JP2019112245A - 照明用ガラス組成物及びガラス管、並びに照明用ガラス組成物の製造方法 - Google Patents

照明用ガラス組成物及びガラス管、並びに照明用ガラス組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、溶融温度や軟化温度が低い照明用ガラス組成物に関する。【解決手段】本発明の照明用ガラス組成物は、酸化物換算の質量%で、SiO265〜75%、Al2O30.5〜3%、B2O30.1〜2%、Li2O 0〜1%、Na2O 10〜18%、K2O 0〜2.5%、SrO 0.01〜3%、BaO 0〜2%、P2O50.01〜1%を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、従来の特性を損なうことなく、熱加工性が良好で溶融温度が低い照明用ガラス組成物に関する。
一般的に、照明用ガラスは、管状に成形した後に、直管や直管を熱加工した環形の形状に加工されるが、近年、直管をU字やW字に曲げたり、数本の直管を並行に配置したりして繋ぎ合わせたツイン管や、コンパクト管と呼ばれる特殊形状のものも開発されている。
このように照明用ガラスには、環状や特殊形状に成形するために加工性が要求されるため、従来PbOを20〜30%と比較的多量に含有した低粘度の鉛ガラスが用いられてきた。しかしながら、PbOは毒性が強い成分であり、環境汚染を引き起こす虞があるため、現在では照明用ガラスとして、一般的にソーダライムガラスが用いられている。
特許文献1は、ソーダライムガラスの加工性を鉛ガラスに近づけるために、ソーダライムガラスにBとPを一定量含有させた照明用ガラスを開示している。
また、特許文献2は、BとPに加えて、BaOを必須成分として含有させ、ガラスの溶融性や熱加工性を更に向上させた照明用ガラスを開示している。
特開昭57−135743号公報 特開昭61−72650号公報
ところで、ガラス製造においては、高い温度でガラス原料を溶融し、泡の除去や成形を行なう必要があるが、近年の省エネルギー化促進の要求から、ガラスの溶融温度を更に低下させることの重要性が高まりつつある。それに加えて、更なる環境保全の観点から、BaOに関しては、使用量を低減することが望まれている。しかしながら、上述したとおり、BaOはソーダライムガラスの溶融温度を低下させ、熱加工性を向上させる成分であるため、その含有量を低減させると、省エネルギー化促進の目標が達成し難くなる。
本発明の目的は、BaOを多量に含まなくても溶融温度や軟化温度が低い照明用ガラス組成物を創出することである。
本発明者は、上記事情を鑑み、照明用ガラス組成物に関し鋭意実験した結果、ソーダライムガラス組成において、SrOを少量導入することで上記課題を解決できることを見出し、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明の照明用ガラス組成物は、酸化物換算の質量%で、SiO 65〜75%、Al 0.5〜3%、B 0.1〜2%、LiO 0〜1%、NaO 10〜18%、KO 0〜2.5%、SrO 0.01〜3%、BaO 0〜2%、P 0.01〜1%を含有することを特徴とする。
このようにすることで溶融温度や軟化温度が低い照明用ガラス組成物とすることができる。なお、本発明において、溶融温度とはガラスの粘度が102.5dPa・sに相当する温度のことを指し、軟化温度とは、ガラスの粘度が107.6dPa・sに相当する温度のことを指す。
本発明の照明用ガラス組成物は、酸化物換算の質量%で、SrO+BaO 0.1〜5%を含有することが好ましい。
このようにすることで、更に、ガラスの溶融温度や軟化温度を低くすることができる。
本発明の照明用ガラス組成物は、酸化物換算の質量%で、LiO+NaO+KO 11〜20%であることが好ましい。
このようにすることで、溶融性、熱加工性に優れるとともに、得られるガラスの化学的耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の照明用ガラス組成物は、質量比で、NaO/SrOの値が4〜1800であることが好ましい。
このようにすることで、溶融性、熱加工性に優れるとともに、得られるガラスの化学的耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の照明用ガラス組成物は、質量比で、NaO/(SrO+BaO)の値が、2〜180であることが好ましい。
本発明の照明用ガラス組成物は、質量比で、(LiO+NaO+KO)/(SrO+BaO)の値が、10〜200であることが好ましい。
本発明の照明用ガラス組成物は、質量比で、(LiO+NaO+KO)/Bの値が、6〜100であることが好ましい。
このようにすることで、溶融性、熱加工性に優れるとともに、得られるガラスの化学的耐久性の低下を抑制できる上、失透を抑制し生産性を向上させることができる。
本発明の照明用ガラス組成物は、102.5dPa・sに相当する温度が1278℃未満であることが好ましい。
本発明のガラス管は、上記した照明用ガラス組成物からなることを特徴とする。
本発明のガラス管は、熱加工性に優れるため、直管だけでなく、環状や特殊形状への加工にも好適である。
本発明の照明用ガラス組成物の製造方法は、ガラス原料として、SrO及び/又はBaOを含むカレットを使用することを特徴とする。
このようにすることで、溶融に必要な熱容量を更に低減させ、生産コストを下げることができる。更に、省エネルギー化促進、環境負荷低減の観点からも好ましい。
以下、本発明の照明用ガラス組成物を上記の組成範囲に限定した理由を詳述する。なお、本発明において、特段の説明がない限り、%表示は質量%を指す。また、「液相温度」とは、失透要因となる結晶の初相が析出する温度を意味する。
SiOはガラス形成の必須成分の一つである。SiOの含有量は65〜75%であり、好ましくは67〜73%、より好ましくは68〜72%、最も好ましくは69〜71%である。SiOの含有量が少なすぎると、化学的耐久性が劣化する。一方、SiOの含有量が多すぎると、ガラス溶融時の粘度が高くなり、ブツや脈理、気泡の多いガラスとなる上、ガラスの加工が困難となる。
Alはガラスの耐候性を向上させ、ガラスの失透を抑えるのに有効な成分である。Alの含有量は0.5〜3%であり、より好ましくは1〜2.5%、最も好ましくは1〜2.3%である。Alの含有量が少なすぎると上記した効果が小さくなる。一方、Alの含有量が多すぎると、ガラスの粘度が急激に高くなり、脈利不良が増加する上、曲げ加工等、ガラスの加工も困難になる。
はガラスの液相温度を下げ、成形を容易にする効果がある。また、耐候性を向上させる成分である。Bの含有量は0.1〜2%であり、より好ましくは0.1〜1.5%、最も好ましくは0.1〜1%である。Bの含有量が少なすぎると、上記した効果が得難くなる。一方、Bの含有量が多すぎると、アルカリ金属酸化物との共存下において、溶融時の蒸発が多くなり、均質性の高いガラスが得られなくなる。
アルカリ金属酸化物であるLiO、NaO及びKOは、ガラスの粘度を低下させ、溶融温度や軟化温度を下げる成分である。また、線熱膨張係数を変動させる成分でもある。
LiOは、上記した効果を有するが、原料コストが高いため、あまり含有させないことが好ましい。LiOの含有量は、0〜1%であり、好ましくは0〜0.8%、より好ましくは0〜0.6%である。
NaOは、上記した効果を有し、本発明の照明用ガラス組成物にアルカリ金属酸化物のとして多く含有されている成分であるため、特性に与える影響も特に大きい。NaOの含有量は、10〜18%であり、好ましくは12〜17%、より好ましくは13〜17%である。
また、KOの含有量は、0〜2.5%であり、好ましくは0.1〜2.0%、より好ましくは0.5〜1.7%である。
また、LiO+NaO+KOの含有量(LiO、NaO及びKOの含有量の合量)は、11〜20%が好ましく、より好ましくは13〜20%である。LiO+NaO+KOの含有量が少なすぎると、上記した効果が得られ難くなる。一方、LiO+NaO+KOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下し、線熱膨張係数が大きくなりすぎる虞がある。
MgO及びCaOは、電気絶縁性及び化学耐久性を向上させ、更に、溶融時のガラスの粘度を下げる成分でもある。MgOの含有量は0〜10%が好ましく、より好ましくは1〜7%、最も好ましくは2〜5%である。また、CaOの含有量は、好ましくは1〜13%であり、より好ましくは2〜10%、最も好ましくは2.5〜7%である。MgO及びCaOそれぞれの含有量が少なすぎると、上記した効果が得難くなる。一方、MgO及びCaOそれぞれの含有量が多すぎると、ガラスの失透性が増大して均質性の高いガラスが得難くなる上、作業温度域以下では粘性を上げるため、却って軟化温度が上昇し易くなる。
SrOはガラスの粘度を下げて溶融温度及び軟化温度を低下させるとともに、ガラスの化学耐久性を上げる成分である。SrOは本発明の照明用ガラス組成物を構成するアルカリ土類金属酸化物の中でも、特にガラスの粘度を下げる効果が顕著な成分である。そのため、本発明の照明用ガラス組成物は、SrOの含有量を厳密に規制しつつ、必須成分として含有させている。このようにすることで、ガラスの溶融温度や軟化温度を低くすることができる。それゆえ、化学的耐久性を低下させ、また線熱膨張係数を変動させ易い成分であるアルカリ金属酸化物成分の含有量を増加させる必要がなくなる。
本発明者の実験により、前記の効果は、SrOの含有量が0.01%以上で顕著に発現することが分かった。そのため、SrOの含有量は、0.01〜3%であり、好ましくは0.05〜2%、より好ましくは0.1〜1.5%、更に好ましくは0.1〜1.2%、最も好ましくは0.3〜1%である。一方、SrOの含有量が多すぎると、SrOの結晶が析出しやすくなり、ガラスの製造が困難になる上、ガラスの密度が大きくなり、照明器具に用いた場合に製品重量が大きくなってしまう。
BaOはガラスの溶解を促進するとともにガラスの化学耐久性を上げる効果があるが、その含有量が多すぎると、BaOの結晶が析出しやすくなる上、ガラス密度が大きくなり照明器具に用いた場合に製品重量が大きくなってしまう。また、近年の環境意識の高まりにより、BaOの使用量を低減することが好ましい。そのため、BaOの含有量は、0〜2%であり、好ましくは0.01〜1.5%、より好ましくは0.05〜1%、最も好ましくは0.1〜0.5%である。
MgO+CaO+SrO+BaOの含有量(MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量の合量)は、好ましくは5〜13%、より好ましくは7〜11%、最も好ましくは8〜10%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が少なすぎると、上記した溶融時のガラスの粘度を下げる効果や化学的耐久性を向上させる効果を得難くなる。一方、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多すぎると、ガラスの失透性が増大して均質性の高いガラスが得難くなる上、作業温度域以下では粘性を上げる場合もあるため、却って軟化温度が上昇してしまう。
また、SrO+BaOの含有量(SrO及びBaOの含有量の合量)を厳密に規制することで、溶融温度及び軟化温度を顕著に低下させることができるため、所望の特性を有する照明用ガラス組成物を特に得易くなる。SrO+BaOの含有量は、好ましくは0.1〜5%、より好ましくは0.3〜3%、更に好ましくは0.5〜2%、特に好ましくは0.6〜1.2%である。このようにすることで、アルカリ金属酸化物成分の含有量を調整し、適正な線熱膨張係数を有する照明用ガラス組成物を得易くなる。一方、SrO+BaOの含有量が多すぎると、これらの結晶が析出しやすくなり、ガラスの製造が困難になる上、ガラスの密度が大きくなり、照明器具に用いた場合、製品重量が大きくなってしまう。
はガラスの液相温度を下げ、成形を容易にする成分である。しかし、Pの含有量が多くなるとガラスの原料コストが上昇するため好ましくない。そのため、Pの含有量は、0.01〜1%であり、好ましくは0.05〜0.8%であり、より好ましくは0.1〜0.7%である。
また、NaO/SrOの値は、好ましくは4〜1600であり、より好ましくは5〜1000、更に好ましくは10〜500、特に好ましくは20〜300である。この値が小さすぎると、ガラスの粘度が高くなり、溶融性が悪化し、溶融温度や軟化温度が上昇する。一方、この値が大きすぎると、失透性が増大し、密度が高くなる上、化学的耐久性が低下し、線熱膨張係数が大きくなりすぎる虞がある。この値を適切な範囲に規制することで、NaOの含有量を不当に増量させることなく、溶融温度及び軟化温度が低く、適正な線熱膨張係数を有する照明用ガラス組成物とすることができる。なお、NaO/SrOとは、NaOの含有量をSrOの含有量で除した値である。
また、NaO/(SrO+BaO)の値は、好ましくは2〜180であり、より好ましくは5〜100、更に好ましくは10〜80、特に好ましくは10〜50である。更に、(LiO+NaO+KO)/(SrO+BaO)の質量比の値は、10〜200であることが好ましく、より好ましくは15〜150、最も好ましくは20〜100である。これらの値が小さすぎると、ガラスの粘度が高くなり、溶融性が悪化する虞がある。一方、これらの値が大きすぎると化学的耐久性が低下し、線熱膨張係数が大きくなりすぎる虞がある。なお、NaO/(SrO+BaO)とは、NaOの含有量をSrOとBaOの含有量の合量で除した値である。
また、(LiO+NaO+KO)/Bの値は、好ましくは6〜100であり、より好ましくは10〜50、更に好ましくは15〜25である。この値が小さすぎると、溶融時の蒸発が多くなり、均質性の高いガラスが得られなくなる。また、この値が大きすぎると化学的耐久性が低下し、線熱膨張係数が大きくなりすぎる虞がある。なお、(LiO+NaO+KO)/Bとは、LiO、NaO及びKOの含有量の合量をBの含有量で除した値である。
また、清澄剤として、例えばSb、SO、SnO及びClから選択される一種類又は二種類以上を使用することができる。これらの成分は少なすぎると所望の効果が得難くなるが、Sbは多すぎると加工時に黒色異物の発生源となる虞があり、SO、SnO及びClは多すぎるとリボイル源となる虞がある。そのため、これら清澄剤の含有量はそれぞれ、好ましくは0〜1%未満、より好ましくは0.01〜0.5%未満である。
本発明の照明用ガラス組成物は、上記した成分の他にも、特性改善の為に、適宜任意の成分を含有させることができる。また、下記に示す成分は、原料やカレットに不純物として含まれていてもよい。
例えば、Feは必須成分ではないが、原料の不純物として約0.01%以上含まれていてもよい。Feは紫外線吸収作用があるため、0.4%までであれば積極的に加えてもよいが、これを超えるとガラスが著しく着色してしまう。そのため、Feの含有量は、好ましくは0.01〜0.2%であり、より好ましくは0.03〜0.15%である。
CeOは紫外線を吸収する作用が大きい成分である。このためランプ外への紫外線の漏洩防止効果を高めたい場合、少量添加してもよい。また清澄剤としての作用もあるので、ガラスの泡不良を改善することができる。しかし、その含有量が多すぎるとガラスの着色が著しくなるため、CeOの含有量は、好ましくは0〜2%であり、より好ましくは0〜1%、更に好ましくは0.05〜0.6%である。
また、ZrOはガラスの耐候性を高める効果があるので添加してもよいが、その量が増えるに従ってガラスの失透性が増大し、安定したガラスの溶融ができなくなる。そのため、ZrOの含有量は、好ましくは0〜5%であり、より好ましくは0〜2%である。
次に、本発明の照明用ガラス組成物の特性について詳述する。
本発明の照明用ガラス組成物は、ガラスの粘度が102.5に相当する温度が、好ましくは1278℃未満であり、1276℃以下、更に好ましくは1270℃以下、特に好ましくは1265℃以下である。このようにすることで、溶融に必要な熱容量を低減させることができ、生産コストを下げることができる。
本発明の照明用ガラス組成物は、軟化温度が、好ましくは700℃以下であり、より好ましくは695℃以下、更に好ましくは690℃以下である。このようにすることで、加工時の温度を低下させることができ、加工性をより向上できる。
本発明の照明用ガラス組成物は、線熱膨張係数が、好ましくは90〜110×10−7であり、より好ましくは95〜106×10-7、更に好ましくは97〜105×10―7である。
本発明の照明用ガラス組成物は、密度が、好ましくは2.30〜2.70g/cm、更に好ましくは2.40〜2.60g/cmである。このようにすることで、本発明の照明用ガラスを照明器具に用いた場合でも、製品重量が大きくなりすぎない。
次に本発明の照明用ガラスを用いて照明用蛍光ランプを作製する方法を説明する。
まず所望の組成を有するように、ガラス原料を調合してバッチを作製する。
ガラス原料としては、天然原料及び化成原料いずれの形の原料を用いても良いし、適宜カレットを使用しても良い。また、これらを合わせて使用しても良い。
また、ガラス原料としてカレットを用いる場合は、全ガラス原料中に対するカレット重量の割合が、好ましくは0.01〜65%、より好ましくは0.1%〜55%、更に好ましくは1〜45%、特に好ましくは3%〜30%である。このようにすることで、溶融に必要な熱容量を低減させ、生産コストを下げることができる。更に、カレットを用いることは、環境負荷低減の観点からも好ましい。
また、カレットとして、SrO及び/又はBaOを含むガラスをカレットとして使用することが好ましい。本発明の照明用ガラス組成物においては、SrOやBaOの原料(例えば、炭酸ストロンチウムや炭酸バリウム)が比較的高価である。そのため、SrO及び/又はBaOを含有するカレットを炭酸ストロンチウムや炭酸バリウムとともに、或いはこれらの代替として用いることが好ましい。このようにすることで、原料コストが低減できる上、SrO及び/又はBaOに起因した失透を抑制し易くなる。
次に、ガラス溶融炉にバッチを投入し、1500〜1600℃でタンク式連続溶融炉にてガラス化した後、ダンナー法、ダウンドロー法、アップドロー法等によってガラスを管状に成形し、所定の長さに切断してガラス管を得る。
続いて、ガラス管の両端に絞り加工を施す等、所望の形状に加工して照明用外囲器を作製する。
その後、蛍光体の塗布、ステムの取り付け、排気、水銀やArガスの封入等を行う。環状蛍光灯や特殊形状の蛍光灯の場合は、さらに曲げ加工等を行って照明用蛍光ランプを得る。
次に、本発明を実施例に基づいて説明する。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜9)及び比較例(試料No.10、11)を示している。
各試料は次のようにして作製した。
まず、目的のガラス組成になるように定められた量の原料粉末及びカレットを秤量、混合し、タンブラーミキサーで20分間粉砕した。その後、白金製の坩堝に入れ、電気炉にて1500℃で溶解した。原料が十分に溶解した後、適宜撹拌しながら約4時間溶融した。次に、測定に必要な形状に成型、加工することで試料を作製した。
各測定は、以下のように行った。
密度は、アルキメデス法にて測定した。
線熱膨張係数は、外径5.0mm×長さ50mmの円柱状の試料を作製し、ディラトメータで30〜380℃間の平均線熱膨張係数を測定した。
液相温度は次のようにして測定した。約120×20×10mmの白金ボートに粉砕したガラス試料を充填し、線形の温度勾配を有する電気炉に72時間投入した。その後、顕微鏡観察にて結晶析出箇所を特定し、結晶析出箇所に対応する温度を電気炉の温度勾配グラフから算出し、この温度を液相温度とした。
軟化温度は、外径10mm×長さ130mmの円柱状の試料を作成し、リドロー法によってガラスファイバーを作製し、ファイバーエロンゲーション法に基づき測定することで求めた。
ガラスの粘度が10dPa・s及び102.5dPa・sに相当する温度は、白金球引き上げ法によって求めた高温粘度とFulcherの粘度計算式からガラスの粘度曲線を求め、この粘度曲線から求めた。
ガラスのアルカリ溶出量は、JIS−R3502(1995)に基づく粉末法で、純水中に溶出するアルカリ成分量を測定した。このアルカリ溶出量が大きいと、蛍光体を変質させたり水銀と反応したりするため、蛍光ランプの輝度劣化につながる。
表から明らかなように、試料No.1〜9はBaOの含有量が微量であるため、環境負荷を低減できる。また、SrOを必須成分として含有するため、102.5dPa・sに相当する温度が1275℃以下、軟化温度が695℃以下であり、SrOを含有しない比較例No.10と比べ低かった。またBaOを多量に含有するNo.11と軟化温度が同等であった。このように、本発明の照明用ガラスは、BaOを多量に含有しないにも関わらず、低い溶融温度や加工温度を達成することができる。

Claims (10)

  1. 酸化物換算の質量%で、SiO 65〜75%、Al 0.5〜3%、B 0.1〜2%、LiO 0〜1%、NaO 10〜18%、KO 0〜2.5%、SrO 0.01〜3%、BaO 0〜2%、P 0.01〜1%を含有することを特徴とする照明用ガラス組成物。
  2. 酸化物換算の質量%で、SrO+BaO 0.1〜5%を含有することを特徴とする請求項1に記載の照明用ガラス組成物。
  3. 酸化物換算の質量%で、LiO+NaO+KO 11〜20%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明用ガラス組成物。
  4. 質量比で、NaO/SrOの値が4〜1600であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の照明用ガラス組成物。
  5. 質量比で、NaO/(SrO+BaO)の値が、2〜180であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の照明用ガラス組成物。
  6. 質量比で、(LiO+NaO+KO)/(SrO+BaO)の値が、10〜200であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の照明用ガラス組成物。
  7. 質量比で、(LiO+NaO+KO)/Bの値が、6〜100であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の照明用ガラス組成物。
  8. 102.5dPa・sに相当する温度が1278℃未満であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の照明用ガラス組成物。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の照明用ガラス組成物からなるガラス管。
  10. 照明用ガラス組成物の製造方法であって、ガラス原料として、SrO及び/又はBaOを含むカレットを使用することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の照明用ガラス組成物の製造方法。
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