JP4051698B2 - 蛍光ランプ用外套管 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、蛍光ランプ用外套管、特に外部電極蛍光ランプ用外套管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般に広く普及しているスキャナー機やコピー機の読み取り用ランプ、あるいは、液晶表示装置のバックライト用ランプには、より明るく、長寿命のものが求められている。さらに高発光効率であることが望まれている。
【0003】
これらの要求に対し、高性能蛍光ランプとして、発光管外部に電極を設けた高発光効率の外部電極蛍光ランプが開発され、商品化されつつある。図1に示すように外部電極蛍光ランプ1は、ガラス製の外套管10の外周面に接して管軸方向に伸びる帯状電極20、21を二つ持ち、両電極間に高電圧を印加して、ガラス外套管10内部に封入されているキセノン等の希ガスを励起し、励起したガスから放出される紫外線によって外套管10の内壁に塗られた蛍光体30が可視光線を発光するメカニズムを有するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
外部電極蛍光ランプは一般の蛍光ランプに比べて高性能の蛍光ランプであるが、さらなる高機能化及び高寿命化のために、このタイプの蛍光ランプに適した外套管が求められている。
【0005】
従って本発明の目的は、外部電極蛍光ランプの外套管として好適な蛍光ランプ用外套管を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の外部電極蛍光ランプ用外套管は、質量%でSiO2 40〜64%、B23 0〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 0〜25%、BaO 4〜25%、ZnO 0〜25%、TiO2 0〜10%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 2000ppm以下、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%の組成を有し、SrO、BaO、ZnO及びTiO 2 から選ばれる3種以上を含有するガラスからなることを特徴とする。
【0007】
外套管を構成するガラスの好ましい範囲は、質量%でSiO2 40〜64%、B23 0〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 0〜25%、BaO 4〜25%、ZnO 0〜25%、TiO2 0〜10%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 20〜1000ppm、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%である。
【0008】
外套管を構成するガラスのより好ましい範囲は、質量%でSiO2 40〜59%、B23 0〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO0〜8%、SrO 0〜25%、BaO 4〜25%、ZnO 0.1〜25%、TiO2 0.05〜5%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 50〜500ppm、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%である。
【0009】
外套管を構成するガラスのさらに好ましい範囲は、質量%でSiO2 40〜59%、B23 0.1〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 0〜25%、BaO 4〜25%、ZnO 0.1〜25%、TiO2 0.05〜5%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 100〜500ppm、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%である。
【0010】
外套管を構成するガラスの特に好ましい範囲は、質量%でSiO2 40〜55%、B23 0.5〜9%、Al23 0.1〜5%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 2〜25%、BaO 7〜25%、ZnO 5〜20%、TiO2 0.05〜5%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 100〜500ppm、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2
4.5〜25%である。
【0011】
外套管を構成するガラスの別の好ましい範囲は、質量%でSiO2 50〜64%、B23 0〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO0〜8%、SrO 0〜20%、BaO 4〜20%、ZnO 0〜20%、TiO2 0〜10%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 500ppm以下、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%である。
【0012】
さらに外套管を構成するガラスは、鉛及び砒素を実質的に含有しないことが好ましい。
【0013】
上記外套管を構成するガラスは、比誘電率εが7以上、150℃での体積電気抵抗率logρが11.0以上、肉厚1mmで波長400nmにおける光の透過率が88%以上、波長300nmにおける光の透過率が30%以下、液相粘度logηが4.5以上の特性を有することが好ましい。
【0014】
また上記外套管を構成するガラスは、誘電正接tanδが0.003以下の特性を有することが好ましい。
【0017】
【作用】
外部電極蛍光ランプにおいては、電極間に誘電体層があると発光効率が良くなる。このためガラス外套管自体に高誘電体としての機能を付与させる構造が採られる。また比誘電率が高いほど、省エネルギーに効果がある。そのため、より比誘電率が高く、誘電正接の小さいガラスが好ましい。
【0018】
また高い印加電圧をかけるとランプが明るくなるが、外部電極ランプは電極間距離が短いので外套管は絶縁破壊が起きないように、体積電気抵抗率が高いことが重要である。
【0019】
さらに蛍光ランプ用外套管は、ランプ周辺に使用されている有機物の劣化を防止するため有害な紫外線を遮蔽し、照度を保持するため可視光線の透過率が高いことが望ましい。ランプ周辺の有機物を含む部材として、外部電極ランプの電極を保護する目的でランプに直接張り付けた熱収縮フィルム、ランプからの光を無駄なく利用するためのアルミニウムを蒸着した樹脂反射板、光を伝える導光板等がある。
【0020】
また、精度の良いガラス製外套管を安定に生産するためには、成形工程で失透しないように、安定なガラスである必要がある。この目的のためには、ガラスの液相粘度logηが成形温度における粘度よりも高い程よい。
【0021】
本発明の蛍光ランプ用外套管は、上記要求を満足するガラスからなる。
【0022】
具体的には、質量%でSiO2 40〜64%、B23 0〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 0〜25%、BaO 4〜25%、ZnO 0〜25%、TiO2 0〜10%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 2000ppm以下、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%の組成を有し、SrO、BaO、ZnO及びTiO 2 から選ばれる3種以上を含有するガラスからなる。
【0023】
外套管を構成するガラスの組成を上記のように限定した理由を以下に述べる。
【0024】
SiO2は主たるガラス形成成分である。SiO2が40%以上、特に50%以上であれば液相粘度が4.5以上になり易い。液相粘度が4.5以上であれば、失透しにくく均質なガラスが得られ、ガラス管成形が容易になる。またガラス溶融を容易にするためにSiO2が64%以下、特に59%以下、さらには55%以下であることが好ましい。
【0025】
23はガラス形成成分である。B23は必須成分ではないが、ガラス中に導入すると結晶が析出しにくくなるため、0.1%以上、特に0.5%以上含有させることが好ましい。なおB23が増えると比誘電率が低下する傾向にあるが、10%以下、特に9%以下であれば実用上使用可能なレベルを維持できる。またこの範囲内であれば、ガラスが分相し難いため、均質なガラスが得られ、管引きにより寸法精度の高いガラス管が得られる。
【0026】
Al23は必須成分ではないが、ガラスを安定化させる成分であるため、0.1%以上含有させることが好ましい。またガラス溶融を容易にするために10%以下、特に5%以下であることが好ましい。
【0027】
MgOは体積電気抵抗率を上げるために添加可能な成分である。MgOが7%以下であれば、失透しにくく均質なガラスが得られ、ガラス管成形が容易になる。
【0028】
CaOも体積電気抵抗率を上げるために添加可能な成分である。CaOが8%以下、特に3%以下であれば、失透しにくく均質なガラスが得られ、ガラス管成形が容易になる。
【0029】
SrOは必須成分ではないが、比誘電率を上げる効果が大きいため、2%以上含有することが好ましい。またSrOが25%以下、特に20%以下であれば失透しにくく均質なガラスが得られ、ガラス管成形が容易になる。
【0030】
BaOは比誘電率を高める効果が極めて大きい成分である。BaOが4%以上、特に7%以上であれば、比誘電率が7以上のガラスが得易くなる。またBaOが25%以下、特に20%以下であれば失透しにくく均質なガラスが得られ、ガラス管成形が容易になる。
【0031】
ZnOは必須成分ではないが、比誘電率を上げる効果があるため、0.1%以上、特に5%以上含有することが好ましい。またZnOが25%以下、特に20%以下であれば、失透しにくく均質なガラスが得られ、ガラス管成形が容易になる。
【0032】
TiO2は必須成分ではないが、比誘電率を上げるとともに、紫外線を吸収して樹脂の紫外線劣化を防止する効果があるため、0.05%以上含有することが好ましい。またTiO2が10%以下、特に5%以下であれば、失透しにくく均質なガラスが得られ、ガラス管成形が容易になる。またガラスが着色することもない。
【0033】
上記の通り、SrO、BaO、ZnO、及びTiO2は、すべて比誘電率を上げる成分であり、合量で15%以上含有することにより、7以上の高い比誘電率を有するガラスを得ることができる。またこれらの成分の合量が40%以下であれば、失透しにくく均質なガラスが得られ、ガラス管成形が容易になる。さらにこれらの成分を3種以上、さらには4種すべてを含有すると、比誘電率を高める上でより効果的である。
【0034】
Li2Oはガラスの粘度を下げ、溶融性を向上させるために添加可能な成分である。なおLi2Oが増えると体積電気抵抗率が低下する傾向があるが、10%以下であれば実用上使用可能なレベルを維持できる。またこの範囲内であれば、失透しにくく均質なガラスが得られ、ガラス管成形が容易になる。
【0035】
Na2Oはガラスの溶融性を向上させるために添加可能な成分である。Na2Oが増えると体積電気抵抗率が低下する傾向があるが、10%以内の添加であれば実用上使用可能なレベルを維持できる。
【0036】
2Oはガラスの溶融性を向上させる成分である。K2Oが4.5%以上であればガラス溶融が容易になる。なおK2Oが増えると体積電気抵抗率が低下する傾向があるが、10%以内の添加であれば実用上使用可能なレベルを維持できる。
【0037】
上記の通り、Li2O,Na2O及びK2Oはガラスの溶融性を向上させる成分であり、合量で4.5%以上、特に5%以上含有させるとガラス溶融が容易になる。またこれらの成分が増えると体積電気抵抗率が低下する傾向があるが、合量で25%以下であれば実用上使用可能なレベルを維持できる。またLi2O,Na2O及びK2Oを2種類以上含有させると、アルカリ混合効果により体積電気抵抗率が高くなるため好ましい。
【0038】
CeO2はガラスの紫外線吸収能を高めるために添加可能な成分である。CeO2が3%以下であれば、ガラスが着色しないために好ましい。
【0039】
TiO2とCeO2は上記の通り、紫外線を吸収する効果があるため、合量で0.05%以上含有させることが好ましい。
【0040】
Fe23は必須成分ではないが、紫外線吸収効果のある安価な成分であるため20ppm以上、特に50ppm以上、さらには100ppm以上含有させることが好ましい。ただし、Fe23は可視光領域に吸収をもちガラスを着色させやすい成分であるため、2000ppm以下、特に1000ppm以下、さらには500ppm以下に制限することが好ましい。Fe23がこの範囲を超えるとガラスが着色し、蛍光ランプの照度を低下させてしまう。
【0041】
上記以外にも、ガラスの特性に大きな影響を与えない範囲で種々の成分を添加可能である。例えばガラスの清澄作用を促進させるためにSb23、SO3、Cl2等を1%以下含有することができる。
【0042】
またガラス中に存在する水分(OH基)は、ガラスの軟化点を低下させ、安定加工を容易にする成分であるが、同時に誘電正接を大きくする傾向がある。ガラス中の水分は、下記の式で示す赤外線透過率係数(X)で表すことができる。
【0043】
X=(log10(a/b))/t
a:3840cm-1付近の極小点の透過率(%)
b:3560cm-1付近の極小点の透過率(%)
t:測定試料厚み(mm)
上記の式において、Xが0.01以上、特に0.04以上、さらに0.05以上であれば軟化点の低いガラスが得やすく、安定加工が容易になる。またXが0.7以下、特に0.6以下、さらには0.3以下であれば、誘電正接を容易に0.003以下に抑えることが可能となる。
【0044】
上記組成を有するガラスは、誘電率が高く、誘電正接が小さい。また体積電気抵抗が大きい。さらに紫外線遮蔽性と可視光透過性が高い。しかも液相粘度が成形温度における粘度よりも高いという特徴を有している。
【0045】
上記ガラスにおいて、発光効率を十分に高めるには比誘電率が7.0以上、誘電正接(tanδ)が0.003以下であることが好ましい。また絶縁破壊を起こしにくくするためには、体積電気抵抗率logρが11.0以上であることが好ましい。紫外線の遮蔽に関しては、肉厚1mmで波長300nmにおける光の透過率が30%以下であることが好ましく、可視光線の透過性に関しては、肉厚1mmで波長400nmにおける光の透過率が88%以上であることが好ましい。精度の良いガラス管を容易に製造するためには、液相粘度logηが4.5以上であることが好ましい。
【0046】
本発明の蛍光ランプ用外套管は、上記特徴を有するガラスからなるために、高性能で長寿命の外部電極蛍光ランプを作製することができる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0048】
表1〜5は、本発明の実施例(試料No.1〜16、18〜21)及び比較例(試料No.22〜24)を示している。なお試料No.17は参考例である。
【0049】
【表1】
Figure 0004051698
【0050】
【表2】
Figure 0004051698
【0051】
【表3】
Figure 0004051698
【0052】
【表4】
Figure 0004051698
【0053】
【表5】
Figure 0004051698
【0054】
工業的規模での外套管の製造方法は、ガラスを形成する成分を含有する鉱物や精製結晶粉末を計測混合し、炉に投入する原料を調合する調合混合工程と、原料を溶融ガラス化する溶融工程と、溶融したガラスを管状に成形する成形工程と、管を所定の寸法に切断する加工工程からなる。
【0055】
まずガラス原料を調合混合する。原料は、酸化物や炭酸塩など複数の成分からなる鉱物や不純物からなっており、分析値を考慮して調合すればよく、原料は限定されない。これらを重量で計測し、Vミキサーやロッキングミキサー、攪拌羽根のついたミキサーなど規模に応じた適当な混合機で混合し、投入原料を得る。
【0056】
次に原料をガラス溶融炉に投入し、ガラス化する。溶融炉はガラス原料を溶融しガラス化するための溶融槽と、ガラス中の泡を上昇除去するための清澄槽と、清澄されたガラスを成形に適当な粘度まで下げ、成形装置に導くための通路(フィーダー)よりなる。溶融炉は、耐火物や内部を白金で覆った炉が使用され、バーナーやガラスへの電気通電によって加熱される。バブリングを行う場合、バブリング用ノズルを溶解糟底部に設置して溶融ガラス中に気体を送り込めばよい。投入された原料は通常1300℃〜1600℃の溶解槽でガラス化され、さらに1400℃〜1600℃の清澄槽に入る。ここでガラス中の泡を浮上させて泡を除去する。清澄糟から出たガラスは、フィーダーを通って成形装置に移動するうちに温度が下がり、ガラスの成形に適した粘度104〜106dPa・Sになる。
【0057】
次いで成形装置にてガラスを管状に成形する。成形法としてはダンナー法、ベロ法、ダウンドロー法、アップドロー法が適用可能である。
【0058】
その後、ガラス管を所定の寸法に切断することにより、蛍光ランプ用外套管を得ることができる。また必要に応じて、得られた外套管をさらに所望の形状に加工して使用に供してもよい。
【0059】
なお、外套管を構成するガラスの赤外線透過率係数を低下させる、即ちガラス中のOH基量を減らすためには、含水量の低い原料を使用すればよい。また原料を乾燥させることも効果的である。ガラス溶融時の雰囲気を乾燥状態とし、さらにガラス中の水分圧を下げるために乾燥空気、酸素、窒素等の気体でバブリングしたり、CO2ガスを発生させる炭酸塩、NOXガスを発生させる硝酸塩、SOXガスを発生させる硫酸塩等の原料をバッチ中に添加しておいてもよい。逆に、赤外線透過率係数が低下し過ぎる場合は、含水量の多い成分を利用する等の方法により調整すればよい。
【0060】
また種々の特性を評価するために、以下のようにして評価用試料を調製した。
【0061】
まず表1〜6に示すガラス組成になるようにガラス原料を秤量、調合し、白金坩堝に入れ、電気炉内で1550℃で約4時間溶融した。なお、ガラス溶融の途中で攪拌棒を用いてガラス融液を攪拌した。その後、ガラス融液をカーボン板上に流し込むことによって試料を得た。
【0062】
得られたガラス試料について、比誘電率ε、誘電正接tanδ、体積電気抵抗率logρ、300nm及び400nmの波長における光の透過率、液相粘度logη、及び赤外線吸収率係数を測定した。それらの結果を表6〜10に示した。
【0063】
【表6】
Figure 0004051698
【0064】
【表7】
Figure 0004051698
【0065】
【表8】
Figure 0004051698
【0066】
【表9】
Figure 0004051698
【0067】
【表10】
Figure 0004051698
【0068】
表6〜10から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1〜16、18〜21の各試料は、比誘電率εが7.0以上、誘電正接が0.0021以下、液相粘度logηが4.6以上、体積電気抵抗率logρが11.6以上、光の透過率は300nmで0〜22.5%、400nmで88.2〜91.6%、赤外線透過率係数が0.05〜0.28であった。
【0069】
なお、比誘電率ε、誘電正接tanδ、体積電気抵抗率logρは、各ガラス試料から50×50×3tmmの大きさの板状試料を作製し、30mmφの電極を貼り付け、電極間に電圧を印加して測定した。比誘電率ε及び誘電正接tanδは、1MHz、25℃で測定した。体積電気抵抗率logρ(Ω・cm)は、150℃で測定した。
【0070】
液相粘度は次のようにして求めた。まず、粒径0.1mm程度に粉砕したガラス試料をボート状の白金容器に入れ、温度勾配炉に100時間保持した後、取り出した。この試料を顕微鏡で観察して結晶の初相が出る温度(液相温度)を測定し、次いで予め測定しておいた当該ガラスの温度と粘度の関係から、初相の温度に対応する粘度(液相粘度)を求めた。
【0071】
光の透過率は、各ガラス試料から肉厚1mmの板状試料を切りだし、鏡面研磨した後、分光光度計により測定した。
【0072】
赤外線透過率係数(X)は、透過率を測定したガラスを赤外分光光度計で測定した3840cm-1と3560cm-1付近の極小点の透過率を下記式に代入し、1mm厚に換算して求めた。ここでaは3840cm-1付近の極小点の透過率、bは3560cm-1付近の極小点の透過率、tは測定試料厚み(mm)を表している。
【0073】
X=(log10(a/b))/t
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の蛍光ランプ用外套管は、誘電率が高く、誘電正接が小さいガラスからなる。またこのガラスは、体積電気抵抗が大きく、紫外線遮蔽性と可視光透過性が高い。しかも液相粘度が成形温度における粘度よりも高いという特徴を有している。このため本発明の外套管を用いれば、スキャナー機やコピー機の読み取り用ランプ又は液晶表示装置のバックライト用ランプとして好適な、高性能で長寿命の外部電極蛍光ランプを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外部電極蛍光ランプの断面図である。
【符号の説明】
1 外部電極蛍光ランプ
10 外套管
20 帯状電極
30 帯状電極
40 蛍光体

Claims (10)

  1. 質量%でSiO2 40〜64%、B23 0〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 0〜25%、BaO 4〜25%、ZnO 0〜25%、TiO2 0〜10%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 2000ppm以下、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%の組成を有し、SrO、BaO、ZnO及びTiO 2 から選ばれる3種以上を含有するガラスからなることを特徴とする外部電極蛍光ランプ用外套管。
  2. 質量%でSiO2 40〜64%、B23 0〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 0〜25%、BaO 4〜25%、ZnO 0〜25%、TiO2 0〜10%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 20〜1000ppm、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%の組成を有するガラスからなることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套管。
  3. 質量%でSiO2 40〜59%、B23 0〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 0〜25%、BaO 4〜25%、ZnO 0.1〜25%、TiO2 0.05〜5%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 50〜500ppm、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%の組成を有するガラスからなることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套管。
  4. 質量%でSiO2 40〜59%、B23 0.1〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 0〜25%、BaO 4〜25%、ZnO 0.1〜25%、TiO2 0.05〜5%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 100〜500ppm、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%の組成を有するガラスからなることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套管。
  5. 質量%でSiO2 40〜55%、B23 0.5〜9%、Al23 0.1〜5%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 2〜25%、BaO 7〜25%、ZnO 5〜20%、TiO2 0.05〜5%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 100〜500ppm、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%の組成を有するガラスからなることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套管。
  6. 質量%でSiO2 50〜64%、B23 0〜10%、Al23 0〜10%、MgO 0〜7%、CaO 0〜8%、SrO 0〜20%、BaO 4〜20%、ZnO 0〜20%、TiO2 0〜10%、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜10%、K2O 4.5〜20%、CeO2 0〜3%、Fe23 500ppm以下、SrO+BaO+ZnO+TiO2 15〜40%、Li2O+Na2O+K2O 4.5〜25%の組成を有するガラスからなることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套管。
  7. 鉛及び砒素を実質的に含有しないガラスからなることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套管。
  8. 比誘電率εが7以上、150℃での体積電気抵抗率logρが11.0以上、肉厚1mmで波長400nmにおける光の透過率が88%以上、波長300nmにおける光の透過率が30%以下、液相粘度logηが4.5以上のガラスからなることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套管。
  9. 誘電正接tanδが0.003以下のガラスからなることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套管。
  10. 蛍光ランプの外周面に管軸方向に延びる複数の帯状電極が形成され、前記電極間に電圧が印加されると、内部に封入された希ガスが励起され、励起された希ガスから放出される紫外線によって内壁に塗布された蛍光体が可視光線を発光する構造を有する外部電極蛍光ランプの外套管として使用されることを特徴とする請求項1の外部電極蛍光ランプ用外套管。
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