JP2009291002A - インホイールモータ冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インホイールモータのモータ本体の冷却に用いるフィンに氷雪が付着し難くすることにより、当該モータ本体を効率的に冷却することができるインホイールモータ冷却装置を提供する。
【解決手段】第一インホイールモータ冷却装置は、オイルリザーバ310に貯留されるオイルを吸入して吐出することにより、モータ本体210にオイルを供給するオイルポンプ320と、オイルポンプ320に接続され、オイルポンプ320から吐出されたオイルが搬送される冷却油路361と、一端側がホイール2の外部に設けられ、他端側が冷却油路361の内部に設けられる第一フィン362、および第二フィン363と、第一フィン362、および第二フィン363を、オイルリザーバ310、モータ本体210、冷却油路361等の間を循環するオイルである循環オイルの温度に応じて、開いた姿勢と、閉じた姿勢と、の間で移動するアクチュエータ370と、を具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、インホイールモータ冷却装置に関し、より詳細には、オイルが貯留されるオイルリザーバとホイールを回転する回転駆動力を発生するモータ本体との間で当該オイルを循環させることにより当該モータ本体を冷却するインホイールモータ冷却装置において、当該モータ本体を効率的に冷却することができるインホイールモータ冷却装置に関する。
従来、インホイールモータにおいて、オイルが貯留されるオイルリザーバと、ホイールを回転する回転駆動力を発生するモータ本体と、の間で当該オイルを循環させることにより当該モータ本体を冷却する技術は公知である。
前記技術によるモータ本体の冷却は、車両が走行しているとき、前記オイルリザーバに貯留されるオイルを、前記オイルリザーバと前記モータ本体との間で循環させ続けることにより行われる。
この循環の過程において前記オイルリザーバに貯留されるオイルは、モータ本体に供給されたときに当該モータ本体の熱を吸収することにより昇温し、循環して再び当該モータ本体に供給されるまでの間に冷却(循環冷却)される。
しかし、前記循環冷却が不十分なため温度の高いオイルが前記モータ本体に供給されると、オイルによる前記モータ本体の熱の吸収率が悪化し、前記モータ本体が過熱状態になり得る。
そのため、前記モータ本体を効率的に冷却するためには、前記循環冷却を効率的に行うことにより、前記モータ本体の熱を吸収して昇温したオイルを十分に冷却する必要がある。
前記循環冷却を効率的に行うための技術は公知である。
例えば、特許文献1に記載のインホイールモータ冷却装置の如くである。
特許文献1に記載のインホイールモータ冷却装置は、ステータコイルが巻回され、ケース側に固定されるステータと、ケース側にベアリング支持され、ステータ内に設けられる中空円筒状のロータと、ケース側にベアリング支持されホイールが取り付けられるアウトプットフランジと、ロータ側に入力ギアが支持され、アウトプットフランジ側に出力ギアが支持され、ロータの中空部に配設される減速機と、ケース下部に設けられたオイルポンプと、前記ステータコイルに対向して吐出口が設けられ、ケース上部に形成された上部油路と、ケース側壁に設けられたプレートと、ケース側壁に設けられ、プレートとの間で側部油路を形成するフィン付き油路カバーと、入熱部がオイルガイドを配置した油路カバー内に設けられ、放熱部が油路カバー外に設けられたヒートパイプとを具備する。
特許文献1に記載のインホイールモータ冷却装置は、当該インホイールモータ冷却装置の軸方向長さを抑え、コンパクトで高いオイルの放熱性を得ようとするものである。
しかし、車両が雪上を走行しているとき、当該車両が跳ね上げた氷雪が、前記フィン、サスペンション等に付着し易い。
特に前記フィンは、表面積を大きくするために通常は入り組んだ形状をしているので、氷雪が前記フィンに付着してたまり易い。
氷雪が前記フィンに付着してたまると、前記フィンが放出する熱により氷雪が一部融解し、その後、凝固して硬い氷になる。
この硬い氷は、前記フィンに付着しつつ突出している。
このため、この硬い氷が前記フィンに付着したままの状態で車両が走行すると、この硬い氷が、サスペンションのストローク、操舵等で他の部品と干渉することにより、前記フィンが変形、破損する恐れがあるという問題を有する。
特開平4−185263号公報
本発明は以上の如き状況に鑑み、モータ本体を効率的に冷却することができるインホイールモータ冷却装置の提供をするものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
第1発明のインホイールモータ冷却装置は、ホイールの内部に設けられ、オイルが貯留されるオイルリザーバと前記ホイールを回転する回転駆動力を発生するモータ本体との間で前記オイルを循環させることにより、前記モータ本体を冷却するインホイールモータ冷却装置であって、前記オイルリザーバに貯留されるオイルを吸入して吐出することにより、前記モータ本体にオイルを供給するオイルポンプと、前記オイルポンプに接続され、前記オイルポンプから吐出されたオイルをモータ本体に案内する冷却油路と、一端側が前記ホイールの外部に設けられ、他端側が前記冷却油路の内部に設けられるフィンと、前記フィンを移動して、開いた姿勢または閉じた姿勢とするアクチュエータと、を具備し、前記フィンは、前記冷却油路に開閉方向へ摺動可能に取り付けられ、開いた姿勢では前記冷却油路の内部から前記ホイールの外部に向かって突出した状態となり、閉じた姿勢では前記冷却油路の内部に収納された状態となり、前記アクチュエータは、前記オイルリザーバと前記モータ本体との間を循環するオイルである循環オイルの温度が所定値以上のとき、前記フィンを移動して開いた姿勢とし、前記循環オイルの温度が所定値より低いとき、前記フィンを移動して閉じた姿勢とする。
第2発明のインホイールモータ冷却装置は、請求項1に記載の発明において、前記アクチュエータは、前記冷却油路の内部に設けられ、前記冷却油路の内部を搬送されるオイルである冷却オイルに接触する形状記憶合金と、前記フィンを閉じる方向に付勢するばねと、を具備し、前記形状記憶合金は、前記冷却オイルの温度が所定値以上のときに、前記フィンの他端側に当接しつつ伸長して前記フィンを開く方向へ移動して開いた姿勢とし、前記ばねは、前記冷却オイルの温度が所定値より低いときに、付勢力で前記フィンを閉じる方向へ付勢して移動し、閉じた姿勢とする。
第3発明のインホイールモータ冷却装置は、請求項1、または請求項2に記載の発明において、前記オイルポンプと前記モータ本体とを連通する供給油路と、前記モータ本体と前記オイルリザーバとを連通する排出油路と、一端が前記供給油路の途中に、他端が前記排出油路の途中に、それぞれ接続されるバイパス油路と、前記循環オイルの温度に係る情報を検出する温度センサと、前記バイパス油路の途中に設けられ、閉じているときに前記バイパス油路を閉塞し、開いているときに前記バイパス油路を開放する電磁開閉弁と、前記温度センサの検出値に基づいて前記電磁開閉弁を開閉する制御装置と、を具備し、前記制御装置は、前記温度センサから前記循環オイルの温度が所定値以上であることを示す信号を受信したとき、前記電磁開閉弁に、前記電磁開閉弁を閉じるように制御する信号を送信し、前記温度センサから前記循環オイルの温度が所定値より低いことを示す信号を受信したとき、前記電磁開閉弁に、前記電磁開閉弁を開くように制御する信号を送信する。
本発明は、モータ本体を効率的に冷却することができる、という効果を奏する。
[第一実施形態]
以下では、本発明に係るインホイールモータ冷却装置の第一実施形態である第一インホイールモータ冷却装置を説明する前に、図1、図2、および図3を用いて前記第一インホイールモータ冷却装置を具備するインホイールモータ1について説明する。
なお、図中同一、または相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さないものとする。
また、図1、図2(a)、図2(b)、図4、図5、図6、および図7における点線矢印の示す方向は、車両が走行しているときに、オイルが流れる方向である。
図1に示す如く、インホイールモータ1は、ホイール2の駆動源である。
ホイール2は、サスペンション3を介して車体(不図示)に取り付けられる。
インホイールモータ1は、ホイール2の内部に設けられる。
ホイール2の内部はホイール2のリム内周面で囲まれる空間を指す。
なお、インホイールモータ1の全体がホイール2の内部に設けられる必要はなく、インホイールモータ1の一部がホイール2の内部からはみ出す構成でもよい。
インホイールモータ1は、インホイールモータハウジング100、駆動装置、および第一オイル供給装置を具備する。
インホイールモータハウジング100は、インホイールモータ1の主たる構造体をなす部材である。
インホイールモータハウジング100の内部には前記駆動装置、および前記第一オイル供給装置が設けられる。
以下では、前記駆動装置について説明する。
前記駆動装置は、ホイール2を回転駆動するものであり、モータ本体210、駆動軸220、および減速機230を具備する。
モータ本体210は、インホイールモータ1のうちホイール2の駆動源としての機能を果たす主たる部分である。
モータ本体210は、モータケース211、ステータコア212、ロータ213、ギア214、およびステータコア212に巻回されるステータコイル(不図示)を具備する。
モータケース211は、モータ本体210の主たる構造体をなす部材である。
モータケース211の内部にはステータコア212、ロータ213、および前記ステータコイルが設けられる。
ロータ213には平歯車であるギア214が形成され、ロータ213とギア214とは一体的に回転する。
モータ本体210は、インバータ(不図示)により回転する(詳細には、当該インバータにより前記ステータコイルに三相交流が供給されて回転磁界が形成され、永久磁石を有するロータ213が当該回転磁界に引きつけられて回転することによりギア214が回転する)同期電動機である。
駆動軸220は、モータ本体210の回転駆動力が伝達されて回転する。
駆動軸220に形成される歯(不図示)と、モータ本体210のロータ213に形成されるギア214と、が噛合することにより駆動軸220とモータ本体210とが接続されており、モータ本体210(ギア214)が回転することにより駆動軸220が回転する。
減速機230は、駆動軸220の回転速度を減速するギア群(複数のギアの集合体)を具備する。
減速機230の入力側には駆動軸220が、減速機230の出力側にはハブ(不図示)が、それぞれ接続される。
駆動軸220の回転は、減速機230に入力されて減速機230のギア群で所定の減速比にて減速され、その後、前記ハブに出力される。
前記ハブは、ホイール2に取り付けられる。
モータ本体210において発生した回転駆動力は、駆動軸220→減速機230→前記ハブ→ホイール2の順で伝達されて、ホイール2が回転する。
なお、本発明はモータ本体の構成や減速機の構成について特に限定するものではない。
以下では、前記第一オイル供給装置について説明する。
図1に示す如く、前記第一オイル供給装置は、前記駆動装置(モータ本体210、および減速機230)にオイルを供給する。
前記第一オイル供給装置は、オイルリザーバ310、オイルポンプ320、吸入油路330、第一供給油路34a、第一排出油路35a、第二供給油路34b、第二排出油路35b、第三供給油路34c、冷却部360、第三排出油路35c、およびアクチュエータ370(図2(a)、および図2(b)参照)を具備する。
オイルリザーバ310には、モータ本体210、減速機230等の潤滑・冷却等に用いるオイルが貯留される。
オイルポンプ320は、オイルリザーバ310に貯留されるオイルを吸入して吐出する。
オイルポンプ320の入力軸(回転軸)は駆動軸220に接続される。
モータ本体210において発生した回転駆動力は、駆動軸220を介してオイルポンプ320に伝達されて、オイルポンプ320を駆動させる。
吸入油路330は、オイルリザーバ310とオイルポンプ320とを連通しており、オイルリザーバ310に貯留されるオイルをオイルポンプ320に案内している。
オイルポンプ320が駆動すると、オイルリザーバ310に貯留されるオイルが吸入油路330の内部を搬送されてオイルポンプ320に吸入される。
そして、オイルポンプ320は、この吸入したオイルを吐出する。
なお、本実施形態においてオイルポンプ320の入力軸は駆動軸220と別体で構成したが、本発明はこれに限定されず、一体で構成してもよい。
また、本発明はオイルポンプの構成について、モータ本体の回転を利用して駆動するものであれば特に限定するものではない。
第一供給油路34aは、オイルポンプ320とモータ本体210とを連通しており、オイルポンプ320から吐出されたオイルの一部が第一供給油路34aを通じてモータ本体210(モータケース211の内部の前記ステータコイル)に供給される。
つまり、オイルポンプ320から吐出されたオイルの一部は、第一供給油路34aの内部を搬送されて、その後、モータ本体210(モータケース211の内部の前記ステータコイル)に供給される。
第一排出油路35aは、モータ本体210とオイルリザーバ310とを連通しており、モータ本体210に供給されたオイルが第一排出油路35aを通じてオイルリザーバ310に排出される。
つまり、モータ本体210(モータケース211の内部の前記ステータコイル)に供給されたオイルは、第一排出油路35aの内部を搬送されて、その後、オイルリザーバ310に排出される。
第二供給油路34bは、オイルポンプ320と減速機230とを連通しており、オイルポンプ320から吐出されたオイルの一部は、第二供給油路34bを通じて減速機230に供給される。
つまり、オイルポンプ320から吐出されたオイルの一部は、第二供給油路34bの内部を搬送されて、その後、減速機230に供給される。
第二排出油路35bは、減速機230とオイルリザーバ310とを連通しており、減速機230に供給されたオイルは、第二排出油路35bを通じてオイルリザーバ310に排出される。
つまり、減速機230に供給されたオイルは、その後、第二排出油路35bの内部を搬送されてオイルリザーバ310に排出される。
第三供給油路34cは、オイルポンプ320と冷却部360とを連通しており、オイルポンプ320から吐出されたオイルの一部は、第三供給油路34cを通じて冷却部360に供給される。
つまり、オイルポンプ320から吐出されたオイルの一部は、第三供給油路34cの内部を搬送されて、その後、冷却部360に供給される。
以下では、冷却部360について説明する。
冷却部360は、オイルリザーバ310に貯留されるオイルを冷却する。
図1に示す如く、冷却部360は、インホイールモータハウジング100におけるサスペンション3側の側壁に設けられる。
図2(a)、および図2(b)に示す如く、冷却部360は、冷却油路361、第一フィン362、第二フィン363、およびヒートパイプ364を具備する。
冷却油路361は、(第三供給油路34cを介して)オイルポンプ320に接続され、オイルポンプ320から吐出されたオイルの一部は第三供給油路34cの内部を搬送され、その後、冷却油路361の内部に流入して冷却油路361の内部を搬送される。
冷却油路361の内部は、円柱状に形成され、サスペンション3側に一の内壁底面31aが、反サスペンション3側に他の内壁底面31bが、設けられる。
冷却油路361のサスペンション3側の外壁面31c、内壁底面31a、および内壁底面31bは、平行に設けられる。
冷却油路361のサスペンション3側の路壁31dには、冷却油路361の内部からホイール2のサスペンション3側外部に向かって貫通孔31eが形成される。
第一フィン362、および第二フィン363は、冷却油路361の内部を搬送されるオイルの熱をインホイールモータハウジング100(ホイール2)の外部に放出する。
第一フィン362は、その本体部分が略中空円筒状に形成される。
第一フィン362は、一端側がインホイールモータハウジング100(ホイール2)のサスペンション3側外部に設けられる。
第一フィン362は、他端側が冷却油路361の内部に設けられる。
第一フィン362は貫通孔31eに挿入されることにより、貫通孔31eに液密的かつ気密的に当接した状態を保持しつつ貫通孔31eに沿って進退移動可能に、冷却油路361に取り付けられる。
第一フィン362の一端には、環形の鍔部32aが形成される。
鍔部32aの径は、貫通孔31eの径よりも大きい。これにより、第一フィン362が貫通孔31eに沿って反サスペンション3側に移動していくと、鍔部32aと路壁31dとが当接して第一フィン362の反サスペンション3側への移動が停止する。つまり、鍔部32aは、第一フィン362の表面積を大きくすることにより第一フィン362による冷却性能を向上するのみならず、第一フィン362が反サスペンション3側に移動するときにストッパとしても作用する。
第一フィン362の他端側には、環形の鍔部32bが形成される。
鍔部32bの径は、貫通孔31eの径よりも大きい。これにより、第一フィン362がサスペンション3側に移動していくと、鍔部32bと路壁31dとが当接して第一フィン362のサスペンション3側への移動が停止する。つまり、鍔部32bは、第一フィン362がサスペンション3側に移動するときにストッパとして作用する。
鍔部32bの反サスペンション3側端部には、環形の鍔部32cが形成される。
鍔部32cは、冷却油路361の内壁側面31fに摺動可能に当接している。
鍔部32cの径は、貫通孔31eの径、および鍔部32bの径よりも大きい。
このように構成される第一フィン362は、鍔部32aが外壁面31cから離れる方向および鍔部32aが外壁面31cへ近づく方向へ移動可能に構成されており、鍔部32aが外壁面31cから離れるとともに、鍔部32bが路壁31dに当接した状態となる開いた姿勢と、鍔部32aが外壁面31cに当接するとともに、鍔部32bが路壁31dから離れた状態となる閉じた姿勢とをとることが可能となっている。
第二フィン363の本体部分は、略中空円筒状に形成される。
第二フィン363の一端側は、インホイールモータハウジング100(ホイール2)のサスペンション3側外部に設けられる。
第二フィン363の他端側は、冷却油路361の内部に設けられる。
第二フィン363は貫通孔31eに挿入される第一フィン362の内周面に沿って嵌装されることにより、第一フィン362の内周面に液密的かつ気密的に当接した状態を保持しつつ、第一フィン362の内周面に沿って進退移動可能に、(第一フィン362を介して)冷却油路361に取り付けられる(前述の第一フィン362の進退方向と同じ方向へ進退移動可能に、冷却油路361に取り付けられている)。
第二フィン363の一端は、第一フィン362の一端よりもサスペンション3側に設けられる。
第二フィン363の一端には、円盤形の蓋部33aが形成される。蓋部33aにより第二フィン363の一端は塞がれる。
蓋部33aは、第二フィン363の表面積を大きくすることにより、第二フィン363による冷却性能を向上する。
蓋部33aの径は、第一フィン362の鍔部32aの径と同程度の大きさである。これにより、第二フィン363が第一フィン362の内周面に沿って反サスペンション3側に移動していくと、蓋部33aと鍔部32aとが当接する。
第二フィン363の他端は、第一フィン362の他端よりも反サスペンション3側に設けられる。
第二フィン363の他端側には、環形の鍔部33bが形成される。
鍔部33bは、第一フィン362の他端よりも反サスペンション3側に設けられる。
鍔部33bの径は、第一フィン362の鍔部32bの径と同程度の大きさである。これにより、第二フィン363がサスペンション3側に移動していくと、鍔部33bと第一フィン362の他端(鍔部32c)とが当接する。
鍔部33bの反サスペンション3側端部には、環形の鍔部33cが形成される。
鍔部33cは、冷却油路361の内壁側面31fに摺動可能に当接している。
鍔部33cの径は、鍔部33cの径と同程度の大きさである。
このように構成される第二フィン363は、鍔部33aが外壁面31cから離れる方向および鍔部33aが外壁面31cへ近づく方向へ移動可能に構成されており、鍔部33aが外壁面31cから離れるとともに、鍔部33bが鍔部32bを介して路壁31dに当接した状態となる開いた姿勢と、鍔部33aが第一フィン362の鍔部32aを介して外壁面31cに当接するとともに、鍔部33bが路壁31dから離れた状態となる閉じた姿勢とをとることが可能となっている。
つまり、図2(a)に示す如く、第一フィン362の鍔部32bが冷却油路361の路壁31dに当接し、かつ、第一フィン362の他端(鍔部32c)が第二フィン363の鍔部33bに当接しているときの、第一フィン362、および第二フィン363の姿勢を、「開いた姿勢」とする。
「開いた姿勢」とは、フィンが冷却油路361の内部からホイール2の外部に向かって突出した状態となり、フィンに形成される鍔部32a・33bなどといった突起部等が、適宜、間隔を開けて配置されている姿勢である。このときには前記フィンの表面積は大きくなる。
図2(b)に示す如く、第一フィン362の鍔部32aが路壁31d、および第二フィン363の蓋部33aに当接しているときの、第一フィン362、および第二フィン363の姿勢を、「閉じた姿勢」とする。
「閉じた姿勢」とは、フィンが冷却油路361の内部に収納された状態となり、フィンに形成される鍔部32a・33bなどといった突起部等が、密接した姿勢である。このときには前記フィンの表面積は小さくなる
なお、蓋部33a、鍔部32a、および路壁31dの形状は、第一フィン362、および第二フィン363が前記閉じた姿勢にあるときに、鍔部32aが蓋部33a、および路壁31dに密接する形状であればよい。
例えば、蓋部33a、鍔部32a、および路壁31dの対向する面が平行な形状である。
また、本実施例は、第一フィン362と第二フィン363の二つのフィンを用いたが、本発明は、フィンの数について、特に限定するものではない。
また、本発明は、フィンの形状について、フィンが閉じた姿勢になるときに、フィンの表面積を大きくするためにフィンに形成される突起部等が、密接した形状になるものであればよい。
図2(a)に示す如く、第一フィン362、および第二フィン363が前記開いた姿勢にあるとき、第一フィン362、および第二フィン363がサスペンション3側に突出しており、蓋部33aと鍔部32aとの間、および鍔部32aと路壁31dとの間には、空間が生じる。
図2(b)に示す如く、第一フィン362、および第二フィン363が前記閉じた姿勢にあるとき、第一フィン362、および第二フィン363が前記開いた姿勢にあるときに比べて、サスペンション3側に突出しておらず、鍔部32aが蓋部33a、および路壁31dに密接している。
これにより、第一フィン362、および第二フィン363が前記開いた姿勢にあるときの方が、前記閉じた姿勢にあるときに比べて、インホイールモータハウジング100(ホイール2)の(サスペンション3側)外部の大気に接している第一フィン362、および第二フィン363の表面積が大きくなるので、第一フィン362、および第二フィン363による冷却性能が向上する。
なお、第一フィン362、および第二フィン363が前記開いた姿勢にあるときの蓋部33aと鍔部32aとの間、および鍔部32aと路壁31dとの間に生じる空間の大きさ(蓋部33aと鍔部32aとの間隔の広さ、および鍔部32aと路壁31dとの間隔の広さ)は必要に応じて決定される。
図2(a)、および図2(b)に示す如く、ヒートパイプ364は、冷却油路361の内部を搬送されるオイルの熱を移動する。
ヒートパイプ364は、円柱状に形成される。
ヒートパイプ364の一端側は、第二フィン363の内周面に液密的かつ気密的に当接するとともに、固定される。これによりヒートパイプ364と第二フィン363とは一体的に移動する。
ヒートパイプ364の他端側は、冷却油路361の内部に設けられる。
図1、図2(a)、および図2(b)に示す如く、
第三排出油路35cは、冷却油路361とオイルリザーバ310とを接続しており、冷却油路361に供給されたオイルは、第三排出油路35cを通じてオイルリザーバ310に排出される。
つまり、第三供給油路34cを通じて冷却油路361の内部に供給されたオイルは冷却油路361の内部を搬送されて、その後、第三排出油路35cの内部に流入する。そして、第三排出油路35cの内部を搬送されてオイルリザーバ310に排出される。
アクチュエータ370の詳細は後述する。
以下では、オイルの循環経路について説明する。
図3に示す如く、車両が走行しているとき(モータ本体210が回転しているとき)、オイルポンプ320が駆動して、オイルリザーバ310に貯留されるオイルが吸入油路330の内部を搬送されてオイルポンプ320に吸入される。そして、オイルポンプ320は、この吸入したオイルを吐出する。
オイルポンプ320により吐出されたオイルの一部は、第一供給油路34aの内部を搬送されてモータ本体210(モータケース211の内部のステータコイル)に供給される。このとき、オイルは前記ステータコイルの熱を吸収して昇温し、モータ本体210が冷却される。モータ本体210に供給されたオイルは、その後、第一排出油路35aの内部を搬送されて、オイルリザーバ310に排出される。
オイルポンプ320により吐出されたオイルの一部は、第二供給油路34bの内部を搬送されて減速機230に供給される。これにより減速機230(前記ギア群)が潤滑される。減速機230に供給されたオイルは、その後、第二排出油路35bの内部を搬送されてオイルリザーバ310に排出される。
オイルポンプ320により吐出されたオイルの一部は、第三供給油路34cの内部を搬送され、その後、冷却油路361の内部に流入して冷却油路361の内部を搬送される。
オイルが冷却油路361の内部を搬送されているとき、オイルの熱はヒートパイプ364を通じて移動して第一フィン362、および第二フィン363に到達し、第一フィン362、および第二フィン363から冷却油路361の外部に放出される。これによりオイルが冷却される。冷却油路361の内部を搬送されたオイルは、その後、第三排出油路35cの内部を搬送されて、オイルリザーバ310に排出される。
以上の如く、オイルは循環される。
このように、オイルリザーバ310、モータ本体210、冷却油路361等の間を循環するオイルを、循環オイルとする。
モータ本体210は、前記循環オイルにより熱を吸収されて冷却される。
車両が走行しているときは、このオイルの循環が繰り返される。
以下では、前記第一インホイールモータ冷却装置に備えられるアクチュエータ370について説明する。
図2(a)、および図2(b)に示す如く、アクチュエータ370は、第一フィン362、および第二フィン363を移動するための部材である。
アクチュエータ370は、形状記憶合金371、第一ばね372、および第二ばね373を具備する。
形状記憶合金371は、第二フィン363の鍔部33cと、冷却油路361の内壁底面31bとの間に設けられており、第二フィン363を開いた姿勢となる方向へ移動する。この場合、第二フィン363が開いた姿勢となる方向へ移動して鍔部33bが第一フィン362の鍔部32bに当接することにより、第一フィン362が第二フィン363と一体的に移動する。
形状記憶合金371は、コイル形の形状であり、冷却油路361の内壁側面31fに沿って巻回される。
形状記憶合金371は、前記循環オイル(冷却油路361の内部を搬送されるオイルである冷却オイル)に接触しており、前記冷却オイルの温度が所定値(形状記憶合金371の変態点)以上になると第一フィン362および第二フィン363の移動方向へ伸長する。
第一ばね372、および第二ばね373は、第一フィン362、および第二フィン363を閉じる側へ移動するための部材である。
第一ばね372は、コイルバネにより構成されており、第一フィン362の鍔部32bに外嵌されて、第一フィン362を閉じる方向(反サスペンション3側に移動する方向)へ付勢する。
第二ばね373は、コイルバネにより構成されており、第二フィン363の鍔部33bに外嵌されて、第二フィン363を閉じる方向(反サスペンション3側に移動する方向)へ付勢する。
図2(a)に示す如く、前記冷却オイルの温度が所定値以上になると、形状記憶合金371が伸長する。これにより、形状記憶合金371が第二フィン363の他端(鍔部33c)に当接しつつ伸長して、第一フィン362、および第二フィン363が開く方向へ移動(サスペンション3側に移動)するとともに、第一ばね372、および第二ばね373が短縮していく。そして、第一フィン362の鍔部32bが冷却油路361の路壁31dに当接し、かつ、第一フィン362の他端(鍔部32c)が第二フィン363の鍔部33bに当接して、第一フィン362、および第二フィン363の姿勢が、前記開いた姿勢になる(図2(b)に示す状態から図2(a)に示す状態となる)。
図2(b)に示す如く、前記冷却オイルの温度が所定値以下になると、第一ばね372、および第二ばね373の付勢力で第一フィン362、および第二フィン363が閉じる方向へ移動(反サスペンション3側に移動)するとともに、形状記憶合金371が短縮変形していく。そして、路壁31dに第一フィン362の鍔部32aが当接するとともに、第一フィン362の鍔部32aに第二フィン363の蓋部33aに当接して、第一フィン362、および第二フィン363の姿勢が、前記閉じた姿勢になる(図2(a)に示す状態から図2(b)に示す状態となる)。
所定値の前記冷却オイル(前記循環オイル)の温度(形状記憶合金371の変態点)は、第一フィン362、および第二フィン363に氷雪が付着しはじめるときの前記冷却オイル(前記循環オイル)の温度である。
例えば、路面に積雪がある位ホイール2の外部の温度が低い(例えば、0℃以下)ときに、路面の状態も考慮して車両が一般的な速度で走行するときの前記冷却オイル(前記循環オイル)の温度である。
以上の如く、前記第一インホイールモータ冷却装置は、
ホイール2の内部に設けられ、オイルが貯留されるオイルリザーバ310と、ホイール2を回転する回転駆動力を発生するモータ本体210と、の間で前記オイルを循環させることにより、モータ本体210を冷却する第一インホイールモータ冷却装置であって、
オイルリザーバ310に貯留されるオイルを吸入して吐出することにより、モータ本体210にオイルを供給するオイルポンプ320と、
オイルポンプ320に接続され、オイルポンプ320から吐出されたオイルをモータ本体210に案内する冷却油路361と、
一端側がホイール2の外部に設けられ、他端側が冷却油路361の内部に設けられる第一フィン362、および第二フィン363と、
第一フィン362、および第二フィン363を移動して、開いた姿勢または閉じた姿勢とするアクチュエータ370と、
を具備し、
第一フィン362、および第二フィン363は、冷却油路361に開閉方向へ摺動可能に取り付けられ、開いた姿勢では冷却油路361の内部からホイール2の外部に向かって突出した状態となり、閉じた姿勢では冷却油路361の内部に収納された状態となり、
アクチュエータ370は、
オイルリザーバ310、モータ本体210、冷却油路361等の間を循環するオイルである前記循環オイルの温度が所定値以上のとき、第一フィン362、および第二フィン363を移動して開いた姿勢とし、
前記循環オイルの温度が所定値より低いとき、第一フィン362、および第二フィン363を前記突出方向に後退移動することにより、第一フィン362、および第二フィン363を移動して閉じた姿勢とする。
これによれば、前記循環オイルの温度が、所定値以上のとき、アクチュエータ370は、第一フィン362、および第二フィン363を前記開いた姿勢にするため、前記閉じた姿勢のときに比べてホイール2外部の大気に接している第一フィン362、および第二フィン363の表面積が大きくなり、第一フィン362、および第二フィン363による前記循環オイルの冷却能力が向上する。
また、前記循環オイルの温度が、所定値以下のとき、つまり第一フィン362および第二フィン363に氷雪が付着しはじめるとき、アクチュエータ370は、第一フィン362、および第二フィン363を前記閉じた姿勢にするため、蓋部33a、鍔部32a、および路壁31dが密接する。よって、蓋部33aと鍔部32aとの間、および鍔部32aと路壁31dとの間に氷雪が入り込むことを回避できる。
また、第一フィン362、および第二フィン363が前記閉じた姿勢にあるとき、前述の如く、前記開いた姿勢のときに比べて第一フィン362、および第二フィン363による前記循環オイルの冷却能力が低下するため、モータ本体210の熱が前記循環オイルを介して第一フィン362、および第二フィン363から放出される量も低下して、モータ本体210の発熱によりインホイールモータ1全体の温度が上昇する。よって、前記閉じた姿勢にある第一フィン362、第二フィン363等に氷雪が付着しても、インホイールモータ1全体の温度が上昇することにより、この付着した氷雪は融けて落下する。
これにより、前記循環オイルの温度が所定値以上のときには、第一フィン362、および第二フィン363を前記開いた姿勢にすることにより、第一フィン362、および第二フィン363による前記循環オイルの冷却能力を発揮でき、前記循環オイルの温度が所定値以下のときには、第一フィン362、および第二フィン363を前記閉じた姿勢にすることにより、第一フィン362、第二フィン363等に氷雪が付着することを防止でき、モータ本体210を効率的に冷却することができる。
また、アクチュエータ370は、
冷却油路361の内部に設けられ、冷却油路361の内部を搬送されるオイルである冷却オイルに接触する形状記憶合金371と、
第一フィン362を閉じる方向に付勢勢する第一ばね372と、
第二フィン363を閉じる方向に付勢勢する第二ばね373と、
を具備し、
形状記憶合金371は、前記冷却オイルの温度が所定値以上のときに、第二フィン363の他端(鍔部33c)に当接しつつ伸長して第一フィン362、および第二フィン363を開く方向へ移動して開いた姿勢とし、
第一ばね372、および第二ばね373は、前記冷却オイルの温度が所定値より低いときに、付勢力で第一フィン362、および第二フィン363を閉じる方向へ付勢して移動し、閉じた姿勢とする。
これによれば、第一フィン362、および第二フィン363を、前記冷却オイルの温度に応じて前記開いた姿勢と、前記閉じた姿勢と、の間で移動するための装置構成において、前記循環オイル(前記冷却オイル)の温度を検出するためのセンサ類等を必要とせず、シンプルに構成できる。
なお、図4、および図5に示す如く、形状記憶合金371に代えて、電磁開閉弁37a、温度センサ(不図示)、および制御装置(不図示)を用いても良い。
具体的には、第三排出油路35cの途中に電磁開閉弁37aを設ける。
前記温度センサを、前記冷却オイル(前記循環オイル)の温度を検出可能な位置(例えば、冷却油路361の内部)に設ける。
そして、前記温度センサで前記冷却オイルの温度に係る情報を検出する。
そして、前記制御装置で、前記温度センサが取得した前記冷却オイルの温度に係る情報に基づいて、電磁開閉弁37aの開閉を制御する。
図4に示す如く、前記制御装置は、前記温度センサから前記冷却オイルの温度が所定値以上であることを示す情報を受信したときは、電磁開閉弁37aに、電磁開閉弁37aを閉じるように制御する信号を送信して、電磁開閉弁37aを閉じる。これにより、前記冷却オイルの圧力が上昇していき、第一フィン362、および第二フィン363が、前記冷却オイルの圧力により、第一ばね372、および第一ばね372の付勢力に抗して、開く方向へ移動していく。そして、第一フィン362、および第二フィン363の姿勢は、前記開いた姿勢になる。
図5に示す如く、前記制御装置は、前記温度センサから前記冷却オイルの温度が所定値より低いことを示す情報を受信したときは、電磁開閉弁37aに電磁開閉弁を開くように制御する信号を送信して、電磁開閉弁37aを開く。これにより、前記冷却オイルの圧力が低下していき、第一フィン362、および第二フィン363が、第一ばね372、および第一ばね372の付勢力により、前記冷却オイルの圧力に抗して、閉じる方向へ移動していく。そして、第一フィン362、および第二フィン363の姿勢は、前記閉じた姿勢になる。
以上の如く、形状記憶合金371に代えて、前記冷却オイルの圧力により第一フィン362、および第二フィン363を開く方向へ移動させて、前記開いた姿勢にしてもよい。
[第二実施形態]
以下では、図6、および図7を用いて本発明に係るインホイールモータ冷却装置の第二実施形態である第二インホイールモータ冷却装置について説明する。
図6、および図7に示す如く、インホイールモータ4は、前記第二インホイールモータ冷却装置を具備する。
前記第二インホイールモータ冷却装置は、バイパス油路410、温度センサ420、電磁開閉弁430、および制御装置440を具備する。
バイパス油路410は、第一供給油路34aの内部を搬送されるオイルを、モータ本体210をバイパスして第一排出油路35aの内部に案内する。
バイパス油路410は、一端が第一供給油路34aの途中に、他端が第一排出油路35aの途中に、それぞれ接続される。
これにより、オイルリザーバ310→吸入油路330→オイルポンプ320→第一供給油路34a→バイパス油路410→第一排出油路35a→オイルリザーバ310の順でオイルが循環することが可能である。つまり、オイルがオイルポンプ320から第一供給油路34aの内部に供給されたにもかかわらず、その後、モータ本体210に供給されずに循環されることが可能である。
温度センサ420は、冷却油路361の内部を搬送されるオイルの温度に係る情報を検出する。
本実施形態において、温度センサ420を冷却油路361の内部に配置するが、本発明はこれに限定されず、温度センサを配置する位置について、モータ本体、オイルリザーバ等を循環するオイルの温度に係る情報を検出できる位置であればよい。
電磁開閉弁430は、バイパス油路410の途中に設けられ、バイパス油路410を閉塞、または開放する。
電磁開閉弁430は、閉じているときにバイパス油路410を閉塞し、開いているときにバイパス油路410を開放する。
電磁開閉弁430は、閉じているときにおいて、適宜開くことにより、第一供給油路34aの内部を搬送されるオイルの圧力が所定値になるよう調圧する。
制御装置440は、温度センサ420の検出値に基づいて電磁開閉弁430を開閉する。
制御装置440は、実体的に、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで相互に接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
制御装置440には、後述する制御プログラムが格納され、このプログラム等を展開することができ、これらのプログラム等に従って所定の演算をおこなうことができる。
制御装置440は温度センサ420に接続され、温度センサ420から前記冷却オイルの温度に係る情報を受信することが可能である。
制御装置440は電磁開閉弁430に接続され、電磁開閉弁430に信号を送信することにより、電磁開閉弁430の開閉を制御することが可能である。
つまり、制御装置440から電磁開閉弁430を閉じるように制御する信号を送信することで電磁開閉弁430を閉じることができ、電磁開閉弁430を開くように制御する信号を送信することで電磁開閉弁430を開くことができる。
制御装置440を設ける位置については、車体に設けてもよく、特に限定されるものではない。
図6に示す如く、制御装置440は、温度センサ420から前記冷却オイルの温度が所定値(第一実施形態における所定値の前記冷却オイルの温度(形状記憶合金371の変態点)と同じ値、またはモータ本体210の耐熱性等を考慮して決定される温度であり第一実施形態における所定値とは異なる値)以上であることを示す情報を受信したとき、電磁開閉弁430に、該電磁開閉弁430を閉じるように制御する信号を送信して、電磁開閉弁430を閉じる。これにより、バイパス油路410が閉塞され、第一供給油路34aの内部を搬送されるオイルの全部がモータ本体210に供給される。
図7に示す如く、制御装置440は、温度センサ420から前記冷却オイルの温度が所定値より低いことを示す情報を受信したとき、電磁開閉弁430に、電磁開閉弁430を開くように制御する信号を送信して、電磁開閉弁430を開く。
これにより、バイパス油路410が開放され、第一供給油路34aの内部を搬送されるオイルの一部がモータ本体210に供給されるとともに、残部がバイパス油路410の内部を搬送される。このバイパス油路410の内部を搬送されるオイルは、その後、第一排出油路35aの内部を搬送されて、オイルリザーバ310に排出される。つまり、バイパス油路410の内部を搬送されるオイルは、モータ本体210に供給されずにオイルリザーバ310に排出される。
図6、および図7に示す如く、第二供給油路34bの途中にはオリフィス44bが設けられる。これにより、第二供給油路34bの内部を搬送されるオイルの流量が調整される。
バイパス油路410において、電磁開閉弁430の下流側には、オリフィス41bが設けられる。これにより、バイパス油路410の内部を搬送されるオイルの流量が調整される。
以上の如く、前記第二インホイールモータ冷却装置は、
オイルポンプ320とモータ本体210とを連通する第一供給油路34aと、
モータ本体210とオイルリザーバ310とを連通する第一排出油路35aと、
一端が第一供給油路34aの途中に、他端が第一排出油路35aの途中に、それぞれ接続されるバイパス油路410と、
前記冷却オイル(前記循環オイル)の温度に係る情報を検出する温度センサ420と、
バイパス油路410の途中に設けられ、閉じているときにバイパス油路410を閉塞し、開いているときにバイパス油路410を開放する電磁開閉弁430と、
温度センサ420の検出値に基づいて電磁開閉弁430を開閉する制御装置440と、
を具備し、
制御装置440は、
温度センサ420から前記冷却オイルの温度が所定値以上であることを示す信号を受信したとき、電磁開閉弁430に、電磁開閉弁430を閉じるように制御する信号を送信して電磁開閉弁430を閉じ、
温度センサ420から前記冷却オイルの温度が所定値より低いことを示す信号を受信したとき、電磁開閉弁430に、電磁開閉弁430を開くように制御する信号を送信して電磁開閉弁430を開く。
これによれば、前記冷却オイルの温度が所定値以上のとき、電磁開閉弁430が閉じてバイパス油路410が閉塞されることにより、第一供給油路34aの内部を搬送されるオイルの全部が、モータ本体210に供給されてモータ本体210の冷却に用いられる。前記冷却オイルの温度が所定値以下のとき、第一供給油路34aの内部を搬送されるオイルの一部は、モータ本体210に供給されてモータ本体210の冷却に用いられる。前記冷却オイルの温度が所定値以下のとき、第一供給油路34aの内部を搬送されるオイルの残部は、電磁開閉弁430が開いてバイパス油路410が開放されることにより、バイパス油路410の内部を搬送されるので、モータ本体210に供給されずモータ本体210の冷却に用いられない。このバイパス油路410の内部を搬送ささるオイルは、その後、第一排出油路35aの内部を搬送されて、オイルリザーバ310に排出される。
したがって、前記冷却オイルの温度が所定値以下のときの方が、前記冷却オイルの温度が所定値以上のときに比べて、モータ本体210に供給されるオイルの量が、(バイパス油路410の内部を搬送される分)少ないので、オイル(前記循環オイル)によるモータ本体210の冷却能力(モータ本体210にオイルを供給して、このオイルでモータ本体210の熱を吸収することによりモータ本体210を冷却する能力)が低下して、モータ本体210の発熱によりインホイールモータ1全体の温度が上昇する。よって、第一フィン362、第二フィン363等に氷雪が付着しても、インホイールモータ1全体の温度が上昇することにより、この付着した氷雪は融けて落下する。
これにより、前記循環オイルの温度が所定値以下のとき、前記循環オイルによるモータ本体210の冷却能力を、前記循環オイルの温度が所定値以上のときに比べて低下させることにより、第一フィン362、第二フィン363等に氷雪が付着することを防止でき、モータ本体210を効率的に冷却することができる。
また、第一実施形態、および第二実施形態において、路面に積雪があるような(外気が)低温のときで、かつ、車両の走行終了後にインホイールモータ1の温度が低いとき、モータ本体210が回転しないようにモータ本体210に電流を流して発熱させることにより、インホイールモータ1の温度を上昇させ、第一フィン362、第二フィン363等に付着した氷雪を融かして落下させてもよい。
さらに、減速機230のバックラッシュやたわみ分の、車両が動かない範囲の微振動(ガタ分の微振動)が発生するようにモータ本体210を制御し、第一フィン362、第二フィン363等に付着した氷雪を振るい落としてもよい。例えば、ブレーキアクチュエータ、または電動パーキングブレーキでホイール2が回転しないように制動をかける。
本発明に係るオイル供給装置の第一実施形態を採用するインホイールモータを示す概略構成図。 (a)図1の一部拡大図、(b)図1の一部拡大図。 図1に示すインホイールモータにおけるオイルの循環経路を示すブロック図。 本発明に係るインホイールモータ冷却装置の第一実施形態における別実施形態を示す概略構成図。 本発明に係るインホイールモータ冷却装置の第一実施形態における別実施形態の概略構成図。 本発明に係るインホイールモータ冷却装置の第二実施形態を示す概略構成図。 本発明に係るインホイールモータ冷却装置の第二実施形態を示す概略構成図。
符号の説明
2 ホイール
35a 第一排出油路
34a 第一供給油路
210 モータ本体
310 オイルリザーバ
320 オイルポンプ
361 冷却油路
362 第一フィン
363 第二フィン
370 アクチュエータ
371 形状記憶合金
372 第一ばね
373 第二ばね
410 バイパス油路
420 温度センサ
430 電磁開閉弁
440 制御装置

Claims (3)

  1. ホイールの内部に設けられ、オイルが貯留されるオイルリザーバと前記ホイールを回転する回転駆動力を発生するモータ本体との間で前記オイルを循環させることにより、前記モータ本体を冷却するインホイールモータ冷却装置であって、
    前記オイルリザーバに貯留されるオイルを吸入して吐出することにより、前記モータ本体にオイルを供給するオイルポンプと、
    前記オイルポンプに接続され、前記オイルポンプから吐出されたオイルを前記モータ本体に案内する冷却油路と、
    一端側が前記ホイールの外部に設けられ、他端側が前記冷却油路の内部に設けられるフィンと、
    前記フィンを移動して、開いた姿勢または閉じた姿勢とするアクチュエータと、
    を具備し、
    前記フィンは、前記冷却油路に開閉方向へ摺動可能に取り付けられ、開いた姿勢では前記冷却油路の内部から前記ホイールの外部に向かって突出した状態となり、閉じた姿勢では前記冷却油路の内部に収納された状態となり、
    前記アクチュエータは、
    前記オイルリザーバと前記モータ本体との間を循環するオイルである循環オイルの温度が所定値以上のとき、前記フィンを移動して開いた姿勢とし、
    前記循環オイルの温度が所定値より低いとき、前記フィンを移動して閉じた姿勢とするインホイールモータ冷却装置。
  2. 前記アクチュエータは、
    前記冷却油路の内部に設けられ、前記冷却油路の内部を搬送されるオイルである冷却オイルに接触する形状記憶合金と、
    前記フィンを閉じる方向に付勢するばねと、
    を具備し、
    前記形状記憶合金は、前記冷却オイルの温度が所定値以上のときに、前記フィンの他端側に当接しつつ伸長して前記フィンを開く方向へ移動して開いた姿勢とし、
    前記ばねは、前記冷却オイルの温度が所定値より低いときに、付勢力で前記フィンを閉じる方向へ付勢して移動し、閉じた姿勢とする請求項1に記載のインホイールモータ冷却装置。
  3. 前記オイルポンプと前記モータ本体とを連通する供給油路と、
    前記モータ本体と前記オイルリザーバとを連通する排出油路と、
    一端が前記供給油路の途中に、他端が前記排出油路の途中に、それぞれ接続されるバイパス油路と、
    前記循環オイルの温度に係る情報を検出する温度センサと、
    前記バイパス油路の途中に設けられ、閉じているときに前記バイパス油路を閉塞し、開いているときに前記バイパス油路を開放する電磁開閉弁と、
    前記温度センサの検出値に基づいて前記電磁開閉弁を開閉する制御装置と、
    を具備し、
    前記制御装置は、
    前記温度センサから前記循環オイルの温度が所定値以上であることを示す信号を受信したとき、前記電磁開閉弁に、前記電磁開閉弁を閉じるように制御する信号を送信し、
    前記温度センサから前記循環オイルの温度が所定値より低いことを示す信号を受信したとき、前記電磁開閉弁に、前記電磁開閉弁を開くように制御する信号を送信する請求項1、または請求項2に記載のインホイールモータ冷却装置。
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