JP2009293761A - 回転伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転方向ガタが小さく、空転時の信頼性の高い、トルク容量の大きな回転伝達装置を提供する。
【解決手段】外輪11と内輪12間に、軸方向に移動可能な制御保持器19Aと、回転可能な回転保持器19Bとを組込み、各保持器19A、19Bに設けられた柱部21、23間のポケット24内に対向一対のローラ25と、ローラ25を離反する方向に付勢するコイルばね26とを組込む。電磁クラッチ40の作動によって移動される制御保持器19Aがロータ42側又は、離反する方向に移動させ、トルクカム30により制御保持器19Aと回転保持器19Bをポケット24の周方向幅が小さくなる方向又は、大きくなる方向に相対回転させて対向一対のローラ25を係合解除状態又は、係合状態とする。回転保持器19Bのフランジ22と内輪12の一側面間に摩擦低減材27を設けて、回転保持器19Bが内輪12に対して円滑に相対回転できるようにする。
【選択図】図1

Description

この発明は、動力の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝達装置に関するものである。
FRベースの4輪駆動車において、補助駆動輪としての前輪に駆動力の伝達と遮断とを行う回転伝達装置として、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
上記特許文献1に記載された回転伝達装置においては、入力側部材に形成された大径部とその外側に設けられた外輪間に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチに併設した電磁クラッチによって2方向クラッチの係合および係合解除を制御し、上記2方向クラッチの係合により入力側部材と外輪を結合して、入力側部材と外輪の相互間で回転トルクの伝達を行うようにしている。
ここで、2方向クラッチは、外輪の内周に円筒面を形成し、入力側部材の大径部の外周には上記円筒面との間で周方向の両端が狭小のくさび形空間を形成するカム面を設け、そのカム面と円筒面との間にローラからなる係合子を組込み、その係合子を保持する保持器と入力側部材の相対回転により係合子を円筒面およびカム面に係合させるようにしている。また、入力側部材と保持器との間にスイッチばねを組込み、そのスイッチばねにより、係合子が円筒面およびカム面に対して係合解除される中立位置に保持器を弾性保持している。
一方、電磁クラッチは、保持器に回り止めされ、かつ軸方向に移動自在に支持されたアーマチュアと、外輪に接続されてアーマチュアと軸方向で対向するロータと、そのロータと軸方向で対向する電磁石と、上記アーマチュアをロータから離反する方向に付勢する離反ばねとからなり、上記電磁石に対する通電により、ロータにアーマチュアを吸着し、外輪に結合されたアーマチュアと入力側部材の相対回転により係合子を円筒面およびカム面に係合させるようにしている。
ところで、上記2方向クラッチにおいては、くさび空間の広幅部に配置された中立位置のローラを入力側部材と保持器の相対回転によりくさび空間の狭小部に噛み込ませる構成であるため、回転方向のガタが大きいという不都合がある。
また、外輪と入力側部材の相互間で一方向の回転トルクを伝達する状態から回転トルクの伝達方向を切換える場合、ローラがくさび空間の他端側の狭小部に噛み込むまで保持器を回転させる必要があるため、回転方向の切換え時における応答性が低いという不都合もある。
そのような不都合を解消するため、特許文献2では、隣接するローラの一方がくさび空間の一端側に位置し、他方のローラがくさび空間の他端側に位置するよう複数のローラを周方向に不等配に配置した2方向ローラクラッチを提案している。
特開2005−249003号公報 特開2003−262238号公報
ところで、上記特許文献2に記載された2方向ローラクラッチにおいては、回転方向ガタを小さくすることができるものの、回転方向ガタを完全に無くすことはできず、また、ローラと外輪円筒面および内輪カム面間の隙間が小さいため、2方向ローラクラッチの空転時にローラがミス係合する可能性があり、空転時の信頼性が低いという問題がある。
さらに、外輪と内輪の相互間における回転トルクの伝達状態では、複数のローラの半数のローラが係合状態であって、残りの半数のローラは係合解除状態にあるため、トルク容量が小さいという問題がある。
この発明の課題は、回転方向ガタが小さく、空転時の信頼性の高い、トルク容量の大きな回転伝達装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、外輪の内側にボス部を一側面に有する内輪を組込み、その内輪の外周と前記外輪の内周の一方に円筒面を形成し、他方にその円筒面との間で周方向の両端に至るに従って狭小のくさび空間を形成する複数のカム面を周方向に間隔をおいて設け、前記外輪と内輪との間に、前記ボス部に回転自在に嵌合されるフランジを有し、そのフランジの外周に複数の柱部が形成された制御保持器およびその制御保持器と同一形状の回転保持器を、回転保持器のフランジが内輪の一側面と対向し、複数の柱部が前記円筒面とカム面間において周方向に交互に配置されるよう組込んで、隣接する柱部間に形成されたポケットをカム面に対向し、前記回転保持器のフランジと内輪の対向面間に摩擦低減材を設け、前記制御保持器のフランジと回転保持器のフランジの対向面間に、その対向するフランジ間の間隔が狭くなる方向への制御保持器の移動によってポケットの周方向幅が小さくなる方向に一対の保持器を相対回転させるトルクカムを設け、前記複数のポケットのそれぞれ内部に対向一対のローラと、その一対のローラを離反する方向に向けて付勢するコイルばねとを組込み、前記内輪の他側面に固定された円板状のばね保持器の外周に、制御保持器と回転保持器とがポケットの周方向幅を縮小する方向に相対回転した際に、各保持器の柱部を受け止めて対向一対のローラを中立位置に保持する複数の回り止め片を設け、前記内輪に接続されたトルク伝達軸上に、制御保持器を軸方向に移動させるアクチュエータを設けた構成を採用したのである。
上記の構成からなる回転伝達装置において、アクチュエータによって制御保持器を、そのフランジが回転保持器のフランジに接近する方向に向けて移動させると、トルクカムが作動し、制御保持器と回転保持器はポケットの周方向幅が小さくなる方向に相対回転し、対向一対のローラは制御保持器の柱部と回転保持器の柱部により互いに接近する方向に押圧されて係合解除状態とされる。
このため、内輪が回転しても、その回転は外輪に伝達されず、内輪がフリー回転する。
内輪のフリー回転状態において、上記アクチュエータの作動により制御保持器のフランジが回転保持器のフランジから離反する方向に制御保持器を軸方向に移動させると、コイルばねの押圧により制御保持器と回転保持器がポケットの周方向幅が大きくなる方向に相対回転し、対向一対のローラのそれぞれがくさび空間の狭小部に直ちに噛み込み、その対向一対のローラの一方を介して内輪と外輪の相互間で一方向の回転トルクが伝達され、他方のローラを介して他方向の回転トルクが伝達される。
ここで、制御保持器と回転保持器が相対回転するとき、回転保持器は内輪に対しても相対回転する。このとき、回転保持器のフランジと内輪の対向面間には摩擦低減材が設けられているため、回転保持器に負荷される回転抵抗は小さく、回転保持器は円滑に回転し、2方向ローラクラッチの作動性を低下させるようなことはない。
上記摩擦低減材として、樹脂のコーティング被膜からなるもの、シート状の低摩擦材からなるもの、焼結金属又は充填材入りフッ素樹脂からなる板状の滑り軸受からなるものを挙げることができる。このような摩擦低減材を採用することにより、スラストニードル軸受を用いて回転保持器を回転自在に支持する場合に比較して、回転伝達装置の軸方向長さのコンパクト化とコストの低減化を図ることができる。
摩擦低減材として低摩擦材を採用する場合、その低摩擦材は周方向に連続するものであってもよく、周方向に不連続のものであってもよい。低摩擦材を周方向に不連続のものとすると、隣接する低摩擦材間に間隙が形成されるため、グリースの排除性が良好となり、摩擦低減効果をより向上させることができる。
この発明に係る回転伝達装置において、アクチュエータは、制御保持器の柱部に連結一体化されてトルク伝達軸の外周にスライド自在に嵌合されたアーマチュアと、トルク伝達軸に支持されてアーマチュアと軸方向で対向するロータと、そのロータと軸方向で対向し、通電によってロータにアーマチュアを吸着させる電磁石とを有する電磁クラッチであってもよい。
また、上記アクチュエータは、制御保持器の柱部に連結一体化されてトルク伝達軸の外周にスライド自在に嵌合されたアーマチュアと、トルク伝達軸に支持されてアーマチュアと軸方向で対向するロータと、そのロータに支持され、前記対向一対のローラ間に組込まれたコイルばねの弾性に抗してロータにアーマチュアを吸着させる永久磁石と、前記ロータと軸方向で対向し、通電によりその永久磁石の磁力を上記コイルばねの弾性力以下に低下させる電磁石とを有する電磁クラッチであってもよい。
上記のように、この発明においては、アクチュエータによって制御保持器のフランジが回転保持器のフランジから離反する方向に向けて制御保持器を移動させると、コイルばねの押圧により制御保持器と回転保持器がポケットの周方向幅が大きくなる方向に相対回転して対向一対のローラのそれぞれがくさび空間の両端の狭小部に直ちに噛み込むため、回転方向ガタの小さい回転伝達装置を得ることができる。
また、制御保持器のフランジが回転保持器のフランジに接近する方向に制御保持器を移動させると、トルクカムの作用により制御保持器と回転保持器がポケットの周方向幅が小さくなる方向に相対回転し、対向一対のローラは制御保持器と回転保持器の柱部で押されて係合解除状態とされ、その係合解除状態で対向一対のローラは制御保持器と回転保持器の柱部によってくさび空間の狭小部に向けて移動するのが防止されるため、内輪のフリー回転時にローラがミス係合するようなことはなく、空転時の信頼性の高い回転伝達装置を得ることができる。
さらに、カム面と同数のローラを介して外輪と内輪の相互間で回転トルクが伝達されるため、トルク容量の大きな回転伝達装置を得ることができる。
また、回転保持器と内輪の対向面間に摩擦低減材を設けたことにより、内輪に対して回転保持器を円滑に相対回転させることができ、スラストニードル軸受を用いて回転保持器を回転自在に支持する場合に比較して、回転伝達装置の軸方向長さのコンパクト化とコストの低減化を図ることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1は、この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す。図示のように、回転伝達装置は、2方向ローラクラッチ10を備えている。
2方向ローラクラッチ10は、外輪11と、その外輪11の内側に組込まれた内輪12とを有し、上記内輪12の一端部にはボス部12aが形成され、そのボス部12aの端部に嵌合された軸受13を介して外輪11と内輪12は相対的に回転自在とされている。
外輪11の閉塞端には出力軸14が設けられている。一方、内輪12にはトルク伝達軸としての入力軸15の端部が挿入され、その挿入部間に形成されたセレーション16によって内輪12と入力軸15は相対的に回り止めされている。
図2に示すように、外輪11の内周には円筒面17が形成され、一方、内輪12の外周には、その円筒面17との間で周方向の両端に向けて狭小となるくさび空間を形成する複数の平坦なカム面18が周方向に等間隔に設けられている。
外輪11と内輪12との間には、制御保持器19Aと回転保持器19Bが組込まれている。図1および図3に示すように、制御保持器19Aは、フランジ20の外周にカム面18と同数の柱部21を周方向に等間隔に設けた構成とされている。一方、回転保持器19Bは、フランジ22の外周にカム面18と同数の柱部23を周方向に等間隔に設けた構成とされている。
回転保持器19Bは、内輪12のボス部12aにフランジ22が嵌合され、かつ、柱部23が円筒面17とカム面18間に位置する組込みとされて、上記フランジ22が内輪12の一側面と対向する組込みとされている。
一方、制御保持器19Aも、内輪12のボス部12aにフランジ20が嵌合されて、そのフランジ20が回転保持器19Bのフランジ22と軸方向で対向する組込みとされ、かつ、柱部21が回転保持器19Bの柱部23間に位置する組込みとされている。
上記のような保持器19A、19Bの組込みにより、図2(I)および図3に示すように、制御保持器19Aの柱部21と回転保持器19Bの柱部23間にポケット24が形成され、そのポケット24は内輪12のカム面18と径方向で対向し、各ポケット24内に対向一対のローラ25と、その一対のローラ25を相反する方向に向けて付勢するコイルばね26が組込まれている。
図1に示すように、回転保持器19Bは、内輪12のボス部12aを中心にして回転自在とされ、その回転保持器19Bのフランジ22には、内輪12の一側面に対する対向面に摩擦低減材27が設けられている。
摩擦低減材27として、ここでは、樹脂のコーティング被膜をフランジ22に固着するようにしているが、摩擦低減材27はコーティング被膜に限定されるものではない。例えば、シート状の低摩擦材であってもよく、あるいは、焼結金属又は充填材入りフッ素樹脂からなる板状の滑り軸受であってもよい。
一方、制御保持器19Aは、内輪12のボス部12aを中心に回転自在とされ、かつ、軸方向に移動自在とされている。
図5(I)に示すように、制御保持器19Aのフランジ20と回転保持器19Bのフランジ22間には、トルクカム30が設けられている。トルクカム30は、制御保持器19Aのフランジ20と回転保持器19Bのフランジ22の対向面それぞれに周方向の中央部で深く両端に至るに従って次第に浅くなる対向一対のカム溝31、32を設け、一方のカム溝31の一端部と他方のカム溝32の他端部間にボール33を組み込んだ構成としている。
カム溝31、32として、ここではV溝を示したが、円弧状の溝であってもよい。
上記トルクカム30は、制御保持器19Aのフランジ20が回転保持器19Bのフランジ22に接近する方向に制御保持器19Aが軸方向に移動した際に、図5(II)に示すように、ボール33がカム溝31、32の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器19Aと回転保持器19Bをポケット24の周方向幅が小さくなる方向に相対回転させるようになっている。
図1、図3および図4に示すように、内輪12の他側面にはばね保持器35が固定されている。ばね保持器35は環状板からなり、その外周面には制御保持器19Aの柱部21と回転保持器19Bの柱部23間の各ポケット24内に配置される複数の回り止め片36が形成されている。
複数の回り止め片36は、制御保持器19Aと回転保持器19Bとがポケット24の周方向幅を縮小する方向に相対回転した際に、制御保持器19Aの柱部21および回転保持器19Bの柱部23を両側縁で受け止めて対向一対のローラ25を中立位置に保持するようになっている。
回り止め片36のそれぞれには、軸方向に延びる支持片37が形成され、各支持片37によってコイルばね26が支持されている。
図1に示すように、2方向ローラクラッチ10の軸方向一側には、制御保持器19Aを軸方向に移動させるアクチュエータとしての電磁クラッチ40が設けられている。
電磁クラッチ40は、制御保持器19Aにおける柱部21の端面と軸方向で対向するアーマチュア41と、そのアーマチュア41と軸方向で対向するロータ42と、そのロータ42と軸方向で対向する電磁石43とを有している。
アーマチュア41は、入力軸15に嵌合されて回転自在に支持され、そのアーマチュア41と制御保持器19Aの柱部21は、その柱部21の端面にねじ込まれるボルト45の締め付けによって連結一体化されている。
ロータ42は、入力軸15に嵌合され、その入力軸15の外周に設けられた肩15aと入力軸15の外周に取付けられた止め輪46によって軸方向に位置決めされ、かつ、入力軸15に対して回り止めされている。
電磁石43は、電磁コイル43aと、その電磁コイル43aを支持するコア43bとからなり、上記コア43bは図示省略した静止部材に支持されている。
実施の形態で示す回転伝達装置は上記の構造からなり、図1は、電磁石43の電磁コイル43aに対する通電の遮断状態を示し、アーマチュア41はロータ42から離反する状態にある。また、2方向ローラクラッチ10の対向一対のローラ25は、図2(I)に示すように、外輪11の円筒面17および内輪12のカム面18に対して係合し、2方向ローラクラッチ10は係合状態とされている。
2方向ローラクラッチ10の係合状態において、電磁コイル43aに通電すると、アーマチュア41に吸引力が作用し、アーマチュア41が軸方向に移動してロータ42に吸着される。
ここで、アーマチュア41は制御保持器19Aの柱部21に連結一体化されているため、アーマチュア41の軸方向への移動に伴って制御保持器19Aは、そのフランジ20が回転保持器19Bのフランジ22に接近する方向に移動する。
このとき、図5(II)に示すように、ボール33がカム溝31、32の溝深さの最も深い位置に向けて転がり移動し、制御保持器19Aと回転保持器19Bはポケット24の周方向幅が小さくなる方向に相対回転し、図3に示す対向一対のローラ25が制御保持器19Aの柱部21と回転保持器19Bの柱部23で押されて、図2(II)に示すように、係合解除し、2方向ローラクラッチ10は係合解除状態とされる。
2方向ローラクラッチ10の係合解除状態において、入力軸15に回転トルクを入力して内輪12を一方向に回転すると、ばね保持器35に形成された回り止め片36が制御保持器19Aの柱部21と回転保持器19Bの柱部23の一方を押圧するため、内輪12と共に制御保持器19Aおよび回転保持器19Bが回転する。このとき、対向一対のローラ25は係合解除された中立位置に保持されているため、内輪12の回転は外輪11に伝達されず、内輪12はフリー回転する。
このように、制御保持器19Aのフランジ20が回転保持器19Bのフランジ22に接近する方向に制御保持器19Aが移動すると、対向一対のローラ25が制御保持器19Aと回転保持器19Bの柱部21、23で押されて係合解除状態とされ、その係合解除状態で対向一対のローラ25は制御保持器19Aと回転保持器19Bの柱部21、23によってくさび空間の狭小部に向けて移動するのが防止されるため、2方向ローラクラッチ10の空転時にローラ25がミス係合するようなことはない。
ここで、制御保持器19Aと回転保持器19Bがポケット24の周方向幅を小さくなる方向に相対回転すると、制御保持器19Aの柱部21と回転保持器19Bの柱部23がばね保持器35の回り止め片36の両側縁に当接して相対回転量が規制される。
このため、コイルばね26は必要以上に収縮することはなくなり、伸長と収縮が繰り返し行われても疲労によって破損するようなことはない。
内輪12のフリー回転状態において、電磁コイル43aに対する通電を解除すると、アーマチュア41は吸着が解除されて回転自在となる。その吸着解除により、コイルばね26の押圧によって制御保持器19Aと回転保持器19Bがポケット24の周方向幅が大きくなる方向に相対回転し、対向一対のローラ25のそれぞれが、図2(I)に示すように、くさび空間の狭小部に直ちに噛み込み、その対向一対のローラ25の一方を介して内輪12と外輪11の相互間で一方向の回転トルクが伝達される。
ここで、入力軸15を停止して、その入力軸15の回転方向を切換えると、他方のローラ25を介して内輪12の回転が外輪11に伝達される。
このように、電磁コイル43aに対する通電の遮断により、制御保持器19Aと回転保持器19Bがポケット24の周方向幅が大きくなる方向に相対回転して、対向一対のローラ25のそれぞれがくさび空間の両端の狭小部に直ちに噛み込むため、回転方向ガタは小さく、内輪12の回転を外輪11に直ちに伝達することができる。
また、内輪12から外輪11への回転トルクの伝達は、カム面18と同数のローラ25を介して行われるため、内輪12から外輪11に大きな回転トルクを伝達することができる。
ここで、制御保持器19Aと回転保持器19Bが相対回転するとき、回転保持器19Bは内輪12に対しても相対回転する。このとき、回転保持器19Bのフランジ22と内輪12の対向面間には摩擦低減材27が設けられているため、回転保持器19Aに負荷される回転抵抗は小さく、回転保持器19Bは円滑に回転し、2方向ローラクラッチ10の作動性を低下させるようなことはない。
図5に示すトルクカム30においては、制御保持器19Aのフランジ20と回転保持器19Bのフランジ22の対向面それぞれに周方向で対向する一対のカム溝31、32を設け、その対向一対のカム溝31、32間にボール33を組み込んだ構成のものを示したが、トルクカム30はこれに限定されるものではない。
図6(I)は、トルクカム30の他の例を示す。このトルクカム30においては、制御保持器19Aのフランジ20と回転保持器19Bのフランジ22の対向面それぞれに周方向で対向する一対の突出部51、52を設け、その一対の突出部51、52の対向面それぞれに傾斜カム面53、54を設けた構成としている。
上記トルクカム30は、制御保持器19Aのフランジ20が回転保持器19Bのフランジ22に接近する方向に制御保持器19Aが軸方向に移動した際に傾斜カム面53、54のカム作用によって制御保持器19Aと回転保持器19Bをポケット24の周方向幅が小さくなる方向に相対回転させるようになっている。図6(II)は、トルクカム30によって制御保持器19Aと回転保持器19Bを相対回転させた状態を示す。
図7は、アクチュエータとしての電磁クラッチ40の他の例を示す。この電磁クラッチ40においては、ロータ42のアーマチュア41と対向する面に円弧状のスリット61を形成し、そのスリット61内に永久磁石62を組込んでいる。
上記の構成からなる電磁クラッチ40においては、電磁石43の電磁コイル43aに対する通電の遮断時、永久磁石62の磁力によりアーマチュア41をロータ42に向けて移動させるようにしている。また、上記電磁コイル43aに対する通電により永久磁石62の磁力を対向1対のローラ25間に組込まれたコイルばね26の弾性力より弱め、上記コイルばね26の弾性力でアーマチュア41をロータ42から離反する方向に移動させるようにしている。
上記のように、電磁石43に対する通電と通電の解除によってアーマチュア41を移動させると、そのアーマチュア41に連結一体化された制御保持器19Aが軸方向に移動し、上記制御保持器19Aを、そのフランジ20が回転保持器19Bのフランジ22に接近する方向に移動させると、トルクカム30の作用により制御保持器19Aと回転保持器19Bがポケット24の周方向幅が小さくなる方向に相対回転し、対向一対のローラ25は制御保持器19Aと回転保持器19Bの柱部21、23で押されて係合解除状態とされる。
また、制御保持器19Aのフランジ20が回転保持器19Bのフランジ22から離反する方向に制御保持器19Aを移動させると、コイルばね26の押圧により制御保持器19Aと回転保持器19Bがポケットの周方向幅が大きくなる方向に相対回転して対向一対のローラ25のそれぞれがくさび空間の両端の狭小部に直ちに噛み込むことになる。
なお、図2においては、内輪12に平坦面からなるカム面18を形成したが、カム面18はこれに限定されない。例えば、図8に示すように、相反する方向に傾斜する2つの傾斜面18a、18bからなるものであってもよい。この場合、ポケット24内に組込まれた対向一対のローラ25は一方が一方の傾斜面18aに対向し、他方のローラ25が他方の傾斜面18bに対向する組み込みとする。
また、図2では、外輪11の内周に円筒面17を設け、内輪12の外周にカム面18を形成したが、外輪11の内周にカム面を形成し、内輪12の外周に円筒面を設けるようにしてもよい。
この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す縦断正面図 (I)は、図1のII−II線に沿った断面図、(II)は、ローラの係合解除状態を示す断面図 2方向ローラクラッチの保持器の一部分を示す平面図 図1のIV−IV線に沿った断面図 トルクカムを示し、(I)は、作動前の状態を示す平面図、(II)は、作動状態を示す平面図 トルクカムの他の例を示し、(I)は、作動前の状態を示す平面図、(II)は、作動状態を示す平面図 アクチュエータとしての電磁クラッチの他の例を示す縦断正面図 カム面の他の例を示す断面図
符号の説明
11 外輪
12 内輪
15 入力軸(トルク伝達軸)
17 円筒面
18 カム面
19A 制御保持器
20 フランジ
21 柱部
19B 回転保持器
22 フランジ
23 柱部
24 ポケット
25 ローラ
26 コイルばね
27 摩擦低減材
30 トルクカム
35 ばね保持器
36 回り止め片
41 アーマチュア
42 ロータ
43 電磁石
62 永久磁石

Claims (7)

  1. 外輪の内側にボス部を一側面に有する内輪を組込み、その内輪の外周と前記外輪の内周の一方に円筒面を形成し、他方にその円筒面との間で周方向の両端に至るに従って狭小のくさび空間を形成する複数のカム面を周方向に間隔をおいて設け、前記外輪と内輪との間に、前記ボス部に回転自在に嵌合されるフランジを有し、そのフランジの外周に複数の柱部が形成された制御保持器およびその制御保持器と同一形状の回転保持器を、回転保持器のフランジが内輪の一側面と対向し、複数の柱部が前記円筒面とカム面間において周方向に交互に配置されるよう組込んで、隣接する柱部間に形成されたポケットをカム面に対向し、前記回転保持器のフランジと内輪の対向面間に摩擦低減材を設け、前記制御保持器のフランジと回転保持器のフランジの対向面間に、その対向するフランジ間の間隔が狭くなる方向への制御保持器の移動によってポケットの周方向幅が小さくなる方向に一対の保持器を相対回転させるトルクカムを設け、前記複数のポケットのそれぞれ内部に対向一対のローラと、その一対のローラを離反する方向に向けて付勢するコイルばねとを組込み、前記内輪の他側面に固定された円板状のばね保持器の外周に、制御保持器と回転保持器とがポケットの周方向幅を縮小する方向に相対回転した際に、各保持器の柱部を受け止めて対向一対のローラを中立位置に保持する複数の回り止め片を設け、前記内輪に接続されたトルク伝達軸上に、制御保持器を軸方向に移動させるアクチュエータを設けた回転伝達装置。
  2. 前記アクチュエータが、前記制御保持器の柱部に連結一体化されて前記トルク伝達軸の外周にスライド自在に嵌合されたアーマチュアと、前記トルク伝達軸に支持されてアーマチュアと軸方向で対向するロータと、そのロータと軸方向で対向し、通電によってロータにアーマチュアを吸着させる電磁石とを有する電磁クラッチからなる請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 前記アクチュエータが、前記制御保持器の柱部に連結一体化されて前記トルク伝達軸の外周にスライド自在に嵌合されたアーマチュアと、前記トルク伝達軸に支持されてアーマチュアと軸方向で対向するロータと、前記コイルばねの弾性に抗してロータにアーマチュアを吸着させる永久磁石と、前記ロータと軸方向で対向し、通電によりその永久磁石の磁力を前記コイルばねの弾性力以下に低下させる電磁石とを有する電磁クラッチからなる請求項1に記載の回転伝達装置。
  4. 前記摩擦低減材が、回転保持器のフランジと内輪の対向面における少なくとも一方に固着された樹脂のコーティング被膜からなる請求項1乃至3のいずれかの項に記載の回転伝達装置。
  5. 前記摩擦低減材が、回転保持器のフランジと内輪の対向面における少なくとも一方に固着されたシート状の低摩擦材からなる請求項1乃至3のいずれかの項に記載の回転伝達装置。
  6. 前記摩擦低減材が、板状の滑り軸受からなる請求項1乃至3のいずれかの項に記載の回転伝達装置。
  7. 前記滑り軸受が、焼結金属又は充填材入りフッ素樹脂からなる請求項6に記載の回転伝達装置。
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