JP2013121889A - 照明用ガラス組成物、および蛍光ランプ用外套容器 - Google Patents

照明用ガラス組成物、および蛍光ランプ用外套容器 Download PDF

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【課題】鉛を含有せず、優れた熱加工性、耐失透性、および体積抵抗率を有し、尚且つ清澄性にも優れた照明用ガラス組成物を提供する
【解決手段】本発明の照明用ガラス組成物は、質量百分率で、SiO 60〜80%、Al 0〜5%、B 0〜5%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、NaO 10〜20%、KO 0〜5%、SnO 0.01%超〜5%、Sb 0〜2%、Fe 0.001〜0.5%を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光ランプなどに使用される照明用ガラス組成物に関する。
一般に、蛍光ランプは内面に蛍光物質を塗布した管ガラスの両端を電極金属と封着し、さらに管ガラスの内部を水銀の蒸気で満たし、この状態で電圧を印加することにより電極金属から放出された電子が水銀に衝突し、衝突により励起状態となった水銀がある時間の後に基底状態に落ち込む際に放出される電磁波が蛍光物質と相互作用し、蛍光物質が光を発することによって発光している。
このような蛍光ランプに使用されるガラスとしては十分な体積抵抗率を有し、比較的低温で軟化する熱加工性の良さから、PbOを含有するガラスが使用されてきた。
しかし、鉛は有害物質であり、鉛系ガラスの溶融・加工時の鉛成分の揮発、原料からの飛散が作業者に悪影響を及ぼし、また製造工程からの大気中への排出や使用済み製品による拡散によって環境汚染をもたらすことが懸念されるため、PbOを含有しない代替ガラス組成の開発が進められてきた。
PbOを含有しない照明用ガラスとして、例えば、特許文献1、2に開示されたものがある。特許文献1に記載のガラスは、BaO含有量を7〜11%とし、鉛ガラスと同等の体積抵抗率を持たせたバリウムシリケートガラスである。特許文献2に記載のガラスは、バリウムシリケートガラスのBaO含有量を抑えて失透性を改善し、ダンナー法による管成形を容易にしたものである。
特開平6−206737号公報 特開平9−12332号公報
特許文献1および2のようなPbOを含有しない照明用ガラスは、体積抵抗率や失透性についてはPbOを含むガラスと同程度に改善されている。しかしながら、清澄性については未だ改善の余地があった。ガラスの清澄性が悪いと、ガラスに泡が残存し易くなり、蛍光ランプの気密性を損ねる場合がある。蛍光ランプの気密性が低下すると、水銀蒸気の漏れや大気の流入により発光効率が低下したり、蛍光ランプの寿命が短くなったりするという問題があった。
また、工業的に大量生産されるガラスには、原料や製造工程からFeが混入する。Feは、ガラス中ではFe3+は又はFe2+の状態で存在する。特にFe3+は、380nm付近に吸収ピークを持つため、ガラス中に多量に含まれると短波長の可視光透過率を低下させる。そして、蛍光ランプにおいてガラスの透過率が低下すると、ランプの明るさが低下してしまう問題があった。
本発明は、このような事情を考慮して成されたものであり、PbOを実質的に含有しなくとも、優れた熱加工性、耐失透性、および体積抵抗率を有し、さらに清澄性および透過性にも優れた照明用ガラス組成物、および蛍光ランプ用外套容器を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意検討の結果、ガラス組成を以下のように厳密に規定することによって上記課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。
本発明の照明用ガラス組成物は、質量百分率で、SiO 60〜80%、Al 0〜5%、B 0〜5%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、NaO 10〜20%、KO 0〜5%、SnO 0.01%超〜5%、Sb 0〜2%、Fe 0.001〜0.5%を含有することを特徴とする。
上記のような組成によれば、PbOを実質的に含有しなくとも、優れた熱加工性、耐失透性、および体積抵抗率を有し、さらに清澄性にも優れた照明用ガラス組成物を得ることができる。また、SnOおよびFeの含有量を適切に規制することにより、高い透過性を得ることができる。これは、ガラス中でSn2++Fe3+の→Sn4++2Fe2+の反応が適度に起こり、短波長の可視光透過性を阻害するFe3+が減少するためである。
また、本発明の照明用ガラス組成物は、肉厚1mmとした場合に波長400nmにおける分光透過率が88%以上であることが好ましい。上記のような分光透過率であれば、照明用ガラス組成物として十分な光学特性を得られる。
また、本発明の照明用ガラス組成物は、軟化点が750℃以下であることが好ましい。軟化点とは、ガラスの粘度が107.6dPa・sとなる温度であり、加工性の難易の目安となる温度でもある。ガラスは軟化点より高い温度では容易に軟化変形するようになる。上記のような軟化点であれば、加工に要するエネルギーコストを低減することができる。
また、本発明の照明用ガラス組成物は、150℃における体積抵抗率が常用対数の値で7.5以上であることが好ましい。体積抵抗率を上記のように規制することにより、当該照明用ガラス組成物を蛍光ランプ等の照明機器に用いた際、不要な発熱やエネルギーロスを抑制することができる。
また、本発明の照明用ガラス組成物は、液相温度が850℃以下であることが好ましい。液相温度とは、溶融ガラスから結晶が析出する最高温度であり、失透性の目安となる温度でもある。液相温度が低くなると、結晶が容易に析出し、失透し易くなる。上記のような液相温度であれば、照明用ガラス組成物として十分な耐失透性を得られる。
また、本発明の照明用ガラス組成物は、蛍光ランプに用いられることが好ましい。
また、本発明の照明用ガラス組成物は、蛍光ランプ用外套容器に用いられることが好ましい。ここで「外套容器」とは、蛍光ランプの内部空間(放電空間)を形成するための部材であり、管型形状のものが一般には広く普及している。しかし近年では種々の形態の蛍光ランプが検討されており、例えば平面タイプの蛍光ランプでは、箱型形状等の外套容器が使用される。本発明においては、これらの形態全てを総称して「外套容器」と呼ぶ。
本発明の照明用ガラス組成物によれば、ガラス組成を上記のように厳密に規定しているため、鉛を含有しなくとも軟化点および液相温度を低くすることができる。すなわち、軟化点が低いため熱加工性に優れ、液相温度が低いために失透し難い。また、蛍光ランプ用として十分な体積抵抗率を有し、さらに、清澄性にも優れる。したがって、ガラスに残存した気泡を経路とする蛍光ランプ内部からの水銀蒸気の流出および大気の流入を抑制し、発光効率の低下および蛍光ランプの短寿命化を抑制できる。
以下、本発明の実施形態に係る照明用ガラス組成物について説明する。先ず、本発明のガラスを構成する成分の作用と、その含有量を上記のように限定した理由を説明する。
SiOは、ガラスの網目を形成するために必要な成分であり、また、ガラスの機械的強度を高める成分である。SiOの含有量は60〜80%、好ましくは65〜75%、より好ましくは68〜72%である。SiOの含有量が60%より少ないと、照明用ガラス組成物として必要な機械的強度を得難くなる。一方、SiOの含有量が80%より多いと、ガラスの粘度が著しく高くなり、ガラスの成形性が低下する。
Alは、ガラスの化学的耐久性や機械的強度を高め、且つ適量添加により耐失透性を高める成分である。Alの含有量は0〜5%、好ましくは0〜4%、より好ましくは1〜3%である。一方、Alの含有量が5%より多いと、ガラスの粘度が著しく高くなり、ガラスの成形性が低下する。特に、Alの含有量が1〜3%であれば、ガラスの粘度が高くなりすぎることなく、化学的耐久性や機械的強度、耐失透性を高めると同時に、良好な成形性が得られる。
は、ガラスの網目を形成し、さらにガラスの粘度を低下させ、耐水性を向上させる成分である。Bの含有量は0〜5%、好ましくは0〜4%、より好ましくは0.5〜3%である。一方、Bの含有量が5%より多いと、ガラスが分相し易くなったり、溶融ガラスからの揮発物が多くなったりする。そのため、溶融ガラスの表面に粘度の高い異質層が形成され易くなり、溶融ガラス中の泡の脱泡を阻害して清澄性が低下する。特に、Bの含有量が0.5〜3%であればガラスの清澄性を低下させることなく粘度を低下させ、耐水性を向上させることができる。
MgOは、ガラスの体積抵抗率を高めると同時に、粘度を低下させる成分である。MgOの含有量は0〜10%、好ましくは1〜7%、より好ましくは2.5〜5%である。MgOの含有量が10%より多いと、ガラスからMgOを含む結晶が析出して失透し易くなり、生産効率が低下する。特に、MgOの含有量が2.5〜5%であれば液相温度が高くなりすぎることなく、体積抵抗率を高めると同時に、粘度を低下させることができる。
CaOは、ガラスの体積抵抗率を高めると同時に、粘度を低下させる成分である。CaOの含有量は0〜10%、好ましくは2〜8%、より好ましくは3〜6%である。一方、CaOの含有量が10%より多いと、ガラスからCaOを含む結晶が析出して失透し易くなり、生産効率が低下する。特に、CaOの含有量が3〜6%であれば液相温度が高くなりすぎることなく、体積抵抗率を高めると同時に、粘度を低下させることができる。
NaOは、ガラスの粘度を低下させるために必要な成分である。NaOの含有量は10〜20%、好ましくは12〜18%、より好ましくは14〜18%である。NaOの含有量が10%より少ないと、ガラスの粘度が高くなり、成形性が低下する。NaOの含有量が20%より多いと、ガラスの体積抵抗率が低下し、蛍光ランプの外套容器として用いた場合に発熱量やエネルギーロスが大きくなる。
Oは、ガラスの粘度を低下させる成分である。一方、KOの含有量が多すぎると、ガラスの体積抵抗率や耐水性が低下する。KOの含有量は0〜5%、好ましくは0〜3%、より好ましくは0.5〜2%である。KOの含有量が5%より多いと、ガラスの体積抵抗率が低下し、蛍光ランプの外套容として用いた場合に発熱量やエネルギーロスが大きくなる。
SnOは、ガラスの透過性を向上し、尚且つ清澄性を高めるために必要な成分である。SnOの含有量は0.01%超〜5%、好ましくは0.01〜2%、より好ましくは0.01〜1%である。SnOの含有量が0.01%より少ないと、ガラスの清澄性を高める効果が低くなり、特に大量生産時にガラス中に泡が残存し易くなる。また、ガラス中のFe3+がFe2+に変換され難くなるため、透過性が低下し易くなる。一方、SnOの含有量が5%より多いと、ガラスからSnを含む結晶が析出し易くなって、生産効率が低下する。また、ガラス中のFe2+が増加しすぎてガラスの長波長側の可視光透過率が低下し、蛍光ランプの明るさが低下してしまう場合がある。また、SnOは高価であるため、含有量が多いと原料コストが高くなってしまう。
は、ガラスの液相温度を低下させる成分である。Pの含有量は0〜1%、好ましくは0〜0.8%、より好ましくは0〜0.5%である。Pの含有量が1%より多いと、ガラスが分相し易くなるため、ガラスの電気絶縁性や粘度に分布ができ易くなり、製品としての信頼性が低下する。
Sbは、ガラスの清澄性を高める成分である。また、原料コストが高い成分でもある。Sbの含有量は0〜2%、好ましくは0〜1%、より好ましくは0〜0.5%である。Sbの含有量が2%より多いと、ガラスから結晶が析出し易くなって生産効率が低下する。
Feは、各種原料から不純物として混入する成分である。Feはガラスに紫外線遮蔽能を付与する成分であるが、多量に含有するとガラスの可視光透過率を低下させ、ガラスを着色させる成分でもある。Feの含有量は0.001〜0.5%、好ましくは0.001〜0.1%、より好ましくは0.001%以上0.1%未満である。Feの含有量が0.5%より多いと、ガラスの可視光透過率が低下し、蛍光物質から発せられた光をガラスが効率良く外部に通し難くなるため、蛍光ランプの明るさが低下してしまう。なお、Feの含有量は、例えば、上記各成分について高い純度の原料を選択することによって低減することができる。
SOは、ガラスの清澄性を高める成分である。一方で、SOは多量に含有するとSOガスがガラスから抜け切れず、かえって泡品位を悪くする場合がある。したがって、SOの含有量は1%以下に規制することが好ましい。
本発明の照明用ガラス組成物は、特にガラスの清澄性等に悪影響を及ぼさない限り、上記成分以外にも種々の成分を含有可能である。例えば、SrO、BaO、ZnO、LiO、La、Nb、ZrO、TiO、Y、WO、CoO、CeO、Cr、Cl等を任意成分として、或いは不純物成分として含みうる。これら成分の含有量は合量で3%以下であることが好ましい。
本発明の照明用ガラス組成物は、H、CO、CO、HO、He、Ne、Ar、N等の微量成分を合量で0.1%まで含有してもよい。また、体積抵抗率に悪影響を及ぼさない限り、ガラス中にPt、Rh等の貴金属元素を合量で500ppmまで含有してもよい。
なお、PbOは、ガラスに十分な体積抵抗率を与えつつ、軟化点を低下させる成分であるが、環境等への影響が懸念されるため実質的に含有しないことが好ましい。本発明で「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成内のPbOの含有量が1000ppm以下の場合をいう。
本発明の照明用ガラス組成物の軟化点は750℃以下、好ましくは700℃以下であることが好ましい。軟化点が750℃より高いと、ガラス内面への蛍光物質の焼付けや加熱による加工が困難になる。
また、本発明の照明用ガラス組成物の150℃における体積抵抗率は常用対数で7.5以上、好ましくは8.0以上である。150℃における体積抵抗率が常用対数で7.5より小さいと、ガラスの体積抵抗率が低いために蛍光ランプとして用いた場合に発熱量やエネルギーロスが大きくなる。
また、本発明の照明用ガラス組成物において、液相温度は850℃以下、好ましくは820℃以下である。液相温度が850℃より高いと、ガラスから結晶が析出し易くなって生産効率が低下してしまう。
また、本発明の照明用ガラス組成物を肉厚1mmとした場合に波長400nmにおける分光透過率は88%以上、好ましくは90%以上である。肉厚1mmとした場合の波長400nmにおける分光透過率が88%より低いと、蛍光物質から発せられた光をガラスが外部に効率良く通し難くなり、蛍光ランプの明るさが低下してしまう。
また、本発明の照明用ガラス組成物は、蛍光ランプに用いられることが好ましい。蛍光ランプは直管型、環状型など様々な形状のものがあるが、本発明の照明用ガラス組成物はあらゆる形状の蛍光ランプに対しても用いることができる。
また、本発明の照明用ガラス組成物は、蛍光ランプ用外套容器に用いられることが好ましい。蛍光ランプは直管型、環状型など様々な形状のものがあるが、本発明の照明用ガラス組成物はあらゆる形状の蛍光ランプ用外套容器として用いることができる。
次に、上記照明用ガラス組成物を用いて本発明の蛍光ランプ用外套容器を作製する方法を説明する。先ず、上記特徴を有するガラスとなるように原料を調合し、1300〜1500℃で溶融する。次いで溶融ガラスをダンナー法、ダウンドロー法、アップドロー法等の管引き方法により、管状に成形する。続いて管状ガラスを所定の寸法に切断し、必要に応じて後加工することにより、管状の蛍光ランプ用外套容器を得る。
なお、上記では管状の外套容器(外套管)の作製を例にして説明したが、本発明に係る蛍光ランプ用外套容器はこの形態に制限されるものではない。例えば、本発明に係る照明用ガラス組成物を箱状にプレス成形し、平面タイプの蛍光ランプに用いられる外套容器とすることも可能である。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
表1〜4は、本発明の実施例(試料No.1〜15)および比較例(試料No.16〜18)を示している。
先ず、表1〜4に示すガラス組成になるように、天然原料、化成原料等の各種ガラス原料を秤量、混合して、ガラスバッチを作製した。次に、このガラスバッチを白金坩堝で1450℃、8時間溶融した後、カーボン板上に流し出し、15cm×6cm×1.5cm程度の寸法の板状のインゴットを成形した。さらに、板状インゴットを550℃に昇温した徐冷炉内に入れ、550℃で30分保持した。その後、300℃まで3℃/分で降温し、さらに10℃/分で室温まで降温する熱処理を行い、板状試料を得た。
また、上記ガラスバッチを三角錐形状の白金坩堝で1450℃、30分溶融した後、三角錐形状のインゴットを作製した。さらに、三角錐形状インゴットを550℃に昇温した徐冷炉内に入れ、550℃で30分保持した後、300℃まで3℃/分で降温し、さらに10℃/分で室温まで降温する熱処理を行い、三角錐形状試料を得た。
上記のようにして得られた各試料につき、軟化点(Ts)、150℃における体積抵抗率(logρ)、液相温度、および肉厚1mmとした場合の波長400nmにおける分光透過率を測定するとともに、清澄性を評価した。
軟化点はASTM C338に準拠した方法により測定した。すなわち、先ず、上記板状試料を直径6〜10φmmの円柱状に成形し、さらに管状電気炉中で加熱軟化変形させてファイバー状試料を作製した。そして、この試料を毎分5℃±1℃で昇温した時の伸び速度が1mm/分となる時の温度を読み取り、これを軟化点とした。
150℃における体積抵抗率は各板状試料を電気炉内にセットし、温度を変えて電極三端子法により体積抵抗率を数点測定し、これらの値の常用対数を縦軸、測定温度の絶対温度の逆数の1000倍を横軸としてプロットし、回帰直線式を求め、この式から150℃における体積抵抗率を算出することによって値を得た。
液相温度の測定においては、先ず、各板状試料を粉砕し、300〜500μmの範囲の粒度となるように調整した。次いで、粒状試料を耐火性の容器に適切な嵩密度を有する状態に充填して、最高温度を1000℃に設定した間接加熱型の温度勾配炉内に入れて静置し、24時間大気雰囲気中で加熱操作を行った。その後、耐火性容器ごと試験体を取り出し、室温まで冷却後、偏光顕微鏡によって液相温度を特定した。
波長400nm、肉厚1mmにおける分光透過率の測定においては、先ず、板状試料を25mm×30mmの寸法に切り出し、厚み1mmに研磨し、さらに両面を光学研磨加工した。そして、加工した試料について、SHIMADZU製 UV−3100PC分光光度計を用いて波長400nmの値を読み取った。
清澄性は、三角錐形状試料の高さ方向の泡の分布を確認することによって評価した。具体的には、三角錐形状試料の中央部を縦方向に厚さ1cmとなるよう切り出し、切り出した試料の断面を顕微鏡で観察した。より詳細には、断面の高さ方向中央から上側を上部領域、下側を下部領域とし、各領域における泡の有無を確認した。泡が上部領域でのみ確認され、下部領域で確認されなかった場合、清澄性が良いものとして評価結果を○とした。一方、泡が断面の高さ方向の上部領域および下部領域の双方で確認された場合、清澄性が悪いものとして評価結果を×とした。
表1〜4から明らかなように、本発明における実施例No.1〜15は、ガラス組成が本発明の範囲内にあるため、優れた清澄性を有していた。また、軟化点が750℃以下に抑制されており、加工性に優れていた。また、150℃における体積抵抗率の常用対数が7.5以上であり、蛍光ランプの外套容器として十分な電気的特性を得られた。また、液相温度が850℃以下と低く、耐失透性に優れていた。また、肉厚1mmとした場合の波長400nmにおける分光透過率が88%以上であり、透過性に優れていた。
一方、比較例No.16のガラスは、組成が本発明の範囲外となっているため、清澄性の評価が×であった。また、液相温度が850℃を超えており、高い耐失透性を得られなかった。
また、比較例No.17のガラスは、組成が本発明の範囲外となっているため、肉厚1mmとした場合の波長400nmにおける分光透過率が88%未満であり、蛍光ランプの外套容器として十分な透過特性を得られなかった。
また、比較例No.18のガラスは、組成が本発明の範囲外となっているため、150℃における体積抵抗率の常用対数が7.5未満であり、蛍光ランプの外套容器として十分な電気的特性を得られなかった。
以上に示した通り、本発明に係る照明用ガラス組成物は、PbOを含有せず、優れた熱加工性、体積抵抗率を有し、失透が生成し難いだけでなく、清澄性および透過性にも優れたものである。
本発明の照明用ガラス組成物、および蛍光ランプ用外套容器は、環境負荷が少なく、優れた熱加工性、耐失透性、および体積抵抗率を有し、尚且つ清澄性および透過性にも優れるため、蛍光ランプ等に用いられる照明用ガラス組成物および蛍光ランプ用外套容器として好適である。

Claims (7)

  1. 質量百分率でSiO 60〜80%、Al 0〜5%、B 0〜5%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、NaO 10〜20%、KO 0〜5%、SnO 0.01%超〜5%、Sb 0〜2%、Fe 0.001〜0.5%を含有することを特徴とする照明用ガラス組成物。
  2. 肉厚1mmとした場合に波長400nmにおける分光透過率が88%以上であることを特徴とする請求項1に記載の照明用ガラス組成物。
  3. 軟化点が750℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明用ガラス組成物。
  4. 150℃における体積抵抗率が常用対数の値で7.5以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の照明用ガラス組成物。
  5. 液相温度が850℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明用ガラス組成物。
  6. 蛍光ランプ用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の照明用ガラス組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のガラスからなることを特徴とする蛍光ランプ用外套容器。
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