JP2009234836A - 外部電極型蛍光ランプ用ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】外部電極型蛍光ランプとして必要な電気的特性を有し、且つランプユニット製造工程における取扱いで破損しにくいガラスを提供する。
【解決手段】外面に電極が設けられた構造を有する外部電極型蛍光ランプの作製に用いられるガラスであって、ガラスのヤング率が80GPa以下である。また、この外部電極型蛍光ランプ用ガラスは、質量%で、SiO2 64.1〜75%、Al2O3 0.5〜10%、B2O3 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 5.1〜20%、MgO+CaO+BaO+SrO 10〜30%、ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、CeO2 0.02〜5%、ZrO2 0〜5%、Fe2O3 0.005〜0.1を含有する。
【選択図】なし
【解決手段】外面に電極が設けられた構造を有する外部電極型蛍光ランプの作製に用いられるガラスであって、ガラスのヤング率が80GPa以下である。また、この外部電極型蛍光ランプ用ガラスは、質量%で、SiO2 64.1〜75%、Al2O3 0.5〜10%、B2O3 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 5.1〜20%、MgO+CaO+BaO+SrO 10〜30%、ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、CeO2 0.02〜5%、ZrO2 0〜5%、Fe2O3 0.005〜0.1を含有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、蛍光ランプ用ガラスに関し、特に外面に電極が設けられた構造を有する外部電極型蛍光ランプの作製に用いられるガラスに関する。
近年マルチメディア関連機器のキーデバイスとして液晶表示装置は広く用いられているが、その用途の拡大とともに軽量化、薄型化、低消費電力化、高輝度化、低コスト化などが求められるようになっている。特に液晶表示装置の中でもパソコン用ディスプレイ、車載用表示装置、テレビモニター等では高品位な表示装置が要求されている。一方、液晶表示素子自体は非発光であるため、上記のような用途では、蛍光ランプを光源とするバックライトを用いた透過型液晶表示素子が使用されている。
バックライトの光源となる蛍光ランプは、現在、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)が主流となっているが、熱陰極蛍光ランプ(HCFL)や外部電極型蛍光ランプ(EEFL)も検討されている。これら蛍光ランプの発光原理はいずれも同じであり、管内の放電で封入水銀が紫外線を放射し、この紫外線によって管内壁に塗布された蛍光体が可視光線を発するというものである。上述した3タイプの蛍光ランプは放電の原理が異なり、主流となっている冷陰極蛍光ランプの場合には、内部電極間に電圧をかけることで放電を起こすタイプであるが、発光中の電流量をコントロールするために、ランプ1本毎にインバーターとコンデンサが必要とされる。
液晶テレビのような大型ディスプレイは、充分な光量を確保するため、冷陰極蛍光ランプを一定間隔で複数本並べた直下方式と呼ばれるバックライトユニットが採用されているが、ランプの本数分だけ電源が必要なため、表示装置内で電源が占める容積が大きくなり、薄型化・コンパクト化の大きな障害となっていた。また、電源の統合は、コンデンサの省略ができないことから現実的に不可能であり、コスト面でも不利な条件となっていた。
また、冷陰極蛍光ランプの寿命は、輝度が初期の半分以下になった時点とされている。輝度を落とす要因は様々であるが、ランプ点灯中に金属電極と封入されている水銀が反応し、水銀封入量が減少することで輝度が下がることが一つの要因として挙げられる。コストダウンの方策として冷陰極蛍光ランプの本数減が検討されているが、この場合、輝度を維持することを目的として各ランプに対する負荷電流を上げる方向となるため、電極との反応性も上がり、水銀の消費が加速される方向となり、テレビ用として十分な寿命が確保できなくなる可能性がある。
また、冷陰極蛍光ランプの寿命は、輝度が初期の半分以下になった時点とされている。輝度を落とす要因は様々であるが、ランプ点灯中に金属電極と封入されている水銀が反応し、水銀封入量が減少することで輝度が下がることが一つの要因として挙げられる。コストダウンの方策として冷陰極蛍光ランプの本数減が検討されているが、この場合、輝度を維持することを目的として各ランプに対する負荷電流を上げる方向となるため、電極との反応性も上がり、水銀の消費が加速される方向となり、テレビ用として十分な寿命が確保できなくなる可能性がある。
これに対し、外部電極型蛍光ランプは、内部放電空間には電極が存在しないため、水銀消費による輝度の低下がなく、長寿命のランプとして期待されている。また、外部電極型蛍光ランプは、ガラスを誘電体とし、コンデンサ機構により管内部にバリア放電を起こすことで発光させるため、コンデンサが不要となり、共通インバーターでの駆動が可能になるというメリットもある。
外部電極型蛍光ランプは、管型や平面型など、様々な提案があるが、放電を起こす原理は同じであり、ガラスを誘電体としたコンデンサ機構を利用するため、ガラスの誘電率が高くなるほど電荷量が増加し、ランプは明るくなる。また、ガラスの誘電損失は誘電正接(tanδ)に比例し、ガラスの発熱に大きく関与するが、発熱によりガラスが軟化するとガラスの外面に設けられた電極部近傍に穴があく危険があるため、ガラスの誘電正接は小さいことが望まれる。さらに、ガラスの電気抵抗も同様であり、イオン伝導性のガラスの場合、ランプ点灯中の温度上昇によりイオン伝導度が急速に増加、ジュール熱の発生でガラスに穴があく危険があるため、高い体積抵抗率が必要とされている。このような外部電極型蛍光ランプ用ガラス管として、特許文献1〜特許文献5に記載のガラス管が提案されている。
発明者は、外部電極型蛍光ランプ用ガラス管として好適な電気特性を有するとされる特許文献1に記載のガラス管を製作したところ、搬送や梱包などガラス管に外力が作用する工程において、ガラス管が折れるという現象が散見された。そこで、このガラス管を外部電極型蛍光ランプと類似する形状に加工し、これを用いてランプユニットに組み付ける工程を模擬的に再現した試験を行ったところ、組み付け工程にてガラス管の折れが多数発生した。
この現象について検討を行ったところ、このガラス管に用いられるガラスは、比誘電率や体積電気抵抗率については、外部電極型蛍光ランプとして十分な特性を有するものの、ガラス管が脆く、外力が作用した際に破損しやすいと推定された。ガラス管を破損しにくくするには、ガラス管に外力が作用した際に適度なしなりを持つような特性を有することが必要であると考えた。そこで、ランプユニットの組立工程におけるガラス管の破損頻度とガラス物性との相関関係を前述の模擬的再現試験にて調査したところ、ガラスの機械的強度の指標のひとつであるヤング率を特定範囲とすることで、ランプユニットの組立工程におけるガラス管の破損を抑えることができることを確認した。つまり、ガラスに外力が作用した際に適度なしなりを持つような特性を、ガラスのヤング率に置き換えることができることを見出した。
近年、液晶表示装置は薄型化が求められており、それに応じて蛍光ランプの外径・肉厚についても細く・薄くなる傾向があり、ガラス管の機械的強度に対する考慮を十分に行う必要がある。
近年、液晶表示装置は薄型化が求められており、それに応じて蛍光ランプの外径・肉厚についても細く・薄くなる傾向があり、ガラス管の機械的強度に対する考慮を十分に行う必要がある。
本発明は、このような事情を考慮して成されたものであり、外部電極型蛍光ランプとして必要な電気的特性を有し、且つランプユニット製造工程における取扱いで破損しにくいガラスを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、外面に電極が設けられた構造を有する外部電極型蛍光ランプの作製に用いられるガラスであって、ヤング率が80GPa以下であることを特徴とする。
また、この外部電極型蛍光ランプ用ガラスは、質量%で、SiO2 64.1〜75%、Al2O3 0.5〜10%、B2O3 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 5.1〜20%、MgO+CaO+BaO+SrO 10〜30%、ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、CeO2 0.02〜5%、ZrO2 0〜5%、Fe2O3 0.005〜0.1を含有することを特徴とする。
さらに、この外部電極型蛍光ランプ用ガラスは、波長313nmにおける肉厚0.5mmでの透過率が20%以下であることを特徴とする。
本発明の外部電極型蛍光ランプ用ガラスは、ガラスのヤング率を特定範囲に設定することにより、ガラス管に外力が作用した際に適度なしなりを持たせることが可能であり、ランプユニット製造工程やパネル落下テストなどでのガラス管の破損を極力抑えることができる。また、十分な電気的特性を有しているため、効率が高い外部電極型蛍光ランプの製作が可能であり、点灯中の局部加熱により電極部近傍のガラスに穴があく危険性も少ない。更には、蛍光ランプ用ガラスとして必要な高い透過率と、ランプ内で発生する紫外線を効率よく吸収できるように構成されている。
本発明は、上記の構成により、外部電極型蛍光ランプ用ガラスに適した特性が得られるが、ガラスを構成する各成分の含有量等を上記のように限定した理由を以下に説明する。
SiO2は、ガラスの網目構造を形成する主成分であり、機械的特性を維持するためにも重要な成分である。その添加量が64.1%未満ではガラス構造が不安定になることで機械的特性が悪化し、ヤング率が高くなりすぎるとともに、化学的耐久性も悪化する。75%を超えるとガラスの溶融性・成形性が悪くなるため、好ましくは、64.1〜70%の範囲、より好ましくは、64.5〜68%の範囲である。
Al2O3は、ガラスの失透性および化学的耐久性を改善する作用があるが、0.5%未満では分相や失透が発生しやすくなり、10%を超えると脈理の発生など溶融性が悪化する。好ましくは2〜5%の範囲である。
B2O3は、溶融性向上および粘度調整の目的で用いられる成分であり、10%以内の範囲で添加することができる。ただし、揮発性が非常に高く、10%を超えると脈理が発生しやすくなるため、好ましくない。
Li2O、Na2O、K2Oは、融剤として作用し、ガラスの溶融性を改善するとともに、粘度、熱膨張係数の調整に用いられる。これら3成分の含有量が合計で5.1%未満では融剤としての効果が得られず、溶融性が悪化する。20%を超えると、化学的耐久性が悪化し、熱膨張係数も大きくなる。外部電極型蛍光ランプ用ガラスの場合、電極との整合性を考慮した熱膨張係数の制限はないが、熱加工時の熱衝撃による破損割合を下げるため、熱膨張係数は90×10−7/℃以下とするのが望ましい。熱膨張係数の好ましい範囲は、50〜90×10−7/℃であり、熱膨張係数をこの範囲内に収めるためにアルカリ合計量は10〜13%(13%を含まない)であることが好ましい。
またLi2O、Na2O、K2Oは、電気的特性に対しても大きな影響がある重要な成分である。誘電正接(tanδ)は高くなるほど、電気抵抗は低くなるほど局部的な発熱の原因となり、ガラスの穴あきの問題に結びつくが、これらの特性はアルカリ含有量が多くなるほど悪化する傾向がある。そのような観点からも、アルカリ合計量は20%以下に抑えるべきであるが、特に、原子半径が小さいLi、Naの影響が大きい。そのため、各成分の好ましい範囲は、Li2O 0〜3%、Na2O 0〜5.5%、K2O 2〜13%であり、単独よりも2種類または3種類を含有させることで混合アルカリ効果による電気特性向上の効果が期待できる。
MgO、CaO、BaO、SrOは、電気的特性に大きな影響を与える成分であり、含有量が増加するほど、体積電気抵抗率も高くなる。これら4成分の合計量が10%以下では電気抵抗が低くなり、ランプ点灯中にガラス管に電流が流れ、ランプ効率を落とす要因となるため、好ましくない。また、30%を超えるとガラスの失透性が悪化し、安定的な連続生産ができなくなる危険が生じるため好ましくない。電気的特性や安定生産の適性を考慮した好ましい範囲は、12〜25%の範囲である。
またMgO、CaO、BaO、SrOは、電気的特性以外に、加工性や機械的特性に対しても影響がある成分である。特に、本発明においては、機械的特性に対して大きな影響があるヤング率の範囲を限定しているが、BaOやSrOの増加は誘電率を高める効果が大きい反面、ヤング率を上げる効果もある。電気的特性とヤング率を適正範囲に調整するための各成分の好ましい範囲は、MgO 0〜10%(好ましくは、0.1〜5%)、CaO 0〜15%(好ましくは、0.1〜10%)、BaO 0.1〜15%(好ましくは、0.5〜12%)、SrO 0〜10%(好ましくは、0〜8%)である。各成分の含有量が上限を超えると、上述した失透性が悪化するため、避けるべきである。また、ヤング率を特性範囲に調整する上での各成分の合計量の好ましい範囲は、11〜14.5%である。なお、アルカリ成分と同様に、単独よりも2種類以上を含有させた方が電気的特性やヤング率を適正範囲に収めるには都合が良い。
ZnOは、必須成分ではないが、化学的耐久性を向上させる成分であり、10%を上限として添加することができる。10%を超える場合には、失透性が悪化するため好ましくない。
TiO2は、必須成分ではないが、紫外線を吸収する効果があり、上限10%まで添加することができる。バックライトユニットを構成する樹脂部材の劣化は、300〜330nmの紫外線によって促進されるため、ガラスにはこの波長域の紫外線カット特性が求められるが、TiO2を使用する場合には1%以上添加しなければこの効果が期待できない。10%を超える場合には、ガラスが不安定となり、失透性が悪化するため、TiO2を使用する場合の好ましい範囲は1〜8%である。
CeO2は、紫外線を強力に吸収する本発明の必須成分であるが、充分な効果を持たせるためには0.02%以上の添加が必要である。5%を超える場合には、ガラスが黄色に着色するとともに、失透性も悪化するため好ましくない。
CeO2によるガラスの着色に対しては、Ceイオンの価数状態も大きく影響を与える。Ce3+イオンは316nm付近にシャープな吸収特性を持ち、Ce4+イオンは243nm付近から可視域にかかるブロードな吸収特性を持つ。そのため、ガラス中のCeイオンが3価の状態(Ce3+)であれば、無色のガラスが得られるが、4価の状態(Ce4+)になるとガラスは黄色に着色する。Ce4+による紫外線吸収は非常に強力であり、ガラスが着色しない程度の少量添加でも充分な効果を発揮するが、より透明なガラスを得たい場合には、還元性で溶融し、CeイオンをCe3+の状態とすれば良い。具体的には、雰囲気制御(非酸化性)による溶融やカーボンやSnOなどの還元剤を添加することで達成可能である。
ZrO2は、必須成分ではないが、化学的耐久性を高める効果がある成分であり、上限5%まで添加することができる。ただし、難溶性の成分であり、5%を超えるとガラスの溶融性が悪化し、脈理やスジの発生原因となるため、ZrO2を利用する場合の好ましい範囲は0.01〜0.6%である。
Fe2O3は、少量でも紫外線を吸収する成分であり、0.005〜0.1%の範囲で使用できる。Fe2O3を少量入れることで、他の紫外線吸収剤の添加量を少なくできる利点があるが、0.005%未満ではその効果はほとんど期待できず、0.1%を超えると、ガラスが着色し、可視域の透過率が低下するため好ましくない。
ガラス溶融の際に使用する清澄剤については特に制限はないが、環境問題への対策として有害物の使用はできる限り避けるべきであり、Sb2O3やAs2O3の使用は好ましくない。F2やCl2は使用可能であるが、最低限度の使用にとどめるべきである。具体的には0.2%以下、好ましくは0.1%以下に抑えたい。
上記の成分以外にも、ガラス諸特性を調整する目的で、P2O5、SO3、MnO2、CuO、Y2O3、Nb2O5、MoO3、SnO、WO3、Ta2O5、Bi2O3、La2O3などの成分を2%以下含有させることが可能である。
ヤング率は、一般的に高い方が剛性が高く、外的な力が加えられた時の変形を少なく抑えられるため、機械的強度に対して有利と考えられていた。しかし、蛍光ランプをバックライトユニットに組み込む時などは、ヤング率が高すぎるガラス管では外力の作用により破損等が生じやすいため、作業性を向上させるためにはガラス管には適度のたわみやしなりが必要である。本発明においては、ガラスのヤング率の特定範囲に設定することで、ガラス管に外力が作用した際に適度なしなりを持たせることが可能である。ガラスのヤング率の特定範囲としては、60〜80GPaが好ましい。ヤング率が80GPaを超えると、ガラス管に外力が加わった時にランプが破損してしまう危険があり好ましくない。また、ヤング率が65GPaに満たない場合には、長尺ランプを使用する大型バックライトユニットにおいて、蛍光ランプが自重でたわみ、光源の均一性が損なわれるおそれがある。
前述したように、紫外線がガラス管を透過して管外へ放出されると、液晶表示装置内部の樹脂部材が劣化し、製品寿命や信頼性を低下させる要因となる。そのため、本発明では前述の紫外線吸収成分添加によりガラスに紫外線カット特性を持たせ、肉厚0.5mmの波長313mmにおける紫外線透過率を20%以下としている。これにより、従来のガラスに比べて、管外に放出される313nmの紫外線を8割〜9割程度低く抑えることが可能である。
以下に本発明の実施の形態について説明する。本発明のガラスは次のようにして作成することができる。まず、上記組成範囲、たとえば、SiO2 68%、Al2O3 3%、Li2O 2%、Na2O 7.5%、K2O 4.5%、B2O3 3%、MgO 2.5%、CaO 4%、BaO 5%、Fe2O3 0.02%、CeO2 0.48%となるように原料を秤量・混合する。この原料混合物を白金坩堝に収容し、電気炉内において加熱溶融する。十分に攪拌・清澄した後、所望の形態に成形する。なお、蛍光ランプ用の細管等を作成するために管状に量産成形する場合には、タンク炉で溶融したガラスをダンナー法、リドロー等の既知の管引き成形法によって問題なく成形することができる。
次に、本発明のガラスにつき実施例に基づいて詳細に説明する。表1および表2に本発明の実施例および比較例を示す。試料No.1〜No.14は本発明の実施例、No.15〜No.17は従来のガラスを示す比較例である。なお、表中の組成は質量%で示してある。表中記載のガラスは、表に示す各酸化物組成となるよう珪砂、各金属の炭酸塩、水酸化物等の原料粉末を秤量・混合し、芒硝を用いた清澄方法により白金坩堝を用いて1450℃で5時間溶融した。溶融ガラスは、充分に攪拌・清澄した後、矩形枠内に流出させ、徐冷後に以下に示す評価項目に合わせて所望の形状に加工したサンプルを作成した。
表中に示した項目について説明すると、ヤング率は30×30×10mmの大きさに加工したサンプルを使用し、超音波パルス法(JIS R 1602)により測定した値を[GPa]の単位で表示した。
紫外線カット特性は、厚さが0.5mmとなるように両面鏡面光学研磨したサンプルを用いて、波長313nmの透過率を測定した値を示した。
誘電率はφ38mm×t3mmの両面鏡面光学研磨したサンプルを用いて、1MHz・室温における誘電率と誘電正接をLCRメーターで測定した。
耐クラック性は、ヤング率と機械的強度の関係を明確化するため評価を行った。耐クラック性は、和田らが提案した方法(M.Wada etal.Proc., the Xth ICG,vol.11,Ceram.Soc.,Japan,Kyoto,1974,p39)によって求めた。この方法は、厚さが10mm(大きさ10×20mm)に加工したサンプルをビッカース硬度計のステージに置き、サンプルの表面に菱形状のダイヤモンド圧子を種々の荷重で15秒間押し付ける。そして、徐荷後15秒までに圧痕に生じるクラックの有無で評価した。荷重を変えて圧子を打ち込み、圧痕の四隅に一つでもクラックが確認された場合の荷重を表中に記した。
本発明の実施例であるNo.1〜No.14の各サンプルは、ヤング率がいずれも80GPa以下であり、ランプユニット製造工程において外力が加わった時にも適度なしなりを持たせることができるため、破損するリスクが小さい。また、厚さ0.5mmでの313nm透過率も20%以下に抑えられており、樹脂劣化に影響のある有害紫外線を8割から9割吸収することができる。
比較例No.15は、誘電率を高めるためにBaOを多く添加した組成例である。参考までに記した誘電率の測定値は高いが、ヤング率が80GPaを超えているため、ランプユニット製造工程でガラス管に外力が加わった時に破損しやすい。ビッカース圧子の打ち込みによる耐クラック性の評価でも、10gと低い値を示した。
比較例No.16は、従来から照明用として使用されているガラスの例である。適度なしなりを持ち、耐クラック性も劣ることはないが、313nmの透過率が45%と高いため、蛍光ランプ内で発生する313nmの紫外線をガラス管で充分に遮蔽できず、バックライトユニットを構成する樹脂部材の劣化が促進される危険性が非常に高い。
比較例No.17は、ヤング率が65GPa未満であるため、ガラス管を蛍光ランプに加工し、ランプユニットに組み込んだ場合、蛍光ランプが自重でたわみ、光源の均一性が損なわれる可能性がある。
本発明のガラスは、ガラスのヤング率を限定することで適度なしなりを持たせ、耐クラック性を高めた特性と外部電極型蛍光ランプ用ガラス管として充分な電気的特性も合わせ持ち、ランプユニットの組立工程などでガラス管に外力が加わるような場合でも、破損に至ることが極めて少ない。また、優れた紫外線カット特性も有しているため、液晶ディスプレイ、特に大型液晶テレビのバックライトに使用される外部電極型蛍光ランプに用いた場合でも、表示装置内部の樹脂部品等の材質を劣化させることがなく、十分な明るさと色再現性を維持できるため、表示装置の信頼性を向上させる。
Claims (3)
- 外面に電極が設けられた構造を有する外部電極型蛍光ランプの作製に用いられるガラスであって、ヤング率が80GPa以下であることを特徴とする外部電極型蛍光ランプ用ガラス。
- 質量%で、SiO2 64.1〜75%、Al2O3 0.5〜10%、B2O3 0〜10%、Li2O+Na2O+K2O 5.1〜20%、MgO+CaO+BaO+SrO 10〜30%、ZnO 0〜10%、TiO2 0〜10%、CeO2 0.02〜5%、ZrO2 0〜5%、Fe2O3 0.005〜0.1を含有することを特徴とする請求項1に記載の外部電極型蛍光ランプ用ガラス。
- 波長313nmにおける肉厚0.5mmでの透過率が20%以下であることを特徴とする請求項1また2に記載の外部電極型蛍光ランプ用ガラス。
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