JP2004203659A - 照明用バルブガラス - Google Patents
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Abstract
【目的】照明用バルブガラスに求められる特性を満足し、しかも、生鮮食品等の色彩をより鮮やかに見せることが可能な照明用バルブガラスを提供することである。
【構成】本発明の照明用バルブガラスは、SiO2−Al2O3−R2O系ガラス(R2O:アルカリ金属酸化物)に、Nd2O3を5〜20質量%含有してなることを特徴とする。
【選択図】 なし
【構成】本発明の照明用バルブガラスは、SiO2−Al2O3−R2O系ガラス(R2O:アルカリ金属酸化物)に、Nd2O3を5〜20質量%含有してなることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は照明用バルブガラスに関し、特に、食品を照明するのに適した照明用バルブガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、照明用バルブにはガラスが用いられている。
【0003】
そして、この種のガラスには、以下のような特性が求められている。
(1)ジュメット線との封着を良好にするため、ジュメット線の膨張係数に近似した膨張係数を有すること。
(2)優れた絶縁性を得るために体積電気抵抗値が高いこと。
(3)照明バルブに加工しやすいように成形温度が低いこと。
【0004】
更に、最近では、様々な用途や目的にあった照明が市場で求められている。例えば、照明により、生鮮食品売場では、肉や野菜等の生鮮食品の色彩を、また、レストランでは、肉や野菜の調理物の色彩をより鮮やかに見せることが求められている。そのため、この種の照明に用いられるバルブには青色の光(400〜480nm)や赤色の光(600〜680nm)に対応する透過率は高く、その他の色の光に対応する透過率はできる限り低くなるような光学特性を有することが求められている。
【0005】
このような光学特性を満たすバルブガラスとして、ホウ珪酸系ガラスの組成中にNd2O3を添加して黄色の光(570〜590nm)に対応する透過率を低くしたガラスが特許文献1に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−173335号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のガラスは、光源の前面に設置される前面ガラスであり、バルブガラスとして開発されたものではない。即ち、この前面ガラスは熱膨張係数の低いガラスからなるため、バルブガラスとして使用すると、ジュメット線を封着する際、ガラスとジュメット線との熱膨張係数差によって封着部にクラックが発生するという問題が生じる。また、成形性が悪く、バルブ形状に成形することが難しい。
【0008】
本発明の目的は、照明用バルブガラスに求められる上記(1)〜(3)の特性を全て満足し、しかも、生鮮食品等の色彩をより鮮やかに見せることが可能な照明用バルブガラスを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の照明用バルブガラスは、SiO2−Al2O3−R2O系ガラス(R2O:アルカリ金属酸化物)に、Nd2O3を5〜20質量%含有してなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の照明用バルブガラスは、Nd2O3を含有しているため、波長400〜480nmの青色の光と、波長600〜680nmの赤色の光に対して高い透過性を、波長570〜590nmの黄色の光に対してシャープな吸収性を示す。それ故、青色や赤色が強調され、生鮮食品等の色彩をより鮮やかにすることができる。尚、青色や赤色に対応する波長の光と、黄色に対応する波長の光の透過率の差が、肉厚1mmにおいて、30%以上、特に、40%以上となるように調整することが好ましい。
【0011】
上記効果を得るためには、Nd2O3を5%以上含有させる必要がある。しかし、20%を超えて含有させると、失透しやすくなったり、原料コストが上昇するため好ましくない。好ましい範囲は、6〜15%であり、より好ましくは、6〜13%である。
【0012】
また、Nd2O3に加え、青色と赤色を強調するために、Pr6O11やSm2O3を合量で1%まで添加してもよい。また、微妙な色度調整及び透過率調整のためにFe2O3、NiO、Co3O4、Cr2O3、MnO2を合量で1%まで添加してもよい。
【0013】
本発明において、Nd2O3を含有する基礎ガラスには、SiO2−Al2O3−R2O系のガラスを選択する必要がある。これは、SiO2−Al2O3−R2O系ガラスにすることで、ガラスの熱膨張係数を90〜120×10-7/℃にすることができ、ジュメット線と適合する熱膨張係数を得ることが可能となるからである。また、104dPaの粘度に相当するガラス融液の温度を1100℃以下にでき、優れた成形性を有するガラスを得ることができるからである。
【0014】
本発明の照明用バルブガラスの好適な組成範囲は、実質的にPbO及びAs2O3を含有せず、質量百分率で、SiO2 40〜76%、Al2O3 0.1〜20%、B2O3 0〜5%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、Li2O 0〜5%、Na2O 8〜20%、K2O 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 8.5〜25%、Sb2O3 0.01〜2%、Nd2O3 5〜20%である。
【0015】
本発明においてガラスの組成を上記のように限定した理由は、次のとおりである。
【0016】
SiO2は、ガラスのネットワークフォーマーとなる成分である。含有量が40〜76%であれば、成形性、耐水性に優れ、体積電気抵抗値の高いガラスを得ることができる。好ましい範囲は、50〜76%であり、より好ましくは、59〜70%である。尚、SiO2の含有量が多くなると、ガラスの高温粘度が高くなり、ガラスの溶融性、成形性が悪化する傾向にある。また、含有量が少なくなると、ガラスの化学的耐久性が低下する傾向にある。
【0017】
Al2O3は、ガラスの耐候性及び耐失透性を向上させる成分である。含有量が0.1〜20%であれば、失透ブツの析出が少なく、耐候性に優れたガラスを得ることができる。好ましい範囲は0.1〜9%であり、より好ましくは1〜3%である。尚、Al2O3の含有量が多くなると、ガラスの高温粘度が高くなり、ガラスの溶融性、成形性が悪化する傾向にある。また、含有量が少なくなると、失透ブツが析出しやすくなる傾向にある。
【0018】
B2O3は、融剤として作用し、ガラスの粘性を下げ、溶融性を改善する成分である。含有量が0〜5%であれば、上記効果を得ることができる。好ましくは、0.1〜5%であり、より好ましくは、0.1〜3%である。尚、B2O3の含有量が多くなると、ガラス溶融時に揮発物が増加し、均質なガラスを得にくくなる。
【0019】
MgOは、ガラスの高温粘性を低下させ、溶融性及び成形性を改善する成分である。含有量が0〜10%であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は、0〜8%であり、より好ましくは、0.1〜7%である。尚、MgOの含有量が多くなると、化学的耐久性が悪化する傾向にある。
【0020】
CaOは、ガラスの高温粘性を低下させ、溶融性及び成形性を改善する成分である。含有量が0〜10%であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は、0〜8%であり、より好ましくは、0〜7%である。尚、CaOの含有量が多くなると、失透ブツが析出して成形が難しくなる。
【0021】
SrOは、ガラスの高温粘性を低下させ、溶融性及び成形性を改善する成分である。含有量が0〜10%であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は、0〜8%であり、より好ましくは、0〜6%である。尚、SrOの含有量が多くなると、失透ブツが析出して成形が難しくなる。
【0022】
BaOは、ガラスの高温粘性を低下させ、溶融性及び成形性を改善する成分である。含有量が0〜10%であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は、0〜8%であり、より好ましくは、0.1〜8%である。尚、BaOの含有量が多くなると、失透ブツが析出して成形が難しくなる。
【0023】
尚、MgO、CaO、SrO、BaOのアルカリ土類金属酸化物は、混合して含有させることで、ガラス表面でのアルカリ吹きの発生を抑え、しかも、ガラスの体積電気抵抗を高くすることができる。これら成分の合量が多くなると、失透ブツが析出して成形が難しくなる傾向にあり、合量が少なくなると、上記効果を得にくくなる。アルカリ土類金属酸化物は、合量で7〜13%にすることが望ましい。
【0024】
Li2Oは、ガラスの粘度を下げて溶融性及び成形性を改善したり、熱膨張係数を調整する成分である。含有量が0〜5%であれば、上記効果が得られる。好ましい範囲は、0〜4%であり、より好ましくは、0〜3%である。尚、Li2Oの含有量が多くなると、原料コストが高くなる。
【0025】
Na2Oは、ガラスの粘度を下げて溶融性及び成形性を改善したり、熱膨張係数を調整する成分である。含有量が8〜20%であれば、上記効果が得られる。好ましい範囲は、8〜18%であり、より好ましくは、9〜17%である。尚、Na2Oの含有量が多くなると、ガラス表面でアルカリ吹きが発生したり、ガラスの体積電気抵抗値が低下する傾向にある。また、含有量が少なくなると、上記効果を得にくくなる。
【0026】
K2Oは、ガラスの粘度を下げて溶融性及び成形性を改善したり、熱膨張係数を調整する成分である。含有量が0〜10%であれば、上記効果が得られる。好ましい範囲は、0.1〜8%であり、より好ましくは、0.5〜7%である。尚、K2Oの含有量が多くなると、K2Oに起因する失透ブツが析出しやすくなる。
【0027】
尚、Li2O、Na2O、K2Oのアルカリ金属酸化物を合量で8.5〜25%にすることで、ジュメット線と適合する熱膨張係数や優れた成形性を有することができる。これら成分の合量が多くなると、アルカリ吹きが発生したり、体積電気抵抗が低下しやすくなる。また、合量が少なくなると、ガラスの粘度が上がり、溶融性及び成形性を改善し難くなる。好ましい範囲は、8.5〜23%であり、より好ましくは、9〜20%である。
【0028】
また、2種以上のアルカリ金属酸化物を混合することで、アルカリ混合効果が得られ、アルカリ吹きの発生を抑え、しかも、体積電気抵抗値を大幅に上げることができる。K2O/Na2Oの割合を0.07〜0.5に範囲にすることでよりアルカリ混合効果を得られるため、K2O/Na2Oの割合をこの範囲にすることが望ましい。
【0029】
Sb2O3は清澄剤として作用する成分である。含有量が0〜2%であれば、泡の少ないガラスを得ることができる。好ましい範囲は、0.01〜1.5%であり、より好ましくは、0.01〜1%である。尚、Sb2O3の含有量が多くなると、また、少なくなると、ガラス中に泡が残存しやすくなる。
【0030】
また、上記成分以外に、清澄剤として、SO3、Cl、Fをそれぞれ0.5%まで、紫外線着色防止剤として、TiO2、CeO2を2%まで、耐候性を向上させる成分として、ZrO2を2%まで添加してもよい。
【0031】
尚、ガラスの粘性を下げてガラスの溶融性や成形性を向上させる成分であるPbOや、清澄剤であるAs2O3は、有害成分であるため含有しない方が良い。
【0032】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0033】
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜8)を、表3は比較例(試料No.9〜10)をそれぞれ示している。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
表中の各試料は、次のようにして調製した。
【0038】
まず、表中のガラス組成となるように調合したガラス原料を白金坩堝に入れ、1500℃、6時間で溶融した。尚、均質なガラスを得るため、途中、白金攪拌羽で攪拌して脱泡を行った。その後、溶融ガラスを所定形状に成型した後、徐冷した。
【0039】
こうして得られた各試料の熱膨張係数、成形温度、体積電気抵抗、透過率について評価した。
【0040】
表から明らかなように、実施例である試料No.1〜8の各試料は、熱膨張係数が102.4〜105.7×10-7/℃であり、成形温度が989℃以下と低く、体積電気抵抗が8.6Ω・cm以上と高かった。また、波長475nmの透過率が82.4%以上、波長650nmの透過率が91.1%以上と高く、波長585nmの透過率が13.2%以下と低いため、青色や赤色を強調することができる。
【0041】
これに対し、比較例である試料No.9は、波長585nmの透過率が63.3%と高いため、青色や赤色を強調することはできないと予想される。また、試料No.10は、熱膨張係数が51.6×10-7/℃と低く、ジュメット線との封着を良好に行うことができないと予想される。また、成形温度が1237℃と高く、バルブ形状に成形することが難しいと思われる。
【0042】
尚、各測定は次のように行った。
【0043】
熱膨張係数については、直径3.5mm、長さ50mmの円柱状の試料を作製し、ディラトメーターを用いて30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を求めた。この熱膨張係数が90〜120×10-7/℃であれば、ジュメト線との封着が良好に行える。
【0044】
成形温度については、ガラスの粘度が104dPa・sに相当するガラス融液の温度を白金球引き上げ法により測定した。この成形温度が溶融ガラスをバルブに成形する際の目安となり、この温度が低い方が好ましい。
【0045】
体積電気抵抗率については、ASTM C657−78に基づいて150℃における値を測定した。
【0046】
透過率は、各試料を肉厚が1mmとなるように両面を光学研磨した後、分光光度計によって、波長475nm、585nm、650nmにおける透過率を測定した。波長475nm、650nmの透過率は高く、波長585nmの透過率は低い方が青色や赤色を強調することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明のガラスは、体積電気抵抗が高く、成形性が良く、ジュメット線との封着が良好に行え、しかも、青色や赤色を強調することができるため、食品を照明するのに適した照明用バルブガラスとして好適である。
【発明の属する技術分野】
本発明は照明用バルブガラスに関し、特に、食品を照明するのに適した照明用バルブガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、照明用バルブにはガラスが用いられている。
【0003】
そして、この種のガラスには、以下のような特性が求められている。
(1)ジュメット線との封着を良好にするため、ジュメット線の膨張係数に近似した膨張係数を有すること。
(2)優れた絶縁性を得るために体積電気抵抗値が高いこと。
(3)照明バルブに加工しやすいように成形温度が低いこと。
【0004】
更に、最近では、様々な用途や目的にあった照明が市場で求められている。例えば、照明により、生鮮食品売場では、肉や野菜等の生鮮食品の色彩を、また、レストランでは、肉や野菜の調理物の色彩をより鮮やかに見せることが求められている。そのため、この種の照明に用いられるバルブには青色の光(400〜480nm)や赤色の光(600〜680nm)に対応する透過率は高く、その他の色の光に対応する透過率はできる限り低くなるような光学特性を有することが求められている。
【0005】
このような光学特性を満たすバルブガラスとして、ホウ珪酸系ガラスの組成中にNd2O3を添加して黄色の光(570〜590nm)に対応する透過率を低くしたガラスが特許文献1に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−173335号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のガラスは、光源の前面に設置される前面ガラスであり、バルブガラスとして開発されたものではない。即ち、この前面ガラスは熱膨張係数の低いガラスからなるため、バルブガラスとして使用すると、ジュメット線を封着する際、ガラスとジュメット線との熱膨張係数差によって封着部にクラックが発生するという問題が生じる。また、成形性が悪く、バルブ形状に成形することが難しい。
【0008】
本発明の目的は、照明用バルブガラスに求められる上記(1)〜(3)の特性を全て満足し、しかも、生鮮食品等の色彩をより鮮やかに見せることが可能な照明用バルブガラスを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の照明用バルブガラスは、SiO2−Al2O3−R2O系ガラス(R2O:アルカリ金属酸化物)に、Nd2O3を5〜20質量%含有してなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の照明用バルブガラスは、Nd2O3を含有しているため、波長400〜480nmの青色の光と、波長600〜680nmの赤色の光に対して高い透過性を、波長570〜590nmの黄色の光に対してシャープな吸収性を示す。それ故、青色や赤色が強調され、生鮮食品等の色彩をより鮮やかにすることができる。尚、青色や赤色に対応する波長の光と、黄色に対応する波長の光の透過率の差が、肉厚1mmにおいて、30%以上、特に、40%以上となるように調整することが好ましい。
【0011】
上記効果を得るためには、Nd2O3を5%以上含有させる必要がある。しかし、20%を超えて含有させると、失透しやすくなったり、原料コストが上昇するため好ましくない。好ましい範囲は、6〜15%であり、より好ましくは、6〜13%である。
【0012】
また、Nd2O3に加え、青色と赤色を強調するために、Pr6O11やSm2O3を合量で1%まで添加してもよい。また、微妙な色度調整及び透過率調整のためにFe2O3、NiO、Co3O4、Cr2O3、MnO2を合量で1%まで添加してもよい。
【0013】
本発明において、Nd2O3を含有する基礎ガラスには、SiO2−Al2O3−R2O系のガラスを選択する必要がある。これは、SiO2−Al2O3−R2O系ガラスにすることで、ガラスの熱膨張係数を90〜120×10-7/℃にすることができ、ジュメット線と適合する熱膨張係数を得ることが可能となるからである。また、104dPaの粘度に相当するガラス融液の温度を1100℃以下にでき、優れた成形性を有するガラスを得ることができるからである。
【0014】
本発明の照明用バルブガラスの好適な組成範囲は、実質的にPbO及びAs2O3を含有せず、質量百分率で、SiO2 40〜76%、Al2O3 0.1〜20%、B2O3 0〜5%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、Li2O 0〜5%、Na2O 8〜20%、K2O 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 8.5〜25%、Sb2O3 0.01〜2%、Nd2O3 5〜20%である。
【0015】
本発明においてガラスの組成を上記のように限定した理由は、次のとおりである。
【0016】
SiO2は、ガラスのネットワークフォーマーとなる成分である。含有量が40〜76%であれば、成形性、耐水性に優れ、体積電気抵抗値の高いガラスを得ることができる。好ましい範囲は、50〜76%であり、より好ましくは、59〜70%である。尚、SiO2の含有量が多くなると、ガラスの高温粘度が高くなり、ガラスの溶融性、成形性が悪化する傾向にある。また、含有量が少なくなると、ガラスの化学的耐久性が低下する傾向にある。
【0017】
Al2O3は、ガラスの耐候性及び耐失透性を向上させる成分である。含有量が0.1〜20%であれば、失透ブツの析出が少なく、耐候性に優れたガラスを得ることができる。好ましい範囲は0.1〜9%であり、より好ましくは1〜3%である。尚、Al2O3の含有量が多くなると、ガラスの高温粘度が高くなり、ガラスの溶融性、成形性が悪化する傾向にある。また、含有量が少なくなると、失透ブツが析出しやすくなる傾向にある。
【0018】
B2O3は、融剤として作用し、ガラスの粘性を下げ、溶融性を改善する成分である。含有量が0〜5%であれば、上記効果を得ることができる。好ましくは、0.1〜5%であり、より好ましくは、0.1〜3%である。尚、B2O3の含有量が多くなると、ガラス溶融時に揮発物が増加し、均質なガラスを得にくくなる。
【0019】
MgOは、ガラスの高温粘性を低下させ、溶融性及び成形性を改善する成分である。含有量が0〜10%であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は、0〜8%であり、より好ましくは、0.1〜7%である。尚、MgOの含有量が多くなると、化学的耐久性が悪化する傾向にある。
【0020】
CaOは、ガラスの高温粘性を低下させ、溶融性及び成形性を改善する成分である。含有量が0〜10%であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は、0〜8%であり、より好ましくは、0〜7%である。尚、CaOの含有量が多くなると、失透ブツが析出して成形が難しくなる。
【0021】
SrOは、ガラスの高温粘性を低下させ、溶融性及び成形性を改善する成分である。含有量が0〜10%であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は、0〜8%であり、より好ましくは、0〜6%である。尚、SrOの含有量が多くなると、失透ブツが析出して成形が難しくなる。
【0022】
BaOは、ガラスの高温粘性を低下させ、溶融性及び成形性を改善する成分である。含有量が0〜10%であれば、上記効果を得ることができる。好ましい範囲は、0〜8%であり、より好ましくは、0.1〜8%である。尚、BaOの含有量が多くなると、失透ブツが析出して成形が難しくなる。
【0023】
尚、MgO、CaO、SrO、BaOのアルカリ土類金属酸化物は、混合して含有させることで、ガラス表面でのアルカリ吹きの発生を抑え、しかも、ガラスの体積電気抵抗を高くすることができる。これら成分の合量が多くなると、失透ブツが析出して成形が難しくなる傾向にあり、合量が少なくなると、上記効果を得にくくなる。アルカリ土類金属酸化物は、合量で7〜13%にすることが望ましい。
【0024】
Li2Oは、ガラスの粘度を下げて溶融性及び成形性を改善したり、熱膨張係数を調整する成分である。含有量が0〜5%であれば、上記効果が得られる。好ましい範囲は、0〜4%であり、より好ましくは、0〜3%である。尚、Li2Oの含有量が多くなると、原料コストが高くなる。
【0025】
Na2Oは、ガラスの粘度を下げて溶融性及び成形性を改善したり、熱膨張係数を調整する成分である。含有量が8〜20%であれば、上記効果が得られる。好ましい範囲は、8〜18%であり、より好ましくは、9〜17%である。尚、Na2Oの含有量が多くなると、ガラス表面でアルカリ吹きが発生したり、ガラスの体積電気抵抗値が低下する傾向にある。また、含有量が少なくなると、上記効果を得にくくなる。
【0026】
K2Oは、ガラスの粘度を下げて溶融性及び成形性を改善したり、熱膨張係数を調整する成分である。含有量が0〜10%であれば、上記効果が得られる。好ましい範囲は、0.1〜8%であり、より好ましくは、0.5〜7%である。尚、K2Oの含有量が多くなると、K2Oに起因する失透ブツが析出しやすくなる。
【0027】
尚、Li2O、Na2O、K2Oのアルカリ金属酸化物を合量で8.5〜25%にすることで、ジュメット線と適合する熱膨張係数や優れた成形性を有することができる。これら成分の合量が多くなると、アルカリ吹きが発生したり、体積電気抵抗が低下しやすくなる。また、合量が少なくなると、ガラスの粘度が上がり、溶融性及び成形性を改善し難くなる。好ましい範囲は、8.5〜23%であり、より好ましくは、9〜20%である。
【0028】
また、2種以上のアルカリ金属酸化物を混合することで、アルカリ混合効果が得られ、アルカリ吹きの発生を抑え、しかも、体積電気抵抗値を大幅に上げることができる。K2O/Na2Oの割合を0.07〜0.5に範囲にすることでよりアルカリ混合効果を得られるため、K2O/Na2Oの割合をこの範囲にすることが望ましい。
【0029】
Sb2O3は清澄剤として作用する成分である。含有量が0〜2%であれば、泡の少ないガラスを得ることができる。好ましい範囲は、0.01〜1.5%であり、より好ましくは、0.01〜1%である。尚、Sb2O3の含有量が多くなると、また、少なくなると、ガラス中に泡が残存しやすくなる。
【0030】
また、上記成分以外に、清澄剤として、SO3、Cl、Fをそれぞれ0.5%まで、紫外線着色防止剤として、TiO2、CeO2を2%まで、耐候性を向上させる成分として、ZrO2を2%まで添加してもよい。
【0031】
尚、ガラスの粘性を下げてガラスの溶融性や成形性を向上させる成分であるPbOや、清澄剤であるAs2O3は、有害成分であるため含有しない方が良い。
【0032】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0033】
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜8)を、表3は比較例(試料No.9〜10)をそれぞれ示している。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
表中の各試料は、次のようにして調製した。
【0038】
まず、表中のガラス組成となるように調合したガラス原料を白金坩堝に入れ、1500℃、6時間で溶融した。尚、均質なガラスを得るため、途中、白金攪拌羽で攪拌して脱泡を行った。その後、溶融ガラスを所定形状に成型した後、徐冷した。
【0039】
こうして得られた各試料の熱膨張係数、成形温度、体積電気抵抗、透過率について評価した。
【0040】
表から明らかなように、実施例である試料No.1〜8の各試料は、熱膨張係数が102.4〜105.7×10-7/℃であり、成形温度が989℃以下と低く、体積電気抵抗が8.6Ω・cm以上と高かった。また、波長475nmの透過率が82.4%以上、波長650nmの透過率が91.1%以上と高く、波長585nmの透過率が13.2%以下と低いため、青色や赤色を強調することができる。
【0041】
これに対し、比較例である試料No.9は、波長585nmの透過率が63.3%と高いため、青色や赤色を強調することはできないと予想される。また、試料No.10は、熱膨張係数が51.6×10-7/℃と低く、ジュメット線との封着を良好に行うことができないと予想される。また、成形温度が1237℃と高く、バルブ形状に成形することが難しいと思われる。
【0042】
尚、各測定は次のように行った。
【0043】
熱膨張係数については、直径3.5mm、長さ50mmの円柱状の試料を作製し、ディラトメーターを用いて30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を求めた。この熱膨張係数が90〜120×10-7/℃であれば、ジュメト線との封着が良好に行える。
【0044】
成形温度については、ガラスの粘度が104dPa・sに相当するガラス融液の温度を白金球引き上げ法により測定した。この成形温度が溶融ガラスをバルブに成形する際の目安となり、この温度が低い方が好ましい。
【0045】
体積電気抵抗率については、ASTM C657−78に基づいて150℃における値を測定した。
【0046】
透過率は、各試料を肉厚が1mmとなるように両面を光学研磨した後、分光光度計によって、波長475nm、585nm、650nmにおける透過率を測定した。波長475nm、650nmの透過率は高く、波長585nmの透過率は低い方が青色や赤色を強調することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明のガラスは、体積電気抵抗が高く、成形性が良く、ジュメット線との封着が良好に行え、しかも、青色や赤色を強調することができるため、食品を照明するのに適した照明用バルブガラスとして好適である。
Claims (4)
- SiO2−Al2O3−R2O系ガラス(R2O:アルカリ金属酸化物)に、Nd2O3を5〜20質量%含有してなることを特徴とする照明用バルブガラス。
- 30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数が90〜120×10-7/℃であることを特徴とする請求項1に記載の照明用バルブガラス。
- 104dPaの粘度に相当するガラス融液の温度が1100℃以下であることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の照明用バルブガラス。
- 実質的にPbO及びAs2O3を含有せず、質量百分率で、SiO2 40〜76%、Al2O3 0.1〜20%、B2O3 0〜5%、MgO0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、Li2O 0〜5%、Na2O 8〜20%、K2O 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 8.5〜25%、Sb2O3 0〜2%、Nd2O3 5〜20%であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の照明用バルブガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002373547A JP2004203659A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 照明用バルブガラス |
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JP (1) | JP2004203659A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005015606A1 (ja) * | 2003-08-08 | 2005-02-17 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | 外部電極蛍光ランプ用外套容器 |
JP2006188420A (ja) * | 2005-01-04 | 2006-07-20 | Schott Ag | ガラスおよびガラスセラミックの紫外線吸収を調整する方法ならびにガラスおよびガラスセラミックを有する発光手段 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002373547A patent/JP2004203659A/ja active Pending
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JP2006188420A (ja) * | 2005-01-04 | 2006-07-20 | Schott Ag | ガラスおよびガラスセラミックの紫外線吸収を調整する方法ならびにガラスおよびガラスセラミックを有する発光手段 |
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