JP2009292694A - グラファイトフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子機器、精密機器などの放熱を十分に解決できるような優れた熱拡散性と、屈曲部分への使用に耐えうる優れた耐屈曲性を合わせ持つグラファイトフィルムを提供する。
【解決手段】厚み5μm以上250μm以下の高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理するグラファイト化工程と後処理工程を含むグラファイトフィルムの製造方法において、前記グラファイト化処理後フィルムの密度が、0.7g/cm以上1.68g/cm以下であり、前記後処理工程が、グラファイト化処理後フィルムを面状に加圧する後面状加圧工程、またはグラファイト化処理後フィルムを圧延する後圧延工程、であることを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子機器、精密機器などの放熱フィルムおよびヒートスプレッダ材料として使用されるグラファイトフィルムに関し、特に耐屈曲性、熱拡散性に優れ表面の厚みばらつきの少ないグラファイトフィルムの製造方法に関する。
コンピューターなどの各種の電子・電気機器に搭載されている半導体素子や、その他の発熱部品などの冷却の問題が注目されている。このような冷却すべき部品の冷却方法としては、それが搭載される機器筐体にファンを取り付け、その機器筐体を冷却する方法や、その冷却する部品にヒートパイプやヒートスプレッダ、ヒートシンクやフィンなどの熱伝導体を取り付け、その素子からの熱を外部に運ぶことで冷却する方法等が一般的である。冷却すべき部品に取り付ける熱伝導材料としては、アルミニウム板や銅板などが挙げられる。そして、この場合、アルミニウムや銅板の一部、またはヒートパイプに発熱部品を取り付け、更に、その板の他の部分をフィンやファンを用いて外部に放熱する。
ところで、近年は半導体素子等の発熱部品が搭載される各機器が小型化され、また、その部材の発熱量が大きくなる傾向がある。しかし筐体が小型化するため、フィンやヒートシンク及びファンなどの部品を挿入するスペースが制限されてきている。そこで近年は、熱伝導体(ヒートコンダクタ)として、熱拡散性に優れるグラファイトフィルムが有力視されている。グラファイトフィルムはカーボンが層状構造をとっており、グラファイトフィルムの面内の熱伝導率が非常に高く、かつ密度が1〜2g/cm程度と軽い上に、高い電気伝導性を持つ材料である。また、シートの厚さを薄くでき、フレキシブルなために狭い場所や、隙間をぬって取り回す必要のある場所のヒートコンダクタ材やヒートスプレッダ材として期待されている。
現在、一般に入手できるグラファイトフィルムとして、高分子熱分解法またはエキスパンド法により製造されたグラファイトフィルムがある。高分子熱分解法は特許文献1のように、ポリオキサジアゾール、ポリイミド、ポリフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、またはポリアミド等の高分子フィルムをアルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気下や減圧下で熱処理してグラファイトフィルムを得る方法である。
また、良質で柔軟性と強靭性に富むフィルム状グラファイトの製造方法として、常圧での加熱によるフィルムからのガスの発生によっても、グラファイトフィルムを得られる厚みを有する高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理することにより得られたグラファイトフィルムを圧延工程することを特徴とするフィルム状グラファイトの製造方法(特許文献2)が知られている。
さらに、特開2000−178016(特許文献3)に、単結晶グラファイトと同様の物性を呈し、高品質で柔軟性、強靱性に富み熱拡散性に優れたグラファイトフィルムの製造方法が提案されている。この製造方法は、ポリイミドフィルムを原料として、不活性ガス中で上限温度1000℃〜1600℃の範囲で熱処理を行う第1の熱処理工程と、さらに上限温度が2500℃〜3100℃の範囲で熱処理を行う第2の熱処理工程とを有することを基本的な特徴とし、さらに昇温速度や一定温度などの熱処理条件を制御することにより適当な特性を有するグラファイトフィルムの製造方法であり、さらに圧延工程を施すことにより柔軟性を発現する方法である。さらに、特許文献3の請求項7記載のように、グラファイトフィルムの密度は0.3〜0.7g/ccの範囲にあるか、グラファイトフィルムの膜厚は原料フィルムの膜厚の2倍から10倍の範囲にあると、後処理の圧延工程を施すと柔軟性、強靭性が優れたグラファイトフィルムが得られ、特許文献3の請求項8記載のように、圧延工程により得られるグラファイトフィルムの密度が0.7〜1.5g/ccの範囲にあると得られるグラフィトシートの柔軟性、強靭性が優れるといったグラファイトフィルムの製造方法が開示されている。
特開昭61−275116号公報。 特許公報 第2976481号。 特開2000−178016 特許文献1〜3のようなグラファイトフィルムの製造方法において、フィルムに柔軟性、耐屈曲性を寄与するためのポイントは、「グラファイト化処理中のフィルムの発泡」と「グラファイト化処理後フィルムの圧縮処理」である。フィルムに耐屈曲性を付与できるメカニズムは以下の通りである。
グラファイト化の最終段階(2600℃以上)でグラファイト骨格を形成しないN、フィラー(リン酸系)などの内部ガス(以下、発泡ガスと記載)発生によりグラファイト層が持ち上げられフィルムが発泡する。グラファイト化処理後の発泡したグラファイトフィルム(以下、グラファイト処理後フィルムと記載)を圧縮処理することで耐屈曲性の優れたグラファイトフィルムとなる。発泡させたグラファイト化処理後フィルムを圧縮することで耐屈曲性が優れている理由は、圧縮後のグラファイトの層間にわずかな空間が存在するために、折り曲げ時にかかるグラファイト層の歪を逃がすことができるためである。
しかしながら、発泡させたグラファイトフィルムがすべて耐屈曲性に優れているわけではない。グラファイト化の条件により、グラファイトフィルムの厚み方向の発泡の大きさ(以下、発泡の程度と記載)が異なっており、この発泡の程度が耐屈曲性の優劣を決める一要因となっている。発泡の程度が小さすぎるとグラファイト層間に存在する空気層の量が足りず、折り曲げ時にグラファイト層の歪みを逃がすことができなくなるため硬く、耐屈曲性の劣るフィルムとなる。また、発泡の程度が大き過ぎる場合も、発泡ガスによりグラファイト層が傷つけられている場合があり、耐屈曲性の劣るグラファイトフィルムとなる。
現在の電子機器の構造は複雑化が進む一方で大きさは小型化が進んでおり、いかに狭いスペースで、効率的に熱を逃がすかが重要な課題となっている。このような、省スペース部に可撓性を有することが特徴であるグラファイトフィルムを折り曲げて使用しようという試みいくつかがある。例えば、折りたたみ式の携帯電話あるいはノートパソコンの発熱部分の熱を、折り曲げ部分を介して液晶側に逃がすなどのアイデアが考案されている。
しかしながら、グラファイトフィルムは材質的に脆く、特に極率半径が小さな曲げの場合や曲げ角度が大きい場合、その曲げ部分で割れが発生してしまうことが多かった。
また、耐屈曲性と熱拡散性は、相反する特性であり、これまでのグラファイトフィルムは耐屈曲性を追求したために、熱の拡散性が十分でない場合があった。
特許文献1〜3により得られるグラファイトフィルムもある程度の耐屈曲性、熱拡散性を有するものの、小型化、複雑化が進んだ近年の電子機器の放熱材料としては十分な特性を持ち合わせていなかった。
●特許文献1〜3のグラファイトフィルムの耐屈曲性が十分でない理由●
(1)グラファイト化処理後フィルムの密度が小さいため(発泡の程度が大き過ぎる)
従来のグラファイトフィルムは、特許文献3のようにグラファイト化処理後フィルムの密度は0.3〜0.7g/ccの範囲にあるか、グラファイト化処理フィルムの膜厚は原料フィルムの膜厚の2倍から10倍の範囲にあると、後処理の圧延工程を施すと柔軟性、強靭性が優れたグラファイトフィルムとなる。
しかしながら、このような密度となるまで発泡させたグラファイトフィルムは、耐屈曲性が悪いことがある。発泡の程度が大きいということは、発泡ガスによりグラファイト層が大きく持ち上げられていることを意味し、このようなグラファイトフィルムは面方向へのグラファイト層の成長が発泡ガスにより阻害されている。
(2)グラファイト化処理後フィルムの圧縮が足りない
発泡後のグラファイトフィルムをできるだけ圧縮した方が、柔軟性を寄与できる。なぜなら、厚みを薄くしたほうが、折り曲げに対するストレスを受けにくいからである。 従来のグラファイトフィルムは、特許文献3の請求項8記載のように、圧延工程により得られるフィルムの密度が0.7〜1.5g/ccの範囲にあり、グラファイト化処理後フィルムの圧縮が十分でなかった。グラファイト化処理後フィルムを十分に圧縮できなかった理由は、グラファイト化処理後フィルムの発泡の程度が大きく(密度が大きく)、フィルムの圧縮を後圧延工程にて実施しているためである。
(3)圧縮ムラがある。
特許文献2〜3に記載されているグラファイト化処理後フィルムは、発泡の程度が大きいために、フィルム面内の厚みバラツキが大きい。このようにただでさえ、厚みバラツキの大きなグラファイト化処理後フィルムを金属ローラで圧延しているために、均一な圧縮処理ができず、出来上がりのフィルムの厚みバラツキが大きい。そのため、厚みの厚い部分に折り曲げに対する応力が集中するために耐屈曲性が悪かった。
(4)圧延処理ではグラファイトフィルムが破壊される。
後圧延工程では、圧延工程中に、ローラーとの接触部で線状に圧力が加わることでグラファイトフィルムが引き伸ばされ、平面状に形成されているグラファイト層が破壊され耐屈曲性が低下する場合があった。また、グラファイトフィルムは、金属ローラーのような強度の高いものを用いて圧延すると、表面に傷や皺が入りやすく、凹みや縦スジが生じるという問題もあった。
●特許文献1〜3のグラファイトフィルムの熱拡散性が十分でない理由●
(1)グラファイト化処理後フィルムの密度が小さいため(発泡の程度が大き過ぎる)
前述したように、耐屈曲性と熱拡散性は相反する特性である。特許文献1〜3のグラファイトフィルムは、耐屈曲性を向上させることを追求し過ぎて、グラファイト化の過程でフィルムを発泡させ過ぎている。そのため、耐屈曲性が悪い理由と同様で、グラファイト層の面方向の成長が十分でなく熱拡散性が悪い。
(2)圧延処理ではグラファイトフィルムが破壊される。
後圧延工程では、圧延工程中に、ローラーとの接触部で線状に圧力が加わることでグラファイトフィルムが引き伸ばされ、平面状に形成されているグラファイト層が破壊され熱拡散性が低下する場合があった。
このように、グラファイトフィルムの耐屈曲性を改善する試みはいくつかなされているものの、近年の電子機器へ搭載するために十分な特性を達成できておらず、耐屈曲性、熱拡散性の更に優れたグラファイトフィルムの開発が求められている。
(1)本発明の第1は、厚み5μm以上250μm以下の高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理するグラファイト化工程と後処理工程を含むグラファイトフィルムの製造方法において、前記グラファイト化処理後フィルムの密度が、0.7g/cm以上1.68g/cm以下であり、前記後処理工程が、グラファイト化処理後フィルムを面状に加圧する後面状加圧工程であることを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法である。
(2)本発明の第2は、前記後面状加圧工程を施して得られるグラファイトフィルムの密度が、1.5g/cm以上2.20g/cm以下であることを特徴とする(1)に記載のグラファイトフィルムの製造方法である。
(3)本発明の第3は、厚み5μm以上250μm以下の高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理するグラファイト化工程と後処理工程を含むグラファイトフィルムの製造方法において、前記グラファイト化処理後フィルムの密度が、0.7g/cm以上1.68g/cm以下であり、前記後処理工程が、グラファイト化処理後フィルムを圧延する後圧延工程であることを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法である。
(4)本発明の第4は、前記後圧延工程を施して得られるグラファイトフィルムの密度が、1.5g/cm以上2.20g/cm以下であることを特徴とする請求項(3)に記載のグラファイトフィルムの製造方法である。
(5)本発明の第5は、前記後面状加圧工程において、前記グラファイト化処理後フィルムを面状に圧力2MPa以上40MPa以下で加圧することを特徴とする(1)又は(2)に記載のグラファイトフィルムの製造方法である。
(6)本発明の第6は、前記後面状加圧工程において、前記グラファイト化処理後フィルムを面状に圧力が4MPa以上20MPa以下であることを特徴とする(1)、(2)、(5)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法である。
(7)本発明の第7は、前記グラファイトフィルムの面方向の熱拡散率が7.0×10−4/s以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法である。
耐屈曲性、熱拡散性に優れ表面の厚みばらつきの少ないグラファイトフィルムを作製できる。
厚み5μm以上250μm以下の高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理するグラファイト化工程と後処理工程を含むグラファイトフィルムの製造方法において、前記グラファイト化処理後フィルムの密度が、0.7g/cm以上1.60g/cm以下であり、前記後処理工程が、(1)グラファイト化処理後フィルムを面状に加圧する後面状加圧工程、または(2)グラファイト化処理後フィルムを圧延する後圧延工程であることを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法。
<グラファイトフィルム>
近年の電子機器の発熱密度増加に対する対策として熱拡散性の非常に優れたグラファイトフィルムが注目を集めている。現在、一般に入手できるグラファイトフィルムとして、高分子熱分解法またはエキスパンド法により製造されたグラファイトフィルムがある。
<本発明のグラファイトフィルムの製造方法の概要>
本発明のグラファイトフィルムの製造方法は、高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理して得られるグラファイトフィルムである。
一般的に、高分子フィルムを不活性ガス中で上限温度1000℃〜1600℃の範囲で熱処理を行う第1の熱処理工程(炭化工程)と、さらに上限温度が2500℃〜3100℃の範囲で熱処理を行う第2の熱処理工程(グラファイト化工程)とを有する。使用する不活性ガスは、アルゴン、ヘリウム等で実施される。
また、上述したようにグラファイト化工程でフィルムを発泡させ、この発泡したグラファイト化処理後フィルムを圧縮処理することで耐屈曲性を付与することができる。
<高分子フィルム>
本発明で用いることができる高分子フィルムは、特に限定はされないが、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリオキサジアゾール(POD)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾビスオキサザール(PBBO)、ポリチアゾール(PT)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリベンゾビスチアゾール(PBBT)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリベンゾビスイミダゾール(PBBI)が挙げられ、これらのうちから選ばれる少なくとも1種を含む耐熱芳香族性高分子フィルムであることが、最終的に得られるグラファイトの耐屈曲性、熱拡散性が大きくなることから好ましい。これらのフィルムは、公知の製造方法で製造すればよい。この中でもポリイミドは、原料モノマーを種々選択することによって様々な構造および特性を有するものを得ることができるために好ましい。また、ポリイミドフィルムは、他の有機材料を原料とする高分子フィルムよりもフィルムの炭化、グラファイト化が進行しやすいため結晶性がよく耐屈曲性、熱拡散性に優れたグラファイトとなりやすい。
<高分子フィルムの厚み>
本発明で用いることができる高分子フィルムの厚みは、5μm以上250μm以下、好ましくは10μm以上180μm以下、さらに好ましくは20μm以上130μm以下である。高分子フィルムの厚みが5μm未満であると、フィルムが薄いため発泡ガスが抜けやすく、グラファイト化工程にて発泡しない。また、高分子フィルムの厚みが250μmより厚いと、フィルムが厚過ぎるため発泡ガスがフィルムから抜けにくく、グラファイト化工程にて、グラファイト層を破壊しながら抜けるために、表面剥がれを発生させ、均一に発泡したグラファイト化処理後フィルムが得られない。
<炭化工程>
本発明の炭化工程は、出発物質である高分子フィルムを減圧下もしくは不活性ガス中で加熱処理する方法が好ましい。この加熱は通常1000℃程度の温度で行い、例えば10℃/分の速度で昇温した場合には1000℃の温度領域で30分程度の温度保持を行うことが望ましい。より具体的には、高分子フィルムを炭化する炭化温度は、600℃以上、2000℃未満であるとよい。
また、熱処理中の高分子フィルムの保持方法は、一例として2枚の黒鉛板あるいは、グラファイトシートの間に高分子フィルムを挟みこんで、これを、黒鉛の角型容器に保持する方法などが知られている。
<グラファイト化工程>
本発明のグラファイト化工程は、炭化工程で得られた炭化フィルムを減圧下もしくは不活性ガス中で加熱処理する方法が好ましい。この加熱は通常2400℃以上の温度で行い、最高温度領域で60分程度の温度保持を行うことが望ましい。
また、熱処理中の高分子フィルムの保持方法は、一例として2枚の黒鉛板あるいは、グラファイトシートの間に高分子フィルムを挟みこんで、これを、黒鉛の角型容器に保持する方法などが知られている。
また、本発明のグラファイト化工程は、炭化工程により炭化した高分子フィルム(炭化フィルム)を一度炭化工程用の炉から取り出した後、グラファイト化用の炉に移し変えてからおこなっても良いし、炭化工程及びグラファイト化工程を連続的に同一の炉でおこなっても良い。
<グラファイト化処理後フィルム>
炭化工程、黒鉛化工程を施した高分子フィルムがグラファイト化処理後フィルムである。本発明のグラファイト化処理後フィルムはグラファイト化工程後に、発泡状態を呈している。発泡状態を呈するメカニズムは上述したように、グラファイト化工程にてグラファイト骨格を形成しない窒素などの発泡ガスの発生に伴ってグラファイト層が持ち上げられるためである。
<グラファイト化処理後フィルムの密度>
グラファイト化処理後フィルムは発泡状態を呈している。この発泡の程度が上述したように、グラファイトフィルムの耐屈曲性、熱拡散性を決める一要因である。発泡の程度が大きいグラファイト化処理後フィルムの密度は、グラファイト層間に多くの空間を有しているために、密度は小さい。逆に、発泡の程度が小さなグラファイト化処理後フィルムの密度は大きい。
本発明のグラファイト化処理後フィルムの密度は、0.70g/cm以上・1.68g/cm以下、好ましくは0.70g/cm以上1.50g/cm以下、さらに好ましくは0.75g/cm以上1.30g/cm以下である。グラファイト化処理後フィルムの密度は、0.70g/cmより小さい場合、発泡の程度が大きすぎてグラファイト層が破壊されているために、耐屈曲性、熱拡散性の悪いグラファイトフィルムとなる。一方、グラファイト化処理後フィルムの密度が1.68g/cmより大きい場合であると、発泡の程度が小さすぎて耐屈曲性の悪くなる。
<(グラファイト化処理後フィルムの密度)と(グラファイトフィルムの単位面積当たりの重量/高分子フィルムの厚み)>
グラファイト化処理後フィルムの密度と、グラファイトフィルムの単位面積当たりの重量/高分子フィルムの厚みには相関がある。上述のように、グラファイト化処理後フィルムは、発泡の程度が大きいと密度は小さくなり、発泡の程度が小さくなると密度は大きくなる。発泡の程度が大きい、つまり密度が小さい場合は、フィルムが厚み方向に膨張しており、面方向への結晶の成長が阻害されているために、グラファイトフィルムの単位面積当たりの重量は大きくなる。一方、発泡の程度が小さい、つまり密度が大きい場合は、フィルムが厚み方向に大きく膨張しておらず、面方向へ結晶が成長しているため、グラファイトフィルムの単位面積当たりの重量は小さくなる。
本発明のグラファイトフィルムの単位面積当たりの重量/高分子フィルムの厚みは、0.86以上・1.08g/cm以下、好ましくは0.88以上・1.06以下、さらに好ましくは0.91以上・1.04以下である。グラファイトフィルムの単位面積当たりの重量/高分子フィルムの厚みが、0.86より小さい場合、発泡の程度が小さすぎて、グラファイト層間の空隙が少なく、耐屈曲性が悪くなる。一方、グラファイトフィルムの単位面積当たりの重量/高分子フィルムの厚みが1.08より大きい場合であると、発泡の程度が大きすぎて、グラファイト層が破壊されているために、耐屈曲性、熱拡散性の悪いグラファイトフィルムとなる。
なお、単位面積当たりの重量/高分子フィルムの厚みは以下の式で計算される。
グラファイトフィルムの単位面積当たりの重量(g/cm)/高分子フィルムの厚み(μm)
グラファイトフィルムの単位面積当たりの重量/高分子フィルムの厚みは、グラファイト化処理後フィルム(発泡後)の発泡の程度と相関があり、グラファイト化処理後フィルムの発泡の程度を知る一つの指標となる。
<グラファイト化処理後フィルムの密度を決定する要因>
グラファイト化処理後フィルムは発泡の程度、つまり密度が圧縮後のグラファイトフィルムの耐屈曲性、熱拡散性を決定する一要因である。そのため、この発泡状態を最適化することが重要となる。グラファイト化処理後フィルムの発泡状態(密度)を制御するファクターとして、
(1)炭化昇温速度、
(2)グラファイト化昇温速度、
(3)グラファイト化最高温度、
(4)グラファイト化時にかかるフィルムへの圧力、
(5)原料フィルムの分子配向、
など様々である。発泡状態の最適化には、それぞれのファクターのバランスが重要であり、上記のような条件は適宜変更しなければならない。上記の5つのファクターをバランスよく組み合わせて、発泡の程度(グラファイト化処理フィルムの密度)を最適化することで、非常に耐屈曲性、熱拡散性の優れたグラファイトフィルムとなる。各ファクターとグラファイト化処理後の密度の関係を以下に示す。
<炭化昇温速度とグラファイト化処理後フィルムの密度>
炭化昇温速度は、グラファイト化処理後フィルムの発泡の程度を決定する大きな要因の一つである。炭化昇温速度が遅いとグラファイト化処理後フィルムの発泡の程度は大きく(密度が小さく)なり、炭化昇温速度が速いと発泡の程度は小さく(密度が大きく)なる。そのメカニズムについて以下に説明する。
炭化昇温速度が遅いと、炭化工程後の炭化フィルムの分子配向が緻密になる。結果、グラファイト化工程で発生する発泡ガスの抜け道が少なく、発泡ガスが抜けにくくなり、グラファイト層を大きく持ち上げるため発泡の程度は大きくなる。一方、炭化昇温速度が速いと、炭化フィルムの分子配向が粗くなり、発泡ガスが抜けやすくなるのでグラファイト化処理後フィルムの発泡の程度は小さくなる。
本発明の炭化昇温速度は0.1℃/min以上15℃/min以下、好ましくは0.3℃/min以上10℃/min以下、さらに好ましくは0.5℃/min以上7℃/min以下である。炭化昇温速度が0.1℃/minより遅い場合は熱処理時間が長くなるので生産効率が悪くなる。また、炭化昇温速度が遅すぎる場合は、グラファイト化処理後フィルムの発泡の程度が大きくなり過ぎるために、耐屈曲性、熱拡散性の悪いグラファイトフィルムとなる。一方、炭化昇温速度が15℃/minより速い場合は、熱処理の過程で皺が発生しやすい。また、昇温速度が速すぎるため炭化処理時にフィルムの分子配向が崩れ、グラファイト化しにくい炭化フィルムとなるためよくない。
本発明の炭化昇温速度は、炭化処理中常に一定の昇温速度で昇温しなくてもよい。例えば、フィルムの分子構造が大きく変化する450℃から900℃の領域のみ1℃/minで昇温して、それ以外の領域は5℃/minで昇温してもよい。
<グラファイト化昇温速度とグラファイト化処理後フィルムの密度>
グラファイト化昇温速度も、グラファイト化処理後フィルムの発泡の程度を決定する大きな要因の一つである。グラファイト化昇温速度が遅いとグラファイト化処理後フィルムの発泡の程度は小さく(密度が大きく)なり、グラファイト化昇温速度が速いと発泡の程度は大きく(密度が小さく)なる。そのメカニズムについて以下に説明する。
グラファイト化昇温速度が遅いと、グラファイト化工程時に発生する発泡ガスの単位時間当たりの発生量が少ないため、グラファイト層をあまり持ち上げることができない。一方、グラファイト化昇温速度が速いと、グラファイト化工程時に発生する発泡ガスの単位時間当たりの発生量が多いため発泡の程度は大きくなる。
本発明のグラファイト化昇温速度は0.1℃/min以上15℃/min以下、好ましくは0.3℃/min以上10℃/min以下、さらに好ましくは0.5℃/min以上7℃/min以下である。グラファイト化昇温速度が0.1℃/minより遅い場合は熱処理時間が長くなるので生産効率が悪くなる。また、グラファイト化昇温速度が遅すぎる場合は、発泡ガスの単位時間当たりの発生量が少なくなるために、グラファイト化処理後フィルムの発泡の程度が小さくなり過ぎるために、耐屈曲性、熱拡散性の悪いグラファイトフィルムとなる。一方、グラファイト化昇温速度が15℃/minより速い場合は、熱処理の過程で皺が発生しやすい。また、昇温速度が速すぎるためグラファイト化処理時の発泡ガスの単位時間あたりの発生量が多くなるために、グラファイト層が剥がれてボロボロのフィルムとなるためよくない。
また、本発明のグラファイト化昇温速度は、炭化工程と同様に、グラファイト化処理中常に一定の昇温速度で昇温しなくてもよい。
<グラファイト化最高温度とグラファイト化処理後フィルムの密度>
グラファイト化最高温度が低いと、グラファイト化の進行度が小さく、発泡の程度も小さくなる。
本発明のグラファイトフィルムの製造方法においてその熱処理温度としては、最低でも2400℃以上が必要で、最終的には2800℃以上、より好ましくは、2900℃以上さらに好ましくは3000℃以上である。このような熱処理温度にすることグラファイト層が面方向へ成長し、耐屈曲性、熱拡散性の優れたグラファイトフィルムとなる。一方、グラファイト化最高温度が2400℃より低い場合は、フィルムの一部にグラファイト化の進行が十分でない場合がある。グラファイト化が十分に進行していないと、発泡の程度が十分でないために非常硬くなり、耐屈曲性、熱拡散性が劣るグラファイトフィルムとなる。
熱処理温度が高いほど良質のグラファイトへの転化が可能であるが、経済性の観点からはできるだけ低温である方が好ましい。本発明のグラファイトフィルムの製造方法においてその熱処理温度としては、最高で3500℃以下、より好ましくは、3200℃以下さらに好ましくは3100℃以下である。なお、現状一般に入手可能な工業的炉において、熱処理可能な最高温度は3000℃が限界である。
<グラファイト化処理後フィルムの密度と熱拡散率>
グラファイト化処理後のフィルムの密度と熱拡散率は相関がある。一般的に密度が大きいほど、面方向にグラファイト層が成長したフィルムとなっているために、熱拡散率は高い。一方、密度が小さいと、発泡ガスによりグラファイト層が破壊されているために熱拡散率が小さい場合が多い。
本発明のグラファイトフィルムの面方向の熱拡散率は、7.0×10−4/s以上、好ましくは7.5×10−4/s以上、さらに好ましくは8.0×10−4/s以上であると良い。7.0×10−4/s以上になると、熱拡散性が高いために、発熱機器から熱を逃がしやすくなり、発熱機器の温度上昇を抑えることが可能となる。一方、7.0×10−4/s未満になると、熱拡散性が劣るために、発熱機器から熱を逃がすことができなくなり、発熱機器の温度上昇を抑えることができない場合がある。
通常、高分子分解法で得られるグラファイトフィルムの耐屈曲性と熱拡散性は相反する特性であり、耐屈曲性を求めると熱拡散性が劣化する場合が多い。しかしながら、本発明のグラファイトフィルムは、発泡の程度を抑えており、高い熱拡散性と耐屈曲性を合わせ持っているため、近年、発熱量が増加し小型化が進んでいる電子機器へ使用する場合、非常に優れている。
<グラファイト化処理後フィルムの圧縮>
発泡状態を呈したグラファイト化処理後フィルムを圧縮することで、耐屈曲性が非常に優れたグラファイトフィルムとなる。耐屈曲性の高まるメカニズムは、次の通りである。
グラファイト化工程の発泡ガスにより持ち上げられたグラファイト層は、図1のように面方向から大きく傾いている(はみ出している)。このように大きく傾いたグラファイト層は折り曲げの動作を阻害するためにグラファイト化処理後フィルムは耐屈曲性が悪い。圧縮処理による物理的な加圧で、面方向からはみ出たグラファイト層を面方向に揃えることができるため(図2)、耐屈曲性が高まる。基本的に圧縮の圧力が大きいほど、厚みの薄いグラファイトフィルムとなり、耐屈曲性は高まる。
本発明のグラファイト化処理後フィルムの圧縮処理は、発泡状態を呈したグラファイト化処理後フィルムを圧縮できる方法であればどのような手法でもよい。特に、後圧延工程、後面状加圧工程は、フィルムを均一に圧縮できるために特に優れた手法である。
<後圧延工程>
グラファイト化処理後フィルムの圧縮方法として、特許文献2に記載のような後圧延工程がある。具体的には、セラミック製やステンレス製の2本のローラーを通す方法が記載されている。
しかしながら、従来のグラファイト化処理後フィルムを用いた後圧延工程では、圧延工程中に、ローラーとの接触部で線状に圧力が加わることでグラファイトフィルムが引き伸ばされ、平面状に形成されているグラファイト層が破壊され耐屈曲性、熱拡散性が低下する場合があった。また、部分的な密度のバラツキが生じたり密度が低くなったりするため耐屈曲性、熱拡散性のばらつきや、空気層を多く含むことによる耐屈曲性、熱拡散性の悪化の問題があった。さらに、グラファイトフィルムは、金属ローラーのような強度の高いものを用いて圧延すると、表面に傷や皺が入りやすく、凹みや縦スジが生じるという問題もあった。さらに、圧縮度を高めようと強い力で圧延した場合特に、グラファイト化処理後フィルムの波打ちを巻き込んで折れ皺(巻き込み皺)を発生させながら圧縮してしまう場合があった。
本発明のグラファイト化処理後フィルムは、密度0.70g/cm以上・1.68g/cm以下と、通常より発泡の程度を抑えており、波打ちや厚みバラツキが少ないために、従来のグラファイト化処理後フィルムより後圧延工程を実施しやすい。そのため、後圧延工程を実施したグラファイト化処理後フィルムは、ある程度、皺、折れ皺(巻き込み皺)、厚みバラツキの少ないグラファイトフィルムとなる。
<後面状加圧工程>
前述した後圧延工程では、グラファイト化処理後フィルムの密度が大きい場合であるとき、ある程度、皺、折れ皺(巻き込み皺)、厚みバラツキの少ないグラファイトフィルムを作製できるが、十分でない場合があった。
そこで、さらに良質のグラファイトフィルムを作製する圧縮方法として、グラファイト化処理後フィルムを面状に加圧する後面状加圧工程がある。後面状加圧工程は、面方向への均一に加圧できるため、圧延工程と比較して耐屈曲性に優れ、厚みバラツキ、皺などの非常に少ない良質のグラファイトフィルムが作製可能である。
後面状加圧工程は、次のような1〜4のような理由で後圧延工程より優れている。
(理由1)密度の小さなグラファイト化処理後フィルムは、波打ちが多いため後圧延工程すると折れ皺(巻き込み皺)を発生させる場合がある。しかしながら、後面状加圧工程では、面状に加圧するために、このような折れ皺(巻き込み皺)は発生し難い。
(理由2)密度の小さなグラファイト化処理後フィルムは厚みバラツキも大きいため、後圧延工程では均一に加圧することが難しい。しかしながら、後面状加圧工程では、面状に加圧するために、このような厚みバラツキに関係なく均一に加圧できる
(理由3)密度の小さなグラファイト化処理後フィルムは、厚みを薄くするために、大きな圧縮圧力が必要となる。しかしながら、後圧延工程では、圧縮圧力を大きくすることが難しい。圧力を大きくすると、グラファイトを傷つけやすい。また、折れ皺(巻き込み皺)も多く発生する。後面状加圧工程では、圧力を強めてもグラファイトを傷つけ難く、折れ皺(巻き込み皺)も発生しない。
(理由4)後圧延工程は、ニップ幅が固定されるために圧縮圧力の調節が難しい。一方、後面状加圧は、圧縮圧力の調節が可能であり、グラファイト化処理後フィルムの状態に応じて、圧力を調節できる。また、圧力を徐々に強めたり弱めたり調節が可能であり、グラファイト化処理後フィルムの状態にあった圧縮が可能である。
本発明に係るグラファイトフィルムの製造方法においては、前記グラファイト化工程を経てグラファイト化した高分子フィルム、つまりグラファイト化処理後フィルムを、さらに、面状に加圧する(後面状加圧工程)を含むことが好ましく、耐屈曲性、熱拡散率に優れ、表面に傷、凹みがなく、皺のない、平坦性に優れたグラファイトフィルムが得られ、特に耐屈曲性を工場させるためには重要な工程である。このような(後面状加圧工程)は室温でも行うことができる。このような(後面状加圧工程)においては、前記グラファイト化処理後フィルム以外のフィルム状媒体とともに、面状に加圧することが好ましい。
また、前記グラファイトフィルムが複数枚積層され配置された状態で面状に加圧することが好ましく、グラファイトフィルム自体が緩衝材の役割を果たすので、表面に傷が入ることなく、平坦性に優れたグラファイトフィルムを得ることができる。
このような(後面状加圧)は、単板プレス、真空プレス等で実施され得る。より具体的には、グラファイトフィルムをプレス機、ホットプレス機、単板プレス機といった面状に加圧できる装置を用いて加圧する方法やプラスチック板、セラミック板、金属板にグラファイトフィルムを挟みボルトで締め付ける方法が挙げられる。これらの方法を用いることにより、面状に一様に加圧することが可能となり、グラファイト層が破損することなく圧縮され、熱拡散率の低下を引き起こさず、熱拡散率の高い、密度が高く、表面に傷がなく、皺のないグラファイトフィルムを得ることができる。
また、加圧工程は数段階に別けて実施することも可能であり、特に波打ちの大きなグラファイト化処理後フィルムについては、はじめから大きな圧力で加圧すると、皺や折れ皺(巻き込み皺)を引き起こす場合があり、このような場合、まず始めに弱い圧力で予備加圧し、予備加圧後更に大きな圧力で加圧するとよい。さらに、単板プレス機、フィルム状媒体などの厚み公差により圧縮むらが発生する場合もあるが、このような場合は、一度加圧し、グラファイト化処理後フィルムの位置を変更し、再度加圧すると厚みバラツキの少ないグラファイトフィルムが得られる。
<フィルム状媒体>
前記グラファイト化処理後フィルム以外のフィルム状媒体としては、天然黒鉛から得られたグラファイトフィルムや、樹脂フィルムや、金属板、金属箔等が例示される。具体的には、天然黒鉛から得られたグラファイトフィルム、緩衝ゴム材、鉄板、テフロン(登録商標)フィルム、ポリイミドフィルム、PETフィルム等が挙げられる。
前記「フィルム状媒体とともに」とは、下記のような態様が例示される。例えば、(グラファイト化処理後フィルム以外の媒体/1枚の前記グラファイトフィルム/グラファイトフィルム以外の媒体/1枚の前記グラファイトフィルム/グラファイト化処理後フィルム以外の媒体/・・・)などのようにサンドイッチ状に挟む場合、(グラファイト化処理後フィルム以外の媒質/複数枚の前記グラファイト化処理後フィルム/グラファイト化処理後フィルム以外の媒質/複数枚の前記グラファイト化処理後フィルム/グラファイト化処理後フィルム以外の媒質/・・・)などのようにサンドイッチ状で挟む場合、などである。
<グラファイトフィルムの耐屈曲特性(MIT)>
本発明のグラファイトフィルムの製造方法で作製されたグラファイトフィルムのMIT耐屈曲試験おける折り曲げ回数(Rが2mm、左右の折り曲げ角度135°、スプリングφ14mm)は、500回以上、好ましくは1000回以上、更に好ましくは5000回以上がよい。MIT耐屈曲試験が500回以上であると、柔軟であり、ハンドリングしやすい。一方、500回未満のグラファイトフィルムは、ハンドリングが難しく、機器への取り付けの際、破壊されてしまう場合がある。
また、特に折り曲げ部分で使用される用途においては、10000回以上、好ましくは50000回以上、更に好ましくは100000回以上がよい。10000回以上になると、耐屈曲性に優れているため屈曲部分に使用しても破壊されにくくなる。具体的には、携帯電話のヒンジや小型電子機器の折り曲げ部分で使用する場合でも、機能を落とすことなく使用することが可能となる。また、耐屈曲性に優れているため、電子機器への取り付け時などのハンドリング性も向上する。
<MIT耐屈曲試験の曲げ半径、曲げ角度>
グラファイトフィルムのMIT耐屈曲試験は、東洋精機(株)製のMIT耐揉疲労試験機型式Dなどを用いて測定することができる。測定では、折り曲げ半径R、折り曲げ角度を選択することが可能であり、Rが2mm、1mm等が選択することができる。通常、折り曲げ半径Rが小さいほど、折り曲げ角度が大きいほど、厳しい試験となる。特に、携帯電話、ゲーム機、液晶テレビ、PDP等のスペース小さい電子機器においては、小さな折り曲げ半径と大きな折り曲げ角度での折り曲げ性が優れることは、機器の省スペース設計が可能となり、非常に重要である。なお、MIT試験方法の詳細は実施例の欄に記載した。
<後面状加圧工程の圧力>
本発明の後面状加圧工程のグラファイト化処理後フィルムを面状に加圧する圧力は、2MPa以上40MPa以下、好ましくは4MPa以上20MPa以下、更に好ましく8MPa以上15MPa以下である。グラファイト化処理後フィルムを面状に加圧する圧力が2MPaより小さい場合は、圧力が小さすぎて十分に圧縮処理できず、耐屈曲性の悪いグラファイトフィルムとなる。一方、グラファイト化処理後フィルムを面状に加圧する圧力が40MPaより大きいと、圧力が大きすぎて圧縮処理時にグラファイトフィルムが破壊されてしまい、耐屈曲性、熱拡散性、外観の悪いグラファイトフィルムとなる。
<後面状加圧工程後のグラファイトフィルムの密度>
本発明の後面状加圧工程後のグラファイトフィルムの密度は、1.50g/cm以上2.20g/cm以下、好ましくは1.60g/cm以上2.15g/cm以下、更に好ましく1.75g/cm以上2.10g/cm以下である。後面状加圧工程後のグラファイトフィルムの密度が1.0g/cmより小さい場合は、圧縮が足りず、耐屈曲性の悪いグラファイトフィルムとなる。一方、後面状加圧工程後のグラファイトフィルムの密度が2.40g/cmより大きいと、圧縮が大きすぎて圧縮処理時にグラファイトフィルムが破壊されてしまい、耐屈曲性、熱拡散性、外観の悪いグラファイトフィルムとなる。
<後面状加圧工程後のグラファイトフィルムの厚みムラ>
グラファイトフィルムに厚みムラがあると、厚みの厚い部分に折り曲げに対する応力が集中するために耐屈曲性が悪くなる場合がある。また、熱拡散性、電気伝導度、引っ張り強度などグラファイトフィルムの優れた特性が損なわれる原因となる。
密度の小さなグラファイト化処理後フィルムは厚みバラツキも大きいため、後圧延工程では均一に加圧することが難しい。しかしながら、後面状加圧工程では、面状に加圧するために、このような厚みバラツキに関係なく均一に加圧できる。
<後面状加圧工程後のグラファイトフィルムの折れ皺(巻き込み皺)>
グラファイトフィルムに折れ皺(巻き込み皺)があると、皺部分に折り曲げに対する応力が集中するために耐屈曲性が悪くなる場合がある。また、熱拡散性、電気伝導度、引っ張り強度などグラファイトフィルムの優れた特性が損なわれる原因となる。
密度の小さなグラファイト化処理後フィルムは、波打ちが多いため後圧延工程すると折れ皺(巻き込み皺)を発生させる場合がある。しかしながら、後面状加圧工程では、面状に加圧するために、このような折れ皺(巻き込み皺)は発生し難い。
<用途など>
柔軟性、電気伝導性にも優れるため、この特徴を活かした用途には特に適している。グラファイトフィルムの熱伝導に優れるという特徴は、熱を移動させる、熱を逃がす、熱を広げる、熱を均一にする、熱応答を早くする、早く暖める、早く冷ますといった効果が必要な用途には適している。熱を瞬時に広げることで急激な温度変化を防止緩和したり、局所的な熱の集中を回避したりすることが可能である。またその逆で、急激な変化を起こさせたり、わずかな熱の変化を検知したりする用途に使用することが可能である。熱が緩和されることで高温環境化においても強度、接着性を確保できる。また、均一かつ正確に熱を伝えることにより、高精度、高品位、高画質といった特性改善も可能になる。製造装置に用いた場合には、熱を早く、大量に輸送できる特長を活かし、タクトタイム短縮、加熱・冷却効率改善、乾燥効率改善、高速化、待ち時間短縮といった生産性の向上が可能になる。また、熱の均一化や素早い輸送により、不良低減、保温機能も高めることが可能となる。また、様々な機器に採用することで、省スペース化、薄膜化、軽量化、機構の単純化、設置の自由度改善を可能とし、余計な部品を無くすことで、省電力化、静音化も可能となる。また、熱を逃がすことが可能なため、ヒートサイクル環境試験やアニ−ル処理でも特性劣化なく、半田耐熱、接着層の密着性、耐熱性、信頼性、耐久性が改善でき、また断熱性を高めたり、熱に弱い部品から守ったりすることも可能となる。その結果、メンテナンスレス、コストダウンにつながり、安全性も改善することが可能となる。
具体的な用途として、以下のものがあげられる。例えば、サーバー、サーバー用パソコン、デスクトップパソコン、ワードプロセッサ、キーボード、ゲーム等の電子機器、ノートパソコン、電子辞書、PDA、携帯電話、携帯ゲーム機器、ポータブル音楽プレイヤー等の携帯電子機器。液晶ディスプレイ、透過型液晶表示装置、反射型LCDパネル、プラズマディスプレイ、SED、LED、有機EL、無機EL、液晶プロジェクター、リアプロジェクター、液晶パネル、バックライト装置(ばらつき防止、温度ムラ改善)、TFT基板、電子放出素子、電子源基板とフェースプレート(軽量化)、表示パネルフレームとの複合、発光素子、電荷注入型発光素子、時計等の光学・表示機器及びその部品。レーザー、半導体レーザー、発光ダイオード、蛍光灯、白熱電球、発光ドット、発行素子アレー、照明ユニット、平面発光装置、原稿照明装置等の発光・照明装置。インクジェット(熱エネルギーを利用してインクを途出する)用の単体もしくは複数からなる記録ヘッド(ヒーター、断熱材、蓄熱層等)、ラインヘッド、長尺インクヘッド、固体インクジェット装置、インクジェットヘッド用放熱板、インクカートリッジ、インクジェットヘッド用シリコン基板、インクジェット駆動ドライバ、インクジェット記録紙を加熱するための加熱源(ハロゲンランプヒータ)等のインクジェットプリンタ(インクヘッド)装置及びその部品。トナーカートリッジ、レーザー光源を有する装置、走査光学装置(光線出射ユニット、偏向走査ポリゴンミラー、ポリゴンミラー回転駆動モーター、感光体ドラムへ導く光学部品)、露光装置、現像装置(感光ドラム、光受容部材、現像ローラ、現像スリーブ、クリーニング装置)、転写装置(転写ロール、転写ベルト、中間転写ベルト等)、定着装置(定着ロール(芯、外周部材、ハロゲンヒーター等)、サーフヒーター、電磁誘導加熱ヒーター、セラミックヒーター、定着フィルム、フィルム加熱装置、加熱ローラ、加圧ローラ・加熱体、加圧部材、ベルトニップ)、シート冷却装置、シート載置装置、シート排出装置、シート処理装置等からなる電子写真装置・画像形成装置及びその部品。定着装置ではグラファイトフィルムの使用による熱特性の改善効果は顕著であり、幅方向の画質ムラ、画質欠陥、連続通紙における画質バラツキ、立ち上がり・下がり時間、リアルタイム対応、温度の高追従性、通紙部と非通紙部の温度差、皺、強度、省電力、オンデマンド加熱、高温オフセット及び低温オフセット、ヒーター周辺部材の過昇温、ヒーター割れが大幅に改善できる。熱転写式記録装置(リボン)、ドットプリンタ、昇華プリンタ等のその他記録装置。半導体素子、半導体パッケージ、半導体封止ケース、半導体ダイボンディング、液晶表示素子駆動用半導体チップ、CPU、MPU、メモリ、パワートランジスタ、パワートランジスタケース等の半導体関連部品。プリント基板、リジッド配線板、フレキシブル配線板、セラミック配線板、ビルドアップ配線板、実装基板、高密度実装プリント基板、(テープキャリアパッケージ)、TAB、ヒンジ機構、摺動機構、スルーホール、樹脂パッケージング、封止材、多層樹脂成形体、多層基板等の配線基板。CD、DVD(光ピックアップ、レーザー発生装置、レーザー受光装置)、ブルーレイディスク、DRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、光記録再生装置、磁気記録再生装置、光磁気記録再生装置、情報記録媒体、光記録ディスク、光磁気記録媒体(透光性基板、光干渉層、磁壁移動層、中間層、記録層、保護層、放熱層、情報トラック)、受光素子、光検出素子、光ピックアップ装置、磁気ヘッド、光磁気記録用磁気ヘッド、半導体レーザチップ、レーザダイオード、レーザー駆動IC等の記録装置、記録再生装置及びその部品。デジタルカメラ、アナログカメラ、デジタル一眼レフカメラ、アナログ一眼レフカメラ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ一体型VTR用、カメラ一体型VTR用IC、ビデオカメラ用ライト、電子閃光装置、撮像装置、撮像管冷却装置、撮像装置、撮像素子、CCD素子、レンズ鏡筒、イメージセンサ及びそれを用いた情報処理装置、X線吸収体パターン、X線マスク構造体、X線撮影装置、X線露光装置、X線平面検出器、X線デジタル撮影装置、X線エリアセンサー基板、電子顕微鏡用試料冷却ホルダ、電子ビーム描画装置(電子銃、電子銃、電子ビーム描画装置)、放射線検出装置及び放射線撮像システム、スキャナー、画像読取装置、動画用撮像素子と静止画用撮像素子、顕微鏡等の画像記録装置及びその部品。アルカリ電池、マンガン電池等の一次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素、鉛蓄電池等の二次電池、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、組電池、太陽電池、太陽電池モジュール設置構造体、光電変換基板、光起電力素子アレー、発電素子、燃料電池(発電セル、筐体外部、燃料タンク内部)等のバッテリー機器等の放熱材料。電源(整流ダイオード、トランス)、DC/DCコンバータ、スイッチング電源装置(フォワード型)、電流リ−ド、超電導装置システム等の電源及びその部品。モーター、リニアモーター、平面モーター、振動波モーター、モーターコイル、回転制御駆動用の回路ユニット、モータドライバ、インナーロータモーター、振動波アクチュエーター等のモーター及びその部品。真空処理装置、半導体製造装置、蒸着装置、薄膜単結晶半導体層製造装置、プラズマCVD、マイクロ波プラズマCVD、スパッタリング装置、減圧チャンバー、真空ポンプ、クライオトラップ・クライオポンプ等の真空排気装置、静電チャック、真空バキュームチャック、ピンチャック型ウエハチャック、スパッタリング用ターゲット、半導体露光装置、レンズ保持装置及び投影露光装置、フォトマスク、等の堆積膜製造装置(温度一定、品質安定)及びその部品。抵抗加熱・誘導加熱・赤外線加熱による熱処理装置、乾燥機、アニール装置、ラミネート装置、リフロー装置、加熱接着(圧着)装置、射出成型装置(ノズル・加熱部)、樹脂成形金型、LIM成型、ローラ成型装置改質ガス製造(改質部、触媒部、加熱部等)スタンパ、(フィルム状、ロール状、記録媒体用)、ボンディングツール、触媒反応器、チラー、カラーフィルタ基板の着色装置、レジストの加熱冷却装置、溶接機器、磁気誘導加熱用フィルム、結露防止ガラス、液体残量検知装置、熱交換装置等の種々製造装置及びその部品。断熱材、真空断熱材、輻射断熱材等の断熱装置。各種電子・電気機器、製造装置のシャーシ、筐体、外装カバー。放熱器、開口部、ヒートパイプ、ヒートシンク、フィン、ファン、放熱用コネクタ等の放熱部品。ペルチェ素子、電気熱変換素子、水冷部品等の冷却部品。温度調節装置、温度制御装置、温度検出装置及び部品。サーミスタ、サーモスイッチ、サーモスタット、温度ヒューズ、過電圧防止素子、サーモプロテクタ、セラミックヒーター、フレキシブルヒーター、ヒーターと熱伝導板と断熱材の複合品、ヒーターコネクタ・電極端子部品等の発熱体関連部品。高放射率を有する放射部品、電磁波遮蔽、電磁波吸収体等の電磁シールド部品、アルミ、銅、シリコン等の金属との複合品、窒化ケイ素、窒化ホウ素、アルミナ等のセラミックとの複合品として好適である。
以下において、本発明の種々の実施例がいくつかの比較例と共に説明される。
[ポリイミドフィルムAの作製方法]
4,4’−オキシジアニリンの1当量を溶解したDMF(ジメチルフォルムアミド)溶液に、ビロメリット酸二無水物の1当量を溶解してポリアミド酸溶液(18.5wt%)を得た。
この溶液を冷却しながら、ポリアミド酸に含まれるカルボン酸基に対して、1当量の無水酢酸、1当量のイソキノリン、およびDMFを含むイミド化触媒を添加し脱泡した。次にこの混合溶液が、乾燥後に所定の厚さになるようにアルミ箔上に塗布した。アルミ箔上の混合溶液層を、熱風オーブン、遠赤外線ヒーターを用いて乾燥した。
以下に出来上がり厚みが75μmの場合におけるフィルム作製をする場合の乾燥条件を示す。アルミ箔上の混合溶液層は、熱風オーブンで120℃において240秒乾燥して、自己支持性を有するゲルフィルムにした。そのゲルフィルムをアルミ箔から引き剥がし、フレームに固定した。さらに、ゲルフィルムを、熱風オーブンにて120℃で30秒、275℃で40秒、400℃で43秒、450℃で50秒、および遠赤外線ヒーターにて460℃で23秒段階的に加熱して乾燥した。
なお、その他厚みのフィルムを作製する場合には、厚みに比例して焼成時間を調整した。例えば厚さ50μmのフィルムの場合には、75μmの場合よりも焼成時間を2/3倍に、125μmのフィルムの場合には、5/3倍に設定した。なお、厚みが厚い場合には、ポリイミドフィルムの溶媒やイミド化触媒蒸発による発泡を防ぐために低温での焼成時間を十分とる必要がある。

<各種物性測定条件>
<グラファイト化処理後フィルムの厚み測定>
グラファイト化処理後フィルムの厚みの測定方法としては、10cm×10cmのフィルムを厚みゲージ(ハイデンハイン(株)社製、HEIDENHAIN−CERTO)を用い、室温25℃の恒温室にて測定した。測定箇所は、グラファイトフィルムの左下の末端を(0,0)とした場合、(1,1)、(1,5)、(1,9)、(5,1)、(5,5)、(5,9)、(9,1)、(9,5)、(9,9)の9点を測定し、平均して測定値とした(図3)。
<グラファイト化処理後フィルムの密度測定>
グラファイト化処理後フィルムの密度は、10cm角のグラファイト化処理後フィルムの重量(g)をグラファイト化処理後フィルムの縦(10cm)、横(10cm)、厚みの積で算出した体積(cm)の割り算により算出された。
<グラファイト化処理後フィルムの面方向の熱拡散率測定>
グラファイト化処理後フィルムの面方向の熱拡散率測定は、光交流法による熱拡散率測定装置(アルバック理工(株)社から入手可能な「LaserPit」)を用いて、グラファイトフィルムを4×40mmのサンプル形状に切り取り、20℃の雰囲気下、10Hzにおいて測定された。
<グラファイトフィルムの厚み測定>
グラファイトフィルムの厚みの測定方法としては、10cm×10cmのフィルムを厚みゲージ(ハイデンハイン(株)社製、HEIDENHAIN−CERTO)を用い、室温25℃の恒温室にて測定した。測定箇所は、グラファイトフィルムの左下の末端を(0,0)とした場合、(1,1)、(1,5)、(1,9)、(5,1)、(5,5)、(5,9)、(9,1)、(9,5)、(9,9)の9点を測定し、平均して測定値とした。<グラファイトフィルムの密度測定>
グラファイトフィルムの密度は、10cm角のグラファイトフィルムの重量(g)をグラファイトフィルムの縦(10cm)、横(10cm)、厚みの積で算出した体積(cm)の割り算により算出された。
<グラファイトフィルムのMIT耐屈曲試験>
厚みが50μm、75μmの原料フィルムを使用したグラファイトフィルムのMIT耐屈曲試験の条件は次の通りである。グラファイトフィルムを1.5×10cmにカットし、東洋精機(株)製のMIT耐揉疲労試験機型式Dを用いて、試験荷重100gf(0.98N)、速度90回/分、折り曲げクランプの曲率半径Rは2mmでおこなった。折り曲げ角度は左右へ135°で測定した。なお、スプリングはφ14mmのものを使用した。
厚みが25μm、125μmの原料フィルムを使用したグラファイトフィルムのMIT耐屈曲試験の条件は、折り曲げ角度は左右へ90°で測定したこと以外は上記条件と同様にして測定した。
<グラファイトフィルムの厚みムラ>
グラファイトフィルムの厚みムラは、グラファイトフィルムの厚み測定で測定した9点の最大値と最小値の差で評価した。厚みの差が0〜3μmを◎、3〜5μmを○、5〜7μmを△、7μmより大きい場合は×とした。
<グラファイトフィルムの折れ皺(巻き込み皺)>
グラファイトフィルムの折れ皺(巻き込み皺)は、目視にて実施した。折れ皺が確認されないものを○、5cm未満の折れ皺が確認できるものを△、5cm以上の折れ皺が確認できるものを×とした。

(実施例1)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで2℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(実施例2)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(実施例3)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで5℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(実施例4)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで10℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(実施例5)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで2℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(実施例6)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(実施例7)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで5℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(実施例8)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで10℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(実施例9)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧延ローラを用いて後圧延工程を実施した。
(実施例10)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧延ローラを用いて後圧延工程を実施した。
(実施例11)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は2MPaとした。
(実施例12)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は5MPaとした。
(実施例13)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は5MPaとした。
(実施例14)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は20MPaとした。
(実施例15)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は20MPaとした。
(実施例16)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は40MPaとした。
(実施例17)
厚さ25μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで0.5℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで10℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(実施例18)
厚さ125μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで5℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで1℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。

(比較例1)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで1℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで5℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(比較例2)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで5℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(比較例3)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで15℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで0.5℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(比較例4)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで1℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで5℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(比較例5)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで5℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(比較例6)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで15℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで0.5℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧縮成型機を用いて後面状加圧工程を実施した。加えた圧力は10MPaとした。
(比較例7)
厚さ50μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで5℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧延ローラを用いて後圧延工程を実施した。
(比較例8)
厚さ75μmのポリイミドフィルムA(PI−A)(縦200mm×横200mm)を黒鉛板に挟み、電気炉を用いて、1000℃まで2℃/minで昇温して炭化処理をおこなった。炭化処理により得られた炭化フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み250μmの膨張黒鉛シートで上下から挟み、グラファイト化炉を用いて2900℃まで5℃/minで昇温してグラファイト化処理をおこなった。室温まで冷却後、熱処理後のグラファイト化処理後フィルムを、縦250mm×横250mm×厚み125μmのポリイミドフィルムで上下から挟み圧延ローラを用いて後圧延工程を実施した。

発明者・出願人が測定した実施例、比較例で使用したグラファイト化処理後フィルムおよび圧縮後のグラファイトフィルムの各種物性を、表1にまとめた。
Figure 2009292694
<グラファイトフィルムのMIT耐屈曲試験>
MIT耐屈曲試験の結果、破断までの折り曲げ回数は実施例1〜18は1000回以上であり、比較例1〜8は500回未満であり、密度が、0.70g/cm以上・1.68g/cm以下のグラファイト化処理後フィルムに対して、(1)グラファイト化処理後フィルムを面状に加圧する後面状加圧工程、または(2)グラファイト化処理後フィルムを圧延する後圧延工程を実施することで優れた耐屈曲性を示すグラファイトフィルムが得られた。
●グラファイト化処理後フィルムの密度と耐屈曲性
・原料厚みが50μmのポリイミドフィルム
実施例1〜4および比較例1〜3を比較すると、グラファイト化処理後の密度が0.70g/cm以上・1.68g/cm以下の範囲にあると折り曲げ回数1000回以上である。さらに密度が0.70g/cm以上1.50g/cm以下の範囲にあると、折り曲げ回数10000回以上と非常に優れた耐屈曲性を示すことがわかる。このような密度となるように調製されたグラファイト化処理後フィルムは、グラファイト層の面方向への成長が非常に優れているために、圧縮処理を施すことで非常に優れた耐屈曲性を示す。
一方、グラファイト化処理後フィルムの密度が、0.70g/cmより小さい場合、比較例1〜2のように発泡の程度が大きすぎてグラファイト層が破壊されているために、耐屈曲性の悪いグラファイトフィルムとなる。また、グラファイト化処理後フィルムの密度が1.68g/cmより大きい場合であると、比較例3のように発泡の程度が小さすぎて耐屈曲性の悪くなる。
・原料厚みが75μmのポリイミドフィルム
実施例5〜8および比較例4〜6を比較しても、原料厚みが50μmのポリイミドフィルムの場合と同様の傾向にあることがわかる。
・後圧延工程の場合
後圧延工程を施した実施例9〜10および比較例7〜8を比較しても、グラファイト化処理後フィルムの密度が、0.70g/cm以上・1.68g/cm以下の範囲にあると耐屈曲性が高いことがわかる。
●後圧延工程および後面状加圧工程と耐屈曲性
・原料厚みが50μmのポリイミドフィルム
熱処理して得られたグラファイト化処理後フィルムを後面状加圧工程した実施例2と、同じ密度のグラファイト化処理フィルムを後圧延工程した実施例9を比較すると、後面状加圧工程を施した方が折り曲げ回数が多いことがわかる。
これは、後圧延工程ではグラファイト化処理後フィルムを、ステンレス製の2本のローラーを通すため、ローラーとの接触部で線状に圧力が加わることでグラファイトフィルムが引き伸ばされ、平面状に形成されているグラファイト層が破壊され耐屈曲性が低下したものと思われる。
また、後圧延工程したグラファイトフィルムは、折れ皺(巻き込み皺)や厚みバラツキが多く、皺や厚みバラツキのような不均一な部分に折り曲げに対する応力が集中するために耐屈曲性が悪くなったと思われる。
また、後圧延工程では、圧縮圧力を大きくすることが難しいため、十分に圧縮できなかったのも耐屈曲性が悪い要因と考えられる。
・原料厚みが75μmのポリイミドフィルム
実施例6および実施例10を比較しても、原料厚みが50μmのポリイミドフィルムの場合と同様の傾向にあることがわかる。
●後面状加圧工程の圧縮圧力と耐屈曲性
・原料厚みが50μmのポリイミドフィルム
実施例2、11、12、14、16を比較すると後面状加圧工程の圧力が、2MPa以上であると、折り曲げ回数1000回以上である。さらに圧力が4MPa以上であると、折り曲げ回数5000回以上、8MPa以上であると10000以上と非常に優れた耐屈曲性を示すことがわかる。このように、後面状加圧工程の圧縮圧力が大きいほど、耐屈曲性は向上する。
・原料厚みが75μmのポリイミドフィルム
実施例6、13、15を比較しても、原料厚みが50μmのポリイミドフィルムの場合と同様の傾向にあることがわかる。
<グラファイトフィルムの熱拡散率測定>
●グラファイト化処理後フィルムの密度と熱拡散率
・原料厚みが50μmのポリイミドフィルム
実施例1〜4および比較例1〜3を比較するとグラファイト化処理後フィルムの密度が小さい場合(発泡の程度が大きい場合)、熱拡散率は悪くなることがわかる。本発明のように従来よりグラファイト化処理後フィルムの発泡の程度を抑えることで(密度を大きくなるようにグラファイト化処理フィルムを調製することで)グラファイトフィルムの熱拡散性を向上させることができる。
・原料厚みが75μmのポリイミドフィルム
実施例5〜8および比較例4〜6を比較しても、原料厚みが50μmのポリイミドフィルムの場合と同様の傾向にあることがわかる。
<グラファイトフィルムの厚みムラ>
●グラファイト化処理後フィルムの密度と厚みムラ
・原料厚みが50μmのポリイミドフィルム
実施例1〜4および比較例1〜3を比較すると、グラファイト化処理後の密度が0.7g/cm以上1.68g/cm以下の範囲にあると、グラファイト化処理後フィルムの厚みバラツキが少ないために非常に圧縮処理しやすく、圧縮後のグラファイトフィルムの厚みムラも非常に少ない。グラファイト化処理後フィルムの密度が小さくなると(発泡の程度が大きくなると)、グラファイト化処理後フィルムの厚みバラツキが多くなるために、圧縮後のグラファイトフィルムの厚みムラも多くなる。また、グラファイト化処理後フィルムの密度が大きすぎる場合は、フィルムが硬く、圧縮し難いために圧縮後のグラファイトフィルムの厚みムラは多くなる。
・原料厚みが75μmのポリイミドフィルム
実施例5〜8および比較例4〜6を比較しても、原料厚みが50μmのポリイミドフィルムの場合と同様の傾向にあることがわかる。
●後圧延工程および後面状加圧工程と厚みムラ
・原料厚みが50μmのポリイミドフィルム
熱処理して得られたグラファイト化処理後フィルムを後面状加圧工程した実施例2と、同じ密度のグラファイト化処理フィルムを後圧延工程した実施例9を比較すると、後圧延工程を施した方が厚みムラが多いことがわかる。
これは、後圧延工程ではグラファイト化処理後フィルムを、ステンレス製の2本のローラーを通すため、ローラーとの接触部で線状に圧力が加わえながら圧縮するために、均一に圧力を加えることが難しくためである。
・原料厚みが75μmのポリイミドフィルム
実施例6および比較例10を比較しても、原料厚みが50μmのポリイミドフィルムの場合と同様の傾向にあることがわかる。
●後面状加圧工程の圧縮圧力と厚みムラ
・原料厚みが50μmのポリイミドフィルム
実施例2、11、12、14、16を比較すると後面状加圧工程の圧力が、高くなるほど厚みムラが少なくなることがわかる。
・原料厚みが75μmのポリイミドフィルム
実施例10、13、15を比較しても、原料厚みが50μmのポリイミドフィルムの場合と同様の傾向にあることがわかる。
<グラファイトフィルムの折れ皺(巻き込み皺)>
●後圧延工程および後面状加圧工程と折れ皺
・原料厚みが50μmのポリイミドフィルム
熱処理して得られたグラファイト化処理後フィルムを後面状加圧工程した実施例2と、同じ密度のグラファイト化処理フィルムを後圧延工程した実施例9を比較すると、後面状加圧工程を施したものは、折れ皺(巻き込み皺)が発生していないものの、後圧延処理を実施したものは、特にグラファイト化処理後フィルムの密度が小さいほど、折れ皺(巻き込み皺)が発生していた。
これは、後圧延工程ではグラファイト化処理後フィルムを、ステンレス製の2本のローラーを通すため、グラファイト化処理後フィルムの波打ち皺を巻き込んで大きな折れ皺を発生させてしまったからである。
・原料厚みが75μmのポリイミドフィルム
実施例6、10を比較しても、原料厚みが50μmのポリイミドフィルムの場合と同様の傾向にあることがわかる。

以上のように、本発明のグラファイトフィルムは、屈曲部分での使用に耐えうる優れた耐屈曲性と発熱部位から熱を速やかに拡散できる優れた熱拡散性を合わせ持っていることがわかる。特に実施例1〜3、5〜7、14〜16は優れた耐屈曲性、熱拡散性を有している。
グラファイト化処理フィルムの断面模式図 圧縮処理後のグラファイトフィルムの断面模式図 厚み測定点
符号の説明
11 グラファイト層
12 グラファイトフィルムの面方向
31 各測定点
32 基準点(0,0)

Claims (7)

  1. 厚み5μm以上250μm以下の高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理するグラファイト化工程と後処理工程を含むグラファイトフィルムの製造方法において、
    前記グラファイト化処理後フィルムの密度が、0.7g/cm以上1.68g/cm以下であり
    前記後処理工程が、グラファイト化処理後フィルムを面状に加圧する後面状加圧工程であることを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法。
  2. 前記後面状加圧工程を施して得られるグラファイトフィルムの密度が、1.5g/cm以上2.20g/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  3. 厚み5μm以上250μm以下の高分子フィルムを2400℃以上の温度で熱処理するグラファイト化工程と後処理工程を含むグラファイトフィルムの製造方法において、
    前記グラファイト化処理後フィルムの密度が、0.7g/cm以上1.68g/cm以下であり
    前記後処理工程が、グラファイト化処理後フィルムを圧延する後圧延工程であることを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法。
  4. 前記後圧延工程を施して得られるグラファイトフィルムの密度が、1.5g/cm以上2.20g/cm以下であることを特徴とする請求項3に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  5. 前記後面状加圧工程において、前記グラファイト化処理後フィルムを面状に圧力2MPa以上40MPa以下で加圧することを特徴とする請求項1又は2に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  6. 前記後面状加圧工程において、前記グラファイト化処理後フィルムを面状に圧力が4MPa以上20MPa以下であることを特徴とする請求項1、2、5のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
  7. 前記グラファイトフィルムの面方向の熱拡散率が7.0×10−4/s以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
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