実施例において、光沢の程度を表す光沢度は日本電色工業株式会社製ハンディ型光沢計PG−1Mを用いて計測した。測定モードはJIS Z 8741 鏡面光沢度−測定方法に準拠した60度光沢測定モードである。
以下、本発明を適用した実施例の説明をする。以下に本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。したがって、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
以下に画像形成装置について説明する。画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)は画像形成手段としてのプリンタ部を有している。画像形成手段としてのプリンタ部は有色トナーと透明トナーを用いてシートに画像を形成することができる。画像形成手段としてのプリンタ部はスキャナからの画像データ、HDD内部の画像データ又はPC等から送信される画像データに基づきシートに画像を形成することができる。また、MFPはプリンタ、コピー以外に、ファックスの送受信、スキャナで取り込んだ画像を外部に送信する等の複数の機能を有する。
以下、画像形成手段としてのプリンタ部を有し、印刷命令に応じて印刷を実行するシステムを画像形成システムと呼ぶ。実施例1及び実施例2において説明するMFP100はプリンタ部を有し、プリンタとして機能する際は外部のPCから入力される印刷命令に従い印刷を実行するため画像形成システムと呼ぶ。また、実施例3及び4において説明するMFP100と補助装置114からなるシステムもプリンタ部を有し、印刷命令に従い印刷を実行するため画像形成システムと呼ぶ。最後に実施例5において説明するMFPとMFPを制御する制御装置としてのMFP Controllerから成るシステムもプリンタ部を有し印刷命令に従い印刷を実行するため画像形成システムと呼ぶ。
以下に、画像形成装置としてのMFPの概略構成を説明する。その後、画像形成装置の動作について説明する。
(MFPのハードウエア構成について) 以下に、画像形成装置の一例であるMFPのハードウエア構成について述べる。MFP100はコントローラ部、スキャナ部、プリンタ部から構成されている。以下に各部について詳しく説明する。
(コントローラ部) 図1はMFP100のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。CPU101(Central Prossessing Unit)、RAM102(Random Access Memory)、ROM103(Read Only Memory)、はバス105に接続されている。同様に、HDD104(Hard Disk Drive)、画像処理専用回路106、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110はバス105に接続されている。バス105に接続されている各種ユニットはバスを介して相互に通信することができる。
このような構成において、CPU101はバス105を介して、HDD104、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110に対して制御命令等を送信する。また、CPU101はバス105を介して、HDD104、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110からの状態を示す信号又は画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU101はMFP100を構成する各種ユニットを制御することができる。詳しく各ユニットの動作について以下に記述する。
CPU101及び画像処理専用回路106は例えばROM103に保存されているプログラムをCPU101及び画像処理専用回路106内部にあるレジストリと呼ばれる1次メモリに展開して実行する。RAM102はCPU101又は画像処理専用回路106がプログラムを実行する際に必要となる2次メモリーとして共用利用される。ROM103と比較して記録容量の多いHDD104は主にMFP100の内部で保持される画像データの保存に利用される。ネットワークコントローラ107は外部の機器と通信するための処理回路である。ネットワークコントローラ107はCPU101から送信される信号を変調して各種規格に準じた信号に変換する。本実施例において、ネットワークコントローラ107はIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、Ethernet(登録商標)I/F114を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ107はEthernetI/F114を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU101に送信する。これにより、MFP100はネットワークを介してMFP Controller200又はPC300と通信してもよい。同様に、ネットワークコントローラ107はCPU101から送信される信号をARCNET(Attached Resource Computer NETwork)規格に準じた信号に変換し補助装置I/F113を介して補助装置118に送信する。また、ネットワークコントローラ107は補助装置118から受信した信号を復調し、CPU101に送信する。なお、補助装置118としては例えば、後処理装置としてのフィニッシャー、補助給紙装置としてのペーパーデッキなどが挙げられる。
CPU101がプリンタコントローラ108を介して画像形成部としてのプリンタ部115へ送信する画像データはイメージデータである。そのため、PC300からMFP100に対してPDL(Page Discription Language)が入力されたとき、CPU101及び画像処理専用回路106はRIP(Raster Image Prossessing)を分担して実行する。なお、PDLとは、MFP100に出力すべき画像イメージを指示するためのプログラミング言語ある。PDLの利点はプリンタの解像度に依存しないベクターデータとして図形を保持できること及び単純な線画の場合にデータ量をイメージデータと比べて少なくすることができることである。逆に、PDLを用いることでPDLをプリンタ部で出力する際に必要となるマップイメージデータに再変換する必要があり、この処理がオーバヘッドとなる。このようなPDLをイメージデータに変換する処理をRIP(Raster Image Processing)と呼ぶ。このようにRIPによってPDLから変換されたイメージデータはプリンタコントローラ108を介してプリンタ部115へ送信される。プリンタ部115は受信したイメージデータに基づき印刷物を出力する。なお、プリンタコントローラ108は外部から入力されたイメージデータを元にプリンタ部115に対してイメージデータに応じたトナー像をシートに定着させることができる。プリンタコントローラ108はネットワークコントローラ207を介して外部から送信されるイメージデータに基づきプリンタ部115を制御することができる。
スキャナコントローラ109はスキャナ部116が備える原稿台下部のイメージセンサの原稿イメージ取り込み動作及びADF(Auto Document Feeder)の動作を制御する。ユーザは原稿のイメージデータをMFP100に取り込ませるときに、原稿台に1枚ずつ原稿をセットする。スキャナコントローラ109は原稿読み取り指示を受け、原稿台下部にあるイメージセンサを走査させ、原稿台にセットされた原稿のイメージデータを取得する。また、ユーザは複数枚の原稿をADFにセットし読み取りを指示することができる。これにより、ADFはセットされた複数枚の原稿から1枚をイメージセンサ部へ送り出す。次に、ADFはイメージセンサ部へ送り出した原稿を除く複数枚の原稿から1枚をイメージセンサ部へ送り出し、ADFにセットされた原稿がなくなるまでこの動作を繰り返す。これにより、ADFにセットされた原稿を自動的に連続して読み取りを行うことができる。これにより、大量の原稿をスキャンする場合に、ユーザが原稿を1枚ずつ原稿台に載せ変える手間を省くことができる。
MFP100内のHDD104に画像を保存するボックスモードが選択された場合、スキャナコントローラ109はスキャナ部116で取得されたイメージデータをHDD104に保存する。スキャナ部116で取得されたイメージデータをプリンタ部115で出力するコピーモードが選択された場合、スキャナコントローラ109はスキャナ部116で取得されたイメージデータをプリンタコントローラ108に送信する。これによりプリンタコントローラ108は受信したイメージデータをプリンタ部115に出力させる。
I/Oコントローラ110はUSB I/F117を介してPC300若しくはMFP Controller200と通信を行う。また、I/Oコントローラ110は表示手段としてのディスプレイ111と入力手段としての操作パネル112に接続されている。CPU101はユーザが操作パネル112によって入力した情報をI/Oコントローラ110を介して取得することができる。また、I/Oコントローラ110はユーザに選択可能な情報やMFP100の状態を示す情報をディスプレイに表示させる。ディスプレイ111にはMFP100で用いるシートのサイズに関する情報を入力する画面が表示される。また、シートの画像形成可能な領域全面を覆うように透明トナーを用いて画像を形成するモード又は透明トナーを用いてシートの一部に透明トナーを用いて画像を形成するモードを選択可能に表示する。
(HDD内部に保存される画像データについて) 記録手段としてのHDD104は、MFP100に接続された情報処理装置としてのPC300等から受信した画像データや画像読み込み手段としてのスキャナ部116で読み込まれた画像データを記録することができる。また、HDD104は予め画像データを格納している。予め格納された画像データは少なくとも有色トナー像の一部が覆われるように透明トナーを用いて画像を形成するために用いられる。HDD104に格納される画像データとしては例えば、シートに透明トナーを用いて「SAMPLE」、「コピー禁止」等の定型句を印刷するための画像データが挙げられる。また、会社、団体等のロゴマークであっても良い。
同様に、HDD104は予めシートの画像形成可能な全域に透明トナーを一様に形成するための画像データを格納している。画像形成可能な全域とは、シートの余白を除いた領域すべてを指す。そのため、余白なしの場合にはシートの全面に画像を形成するための画像データが画像形成可能な全域に透明画像を形成するための画像データとなる。
以下に具体例を挙げて説明する。画像が形成されるシートのサイズはA3サイズ(297mm×420mm)で、画像を形成しない余白をシートの先端、後端、左右端に2mm確保する。このとき、シートのサイズから余白を差し引いた293mm×416mmの領域が画像形成可能な全域である。そのため、HDDには293mm×416mmの領域に透明トナーを形成するための画像データが保存されている。
無論、余白は変更可能である。また、余白が異なる複数の画像データをHDDに保存することができる。しかしながら、余白が異なる複数の画像データをHDDに保存すると、余白の設定毎に画像データをHDDに保存するため、HDDの残り容量は減少する。また、余白の設定毎だけではなく、シートのサイズ毎に画像データをHDDに保存するとHDDの残り容量はさらに減少する。そのため、本実施例において、余白がシートの先端、後端、左右端に2mmを確保した場合の画像形成可能な全域に画像を形成するための画像データがシート毎に保存されているとする。また、本実施例においてはHDDに格納される画像データは定型サイズのシートの画像形成可能な全域に画像を形成するものである。
本実施例において、国際規格で規定されたシートのサイズのうち、MFPを用いて画像を形成することができ、かつ、その国の中でよく使われるシートのサイズを定形サイズと呼ぶ。また、定形サイズを除くサイズを不定形サイズと呼ぶ。例えば日本においては、MFPを用いた印刷及びコピーを行う際、ISO 216の中で定義されたAシリーズ(A0〜A10)のシートのうちA3〜A5が良く使われる。同様に、ISO 216の中で定義されたBシリーズ(B0〜B10)のシートのうちB3〜B5が良く用いられる。そのため、HDDには上述の定形サイズ(A3〜A5、B3〜B5)毎にそれぞれのシートの先端、後端、左右端に2mmに余白がある画像形成可能な全域に画像を形成するための画像データが格納されている。
同様に日本において、不定形サイズとして、六つ切サイズ(203mm×254mm)、2Lサイズ(127mm×178mm)、KGサイズ(102mm×152mm)、A3ノビ(329mm×483mm)が該当する。また、ユーザによって縦と横のサイズを指定することができるいわゆるフリーサイズも不定形サイズに分類される。
無論、HDDの容量との兼ね合いで更に多くの画像データをHDDに予め格納することもできる。本実施例において、シートのサイズが不定形サイズの場合、又は、定型サイズであっても余白が変更された場合については、生成手段としてのCPU101はシートの画像形成可能な全域を覆うような画像データを生成する
無論、良く使われるシートのサイズは国によって異なる。そのため、定型サイズはMFPを用いる地域によって異なることになる。
画像が形成されるシートのサイズが定形サイズの場合、HDD104に格納されたサイズに対応する画像データは画像形成手段としてのプリンタ部に送信される。これにより、プリンタ部は受信した画像データに基づき画像をシートに形成する。同様に、画像が形成されるシートのサイズが不定形サイズの場合、画像生成手段としてのCPU101によって生成された画像データは画像形成手段としてのプリンタ部に送信される。これにより、プリンタ部は受信した画像データに基づき画像をシートに形成する。
以上がコントローラ部と各モジュールの接続関係及びHDD104に保存される画像データにについての説明である。続いて、スキャナ部115及びプリンタ部115についてその構成について詳しく説明する。
(スキャナ部) 図2はMFP100の構造を説明するための概略図である。以下に本実施例のスキャナ部に対する説明を行う。スキャナ部116は図2においてプリンタ部115の紙面上方に配置されている。前述の通り、スキャナ部116は原稿画像を読み取るための光電変換素子としてイメージセンサと原稿台及びADF(Auto Document Feeder)から構成される。スキャナ部116はイメージセンサを用いて原稿台若しくはADFにセットされた原稿の画像データを取得する。スキャナ部116で取得された画像データはスキャナコントローラ109に送信される。スキャナコントローラ109はバス105を介して接続された各部へスキャナ部116で取得された画像データを送信することができる。
(プリンタ部) 以下に画像形成装置としてのMFP100が備える画像形成手段としてのプリンタ部の説明をする。本実施例において、プリンタ部は電子写真方式である。そのため、プリンタ部は搬送部、作像部、定着部から成る。以下に搬送部、作像部、定着部の説明を行う。
(搬送部) 搬送部はカセット13a及び13b、手差しトレイ14、ピックアップローラ11、搬送ローラ対12、レジストローラ対8から構成される。シートはカセット13a及び13bにセットされる。本実施例において、カセット13a及び13bにセットされたシートのサイズはユーザが操作パネル112を操作することによって登録する。無論、カセット内部の仕切り板の位置を読み取ることにより、カセットに収納されたシートのサイズを検知してもよい。以下に、カセット13aにセットされたシートが搬送される流れを説明する。
カセット13aにセットされたシートはピックアップローラ11によって1枚ずつ送り出される。ピックアップローラ11によって送り出されたシートは搬送ローラ対12によって搬送される。搬送ローラ対12によって搬送されたシートは停止しているレジストローラ対8に突き当たる。このように突き当たったシートは中間転写ベルト7上のトナー像と同期するように回転したレジストローラ対8によって二次転写部に搬送される。
(作像部) 作像部は各色の画像形成ステーションと中間転写ベルトユニットから構成される。透明トナー像を形成する画像形成ステーションTは感光体ドラム1、帯電器2、レーザスキャナ3、現像器4、一次転写ローラ6、及び、ドラムクリーナ5から構成される。他の色についても現像器内のトナーを除き略同一である。また中間転写ベルトユニットは中間転写ベルト7、従動ローラ7a、二次転写対向ローラ7b、及び、駆動ローラ7cから構成される。
以下にシートに転写するためのトナー像が中間転写ベルト7に形成される流れに沿って作像部の構成を説明する。透明トナー像は透明画像形成手段としての画像形成ステーションTによって形成される。同様にして、イエロートナー像は各々、有色画像形成手段としての画像形成ステーションY、マゼンタトナー像は画像形成ステーションM、シアントナー像は画像形成ステーションC、ブラックトナー像は画像形成ステーションBkで形成される。各画像形成ステーションT、Y、M、C、Bkは略水平に並設されている。各画像形成ステーションT〜Bkによって形成されたトナー像は中間転写ベルト7にそれぞれ一次転写される。中間転写ベルト7上に一次転写されたトナー像は二次転写部においてシートに二次転写される。
各画像形成ステーションT〜Bkの構成は略同一のため、透明トナー像を形成する画像形成ステーションTを代表して説明する。画像形成ステーションTは感光体ドラム1、帯電ローラ2、レーザスキャナ3、現像器4及びドラムクリーナ5から構成される。像担持体としてのドラム形状の感光体ドラム1は回転自在に装置本体に軸支される。感光体ドラム1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ2、画像露光手段としてのレーザスキャナ3、現像手段としての現像器4が配置されている。
感光体ドラム1は帯電ローラ2により表面を一様な電位に帯電される。続いて、透明トナー像23を形成するための画像信号がプリンタコントローラ108からレーザスキャナ3に入力される。レーザスキャナ3は入力された画像信号に応じて、感光体ドラム1の表面にレーザ光を照射する。これにより、感光体ドラム1表面の電荷が中和され、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像は現像器4によって透明トナーで現像される。感光体ドラム1上に現像された透明トナー像は中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム1の対向位置に配置されている一次転写ローラ6により画像搬送体としての中間転写ベルト7に一次転写される。中間転写ベルト7に転写されなかった感光体ドラム1上の転写残トナーはドラムクリーナ5により回収される。画像形成ステーションTにおいて、上述のように透明トナー像が中間転写ベルトに転写される。他の画像形成ステーションY、M、C、Bkで形成されたトナー像も同様に中間転写ベルト7に一次転写される。なお、透明トナー像は画像形成ステーションTによって最初に中間転写ベルト7に転写される。したがって、透明トナーを用いて画像形成を行う際には、透明トナーがシート上において最上層となる。なお、透明画像を形成する透明画像ステーションTは現像器4に収納されるトナーを除き有色画像を形成する他の画像形成ステーションと同一である。そのため、透明画像ステーションTのレーザスキャナに入力される画像信号に応じて、透明画像ステーションTはシート全面又は部分的に透明トナーを形成することができる。
中間転写ベルト7は従動ローラ7a、二次転写対向ローラ7b、駆動ローラ7cによって張架されている。従動ローラ7aはテンションローラを兼ねており中間転写ベルト7に張力を付与しながら中間転写ベルトの移動に従い回転をする。二次転写対向ローラ7bは中間転写ベルト7を挟んで二次転写ローラ9に対向して配置されている。また、二次転写対向ローラ7bには、二次転写時に高圧電源(不図示)から二次転写バイアス電圧が印加される。駆動ローラ7cは駆動モータ(不図示)から駆動力を受け回転する。駆動ローラ7cによって張架された中間転写ベルト7は駆動ローラ7cからの駆動力を受けて追動する。
このようにして、各画像形成ステーションT〜Bkによって中間転写ベルト7上に形成されたトナー像は二次転写部へ搬送される。中間転写ベルトによって搬送されたトナー像は二次転写部に搬送されたシートに二次転写ローラ9及び二次転写対向ローラ7cに転写バイアスが印加されることによって転写される。二次転写部でシートに転写されなかった中間転写ベルト7上の転写残トナーは二次転写部の下流に設置されたベルトクリーナ7dによって回収される。
このようにしてシートにトナー像が転写される。トナー像が転写されたシートは定着部に搬送される。
(トナーについて) 以下に画像形成ステーションの現像器に収納されるトナーについて説明する。本実施例において、透明トナー及び有色トナーはポリエステル系の樹脂が使用されている。トナーを製造する方法としては粉砕法、懸濁重合法・界面重合法・分散重合法等の媒体中で直接トナーを製造する方法(重合法)挙げられる。本実施例において、トナーは懸濁重合法を用いて製造されたものを用いた。なお、トナーの成分、製造方法はこれに限定されるものではない。ここで、有色トナーとは透明トナーを除くイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーの総称であるとする。
有色トナーは主にポリエステル樹脂と顔料から構成される。また、透明トナーは主にポリエステル樹脂から構成される。本実施例において用いた透明トナー及び有色トナーのガラス転移点(Tg)は共に約55℃である。本実施例においては、透明トナーのガラス転移点(Tg)は有色トナーと略同一になるように製造した。そのため同じ定着条件かつ単位面積あたりのトナー量が略同一の場合、シート上に定着された有色トナーと透明トナーの光沢度は略同一の光沢になる。
もちろん、トナーのガラス転移点(Tg)はこれに限定するものではない。透明トナーに用いる樹脂の種類や分子量を変更するとその溶融特性が変わる。そのため、同じ定着条件でシートに定着されたトナー像はトナーの性質によって異なる光沢度が得られる。したがって、有色トナーよりもガラス転移点(Tg)が低く溶けやすい樹脂を用いて透明トナーを製造することによって、有色トナーと比べて定着後の光沢が高い透明トナーを得ることができる。また、ガラス転移点(Tg)が高く溶け難い樹脂を用いて透明トナーを製造することによって、有色トナーと比べて定着後の光沢が低い透明トナーを得ることができる。このようにガラス転移点(Tg)が有色トナーと異なる透明トナーを用いても良い。
なお、シートに形成される単位面積あたりの有色トナーの量が増加すると、トナー量に比例して画像の光学濃度が高くなる。また、シートに形成される単位面積あたりの透明トナーの量が増加すると、トナーの量に比例して光沢が変化する。無論、透明トナーをシートに形成しても、定着された後の透明トナーは無色透明であるため、光学濃度はほとんど変化しない。なお、シートの表面がトナーで十分に被覆されると、透明トナーの量を増やしても光沢は変化しない。
(定着部) 図2に示すように、シート搬送方向でいう二次転写部の下流側に定着器10が配置されている。定着部は定着器10から構成される。以下にシートに転写されたトナー像が定着される流れに沿って定着部の構成を説明する。定着器10は定着ローラ10aと加圧ローラ10bから構成されている。定着ローラ10aと加圧ローラ10bは互いに圧接しており、その間に定着ニップ部が形成される。本実施例において、定着ローラ10a及び加圧ローラ10bの外径は共に80mmである。また、定着ローラ10a及び加圧ローラ10bの回転軸方向の長さは共に350mmである。定着ローラ10aは定着器外壁に回動可能に軸支され、加圧ローラ10bはばね(不図示)によって定着ローラ10aに対して500N(50kgw)で圧接されている。定着ローラ10aはアルミ製の中空芯金上に弾性層としてのゴム層、トナー離型層としてのフッ素樹脂層が積層された積層体である。また、中空芯金の内部には加熱源としてのハロゲンヒータが設置されている。中空芯金は鉄などの他の材料であってもよい。また、加熱源は例えば電磁誘導加熱を利用したIH方式を用いて代替してもよい。定着ローラ10aは駆動ギア列を介して駆動モータに接続されており、駆動モータから伝達される回転動力によって回転する。加圧ローラ10bは定着ローラ10aと同じく中空芯金にゴム層、フッ素樹脂層を積層した積層体であり、中空芯金の内部にはハロゲンヒータが設置されている。また、加圧ローラ10bは定着ローラ10aに従動して回転する。
このような定着条件のもと、二次転写部でトナー像が転写されたシートは定着ニップ部を通過する。これにより、シート上に転写されたトナー像はシートに定着される。トナー像が定着されたシートは搬送路を通り機外に排出される。
本実施例においては、シートは定着器10の定着ニップ部を通過し終えた直後、約90〜110℃の高温度を保持した状態で定着器10から離間される。つまり、本実施例の定着器10は、シートが定着ニップ部を通過し終えた直後、高温度を保持したままで定着器10からシートが離間し始める「高温剥離方式」である。無論、シートが離間するときの温度は定着条件、シートの坪量等に影響されることは言うまでも無い。また、本実施形態の定着器10は定着ローラ10aと加圧ローラ10bによるローラ対で構成したものを説明したが、定着側と加圧側の一方若しくは両方がエンドレスベルトによって構成されてもよい。また、定着方法は上に示したもの以外を用いてもよい。これにより、画像形成手段としてのプリンタ部は有色画像が形成されるシートに透明トナーを用いて透明画像を形成することができる。
以上が、シートにトナー像が形成される流れに沿ったプリンタ部の構成に関する説明である。
(印刷設定とそれに基づく画像形成装置の動作について) 上述のように、ブロック図を用いてMFP全体の構成を、概略図を用いてスキャナ部及びプリンタ部を説明した。本実施例において、CPU101はROM103に格納されたプログラムに従いMFP100の各部を制御する。以下に、ディスプレイ111にモード及びシートのサイズを設定するための画面の説明を行う。ユーザはディスプレイ111に表示される画面に従い、操作パネル112を操作することによって、各種設定を行うことができる。
以下に、ディスプレイ111に表示させる画面とその画面で設定可能な項目について説明する。その後、設定された情報に基づくMFPの動作について説明する。
(MFP100のディスプレイに表示される画面について)(図3の(a)に関する説明) 図3の(a)はディスプレイ111に表示される画面の一例を示す図である。図3の(a)に示す画面がディスプレイに表示されている状態(コピーモード)において、ユーザによってスタートボタン(不図示)を押下されると、MFP100は原稿台にセットされた原稿を複製する。なお、B102が選択されることによってMFP100はボックスモードに切り替わる。ボックスモードにおいて、ユーザはMFP100内部のHDDに保存されているデータをプリンタ部で出力することができる。ユーザがB101を選択することによって、MFP100はボックスモードからコピーモードに切り替わる。
図3の(a)において、ユーザはB103の「用紙設定」を選択することができる。ユーザが「用紙設定」を選択したとき、CPUはディプレイ111に図3の(b)に示す画面を表示させる。また、ユーザはB104の「応用印刷設定」を選択することができる。更に、ユーザが「応用印刷設定」の「透明印刷設定」(不図示)を選択したとき、CPU101はディスプレイ111に図4に示す「透明印刷設定」画面を表示する。
(図3の(b)に関する説明) 図3の(b)はB104がユーザによって選択されたとき、ディスプレイ111に表示される画面の一例を示す図である。図3の(b)が表示された状態において、ユーザは印刷に用いるシートについて設定することができる。
B201はシートが格納されている箇所を変更するためのプルダウンメニューである。ユーザはB201を選択することにより、印刷に用いるシートが格納されている箇所を設定することができる。B202は印刷に用いるシートのサイズを変更するための選択可能に表示されたリストである。このリストには定型サイズが選択可能に表示される。図3に示す画面においては、ユーザは「カセット1」に格納されているシートのサイズを変更する事ができる。図3の(b)の画面においては印刷に用いるシートのサイズはA4サイズとなっている。このような設定画面において設定された印刷に用いるシートのサイズ情報はRAM102に格納される。B203は余白を変更するためのボタンである。ユーザは余白設定を変更することにより、シートの画像形成可能な領域を変更することができる。B204はB202に表示されたシートのサイズを追加するための画面である。これにより、使用頻度が低いシートサイズをB202に表示されたリストから選択できるようにする。B205は印刷に用いるシートのサイズが不定形サイズである場合にそのシートのサイズを設定するためのボタンである。
印刷に用いるシートの情報が設定された状態において、ユーザはB206(OKボタン)を選択することにより、設定情報を反映させることができる。ユーザがB206(OKボタン)を選択した場合、CPU101は図3の(a)に示す画面をディスプレイ111に表示させる。
また、ユーザはB207(キャンセルボタン)を選択することにより、設定情報を破棄させることができる。ユーザがB206(キャンセルボタン)を選択した場合、CPU101は図3の(b)において設定された情報を破棄し、図3の(a)に示す画面をディスプレイ111に表示させる。
(図4に関する説明) 図4はB105を選択した後「透明印刷設定」をユーザが選択した時に、ディスプレイ111に表示される画面の一例を示す図である。図4が表示された状態において、ユーザは透明印刷設定情報としての透明印刷モードを設定することができる。
透明印刷モードはシートの画像形成可能な全域に透明トナーを載せる「透明コートモード」と指定された画像データに応じた部分に透明トナーを載せる「透明プリントモード」がある。ユーザはB301を選択することによって「透明コートモード」を選択することができる。また、B302を選択することによって「透明プリントモード」を選択することができる。ユーザはB301又はB302を選択することによって透明印刷モードを設定することができる。なお、図4に示す画面では「透明コートモード」が選択されている。B301を選択した場合、B301の右に表示されているシートの画像形成可能な全域を透明トナーで覆うように設定される。なお、B301の右に表示されているシートは図3の(b)を用いて設定したシートのサイズに対応して変更される。
また、ユーザが「透明プリントモード」(B302)を選択した場合、透明トナーを用いて画像を形成するために用いる画像データを指定する必要がある。そこで、B302が選択された際、ユーザはB303に表示されたリストから透明画像形成に用いるシートを選択する。B303にはHDD104に保存されている画像データが選択可能に表示される。以下、透明印刷モード及び透明プリントモードにおいて必要が画像データに関する情報を透明印刷情報と呼ぶ。
このように透明印刷情報が設定された状態において、ユーザはB304(OKボタン)を選択することにより、透明印刷情報をRAM102に保存することができる。ユーザがB304(OKボタン)を選択した場合、CPU101は図3の(a)に示す画面をディスプレイ111に表示させる。
また、ユーザはB305(キャンセルボタン)を選択することにより、透明印刷情報を破棄させることができる。ユーザがB305(キャンセルボタン)を選択した場合、CPU101は図4において設定された情報を破棄し、図3の(a)に示す画面をディスプレイ111に表示させる。
このように透明印刷情報、シートのサイズに関する設定情報をRAM102に保存することで設定する。上述の画面を用いて設定した透明印刷情報及び設定情報に基づきCPU101はMFP100の各部を制御する。
(シートに形成されるトナー載り量と光沢度の関係について) 図5は上述のMFPを用いてシートに画像を形成した場合における単位面積あたりのトナーの量と光沢度の関係を示したグラフである。本実施例においてプリンタ部は画素値が8bit表現で255(百分率で100%とする)のデータが入力された時、シートの対応する箇所に単位面積あたり0.55mg/cm2のトナーを形成する。ここで、透明トナーは指定した領域に塗る又は塗らないのみで十分である。そのため、画像形成部に入力する透明トナーを用いて画像を形成するのに用いられる画像データは2値であるとする。無論、有色画像を形成するためのデータは階調表現をするために各色8bit表現されるものとする。
なお、図5に示すグラフでは、画像が形成されるシートとしてマットコート紙(日本製紙製 ユーライト(商標)の157g/m2)を用いた。前述の通り、シートに形成される単位面積あたりの透明トナーの量(以下、載り量と呼ぶ)が増加すると、トナーの量に比例して光沢が変化する。無論、透明トナーをシートに形成しても、定着された後の透明トナーは無色透明であるため、光学濃度はほとんど変化しない。なお、シートの表面がトナー(本実施例においては60%から70%)で十分に被覆されると、透明トナーの量を増やしても光沢は変化しない。そのため、透明トナーを載せるように指示されたとき、つまり、透明トナーを形成するために用いられる透明画像データの値が1のとき、プリンタ部はシートの対応する箇所に0.33mg/cm2の透明トナーを載せる。無論、透明画像データの値が0のとき、プリンタ部はシートの対応する箇所に透明トナーを載せない。
(概念図を用いた画像形成装置の動作説明) 以下に、制御手段としてのCPUが前述の透明印刷情報及び設定情報に基づき画像形成装置を制御する動作について概念図を用いて説明する。
(透明コートモードについて) 以下に透明コートモードを実行する際に制御手段としてのCUP101が実行する処理について概念図を用いて説明する。図6の(a)は透明コートモードが実行される際にCPUが実行する処理を説明するための図である。本実施例において、プリンタ部は有色トナーと透明トナーを用いて有色画像と透明画像をシートに形成することができる。本実施例において、プリンタ部はシートに透明画像のみを形成するものとする。
以下に「カセット1」にセットされた有色画像が形成されたシートに透明画像を定着する例について説明する。なお、有色画像が形成されていないシートに有色画像を形成することなく透明画像を定着してもよい。また、手差しトレイ14にセットされた有色画像が既に定着されたシートに透明画像を形成してもよい。
前述の通り、HDD104にはシートのサイズに応じて、シートの画像形成可能な全域に透明トナーを載せるためのデータが保存されている。CPU101はRAM102に格納された設定情報に基づき、対応するシートの画像形成可能な全域に透明トナーを載せるための画像データを取得する(画像取得)。このとき、HDD104にはシートのサイズと関連した状態で画像データが保存されている。無論、RAM102にシートと画像データを関連づけるテーブルを格納していても良い。これにより、制御手段としてのCPU101は設定情報で画像形成に用いるシートのサイズがA3であれば、A3サイズのシートの画像形成可能な全域を覆うような画像データをRAM102に格納する。また、CPU101は画像形成に用いるシートのサイズがB5であれば、B5サイズのシートの画像形成可能な全域を覆うような画像データをRAM102に格納する。CPU101はRAM102に格納された画像データを画像形成手段としてのプリンタ部115に送信することでシートに透明画像を形成させる。なお、HDD104に予め保存されているシートのサイズに応じてシートの画像形成可能な全域を透明トナーで覆うために用いる画像データは2値で表現された透明画像データであるとする。つまり、格納手段としてのHDDは第一のサイズ(例えば、A4サイズ)のシートの画像形成可能な全域に透明トナーを用いて透明画像を形成するための画像データと第一のサイズと異なる第二のサイズ(例えばB4サイズ)のシートの画像形成可能な全域に透明トナーを用いて画像を形成するための画像データを含む複数の画像データを格納する。言い換えると、格納手段としてのHDDはシートの画像形成可能な全域に透明トナーを用いて画像を形成するための画像データを互いにサイズが異なる複数の所定サイズ毎に格納する。
(透明プリントモードについて) 以下に透明プリントモードを実行する際に制御手段としてのCUP101が実行する処理について概念図を用いて説明する。図6の(b)は透明プリントモードが実行される際にCPUが実行する処理を説明するための図である。
透明プリントモードにおいて、透明トナー像を形成する領域はHDD104に保存された画像データを用いて指定される。この画像データは前述の通り、スキャナ部116又はPC300等から入力される画像データである。そのため、多くはフルカラーの画像データである。しかしながら、透明トナーを形成するためには2値表現された透明画像データでよい。そのため、CPU101はHDD104に保存された画像データを2値表現された透明画像データに変換する。CPU101はRGB何れの画素値も0(8bit)である場合、0(1bit)とし、RGBの何れかの画素値が1以上である場合、1(1bit)とする。なお、画像データを透明画像データに変換する変換方法はこれに限らない。また、画像データを変換した後の透明画像データをHDD104に保存しても良い。このように変換後の透明画像データをHDD104に保存することにより、透明プリントモードを実行するたびにCPU101は変換処理を行わなくても良い。しかしながら、変換後の透明画像データを保存するため、他のデータを保存する容量が少なくなる。
CPU101は透明印刷情報で「透明プリントモード」が選択されたとき、HDD104内部の指定された画像データを透明画像データに変換し、変換した透明画像データをRAM102に格納する。画像データを画像形成手段としてのプリンタ部115に送信することでシートに透明画像を形成させることができる。
(フローチャ−トを用いたMFPの動作説明) 前記設定画面で設定された情報に基づき、画像形成装置は以下のように動作する。図7は画像処理の手順を示すフローチャートである。本実施例において、特徴的な処理である画像処理はMFP100のCPU101において実行される。以下に、制御手段としてのCPU101がROM103に保存されているプログラムに従い画像を処理する動作について説明する。なお、透明印刷設定(透明印刷モードと指定された画像データ)及び設定情報(印刷に用いるシートのサイズ)はRAM102に格納されているものとする。詳しくは、表示手段指示としてのCPU101はユーザに透明印刷情報及び設定情報を設定させるためにディスプレイ111に図3及び図4に示す画面を表示させる。また、操作パネル112からの入力に従い、CPU101は画面の表示を切替え、設定された情報をRAM102に格納する。
S101は透明印刷情報及び設定情報を取得するためのステップである。取得手段としてのCPU101はRAM102に格納された透明印刷情報及び設定情報を取得する。
S102はS101において取得した透明印刷モードに応じた処理を実行するためのステップである。制御手段としてのCPU101はS101で取得した透明印刷モードが「透明コートモード」である場合、S103の処理を実行する。また、S101で取得した透明印刷モードが「透明プリントモード」である場合、S104の処理を実行する。
S103は「透明コートモード」が選択された場合に実行されるステップである。CPU101は図7の(b)のにおいて詳しく説明されるフローチャートに従い処理を実行する。
S104は「透明プリントモード」が選択された場合に実行されるステップである。CPU101は図7の(c)において詳しく説明されるフローチャートに従い処理を実行する。
S105はS103又はS104においてRAM102に格納された透明画像データに基づき透明画像をシートに形成させるためのステップである。CPU101はRAM102に格納された透明画像データをプリンタ部115へ送信する。透明画像データを受信したプリンタ部は設定情報によって指定されたサイズのシートに対して、受信した透明画像データに対応する透明画像をシートに形成する。つまり、制御手段としてのCUP101は選択手段としてのCPU101によって選択された画像データに基づく透明画像がシートに形成されるように画像形成手段としてのプリンタ部を制御する。言い換えると、制御手段としてのCUP101は取得手段としてのCPU101で取得したサイズのシートの画像形成可能な全域に透明トナーを形成するための画像データが格納手段としてのHDD104に格納されている場合、その画像データに基づく透明画像がシートに形成されるように画像形成手段としてのプリンタ部を制御する。
続いて、定義済み処理S103及び定義済み処理S104について詳しく説明する。
(定義済み処理:透明コートモードにおける動作) 定義済み処理S103について詳しく説明する。
S201はS101において取得した画像形成に用いるシートのサイズが不定形サイズ、定形サイズに応じて処理を変更するためのステップである。CPU101は画像形成に用いるシートが不定形サイズである場合、S205の処理を実行する。また、画像形成に用いるシートが定形サイズである場合、S202の処理を実行する。つまり、判定手段としてのCUP101は格納手段としてのHDD104にS101において取得したサイズのシートに対応する画像データが格納されているか判定する。
S202はS101において取得した画像形成に用いる定形サイズのシートの余白が変更されたか、変更されていないかに応じて処理を変更するためのステップである。CPU101は画像形成に用いるシートの余白が変更された場合、S204の処理を実行する。また、画像形成に用いるシートの余白が変更されていない場合、S203の処理を実行する。
S203は画像形成に用いるシートのサイズに対応する透明画像データを選択するためのステップである。CPU101はシートのサイズと透明画像データの関係を保存したテーブルを用いて、画像形成に用いるシートの画像形成可能な全域に透明トナーを載せるための画像データをHDD104から読み込む。言い換えると、選択手段としてのCPU101は取得手段としてのCPU101によって取得したシートのサイズがA4サイズ(第1のサイズ)であるとき、格納手段としてのHDDに格納されたA4サイズ(第1のサイズ)に対応する画像データ(第1の画像データ)を選択する。また、選択手段としてのCPU101は取得手段としてのCUP101によって取得したシートのサイズがB5サイズ(第2のサイズ)であるとき、格納手段としてのHDDに格納されたB5サイズ(第2のサイズ)に対応する画像データ(第2の画像データ)を選択する。
S204はシートの余白の設定が既定値から変更された時に実行されるステップである。CPU101は変更された余白に基づき透明画像データを生成する。
S205は設定された不定形サイズのシートの画像形成可能な全域に透明画像を形成するための透明画像データを生成するためのステップである。CPU101はS101において取得した不定形サイズのシートの画像形成可能な全域に透明画像を形成するための透明画像データを生成する。
S206はS203、S204、S205において指定された透明画像データをRAM102に格納するためのステップである。CPU101はS203においてHDDから読み出した透明画像データ又はS204、S205において生成された透明画像データをRAM102に格納する。
(定義済み処理:透明プリントモードにおける動作) 定義済み処理S104について詳しく説明する。
S301は透明プリントモードにおいて部分的に透明画像を形成するために必要な画像がHDD104に保存されていない場合に外部から画像データを取得するためのステップである。CPU101は透明画像を形成するために用いる画像データがHDD104に保存されていない場合、S303の処理を実行する。また、透明画像を形成するために用いられる画像データがHDD104に保存されている場合、S302の処理を実行する。
S302は透明画像を形成するために用いられる画像データがHDD104に保存されている場合、その保存されている画像データを取得するためのステップである。CPU101は透明印刷情報で指定された部分的に透明画像を形成するために用いられる画像データをHDD104から読み込む。
S303は透明画像を形成するために用いられる画像データがHDD104に保存されていない場合にスキャナ部から画像データを取得するためのステップである。CPU101はスキャナ部に対して原稿台にセットされた原稿に形成された画像を読み込み、画像データをCPU101へ送信するように命令する。これにより、CPU101はスキャナ部から送信されたが画像データを取得する。
S304は画像データを透明画像データに変換するためのステップである。CPU101はS302又はS303において取得した画像データを透明画像データに変換する。
S305はS304において変換された透明画像データをRAM102に格納するためのステップである。CPU101は透明画像データをRAM102に格納する。
制御手段としてのCPU101は前述のフローチャートに基づき動作する事によって、「透明コートモード」が選択されたとき、シートのサイズに関わらずシートの画像形成可能な全域を透明トナーで覆うことにより、シートの光沢度を上げることができる。
本実施例において、有色画像が定着されていないシート又は有色画像が定着されたシートに対して透明トナー像を形成する動作について説明した。そのため、透明画像形成ステーションのみの画像形成装置に対して適用することもできる。
実施例1において、有色画像が定着されたシートに透明画像を形成する例を挙げて説明した。当然ながら、MFP100はシートに有色トナーと透明トナーを一括して定着することもできる。そのため、本実施例において、有色トナーと透明トナーをシートに転写して、シートに一括して定着する「5色モード」を備えるMFPについて説明する。
本実施例において、画像形成装置の概略構成は実施例1と同一である。そのため、実施例1と重複する箇所については同一の符号を付すことによって、説明を省略する。
(ディスプレイに表示される画面の説明) 図8の(a)はMFP100のディスプレイに表示される画面を示す図である。なお、実施例1と略同一の箇所については説明を省略する。B401は「5色モード」を選択するためのボタンである。B401が選択された場合、CPU101はディスプレイに図8の(b)の画面を表示させる。これにより、シートに有色画像を形成するための画像データを指定することができる。ユーザは「5色モード」の「ON」又は「OFF」、「ON」の時は有色画像を形成するための画像データを含めた透明印刷情報を設定した後、ユーザはB402(OKボタン)を選択することによって設定した情報を反映させることができる。また、ユーザは設定した透明印刷情報をB403(キャンセルボタン)を選択することによって設定した情報を破棄させることができる。なお、図8の(a)に示す画面においては、「5色モード」かつ「透明コート」モードが選択されている。
図8の(b)はB401が選択された際にディプレイに表示される画面である。ユーザは表示に基づき画面を操作することによって、有色画像を形成するために用いられる画像データを指定することができる。有色画像を形成するために用いられる画像データはHDD104に保存されていても良いし、スキャナ部から原稿を取り込んでも良い。スキャナ部から取り込まれる画像データを用いて画像を形成したい場合、ユーザはB501を選択する。また、HDD104に保存された画像データを用いて画像を形成したい場合、ユーザはB502を選択する。HDDに保存された画像データはリスト(B503)として表示される。ユーザはシートに形成したい画像データをリストから選択することができる。図8の(b)に示す画面においては、HDDに保存された「bbb.doc」を画像データに変換したものを用いて有色画像をシートに形成するように設定している。ユーザはB504(OKボタン)を選択することによって情報を反映させることができる。また、ユーザは設定した透明印刷情報をB403(キャンセルボタン)を選択することによって設定した情報を破棄させることができる。B504又はB505が選択されたとき、CPU101はディスプレイに図8の(a)に示す画面を表示させる。
(5色モードを説明するための概念図) 図9は「5色モード」が選択された際にシートに形成される画像について説明するための概念図である。
「5色モード」かつ「透明コートモード」が選択された場合にシートに形成される画像について、図9の(a)に示す概念図を用いて説明する。符番Pは画像を形成するシートである。このシートに対して画像データに基づき有色トナーを用いて画像を形成する。MFPは画像データに基づきシートの上にブラックトナーを用いて画像Kを、その上にシアントナーを用いて画像Cを、その上にマゼンタトナーを用いて画像Mを、その上にイエロートナーを用いて画像Yを形成する。また、MFPは形成された有色トナー像を覆うように透明トナーを用いてシートの画像形成可能な全域に透明画像Tを形成する。なお、実施例1と同様に、シートが定形サイズである場合、MFP100はシートにシートの画像形成可能な全域を透明トナーで覆うための画像データをシートの不定形サイズの場合、CPU101がシートのサイズにあわせて生成された画像データを用いてシートの画像形成可能な全域に画像Tを形成する。
「5色モード」かつ「透明プリントモード」が選択された場合にシートに形成される画像について、図9の(b)に示す概念図を用いて説明する。MFPは画像データに基づきシートの上にブラックトナーを用いて画像Kを、その上にシアントナーを用いて画像Cを、その上にマゼンタトナーを用いて画像Mを、その上にイエロートナーを用いて画像Yを形成する。また、MFPはシートに形成された有色画像を覆うように指定された透明画像データに基づき透明画像Tを形成する。以上が概念図を用いた説明である。
(フローチャートを用いたMFPの動作説明) 前記設定画面で設定された情報に基づき、画像形成装置は以下のように動作する。図10は画像処理の手順を示すフローチャートである。本実施例において、特徴的な処理である画像処理はMFP100のCPU101において実行される。以下に、制御手段としてのCPU101がROM103に保存されているプログラムに従い画像を処理する動作について説明する。なお、透明印刷設定(透明印刷モードと指定された画像データ)及び設定情報(印刷に用いるシートのサイズ)はRAM102に格納されているものとする。
S401からS404は実施例1のS101からS104と同等であるため、説明を省略する。S405は選択されたモードに応じて処理を変更するためのステップである。CPU101は「5色モード」が選択された場合、S406の処理を実行する。また、CPU101は「5色モード」が選択されなかった場合、S407の処理を実行する。
S406はシートに形成するための有色画像データを取得するためのステップである。CPU101は「5色モード」においてシートに有色画像を形成するための画像データを指定された箇所から取得する。本実施例において、画像データはHDD104又はスキャナ部116から取得することができる。HDD104に保存された画像データを用いる場合、CPU101はHDD104から画像データを取得し、RAM102に格納する。スキャナ部116から画像データを取り込む場合、CPU101はスキャナ部に対して原稿台にセットされた原稿を読み込みような制御命令を送信する。制御命令を受けたスキャナ部は原稿台に載置された原稿に基づく画像データをRAM102に格納する。
S407は「5色モード」が選択された際には、RAM102に格納された透明画像データ及び画像データに基づき、「5色モード」が選択されなかった際には、RAM102に格納された透明画像データに基づきシートに画像を形成させるためのステップである。CPU101はRAM102に格納された画像データをプリンタ部115へ送信する。画像データを受信したプリンタ部は設定情報によって指定されたサイズのシートに対して、画像データに対応する画像をシートに形成する。
このように、「5色モード」が選択された際、MFP100はシートに有色トナーと透明トナーを用いて画像を形成する。
実施例1及び実施例2において、画像形成装置はシートに形成されたトナーはいわゆる高温分離方式を用いてシートに定着した。本実施例において、高温分離方式の定着器とはシートに形成された画像を定着するために加熱した後、分離する定着器のことを指す。本実施例において、透明トナーを用いてシートを覆う目的は、シートに形成された画像表面の光沢を高くすることである。そこで、本実施例において、シートに形成された画像を冷却分離方式の定着器を用いる。本実施例において、冷却分離方式の定着器とはシートに形成された画像を加熱した後、冷却してから分離する定着器のことを指す。以下に冷却分離方式の定着器について詳しく説明する。
(画像形成装置の概略構成の説明) 本実施例において、画像形成装置としてのMFP100は補助装置118が接続されている。補助装置118は光沢化手段として冷却分離方式の定着器20を有する。前述の通り、補助装置118はARCNET規格に準じて装置間通信I/F113を介してCPU101と通信する。制御手段としてのCPU101は補助装置118に対して、フラッパ33の位置を切り替える命令を送信する。これにより、画像形成の際に冷却分離方式の定着器20を用いるか否かを切り替えることができる。本実施例は補助装置を除く部分については実施例1と略同一のため、同符号を付すことによって説明を省略する。
(冷却分離方式の定着器について) 以下に補助装置114内部の冷却分離方式の定着器20について説明する。冷却分離方式の定着器を用いると、高温分離方式の定着器を用いる時に比べてシートに形成された画像の光沢を高くすることができる。本実施例においては高温分離方式の定着器で加熱されたシートに対して光沢を高くするための処理を行うため、光沢化手段と呼ぶ。
図11に示すように、シート搬送路に沿って定着器10の下流側には本実施形態の要部として光沢化手段としての冷却分離方式の定着器20が配置されている。
定着器20は、高光沢表面を有するエンドレス状のベルト23、ベルト23との間でニップ部を形成する加圧ローラ22、冷却装置25、26から構成される。
ベルト23は、シートPの画像面と密着しながら加熱することによって、その高光沢表面をトナー像の表面に倣わせて転移させる機能を有する。本実施例において、ベルト23の表面の光沢度(60°)が100%のものを用いた。なお、ベルトの表面の光沢度が60%から100%の範囲のものを用いることによって、高温分離方式の定着器よりも画像の光沢度を高くすることができる。そのため、冷却分離定着器の画像面と密着するベルトは光沢度60%以上であればよい。
本実施例の定着ベルト23は基層(基材)、弾性層、トナー離型層の3層構造である。ベルト23の基層(基材)は熱硬化性樹脂のポリイミドを用いた。無論、他の熱硬化性樹脂、耐熱性樹脂、金属を用いても良い。基層を覆う弾性層は耐熱性を有するシリコンゴムを用いた。なお、弾性層はシリコンゴムの代わりにフッ素ゴム等を用いても良い。弾性層を覆うトナー離型層はフッ素樹脂層を用いた。
ベルト23の厚さ寸法は、薄過ぎるとベルト自身の強度やトナー受容層へのトナーの埋め込みのための加圧が不十分となり、厚過ぎるとベルトを加熱するために必要な熱量が多くなりトナーの埋め込みが不十分になるおそれがある。したがって、ベルトの厚さ寸法は100〜300μmの範囲が好ましく、本実施例においては厚さ100μmのベルトを用いた。
ベルト23は加熱ローラ21とテンションローラ24によって張架されている。加熱ローラ21は補助装置から駆動力を得て駆動ローラとして機能する。加熱ローラ21が駆動力を受けて回動すると、張架されているベルト23は加熱ローラ21とテンションローラ24の周りを回動する。
加熱ローラ21は熱伝導性の良い金属製の芯金と芯金を覆う弾性層としてのゴム層を有する。加熱ローラ21の芯金は中空のパイプ形状である。芯金は直径44mm、厚さ5mmのアルミニウム製である。また、ゴム層はJIS−A硬度が50度、厚さ300μmのシリコンゴムで成形されている。
加熱ローラ21の内部には加熱源としてのハロゲンヒータが設置されている。なお、加熱源には電磁誘導加熱を使ったいわゆるIH方式のものを使うことも可能である。
加熱ローラ21に対向するベルト23の外面近傍には、ベルト23の温度を検出する検出手段としてのサーミスタが設置されている。サーミスタから出力された検出信号はプリンタコントローラ108に送信される。プリンタコントローラ108は受信した検出信号に基づいてハロゲンヒータへの通電を制御する。これにより、プリンタコントローラは加熱ローラ21に巻き付いた部分のベルト23の温度が130℃を維持するように制御する。
テンションローラ24は、その外径曲率によってベルト23からシートが剥離される分離部に設置されている。本実施例におけるテンションローラの直径は30mmである。これにより、シートはシートが有する”腰の強さ(こわさ)”でベルト23から剥がれて離れる。
ベルト23を挟んで加熱ローラ21に対向する位置には加圧ローラ22が回転可能に設置されている。加圧ローラはベルト23の周回動によって摩擦で連れ回されて回転させるようになっている。加圧ローラ22は、金属製芯金とこの上に弾性層としてのゴム層を設けた中空ローラとして形成されている。ゴム層は厚さ3mmのシリコンゴムで成形されている。この加圧ローラ22の内部にもハロゲンヒータなどの加熱源が設置されている。これにより、加圧ローラ22は加熱ローラ21と共にシートの加熱を行う。なお、加熱源としては電磁誘導加熱を使ったIH方式など他の方式のものを使うことも可能である。加圧ローラ22が加熱ローラ21と協働してベルト23を挟み込む。本実施例において、ベルトを挟み込む総圧は50kgw(490N)である。加圧ローラ22はベルト23との間でニップ部を形成する。本実施例において、形成されたニップはシート搬送方向に沿って長さを5mmであった。
加熱ローラ21と同様に、加圧ローラ22の外面近傍にも加圧ローラ22の温度を検出する検出手段としてのサーミスタが設置されている。このサーミスタから出力された検出信号はプリンタコントローラに送信される。プリンタコントローラは受信した検出信号に基づいてハロゲンヒータへの通電を制御する。本実施形態では、プリンタコントローラは加圧ローラ22の表面の温度が90℃を維持するよう制御する。
ベルト23と加圧ローラ22との間に形成されるニップ部に挟持されて加熱されかつ加圧されたシートPは、ベルト23に密着したまま搬送される。ベルト23に密着したシートは冷却領域へ搬送され、冷却手段としての冷却ファン25、26によって冷却される。冷却ファンはベルト23の冷却領域を冷却する。冷却ファン25、26はベルト23の冷却領域の内面側と外面側に設置された内側ダクトと外側ダクトを備えている。冷却ファン25、26によって生成された冷却風は、内側と外側のそれぞれダクト内を通るように構成されている。これにより、シートPがベルト23から剥離する位置に到達するまでに、ベルト23と接触するシート表面の温度をトナーのガラス転移点の温度付近まで冷却する。
なお、冷却ファン25、26はベルト23の片面側だけとしてもよい。また、冷却手段は水などの冷媒を内包したヒートパイプ、ヒートシンクやペルチェ素子を用いても良く、冷却ファンに限るものではない。
このような構成の定着器20を用いる際に、シートPがベルト23から剥がれ始める剥離温度は定着器10の剥離温度よりも十分に低い。つまり、定着器10は「高温剥離方式」の定着器である。また、定着器20はシートPが低温になった状態で剥がれ始める「低温剥離方式」の定着器である。
以下に上述の構成の光沢化手段としての定着器20がシートに形成された画像を加熱した後、冷却してから分離する流れについて説明する。
高温分離方式の定着器10によって画像が定着されたシートが例えば約80℃の高温度を保持した状態で光沢化手段としての定着器20へ送り出される。光沢化手段としての定着器20に送り込まれたシートPはニップ部において画像面を再加熱される。このとき、シートに定着された画像はトナーのガラス転移温度(Tg)よりも十分に高い約110℃温度まで加熱される。
その後、シートPはベルト23に密着したまま冷却領域へと搬送され、冷却手段としての冷却ファンによって冷却される。冷却された画像表面の温度はトナーのガラス転移温度(Tg)以下の約50℃まで冷却される。
画像をガラス転移温度以下に冷却することによって、画像表面の光沢度はベルト23の表面の光沢度に倣って高くなる。十分に冷却されたシートPは分離部にて自らの剛性や腰のこわさでもって剥がれる。このとき、シート表面のトナーは十分に冷却されているため固化している。これにより、シート表面のトナーがベルト23に転移することを抑制することができる。そのため、シートに形成された画像面に凹凸が生じにくく、分離によって画像面が粗くなりにくい。
ベルト23から剥離したシートPは必要に応じてカッター27によって端部余白部を裁断される。これにより、余白の無い状態のシートが出力される。
(ディスプレイに表示される画面の説明) 図12はMFP100のディスプレイに表示される画面を示す図である。なお、実施例1と略同一の箇所については説明を省略する。B601は「高光沢化モード」を選択するためのボタンである。B601が選択された場合、RAM102に画像形成の際に光沢化手段としての定着器20を用いてシートを処理する「高光沢化モード」が選択された情報を保持する。
ユーザはB602(OKボタン)を選択することによって設定した情報を反映させることができる。また、ユーザは設定した透明印刷情報をB403(キャンセルボタン)を選択することによって設定した情報を破棄させることができる。なお、図12に示す画面においては、「高光沢化モード」かつ「透明コート」モードが選択されている。
(フローチャートを用いたMFPの動作説明) 前述の画面を操作することによって設定された設定された情報に基づき、画像形成装置としてのMFP100は以下のように動作する。図13は画像処理の手順を示すフローチャートである。本実施例において、特徴的な処理である画像処理はMFP100のCPU101において実行される。以下に、制御手段としてのCPU101がROM103に保存されているプログラムに従い画像を処理する動作について説明する。なお、透明印刷設定(透明印刷モードと指定された画像データ)及び設定情報(印刷に用いるシートのサイズ及び定着器20を用いるか否か)はRAM102に格納されているものとする。
S501からS504は実施例1のS101からS104と同等であるため、説明を省略する。本実施例において、制御手段としてのCPU101は設定情報に基づき光沢化手段としての定着器20を用いるかどうかを切り替える。
S505は光沢化手段としての定着器20を使用するか否かに応じて処理を変更するためのステップである。CPU101はS501において取得した設定情報が高光沢化手段を使用するように設定されているとき、S506の処理を実行する。また、CPU101はS501において取得した設定情報が高光沢化手段を使用しないように設定されているとき、S507の処理を実行する。
S506は高光沢化手段としての定着器20を用いて画像の光沢度を高くする際に、RAM102に格納されたデータをプリンタ部へ送信することによって画像を形成させるためのステップである。CPU101はS603又はS604においてRAMに格納された透明画像データをプリンタ部へ送信する。また、CPU101はプリンタ部へ定着器20を用いてシートに定着された画像の光沢を高くするような制御命令を送信する。
S507は高光沢化手段としての定着器20を用いずに画像を形成する際に、RAM102に格納されたデータをプリンタ部へ送信することによって画像を形成させるためのステップである。CPU101はS603又はS604においてRAMに格納された透明画像データをプリンタ部へ送信する。また、CPU101はプリンタ部へ定着器20を用いないように制御する制御命令を送信する。つまり、画像形成システムとしてのMFPはシートに形成された画像を定着する定着手段しての定着器10と前記定着手段によりシートに定着された画像の光沢度を向上させる光沢化手段としての冷却分離方式の定着器20を有し、定着手段としての定着器10と光沢化手段としての定着器20を用いて画像形成を行う「高光沢化モード」(第1モード)と光沢化手段としての定着器20を用いることなく定着手段としての定着器10を用いて画像形成を行うモード(第2モード)を有する。ここで、画像の光沢度を高くする処理のことを光沢化処理と呼ぶ。
このように制御することによって、シートに形成される画像の光沢度を2段階で調整することができる。
実施例1から実施例3において、画像を形成するシートとしてマットコート紙を用いる場合について説明した。そのため、定着器10を用いてシートに画像を形成する際に光沢は高くなっていた。しかしながら、POD(Print On Demand)や商用印刷分野において、様々な種類のシートに対して画像を形成する。
そのため、シートの表面をコーティングすることによって、光沢度を高くしたグロスコート紙に対して画像を形成する場合について考える。マットコート紙を透明トナーで覆い定着器10で定着した場合、透明トナーで覆う前のシートの表面よりも光沢度が高くなる。しかしながら、グロスコート紙を透明トナーで覆い定着器10で定着した場合、透明トナーで覆う前のシートの表面よりも光沢度が低くなる。そのため、画像を形成するシートの種類によっては透明トナーで画像形成可能な全域を覆うことによって、光沢度が低下することがわかった。そのため本実施例では、画像を形成するシートが高光沢紙である場合には冷却分離方式の定着器20を用いてシートの光沢度よりも高い光沢に仕上げる装置について説明する。画像形成装置は実施例3と略同一の構成である。そのため、同一符号を付すことで説明を省略する。なお、高光沢紙とは、高温分離方式の定着器10を用いてトナーをシートに形成した場合に画像が形成された箇所の光沢度が低下するシートのことを指す。反対に、低光沢紙とは、高温分離方式の定着器10を用いてトナーをシートに形成した場合に画像が形成された箇所の光沢度が上昇するシートのことを指す。
(シートに形成されるトナー載り量と光沢度の関係について) 図14の(a)はシートに形成された画像を定着器10で定着した場合における単位面積あたりのトナーの量と光沢度の関係を示したグラフである。図14おける点線は画像を定着したシートがグロスコート紙、破線はマットコート紙を用いた場合の結果を表す。なお、本実施例において、マットコート紙は日本製紙製 ユーライト(商標)の157g/m2を用いた。また、グロスコート紙は王子製紙製 SA金藤+(商標)の157g/m2を用いた。
高温分離方式の定着器10を用いてマットコート紙に形成されたトナーを定着する場合、トナーの載り量に比例して光沢が上昇する。反対に、高温分離方式の定着器10を用いてグロスコート紙に形成されたトナーを定着する場合、トナーの載り量に比例して光沢が低下する。グラフに示す通り、マットコート紙の表面がトナー(本実施例においては60%から70%)で十分に被覆されると、透明トナーの量を増やしても光沢は上昇しない。同様に、グロスコート紙の表面がトナー(本実施例においては50%から60%)で十分に被覆されると、透明トナーの量を増やしても光沢は低下しない。
冷却分離方式の定着器20を用いてマットコート紙及びグロスコート紙に形成されたトナーを定着すると、トナーの載り量に比例して光沢が上昇する。高温分離方式の定着器10を用いる場合と同様に、シートの表面がトナー(本実施例においては60%から70%)で十分に被覆されると、透明トナーの量を増やしても光沢は上昇しない。
このように、グロスコート紙に形成された画像の光沢度を画像が定着される前のグロスコート紙の光沢度よりも高くしたいとき、冷却分離方式の定着器20を用いる必要がある。
(ディスプレイに表示される画面の説明) 図15はMFP100のディスプレイに表示される画面を示す図である。なお、実施例1と略同一の箇所については説明を省略する。グロスコート紙に形成された画像を定着器10で定着する場合、グロスコート紙本来の光沢よりも低くなる場合がある。そのため、MFPを利用するユーザはシートが高光沢紙である場合は冷却分離方式の定着器20を用いるように手動で変更する必要があった。しかしながら、ユーザが数ある紙種の中からどの銘柄が高光沢紙に分類されるかを判断することは難しい。また、MFP本体の特性(例えば、定着器の構成、画像を形成するために用いるトナーの物性等)に応じて高光沢紙に分類される銘柄は変わってしまう。
そのため、ユーザはディスプレイに表示される画面を操作して、画像を形成するシートの銘柄を入力する。CPU101はRAM102内部に格納されたMFP本体の特性に応じて、ユーザによって入力されたシートを分類する。なお、物性の異なるトナーを詰め替えて使用しない場合、分類は一意に決定することができる。そのため、RAM102に格納された銘柄と分類を対応させた表を利用してユーザによって入力されたシートを分類しても良い。
図15はB104がユーザによって選択されたとき、ディスプレイ111に表示される画面の一例を示す図である。図15が表示された状態において、ユーザは印刷に用いるシートについて設定することができる。
B701はシートが格納されている箇所を変更するためのプルダウンメニューである。ユーザはB701を選択することにより、印刷に用いるシートが格納されている箇所を設定することができる。B702は印刷に用いるシートの種類を変更するために選択可能に表示されたリストである。図15に示す画面においては、ユーザは「カセット1」に格納されているシートの種類は「A社製グロスコート紙:A5 坪量157g/m2」である。図3の(b)の画面においては印刷に用いるシートのサイズはA5サイズとなっている。このような設定画面において設定された印刷に用いるシートの種類に関する情報及びサイズ情報はRAM102に格納される。B703は印刷に用いるシートの種類がリストに表示されていない際に外部からシートの種類を追加するためのボタンである。
印刷に用いるシートの情報が設定された状態において、ユーザはB704(OKボタン)を選択することにより、設定情報を反映させることができる。ユーザがB704(OKボタン)を選択した場合、CPU101は図3の(a)に示す画面をディスプレイ111に表示させる。
また、ユーザはB705(キャンセルボタン)を選択することにより、設定情報を破棄させることができる。ユーザがB705(キャンセルボタン)を選択した場合、CPU101は図15において設定された情報を破棄し、図3の(a)に示す画面をディスプレイ111に表示させる。
(フローチャートを用いたMFPの動作説明) 前記設定画面で設定された情報に基づき、画像形成装置は以下のように動作する。図16は画像処理の手順を示すフローチャートである。本実施例において、特徴的な処理である画像処理はMFP100のCPU101において実行される。以下に、制御手段としてのCPU101がROM103に保存されているプログラムに従い画像を処理する動作について説明する。なお、透明印刷設定(透明印刷モードと指定された画像データ)及び設定情報(印刷に用いるシートの種類及びサイズ)はRAM102に格納されているものとする。
S601からS604は実施例1のS101からS104と同等であるため、説明を省略する。フローチャートを用いてMFPの動作説明する。CPU101は画像を形成するシートが高光沢紙である場合、光沢化手段としての定着器20を用いるようにプリンタ部を制御する。
S605は画像を形成するシートの種類に応じて処理を変更するためのステップである。CPU101はカセットに格納されたシートが高光沢紙に分類される場合、S606の処理を実行する。また、CPU101はカセットに格納されたシートが低光沢紙に分類される場合、S607の処理を実行する。
S606はカセットに格納されたシートが高光沢紙の際に高光沢化手段としての定着器20を用いてに画像を形成するためのステップである。CPU101はS603又はS604においてRAMに格納された透明画像データをプリンタ部へ送信する。また、CPU101はプリンタ部へ定着器20を用いるように制御する制御命令を送信する。
S607はカセットに格納されたシートが低光沢紙の際に高温分離方式の定着器10を用いてに画像を形成するためのステップである。CPU101はS603又はS604においてRAMに格納された透明画像データをプリンタ部へ送信する。また、CPU101はプリンタ部へ定着器20を用いないように制御する制御命令を送信する。
なお、本実施例においてCPU101はシートが高光沢紙か低光沢紙かに基づき処理を変更したが、シートの光沢に対応する情報に基づき処理を変更しても良い。つまり、CPU101はシートの光沢度に関する情報を取得し、シートの光沢度が所定値以上である場合、S606の処理を実行させてもよい。画像形成システムとしてのMFP100はシートの光沢に対応する情報を取得する光沢取得手段としてのCPU101を有し、光沢取得手段としてのCPU101によって取得したシートの光沢度が本実施例における所定値としての35%以上であるとき、制御手段としてのCPU101は定着手段としての定着器10と光沢化手段としての定着器20を用いてシートに形成された画像をシートの光沢度よりも高くするように制御する。
上述のようにMFPを制御することによって、定着器10を用いて高光沢紙に透明トナーを定着することによって画像が形成された箇所の光沢が低下することを防止することができる。
(画像形成システム構成について) 実施例1から実施例4において、シートのサイズに応じてシートの画像形成可能な全域に透明画像を形成する画像データはMFP100本体に格納されていた。しかしながら、シートのサイズに応じてシートの画像形成可能な全域に透明画像を形成するための画像データはMFP100のHDD104に格納されている必要はない。また、画像を形成するシートのサイズに応じて、画像データを選択する選択手段についても、MFP100のCPU101である必要は無い。
実施例1及び実施例2において、画像形成システムは画像形成装置としてのMFP100のみから構成されていた。また、実施例3及び実施例4において、画像形成システムは画像形成装置としてのMFP100と補助装置114から構成されていた。
そこで、本実施例では、画像形成装置としてのMFP100とPC300からなる画像形成システムとMFP100とPC300とMFP Controller200からなる画像形成システムについて説明する。
(画像形成システムの構成例について) 図17は画像形成システムの構成例を示す図である。図17の(a)で示す画像形成システムはMFP100単体で構成されている。画像形成システムは図17の(b)及び(c)に示すような構成も考えられる。
図17の(b)に示す画像形成システムはMFP、MFP Controller、及び、PCによって構成される。また、図17の(c)に示す画像形成システムはMFP及びPCによって構成される。以下にPC及びMFP Controllerのハードウエア構成について説明する。
なお、画像形成システムを構成するPC300はMFP100に対して印刷命令を送信可能な外部端末の一例である。そのため、MFP100に対して印刷命令を送信可能な他の端末をPCの代替として用いてもよい。例えば、WS(Work Station)やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯可能な情報端末を代替として用いてもよい。
(PCのハードウエア構成について) 図18の(b)は情報処理装置としてのPCの一例であるPC300のハードウエア構成を示すブロック図である。以下にPC300のハードウエア構成について説明する。
CPU301(Central Prossessing Unit)、RAM302(Random Access Memory)、ROM303(Read Only Memory)はバス304に接続されている。同様に、HDD305(Hard Disk Drive)、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308はバス304に接続されている。なお、バス304に接続されている各種ユニットはバス304を介して相互に通信することができる。
CPU301は例えばROM303に保存されているプログラムをRAM302に展開して実行する。ROM303はCPU301で実行されるプログラムを記録する。RAM302はCPU301がプログラムを実行するときに用いられる。また、CPU301はバス304を介して、HDD305、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308に対して制御命令等を送信する。また、CPU301はバス304を介して、HDD305、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308からの状態を示す信号又は画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU301はPC300を構成する各種ユニットを制御することができる。
HDD305はPC300で用いる各種ファイルを記録する。ネットワークコントローラ306は外部の機器と通信するための専用回路である。ネットワークコントローラ306はCPU301から送信される信号を変調してIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、EthernetI/F312を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ306はEthernetI/F312を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU301に送信する。このとき、PC300がMFP100又はMFP Controller200と通信する経路はLAN(Local Area Network)に限るものではなく、インターネットを経由しても良い。
また、I/Oコントローラ308はCPU301から送信される信号を各インターフェイスの規格に準じた信号に変換してUSBI/F又はPS/2 I/Fに接続された装置へ送信する。また逆にUSB I/F又はPS/2 I/Fから受信した信号を変換しCPU301へ送信する。これにより、PC300はMFP100とUSB(Universal Serial Bas) I/F313を介して相互に通信することができる。また、PC300は入力デバイスとしてのキーボード310、マウス311からの入力をPS/2 I/F309を介して取得することができる。
また、ビデオコントローラ307はCPU301から受信した描画命令に応じて画像データをディスプレイ314に表示できる信号に変換する。これにより、CPU301はディスプレイ314に対して画面を表示させることができる。
本実施例において、CPU301はOS(Operating System)に従いPCを構成する各種ハードウエアを制御する。これにより、ユーザはPCを構成するハードウエアを意識することなく、GUI(Graphical User Interface)を操作することによって、PCに所望の動作を実行させることができる。これにより、ユーザはOS上で実行されているアプリケーションプログラムから外部のMFPに対して印刷命令を送信することができる。印刷命令をMFPに対して送信する際、MFPの機種によって制御方法が異なる。そのため、PCはMFPの機種に対応するドライバプログラムを用いてMFPに応じた制御命令を生成する。ドライバプログラムはOSに組み込まれることによって、接続された周辺機器に応じた制御命令を作成することができる。
(MFP Controllerのハードウエア構成について) 以上が本例でのPCのハードウエア構成に対する説明である。図18の(a)はPDL(Page Discription Language)をイメージデータに変換することができるMFP Controller200のハードウエア構成を示すブロック図である。以下にMFP Controller200のハードウエア構成の一例について説明する。
画像形成システムを構成するMFP Controller200はPC300から受信したPDLをMFP100が印刷の際に用いるイメージデータに変換する。以下、PDLをイメージデータに変換する処理をRIP(Raster Image Possessing)と呼ぶ。
CPU201、RAM202、ROM203、画像処理専用回路204はバス205に接続されている。同様に、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209はバス205に接続されている。
CPU201は例えばROM203に保存されているプログラムをRAM202に展開して実行する。また、CPU201はバス105を介して、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209に対して制御命令等を送信する。また、CPU201はバス205を介して、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209からの状態を示す信号および画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU201はMFP Controller200を構成する各種ユニットを制御することができる。
MFP Controller200はPC300とEthernet I/F213を介して接続されている。またMFP Controller200はMFP100とEthernet I/F213介して接続されている。ネットワークコントローラ207はCPU201から送信される信号を変調してIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、EthernetI/F213を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ207はEthernetI/F213を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU201に送信する。
また、I/Oコントローラ209はCPU201から送信される信号を各インターフェイスの規格に準じた信号に変換してUSB I/F214またはPS/2 I/F210に接続された装置へ送信する。また、I/Oコントローラ209はUSB I/F214又はPS/2 I/F210から受信した信号を変換しCPU201へ送信する。これにより、MFP Controller200はMFP100とUSB(Universal Serial Bas) I/F313を介して相互に通信することができる。また、MFP Controller200は入力デバイスとしてのキーボード211、マウス212からの入力信号をPS/2 I/F210を介して取得することができる。
また、ビデオコントローラ208はCPU201から受信した描画命令に応じて画像データをディスプレイ215に表示できる信号に変換し、ディスプレイ215に送信する。これにより、CPU201はディスプレイ215に対して画面を表示させることができる。
MFP Controller200はPC300から送信されるPDLを受信し、記述されたPDLをRIPする。RIP時の算術演算命令は画一的な繰り返し処理を含む。そのため、すべての算術演算命令をCPU201で実行するよりも画像処理命令を処理するのに最適化されたハードウエアによって処理した場合の方が短い実行時間で済む場合が多い。そのため、MFP Controller200はRIPをCPU201と画像処理専用回路204で分担して実行する。もちろん、RIPをCPU201のみで実行してもよい。画像処理専用回路204はASIC(Application Spesific Integrate Circuit)で構成されている。無論、画像処理専用回路204は再構成可能なハードウエア(例えばPLD(Programmable Logic Device))で実装されてもよい。このようにして、CPU201及び画像処理専用回路204において変換されたイメージデータはMFP100へ送信される。
本実施例において、イメージデータの作成はMFP Controller200で実行される。しかしながら、イメージデータの作成はPC300やMFP100で実行されてもよい。
以上が本例でのMFP Controllerのハードウエア構成に対する説明である。
(各画像形成システムにおける制御処理について) 本実施例において、画像形成システムはMFP、MFP Controller、PC等の複数の装置から構成される。実施例1において、MFP100のCPU101がフローチャートに従い画像形成装置の制御を行った。つまり、図17の(a)のように画像形成システムがMFP100単体で構成される場合、制御処理はMFP100内部のCPU101において実行された。しかし、図17の(b)のように画像形成システムがMFP100、MFP Controller200、PC300で構成される場合、制御処理はMFP100のCPU101がすべてのステップを実行する必要がない。例えば、MFP Controller200のCPU201が制御処理を実行してもよい。また、図17の(c)のように画像形成システムがMFP100、PC300で構成されるとする。このとき、例えば、PC300のCPU301が制御処理を実行してもよい。また、画像を形成するために画像データはPC300のHDD305に格納された画像データを用いても良い。
(システム化された装置における制御処理の分担実行について) 前項で説明したように、複数の装置から成るシステムにおいて、MFP100のCPU101が制御処理を実行する必要がない。また、必ずしも同一装置のCPUが実行する必要もない。つまり、複数の装置内部に存在する複数のCPUが制御処理を分担して実行しても良い。以下に、PC300のCPU301がMFP100のCPU101が実行したステップを代替実行する例について説明する。
(PCに接続されたディスプレイに表示される画面の説明) 本実施例において、ユーザはPC300のディスプレイ314に表示される画面に応じて、マウス311等の入力デバイスを用いて透明印刷情報及び設定情報をRAM302に格納させる。以下に、ディスプレイ314に表示される画面について説明する。
(図19の(a)に関する説明) 図19の(a)はディスプレイ314に表示される画面の一例を示す図である。この画面において、ユーザは印刷に用いるシートについて設定することができる。
B801はシートが格納されている箇所を変更するためのプルダウンメニューである。ユーザはB801を選択することにより、印刷に用いるシートが格納されている箇所を設定することができる。B802は印刷に用いるシートのサイズを変更するための選択可能に表示されたリストである。図19の(a)の画面においては印刷に用いるシートのサイズはA4サイズとなっている。このような設定画面において設定された印刷に用いるシートのサイズ情報はRAM302に格納される。B803は余白を変更するためのボタンである。ユーザは余白設定を変更することにより、シートの画像形成可能な領域を変更することができる。B804はB802に表示されたシートのサイズを追加するための画面である。これにより、使用頻度が低いシートサイズをB802に表示されたリストから選択できるようにする。B805は印刷に用いるシートのサイズが不定形サイズである場合にそのシートのサイズを設定するためのボタンである。
印刷に用いるシートの情報が設定された状態において、ユーザはB806(OKボタン)を選択することにより、設定情報を反映させることができる。
また、ユーザはB807(キャンセルボタン)を選択することにより、設定情報を破棄させることができる。
(図19の(b)及び(c)に関する説明) 図19の(b)及び(c)はユーザが「透明印刷設定」を設定する際にディスプレイ314に表示される画面の一例を示す図である。図19の(b)が表示された状態において、ユーザは透明印刷設定情報としての透明印刷モードを設定することができる。
ユーザはB901を選択することによって「透明コートモード」を選択することができる。また、B902を選択することによって「透明プリントモード」を選択することができる。ユーザはB301又はB302を選択することによって透明印刷モードを設定することができる。なお、図19の(b)に示す画面では「透明コートモード」が選択されている。また、図19の(c)に示す画面では「透明プリントモード」が選択されている。また、ユーザが「透明プリントモード」(B902)を選択した場合、透明トナーを用いて画像を形成するために用いる画像データを指定する必要がある。そこで、B902が選択された際、ユーザはB903に表示されたリストから透明画像形成に用いるシートを選択する。B903にはHDD304に保存されている画像データが選択可能に表示される。以下、透明印刷モード及び透明プリントモードにおいて必要が画像データに関する情報を透明印刷情報と呼ぶ。
このように透明印刷情報が設定された状態において、ユーザはB904(OKボタン)を選択することにより、透明印刷情報をRAM302に保存することができる。また、ユーザはB905(キャンセルボタン)を選択することにより、透明印刷情報を破棄させることができる。
このように透明印刷情報、シートのサイズに関する設定情報をRAM302に保存する。上述の画面を用いて設定した透明印刷情報及び設定情報に基づきCPU301はMFP100を制御するための命令をMFP100へ送信する。
(フローチャートを用いたPCの画像形成装置を制御するための動作説明) 本実施例においては、実施例1においてCPU101が実行した処理に対応する処理をPC300のCPU301が実行する。各ステップの動作は実施例1の場合と略同一のため図7に示すフローチャートを用いて説明する。
シートに透明トナーを用いて画像を形成するMFPの画像形成手段としてのプリンタ部へ画像を形成するために用いられる画像データを送信させるように下記のステップをコンピュータに実行させることが出来るプログラムを実行することによってPC300は以下の動作をする。
S101は画像を形成するシートのサイズを取得するためのステップである。CPU301はRAM302に格納された透明印刷情報及び設定情報を取得する。
制御手段としてのCPU301はS101で取得した透明印刷モードが「透明コートモード」である場合、S103の処理を実行する。また、S101で取得した透明印刷モードが「透明プリントモード」である場合、S104の処理を実行する(S102)。CPU301は後述する定義済み処理を実行する(S103)。CPU301は後述する定義済み処理を実行する(S104)。
S105はS103又はS104においてRAMに格納された画像データに基づく透明画像がシートに形成されるように画像形成手段としてのプリンタ部に画像データを送信するためのステップである。CPU301はRAM302に格納された透明画像データをEthernet I/ F312を介して画像形成システムとしてのMFP100へ送信する。無論、図17の(b)に示す構成においてはCPU301はRAM302に格納された透明画像データをMFP Controller200に送信してもよい。制御手段としてのCUP101はMFP100に送信された透明画像データに基づく透明画像がシートに形成されるようにプリンタ部を制御する。
以下に、定義済み処理S103及び定義済み処理S104について詳しく説明する。CPU301は画像形成に用いるシートが不定形サイズである場合、S205の処理を実行する。また、画像形成に用いるシートが定形サイズである場合、S202の処理を実行する(S201)。
CPU301は画像形成に用いるシートの余白が変更された場合、S204の処理を実行する。また、画像形成に用いるシートの余白が変更されていない場合、S203の処理を実行する(S202)。
CPU301はシートのサイズと透明画像データの関係を保存したテーブルを用いて、画像形成に用いるシートの画像形成可能な全域に透明トナーを載せるための画像データをHDD305から読み込む。これにより、CPU301は格納手段としてのHDD305に画像を形成するシートのサイズを取得するためのステップ(S101)で取得したサイズのシートの画像形成可能な全域に透明トナーを形成するための画像データが格納されている場合、シートの画像形成可能な全域に透明トナーを用いて画像を形成するための画像データを格納手段としてのHDDから取得させる(S203)。
CPU301は変更された余白に基づき透明画像データを生成する(S204)。
CPU301はS101において取得した不定形サイズのシートの画像形成可能な全域に透明画像を形成するための透明画像データを生成する(S205)。
CPU301はS203においてHDD305から読み出した透明画像データ又はS204、S205において生成された透明画像データをRAM302に格納する(S206)。
続いて、定義済み処理S104について詳しく説明する。実施例1とは異なり、PC側においてスキャナを用いて原稿を取り込むように指示する必要はない。そのため、S301及びS303は実行しない。本実施例においては、定義済み処理S104はS302から実行されるものとする。
CPU301は透明印刷情報で指定された部分的に透明画像を形成するために用いられる画像データをHDD305から読み込む(S302)。CPU301はS302において取得した画像データを透明画像データに変換する(S304)。CPU301はS302において変換した透明画像データをRAM302に格納する(S305)。
以上により、情報処理装置としてのPC300は透明画像データを画像形成装置としてのMFP100に送信する。これにより、「透明コートモード」が選択された場合に、PC300において指定されたシートのサイズに応じて、そのシートの画像形成可能な全域を透明トナーで覆うようにMFP100を制御することができる。
なお、上述の理を実行させるためのプログラムは情報処理システム若しくは情報処理装置に対して遠隔から供給されてもよい。また、情報処理システムに含まれる情報処理装置が情報処理システムの外部の情報処理装置に保存されているプログラムコードを読み出して実行してもよい。
つまり、情報処理装置にインストールされるプログラム自体も前述の処理を実現させるものである。なお、プログラムによって情報処理装置が前述の処理を実行する限りにおいて、プログラムの形態を限定しない。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、記録媒体としては、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
また、MFP100においては、プログラムはEthernet I/F114を介してネットワークからダウンロードしてもよい。また、MFP Controller200及びPC300においては、プログラムはブラウザを用いてインターネットのホームページからダウンロードしてもよい。すなわち、該ホームページからプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードしてもよいのである。また、前述の処理を実行するためのプログラムを構成するプログラムを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、プログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバは構成要件となる可能性がある。
また、プログラムファイルを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。この場合、所定条件をクリアしたユーザにのみ、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報で暗号化されたプログラムを復号して実行し、プログラムを情報処理装置にインストールしてもよい。
なお、そのプログラムの指示に基づき、情報処理装置上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、情報処理装置に挿入された機能拡張ボードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。