらに、この保護層65の表面(ガラスバルブの内面と反対側)に蛍光体層66が形成されている。保護層65は、例えば、酸化イットリウム(Y)等の金属酸化物からなり、ガラスバルブ61内に封入されている水銀とガラスバルブ61とが反応するのを抑制する機能を有している。ただし、ガラスバルブのアルカリ溶出が大幅に抑制されている場合、必ずしも保護層65を形成する必要はない。
蛍光体層66は、水銀から発せられた励起光を白色に変換する。ここでは、水銀からの光を、赤色の光に変換する赤色蛍光体粒子、青色の光に変換する青色蛍光体粒子、緑色の光に変換する緑色蛍光体粒子の3種類を含む。
これらの蛍光体粒子は、アルミナを含まない希土類のものが使用され、具体例として、赤色蛍光体粒子にはY:Eu3+が、緑色蛍光体粒子にはLaPO:Tb3+が、青色蛍光体粒子には(SrCaBa)11(PO4)6Cl:Eu2+が、それぞれ使
用されている。
以上のような第2の実施形態に係る冷陰極蛍光ランプ60は、加工性のよいガラスでガラスバルブ61及びビードガラス62が形成されているため製造歩留まりがよい。また、30〜380℃の膨張係数が90〜100×10−7−1であるガラスで形成されているため、ビードガラス62にクラック等が生じにくくランプ寿命が長い。
図9は、冷陰極蛍光ランプの光束維持率を示す図である。冷陰極蛍光ランプ60と同じ構造の冷陰極蛍光ランプを、図1に示す参考例1,2,4〜6および実施例1のガラス、図4に示す比較例1〜2のガラス、及び、比較例4のガラスとしての冷陰極蛍光ランプに従来から用いられている硬質ガラスを用いて作製し、各冷陰極蛍光ランプの光束維持率を評価した。
評価では、まず、各冷陰極蛍光ランプについてランプ点灯試験を行い一定時間毎の光束を測定し、その測定結果から100時間後および3000時間後の光束維持率を、ランプ点灯時間0時間の光束を100%として算出した。なお、失透する比較例1のガラスについては、清浄な管ガラスが作製できないため環状型蛍光ランプを作製することができず、光束維持率の評価はできなかった。
図9に示す結果から、導電率の低いガラスで作製した冷陰極蛍光ランプは光束維持率が高いことが分かる。また、実施例および参考例のガラスを用いて作製した冷陰極蛍光ランプは、従来の硬質ガラス(比較例4)で作製した冷陰極蛍光ランプと同等若しくはそれ以上の光束維持率を発揮していることが分かる。
<変形例>
以上、本発明に係るランプ及びランプ用ガラス部品を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係るランプ用ガラス部品およびランプは上記の実施の形態に限定されない。
例えば、本発明に係るランプ用ガラス部品は、ガラスバルブ、フレア、排気管及びビードガラスに限定されるものではなく、例えば水銀カプセルなどのランプ製造に用いるガラス製の部品全般が含まれる。なお、水銀カプセルとは、あらかじめ液体水銀をガラスカプセルに封入したものをいい、それをランプ内に設置し後に開封してランプ内に水銀を満たすものである。
また、本発明に係るランプは、環状型蛍光ランプ、冷陰極蛍光ランプ、二重環状型蛍光ランプ、スクエア型蛍光ランプ、二重スクエア型蛍光ランプ、ツイン蛍光ランプ、直管型蛍光ランプなど蛍光ランプ全般が含まれる。
[照明装置]
図10は、本実施の形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図である。図10に示すように、本実施の形態に係る照明装置80は、直下方式型のバックライトユニットであり、複数の冷陰極蛍光ランプ60と、これらの冷陰極蛍光ランプ60を収納する筐体81と、この筐体81の開口部を覆う前面パネル82とを備える。
筐体81は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面83に銀などの金属が蒸着されて反射面が形成されている。なお、筐体81は、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウム等の金属材料により構成しても良い。
本実施の形態では、14本の冷陰極蛍光ランプ60が、その軸心が水平に延伸する状態で、筐体81の短手方向に並列配置されている。なお、これらの冷陰極蛍光ランプ60は、図外の駆動回路により点灯される。
筐体81の開口部は、透光性の前面パネル82で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。前面パネル82は、拡散板84、拡散シート85およびレンズシート86を積層してなる。
拡散板84及び拡散シート85は、冷陰極蛍光ランプ60から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート86は、当該レンズシート86の法線方向へ光を揃えるためのものであって、これらにより冷陰極蛍光ランプ60から発せられた光が前面パネル82の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方を照射するように構成されている。
以上、本発明に係る照明装置を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る照明装置は上記の実施の形態に限定されない。例えば、本発明に係る照明装置は、室内用照明装置、屋外用照明装置、卓上用照明、携帯用照明、表示用光源、液晶画面のバックライトおよび画像読取用照明等のいかなる照明装置であってもよい。
本発明にかかるランプ用ガラス組成物は、照明用途に広く利用可能である。
本実施の形態に係るガラス組成物の組成および特性を示す図 本願に係るアルカリ溶出量の測定方法を説明するための図 JIS規定のアルカリ溶出試験法により測定したアルカリ溶出量と、本願に係るアルカリ溶出試験法により測定した導電率との相関関係を示す図 比較例に係るガラス組成物の組成および特性を示す図 第1の実施形態に係る環状型蛍光ランプを示す一部破断平面図 ガラスバルブに封着前のステムを説明するための図であって、(a)はステムを構成する各部材を示す図、(b)はステムを示す断面図 環状型蛍光ランプの光束維持率を示す図 第2の実施形態に係る冷陰極蛍光ランプの概略構成を示す一部破断平面図 冷陰極蛍光ランプの光束維持率を示す図 本実施の形態に係る照明装置の概略構成を示す斜視図
20,32,33,61,62 ガラス部品
20,60 ランプ
80 照明装置

Claims (9)

  1. 酸化物換算で、
    SiO:65〜75wt%、
    Al:1〜5wt%、
    LiO:0.5〜5wt%、
    NaO:5〜12wt%、
    O:3〜7wt%、
    LiO+NaO+KO:12〜18wt%、
    MgO:3.3〜7wt%、
    CaO:4.1〜7wt%、
    SrO:0〜0.9wt%、
    BaO:7.1〜12wt%を含有し、
    実質的にPbOを含有しないことを特徴とするランプ用ガラス組成物。
  2. 酸化物換算で、
    Al:1〜3wt%、
    LiO:1〜3wt%、
    NaO:7〜10wt%、
    O:3〜6wt%、
    LiO+NaO+KO:13〜17wt%、
    MgO:3.3〜6wt%、
    CaO:4.1〜6wt%、
    BaO:7.1〜10wt%
    を含有することを特徴とする請求項1記載のランプ用ガラス組成物。
  3. 重量比で、
    0.76≦(MgO+CaO)/(SrO+BaO)≦1.19
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のランプ用ガラス組成物
  4. 酸化物換算で、LiO、NaO及びKOの総和が15.8wt%未満、かつ、
    MgO、CaO、SrO及びBaOの総和が15.6wt%未満であって、
    重量比で、
    0.76<(MgO+CaO)/(SrO+BaO)
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のランプ用ガラス組成物
  5. 軟化点温度が650〜720℃の範囲にあることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のランプ用ガラス組成物。
  6. 30〜380℃の膨張係数が90〜100×10−7−1であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のランプ用ガラス組成物。
  7. 請求項1から6いずれかに記載のガラス組成物を用いて形成されたことを特徴とするランプ用ガラス部品。
  8. 請求項7に記載のランプ用ガラス部品を備えることを特徴とするランプ。
  9. 請求項8に記載のランプを備えることを特徴とする照明装置。
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